Swarmの150個の衛星打ち上げ計画にFCCがGOサイン

Swarm Technologies(スワーム・テクノロジーズ)は、帯域幅は狭いながらも世界中のスマートデバイスを衛星を使って常時接続することを目指している。そして、同社はやっとFCC(米連邦通信委員会)から承認を得たところだ。どうやらFCCは、Swarmのサンドイッチサイズの衛星が、追跡するには小さすぎるということを、もはや心配していないようだ。

画像クレジット: Swarm Technologies

SwarmのSpaceBEE衛星は、他の手段ではオンラインにすることが面倒なデバイスへの接続を提供する小さな衛星だ。トウモロコシ畑の真ん中にある土壌モニターや、または海洋の真ん中にあるブイを考えてみてほしい。そういったものの信号は、低遅延や高帯域幅を必要としない。したがって、それらにサービスを提供する衛星の要件は、消費者向けブロードバンドの要件よりもはるかに緩いものとなる。

その結果、Swarmの衛星は小さいものになった。実際小さすぎて、追跡するのが難しく、他の衛星に対して危険なのではないかとFCCが心配するほどだった。申請時に同社に課せられた責任の一部は、それが杞憂であることを示すことだった。

FCCによる承認は、商業運用のために宇宙へ行くための許可を得るために必要な、長いプロセスのほんの1つのステップに過ぎないが、しかし大きな1歩だ。FCCは、計画されている150個の衛星、多少拡大することを決めた場合には最大600個を打ち上げる許可をSwarmに与えることに加えて、運用に必要な無線の周波数も割り当てた。もちろん必要な周波数での送信が禁止されていたら宇宙にいても役には立たない。

なお、老舗の衛星通信プロバイダーであるORBCOMM(オーブコム)は、自身に割り当てられたスペクトルの一部をSwarmが奪うことになると異議を唱えていた。FCCはそれは事実ではなく、実際にはその周波数帯における勢力を拡大しようと同社が権力闘争を仕掛けているという結論に達した。従って彼らの意見は却下された。

SpaceXもまた、Swarmが軌道上のデブリの拡散範囲を適切に考慮していなかったことを示唆するコメントを提出した(特に、衛星のアンテナをさまざまな計算に含めることを無視していると指摘した)。また、その衛星群は国際宇宙ステーション(ISS)に対してのリスクになるかもしれないとも述べた。しかし、これらの質問に対応してSwarmから提出された文書は、FCCを完全に満足させたようだ。「SwarmはSpaceXの懸念に対処するために適切な措置を講じたことが判明した」 と述べたうえで、今後提出される軌道上デブリに関する規則を遵守することを条件に彼らの申請を承認した。

かつてSwarmは、適切な承認なしにテスト衛星を打ち上げてFCCから罰金を受けたという汚点を、うまく乗り越えることができたようだ。宇宙事業に関わる煩雑な役所仕事の量は膨大であり、特に上でもおわかりのように、競合相手がそれに対して努力を重ねているときには、その規則に対して抵触してしまうことは珍しいことではない。

ようやく書類が整ったので、Swarmは年内に衛星群全体を軌道に乗せる予定である。

「FCCによる、Swarmへの周波数と打ち上げの承認は、弊社にとって大きなマイルストーンです。Swarmはいまや、全世界を覆う衛星群によるデータコミュニケーションマーケットに、2020年末までに一番乗りを果たす準備が整いました」とTechCrunchに声明で語るのは、CEOで共同創業者のSara Spangelo(サラ・スパンジェロ)氏だ。

「これは、衛星業界、宇宙における米国のイノベーション、そして世界中の多数のIoT顧客にとって重要な瞬間です。Swarmはそれらに双方向データサービスをサポートできることにとても興奮しています」とCTOで共同創業者のBen Longmier(ベン・ロングマイア)氏が付け加えた。

スパンジェロ氏とロングマイア氏は今月初めのTechCrunch Disruptに参加し、スパンジェロ氏はBessemer Venture PartnersのTess Hatch(テス・ハッチ)氏やOneWeb CEOのAdrian Steckel(エイドリアン・ステッケル)と共に、私がモデレーターを務めたパネルに登壇した。そこで私たちは、新しい宇宙経済に関連するさまざまなトピックについての対話した。もしそうしたビジネス参入に興味があるならば、下の動画は興味深いものだろう。

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(翻訳:sako)

初となる女性だけの宇宙遊泳、NASAがライブ配信

NASAの宇宙飛行士のChristina H Koch(クリスティーナ・H・コーク)氏とJessica Meir(ジェシカ・メイア)氏は米国時間10月18日の朝から、史上初の女性だけによる宇宙遊泳を実施している。2人は国際宇宙ステーション(ISS)の故障した電源制御装置の修理を予定しており、現地時間午前6時30分(日本時間23時30分)からライブ配信が始まり、7時50分(日本時間0時50分)にISSのエアロックを離れる。

この歴史的なミッションは、当初の予定から7カ月後に実施される。当時、ISSには2人の女性のうちの1人が必要とする中サイズの宇宙服がなかったため、宇宙遊泳が実施できなかったのだ。Anne McClain(アン・マクレイン)宇宙飛行士は当時、koch宇宙飛行士と一緒に宇宙遊泳を行う予定だったが、McClain宇宙飛行士の任務は6月に終わった。McClain宇宙飛行士は大きなサイズの宇宙服も試みたが、動きの制限が大きすぎた。

NASAは10月に2つ目の中サイズの宇宙服を送って、同じ問題が二度と起こらないようにしたが、複数の男性宇宙飛行士による宇宙遊泳が可能なのに、女性にはできるなかったという差別への批判に直面した。しかし、NASAは宇宙服に関する差別に真摯な関心を持っていたようで、アルテミス計画のために設計された宇宙服は、あらゆる体型と大きさの宇宙飛行士に最大限の機動性を提供するように設計されていることを強調した。

女性だけによる宇宙遊泳という今回のミッションは、NASAだけでなく、人類の宇宙探査史上においても重要な一歩だ。このエキサイティングかつ重大なイベントは、YouTubeでのライブ配信で閲覧できる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

2019年のデロイトトーマツFast 50の1位はバンドルカード開発のカンム、売上高に基づく成長率ランキング

デロイトトーマツグループは10月18日、「デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 2019年 日本テクノロジー Fast 50」の授賞式を開催した。Fast 50は、日本国内のテクノロジー、メディア、通信の各業界の企業を対象にした収益(売上高)に基づく成長率のランキングで、今年で17回目となる。受賞企業は、ステージや規模、上場、非上場などさまざまで過去にFast 50を受賞した企業も対象となる。

昨年の1位は、サブスクリプション型の洋服レンタルサービスを展開するエアークローゼットが受賞。同社は昨年、売上高成長率6048%を達成した。以下、2位はスマートフォン向けアプリを開発するワンダープラネット、3位はCXプラットフォームKARTEの開発するプレイド、4位はインフルエンサーマーケティング事業を運営するBitStar、5位は知能ロボットコントローラの開発などを手がけるMUJINが受賞した。

そして今年の1位に輝いたのは売上高成長率3592.16%を達成したカンム。同社は、本人確認不要で作成できるVisaプリペイドカード「バンドルカード」を開発・運営をしている企業。2位は独自開発のAIを開発・提供するAI insideが収益成長率971.56%で、3位はスマーフォンアプリ開発のand factoryが収益成長率は682.00%で受賞した。

以下、4位はMacbee Planet、5位はENECHANGE、6位はビザスク、7位はアドベンチャー、8位はカラダノート、9位は自律制御システム研究所、10位はサイバーセキュリティクラウドとなった。

最新ガジェットを試し購入できるリテール・アズ・ア・サービスのb8ta、TechCrunch Tokyoに登壇決定

今年も11月14日、15日に渋谷ヒカリエで開催される、スタートアップとテクノロジーの祭典、TechCrunch Tokyo。今日は新たにリテール・アズ・ア・サービスのパイオニアとも言えるスタートアップb8taのCEO、Vibhu Norby氏の登壇が決定したので皆さんにお知らせしたい。

2015年創業のb8taは米国で、オンライン販売されている様々なガジェットやテックプロダクトを試しに使ってみたり購入することのできるショップ「b8ta」を展開している。ガジェットなどを製造しているスタートアップなどの企業はb8taの場を借り、プロダクトを展示。プロダクトの横には展示企業によるカスタマイズが可能なデジタルディスプレイが設置されており、店員としての役割を果たす。

  1. b8ta Austin exterior

  2. b8ta Austin interior

  3. b8ta Santa Monica exterior

  4. b8ta Santa Monica interior

  5. b8ta Seattle exterior

  6. b8ta Seattle interior

2018年以降はb8taのリテール・アズ・ア・サービスのビジネスモデルとソフトウェアプラットフォームを他の企業に提供し始めた。GoogleやMacy’s、トイザらスと手を組んでいることで注目を集めている。また、2019年1月にはリテールテックのスタートアップBrickworkの買収し、同社のソフトウェアプラットフォームのオンライン化を目指すことを発表した。

Norby氏には、b8taが掲げるリテール・アズ・ア・サービスとは何か、そして社会にどのようなインパクトをもたらしているのか、詳しく話を聞きたいと考えている。また、日本にもガジェットファンは多く存在するが、日本出店はあり得るのだろうか?

現在発売中のTechCrunch Tokyo 2019のチケットは後述のとおり。

  • 学生向けの「学割チケット」(1万8000円)
  • 5人以上の団体向けの「団体チケット」(2万円×5枚以上)
  • 「前売りチケット」(3万2000円)
  • 専用の観覧エリアや専用の打ち合わせスペースを利用できる「VIPチケット」(10万円)
  • 設立3年未満のスタートアップ企業の関係者向けの「スタートアップチケット」(1万8000円)
  • 設立3年未満のスタートアップ企業向けのブース出展の権利と入場チケット2枚ぶんがセットになった「スタートアップデモブース券」(3万5000円)

チケット購入はこちらから

古いMacもセカンドディスプレイ化してしまうLuna Display

Apple(アップル)が、最新のmacOS Catalina(カタリナ)にSidecar(サイドカー)を組み込んだことで、セカンドディスプレイ機能を提供する会社はどこもまんまとアップルに「シャーロッキング」されてしまった。正直に言ってこの機能は、最新のmacOSの中でも飛び抜けて最高のもの。すでに多くのサードパーティのデベロッパーが何十年にも渡って経験してきたように、最初に自分が開発した機能でも、いったんアップルに実現されてしまえばそれと競うのはかなり難しい。

Duet Display(デュエット・ディスプレイ)の場合、存在意義を確保するにはAndroidタブレットをセカンドディスプレイとして利用できるようにサポートを追加する必要があった。一方、Luna Display(ルナ・ディスプレイ)のメーカーであるAstropad(アストロパッド)は、ユーザーが古いMacを引っ張り出す方に活路を見出そうとしている。米国時間10月17日にリリースされるアップデートは、他のMacを利用できるようにする機能を、同社独自のドングルを利用した技術に追加する。

新しいLuna Displayでは、MacとMacを接続して、古いMacをセカンドディスプレイとして利用できるようになる。例えば、MacBookをMac mini、iMac、あるいは別のMacBookにワイヤレスで接続できる。たぶん、ほとんどのユーザーにとっては、シンプルにiPadに接続するより、使い勝手はよくないだろう。それでも、古いマシンを活用できることにはそれなりの意味があるはずだ。Astropadのために言えば、アップルが次のアップデートで、同じような機能を実現しないことを願うばかりだ。

Astropadの説明は以下のとおり。

例えば、職場のオフィスにiMacがあり、職場と自宅の間でラップトップを持ち運んでいる人なら、職場にいるときにはラップトップとiMacをペアリングして、両方のデバイスを活用できます。あるいは、主に自宅で仕事をしている人なら、ラップトップをiMacやMac Miniとペアリングし、快適なソファに座ったまま、デスクトップ型Macのパワーを利用することもできるでしょう。キッチンでおやつにありついている時でも、同僚がかわいい犬のGIFを送ってくれたら、乗り遅れることなく楽しめます。可能性は無限にあるのです。

メインのMacでは、El Capitan(エル・キャピタン)以降のmacOSを走らせている必要がある。セカンドディスプレイとして利用するMacは、Mountain Lion(マウンテン・ライオン)以降が対応する。接続には、有線またはWi-Fiが利用できる。Astropadでは、本日10月17日から数日間、Lunaを25%割引で販売する。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

AIスマートカメラ「Googleクリップ」が姿を消す

Google(グーグル)が以下のような声明で、スマートカメラ「Google Clips」(Googleクリップ)の廃止を認めた。

Pixel 3から、Photobooth機能にClipsを統合した。それによりユーザーは、自分たちの目がカメラを見ているとき、微笑んでいるとき、誰かが口をすぼめてキスしようとしているときなどを捉えることができた。Clipsの機能はそれだけだったが、その技術とユースケースの広がりは喜ばしいものだった。Clipsのユーザーは2021年の12月までサポートを受けられる。その後はデバイスのアップデートを一切リリースしない。今後は、Pixelデバイス上のPhotoboothが、GoogleのAIを使ったカメラ機能を試す最良の場所であり続ける。

多くのハードウェアがアップデートされていく中で、ClipsはGoogleのオンラインストアから消えていく。Clipsは、たぶん覚えていない人のほうが多いだろう。覚えていた人も、今回のことの成り行きは意外ではないだろう。

このすてきなデバイスが本当に終わりになるのか同社に問い合わせた。今言えるのは、評論家や、消費者や、Google自身の期待に反して、この製品には明るい未来がないことだ。それはもはや明確に、人生を記録するカメラではない。ではそれは何だったのか?その答えも難しい。

このデバイスは、同社のAI技術のデモでもあった。人びとがカメラをまったく意識していないとき、そしてユーザーがカメラを構えていないとき、決定的瞬間を自動的に撮る。レビューした私は、うちで飼っているうさぎのLucyの楽しいGIFを撮ることができた。

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確かに、得られたものもある。しかし249ドルは、高すぎたかもしれない。今週のPixelイベントの前に同僚の一人が「Clips 2の発表はあるかな」と冗談のように言った。その答がここにある。SensorTowerがTechCrunchに送ってくれたメールによると、Clipsアプリのインストール数は約1万5000件だそうだから、売り上げもわびしい。

これの前に同社は、VRヘッドセットであるDaydream Viewも廃版にした。いかにもGoogle的な処置だ。評判がぱっとしなかった初代のPixel Budsもストアから消えた。しかしPixel Budsの子孫は、まだ生きている

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

障がい者のための技術発展を目指す企業を支援するMicrosoftアクセシビリティー補助金

ハイテク界にも障がい者のための支援活動が数多く存在するが、アクセシビリティー問題で投資家を熱くさせることは難しい。だからこそ、Microsoft(マイクロソフト)のAI for Accessibility(アクセシビリティーのためのAI)補助金制度は大歓迎だ。障がいを負った人たちのためのAI活用の道を探る企業や団体を対象にしたAzureクレジットと現金による株式を要求しない経済援助だ。マイクロソフトは、視覚障がい者のための教育を支援するスタートアップであるObjectiveEd(オブジェクティブエド)をはじめ、10以上の対象団体を発表した。

この補助金制度は、少し前に500万ドル(約54億円)でスタートした。その条件に合うスタートアップ企業やプロジェクトをわずかでも補助しようと5年の期限を区切って行われている。もちろん、それらの人たちにマイクロソフトのクラウドインフラに親しんでもらおうという狙いもある。

申し込みは常に受け付けられ「障がいを負った人たちにAIや機械学習を役立てたいと模索する人なら誰でも、喜んで支援します」とマイクロソフトのMary Bellard(メアリー・ベラード)氏は話している。ただし「素晴らしいアイデアで、障がい者コミュニティーに根差している」ことが条件だ。

今回、補助金を獲得した中にObjectiveEdがある。今年の初めに私が紹介した企業だ。iPadを使った、目の見えない、または弱視の小学生向けのカリキュラムだが、目が見える子どもたちにも使うことができ、教師の負担が軽減される。

関連記事:視覚機能障がいの子どもたちに優れたデジタル・カリキュラムを提供するObjectiveEd(本文は英語)

そこには、ご想像のとおり点字も含まれている。点字を学ぶ必要のある子どもたちに対して、点字を教えられる教師の数は足りていない。一般的には、直接的な実践教育で教えられている。つまり、子どもが点字を(ハードウェアの点字ディスプレイを使用して)声に出して読み上げるのを教師が聞き、間違いを正すというものだ。高価な点字ディスプレイが自宅で自由に使える環境で、その技能のある家庭教師を雇える場合は別だが、この重要な教育が受けられるのは、週に1時間程度という子供もいる。

ObjectiveEdのアプリなどに使用する書き換え可能な点字ディスプレイ。

「点字ディスプレイに文章を送り、生徒がそれを声に出して読み上げると、マイクロソフトのAzureサービスがそれをテキストに変換し、点字ディスプレイの文章と比較する。そして必要に応じて間違いを正し次に進む。そんなことができたら最高だと私たちは考えたのです。すべてをゲーム形式にします。楽しく学べるようにね」とObjectiveEdの創設者Marty Schultz(マーティー・シュルツ)氏は話していた。

それが、この会社の次なるアプリで可能になる。今や音声のテキスト変換の精度は十分に高く、さまざまな教育やアクセシビリティー目的の使用に耐えられる。あとは、生徒が点字訓練の時間を取れるようiPadと点字ディスプレイを用意するだけだ。1000ドル以上もするハードウェアだが、目の見えない人に金をかけてはいけないなんて決まりはない。

点字の識字率は低下している。音声インターフェイス、オーディオブック、画面読み上げなどが普及し実用性が高まったことを思えば無理もないと私が言うと、シュルツ氏とベラード氏は口を揃えてこう指摘した。メディア消費の上ではオーディオに依存できることは素晴らしいが、書かれたものを真剣に読みたいとき、または多くの教育の現場においては点字は不可欠なものであるか、または発話に代わる非常に便利な代替手段なのだと。

シュルツ氏もベラード氏も、教師に取って代ろうとは決して考えていないという。「教師は教え、私たちは子どもたちの訓練を支援します」とシュルツ氏。「私たちは授業の専門家ではありません。教師の助言を受けて、これらのツールを生徒たちが使いやすいように作るのです」。

マイクロソフトの補助金を受け取った団体は、このほかに10団体あり広範囲の多様なアプローチや技術をカバーしている。例えば、私が気に入ったのはSmartEar(スマートイヤー)がある。ドアベルの音や警報音などを傍受して、スマートフォンを通じて耳の聞こえない人に知らせるというものだ。

また、ロンドン大学シティ校では、個人用のオブジェクト認識のための素晴らしいアイデアを持っている。テーブルの上のマグカップやキーホルダーを認識するという程度のことは、コンピュータービジョンシステムにとっては実に簡単なことだ。しかし目の見えない人の場合、システムがマグカップやキーホルダーを特定してから、例えば「それはドアの脇の茶色いテーブルの上にあります」などと教えてくれたら非常に助かる。

以下に、ObjectiveEd以外でマイクロソフトの補助金を獲得した10の団体のプロダクトを紹介する(それぞれを詳しく調べてはいないが、今後調査するつもりだ)。

  • AbiliTrek(アビリトレック):さまざまな施設のアクセシビリティーを評価し解説する障がい者コミュニティーのためのプラットフォーム。個人の必要性に応じて検索結果を選別できる。開発元は同名のAbiliTrek。
  • SmartEar(スマートイヤー):環境音(ドアベル、火災警報、電話の呼び出し音など)を能動的に傍受し、小型のポータブルボックスかスマートフォンから色付きのフラッシュを点滅させて聾者コミュニティーを援助するサービス。運営元はAzur Tech Concept(アザー・テック・コンセプト)。
  • Financial Accessibility(フィナンシャル・アクセシビリティー):プログラムやサービスと人との最適なマッチングのための情報や活動を提供するインタラクティブなプログラム。運営元はBalance for Autism(バランス・オブ・オーティズム)。
  • The ORBIT(ジ・オービット):個人向けオブジェクト認識をAIシステムに訓練するためのデータセットを開発中。盲人コミュニティーで使用されるツールでの重要性が増している。開発元はCity University of London(ロンドン大学シティ校)。
  • BeatCaps(ビートキャップス):ビートトラッキングを使用して字幕を生成し、音楽のリズムを視覚化する新しい音声転写方式。聴覚機能障がい者に音楽を体験してもらうための視覚化技術。開発元はCommunote(コミュノート)。
  • EVE(イブ): 聴覚障がい者のための、発話を認識しリアルタイムで自動的に字幕を生成するシステム。開発元はFilmgsindl(フィルムグシンドル)。
  • Humanistic Co-Design(ヒューマニスティック・コ−デザイン):個人、組織、施設が協力し合い、デザイナー、メーカー、エンジニアが、障がい者のために技能を発揮できるよう認知を高めるための生活協同組合。運営元は同名のHumanistic Co-Design。
  • MapinHood(マッピンフッド):視覚障がい者が職場やその他の目的地へ歩いて行くときのルートを選択できるナビゲーションアプリを開発中。開発元はトロントのスタートアップであるiMerciv (イマーシブ)。
  • I-Stem(アイ-ステム) / I-Assistant(アイ-アシスタント):文章の読み上げ、音声認識、AIを使い、教室での対面によるテストに代わるインタラクティブで会話的な代替手段を生徒たちに提供するサービス。運営元はinABLE(イネイブル)。
  • ADMINS (アドミンズ):大学の書類をオンラインで記入することが難しい障がい者に業務支援を行うチャットボット。開発元はOpen University(オープン・ユニバーシティー)。

この補助金は、ユーザーが現在勉強中で明かりを消してはいけないような緊急のニーズに応えるために、Azureクレジットまたは現金、またはその両方で支払われる。このプログラムに適合すると思われる活動に携わっている場合は、ここから申し込める

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(翻訳:金井哲夫)

サムスンはGalaxy S10の指紋リーダーの重大な欠陥を認め修正へ

Galaxy S10のユーザーは、画面内指紋センサーに代わるセキュリティ機能を使う必要がある。Samsung(サムスン)は、この重大な欠陥を確認したことを明らかにし、対策に取り組んでいる。英国のユーザーが、登録していない指紋でデバイスのロックを解除できてしまうことを報告したのを受けたもの。

この欠陥は、3.5ドル(約380円)の画面保護シートをデバイスに貼り付けたことで発見された。それによってできた画面とシートの間の気泡が、超音波スキャナーの動作を阻害することを、初期のレポートは確認している。同社は声明でこの問題に触れ、報道機関に対して「Galaxy S10の指紋認識機能の誤動作を認識しており、まもなくソフトウェアパッチを発行する予定です」と伝えた。

韓国の銀行KaKaoBank(カカオバンク)をはじめとするサードパーティ企業は、この問題が解決されるまで指紋リーダーをオフにすることをユーザーに提案している。確かに次のソフトウェアアップデートがあるまでは、それが最も合理的な措置だろう。

サムスンは、この3月にデバイスを市場に投入するにあたって、この技術を業界で最も堅牢な生体認証機能の1つだと吹聴していた。それによると「従来の2D光学スキャナーよりも堅牢なものとして開発されました。業界初となるUltrasonic Fingerprint ID(超音波指紋ID)は、ディスプレイ内に埋め込まれたセンサーによって物理的な指紋の輪郭を3Dで読み取ります。それによりデバイスとデータを安全に保ちます。この先進的な生体認証セキュリティ技術により、Galaxy S10は、世界初のFIDO Alliance Biometric Component(FIDO生体認証コンポーネント)認定を取得しました」。

サムスンは、以前から画面保護シートの使用に対して警告していたものの、安価な市販のモバイルアクセサリーで指紋認証機能をだませるというのは、Galaxy S10のユーザーにとって予想もしなかったセキュリティ上の大問題だ。私たちは、より詳しいコメントを求めてサムスンに連絡した。

サムスンはTechCrunchに対して、次のようなコメントを返した。「私たちはこの問題を調査中で、まもなくソフトウェアパッチを展開するつもりです。これに関するご質問あるお客様、最新のソフトウェアをダウンロードするためのサポートが必要な方は、1-800-SAMSUNG(米国内の場合)まで直接お電話くださるよう、お願いします」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

米国の電子たばこによる肺疾患の患者数がアラスカを除く州で計1479人

明らかに電子たばこによる肺疾患の患者がアラスカ州以外の全州で報告されたとCDC(米国疾病予防管理センター)が発表した。疾患が疑われたり確認された患者の数は1479人にのぼり、うち少なくとも33人が死亡した。

CDCは患者の数を定期的にアップデートし、症状特定の分析について随時情報を発表している。現在のところこの症状の確かな要因は、電子たばこの使用ということのみだ。多くの患者がニコチン製品よりTHC(大麻に含まれる有害成分)製品を使っていたことを報告している。しかし原因となる化学物質やメカニズムはまだ特定されていない。

当初、有害な化学物質が混ざった非公式ルートの電子たばこカートリッジが原因とみられていた。実際CDCは、信用できないソースから電子たばこを購入しないよう警告していた。しかしこの問題は広がり続けていて、いまや明らかに地域の問題ではなく全国レベルのものになっている。

統計では、患者の70%が男性で、79%が35才以下の若者だった。患者の平均年齢は23才、死亡した患者の平均年齢は44才だった。そして患者の78%がTHC製品を使っていたことを認め、ニコチン製品のみの使用を報告した患者は10%に過ぎない。

患者はイリノイ州とカリフォルニア州に集中していて、どちらの州でも100人超が報告されている。しかし、患者数が少なかったケンタッキー州やオレゴン州は大丈夫ととらえるべきではない。単に症例報告が遅いだけかもしれない。ヴァージン諸島でのみ症例報告があった準州と同じように、プエルトリコや他の地域にも同様のリスクがある。

もしあなたが電子たばこを使用していて、息切れや胸の痛みなどの症状を抱えているなら(他の症状も関連しているが)、医療機関で診断を受けるべきだろう。一方で、CDCは電子たばこ製品の使用をすべて控えるよう推奨している。ただし、それは電子たばこユーザーを伝統的なたばこの使用に戻すだけだと指摘する声も多くある。これについて怒りを感じている人もいるかもしれない。その怒りは、十分なテストもせずに禁煙ツールとして自社製品を販売してきた電子たばこ会社にぶつけるべきだ。

CDCとFDA(米食品医薬品局)は、州や市町村の健康当局とともに原因の特定と、「電子たばこ使用に関連する肺疾患」の治療法を模索している。テストやサンプリングが現在行われているが、これらはおそらく、この手の製品が市場に出回る前に行われるべきだった。

最新の統計はCDCの専用ページでチェックできる。

画像クレジット: Tom Eversley / EyeEm / Getty Images under a license.

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(翻訳:Mizoguchi)

AtlassianがJira自動化ツール開発のCode Barrelを買収

Atlassian(アトラシアン)は米国時間10月18日、Automation for Jiraを作っているCode Barrel(コード・バレル)を買収したことを発表した。このローコードツールはJiraのさまざまな部分をすっきりと自動化してくれるので、Jira Softwareのアドオンとしても、またAtlassianのマーケットプレースのJira Service Deskでも人気製品のひとつだ。両社は買収金額を公表していない。

【編集部注】Jiraとは。ソフトウェア開発を効率化するためのサービス。スクラムボード、カンバンボード、ロードマップ、アジャイルレポートなどの機能を備えるプロジェクト管理ツールだ。

シドニーに拠を置くCode Barrelは、AtlassianでJiraを作った最初の技術者のうちの2人、Nick Menere(ニック・メネール)氏とAndreas Knecht(アンドレアス・ネヒト)氏が創業した。今回の買収で2人は4年ぶりにAtlassianへ戻ることになる。

ほんのひと握りのデベロッパーたちがJiraを手がけていた2005年にチームに加わったメネール氏は「私とアンドレアスにとっては里帰りみたいなものだ。Atlassianで我々はソフトウェアとプロダクトの開発方法を学んだんだ。だから帰るところと言ったらそこしかない」とコメントしている。

Automation for Jiraはその名のとおり、Atlassianの課題(Issue)の中の何度も出てくるタスクを容易に自動化でき、プロジェクトの追跡サービスも提供する。Atlassianのプロダクト担当副社長であるNoah Wasmer(ノア・ワスマー)氏は「顧客のデベロッパーたちは日に日に、決まりきった日常的な仕事に縛られる時間が多くなっている。彼らはJiraをバックボーンとして多くのシステムと対話し、同じワークを繰り返し、しかもそれをさまざまなシステムに対して手作業でやっている。つまり、明日の世界を変えるようなクリエイティブな仕事とは言えない作業に、とてつもない時間を消費している」と語る。

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そんな重複的な作業を減らすには、言うまでもなく自動化が必要だ。AtlassianのマーケットプレースでCode Barrelのソリューションを見つけた6000社あまりの企業と、もともと同社と関わりの深い創業者たちという2つの側面から見てもAutomation for Jiraの買収は絶対に得策だ。

ワスマー氏が強調するのは、それが一種のノーコードツールなのでプログラマーでない人でもJiraを使ってスクリプトを作れることだ。Automation for Jiraを使えばタイムベースのルールをセットアップできるし、Jiraの中のトリガーでそれらを実行できる。しかも、SMSやSlack、Microsoft Teamsなどを使ってサードパーティ製品と統合できる。

当分の間Automation for Jiraは、Atlassian Marketplaceに残って売られ続ける。料金も前と変わらず、ユーザー10人までは1人月額5ドル、100人までが2.5ドル、もっと多ければもっと安くなる。Atlassianはこのツールの機能の一部をJiraに統合していくが、それに関しては今のところ何も発表がない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ドイツのボッシュがISSロボット宇宙飛行士の「耳」を開発、機械的異常を事前に察知

Bosch(ボッシュ)は、新しいAIベースのセンサーシステムを国際宇宙ステーション(ISS)に送り込む。宇宙飛行士や地上クルーがISSの運行状況をモニターする方法を大きく変える可能性のあるシステムだ。

「SoundSee」(サウンドシー)と呼ばれるモジュールはランチボックくらいの大きさで、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)の来たるべき補給ミッションCRS-12でISSに向かう。現在11月2日に打ち上げが予定されている。

SoundSeeモジュールは、複数のマイクロフォンと機械学習を使って、宇宙ステーションで検出した音を分析する。これをISSの健康状態の基準値として、その後の音声データと比較し、問題を示唆する変化を読み取って機械的問題をいち早く察知する。

SoundSeeは、今年6月にISSに乗り込んだサイコロ型空中浮遊ロボット飛行士、Astrobee(アストロビー)に乗って移動する。船内をさまようAstrobeeの動きはBoschのSoundSee技術にとって最適だ。BoschはAstroboticとNASAとの共同で自動センシング技術を開発した。最終的にはISS内でシステムがどのように動作しているかの情報を提供し、メンテナンスや修理が必要なシステムの異常を、理想的には問題が起きる前に発見する。

2019年7月に行われたAstrobee初の無人浮遊

Astrobeeと一緒に働く他のシステムと同じく、SoundSeeの究極の目標はISSのクルーが現在手動で行わなければならない作業を自動化することだ。すでにSoundSeeは、地球上でISS内の状況を再現したシミュレーション環境で地上テストを行っている。しかし、宇宙に飛び立ってからが、シナリオ通りに進むかどうかの真のテストになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

トトロやもののけ姫、千と千尋の神隠しがHBO Maxに、ジブリ全21作品がストリーミング配信

HBOのストリーミングサービスはオリジナル番組を強みにして成功してきたが、AT&Tに買収されて以来、並外れたコンテンツを集めたストリーミングサービスのスーパーグループを作って消費者を引きつけ、さらに売上を伸ばすことを求められてきた。

これまでもHBOは、ストリーミングサービスのHBO Maxのためにコンテンツを買い漁ってきた。「フレンズ」や「ビッグバン・セオリー」などの権利を買い取った同社がは、その膨大な資金に物を言わせて、多くの人々に愛されている日本のアニメーショングループであるスタジオジブリの作品を、米国契約ユーザー限定でウェブに公開する。

「Princess Mononoke」(もののけ姫)、「Spirited Away」(千と千尋の神隠し)、「My Neighbor Totoro」(となりのトトロ)、「Howl’s Moving Castle」(ハウルの動く城)など、21作品すべてが2020年中にやってくる。「The Wind Rises」(風立ちぬ)が2020年秋になるほかは、来春の早い時期に配信予定だ。

この契約はスタジオジブリにとって極めて注目すべきものだ。これまで同スタジオの作品はいかなる形でもオンラインで合法的に視聴あるいはダウンロードできなかった。それは意図的な方針だっと見られており、HBOの札束が長年抱かれていた信念を変えさせたものと思われる。

契約条件は公表されていないが、今年ある代理人がゲーム関連のニュースを扱うウェブメディアのPolygon(ポリゴン)に次のように語っていた。

「スタジオジブリは、ダウンロード、ストリーミングを問わず、世界のどこであれ、作品をデジタルで提供することはない。劇場に集まって映画を体験することは、観客が鑑賞するうえで不可欠な機会であると今も会社は信じている」。

これはHBOにとって望外の勝利といえる。スタジオジブリがストリーミング契約を結ぶとすれば、長年の関係からみてパートナーはディズニーだろうと誰もが思っていた。しかしHBO Maxは小切手帳を手元に置いていたようで、この契約を勝ち取った。

関連記事:‘The Big Bang Theory’ goes to AT&T’s HBO Max streaming service for over a billion

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラの中国でのEV生産に当局がゴーサイン

中国の産業を管轄する大臣は、政府の自動車製造メーカー承認リストにTesla(テスラ)を加えた。このリスト入りは、同社の中国での電気自動車(EV)生産が認可されたことを意味する。

ロイターが、中国工業情報化部(MIIT)の大臣が出したリストにTeslaが含まれたと報じた。中国のテックサイトもまたこのニュースを報じ、MIITの承認のスクリーンショットを掲載した。Teslaはリストの一番上に載っている。TechCrunchはこの件についてTeslaに問い合わせており、反応があれば記事をアップデートする。

Teslaは上海に20億ドル(約2200億円)かけて工場を建設中で、これは米国外に構える初の製造施設となる。7月にTeslaは四半期決算に伴う株主への手紙の中で「Model 3の生産は予定どおり上海工場で年末までに開始する」と記載されている。売上の増加と輸送や関税のコスト回避を望むなら、11月までの生産開始が至上命題だ。

当時「Teslaは生産第一段階に備えて第2四半期中に機械類を工場に搬入する」としていた。

同社はまた「上海ギガファクトリーのタイミングにもよるが、2020年6月30日までの12カ月間で、グローバルで50万台超の生産を目標とする」と話していた。

中国の工場の生産能力は年間15万台で、カリフォルニア州フリーモントの第2世代Model 3のラインをよりシンプルに、そして費用対効果を高くしたものになるとのこと。同社はまた、第2世代Model 3のラインは、フリーモントとネバダ州スパークスのギガファクトリーのModel 3関連のラインより、ユニットあたりの費用は少なくとも50%安くなる、と述べていた。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:Mizoguchi)

RokuのデバイスでApple TVアプリを楽しめる

米国時間10月15日、Apple TV+の登場に先立ち、新しくなったApple TVアプリがRokuのデバイスで使えるようになった。このアプリでは現在、アップルのサービスを利用しているユーザーが自分のiTunesのビデオライブラリにアクセスでき、Rokuのデバイスから直接Apple TVのチャンネルを定期契約できる。そして11月1日からは、このアプリでApple TV+のストリーミングサービスを楽しめる。「ザ・モーニングショー」「See〜暗闇の世界〜」「ディキンスン〜若き女性詩人の憂鬱〜」「フォー・オール・マンカインド」「真相 – Truth be Told」など、アップルのオリジナル番組が配信される予定だ。

ユーザーはApple IDで認証するので、このアプリで、購入済みコンテンツへのアクセス、お勧めコンテンツのパーソナライズ、有料チャンネル(HBO、Starz、Showtimeなど)の定期契約、そして10万本を超える映画やテレビ番組の購入やレンタルができる。これに加え、Rokuのユーザーはまもなく1カ月4.99ドル(日本では600円)でApple TV+をこのアプリから定期契約できる。

通常、Rokuは自社のプラットフォームで発生したサブスクリプションの売上の一部を受け取っているが、アップルとどのような取り決めになっているかは不明だ。

Apple TV+のストリーミングサービスは、アップルの新しいデバイスを購入すると1年間無料で利用できるが、Apple TV+を利用できるのはアップルのハードウェア所有者だけではない。

アップルはサービスを拡大する過程で、他社のプラットフォームに入り込むようになってきた。この傾向は、Apple MusicやApple TV+といったストリーミングサービスで特に顕著だ。

例えばApple TVのストリーミングサービスは、AirPlay 2に対応したサムスン、LG、VIZIO(ビジオ)のスマートTVに加え、2018年以降のサムスンのスマートTV、Amazon Fire TV、LG、Roku、ソニー、サムスン、VIZIOのプラットフォームで利用できる。また、tv.apple.comのウェブサイトでもストリーミングされる。

Apple TVアプリは、Roku TV、ストリーミングスティック、ストリーミングメディアプレイヤーなど、新旧を問わずRokuのほとんどのデバイスで利用できる。ただし一部の古いメディアプレイヤーには対応しない。対応デバイスのリストはこちら

このアプリから、米国、アルゼンチン、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、エルサルバドル、フランス、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、ペルー、アイルランド、英国でApple TV+を利用できる。

Rokuのシニアバイスプレジデントでプラットフォームビジネス担当ゼネラルマネージャーのScott Rosenberg(スコット・ローゼンバーグ)氏は、発表の中で次のように述べている。「Apple TVアプリを利用できることで、Rokuのお客様は待望のApple TV+など、さらに幅広いエンターテインメントを楽しめる。Rokuは多くの熱心な視聴者にアプローチしたいコンテンツプロバイダにとって、価値のあるパートナーだ。Rokuのユーザーに、この新しいオプションを楽しんでいただきたい」。

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(翻訳:Kaori Koyama)

完全自動航行する「メイフラワー号」が2020年にIBMのAI技術で大西洋を横断

完全自動航行船 「メイフラワー号」が来年9月に大西洋を航海する。自動とは程遠かった最初のメイフラワー号の航海から400周年を記念する。過去4世紀の技術進歩を振り返る素朴な方法だが、自動航海技術の重要なデモンストレーションでもある。海洋研究開発組織であるPromare(プロメア)がIBMから技術面の支援を受けて取り組む。

自動航行するメイフラワー号は表面を覆うソーラーパネルのほか、ディーゼルおよび風力タービンによる推進力で、英国のプリマスから米国マサチューセッツ州のプリマスまでの3220マイル(約5200km)の航海に挑む。成功すれば大西洋を自動運航する初めてのフルサイズの船舶になる。Promareは、この試みによってさまざまな自動航行船の研究開発への扉が開かれることを望んでいる。

船にはプリマス大学の研究者が開発した研究用ポッドを搭載する。具体的には3つあり、海上でのサイバーセキュリティ、海洋哺乳類の観察、海上マイクロプラスチック問題の分野で実験を行う。

IBMがこのミッションでリサーチとナビゲーションの技術面をサポートした。Power Systemサーバーが支えるPowerAIビジョンテクノロジーを提供したのはその一例。Promareと開発した深層学習ベースのテクノロジーが、レーダー、ライダー(レーザーを使った距離測定機器)、光学カメラを駆使して、海上の障害物やさまざまな危険を回避する。

システムはローカル処理とリモート処理の両方を想定した設計になっている。船上のデバイスは通信接続せずに動作可能だ。条件が整って両岸どちらかのノードを介して通信できる場合、本部から定期的に船上のデバイスにアクセスできる。

これは非常にクールなプロジェクトだ。海、深い湖、その他の水生環境の研究方法を変えるかもしれない。自動運航するメイフラワーへの乗船を仮想体験できるVRやARツールを開発する計画もある。来年の航海に向けてプロジェクトの進行から目が離せない。

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(翻訳:Mizoguchi)

バトルゲームのフォートナイトにチャプター2が登場

およそ2日間、オフラインで真っ暗になっていたEpic GamesのFortnite(フォートナイト)が、チャプター2の新しいマップとともに帰ってきた。

新しいマップには13カ所のロケーションがあり、泳ぎや釣り、そして「Call of Duty: Black Ops 4」(CoD: BO4)の「Blackout」モードに登場するボートによく似たモーターボートなどが楽しめる水辺も登場した。

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プレイヤーは、浅瀬で水遊びするのではなく泳いだり、健康のために魚を食べたりすることもできる。

新しいメカニズムもいくつか追加された。最も注目すべきは、やられてしまったチームメイトを安全な場所に運んで復活できることだ。さらにスクワッドを回復させるバンデージバズーカも追加された(シーズン10のチャグスプラッシュのようなもの)。

普通の武器ではもの足りなくなったら、アップグレードベンチへ行けば素材を使って武器をアップグレードできる。

新しいシーズンやマップの登場のときはいつもそうだが、スキンやエモートの報酬を受け取れる新しいバトルパスもある。

チャプター2のトレーラーをどうぞ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Googleがマップアプリを強化、iOSからも事故や交通取締をレポート可能に

Googleマップの表示がさらにWazeに近づいた。 米国時間10月17日、GoogleはGoogleマップをアップデートし、新機能を追加すると発表した。ドライバーはiOS版でも、事故、交通取締、渋滞などの道路情報をマップにアップできるようになる。 この機能はAndroid版で人気があったが、今後はiOSでも同様の機能が利用できる。

またiOS、Androidともマップ・アプリのユーザーは道路工事、レーン閉鎖、故障車両、路上落下物など交通の障害となる可能性のある情報をアップして共有できる。こうした機能はすべて2013年にGoogleが買収したナビゲーション・アプリ、Wazeのセールスポイントだ。道路状況を共有できる機能が利用できることでマップよりWazeを好むドライバーも多かった。

Mid trip UGC Report

今回のアップデートはマップのWaze化が着々と進んでいることを裏付ける。

例えばこの5月に、Androidアプリのマップにはスピード制限区域を通報する機能が40カ国で追加された。 各種の道路上の障害を通報する機能も以前からテストされている。Googleマップはナビを利用中に案内を一時中断 したり、ルート付近のガソリン価格を調べるなどWazeの機能を移植してきた。

マップでナビモードを利用している場合、画面上の「+」アイコンをタップするとドロップダウンメニューが表示され、衝突事故、スピード違反取締、軽い渋滞、工事(以上の項目は日本のAndroidですでに利用可能)、レーン閉鎖、故障車、落下物をワンタッチで通報できる。

マップ本体のWaze化によって、Wazeを使わねばならない理由が次第に薄れている。

とはいえ、カレンダーと連動させて旅行の予定を立てたり、Facebookにイベントを投稿したりするにはWazeのソーシャル機能が便利だ。Wazeでは相乗り情報の設定も可能。これに対してGoogleマップはユーザーの通勤やショッピングなど日常の移動を助けることに重きを置いている。

マップを強化することによってWazeその他のアプリからユーザーを移動させることができればGoogleの他のプロダクトとの連携に有利だ。

Googleマップにおけるデータ収集はたとえばレストランなどの施設の待ち時間、混み具合、滞在時間などにおよんでいる。またマップはGoogleのマイビジネスへの参加を促す入り口としても役立っている。このプラットフォームはFacebookページのライバルに成長しており、マップのユーザーがひいきの店を登録して最新情報を受取ることを可能にしている。

Googleによれば新機能はAndroid版、iOS版とも今週中に世界に公開されるという。

【Japan編集部追記】道路情報のレポート追加のスクリーンショットは日本におけるAndroidアプリのもの。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

国内1200社のMAツール導入・活用を支援するtoBeマーケティングが5.7億円を調達

企業向けにマーケティングオートメーション(MA)ツールなどの導入支援サービスを提供するtoBeマーケティングは10月18日、複数の投資家を引受先とした第三者割当増資により総額約5.7億円を調達したことを明らかにした。

今回はtoBeマーケティングにとってシリーズCラウンドという位置付け。NTTドコモ・ベンチャーズなど新規投資家2社に加えて既存投資家4社から出資を受けた。同社では調達した資金を活用してビジネスサイドや開発人材の採用を強化するほか、アナリティクス領域やeコマース領域への事業展開を加速させていく計画だ。

なおシリーズCラウンドの投資家陣は以下の通り。toBeマーケティングは2015年9月に3000万円2016年6月に2億円2017年10月に4億円を調達していて、累計調達額は約12億円となる。

  • DNX Ventures(Draper Nexus時代も含めシードから4回目の出資)
  • Salesforce Ventures(シリーズAから3回目の出資)
  • みずほキャピタル(前回シリーズBからのフォローオン)
  • SMBC ベンチャーキャピタル(前回シリーズBからのフォローオン)
  • NTT ドコモ・ベンチャーズ
  • HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND(博報堂DYベンチャーズ)

過去にも紹介している通り、toBeマーケティングは少し珍しいタイプのスタートアップと言えるかもしれない。

もともと2015年6月に「Salesforceに特化したMA導入支援会社」として設立。セールスフォース・ドットコムが開発するMAツール「Pardot」とCRMを組み合わせた導入支援サービスを中心に、これまで1200社を超える国内企業のデジタルマーケティング活用をサポートしてきた。

PardotやCRMを効果的に使うための武器として、自社開発のアプリケーション「MAPlus」シリーズを保有しているのも1つの特徴。セールスフォースが手がけるツールと連携してターゲット企業のデータベースを構築する仕組みや、リスト作成からDMの発送までをスムーズにする機能、IPアドレスから企業名などの企業情報を分析するサービスなどを揃えている。

当初はBtoBの事業を展開する企業のサポートを中心としていたが、今ではBtoC企業の顧客も増加。2017年10月に実施したシリーズBラウンドの時期と比べると、顧客数自体も約500社から約1200社まで拡大した。

toBeマーケティング代表取締役CEOの小池智和氏によると、この2年でサポート体制がよりシステマチックになり多くの顧客を支援できる仕組みが整ったことに加え、マーケット自体が活性化したことが大きな要因のようだ。

「多くの企業において、事業を成長させていく上でMAも含めたデジタルマーケティングの活用は避けて通れないものであり、当然のように力を入れていくべきものだという認識が広がってきた。こちらから『MAやりませんか?』とプッシュしなくても、問い合わせがくる状況。自分たちに限らず、業界の他のプレイヤーも伸びている」

「一方でMAツールやCRMを使っていかに成果を出せるかにより焦点が当たるようになってきた。今でもMAツールの導入支援が事業の中核ではあるが、近年は既存の顧客や『自分たちでMAツールを導入したものの、十分に使いこなせていない』という企業に対する伴走活用支援のニーズが高まっている」(小池氏)

toBeマーケティングではコンサルタントによる伴走活用支援だけでなく、MAツールの使い方に関するナレッジを集めたサポートメニュー「MAnaviサポート」も展開。またPardotなど各ツールごとに、業界や用途に合わせたテンプレートを用意して提供することで、MAツールに慣れていない顧客でも活用しやすいような工夫を重ねてきた。

自社プロダクト「MAPlus」やサポートメニュー「MAnaviサポート」は月額定額制モデルで提供している。まだ売上の割合としてはそこまで大きくないものの、これらの導入企業社数も増えてきているという

そういった背景もあり、今では新規顧客の売上よりも既存顧客のアップセル(伴走支援やMAPlusの追加発注など)が上回っているそう。会社の売上も先期は10億円を突破し、セールスフォースが主催する「PARTNER AWARD」でも創業以来4年連続で受賞(2019年度はAgile Integration Partner of the Year)している。

今後は引き続き既存事業を強化しつつ、ラインナップの拡充を進める方針。直近では既存顧客が新たにアナリティクスやeコマース領域のサービスを導入したいというケースが増えているそうで、それらの導入支援・伴走支援にも力を入れていく。

「顧客の幅が広がったり製品のラインナップが増えたりはしているが、一貫して『顧客のデジタルマーケティングを支援する』ということにフォーカスして事業を展開してきた。今後もそこはブラさずに、今はまだカバーできていない領域へのサービス拡張や、自社プロダクトのアップデートなどにも取り組んでいく」(小池氏)

インスタのサードパーティ製アプリによるアクセス制限対応が遅々として進まないワケ

Instagram(インスタグラム)は、しばらくほったらかしになっているサードパーティ製のアプリから、ユーザーの個人データを守るための機能を、ゆっくりと展開し始めた。Instagramのユーザーデータへのアクセスをいったん許可したアプリの認証を取り消す機能だ。こうしたアプリには、Instagramの写真をプリントするために使ったウェブサイト、色々な出会い系のアプリ、コラージュを作成したり、もっとも人気のある自分の写真を見つけたりするためのツールなどが含まれる。

ユーザーのアカウントへの、サードパーティ製アプリからのアクセスを削除するツールを提供することは、プラットフォームプロバイダーにとって、かなり一般的なセキュリティ対策の1つになっている。Instagramは、そのような機能を提供するのが遅れている。TwitterFacebook、それにGoogleなどは、もう何年も前から、そうした機能を提供してきた。

そしてInstagramは、その機能の導入を急いでいるような様子もない。

同社によれば、今回の新しいセキュリティ機能は、徐々に展開されるように設計されているため、すべてのユーザーに行き渡るのに、なんと6ヵ月もかかるという。普通は、ほとんどの新機能は数日から、長くても数週間以内に展開されるもの。半年もかかるというのは稀だろう。

このような遅い動きは、非難されてしかるべきだろう。Instagramの親会社、Facebookの大規模な個人データの扱いに関するスキャンダルを思い出せば、なおさらだ。それは、Cambridge Analyticaという調査会社が、サードパーティアプリを使って、Facebookのユーザーデータを不正に収集していたというものだった。

たしかにInstagramは、Facebookと比べれば、詐取可能な個人情報の宝の山というわけではないかもしれない。しかし、何年も前に1回使っただけのアプリに、Instagramのユーザー名、写真、すべてのキャプション、投稿のタイムスタンプ、記事へのリンク、といった情報へのアクセスを許可したままにしておく必要は、まったくない。もし、親しい友人や家族とだけコンテンツを共有するために、プライベートアカウントのままにしている場合、このようなアプリからのアクセスは、余計に不快に感じられるはずだ。

Instagramは、この機能の展開が、なぜそんなに遅いのか、公の発表では明らかにしてない。しかし実は、サードパーティのデベロッパー用のAPIの変更とリンクしているようだ。同社はデベロッパーに対して、Instagram Legacy API Platformから、Facebook Graph APIに移行するための時間的猶予を与えている。

デベロッパー向けの発表で説明されているように、新しいAPIは「ユーザーのプライバシーと安全を保護しながら、適切な消費者のユースケース」を可能にする。その中には、ユーザーが、どの情報をアプリと共有するかを選択し、その他の情報へのInstagramのモバイルアプリを経由したアクセスを無効にする機能が含まれている。古いAPIプラットフォームは、2020年3月2日に廃止されることになっている。

この機能の展開が遅い理由は、デベロッパーにアプリの変更のための時間を与えているからだと、Instagramはユーザーにはっきり伝えるべきではないだろうか。しかし実際には、そのことについては触れていない。そのため、その機能の展開が遅いのは、ユーザーにとって優先すべき重要なものだとInstagramが考えていないからだ、といったレポートが出回ることになる。

新しいセキュリティ設定が使えるようになると、その機能はInstagramアプリの「設定」に組み込まれる。その中の「セキュリティ」→「アプリとウェブサイト」を開くと、アクティブなアプリのリストを見ることができる。そのリストの中から、自分のInstagramアカウントに接続させたくないアプリの名前の横にある「Remove」をタップすればいい。

この機能と合わせて、Instagramは、アカウントに接続するアプリを認証する際の画面もアップデートしたことを明らかにした。その画面には、アプリをユーザーのInstagramアカウントに接続しようとする際に、アプリが要求するすべての情報を詳細に表示する。もし要求が度を過ぎたものと感じたら、「Authorize(認証)」ではなく、「Cancel」を選べばいい。

まだこの新機能が使えるようになっていないという人も、おそらく2020年のいつかには使えるようになるのではないだろうか。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

業務用食材の廃棄を減らすWinnowが人間の視覚を超える

スマートキッチンの技術で商用キッチンの廃棄食品を減らすことを目指す英国のWinnowが、シリーズBの資金調達1200万ドル(約13億円)を公表した。

このラウンドを支えたのは、IKEA(イケア)のフランチャイジーシステの戦略的パートナーであるIngka Groupと、Mustard Seed、Circularity Capital、D: Ax、およびThe Ingenious Groupだ。この前の資金調達はThe European Investment Bank(EIB, ヨーロッパ投資銀行)からの800万ドル(約8億7000万円)の融資で、これを加えるとWinnowの先月の新たな調達額は2000万ドル(約21億7481万円)になる。

IKEAや、ドバイのアルマーニホテルなどグローバルな顧客を抱えるWinnowは、ホスピタリティ産業へのテクノロジーの提供をミッションとし、特に業務用キッチンをよりスマートにすることによって廃棄食品を削減する。その最新のプロダクトであるWinnow Visionは、捨てられる食品をコンピュータービジョンの技術で自動的に追跡し、キッチンにおける在庫計画のぜい肉を減らす。

同社によると、Winnowのシステムの優れたところは、捨てられる食品の検出能力がすでに人間の目の能力を超えていることだ。同社は「従ってこのシステムは顧客のキッチンにおける無駄を人間の介入不要で毎日自動的に記録できる。食品がゴミ入れに捨てられるときに、データが自動的に捕捉される」とコメントしている。

Winnowの創業者でCEOのMarc Zornes(マーク・ゾルネス)氏が、もっと広い意味でよく言うのは、「計測できるものなら管理できる」という考え方だ。同社によると、Winnowを使い始めたキッチンは半年から1年以内に無駄な廃棄食品を40〜70%削減している。食品のコスト節約効果は2〜8%である。

一方、同社の操業コストのメインは、ハードウェアとそれらの客先実装だ。ゾルネス氏の言う今後の資金の使い道は、技術の改良と製品開発への従来の2倍の注力。例えば、今までいなかったQAエンジニアに開発を強化してもらう。また、フロントエンドのデベロッパーには報告機能を改良してもらいたいと考えている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa