人気C向けアプリはいかにして初期ユーザー1000人を獲得したのか?

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するポッドキャスト「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。これまで日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきて、現在は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。Off Topicでは、D2C企業の話や最新テックニュースの解説をしているポッドキャストもやってます。まだ購読されてない方はチェックしてみてください!

はじめに

元Airbnbのグロース担当のLenny Rachitskyさ(レニー・ラチツキー)さん「How the biggest consumer apps got their first 1,000 users」の記事を直接許可を頂き翻訳しました。レニーさんのコンテンツをもっと読みたい方はぜひ彼のメルマガにご登録ください!Lennyさんの「マーケットプレイスの作り方」の翻訳もしていますので、そちらも気になった方はご一読ください!

C向けサービスがいかにして最初の1000人を獲得するかしっかりまとまってる記事は意外とありませんでした。レニーさんの記事は、実際に創業者のヒアリングを行い、過去インタビューを遡り、Twitterで質問したりした事実に基づく濃密なレポートです。UberやTikTok、Tinder、最近話題のSuperhumanなどの著名スタートアップの学びをシェアしたいと思います。

サマリー

  1. C向けの初期グロースは7つの戦略に分けられる
  2. Product HuntやPinterestは複数使ったが、ほとんどのスタートアップは1つの戦略で成長する。3つ以上使って成功した事例は今のところ見てない
  3. 一番人気な戦略はオンラインでもオフラインでも直接ユーザーに行くこと。スケールしないことをやろう
  4. 戦略を実行するために、ターゲット層を狭く定義づけることが大事
  5. 最初の1000人の獲得と1万人までの獲得方法は変わる

初期ユーザー獲得戦略は以下の7つの戦略となる。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーを活用
  6. PR・メディアを活用
  7. コミュニティを作る

1. オフラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?

■大学キャンパス
Tinder:創業メンバーのWhitney WolfeとJustin Mateenは南カリフォルニア大学で走り回ってフラタニティとソロリティでTinderを紹介してた。ほかの独身の人とつながれる、そして自分に興味があるかを知りたいニーズに合わせられたのでバイラルになった(Jeff Morris Jr.氏)。

DoorDash:初期バージョンはpaloaltodelivery.comと言うサイトでパロアルトのレストランメニューにPDFが載っていただけ。社長のTonyとDoorDashチームはチラシを印刷してスタンフォード大学でバラまいた。6ドルのデリバリーフィーで需要があるかを知りたかった。単純にPDFメニューのサイトとチラシで始まっただけ(Micah Moreau氏)。

■スタートアップのオフィス、駅や交通ハブ
Lyft:周りのスタートアップの各社にドアノックをして、無料でカップケーキやドーナッツと一緒にLyftの無料クーポンを渡していた(Emily Castor氏とBenjamin Lauzier氏)。
Uber:Streetチームをかなり使った。SF内の各Caltrain(カルトレイン、郊外向けの通勤列車)駅に行ってリファラルコードをばらまいていた。元CEOのTravisさん自身がTwitter本社に行ってリファラルコードを従業員にばらまいていたと。これが後ほどUberのグローバルアンバサダープログラムとなった(Andrew Chen氏)。

■ショッピングモール
Snapchat:CEOのEvanは一人ひとりに見せ始めて、使い方を教えたり、なぜ面白いかを説明した。アプリのダウンロードまで彼が代わりにやってあげていた。ユーザー獲得のために何でもやった。ショッピングモールに行ってSnapchatのチラシもばらまいてた。ショッピングモールで「消える写真を送ってみたいか?」と聞いて、よく断られてた(Billy Gallagher氏、How to Turn Down a Billion Dollars, The Snapchat Storyより)。

■近所のHOA(Home Owner Association、管理組合)
Nextdoor:当時は創業チームは近所のSNSのコンセプトを受けれて検証してくれる場所を探さないと意味がないとわかっていた。どの場所を選ぶかが重要だった。その場所はLorelei(ローレライ)だった。小さく親密なコミュニティであり、カリフォルニア州で最も古い管理組合がある場所だった。すでにコミュニティ内でコミュニケーションの取り合いをする方法があったのでNextdoorに合うと思った。管理組合の上層部に連絡したら話を聞いてくれた(Sarah Leary氏)。

■クラフトフェア
Etsy:米国中に開催されているクラフトフェアに行くことにした。そこで売り手を探しに行った。売り手は買い手をどうやってサイトに誘導させるのをわかっていたので、売り手を囲い込むのが大事だった(Thales Teixeria氏)。

■アップルストア
Pinterest:正直、かなりヤケクソなことをやってた。家の帰り道のアップルストアに入って置いてあったパソコンをPinterestページを表示するようにした。そしてその後にちょっと後ろのほうに行って「へーこのPinterestと言うサイトはバズっているんだなー」と他の人が聞こえるように言ってました(Ben Silbermann氏)。

2. オンラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?

■Hacker News
Dropbox:CEOのDrewは簡単なプロダクトのデモ動画を2007年4月にHacker Newsに投稿した。そのタイトルは「My YC app: Dropbox – Throw away your USB drive」(僕のYCアプリDropbox:USBドライブを捨てよう)。その動画で初期ユーザーを集めた(John Popel氏)。

■アプリストア
TikTok(Musical.ly):当時はアプリストアに秘策があった。アプリ名をすごく長くできた。そしてアプリストアの検索エンジンはキーワードよりアプリ名にウェイトをかけるのを知ってた。なので、アプリ名を「make awesome music videos with all kinds of effects for Instagram, Facebook, Messenger」にしたら検索からの流入が入ってきた(Alex Zhu氏)。

ProductHunt:初期3000人はProductHunt初日とその1日、2日後で獲得できた。3000人から2万人ユーザーは初期ユーザーが入っている組織のエヴァンジェリストを探し、1対1の関係性を作った。そして2万人以降はPMのシステム(同僚を紹介するたびに5ドルのクレジット、50ドルぶんまで)で獲得(Shahed Khan氏)。

■既存のオンラインコミュニティ
Netflix:ユーザーとつながるためにCorey Bridgesをユーザー獲得するために採用した。彼はライターとしての才能があった。Coreyが気づいたのはDVDオーナーはネットのウェブフォーラムなどで集まっていたこと。そのコミュニティに入り込もうとした。CoreyはNetflix従業員とは名乗らず、映画好きな人として会話に参加したり、友達を作った。そこで、徐々にコミュニティ内のモデレーターや一番リスペクトされてたユーザーにNetflixと言う素晴らしいサイトを宣伝し始めた。ローンチ前から大きく種まきをしてくれてた(Marc Randolph氏、That Will Never Workより)。

Buffer:最初の9カ月はゲストブログ(自社ではないブログ)に書き続けただけで10万人を獲得できた。徐々に上がった感じだった。9カ月間で約150件投稿した。まったく流入しなかったものもあったし、徐々にしか改善されなかった。最適な投稿頻度を見つけるまで時間がかかった(Leo Widrich氏)。

3. 友達を招待する

Key Question
自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?

Yelp:初期ユーザーは自分たちのネットワーク(ほぼ元PayPal同僚)を招待して獲得した。自分たちのネットワークに周りの友達を招待するようにお願いした。スタートアップを経験したメンバーが多かったので、お互い助け合うことに慣れてたのでいろいろ招待してくれた。そこだけで1000人ぐらいまで行った。一人のリファラルネットワークを侮らないことが大事で、招待させるインセンティブや方法を考えるのが大事(Russel Simmons氏)。

Lyft:ウェイトリスト制度を始める前には友達へメールにて招待状を送っていた(Emily Castor Warren氏)。

Facebook:Thefacebook.comは2004年2月4日にローンチした。普通の寮で過ごす夜だった。Mark Zuckerbergがサイトを完成させた時に数名の友達に共有した。その友達が学生寮「Kirkland House」に住んでいる300人が入っているオンラインメールリストに送ることをお勧めした。十数名が入って、その時にはすでにほかの寮にサイトの話が回ってた。夜の終わりには部屋にいた人たち全員が登録したユーザー数をひたすら見ていた。24時間以内で1200〜1500人が登録してくれた(Dustin Moskovitz氏、New Yorkerより)

Quora:Quoraは2010年1月にローンチした時のユーザーは主にAdam D’AngeloとCharlie Cheeverの高校・大学時代の友達が集まっていた。そのおかげで初期Quoraの情報を見ると、Cheeverが育ったペンシルベニア州のピッツバーグでのおいしいレストランなどの情報が多かった。サイトに他の人を招待できる機能を入れてユーザーを増やした(Wiredより)。

LinkedIn:LinkedInのCEOであるReid Hoffmanはプロダクトの初期は成功した友達やつながりに入ってもらった。憧れられるブランドを作るには初期ユーザーの質が重要だと理解してた。成功している会社や人ほど常に次の採用する人材を探しているので、成功した人たちを初期から入れてなければ会社は成功しなかった(Keith Rabois氏)。

Slack:ほかの会社で働いている友達に頼み込んで試してもらってフィードバックをもらった。最初の6社から10社はこう言うかたちで獲得した(Stewart Butterfield氏)。

Pinterest:アプリをローンチした時に友達全員にメールした。最初は誰もサービスの良さを理解しなかったが、ある小さいグループだけ使い続けてくれた。それはアーリーアダプターっぽくなく、一緒に育った友達や知り合いだった。彼らは人生の一環として使ってくれて、家や食べ物写真を上げてくれた(Ben Silbermann氏)。

4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること</h2.

Key Question
・ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
・強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
・ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき

■初期コミュニティを制限、キュレーション
Clubhouse:プライベートテストフライトを見てると面白い(Todd Goldberg氏)。

  • キュレーション(クオリティー担保)
  • 制限・招待制(FOMO: Fear of Missing Out)
  • 早い改善とアップデート(アプリストアのレビュープロセスが必要ない)
  • 初期ユーザーは信頼できるネットワークからのリファラル

Instagram:プロトタイプと検証をしてたときにTwitterフォロワーが多い人に渡したのがよかった。しかもそれはある一定のコミュニティでのフォロワー数が重要だった。そのコミュニティはデザイナー、オンラインウェブデザインのコミュニティだった。我々がフォーカスしている写真やビジュアル要素がこのコミュニティに最もアピールすると思った。彼らがTwitterで共有してくれたおかげで、ほかの人たちは「これはいつローンチして、いつ使えるのか?」と聞き始めて、そのタイミングでローンチした(Kevin Systrom氏)。

Pinterest:最初は招待制のコミュニティだった。初期ユーザーはSilbermannが呼びかけたデザインブロガーだった。呼びかけた人たちにはユニークなアイデアとクリエイティブな人たちにしか招待するなと教えた。そうやって2012年まで招待ベースで伸び続けた(Entrepreneurより)。

■事前登録、ウェイトリスト
Mailbox:iPhone用のメール管理アプリのMailboxがリリースされた時にすでに70万人のユーザーがウェイトリストに登録していた。これはMailboxのサーバーに異常なる負担を与えないためと、需要をより増やすマーケティング戦略だ(Darrell Etherington氏)。

Superhuman:初年度は開発している最中にLP(ランディングページ)を公開した。Squarespaceで作った最小限のダメなLPを2時間だけかけて作り上げた。LPにはメールアドレスしか入れられないようにした。そしてメールアドレスを入れた際には2つの質問が自動送信された(Rahul Vohra氏)。

  1. どのメールブラウザーを使っている?
  2. メールの不満は何?

Robinhood:リリースした際には初期サイトがバズるとはまったく思ってなかった。そのためシンプルなコピーを入れて、登録するためのボタンを押して、メールアドレスを入力してもらってウェイトリストにジョインできるようにした。そしてウェイトリストの何人中、何番目かを表示するようにした。プレスを出すその前の金曜日の夜にウェイトリストの準備をしていた。その次の日の土曜日にGoogle Analyticsを開くと600人ぐらいの同時アクセスユーザー数を見かけた。何が起こったかを見たらほとんどのユーザーはHacker Newsから来ていた。Hacker Newsを見たら3番目にRobinhoodについて投稿されてた(Business Insiderより)。

■既存ユーザーからの招待制
Spotify:2008年にSpotifyがベータ版をローンチ。正式ローンチまでは招待制オンリーで進めていた。Spotifyの初期成長はこの招待制度が鍵だった。Spotifyのグロースをコントロールできたのと、よりバイラルな要素をサービスに与えた。ユーザーは最初に5人の友達に招待できるようにしてた(TNWより)。

5. インフルエンサーの活用

Key Question
ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?

Twitter:以下図が初期ローンチのグラフだ。最初にインターネットでTwitterについてメンションがあったのは7月13日のEvan Williamのブログだったが、その前日に登録が結構入ってたのがわかる。そしてOm Malikの投稿で次の日には250人が登録。まだ600人ぐらいしかいなかったときだった。Evanの人気度とOmの推薦をもとに最初にバズるような状況を作れた(Pete Warden氏)。

Product Hunt:インフルエンサーを見つけた時に私かNathanが個人的にメールを送って、プレスでProduct Huntに言及していたPandoDailyやFast Companyの記事にリンクして我々のストーリーを説明した。マニュアルなプロセスだったが、いい寄稿者を採用するのにいい方法でよりフィードバックをもらえやすい状況を作っていた(Ryan Hoover氏)。

Instagram:創業者は初期ユーザーを慎重に選んでいた。良い写真家、特に高いTwitterフォロワー数のデザイナーを選んでた。その初期ユーザーが最初のトーン、良質なコンテンツを出した最初のInstagramをプロモーションするインフルエンサーキャンペーンと言えるだろう。Jack DorseyはInstagramの一番の営業マンだった。最初は彼の投資が(Instagramの前身のサービスである)Burbnではないアプリに行くことに対してショックだったが、すぐにInstagramをBurbn以上に好きになった。そしてInstagramが2010年10月6日にローンチした時に、Jack Dorseyが共有してくれたおかげですぐにバズった。アップルのアプリストアのカメラアプリの中でいちばんになった(Sarah Frier氏、No Filter: The Inside Story of Instagramより)。

6. PR・メディアの活用

Key Question
プレスやメディアにピッチできる新しく、面白く、そしてユニークなストーリーとは?

Superhuman:プレスをうまく使うのは時代精神的な瞬間に入り込むこと。我々の場合はMailboxがシャットダウンする時だった。私はかなり読まれたM&Aの生き残り方についての記事を書いたが、それはMailboxのシャットダウンと合わせて書いたもの。投稿はMediumで出したが、qz.comにも転載された。時代精神的な瞬間に入り込めた。その記事を書くのに3日間それだけに集中したのと、あと1日記事をいろんな人に共有するのに時間をかけたので、合計4日間フルフルかかった。でもその4日間で5000人の登録が入ってきた(Rahul Vohra氏)。

Product Hunt:FastCompany記事のようにゲスト投稿をテックメディアで書いて認知を得た。初期はプレス・メディアで登録を伸ばすのに効果的だった。TechCrunchを読む人はProduct Huntを見る人と同一だった。さらにProduct Huntでローンチしたいいプロダクトを知り合いの記者に情報を流すようにした。記者の興味に合わせてプロダクトを送り、それについて記事を書いてもらってProduct Huntにリンクしてもらった。しかもそれによってよりクリエイターやアーリーステージの会社に認知を与えてた(Ryan Hoover氏)。

Airbnb:ターニングポイントはコロラド州デンバーで行われた2008年の民主党全国委員会(DNC)だった。Airbnb創業メンバーはイベントのキャパの4倍以上の人が参加すると知っていて、その影響で部屋のレンタルの需要が高まると知ってた。部屋を譲ってもらうのは簡単だったが、知名度がなかったのでその部屋に宿泊してもらうことが難しかった。

それを解決するためにまずは小さいオーディエンスを持っているブロガーに当たった。直感に反するかもしれないが、小さいブロガーがAirbnbについて投稿することによって大きめのメディアが取り上げる必要があると感じた。それがどんどん加速して、最終的には全米に放映するNBCやCBSがAirbnbの創業者をインタビューしていた。

DNCはAirbnbにとってよかったが、結局1週間しか続かなかった。創業者がイベントからのインパクトを最大限に広げられないかとキッチンで座ってたときに、シリアルを売って黒字化するアイデアを思いついた。2人ともデザイナーで名門ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの卒業生だった。嘘のシリアルの「Obama O’s, the Cereal of Change」と「Cap’n McCain’s, a Maverick in Every Box」を考えた。箱のアートは彼ら自身で考え、カリフォルニア大学バークレー校の生徒にお願いして安く箱を印刷してもらった。箱はフラットな長方形で印刷されたので、1つひとつ形を切り取って手作りした。
創業メンバーはいろんなテックブロガーに箱を送り、それについて記事を書いてもらった。その後に一箱40ドルで売った。Obama O’sが売れすぎて、Cap’n McCainを無償でつけるようになった(Pandoより)。

Slack:ベータ版をベータ版と呼ばなかったのは、そうするとサービスがあまりよくないと思われるからだった。チームの過去の経験を活用してプレス戦略を行った。それでSlackを使うリクエストが遅れるようにした。初日に8000人、2週間後に1万5000人まで上がった。ローンチ時のメディアの力は強い(Stewart Butterfield氏)。

Instagram:PR会社を使わずに直接プレスにコンタクトした。これは正しい戦略だったとKevin Systromが語る。いいプロダクトと熱い創業者からピッチするといい記事となる。プロダクトを好きになりそうな人に関しては躊躇なく連絡した。それがうまくいった。New York Timesとかに連絡する意味がないといろんな人から言われたが、NYTは話すだけではなく、直接会いにきてくれた。そして2010年10月にローンチした同日にプレスが出て、サーバーへの負担がハンパなかった(TNWより)。

7. ローンチ前にコミュニティを作る

Key Question
あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

Product Hunt:Linkydinkと言うメルマガツールを使ってメルマガとしてスタートした。Product Huntを開発している間にMVP版に貢献してくれる人たちやプロダクト関連の人にモックを共有してフィードバックをもらってた。これは顧客開発のためだけではなく、共有してた人たちにプロダクトに貢献してプロダクトの一部として感じてもらうようにしていた(実際に貢献してくれてた)。その5日後、MVPが完成した。Product HuntのURLをサポーターたちにメールして、周りに共有しないようにお願いした。サポーターたちは自分たちが開発に貢献した感情を抱いてたので、プロダクトにすぐに愛着が生まれた。それで最初の30人を獲得した。週の終わりには100人集まったので、公開できると思った(Ryan Hoover氏)。

Stack Overflow:創業メンバーのJoel SpolskyとJeff Atwoodは過去の経歴のおかげで大きなフォロワーコミュニティを持っていた。お互いのコミュニティに対してプライベートベータ版に招待した。コンテンツが最初からないと微妙に見えるので、招待する前に創業メンバー自らコンテンツを作っていた(Jon氏)。

おさらい

最初の1000人を獲得するには、以下7つの戦略が使われた。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーの活用
  6. PR・メディアの活用
  7. コミュニティを作る

どの戦略にフォーカスするべきか決めるために自分に聞くべき質問は以下のとおり。

  1. 初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?
  2. 初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?
  3. 自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?
  4. ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
  5. 強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
  6. ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき
  7. ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?
  8. プレスや¥メディアにピッチできる新しく、面白く、ユニークなストーリーとは?
  9. あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

Yelpが従業員1000人解雇、1100人超を一時帰休に

Yelpの共同創業者でCEOのJeremy Stoppelman(ジェレミー・ストッペルマン)氏は社内電子メールで、同社が困難な時期に突入すると明らかにした。Yelpは経費を削減しなければならない。これはかなりの解雇と、さらなる措置を意味する。従業員1000人が解雇された。

米証券取引委員会に提出された書類によると、Yelpは2019年12月31日時点で5950人を雇用していた。つまり今日の解雇は全従業員の17%に相当する。

同社はストッペルマン氏の電子メールを同社のウェブサイトで共有した。解雇に加え、従業員1100人が一時帰休となっている。一時帰休の従業員は次の通知があるまで無給とされ(一部例外はある)、2週間分の給与と福利厚生を受ける。

解雇を検討する前に、Yelpはさまざまな方法でのコスト削減を試みた。同社はサーバー経費を削減した。これはモバイル、ウェブサイトの両方でトラフィックが減少していることを考えれば当然のことだろう。

多くのプロジェクトが「優先されず」、幹部たちは20〜30%の給与減を受け入れた。ストッペルマン氏は今年残りは給与も株の配当も受け取らない。

「フィジカル・ディスタンシング(接触を控え、距離を保つこと)や外出禁止令は感染拡大を抑制するために必要なものだが、その一方で我々のミッションの基幹である地域の事業にはかなりの逆風となっている」とストッペルマン氏は書いている。「最も人気のカテゴリーであるレストランへの関心は3月10日以来64%落ち込み、ナイトライフ部門は81%減だ。ジムは73%減で、美容室や美容業界は83%減となっている」

Yelpが、ユーザーの近所でのベスト事業をレコメンドするのにフォーカスしている事業であることを考えれば、ロックダウンはもろに響く。利用の減少は広告収入減をも意味する。レストランチェーンが閉店すればYelpでお金を使うことはなくなる。

Yelpは解雇と福利厚生にかかる費用として800万〜1000万ドル(約8〜10億円)を見込んでいる。Yelpの株は昨日の終値より0.46%アップの21.74ドル(約2360円)で取引されている。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

Yelpのウェブサイトと検索結果がパーソナライズ化

米国時間8月27日、Yelpはユーザーの個人設定に基づいて検索結果とウェブページをパーソナライズできるようにすると発表した。

ベジタリアンのユーザーや子連れで行きやすいレストランを見つけたいユーザーは、検索のたびにその情報を入力する必要がなくなる。いったん設定しておけば、その後はその条件を優先した結果が表示される。

同社コンシューマープロダクト責任者のAkhil Ramesh(アキール・ラメシュ)氏は「2人のユーザーが同じコンテクストで同じ検索をしても結果は異なる。これはYelp史上初めてのことだ」と言う。

この機能を使うには「Personalize your experience」(体験をパーソナライズ)からオプションを選択する。オプションには、食事の条件(ベジタリアン、ビーガン、グルテンフリーなど)、ライフスタイル(子供がいる、車を持っている、ペットがいる)、アクセシビリティのニーズ(車椅子、ジェンダーニュートラルの化粧室)、好きな料理、その他の好み(書店が好き、夜のデート向けなど)がある。

この設定を済ませると、検索結果に反映するようになる。結果には「ベジタリアン料理多数」「中華好きのあなたにおすすめ」などと表示されるので、パーソナライズされていることがわかる。ウェブページではユーザーが気に入りそうな店がハイライトされる。

この機能の登場は遅すぎるようにも思える。人気アプリやウェブサイトの多くは、すでにすっかりパーソナライズされているからだ。なぜYelpは今、この手法を取り入れることにしたのか。

その理由のひとつとしてラメシュ氏は、食に対する関心の多様化を挙げる。また「我々には長年にわたって蓄積してきた、構造化されてはいないものの有意義で質の高いコンテンツがある。このコンテンツはリアルな体験を表しているものだ。ここ数年、我々の機械学習とAIは飛躍的に発展した。そのため、我々が持つ高品質なコンテンツをベースに本当に役に立つ機能を作ることができた」とも語る。

ラメシュ氏は、すべての行動をアルゴリズムに反映させるのではなく、明示的にYelpと共有した設定から結果を示すと強調する。とはいえ「どの機械学習のアルゴリズムにも偏りはたくさんあるだろう」とも述べた。

同氏は、このアプローチを「人間的な方法」と説明する。つまり、誰かと会話をするときに「その人が週末に何をしたかを想定しようとはしないでしょう。その人にただ質問し、会話をするだけです」。

同時にラメシュ氏は、アプリ内での行動全般が検索結果に影響を与えることが有用であることも多々あるため「この2つのバランスを探っているところだ」とも語った。

好みはタイミングや状況によって変わることもある。あるものを食べたくないとか、子供抜きで食事に行くこともあるだろう。そこで設定はいつでも変えられる。また、ウェブページからいずれかを選択し、詳しく見ていくこともできる。

このことがYelpの広告ビジネスにどう影響するかをラメシュ氏に尋ねたところ、最初に目に入る広告には影響が現れないが、設定と関連づけて「XXX料理好きのあなたに」というメッセージの広告は表示されるようになるとの説明だった。

同氏は「最終的にユーザーの設定に基づいて広告が表示されるだろうが、ETA(拡張テキスト広告)は表示されない」と付け加えた。

画像:Yelp

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Yelpが2つの広告プロダクト、ポートフォリオとハイライトを追加

Yelpは企業オーナー向けに、ポートフォリオとビジネスハイライトという2つの新しい広告プロダクトを発表した。

これらのハイライトは基本的に、「ベジタリアン・フレンドリー」「地元企業・運営」「創業何年」といった短いフレーズを使い、企業が自身の最も特徴的かつ魅力的な点を指摘するものだ。

プロダクトマネジメント部門ディレクターのAlon Shiran氏は、これは編集やユーザー生成コンテンツではなく、広告プロダクトであることを強調している。企業は1日2ドルを支払って30以上のハイライトを選択することができ、検索結果に2つ、プロフィールに6つのバッジを表示することができる。

同時に、Yelpは虚偽の広告を望んでいないことも伝えており、もしラベルが正しくないときにはユーザーがレビューにてそれを指摘したり、あるいは不正確さをYelpに報告することもできる。

ポートフォリオはその名のとおり、関わったプロジェクトを写真や説明、価格とともにハイライトするためのものだ。こちらもハイライトと同じく、1日に2ドル支払う必要がある。

Shiran氏によると、これらは医療や育児、在宅サービスなどの分野で実際にライセンスを取得したことを示す青いマークが取得できる、3月に発表された認証ライセンスマークと同様のものだという。

Shiran氏の見解によれば、これは新たな顧客とともに「名声の獲得」「信頼の構築」で企業を支援するものだという。例えば米国カリフォルニア州サンノゼのLemon Remodeling & Servicesは3つの製品すべてに契約した後、同社のプロフィール上の活動は200%増加し、これが顧客の誘導につながったという。

Yelpによると、これらの機能はすべてYelp for Businessのインターフェイスから利用できる。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Apple、Salesforce、PayPalが、ウェディングケーキ裁判でLGBT支持を表明

少数のIT企業が、同性カップルにウェディングケーキを作ることを拒否したコロラド州の菓子店を巡る裁判で法廷助言者として登録した。TechCrunchが確認したところによると参加したのはApple、Yelp、PayPal、Salesforce、およびAffirmの各社。準備書面は人権団体のHuman Rights Campaign(HRC)が回覧しており来週までにはさらに多くの企業名が発表される見込みだ。趣意書はワシントンDCの法律事務所、Steptoe & Johnsonが起草した。

LGBTQフレンドリーに関わる裁判には通常もっと多くのIT企業が意見表明するものだが、このMasterpiece Cakeshop 対 コロラド人権委員会の訴訟は、とりわけ繊細な社会問題を扱う一触触発のケースであり、憲法修正第1項に守られた信仰上の権利に関わるだけになおさらだ。IT企業が本件に対してやや引き気味である理由がここにある可能性は高いが、左翼傾向のIT企業がトランプ政権下で支持を求められている数多くの社会的大義も原因かもしれない。

今年3月、バージニア州の高校のトランスジェンダーの生徒 Gavin Grimmが教育委員会に対して、彼に男子トイレを使わせなかったのはTitle IX(連邦教育法第9編)に違反していると申仕立てた一件では、54社以上のIT企業が支持に動いた。結局この訴訟は最高裁判所に送られることなく、バージニア州リッチモンドの下級控訴裁判所に差し戻された。

企業が署名する期限について多少の混乱があったようだが、TechCrunchは締切が10月30日月曜日であることを確認した。本誌は主要IT企業にこの意見書への関心について問い合わせているので、情報が入り次第リストを更新する予定。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yelpが特定の場所に特化したQ&Aサービスを開始

yelp-app

Yelpは、その名前からも内容が自明な「Questions and Answers」という新機能をリリースする。

まあ、 ほとんど自明ということだが。この機能は、Yelpユーザーたちが驚くほど様々な質問をできるTalkとは区別されるものだ(私がこれを書いているときにも、Talkのニューヨークのページには空港への所要時間や、ルームメイトを追い出すための合法的条件や、The Bachelorette(アメリカのリアリティTV)に関する質問が挙がっている)。

そうしたものの代わりに、これは特定の場所についてのQ&Aに特化したものだ。このことによって他のQ&Aプロダクトとは一線を画している。例えば、ケネディ宇宙センターの標準滞在時間や、犬が許可されているバーか否か、あるいはタトゥーパーラーの価格などを尋ねて、他のユーザーやビジネスオーナーから回答を得ることができる。

ユーザーたちは回答を有益さに応じて評価することが可能で(「良い」、「悪い」の投票が可能)、また特定の質問に回答が寄せられたときに通知を受けるような設定を行うことも可能だ。

Yelpの公開質問

プロダクトマネージャーのBrian Boshesはこの新機能を、それぞれの人が大切な情報を見つけること助けてくれる「素晴らしい、Yelpらしいコンテンツです」と説明した(そうした情報は、色々なレビューの中に分散して書かれているかもしれないが、一般には見つけるのが難しい)。また彼はこれが、あるビジネスのサポーターやファンにとって、Yelpページとの連携の方法を「潜在的には無限に提供」できることも指摘した。レビューは投稿し続けることはできないが、質問に答え続けることはできるからだ。

最後にBoshesは、これはユーザーが探しているものについての貴重なデータをYelpに与えてくれるものだと述べた。もし人びとが特定の何かについて質問し続けたとすると(例えばレストランの子供に対する対応とか)、それはおそらくYelpがその情報を全ての場所のプロファイルに追加するチャンスとなる。

Yelpは、この機能を昨年末から限定的に運用していたが、今やiPhone、Android、そしてデスクトップで全国的な展開を開始した。Yelpプロファイルのレビューセクションの上に、Q&Aセクションを見つけることができる。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Yelp、懸賞金付きバグ探しを人材発掘にも活用

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Yelpは6ヵ月前に懸賞金付きバグ探しを開始して以来、システムの脆弱性を発見したハッカーに1万7000ドル以上の賞金を支払った。しかし、バグ探し懸賞の効果はセキュリティーの改善だけではない。Yelpの幹部によると、プログラムは優れたセキュリティー技術者を呼び、Yelpの正社員になったケースもある。

バグバウンティと呼ばれるこの懸賞プログラムは、現金と引き換えに脆弱性を報告する手段をハッカーに与えることで、システムの欠陥を悪用する代わりに改善に協力するインセンティブを与える。GoogleやFacebook等の大企業は、何年も前から公開バグバウンティー・プログラムを実施しているが、小さな会社では非公開のプログラムで自社製品のセキュリティーを確保しようとすることもある。

「今やバグバウンティ・プログラムは必要経費」とYelpの技術担当SVP、Michael StopplemanがTechCrunchに話した。「大企業では一般的になってきているのを見て、脆弱性を悪用する代わりに報告する道を与えるのはよい方法だと感じた。実に建設的なインセンティブだ」。

ただ業界の流行に乗っているだけはない。HackerOneが運用するこの懸賞プログラムは、社員に良い影響を与え、入社希望者に対してYelpがセキュリティーを重視していることを示す役割を果たしている。

「公開バグ探しは開発チームにとって理想的な試金石。セキュリティーの強さ知る一番のテストだ。『うちのドアをノックしても何も見つからないよ』と世間に向かって発信することで、自社技術を信頼していることを市場に訴えられる」とStopplelmanは説明した。「世界水準の技術チームに入りたいと考えているエンジニアへの呼びかけにもなる」。

公開プログラムを実施する前、Yelpは非公開プログラムを2年間行っていた。9月に公開して以来、プログラムは順調に推移している。

  • 30日後:解決バグ22件、賞金 5000ドル、レスポンス時間19時間、解決時間1ヵ月以内。

  • 60日後:解決バグ36件、賞金1万3500ドル、レスポンス時間21時間、解決時間29日。

  • 100日後:解決バグ39件、賞金 1万3850ドル、レスポンス時間24時間以内、解決時間1ヵ月以内。

  • 140日後:解決バグ52件、賞金1万7200ドル、レスポンス時間2日以内、解決時間1ヵ月以内。

「非公開のバウンティの間にバグを修正することができた。セキュリティ全般について以前より確信が持てるようになった」とYelpのセキュリティー責任者、Vivek Ramanは言う。「新機能を公開したときには、ハッカーコミュニティーにはアタックして脆弱性を見つけとほしい」。

Yelpはバグバウンティ・プログラムを今後も続けていく計画で、プロモーションや別のインセンティブでハッカーを引き止めることを考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yelp、Nowaitと連携してレストランでの行列を無用に

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YelpがNowaitと連携して、行列なしにレストランなどを利用できるサービスを提供する。Yelpを使って目的とするレストランの待ち時間をチェックして、そしてアプリケーションからリモートで列に並ぶことができるようにするのだ。またYelpは今回の提携に伴い、Nowaitに対して800万ドルの戦略投資も行う。これはYelpの第2四半期の財務レポート中で明らかにされたものだ。

Nowaitはペンシルベニア州ピッツバーグに拠点をおき、国中で4000件以上のカジュアルレストランと提携している。Chili’sやFirst Watchなどといった全国展開をするチェーン店も含まれている。Nowaitのアプリケーションを使えば、予約を受け付けていないレストランでの待ち時間を確認でき、やはりリモートからウェイティングリストに登録することができるようになっている。

順番がくるとテキストメッセージで通知される。またテキストメッセージにて遅刻を伝えたり、待ってもらえるかどうかの確認を行うこともできるようになっている。

Nowaitはレストランから月額料金を受け取っている。2012年8月に最初の資金調達を行なっており、これまでに2350万ドルの資金を集めている。

NowaitのCEOであるWare Sykesによれば、Nowaitの機能は「来月中に」Yelpに組み込まるとのこと。「まだ明確な日にちをアナウンスする段階ではありません」としている。

「Yelpとの連携は関係者全員にとってメリットのあるものだと考えています」と、Sykesは続ける。「Nowaitを使っていただいているレストランへの訪問は増えることになるでしょうし、Nowaitのサービスをより多くの人に利用してもらえるようにもなるでしょう」。

Yelpからの800万ドルの使い道については「Yelpを使う多くの人々にNowaitを使ってもらえるようにして、そしてNowaitを利用するレストランをさらに広げていきたいと考えています」とのことだった。

ちなみにYelpに登録されている施設のうち、18%がレストランとなっているそうだ。Yelpの広報によれば、レストランを見つけるのにYelpを使う人が増えているのだとのこと。配管修理を頼んだり、犬のグルーミングサービスを探すような使い方がそれに続いているのだとのこと。

Yelpのビジネスディベロップメント部門でシニア・バイスプレジデントを務めるChad Richardによると、知人からの紹介でNowaitのサービスを知り、春から提携に向けて動き出していたのだとのこと。

「Nowaitは、私たちの既存サービスをうまく補完してくれるサービスとなるでしょう」とのこと。「予約なしのレストランでは未だに紙と鉛筆を使ってウェイティングリストに書き込む方式が一般的です。これを効率化する、すばらしいテクノロジーだと感じています」。

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(翻訳:Maeda, H

Yelp、Q3売上1.4億ドルで予測を超え、時間外で7%高

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今日の株式市場終了後、Yelpが第3四半期の決算を報告し、売上は1.436億ドル、非標準的基準による1株当たり利益は0.03ドルだった。

投資家らはYelpの売上を1.4142億ドルと予測していた。

人気オンラインレビューサービスの株価は、時間外取引で急騰し、現在7%以上の高値となっている。通常取引では4%近く下げていた。同社の決算報告は、少なくとも今のところ、会社のカンフル剤となっている。

対前年同期比で、Yelpの売上は約40%増加した。同社の四半期調整後利益は270万ドルで、これには非現金費用が一部含まれていない。標準的会計方法を使用すると、Yelpは第3四半期に810万ドル、1株当たり0.11ドルの損失を出した。

Yelpが急成長企業であることから、現在投資家は全部原価よりも、正味現金を重視して評価している。そのため、Yelpは利益を報告する際、同社の推奨する基準には株式ベース報酬のような非現金コストが含まれていない。

Yelpが今期、広告ベース以外の源泉から売上を立てられることを示したのは重要だ。報告書を引用する:「取引き売上は計1200万ドルで、2014年第3四半期は130万だった。主としてこれは2015年第1四半期にEat24を買収したことによる。

なかなかの金額差だ。地域広告はやや控え目な36%増で1.159億ドルだった。

今後につい、Yelpは第4四半期に向けて次のように期待している。

2015年第4四半期、売上は1.495億~1.545億ドルを見込んでおり、これは中間で見て2014年第4四半期から約38%の上昇だ。調整後EBITDAは200万~2400万の範囲と予測している。株式ベースの報酬は1600万~1700万ドルの見込みで、価値の下落と償却は売上の5~6%を予想している。

この売上予測が、現在のウォール街の第4四半期売上の予測、1.521億ドルを上回っているのは注目に値する。。

要約すれば、Yelpは売上で予測を超え、次期予測はアナリストの先を行き、新たな収入源の一つを劇的に拡大した。これは見事な組み合わせである。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソーシャル時代の申し子、「Yelp」もTechCrunch Tokyo 2015に来るぞ!

約3週間後の11月17日、18日に迫ったTechCrunch Tokyo 2015の海外ゲストスピーカーが、また1人決まったのでお知らせしたい。Yelpで新規市場担当バイス・プレジデントを務めるMiriam Warren氏だ。2007年にMiriamがYelpにジョインしたときには、すでに超ヘビーなYelpユーザー(Yelperと呼ぶ)だったというから、Yelpの歴史と発展、特に海外展開を見てきた最重要人物と言える。Yelp登場の歴史的背景と、他サービスとのYelpの差別化について、2015年5月にサンフランシスコでMiriamに対して行ったインタビューを交えてまとめてみたい。

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Yelp新規市場担当バイシ・プレジデント Miriam Warren氏

ソーシャル化は同時多発的に起こった現象だった

Yelpが創業したのは2004年10月のことだ。振り返ってみると2004年はソーシャル元年だったように見える。2002年にマレーシア発のサービスとしてFriendsterが後にSNSと呼ばれることになる新ジャンルを開拓していたが、SNSブームに火を付けたのは2004年1月に始まったOrkutだろう。今となっては意外な感じがするが、OrkutはGoogle社員が作ったサービスだった。Orkutはインドやブラジルで爆発的にユーザーを伸ばした。2004年前後を振り返ってみると、LinkedIn(2003年)、Facebook(2004年)、YouTube(2005年)、Twitter(2006年)などが続々と生まれ、「ソーシャルネットワーク」という言葉が一般化したのだった。日本ではmixiが2004年と早い時期に立ち上がっていた。

インターネットが爆発的普及を始めた1995年から10年ほどのネット初期というのは、いまとだいぶ状況が違った。ユーザーは半匿名で、ユーザー同士の繋がりをサービス側がグラフデータとして保持しないのが一般的だった。チャットサービスや交流の掲示板、情報投稿サイトなどは古くから存在しているが、ユーザー同士を結ぶのは特定のアイテムや話題だけだった。レビューや売買サイトであれば、アイテムというのは書籍や店舗、商品、そのジャンルなどを指す。ここにユーザー同士を繋ぎ、フォロー・非フォローといった関係を持ち込んだのは一連のSNSなのだった。TechCrunch Japan読者には説明不要だろうけど、この繋がりを「ソーシャル・グラフ」と呼ぶ。

2004年にソーシャル系サービスが一気に出てきて、ソーシャル・グラフの価値はすぐに明らかになる。友だちが、泊まったことのあるホテルについて何か肯定的なことを言っていれば、それは誰か全く見ず知らずの人がオススメだと言っているよりも遥かに意味のあることだからだ。サービス提供者がユーザー獲得をすることを考えた場合でも個別ユーザー単位でなくソーシャル・グラフごとサービスを利用してもらうことで、大きな価値を提供できる。今再び、メッセージング系サービスの存在感が大きくなるにつれて勢力図が変わりつつあるように見えるものの、Facebookが貯めこんだソーシャル・グラフは外部サービスへも大きな影響を与えているのはご存じの通り。

Yelpは最初からソーシャルだった

Yelpはネットがソーシャル化していく時期に生まれたので、それまでの匿名性の高いサービスとは根本的に異なっていた。Miriamは、

「Yelpには、redpony68というようなユーザー名の人はいません」

というふうに指摘する。Yelpが掲げる標語は「本物の人々による本物のレビュー」だ。Yelpが誕生した2004年には、まだFacebookアカウントによるログインなどという概念も技術的枠組みもなかったが、最初からYelpはSNS時代を先取りしていた。というよりも、米国でFacebookが強すぎたので誤解しがちだが、ネットのソーシャル化は同時多発的に起こった現象だったわけで、Yelpはその一角を占めていたということだ。

Yelpは2014年4月に日本に上陸を果たしている。日本には、すでにレストランのレビューサービスは多数あるが、何が違うのだろうか?

「Yelpのレビュー対象が食べ物だけじゃないという点が挙げられます。歯医者や配管工、自動車整備なんかのスモールビジネスもレビューの対象です。多くの人がYelpを食べ物のことだと思っているのは、それは食事というのが1日に3度あるからに過ぎません。実はレストランのレビューは全体の19%に過ぎず、23%はショッピング関連です」

以下のグラフがYelpが公開しているジャンル別レビューの比率だ。

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「各地にコミュニティマネージャーがいるのも差別化です。アジアだと台湾、香港、シンガポール、マニラ、クアラルンプール、東京、大阪、京都、福岡などにコミュティマネージャーがいます」

Yelpは各地(各都市)にコミュニティを作ることでも知られている。世界170都市に170人ほどのコミュニティマネージャーがいるそうだ。コミュニティマネージャーは飲食店でミートアップを開き、ユーザー同士の交流を促す。ヘビーなYelpユーザーはYelperと呼ばれているが、さらにその上に「Yelpエリート」と呼ばれる「選ばれし者たち」がいる。このYelpエリートの選出は「Yelp評議会」と呼ぶ本社組織で決定されているが、素晴らしいレビューを書く人だという以外の基準は特に公開されていない。ちょっとした謎めき感があるところも、熱心にレビューを投稿するユーザーのエンゲージメントに一役買っているようだ。Yelpを使ってみると分かるが、フェアで熱のこもった長文のレビューが結構ある。

文化は違う、でも人間は国によって思うほど違わない

ぼくがMiriamに話を聞いていていちばんハッとしたのは、文化に違いはあっても、実は人間というのは、国や言葉が違ってもそんなに違わないというデータに基づいた知見だった。

「カナダが2番目に進出した市場でフィリピンが32番目です。この間、多くの国への進出にあたって、ぼくたちの国でYelpをやるのは難しいよと言われました。ドイツの人たちは、自分たちはすごくネガティブだから、レビューサイトをやってもネガティブなものばかりになるといい、逆にチリの人たちは、何でも褒めるようなポジティブさがあるという風に。私も最初はそうかもしれないと思っていたんですけど、実際には国を問わず、ほとんど同じでした」

ある店舗やサービスについて、「ほかの人にも推薦するか、しないか」という項目では、約7割の回答が「する」というポジティブなものだそうだが、この数字は国によらずほぼ同じなのだという。

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これはちょっと驚きだ。かつてAirbnb共同創業者にインタビューしたときにも、ぼくは同じことを言われたことを思い出した。AirbnbのBrian Chesky CEOは、みんな自分たちの国は違う、自分たちの国への進出は難しいというんだけど、実際には何も変わらないと分かったのがAirbnbの国際展開における教訓だったという。これは、「われわれ日本(人)は違う」と言い過ぎていないだろうか、という反省を促すような知見だと思う。

多言語、多地域対応で有利に展開

創業11年、32カ国にわたって8300万件集まったYelp上のレビューは、機械翻訳ではあるものの16の言語に翻訳される。これはどういうことかというと、地元の人達のオススメ情報を、旅行者がダイレクトに見ることができるということだ。

「地元の人→旅行者」ということ以外にももう1つ、「いつものサービスを使って、初めて訪れる場所の情報が得られる」というダイレクトさもある。これは、Uberなんかを使うと良く分かるが、どこの国に行っても、いつものサービスが使えるということの手軽さはユーザー視点で見るときわめて大きい。3日間しか滞在しない国のために、その国で使うべきサービスが何かを調べてダウンロードするのか、と考えると良く分かる。国境を超えるような情報サービスを提供しようと思うとき、広くグローバルに展開しないと競争上不利になり得るサービスがある、ということだと思う。

Yelpの日本上陸から1年ちょっと。日本ではまだこれからという感もあるが、Yelpは間違いなくソーシャル時代のローカルビジネスのレビューサービスの雄だ。このYelpについて語るMiriam Warren氏のトークセッションを是非、TechCrunch Tokyo 2015に見に来てほしい。

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今夜行くバーをランダムに決めるアプリBar Roulette(バー・ルーレット)…Uberを呼ぶがユーザは行き先を知らない

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このアプリの使い方は簡単: ボタンをタップしてUberを立ち上げる。行き先は、ユーザ自身には分からない。実はぼくは、そんな悪夢を実際に経験したことがある。

Bar Rouletteは、Tyler Swartzが、あるハッカソンでUberのAPIを使って作った、楽しいマッシュアップだ。ユーザの位置情報から、近くのバーをランダムに選び、Yelpのレビューも見せる。今自分がいる界隈を探検して、しかも酔える、というクールなアプリだ。

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[Yelpで評価の良いバーを選ぶがユーザには秘密]→[UberXに拾ってもらってそのバーへ行く]→[そこに着いたらバーの名前がわかり、そして飲める]

グループで使うと楽しいし、最初のデートでも使える。おばあちゃんと一緒、も楽しいかもしれない。

今はWebアプリケーションだが、Swartzはネイティブバージョンを作っている。オプションでLyftやFoursquareがあると、より楽しいだろう。でも、バーに対するYelpのリビューはすごーく面白いね。

本誌には、毎週週末に、アプリなしで”Bar Roulette”をやってるやつがいる。正常な人間であるわれわれは、このアプリを使った方がいいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これが新Foursquareだ―チェックインを分離してローカルスポット推薦サービスに生まれ変わる

「ゲーム化された位置情報共有」というアプローチを5年続けた後で、今日(米国時間8/6)、Foursquareはこれまでで最大のアップデートを行った。では、生まれ変わったFoursquareをご紹介しよう。新アプリはもはや位置情報共有とは無関係だ。FoursquareはYelpに真正面から対抗するローカルスポット推薦エンジンになった。

最近、Foursquareはメインのアプリから位置情報共有機能を切り離すことを発表した。位置情報共有はSwarmというアプリが担当し、Foursquare自身はユーザーごとにカスタマイズされたローカルビジネス、スポットの発見と推薦を担当する。

Swarmがリリースされてからしばらく経ち、それなりにユーザーを集めているが、依然として旧Foursquareを懐かしみ、Swarmを嫌う声も消えない。

しかし、新しいFoursquareはそんな状況を一新するだろう。


ルック&フィール

読者が昔のFoursquareを懐かしむ一人なら、それは忘れた方がいい。もう終わったことだ。新Foursquareは見た目も機能もまったく異なるサービスだ。ロゴもスーパーヒーロー的なFのデザインに変わり、画面はブルーとピンクを基調としている。そして―チェックイン機能は姿を消した。

新アプリをインストールして最初に起動すると、ユーザーはまずいろいろな「好み」を尋ねられる。表示された候補から「ピザ」、「史跡」、「映画館」、「広東料理」など関心のあるキーワードをタップして選択する。トップの検索バーに「寿司」などとキーワードを入力して検索することもできる。「好み」を選択し終わるとメイン・ページに移る。

アプリはユーザーの現在位置を把握し、その付近のスポットを検索する。トップの検索バーの下に横にスライドするバナーがあり、「飲食店、コーヒー、ナイトライフ、買い物」などのセクションが表示される。

いろいろな推薦アイテムを眺めていくと、新Foursquareはユーザーの好みに合わせて高度にカスタマイズされたレストランガイドのような印象を受けるかもしれない。たとえば「ナイトライフ」のタブを開くとナイトクラブからカラオケボックス、居酒屋までいろいろなジャンルの店が表示されるだろう。こうした推薦はユーザーの位置、前に選択した「好み」などをベースにフィルタされている。

候補に示された店をクリックすると地図、住所、電話番号、営業時間などの基本情報が表示される。また旧Foursquareのユーザーのチェックイン情報と、ユーザーが残したTipが写真入りで表示される。画面下部の「Tipを残す」をタップすれば新たにコメントを書き込むことができる。

アプリを開いたときに自動的に表示される推薦に加えて、もちろんユーザー独自の検索も可能だ。 検索結果はデフォールトではリストで表示されるが、画面右上隅のブルーのアイコンをタップすると地図表示になる。この場合、画面下部に横スクロールで個別店の基本情報が表示される。現在表示されている店は地図上で緑色のアイコンで強調表示される。.

SwarmとFoursquare

前述のとおり、チェックイン機能はSwarmアプリに移された。個別スポットの表示画面の右端に「チェックイン」が表示されているが、タップするとSwarmが起動する(インストールしていない場合はインストール画面に飛ぶ)。Swarmのユーザー体験は旧Foursquareに近い。

メインアプリとチェックインの機能を別のアプリに分割するという方向は基本的に正しいと思う。この点について私はプロダクト体験担当副社長のJon Steinbackにインタビューして話を聞いた。

Jon Steinback

「もともとfoursquareが使われる理由は主に2つありました。どちらもニューヨーカーの必要から生まれたものです。まず自分の好みにあった夕食の場所を探す。食べ終わると友だちがいるバーを探す。ところがこの2つの活動というのはそれぞれが独立で、たった2%しかオーバーラップしないことにわれわれは気づきました。『夕食はチリを食べたい。今チリを食べている友だちは近くにいるだろうか?』とは誰も言わないのです」とSteinbackは説明する。

そうであっても、メインの機能を一新してピボットするのはどんなソフトウェア企業にとっても難事業だ。Swarmはユーザーとその友だちのチェックイン履歴というかけがえのない宝物を、いわば泥棒したかたちになった。そういうわけでSwarmを憎むユーザーが多く、AppStoreストアでの評価は1.5と低いままだ。

しかし新アプリのローンチで、SwarmとFoursquareはうまく補完、協調して作動できるようになった。また新アプリが無事にスタートしたので開発チームはSwarmの改良にいままでより時間を割けるはずだ。新Foursquareは基本的に旧アプリをベースにしており、新しいUIを加え、チェックイン機能を外したものだ。それに対してSwarmはゼロからスクラッチで開発された。Steinbackによれば、開発チームは今でもバグや不具合の修正に追われているという。Foursquareファンの熱望するゲーム化も近くSwarmに戻ってくるようだ。

【中略】

今後の展望

Foursquareとしては、これまでのファンを新しいアプリに引き込み、満足スべきユーザー体験を与えていくためにやるべきことは多い。 その過程には多くの困難が伴うだろうが、この改革は避けて通れない道だった。

旧Foursquareはこのところユーザーエンゲージメントの指標が主要ソーシャルメディアの最下位に転落するなど深刻な不振に陥っていた。主要ユースケースを2つのアプリに分離することによって、Foursquareはこの問題を解決すると同時に、Yelpの独占で沈滞ぎみだったローカルビジネスの推薦エンジンという分野に革新を持ち込むという挑戦に打って出たわけだ。

新しいFoursquareは今日、App StoreGoogle Playで公開される。〔日本語版公開ずみ〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ネガティブレビューを書く客に罰金500ドルを科すホテル

こんな説明をしなくてはならなくなると考えたことはなかったが、インターネット初心者にとっては、わかりにくいルールなのかもしれないことに気付いた。

ネットに悪いレビューを書いた顧客に、罰金を払わせることは、公認『地獄の英雄』的行為であり、間違いなくしっぺ返しを食らう。

Union Street Guest House(USGH)の話を例にとろう。

そこはニューヨーク、ハドソンリバーバレーにある小さなブティックホテルだが、予約者がネガティブなレビューを書く度に500ドルの罰金を前金から差し引く ― 書いたのがイベントのコーディネーターであれ、宿泊客であれ。これには、その場で行われる結婚式その他のソーシャルな集まりが含まれる。しかも、USGHの親切な人たちは、ホテルのウェブサイトにこのポリシーを明示している。

ウェディングカップルが私たちの宿を気に入ったからといって、友達や家族もそうだとは限らないことを理解してください。

ウェディングその他のイベントでUSGHを予約し、前金を払っている場合、参加者の誰かがネガティブなレビューをネットに書き込む度に、罰金500ドルを前金から差し引きます。エリアの他の場所でウェディングに参加するために、当ホテルに宿泊する場合も、ネガティブレビュー1件につき500ドルの罰金を払うことに同意していただきます。

このニュースがPage Sixに取り上げられる前の、Union Street Guest HouseのYelpページを見ると、評価は様々だ。サービスが悪いと言う人もいれば、なかなか良い宿泊場所だと言う人もいる。一方、Trip Advisorは、全体として同ホテルに高い評価を与えている。

要するに、USGHは他の二流スモールビジネスと同じく、インターネットで名を上げようとしているだけなのだろう。昨今、小さなホテルはインターネットによって、生かされも殺されもする。Airbnbを始めとするライバルの台頭によって、小ホテルもネット情報に頼らざるを得なくなっている。

だから、USGHがYelpページを良くしようとすることは理にかなっている。理にかなって〈いない〉のは、お金を払ってくれる客を脅して良いレビューを書かせることだ。歴史的にインターネットで、「シーッ」に対する反応がよかった試しはない。

そしてYelpでは、USGHに対してこれまでに書かれた数以上のレビューが今日1日で書き込まれた。いずれも、USGHが言論の自由を脅かし、金を払わせようとしていることに言及している。

北風より太陽である。

幸い、ホテルビジネスの誰もがテクノロジーを邪悪に使っているわけではない

アップデート:私が見たことのある中で最も悲しいダメージ対策の試みとして、USGHは以下のコメントをFacebookで公開した。

罰金に関するポリシーは、ある結婚式への冗談半分のレスポンスとして何年も前にサイトに書かれたものです。ずっと前に削除されるべきものであり、もちろん実行されたことはありません。

しかし、かつてUSGHに泊ったことのある客らが示したメールによると、このポリシーは冗談ではない(少なくとも、冗談ではなかった)。

アップデート 2:USGHはFacebookの書き込みを削除した。本誌はスクリーンショットを取っておいた。

[via BI]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


漏洩文書は語る:Yelpは「Googleにコケにされている」と思っている

Yelp内部からTechCrunchにリークされた文書によると、Googleは検索結果を操作してYelpよりGoogle+のコンテンツを優先している疑いがある。Googleは米国内で行われた検索でのみ自社サービスを目立たせることで、Googleの反トラスト問題を審議中のEU規制当局の怒りをかわそうとしているとも、同文書は言っている。

情報筋によると、Yelp社内では以下ののスクリーンショットおよび調査結果が、Googleのやり方がフェアでないことを示すために出回っている。Yelpは最近、Googleに対するEUの反トラスト裁定案が甘いことを不服とする正式な異議申し立てに加わったと、New York Timesが報じており、私の情報源によると、これらの文書がその行動を引き起こした。

EU競争政策委員長、Joaquín Almunia

2013年の初めにGoogleは、同様の反トラスト問題で米国FTC[連邦取引委員会]と軽微な和解を成立させ、批判していた人々を失望させた。Google+等の自社サービスにトラフィックを誘導することは、違法と考えられていた。Yelpを含む原告団は、Googleがヨーロッパで容易に解放されることを望んでいない。

現在のEU反トラスト調停案は、ヨーロッパ競争政策委員長、Joaquin Almuniaが推している。これはGoogleが検索エンジンを使って、地元店舗紹介やショッピング情報サービスのライバルを妨げることに対する処罰や罰金を強制しないものだ。罰金は数十億ドルに上る可能性もあった。私はGoogle、Yelp双方からの、問題の文書に関する見解を待っている。

しかし、Googleが具体的にどう検索結果を操作して、ライバルを埋もれさせたのかは全くわかっていなかった。

以下の文書は、それを明らかにしようとしている。

米国からGoogle.comで “hotels sf” を検索した結果

サムネイルをクリックした時、検索結果の右下に表示されるGoogleカード.

まず、同じ検索(”hotels sf”)を、米国内のIPアドレスからGoogle.comで行ったものと、ベルギー国内からGoogle.beで行った2枚のスクリーンショットがある。ベルギーは、EUの反トラスト規制の拠点だ。上の米国Google.comの結果には、画面上方にGoogle+のレビューを含む黒いサムネールリストが目立つように置かれている。

リンクをクリックすると、右下の地図がある位置に、大きなGoogleコンテンツカードが開く。これが画面幅の約半分を占め、Google経由のホテル予約、Google Mapsによる道順案内、店舗のフォローやレビュー、および関連Google検索クエリ等へのリンクが書かれている。サムネールやGoogleコンテンツウィンドウ、Googleキーワード広告等の間に、画面サイズにもよるが、通常のオーガニック検索結果は殆ど表示されない。サムネイルリストは、Googleが調停に応じてから6ヵ月後に米国で登場した。

しかし、同じ検索をGoogle.bg(ベルギー)で行うと、サムネイルも大きなGoogleコンテンツカードも見ることがなく、ピンが何本か立てられたGoogle Mapsくらいだけで、オーガニック検索を邪魔するものは少ない。

米国からgoogle.be(ベルギーのサイト)、あるいはヨーロッパからgoogle.comで、 “hotels sf” を検索した結果

米国内にいる人なら、https://www.google.com/search?q=hotels+sfをクリックすれば米国の結果が、https://www.google.co.uk/search?q=hotels+sfをクリックすればヨーロッパの結果を見ることができる。

私の情報筋によると、Yelpはこれを、GoogleがEUの緩い調停が通過するまでの間、当局の前で検索結果を操作する様子を見せたくないためだと信じている。同筋によると、時にはヨーロッパのIPアドレスからGoogle.comで検索した場合でも、Google+等の自社サービスの売り込みが控え目になることもあり、Googleはヨーロッパで新しい表示フォーマットを意図的に隠そうとしていることが伺える。

「極秘」と書かれた第2の文書には、Googleの検索結果ページでユーザーがクリックした位置に関する、Yelpが実施したユーザー行動調査の結果が報告されている。

これによると、ユーザーがレビューを見ようとして、レストラン名と “yelp” という単語を一緒に検索した時、Googleが最初に返すのは、レストランのウェブページに、Google Placesのレビュー等のコンテンツが付加されたページ、「レビューを書く」ボタン、Google+ぺージへのリンク、およびGoogle Mapsのリンクだったというケースもある。ユーザーが探していたと想定される、そのレストランのYelpページは、2番目に表示された。

Yelp’s study findings

調査によると、サンフランシスコのレストランを探すために、”Gary Danko Yelp” を検索した人の約20%は、レストランウェブサイトのGoogle+が注入された検索結果をクリックしている。これは本来Yelpが得るべきものだと彼らは考えてている。

もちろん、少人数(故に信頼性の低い)の調査における40クリックのうちいくつかは、結果の順番にかかわらずGary Dankoのウェブサイトに飛ぼう決めた人であり、だまされわけではない。Googleがどのように、Google+注入済ウェブサイトをYelpの前に表示していているかを見るには、“Samovar Tea Loung Yelp”を検索すればよい(米国内のみ)。

Yelp’s conclusions and allegations based on the study

Googleの典型的抗弁は、ユーザーが欲しがっている情報を早く渡すためにリンクではなく答えを提供している、というものだ。EU規制当局にとっての問題は、Googleが自社サービスの検索結果をライバルのオーガニック検索結果より優先することが、果たしてユーザーへ親切なサービスなのか、反トラスト法違反なのかである。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


検索がアプリで行われる傾向が増、Googleなどのシェアは低下傾向に

eMarketerの調査報告書によると、今ではスマートフォンやタブレットのアプリからいろんなものを検索する人が増えているという。そのことは、GoogleやBingやYahooなどの大手検索エンジンにとって、売上シェアの深刻な減少を意味している。

この報告書によると、Googleのモバイル広告の売上シェアは2012年から2014年までで17%も減少した。2年前にこの検索巨人は22億4000万ドルの検索市場の82.8%を保有していた。今年の合衆国のモバイル広告市場は177億3000万ドルという巨額で、そのうちのモバイル検索広告はその約半分の90億2000万ドルだったが、Googleのマーケットシェアは65.7%に落ちた(上図下表)。

ものごとを探すときに、これまでのようにデスクトップで検索エンジンを使う、という形から、スマートフォンで探す形に変わりつつあるのだ。同時にまた、検索のやり方も多様化している。Googleは何でも探せる汎用検索エンジンだが、どこが良いレストランか、今欲しいものをいくらぐらいで売ってるか、などは教えてくれない。だから旅行の情報を探すならKayakなどのアプリを使った方がよい。家を探すならTrulia、地元のお店や企業を探すならYelp、等々となる。そこで、検索エンジンからアプリへ、という移行が起きつつあるのだ。

今年初めのNielsenの消費者調査も、モバイルにおけるこの変化を確認している。今や消費者がインターネットを利用する時間はモバイル上で月平均34時間、これに対しデスクトップは27時間だ。

eMarketerの報告書によると、ローカル検索の伸びが著しい。広告収入の成長率では、Yelpが群を抜いている(上図上表)。Yelp上の地域のお店や企業にに対する検索は今年の成長率が136%、モバイル広告の売上が1億1900万ドルという予想だ。GoogleやYahoo、Bingなどの広告売上に比べると微々たる額だが、消費者の行動が明らかに変わりつつあるサインだ。2016年では、Yelpの広告売上シェアが2012年の3倍強という予想に対して、Googleの売上シェアは64.2%に落ちる(上図下表)。

この報告書では、”Other”(その他)が何なのかよくわからないが、シェアは2012年から2016年にかけて5.4%→29.7%という、たいへんな伸びだ(上図下表)。なお、Googleも、シェアは落ちても売上が減少するわけではない。過去2年間でモバイル広告は70億ドル近く増加したが、その中でGoogleのモバイル広告の売上は60億ドル近いのだ。

結論としては、さまざまなニッチアプリが、徐々に検索に取って代わりつつある、ということ。この傾向は、ものごとを調べるのにデスクトップよりもモバイル上で調べるのが多くなっている、という一般傾向に後押しされている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


こうなったらYelpはアプリを3つにするしかない

今日(米国時間5/1)午前Foursquareが「真のYelpキラー」になるべく、アプリを分割すると発表したことを受け、ライバルYelpに対してわれわれは次の言葉を贈る:「こうなったらアプリを3つにしてしまえ」。

The Vergeが鋭く指摘しているように、位置情報の共有が、「自撮りの共有やリンクの共有やツイートの発信」ほどの人気になることは決してない。

Foursquareの新しい弟、Swarmと対等戦うために、Yelpはその中核であるレビューサービスを「レストランレビューのTwitter」へと転換して、レビュー投稿の殆どがマイクロブロギングSNS上で起きるように仕向けるべきだ。次に、相棒の自撮りアプリ、Selfoodを開発して最近のグルメ十代たちにアピールし、最後に匿名アプリのSnuffを作ってさらにウェブトレンドを活用する。

Yelpも、その「単アプリ方針」から脱脚すべきだ。もちろん3つでやめる必要はない。Snapchatも今日、アプリを1つ公開しており、これも潜在的脅威だ。そうだ!SnapYelpだ。 もうやけだ ― Yelpはアプリを5つにすればいいイノベーションのスピードに追いつくためにはそれしかない。

かつてFoursquareのバッジとチェックインをすかさず真似たYelpが、もし46億ドルの時価総額を正当化したいと思うのなら、アンバンドリング[アブリ分割]ブームに乗る必要がある。 いまや「生まれながらのモバイル」とは、双子か三つ子を意味するのだ。

それが未来だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


世界最大級の口コミサイト「Yelp」が日本上陸、実名レビューサイトは受け入れられるのか

世界最大規級の口コミサイト「Yelp」の日本語版サイトが4月9日にオープンした。スマートフォンアプリも各種アプリストアからダウンロード可能だ。アプリでは、ARを利用して近所のスポットを確認できる「モノクル」といった機能も備える。

Yelpは、これまで世界25カ国でサービスを展開してきた口コミサイト。2004年にサンフランシスコでサービスを開始した。2013年第4四半期には、ユニークユーザー数が1億2000万人を突破。また、5300万件以上のレビューが掲載されているという。

国内のサービスとしては、カカクコムの「食べログ」などと比較されることが多いが、国ごとに多少違いはあるものの、レストランのほかにファッションや美容、ショッピングなど幅広いカテゴリを持っている。

同時に、実名のレビューにこだわるのも特徴だ。サインインする際は、Facebookアカウントを連携するか、姓、名、郵便番号などの登録が必須となる。

Yelp 共同創業者兼CEOのJeremy Stoppelman氏は、4月9日から10日にかけて開催中の「新経連サミット2014」に登壇。参加者に聞いたところでは、同社がアジアで最初に進出したのはシンガポールであり、その理由は英語でサービスを提供できたためだと説明したという。日本での展開に関しては、検索も含めて言語面でハードルがあるといった話を紹介した。また、Yelpが実名を重視する点については、Facebookが日本で受け入れられていることを例に、「市場に受け入れられる」とした。

国内でも実名性の口コミグルメサイト「Retty」が登場し、現在は300万人までユーザー数を拡大している。Retty代表取締役の武田和也氏に、Yelpの日本参入について聞いたところ、面白い話を聞くことができた。

実はYelpのグルメカテゴリのレビューは、全体の割合から考えると決して多くないのだという(武田氏は「20%程度ではないか」と語ってくれた。ただし国内では現状レストランの口コミが約6800件と最も多いようだ)。そのため、Rettyとしては直接的な競合という意識はあまりないのだそうだ。ただし、「Rettyは食べ尽すと引っ越す文化になっている程食に情熱を持っている。食の分野では負けない自信がある」とのコメントを頂いた(Rettyはオフィス周辺のレストランを制覇しつつ赤坂、新宿、六本木、築地、恵比寿と都内各所に移転してきた)。

成功の鍵は東京五輪か

他媒体のインタビューでStoppelman氏が語っていたのが、「2020年に開催される東京五輪まで認知を拡大する」ということだ。

よくよく考えてみると、「日本人向けの口コミサイト」は前述のRettyや、老舗の「食べログ」などがある。しかし一方、東京五輪の観戦目的でやってくる外国人観光客のニーズを満たすサービスとしてデファクトスタンダードたるものはまだ存在しない。Rettyも英語化を進める予定だが、ターゲットはアジア中心になるという。

慶應義塾大学教授の竹中平蔵氏が所長を務める森記念財団都市戦略研究所の試算によると、東京五輪の経済波及効果は約19兆4000億円。海外ユーザーの多いYelpは、2020年までに国内でも認知され、東京五輪の恩恵を受けれることができるのだろうか。