高専10校が共同開発した人工衛星「KOSEN-1」で初の宇宙技術実証に成功、Raspberry Pi CM1を衛星の心臓部に採用

高専10校が共同開発した人工衛星「KOSEN-1」で初の宇宙技術実証に成功、Raspberry Pi CM1を衛星の心臓部に採用高知工業専門学校(高知高専)を中心とする10校の高専が開発した超小型人工衛星「KOSEN-1」が、市販のLinuxマイコンボード「Raspberry Pi Compute Module 1」(CM1)を衛星の制御に使うオンボードコンピューター(OBC)として常時運用するという宇宙技術実証に成功した。

KOSEN-1は、10センチ四方の立方体を2つ重ねた大きさで、重量は2.6kgという超小型人工衛星(2Uキューブサット。サイズ10×10×23cm)。以下に挙げる10校が共同で開発した、木星が放射する自然電波の観測のための最新技術の実証を目的とした木星電波観測技術実証衛星だ。2018年にJAXAの革新的衛星技術実証2号機の実証テーマに選定され、50名以上の高専生が参加して2年半をかけて開発。2021年11月、JAXAのイプシロンロケット5号機で打ち上げられた。

開発参加校

高知高専
群馬高専
徳山高専
岐阜高専
香川高専
米子高専
新居浜高専
明石高専
鹿児島高専
苫小牧高専

今回実証に成功したのは、超小型で省電力な市販のLinuxマイコンボード「Raspberry Pi Compute Module 1」(CM1)を衛星の心臓部となるOBCに使い、宇宙で運用するというもの。このOBCと連動したカメラによる地球の写真撮影にも成功した。

KOSEN-1から撮影された地球

CM1のプログラムには、プログラミング言語Pythonを利用しているという。そのCM1とPythonの組み合わせには、いくつもの利点がある。まずはCM1のOSがオープンソースソフトウェアのLinuxで、OS本体だけでなくソフトウェアなどの膨大なリソースが自由に使えること。CM1は安価な市販のマイコンボードなので、ハードウェアのシミュレーションが容易に行えること。さらに、やはりオープンソースのプログラミング言語Pythonを使うため、インターネットで共有しながらプログラム開発が行えること。これらにより、多くの高専生が参加する画期的な「分散型OBCソフト開発」が実現できた。

OBCに使用された「Raspberry Pi Compute Module 1」

今後KOSEN-1では、「デュアルリアクションホイールによる超高精度姿勢制御」と「木星電波観測用6.6m長ダイポールアンテナ展開技術」の実証を宇宙で行うことにしている。

東京大学と農研機構が作物の品種改良を行う育種家の感性を解明、柑橘類の皮の剥きやすさと実の硬さを深層学習で定量化

Pythonを用いることで、カンキツの果実断面の画像から、果実のさまざまな形態的特徴を定量的かつ自動的に評価する技術を開発

Pythonを用いることで、カンキツの果実断面の画像から、果実のさまざまな形態的特徴を定量的かつ自動的に評価する技術を開発

東京大学農研機構は2月10日、育種家(作物の品種改良を行う人)が独自の感性でもって評価してきた柑橘類の剥皮性(皮の剥きやすさ)と果実の硬度を、AIによる画像解析などにより定量化することに成功したと発表した。これにより、効率的な品種改良が可能になるという。

東京大学大学院農学生命科学研究科(南川舞氏・日本学術振興会 特別研究員、岩田洋佳 准教授)と農研機構(野中圭介氏、浜田宏子氏、清水徳朗氏)からなる研究グループは、柑橘類の果実の剥皮性と硬度を、果実断面のAIの深層学習を用いた画像解析などから、自動的に、定量的に評価する技術を開発した。そうした評価は、これまで育種家の感性に頼ってきたものであり、何を持って評価を行っているかは当事者にしかわからない「ブラックボックス」状態だった。

育種家の感性による達観的評価の方法

育種家の感性による達観的評価の方法

深層学習による剥皮の難易もしくは果実の硬軟の分類と、分類に寄与した特徴の可視化

深層学習による剥皮の難易もしくは果実の硬軟の分類と、分類に寄与した特徴の可視化

柑橘類の果実は、外皮(フラベド)、中果皮(アルベド)、じょうのう(袋)、果肉、種子、果芯(中心部)で構成されている。その断面画像を解析したところ、果芯の崩壊(空間ができること)が進んだ果実ほど皮が剥きやすく実が柔らかいという関係性がわかった。このほか、種子の面積と硬度の関係、アルベドの崩壊の状態も剥きやすさと柔らかさに寄与することもわかった。こうした関係性の推定には、変数間の因果関係を推定するベイジアンネットワークが用いられている。

ベイジアンネットワークにより推定された、カンキツ果実の形態的な特徴と剥皮性・果実硬度との関係

ベイジアンネットワークにより推定された、カンキツ果実の形態的な特徴と剥皮性・果実硬度との関係

この技術により果実の形態的な特徴のデータを自動的に大量に収集できるようになれば、ゲノム情報を活用した効率的な品種改良が可能となる。また、「果芯の崩壊程度や種子面積を改良することで、望ましい剥皮性や果実硬度を有する新品種」の開発も可能になるという。今後は、剥皮性と果実硬度の総合的な遺伝システムの解明を目指すとのことだ。

仙台市と東北大学がKaggleを用いAI・データサイエンスの実践スキルの習得を目指す講座を開講、受講者募集開始

仙台市と東北大学がKaggleを用いAI・データサイエンスの実践スキルの習得を目指す講座を開講、受講者募集開始

宮城県・仙台X-TECH推進事務局は、東北大学大学院情報科学研究科と連携し「データサイエンス・トレーニングキャンプ」をオンライン開催(Zoom)すると発表。受講者の募集を開始した。受講者募集期間は2月14日12:00まで。開講日程は、2月24日から3月12日。修了時には、東北大学大学院情報科学研究科による修了証が授与される。

これは、AIを用いたデータ分析の手法とデータサイエンスの実践スキルを学ぶための講座だ。仙台X-TECH推進事務局は、仙台市をフィールドに、最先端IT技術と様々な産業を掛け合わせたX-TECH(クロステック)による新事業創出を推進しており、AI関連ビジネスが持続的に生まれるエコシステム「AI-Ready都市・仙台」を目指す「仙台 X-TECHイノベーションプロジェクト2021」の一環として開催する。

募集対象者は、仙台または東北に本社や事業拠点を置く企業や団体に所属する個人で、これまでに仙台X-TECHイノベーションプロジェクトのプログラムやワークショップに参加したことのある人、AIやデータサイエンスに関心の高いエンジニア(経験はスキルは不問)、またはAIビジネス創出を支援するITベンダーのエンジニア(プログラミング未経験でも可)のいずれかに該当する者となっている。

講師は、東北大学大学院情報科学研究科教授の中尾光之氏と、同研究科准教授の山田和範氏。

AIコンペティション・プラットフォームKaggleから厳選したプロジェクト2つにおいて、参加者間で3名程度のチームを組成の上、前半(Day 1〜5)、後半(Day 5〜9)それぞれハンズオン講義+チーム活動にてビッグデータ分析を通した課題解決に取り組む。

概要

  • 開講日程:2月24日〜3月12日
  • 会場:Zoomによるオンライン開催
  • 受講者募集期間:2022年2月14日12:00まで
  • 募集人数:20名(応募多数の場合は抽選)
  • 参加費:無料

申し込みは、特設サイト「東北大学 x 仙台市 データサイエンス・トレーニングキャンプ」より行う。

Elephant RoboticsとM5Stackが共同開発したコンパクトな4軸ロボットアームmyPalletizerをスイッチサイエンスが発売

Elephant RoboticsとM5Stackが共同開発したコンパクトな4軸ロボットアームmyPalletizerをスイッチサイエンスが発売

スイッチサイエンスは2月8日、中国深センの産業用ロボットメーカーElephant RoboticsM5Stackが共同開発したロボットアーム「myPalletizer」と、そのエンドエフェクター2種の販売を同日開始した。myPalletizerの価格は6万9454円(税込)。すでにスイッチサイエンスから発売されているElephant Roboticsの6軸ロボットアーム「myCobot 280」をさらにコンパクトにしたもので、エンドエフェクターには、一部myCobotと互換性がある。

myPalletizerは重量960g、作業半径260mmという大変にコンパクトなロボットアーム。制御システムとして開発モジュール「M5Stack Basic」を搭載し、アーム部にはM5Stackシリーズの最小ユニット「ATOM Matrix」が装備されている。開発環境としては、Python、ROS、Arduino、Roboflowなどに対応。アーム先端と本体底部には著名ブロック玩具互換のコネクターも装備されている。

アームの先端に取り付けるエンドエフェクターは、今回、「myPalletizer用グリッパー」と「myCobot 280/myPalletizer用カメラフランジ」が同時発売されたが、myCobot 280の「myCobot 280用Gベース(クランプ)」や「myCobot 280用吸引ポンプ」も使える。

エンドエフェクターのmyPalletizer用グリッパーは、小さな箱やボールを掴むことができる。ROS、Arduino、UIFlow、RoboFlowなど、あらゆる開発環境で使用可能。myPalletizer専用。

myCobot 280/myPalletizer用カメラフランジは、顔認証、スマートディスプレイ、スマートデリバリー、自動販売機、コードのスキャン、アクセス管理などの用途に使えるカメラパーツ。「myCobot 280」でも使用可能。

myPalletizer」概要

  • 型番:MYCOBOT-MYPALLETIZER-PSE
  • 軸数:4軸
  • ペイロード:300g
  • 作業半径:260mm
  • 精度:±0.5mm
  • 重量:900g
  • モーター:高精度磁気エンコーダー式サーボモーター
  • 作動速度:120°/s
  • 電源:8~12 V 5A(12VのACアダプターを同封)
  • コネクター:USB Type-C(M5Stack Basic本体)
  • 価格:6万9454円(税込)

myPalletizer用グリッパー」概要

  • 型番:MYCOBOT-MP-GRIPPER-AG-WH
  • サイズ:110×90×60mm
  • 重量:88g
  • クランプ幅:20~45 mm
  • 最大クランプ重量:150g
  • 価格:1万6445円(税込)

myCobot 280/myPalletizer用カメラフランジ」概要

  • 型番:MYCOBOT-CAMERAFLANGE
  • USBレンズ(歪みなし)
    ・サイズ:18×18×20 mm
    ・最大ピクセル:100万(1280×720)
    ・対応画像フォーマット:YUV、MJPEG
    ・ピクセルサイズ:3.4um×3.4um
    ・最大フレームレート:1280×720@25fps
    ・USBプロトコル:USB 2.0 HS/FS
    ・対応解像度:1280×720、640×480、320×240
    ・電源:DC5 V 90mA
    ・レンズ焦点距離:標準1.7mm
    ・FOV角:≈60°
    ・対応OS:Windows、Linux、MacOS
  • エンドフランジ
    ・材質:感光性レジン
    ・仕上げ:塗装
    ・サイズ:80×40×20 mm
    ・重量:60g
  • 価格:1万4465円(税込)

オンラインプログラミング学習サービスProgateが登録ユーザー数240万人と発表、人気レッスンのランキングも公開

オンラインプログラミング学習サービスProgateが登録ユーザー数240万人と発表、人気レッスンのランキングも公開

オンラインプログラミング学習サービス「Progate」(プロゲート。Android版iOS版)を展開するProgateは1月18日、ウェブ版および同名スマホアプリの合計登録ユーザー数について、2021年12月に全世界で240万人を突破したと発表。また、2021年に実施したレッスンの人気ランキングを公開した。1位は「HTML & CSS」、2位は「JavaScript」、3位は「Python」と、3位までの順位は前年と同じだった。

動きが見られたのは4位以下だ。前年の4位は「Ruby on Rails5」だったが、2021年は前年5位だった「Java」が上がってきた。そして、5位には「SQL」が入った。これは、Progateの法人契約が増え、自社のデータ分析を目的にデータベース言語であるSQLを選ぼうという人が増えたからだとProgateでは見ている。

またProgateでは2021年、実践的な課題に取り組む「Quest」や、具体的な目標を立てて学習する「プロジェクト」といったコンテンツの試験導入を行った。2022年はその結果をもとに、「さらに奥深い学習」を提供するコンテンツの拡充を予定しているとのことだ。

スイッチサイエンスがコンピュータービジョン向けLuxonis製「OAK-D-LITE OpenCV DepthAIカメラ」2種発売開始

スイッチサイエンスがコンピュータービジョン向けLuxonis製「OAK-D-LITE OpenCV DepthAIカメラ」2種発売開始

スイッチサイエンスは1月12日、同社ウェブショップにおいてLuxonis製コンピュータービジョン用ハードウェア「OAK-D-LITE OpenCV DepthAIカメラ」の発売を開始した。自動焦点版「OAK-D-LITE OpenCV DepthAIカメラ(自動焦点版)」と「OAK-D-LITE OpenCV DepthAIカメラ(固定焦点版)」の2種類がある。直販価格は、それぞれ1万8854円(税込)。

OAK-D-LITE OpenCV DepthAIカメラは、高度なニューラルネットワークを動作させながら、ステレオカメラ2基と4Kカメラ1基で深度情報と色情報を取得できるAIカメラだ。顔認識、オブジェクト検知、オブジェクトトラッキング、Python APIの使用が可能となっている。

自動焦点版は、30cm以内の撮影対象に動的に焦点を合わせることができる(オートフォーカス)。ドローンやロボットなど、振動が大きな用途には向いていない。固定焦点版は、振動が大きい用途に対応でき、レンズが動かないためRGB深度調整にも向いている。30cmの距離で焦点が合うようになっている。

自動焦点版、固定焦点版ともに、特徴は以下のとおり。

  • リアルタイムバックグラウンド演算により動きの予測が可能
  • 12メガピクセル、JPEGエンコーディング(静止画)
  • H.264/H.265エンコーディング(4Kビデオ3.125 MB/秒、Raspberry Pi Zeroでは4K/30 fpsで録画可能)
  • 歪み除去、魚眼レンズに対応
  • オブジェクト検知、画像認識、セマンティックセグメンテーション
  • 対象のトラッキングが可能
  • MJPGエンコーディング
  • 3Dでオブジェクトのトラッキング可能
  • ステレオカメラ

電源はUSB Type-C経由で給電される。消費電力はスタンバイ時で0.6W。depthai_demo.py実行時で4W。最大時で4.5W。ビデオエンコーダーやニューラルネットワークを実行しているときに2Wの電力スパイクが発生する可能性があるとのこと。

OAK-D-LITE OpenCV DepthAIカメラ(自動焦点版)

  • 型番:LUXONIS-OAK-D-LITE-AF
  • 価格:1万8854円(税込)

OAK-D-LITE OpenCV DepthAIカメラ(固定焦点版)

  • 型番:LUXONIS-OAK-D-LITE-FF
  • 価格:1万8854円(税込)

スイッチサイエンスがコンピュータービジョン向けLuxonis製「OAK-D-LITE OpenCV DepthAIカメラ」2種発売開始

奈良高専、奈良県主催「ならAIラボ」オープンデイ・セミナーの熱流体解析シミュレーション講座とPython講座参加者募集

奈良高専、奈良県主催「ならAIラボ」オープンデイ・セミナーの熱流体解析シミュレーション講座とPython入門講座参加者募集

奈良工業高等専門学校(奈良高専)は、奈良県産業振興総合センターが主催する「ならAI(あい)ラボ」オープンデイ・セミナーにおいて、「シミュレーション(熱流体解析)の使い方」と「Python入門講座Ⅱ」の2つのセミナーをオンライン開催する。現在、参加者を募集している。参加費は無料で、定員制限はなし。

「ならAI(あい)ラボ」オープンデイ・セミナー概要

シミュレーション(熱流体解析)の使い方

「シミュレーション(熱流体解析)の使い方」の講師は、奈良高専機械工学科准教授の福岡寛氏、電子制御工学科准教授の中村篤人氏。最新の熱流体解析ソフトウェアを利用したシミュレーションを、講師自身の研究における事例を交えて紹介する。1月17日13時~15時開催。

アスカ工業×奈良高専:ノズル内を流れるポリマーの挙動解析事例

アスカ工業×奈良高専:ノズル内を流れるポリマーの挙動解析事例

Python入門講座Ⅱ

「Python入門講座Ⅱ」の講師は、奈良高専情報工学科准教授の上野秀剛氏。非情報系エンジニアを対象として、プログラミング言語Pythonのコーディングを解説する。2月24日13時~15時開催。

なお同講座は、2021年6月に開催した「Python入門講習」の続きとして開催するもので、参加申し込みを行った方には、6月開催分のアーカイブを告知する。

ならAIラボは、奈良県産業振興総合センターが開設した、デジタル技術の活用体験や試作が行える工房。県内産業のオープンイノベーション拠点として、先端技術導入支援や人材育成を行っている。ここで定期的に開催されているオープンデイ・セミナーでは、2021年にも奈良高専が「Python入門」と「ウィズコロナ時代のセキュリティ対策」という2つのセミナーを開催している。

ラズパイとレゴのコラボによる拡張ボード「Raspberry Pi Build HAT」をスイッチサイエンスが発売開始

ラズパイとレゴのコラボによる拡張ボード「Raspberry Pi Build HAT」をスイッチサイエンスが発売開始

Raspberry Pi財団は、LEGO Educationとのコラボレーションによる新しい拡張ボード「Raspberry Pi Build HAT」を発表。スイッチサイエンスが12月24日より同社ウェブショップでの発売を開始した。価格は3718円(税込)。

概要

Raspberry Pi Build HATは、LEGO Technicのモーターやセンサーを、ワンボードコンピューターRaspberry Piで制御するための拡張ボード。Raspberry Piのコンピューティング環境とLEGO Educationのハンズオン学習のコラボにより、「楽しくて創造的な学びの体験」が可能になるという。これは、Raspberry Pi Picoに続く2つ目のRP2040(Raspberry Pi財団によるインハウスデザインマイコン)搭載製品となる。

対応するLEGO製品は、LEGO Education SPIKEプライムセットおよびSPIKE プライム拡張セットに含まれるアンギュラーモーター、距離センサー、カラーセンサー、フォースセンサーなど(Getting Started with Raspberry Pi Build HATを参照)。なお、モーターを使う場合には追加の電源が必要。電源入力仕様は2.1mmバレルジャック、センタープラス、DC8V(±10%)となっている。

「Raspberry Pi Build HAT」の特徴

  • Raspberry Pi 4やPi ZeroからLEGO Technicのモーターとセンサーが4つまで制御可能
  • LEGO Education SPIKEプライムセットおよびSPIKE プライム拡張セットに含まれるアンギュラーモーター、距離センサー、カラーセンサー、フォースセンサーなどが利用可能
  • LEGO Technicデバイスを制御するための使いやすいPythonライブラリーを用意
  • Raspberry Pi 4およびRaspberry Pi Zeroを含むすべての40ピンGPIO Raspberry Piボードで動作

イフティニーがmicro:bit向けプログラミング学習用製品「ワールド・オブ・モジュール・シリーズ」を販売開始

イフティニーがmicro:bit向けプログラミング学習用製品「ワールド・オブ・モジュール・シリーズ」を販売開始

プログラミング教育とIoT関連製品の企画開発・販売などを行うイフニティー(Iftiny)は12月21日、教育用マイクロコンピューターmicro:bitで制御できるビルディングブロックとブロック対応のモジュールセンサーがセットになった「ワールド・オブ・モジュール・シリーズ」の販売を開始した。ブロックで遊びながら、プログラミングやセンサーの知識を学べるというものだ。

micro:bitでプログラミングを行い、センサーやサーボでブロックを制御できる。あらかじめ21種類の制作例が用意されていて、簡単に学習を開始できる。基礎を学習したら、ブロックを組み立て直して発展させることが可能。ブロックは、有名ブランドのブロックとの互換性があり、それを取り混ぜて使うことができる。プログラミング言語はビジュアルプログラミング(MakeCode)とPythonに対応。ブロックの組み立ては「ブロック組み立て説明書」を見ながら行える。micro:bitへのプログラミングにはチュートリアルが用意されている。

キットの内容(micro:bit本体は別途購入)

  • micro:bit用拡張ボード:1
  • ブロック型サーボ:2個
  • センサーモジュール:10種類
    RGBライト、ボタン、ロッカー、環境光センサー、温度湿度センサー、赤外線人感センサー、色認識センサー、赤外線検出センサー、超音波距離センサー、LEDデジタルチューブ
  • ビルディングブロックパーツ:296個
  • 製品マニュアル(冊子)
  • ブロック組み立て説明書(PDF)
  • チュートリアル(ウェブ)

価格は1万7100円(税込)。購入は下記リンクから。
https://store.iftiny.com/products/yahboom-world-of-module-programmable-sensor-kit-for-microbit-v2

この他にも、音声合成モジュールやジェスチャー認識モジュールなど、単独でセンサーモジュールやサーボを購入することができる。現時点では、セットに入っているものも含めてセンサーモジュールが19種類、サーボが6種類となっている。単体の詳細は「micro:bit ビルディング ブロック」を参照してほしい。

京都府と連携、次世代ロボットエンジニア支援機構が3D CAD・ロボット分解組立講座やロボットプログラミング講座

京都府と連携、次世代ロボットエンジニア支援機構が3D CAD・ロボット分解組立・ロボットプログラミング講座開催

一般社団法人次世代ロボットエンジニア支援機構(Scramble)は12月4日、京都府と連携し、中級以上のロボット技術を学びたい子どものためのロボット講座の開催を発表した。開催日時は、2022年1月9日が「3D CAD講座」および「ロボット分解組み立て講座」。2022年1月15日および16日が「ロボットプログラミング講座」。場所は、京都府精華町のけいはんなロボット技術センター。応募締め切りはそれぞれ2021年12月26日。

Scrambleは、初心者向け講座では満足できない児童を対象に、ロボット競技会で世界一を目指す学生たちが講師を務める講座を2020年から展開。2022年も、3D CADの基本を学ぶ「3D CAD講座」と大型ロボットの分解と組み立てを体験する「ロボット分解組立講座」、ロボットの制御を学ぶ「ロボットプログラミング講座」の3つを開催する。なお、3D CADとロボット分解組み立て講座はセットで受講することになっている。

3D CAD講座とロボット分解組立講座

3D CAD講座では、企業での機械設計でも用いられる3D CADの基本的な使い方を学習する。ロボット分解組立講座では、Scramble所属の学生がロボット競技会用に作成した大型ロボットの分解・組み立をて実際に体験し、ロボットの機構や作り方について触れながら学ぶ。

申し込みは「3DCAD・ロボット分解組立講座 参加申込書」から。新型コロナウイルス感染対策を行った上で開催される。上の動画は去年の様子。

  • 内容:
    3DCAD講座
    ・3D CAD(Fusion 360)、CAEの使い方を学ぶ
    ・3Dプリント用パーツのモデリングを行う
    ロボット分解組立講座
    ・ロボットコンテストに出場するロボットの構造を学ぶ
    ・同機構が製作したロボットの分解と組み立てを行いロボットの構造を学ぶ
  • 対象年齢:13歳~18歳
  • 応募人数:最大8名(応募者多数の場合は抽選)
  • 日時
    ・3DCAD講座:2021年1月9日10時~12時
    ・ロボット分解組立講座:2021年1月9日13時~18時
  • 会場:けいはんなオープンイノベーションセンター内けいはんなロボット技術センター(京都府相楽郡精華町精華台7丁目5−1)
  • 参加費:3D CAD講座は無料、ロボット分解組立講座は3000円(SNS投稿により1000円割引)
  • 持ち物:3D CAD「Fusion 360」が動作するノートPC(Wi-Fi対応)、充電ケーブル、昼食。PCの動作環境は「Autodesk Fusion 360 の動作環境」参照
  • 応募締め切り:2021年12月26日

ロボットプログラミング講座

ロボットプログラミング講座では、DJIの教育用インテリジェントロボット「RoboMaster S1」を用いてロボット制御の基礎から画像処理の基礎までを2日間で習得する。RoboMaster S1は、Scratch 3.0およびPythonに対応している。

申し込みは「ロボットプログラミング教室参加申込書」から行う。

  • 内容
    ・ロボットを指定通りに走行させる
    ・ロボットに搭載されたカメラでマーカーを画像認識させる
    ・フィードバック制御を用いたマーカーの自動追従させる
  • 対象年齢:9歳〜15歳
  • 応募人数:最大6名(応募者多数の場合は抽選)
  • 日時:2022年1月15日と16日、いずれも10時〜16時
  • 会場:けいはんなオープンイノベーションセンター内けいはんなロボット技術センター(京都府相楽郡精華町精華台7丁目5−1)
  • 参加費:3000円(SNS投稿により1000円割引)
  • 持ち物:ノートPC(Wi-Fi対応)
  • 応募締め切り:2021年12月26日

Scrambleは、日本のものづくりを担う次世代のエンジニアの育成、およびものづくり業界・文化の活性化をミッションに掲げる組織。ロボットコンテストを人材育成の場として活用し、様々なロボットコンテストに出場する学生・児童への製作費やメンター提供、ものづくりスペースの提供など多岐に渡る支援事業を実施している。また、学生・児童から現役エンジニアまで全世代のスキルアップ、初学者の参入障壁を下げる取り組み、非エンジニア層に向けた広報活動などを展開し、エンジニアに憧れてカッコいい職業に感じてもらい界隈の人口増加を狙う事業を展開している。

MetaがAWSを戦略的クラウドプロバイダーに選定、Meta AIの研究開発やPyTorch利用企業のパフォーマンスを強化

MetaがAWSを戦略的クラウドプロバイダーに選定、Meta AIグループの研究開発やPyTorch利用企業のパフォーマンスを強化

Amazon Web Services(AWS)は米国時間12月1日、Metaが戦略的クラウドプロバイダーとしてAWSを選定したことを発表した。

MetaとAWSはこの5年間で連携する範囲を拡大してきた。今回の合意を基に、AWSは引き続きMetaが取り組む研究開発をサポートし、イノベーションの促進、サードパーティやオープンソースソフトウェア(OSS)コミュニティとのコラボレーションを支援する。

Metaは、AWSの実績あるインフラストラクチャと包括的な機能を活用し、既存オンプレミスのインフラを補完するとともに、AWSが提供するコンピュート、ストレージ、データベース、セキュリティのサービス利用を拡大し、クラウドにおけるプライバシー、信頼性、拡張性を実現するという。サードパーティ企業とのコラボレーションをAWS上で行うとともに、すでにAWSを利用している企業の買収支援にも活用する。

またMetaは、AWSのコンピュートサービスを活かし、Meta AIグループの人工知能の研究開発を加速させる。AWS上でOSSの機械学習フレームワーク「PyTorch」を活用する顧客企業のパフォーマンスを向上させ、開発者による人工知能と機械学習モデルの構築・トレーニング・デプロイ・運用の加速を目指す。

AWSとMetaは、機械学習モデルの大規模な構築、トレーニング、デプロイに向けて、PyTorchのパフォーマンスならびにAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)や、機械学習専用に構築された機能を提供するAmazon SageMakerなどのコアマネージドサービスとの統合において、さらなる最適化を進める。自然言語処理やコンピュータビジョンのための大規模な深層学習モデルを開発者が容易に構築できるよう、両社はAWS上でのPyTorch活用を促進し、AIアクセラレーターの分散システム全体で大規模なトレーニングジョブのオーケストレーションを可能にする。

また両社は、PyTorch上での推論のパフォーマンス、説明可能性、コストを向上させるネイティブツールを共同で提供。本番環境へのモデル展開を簡素化するため、PyTorchのネイティブなサービングエンジンであるTorchServeを強化し、学習したPyTorchモデルを容易に一括展開できるようにするという。これらのOSSへの貢献をベースにAWS上でパフォーマンスを最適化し、大規模な深層学習モデルの研究から本番環境までをより迅速に導入するための支援を展開する。

ミクシィが渋谷区立中学校の「パソコン部」支援で講師派遣やコンテンツ提供、スクリプト言語LuaやPythonに取り組む

ミクシィが渋谷区立中学校の「パソコン部」支援で講師派遣やコンテンツ提供、スクリプト言語LuaやPythonにじっくり取り組む

ミクシィは10月18日、渋谷区立中学校の部活動を地域の企業や団体で支える取り組みシブヤ「部活動改革」プロジェクトに参画すると発表。2021年11月から試験的に開始される初年度では、渋谷区立中学校全生徒が既存部活動に加えて参加できる合同の部活動「パソコン部」の立ち上げに協力し、講師やコンテンツの提供を行う。

渋谷区立中学校では、少子化によって、たとえば2021年度にサッカー部がある学校が8校中4校であったり、学校によって希望する部活動がなかったり、運動部では部員が少なくてチームが組めないなどの問題が生じている。そこで渋谷区は、2021年度「シブヤ『部活動改革』プロジェクト」を立ち上げ、地域の企業や団体の協力によるサッカー部、ダンス部、将棋部など9つの部活動を11月より開始することにした。

ミクシィは、渋谷区立中学校において授業や放課後学習の形でプログラミング教育を2019年度より支援しており、合同部活動としての「パソコン部」においては、まずは2021年11月と2022年2月の2回、それぞれ3日間のプログラミング教室を開催する。11月は、スクリプト言語Luaを使ってゲームのプログラミングを学び、実際にアクションゲームを作ってプレイできるところまでを行う。2022年2月は、プログラミング学習ソフトを使ってPythonを学ぶ。

プログラミング学習ソフトの画面イメージ(Lua)

プログラミング学習ソフトの画面イメージ(Lua)

プログラミング学習ソフトの画面イメージ(Python)

プログラミング学習ソフトの画面イメージ(Python)

ミクシィでは、プログラミング学習の他にも同社のリソースを用いた支援を検討しており、「ESG活動における次世代育成や地域への貢献活動の新しい取り組みとして、渋谷区の部活動改革に協力してまいります」と話している。

ラズパイがレゴとコラボ、LEGO Technicモーターやセンサーを制御する拡張基板を発表・スイッチサイエンスで近日発売予定

ラズパイとレゴがコラボ、LEGO Technicモーターやセンサーを制御する拡張基板発表・スイッチサイエンスで近日発売予定
Raspberry Pi財団は10月19日、LEGO Educationとのコラボレーションによる新製品「Raspberry Pi Build HAT」を発表した。これは、LEGO Technicのモーターやセンサーを制御できるRaspberry Pi用の拡張基盤(HAT)。スイッチサイエンスでは、直販価格3718円(税込)で近日発売予定となっている。ラズパイとレゴがコラボ、LEGO Technicモーターやセンサーを制御する拡張基板発表・スイッチサイエンスで近日発売予定

ラズパイとレゴがコラボ、LEGO Technicモーターやセンサーを制御する拡張基板発表・スイッチサイエンスで近日発売予定

「Raspberry Pi Build HAT」の特徴

  • Raspberry Pi 4やPi Zeroから、LEGO Technicのモーターとセンサーを4つまで制御可能
  • LEGO Education SPIKEプライムセットおよびSPIKEプライム拡張セットに含まれるアンギュラーモーター、距離センサー、カラーセンサー、フォースセンサーなどが利用可能
  • LEGO Technicデバイスを制御するためのPythonライブラリーを用意
  • Raspberry Pi 4およびRaspberry Pi Zeroを含むすべての40ピンGPIO Raspberry Piボードで動作
  • RP2040(Raspberry Pi財団初のインハウスデザインマイコン)を搭載

また、モーターには外部電源が必要となる。電源入力用に、センタープラスの21mmバレルジャックを搭載(8ボルト)。リボンケーブルなどの延長デバイスを追加すると、Raspberry Pi 400でも使えるようになるとのこと(このボードからの電源供給は不可)。

Raspberry Pi Build HAT

型番:RPI-SC0622
価格:3718円(税込)

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

ITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」(パイザ)を手がけるpaizaは10月18日、バンタンと協業し、全国の中高生向けプログラミング共通テスト「P共通テスト」(バンタンテックフォードアカデミー中高プログラミング共通テスト)を開始すると発表した。P共通テストの第1回は、2022年1月22日に実施予定(オンライン開催)。10月18日より受験希望者の申し込みを受け付けている。

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

「P共通テスト」概要

受験の流れ

  1. 受験の申込(無料)
  2. paizaラーニング」への登録(無料・任意)
  3. P共通テストサイト(paizaラーニング for TEAM)の登録
  4. サイト内容の確認
  5. 試験の最終案内(12月頃予定)
  6. 試験本番前にログイン

ルール

  • 個人で参加すること
  • テストの開催時間は90分
  • テストの開催中に問題および提出コード、ヒントをブログやSNSなどに掲載するのは不可。ただし、テストの終了後には掲載可能
  • 解答やヒントを教えてもらったり他人のコードを利用するのは不可。ただし、ウェブで検索するなどの調査行為は可能(paizaスキルチェックと同様)
  • 利用できるプログラミング言語は、paizaスキルチェックと同様で、Java、 PHP、Python2、Python3、Ruby、Perl、C、C++、C#、JavaScript、Objective-C、Scala、Go、Kotlin、Swift
  • コード採点時の実行環境もpaizaスキルチェックと同様
  • 問題ごとに、提出するコードのプログラミング言語を選択可能。例えば、Q1はC#で提出し、Q2はJavaで提出するなどが行える

バンタンとpaizaが協業し中高生対象のプログラミングセンター試験「P共通テスト」を2022年1月22日に実施

P共通テストは、プログラミング初学者からITエンジニアを目指して学習している方まですべての中高生を対象に、現在の自分がプロのスキルに対してどのレベルにいるのかを理解できるテストという。問題の作成にあたっては、2022年度から新しく始まる高校の情報科の科目「情報Ⅰ・情報Ⅱ」を考慮しており、今後導入を予定されている「大学共通テスト」に対する実力の参考として活用することも可能(情報Ⅰは、2024年度以降の大学入学共通テストの出題教科となっている)。

全国の中高生のプログラミング能力の向上を目指し、才能ある中高生を社会へつなぐことで、急速に進むデジタル社会が抱えるIT人材不足をサポートするものという。才能のある人材を社会へつなぎ、IT業界が抱える人材不足に貢献するとしている。将来的には、漢字や英語の検定のように、中高生がプログラミングスキルを測る共通テストとして一般に広く定着させていきたいと考えているとした。

今回の協業においては、paizaは問題の監修と採点を担当。同社は、サービス開始以来総受験回数1500万回以上(2021年10月現在)という、転職・就職を希望する方やプログラミングを学習する方の実力を判定する「paizaスキルチェック」を提供している。同システムをバンタンに提供し、中高生向けに出題範囲を設定して出題する。

IPAが「量子コンピューティング技術実践講座(ゲート式)」の参加者募集を開始

IPAが「量子コンピューティング技術実践講座(ゲート式)」の参加者募集を開始

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は10月13日、量子コンピューティング技術の普及と啓発を目的とした「量子コンピューティング技術実践講座(ゲート式)」の開催を発表した。量子コンピューティング(ゲート式)について学びたい、おもに学生や社会人を対象に、量子コンピューティングの研究開発に携わる専門家を講師に招き、全3回の日程で行われる。参加費は無料。申し込みは、connpassのページより登録。申し込み締め切りは2021年10月25日午後6時。

講演では、量子コンピューティング(ゲート式)の基礎を学ぶ。内容は、専門家による講演、「未踏ターゲット事業」修了生による実例講演、量子プログラムコンテストなど教育機会の紹介、ツールやユーティリティに関する包括的な講義などとなっている。最後に受講者は、自身で行うプロジェクトを想定したプレゼンテーションを行い、講師が講評する。「量子コンピューティングの最新事例に関する知識やプロジェクトアイデアを創出する方法が学べます」とのことだ。

開催概要

  • 日程
    第1回 2021年11月5日18:30~21:00 オンラインによる講義形式
    第2回 2021年12月3日18:30~21:00 オンラインによる講義形式
    第3回 2022年1月16日10:00~18:00 オンラインでのプレゼンテーション
  • 定員:30名(応募多数の場合は抽選)
  • 参加費:無料
  • 応募条件:オンライン受講できるインターネット環境とPCを用意できること。第1回から3回まですべて参加できること(Pythonによる基本的なプログラミングの経験が前提とされている)。一部だけの受講は不可
  • 講師
    佐藤貴彦氏(慶應義塾大学量子コンピューティングセンター 特任講師)
    鈴木泰成氏(日本電信電話コンピュータ&データサイエンス研究所研究員)
    渡辺日出雄氏(日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所 部長、工学博士)
  • 申し込み方法connpassのページより登録を行う。締め切りは2021年10月25日午後6時

アジェンダ

  • 第1回
    ・量子コンピューティング技術における課題と取組み(渡辺日出雄氏)
    〜本領域の課題と取り組みのオーバービュー
    ・未踏ターゲット修了生講演
    ・量子コンピューティング教育に関する取組み(佐藤貴彦氏)
    〜量子プログラムコンテスト、入門用教育に関する事例紹介
  • 第2回
    ・未踏ターゲット修了生講演(矢野碩志氏/真鍋秀隆氏)
    ・量子コンピュータ利用環境に関する課題(鈴木泰成氏)
    〜ツールやユーティリティに関する包括的課題
  • 第3回
    ・受講生によるプロジェクト案プレゼンテーション(佐藤貴彦氏、鈴木泰成氏、渡辺日出雄氏)
    ・講評

IPAが高校「情報Ⅰ」の共通必須科目化に伴いITパスポート試験の内容を改訂

IPAが高校「情報Ⅰ」の共通必須科目化に伴いITパスポート試験の内容を改訂

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は10月8日、令和4年(2022年)度から高校で「情報」が共通必履修科目となるのに伴い、ITパスポート試験の出題範囲や「シラバス」の改訂実施を発表した。

ITパスポート(iパス)とは、「ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識」を証明するための国家試験。開始は2009年。2021年8月末までの間に約131万人が受験し、約59万人が合格している。

日本国民のデータリテラシーに関する幅広い知識を身に付けさせることがiパスの狙いだが、学校教育においては、言語能力、問題発見、解決能力などに加えて情報処理能力も教科横断的に育てる旨が新学習指導要綱に明記され、さらに令和4年度からは、高校で「情報Ⅰ」が必須履修科目として新設されるなど、プログラミング的思考力、情報モラル、情報活用能力を育てる教育の充実がはかられることになっている。

そうしたなか、IPAは、高等学校学習指導要領「情報Ⅰ」にもとづいて、iパスの出題範囲と、ここでは試験の合格を目指した学習指針に利用できる資料を意味する「シラバス」(ver6.0)の見直しを行った。内容は次のとおり。

  • 期待する技術水準:高校の「情報Ⅰ」にもとづき、プログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用などを追加
  • 出題範囲およびシラバス:高校の「情報Ⅰ」に関連する項目、用語例を追加
  • 出題内容:プログラミング的思考力を問う擬似言語を用いた出題を追加。情報デザイン、データ利活用のための技術、考え方を問う出題を強化

試験時間、採点方法、合格基準に変更はない。また、擬似言語を用いた出題について、擬似言語の記述形式やサンプル問題が公開されている。実施は2022年4月の試験からとのことだ。

iパスに関する公開資料

「試験要綱」Ver. 4.7
「試験要綱」Ver. 4.7(変更箇所表示版)
「ITパスポート試験 シラバス」Ver. 6.0
「ITパスポート試験 シラバス」Ver. 6.0(変更箇所表示版)
「試験で使用する情報技術に関する用語・プログラム言語など」Ver.4.3
「ITパスポート試験 プログラミング的思考力を問う擬似言語のサンプル問題」

日本IBMが量子コンピューター活用のハッカソン「IBM Quantum Challenge Fall 2021」を開催、高校生以上参加可能

日本IBMが量子コンピューター活用のハッカソン「IBM Quantum Challenge Fall 2021」をオンライン開催、高校生以上参加可能

日本IBMは10月6日、量子コンピューターを使って産業分野の具体的な課題に挑戦するハッカソン「IBM Quantum Challenge Fall 2021」を10月27日(日本時間10月28日9時)より10日間開催すると発表した。「量子コンピューティングの産業応用に向けて」をテーマに、量子コンピューターが「実際に何に使えるのか?」を考えるための、産業応用の課題にチャレンジする。高校生以上の人なら、経験の有無を問わず参加が可能。

参加者は、IBMが運用している量子コンピューター・プラットフォーム「IBM Quantum Lab」上で、オープンソースの量子ソフトウェア開発キット「Qiskit」を使い、金融、量子化学、AI機械学習、最適化という、将来量子コンピューティングの活用が期待される4つの重要な産業分野の課題に挑戦する。「チャレンジを通じて基礎から応用まで学ぶことができるとともに、産業応用を意識した量子コンピューティングの活用に取り組むことができます」とのことだ。

IBM Quantum Challenge Fall 2021における4つのチャレンジ

金融では、「どの会社の株をどれくらいの比率で持てばベストな資産運用ができるか」といったポートフォリオの最適化など、量子コンピューターを使用した財務上の課題解決法を考える(Qiskit Finance documentationチュートリアル参照)。

量子化学では、量子コンピューターによる分子シミュレーションをもとに、変分量子アルゴリズムを用いた有機EL発光材料の励起状態の計算方法を考える(Qiskitテキストブックの4.1.2章Qiskit Global Summer SchoolのLecture22〜27Qiskit Nature documentationチュートリアル参照)。

量子機械学習では、従来型機械学習アルゴリズムの量子拡張版を使い、機械学習においてもっとも基本的な問題となっている特定クラスの分類問題をいかに解決するかを考える(Coding with Qiskit season 2のエピソード6Qiskit Machine Learning documentationチュートリアル参照)。

最適化では、巡回セールスマン問題、最大カット問題、ナップサック問題といったNP困難問題に、量子コンピューターで挑戦する(Qiskitテキストブック「QAOA を利用して、組合せ最適化問題を解く」Qiskit Optimization documentationチュートリアル参照)。

演習問題については、東京大学と慶應義塾大学の学生が検討し、出題する予定。

「IBM Quantum Challenge Fall 2021」概要

このハッカソンは、2019年から4回開催されている。2020年5月に開かれた第2回では、45カ国から1745人が参加。2020年11月の第3回では、85カ国3320人以上から応募があった。各回の概要は下のリンクで見ることができる。

第1回:2019年9月 https://github.com/quantum-challenge/2019
第2回:2020年5月 https://www.ibm.com/blogs/research/2020/05/quantum-challenge-results/
第3回:2020年11月 https://www.ibm.com/blogs/think/jp-ja/quantum-challenge-2020-fall-results/
第4回:2021年5月 https://research.ibm.com/blog/quantum-challenge-2021-results

ヤフー主催の学生ハッカソン「HACK U 2021」の最優秀作品2点発表、傾向の変化も解説

ヤフー主催の学生ハッカソン「HACK U 2021」の最優秀作品2点発表、傾向の変化も解説

2021年8月、ヤフー主催学生ハッカソン「Hack U 2021」が2回に分けて開催された。いずれもオンライン開催で、合計54チームがエントリーしたが、チームのメンバー同士も集まることが禁止された完全オンラインの状況での参加となった。ヤフーは10月5日、その最優秀作品2点を紹介するとともに、2020年と2021年の参加者の傾向を分析し、ブログ記事「学生たちがハッカソンで使う技術トレンドは半年で変わったか?」で発表した。

ヤフーは、Hack Uを「夏の風物詩のようなものにしたい」と考えつつ毎年開催を続けているとのことだが、今回は両日とも1日で申し込みが埋まってしまうほどの人気だったという。小学生以上の学生なら誰でも参加でき、サポート役としてヤフーのエンジニアが付くという親切なイベントになっている。審査基準は、新規性(オリジナリティー)、技術性(技術の高度さ)、発展性(将来性や波及効果が期待できるか)、再現性(実現可能なアイデアか)の4つ。ブログでは、最優秀賞を獲得した2つの作品が紹介された。

「スローターム」(チーム名:この素晴らしいコードに祝福を!)

開発時に発生するプログラミングのエラーをワンタップで共有してくれるVisual Studio Codeのプラグインと、共有先のSNS両方を作り上げた作品。コード制作中にエラーをハイライトするだけで、GitHubでの質問文が簡単に作れる。さらに、その質問にうまく答えてくれそうな人を自動的に選んでつなげてくれる。コロナ禍で人に質問がしにくくなった問題を改善してくれる。

3pt Manager(チーム名:OAO)

バスケットボールの3ポイントシュートをiPhoneで練習できるアプリ。シュートするごとにiPhoneがボールの軌跡を取得し、角度のデータを蓄積する。毎日の練習結果がグラフ化されるので、効率的に練習ができるというものだ。

参加者が使用しているプログラミング言語と開発環境の傾向

同ブログでは、2020年と2021年のHACK Uで、参加者が使用しているプログラミング言語と開発環境に違いがあるかを分析している。使用言語は、どちらもJavaScriptとPythonがトップと変わらないが、2021年はRubyが上位に入ってきた。2020年はRubyを使うチームは1割に満たなかったのに対して、20201年はPythonに次いで3位に上がってる。その理由は、大学の年次に関係があると、筆者であるヤフーCTO室Developer Relations Hack Uプロデューサー中村友一氏は書いている。参加学生は大学3年生が中心だが、去年2年生だった学生は、授業などで手軽に始められるRubyを使う機会が多くなったからだとの分析が面白い。

  1. ヤフー主催の学生ハッカソン「HACK U 2021」の最優秀作品2点発表、傾向の変化も解説

開発環境については、Flutter、React Native、Xamarinなど多くのOSに対応できるクロスプラットフォームフレームワークを利用するチームが増えたのこと。iOS、Android、ウェブのすべてに対応するソフトウェアの開発を目指すということは、チームが継続開発やサービスの公開を考えているためだと中村氏は分析した。

また同氏は、Dockerの浸透を挙げている。今回、Dockerを使いサービスのデプロイまで考えて作ってきたチームが大幅に増えたという。Dockerが学生にも浸透し始めていることがうかがえ、今後ハッカソンにおいても環境構築におけるメインストリームになるかもしれないと指摘している。

この2年間はオンライン開催のため、参加者同士の交流が制限されたが、「今後ハイブリッド開催になった時にどのように変化するかが楽しみです」と中村氏は話している。

切手サイズで825円、超小型開発ボード「M5Stamp Pico Mate」がスイッチサイエンスで発売中

切手サイズで825円、超小型開発ボード「M5Stamp Pico Mate」が発売

スイッチサイエンスは、M5Stack製の超小型開発ボード「M5Stamp Pico」シリーズ(M5Stamp Pico Mate)の販売を8月12日より開始した。Wi-Fiチップとアンテナ、プッシュスイッチ、LEDを装備している。UIFlowによるグラフィカルプログラミング、Arduino、MicroPython、ESP32-IDFで開発が可能。直販価格は825円(税込)。

なお、プログラムを書き込むためのUSBシリアル変換器が搭載されていないため、プログラムダウンロード用のハードウェアが別途必要になる。スイッチサイエンスでは、「ESP32-DOWNLOADER」をセットにした「M5Stamp Pico DIY KIT」を近日発売する。直販価格は2156円(税込)予定。

入出力用インターフェイスは、ADC、DAC、タッチセンサー、SD/SDIO/MMCホストコントローラー、SPI、SDIO/SPIスレーブコントローラー、EMAC、モーターPWM、LED PWM、UART、I2C、I2S、IRリモートコントローラー、GPIOパルスコントローラーに対応している。付属のピンヘッダーコネクターをハンダ付けすることで、用途に合わせてさまざまな形状にできるようになっている。

「M5Stamp Pico」の仕様

  • ESP32-PICO-D4 | 240 MHz デュアルコア、600 DMIPS、520 KB SRAM, Wi-Fi/Bluetooth、デュアルモード
  • 4MBフラッシュメモリ
  • 入力電源:5V @ 500mA
  • 消費電力:通常スタンバイ時 5V@29mA、Wi-Fi STAモード 5V@60mA、Bluetoothモード(data sending status) 5V@84mA、ディープスリープモード 5V@0.35mA
  • 2.4GHz SMDアンテナ:Proant 440
  • Wi-Fi:802.11 b/g/n(最大150 Mbps@802.11n)、2.4GHz ~ 2.5GHz
  • Bluetooth:Blutooth V4.2 BR/EDRおよびBLE standard、NZIFレシーバ、最大感度-97 dBm
  • 1 x RGB LED(WS2812B)
  • 1 x プログラム可能なボタン
  • インタフェース:ADC、DAC、タッチセンサ、SD/SDIO/MMCホストコントローラ、SPI、SDIO/SPIスレーブコントローラ、EMAC、モーターPWM、LED PWM、UART、I2C、I2S、IRリモートコントローラ、GPIOパルスコントローラ
  • 入出力:12(G0、G1、G3、G26、G36、G18、G19、G21、G22、G25、G32、G33)
  • 入出力端子ピッチ:2.54mm
  • 本体重量:1.6g
  • 全体重量:2.5g
  • 寸法:: 18 x 24 x 4.4mm

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縦横44×24ミリ、高さ16ミリというコンパクトなハードウェアと専用ファームウェアからなるILT開発キットは、Raspberry Pi(別売)と組み合わせることで、動きの速い立体も高精度に測距して3Dポイントクラウド(3D点群)化できる。


「ILT開発キット」(DK-ILT001)仕様は次のとおり。

「ILT開発キット」(DK-ILT001)仕様

  • プロジェクター発光到達距離:1500mm
  • 推奨測距距離:150〜800mm(測定精度±3¥%)
  • 高精度測距距離:150〜500mm(測定精度±1.5¥%)
  • 測距有効視野角(FOV):約55度×約43度(マジックアイ開発環境による)
  • 測距速度:約120fps(マジックアイ開発環境による)
  • 動作環境:Raspberry Pi Zero W/3B/3B+/4(専用ファームウェアを準備)
  • レーザークラス:クラス1IEC60825-1(2007)、FDA:2110463-000)
  • 電源電圧:3.3V(電源はRaspberry Piのカメラコネクターより供給)
  • 消費電力:0.6W(平均)
  • 形状:W44×D24×H16mm
  • 質量:16g

開発環境

  • Raspberry Pi Zero W/3B/3B+/4(専用ファームウェアを準備)
  • 対応OS:Ubuntu 20.04、Windows 10
  • 対応言語:C++、Python
  • 対応ミドルウェア:OpenCV、PCL(Point Cloud Library)、Open3D、ROS、Unity(計画中のものを含む)

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