サンフランシスコ名物、Yahooのビルボードが帰ってくる!

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20周年おめでとう、Yahoo!

何をもらった?パーティーも賞品もいっぱいあるんだろうね。で、プレゼントは?

ビルボード!

ビルボード?

そう、あのビルボードだ。

ベイエリアに一度でも住んだか、行ったことのある人なら、Yahooのビルボードを見たことがあるだろう(州間高速道路80号線沿いにある)。2011年に取り外された時、それは多くのYahoo社員たちにとって実に悲しい日だった。そしてMayerは、紫色の会社の遺産を全力で守ろうとしている。

豆知識:この広告看板は4人のCEOに支えてきた。これで5人目を迎えることになる。1999年にTim Koogleの元で設置された。

おまけの情報:この看板は1999年の映画「インスペクター・ガジェット」にも登場した。

もちろん、外観は新しくなり、同社の新旧製品を紹介する場所となる。

現在の工事の状況はこれ:
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Yahooは、その新しいブランドをベイエリアのあらゆる部分に注入していて、リーバイス・スタジアムもその一つだ。49ersが得点ああげた時は必ず、「Yahooヨーデル」が奏でられる。実にうっとうしい。

お帰り、ビルボード。お前がいなくて寂しかった。こいつなんかより、ず〜〜〜っといい。

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情報開示:筆者はYahooで長年働いていた。)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yahoo!ニュースがステマ記事の配信停止、一方ではユーザーを「ブースト」獲得した過去も

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Yahoo!ニュースがステルスマーケティング、いわゆる「ステマ」への姿勢を明確にした。
ヤフーは7月30日、Yahoo!ニュースのスタッフブログにて、ステマを行う記事提供媒体への対応を説明したブログエントリーを投稿した。

ステマ、ノンクレジット広告(「PR」などのクレジットを入れずに広告であることを隠し、編集コンテンツと誤認させるような記事広告)の問題はこれまでも多々あった。

3月には一般社団法人インターネット広告推進協議会(JIAA)がネイティブ広告に関するガイドラインを発表。これを受けての媒体、広告代理店などがユーザーに不利益や不信感を与えないコンテンツ作りに向けて動いたり、一方ではノンクレジット広告を作り続けたりと、様々な対応をしていると聞く(念のために言っておくと、TechCrunchは記事広告を一切やってないし、そんな商品メニューもない)。6月には日経デジタルマーケティングが「一部の媒体がYahoo!ニュースへ広告記事を配信している」といった旨の報道をしている。

Yahoo!ニュースは、社外や自社グループで運営するなど数多くの媒体から記事の提供を受けてニュースを配信している。だがYahoo!ニュースに記事を提供している媒体が、ニュース記事の体裁の広告——つまりノンクレジット広告——を編集記事として配信しているというわけだ。

ヤフーでは今回の発表について、「このタイミングになったことに特段理由はない」(広報部)として前述の報道との関連を否定した。だが同日付で「マイナビニュース」と「マイナビウーマン」を配信するマイナビ、「モデルプレス」を配信するネットネイティブとの配信契約を解除したことを明らかにしている。

スタッフブログのエントリーでは、ノンクレジット広告について「読者を裏切るステルスマーケティング(いわゆる「ステマ」)の一種であり、優良誤認として景品表示法違反に問われる可能性もある悪質な行為」とあらためて指摘。自らの方針を次のように説明した。

数多くの媒体から記事の配信を受けているYahoo!ニュースでは、ニュース提供各社との契約で、広告としての表記の有無にかかわらず記事広告やタイアップ記事を配信することを従来から明示的に禁止しており、また、記事中のリンクから広告に誘導することも禁止しています。

 

ニュース提供各社には契約遵守を強く要請していますが、残念ながら違反が認められた場合には、速やかに契約を解除してきました。今後も、契約違反が明らかになった場合は、契約解除はもちろんのこと、Yahoo!ニュースが信頼を損なうことによって被った損害や信頼回復のために要した費用の請求、その他法的措置を含む厳正な対処を行います。

スタッフブログのエントリーは、「もし仮にYahoo!ニュースでこのような悪質な行為を許せば、記事内容に対する信頼が損なわれるだけでなく、読者、広告主様との信頼関係をも損ない、ひいてはYahoo!ニュースが長年かけて構築してきたサービスそのものへの信頼を大きく揺るがす重大な問題と考えており、これらの行為について、積極的に排除し、撲滅したいと考えています」と結んでいる。

ヤフーは“優良誤認まがい”の行為をしたことがないのか

Yahoo!ニュースがこういった姿勢を対外的に発表し、実際にノンクレジット広告を配信していたとされる媒体を排除したというのは、彼らが言うように読者や広告主の信頼に応えるという点で本当に素晴らしいアクションだ。

だが一方で——ステマが景表法でいうところの優良誤認に当たる可能性があるのと同じように——彼らも結果的にユーザーに対して、サービスの価値を誤って認識させかねない行動をしていたことも伝えるべきだろう。

僕は昨月、App StoreやGoogle Playで、アプリのランキングを急上昇させる広告手法である「ブースト」について取材し、記事にしている。詳細については記事を読んで頂きたいのだけれども、ブーストについてざっくり説明すると、リワード広告(コンバージョンに応じて何らかの報酬が付与される広告のこと)の仕組みを利用して、Amazonのギフト券などに交換できる「ポイント」目的のユーザーに特定のアプリをダウンロードさせることでランキングを急上昇させる、極端に言えば「カネでダウンロード数やランキングを買う」手法のことだ。

当時取材に応じた広告代理店、アプリ開発者などは、この仕組み自体が「アプリの価値を実際より優れているように見せている」ということから、「優良誤認ともとらえられかねない」という声を聞くこともあった。そして記事の掲載と並行してヤフーが「Yahoo!ニュース」のアプリでそのブーストを実施していたのを知ったのだ。

以下の画像はブーストを実施していた根拠となる、おこずかいアプリ(指定のアプリをダウンロードすることでギフト券などに交換できるポイントを得られるアプリ。ブーストに使用される)のスクリーンショットだ。なおこの画像はブログ「アップトーキョー」に掲載されていたものを許諾を得た上で使用した。ヤフーでは「ブーストについて定義がないので回答できないが、あくまで広告手法の1つとしてリワード広告を使用したことがある」と説明する。

おこづかいアプリでブーストをしている「Yahoo!ニュース」のアプリ

おこづかいアプリでブーストをしている「Yahoo!ニュース」のアプリ

 

企業である以上ビジネスありきで、信頼性だけを追いかけるわけにはいかないだろう。いかにアプリのダウンロード数やアクティブユーザー数を増やすかも重要だ。だがユーザーの信頼を裏切るような不正な広告に対して毅然とした態度をとる企業だからこそ、自らが利用する広告についても、信頼を裏切らないものであって欲しいと思っている。

ソニーがヤフーとタッグ、新規事業から生まれた製品を販売する「First Flight」

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業績面では2014年度純損益1259億円の赤字決算から、2015年度純利益1400億円の黒字へと転換の見通しが立ったと発表しているソニー。本業の業績回復に向けて動いている一方で、この1年、積極的な新規事業開拓を行っているのはご存じだろうか?

同社は2014年4月に平井一夫社長直轄のプロジェクトとして「Sony Seed Acceleration Program(SAP)」と銘打った新規事業創出プログラムをスタート。すでに電子ペーパーを使った腕時計「FES WATCH」やスマート電子工作キット「MESH」といったプロダクトを世に送り出している。

そんな新規事業創出プログラム発のプロダクトを紹介し、クラウドファンディングやECを展開するサイト「First Flight」が7月1日にオープンした。サービスの立ち上げにはヤフーが協力。ヤフーが2014年に実施した企業内起業家育成制度「スター育成プログラム」から生まれた新会社のリッチラボがサイトの開発、運営を担当した。

サイトでは、SAPから生まれたプロジェクトについて、プロダクトのアイデアを紹介・提案し、サポーター(支援するユーザー)から応援メッセージやフィードバックをもらう「ティザー」、期間内に一定数以上のサポーターの支持を集めてティザーで紹介・共創したプロダクトを商品化する「クラウドファンディング」、商品化されたプロダクトを広く販売する「Eコマース」の3つの機能を提供する。なおEコマースの機能はYahoo!ショッピング内の「First Flight」にて行う。

サイトローンチ時点には、MESHやFES WATCHを販売するほか、1台で家電ごとに機能を切り替えられるリモコン「HUIS」のクラウドファンディングを実施している。

SAPから生まれた「MESH」

SAPから生まれた「MESH」

1年で400件の企画が集まったソニーの新規事業プロジェクト

「SAPをやって分かったのは、ソニーの中に新しいことをやりたい人がいて、やりたいプロダクトがあるということ」——SAPを統括するソニー 新規事業創出部 担当課長の小田島伸至氏はこう語る。

SAPへの応募はプログラム開始から1年間で400件を超えた。応募されたプロジェクトは「オーディション」と呼ぶ審査に合格すれば、プロジェクトに合わせた予算が用意され、3カ月間そのプロジェクトに専念できる。そして3カ月後に改めて事業継続のジャッジを受けるのだという。製品は既存事業でなければオーケー。ソニーの社員がチームに1人いれば、社外からメンバーを募ってもいい。向上についても、SAP向けの開発リソースを確保できる体制だという。

クラウドファンディングをやって分かった「課題」

すでに世の中に出るようなプロダクトが生まれているが、課題もあった。FES WATCHとMESHはクラウドファンディング(FES WATCHはMAKUAKE、MESHはIndiegogo)を通じて告知・販売されていたが、クラウドファンディングでサクセス(支持・購入者が集まること)して、サポーターには商品が届いても、クラウドファンディングサイトでは、基本的にプロジェクトごとに期間を限定しているため、サクセス後の継続的な情報発信やコミュニケーション、製品のアップデートなどは難しい。

実はこの課題、別の場所でも聞いたことがある。クラウドファンディングを通じての初期のマーケティングや支援者集め、初期ロットの販売はとても大切だ。しかし一般的なその次のステップに向けた機能がなく、また別の「売り場」が必要になる。せっかくできたサポーターとのコミュニケーションだって途絶えてしまう。イベント開催などを前提とした「売り切り」のプロジェクトもあるのでそのプロジェクトの性質次第という話ではあるが。

もちろんソニーには既存の販売チャネルがある。だが小田島氏いわく「『大きいモノをたくさん売る』ものであり、小ロットで売るパスがなかった。そうなると売れるか売れないか分からないのに大量生産をする、ということになる。大きな金額がかかるし、それ以上に販売できるのが1、2年先になってしまう」とのこと。SAPが動き出す中でそんな課題が見えてきた。

スター育成プログラムでヤフーと接点

そういった動きと並行して、ソニーではスター育成プログラムなどを通じてヤフーとコミュニーケーションを取るようになっていた。リッチラボ代表取締役社長の鈴木辰顕氏も「プログラムの中でもハード、ソフトの面でソニーと何かできないかと話していた」と振り返る。「やる気があるエンジニアがいるのにプロダクトを出せない。また外の人に目利きをしてもらいたい。さらにハードウェアでも、ソフトウェアのようにベータを出して開発するということをしたかった」(小田島氏)「モノを作って売ることはヤフーとしても興味があった。それを決済や金融寄りの立場から何かできないかと検討していた」(ヤフー決済金融カンパニープロデュース本部プロジェクトマネージャーの真鍋拓也氏)

そんな経緯もあって、First Flightではリッチラボがサイト開発を担当(決済にはヤフーのFastPayを使っているそうだ)することとなった。IDから決済、販売、物流についてはヤフーのプラットフォームを活用。ソニー銀行もプロジェクトに参加し、決済まわりの調整に尽力した。

First Flightでは今後も継続的にSAP発のプロダクトを掲載する予定だ。「First FlightはSAPで訓練を終えた『見習いパイロット』がクラウドファンディングを使って初めて飛び立つ場。ここからさまざまなプロダクトが世に出て行けばいい」(小田島氏)

First Flightのプロジェクトメンバー。後列左からソニー銀行の中路宏志氏、ソニーの小田島伸至氏、ヤフーの真鍋拓也氏、リッチラボの鈴木辰顕氏、前列は開発を務めたリッチラボのメンバー

Yahoo、IFTTTの先駆けともなったYahoo Pipesのサービスを停止(Yahoo Mapsなど含む)

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IFTTTなどが登場してくる前、オンライン上のデータを使ってマッシュアップするのにYahoo Pipesがよく利用された。オンライン上に用意されたビジュアルインタフェースを使って、プログラミング知識のない人もいろいろなウェブデータを収集してフィルタリング処理するようなことができるようになっていた。便利に使っている人も多いこのYahoo Pipesだが、まもなくサービス停止となるそうだ。他にもYahoo Maps、GeoPlanetとPlaceSpotter API、さらには各地域毎に提供されてきたサービスもいろいろと停止されるようだ。

ニュースソースはYahooのブログ記事だ。検索、コミュニケーション、デジタルコンテンツといったエリアに注力するために、リソースの集中化をはかることが目的であるとのこと。

また、この流れに則って古いプラットフォーム上でのプロダクトサポートの停止もアナウンスしている。たとえば6月15日よりiOS 5以前のMailアプリケーションでYahoo Mailを使うことはできなくなる。またMac OS X 10.8 Mountain Lion以前のOSでは、Yahoo Contactの同期機能が使えなくなるようだ(こちらも6月15日より)。いずれの場合も、アプリケーションからではなく、ウェブブラウザーによって利用は継続できる。

さらにはYahoo Mapsも閉鎖されるとのこと。但しこれは単独のサービスとしては停止するということで、Yahoo SearchやFlickrからの利用は継続して行なっていくらしい。

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GeoPlanetおよびPlaceSpotter APIはQ3から使えなくなるそうで、これらを利用している開発者はYahoo Query Language(YQL)およびBOSSに乗り換える必要が出てくる。

また、6月から7月にかけて、以下のような地域サービスが停止されると挙げられている。すなわちフランスおよびカナダにおけるYahoo Music、スペインにおけるYahoo Movies、Yahoo Philippinesのホームページおよび各ジャンル毎のサイト、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、およびカナダにおけるYahoo TV、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、およびイタリアにおけるYahoo Autos、そしてシンガポールにおけるYahoo Entertainmentだ。停止されるサービスで扱っていた情報コンテンツについては、将来的には他のYahooネットワーク上で提供していきたいとのこと。それぞれの地域独自の判断で停止されるというよりも、2014年からの地域プロパティの廃止策を継続したものと考えるべきだろう。

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Yahoo Pipesについては、確かに利用者は減少傾向にあったのだろう。しかしウェブデータを手軽に扱うための画期的プロダクトとして登場してきて以来、便利に使っている人も多かったはずだ。Yahoo Pipesの登場は2007年になったばかりの頃だった。さまざまなサイトからのデータを集約し、必要なデータを抜き出したマッシュアップを作成するためのツールとして大いに注目を集めたものだった。自前のマッシュアップを作るのに利用するのはビジュアルインタフェースで、さまざまなモジュールをドラッグ&ドロップで配置することで行うようになっていた。完成品は保存しておき、もちろん多くの人と共有することもできるようになっていた。

Pipesで作ったツールをテンプレートとして「リミックス」用に公開するというのは、たとえばIFTTTの「レシピ」のようなものだったわけだ。

一般の(開発系ではない)人々にもデータを操作する仕組みを提供しようとする、このYahoo Pipesの試みはIFTTTだけではなく、たとえばZapierTasker、あるいはWorkflowなどのサービスに引き継がれることともなった。

Yahoo Pipeを使った開発は今年の8月30日で停止となる。データの移植などのために、Pipesの仕組み自体は9月30日まで動作させるのだとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H

動画制作クラウドのViibarがヤフーと資本業務提携、既存株主含め7億円の資金調達

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「動画元年」なんて言われていたのは去年か一昨年のことだっただろうか。ともかく動画に関するビジネスが急速に拡大しているのは事実だ。十代のカップルが自らの動画をアップする「MixChannel」は女子中高生の2人に1人が利用しているそうだし、動画広告のプラットフォームも複数スタートしている。UUUMのようなYouTuberのマネジメント会社も登場してきたし、動画制作向けのクラウドソーシングサービスもある。

そんな動画制作特化型クラウドソーシングサービスの1つ、「Viibar」を運営するのがViibarだ。同社は5月18日、ヤフーと資本業務提携を行うことを明らかにした。

資本提携では、ヤフーに加えて既存株主であるグロービス・キャピタル・パートナーズおよびグリーベンチャーズが出資。総額約7億円の第三者割当増資を実施した。あわせて、ヤフー執行役員 マーケティングソリューションカンパニー長の荒波修氏が社外取締役に就任する。なお、業務提携の詳細については、6月後半にも詳細を発表するとしている。

動画広告が成長。売上は前年比30倍に

Viibarは動画制作に特化したクラウドソーシングサービスだ。現在国内を中心に約2000人のクリエーターがユーザー登録。動画制作はスタッフが進行管理や制作スタッフのマッチングを担当。クライアントとクリエーターはオンライン上でコミュニケーションを取りながら動画を制作していく。

Viibar代表取締役の上坂優太氏

Viibar代表取締役の上坂優太氏

これまで、動画広告や商品説明動画などウェブで利用される動画をはじめ、テレビCMやOOH(交通広告や屋外広告)などに向けた動画を制作してきた。売上高は非公開ということだったが、「2013年度から2014年度で30倍成長」(Viibar代表取締役の上坂優太氏)なのだそう。

初年度ということでベースとなる売上が決して大きいとは思わないが、それでも30倍というのはすごい数字だ。この成長の背景にあるのは、急増する動画広告のニーズ。「テレビCMやOOHなど、利用の幅も広がっているが、そこはあくまで一次関数的な成長でしかない。当初から明確にあったウェブの動画広告が大きく成長している。市場ではクリエイティブ不足が明確な課題になってきた」(上坂氏)

制作だけでなく、“成果”に結びつく機能の提供へ

上坂氏は、「安かろう悪かろうではない」と、Viibarで作成する「動画」そのものの品質が評価されていると説明するが、同時に「動画広告」としての品質を高めているところだと語る。

動画広告は、単純に動画としてのクオリティだけでなく、動画を閲覧した人がそのサービスを利用したり、商品を購入するといった“成果”が求められるもの。そのため、どれだけイケてる動画を作るかということではなく、動画広告をユーザーに配信するという一連のフロー——企画、制作者のマッチング、動画制作、動画の配信、効果測定、そして効果測定を元にしたPDCAを回す——を通じて、成果を出していかなければならない。

だがこれまでのクラウドソーシングが担当していたのは「制作者のマッチング」「動画制作」といったパート程度だ。Viibarでは現在、動画広告にまつわる一連のフローを自社でまかなえるよう、各種開発を進めているのだそうだ。「動画広告はクリエイティブの要素が大きいが、そのクリエイティブを評価して、次の企画に落とし込むというところまでをデータドリブンでやっていく」(上坂氏)

具体的な内容については聞けなかったが、動画制作に加えて動画配信やアナリティクスの機能も提供していくということだろう。実際、今回の調達を機に、データアナリストなどの採用も始めていると聞いた。

ヤフー本体が出資するも「基本的にはIPO目指す」

ヤフー本体によるスタートアップへの出資というのは、それほど多いケースではない。Facebookを使った懸賞サービスを提供していたクロコスや、映画チケットの共同購入サービスを提供していたブルームなど、買収案件が比較的目立っている印象だ。

ヤフーによる買収の可能性について上坂氏に尋ねたところ、「基本的にはIPOを目指している。動画広告は急速に伸びており、特にBtoB、BtoBtoCでレバレッジを書けてサービスを展開するには、以下にジャイアントと組むかというのは重要になると思っている。ただし我々はYouTubeやFacebookなどともすでに取引もあるし、基本的に独立した存在」としている。

これからのアプリケーションはデータセンタースタックを必要とする

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[筆者:Derrick Harris ]
編集者注記: Derrick HarrisはMesosphereのシニアリサーチアナリスト。Harrisは最近GigaOMに、クラウドとビッグデータについて書いた。

インターネットはこれまでの20年間で生活を大きく変えた。Webとモバイルのアプリケーションで、どこからでも、情報の検索と買い物とスムーズなコミュニケーションができ、しかもそのスピードは、これまでありえなかったほどに速い。車のダッシュボードでおすすめの映画を知り、携帯電話でビデオの制作と掲載ができる。温度計を買えば、仕事に出かける時間に暖房を消してくれる。

テクノロジ業界の外にいる人には、これらの技術進歩がマジックのように見えるかもしれないが、実際にこれらのアプリケーションを作っている人たちは、そこにどれだけ多くのものが込められているかを理解している。でも最近ではビジネスの世界にいる人たちみんなが、それを理解していることが重要になりつつある。

その理由は簡単だ: 優秀な企業は、次の10年の企業競争で落伍しないためにはITについてまったく新しい考え方をしなければならないことを理解している。モバイルアプリから冷蔵庫に至るまでのあらゆるものが、さらに一層個人化され、一層インテリジェントになり、より機敏に反応しなければならない。企業は機械学習を行い、センサのデータを取り入れ、ユーザのトラフィックの予期せざる急騰に無事に対応しなければならない。

後戻りはできない。アプリケーションが、ユーザが期待する体験を提供できなければ、彼らは、それを提供できるほかのアプリケーションを見つけるだろう。

アプリケーションのアーキテクチャの革命

アプリケーションとWebサイトのユーザは、過去数年間で百万のオーダーに達し、アプリケーションのそれまでのアーキテクチャは、その膨大な量のトラフィックとユーザデータに対応できなくなっている。さらに最近では、その大量のデジタルデータを有効利用しようという欲求が生まれ、その目的だけに奉仕するまったく新しい種類の技術への関心が芽生えてきた。

それらの技術には多くの場合、サーバの複数のクラスタにまたがって容易にスケールできるように設計された新しいストレージや処理能力、およびデータベースのフレームワークを作ることが含まれている。またさらに、これら各部位間の情報の移動を単純化し、高速化することも求められる。GoogleやLinkedIn、Facebook、Yahoo、Twitterなどの大きなインターネット企業では、この同じ一般的パターンが、何度も何度も繰り返し実装されている。

たとえばデータベースのレイヤでは、ほとんど誰もが関係データベースからスタートし、今になって新しいプランを考えなければならなくなっている。一部の企業は、MySQLデータベースをその自然な限界を超えて酷使するために、秘かに何百万ドルもの費用と人時間を投入し続けている。逆に新しいデータベース技術を作ったところもあるし、新旧の二股をかけているところもある。

またビッグデータの処理でも、新しいパターンが生まれている。具体的な技術はさまざまでも、今の大型Web企業に共通している新しいアーキテクチャは、データ処理のリアルタイム部分と、準リアルタイム部分と、バッチ部分という三層構造だ(下図)。必要に応じて、個人化されたWeb体験やコンテンツ体験をリアルタイムで高速に提供しなければならない。しかしまた同時に、社内のデータアナリストやデータサイエンティストたちが、データの集合に対して彼らの能力を十二分に発揮できなければならない。

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アプリケーションの構成部位としてのデータセンター

今ITに起きているイノベーションは、ものすごいスケールだ。GoogleやFacebook、Amazonなどは日々数十億のユーザに奉仕し、数百万件のユーザ対応処理が並列で行われている。それと同時に、大量のデータが保存される。しかしそれでも、彼らはめったにクラッシュしない。Twitterも、インフラストラクチャに思い切った投資をしてからは、あのfail whale(クジラさん)が現れなくなった。

これらの企業はこれまで、MapReduce、Hadoop、Cassandra、Kafkaなどなど、数々の技術を生み出してきた。また無名のスタートアップやデベロッパたちも、主にオープンソースの世界で、アプリケーションのパフォーマンスをとスケーラビリティを高め、ときにはまったく新しい機能を実現するための新しいツールを作ってきた。それらの中では、Spark、Storm、Elasticsearchなどがとくに有名だ。

また、そのような極端に巨大なスケールでも安定して動くアプリケーションを開発するための、アプリケーションの新しいアーキテクチャも生まれてきた。

たとえば、今いちばんもてはやされているのがマイクロサービスだ。これはアプリケーションを個々のサービスの集合として構成するアーキテクチャで、部品であるサービスは複数のアプリケーションから使われてもよい。これまでの、一枚岩的なアプリケーションアーキテクチャでは、各部位がそのアプリケーションの専用の部品として閉じ込められている。しかし、自立した個々のサービスの集まり、という新しいアーキテクチャでは、各部位間や、部位と特定のアプリケーションとのあいだの依存性がなくなり、サービスのスケールアップをアプリケーションの再構築を必要とせずに実現できる。

また、マイクロサービスと並んでビッグなトレンドになっているのが、コンテナ化だ。コンテナは、Dockerのようなデベロッパフレンドリなフレームワークを利用して作ってもよいし、もっと低レベルにLinux control groupsを使ってもよい。コンテナに収めたアプリケーションは分散サービスに容易にプラグインでき、いつ何をどこで動かすか、などをいちいち気にする必要がなくなる。コンテナがあることによってデベロッパは、自分のアプリケーションの機能や構造の磨き上げに集中できる。

以上のような、分散サービスの集合体とコンテナ化という新しいアーキテクチャ技術を一つの全体として見た場合には、それを“data center application stack”(データセンターアプリケーションスタック==アプリケーションの基本構成要素としてのデータセンター)と呼べる。奉仕すべきユーザが複数のプラットホーム上に何百万もいるようなアプリケーションを作り、それらのアプリケーションが多量かつ多様なデータをハイスピードで利用していくときには、どうしてもそういう、サービスの集合体的なものを使うことになる。したがって高性能なデータセンターが、いわば、アプリケーションの心臓部になる。

これらは、将来そうなるという説ではなくて、今急速に進展しているトレンドだ。巨大な消費者アプリや、Salesforc.comのような巨大なビジネスアプリケーションを志向するスタートアップたちのあいだでは、これらの技術がすでに常備品になっている。

またデベロッパやスタートアップだけでなく、企業も変わりつつある。Fortune 500社だけでなく、ITのイノベーションとは無縁と思われていた中規模の企業ですら、インターネットの時代に対応しようとすると変わらざるをえない。したがって彼らも、今ではデータセンターが提供するサービスに関心を持ち始めている。データセンターのアプリケーションスタック化は、企業の内部にも浸透していく。

“ビッグデータ”と“リアルタイム”と“物のインターネット(IoT)”は、今や単なるバズワードではなく、21世紀の経済において企業の成功を左右する必修科目だ。

そしてデータセンターアプリケーションのためのオペレーティングシステムが

しかしこれらはいずれも、実装が難しい。Hadoopをデプロイして管理してスケールする。Cassandraを〜〜〜〜。Kubernetesを〜〜〜〜。等々。使用するフレームワークやサービスごとに、あなたは手を洗って同じことを繰り返す。実装の困難さは、口にしてもしょうがないから、誰も口にしない。だから、世に氾濫する‘かっこいい話’には出てこない。

でもある時点で企業は、それまでのアプリケーションの書き方を反省し、データのパイプラインを築くことで、より強靭なアーキテクチャを確保したくなるだろう。

GoogleやMicrosoftのような、大きくてエンジニアをたくさん抱えている企業は、この問題をBorgAutopilotなどのシステムを自分で作って解決してきた。こういうシステムがあると、リソースの適正な割り当てを自動的にやってくれるから、何百万台ものサーバにまたがって動くサービスやアプリケーションの高い可用性が確保される。デベロッパやソフトウェアアーキテクトが頑張らなくても、アルゴリズムが、どこで、何を、どれだけのマシンの上で動かすかを決める。

しかし、BorgもAutopilotもすばらしいシステムだが、どちらもプロプライエタリだ。Googleが某論文の中で、Borgというものの存在を認めたのも、ごく最近のことだ。MicrosoftはAutopilotについて、ほとんど何も明らかにしていない。そしてBもAも、一般的なサービスとしては提供されていない。

そこで、Mesosphereだ、というお話になるのだが、それは次の機会のお楽しみに。

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〔原文のコメントに、Microsoftの元社員からの反論があります。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

電話をかけようとすると、画面に当たる耳の形から所有者本人を判定する技術をYahooが開発

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あなたの携帯電話では、あなた本人しか入呼に出られない、としたら、すてきじゃないですか。しかもそのために指紋もパスワードもスワイプジェスチャも要らない。そのアプリは、電話をかけようとする人の耳の形をチェックする。指紋センサは使わない。今やどの携帯電話〜スマートフォンにもある、タッチスクリーンを使うだけだ。

それが、このたびYahooの研究所が作ったBodyprintのアイデアだ。

研究員のChristian HolzとSenaka ButhpitiyaとMarius Knaustが作ったBodyprintは、体の各部を各状況にもっとも合ったバイオメトリクス(生体認証)の指標として利用する。電話をかけるという状況では耳を利用するが、そのほかの状況では手のひら、握った手の最初の関節、デバイスを握ったときのエッジまわりの手の形、などなども本人認証に利用できる。

それだけいろんなものを認識できるのなら、スクリーンから指紋を認識した方が早いではないか? しかし今のセンサやスマートフォンのタッチスクリーンの技術では、指紋を正確に識別するほどの精度が得られないのだ。Bodyprintでは、指紋よりももっと大きなものなら、その形を区別できる。

耳や手のひらなどは、自分と似ている人がいるから、このシステムはどこまで正確に見分けてくれるのか? 彼らが書いた研究論文によると、正確度は99.52%、つまり1000回のうち5回しか間違えない、ということだ。

問題は、このアルゴリズムが、ちょっとでも怪しいと拒絶するタイプなので、“偽りの拒絶率”が体の全部位で26.82%と高いこと。耳だけなら7.8%だ(13回に1回は本人が拒絶される)。もしも電話の拒絶が4回に1回もあれば、ちょっと商品化は無理だろう。なお、試験に参加した人数はわずか12名だそうだ。

今は、商用レベルの完成度云々ではなく、コンセプトの初期という段階だ。スマートフォンの指紋判読も長年ひどかったが、最近になってやっと、不満をおぼえない程度の技術に成長した。

このチームは前にも、奇妙なものを使って本人同定を試みている。2012年にHolzはKinectとSurfaceを使って、人間がタッチスクリーンの上に立ったときの靴の形や大きさから本人性を判断しようとした。

[出典: AndroidAuthority]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Yahoo、Yahoo Japan株35.5%、90億ドルの将来性を占うべく投資顧問を迎える

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今日(米国時間4/21)、YahooのQ1決算を説明するビデオストリームで、CEO Marissa Mayerは就任以来17のオフィスを大型効率化戦略の一環として閉鎖したと語った。そしてYahooは、国際的ポジションのさらに大きな変更を計画しているようだ。同社は35.5%を保有するYahoo Japan株の扱いに関してアドバイザーを雇った。Yahoo Japanは長年日本の国内ポータルとして、Softbankとのジョイントベンチャーが運営している。

果たして持ち株すべてを売却するのか? それともGrouponがTicket Monsterで行ったように一部のみを処分するのか。まだ誰にもわからない。Mayerは、会社がどう決断するにせよそれが「重要優先事項」であり、「入念な調査」が必要であることを強調した。

その後CFOのKen Goldmanも彼女の言葉を繰り返し「持ち株の価値を最大化することに集中し続ける」と語った。

Yahooの持ち株35.5%は、90億ドル近い価値と推定される。Yahoo自身も、検索および広告契約を通じて同社から年間2.5億ドルの収益を上げていることが、会見ビデオ中のアナリストからの質問でわかった。株式売却がこの売上に与える影響について尋ねられたGoldmanは、「まだ何とも言えないが…投資顧問と相談することになるだろう」と答えた。

当然このニュースは、売上利益共に予想を下回った決算報告後な落ち込んだ同社の株価を上昇させる要因となった。

Mayerは本件について、今後の会見で正式発表すると語った。

SoftbankとYahooは、日本初のウェブポータルとして1996年に最初のジョイントベンチャーを作った。同サイトが今でもYahooの古いロゴを使い続けているのは驚きである。

Yahoo Japanは1997に東京の株式市場に上場した。同社株は現在も取引きされている。Softbankは、Yahooと並びAlibabaが上場してすぐに株主となっている。AlibabaはYahooの株を購入する候補者の一つと考えられる。

Mayer体制のYahooは、米国内市場への取り組みと投資に集中してきたが、アジア地区での閉鎖とレイオフが目立つ中でも、他の地域への投資は考えている。Mayerは今日、台湾および香港が今もYahooの重要な市場であり、同社が最近買収した会社を拡大する足がかりとして成熟した基盤となり得ると語った。

「こうした地域は最近買収したTumblr、Flurry、Brightroll等を進出させるのに適した市場だと考えている。当社が国際市場に足跡を残すために、これらの投資を生かす方法を探っている」と彼女は言った。。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yahoo、2015年Q1は売上利益共に予想を下回り2%安

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本日(米国時間4/21)の市場閉鎖後、Yahooは2015年第1四半期の決算を発表し、トラフィック獲得費用減算後(ex-TAC)売上が10.4億ドル、1株当たり利益は0.15ドルだった。ウォール街の予測は、それぞれ10.6億ドル、0.18ドルだった。

Yahooのex-TAC売上は前年同期から約4%減少した。同社の調整後利益も、1年前の1株当たり0.38ドルから急落した。標準的会計方法を使用すると、Yahooの四半期利益はわずか0.02ドルとなる。

同社のトラフィック獲得費用差引前の総売上は12.3億ドルだった。この数字は前年同期より増えているが、純売上は下がっている。これは、Yahooの売上に要する金額が時間と共に増えたことを示している。

現在Yahooは、モバイルファーストの未来に向けて作業を進めている。そのために、投資家にその取り組みの成果を説明する指標として、モバイル関連売上の詳細を公開している ― 例えば前四半期のモバイル売上は2.54億ドルだった。今期のモバイル売上はやや少なく2.34億ドルだった。Yahooはリリース文中、この数字が対前年比では61%増であることを強調している。

Yahooはディスプレイ広告事業で4.64億ドル(2%増)を売上げ、検索はex-TAXベース売上4.32億ドルだった。検索売上は1年前より3%減小した。最近同社はMicrosoftと検索契約を再交渉した結果、検索結果横の広告表示方法がこれまでより柔軟になった。長年Yahooは検索市場のシェアを失い続けている。

しかし、Yahooの検索は暗い話ばかりではなく、クリック数は2014年1Qから21%増加し、クリック単価も3%上昇した。

第1四半期終時点で、Yahooは69億ドルの現金または相当物を保有している。これは2014年末の102億ドルから減少している。

またしても売上を減らした決算について、この後の会見でYahoo経営陣がどう説明するか注目される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

情報筋:Yahoo、Foursquareを(いよいよ)買収か?!

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YahooはCEOであるMarissa Mayerのもと、モバイル関連ビジネスの再編に余念が無いようだ。そして、そのYahooが、かなり大きな一歩を踏み出しそうだという情報が入ってきている。噂というのは、毎度聞こえてくるFoursquareを巡ってのものだ。ニューヨークに拠点をおくスタートアップで、ローカルサーチを行うFoursquareおよび、チェックインを行うためのSwarmアプリケーションを世に送り出している。Yahooによる買収が噂される「毎度」の相手ではあるのだが、今回は9億ドルという具体的な買収金額まで流れてきている。

いくつかの情報筋から話が流れてくるのだが、「買収は本決まり」というものもある。また「決定間近」というものもある。

但し、Yahoo内部からの情報で「そんな話は全く耳にしていない」というものもあったりする。アメリカの東西を結ぶ規模の大きな憶測に過ぎないのか、それともごく限られた人の間で進行している極秘の話なのかはまだよくわからない。

TechCrunchでは情報入手のために関係者にコンタクトをとっているが、Yahooのスポークスパーソンも、Foursquareの協同ファウンダー兼CEOであるDennis Crowleyもコメントすることは何もないと述べている。

先にも述べた通り、YahooがFoursquareの買収考慮しているという噂が流れるのは初めてのことではない。またMayerは個人的にもFoursquareに興味を示し続けているのだ。Re/codeの前身であるAllThingsDが、YahooによるTumblr買収を報じたときも、記事中でMayerがGoogle時代からTumblrおよびFoursquareの動向に注目し続けていると記している。

そんな中にあって、YahooとFoursquareに関わる噂が盛り上がり続けるのも当然ともいえるわけだ。

聞こえてくる話の中には、Foursquareが他の企業と話を進めているところだというものもある。しかし状況を総合的に判断すれば、相手がYahooであるというのがありそうな話であるように思える。

Foursquareは、今日までに1億6200万ドルの資金を調達している。2014年2月の最新のラウンドでは6億ドル以上の評価額にて、Microsoftより1500万ドルの資金を得ている。この際には、MicrosoftのWindowsやモバイルサービスにおける位置情報関連コンテンツに協力するという話も結ばれている。

しかしFoursquareも外部からの資金の上にあぐらをかいていられるような状況ではない。App Annieのデータによると、昨年アプリケーションを2つに分割して以来、Foursquareアプリケーションは米国App Storeのトラベル部門でトップ25に入っている(ダウンロード数でのランク)ものの、Swarmの方は徐々にポジションを下げ、今ではソーシャルネットワーク部門で146位になってしまっているのだ。そうした状況の中、Foursquareがテックジャイアンとに身売りするのではないかという情報が数多く入ってきている。そうした情報が流れるたびに記事にしたりはしないのだが、今回は複数の情報源が確からしい話だと認めていることから、このようにお伝えしている次第だ。

Yahooの側にもFoursquareを手に入れたい事情がある。中国のAlibaba株を手放すことにより膨大な資金を得たものの、首脳陣の大幅入れ替えなどで社内は騒然とした雰囲気の中にあるらしい。またMayer治世の中、積極的な買収戦略を繰り広げてはいるものの、魅力的なサービスを生み出せずにいるとの批判の声も大きいようだ。こうした中、Yahooとしても大きな一歩を踏み出す必要があるというのが、今回の噂の背景にある。

Forusquareの位置情報APIは、他のアプリケーションを開発する85,000名もの開発者が利用している。Foursquareを手に入れることにより、Yahooは開発者やパブリッシャーとの関係を密にすることもできそうだ。関係を強化すれば、以前買収したアプリケーション分析サービスを提供するFlurryにとってプラスともなるだろう。またネットワークを広げることで、サービスを拡大し、また販売する道も開けてくることとなりそうだ。

FoursquareおよびSwarmは、Tumblrに続いてソーシャル面での大きな資産となる可能性がある。バナー広告や従来型のメディアサービスでは得られなかった利用者層を広げることにもなるのだろう。

(訳注:本記事は英語原文の抄訳となっております。興味のある方は原文記事の方をご覧ください)。

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(翻訳:Maeda, H

ヤフーがベトナムに開発子会社、アジアで「20年後の開発体制」構築へ

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ヤフーがベトナム ホーチミンシティに100%子会社の現地法人を設立する。同社が東南アジアに開発拠点を立ち上げるのはこれが初となる。現地法人の名称は「Techbase VietNam Co., Ltd」。6月の設立予定で、資本金は1億5000万円。代表にはヤフーの白川健一氏が就任する。

ヤフーではこれまでも協力会社を通じてベトナムでのオフショア開発を進めている。ベトナムでの開発は、(コミュニケーションコストは別として)日本の約3分の1程度のコストで開発可能で、実際その開発範囲も「Yahoo!ショッピング」や女性向け情報サイトの「TRILL」のほか、スマートフォンアプリなど幅広い。人数も、3月末時点で50人近くの規模になっているそうだ。

だが協力会社である以上、ヤフーとしては開発環境のすべて公開できるわけでなく、委託できる業務の範囲も限られてしまう。テスト1つとっても、ヤフー側と協力会社側のそれぞれに環境を用意して、それぞれ確認を行うなんていう手間がかかるのだそうだ。そこで今回、現地に子会社を設立。開発環境も可能な限り共通化してサービスやソフトウェアの開発を進めるという。

20年後の開発体制を作る

「日本の人口を見ると、20年後には20歳男性だけを比較しても30%の減少が予測されている。であれば理系・エンジニア志望の採用を国内で考えるのは大変になる。その際にアジアで高品質な開発ができるようにしたい」。白川氏は子会社設立についてこう語る。

もちろん社内的な撤退基準はあるが、「オフショアのコストは年間10%程度で上昇している。かといって「コストが日本の○○%になったらやめる』といった考えではない。むしろ20年後に日本のエンジニアが3割減っても開発できる体制を作りたい」(白川氏)とのこと。今後ベトナムでの子会社運営が軌道に乗れば、アジア圏に複数の拠点を立ち上げることも検討する。

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ヤフーが位置情報共有サービスの米「Life360」と提携、日本向けにサービス開始


ヤフーは3月27日、米スタートアップのLife360との業務提携を発表した。この発表にあわせて、Life360は位置情報共有アプリ「Life360」のAndroid日本語版を公開。ヤフーは今後の国内展開を支援していく。なおiOS版は現在英語のみで提供されており、日本語版は近日公開予定。

Life360 は家族や友達などをグループとして登録し、お互いの居場所をリアルタイムで把握できるアプリだ。アプリ内の設定で位置情報共有のオンオフを切り替え可能。

グループは複数作成でき、「家族は常に共有をオンにして、友人は待ち合わせの時以外はオフにする」といった設定が可能。また、自宅や学校など、特定の場所やエリアを「通知エリア」として設定すれば、グループに通知する機能などを備える。さらに、グループメンバー全員に助けを求める通知を送れる「緊急通知」ボタンも備える。

今後は、警察機関などから提供されるデータをもとに、犯罪発生地点をアプリ内地図に搭載する機能も提供する予定(米国ではすでに同様の機能が提供されている)。有料版では、通常2点までの通知エリアの登録が無制限になるなど、追加機能を提供する。

そういえばGoogleも、友人とお互いの現在地を共有するサービス「Google Latitude」を提供していたが、現在はサービスを終了している。このLife360はGoogle Latitudeと比べると、「家族や知人の安全確認」といった方向でブラッシュアップしたサービスに思えた(ただ設定次第では家族間のプライバシーはあってないようなものになるのかも)。

ちなみにヤフーによると、米国では主に子どもの登下校時や1人での外出時に位置を把握する目的で利用されているとのこと。ファミリー層を中心にして、現在全世界5000万グループが利用している。


Yahoo、パスワード無しログインを導入 ― 携帯電話は失くさないように

Yahooは、ユーザーがパスワードを覚えているどうか、あるいは簡単に予測されたりハックされたりするパスワードを作ってしまうかどうかに依存するしくみを終らせるべく、必要な時にワンタイムパスワードを送る新しい「オンデマンド」システムを導入する。

新しいアプローチはセキュリティーを高め、ユーザーのYahooアカウントをハックされにくくすることが目的だ。ある意味でそれは達成されている。無数の人々が覚えやすいパスワードを様々なサービスで再利用しており、メールアカウントも例外ではない。これはその性質上ハックされやすい(ランダムなパスワードの方が望ましい)だけでなく、本質的に危険である。もし破られると、その人のデジタル個人情報の大きな部分、あるいはオンラインでの存在〈全体〉がオープンになるからだ。

オンデマンド・パスワードは、1度ログインすると使えなくなり、そのYahooアカウント専用なので、パスワード破りの連鎖が起きにくくなる。しかし、そこにはかなり大きな落とし穴がある。つまり、もし携帯電話を落としたら、拾った人物は持ち主のメールへの侵入チケットを手に入れることになる。

もしSMS通知がロック画面に表示さる設定になっていると、携帯電話がロックされる前に、オンデマンド・パスワードが表示されることもある。もし携帯電話を落とすと、それを拾った者はパスワードを知らなくてもIDがわかればあなたのYahooアカウントに入れてしまう。

メインパスワードを入力するとSMS経由で一時パスワードが送られてくる「2段階パスワード」の方が安全なアプローチの方かもしれない。YahooはCNETに対して、これは「パスワードを排除する第一歩」だと言っているので、今後も続いて出て来ることを期待している。

Yahooがモバイルのセキュリティーに焦点を当てたことは正しい。平均的インターネットユーザーが慢性的にベストプラクティスを実行していないからだ。ITに強い人でさえ該当する。最良のアプローチは、やはり1PasswordまたはLastPass等のパスワードマネージャーを使い、リスクを認識しておくことだ。

関連したニュースとして、同社はエンドツーエンド暗号化プラグインを垣間見せた。South by SouthwestでGoogleと共同で取り組んでいるものだ

下のビデオ(via via The Verge)は、Yahooのソリーションが一般的な暗号化オプションと比べてどんなに簡単か見せることが目的だ。この機能はユーザーが設定しないと有効にならない。有効化されるとメール本文が暗号化され、タイムスタンプや題名などの基本的事項は平文のまま送られる。Yahooは今年中の公開を目標にしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Yahoo Mail、自動的にアップデートされるスマート連絡先カードを導入


昨日(米国時間3/3)Googleは、賞味期限を大幅に過ぎているGoogleコンタクトのデザインを一新し、新機能もいくつか追加した。そして今日、Yahooは、同じくコンタクト(連絡先)に関する自身のニュースで後に続いた。同社はYahoo Mailに新たな”Contact Cards”を導入した。これはメッセージ上の人名にマウスをかざすとポップアップする小さなカードで、相手の電話番号、会社名、役職、さらにはソーシャルプロフィールのリンク等が表示される。

Yahooによると、新システムは同社が2013年に買収したXobniのテクノロジーに基づいている。覚えている人もいるだろうが、Xobniは連絡先やソーシャルネットワークの情報を受信箱に付加するアドオン作った最初の企業の一つだ。

今でも、同じようなソリューションの需要はある。例えばLinkedInも、人気のメールプラグインRapportiveを買収してこの分野に参入した。YahooがXobniを買う前の年のことだ。Rapportiveの優れた機能の一つは、様々なネットワークからプロフィールを取ってこられることだ。

ちなみに、Googleコンタクトの新たな焦点の一つは、ユーザーがGoogleのアドレス帳に保存した個人情報やメモと、相手のGoogleソーシャルプロフィール情報を統合することにある。

Yahooの場合、Contact Cardsが表示するのは、電話、役職、メールアドレスといった一般的な情報と写真(会社ならロゴ)、FacebookやYahoo傘下のFlickrのソーシャルプロフィール等だ。

このYahoo Mailの新機能で興味深いのは、相手の正しい電話番号を、その人と自分とのメールのやり取りの中から見つけ出すことだ。

このニュースを伝える同社公式ブログ記事には、「カードに表示される最新の電話番号は、その相手が過去に送ってきたメールに書かれていたものも含まれる。もう、古いメールやアドレス帳をひっくり返して正しい番号を探す必要なない」と説明されている。さらにYahooによると、この電話番号検索は事前に行われ、科学的手法を使うことによってその番号がメールの送り主のものであることを90%以上の精度で検証している

他にも、例えばEvercontactは、メールの署名欄から連絡先情報を探し出して、アドレス帳を更新するプラグインを作っている。しかし、Evercontactは有料サービスで、Yahooの機能は無料だ。ただし現在Yahooの自動アップデートの対象は電話番号フィールドのみで、他のデータには適用されない。

新しいContact Cardsではアクションも可能で、その人からのメールをさらに検索したり、新規メールを書いたり、アドレス帳に追加したり、データを編集したり、FacebookまたはFlickrのアイコンをクリックしてそれぞれのネットワークでの相手のプロフィールページに行くとこともできる。ただしFacebook統合を使うためには、Yahoo Mailのアカウント設定で自分のYahooアカウントとFacebookを連携させておく必要がある。

Contact Carsは、まず米国のデスクトップユーザーに提供され、徐々に展開されると同社は言っている。今後は他の機能も追加される予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


検索エンジンでYahooがじりじりアップ―Google、モバイルを除くシェアで75%を割る

2014年第4四半期の決算が期待を下回った Googleだが、もうひとつの問題が浮上した。検索エンジン市場でYahooがじりじりとシェアをアップさせ、その分Googleがダウンした。モバイルを除くアメリカの検索エンジン・シェアでGoogleが2008年以来初の75%割れを記録した。一方、Yahooはbingを抜いてアメリカの検索エンジンとして第2位となった(デスクトップ、タブレット、スマートフォンを含む)。

下で詳しくみていくが、ある意味、大海の一滴のような変化ではある。それでもStatCounterのレポートによれば、YahooがFirefoxのデフォールト検索エンジンの地位を獲得したことがはっきりと結果を生んでいるのは注目だ。過去3ヶ月でYahooはアメリカにおけるFirefoxブラウザ上の検索シェアを3倍に伸ばした。

Yahooは2014年11月に10%だったFirefoxでの検索シェアを28%に伸ばした。これに対してGoogleは64%にダウンした(デスクトップ、ゲーム機、タブレットを含みスマートフォンを除く)。

Yahooのこの小さな成功は、YahooがSafariブラウザのデフォールト検索エンジンの地位を狙ってAppleに働きかけているという情報を考えるとき興味深いものになる。Safariのデフォールト検索エンジンはGoogleだが、今年で契約が切れる

YahooとMicrosoftの検索エンジンでの提携は、今年で10契約の折り返し点を迎える。Yahooは検索ビジネスの強化を目指して“契約内容の改定”を申し入れているという情報がある。おそらくはYahoo独自のテクノロジーを注入し、Yahooにとって売上をアップさせる内容としたいのだろう。.

検索市場全体からすると依然、Googleの圧倒的優位は揺らいでいない。

まずFirefoxはGoogle Chromeに比べてはるかにシェアが小さい。アメリカではChrome、Internet Explorer、iPhone、Safariについで5位にすぎない。

またGoogleが75%を下回ってといっても、それはモバイルを除外した数字だ。モバイルを含めたGoogleの検索シェアは78%ある。しかし2014年11月のGoogleのシェアは79.79%だったから、やはり1%ポイント低下している。

デスクトップ、タブレット、ゲーム機に限ればなるほど、過去3ヶ月でbingとYahooのシェアは増加し、その分Googleが減少している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


今Yahooのどのページにも”ブラウザをFirefoxに変えよう”がある

今日(米国時間12/12)Yahooのサイトのどれか訪れた人は気づいただろう。どのページも右上に”Upgrade to the new Firefox”(新しいFirefoxにアップグレードしよう)のリンクがある。Chromeだけでなく、Internet Explorerでも、最新のYandexブラウザでも。Safariには出ないが、Appleもデフォルトの検索エンジンをYahooにする、という噂があるので、そのせいか、と思ってしまう。

今のFirefoxはデフォルトの検索エンジンがYahooだから、Yahooのこの態度は意外ではない。Yahooとしてはできるだけ多くの人にFirefoxとその検索エンジンを使ってほしい(本体はMicrosoftのBingだけど)。

Firefoxもこのところシェアが下降気味だから、できるだけ多くのYahooユーザにFirefoxを勧めてもらいたい。Firefoxのデフォルトの検索エンジンを変えるのは簡単だし、最近もっと簡単になったが、ほとんどの人が変えないからYahooのままだ。またFirefoxユーザのためのYahoo検索エンジンは、デザインがGoogleに似てきたから、Yahooに変わったことに気づかない人が多いだろう。

YahooとMozillaの新しい関係が、両社のシェアなどにどう影響するか、それはまだわからないけど、1月になったらYahooはやや伸びていそうだ。

Yahooのページの変化を見つけたのは、本誌のすばらしいコピーエディタCatherine Pickavetのおかげだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ヤフーがIoT領域に参入――2015年春に”IoT向けのBaaS”を提供

ヤフーがIoT領域の新サービスを提供する。京都で開催中の招待制イベント「Infinity Ventures Summit 2014 fall Kyoto」の中で、ヤフー イノベーションサービスユニット ユニットマネージャーの松本龍祐氏が明らかにした。

Yahoo! IoTプロジェクト(仮)」と呼ぶ新サービスは2015年春にリリースの予定。IoTのハードウェアそのものではなく、SDKやデータベース、解析、IDといったバックグラウンド環境をサービスとして提供するというものだ。

発表後、松本氏は「例えばイケてる時計型のプロダクトを作ったとして、(機能面では)単体での価値は1〜2割だったりする。でも本当に重要なのはバックエンド。しかしユーザーから見てみれば時計というプロダクトそのものに大きな価値を感じることが多い。そうであれば、IoTのバックエンドをBaaS(Backend as a Service:ユーザーの登録や管理、データ保管といったバックエンド環境をサービスとして提供すること)のように提供できればプロダクトの開発に集中できると思う。クラウドが出てネットサービスの開発が手軽になったのと同じような環境を提供したい」とサービスについて語ってくれた。

松本氏はまた、IFTTT(さまざまなウェブサービスを連携して利用できるようにするサービス)を例に挙げ、バックグラウンドで複数のサービスが連携できる仕組みも提供していくとも語った。「パーツとしてヤフーのサービスを使ってもらってもいいし、他社のサービスと連携してもいい。全くコードを書けないと簡単な事しかできないが、ライブラリも用意して手軽に利用できるようにしたい」(松本氏)。イベントでは、ネットに連携する目覚まし時計とYahoo!天気、Pepperを連携させて、「Yahoo!天気でその日の天気をチェックして、雨ならば予定より30分早く目覚ましを鳴らす。目覚ましで起きなければPepperが起きるように呼びかける」というデモを披露した。

このサービスは当面無料で提供していく予定。ではどうやってマネタイズするのかと尋ねたところ「ヤフーはビッグデータカンパニー。そのデータを生かせればいい。例えばYahoo! IDを使っているユーザーが増えることはメリットになる。ウェラブルデバイスのデータを取れれば広告の制度を高めることだってできる」(松本氏)とのこと。

また、このサービスを利用する開発者に対しては、ヤフーグループとして販売やマーケティング面でも支援をしたいと語る。「例えばY! Mobileの店頭での販売、Yahoo! ショッピングでの販売なども検討できる」(松本氏)。松本氏は現在ヤフーグループのコーポレートベンチャーキャピタルであるYJキャピタルのパートナーも務めているため、YJキャピタルでIoT分野のスタートアップに投資し、このサービスを導入したいと語っていた。「ヤフーはPCの戦いで勝ったが、スマホでは圧倒的なナンバーワンではない状況。IoTでまた圧倒的なナンバーワンを取っていく」(松本氏)

余談だが、ヤフー執行役員の田中祐介氏もこのタイミングでYJキャピタルのパートナーに就任している。田中氏いわく、同氏や松本氏など起業経験を持つヤフーの役職者がYJキャピタルのパートナーとして活動していくことになったそうだ。またヤフー執行役員でYJキャピタル代表取締役小澤隆生氏によると、YJキャピタルは現在200億円規模のファンドを準備しているそうだ。


Yahoo、写真関連サービスを展開してきたCoolirisを買収

写真関連のアプリケーションを扱ってきたCoolirisがYahooに買収されることとなった。

振り返ってみれば、ずいぶんと長い歴史を持つようにもなっていた。設立は2006年で、当初は写真などを3D wall風に表示するものだった。

Adjitsuという、モバイル向け広告プラットフォームも開発したが、こちらについては昨年SingtelのAmobeeディビジョンに売却している。

最近のCoolirisはFacebook、Flickr、そしてDropboxなどの画像を横断的に閲覧できるモバイルアプリケーション(名前はCoolirisのままで、また以前の3D wallと同様のインタフェースをもってもいる)に注力してきていた。昨年の話ではRenren、Yandex、およびBaiduなどとのパートナーシップにより、とくにアジア圏にて急速に成長しているという話もあった。

今年の夏には、写真を中心に据えたメッセージングアプリケーションであるBeamItもリリースしていた。

これまでにKleiner Perkins Caufield & Byers、Deutsche TelekomのT-Venture、Westly Group、およびDAG Venturesなどから総額で2760万ドルの資金を調達している。

Coolirisのサイトには次のような文章が掲示されている。

Yahooは、より直感的で誰もが簡単に利用できるモバイル環境の構築を、一貫して求め続けています。

その点から考えて、CoolirisにとってもYahooが最高のパートナーとなり得ると判断しました。世界を相手にプロダクトを問うていく体制が整ったというわけです。

Yahoo CEOのMarissa Mayerはモバイル重視をことあるごとに強調しているし、先月にもメッセージングアプリケーションのMessageMeを買収してもいる。

ちなみに買収発表の案内の中に、これからCoolirisのプロダクトをどう扱っていくのかという記述は見当たらないようだ。人材獲得目的の買収である可能性もあるが、とりあえず今のところはCooliris for MobileおよびBeamIt Messengerの公開を停止する予定はないらしい。

Update:Yahooからの発表があった。

魅力的なアプリケーションを世に出してエンゲージメントを高め、そして収益も増やしていくというのは、私たちの目的のひとつです。そしてこの分野で協力してくれるベストの人材を獲得するためにCoolirisを買収することとなりました。私たちは買収によって、検索、コミュニケーション、デジタルマガジン、およびビデオといった成長の見込まれる分野における活躍を見込んでいます。そのような中、Coolirisの17名を、私たちのコミュニケーションチームが拠点とするサニーベールに迎えることを大変嬉しく思っています。現在リリース済のCoolirisプロダクトについて、直ちに何らかの変更を加えるということは考えていません。

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(翻訳:Maeda, H


早期出資者が明かす、Alibabaの進化から得た教訓

GGV Capitalの共同ファウンダー、Thomas NgとJoel Kellmanは、1999年にJack Maと知り合った。Alibabaが中国、杭州の小さなアパートの一室でスタートしたばかりのことだった。

15年後、GGVの共同ファウンダーでマネージング・ディレクターのHany Nadaは、彼のパートナーの投資がもたらした成果に驚嘆するしかなかった。もはやその会社の運命を左右する存在ではなくなったが、GGV CapitalはAlibabaの黎明期を知る証人であり、いかにしてJack Maが、その買い手と売り手のためのマーケットプレイスを、ウェブサービス、支払い、Eコマース ,オンライン・ツー・オフラインショッピング、モバイルOSへと拡張し、さらには相乗りサービス会社、オンラインビデオ会社、音楽ストリーミングサービス等々に投資するまでに育ててきたかを見てきた。

「初めてJackと会った時、彼のビジョンは出来る限りパイを広げることだった」とNadは言う。それは、Maが一起業家としての初期の日々から、ニューヨーク証券取引所のフロアーへと登りつめるまで持ち続けた気持ちだった。MaはCNBCのインタビューに答えてこう言った。

「今日私たちが得たものはお金ではなく、人々の信用だ。何百万ものスモールビジネス、そして数多くの株主たち。今この株主の人たちを前に、今後5年、10年、彼らを間違いなく喜ばせることの責任を、光栄に感じ、また感動している。

GGV Capitalは当初Alibabaに投じた800万ドルを40倍に増やした。AlibabaはGGVの初期ファンドの配当を出資額の4倍に伸ばした(Alibabaがいなくても2.5倍の配当はあった)。

Nadaによると、Maが彼の顧客に対するビジョンを、他の幹部やパートナーへも拡大したことが、この結果を生んだという。

そこには、AlibabaとYahooの少々騒がしい関係もあった。Yahooが2005年に行った10億ドルの投資についてNadaは、欧米企業による中国に対する最も成功した投資だと考えている。

「中国に進出しようとした殆どのIT企業は・・・やり方を間違えていた」とNadaは言う。「何億ドルをも費しては、地元のライバルにしてやられていた。

Yahooは非常に鋭い観察によって成功を収めたが、それは同社が中国市場参入のために強力なパートナーを立てるという決断だった。「Alibabaから得た最大の教訓は・・・もしアジアで成功したかったら、YahooがAlibabaで行ったような戦略的投資を通じて行わなければならないことだ」

Nadaは、海外企業が中国で強い牽引力を得ることは難しいという。なぜならこの国のエコシステムがあまりにも保護されているからだ。しかし中国企業も、国による文化の違いのために、国際市場への参入は同じように難しい。はっきりしているのは、Maと彼の経営チームは米国の動向調査を始めたばかりだということだとNadaは言う。

「彼らは米国で何十もの投資をしてきた。上場したものも、そうでないものもある・・・まだ彼らは本格的な攻めに入っててはいない。ひとたび答を見つけてビジョンを追及し始めれば、彼らは実行するだろう。実行するなら何か大きなことを」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Yahoo、Googleと協働してエンドツーエンドのメール暗号化実現へ

YahooはGoogleと協働して、電子メールにてエンドツーエンドの暗号化を実現する予定であるとのことだ。政府やハッカーたちによる覗き見の危険性を気にすることなく、プライベートな通信が行えるようになる。このアナウンスはBlack Hatセキュリティカンファレンスの壇上で行われたものだ。

Yahooの情報セキュリティ部門チーフのAlex Stamosによると、Yahooは今年末あたりにも、暗号化の仕組みに用いるソースコードを公開したいとのこと。曰く「Googleとも密接に連携しながら、双方のエンドツーエンドの暗号化に互換性をもたせるべく作業を続けているところです」とのことだ。

Googleも6月にメールにおけるエンドツーエンドの暗号化を構築中である旨をアナウンスしていた。このYahoo-Googleの共同歩調が他のプロバイダにも波及して欲しいところだ。メジャーなメールサービスが相互に流通するメッセージを暗号化してやりとりするようになれば、利用者はより多くの利用者がセキュアな環境を利用できるようになる。

もちろんこうした動きはスノーデンによる情報収集活動についての暴露に端を発するものだ。以来、情報をよりセキュアなものとするための動きがあちこちで繰り広げられている。YahooおよびGoogleの両者は、NSAがデータセンター間の通信ケーブルの情報を傍受していることを明らかにしてから、データセンター間の通信の機密性を強化する旨をアナウンスしていた。

ネットワーク上では、一般の利用者でも簡単に用いることのできる暗号化技法が必要とされている。Yahooもそうしたニーズに真摯に応対しようとしているわけだ。

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(翻訳:Maeda, H