Appleの重大なSSLバグ, iOSに次いでOS Xも修復完了

Appleはここ数日、iOSとOS X製品に存在したSSLの欠陥のため、セキュリティの大きな脅威に直面した。iOSのバグは金曜日(米国時間2/21)の午後、iOS 7.0.6へのアップデートで修復され、iPhoneとiPadとiPod touchは安全になった。しかしOS X 10.9のMacはそのまま放置され、今日(米国時間2/25)になってv10.9.2へのアップデートにより修復された。アップデートがまだの人は、お急ぎあれ。

そのSSLのバグは、SSL/TLS認証プロトコルのAppleによる実装中にあった余計な “goto”命令が原因で、そのためiOSやOS X製品に行き来する、暗号化されているはずの送信されるデータは、暗号化されてない状態になる。この脆弱性を悪用するハッカーは容易に中間者攻撃を仕掛けて、パスワードなどのログイン情報を横取りできる。

ハッカーとセキュリティの専門家たちは、この欠陥は本当に”重大な悪用が可能“であり、2013年の10月以前から存在していたことをすぐに見抜き、ささいな問題では済まされなくなった。まだアップデートしていないユーザは、ブラウザはSafariでなくChromeかFirefoxを使うようにし、またハッカーにねらわれやすい大きな公開ネットワーク(とくに暗号化機能のないもの)への接続を避けるべきだ。

ただし、最良の対策は、今のOS X v10.9が載っているMacをすべて、早急に、上記のv10.9.2にアップデートすることだ。静観とか、様子見は許されない。

このリリースではFaceTime Audioという大物が加わったので、iCloudのコンタクトを音声オンリーで呼び出せる。FaceTime通信プロトコルのAudio部分は、この前iOS製品に実装されたものなので、これからはAppleのモバイルデバイス間だけでなくAppleのデスクトップ機とも音声通話ができるようになる。

以下は、v10.9.2アップデートの詳細を記述したプレスリリースの全文だ:
[以下、英文ママ]

About the update
The OS X Mavericks v10.9.2 Update is recommended for all OS X Mavericks users. It improves the stability, compatibility, and security of your Mac. This update:

Adds the ability to make and receive FaceTime audio calls
Adds call waiting support for FaceTime audio and video calls
Adds the ability to block incoming iMessages from individual senders
Includes general improvements to the stability and compatibility of Mail
Improves the accuracy of unread counts in Mail
Resolves an issue that prevented Mail from receiving new messages from certain providers
Improves AutoFill compatibility in Safari
Fixes an issue that may cause audio distortion on certain Macs
Improves reliability when connecting to a file server using SMB2
Fixes an issue that may cause VPN connections to disconnect
Improves VoiceOver navigation in Mail and Finder
Improves VoiceOver reliability when navigating websites
Improves compatibility with Gmail Archive mailboxes
Includes improvements to Gmail labels
Improves Safari browsing and Software Update installation when using an authenticated web proxy
Fixes an issue that could cause the Mac App Store to offer updates for apps that are already up to date
Improves the reliability of diskless NetBoot service in OS X Server
Fixes braille driver support for specific HandyTech displays
Resolves an issue when using Safe Boot with some systems
Improves ExpressCard compatibility for some MacBook Pro 2010 models
Resolves an issue which prevented printing to printers shared by Windows XP
Resolves an issue with Keychain that could cause repeated prompts to unlock the Local Items keychain
Fixes an issue that could prevent certain preference panes from opening in System Preferences
Fixes an issue that may prevent migration from completing while in Setup Assistant

イラスト: Bryce Durbin

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Minuumは、スマートTVの入力を簡単にするスマートキーボード

フルキーボードではないリモコン等でタイプするのは悪夢といってよい。私は今でもXbox Oneではゲームパッドでタイプしているが、外部キーボードもSmartGlassアプリも使わないのは自分を痛めつけるのが喜びだからだ。しかし、もうすぐあなたのスマートテレビにはもっと良いキーボードがやってくるかもしれない。

上のビデオでは、Nintendo Wiiリモコン等のモーション対応リモコンを使って、Minuumのスマートテレビ統合が動作している様子が見られる。最近のテレビリモコンには差別化のためにモーション対応しているものが珍しくないのので、上のビデオはWiiリモコンを使っているが、他の様々な機種でも利用できるだろう。

これは、Minuumの一次元キー配列予測システムをシンプルな入力方式と組み合わせた一例にすぎな。つまり、モーションがサポートされている場合でも、別の機構を使うこともできる。Minuumは、なぜ同社のソフトウェアを利用して作られたものが、他の製品より優れていると信じているかを、実にうまく解説している

Minuumは、このキーボードソフトウェアがスマートウォッチでも使えることをすでに示している。トロント拠点のスタートアップは、タイプが必要なありとあらゆる場面で使える入力システムを目指している。果たしてMinuumは、あらゆる端末カテゴリーの入力方式として、本当に新しい標準になれるのだろうか?まだ結論を出すには早すぎるが、今後は正式な提携や統合が市場にでてくるのを見ることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ロールスロイスのドローン貨物船が、明日の海上を支配する

ドローン・チームを応援している人には嬉しいお知らせ。ロールスロイスが無人貨物船を検討している。地球の大洋をたくさんの商品を積んで航行する船団を、陸地にいる船長がバーチャルリアリティー設備を使って操舵する。言い換えれば、明日の無人幽霊船伝説はもはや何の恐怖も呼ばない。

Bloombergの記事によると、プロジェクトの目的は海上船舶業界をより安全に、低価格で環境に優しくすることだという。市場は年間3750億ドルに上り、空路便が優勢のようでも、現在貿易商品の90%は海路で運ばれていると記事は伝えている。これらの無人船は、巨大貨物をより安全より効率的に扱うことが目的だが、もちろん様々な問題を解決する必要が30り、安全性の懸念に加えて労働組合問題もある。

巨大貨物船から生身の人間労働に必要な宿泊設備をなくすことによって、積載容量を増やることができる ― 5%の軽量化ならびに12~15%の燃料節減も。さらには、現在有人海洋船舶貨物における総経費の44%を占めている、1日当たり最大3300ドルの人件費も節約できる。

海運王様が喜びすぎないうちに言っておくと、これが実現されるためには、法的問題、および海上最大の労働組合による、ドローン船は人間の知性と感覚を置き換えるものではないという強固な反対の解決に、最低でもあと10年必要だ。しかも、何よりもしこれが今の海洋貨物のしくみを置き換えることがあれば、未来世代はデビッド・マメットの「消滅水域」に描かれているような新時代の到来を体験できなくなってしまう。

しかし、あらゆる警告にかかわらず、運送会社がこの種のオートメーションに飢えていることは間違いない。なぜなら総コストの低下が見込まれるだけでなく、倉庫から顧客への高速かつ効率的な配送が可能になるからだ(オンラインショッピング増えればなおさら)。人々は配達ロボットの到来を受け入れる準備をまだ整えていないだろうが、それは永久にやって来ないという意味ではない。そして、波は寄せてきている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


無人ドローン配送は幸せを運ぶのか? Netflixによるディストピアな未来ビデオ

最近YouTubeで公開されたNetflixのドローン・デリバリーのビデオがなかなかの話題をよんでいる(最初に記事にしたのはEngadgetであるようだ)。見ればすぐにわかるが、これはAmazonのPrime Airコンセプトビデオを茶化したもので、冗談めかしつつ、あるいはディストピア風の味付けを行っている。Netflixによれば、ドローンによるデリバリーは、ときに爆発事故を引き起こすこともあるらしい。

このビデオは100%の冗談でできている。しかしAmazonも実際にR&Dに取り組んでいるように、DVDレンタルのような用途では、確かに実用可能性もあるわけだ。また、個人的な意見になるが、トイレに何かを配送してくれるような仕組みは「ぜひとも実現して欲しい5つのこと」リストの中でも上位に位置すると考えている。

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(翻訳:Maeda, H


@facebook.comメールアドレスの終焉(おそらく何も変わらない)

Facebookは、@facebook.comメールプロジェクトに引導を渡した。これはあなたの生活がおそらく以前と全く変わらないことを意味している。念のため申し上げておくと、私へのメールを darrell.etherington@facebook.com 宛に送らないでほしい。返事が欲しくない場合を除き。もっともこの発表以前にも全く同じことが起きていたと思う。

facebook.comメールを捨てる理由は極めて明快だ。使う人が殆どいないから、とFacebookは言っている。使っていたわずかな人たちのために、システム変更が実施される3月以降、Facebookメール宛に送られたメールは、自動的に登録メールアドレスに転送される。これはデフォルト設定なので、もし持っていることさえ忘れているアドレス宛のメールを読みたくなければ、Facebookの設定で転送をオフにすることもできる。

これは、Facebookが2012に起こした行動と正反対だ。彼らは、当時最新だったiOS 6の連絡先同期機能の下では、Facebookメール以外の全アドレスを非表示にした。その結果多くの人々が、手動で設定を変更しなければならなかった。今回の変更によって、これまで気付かずにいたメールの嵐が決して来ることのないようにするために、手動操作が必要になるのと同じように。

これが一般ユーザーにとって悪い結果を招くことはまずないだろうが、結構喜んでいる人はいるかもしれない。聞くところによると、一部のFacebook社員は2010年の変更の際、一般ユーザーに解放するために自分の@facebook.comアドレスを明け渡さなくてはならなかったらしい。よって、今回めでたくアドレスが戻ってくるスタッフがいるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Googleのプロジェクト・タンゴでモバイル・デバイスは新しい競争の時代へ―カギはコンテキスト認識

スマートフォンのあの薄い筐体には数々のセンサーが内蔵されている。しかし先週、GoogleのAdvanced Technology And Projects (ATAP)グループが発表したタンゴ・プロジェクトのおかげで、次世代のスマートフォンは新たなパワーを獲得することになるだろう。つまりビジュアルな空間認識能力だ。スマートフォンは単にカメラで画像を記録するだけでなく、周囲を3D空間として理解することができるようになる。

これがSF的に聞こえるのも当然だ。たとえば映画her/世界でひとつの彼女に登場するAIアシスタントがおそろしく人間的なのは、それがユーザーの置かれている空間を正しいコンテキストで認識できる能力のせいだ。Googleの新しいプロトタイプ・ハードウェア・デベロッパー・キットではMyriad 1 Movidius Vision Processorプラットフォームが利用されており、チームの技術責任者のJohnny Leeによれば、まさに<em>her</em>のような空間理解能力をモバイルデバイスに与えることが目的だという。

しかし単なる新しいカメラではない

プロジェクト・タンゴのカメラとセンサーは単なる新しいハードウェアでない。それはいわば人間の大脳皮質の視覚野に相当する。 またカメラによる認識は次世代スマートフォンでもっとも激しい競争が起きている分野でもある。たとえばAppleにはM7モーション・プロセッサーがある。また撮影後に焦点を変化させることができるカメラも開発されている。

しかし今回Googleが発表したタンゴの影響範囲はこれらとは比較にならないくらい広い。コンピュータ・ビジョンはこれまで学術的にも産業的にも広く研究されてきた。しかしGoogleがパートナーと共に開発したシステムは必要なときにいちいち起動されるのではなく、低消費電力によって常時作動させること可能にしている点が画期的だ。

ユーザーの命令をコンテキストで理解する

では、タンゴはユーザー体験という面では何をもたらすのだろうか? もちろんあらゆる面で非常に大きな変化が予想されるが、現在はまずデベロッパーにこのテクノロジーの利用のアイディアをできるだけたくさん出してもらうという点にGooogleは力を入れている。したがって具体的な応用例を挙げるには早過ぎるわけだが、一つだけ確実なことがある。コンテキストがカギになるという点だ。

Google Nowはモバイル・デバイスがユーザーの置かれたコンテキストを十分に理解できるようになった場合に何ができるかを知るヒントになる。時刻、場所、メール、カレンダー、その他の情報を総合すると、ユーザーが今必要としている情報が何であるかをかなりの精度で推測できるする。われわれの言うコンテキストとはそれぞれのユーザーの所与の環境に関する情報を総合した知識だ。しかし前述のように、現在のモバイル・デバイスの環境認識の能力には大きな制約がある。いわば密室の壁に開けられた小さな穴を通して断続的に映るぼんやりした像を眺めているようなものだ。

バーチャル・パーソナルアシスタントが有効に機能するためにはユーザーの置かれたコンテキストについてのもっと明確な理解が必要だ。たとえばユーザーがバス停の前のカフェで仕事の相手と握手し、カバンを床に置いてコーヒーを注文したとしよう。このコンテキストではバスの到着時間よりも、この時刻に予定されているミーティングに関するメールその他の資料を用意する方が適切だ。

しかしバーチャル・アシスタントというのは視覚的理解が必要な数多くの分野の分かりやすい一例にすぎない。スマートフォンが自らの位置を知り、近傍に何があり、どんな動作が行われているかを理解する能力を備えれば、驚くべき応用が広がる。バーチャル世界と現実世界のハイブリッド型のゲーム、付近いいるユーザーの位置、動作、性別などを理解してマルチメディア広告を表示するディスプレイ、コンテキスト情報に応じて刻々と設定を変化させるモバイルデバイスなどが実現するだろう。

最後の例に関してはFirefoxやGoogleがすでにコンテキスト・ランチャーという形でメインストリームへの導入を図っていることを私は指摘している。ただし、現在は、スマートフォンのコンテキスト認識能力が低すぎることがハードルとなっている。デバイスが外界を正しく認識できるようになれば、劇場や公共交通機関の中では自動的にマナーモードになり、ユーザーがその時点でもっとも必要としそうなアプリを選んで常に待機させるようなことができるだろう。

しかしなんらかの意味でデータの蓄積と組織化が関連してくるのでなければGoogleがわざわざこういうことを始めるわけがない。ユーザーがどこへでも持ち歩くデバイスから刻々とアップロードされてくるコンテキスト・データはデバイスと同時に、Google自身の世界を認識する能力も圧倒的に強化するものとなる。

Googleの全ビジネスはユーザーに関する知識をベースとしている。ユーザーが知りたがっている情報を提供することでGoogleのビジネスは成り立っている。検索エンジンに特定のフレーズを入力することは、つまりユーザーがそのフレーズに関連する事項に興味を抱いている確実なサインだということを発見したことが検索連動広告を生んだ。後知恵で見れば当たり前に思えるが、当時はこの発見がまさに雷電のように全検索業界を震撼させ、Googleの巨大化への道を開いたのだった。

Googleがムーンショット(月ロケット)と称する野心的なプロジェクトも、実はすべて最終的には一般ユーザーを対象とする巨大ビジネスへの成長の可能性が考慮されている。プロジェクト・タンゴも例外ではない。一般ユーザーまったく気付かない段階で新たなテクノロジーがどのような需要とビジネスを生むかを大胆に予測しているわけだ。コンテキストを認識するスマートフォンもその一例であり、ビジネスの観点からいえば、消費者が持ち歩くスマートフォンの1台ずつに熟練したマーケティング・コンサルタントを忍び込まされるようなものといえるだろう。

最近のテクノロジーの発達に共通することだが、タンゴもユーザーの個人情報をより詳しく収集する見返りにより便利なサービスを提供するという仕組みだ。ひとたびその利便性が明らかになれば、多くの消費者はプライバシー上の譲歩を喜んで受け入れるだろうというのが私の予測だ。

Googleだけではない

モバイル・デバイスのコンテキスト認識能力の向上に取り組んでいるにはGoogleだけでない。昨年、AppleがPrimeSenseを買収したのも、動作の認識など3Dマッピンの能力を強化するためだったし、 Qualcomも同様の理由でGestureTekを2011年に買収している。

位置情報ベースのサービスも当初はSF的と思われたが、今では当たり前になっている。コンテキスト認識も明日のスマートフォンではないのが不思議になるだろう。空間的コンテキスト認識能力を応用した新たなソフトウェアの可能性を探るためににデベロッパーに現実の開発環境を提供し始めたのはたしかにGoogleが最初だが、他のプレイヤーも続々と後に続くだろう。その競争はすぐに始まり、また激烈なものになるだろう。

画像 Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Samsung Galaxy S5の詳細―防塵防水、心拍計、指紋スキャナ、4Kビデオカメラなど新機能多数

SamsungのGalaxy S5がはされた。5.1インチ、1920×1080ディスプレイを備えサイズはファブレットのジャンルに近いた。ホームボタン上に指紋センサー、裏側のフラッシュの近くに心拍モニターがあり、おそらくこれがもっとも実用的に効果が大きい改良点だろうが、防塵防水仕様〔IP67準拠・訳注参照〕となった。

このAndroid 4.4 Kitkat搭載フラグシップモデルは筐体デザインの面では現行モデルをほぼ踏襲している。やや大きなスクリーンを収容するために若干サイズが増加しているが、依然プラスティックのボディーだ(金属採用の高級版も存在する)。指紋スキャナー、心拍モニターはハードウェア上の大きな新機能だ。Galaxy S5はヘルスとフィットネスに大きな重点を置いているようだ。AppleのiOSの次世代版もこの方向だと噂されている。またS5ではカメラの能力も大きくアップした。


心拍モニター

alaxy S5では、モニターで計測した心拍情報をSamsungのフィットネス・アプリS Health 3.0に転送する。このアプリは歩数と消費カロリーのモニターもできる。また指先に取り付ける光学式心拍モニターも今回同時に発表されたSamsung Galaxy Gear 2スマートウォッチに用意されている。

指紋スワイプで支払い

もう一つの重要な新機能は指紋スキャナーだ。またしてもSamsungがAppleをコピーしたと非難する声も出そうだが、このスキャナーはiPhone 5のものとはまったく異なる。3種類の指紋を登録することができ、登録には8回のスワイプが必要だ(Appleのスキャナが指を押し付ける方式なのと異なり、Galaxy S5のものは指をボタンの上で滑らせるタイプ)。指紋認証は画面ロックの解除はもちろん、PayPalでのオンライン支払にも使える。

指紋認証でPayPalが利用できるということはオンラインでの購入だけでなく、リアル店舗での支払にも使えるということだ。Samsungはモバイル支払サービスを大幅な拡大できる可能性がある。もちろんそのためには使いやすいサービスの構築が必要だし、偽造その他の不正に対する耐性が十分かどうか検証されねばならないだろう。

またスワイプによる指紋認証でプライベート・モードを起動することができる。Galaxy Sのプライベート・モードでは、自分専用のファイル、フォルダーにアクセスできる。子供や他人に見せたくないコンテンツをモバイル・デバイスに保存しておけるようになったのはたいへん便利だ。

4Kビデオ、撮影後に焦点変更可能

カメラにも大幅な改良が加えられた。リアカメラは1600万画素で動画の録画解像度は4K対応だ(デバイスに搭載されているディスプレイは1080pなので解像度としては約4分の1)。Galaxy S5は最初の4Kビデオカメラ搭載モデルではないが、少数のアーリーアダプターの一つであることは間違いない。4Kテレビが普及期を迎えており、4Kコンテンツへの消費者の需要が高まっている現在、これは大きなセールスポイントになる。この調子だとホームビデオの画質が放送番組の画質を上回ることになりそうだ。

新カメラにはiPhone 5のようなスローモーションが備えられた。また高価でかさばるLytroのような撮影後に焦点を変更する新機能が追加された。モバイル撮影マニアを大いに喜ばせそうだ。撮影後後の焦点変更も今年の新機種のトレンドになりそうだが、メジャーブランドとしてはSamsungが一番乗りしたことになる。

オートフォーカスは高級デジタル一眼で標準となっているコントラスト検出と位相差検出の双方を用いるハイブリッド方式になった。Samsungによれば、合焦にわずか0.3秒しかかからず、スマートフォンのカメラとして過去最速だという

その他の仕様

その他S5のmicroSDスロットは、最新の128GBのSDカードをサポートする。またLTEとWi-Fiの双方を利用して高速でダウンロードができるダウンロード・ブースターも搭載された。

2.5GHzのSnapdragon 800、クオドコア・プロセッサー、2GBのRAM、NFC、LTE、Bluetooth 4.0、16GBまたは32GBのストレージなどは標準的だ。その他画面表示をモノクロにする省電力モードが用意されているのが面白い。4月11日に世界150か国で同時発売を予定しているという。

〔訳注:IP67とは国際規格で防塵6等級、防水7等級を意味する。防水能力としてJIS規格7等級相当となる。日本では通常「完全防水」と表示される。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


1万5000mAhの大容量に加え、IP66の防塵防水性を備えたLimefuel製モバイルバッテリー

モバイルバッテリーの便利さは、いまさら言うまでもないだろう。毎日持ち歩いているし、旅に出るようなときも、とてもなしでは過ごせないようになっている。しかし何か大変な災害のようなものが起こった時、この予備バッテリーはどうなってしまうのだろう。豪雪に埋もれてしまったりしたときはどうなのだろう。さすがに隕石が落ちてきて全てが灰に埋もれるようなときのことを考えても意味はないだろうが、しかしいったいどのような環境にまで、予備バッテリーは耐えてくれるのだろう。

こんなことをいろいろと心配してしまうが、Limefuel IP66 Ruggedという予備バッテリーを用意すれば、もう何も考える必要はなくなる。この予備バッテリーは現在Kickstarterで資金調達キャンペーンを行っているところだが、あっという間に目標額の3万ドルは調達完了となっている。ハイエンドモデルタイプの供給可能容量は1万5000mAhに達する。他にも同様の放電容量をもつものはあるが(Amazonを探せば、低価格なものもみつかるはずだ)、しかし「頑丈さ」で、このLimefuel Ruggedに比肩し得るものはない。

まず防水(waterproof)かつ防塵(dirtproof)、さらに耐衝撃性(shock proof)を特徴としている。注意してもらいたいのは「耐性」(resistant)を持つのではなく、防御性能(proof)を持つ点だ。IP66規格に適合している。IP66というのは粉塵が内部に侵入しない防塵性を持ち、波浪およびいかなる角度からの暴噴流(powerful water jets)にも、最大で3分間は耐えることができるということを意味する。もちろん保護性能を最大限に発揮するのは、保管状態の場合であるのだが、それでも十分に注目に値する性能だといえよう。

もちろん電源容量も素晴らしい。スマートフォンを10回程度チャージできる容量をもち、また2台同時に充電することができる。また本体チャージも大きめの2Aにて行う(但し容量が大きいことからフル充電には9時間ないし15時間が必要となっている)。少し前にレビューしたMophie Powerstation XLではできなかったパススルー充電(本体を充電しながら、他デバイスの充電も行う)にも対応している。

Limefuelはコロラド州ボルダーにて2012年11月に設立された。既に充電用デバイスを世に送り出した経験を持ち、今回も予定通り2014年5月に出荷開始となるのではないかと思われる。プレオーダー価格は10400mAhの低容量版は50ドルからとなっており、15000mAh版が70ドルからだ(同等性能の他社製品と比べると、まず安い方になっている)。

おそらくはL150XRのハイレベルな耐久性などを必要としない人がほとんどなのだろう。ただ丈夫であるのならそれはそれで良いことだとも言える。スマートフォンの方が壊れてしまっても、あるいはUSB充電などという仕組みが遠い過去のものとなってしまっても、このL150XRはエネルギーを溜め込み、誰かのために待機を続けるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Amazonは全メディアコンテンツ、アプリ、ゲーム等をテレビやホームシアターに流し込むSTBを3月に発売?

Re/Codeの記事によると、Amazonは3月にテレビ用のセットトップボックスをローンチするらしい。つまり、この、eコマースとデジタルメディアの巨人が今実際に、ストリーミングTV製品の開発に勤しんでいるというのだ。しかもそれは、昨年のホリデイシーズンに出ると噂された製品の発売時期が延ばされたもの、ということらしい。

そのAmazonのストリーミングボックスは、同社のデジタルメディアのコンテンツをテレビで視るための製品だ。まずAmazon Instant Videoのタイトルがあるし、合衆国のAmazon Primeの会員に無料で提供されるコンテンツもある。音楽のカタログも膨大だから、ひまだった(かもしれない)ホームシアターの稼働率を上げるには恰好だ。

Re/Codeの記事は、AmazonのそのガジェットがAndroidデバイスだ、と言っている。ただしKindle Fireのときと同じく、独自にフォークしたAndroidが搭載される。そのセットトップボックスがゲーム機にもなるのか、その辺ははっきりしないが、でも本誌の情報筋が前に漏らしたところによると、確かにそいつはゲームもサポートする。また、最近、別の業界筋から聞いたところによると、昨年暮のショッピングシーズンを逃したにもかかわらず、ゲーム機能はある、ということだ。

Amazonがストリーミングのためのメディア製品を消費者に提供するのは、至極当然だ。しかもそれがAndroidでAmazon Appstoreから何でもインストールできるとなれば、アプリのオープンなライブラリの整備が遅れていた一部の競合他社は一気に追い抜かれてしまうだろう。問題は料金だが、Amazon Primeの会費が20~40ドル値上げされるという噂が本当なら、このハードウェアとコンテンツの完全無料化が、すでに織り込み済みなのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Ubuntuスマートフォンがbq(スペイン)とMeizu(中国)から年内発売へ

UbuntuのCanonical社が、Ubuntu Linuxを載せたスマートフォンをついに発売する。昨年、Ubuntu Edgeと名づけた派手なクラウドファンディングキャンペーンに失敗したにもかかわらず。そのスマートフォンを今年おそくに発売する計画の詳細がTheNextWebに載っているが、それによると発売元は同社のハードウェアパートナー、スペインのbqと中国のMeizuになるようだ。

まだ詳しい仕様は発表されていないが、同社の声明によると最初の製品は“ハイエンド寄りのミッドレンジ”となるらしい。つまり今後の過密なスマートフォン市場で競争力が期待される低価格機ではない。最初に発表されたEdgeが、出資者割引価格でも600ドルという超高級機だったから、今さら初心者向けの安価なスマートフォンを出したって、意味がないだろう。

Canonicalがモバイル市場で自己の一角を築く気なら、それは苦戦という生易しい言葉では表現できない歩みになる。たとえばFirefox OSは低価格入門機で市場に参入しながら、今だに足取りはふらついている。Canonicalが低価格機を指向しなかったのも、そのせいだろうが。

Canonicalの差別化戦略は、従来のスマートフォンのようにいろんなコンテンツやサービスを個々のアプリの中へばらばらに閉じ込めずに、それらをUIそのものにしてしまうことだ。Canonicalは、発売時にはEvernote、Grooveshark、Weather Channelなどおよそ50のアプリがUIから直接使える状態にしたい、と言っている(個々にアプリをインストールしたり立ち上げたりしない)。またEdgeのキャンペーンのときに同社が組織化したCarrier Advisory Group(Vodafone、EE、T-Mobile、Verizon、Deutsche Telecomなどなど)の協力も、求めていくつもりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


広告業界は、Appleのユーザーデータ保護方針に不満を感じている

Appleは、自社ユーザーに関して様々な知識を持っており、サービスや製品の改善に利用している。名前、住所、位置情報。購入履歴等だ。しかし、それを広告主が自由に使えるようにはしていない。そのことが広告業界をひどく怒らせている、とAdAgeの最新記事は書いている。記事は、なぜAppleとAmazon(似たような運営方針をとっている)が、広告ビジネスの構築に苦労しているかを詳しく解説している。

Appleはデータに関してライバルに先行できる ― 共有さえすれば。

これは記事中の強いメッセージだ。Appleの持つ情報の質は「最上級に属する」と、元Appleのソフトウェア技術者でiAdのデータ測定プラットフォームの中心設計者だった人物は言っている。しかし、広告パートナーに提供しているものは、ゼロに等しい。クッキーベースの広告追跡やターゲティング機構を提供するのではなく、事実上広告パートナーは、どんな種類のユーザーにリーチしたいかを告げるだけで、あとはAppleのすることを信じるしかない、とAdAgeは言う。そして、ここで指摘しおくべきなのは、Appleが、広告売上を増やす可能性よりも、顧客のプライバシーを優先していることだ。

Apple自身が公式広告ページに書いているように、広告パートナーは分析・効果レポートをアクセスできる他、自動あるいは手動のターゲットオプションを使ってキャンペーンをカスタマイズできる。ターゲット項目には、地域、性別、年齢、具体的なユーザーの好み等がある。しかし、広告主がこれらのデータを直接アクセスして自身のデータマイニングツールやターゲティングシステムを使うことを、Appleは許していない。これは広告業界の標準ではなく、おそらくマジソンアベニューの広告関係者たちを苛立たせている理由だろう。

もちろん、Appleのやり方は同社の顧客満足度維持という全体方針と一致している。顧客の満足とは、大切な個人情報が責任をもって保護され使用されると知っていることだ。iAdの論理は明快だ。Appleはエンゲージメント向上を提案し、詳細なレポートや投資効果を高めるためにキャンペーンを簡単に微調整できるツールを提供するが、そのために必要な舞台裏は見せない(見せる必要がないとAppleは言うかもしれない)。

Appleは以前にも、ユーザーとの関係を巡って既存業界を不快にさせたことがある。同社がiPhoneを発売した時、キャリアーは電話機メーカーとエンドユーザーとの橋渡し役を放棄せざるを得なかった。長年に渡りキャリアーの収入源となっていた余計な機能やサービスポータルの類を、Appleが認めなかったからだ。今回も似たような既存ビジネスの再考察と言えるが、一般消費者にとっても利益になるはずだ。

広告主たちも、Appleのシステムの価値を認める意志はあるようだ。多くの有力広告主が結局iAdに参加しており、開始時から利用しているところもある。同プラットフォームは全世界で6億人以上のユーザーに到達可能であり、ユーザーの区分化に関して独自の優位性を持っている。携帯キャリアーと同じく、捨てるには大きすぎるメリットであり、最終的に業界のシフトを後押しすることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


モバイルデータ利用トップ15ヵ国中、12ヵ国をAndroidが支配(Mixpanel調べ)

データ分析会社、Mixpanelの第1回年間グローバルモバイルデータ報告によると、モバイル利用トップ15ヵ国におけるアプリデータの大半が、Androidプラットフォームから生まれたものだった。同15ヵ国で生成されたモバイルデータの64%がAndroidデバイスによるものであり、15ヵ国中3ヵ国のみでiOS利用者が優勢だった。

データ生成国の上位はスペイン語を話す国々であり、スペイン語を母国語とする国々ではさらにAndroidが強く、 全アプリ生成データの74%を占めた。フランス、日本、およびオランダの3ヵ国のみでiOSが明確に多数を占め、タイでは両OSがほぼ均衡している。

もちろんアプリデータの利用量は、プラットフォームやアプリの親密度を測る唯一の尺度ではないが、ユーザーがスマートフォンでそのソフトウェアを立ち上げ、ウェブを利用していることを示す指標にはなる。モバイル端末に関するこのデータには、他にも注目すべき点がいくつかある。例えばモバイルアプリ市場では、スペイン語にローカライズされたタイトルが、利用量に関して大きな牽引力を持つ可能性を持っている。

アプリの集客力を測るもう一つの指標で、よりデベロッパーの気持に近いと考えられるのがモバイル売上だ。Distimoによると、アジアにおけるモバイル売上は、162%という大幅増を記録しており、その成長の大部分がAndroidによる。ただし、スペイン語圏の国々は、Distimoのアプリ売上トップ10ヵ国には未だ入っていない。つまりAndroidは、新興市場において利用量は急増しているが、これらの地域をターゲットにするデベロッパーにとって、必ずしも大きな売上には結びついていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


次世代Samsung Galaxy Sの概要明らかに―発表は来週火曜のスペインのイベント

Samsungのスマートフォンの新しいフラグシップモデルは来週月曜〔日本時間火曜〕からスペインのバルセロナで開催されるMobile World Congressで発表されるものとみられる。

新モデルの詳細もだいぶ明らかになってきた。 Bloombergその他によれば、鮮明度の向上した5.2インチ・ディスプレイ、容量が拡大したバッテリー、改良型のカメラを備えるという。それに網膜あるいは指紋スキャナーが加わるかもしれない。

指紋スキャナーはSamsung専門サイトのSammobileによるもので、このサイトはかなり信頼性が高い。Sammobileによれば、Samsung Galaxy S5は8種類まで登録可能な指紋スキャナーを備えるという。デバイスのアンロック、特定のアプリの起動、個人情報を記録したフォルダのオープン、新しいプライベート・モードの起動などに指紋認証が利用できる。プライベート・モードでは通常隠させているファイルやフォルダが表示されるようになる。指紋スキャナーはホームボタンに内蔵され、ユーザーはその上に指を滑らせて(iPhone 5の場合はセンサーに指をあてるだけ)指紋を読み取らせる。

Bloombergが伝える改良点は新世代へのアップデートの際に通常予想されるようなものだ。ディスプレイは対角線長5.2インチのサイズで、現行GalaxyS4の5インチよりやや大きく、「鮮明度が高い」という。おそらく現行の1080 x 1920(441 ppi)よりも解像度が高いという意味なのだろう。

今回のBloombergの記事にはバッテリーとカメラの改良に関する詳しい情報は含まれていなかった。以前の記事ではリアカメラは16MP、リチウムイオン・バッテリーの容量は現行の2,900mAhから3200mAhに拡大されるとあった。

いずれにせよ正確なところはすぐに判明する。Samsungは中央ヨーロッパ時間2月24日午後8時にバルセロナでUnpacked5というイベントを開催する。TechCrunchではライブ・ブログで内容を報じる予定だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iPhone 6のリーク写真は偽物だった。しかしこれが本物でも文句はない

先日、Appleの次世代iPhoneを写したものだとされる写真が駆け巡った。上に掲載した写真も、Appleの次世代iPhone写真であるとしてTwitter上に流れたものだ。この写真のiPhoneは、背面がiPad風のカーブを描くようになり、またベゼル領域をなくして、前面を大きくディスプレイが覆うようになっている。いろんな論評も出たが、結局のところ流出写真と呼ばれたものは、いずれも偽物だった。

写真はレンダリングされたもので、Redditでも指摘したユーザーがいたように、Martin Hajekの作品を拝借したものであるようだ。Hajekはさまざまなデバイスを非常にリアルに3Dレンダリングしてサイトに公開している。そして今回のリーク画像と非常によく似たiPhone 6を2013年3月に公開している。今回の写真では内部パーツなども写っており、またTouch IDセンサーおよび2台のフラッシュを搭載している(オリジナルのレンダリング作品が公開されたときには、まだこうしたパーツの搭載は明らかになっていなかった)。しかしこれらの内部パーツ以外については、Hajekの作品を借用しているようだ。

