LGがインキュベーター「LG Nova」の第1期候補企業を発表

韓国の大手テクノロジー企業であるLGは、テレビ(CESでいくつか新製品が発表された)、洗濯機、冷蔵庫など、あらゆるものを製造している。同社が関わっていないものを列挙する方が、おそらく時間がかからないだろう。そんなLGがイノベーションに強い関心を持っていても驚くことはない。LG Nova(LGノヴァ)は、カリフォルニア州シリコンバレーのサンタクララにある同社の比較的新しい北米イノベーションセンターで、ここではLGの中核となる成長分野でのミッションを推進するために、スタートアップ企業と協力する新たな興味深い方法を模索している。

2022年1月はじめにラスベガスで開催されたCESで、LGは同社との提携を希望し、その候補に入ることができた最初の企業の一群を発表した。これらの企業には共通点がある。LGのイノベーション分野における重点領域のいくつかを強調・強化する企業であるということだ。

LG Novaが目指しているのは、もちろんこれらの企業を含めたスタートアップエコシステム全体のベン図の中心になることだ。これを、より広い投資家層、大手テクノロジー企業 、学界、起業家コミュニティ、そしてLG独自の適切な販売・マーケティングチャネルなど、LG自身が持つ強みや優位性と一体化したいと考えている。

LG Novaが現在実施しているプログラムは「Mission for the Future(未来に向けたミッション)」というもので、これは本質的に、LGのエコシステムの中でビジネスを創造するために、LGの客員起業家と協力できる最も有望な起業家やスタートアップを見つけるためのろ過システムだ。

Mission for the Futureは、LG Novaが9カ月間にわたって実施するチャレンジプログラムで、より知的で健康的、そしてよりコネクテッドな未来に向けて、生活の質を向上させる最も優れたアイデア、コンセプト、ビジネスを世界中から探し出すために設けられた。

この分野におけるLGの大きなテーマの1つはコネクテッドヘルスであり、特に施設や家庭、またはその分野のサービスを通じて人々のウェルネスニーズを満たすことに特化したヘルスケアを倍増させることに重点を置いている。LG Novaは、その最初の候補企業として、遠隔医療サービスのためのVR治療室を提供するXR Health(XRヘルス)と、LGのテレビを活用して顧客に健康に関する積極的な会話を促すデジタルAIヘルスアシスタントのMaya MD(マヤMD)を発表した。

メタバースは、LG Novaが特に注目している2つ目の広範なカテゴリーだ。そこでは人と機械が新たなインタラクションモダリティ(相互作用)で、どのようにつながることができるかを、より広範に探求しているように見える。この分野においては、メタバースで製品トレーニングを行うための企業向けアプリケーションとサービスを手がけるiQ3と、超現実的な仮想旅行・観光体験を構築しているI3Mという企業が選ばれた。

LGが「Energizing Mobility(エナジング・モビリティ)」と呼ぶ持続可能なモビリティは、同社が推進するイノベーションの第3の柱である。SparkCharge(スパークチャージ)は、持続可能性を維持しつつ、電気自動車の充電をモバイル化するという興味深い企業だ。一方、Driivz(ドライブズ)は、電気自動車の充電管理のための一種のオペレーティングシステムを構築している。

LG Novaのイノベーション円グラフの最後の部分は、同社によると「Smart Lifestyles(スマート・ライフスタイル)」に関するもので、つまりこれはLGの言葉でいうスマートホーム技術のことらしい。この分野ではまず、ユニバーサルなスマートキー技術のEveryKey(エブリィキー)が選ばれた。これは1つのデバイスで車や電話、ドアのロックを解除したり、ウェブサイトのログインを安全に保つことができるようにするという技術だ。A.kin AI(エイキンAI)は、LGのハードウェア製品にバーチャルアシスタント技術を追加しようとしている会社で、特に神経多様性を持つ人々がいる家庭の在宅介護をサポートすることを目指している。そしてChefling(シェフィング)という企業が、必要栄養量に合わせて食事を計画、購入、調理するソリューションを提供し、スマート・ライフスタイルを完成させる。

今回発表されたスタートアップ企業を見れば、LG Novaがどのようなものを求めているかを少しだけ理解できる。次回の募集は2022年末に始まる予定だ。2022年のCESで筆者はこのプログラムの責任者に、LGが何を求めているのか、このプログラムがどのようにスタートアップと協力していくのか、また、選考委員会の目に留まるにはどうしたらいいのか、などについて詳しく話を聞いてきた

画像クレジット:LG Nova

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

LGがインキュベーター「LG Nova」の第1期候補企業を発表

韓国の大手テクノロジー企業であるLGは、テレビ(CESでいくつか新製品が発表された)、洗濯機、冷蔵庫など、あらゆるものを製造している。同社が関わっていないものを列挙する方が、おそらく時間がかからないだろう。そんなLGがイノベーションに強い関心を持っていても驚くことはない。LG Nova(LGノヴァ)は、カリフォルニア州シリコンバレーのサンタクララにある同社の比較的新しい北米イノベーションセンターで、ここではLGの中核となる成長分野でのミッションを推進するために、スタートアップ企業と協力する新たな興味深い方法を模索している。

2022年1月はじめにラスベガスで開催されたCESで、LGは同社との提携を希望し、その候補に入ることができた最初の企業の一群を発表した。これらの企業には共通点がある。LGのイノベーション分野における重点領域のいくつかを強調・強化する企業であるということだ。

LG Novaが目指しているのは、もちろんこれらの企業を含めたスタートアップエコシステム全体のベン図の中心になることだ。これを、より広い投資家層、大手テクノロジー企業 、学界、起業家コミュニティ、そしてLG独自の適切な販売・マーケティングチャネルなど、LG自身が持つ強みや優位性と一体化したいと考えている。

LG Novaが現在実施しているプログラムは「Mission for the Future(未来に向けたミッション)」というもので、これは本質的に、LGのエコシステムの中でビジネスを創造するために、LGの客員起業家と協力できる最も有望な起業家やスタートアップを見つけるためのろ過システムだ。

Mission for the Futureは、LG Novaが9カ月間にわたって実施するチャレンジプログラムで、より知的で健康的、そしてよりコネクテッドな未来に向けて、生活の質を向上させる最も優れたアイデア、コンセプト、ビジネスを世界中から探し出すために設けられた。

この分野におけるLGの大きなテーマの1つはコネクテッドヘルスであり、特に施設や家庭、またはその分野のサービスを通じて人々のウェルネスニーズを満たすことに特化したヘルスケアを倍増させることに重点を置いている。LG Novaは、その最初の候補企業として、遠隔医療サービスのためのVR治療室を提供するXR Health(XRヘルス)と、LGのテレビを活用して顧客に健康に関する積極的な会話を促すデジタルAIヘルスアシスタントのMaya MD(マヤMD)を発表した。

メタバースは、LG Novaが特に注目している2つ目の広範なカテゴリーだ。そこでは人と機械が新たなインタラクションモダリティ(相互作用)で、どのようにつながることができるかを、より広範に探求しているように見える。この分野においては、メタバースで製品トレーニングを行うための企業向けアプリケーションとサービスを手がけるiQ3と、超現実的な仮想旅行・観光体験を構築しているI3Mという企業が選ばれた。

LGが「Energizing Mobility(エナジング・モビリティ)」と呼ぶ持続可能なモビリティは、同社が推進するイノベーションの第3の柱である。SparkCharge(スパークチャージ)は、持続可能性を維持しつつ、電気自動車の充電をモバイル化するという興味深い企業だ。一方、Driivz(ドライブズ)は、電気自動車の充電管理のための一種のオペレーティングシステムを構築している。

LG Novaのイノベーション円グラフの最後の部分は、同社によると「Smart Lifestyles(スマート・ライフスタイル)」に関するもので、つまりこれはLGの言葉でいうスマートホーム技術のことらしい。この分野ではまず、ユニバーサルなスマートキー技術のEveryKey(エブリィキー)が選ばれた。これは1つのデバイスで車や電話、ドアのロックを解除したり、ウェブサイトのログインを安全に保つことができるようにするという技術だ。A.kin AI(エイキンAI)は、LGのハードウェア製品にバーチャルアシスタント技術を追加しようとしている会社で、特に神経多様性を持つ人々がいる家庭の在宅介護をサポートすることを目指している。そしてChefling(シェフィング)という企業が、必要栄養量に合わせて食事を計画、購入、調理するソリューションを提供し、スマート・ライフスタイルを完成させる。

今回発表されたスタートアップ企業を見れば、LG Novaがどのようなものを求めているかを少しだけ理解できる。次回の募集は2022年末に始まる予定だ。2022年のCESで筆者はこのプログラムの責任者に、LGが何を求めているのか、このプログラムがどのようにスタートアップと協力していくのか、また、選考委員会の目に留まるにはどうしたらいいのか、などについて詳しく話を聞いてきた

画像クレジット:LG Nova

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

「高齢者に役立つテクノロジーはすべての人の役に立つ」とスタートアップはCESで示す

2022年のCESではエイジテックのスタートアップが可能性の広さを示した。テクノロジーが高齢者の生活をもっと快適にする助けになるなら、他の多くの人々の助けにもなるだろう。移動のサポート、健康状態をモニタリングするプラットフォーム、長期的な資金計画などが役に立つのは高齢者に限ったことではない。

米国時間1月5日、筆者はAARP Innovation Labsのバーチャルプレゼンに登場したスタートアップの記事を公開した。このプレゼンではファイナンスのリテラシーに関するプラットフォームから更年期対策プロダクトを開発するD2Cのスタートアップまで、さまざまなテーマが取り上げられた。

TechCrunchでは他にも、開閉式のトレイシステム、棚、オプションの冷蔵庫を備えたLabrador Systemsのロボットカート「Retriever」を紹介した。最大25ポンド(約11.3kg)を運搬できるRetrieverは移動に制限のある人の助けとなり、家庭で洗濯物や食事などを運ぶことができる。このカートはAlexaの音声コントロールにも対応している(同社はAmazon Alexa Fundの支援を受けている)。

関連記事:Labrador Systems、高齢者や不自由がある人を助ける支援ロボットの手を2023年までに家庭へ

Sengledは心拍数や体温、睡眠の記録などをレーダーでセンシングして健康状態を把握できるスマート電球を発表した。スマートモニタは新しいアイデアではないが、Sengledの電球は極めて控えめだ。TechCrunchのハードウェア担当編集者であるBrian Heater(ブライアン・ヒーター)は「転倒検知など、高齢者介護に役立つ可能性のあるアプリケーションを搭載している」と記している。

関連記事:この電球はユーザーの健康状態をモニターする

テック大手が家庭用ヘルスモニタリングに参入する傾向も続いている。LGは、2021年と2022年の同社の全スマートテレビにリモートヘルスプラットフォーム「Independa」のアプリをインストールすると発表した。これにより、ユーザーはLGのテレビで遠隔治療の予約を取り、薬剤給付のプランを利用できる。

医療機器スタートアップのEargoは、最新の補聴器「Eargo 6」を発表した。新機能として自動で設定を調整する専用アルゴリズムの「Sound Adjust」を搭載し、ユーザーは騒がしい環境で手動で切り替えをして会話を聴きやすくする必要がなくなる。また、Eargoのアプリで選択できる環境設定の「マスクモード」も追加され、マスクをつけている人の話がこれまでよりクリアに聞こえるようになる。

Sensorscallは、Apple WatchやFitbitなどのヘルストラッキングデバイスと統合されたリモートモニタリングアプリ「CareAlert」のアップデートを公開した。家族や介護者は新しい健康状態ダッシュボードを通じて、毎日のルーティン、睡眠パターン、衛生の状況、キッチンの使用に関する傾向を見ることができる。CareAlertを開発したのは、自立して生活する(つまり住み慣れた家で生活し、その多くは家族と離れている)高齢者だ。

BOCCO emoロボット

BOCCO emoは介護施設での見守り用に作られた最新のロボットだ。開発したのはクッション型ロボットのQooboを作ったユカイ工学で、テーブルに置ける小型のBocco emoは医療用のIoTデバイスと接続して患者のバイタルを監視し、状態を看護師に通知する。患者が助けを必要とする場合は、看護師が到着するまでBOCCO emoが患者に話しかける。患者の状態を家族に知らせることもできる。BOCCO emoはすでに日本で試験運用を実施し、現在は日本国内の病院で使われている。この小さなロボットは「emo言語」を使う。ユカイ工学はこれについて、ユーザーの話と感情を理解し、それに応じて「効果音、顔の表情、ジェスチャー」で反応するものと説明している。

IoTセンサーを活用して自立した生活を支援するスタートアップには、Nodeus SolutionsのKoKoonがある。これはモバイルアプリに接続された小さなIoTセンサーのネットワークで、介護者や家族を対象としている。アルゴリズムが個人の習慣を学習し、行動に変化があれば介護者に知らせる。

IoTセンサー、AI技術、モバイルアプリを組み合わせたスタートアップとしては他にCaregiver Smart SolutionsUnaideSmart Macadamがある。

画像クレジット:Marko Geber / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Kaori Koyama)

コネクテッドフィットネス企業にとってパンデミックが続く2022年もビッグイヤー

毎年、CESの週は、筆者にとって健康的ではなかった。意図的でない断続的な断食はともかく、TechCrunchは展示会でのチームディナーで本当にそうする習慣がある。そしていうまでもなく、同僚のMatt(マット)はメキシコ料理レストランの「Tacos & Beer」に宗教じみた情熱を捧げている。

断っておくが、筆者は毎年、展示会の期間中は毎日必ず、何度も歩数をカウントしていた。ラスベガス・コンベンション・センターのホールを歩き回るテックジャーナリストならそうするはずだ。2022年は、TechCrunchがオミクロン関連の懸念からバーチャルでの参加にしたため、もちろん歩数は減った。

正直にいえば、筆者も同じ懸念のために、ジムに戻るべきか迷っている。そう思っているのは筆者だけではないだろう。2021年末、ジムなどの営業が再開したために、Peloton(ペロトン)のような企業の業績が後退したのは事実だ。しかし、パンデミックはまだ終わっていない。現在、全国の多くの地域で寒すぎて屋外で運動ができないとはいえ、狭い室内で息の荒い人たちと一緒に過ごすというのは、あまり理想的とはいえない。

この種のトレンドが長く続くかどうかを予測するのは常に難しいが、ここ数年でホームフィットネスの世界が大きく変化したことは間違いない。筆者は個人的に、こういったことがすべて終わった後(まあ、本当に終わると仮定しての話だが)、ジムに戻るつもりはないという多くの人と話をした。もちろん、すべてがパンデミックの結果というわけではない。PelotonやMirror(ミラー)といった企業は、私たちの多くが新型コロナウイルスというものを知る前から、多くの支持を得ていた。

もちろん、この手のことは、必ず度が過ぎる。この2年ほど、筆者の受信箱には、家庭用フィットネスサービスのメールが大量に送られてくる。できるだけ多くの企業がこのチャンスに便乗しようとしていることは明らかだ。Pelotonの収益やLululemon(ルルレモン)によるMirrorの買収などを前にしては、彼らを責めることはできないだろう。2021年の「オールバーチャル」CESでは、確かに盛り上がりを見せた。2022年も間違いなくそうなるだろう。

他の超ホットなテック分野と同様、生き残るのはごく一部だ。Pelotonは、CEOのJohn Foley(ジョン・フォーレー)氏による基調講演など、さまざまな形でこのイベントに大きく関与する予定だったが、今週初め、参加を見合わせる企業の長いリストに加わった。それにも関わらず、それを穴埋めする製品がたくさん登場した。

画像クレジット:LG

LGがこのカテゴリーで提示したのは、実用性よりもコンセプト性の方がはるかに高いものだった。どちらかといえば、同社のフィットネスバイクは、ホームフィットネスに同社の曲面モニター技術をどう取り込めるかを示すためにデザインされたものだった。自宅に運動器具を備えようとする多くの人にとってスペースと価格が割高であることと、この製品の大きさを考えると、選ばれることを自ら拒否しているように思えた。

2022年のホームフィットネス製品に「メタバース」という言葉があまり出てこなかったのが率直にいって驚きだった。VRフィットネスアプリのLiteboxer(ライトボクサー)は、そこで得点を稼いだ。「メタバースの夜明けは、より深いつながりの感覚への需要を示しています」と共同創業者でCEOのJeff Morin(ジェフ・モリン)氏はプレスリリースで述べた。「バーチャルリアリティでのワークアウトは、タブレット、電話、コンピュータといった二次元の画面よりも意味のある方法で人々をつなぎます。VRヘッドセットとあなたの勝利への意志さえあれば、誰でも最高のトレーナー、音楽、フィットネス技術とともに、世界のどこにいてもワークアウトができます」。

前述のプレスリリースでは「メタ」という言葉が4回出てくる。プレスリリースでは、ほぼ「VR」という言葉に置き換えて使われたようだ。Quest 2ヘッドセットの商品名だからだ。Liteboxer VRは3月3日にQuest Storeに登場し、月額19ドル(約2200円)のサブスクリプション制となる。

Echelon(エシュロン)は、Peloton(ペロトン)の高価格帯バイク「Bike+」に対抗するために設計した「EX-8s Connect Bike」を展示した。価格はBike+をわずかに下回る2399ドル(約27万8000円)だ。Walmart(ウォルマート)向けの超お手頃な製品も作っている会社としては、高い価格設定だ。この価格で、24インチの曲面1080pディスプレイが手に入る他、車輪部分のライトをカスタマイズできる。1月末に発売される予定だ。

画像クレジット:Wondercise

一方、Wondercise(ワンダーサイズ)はソフトウェアファーストのソリューションだ。同社は、離れた場所にいるエクササイズ愛好家同士を結びつけ、ジムから自宅への移動で生じる孤立感を解消するためのプラットフォームを提供することを目指している。以下は、同社のプレスリリースの資料から。

ライブリーダーボードでは、個人の技量に応じてスコアが表示され、セッションを楽しい雰囲気に演出します。画面上のカラフルなパワーバーやプロフィールは、ゲーム感覚で楽しめるよう意図的にデザインされており、ワークアウトに競争的な側面を加えています。Wonderciseは、いつでも誰でも必要とするパフォーマンス解析とデータが得られるよう、フィットネス業界にIoTを導入することに注力しています。

家庭用機器のカテゴリと同様に競争は激しくなっているが、ソフトウェアファーストのソリューションに比べれば、たいしたことはない。WonderciseはApple(アップル)やSamsung(サムスン)などのビッグネームと直接競合することになる。

一方、Hydrow(ハイドロウ)は家庭用ローイングマシンを代表する重要な企業の1つ。トレッドミルやバイクの先にある、これから本格的な成長が期待されるカテゴリーだ。自転車と比べると、漕ぎ手はより全身を鍛えることができるが、一般に消費カロリーは少ない。Pelotonが手漕ぎボートゲームに参入すると噂されているが、今のところHydrowがこの分野でのビッグネームとして存在感を示している。

画像クレジット:Echelon

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

LGのベストセラー有機ELテレビが新年に向けてバージョンアップ

LGはここ数年、有機ELテレビでかなりすごい連勝を続けている。LGの「C1」は、薄型テレビとして不動の地位を築いており、2021年のCESで同社の2022年ラインナップが我々の(仮想の)注意を引いたとしても、ほとんど驚きはないだろう。LGは、そのベストセラーのテレビに比較的小さなアップデートを施し、画面サイズとスマートさを追加したことで、十分満足しているようだ。

有機EL技術は新しいものではなく、SONY(ソニー)は2007年に解像度が低く、価格も破格な有機ELテレビを発表している。近年、その技術は加速度的に向上し、中流家庭の財布にも届くようになった。この有機EL技術は、従来のLED照明付き液晶パネルにあったバックライトを必要としない。大きな光源から小さなカラーピクセルの配列に光を当てるのではなく、有機EL技術では個々のピクセルが小さな発光ダイオードになっている。そのため、画素が消灯しているときはまったく光を発しないため、驚異的なコントラストと色域を実現している。また、バックライトがないため、テレビメーカーはパッケージングを工夫することができ、薄型化することで画面を丸めたり、曲げたりすることが可能になる。

LGのテレビは8年連続でCESイノベーションアワードを受賞しており、テレビの未来に向けた最新のビジョンを披露したLGは、まさに興奮に包まれていた。

G2シリーズとC2シリーズという2つの新シリーズを発表したのだが、どちらも有機ELの技術をアップグレードして、さらに美しい映像を実現している。LGは、この技術により、より高い輝度、より鮮明な画像、ディテールを実現し、よりリアルな画像を家庭で我々の目に映し出すことができると主張している。

画像クレジット:LG

LGのevo有機EL技術搭載の2022年製77インチC2。実際に見ると、より魅力的に見えるはずだ。LGの2022年G2シリーズには、新しい83インチモデルと世界初の97インチ有機ELディスプレイが追加されている。新しいサイズは、すでにラインナップにある他の3つのサイズ(55インチ、65インチ、77インチ)と合わせて導入される。LG G2シリーズは「ギャラリーデザイン」と呼ばれる、壁にぴったりと貼り付けるタイプのおしゃれなデザインに刷新されている。

一方、C2シリーズは、2021年のスタートラインアップに合計6つのディスプレイサイズを兼ね備える。狭い部屋やゲーム機・パソコン用として最適な小型の42インチモデルが追加された。この新型に加え、48インチ、55インチ、65インチ、77インチ、そして83インチモデルが用意されている。

また、2022年モデルの新機能として、LGのwebOS 22をベースとしたピカピカの新しいユーザーエクスペリエンスもある。このソフトウェアには、個人設定可能なプロフィールが含まれており、テレビを使うさまざまなユーザーが自身の設定を行い、どのストリーミングサービスを好むか、視聴履歴などに基づいてカスタマイズされたコンテンツを推奨してもらうことができる。

同社は、すでにクラス最高の演色性、輝度、フリッカーフリー体験をさらに向上させたと主張しており、ディスプレイ側にも多くの追加アップグレードがある。LGは、NVIDIA G-SYNC互換性をサポートする最初の有機ELテレビだ。同社のディスプレイは、NVIDIA(エヌビディア)の最上位RTX 30シリーズグラフィックスカードで完全な8Kゲームを可能にする最初の8K有機ELテレビであり、同社のゲームオプティマイザ・メニューから利用できるゲーム固有の設定やプリセットも備えていると念を押している。

間もなくレビューが公開されるはずなので、今後数週間から数カ月、それらのレビューに注目して欲しい。ラスベガスで開催されたCESに行かず、LGとその輝かしい新製品にいつも以上に興味がある方は、2022年1月4日の午前8時(太平洋標準時)からLGのバーチャル展示ブースをチェックすることもできる。

画像クレジット:LG

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

GMのシボレー・ボルトEVのリコール費用はLGがほぼ全額負担

GM(ゼネラルモーターズ)は、何万個ものBolt EVのバッテリーを交換することになるかもしれないが、その費用の大半を負担する必要はなさそうだ。同社は、Chevy Bolt(シボレー・ボルト)EVとEUVのリコールにかかる費用のほぼ全額をLGが負担するという約束を取り付けた。GMは、費用20億ドル(約2270億円)のうち19億ドル(約2155億円)をLGが「補填する」と見積もっている。第3四半期決算でその費用は回収される見込みだ。

「高く評価され、そして尊敬されているサプライヤー」と契約に至ったことをうれしく思う、とGMは述べた。とはいえ、GMがこの契約を責任転嫁のために利用していることは間違いない。同社は、リコールの原因がLG製バッテリーの「製造上の欠陥」であることを強調した。LGは、陽極と陰極-陽極セパレータの問題を指摘し、これらの問題が重なるとバッテリーが発火する可能性が高くなることを突き止めた。

その後、LGはバッテリーの問題に対処し、生産を再開した。しかし、このリコールによる直接的なコストは二次的なものかもしれない。電気自動車の分野では比較的脆弱な両社の評判は打撃を受けた。特にGMにとっては、主力の2つのEVが一時的にでも路上から姿を消すというのは良いことではない。GMのHummer EVと電動ピックアップはそのイメージを回復させるかもしれないが、短期的にはあまり役に立たなさそうだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:GM

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(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

スマホ事業を閉鎖したLGが自動車向けサイバーセキュリティのCybellumを264億円で買収、

韓国の大手テック企業であるLG Electronics(LGエレクトロニクス)は、かつて携帯電話分野でトップシェアを誇っていたが、現在は同事業を縮小している。同社は、次世代の自動車向けハードウェアおよびサービスという新分野への意欲の表れとして、イスラエルの自動車用サイバーセキュリティ専門企業であるCybellum(サイベラム)を買収すると発表した。Cybellumは「デジタルツイン」と呼ばれる手法を用いて、コネクテッドカーのサービスやハードウェアの脆弱性を検出・評価する。

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LGによると、この買収は複数の部分からなっている。

まず、1億4000万ドル(約154億円)でCybellumの株式の64%を取得する。次に2000万ドル(約22億円)をSAFE(Simple Agreement for Future Equity)ノートの形で「第4四半期の取引プロセスの終了時に」拠出する。残りの株式は「近い将来」(日付の指定なし)に取得する予定で、これは最終的なバリエーションと投資が確定する時でもある。

現在のところ、バリエーションが一定であれば、この取引の総額は約2億4000万ドル(約264億円)になると見込まれる(市場やCybellumの業績が影響する可能性もある)。

LGは、自動車関連のスタートアップへの投資家としての実績を積み重ねているが、今回の買収は、イスラエル(Cybellumはテルアビブ拠点)での初の買収となる。この取引は、LGがハードウェアだけでなく、自動車業界にソフトウェアソリューションを提供することに興味を持っていることを示している。

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「自動車業界においてソフトウェアが重要な役割を果たしていることは周知の事実であり、それにともなって効果的なサイバーセキュリティ・ソリューションが必要とされています」とLG Electronicsのビークル・コンポーネント・ソリューションズ・カンパニーのKim Jin-yong(キム・ジンヨン)博士は語る「今回の取引は、LGのサイバーセキュリティの強固な基盤を一層強化するものであり、コネクテッドカーの時代に向けてさらに準備を進めるものです」。LGは以前からこの分野に注目していた。

この取引は、Blumberg Capital、Target Global、RSBG Ventures(ドイツの業界大手RAGのベンチャー部門)など、Cybellumの投資家にとても良いリターンとなる。Cybellumはこの取引に先立ち、1400万ドル(約15億4000万円)強を調達していた。

Cybellumは、イスラエル国防軍のサイバーセキュリティ部門のOBであるSlava Bronfman(スラヴァ・ブロンフマン)氏とMichael Engstler(マイケル・エングストラー)氏の2人が2016年に創業した。同社は長年にわたり、ジャガーランドローバーや日産自動車など、同社の技術を利用する大物顧客を数多く獲得しており、提携先にはハーマン、豊田通商、PTCなどが名を連ねている。

ブロンフマン氏は電子メールによるインタビューで、当面はこれらの企業との協力関係を継続し、独立した事業体として運営していく方針を明らかにした。

Cybellumの技術とそのLGによる買収は、コネクテッドカーとサイバーセキュリティの世界におけるいくつかの重要な傾向を示している。

コネクテッドカーは、悪意のあるハッカーにとって新たな攻撃対象だ。しかも、自動車に搭載されている複数の部品や、自動車という大きなエコシステムの中で動いている多数のOEMや自動車関連の会社を考えると、攻撃対象として非常に複雑だ。自動車がより賢く、よりつながりやすく、最終的にはより自律的に進化していけば、その複雑さは増していく一方だ。

大きな課題の1つは、これらすべてに共通するサイバーセキュリティへのアプローチを開発することだった。LGは、この市場での既存のプレイヤーとして、その地位をさらに高めたいと考えており、自社の将来のビジネスと、業界の幅広いサービスニーズに対応するための投資を行っている。

Cybellumのアプローチは、システムの「デジタルツイン」を作り出すことだ。これは、エンタープライズITヘルスケア世界でも採用されている手法で、脅威を特定・評価すべく全体像を把握するためにモニタリングを行う。個々のコンポーネントの断片化を解消する方法の1つであり、車のシステムに負担をかけずにリアルタイムでイベントを監視することができる。

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「これは何よりもまず、セキュリティへの投資です」とブロンフマン氏はいう。「Cybellumはサイバーセキュリティの会社です。LGは大手自動車サプライヤーの1つとして、現在のコネクテッドビークルの時代や、自動運転車への移行に不可欠な要素であることを理解しているため、サイバーセキュリティを優先しています」。

LGは現在、Cybellumの提携先ではないが、ブロンフマン氏は、両社の最初の統合は2022年に実現する可能性が高いと述べた。

画像クレジット:Joan Cros/NurPhoto / Getty Images 

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

2021年第1四半期のスマホ世界出荷台数は27%増

パンデミックの影響から回復しつつあるスマートフォン市場から、さらなる朗報がもたらされた。Canalysの発表によると、2021年第1四半期(1〜3月)のスマートフォンの世界での出荷台数は、前年同期比27%増だったという。

この業界は新型コロナウイルス(COVID-19)によって早い段階から打撃を受けており、第1四半期にはパンデミックがまず中国や製造業の多いアジア地域を襲ったため、深刻なサプライチェーンの問題に直面した。その後、モバイル機器を購入しようとする人が減り、経済や雇用にも影響が出てきたため、需要が低迷し始めた。

画像クレジット:Canalys

Samsung(サムスン)は引き続き世界市場をリードしており、5960万から7650万台(前年同期比28%増)となった。同社は世界のスマートフォン出荷台数の約22%を占めている(これは前年同期と変わらない) 。

2位はApple(アップル)で、3710万台から5240万台へと41%増加した。これは、2020年末にリリースされた大規模なアップグレードによるものであると考えて間違いない。一方、Huawei(ファーウェイ)の苦戦は同社をトップ5から追い落とした。

CanalysのBen Stanton(ベン・スタントン)氏はプレスリリースの中で「Xiaomi(シャオミ)は、新しいファーウェイとなるためのポールポジションを獲得している」と述べている。「競合他社はチャネルマージンに優れているが、シャオミの圧倒的な販売台数は競合ブランドよりも収益を上げる良い機会を与えている。しかし、競争は終わっていない。OppoとVivoがすぐ後を追っており、多くの地域でミッドレンジにポジショニングし、ローエンドでシャオミを囲い込んでいる」。

また調査によると、LGのスマートフォン分野からの撤退は、特に2020年の売上の80%を占めた米国で若干の混乱を招くだろうとしている。

関連記事:中国におけるアップルのスマホ売上回復、ファーウェイは王座を失う

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートフォンCanalysAppleSamsungXiaomiLG

画像クレジット:ViewApart / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

LGがスマートフォン事業を閉鎖、グローバルで

LGは現地時間4月5日、赤字のスマートフォン事業をグローバルで閉鎖すると発表した。かつてのパイオニアブランドは今後、電気自動車の部品、コネクテッドデバイス、スマートホーム、ロボット、AIとB2Bソリューション、プラットフォームとサービスなどの「成長分野」にリソースを集中させるとしている。

LGは声明で取締役会がこの決定を承認したと発表した。この意外性のない動きは、同社が2021年1月に行ったスマートフォン事業の方向性を見直すという声明に続くものだ。

米国のスマートフォン市場で長らく第3位の座を維持してきたLGは、在庫がなくなるまで端末の販売を継続し、地域によって異なるが一定期間は既存のスマートフォンに対するソフトウェアサポートを提供すると述べている。

LGによれば、スマートフォン事業の従業員の今後については地域レベルで判断するとしている。20−21年1月には同社はスマートフォン事業の売却を検討していると報じられていた。一方、同月にLGは2021年中に巻取り型スマートフォンを発売するとも発表していた。しかし、事業を維持するためのあらゆる努力は失敗に終わったようだ。

LGは声明で「今後もLGはモバイルにおける専門性を活かし、6Gなどモバイル関連技術を開発することで、他の事業分野での競争力を強化していきます。またLGの20年のモバイル事業培われたコア技術も維持され、既存および将来の製品に活かしていきます」と述べた。

LGのスマートフォン事業の業績不振は数年前から広く知られていた。他の無数のAndroidスマートフォンメーカーと同様に、LGも状況を好転させるのに苦労してきた。

LGはミッドレンジとハイエンド向けスマートフォンに注力してきたが、この2つの分野はHuawei(ファーウェイ)、Xiaomi(シャオミ)、OnePlus、Oppo、Vivoといった中国の携帯電話メーカーが数カ月ごとにコストパフォーマンスの高いモデルを発売しており、この10年間で競争が激化している(かつてライバルだったHTCも苦戦している)。

現在いくつかのスマートフォンメーカーは収益を上げるために、モバイル決済などのソフトウェアサービスに大きく依存している。LGがモバイル決済サービスを開始したのはSamsung(サムスン)が 「Samsung Pay」 を発表してから2年後の2017年だったが、LGのサービスのポートフォリオはずっと小さいままだった。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:LGスマートフォン

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Manish Singh、翻訳:塚本直樹 / Twitter

2画面スマホ「LG VELVET」は画面が曲がる先進性より、折り畳める実益を重視する方にお勧め

LGエレクトロニクス・ジャパンは、2画面スマホの第3弾となる「LG VELVET L-52A」(エルジー ベルベット)を2020年12月18日に発売した。ディスプレー折りたたみ型スマホ「Galaxy Z Fold2 5G SCG05」は税抜25万9980円と高価だが、LG VELVETは税抜8万8704円と9万円を切っている。2画面の間にベゼルが入るが、大画面を持ち歩く点ではコスパに優れた端末なのだ。

LGエレクトロニクス・ジャパン「LG VELVET L-52A」。価格は税抜8万8704円

LGエレクトロニクス・ジャパン「LG VELVET L-52A」。価格は税抜8万8704円

LG V60 ThinQ 5Gよりもさらにコスパを重視

LG VELVETはOSに「Android 10」、SoCに「Snapdragon 765G」(2.4GHz+1.8GHz、8コア)を採用。メモリー(RAM)は6GB、ストレージ(ROM)は128GBを搭載している。

ディスプレーは約6.8インチFHD+有機EL(1080×2460ドット)。「LGデュアルスクリーン」を装着することで、2画面を利用可能になる。なお従来は必ずLGデュアルスクリーンが同梱されていたが、LG VELVETは7万488円で本体のみを購入可能だ。

カメラはリアに標準(約4800万画素、F1.8、1/2.0インチ)、広角(約800万画素、F2.2、1/4.0インチ)、深度(約500万画素、F2.4)、フロントに標準(約1600万画素、F1.9、1/3.0インチ)を搭載。望遠カメラは含まれていないが、約4800万画素の高画素イメージセンサーを活かし、最大10倍のデジタルズームが可能だ。

通信機能は5G、Wi-Fi 5(11ac)、Bluetoothに対応。防水防塵性能はIPX5/IPX8、IP6Xで、FeliCa機能も搭載されている。

スペックを総括すると、ミドルレンジクラスのSoCが採用されており、前モデル「LG V60 ThinQ 5G L-51A」の下位モデルと位置づけられる。SoC、メモリー(RAM)、カメラ、Wi-Fiなどは差別化されているが、ユーザー体験を大きく左右するディスプレーは同じサイズの有機ELを採用。LG VELVETはLG V60 ThinQ 5Gよりもさらにコスパを重視したモデルといえよう。

  1. 2画面スマホ「LG VELVET」は画面が曲がる先進性より、折り畳める実益を重視する方にお勧め

LGデュアルスクリーンのフタ部分には日時や通知を確認できるサブディスプレーを装備。本体カラーはオーロラグレーとオーロラホワイトの2色が用意

LGデュアルスクリーンのフタ部分には日時や通知を確認できるサブディスプレーを装備。本体カラーはオーロラグレーとオーロラホワイトの2色が用意

右がLG VELVET本体、左がLGデュアルスクリーンの画面。LGデュアルスクリーン側にもノッチ(切り欠き)が存在する

右がLG VELVET本体、左がLGデュアルスクリーンの画面。LGデュアルスクリーン側にもノッチ(切り欠き)が存在する

LGデュアルスクリーンは360度回転させて、本体の背面に回せる。この点はGalaxy Z Fold2 5Gより優れていると言える

LGデュアルスクリーンは360度回転させて、本体の背面に回せる。この点はGalaxy Z Fold2 5Gより優れているといえる

LGデュアルスクリーン装着時、本体下部には磁力で吸着する充電コネクターと3.5mmヘッドフォンジャックを用意。LG VELVET本体にはUSB Type-C端子が装備されている

LGデュアルスクリーン装着時、本体下部には磁力で吸着する充電コネクターと3.5mmヘッドフォンジャックを用意。LG VELVET本体にはUSB Type-C端子が装備されている

本体右側面には電源ボタン、左側面にはボリュームボタンとGoogleアシスタントキーが配置されている

本体右側面には電源ボタン、左側面にはボリュームボタンとGoogleアシスタントキーが配置されている

強制的にワイドモードで表示する「WideMode for LG」は必携アプリ

LGデュアルスクリーンの使い勝手は従来モデルから変更はない。基本はふたつの画面に異なるアプリを表示して利用するが、「ワイドモード」に対応したアプリならふたつの画面をまたがって全画面表示できる。

LGデュアルスクリーンのワイドモードは「Whale」、「Chrome」、「Gmail」などの一部アプリでしか利用できないが、「WideMode for LG」をインストールすればほかのアプリでも強制的にワイドモードで表示可能となる。LGの2画面スマホユーザー必携のアプリだが、すべてのアプリで正常に動作することが保証されているわけではない点は承知しておこう。

Androidのマルチウィンドウ機能を利用すれば最大3つのアプリを表示できる

Androidのマルチウィンドウ機能を利用すれば最大3つのアプリを表示できる

一部アプリは「ワイドモード」を設定可能

一部アプリは「ワイドモード」を設定可能

ワイドモードを有効にすれば、ふたつの画面をまたがって全画面表示できる

ワイドモードを有効にすれば、ふたつの画面をまたがって全画面表示できる

ウェブページなどは横持ちすると中央ベゼルが行間に来るので閲覧しやすくなる

ウェブページなどは横持ちすると中央ベゼルが行間に来るので閲覧しやすくなる

非対応アプリでも「ワイドモード」を利用可能にするアプリが「WideMode for LG」

非対応アプリでも「ワイドモード」を利用可能にするアプリが「WideMode for LG」

「WideMode for LG」をインストールすれば、電子書籍リーダー「Kindle」でもワイドモードを利用可能となる。ただし、見開き表示には対応していない(鈴木みそ氏「ナナのリテラシー1」より)

「WideMode for LG」をインストールすれば、電子書籍リーダー「Kindle」でもワイドモードを利用可能となる。ただし、見開き表示には対応していない(鈴木みそ氏「ナナのリテラシー1」より)

AnTuTu Benchmarkの総合スコアは321161

LG VELVETのパフォーマンスをチェックするために「AnTuTu Benchmark」を実行したところ、総合スコアは321161という結果になった。1月10日時点のAnTuTu Benchmarkのランキングで「HUAWEI Mate 40 Pro」が661059だったので、LG VELVETはその約49%のパフォーマンスということになる。一般的な用途には十分なパフォーマンスだが、3Dゲームなどのためにより高い性能を発揮する2画面スマホが必要なら、Snapdragon 865を搭載するLG V60 ThinQ 5Gを選ぶことをお勧めする。

「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは321161、「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは1919、「3DMark」のWildlifeのスコアは1662

「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは321161、「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは1919、「3DMark」のWildlifeのスコアは1662

発色が濃い傾向があるが好ましいカメラ画質

カメラ画質はやや実際の色よりも発色が濃い傾向があるが、個人的には好ましく感じた。望遠カメラは搭載されていないが、約4800万画素のイメージセンサーを搭載しているおかげで、10インチ以下のディスプレーで鑑賞するなら実用レベルだと思う。

特に高く評価できるのが夜景を撮影するための「ナイトビュー」モード。夜景を撮影すると明るい看板や照明などが白飛びする端末が多いが、LG VELVETのナイトビューでは白飛びを抑えてくっきりと撮影できる。今回は試せなかったがイルミネーションの撮影などでも威力を発揮するはずだ。

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

標準カメラで撮影

標準カメラで撮影

標準カメラで撮影(2倍デジタルズーム)

標準カメラで撮影(2倍デジタルズーム)

標準カメラで撮影(10倍デジタルズーム)

標準カメラで撮影(10倍デジタルズーム)

標準カメラで撮影

標準カメラで撮影

標準カメラで撮影(ナイトビュー)

標準カメラで撮影(ナイトビュー)

ディスプレーが曲がる先進性よりも、折り畳める実益を重視する方にお勧め

前述のとおりLGデュアルスクリーンを装着したLG VELVETは画面の間にベゼルが入る。未来感という点ではGalaxy Z Fold2 5Gのほうが上だ。しかし、ふたつのアプリを同時に使う場合にはまったく気にならないし、ワイドモードで全画面表示した場合でも実用上はほぼ問題にならない。ディスプレーが曲がるという先進性ではなく、折り畳める実益を重視する方にとって、LG VELVETはコスパに優れる、もってこいの端末といえる。

一方の画面をゲームコントローラーとして利用できる機能も用意されている

一方の画面をゲームコントローラーとして利用できる機能も用意されている

 

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:LG / LGエレクトロニクス(企業)折り畳みスマートフォン / フォルダブルスマートフォン(用語)ガジェット(用語)スマートフォン(用語)レビュー(用語)

「折り畳み」の次は「ローラブル」、LGとTCLが巻き取り式スマホを披露

はっきりいって、スマートフォンの売れ行きは悪い。ここ数年ずっとそうだ。現在進行中のパンデミックが助けになっていないのも確かだ。5Gと新しいフォームファクタがある種の立ち直りを引き起こすだろうという説は、人々が不必要な贅沢品の購入にブレーキをかける中で、隅に押しやられてしまった。

Samsungは折り畳み式フォームファクタで成功を収めた唯一の企業だが、そのスタートはいばらの道だった。最初は技術的な問題が多く、あまり良くない第一印象につながったのである。最近では、価格が主なハードルであり続けている。特に多くの人にとって、スマホに1000ドル(約10万4000円)以上を必要なことが、購入の赤信号に等しいこのご時世ならなおさらだ。

携帯電話のフォームファクタの世界では、少なくとも2つ製品が登場すれば、トレンドが始まったと見なされる。CES 2021の初日、LGとTCLの両社はそれぞれ、モバイルデバイスの画面の面積をさらに広げる新たなフォームファクタを披露した。

画像クレジット:TCL

2つのオプションのうち今のところLGの製品の方が注目度が高いのは、同社が実際にリリースを予定している点が大きい。米国1月12日朝に公開されたインタビューで、広報担当者のKen Hong(ケン・ホン)氏は日経の取材に対し「CES 2021で発表されているように、2021年発売されるとお伝えできます」と述べている。

確かに、LGは奇抜なフォームファクタでチャンスをつかむことを恐れない会社だ。この傾向を示す近年の例はいくつかあるが、最も顕著なものとして回転デュアルスクリーンのLG Wingが挙げられる。

それでも、この製品は記者会見でのほんの数秒間のティーザー(いってみればシーン間の移行のための演出)に過ぎなかったので、この技術はまだまだ先のことだと思っていいだろう。

一方のTCLは、製品はまだコンセプト段階にあることを前面に出しているが、その姿はもう少しよく見ることができた。未完成の現実世界の製品よりも、コンセプトを披露する方が容易なのは確かだ。詳細はまだわずかだが、同社はデバイスを6.7インチ(約17cm)から7.8インチ(約19.8cm)に広げられるという。対するLGは、画面サイズで6.8インチ(約17.2cm)から7.4インチ(約18.8cm)に広げられるとのことだ。

モバイル業界は、折り畳み式の最初のバッチで発生した問題から学んだのではないかと想像する。あるいは少なくとも、そう期待している。時に、技術を市場に投入するための競争のあまり中途半端な製品が供給され、Samsung(サムスン)やMotorola(モトローラ)のような企業はしっぺ返しを喰らう。ラボでするテストと、現実の世界は大きく違う。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートフォンLGTCLCES 2021

画像クレジット:LG

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(翻訳:Nakazato)

LGのスマートテレビでクラウドゲームGoogle StadiaとNVIDIA GeForce Nowが利用可能に

LGはCESのプレスカンファレンスで、2021年に向けたテレビのラインナップを説明することに大部分を費やした。同社のテレビにはより大型で、より薄型で、より明るい製品が期待できるようだ。ここでそれら新型モデルの仕様を書き連ねるつもりはない。しかし、特筆すべき新機能はいくつかある。

LGは自社のテレビにAndroid TVをOSとして使っていない。代わりにwebOSと呼ばれる独自のオペレーティングシステムを採用しており、アプリ開発者はLGのスマートテレビ向けに専用バージョンのアプリをリリースしなければならない。そしてLGは今回、Google Stadia(グーグル ステイディア)とNVIDIA GeForce Now(エヌビディア・ジーフォース・ナウ)が同社の2021年モデルのテレビで利用可能になることを発表した。

GoogleのクラウドゲームサービスであるStadiaは、2021年後半に利用可能になる。ただし、全世界でというわけではなく一部の国のみだ。Stadiaが利用可能な国に住んでいれば、Chromecastのプラグを抜いてStadiaにアクセスできるようになる。

Stadiaは、クラウド上で動作するゲーム機のようなものだ。最寄りのデータセンターでゲームを購入して実行すると、その映像が自宅のテレビに直接ストリーミングされる。ゲームパッドの操作はサーバーを介してプレイ中のゲームに反映される。

NVIDIAのクラウドゲーミングサービスであるGeForce Nowは、2021年中に利用可能になる予定だ。こちらのサービスはSteam(スチーム)、Epic Games(エピック・ゲームズ)、GOG、Ubisoft Connect(ユービーアイソフト・コネクト)のライブラリを利用できるという点が少々異なる。

これまでNVIDIAは、NVIDIA Shield TVにGeForce Nowアプリを搭載した自社のセットトップボックスを優先してきたが、最近ではこのAndroid向けアプリがより多くのデバイスをサポートするようにアップデートされている。さらにwebOSをサポートすれば、Android TV以外へもますます拡大していきそうだ。

LGは2021年、webOSを新しいインターフェースにアップデートすることも発表した。画面下部にあったオーバーレイメニューは、フルスクリーンメニューに変更される。これによって、ユーザーは好みのアプリを見つけたり、ライブTVにアクセスしたり、いくつかのおすすめコンテンツを受け取ることができるようになる。そして広告にも使われるだろう。

ゲームをプレイしている時は、最も関連性の高い設定にアクセスするための新しいゲームメニューが表示される。たとえば現在プレイ中のゲームの種類(FPS、レースゲームなど)に応じて、このメニューからテレビのプロファイルを切り替えることができるようになるのだ。普通はゲームのジャンルに関わらず、できるだけ遅延を減らしたいと思うはずで、個人的にこの機能はあまり意味がないように思えるが。G-SYNCやFreeSyncに対応した機種を使用しているなら、これらの機能をオンにすることも可能だ。

有機ELテレビの新製品には、旧型プロセッサを搭載するエントリーラインの「A1」シリーズ、可変リフレッシュレートや低遅延などで現代のゲーム機にも対応した「C1」シリーズ、そしてラインナップの最上位モデルとして3種類のサイズ(77インチ、65インチ、55インチ)が用意された「G1」シリーズがある。

画像クレジット:LG

カテゴリー:ハードウェア
タグ:LGスマートテレビGoogle StadiaNVIDIAGeForce NowクラウドゲームCES 2021

画像クレジット:LG

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(翻訳:TechCrunch Japan)