Samsung Galaxy S10は標準、大型、廉価の3モデルになるらしい

Evan Blassがツイートしたリーク画像によると、 Samsungの新しいフラグシップ機は3モデルになるようだ。Samsung Galaxy S10、Samsung、Galaxy S10+、Samsung Galaxy S10Eが準備されているという。

Blassは数週間前にも新Galaxyのリーク写真を発表しているが、今回はさらにバリエーションが加わった。写真で分かるように、S10は各モデルとも画面トップの切り欠きがない。S10ではセルフィーカメラをホール・パンチ(画面の裏側から撮影する)方式に変えたようだ。指紋センサーもこの方式で前面のスクリーンの裏に配置されるかもしれない。

前モデルと同様、S10でもメイン機種に加えて大型スクリーン版がS10+として用意される。リーク写真だとS10+はセルフィー・カメラも2台になるようだ。

S10Eは今回新たに追加されるラインナップで、SamsungではS10の発売を機に廉価版を出すことにした。 上級モデルのメイン・カメラは3台だが、S10Eでは2台に簡略化されている。おそらくS10EのディスプレイはAMOLEDではなく普通の液晶だろう。

SamsungではS10の発表イベントを2月20日にサンフランシスコで開催する。われわれも現場からレポートするのでご期待いただきたい。

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滑川海彦@Facebook Google+

MyMeは会った相手全員を覚えてくれる――OrCamから顔と名刺を認識するウェアラブル・カメラ登場へ

テキスト読み上げテクノロジーを利用して視覚にハンディキャップのある人々向けのデバイスを提供しているスタートアップ、OrcamからMyMeというミニカメラが登場した。Tシャツの襟元にもクリップできる小型デバイスで、 ユーザーが会った相手をすべて記憶する。

MyMeはスマートフォンからカメラ部分を独立させたようなプロダクトで、OrCam独自の顔認識アルゴリズムにより、顔と名前を一致させてくれる。会議やカンファレンスで大勢の初対面の人に会うような場合はもちろん、日常生活でも大いに役立ちそうだ。

OrCamは数年前から視覚にハンディキャップがある人々向けのMyEyeを販売している〔MyEye2は日本でも販売中〕 。これはメガネにクリップするウェアラブル・デバイスだ。カメラとスピーカーが内蔵されており、ユーザーが指さした部分を読み上げてくれる。

OrCamはこうしたリアルタイムの画像認識テクノロジーの延長線上にあるプロダクトだが、一般ユーザーを対象にしている。OrCamの秘密は非常に小型軽量のボディーにMyEyeのOCR機能と顔認識機能を搭載したところにある。当然バッテリーも小型だが、処理はすべて本体内で実行され、クラウドへの接続は必要ない。

またOrCam MyMeは画像や音声を一切記録しないのでプライバシーに関する懸念は少ない。デバイスが顔を認識すると特徴を抽出してシグナチャーを生成し、マッチする記録があるかどうかチェックする。MyMeはスパイカメラではないので相手はレンズが自分の方を向いているのに気づく。人によっては多少違和感を感じるかもしれない。

ユーザーが初対面の誰かに会う(相手が一定の距離で正面に立つ)とMyMeはスマートフォンないしスマートウォッチに通知を送る。ユーザーは通知が来たデバイス上で名前を入力できる。次にその相手と会ったときに.MyMeはシグナチャーをチェックし会ったことがある相手だと通知してくれる。

相手が名刺をくれた場合、ユーザーはMyMeのレンズの前にかざせばよい。デバイスは自動的に名刺のデータと顔データを結びつけて記録する。

ユーザーは人々を家族、同僚、友達などに分類してタグづけできる。過去数週間に会った人の数をタグ別に知ることもできるのでワーク・ライフ・バランスも数字で分かる。

MyMeはまだ市販が開始されていないが、すでにKickstarterで800台以上の予約を得ている。OrCamでは熱心なユーザーによるコミュニティーを組織し、新たなユースケースの開発に役立てたい考えだ。

私(Dillet)は先週のCESで実機に触れるチャンスがあったが、写真での想像よりずっと小型で軽いのに驚いた。それと知らなければ誰も気づかないだろう。Google
Glassのようにひどく目立って邪魔になるということはないはずだ。服装によってクリップが使えない場合はマグネットによる吸着キットも用意される。.

OrCamでは2020年1月までに399ドルでMyMeの市販を開始する予定だ。これは確かに役立つデバイスだと思うが、唯一の懸念は、「常時待機して顔認識する」というデバイスに対して人々がどう感じるかだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

WordPressのAutomatticがニュース企業のためのWebサイトプラットホームNewspackをローンチ

WordPress.comの母胎企業Automatticが、新製品Newspack発表した。詳しい情報はまだだが、それはニュース企業がコンテンツの発行と収益化を行なうためのオールインワンのソリューションだ。

オープンソースのプロジェクトであるWordPressを使って、誰でもWordPress.comでWebサイトを作れる。それは完成度の高いコンテンツ管理システムだ。本誌TchCrunchもWordPress上にある。しかし、サブスクリプション(有料会員制)とか従量的料金制、ユーザーアカウントなどを駆使してコンテンツを収益化しようとすると、そう簡単ではない。WordPress本体には、そのための機能がない。

そこでAutomatticは、ニュース企業のためのプラットホーム、ニュース企業のためのWordPressを考えた。具体的にねらっているのは、地方や地域のニュース企業だ。そういう企業は、デベロッパーを抱えていないところが多いから、サイトの自作も難しい。

ニュース等のコンテンツを自分では作らない、いわゆるメディア企業も、このプラットホームを利用できる。料金は、まだ開発途上の現在は無料だが、最終的には月額1000-2000ドルを予定している。

AutomatticとSpirited Media、そしてNews Revenue Hubが、このプロジェクトのために240万ドルを調達した。Googleのジャーナリズム育成事業Google News Initiativeが120万ドルを出している。そのほか、Lenfest Institute for JournalismやブロックチェーンのConsenSys, Civil Media, The John S., James L. Knight Foundationなどがこのプロジェクトに投資している。

Mediumもオンラインコンテンツの収益化を目指したが、まだいくつかの問題がある。また既存大手のニュース企業はNewspackを使う必要がないだろう。しかし、収益化機能のあるWebサイトプラットホームを求めているローカルな、あるいなマイナーなニュース企業が、欲しがっていたプラットホームではないだろうか、これは。

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フランスのフリーランサー向け銀行サービス「Shine」が有償化

フランスのスタートアップ、Shineはフリーランサーに必要な唯一の業務用銀行口座になろうとしている。これまで2万5000人がサービスに登録し、最近同社は930万ドルの調達ラウンドを完了した。

Shineはフランスのフリーランサーをあらゆる段階で支援しようとしている。登録すると、フリーランサー・ステータスを得るためのペーパーワークをアプリが手伝ってくれる。その後カードと銀行情報が手に入る。

ユーザーは請求書の作成、支払いの受付、さらにはスタッフの給料支払もできる。口座の開設と基本的取引は現在は無料だが、1月21日から、利用者のステータスに応じて月額4.90~7.90ユーロの料金が発生する。

フリーランサーで収入が7万ユーロ未満(「Auto-entrepreneur/個人事業主」と呼ばれる)の人は月額4.90ユーロ、それ以外の人はもっと高い料金を支払う。これは、ほとんどの業務用銀行口座よりもまだ安い。既存ユーザーは料金を支払う必要がない。

同社は 過去にプレミアムプランに言及したが、今回は全員に同一機能を提供する単一プランだ。インディーズのライフスタイルに真剣に取り組んで多くの収入を上げるひとは、もう少し高い料金を払うことになる。

この変更に加えて、同社はいくつか新機能を開発している。近々、会計処理用にエクスポート機能が強化される。小切手の入金、口座の管理をウェブブラウザーから実行可能で、請求書作成などの機能も改善される。

ただしShineは単に機能を増やそうとしているのではない。同社はフリーランサーにとって最高の銀行取引アシスタントを作ろうとしている。管理作業に関する通知を受け取れるほか、管理業務に関するどんなことでもサポートチームに質問できる。

これは、同社のサービスに関するカスタマーサポートではない——フランスの文書業務のサポートだ。それだけでも価値あるサービスだ。

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LedgerのBluetooth通信ハードウェアウォレット

フランスのスタートアップLedgerが、今週のCESで新しいハードウェアウォレットを発表した。デバイスは3月まで出荷されないが、私はデバイスのプロトタイプ版を試用させて貰えた。このLedger Nano Xは、以前のNano Sと似たようなものだが、今回はモバイルでの利用が可能だ。

同社が以前のハードウェアウォレットを発売したのは、暗号通貨ブームが起きる前で、7500万ドルに及ぶ資金調達もまだ行っていなかった頃だ。当時のユーザーエクスペリエンスは、それほど良いものではなかった。

複数の暗号資産の残高にアクセスし管理するためには、それぞれの暗号通貨を管理する複数のChromeアプリをインストールしなければならなかったのだ。しかし、同社がLedger LiveアプリをmacOS、Windows、Linux向けにリリースしたことで、状況はずっと良くなった。

この新しいアプリを使うことで、同じデスクトップアプリから、自分のポートフォリオの残高を確認し複数の暗号化資産を管理することが、ようやくできるようになったのだ。そうなると、論理的な次のステップはモバイル対応である。そのためには、新しいハードウェアウォレットを入手する必要がある。

Ledger Nano Xは以前の製品であるLedger Nano Sとほぼ同じように見えるものの、やや大きめのサイズだ。USBキーのような形をしていて、デバイス上で取引を確認するための小さなディスプレイがある。その中に小さな100 mAhのバッテリー収められている。ウォレットのバッテリは、使用しなければ数ヶ月もつが、アクティブに使用した場合には8時間程度である。microUSBポートはUSB-Cポートに置き換えられた。今回はボタンは、デバイスの側面ではなく、ディスプレイの両側に配置されている。

デバイスを携帯電話とペアリングすれば、iOSまたはAndroid携帯電話からすべてを制御できる。Ledger Nano Xにアプリをインストールして、ウォレットにアクセスし、暗号通貨を送ることができる。iOS上では、パスワードと、オプションでFace IDまたはTouch IDを使用して、アプリをロックすることができる。

Ledger Nano Xの取引を承認する必要があるときには、携帯電話がLedgerデバイスとBluetoothを介してペアリングする。そうすることで、Ledgerデバイス上で取引情報を確認し、デバイス自身の上で取引を承認することができる。

Ledgerが非常に安全である理由は、あなたの秘密鍵がLedgerデバイスから決して離れることがないからだ。取引はデバイス上で直接署名されている。秘密鍵はBluetoothを介して送信されることは決してなく、あなたのスマートフォンがハッキングされても暗号通貨は安全なままだ。

Ledgerデバイスは、ST33セキュアエレメントを使用するようになった。これは、以前のバージョンであるST31よりも少しセキュアである。現在、ディスプレイとボタンに直接接続されているチップは1つだけなので、誰かがディスプレイ上の情報を危険にさらす危険性は少なくなる。

以前のものに比べて画面の高さは2倍になったので。スクロールしなくてもパブリックアドレス全体を表示することができる。最大100種類の暗号通貨アプリをインストールすることが可能だ。デバイスをコンピュータに接続して、デスクトップアプリを使用することも引き続き可能である。デバイスの価格は120ユーロ(138ドル)だ。

情報開示:私は少量の様々な暗号通貨を所有している。

CES 2019の報道 - TechCrunch

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(翻訳:sako)

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世界初の画面折りたたみ式スマートフォンがいよいよ現実になった

折りたたみ式スマートフォンの噂は何年も前からあったが、ついにそれが実現した。中国のRoyoleという企業がその製品FlexPaiを、今ラスベガスで行われているCESで展示している。ちょっとだけ、いじってみた。

スマートフォンとしても使えるし、小型のタブレットとしても使えるから、どちらかに決めつけることはできない。印象としてはタブレットサイズの方が使いやすそうだが、メーカーはフォーンと呼んでいる。開いたときの画面サイズは7.8インチで、Androidが動いている。

そのAMOLEDディスプレイを折りたたむと、半分サイズになる二つのスクリーンの間に小さなギャップがある。でもそれは、開いたときよりもかなり小さい。でっかいスマートフォンだけど、タブレットに比べればバッグなどにしまいやすい。

アメリカに住んでる人なら、このデバイスのデベロッパーバージョンを1300ドルですでに買える。OSはAndroidだが、ソフトウェアによる独自の機能がたくさんある。たたむと、すべてのコンテンツがスクリーンの片方へ移動する。その動きは、流れるようにとは言いがたいがまあまあだ。

折りたたみスマホ(“画面を折りたためるスマートフォン”)は、SamsungやHuaweiが話題としては先行したが、実物で先頭を切ったRoyoleはエラい! 今後同社は、これを自力で売るのか、それともどこかとパートナーするのか、その両方か? なお、今週の後半にはこの製品のビデオをお見せできるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ソーシャルネットワークがもはやソーシャルでなくなった年

プライベートコミュニティに目を向けよう

「ソーシャル・ネットワーク」 という用語は、何を意味しているのだろうか。これら2つの単語をペアにすると、技術カテゴリの1つになるし、1つの用語として捉えると、製品のグループを表すものになる。

しかし、ソーシャルネットワークは今でもソーシャルなのだろうか?Facebookアプリを開いたときにテクノロジー疲労を感じるのは、あなた1人ではない。それほど親しいわけでもない友人たちが、コメントスレッドで政治的問題について争っているところを見るのは、もはや楽しいものではない。

おそらくあなたは、複数のプラットフォーム上に、何十、何百、あるいは何千もの友人やフォロワーを持っていることだろう。しかし、それらの混雑した場所が、これほど空虚に感じることはなかった。

決して森の中に移住して、動物たちと語らって暮らせと言いたいわけではない。それに、Facebook、Twitter、そしてLinkedInが一晩で崩壊することはない。ソーシャルグラフ、デジタル履歴書、そしてイベントの管理など、それらはそれぞれ固有の価値を持っている。

しかし一斉伝達の要素を、ソーシャルな関係性と結びつけようとするコンセプトは死んだ。

興味を中心としたコミュニティから、厄介な隣人たちへ

あなたがもう十分に長い期間ウェブ上で活動しているならば、インターネットフォーラムの思い出が好きかも知れない。おそらく、ビデオゲームやハリーポッター、もしくはお絵かきが好きだっただろう。

分断されていることが大切だった。複数のフォーラムに顔を出して活発に活動することが可能で、そこでは他のフォーラムでのことを話す必要はなかったのだ。時間が経つにつれて、同じ名前がお気に入りのフォーラムに何度も登場するのを見ることになる。あなたはお決まりのジョークをひねり出し、皆と一緒に何かを発見し、笑い、泣き、そして感じていた。

私は10代の頃、複数のフォーラムで活動していた。私は1年に何千ものメッセージを投稿し、新しい知己を得ていたことを覚えている。まるでそれは友好的なグループと一緒に遊んでいるような気分にさせてくれた。それは皆が同じ情熱を分け合っていたからだ。

それは単なる、偽のインターネット関係ではなかったのだ。私はインターネット上の友人たちとかなりの回数「実世界でも」会ってきた。私はある日、スレッドのリストをブラウズしているときに、ある人が死んだことを知った。このフォーラムはその人にとって、とても大きな意味を持っていたので、多くの人たちが短いメッセージを投稿した。

ほとんどの場合、私は話している人の身元を知らなかった。私たちはみんなニックネーム(ハンドルネーム)を使っていて、ちょっとした情報をプロフィールに入れていた ―― 「ドイツ、シュトゥットガルト在住」とか「鉄道検札員」とか。

そしてFacebookがやってきた。最初はやはり、興味を中心としたコミュニティに過ぎなかった ―― 同じ大学に通っているということは、結局同じ興味を持っているということだから….。それから、彼らは大学を越えて拡大するために、それを皆に開放した。

友達のリストを眺めたときに、彼らがあなたのFacebook友達である理由は、同じ趣味を共有しているからではなく、ただある程度知っているからというだけの理由なのだ。

Facebookは、悪名高い「知り合いかも」機能を使って、倦むことなくより多くの友達を追加するように仕向けてくる。誰かを知ることと、話し合うべき何かを共有することは別問題だ。

ということが現在の状況だ。厄介な隣人たちがセクハラジョークをFacebookのフィードの上にシェアしている。

ソーシャルネットワークが大きくなるにつれて、コンテンツはゴミになった

Facebookのソーシャルグラフは、デザインとして破綻している。人間に、名前と顔を添えることで、友達申請は感情的なバイアスを伴うものになった。もしこれまで相手に5年間会っていなかったとしても、高校時代の親友の申請にNOと言えるだろうか。

これまでは友達のことを忘れても大丈夫だった。これまでは様々な人たちのことを忘れても大丈夫だった。しかし、ソーシャルネットワークを使って連絡を取り合うことが可能であるという事実が、そうした「忘れること」を社会的に受け入れがたいものにしている。

上手くやるには巨大すぎる

ソーシャルネットワークの重要な柱の1つは、一斉配信機能だ。メッセージを書いたり、写真を共有したり、ストーリーを書いたりして、友達やフォロワーに一斉配信することができる。

しかしこの一斉配信はスケーラブルではない。

ほとんどのソーシャルネットワークは現在上場企業である ―― 彼らは常に成長を追求している。成長は収益の増加を意味し、収益はユーザーがより多くの広告を見なければならないことを意味する。

より多くの広告を押し付けるための最善の方法は、あなたがより多くの時間をサービスの上で使うようにすることだ。複数のYouTubeビデオを見ると、より多くの動画前広告が表示されるようになる。そして、ソーシャルネットワークにもっと時間を費やさせるためには2つの方法がある。何度も戻って来るようにすること、そして訪れるたびに長時間留まるようにすることだ。

そして2018年は、小細工と邪悪なパターンデザインの年だった。あなたがサイトをより頻繁に訪れるように、企業たちはFOMO(fear of missing out:何か見逃すことの恐怖)を刺激する通知を、不完全でバランスを欠いた情報と共に送りつけてくる。

これは、ただアプリを開かせるだけではない。ソーシャルネットワークは現在、サービスの他の部分にもあなたを誘導したいと考えている。「この明るいオレンジ色のバナーをクリックしてIGTVを起動しませんか?この光沢のあるボタンを見てくださいよ!見て!さあ見て!」。

そして、あらゆるゲーミフィケーション、アルゴリズム駆動型の推薦、その他のスキナー箱的メカニズムがある。フィードを更新したときに感じるささやかなアドレナリンのピークは、たとえそれが週に一度しか発生しなかったとしても、何度も何度も戻ってこさせることになる。

Netflixが1シーズン分の番組をコンプリートした子供たちに、デジタルバッジを渡そうとしていたことを忘れてはならない。会社はその後、それが行き過ぎであったことに気付いた。それでも、米国の成人は1日あたり6時間近くをデジタルメディアの消費に使っている。そしてその半分以上が携帯電話を使ったものだ。

ソーシャルネットワークが毎回何か新しいものを提供する必要があることを考えると、彼らはユーザーたちになるべく多くの人をフォローし、可能な限り多くのYouTubeチャンネルのサブスクリプションをして欲しいと願っている。こうして、毎回ソーシャルネットワークを訪れるたびに、何かしら新しいものに出会うことになるのだ。

アルゴリズムは好みに応じてコンテンツを推奨し…そしてどうなると思う?最もデタラメで、偏向したコンテンツが最後にはその情報の山の上に積まれるのだ。

私はフェイクニュースや、今やユーチューバーたちがあなたの注意を引くためにタイトルを全部大文字で書いている、といった事実について語るつもりはない。そうしたことは他の記事で取り上げる。しかしYouTubeは、Logan Paulが、興味を引きつけアルゴリズムの裏をかくために、日本で自殺した人間を撮影したことにいまさら驚いてはいけない。

言い換えれば、ソーシャルネットワークが大きくなるにつれて、コンテンツはゴミになったのだ。

プライベートコミュニティ

集中化の後には必ず非集中化が続くものだ。ソーシャルネットワークの行き止まりに達した私たちは、自分たちのデジタルハウスを建てるときが来た。

遠くに離れた家族と連絡を取り合う場合には、グループメッセージが大切だ。しかしそれとは別に、あなたは自身の興味に基づいたグループを作成して、あなたが情熱を注ぐことに興味を持つ人たちと語り合うことができる。

大きくなりすぎていないソーシャルネットワークには、まだ方向転換をするチャンスがある。親しい関係を大切にするものにして、親しい人たちと語り合うための便利な機能を追加しよう。

言うべき興味深い事があるなら、自分自身の言葉でそれを語って欲しい。Mediumにサインアップする代わりに、ブログを作ろう。とはいえMediumは、読者があなたの言葉を読みたいときに、サインアップすることを強制することはないが。

もし休暇を完璧なInstagramのストーリー作りに費やしているのなら、そのことは冷めた目で眺めてみるべきだ。そこからキャリアを築いてInstagramの有名人になりたいのか、それとも写真や動画を自分のコミュニティに直接送ることを考えるべきなのか。そのことを考えないのなら、あなたはただ腐ったシステムに参加しているだけのことだ。

政治や生活全般についてコメントしたいならば、それはFacebook上の友達に対してではなく、あなたの身の回りにいる人と話し合うことを考えてみるべきだ。

携帯電話をポケットに戻して会話を始めよう。ひょっとしたらアプリアイコンの上に表示される赤いドットのことは忘れて、何時間も話し合うことになるかもしれない。

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(翻訳:sako)

一部のiPad Proは曲がった状態で出荷されている

Appleは、一部のiPad Proが製造過程の問題により、箱から出した際わずかに歪んでいたことをThe Vergeの取材で認めた。Appleによると、これはiPadの性能に何ら影響を与えないという。

しかし、新しいiPad Proを買った人は、数週間以内に交換したければ、曲がっているかどうかをすぐ確認したほうがよい。返却期間が過ぎたあと、曲がったiPadをAppleが修理する予定があるかどうかは不明だ。

問題の始まりはMacRumorsの長いフォーラムスレッドに曲がったiPadの不満を訴える人が集まったことからだった。多くの人が思ったこととは異なり、これは不適切な使い方のせいではない。これは製造中の冷却過程のためだとAppleがThe Vergeに伝えた。

iPadが薄い硝子板とアルミニウムと電子部品から成っていることは事実だ。半分に折り曲げようと思えばできる。しかし、はじめから曲がったiPadがあることはちょっと驚きだ。

これは、iPadをテーブルに置こうとして安定しなかったとき特に苛立たしい。Bwrin1がMacRumorsのフォーラムに投稿した写真を下に貼っておく。

Smart KeyboardやSmart Folioを使う場合にも問題が起こるのではないか想像している。

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コラボレーションできるデータサイエンス視覚化ツールDataikuが$101Mを調達

Dataikuは、うわついた流行(はや)り言葉を実際のサービスに変えたい。同社は、世間がビッグデータやデータサイエンスや機械学習で騒ぎ始める前から長年、データツールを作っている。

その同社がこのほど、Iconiq Capitalがリードするラウンドで1億100万ドルを調達した。Alven Capital, Battery Ventures, Dawn Capital, そしてFirstMark Capitalがこれに参加した。

Dataikuは、常時大量のデータを生成している企業や団体を顧客にして、それらのデータ集合に隠されている意味を見つける。まず顧客は、Dataikuに接続して自分のストレージにデータをインポートする。Dataikuのプラットホームは非常に多種類のデータベースのフォーマットとデータソースをサポートしている。Hadoopでも、NoSQLでも、画像でも、なんでもよい。

Dataikuは、それらのデータを視覚化したり、データ集合を掃除したり、それらのデータから機械学習のモデルを作ったりする。機械学習システムのデプロイも行なう。また、ビジュアルなコーディングツールも提供しているが、モデル作りにはユーザーが自作のコードを使ってもよい。

しかしDataikuは、単なるデータサイエンティストのためのツールではない。ビジネスアナリストのような人でも、Dataikuから直接、データを取り出して視覚化できる。しかもそれはSaaSだから、複数のデータサイエンティストやデータアナリストから成るチームがDataikuの上でコラボレーションできる。

またユーザー企業は、Dataikuを使って変動を追ったり、詐欺を検出したり、需要予測をしたり、製品〜商品のライフタイムを最適化したりできる。現在の同社の顧客には、General Electric, Sephora, Unilever, KUKA, FOX, BNP Paribasなどがいる。

同社が今回の資金でやりたいことは、スタッフの倍増だ。現在200名の社員がニューヨークとパリとロンドンにいる。シンガポールとシドニーにもオフィスを開く予定だ。

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リターゲティングするURL短縮サービスでPixelMeが$1.3Mを調達

SaaSのPixelMeは、URL短縮技術を使って、マーケターが顧客をリターゲティングできるようにする。同社はこのほど、調達前評価額400万ドルで130万ドルの資金を調達した。これで投資家たちは同社の22%を保有することになる。

PixelMeはBufferのようなやり方で、同社の道のりの楽屋裏的な多くの詳細を共有している。ピッチデッキ(プレゼン用スライド)やタームシート、資本構成表などをダウンロードすることもできる。PixelMeについて詳しく知りたい人は、どうぞ。

同社は、多くの人たちがURL短縮を使ってトラッキングパラメータ(UTMs)を含め、キャンペーンの効果を測定していることを知っていた。PixelMeはそのやり方を一歩進めて、 PixelMeのリンクをたどるとき、ユーザーが一つまたは複数のリターゲティングピクセルを埋め込めるようにする。

つまりAdwordsやFacebook、Twitterなどからのトラッキングピクセルを加えて、それを利用して適切な広告を後でFacebookやTwitter、Googleなどに表示する。

自分のストアやWebサイトを持ってる人は、トラッキングピクセルを自分で入れられるが、PixelMeではAmazonのページをプロモートしてもユーザーをリターゲティングできる。

しかもそれはGDPRのチェックにひっかかることなく、SafariのIntelligent Tracking Prevention機能に対しても無事だ。

現在、PixelMeはユーザー数が1万、彼らは13万ドルの売上を得ている。同社は起業12か月で月商1万ドル、これまで一度も資金調達はしていなかった。

今回の資金調達は、Serena Capitalが88万ユーロでラウンドをリードした。Kima Venturesがさらに5万ユーロを投資、またThomas Rebaud, Christophe Chausson, Stan Massueras, Manuel Jaffrin, Edouard Dessain-Gelinet, Gregory Gazagneらの連中が一人あたり10000〜15000ユーロを投資した。

参考記事1参考記事2

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Coinbaseで暗号通貨同士の交換が可能に

信じられないことに、現在CoinbaseでETHを買うためには、BTCを一旦USドルに変えなくてはならない。同社はようやく暗号通貨同士の直接交換機能を追加する。

同機能は、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、Ethereum Classic(ETC)、Litecoin(LTC)、0x(ZRX)、およびBitcin Cash(BCH)で利用できる。今は米国ユーザーのみ利用可能だが、他の国々にも展開する予定だと同社は言っている。

手数料を詳しく見てみよう。ヨーロッパまたは米国に住んでいる人は、USドルまたはユーロで暗号通貨を売買するたびに、スプレッド(買値と売値の差)に加えて1.49%以上の手数料を支払う。クレジットカードやデビットカードを使うと手数料はさらに高くなる。

Coinbaseは、不換通貨と暗号通貨のスプレッドは0.5%前後だが通貨の組み合わせや注文待ち行列によって変わると言っている。

取引高が200 USドル(または相当)以下だと手数料はずっと高くなる。たとえば、10ドルの売買では手数料が0.99ドルすなわち9.9%になる。100ドルの手数料は3%だ。

しかし良いニュースは、これがトークンとトークンの取引ではまったく別の話になることだ。Coinbaseは手数料を取らない——スプレッドは避けられない。そして、特殊な組み合わせ(ZRXをBCHと交換するなど)では、スプレッドに1%前後支払うことにもなる。それでも、Coinbaseで取引したいだけの人にとっては、ずっと良いユーザー体験だ。

他の交換所の話を持ち出すまでもなく、Coinbase Proのユーザーは遠い昔から暗号化同士の取引が可能だ。しかし多くの新しい暗号通貨ユーザーにとっては今もCoinbaseが入り口だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

仕事している風でTechCrunchを読めるターミナルが日本から登場

ヒップなデベロッパーはこの記事を読むために普通のブラウザを使わなくてすむ。今日(米国時間)、東京を本拠とするKosuke Yoshimuraが小さいが面白いプロダクトを作ってProduct Huntで共有してくれた。TechCrunch-CLIを使えばTechCrunchの記事をコマンドライン・インターフェイスで読める。

同僚のDevin Coldewey記者は、このプログラムにTextCrunchという名前を提案している。

私はこのアプリを使ってみたが、自分がさきほど公開した記事をターミナルウィンドウで読むというのは不思議に愉快な驚きがあった。

このプログラムをインストールしてみたいなら、GithubからNPMパッケージをダウンロードできる。Macユーザーの場合、Node.jsとHomebrewがNPMアプリを作動させるために必要だ。ちょっと試してみたいだけなら、Node.jsイメージをバーチャル・プライベート・サーバーを使うだけでよい。

デフォールトで “$ tc top”コマンドはTechCrunchの最新の記事から順にタイトルが表示される。このターミナルはスクロール可能なので上下矢印キーでどこまでもさかのぼったり戻ってきたりできる。エンターキーを押すと記事のテキストが表示される。リンクはブラケット内に付加されている。写真やイラストが自動的にASCIIアートに変換されたら面白いが、 残念ながらそういう魔法は装備されていない。

ユーザーは“$ tc tag <searchTerms...>”の形式で検索語を入力し、特定のジャンルの記事を表示できる。

実際こういうミニマリスト・スタイルで記事を読むのは新鮮な経験だった。TechCrunchはウェブで一番重いウェブサイトというわけではないが、一般的に見て、メディアのサイトにはさまざまな要素が詰め込まれて混雑が悪化する一方だ。ロードすべき要素が多くてページの表示が完了するまでかなりの時間がかかることが珍しくない。テキストブラウザで読むというのいい考えだ。

〔日本版〕こうすけ氏のTwitterアカウントによればICU2年生で「個人開発が趣味」だという。

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eブックの余白に注釈などを書いて友だちとソーシャルに共有できるGloseが$3.4Mを調達

フランスのGloseが、そのiPhone、iPad、Android用の読書アプリのために340万ドルの資金を調達した。同社の基本的な姿勢は、本を読むことをもっとソーシャルにしたい、ということにある。

熱心な読書家はたいてい、片手に鉛筆を持って本を読み、気がついたことを余白にメモする。あるいは、小さな手帳に気に入った文や発言を覚え書きするだろう。でも、eブックではそれができない。

たしかに、Kindleなどのeリーダーではテキストを高輝度表示にできる。でも紙の本と違って読みながら何かをすることができない。Gloseは、今読んでるeブックにスマホを使って何かができるようにする。

今回の投資に参加した投資家は、OneRagTime, Expon Capital, Kima Ventures, そしてBpifrance。さらにエンジェルのSébastien Breteau, Patrick Bertrand, Julien Codorniouらも参加した。

Gloseにはe書店があり、DRMと無縁なeブックを提供している。そのアプリは、速読競争などのゲーム的な要素でユーザーのモチベーションを維持しようとするが、ぼくが気に入ったのはテキストの高輝度表示と、注釈の記入、それらを友だちとシェアする機能などだ。

友だちが半年後に同じ本を読むと、余白にあなたが書いた注釈を見つけるだろう。あるいは、ブックリストをフォローしたり、非公開の読書グループを作ったり、友だちがどこまで読んだか知ったりできる。このアプリはすでに、60万人がダウンロードしている。

次の段階としてGloseは、Glose Educationという別のサービスをリリースする気だ。これは、大学や高校向けのGloseだ。教師が読書グループを作ったり、宿題を課したり、クラス全体のための注釈を書いたりできる。こうやって学校に絞るのも、ソーシャルな読書アプリの自然なユースケースだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

フランス外務省、緊急連絡先データベースに侵入される

フランスの外務・国際開発省は声明で、データ侵害によって個人情報が盗まれたと発表した。約54万件の記録が盗まれ、その中には氏名、電話番号、およびメールアドレスが含まれていた。

去る2010年、同省はArianeという緊急サービスを構築した。安全でない国に旅行する際、Arianeに登録して行き先を同省に伝えることができる。

登録すると安全に関する説明を受け、危機が起きた時に連絡が来るほか、あなたに何かが起きた時のために政府が緊急連絡先を保管する。

今日のデータ侵害は緊急連絡情報に関するものだった。12月5日、全員の緊急連絡先の入っているデータベースに不正アクセスがあった。同省によると、脆弱性はすでに修正されている。さらに、フランスのデータ監視機関であるCNILにも72時間以内に連絡をとったと同省は言っている。

問題のデータベースには姓名、電話番号、およびメールアドレスが入っていた。Arianeのユーザーデータは流出していない——すなわちパスワードや旅行情報はアクセスされていない。緊急連絡先とArianeユーザーとの関係もアクセスされていない。

緊急連絡先として情報を登録している人には、同省がメールを送り侵害の影響をうけていることを知らせている。また、あなたの名前とすでに使っていない電話番号やメールアドレスを誰かが入力していた場合、データ侵害が起きていてもわからない可能性がある。

パスワードの変更などは必要ないため、基本的に何もしなくてよい。ただし、盗まれたデータがスパムやフィッシング目的で利用される可能性があることには注意されたい。

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Tempow、AirPodsクローン用Bluetoothプロファイルを発表――複数スピーカー駆動が可能

TempowはBluetoothの利用範囲を拡大するソフトウェアを開発してきた。このフランスのスタートアップがTrue Wireless BluetoothとよばれるBluetoothプロファイルを発表した。これによりAppleのAirPodsのクローンを作ることが誰でもできるようになる。

多くの企業が左右のイアフォンをケーブルで接続しないイアフォンを作ろうとしてきたが、どれもAppleのAirPodsほどの優秀さを達成できていない。理由はAppleが独自のチップとソフトウェアを搭載しているためだ。そのため他のメーカーはAirPods同様の体験を再現できずにいる。

左右のイアフォンを魔法のように接続している点を別にすれば、AirPodsの使い勝手の良さは通常のBluetoothオーディオ(A2DP)規格を利用しているところにある。標準的規格の採用により、iPhoneばかりでなく、Androidや古いWindowsノーPCとも接続が可能になっている。

しかしA2DPは通常、一つのデバイスと一組のイアフォンしか接続できない。この点はAirPodsでも同様だ。AirPodsをあるデバイスとペアリングした場合、BluetoothはAirPodsの片方と接続する。反対側のイアフォンはこの最初のリンクを利用する。

他のメーカーもワイヤレス・イアフォンを作ろうとしてきたがハードルが高かった。たとえばNFMI(Near Field Magnetic Induction)テクノロジーは左右のイアフォンを接続することできるがバッテリー消費量が大きくレイテンシーの問題が発生する。

今回Tempowが提供を始めたマルチ・ストリーミング・オーディオは新しいBluetoothプロファイルであり、これを利用すると通常のBluetoothチップセットを搭載したデバイスで複数のスピーカーを駆動できる。さまざまな応用範囲が考えられるが、まず完全ワイヤレスなイヤフォンの製造に使われそうだ。。

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滑川海彦@Facebook Google+

Apple、関税率次第では中国外でiPhoneを製造するかも

Bloombergの新たな報道によると、Appleは関税とiPhone製造について、いくつかのシナリオを描いている。現段階では、iPhoneは米国と中国の間で展開されている貿易戦争の直接的な影響は受けていない。

しかし米国大統領ドナルド・トランプがスマホへの関税を引き上げると決断すれば、Appleにとっては大問題となりえる。Appleは現在、iPhoneの大半を中国で製造していて、最終組み立てはFoxconnとともに行なっている。

関税の高いいくつかの国では、Appleは中国外のサプライヤーと協働している。たとえば、台湾の製造業者Wistronはインドのバンガロールに組立施設を建設した。当初、計画ではiPhone SEはインドで製造するはずだった。

似たような例として、Foxconnは2011年にブラジルに施設を開所した。しかしその結果は期待外れで、ブラジルでのデバイスの価格は米国よりもかなり高いものになってしまった。

しかし米国はAppleにとって鍵を握るマーケットであり、米国の輸入にかかる関税は重大な結果をもたらすことになりかねない。Bloombergによると、もし米国がスマホに10%の関税をかけることを決めたとしても、Appleは同じサプライチェーンを維持するだろう。関税が25%であれば、製造を中国外へ移すかもしれない。

全ての製造を中国外に移すのか、あるいは米国向けの製造のみを移すのかは定かではない。しかし、今のところ何も変わっていない。ただ幹部が“もし”を想定するゲームで遊んでいるだけだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

Confirmed VPNはVPN業界に透明性をもたらしたい

VPNの業界は、ひどいね。数ダースもの企業が、完全なプライバシーというありえない夢を、あなたに売り込もうとしている。でもそれは、真っ赤な嘘だ。Confirmed VPNは、VPN企業に説明責任を持たせることによって、この状況を変えようとしている。

関連記事: 今さら人に聞けないVPN入門…VPNの神話をはぎ取る

VPN企業は、あなたのデバイスと、どこかのデータセンターにあるサーバーとの間に暗号化されたトンネルを作る。トンネルの中にあるものを、誰も見ることはできないが、VPN企業は自分のサーバーの上で何でも見られる。

多くのいかがわしい企業が、このことを利用して、ユーザーの閲覧習慣を分析して広告主に売ったり、セキュリティのゆるいページに自分の広告を載せたり、ユーザーのアイデンティティを盗んだりしている。最悪の場合は、あなたのオンライン生活に関する大量のデータが当局の手に渡ったりする。

彼らはプライバシーポリシーで嘘をつき、その企業の役員などを紹介するAboutページすらないことが多い。そして大量の好評レビューや推薦の言葉を、金で買っている。

そんな彼らを、信じてはいけない。

だからVPNサービスは、インターネット上でユーザーをより安全にしない。むしろ、HTTPS Everywhereをインストールし、アドブロッカー(広告ブロック)をインストールし、そしてDNSをQuad9や、Cloudflareの1.1.1.1に設定した方が、接続の安全を確保できる。

さて、本題に戻ると、Confirmed VPNは新しいやり方でVPNサービスをやってみようとしている。Duet DisplayのRahul Dewanを元iCloudのエンジニアJohnny Linの二人は、この新しいサービスのクライアントとサーバー、両方のコードをオープンソースにしている。そして同社は、Amazon Web Services上で新しいコミットを自動的にデプロイしている。

同社はAWSのCloudWatchを使ってサーバー上の異常なアクティビティをモニタし、自分たちがログをダウンロードしたり、それに類することをやっていないことを、証明している。セキュリティのエキスパートは、同社が発行するリードオンリーの認証情報でAWSにログインできる。Confirmed VPNはまた、二つのセキュリティ監査に合格しており、バグバウンティプログラム(バグ発見者へのごほうび制度)もある。

セキュリティの専門家でないぼくは、Confirmed VPNを推奨することはできないし、依然としてVPNサービスは使うべきでないと思っている。でも、同社の透明性のあるやり方は、それ自身が興味深い。競合他社たちは、どう反応するだろうか。

関連記事: プライバシーへの不安が高まる今、15分で自分専用VPNサーバーを立ち上げてみた

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

マザーボード上のスパイチップ騒動に結論、Supermicroが起用した調査企業がその存在を否定

主にサーバー機やゲーム機用マザーボードのメーカーSupermicroが、同社の顧客に送った書簡で、同社のマザーボード上に悪質なチップがある証拠は見つからなかった、と言っている。同社はサードパーティのNardello & Co.に、Supermicro製ハードウェアの厳密な検査を委嘱していた。

10月4日に、Bloombergの記事が、中国のスパイがSupermicroのマザーボードに小さな悪質なチップを隠した、と主張した。それらのチップは、サーバーボードに載って、最終的にはAmazonやAppleなどSupermicroの顧客が運用しているデータセンターへ行くだろう。

その記事はたちまち激しい論争を喚(よ)んだが、そのことを確証できる者は一人もいなかった。AppleとAmazonは複数の反論を発表し、その評判を守ろうとした。

Supermicroは直ちにその記事を否定し、外部の調査会社を起用した。多くの顧客もまた、複数の検査を行った。Nardelloは、現在生産されているマザーボードと、過去にAppleとAmazonに納品された機種を検査した。また、ソフトウェアの怪しげな振る舞いについても、調べた。

今日(米国時間12/11)Nardelloは、それらのマザーボード上に悪質なハードウェアの証拠なはい、と結論した。

Supermicroの役員たちは書簡にこう書いている: “これらの嫌疑が報道されて以来何度も申し上げたように、いかなる政府機関も弊社の製品上に悪意あるハードウェアを見つけたと通知してきたことは一度もなく、いかなる顧客も弊社の製品上に悪意あるハードウェアを見つけたと告知していない。そして私たち自身も、弊社の製品上に悪意あるハードウェアの証拠を一度も見ていない”。

Bloombergはその後、記事の撤回、または、スパイチップがあるという有無を言わせぬ証拠の提示を行っていない。しかし被害は大きく、Supermicroの株は急落、最初の記事が出た直後には41%あまりも下げた。

関連記事: Apple、議会宛レターで「スパイチップ」記事を強硬に否定

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Molotovが、友人と一緒にテレビを観るためのVRコーヒーショップを作った

フランスのスタートアップMolotovは、徐々にフランスにおけるストリームテレビの、リーディングプラットフォームになりつつある。1つのアカウントで、ユーザーは、携帯電話、タブレット、コンピュータ、そしてセットトップボックス上でテレビを見ることができる。同社は、バーチャルリアリティヘッドセットを使ってテレビを見ることができるVRアプリを、リリースしようとしているが、そこには新しい工夫がある。

新しいサービスはMolotov Togetherという名前で、そして多くの点で面白い体験を提供する。私は数週間前に、このサービスの初期バージョンを試してみた。

当初私は、テレビをVRヘッドセットで観るというアイデアに対して、とても抵抗を感じていた。私は特にVRのファンではないし、多くのVRヘッドセットは既に、仮想現実内で動画を見ることを可能にしている。

多くの場合、結局落ち着く先は、仮想ルームの仮想壁上に投影されたWebブラウザの中で動く、YouTubeプレーヤーなのだ。しかしMolotovもそれは認識していて、動画の鑑賞は実際のテレビ上で見たほうがまだ良いということも分かっている。

Molotovの共同創業者でCEOのJean-David Blancが、Molotov Togetherのアイデアを私に説明し始めたとき、彼はまずライブで観るテレビについて話し始めた。

Netflixショーや膨大なiTunesライブラリの時代には、かつてはテレビを観るということが、何かをライブで観ながら、その瞬間を誰かと共有することを意味していたことを思い出すのは難しいかもしれない。いまでもアメフトの試合や、選挙の夜、その他の重要なイベントなどを通してそうした同時体験を行うことはできる。

そしてそのような場合には、隣の人間との会話やジョークは、コンテンツ自体と同じくらい重要なものとなり得る。

遠距離親友同士のためのテレビ

Molotovは、Molotov Caféという名の仮想現実コーヒーショップを作った。Molotov Togetherを使えば、ユーザーは1人または2人の友人を招待して、そのカフェで一緒にテレビを観ることができるようになる。全員が快適な仮想現実アームチェアに座って、お互いを見ることができる。

そこではそれぞれの人間が、自分が観てアクセスしたい全てのMolotovコンテンツのためにチャンネルを制御することが可能だ。各人が自分用のテレビを持っているからだ。しかしMolotov Togetherが本領を発揮するのは、全員が同じチャンネルを観るときだ。

そうすることで、全員が同じコンテンツを鑑賞し、ボイスチャットを使って一緒に話すことができる。何かのボタンを押したりする必要はない。気軽に座って一緒にコンテンツを見ることができる。

私はJean-David Blancと一緒にMolotov Togetherを試してみたが、それがそんなに上手くいくとは期待していなかった。まず、仮想的コーヒーショップに入ることは、大幅なコンテキストの変化を伴うため、少々奇妙に感じる。しかし、一度他の人とチャットを始め、見たものにコメントしてみると、まるで隣に並んで座っているような気持ちになってくる。

遠距離の親友や恋人たちは、デバイス上のSkypeやFacetimeで、同じ映画を観ることがある。Molotovはこのコンセプトを完璧なものにしたいと考えていて、このような場にいるひとたちはそのサービスを愛するようになるだろう。同様に、人気のテレビ番組に対するリアクションビデオを、人びとが観る理由もある。お気に入りの番組に対するジョークやコメントを聞くことで、お気に入りのコンテンツがさらに充実したものとなるのだ。

マインドトリック

Molotov Togetherのような製品は、それを背後で支えるチームが細部に注意を払っていないとうまくいかない。私はOculus Goを使ってMolotov Togetherを試したが、アプリは最終的にはすべての主要なVRヘッドセットで動作するはずだ。

Molotov Togetherはマルチプレイヤー体験だ。ビデオゲームと同様に、皆が同じものを同時に見る必要がある。もし贔屓のチームがゴールを決めたのに、自分の見ているフィードが5秒遅れだったら、そいつは面白くないだろう。それこそが、ビデオフィードを完全に同期させるために、Molotovが2人の人間が同じCDN(コンテンツ配信ネットワーク)からストリーミングを受信するようにしている理由なのだ。

仮想テレビの音量をコントロールできる一方で、友人たちの声もまた空間の中に位置づけられている。たとえ友人たちの声が似通っていたとしても、見ることなしに誰が喋っているかを知ることができる。

コーヒーショップからリビングルームまで

Molotov Togetherは2019年2月にリリースされる予定だ。互換性のあるVRヘッドセットを持っているMolotovユーザーなら、そのサービスにアクセスできるようになる。

同社はその後、新しい機能をリリースしていきたいと考えている。特にMolotovは、ユーザーが自身の仮想リビングルームに人びとを招いて、ユーザーの流すテレビを観ることができるようにする予定だ。この場合はホストがテレビを操作し、プレミアムコンテンツをストリーミングすることができる。ゲストたちはサブスクリプションを行っていなくてもそのプレミアムコンテンツを観ることができる。フランスの規制当局の反応を見るのが楽しみだ。

Molotovは現在、フランスに約700万人のユーザーを抱えている。毎日120万人のユーザーがMolotovで何かを観ていて、放映されるコンテンツはのべ110万時間にも及ぶ。想像できるように、こうしたMolotovセッションはかなり長くなる可能性がある。

この新製品によって、Molotovは自身がコンテンツ会社と競合するテクノロジー企業であることを証明している。Molotov Togetherは会社の顔を変えることはない。しかし、スタートアップはテレビを見る新しい方法の模索を続けている。そしてそのことが、競合相手よりも優位な位置に立つには十分かもしれない。

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(翻訳:sako)

Duet Display 2はハードウェアアクセラレーションを使って効率アップ

Duet DisplayはiPadをMacのセカンドモニターにするアプリだ。このほど大幅に効率を高めるメジャーアップデートを行った——CPU使用量が減り、本物の外部ディスプレーとして認識されるようになった。

Duet Displayを過去数年間使ってきた人は、改善ではなく改悪となる変化を経験しているかもしれない。ある時AppleがmacOSを改訂してDuet Displayの方法を使えなくしたからだ。

Duet Displayは代替手段としてAirPlayを使うしかなかった。その結果アプリの機能は限られ、上下に黒いバーの入る16:9画面がいくつか使えるだけになった。

しかしそれは過去の話で、Duet DisplayはGPUアクラレーションを活用する方法を発見した。これは、あなたのiPadがmacOS設定にディスプレーとして現れることを意味している。消費電力も小さくなるはずだ。私の経験では通常の外部モニターにずっと近くなった。移動が多く大画面を必要とする人には優れた解決策だ。

Luna Displayはハードウェアドングルを使って同じことをしてきた。Duet Displayはこのアップデートでライバルに追いつこうとしている。

バージョン2.0へのアップデートは無料。iPadとMacの両方に最新バージョンをダウンロードすること。新規ユーザーはDuet Displayを10ドルで購入できる。年間20ドルまたは25ドルの追加料金を払うと、ワイヤレス接続やApple Pencilサポートなどの追加機能が利用できる。

アップデート:Duet DisplayがLuna Displayについてこう言っている:

[誤解のないように言うが、追いついたのではない。うちの方が速いしすべてソフトウェアで価格はほぼ10分の1。つまりLunaは時代遅れだ。]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook