革新的アプローチでバニラ栽培に挑戦するVanilla Vidaが量産へ向け約13億円調達

バニラは確かに 「世界で最も人気のフレーバー 」だ。しかし、その人気とは裏腹に、製造は非常に複雑で、多くの人が本物ではなく合成バージョンを手にすることが多い。

私たちが消費するバニラの約70%はマダガスカルで栽培されているが、最近の気象ニュースを見ると、マダガスカルはこの10日間に1つではなく、2つのサイクロンに見舞われた。これは「今」だけの問題ではなく、この地域は20年近くも嵐や劣悪な生育環に悩ませられていて、バニラの価格が1キロあたり25ドル(約2880円)から数百ドル(数万円)へと上昇する原因となっている。

Vanilla Vida(バニラ・ビダ)のCEO、Oren Zilberman(オレン・ジルバーマン)氏によると、気候変動の高まり、天然バニラビーンズの不安定な供給、バニラ栽培が労働集約的であることなどが、私たちが消費するバニラの95%が合成である理由だ。

イスラエルに拠点を置くVanilla Vidaは、革新的なアプローチでバニラの生産に挑戦している数少ない企業のひとつだ。他には、バニラを作るのにトウモロコシの繊維に含まれる酸を抽出するプロセスを開発したSpero Renewables(スピロ・リニューアルブル)や、レタスでバニラの味と香りを作り出す方法を研究しているPigmentum(ピグメンタム)などがある。

Vanilla Vidaの場合、ジルバーマン氏のルーツが農業であることから、より直接的な農業のアプローチをとっており、垂直統合とサプライチェーンの技術を開発し、天然のバニラを制御された環境で栽培できるようにしている。

同社は2019年、オランダで行われたバニラ栽培の研究実験の失敗に端を発するアイデアでスタートした。研究でうまくいった部分を取り入れ、基本的にサプライチェーン全体を破壊するために、栽培と加工の分野にもそれを応用した。

「私たちを過去よりも前進させたのは、製品の品質という顧客に価値を与える重要なマイルストーンに到達することでした」と、ジルバーマン氏はTechCrunchに語った。

2020年にイスラエル企業StraussのアクセラレーターであるThe Kitchenで正式に会社を立ち上げて以来、チームはエンゲージメントに注力し、顧客とつながってきた。それをジルバーマン氏は「初期スケール」と呼んでいる。

「良いニュースは、能力よりも需要があることですが、拡大は最も困難な部分であり、今まさに我々はそこにいます」と同氏は付け加えた。

目標は、スマートファームや空調管理された温室での高度なバニラビーン栽培方法を通じて、バニラのサプライチェーンにおける量、品質、コストの安定性をエンドツーエンドで提供することだ。

規模拡大を図るため、Vanilla VidaはOrdway Selectionsがリードし、FoodSparks、PeakBridge PartnersのNewtrition、キブツのMa’agan Michaelが参加したシリーズAラウンドで1150万ドル(約13億円)を調達した。

今回のラウンドで、Vanilla Vidaが現在までに調達した総額は約1500万ドル(約17億円)になった。ジルバーマン氏によると、倍の額を調達する機会もあったほど投資家は同社の技術に非常に期待していたが、ゆっくりと時間をかけて、会社の正しい成長を支える戦略投資家を選ぶことにした。

一方、2021年には20社超とパイロットプログラムを実施した。

「当初、Vanilla Vidaのことを知る潜在顧客はほぼ皆無でしたが、プロダクトの品質を目にしたことで、こんな高品質なものを今日まで見たことはない、という声を耳にしています」とジルバーマン氏は話した。

顧客は、同社がまだサポートできないような量を求めている。しかし、今回調達した資金によって、同社は研究開発や技術をより深く追求することができ、また、ジルバーマン氏が間もなく登場すると言う競合他社の参入の障壁をより高くすることができる、と同氏は述べた。

資金はまた、まずイスラエル、その後アメリカやヨーロッパに設ける実験施設や雇用、そして最大手の食品メーカーやフレーバーハウスである顧客との取引に使われる予定だ。

Vanilla Vidaはまだ新技術に取り組む新しいプレーヤーだが、同社は2023年に生産量を増やし、2024年か2025年からバニラのサプライチェーンに目に見える変化をもたらすとジルバーマン氏は予想している。

「施設の建設と、ウガンダやパプアニューギニアなどバニラを栽培している国の既存の農家との取り組みの継続という、2つの大きな最初の動きが同時に起こるでしょう」と同氏は付け加えた。

画像クレジット: Vanilla Vida / Vanilla beans being grown in a climate-controlled environment

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(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi

パーミッションを簡単にするPermit.ioが約7億円を調達

Permit.ioはパーミッションのシステムをプロダクトに組み込むためのフルスタックの認可(Authorization)フレームワークを提供するスタートアップだ。同社は米国時間2月15日、シードラウンドで600万ドル(約6億9400万円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはNFXで、以前に投資していたRainfall Venturesと多数のエンジェル投資家も参加した。参加したエンジェル投資家にはAqua Securityの共同創業者でCTOのAmir Jerbi(アミール・ジェルビ)氏、Snyk共同創業者のDanny Grander(ダニー・グランダー)氏、LaunchDarklyの共同創業者でCTOのJohn Kodumal(ジョン・コデュマル)氏などがいる。

Permit.ioを創業したのは、Rookoutの共同創業者でCEOだったOr Weis(オー・ウェイス)氏と、FacebookおよびMicrosoftのエンジニアだったAsaf Cohen(アサフ・コーエン)氏だ。

ウェイス氏は筆者に対し、次のように語った。「私はRookoutでアクセスコントロールを5回も作り直しました。1回は仕方ないとして、あとの4回はおそらく無駄ですね。このことをアサフに話すと、2人ともアクセスコントロールを何度もゼロから開発したことをすぐに思い出しました。(中略)すべての開発者をいつも困らせている問題であり、私たちはこれを解決したいと思っています」。

同氏は、この問題がさらに深刻になっていることも指摘した。マイクロサービスが成長し、ユーザーが操作する代わりにお互いに連携しあうアプリの数が増えているのが、その一因だ。

画像クレジット:Permit.io

LaunchDarklyのコデュマル氏は「フィーチャーフラグと同様に、パーミッションは開発者が何度も設定しなくてはならないものでした。Permit.ioによる認可は、この苦労をきっぱりと終わりにします。これを組み込むだけで完了です。シンプルでエレガントで、時間を節約できるソリューションです」と述べている。

Permit.ioはオープンソースのOPALプロジェクトをベースに開発されていて、開発者はこのインフラと開発者向けツールを使って認可を管理できる。さらにバックオフィスサービスで開発者だけでなく組織内のほぼ全員がパーミッションを管理できるようになる。開発者にとってはサービスがコードからポリシーを切り離すので、アクセスポリシーをアプリに明示的に組み込む必要がなく、後々の柔軟性も大幅に増す。

画像クレジット:Permit.io

Permit.ioは認証(Authentication)ではなく認可に特化しているので、Auth0やCognito、Oktaなどのプロバイダとも連携できる。ウェイス氏は「何が標準であるかを社会が合意している認証やアイデンティティ管理とは異なり、認可は現在も進化し変化し続けています。認可に関するスタックはこれからも進化すると考えています。我々がすでに対応しているOpalなどの他、これから対応しようとしているグラフベースのアプローチであるGoogleのZanzibarのようなものもあります。(中略)。進化し続けているものであるため、我々はそうした変革から、そしてその変革についていくことの難しさから顧客を自由にしようとしています。我々のソリューションにより、市場がベストであると判断したものを利用できるのです」と説明した。

NFXのゼネラルパートナーであるGigi Levy-Weiss(ジジ・レヴィ・ワイス)氏は次のように述べている。「Permit.ioの創業チームは、どこが壊れていて修復する必要があるかを見るだけでなく、まったく異なる新しい現実を予見するユニークなビジョンを持っています。現在のエンジニアが何に対処しているか、そして組織に与える影響を理解することで、Permit.ioはエコシステムを再編し、アクセスコントロールを通じて安全に連携するソリューションを構築することができました」。

画像クレジット:Simon McGill / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)

ユーザーと近くのライブイベントのマッチングのためSnapchatがTicketmasterと提携

Snapchat(スナップチャット)はTicketmaster(チケットマスター)と提携し、ユーザーがマップ内でライブエンターテインメントイベントを発見する新しい方法を開始すると、米国時間2月16日に発表した。この新機能は、新しいアプリ内のMini(ミニ)からアクセスできるようになる。Snap Minisは、Snapchatのチャットセクション内にあるサードパーティプログラムだ。新しい「Ticketmatcher Mini(チケットマッチャーミニ)」は、ユーザーの好みに基づいて、興味を持ちそうなイベントとマッチングする。

まず、ユーザーはアプリのチャットセクションにあるロケットアイコンからTicketmatcher Miniにアクセスすることができる。そこで簡単なアンケートを実施し、ユーザーの興味関心を探る。その後、アプリは、ユーザーの好みに基づいて提案されたイベントを表示し、左右にスワイプしてブラウズすることができる。同社はこれを、パートナーではなく、興味深いイベントとユーザーをペアリングする、新しいデートアプリと見なしている。

興味のあるイベントが見つかったら、友達が同じイベントにマッチングしているかどうかを確認することができる。また、そのイベントに友達を招待したり、チャットでゲストリストを作成したりすることもできる。また、ユーザーは自分のストーリーにイベントを投稿し、他の人が参加することに興味があるかどうかを確認することもできる。イベントが決まったら、チケット購入のためにTicketmasterのウェブサイトに移動する。

画像クレジット:Snap

また、マップの新しいレイヤーで、近くの会場で開催されるイベント情報を閲覧することができる。同社は、新機能「レイヤー」を通じてマップにパートナーを統合するのは今回が初めてであると述べている。同社のレイヤー機能は、Snapchatが選んだいくつかのデベロッパーパートナーのデータを直接マップに追加し、ユーザーが特定の見方で世界を見ることができるようにするものだ。

新しいTicketmatcher Miniは、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、メキシコ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国を含む21カ国で展開されている。

今日の発表は、Snapchatが、プラットフォームが最大のクリエイターと呼ぶ、申請制のスナップスターのために、スナップストーリー中のミッドロール広告を導入する計画だと発表した数日後に行われたものだ。Snapchatの広報担当者はTechCrunchに、この機能はまだ米国に拠点を置くクリエイターの小規模なセットのための非常に初期のベータ版であるが、プラットフォームは今後数カ月スナップスターにそれをより広く展開する予定であることを語った。これらの広告は、ストーリー内のミッドロール広告として表示され、クリエイターは広告収入のシェアを獲得することになる。その支払いは、投稿頻度や視聴者のエンゲージメントなどの要素を加味した支払い方式で決定される。

画像クレジット:Snap

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

自律走行トラック輸送のWaymo Via、新たな提携で20万の荷主・輸送業者へのアクセスが可能に

Waymo(ウェイモ)の自律走行型トラック輸送・貨物部門であるWaymo Viaは、商業化に向け長期的な戦略パートナーをまた1つ確保した。

Waymo Viaは、荷主と輸送会社をつなぐ貨物物流技術サプライヤーであるC.H. Robinson(C.H. ロビンソン)と、今後数カ月以内にC.H. Robinsonの顧客の1社向けに、Waymoの試験車両がテキサス州で貨物を輸送する試験運用を開始すべく準備を進めている。

この試験運用は、あらゆる運送業者が利用できるWaymoのAV技術と、C.H. Robinsonの300万超のトラック運送レーンに関する物流データおよび約20万の荷主と運送業者のネットワーク(その多くはWaymoが関心を寄せる中・小の運送業者)へのアクセスを組み合わせることを目的とした、両社のより大きな提携の一部だ。

「この提携は、北米全域でAVがどのように、どこで発展し、どのように運送業者をサポートするかに影響を与える可能性を秘めています」とWaymoの広報担当者はTechCrunchに語った。「Waymo Viaは、安全性と効率性を最適化する自律型ソリューションを提供します。C.H.Robinsonは、物流業界特有のニーズのために技術を進化させ、荷主と運送業者にとって最も利益があるところに適用するのをサポートするために、十分な物流の専門知識とデータをもたらします」。

Waymo Viaは1月、運送会社のJ.B. Hunt(J.B.ハント)が、Waymoが今後数年以内に実現すると予想している完全自律型貨物輸送ルートの最初の顧客になると明らかにした。2021年末にWaymo ViaはPeterbiltの大型トラックでUPSの貨物を輸送するという延長されていた試験運用を終了した。

2月16日に発表されたこの最新の提携では、今後数年にわたってC.H.Robinsonの顧客と複数の試験運用を実施する予定だ。WaymoもC.H. Robinsonも、使用する車両台数、試験運用の開始時期、期間など、初期パイロットに関する具体的な情報は共有しなかった。ただし、試験運用はダラスからヒューストンへの輸送レーンに沿って行われると述べた。

C.H. Robinsonとの提携は、Waymoに新しいビジネスモデルであるDriver-as-a-Service(ドライバー・アズ・ア・サービス)を柔軟にする機会を与える。ここには、WaymoのAVシステムであるWaymo Driver向けに設計・装備されるトラックを製造する、Daimler Truck(ダイムラー・トラック)などOEMとの提携が含まれる。目標は、輸送業者やフリートがこれらのトラックを購入することだ。このトラックには、自動運転トラックに必要なすべてのハードウェアが搭載され、Waymo Viaはハードウェアとソフトウェアの継続的なサポートとサービスを提供する。

要するに、Waymoはフリートを組み立て、所有し、運用しようとしているのではない。Waymo Viaのトラック事業商業化責任者であるCharlie Jatt(チャーリー・ジャット)氏は2月15日の記者会見で「Waymo Driverを搭載したトラックを、業界のオプションとして提供したい」と述べた。「そして、C.H. Robinsonのような貨物・物流の専門企業が本当にその技術を活用してビジネスを改善し、荷主顧客へのサービス提供でそれらの資産を運用することができるようになります」。

Waymoは、フェニックスでのロボタクシーサービスを通じて、完全自律走行車を商業的に実行可能な規模にした経験があるが、Waymo Driverを貨物に適用するのに最も適した場所については、まだ学ぶべきことがたくさんある。そのためC.H. Robinsonとの提携は有益だ。両社は長距離トラック輸送は、特に人間のドライバーを確保するのが難しいため、自律走行ドライバーを最も必要としている分野だという仮説を立てており、C.H. Robinsonのデータはその仮説を確かめるのに役立つ。

C.H. Robinsonにとっては、Waymo Viaとの提携は単に技術のためのAV技術導入にとどまらない。C.H. Robinsonの最大の関心事は、運送会社がビジネスの効率性を見出すのを支援することであり、それはドライバー不足の影響で苦労している自社の顧客にさらなる効率をもたらす。

C.H. Robinsonの最高コマーシャル責任者であるChris O’Brien(クリス・オブライエン)氏は、記者会見で次のように述べた。「年末に運送会社と行う典型的な会話は、『C.H. Robinson、来年のキャパシティはどうなっているのか』というものです。そして、その約束に基づいて、運送会社は雇用、そしてトラクターやトレーラーのリースや購入を決定するのです。ですから、我々は自律走行を、他とは違う、効率的で省力化され、ドライバーを短距離輸送に充てることができるオプションを提供できる、もう1つの方法だと考えています」。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

2024年発売予定の新型電動4ドアGT「Polestar 5」は軽量で高剛性のアルミニウム接着構造プラットフォームを採用

2024年末に発売されるPolestar 5(ポールスター5)は、それ以前のモデルとはまったく異なる作りになるようだ。スウェーデンに本拠を置く電気自動車メーカーのPolestar(ポールスター)は現地時間2月15日、今後登場するこの電動パフォーマンス4ドアGTが、Polestar 1や2のようなスチール溶接ではなく、まったく新しい軽量なアルミニウム接着構造プラットフォームを採用すると発表した。

画像クレジット:Polestar

アルミニウムを溶接すると一般的に降伏強度が半分になるため、同じ性能を得るためには2倍の材料を使用しなければならず、そもそも軽量な金属を使用する目的が失われてしまう。一方、アルミ製の部品を接着(ネジや接着剤で取付)すると、材料の使用量は減るが、生産時間は長くなる。

「接着剤を硬化させるためのサイクルタイムは、一般的な溶接セルと比較するとかなり長くなります」と、Polestarの車両エンジニアリング担当ディレクターであるSteve Swift(スティーブ・スウィフト)氏はEngadgetにメールで語り「製造の一貫性をコントロールする戦略は、従来の製造方法とは大きく異なります」と続けた。

アルミニウムを使用することによる素材の優位性を維持しつつ、部品を接着することによる生産上の不利を最小限に抑えるために、Polestarのエンジニアリングチームは、ボディとプラットフォームを一斉に組み立てる、より高速な製造プロセスを開発した。

画像クレジット:Polestar

「プロジェクトの初期段階で、我々が求める運動性能を実現するために必要な構造剛性の目標値を固めることができました」と、スウィフト氏は述べ、ユニボディ構造の利点を説明する。

「そのため、性能を実現するために後から設計を変更する必要はなくなります」と、同氏は認めている。「従来の戦略では、プラットフォームとボディの性能に対する貢献度がアンバランスであることが判明した場合、妥協や修正が必要になります」。

この設計による時間短縮の効果はすでに生まれており、開発開始からわずか18カ月で、初期段階の一連の試作品を製造・納入することができたという。スウィフト氏は、このプロセスによって「必要となる一部の生産ツールの製作期間も短縮できる」と期待している。さらに、Polestarは火曜日の発表で、5は「伝統的な2人乗りのスポーツカーやスーパーカーよりも優れたねじり剛性を持つように設計されている」と言及し「より小さなセグメントの車よりも軽い重量になることが予想される」と述べている。これによって移動する車両の質量が減るため、航続距離が伸び、ハンドリングも改善されるはずだ。

画像クレジット:Polestar

この技術は、Polestar 2の生産にさかのぼって適用することはできないが、Polestar 5での成功をきっかけに、将来のプロジェクトにも適用される可能性はある。「まだ何も研究開発していませんが、私たちはその可能性を夢見ています」と、スウィフト氏は語っている。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したAndrew Tarantolaは、Engadgetの編集主任。

画像クレジット:Polestar

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(文:Andrew Tarantola、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ウクライナの国防省・銀行・軍施設にDoS攻撃発生、ロシアは関与を否定

ウクライナの国防省・銀行・軍施設にDoS攻撃発生、ロシアは関与を否定

Valentyn Ogirenko / Reuters

平和の祭典オリンピックの裏で緊迫した情勢が続くウクライナに対し、サイバー攻撃が増加しています。サイバーセキュリティ企業Netblocksなどの報告によると、2月15日にはウクライナの国防省や2つの銀行、郡のウェブサイトなどに対してロシアが関与するとみられるDoS攻撃が発生しました。

DoS攻撃とは、特定のサーバーやネットワーク上のサービスに対して過剰な負荷がかかるように仕向けてサービス停止状態に追い込む攻撃手法のこと。

また。BuzzFeedのクリストファー・ミラー氏は、ウクライナ現地の一部ATMや銀行サービスが利用しにくくなると行った問題が攻撃の影響で発生し、人々に影響を及ぼしていると述べています。

攻撃そのものはロシアが直接行ったものではない模様ですが、CNNはセキュリティ専門家の見立てとして、ウクライナ国民への嫌がらせ行為や士気を削ぐための広範かつ組織的活動の一環ではないかと伝えました。ただ、それは一部メディアが警告するような、ウクライナ侵攻の直接的な前触れとしての軍事的または物理的被害をもたらすためのサイバー攻撃とは趣が明確に異なると指摘もしています。

むしろ、このサイバー攻撃にロシアが積極的に関与しているとすれば、それはウクライナに対してNATOへの加盟を見送るなどの譲歩を引き出すための圧力をかけるのが目的ではないかとの考えが有力とのことです。なお、ロシア側は当然、サイバー攻撃など実施してはいないと否定しています。

(Source:Netblocks。Via GizmodoEngadget日本版より転載)

フォード、車内アクセサリーを自分で作れる3Dプリント用CADファイルを公開

Ford(フォード)は、ハイブリッド・ピックアップトラック「Maverick(マーベリック)」を発表した際に、3Dプリントで自分のオリジナルなアクセサリーを作成できるようになる可能性を予告した。その約束は守られたようだ。3D Printing Industry(3Dプリンティング・インダストリー)とNewsweek(ニューズウィーク)によると、フォードはマーベリックのセンターコンソール後方に備わるFord Integrated Tether System(FITS、フォード・インテグレーテッド・テザー・システム)スロットと、シート下の収納ボックスに対応する追加アクセサリーを3DプリントするためのCADファイルを公開した。これを使ってオーナーは、お気に入りの飲み物に合わせたカップホルダーや、所有する最新型スマートフォンに合った電話機ホルダーなどを、自分で作ることができる。

もっとも、フォードの動きは遅れていると言ってもいいだろう。マーベリックが発売されてから数カ月の間に、すでに愛好家たちがFITSに合わせたアクセサリーをデザインしている。ダッシュボードの棚や、フォード車以外でFITSアクセサリーを使うための非公式なFITSスロットさえ見つけることができる。とはいえ、公式ファイルがあれば、それだけアクセサリーの作成は容易になるはずで、ユーザーによるデザインが急増しても不思議ではない。

画像クレジット:Ford

同社は既製のFITSアクセサリーの販売にも積極的だ。しかし、デザインマネージャーのScott Anderson(スコット・アンダーソン)氏がNewsweekに語ったように、フォードが3Dプリントをサポートするということは、同社のユーザーに対する態度の「かなり大きな変化」を意味する。これは、自分でアクセサリーを作る人が増えていること、そして自動車のカスタマイズには、性能向上のためのチューニングや、見た目のドレスアップだけではなく、それ以上のものが含まれると、同社が認知していることの表れだ。フォードがアクセサリーの販売で失うものは、同ブランドの車を再び購入してくれる忠実なファンとして還ってくるかもしれない。

画像クレジット:Alex Kalogianni

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォード、車内アクセサリーを自分で作れる3Dプリント用CADファイルを公開

Ford(フォード)は、ハイブリッド・ピックアップトラック「Maverick(マーベリック)」を発表した際に、3Dプリントで自分のオリジナルなアクセサリーを作成できるようになる可能性を予告した。その約束は守られたようだ。3D Printing Industry(3Dプリンティング・インダストリー)とNewsweek(ニューズウィーク)によると、フォードはマーベリックのセンターコンソール後方に備わるFord Integrated Tether System(FITS、フォード・インテグレーテッド・テザー・システム)スロットと、シート下の収納ボックスに対応する追加アクセサリーを3DプリントするためのCADファイルを公開した。これを使ってオーナーは、お気に入りの飲み物に合わせたカップホルダーや、所有する最新型スマートフォンに合った電話機ホルダーなどを、自分で作ることができる。

もっとも、フォードの動きは遅れていると言ってもいいだろう。マーベリックが発売されてから数カ月の間に、すでに愛好家たちがFITSに合わせたアクセサリーをデザインしている。ダッシュボードの棚や、フォード車以外でFITSアクセサリーを使うための非公式なFITSスロットさえ見つけることができる。とはいえ、公式ファイルがあれば、それだけアクセサリーの作成は容易になるはずで、ユーザーによるデザインが急増しても不思議ではない。

画像クレジット:Ford

同社は既製のFITSアクセサリーの販売にも積極的だ。しかし、デザインマネージャーのScott Anderson(スコット・アンダーソン)氏がNewsweekに語ったように、フォードが3Dプリントをサポートするということは、同社のユーザーに対する態度の「かなり大きな変化」を意味する。これは、自分でアクセサリーを作る人が増えていること、そして自動車のカスタマイズには、性能向上のためのチューニングや、見た目のドレスアップだけではなく、それ以上のものが含まれると、同社が認知していることの表れだ。フォードがアクセサリーの販売で失うものは、同ブランドの車を再び購入してくれる忠実なファンとして還ってくるかもしれない。

画像クレジット:Alex Kalogianni

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

暗号資産は「ねずみ講」に類似、禁止が「おそらく最も望ましい選択」:インド中銀

インド中央銀行の高官は、暗号資産を「ねずみ講」になぞらえ、極めて厳しい批判とともに全面的な禁止を示唆した。インド政府はわずか数週間前に、世界第2位のインターネット市場である同国で仮想デジタル資産への課税を提案し、法定通貨として認める道を開いたばかりだ。

インド準備銀行(RBI)副総裁のT. Rabi Sankar(T. ラビ・サンカー)氏は会議で、暗号資産は「規制された金融システムを回避するために特別に開発された」もので、基盤となるキャッシュフローに裏付けられていない、と語った。

「私たちはまた、暗号資産が通貨、資産、商品として定義できないこと、基盤となるキャッシュフローがないこと、本源的価値がないことから、ねずみ講に似ているか、もっと悪いものだと見ています」とサンカー氏は語った。

サンカー氏の発言は、インド政府が仮想デジタル資産を法定通貨として認める方向で動く中でのものだ。同国の財務相Nirmala Sitharaman(ニルマラ・シタラマン)氏は2月上旬の連邦予算で、暗号資産とNFT(非代替性トークン)の譲渡によって発生する所得への課税を提案した。

インドでは2021年、規制の不透明さにもかかわらず、暗号資産とNFTの販売が急速に広まった。調査会社Chainalysisの分析によると、世界第2位のインターネット市場であるインドでは、暗号資産投資の導入率が2番目に高い。

「こうした取引の規模と頻度から、特定の税制を設けることが不可欠になっています」とシタラマン氏は予算演説で述べた。

インド中銀はこれまで、暗号資産に対して非常に慎重だった。2018年には、金融会社が暗号資産を扱うことを禁止した。この禁止令は2年後、インド最高裁によって覆されたが、ほとんどの銀行はRBIの指示に従い続けてきた。

シタラマン氏は2月14日、政府とRBIがルール策定に向けて話し合いを行っており、両者は「準備を進めている」と述べた。

サンカー氏の演説により、RBIが長年のスタンスを変えていないことが明らかになった。「ビットコインのような暗号資産は、価値貯蔵手段として、これまで印象的なリターンを生んできましたが、17世紀のオランダのチューリップもそうでした。暗号資産は、ねずみ講のような仕組みの投機やギャンブルの契約と非常によく似ています。実際、1920年にCharles Ponzi(チャールズ・ポンジ)が考案した元々のスキームの方が、社会的な観点からは暗号資産よりも優れているという議論もあります」と話した。

暗号資産は、通貨制度、通貨当局、銀行制度、そして一般的には政府の経済統制能力を「破壊」する可能性があるとサンカー氏は警告した。

「暗号資産は一国の金融主権を脅かします。通貨を作る民間企業や通貨を管理する政府による戦略的な操作の影響を受けやすくします。こうしたことから、暗号資産を禁止することが、おそらくインドに開かれた最も望ましい選択であるという結論に達しました」と同氏はいう。「私たちは、暗号資産を規制すべきだと主張する人々が提示した議論を検証し、基本的な精査にさえ耐えるものではないとの見解に至りました」。

画像クレジット:PUNIT PARANJPE/AFP / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

マイクロソフト、ハラスメント対策のためAltspaceVRのソーシャルハブをシャットダウン

Microsoft(マイクロソフト)は、AltspaceVRアプリ内でのハラスメント対策としていくつかの変更を加えると発表した。同社は米国時間2月16日付けで「Campfire」「News」「Entertainment Commons」のソーシャルスペースを削除した。これらのスペースは、AltspaceVRのユーザーが自由に集まり、互いに語り合うことができるハブだった。しかし、その自由度の高さゆえに、ハラスメントの問題が絶えなかった。

AltspaceVRのSafety Bubble(セーフティーバブル)機能は、デフォルトですべてのユーザーにとってオンになっている。これは、自分のアバターのパーソナルスペースに他の人が入ってこないようにバリアを作るものだ。また大事な点として、Microsoftによると、同アプリではこれから、新しい参加者が初めてイベントに参加したときに自動的にミュートになるとのこと。また、これらの変更を補完するために、モデレーションを強化し、イベントコンテンツの評価を改善することを同社は約束している。

今後数週間のうちに、Microsoftは、AltspaceVRにアクセスするために、Microsoftアカウントの使用を義務付けるという。その結果、保護者は同社のファミリーセーフティ機能を利用して、子どもがアプリ内で過ごせる時間を制限できるようになる。

MicrosoftのMR部門責任者であるAlex Kipman(アレックス・キップマン)氏は、次のように述べている。「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化していく中で、既存の体験に目を向け、それが現在および将来のお客様のニーズに適切に応えているかどうかを評価することが重要です。これには、人々が共通の関心事を持つ人々とよりよくつながることを支援すると同時に、彼らがアクセスする空間が不適切な行動やハラスメントから安全であることを保証することも含まれます」。

今回の変更は、他のVRプラットフォームがそれぞれのハラスメント問題に取り組んでいる中で行われた。2月初め、Meta(メタ)はHorizon WorldsPersonal Boundary(パーソナルバウンダリー、境界線)という機能を導入した。これは、AltspaceVRのSafety Bubbleのように、自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのを防ぐためのものだ。より広く解釈すれば、今回の変更は、Microsoftが何らかの形でメタバースの開発に取り組んでいることを示しているようにも見える。最近の報道では、同社のMR部門は、Metaのような競合他社にかなりの数の従業員を奪われたといわれている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

マイクロソフト、ハラスメント対策のためAltspaceVRのソーシャルハブをシャットダウン

Microsoft(マイクロソフト)は、AltspaceVRアプリ内でのハラスメント対策としていくつかの変更を加えると発表した。同社は米国時間2月16日付けで「Campfire」「News」「Entertainment Commons」のソーシャルスペースを削除した。これらのスペースは、AltspaceVRのユーザーが自由に集まり、互いに語り合うことができるハブだった。しかし、その自由度の高さゆえに、ハラスメントの問題が絶えなかった。

AltspaceVRのSafety Bubble(セーフティーバブル)機能は、デフォルトですべてのユーザーにとってオンになっている。これは、自分のアバターのパーソナルスペースに他の人が入ってこないようにバリアを作るものだ。また大事な点として、Microsoftによると、同アプリではこれから、新しい参加者が初めてイベントに参加したときに自動的にミュートになるとのこと。また、これらの変更を補完するために、モデレーションを強化し、イベントコンテンツの評価を改善することを同社は約束している。

今後数週間のうちに、Microsoftは、AltspaceVRにアクセスするために、Microsoftアカウントの使用を義務付けるという。その結果、保護者は同社のファミリーセーフティ機能を利用して、子どもがアプリ内で過ごせる時間を制限できるようになる。

MicrosoftのMR部門責任者であるAlex Kipman(アレックス・キップマン)氏は、次のように述べている。「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化していく中で、既存の体験に目を向け、それが現在および将来のお客様のニーズに適切に応えているかどうかを評価することが重要です。これには、人々が共通の関心事を持つ人々とよりよくつながることを支援すると同時に、彼らがアクセスする空間が不適切な行動やハラスメントから安全であることを保証することも含まれます」。

今回の変更は、他のVRプラットフォームがそれぞれのハラスメント問題に取り組んでいる中で行われた。2月初め、Meta(メタ)はHorizon WorldsPersonal Boundary(パーソナルバウンダリー、境界線)という機能を導入した。これは、AltspaceVRのSafety Bubbleのように、自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのを防ぐためのものだ。より広く解釈すれば、今回の変更は、Microsoftが何らかの形でメタバースの開発に取り組んでいることを示しているようにも見える。最近の報道では、同社のMR部門は、Metaのような競合他社にかなりの数の従業員を奪われたといわれている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

WhatsAppハッキング技術やスパイウェアの販売業者が罪を認める

メキシコ人実業家が2月15日、イタリアとイスラエルから米国とメキシコの顧客にスパイウェアとハッキングのツールを販売したことを米連邦裁判所で認めた。

米司法省によると、米国とメキシコで複数の企業を経営するCarlos Guerrero(カルロス・ゲレロ)容疑者は、シグナルジャマー(妨害電波発生装置)、Wi-Fi傍受ツール、IMSIキャッチャー(「スティングレイ」と呼ばれ、人の電話を追跡できるる)、「WhatsAppメッセージをハッキングする能力」を持つツールを両国の見込み客に販売した容疑の罪を認めた。

検察は、ゲレロ容疑者がメキシコ政府の顧客と、商用および個人的な目的でツールを使用する個人客の両方に対して、傍受・監視ツールの販売を仲介していたと告発した。検察は、メキシコの市長が政敵の電子メールやソーシャルアカウントに不正にアクセスできるよう、ゲレロ容疑者が「承知の上で手配した」と述べた。また、ゲレロ容疑者は、当時南カリフォルニアとメキシコにいた米国のライバルの電話を傍受するために、自ら機器を使用した。

2014年から2015年にかけて、ゲレロ容疑者は訴状ではA社としか言及されていないイタリア企業の販売業者として働き、検察はハッキング装置と位置情報取得ツールを販売していたと述べている。この会社は、攻撃的な侵入ツールを製造していたミラノ拠点のいまはなきHacking Teamであると考えられている。同社は2015年にハッキングされ、ゲレロ容疑者に言及する大量のメッセージを含む内部メールがオンラインで公開された。

ゲレロ容疑者は、自身の会社Elite by Cargaを使って、名前は伏せられているイスラエルなどの企業が開発したハッキングツールを輸入していたことでも起訴されている。起訴状には、WhatsAppのメッセージをハッキングできる会社を含め、他のハッキングツールメーカーの名前はなかった。

メキシコで最も頻繁に使用され、支持されているハッキングツールの1つは、イスラエルのNSO Groupが開発した強力なモバイルスパイウェア「Pegasus」で、標的とするデバイスのデータにほぼ完全にアクセスすることができる。メキシコは過去20年間、約6100万ドル(約70億円)を投じて契約し、しばしばジャーナリスト、活動家、人権擁護者をターゲットにしてきた。NSOが繰り返し否定している、NSOの監視対象とみられる電話番号の流出リストによると、メキシコはリストの中で最も多くの電話番号(約700台)を標的にしているという。

NSOは、WhatsAppを使って個人の電話をハッキングできるとされる複数のイスラエル企業の1社だ。現在、WhatsAppの以前公開されたエクスプロイトを使って市民社会のメンバーが所有する電話1400台をハッキングしたとしてFacebookとの法廷闘争に巻き込まれている。NSOはかねてより、スパイウェアの販売先は法執行機関や諜報機関に限られるとし、Pegasusは米国の電話番号を標的とできないと繰り返し主張してきたが、米国内で外国の電話番号を標的にできることは知られている。NSOは、米国に拠点を置くWestbridge Technologiesという子会社を通じて、Phantomという米国の法執行機関向けのほぼ同一のスパイウェアも提供している。

NSOに、同社の技術がゲレロ容疑者によって販売または取り扱われたかどうかを尋ねる電子メールを送ったが、返事はなかった。

「今日の罪を認める答弁は、抑圧に使われるデジタルツールの拡散を食い止め、米国とメキシコの両市民のデジタルセキュリティを向上させるものです」と、米連邦検事Randy Grossman(ランディ・グロスマン)氏は述べた。「我々は、悪意のあるサイバー活動を阻止し、違法な監視を抑制するために尽力しています」

サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙によると、ゲレロ容疑者の会社の技術部長Daniel Moreno(ダニエル・モレノ)容疑者もHacking Teamの電子メールで言及されており、来週、同様の答弁をする見込みだ。

画像クレジット: Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

Virgin Galacticの宇宙観光旅行チケットは2月16日から45万ドルで発売

宇宙に行きたくって45万ドル持ってる人は、明日(米国時間02/16)からチケットを入手できる。Virgin Galacticが同社の準軌道スペースプレーンの予約席を売るのだが、同社の言葉によるとそれは「完全会員制」であり、「お金では買えない体験」にアクセスできる。ただしそれは、45万ドル出せばお金で買える。

今のところ、予約で買える席は最大で1000までらしい。あるいはそれは、Virgin GalacticのCEO、Michael Colglazier氏の宇宙観光企業が、2022年の後半に開業したときに揃える席数かもしれない。またVirgin Galacticの約束では、50万ドル近くをポンと払って席を予約した人には、ニューメキシコ州のSpaceport Americaに宿泊施設をご用意し、「特製の旅行案内」と「ワールドクラスのアメニティ」をご提供するそうだ。

これらにさらに、90分の飛行がプラスされる。それは搬送用の航空機に縛り付けられたフェリーに乗ることに始まり、あなたが実際に体重ゼロになって宇宙の端から地球を見る「数分間」が含まれる。でも、今はたまたま15万ドルしかお金がない人も大丈夫。それだけで予約は確実に取れるし、残りはフライトの直前に払えばよい。

すごい、これなら宇宙は本当にみんなのものだ。

(文:Darrell Etherington、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Virgin Galactic

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機械学習でイノシシの出没確率を予測、森林総研と岩手県立大学が岩手県におけるイノシシ出没ハザードマップを作成

機械学習でイノシシの出没を予測、森林研究・整備機構森林総合研究所と岩手県立大学がイノシシ出没ハザードマップを作成

2017年~2019年の出没データを用いて作成したイノシシの出没予測図。この図をハザードマップとして用いることが可能。図中の細線は市町村界を示す

森林研究・整備機構森林総合研究所(⼤⻄尚樹氏)と岩手県立大学(今⽥⽇菜⼦氏、⼀ノ澤友⾹氏)の研究グループは2月15日、岩手県で分布域を拡大しているイノシシの出没を機械学習で予測するハザードマップを作成したと発表した。この手法は地域を限定しないため、他の地域にも応用が可能だという。

研究グループは、2007年以降の岩手県内のイノシシの出没データ(目撃・被害・捕獲情報をまとめたもの)を基に、種の分布モデル(種の分布を推定する手法)を用いた機械学習法により、出没予測図を製作した。また予測には、標高、植生、土地利用、人口、年間最大積雪深の5つの環境データ(国⼟地理院や政府が公開しているオープンデータを採用)を用いたが、このすべてを組み合わせて予測図を作ったところ、標高、植生、土地利用の3つを用いた場合がもっとも信頼度の高い予測図となった。

そして、最初の目撃例からの拡大期にあたる2007年から2017年の出没データを用いた予測図と、拡大を終え定着期に入り大きく出没件数が増えた2018年から2019年の出没データを用いた予測図とを比較したところ、予測確率が高い地域ほど出没が多いことがわかった。つまり、データ量が多いほど予測確率は高くなるということで、2019年までの全データを用いた出没予想図は、今後のイノシシ出没ハザードマップとして活用できるという。

岩手県内のイノシシの分布拡大の変遷。図中の□は5kmメッシュを示し、メッシュごとの目撃件数を色分けした

岩手県内のイノシシの分布拡大の変遷。図中の□は5kmメッシュを示し、メッシュごとの目撃件数を色分けした

2007年~2017年の出没データから作成した出没予測図に、2018年~2019年に実際に出没した5kmメッシュ(□)を重ねたもの

2007年~2017年の出没データから作成した出没予測図に、2018年~2019年に実際に出没した5kmメッシュ(□)を重ねたもの

この手法は地域を限定しないため、東北以外のイノシシの分布が拡大している地域でも、これを使って独自のハザードマップを作ることが可能だ。また、シカ、サル、クマなどの他の哺乳類にも応用が期待できるという。ただし、これはあくまで目撃や被害をもとにした「出没確率」であって、「生息確率」ではないため、人が関与しない場所で生息している可能性もあるとのことだ。

デジタルツインの社会実装を目指すDataLabsが1.3億円のシード調達、点群データの自動3次元モデリングツールを3月末公開

デジタルツインの社会実装目指すDataLabsが1.3億円のシード調達、点群データの自動3次元モデリングツール公開に向け体制強化

DataLabsは2月16日、シードラウンドとして、第三者割当増資による総額1億3000万円の資金調達の実施を発表した。引受先は、東京大学協創プラットフォーム開発、ディープコア。調達した資金は、点群データの有効活用に向けたプロダクト開発および機能の拡張、それらの開発に適したリサーチエンジニア・ウェブエンジニアなどの人材採用にあてる。

また同社は、点群データの「自動モデリングツール」、三次元データや二次元CAD図面の「クラウド型共有・可視化ツール」の2プロダクトのリリースを近日予定しているという。

まず2月末には、点群データ・三次元モデル・二次元CAD図面などを、誰でも閲覧・共有できる「点群三次元モデル可視化・共有ツール「Linked Viewer」を公開予定。URLの共有のみでブラウザー上で閲覧可能としており、生データをダウンロードすることもできる。デジタルツインの社会実装目指すDataLabsが1.3億円のシード調達、点群データの自動3次元モデリングツール公開に向け体制強化

 

もう1点は、3月末にリリース予定の「点群データの自動モデリングツール「Modely」(モデリー)。計測した点群データをDataLabsのプラットフォームにアップロードすると、クラウド上で自動解析するというもの。対象を画面上でクリックするだけで、自動で寸法精度100%(パラメトリックモデリングを採用した場合)の三次元モデルが完成する。

なお現在、Modelyの要素技術を用いて、現場での配筋状況の自動モデル化による検査の効率化などを目指した実証実験を東日本旅客鉄道と進めているそうだ。鉄道をはじめ、あらゆる施工現場における配筋検査等の効率化のため、全国の建設業界の企業などに向けてサービス展開も図るとしている。

2020年7月設立のDataLabsは、「デジタルツインの社会実装」を通じ最適化された社会の実現に資することをミッションとするスタートアップ。三次元計測のほか、点群データの自動三次元モデリング(BIM/CIM化など)、熱流体や気流、構造解析などの各種シミュレーション(CAE解析)機能をSaaSで展開。UI・UXを充実させ、デジタルツイン実現のハードルを極限まで低減するという。

船の自律航行技術開発を行うエイトノットが1億円調達、2025年までの社会実装目指す

船の自律航行技術開発を行うエイトノットがシードラウンドファーストクローズとして1億円調達、2025年までの社会実装目指す

船の自動運転技術開発スタートアップ「エイトノット」は2月15日、シードラウンドのファーストクローズとして、J-KISS型新株予約権方式による1億円の資金調達実施を発表した。引受先は、DRONE FUND、15th Rock Ventures、リアルテックファンド。累計資金調達額は1億5000万円となった。

2021年3月設立のエイトノットは、「ロボティクスとAIであらゆる水上モビリティを自律化する」をミッションに掲げる、自律航行技術開発スタートアップ。ロボティクス専門家集団による開発チームを擁し、実用的な技術を現実的なコストで、かつスピーディに開発可能としており、創業から半年で小型船舶向けの自律航行技術の開発と実証実験を成功させている。同社は、2025年の自律航行無人船の社会実装を目指し、事業活動を加速させるという。

調達した資金は、「ロボティクスおよびAIに精通したエンジニアリングチームの強化」「EVロボティックボートを活用した事業開発チームの強化」などにあてる。

調達した資金の主な用途

  • ロボティクスおよびAIに精通したエンジニアリングチームの強化
  • EVロボティックボートを活用した事業開発チームの強化
  • 自律航行機能を備えた小型船舶の開発
  • 遠隔監視システムの開発
  • 事業化を見据えた実証フィールドでの航行試験

昨今、陸の自動運転・空のドローンなど、モビリティの自律化・自動化技術は隆盛著しく、その動きは船舶など水上モビリティにも及んでいる。水上モビリティにおいても自律化による安全性・利便性・経済合理性の向上が見込め、とりわけ四方を海に囲まれた日本では、旅客・物流において新たな移動・輸送手段となることが期待されているためという。災害時に代替輸送手段として活用することも期待されている。

またグローバル市場、特に新興国の場合、都市部の交通渋滞が深刻な社会課題となっていることから、船運は重要な交通・輸送手段として活用が推進されている。

これら状況においてエイトノットは、ロボティクス・AIなど先端技術を活用した「水上モビリティのロボット化」をコンセプトとし、環境に配慮したEVロボティクスボートによるオンデマンド型水上交通を実現することで、課題解決に貢献するという。

Valveの携帯ゲームPC「Steam Deck」の分解動画をiFixitが公開、SSDやアナログスティックは交換しやすい設計

iFixitがValveの携帯ゲームPC「Steam Deck」の分解動画を公開、SSDやアナログスティックは交換しやすい設計

iFixit

「ハイテク製品が発売されたら直ちに分解」でおなじみの修理業者iFixitは、Valve社の携帯ゲームPC「Steam Deck」を分解する動画を公開しました。Valve社はSteam Deckを自ら修理しようとするユーザーに数々の問題が起こる可能性があると警告していましたが、iFixitはそれほどの注意は必要ないとの結果を示しています。

今回のレポートが興味深いのは、iFixitはSteam Deckの交換部品の正規代理店の1つとなると発表している事情もあります。つまり本家のValveが「 Steam Deckの内側を見てみましょう!(=ユーザーが分解してはいけない)」の動画を出しているのに、正規の業者が「ユーザーが分解しても大丈夫」と受け取られかねない実演を公開しているわけです。

さてiFixitが製品版のSteam Deckを分解したところ、ほぼ全ての部品に分かりやすいラベルが貼られている上に、ケースを開けて中身を見ることにさほど苦労していません。設計は十分にモジュール化されており、必要以上に部品を交換したり分解せずに、色々な箇所を修理できると分析されています。

またSSDはネジ1本を外すだけで交換でき、ディスプレイの取り外しも吸盤(画面を引っ張り上げる)と熱(ヒートガンなど)以外は必要ありません。

またValve社はアナログスティックについてドリフト問題(ユーザーが触れていないのに、勝手にスティックがふらつき(drift)入力されること)対策を強く意識していると語っていましたが、iFixitによれば3本のネジを外すだけで両方のスティックを交換できるとのこと。万が一ドリフトが起きたとしても、本体を修理に出さなくともユーザー自らが交換部品を取り寄せて付け替えしやすいわけです。

しかしバッテリーはかなり交換しにくく、USB-CポートとmicroSDスロットは基板にはんだ付けされているため、慎重に扱った方がよさそうです。

iFixitは総合的に見て、Steam Deckは他社の最新ノートPCよりも修理しやすいと評価しています。自分で大容量のSSDに交換したい人、スティックの調子が悪くなればすぐに取り替えたい人にとっては、理想の携帯ゲーム機となるのかもしれません。

(Source:iFixit(YouTube)Engadget日本版より転載)

東北大学、2050年の超高齢化社会を見据えた次世代介護ロボット研究開発拠点「青葉山リビングラボ」をオープン

東北大学、2050年の超高齢化社会を見据えた次世代介護ロボット研究開発拠点「青葉山リビングラボ」をオープン

東北大学は2月14日、超高齢化社会を担う介護ロボット機器やシステムの研究開発拠点となる「青葉山リビングラボ」を、東北大学青葉山キャンパスに開設したことを発表した。ここでは、2050年の未来を想定した画期的なアプローチと、近い将来に適用できる現実的なソリューションの両方を見据えた研究が行われる。2月21日にオンライン開催される第1回「東北Kaigo-Tech実践研究会」で正式公開される予定。

「リビングラボ」とは、厚生労働省の「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム事業」に参画する研究所のことで、現在青葉山リビングラボを含めて全国に8カ所が存在している。実際の生活空間を再現し、利用者が参加する形で新しい技術やサービスの開発を行う施設のことをいう。

青葉山リビングラボでは、250m2のスペースに介護施設と在宅介護の模擬環境を作り、3次元モーションキャプチャーシステム、床反力計測用フォースプレート、6軸力学センサー、環境認識用センサーなどの計測機器に、転倒衝撃を軽減する寄り添いロボット、ロボットアシストウォーカー、移乗サポートロボットなどの介護ロボットや介護装をが配備している。

東北大学、2050年の超高齢化社会を見据えた次世代介護ロボット研究開発拠点「青葉山リビングラボ」をオープン

これは、東北大学大学院工学研究科の平田泰久教授がプロジェクトマネージャーを務める科学技術振興機構「ムーンショット型研究開発事業」のうち、目標3の研究開発プロジェクト「活力ある社会を創る適応自在AIロボット群」が2050年に実現を目指す、誰もが積極的に社会参画できる社会の構築を支援するものだ。また同時に、2030年をめどとして、AIロボット群が人に寄り添う支援やサービスの介護現場での実証も目指している。

青葉山リビングラボでは、2050年に活用が期待される画期的なアプローチと、近い将来の実用化、市販化を見据えた研究開発、またそのスピンアウトや開発企業の支援とを両輪として、超高齢者社会の課題解決に取り組んでゆくとしている。

あらゆるアプリを「スーパーアプリ」に変えるAppboxoが約8億円を調達

ミニアプリとは、より大きなアプリの中で動作する軽量のプログラムのことで、ユーザーのエンゲージメントと収益の追加的な源泉として機能する。ミニアプリは、WeChat、Alibaba、Grabなどの「スーパーアプリ」によって普及した。しかし、すべての開発者がこれらのハイテク企業のリソースを持っているわけではない。シンガポールを拠点とするAppboxo(アプボクス)は、この競争の場を均等にしたいと考えている。このスタートアップのプラットフォームでは、ミニアプリを自分で作ったり、サードパーティの開発者向けマーケットプレイスであるAppboxo Showroomからミニアプリにアクセスしたりして、開発者は自分のアプリをスーパーアプリに変えることができるのだ。

GCash(ジーキャッシュ)、Paytm(ペイティーエム)、VodaPay(ボダペイ)などを顧客に持つAppboxoは、米国時間2月16日、RTP Global(RTPグローバル)が主導するシリーズA資金調達で700万ドル(約8億円)を調達したことを発表した。その他、最初の投資家であるAntler(アントラー)と500 Southeast Asia(500ソースイースト・アジア)に加え、SciFi VC(サイファイ・VC)、Gradient Ventures(グラディエント・ベンチャーズ)(GoogleのAIに特化したベンチャーファンド)、エンジェル投資家のHuey Lin(ヒュー・リン)氏とKayvon Deldar(ケイボン・デルダー)氏といった新しい支援者が参加した。

Appboxoは、2019年にCEOのKaniyet Rayev(カニエト・レイエフ)氏、CTOのNursultan Keneshbekov(ヌルスルタン・ケネシュベコフ)氏によって設立された。TechCrunchが最初に取り上げたのは2020年12月でシード資金を発表したときだった。現在、東南アジア、インド、南アフリカの10のスーパーアプリに採用され、400以上のミニアプリの統合をサポートしており、その大半はサードパーティの開発者によって構築されたものである。同社によると、統合されたユーザー数は5億人以上とのこと。

同社は、主に2つの製品を提供している。1つは、ミニアプリを構築・起動するためのSDKやAPIを備えたSaaSプラットフォーの「Miniapp」例えば、モバイルウォレットは、フードデリバリー、ショッピング、レストラン予約などのミニアプリを統合することができる。

2つ目は、約1年前に登場した「Shopboxo」で、企業はモバイルデバイスを通じてカスタマイズ可能なオンラインストアを30秒以内に立ち上げることができる。

Shopboxoで作成したミニアプリは、Appboxoを通じてスーパーアプリに統合することができる。レイエフ氏は、中小企業の幅広い加盟店ベースにリーチできることで「特にAppboxoの顧客はすでにeコマースを中心に同社のプラットフォームを使用しているため、2022年はミニアプリの数が数千に拡大する」と予想している。「金融系スーパーアプリは、新しい垂直方向への多様化を望んでおり、現在の状況では、eコマースが最も明白な機会であり、最も実行しやすいように見えます」と語る。

レイエフ氏は、AppBoxoの新たな資金調達は、Shopboxoをさらに発展させ、同時に加盟店エコシステムを拡大し、国際的なプレゼンスを構築するために使われるとTechCrunchに語っている。当初は、スーパーアプリが最も優勢なアジア太平洋地域に焦点を当てるが、ヨーロッパと米国にも進出したいという。

画像クレジット:AppBoxo

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(文:Catherine Shu、翻訳:Akihito Mizukoshi)

チーム内とチーム間での作業を自動化して進めるAsanaの新ワークフローツール群「Asana Flow」

Asana(アサナ)は常にチームのプロジェクト調整を支援してきたが、その歴史の大部分は、個々のチームに特定のタスクセットを完了まで管理するためのツールを提供することだった。米国時間2月15日、Asanaは、チーム内およびチーム間で作業を自動化して進める新しいワークフローツール群「Asana Flow(アサナフロー)」を発表した。

ワークフローツールは、プロジェクトを完了に導く手順を定義するプロジェクト計画ツールとは異なり、作業を論理的に進めるためのツールだ。Asanaの最高製品責任者であるAlex Hood(アレックス・フード)氏によれば、このツールでプロジェクトマネージャーは、単純にタスクを割り当てるのではなく、プロジェクトを完了および承認するためのすべてのステップ、データ、ツールを含む再利用可能なワークフローを作成できるという。

フード氏は、Asanaの核心はプロジェクト管理ツールであり、ワークフローとは、ある意味、繰り返し行われるプロジェクトのことだという。とはいえ、新製品では、その機能を拡張し、プロジェクト内での作業の流れを自動化しようとしている。

「今回発表するのは、プロジェクトを単に繰り返し実行するだけではない、テーラーメイドのワークフロー機能です。実際には、チーム内でのワークフローの受け渡しを計画するためのUIですが、クロスファンクショナルチーム間でのすべての受け渡しを含む、さまざまな人が使用するすべての統合機能が含まれています」とフード氏はいう。

ワークフロービルダーのUI(画像クレジット:Asana)

新しいワークフロービルダーを使えば、プロジェクトの担当者はコンポーネントをドラッグ&ドロップすることでワークフローを作成し、チーム間で流れる自動化されたプロセスのセットを構築することができる。また、ユーザーがワークフロー内のデータや受け渡しポイントを定義することで、仕事をよりスムーズに進め、仕事に関する議論を減らし、自動化された方法で進めることができるようになる。

ワークフローには、Salesforce(セールスフォース)、Slack(スラック)、PowerBI(パワーBI)、Zoom(ズーム)などの一般的なツールや、Dropbox(ドロップボックス)、Adobe Creative Cloud(アドビクリエイティブクラウド)などのコンテンツソースと連動するコンポーネントを含めることができる。また、必要に応じてカスタムアプリを作成し、標準の統合機能に含まれていない社内システムやカスタムツールを使って仕事を進めることも可能だ。

Asanaは一般的なワークフローテンプレートのライブラリを作成しているのでそれを基にワークフローを作成することもできるが、自身で自由にワークフローのテンプレートを作成して、社内の誰でも使用できるようにライブラリに追加することもできる。将来的には、企業がこれらのテンプレートを組織外で共有できるようになるかもしれない。

作業はワークフロー内で進行するにつれて、その作業を実行しなければならない個々の従業員に割り当てられる。また、各従業員用のページが作成され、進行中、完了済み、または処理が遅れているといった、注意が必要な作業が確認できるようになっている。フード氏は「ホーム画面は、会社の目標に基づいて、何が緊急で重要かを判断するのに役立ちます。また、自分が関与しているワークフローの緊急性も判断できます」という。

新しいワークフローツールは、同社が構築してきたAsana Work Graph(アサナワークグラフ)の論理的拡張であり、人、データ、仕事、あるいはミーティングのメモや文書のような仕事の構成要素などのあらゆる要素の組織内でのつながりを理解し、利用することを可能にする。

画像クレジット:Rudzhan Nagiev / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:sako)