ちなみに、元になったHajekのレンダリングもAppleの製品デザインとは無関係のものだ。しかし頷ける部分もあるのではないかと、個人的には感じている。iPad miniのレティナ版をiPhone化したような感じで、持ちやすく、そしてポケットに入れて持ち運びができるようにしているわけだ。iPhone 5sなどはエッジを強調して角を目立たせていたが、iPhone 5cでは丸みを帯びたデザインも採用している。そしてこれは人間工学的には面白いデザインであるとの評価も受けている。

と、いうわけで今年の秋辺りに、リークとして出回った写真のようなiPhoneが出てくるようなこともあるかもしれない。まず、画面が大きくなるのは間違いないのではないかと思われる。これに伴って背面を曲面デザインにするのも良いアイデアであるように思う。次のiPhoneがリリースされた際には、Hajekが未来予知能力を持っていたことが証明されると良いとも感じているところだ。

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(翻訳:Maeda, H


ウェアラブルに新しい波―The Dashはヘルス・センサーを組み込んだBluetoothヘッドフォン

ウェアラブル・テクノロジーもついに実用的な応用が始まったようだ。新しいKickstarterプロジェクトのThe Dashはこのトレンドの優れた例だろう。

これはBluetooth接続の耳道内装着タイプのヘッドフォンでありながらヘルス・センサー、パッシブ・ノイズキャンセル、マイクを内蔵している。パッシブ・ノイズキャンセル機能はオン、オフできるため、必要なときは外界の音もよく聞き取ることができる。マイクは骨伝導タイプで運動中などノイズの多い環境にも強い。誰もがヘッドフォンを(少なくともある時間は)使うのだから、持ち歩く必要のあるデバイスの数を減らすのにも貢献する。

The Dashは完全にワイヤレスなのでコードにわずらわされることがない。独立した2個のイアホンはBluetoothでスマートフォンに接続して使うことできるが、4GBのストレージを内蔵しているので音楽をアップロードして単体で使うこともできる。それだけでもアスリートには魅力的だが、The Dashには心拍、酸素負荷、エネルギー消費を計測するモニタを内蔵している。

再生、停止と音量調節は接続したスマートフォンからできる他、イアフォンの表面のタッチセンサーによってコントロール可能だ。

Dashの開発元のBragiはドイツのミュンヘンに本拠を置くスタートアップだ。BragiはAPIを公開し、救急隊員などの緊急対応や外国語での会話の補助、一般的な補聴器などのアプリを募って幅広い応用を狙っている。

現在The DashはKickstarterで26万ドルの目標に対して25万ドル以上を集めている。今後支援者がデバイスを入手しようとすれば199ドルからとなる。プロモーションのとおりに機能するなら、The Dashは多くのデバイスとセンサーをひとつのパッケージにまとめた便利さから大いに支持されるだろう。

出荷予定日は2014年10月となっており、実際に機能するかどうか知るためにはだいぶ待たなければならない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitterのウェブ画面が、縦一列のタイムラインを脱却するかもしれない

Twitterが新しいデザインを試していることを、MashableのMatt Petronzioが発見した。この変更はかなり大きい。ツイートは現在のような縦一列ではなく、タイル状のPinterestやFacebookの新しいPaperアプリを思わせるレイアウトで配置される。新機能として、ダイレクトメッセージにその場で返信するためのフィールドのついたポップアップ通知が用意された。RTやお気に入りの通知も同様だ。

これらの機能は別々のように見えるが、両方が実装されれば、将来Twitterは一列のシンプルなルックスから、リッチで複雑な表示へと変わって追加情報を提供するようになり、これまでユーザーが慣れ親んできたものとは全く異なる使われ方になるだろう。

Twitterのウェブがより雑誌色の強いスタイルのレイアウトになると、よりメディア寄りのサービスとなって画像やビデオが強調されるだろうが、代償はないのか? フィードは従来の直線的でほぼ時系列なデザインから離れ、必然的に操作方法にも影響する。「もっと写真を見る」リンクもあるので、今以上ににリッチなメディア発見方法も準備されているようだ。

これらは小さな変更に見えるかもしれないが、人々がTwitterを使う方法は、そのデザインと深くかかわっている。時系列のシングルカラムは、ユーザーが発信するツイートに対して、基本的に一過性な性格を与える ― 生まれてからわずかの間だけ存在し、すぐに他のツイートに押し出される。マルチカラム表示はツイートの寿命を伸ばし、それは最近Twitterが@リプライに付随する会話スレッドをタイムライン上で浮上させて、記憶に留めさせようとしているのと理屈は同じだ。

新しいポップアップ通知も、エンゲージメントを高めるころが目的であり、実際使いやすく作られている。これはOS Xが現在iMessageを扱っている方法と同じく、アプリ本体を立ち上げることなく、すぐに応答する手段を与えるものだ。

すでにTwitterに対する不満は出ていて、この新しいTwitterのビジョンをFacebookと比較する者もいるが、最近の財務状況が証明した通り、同社は成長を加速する必要に迫られており、対話デザインの改訂は、幅広い利用者にアピールする方法になる可能性がある。もちろん、このデザインそのものは今行われているテストの一つに過ぎず、この会社の実験傾向から製品化を予言できるとは限らない。

写真提供:Matt Petronzio / Mashable

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Flickrが10歳に: 毎日の写真共有数100万, 各人の容量1TBになってから170%の増

写真共有サイトの元祖(?)Flickrが10歳になり、Caterina FakeとStewart Butterfieldがバンクーバーで立ち上げたこのスタートアップに、歴史の重みが加わった。創業後1年あまりの2005年にYahooに買収され、そのとき彼らは3500万ドルを手にしたと言われる。その時点ですでに、熱心な固定客ならぬ固定ユーザが約100万名いた。

今のFlickrは世界63か国に計9200万のユーザを抱え、グループ数は200万、日々新たに共有される写真はほぼ100万点に達する。Yahooに移ってからおもしろくなくなった、などの批判もたっぷり浴びてきたが、Marissa MayerがYahooのボスになってからデスクトップとモバイルのデザインを一新し、批評家にもユーザにも歓迎された。そして、Flickrはもう終わりだ、という絶望的な声もようやく消滅した。

最近行われたそのほかの変更も、Flickrを大きく成長させた。昨年5月には、ユーザ一人あたりの容量を1TBに拡大して以降、写真のアップロード数が170%増加した。もう一つの大きな変化は、このサイト上でいちばん多く使われているカメラがiPhoneになり、全般的にスマートフォンの利用が拡大したことだ。iPhoneがトップになったのは2011年だが、新機種が出るたびに、トップの機種も交代した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Barnes & Noble、Nookのハードウェア部門の全員解雇報道を否定―「リストラは事実だが事業は継続」

今日(米国時間2/11)のBusiness Insiderは、Barnes & NobleがNookのハードウェア部門の社員を全員解雇したと伝えた。われわれの取材に対してBarnes &Nobleは「確かに全社的な人員削減を行ったが、報じられたようにハードウェア部門を閉鎖した事実はない」と回答してきた。

Nookの広報担当、Mary Ellen Keatingは今回のリストラに関連して次のように状況を説明した。

われわれはNOOKビジネスを合理化することによってその価値を増大し、将来の成功を準備することに全力を注いている。NOOKのコスト構造をビジネス上の現実と調整するため、組織の一部において社員数を変更する必要が認められ、一定の人員削減につながった。その具体的詳細についてコメントすることは避けたい。

Nook事業の不振はすでに長期間続いている。この前の四半期では売上は対前年比で32.3%ダウンした。B&NがNookの買い手を探しているという噂は何度も流れたが、当面は地盤沈下が続くにもかかわらずNook事業を維持していくことにしたようだ。

Sonyは北米におけるeブック事業から撤退しつつある。Sonyは最近、アメリカとカナダのeブック・ストアを閉鎖し、既存のユーザーをKoboに引き継ぐと発表した。Nookは今回はゲームを降りなかったが、 この市場でAmazonの堅城に挑戦しようとする企業の数は減る一方だ。Nookがいつまで持ちこたえられるのかは誰にも分からない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleが量子ドットディスプレイの実用化で三つの特許を出願

USTPO(合衆国特許局)が今日(米国時間2/7)発表した特許出願情報によると、Appleはまた新たに三つの特許を出願している(AppleInsiderによる)。三つとも量子ドットディスプレイの利用に関連していて、この新しいディスプレイ技術により電子製品のスクリーンにさまざまなアドバンテージがもたらされる。それらは、よりリッチで鮮明な色、より広い視野角、そしてこれまでのLCDよりも優れたユーザ体験、とされている。

Appleが量子ドットディスプレイの特許を出願したのは、2013年のp12月だが、そこではこの技術を既存のディスプレイ技術に応用して色の制御を改良する方法が記述されていた。そこでAppleのタームとしては、 quantum dot displayではなくquantum dot-enhanced display(量子ドットで高性能化したディスプレイ)が用いられている。今回の三つの特許は、MEMSによるシャッター制御、プリズムなどを使って行う量子ドットに分散する光の制御、正しい色を維持しながらバックライトを弱くする技術など、量子ドット技術のディスプレイへの応用に関連している。

特許の詳細はきわめて専門的だが、全体としては量子ドットディスプレイという技術を実際の商用製品に実装する際の、細かい具体的な実装技術でAppleは特許、すなわち知財に関する排他的権利を確保したいようだ。ただしAppleはかねてから、実際には製品に使わない技術でも大量に特許を出願する性癖がある(たとえばNFCに関する大量の特許)。でも今回の特許には、量子ドットディスプレイの商用実用化を阻んでいたいくつかの要因を克服するために同社が研究開発した、いくつかの実用技術が含まれているものと思われる。

この種のディスプレイを使った製品は、すでに大手テレビメーカーが手がけている*。たとえばSonyは、2013年1月に、新製品のフラットスクリーンテレビの一部に量子ドット技術を使うと発表して、その先鞭を切った。量子ドットディスプレイはディスプレイの画質を向上する技術だから、Appleがこの人参を追う馬の仲間入りをするのも当然だ。同社はこれまでにも、レティナディスプレイなどでモバイルデバイスのディスプレイではずっと先頭を走ってきたのだから。

〔*: Kindle Fire HDX 7がすでに採用。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


SONY、北米市場で電子書籍から撤退。購入済書籍はKoboに移管

Sonyは電子書籍プラットフォーム市場から去ることを今日(米国時間2/6)発表した(Engadget)。この動きは全く予想されていなかったわけではない。Sonyはこの市場で、常にガキ大将Amazonに比べて小さなシェアしか占めてこなかった。そして最近の収支や、はるかに認知度の高いVAIOブランドを切り捨てる決断を下したことを踏まえれば、何ら驚くべき決定ではない。

電子書籍を販売するSony Readerネットストアも、米国とカナダでは来月閉店する。ただしSony Readerの所有者(おじさん、あなたのことです)は、購入済みの書籍について心配する必要はない。Sonyは寛大にも既存のライブラリーをすべてKoboに移管する。iOSおよびAndroid端末でも利用できる。合意の一環として、[Sonyの]Xperia端末にはKobo Androidアプリがプレインストールされる。

Sonyは、ユーザーが自分のコンテンツを移行する方法を明らかにしていないが、Readerのアカウント所有者には3月末のReaderストア終了日以前に、詳細の書かれたメールが送られる予定だ。

Reader端末に関しては、少なくとも米国市場では昨年10月には消える運命をうかがわせていた。当時SonyはウェブサイトからReaderセクションを全面的に削除し、既存モデルは販売中止としていた。電子書籍の販売を提携先に移すことは、そのため端末製品から手を引いたことを考えれば、おそらく賢明な選択だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook