アップル、デフォルトのメールやブラウザアプリの変更を許可

Apple(アップル)はひっそりと、モバイル版ChromeやGmail、Outlookのユーザーの生活を変える大きな発表をおこなった。同社はアプリのデフォルト設定に対する方針を変更し、ユーザーがメールアプリとブラウザアプリにサード製のアプリをデフォルトとして設定できるようにする予定だ。

アップルはこの変更がiPadOSとiOS 14で提供されると発表したが、これはおそらく、ユーザーがリンクをタップしたときにどのブラウザにリダイレクトされるのかを指定できることを意味する。同社が独自サービスのために何らかの機能を確保しているかどうかは、今後判明するだろう。キーノートではこの新機能は強調されず、数秒間表示された要約画面の下部中央にて示された。

これはアップルにとって大きな変化だが、ステージ上でこの点を強調しなかったのも当然だ。同社はサードパーティー製アプリをデフォルトとして使用するオプションをユーザーに提供することに、これまで消極的だった。ただし例外として、Google マップをアップルのアプリのデフォルトに設定できる設定は早い段階で導入された。

メールとブラウジングはモバイルデバイスの重要な機能で、今回のアップデートまでChromeやGmailのようなアプリをデフォルトに設定する機能がなかったのは驚くべきことだ。アップル自身が反トラスト法の議論の中心にいることの理由として、アプリのデフォルト設定が変更できないことは、同社が他社のサービスよりも自社のサービスを優先する手法として常に槍玉に挙げられてきた分野の一つだ。

この機能が具体的にどのようなものになるのか、どのようなサービスがサポートされるのかの詳細は不明だが、ベータ版が公開されれば多くの情報が得られるだろう。

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(翻訳:塚本直樹)

iOS 14はホーム画面にウィジェットが来るなど大幅アップデート

オンライン・オンリーで開催されたWWDCのキーノートで、Appleは今年後半にリリースされる予定のiOSのメジャーバージョンアップ、iOS 14について初めて公式に詳細を発表した。ビジュアルでいちばん目立つ変化は、ホーム画面にウィジェットが追加されることだ。

Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長、クレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)氏は「今年は、iPhoneの視覚的体験を再構築することに集中した。AppleはiOSのコアとなる要素のいくつかを再考した」と述べた。

周知のように、iOSにはすでに「今日」のビューでウィジェットを使っている。ウィジェットにアクセスするには、ホーム画面を左にスワイプすればよい。こうしたウィジェットは完全に新しく設計されており、 ディスプレイの全幅を使うものもあるし小さな正方形に制限できるものもある。ウィジェットは2列に表示できる。

しかしiOS 14ではウィジェットは「今日」のページに限定されない。「今日」からドラッグして、ホーム画面にドロップすることができる。 ホーム画面でアイコンを移動するときに新しく設けられたウィジェットギャラリーからウィジェットを追加できる。

 

ホーム画面の整理する場合、多くのユーザーが無数のアイコンを表示してしまうためかえってホーム画面を使いにくくしていることにAppleは気づいていた。そこでいくつかのスマートな整理機能が追加された。

フェデリギ氏は「今日のホーム画面の機能は素晴らしいが、アプリを追加するとすべて表示される。そのためページも増えていく」と述べている。

ホーム画面の最後にApp Libraryと呼ばれる新しいページが追加された。 ホーム画面に配置されないアプリはApple Arcadeなど、自動的にカテゴリ分類されてここに置かれる。

マルチタスクとホーム画面に関連する新機能のひとつは、iPadと同じようにiPhoneでピクチャーインピクチャーを使用できるようになった点だ。画面の隅にビデオを表示したままiPhoneで別の処理を行うことができる。

 

メッセージのグループ会話が改良された

Appleのメッセージは、WhatsApp、Telegramなど人気あるメッセージングアプリと競争するためにアップデートが必要だと以前からみられていた。今回、メッセージ・アプリを画面上部に固定して簡単にアクセスできるようになった。

会話機能そのもののアップデートとしては、個別のメッセージに返信できるようになった。また返信をタップして、会話を別のスレッドにすることができる。ユーザーは別のユーザーをメンションできるようになったので、「自分がメンションされたメッセージ」のみをフィルターして通知を受け取ることができる。

会話自体もさらにリッチ化され、写真や絵文字を挿入できるようになった。また、特定の連絡相手はアイコン表示される。メッセージに最も頻繁に現れる相手は大きなアイコンで表示される。

Appleの「ミー文字」には、新しい髪型、年齢、各種フェイスカバーなどの新しいオプションが追加された。 ハグする、こぶしバンプ、頬を赤らめるなどの新しい絵文字ステッカーも提供された。

マップなどのアプリ

Appleは地図アプリにも新機能を追加した。アメリカのマップは新データに更新されたが、他の国も独自データに基づくさらに優れたマップを展開する計画だという。イギリス、アイルランド、カナダでは新しくさらに詳細な地図が表示されるようになる。Appleは新しいデータセットによって新たな可能性を切り開く予定であり「これは最初のステップにすぎない」という。

バーチャル・カンファレンスにはマップのデザイン担当ディレクター、メグ・フロスト(Meg Frost)氏が登場し「iOS 14では、マップチームが信頼性の高いブランドと協力して各種のガイドを提供する予定だと述べた。フロスト氏にyろえばAppleマップは近々、AllTrailsやZagatなどの有名なソースからの情報をリアルタイムで見ることができるようになるという。

一部の都市では、Appleは移動手段に自転車を取り入れる予定だ。移動時間の推定には現地の標高も考慮される。自転車移動はまずニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、上海、北京に導入される。徒歩の経路案内では階段や急な坂道を避けるように設定することができる。

自動車のドライバー向けについてもEV向けルート設定や市街地の自動車進入制限情報の提供など機能が強化されている。自動車がCarPlayをサポートしている場合、駐車アプリ、EV充電アプリ、食品注文アプリなど、今後さらに多くのアプリが登場するはずだ。

iPhoneを車のキーとして使える機能を提供する自動車メーカーも出る。これには最新のiPhoneモデルのU1チップが利用される。iMessageを通じてこうした車のキーを送信し、自動車を友達と共有することができるようになるのは興味深い。

 

Siriと翻訳機能もリニューアル

Siriの精度にはややむらがあるが、Appleはこの音声アシスタントの改良を続けている。 Siriは起動時に画面全体を占有しなくなる。画面の下部にある小さなバブルで表示されるので画面の他の部分を隠さない。作動の結果は画面の上部に通知として表示される。

またSiriにiMessageでボイスメッセージを送るよう命令できるようになった。実は私自身はボイスメッセージが好きではないが、ディクテーションによるテキスト化が改善されている。音声の処理はローカルデバイス上で実行されるようになったのでスピードが改善されたはずだ。

Siriにはすでに単語の翻訳機能があるが、Appleはこれを一歩進めて翻訳アプリをリリースする。Google翻訳と同様、2言語で双方向の会話ができるようになる。音声からテキスト化し、翻訳語さらにテキストから音声化できる。iPhoneを横向きモードで使えばそれぞれが画面の片側を使える。

アプリ疲れ

これは多くの読者が感じているだろうと思う。 友達からなにか新しいアプリのダウンロードを求められてもApp Storeに行くのに乗り気になれない。そこでAppleはApp Clipsを発表した。これはアプリをインストールせずに起動できる一種のミニアプリだ。これはアプリの一部を切り出して簡単に共有できるようにしたものだ。

App Clipsはさまざまな方法で共有できる。ウェブサイト上やメッセージからはもちろん、マップ、NFCタグ、QRコードからも起動できる。 カフェでの注文、キックスクーターのレンタル、ミュージアムで説明を見る、などさまざまな場面で活用できそうだ。コードをスキャンしたりスマートフォンをタップしたりすると、アプリの機能の一部がすぐに利用できる。全機能を利用したければライブラリからアプリ全体をダウンロードしてインストールすればよい。

いつものように、iOS 14は夏にテストが行われ、9月に一般公開されるというスケジュールが予定されている。

 

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カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Apple  WWDC

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滑川海彦@Facebook

EtsyのiOSアプリに壁掛けアートをARで自室に飾りサイズや雰囲気などを試せる機能追加

欲しい商品を自宅に置いたときにどう見えるかを、客が自分で確認して購入を決められるようにTargetHome DepotWayfairIKEAなどの小売り業者は拡張現実(AR)を採り入れている。米国時間6月16日、EtsyもアプリにAR機能を搭載した。iOS版のEtsyアプリが更新され壁に飾るアート作品を客が拡張現実で確認できるようになる(Etsyリリース)。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック以来、部屋の装飾品を買う客が増えていると同社はいう。Etsyによると、例えばこの3カ月間で2019年の同時期と比べて、壁飾りやアート作品の検索数が94パーセントも跳ね上がったという。同様に絵画で63パーセント、版画やイラストで54パーセント、それぞれ検索数が増えている。

家の装飾品はみなそうだが、近くにある家具との兼ね合いや部屋のカラーコーディネートとの調和などを含めて、壁に掛けるアート作品が自宅で実際にどう見えるかを想像するのは難しい。また、作品のサイズも飾りたい場所に適しているかどうか、そもそもそれを飾れる場所があるかどうかも心配なところだ。

画像クレジット:Sarah Perez

EtsyのAR機能は、そうした心配に応えることを目的としている。EtsyのiOSアプリで、Paintings(絵画)、Photography(写真)、 Prints(版画)のカテゴリーから商品を選び、商品画像の右上に新しく追加された拡張現実アイコンをタップすると、それが部屋の壁に出現する。同社によると「アート&コレクターズアイテム」のカテゴリーでは500万点を超える作品が提供されているというが、そのうち壁掛けアート作品として分類されるものがどれほどあるかは不明だ。

Etsyは、新型コロナウイルス禍が始まるずっと前の2019年初めから、AR機能の開発をしてきた。サイズや画像が標準化されたカタログにAR機能を追加できる一般的な電子商取引サイトとは異なり、EtsyのAR機能の導入は容易ではなかった。Etsyの場合、対象となるのがタイトルやタグや写真を個々の作家が独自に決めた大量の非構造化データだからだ。

この機能を構築するために、Etsyのエンジニアは3D空間に配置するアート作品の取り出しにiOSの画像処理アルゴリズムVisionフレームワークを、次に必要な場合の画像の切り出しにiOSのCore Imageを使用した。さらに、その画像に余白が含まれているかを検出し、トリミングが必要かをデバイス上で識別するための機械学習画像分類処理を実装した。利用者の環境にアート作品を配置するためにSceneKitARKitが使われてる。

アプリを起動してAR対応の商品を読み込み、iPhoneまたはiPadを動かして壁の空いている場所を探し、商品をタップすればそこに配置される。複数のサイズがある商品の場合は、商品をズームしてサイズ変更を試すことも可能だ。この機能は、長方形または正方形の商品でもっとも正常に機能するとEtsyは話している。

スマートフォンでの買い物を好む利用者が増えたことで、Etsyの販売のほとんどはモバイルで行われるようになった。2020年第1四半期の総収入は2億2810万ドル(約245億円)で、前年比35.7パーセント増となった。総利益は1億4560万ドル(約156億円)の24.8パーセント増。第1四半期は2020年3月31日までなので、この数字にはパンデミックの全体的な影響は反映されていない。第1四半期では、総売上の58パーセントがモバイルによるものだったとEtsyはいう。

このAR機能は、まだiOS版Etsyアプリではベータ版となる。Etsyによれば、Android版は現在開発中とのことだ。

画像クレジット:Etsy
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(翻訳:金井哲夫)

米アップルが新型コロナ対策アプリに症状と健康状態を匿名で共有できる機能を追加

Apple(アップル)は自社製の新型コロナウイルス向けのiOS用対策アプリウェブサイトに新機能を追加した。ユーザーの年齢、これまでの健康状態、症状、潜在的な暴露のリスク、居住している州といった情報を匿名で共有できるようになった。同社によれば、こうした情報は個人を特定するいかなるデータとも関連付けられていない。集計情報としてCDC(米疾病管理予防センター)に提供され、同センターが新型コロナウイルス感染症のスクリーニングプロトコルを改善するのに役立てられるという。

またこのアプリは、集計されたデータによって公衆衛生機関とCDCを支援し、新型コロナウイルス感染症に関して、および暴露の内訳と暴露リスクに関して、潜在的なリスク要因についての入手可能なベストな情報を一般に提供できるようにする。

アップルはすでに3月に、コロナウイルスのスクリーニングアプリとウェブサイトを立ち上げていた。検査すべきかどうかのアドバイスをユーザーに提供するためのスクリーニングツールや、手洗いや消毒のベストプラクティスといった予防策に関するヒントも提供してきた。

このアプリとウェブサイトは、アップルとGoogle(グーグル)の共同作業によるCOVID-19 Exposure Notification APIとは別物だ。そのAPIは、公衆衛生機関や、そのパートナーが利用できるデベロッパー向けのツールで、匿名化され、プライバシーに配慮した通知機能を実現するもの。新型コロナウイルス感染症の人と接触した可能性があるか、暴露したかもしれないユーザーに対して警告する。ここで取り上げたアップルのアプリは、情報の提供とスクリーニングのためのツールに過ぎない。とはいえ、今回のアップデートにより、匿名化された集計データの収集を通して、公衆衛生機関とCDCが新型コロナウイルス感染症の広がりを、よりよく理解するためのリソースとしても機能するようになる。

どのように受け取られているかはともかくとして、新型コロナウイルスが登場してから、まだそれほど長くは経っておらず、科学者や研究者も、まだ十分に理解できているとは言えない。感染した集団について、より多くのデータや情報を収集して研究することは、健全なコミュニティとして、新型コロナウイルスに関して多くを学び、その脅威をどのように緩和するのがベストなのか知るための重要な手がかりとなる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルがiOS 13.5のジェイルブレイクを封じるアップデートを配布

長くは続かなかった。

Apple(アップル)は、iPhoneのソフトウェアの深部にアクセス可能にするセキュリティの弱点を塞いだ。これにより、ハッカーは脱獄ツールを使えなくなる。

セキュリティ報告で同社は、iOS 13.5.1で脆弱性を修復し、米国時間6月2日に公開したことを認めた。同社は「その脆弱性を見つけてつい先週に脱獄ツールをリリースしたのが、unc0verのチームである」と認めている。

脆弱性の詳細はまだ公開されていないが、同社は同じ脆弱性が悪質なハッカーに悪用されることを恐れて、脱獄ができる脆弱性は早めに対応するのが常だ。脱獄の常連の一人がiOS 13.5.1のアップデートを確認し「脆弱性が解消されたため脱獄はもうできない」とツイートしている。

@Pwn20wnd:*OS(iOSのこと)の新しいアップデートが#unc0verの脱獄に使われたカーネルの脆弱性を塞いだことを確認した。あなたがiOS 13.5を使っているならそのバイナリをセーブしておこう。 iOS 13.5でない人は、署名があるうちにコンピューターを使ってIPSWでアップデートし、そのバイナリをセーブしよう。

脱獄(ジェイルブレイク)とは、アップルが禁止しているiOS深部へのアクセスを可能にする行為だ。アップルは、iPhoneなどのデバイスのセキュリティを向上させるために、ハッカーがOSやアプリなどのソフトウェアを攻撃する機会を減らすために、このような制限を設けている。一方で、脱獄によりこれらの制限を突破することで「Android並みの大幅なカスタマイズがiPhoneで可能になる」という意見もある。

しかしセキュリティの専門家たちは、「脱獄は通常デバイスをさまざまな攻撃にさらすことになる」として、脱獄行為に反対している。そして彼らは、アップデートが提供されたらすぐに自分のデバイスにインストールすることを勧めている。

アップルによると「iOS 13.5.1には新しいMemoji(ミー文字)ステッカーと、そのほかのバグフィックスや改良もある」とのこと。

関連記事:すべてのiPhoneで有効な脱獄ツールが新たに登場

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

すべてのiPhoneで有効な脱獄ツールが新たに登場

有名なiPhoneハッキングチームは、すべてのiPhoneのロックを解除できる新しい「脱獄=ジェイルブレイク」ツールをリリースした。最新のiOS 13.5が動作している現行モデルも対象だ。

画像クレジット:Terry Wieckert/Getty Images

アップル(Apple)は、iPhoneに対して「ウォールド・ガーデン」と呼ばれるアプローチを採用し、承認されたアプリとカスタマイズのみを許可してきた。ハッカーは、彼らが「牢獄」とみなしている、そうした状況からの脱出に挑戦し続けてきた。それが「脱獄」と呼ばれるゆえんだ。ハッカーは、それ以前には発見されていなかったiOSの脆弱性を見つけ出すことで、これを可能にする。それによって、アップルがソフトウェア内部へのアクセスを制限するために設けた多くの関門の一部をすり抜けるのだ。アップルとして、こうした制限を設けているのは、セキュリティを維持するため。しかし脱獄者に言わせれば、そうした制限を突破するのは、それ以外の方法では十分にiPhoneをカスタマイズすることができないから。それは、Androidのユーザーにとっては、以前から可能になっているレベルのカスタマイズだという。

今回「unc0ver」チームによってリリースされた脱獄ツールは、iOS 11以降を実行するすべてのiPhoneをサポートする。アップルが今週リリースしたばかりのiOS 13.5をもカバーしている。

ハッカーが今回の脱獄ツールを開発するために利用した脆弱性の詳細は不明だが、それがいつまでも、そのままになっているとは考えられない。脱獄者が侵入方法を見つければ、アップルでも迅速に対処して、その欠陥にパッチを当て、脱獄できないようにするはずだ。

セキュリティ専門家は、通常、脱獄はしないようにとiPhoneユーザーに警告している。「ウォールド・ガーデン」から抜け出すと、露出される部分が大幅に増えるため、新たな脆弱性が発生したり、発見されたりしやすくなるからだ。

脱獄ツールの登場は、通常なら屈強なはずのアップルのセキュリティのイメージに陰りが見えていることを示すものかもしれない。先週、悪用手段のブローカー、Zerodiumは、iPhoneに関する脆弱性は買い取らないと宣言した。数が多すぎるからだという。またMotherboardが今週レポートしたところによれば、ハッカーは、iOSの次期バージョン、iOS 14のリリース予定の数ヶ月も前なのに、すでにプレリリースバージョンを入手済だという。

関連記事:iPhoneを狙う強力なスパイウェアが登場

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

「ネコちゃん、でておいで!」はステイホーム中のかわいい暇つぶしアプリ

このステイホーム期間中、ずっと子どもと過ごしてきたみなさんは、そろそろ彼、彼女たちを楽しませる方法が底をついてきたころだろう。塗り絵帳は全部塗ってしまったし、フリーズダンスはフリーズしっぱなしだし、シールも全部貼ってしまったし。

そこで朗報だ! あなたのiPhoneがネコになってくれる(おめでとー!)。

あなたは、この新しいネコのお友だちに隠れる場所を提供する。そして家族の他のメンバー、つまり3月から数えて17週間、信じられないほどのエネルギーを溜めまくっているチビちゃんたちは、そのネコを探す。そのとき「ねこちゃん、でておいで」と声を掛けると、ネコはどこかでニャーと鳴いて応える。

これが、ずばり「Here Kitty!」(日本語版は「ねこちゃん、でておいで!」)と名付けられたこのゲームの遊び方だ。Impending(インペンディング)最新作となる。Impendingの他の製品を知っている人もいるだろう。例えば、パーティーやディズニーランドで順番待ちをしている間に遊べる大人気ゲーム「Heads Up!」や、ミニマリストのための予定表「Clear」などが同社のアプリだ。彼らが作る製品は常に細部まで丁寧に作られていて、このHere Kitty!も例外ではない。

適当な場所が見つかったら、iPhoneを伏せてそこに置き、ネコを「隠す」。するとiPhoneは、呼びかけに応えてニャーと鳴き始める(シャーというときもある。なにせネコなので)。ネコを見つけた? そうしたらiPhoneを表向きにする。画面にはどれだけ時間がかかったかが表示され、その人が勝ちとなる。これは隠れんぼと、宝探しと、マルコポーロ(プールでやる目隠し鬼)のプールなし版を混ぜ合わせてガジェット化したようなものだ。

ネコの鳴き声をもっと静かにして難しくしたり、小さなお子さんのために声を大きくして簡単にすることも、難易度スライダーで調整できる。

Impendingでは、オリジナルのネコの他に、毎週土曜日に「新しいお友だち」を追加していくという。

私は「Here Kitty!」の初期ビルドで、数週間遊ばせてもらった。その結果……まぁ、とにかくかわいい。Impendingは対象年齢を4歳以上としているが、もっと小さい子どもに遊ばせることもできる。私の息子はもうすぐ2歳という年齢だが、完全に(ほとんどという意味)理解していた。自分でネコを呼ぶことはできないが、鳴き声を頼りに探し出すことはすぐに覚えた。そしてネコを発見したときには必ず狂ったように大喜びをする(痛い経験から学んだプロのアドバイス:iPhoneはケースに入れておくこと)。

ImpedingのCEOであるPhill Ryu(フィル・リュー)氏は、このアプリはそもそも数年前にApple Watchを使う遊びのアイデアとしてプロトタイプが作られたものだと話している。現在、みんなが家から出られない状態に際して、少し簡単にしてわずか数週間で配信にこぎ着けたそうだ。

「ネコちゃん、でておいで!」は、現在、iOS版を公開中(Androidユーザーはごめんなさい)。無料で遊べる。

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(翻訳:金井哲夫)

AppleとGoogleが新型コロナ暴露通知アプリのサンプルコード、UI、詳細なポリシーを公開

Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は、最初のバージョンのExposure Notification(暴露通知)APIの開発者向けに、さらなるリソースの提供を開始した。このAPIは、両社が制作した開発ツールだ。アップルとグーグルは、公的保健機関が新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が診断された患者との接触の可能性を個人に知らせる、クロスプラットフォームの通知手段の開発に取り組んでいる。

第1バージョンのExposure Notification APIは、Contact Tracing(接触者追跡)APIと呼ばれていたものを、その実際の用途と目的を正確に表現しようとAppleとGoogleが名称を変更したものだが、iOSとXcodeのベータ版アップデートとともに先週公開された。そして米国時間5月4日、開発例となるUIアセット、iOSとAndroidのサンプルコードなどを含む開発者向けの新しいサンプルリソースがアップルとグーグルから公開された。これらは、公的保健機関がアプリ開発をすぐに始められるよう、開発の出発点としてデザインされている。

同時にアップルとグーグルは、新しいポリシーも発表した。これには、このAPIを使ったアプリの使用が承認されるように開発者が留意すべき、以下のような要件が含まれている。

  • これは公式な政府の保健当局によって作成され、または同局が使用するためものであり、その使用は新型コロナウイルス感染症対応に限定される。
    実際に使用する前に、当APIの実際の使用についてユーザーの同意を求めなければならない。
  • テストの陽性結果などの情報を、アプリを運営をする公的保健当局が公表する以前に、本人の同意を求めなければならない。
  • 暴露通知に必要な最低限の情報のみを収集し、新型コロナウイルス感染症対応のためのみにそれを利用すること。すなわちこれらのアプリが広告やその他の目的にその情報を利用することを明示的に禁ずるものである。
  • アプリは、特定の地理位置情報データを提供するデバイスの位置情報へのアクセス、およびアクセスの許可を求めることができない。公的保健当局から既に公開されている位置情報を利用するアプリについては今後も提供を続けるが、それらの情報を利用するいかなるアプリも、新しいExposure Notification APIへのアクセスをグーグルとアップルは認めない。
  • 効率性を高めるために細分化を避けるようデザインされているため、1つの国にアプリは1つと定めるが、国が地域や州などに分割されている場合、アップルとグーグルは当該保健当局と積極的に話し合い、最善の方法を探ることとする。これは基本的に国が州ごとに異なるアプリを使用したいとアップルに申し出た場合、アップルは複数アプリを許可し、その国のストアに掲載されるようにすることを意味する。また、これらは州ごとの暴露通知メカニズムが他州にまたがり連携できるか否かという点において、柔軟に対応する。

両社は、2020年5月末の一般消費者に向けた公開バージョンのAPIのリリースに先立ち、ソフトウェアおよびソフトウェア開発キットのアップデートのペースを今のまま保持するとも話している。アップルとグーグルは、APIの消費者向けリリースの時期を「5月中旬」に予定している。最終的な予定として、2020年末までには、システムレベルの機能として暴露通知をリリースするという。

以下の写真で、両社のサンプルUIリソースを見ることができる。これらは、アプリが完成した場合の通告方法、設定画面、その他の外観の案を示すものだ。もちろん、公衆衛生当局(または開発を請け負った者)が作るアプリごとに多少の違いは生じるだろう。

  1. 04-COVID-19-Exposure-Notifications-Settings-Android

    暴露通告の設定
  2. 02-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Positive-Result-Android

    公的保健機関サンプルアプリの陽性報告の流れ
  3. 02-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Positive-Result-iOS

    公的保健機関サンプルアプリの陽性報告の流れ
  4. 03-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Exposure-Notifications-Android

    公的保健機関サンプルアプリの暴露通告の流れ
  5. 03-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Exposure-Notifications-iOS

    公的保健機関サンプルアプリの暴露通告の流れ
  6. 04-COVID-19-Exposure-Notifications-Settings-iOS

    暴露通告の設定
  7. 01-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Onboarding-Android

    公的保健機関サンプルアプリの登録画面
  8. 01-COVID-19-Exposure-Notifications-Sample-Public-Health-Authority-App-Onboarding-iOS

    公的保健機関サンプルアプリの登録画面

アップルとグーグルは、独自に接触者追跡アプリの開発に取り組み、それを機能させるためにiOSとAndroidの特定の部分にアクセスしたいという数多くの公的保健当局からの要請に応えて、この前例のない共同事業に乗り出した。両社は、ユーザーの身元がわからないように、また地理的位置情報衛星のサービスが受けられない屋内を含むあらゆる環境でもシステムが確実に機能するように、地理的位置情報データではなく、Bluetooth識別子を使うという基準のもとで協力し合うことを決めている。

保健当局は、自分が受けたテストの結果に紐付けられた一意のコードの入力をユーザーに求めるようにもできる。それによりユーザーは、陽性の診断が、自己判断や保健当局が新型コロナウイルス感染症診断用として認可していないテストに基づくものではなく、公式なテストで認められたものであることが確認できる。

グーグルとアップルが提示したサンプルの参照アプリケーションは、一般ユーザー向けに公開されることはない。あくまでも開発者限定だ。だが両社とも、新型コロナウイルス感染症に適時に対応するアプリの開発者の努力を支援するために、完全なソースコードを含んだ参照アプリケーション全体を開発者に提供している。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

AppleとGoogleが新型コロナ感染チェック用モバイルアプリを共同開発、プライバシー保護も確約

AppleとGoogleは協力して個人が新型コロナウイルス(COVID-19)の感染リスクにさらされたかどうかをチェックできる分散型モニターツールを開発中だ。

濃厚接触を知らせるツールは、公衆衛生当局が新型コロナウイルスの感染を追跡し、人々に感染のリスクがあることを知らせて検査を受けるよう推奨することに役立つ。このアプリはBluetoothテクノロジーを利用し、新型コロナ感染者との接触を発見し、適切なフォローアップを送信する。

プロジェクトの最初のステップは、公衆衛生機関がそれぞれのアプリにこのツールを組み込むAPI の開発だ。次のステップではモバイルデバイスのOS、すわなちiOSおよびAndroid のレベルに機能を組み込み、ユーザーがオプトインするだけで別のアプリをインストールせずに接触追跡が可能がシステムが開発される。

このシステムは、デバイスに搭載されたBluetoothチップを使用し、短時間で変化する匿名化されたIDを発信する。 サーバーは過去14日間のIDについて他のデバイスのIDとの一致の有無を検索する。一致は2つのデバイス間の接触時間および距離をしきい値として判断を行う。

新型コロナウイルスに感染していたことが確認されたユーザーとの接触があったと判断された場合、ユーザーには「感染テストを受け、その間自主隔離を行う」よう通知される。

位置情報を利用した接触追跡はプライバシーの侵害の懸念をめぐって議論を呼び起こしているものの、多数の公衆衛生機関や大学の研究組織が採用しているテクノロジーだ。例えばAppleの「探す(Find My)」にヒントを得たMITのBluetoothツールがそうした例の1つだ。「探す」は従来の「iPhoneを探す」などと異なり、プライバシーを強く意識しており、位置情報を利用した追跡ツールでありながらユーザー以外は個人情報を知りえない。AppleとGoogleはプライバシー問題の困難の解決にあたってMITなどの組織が支援を求めたと述べている。

【略】

開発は2段階

AppleとGoogleは2週間前にこの共同プロジェクトをスタートさせた。まずAPIの互換性を確保し、できるかぎり多数のユーザーが同一のアプリを利用できるようにするのが最初の目標だ。

4月10日の説明によれば、ユーザー同士の接近をモニターするAPIは5月中旬にiOSとAndroidに導入される予定だ。AppleとGoogleによれば、これは比較的シンプルなタスクで、既存または開発中のアプリに組み込むことも比較的簡単なはずだとと述べている。APIを使う場合、アプリはユーザーに対して位置の追跡機能にオプトインするよう求める(このシステムは全体としてオプトインベースだ)。これによりデバイスに付与される短時間で変化する匿名の識別子をBluetooth機能を利用してブロードキャストする。同種のアプリをインストールしているユーザーはこのブロードキャストを受信し、これによって、誰とどのような接触があったかが特定可能となる。

プロジェクトの次の段階は効率のアップだ。つまり位置追跡機能をモバイルOSそのものに組み込むことにより、個別アプリをダウンロードする必要をなくすのが目標となる。ユーザーはOSから機能にオプトインすればよい。第1段階の感染警告アプリも引き続きサポートされるが、OSへの組み込みはさらに広範囲のユーザーに対応できる。このレベルは数カ月以内に実現できるという。

【略】

アプリの動作例

このシステムがどのように動作するのか、ひとつの例を図示してみよう。

  1. アプリのユーザー2人が一定時間、例えば10分間近くにいたとする。ユーザーのデバイスはBluetooth無線により識別子(15分ごとに変化し匿名化されている)を交換する。
  2. その後、ユーザーの1人が新型コロナウイルスに感染していると診断された場合、感染者はAPIを組み込んだ公衆衛生当局のアプリに知らせる。
  3. システムは感染が診断されたユーザーから過去14日間の識別子(匿名)をシステムに送信することを許可するよう追加の同意を求めることができる。
  4. 公衆衛生アプリには(同意を得て)感染者の識別子をダウンロードすることができ、アプリは感染リスクを伴う接触があったかどうか判断する。
  5. 接触があったと判定された場合、アプリはユーザーに今後どうすべきかさらに情報を提供する。

プライバシーと透明性

Apple、Googleはともに「プライバシーと透明性が公衆衛生アプリにおいて最重要」だと述べ、 リリースされるアプリは今後とも決してプライバシーを侵害しないと確約している。この点は、以前からACLU(米国自由人権協会)が提起してきた問題だ。

【略】

しかしACLUはこのアプリに対しては慎重ながら楽観的な見方をしている。

ACLUの監視、サイバーセキュリティ担当弁護士、Jennifer Granick(ジェニファー・グラニック)氏は次のようにコメントしている。

「位置情報を利用するこの種の追跡アプリは無料かつ迅速な検査と各種医療への公平なアクセスが広く保証されないかぎり効果がない。 またユーザーがシステム(の匿名性)を信頼できなければやはり効果的ではない。AppleとGoogleが、プライバシーの悪質な侵害と中央集権化のリスクを軽減するであろうアプローチを発表したことは事実だ。 しかしまだ改善の余地がある。位置追跡アプリがオプトインであり匿名性を確保した分散型であることを確認するため我々は今後も厳しく監視を続ける。このような機能は現在のパンデミックの期間に限り、公衆衛生の確保の目的でのみ使用されるべきだ」。

【略】

感染チェックのためのはAPIについて、Googleの ブログ記事はこちら 、Appleのスペックなどへのリンクはこちら日本語版解説はこちら)。

ACLUからのコメントによりアップデート済み。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOS 14にサードパーティーアプリをダウンロード前に試せる機能のコードを発見

Appleは(アップル)、iOSユーザーがまだ自分の端末にインストールされていないサードパーティー製アプリとやり取りできる機能を開発いるらしいと9to5Macが伝えている。記事はiOS 14のコードの中で発見された情報に基づくもので、必ずしもアップルが公開予定であるという意味ではなく、同社での開発が進んでいるらしいという兆候にすぎない。

その機能はコード内では「Clips」APIと呼ばれている。同じ名前のビデオ編集アプリとは無関係だ。9to5Macの分析によると、新APIはQR Codeリーダーと連携して動き、ユーザーがアプリにリンクしたコードをスキャンすると、画面に表示されたカードからそのアプリとやり取りできる。

こうして書くと、この機能はアプリメーカーのマーケティングツールのように見える。ユーザーはダウンロードする前にアプリの雰囲気を感じ、バナー広告にある機能を体験することができる。ダウンロード前にアプリの一部機能を試すだけでなく、ダウンロードする気になったらApp Storeに行くこともできる。カードは、そのアプリがすでにインストールされている場合には、アプリでコンテンツを直接開くために使うこともできる。

記事によると、Android(アンドロンド)は「Slices」という似たような機能を2018年に提供している。Googleはその前から、Instant Appsと呼ばれる仕組みで、アプリを試用する方法を導入していたが、Slicesはアプリの利用促進を目的に作られたものだ。例えば、乗り物やホテルの予約を、アプリを探して軌道せずに行うことができる。iOSではおそらく、アプリの「clips」はSiriやSpotlight検索で呼び出せるようになるのだろうが、9to5Macが報じたコードの中にはその機能は見つかっていない。

アップルがClips APIで何をするつもりなのか、これがどの程度実験的な試みなのか、今はまだわからない。

しかし、この機能はOpen Table(オープンテーブル)やYelp(イェルプ)、DoorDash(ドアダッシュ)、Sony PS4(Second Screenアプリ)、YouTube(ユーチューブ)などででテストされていると記事は伝えている。これは、各アプリの機能を将来デベロッパーにデモする予定であることを意味しているのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

長時間の在宅で2020年第1四半期のアプリの売上は史上最高を記録

新型コロナウイルスの感染拡大で家にいる時間が長くなり、買い物や資産管理、新しいエクササイズ探し、在宅勤務、エンターテインメントなど、モバイルアプリを使う時間が急激に長くなっている、米国時間4月2日にApp Annieが発表した最新のデータによると、2020年第1四半期のアプリの売上は史上最高になった。またAndroidデバイスの分析では、全世界での週あたりのアプリとゲームの平均使用時間も、前年同期比で20%増えている。

これらの要因は、アプリストアの記録的な売上増につながっている。

App Annieによると、2020年第1四半期には全世界のアプリストアの売上は234億ドル(約2兆5400億円)で、四半期としてはこれまでで最高となった。

このうち、iOSが150億ドル(約1兆6300億円)、Google Playが83億ドル(約9000億円)だ。両方ともそれぞれのプラットフォームで、前年より5%増えている。

ゲーム以外のアプリの売上は、iOSで35%、Google Playで15%を占めている。一方、この四半期にユーザーはゲームに167億ドル(約1兆8100億円)以上を支払った。

国別に見ると、iOSでは米国と中国、Google Playでは米国、日本、韓国の売上が大きい。

Androidではゲーム、ソーシャル、エンターテインメントアプリの売上が大きい。特にDisney+とTwitchがこの大きな要因となっている。

一方iOSでは、ゲーム、エンターテインメント、写真とビデオのアプリが売上のトップ3となっている。この四半期は、iOSの売上でTikTokがTinderとYouTubeに次ぐ第3位となっている点が目を引く。

2020年第1四半期のアプリのダウンロード数は310億回

2020年第1四半期には、アプリが新たに310億回ダウンロードされた。これは2019年第4四半期から15%の増加だ。第4四半期は通常、年末商戦で新しいスマートフォンが売れてアプリのインストール数が大きく加速するが、今年の第1四半期はそれを上回った。

Google Playのダウンロード数は前年比の5%増で225億回、iOSは前年比の15%増で90億回以上だった。

ゲーム以外のアプリは、Google Playでは全体のダウンロード数の55%、iOSでは65%だった。これは、人々が単にアプリで気晴らしをするだけでなく、仕事も家でするような新しい生活を送ったためにさまざまなモバイルアプリを求めていたことを示している。

Google Playのダウンロード数で最大の市場はインドとブラジルだ。これは人口が多いことと、安価なAndroidデバイスが多く使われていることによる。iOSのダウンロード数では中国と米国が2大市場で、この四半期の成長も中国と米国が主に牽引している。

カテゴリー別のダウンロード数は、Google Playではモバイルゲーム、ツール、エンターテインメントがトップ3で、iOSではゲーム、写真とビデオ、エンターテインメントだった。

Google PlayでもiOSでも、ゲームの成長が大きい。

2020年第1四半期では、モバイルゲームのダウンロード数が前年同期比20%増で130億回を超えた。前四半期との比較では30%増えている。

Google Playではゲームのダウンロードが前年比25%増で100億回近くに達した。iOSでも25%増えて30億回以上を記録した。

この四半期でダウンロード数が多かったのはパズル、シミュレーション、アクション、アーケードゲームだったが、売上ではロールプレイ、アクション、ストラテジーゲームが多くを占めている。これはいつものことだ。

ゲーム以外のカテゴリーでは、どちらのプラットフォームでも、ヘルス&フィットネス、教育、ビジネスのアプリが多くダウンロードされた。ヘルス&フィットネスは前四半期比でGoogle Playでは40%、iOSでは30%増えた。教育はGoogle Playで35%、iOSでは40%増となり、ビジネスはGoogle Playで30%、iOSでは35%増となった。

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(翻訳:Kaori Koyama)

GoogleポッドキャストがついにiOSでも利用可能に

ちょうど我々が家にこもっている間、Google(グーグル)はデザインを刷新した「ポッドキャスト」アプリを発表した。 刷新されたアプリでは、中心のポッドキャストの発見を中心とした、3つの主要なタブに分割されている。

アプリには現在のフィードを表示する 「Home」や、人気番組やキュレーション番組を提供する「Explore」がある。「Activity」は、リスニングの習慣をより深く掘り下げるものだ。しかし正直なところ、重要なのはこのアプリがついにiOSのApp Storeに登場したことだろう。

昨年夏にローンチされたこのアプリは、グーグルがリリースしたこともあり、たちまちAndroidのトップポッドキャストアプリとなった。また、ブラウザを介したクロスプラットフォームでの利用には制限があった。当然ながらネイティブアプリでのサポートは、Apple(アップル)純正のポッドキャストアプリの代わりを探しているiPhoneとiPadのオーナーにとって、はるかに魅力的だ。

アプリ上でのユーザーのリスニング情報は、Google Podcasts for Webを介してプラットフォーム間で同期が可能になる。なお、iOS版は米国時間3月25日からダウンロードが始まる。一方、Android版のアップデートは今週中に配布される予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルが各OSをアップデート、iPadOS 13.4はトラックパッドをサポート

 

AppleはiPhone、iPad、Apple Watch、Apple TV、Mac用のOSアップデートをリリースした。最大の変更があったのはiPadだ。新しいiPadOSではマウスないしトラックパッドをiPadとペアリングし、ディスプレイ上のカーソルを動かせるようになった。

Appleは先週、新しいiPad Proを発表 したとき、iPadOSのトラックパッドサポートを発表した。またAppleはトラックパッドを内蔵した新しいMagic Keyboardの売り込みを図っているが、ユーザーは新しいiPadやアクセサリを買わなくてもトラックパッドを使うことができる。

トラックパッドをペアリングすると、画面に新デザインの丸いカーソルが表示される。カーソルを載せた対象によってカーソル形状が変化する(上のスクリーンショット参照)。ボタンをクリックしようとする場合、カーソルは消えてボタンがハイライト表示になる。Apple TVでアイコンを動かすときのような感じだ。

テキストカーソルは垂直のバーになる。Pagesドキュメントでテキスト領域のサイズを変更する場合は、背中合わせの矢印になる。トラックパッドを使用している場合、iPadOSはジェスチャーをサポートしており、アプリの切り替え、スイッチャーの起動、Dockやコントロールセンターのアクティブ化を行うことができる。

今回リリースされたiOSおよびiPadOS 13.4には、トラックパッドのサポート以外にもいくつかの機能が追加されている。iCloud Driveフォルダは他のiCloudユーザーと共有できるようになった。これはDropboxの共有フォルダとほぼ同様の機能だ。

Memojiステッカーに9種類の絵文字が追加された。ハートつきの笑顔、つないだ手、パーティーの顔などが登場している。メールアプリのアーカイブ/削除、移動、返信、作成、メール送信などを行うためのボタンのデザインが微調整された。

またAppleは、iOSだけでなくMac App Storeを含むすべてのApp Storeで単一アプリのバイナリをリリースする機能を追加した。つまりデベロッパーはMacとiPhoneの双方で有料アプリをリリースできるようになった。このアプリはどれか1つのストアで購入すれば他のデバイスでも利用できる。

また、macOS 10.15.4には利用時間を制限する機能が追加されている。これは、iOSにすでに存在する機能と同様で、 メッセージとFaceTime通話に時間の上限を設定できる。

watchOS 6.2ではチリ、ニュージーランド、トルコのユーザー向けに心電図機能のサポートが追加された。またApple Watchアプリのデベロッパーはアプリ内購入が設定できるようになっている。

アップデートにはバグの修正とセキュリティパッチが含まれる。ソフトウェアのアップデートを自動にしていない場合は、デバイスの設定を開いて手動でOSのアップデートを行うことができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

FacebookのCreator Studioにモバイル版が登場

FacebookのCreator Studioにモバイル版が追加された。Creator Studioは、2018年8月に全世界で利用可能になったクリエイターとパブリッシャー向けのインサイトダッシュボードだが、今回、iOSとAndroidの両方のモバイルアプリとして利用できるようになっている。デスクトップ版のCreator Studioと同様に、ユーザーはFacebookのページ全般に渡ってコンテンツのパフォーマンスを追跡し、記事の公開、投稿スケジュールの設定や調整、ファンからメッセージへの返信などが可能となる。

画像クレジット:Getty Images

Facebookの北ヨーロッパのエンターテインメント担当ディレクターAnna Higgs(アンナ・ヒッグス)氏は、先週のVidCon Londonで、Facebookに400万人を超えるフォロワーを持つクリエーターLadbaby(ラドベイビー)氏とともにステージに登場し、新しいアプリ公開のニュースを発表した。

アプリには、クリエーターやパブリッシャーにとって役立つ、メトリックやインサイトのセクションなど、いくつかの重要な領域がある。ここでユーザーは、ページ単位と記事単位のどちらでもインサイト、リテンション、ディストリビューションといったメトリックを分析し、状況に応じて戦略を調整できるようになる。たとえば「動画の1分再生数」、「動画の3秒再生数」、「再生時間」といった、コンテンツのパフォーマンスのメトリックが得られる。さらにコメントや共有、フォロワー数、収益など「エンゲージメント」のメトリックを得ることもできる。

またこのモバイル版アプリでは、すでに公開された投稿と、スケジュールされた投稿の両方を表示することができる。クリエーターはビデオのタイトルや説明の編集など、その場で修正が可能だ。さらに投稿の削除や、期限切れとしての設定、リスケジュール、ドラフト版の公開といったことも可能となる。

「受信箱」セクションでは、ユーザーが外出中でも、受信したメッセージに返信したり、コメントを返したりできる。

クリエーターは、同じセッションの中で、複数のアカウントを切り替えることもできるので、いったんログアウトして、別のユーザーとしてログインし直したりしなくても済む。これは、大規模なソーシャルメディアを管理している人や、複数のクリエーターページのサポートを生業としている人にとっては、ありがたい機能だろう。

このCreator Studioアプリを使って、大きな機会や重要なイベントに際して即効性のある通知を送信することも可能だ。

Facebookが、クリエイターのコミュニティに向けて専用アプリを提供したのは、これが初めてではない。同社は2017年にも、統合された受信箱、分析機能などを持つCreatorアプリを投入していた。しかし、そのアプリは2019年初めごろに廃止され、クリエイターはPages Managerアプリ、またはCreator Studioのデスクトップ版への移行を余儀なくされていた。さらにその前にもFacebookは、あらかじめ認定された有名人や、そのページでのみ利用可能なMentionsアプリを提供していたこともある。

新しいCreator Studioアプリは、廃止されたCreatorアプリをそのまま置き換えるものではない。似たような機能は提供しているが、まったく同じというわけではなく、ユーザーインターフェースも異なっている。また、Instagramの統合機能はなく、新しいコンテンツをアップロードしたり、投稿したりする機能も欠いている。後者は、リリース後のアプリのユーザーレビューが低い原因となっている。また、Pages Monitorアプリとオーバーラップする部分が多すぎるという不満も多く聞かれる。ただし、欠落している機能については、今後Facebookがアプリに機能追加していくに従って搭載されていくものと思われる。

ところで、FacebookのCreator Studioアプリが、同じくクリエーター向けの、YouTubeのサービスに似た名前であることに気づくだろう。YouTube Studioは、2017年にYouTube Creator Studioから名称が変更された。アプリの名前に「Studio」と「Creator」の両方を含むことで、App Storeの検索結果に対して良好な効果が得られるかもしれない。たとえば、誰かが「クリエーター向けのYouTubue Studio」を検索したとき、近い名前のアプリとして表示される可能性が高まるからだ。こうした名前の付け方も、才能あるビデオクリエイターを惹きつけようと躍起になっている両社の競合関係を反映したものだろう。

モバイル版のCreator Studioアプリは、iOS用もAndroid用も無料でダウンロードできる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

AppleがiPhoneの性能を勝手に抑えたことにフランスが罰金を科す

フランスの競争・消費・詐欺防止総局であるDGCCRFは米国時間2月7日朝、iOSのアップデートに際して古い機種の性能を抑えたとして、Appleに対する2740万ドル(約30億円)の罰金を科すことを発表した。さらにAppleは、同社のWebサイトに声明を1カ月間掲載しなければならない。

2年前にAppleはiOSのアップデート(10.2.1と11.2)をリリースしたが、その際、古い機種に新しい機能を導入した。バッテリーが古くなるとピーク時の電力消費に対応できなくなることを恐れて、iOSはピーク時の性能を抑えたものだった。その結果、iPhoneがピーク時に突然シャットダウンすることもあった。

この機能は技術的には妥当だったが、Appleは一部のデバイスで性能を抑えることをユーザーに知らせなかった。その後、Appleは謝罪して「Battery Health」と呼ばれる新しいソフトウェア機能を導入した。それはユーザーが持つiPhoneのバッテリー最大容量を調べて、そのiPhoneがピーク時の性能を発揮できるかを教えてくれるものだ。

そして、古い機種の性能を抑える機能は問題になった。たとえば、ゲームをしているとiPhoneが遅くなることに気づいたユーザーがたくさん現れた。しかし彼らは、バッテリーを交換すればそれが直ることを知らなかったのだ。所有しているiPhoneが十分使えるのに、新しい機種を買ったユーザーもいた。

フランスのDGCCRFは、iPhoneのユーザーがiOSの前のバージョンにダウングレードできないことにも着目した。つまりユーザーは、その方法で性能抑止機能を逃れることができない。フランス当局は、「消費者に伝えなかったことは不作為によって誤解に導く事業慣行である」と記している。

Appleは罰金の支払いを受け入れ、Webサイト上の声明で自社の不正行為を認めた。

関連記事: Apple addresses why people are saying their iPhones with older batteries are running ‘slower’…Appleは古い電池のiPhoneが遅くなると人びとが言う理由を説明(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルはユニバーサル購入オプションをMacに広げ、App Storeを統合

Apple(アップル)は米国時間2月5日、macOS用アプリも含むクロスプラットフォームのアプリを、間もなく1つのユニバーサル購入のかたちで販売できるようにすると公式に発表し、アプリ開発者を驚かせた。消費者の側では、ユニバーサル購入オプションとは、ひとつのアプリを一度購入すれば、iPhone、iPad、Apple TV、Macなど、異なるデバイスでも使えるようになるというもの。開発者の側では、MacとiOSのアプリ、またはその他の組み合わせを同時に購入するよう顧客に促すことができる。さらに、顧客のアプリ内購入とサブスクリプションのプラットフォーム間での同期も容易になる。

同社によると、ユニバーサル購入は2020年3月から開始されるとのこと。この変更に備え、iOSとMacのApp Storeのカテゴリーを統一し、アプリをより探しやすくすると同社は話している。

アップルのApp Storeのカテゴリーは、滅多に更新されることがないため、それだけでも、ユニバーサルなアプリのバンドルを行わない業者も含め、開発者に衝撃を与える大転換となる。新しいカテゴリーにアプリを載せれば、アプリの数が多い既存のカテゴリーで競うよりも、トップアプリの上位にランキングされる可能性が高くなる。

iOSでは、開発者は2つの新しいカテゴリーにアプリを登録できる。「開発ツール」と「グラフィック&デザイン」だ。

Mac向けのApp Storeには、iOSにある「ブック」[フード/ドリンク」「雑誌/新聞」「ナビゲーション」「ショッピング」が新たに追加される。

さらに、MacのApp Storeにある「写真」と「ビデオ」のカテゴリーは、「写真/ビデオ」に統合されて、iOSのApp Storeとの同期性が高められる。また、MacのApp Storeでは、「子ども向け」は「ゲーム」のサブカテゴリーではなくなる。

アップルによれば、開発者は新しいアプリを、App Store Connectで1つのAppレコードを使って開発する方法と、既存のAppレコードにプラットフォームを追加して新しいユニバーサル購入オプションを利用する方法のいずれかが選べるという。この機能は、macOS Catalyst対応アプリではデフォルトで有効となるが、それ以外のアプリでも使用できる。

2月5日から、開発者は「Xcode 11.4 beta」アップデートリリースをダウンロードして開発作業を始められるが、このオプションが一般に利用可能になるのは3月にローンチされてからとなる。

誤解のないように言えば、一度の購入で複数のアプリを提供できるようになるのは、これが初めてではない。例えば、iPadやApple Watchのアプリも同時に付いてくるiPhoneアプリを買ったことがある人なら、すでにユニバーサル購入オプションを経験済みということだ。新しいのは、それと同じ機能をMac用アプリに初めて導入するという点だ。

もちろん、ユニバーサル購入はすべてのアプリに恩恵をもたらすわけではない。なので開発者は、ビジネス展開の方針に基づいて、その長所と短所を自分で見極めてバランスをとる必要がある。だがこのオプションは、これまでアップルが別々に提供していたアプリのエコシステムを統一し、今後のMac用アプリの開発に拍車をかけるという点で大きな前進となる。

ベータ版Xcodeは2月5日、macOSとiOSのベータ版とともに公開された。これらを組み合わせることで、Macでのスクリーンタイムの通信制限、Mac用のヘッドポインター技術、絵文字ステッカー、CarPlayの更新とiCloudのフォルダ共有といった新機能が利用可能になる。

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(翻訳:金井哲夫)

数学嫌いはゲームアプリで克服できるのか?

銀行の入出金明細書を見て、いったい何が起こっているのかを理解しようとしたときの、独特の感覚というものがあるだろう。あるいは、税金の申告書類を書いているときにも似たような感覚に襲われるかもしれない。実はそうした感覚は、単になんとも言えない感覚というようなものではなく、科学的に認知された不安神経症のようなものだということが分かってきた。それは、MA(Mathematics Anxiety=数学不安症)であると、研究論文によって定義されている。日常生活だけでなく、教育現場でも、数学に対して抱かれる懸念、緊張、不安といったものだ。

そしてこれは、実際に世界中に広まっている問題であり、生涯にわたって悪影響を及ぼす可能性さえある。もし多くの人が、足し算や引き算をすることに怯えていれば、経済にもかなりの害が及ぶだろう。英国の約1700万人の成人(労働人工の49%)の計算能力は、小学生と同等のレベルだという。ある調査によれば、これにより英国経済に1年間で200億ポンド(約2兆8573億円)の損失が生じていると言われる。英国だけでもそれなら、他の国も合わせれば、いったいどんな数字になってしまうのか?

人の数学に対する不安感がこれほどのものでなれば、おそらくもっと多くの技術系の労働者がいるはずだ。算数に対する不安が大きい子どもの4分の3以上(77%)は、テストでは、履修課程の算数テストで、平均より上の成績を収めている。つまり、本当はSTEM(科学・技術・工学・数学)分野でもうまくやっていけるはずの生徒でも、このような不安が、そうした分野を選ぶことを妨げているのだ。

この問題は、恐怖に反応するのと同じ脳の部位、扁桃体にまで及ぶ。算数に対する不安が大きい子どもは、物理的な危険に対するのと同じようにストレスが高まり、攻撃・逃避反応さえ引き起こす

数学不安症の起源は、ほぼ6歳ころまでに蓄積された、否定的な数学学習体験の連続に根ざしている。したがって、子供たちを6歳までに数学に親しませることができれば、結局のところ経済や社会活動を促進することになるはずだ。

そこで、この問題に対処するため、数学が得意な2人の若い母親が、Funexpectedというスタートアップを共同設立し、この世界的な課題に取り組もうとしている。

彼女らが示した解決策は、学習に対する新たなアプローチを提供する「多感覚応用」のiOSアプリ。初期段階として大きな成功を収めている。リリースした最初の月に、Appleは、これを英国の「2019年9月のベストAppとゲーム」と「おすすめの新着App」として選んだ。さらに60を超える国々で、App Storeの子ども向けカテゴリの「おすすめApp」と「Awesome Kids Apps」に掲載されている。

今年の10月下旬には、このスタートアップはロンドン大学教育研究所(UCL Institute of Education)が主催するEDUCATEプログラムの教育技術イノベーターに選ばれた。同研究所は、教育技術に関して、英国における第1級の研究アクセラレーターであると広く認められている。また、先週の時点で、Apple Storesの実店舗のデモ機にも、Funexpectedのアプリが、Prisma、Alterlight、Headspace、その他の有名なアプリと並んで、インストールされる予定となっている。

さらに来年には、カリフォルニア大学バークレー校教育学部の認知と発達の教授、ドル・アブラハムソン(Dor Abrahamson)氏が、このアプリ用のゲームを作成することを計画している。

この自力で起業したスタートアップは、以前は投資銀行に勤めていたナタリア・ペレルディク(Natalia Pereldik)氏と、その友人のアレクサンドラ・カジロ(Alexandra Kazilo)氏が、共同で設立した。このアプリは、リリースから4週間で、世界50カ国以上で、3万5000以上のダウンロードを記録している。

それはどのようなアプリなのか?

アプリ自体は、日本、エジプト、グリーンランドなどの景色を背景にした、全部で11種のゲームを集めたもの。子どもは、画面にアニメーション表示されるオブジェクトをタップし、カットし、スライドさせ、つかみ、移動させて、ストーリーを先に進める。たとえば、あちこちの枝から取ってきたおいしそうな果物を、適切な量だけ猿に食べさせたり、正しい種類の魚を網で捕らえて、池に移すことで、論理的な思考を学ぶ。親も子どもといっしょに遊べる。このアプリはサブスク方式で、月額3.99ポンド(約570円)または年額31.99ポンド(約4560円)の料金が設定されている。

同社は大きな市場に取り組んでいる。世界のモバイル学習市場は、2016年に1093億ドルと評価され、2025年までに1792億ドル規模に達すると予測されている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

人気メールアプリSparkが新デザインに

Readdleの人気メールアプリ、SparkのiOS版とAndroid版のデザインが一新された。Sparkのモバイル版は、これまでインターフェイスがちょっとごちゃごちゃしていた。それが今回のアップデートは、何よりもクリーンなデザインに重点を置き、そこにいくつかの新機能を加えたものとなっている。

まずデザインについて見てみよう。最新のSparkは、シンプルなヘッダーを使用して、ニュースレター、通知、個人のメールといったスマートセクションに分類している。背景がカラフルな角の丸い長方形よりも見た目はすっきりしている。

新しいデザインでは、空白部分も多いが、今回のアップデートでダークモードにも対応した。またスレッドをタップするだけで、そのスレッドのビューが更新されるようになっている。

新機能に関して言えば、まず送信者のプロフィール写真を、できるだけ受信トレイに自動的に表示しようとする。Vignetteと同様、一般的なウェブサービスから画像を引っ張ってくるのだ。たとえば、メールの送信者が、同じメールアドレスでTwitterアカウントを持っていれば、Sparkは自動的にTwitterのプロフィール画像を持ってきて受信トレイに表示する。

メールの受信トレイの扱い方は、人によってだいぶ異なる。そこでSparkでは、メールスレッドの下部に表示するボタンを選択できるようにした。たとえば、フォルダを頻繁に使用する人は、そこにフォルダボタンを配置すればいい。あるいは、そこにスヌーズボタンを置きたければ、それも可能だ。

さらに、iPadOS 13ならではの機能への対応も進んでいる。複数のSparkのインスタンスを、同時に開いておくことができる。たとえば、Split View(スプリットビュー)を利用して、1つの電子メールスレッド内でドキュメントを開き、2番目のSparkウィンドウを開いて別のワークスペースで受信トレイをチェックしたりできるようになった。またiPadOS上のSparkは、フローティングキーボードや、新しいiPadOSならではのジェスチャーもサポートしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GitHubのモバイルアプリはスマートな通知と進化したコード検索を実現

Microsoft(マイクロソフト)の子会社であるGitHub(ギットハブ)は米国時間11月13日、毎年恒例のUniverseカンファレンスでいくつかの新製品を発表した。また、デベロッパーが過去数か月間テストしてきた、いくつかのツールが一般に利用可能となることも明らかにした。

デベロッパーにとって、おそらく最も気になる2つの発表は、GitHubとして最初のネイティブなモバイルアプリのリリースと通知機能の向上だろう。さらに、同社のワークフロー自動化およびCI/CDソリューションの、GitHub ActionsとGitHub Packageが、ベータ版から正式版に移行することも合わせて発表された。

コード検索機能も改善され、スケジュールされたリマインダー機能と、プレリリースプログラムも導入する。後者は、広範囲に展開する前に特定のユーザーが新しい機能を試せるようにするもの。

画像クレジット:TechCrunch

GitHubは、スポンサープログラムも拡張する。これまでは、オープンソースへの個々の貢献者に対して、プロジェクトレベルでチップを渡すことができた。新たなGitHub Sponsorsを使用すると、プロジェクトと、そのメンバーに対して、誰でも資金を提供し、その資金の用途を選択できるようになる。対象となるプロジェクトは、オープンソースである必要があり、企業または非営利団体に属するものでなければならない。また銀行口座も必要となる。

「デベロッパーの要求が私たちの原動力です。私たちは、デベロッパーが、オープンなプラットフォームとエコシステムの上で、世界で最も重要な技術を創造できるよう、手助けするツールと仕組みを開発しているのです」と、GitHubのプロダクト担当の上級副社長であるShanku Niyogi(シャンク・ニヨギ)氏は語った。彼によれば今回の発表は、デベロッパーのエクスペリエンスを改善するという、同社の使命に基づいたものだという。昨年の1年間だけで、同社は150を超える新機能と機能強化をリリースしたと、ニヨギ氏は強調した。しかしUniverseのイベントでは、同社は特に新しいモバイルアプリと通知の機能強化に焦点を当てることにした。

新しいモバイルアプリとしては、iOSのベータ版がリリースされた。Androidも、もうじきサポートされる。いずれも、この種のモバイルアプリに求められる基本的な機能がすべて実現されている。アプリ開発チームは、外出中のデベロッパーにとって最も意味のある、モバイルでのユースケースに真正面から取り組むことにした。ディスカッションに関するフィードバックを共有し、数行のコードをレビューして、変更をマージすることができるようになっている。ただし、これは、GitHubの全機能にアクセスできるツールを目指したものではない。少なくともiPadでは、画面上の作業スペースが多少は増大する。

「タブレットによるインターフェースに目を向けると、作業スペースが増える分、より使いやすいものにすることができます」と、ニヨギ氏は説明する。「コードを確認し、必要な部分に移動することができます。github.comと同じキーボードショートカットをサポートして、より多くのコンテンツ、より多くのコードを扱えるようにしています。ここでは、ユーザーが実際に使っているモバイルデバイスに合わせて、インターフェースも伸縮するように考えています。それと同時に、自分のコンピュータの前にいないときでも、やらなければならないことができるように設計されています」。

以前にも、GitHub用のモバイルアプリを開発した人は、もちろんいる。その1つ、GitHawkはInstagramのエンジニアのグループによって開始されたものだが、そのデベロッパーが、最近GitHubに移籍して、今回の新しいアプリを立ち上げるための作業にも加わった。

2番目に大きな改善点は、通知機能の進化だ。中規模程度のチームのGitHubユーザーでもみんな知っているように、現状のGitHubの通知は、あっという間に膨れ上がって手がつけられない状態になる。もちろんGitHubチームも、それがよく分かっていた。そこで、フィルタ機能はもちろん、GitHub内のすべての通知の受信トレイに及ぶ、広範囲に進化したシステムを開発することにした。

「現在のデベロッパーは、あまりにも大量の通知に見舞われて、ほとんどGmailなどのメールクライアントの受信トレイのような状態になってしまうのを経験しています。その結果、どれが重要で、どれはノイズなのかを判断するのが非常に難しくなってしまっているのです」と、GitHubのストラテジおよびプロダクトマネージメント担当副社長のKelly Stirman(ケリー・スターマン)氏は述べた。「昨年1年で、通知を改善するために多くの手を打ってきましたが、そこで成し遂げたことは大きな一歩になりました。通知とはどうあるべきか、ということを根本的に考え直したのです」。

デベロッパーは、フィルタとルールを使用して、自分にとって本当に重要な通知にだけ集中できる。不要なノイズで受信トレイをあふれさせることはなくなる。デベロッパーは、こうしたフィルタを、好きなようにカスタマイズできる。またここは、モバイルアプリの威力が発揮される部分でもある。「通知は、デベロッパーがコンピュータを使っていない場合、デスクトップの前に座っていない場合に送信されることはよくあります」と、スターマン氏は述べている。「そしてその通知は、何らかの問題を解決して欲しいと、誰かがデベロッパーに助けを求めるものかもしれません。そこで、元来のGitHubが持つ機能を、デスクトップから開放して、モバイルにまで拡張する必要があると考えるのは自然なことでしょう」。

通知機能についてさらに言えば、GitHubは今回、受信トレイにさらに多くの通知を追加する新機能も、限定プレビューとして発表した。また、保留中のコードレビューについて、リマインダーのスケジュールを設定できるようにもなった。

今回の発表の残りの部分の中では、コード検索機能の改善が際立っている。そもそも、何らかの改善が絶対に必要だった部分だ。この新しいコード検索機能は、現在限定ベータの状態だが、今後数か月ですべてのユーザーが利用可能になる予定だ。また同社によれば、特殊文字や大文字/小文字の扱い、その他を考慮した、まったく新しい検索も導入予定だという。

また、新しいコードレビュー割り当て機能も、現在パブリックベータとなっており、GitHub上でコードをナビゲートする新しい方法も導入される。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルがiOS 13.2をリリース、低照度で低ノイズの写真を撮れるDeep Fusionあり

Apple(アップル)は、iPhoneとiPadに向けてiOS 13.2、iPadOS 13.2をリリースした。このアップデートは通常のバグフィックスとセキュリティの改善が主だが新しい機能もいくつかある。

まず、iOS 13.2には大量の絵文字が加わった。同社はこのバージョンからUnicode 12.0を公式にサポートする。手をつないだカップルはどんな性や肌の色でも作れる。アクセシビリティ指向の介護犬とか、車椅子に乗った人、義手や義足、目の不自由な人が使う杖などがある。動物の種類が増え、あくびをしている顔や新しい食べ物もいろいろとそろっている。

iPhone 11やiPhone 11 Proでは、iOS 13.2が機械学習で画像の質、特に暗い画像の明るさをアップするDeep Fusionが使える。ビデオは「カメラ」アプリから直接、解像度やフレームレートを変えられようになる。

iOS 13.2では、アップルの社員とSiriの録音を共有することをオプトアウトできるほか、Siriの命令履歴の削除も可能だ。「設定」→「プライバシー」→「解析と改良」で切り替えればいい。

関連記事:アップルはSiriの音声録音のグレーディングのオプトインと履歴の削除をベータ化

そしてiOS 13.2は、HomeKit対応カメラでHomeKit‌ Secure Videoを有効にできる。新たに発表されたAirPods Proのサポートも加わった。

iOS 13.2にアップデートする前に、必ずデバイスをバックアップすること。iCloudのアップデートが最新であることを「設定」アプリで確認しよう。具体的な手順は、トップのアカウント情報とデバイス名をタップ。iOSデバイスをPCにつないで、iTunesで手作業でバックアップしてもいい。macOS Catalinaの場合はFinder上でバックアップ可能だ。

iTunesやFinderでバックアップするなら、暗号化を忘れないように。暗号化しておけば、誰かがコンピューターをハックしても安全だ。暗号化したバックアップには、保存されていたパスワードや健康データも含まれる。そのため、すべてのオンラインアカウントに再接続しなくてもいい。

バックアップを終えたら、iOSの「設定」アプリ→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開く。「アップデートがリクエストされました」と表示されて、ダウンロード可能な場合は自動的にダウンロードが始まるはずだ。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa