eBay、PayPalの分社化を決定―「物言う株主」カール・アイカーンの持論通りに

eBayとPayPalは道を分つことになった。PayPalはeBayの傘下から抜けだして、独自の上場企業となる。eBay, Inc.とその取締役会による戦略的見直しの結果としてこの決定が行われた。これにより両社のビジネスが一層速く成長するようになることが期待されている。

このPayPalのスピンオフは、監督官庁の承認が得られば、2015年の第2四半期に完了する見込みだ。両社とも分離後は新しい CEOが任命される。 eBayではマーケットプレイス担当プレジデントのDevin Wenig、PayPalではプレジデントのDan SchulmanがそれぞれCEOとなる予定だ。

eBayの分社は「もの言う投資家」のカール・アイカーンを始め、多くの株主が期待し、あるいは要求していたものだ。eBayがPayPalを買収したのはeコマースの支払手段の効率化を期待してのことだったが、PayPalがモバイル支払の分野に進出して成功を収め、Braintreeを買収してOne Touchシステムを手に入れるなどしてからは、PayPalの将来戦略はeコマースを離れ、むしろ個人向けの総合支払いサービスに向かうようになった。

eBayはモバイル経由で年間200億ドルの売上を得ており、今日の同社の発表によれば、PayPalの急成長によって大きく支えられてきたという。一方、PayPalはeBayから分離することによって、AlibabaのようなeBayの強力なライバルとも提携できるようになり、成長の加速が期待されるという。

〔日本版〕Wall Street Journalの記事はTechCrunch記事とはややニュアンスが異なる。これによれば、Carl IcaanはeBayにとってPayPalが「お荷物」であり、分社化することによってeBayの会社価値が増大すると主張していたという。eBayのCEO、John Donahoeはこれまで何年にもわたってIcahnの主張に反対してきた。それがここに来て180度の方向転換となったのは、AppleがApple Payで、AlibabaがAlipayでオンライン支払いサービスに参入し、この分野の競争が急速に激化する兆候を見せたため、Icahnの方針に同意せざるを得なくなったということのようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Microsoft、Windows 10プレビュー版を公開―次世代OSは”Windows 9″ではなかった

今朝(米国時間9/30)、サンフランシスコで開催されたプレスイベントでMicrosoftは次世代のWindowsを発表した。その名はWindows 10だった。

Windows 8の次だからWindows 9のはずだろうという予測は完全に外れた(もっとも違う名前になるらしいという噂はあった)。いずれにしても私を含めてこの問題を報じたジャーナリストのほぼ全員が間違っていた。

明日からMicrosoftはWindows Insider Programを開始する。極めて初期のベータ版を走らせる勇気のあるユーザーはWindows 10をダウンロードできるようになる。

今回公開されたのはパソコン版で、サーバー版も近くこれに続く。Microsoftは「このベータ版の公開によって開発の早期の段階から多くのユーザーによるフィードバックを得たい。ただし現在のバージョンには実験的な試みも含まれているので、プレビュー版の機能のすべてが製品版に組み込まれるわけではない」としている。.

MicrosoftはWindows 10の特長の一つとして、ハードウェアごとにカスタマイズされたユーザー体験が提供できることを挙げている。異なるスクリーンサイズのデバイスには異なるユーザーインターフェイスが提供される。ただしソフトウェアとしては単一だ。 「単一のプロダクト・ファミリー、単一のプラットフォーム、単一のアプリ・ストア」というのがキャッチフレーズだ。

Microsoftのセールストークはこうだ。「Windows 10をエンタープライズで利用するメリットにはデバイス管理、デバイスごとにアプリ・ストアをカスタマイズ能力、データの保全などがある。つまりエンタープライズは社内のデバイスを管理すると同時にカスタマイズされた社内アプリ・ストアを運用することができる」

一言でいえば、Windows 10の目標はエンタープライズの市場の制覇だ。

期待されたとおり、Microsoftは伝統的なスタートメニューを含めてWindows 7の機能のいくつかを復活させた。メニューのデザインは改良されており、Windows 8のタイル式のスタートスクリーンがリサイズ可能になって併用されている。Windows 8のMetroアプリは、Windows 10では他のアプリと同様、ウィンドウ・モードで作動する。 フルスクリーン・モードはデフォールトではなくなった。Windows 8の「モダン」アプリは標準的なデスクトップ・アプリと共存して使えるようになった。

Windows 10にはまたマルチ・デスクトップ機能が導入されている。Microsoftの新しい“Snap Assist”のおかげで、パワーユーザーは複数のデスクトップで複数のアプリを開き、その間を自由に行き来きできる。

パワーユーザーといえば昔ながらのキーボードの愛好者が多いだろうが、コマンドライン・モードも大きく改良された。

Windows 10のユーザー入力は標準的なマウスとキーボードの併用をメインとしているが、 タッチ方式も捨てたわけではない。Windows 10は、タッチが可能なデバイスの場合、Windows 8方式のタイル式スタート・スクリーンが使える。

ただしタッチ・ジェスチャーのいくつかは変更された。たとえばWindows 10では画面左端からのスワイプはタスクビューを表示する。しかし全体としてWindows 8に非常に近い。Windows 8のチャームバーも残された。

今回の発表でMicrosoftが明らかにしなかったのは一般ユーザー向けの新機能だ。ただし、Windows 10のスマートフォン版のUIはWindows 10とほとんど同じになるようだ。Windows 8の経験からMicrosoftが学んだことがあるとすれば、デバイス横断的なオペレーティングシステムをデザインする場合には、極端な例に向かって最適化してはならず、中心となるデバイスのユーザー体験を重視しなければならないということだろう。MicrosoftのJoe Belfioreは「Windowsにスマートフォンとタブレットのサポートを加えるのは当然の選択ではあるものの、難しいのは『中間』の扱いだった。Windows 10ではその点の出来栄えにたいへん満足している」と述べた。

TechCrunchはWindows 10関連のニュースをアップデート中

〔日本版 Windows 10テクニカル・プレビュー版のサイトはhttp:preview.windows.comだが、現在は予告ページに飛ばされる。〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebook、買収したAtlas広告プラットフォームを再ローンチ―マルチデバイス、オフラインのセールスもモニタ

ニューヨークで開催中のAdvertising WeekカンファレンスでFacebookはAtlas広告プラットフォームの新しいバージョンを発表する。Facebookによればこのプラットフォームはマルチデバイス上で広告の効果のモニタを画期的なレベルに進めるサービスだという。

昨年、Facebookは広告ネットワークのAtlasをMicrosoftから買収したThe InformationThe Wall Street JournalはAtlasの再ローン地を予測し、FacebookがGoogleに挑戦する努力の一環だとしていた。

Facebookの公式ブログによれば、Atlasには新しいユーザー・インタフェースが与えられただけでなく、コードも全面的に書き変えられている。

中でも重要な点は、Atlasプラットフォームにクロス・デバイス能力が与えられたことだろう。ユーザーの広告に対する反応をトラッキングする際、クッキーに頼るには限界があることについて、ブログ記事は「クッキーはモバイル・デバイスでは役に立たない。またでもグラフィックなターゲティングを行う上でも正確さに欠ける。その結果、消費者がモバイル、デスクトップ、あるいはそれ以外の媒体を通じてどのように広告に反応したかをモニタすることが困難になっていた」と指摘している。

Facebookは新しいアプローチを「人ベースのマーケティング」と呼んでいる。広告主は消費者の行動をそれぞれの個人として複数のプラットフォーム上で追跡できる。つまり、あるユーザーが、スマートフォンで広告を見てからノートパソコンからその商品を買ったなどという情報をAtlasは広告主に提供できるようだ。ブログ記事は具体的な機能については詳細を明かしていないが、Wall Street Journalの記事によると、Atlasは広告に対する反応を、単にFacebook上だけでなくサードパーティーのウエブサイトやアプリ内でもそのユーザーのアカウントに関連づけることができるという。

Facebookによれば、オンライン広告の表示回数とオフラインでのセールスを関連づけることもできるという。これはFacebookがパートナーを募って開発進めてきた分野だ。

またFacebookは「検索、ソーシャル、クリエーティブ・マネジメント、ウェブサイト・パブリッシャーの各部門にわたって有力なパートナーと緊密に提携している」としている。興味あることに、パートナーにはInstagramが含まれている。言うまでもなくInstagramはFacebookの子会社だが、このブログ記事ではウェブ・パブリッシャーとしてパートナー扱いをしており、InstagramはAtlasを「表示回数とその効果の測定の両面で利用している」ということだ。今後はFacebookグループ以外のパブリッシャーも参加してくる。

広告主の獲得に関しては、Facebookは有力なデジタル広告代理店のOmnicomと提携している。OmnicomのクライアントでAtlasプラットフォームに最初に参加したのはPepsiとIntelだ。

トップ画像: Flickr/Maria Elena、 下の画像: Facebook

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Windows 9はWindows 8ユーザーには無料になる?

将来の予測はなんであれ難しいが、近くプレビューが発表されるはずのWindows 9(実際の名前がどうなるかもまだ分からないが)に関する噂をひと通り検討してみるのも意味があるだろう。ことに次の噂は重要だ。 Windows 9は無料になる

一部の観測によると、Windows 9は、Windows 8のユーザーに対しては無料に、Windows XPのユーザーに対しては大幅割引になるという。

どちらも理にかなったアイディアだろう。Windows 8ユーザーは(ハードウェアメーカー経由にせよ直接購入にせよ)最近料金を支払っているので正規料金でのアップグレードでは大きな売上を見込めないだろう。Windows XPユーザーはサポートが打ち切られてきわめて脆弱な状態にあり、MicrosoftはXPユーザーをもっと安全なOSにアップグレードさせようとあらゆる努力を重ねてきた。Windows 8へのアップグレードはそれほど成功しているとはいえない。それなら次のOSでXPのユーザーをアップグレードさせなければならない。

Microsoftは一部のユーザーに対してWindowsを無料化している。スクリーンのサイズが9インチ以下の小型デバイスについてはスマートフォンであれとタブレットであれ、Windowsは無料化されている。これは大きな方針の変化だ。それならMicrosoftが、Windows 9に有料でアップグレードさせるのが難しいユーザーを対象に無料ないし割引を行うかもしれないというのはそれほどとっぴな予想ではない。

とはいえ、MicrosoftはWindowsをすべてのユーザーに対していきなり無料にするわけにはいかないだろう。OS事業でドラスティックな新しい価格戦略を採用する前にOneDrive、Windows Storeなど他の新しい収入源が成長するのを待つ必要がある。

いずれにせよ近く新しいWindowsがどんなものであるか見ることができるはずだ。

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オープンソース、多言語対応のカタログ管理ソフト、AkeneoがExcel地獄の解消を目指す

ラグジュアリーなブランド製品で有名なパリの某社の場合、新作コレクションのウェブ・カタログを完全にアップデートするのに4ヶ月かかるという。大勢の人間がいろいろな場所で大量の複雑なデータをExcelに出し入れするのは悪夢のような作業だ。そうこうするうちにもう次の新作コレクションが登場する季節になってしまう。こういう状態を改革しようというのがAkeneoの狙いだ。

Akeneoは製品情報のCRMというべきソフトウェアで、単一のデータベースに製品情報を追加していくだけで、ウェブ版、、モバイル版、印刷版のカタログが簡単に制作できる。またサードパーティーのソフトウェアとの連携も可能だ。このフランスのスタートアップは最近、Alven Capital.から230万ドル(180万ユーロ)の調達に成功した。

共同ファウンダーでCEOのFrédéric de Gombertは電話インタビューに答えて、「製品情報をカタログ化するにはたいへんな手間がかかる。現在、ほとんどの会社では手作業でExcelファイルをアップデートしているというのが実情だ。そこでこの作業には多額の人件費がかかっている。われわれのシステムはこれを画期的に効率化できる」と説明した。

基本的にAkeneoはExcelや各種のERP(企業資源計画)ソフトと連動するオープンソースの情報管理ソフトだ。オープンソースなのでユーザー・コミュニティーは互いに独自のカスタム化を公開、共有してさらに価値を高めていくことができる。

ただし、高度な機能や製品サポート、教育研修などが必要であれば、Akeneoから有料のサービスが受けられる。このエンタープライズ・プランは年額$3万2000ドル(2万5000ユーロ)から用意されている。この料金はIBMやOracleが提供する同種のサービスに比べれば非常に安い。

「私は以前eコマース・システムを開発していた。しかしわれわれが新しいプロジェクトを提供しても、クライアントは必要なデータをどうやって集めたらいいかわからないことが普通だった。それがAkeneoを始めたきっかけだ」とGombertは言う。

AkeneoはフランスですでにAuchan、Cora、Feu Vert、Lagardère Activeなど有名企業を多数クライアントにしている。Akeneoがターゲットにしているのは完全にカスタマイズされた独自システムを構築できるほどの大企業ではないが、Excelと人手だけでは製品情報管理が限界に達しているような中規模のビジネスだ。

Akeneoのもっとも重要な機能は製品情報管理の大幅な効率化だ。ユーザーは製品情報を単一データベースに保存し、簡単な操作で異なるチャンネルに送り出すことができる。サイクル時間は平均して60%から80%短縮されるという。

Akeneoの社員は現在15人だが、国際的な拡大を計画中だ。オープンソースで世界どこでも自由にダウンロードできるという特性を生かし、すでにドイツやアメリカへの展開の糸口をつかんでいる。もちろんその他の国も視野に入っている。

Akeneoを利用する効果は時とともに拡大する。特に新しいチャンネルにカタログ情報を流す必要が生じたときの効果が大きい。

Akeneoはフランスを代表するテクノロジー・スタートアップだ。一見すると地味だが、現実のビジネスで切実に必要とする課題に着実に応えている。今後の課題はよりいかにしてより広い市場にアピールし、ユーザーを獲得してていくかだろう。

Photo credit: Foad Hersi under the CC BY-ND 2.0 license

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Red Hatが企業向けモバイルアプリ開発プラットホームFeedHenryを$82Mで買収…企業ITのモバイル化というビッグトレンドに対応

【一部要訳】

企業向けのLinuxディストリビューションを軸に、企業のITのためのサービス(とくにクラウドサービス)やデベロッパのための開発プラットホームも提供しているRed Hatが、アイルランドのこれまた企業向けのモバイルアプリ開発プラットホームFeedHenryを買収した。この買収に関する声明文の中でRed Hatは、6350ユーロ(8200万ドル)のキャッシュをFeedHenryに払う、と述べている。今日(米国時間9/18)はRed Hatの2015会計年度第二四半期の決算報告が行われる日なので、この買収の完了は第三四半期へ持ち込まれるものと思われる。同社は、買収の結果としてガイダンスを更新する、と述べている。

スマートフォンの今年の売上台数は120億台に達すると言われているので、Red Hatにかぎらず今やどの企業も、モバイルを無視できない。企業も、大企業も小企業もスマートフォンやタブレット、あるいはローミングするPCのためのアプリケーション開発やセキュリティ対策にこぞって取り組んでいる。IDCの調査によると、モバイルのアプリケーションプラットホーム(開発プラットホーム)の市場規模は2013年で14億ドル、2017年には48億ドルになる、という。

Red Hatのアプリケーションプラットホーム事業担当SVP Craig Muzillaは、声明文の中で、“モバイルのアプリケーションプラットホームは企業向けのソフトウェア市場において最速で成長している分野の一つだ”、と言っている。“今では企業のコンピューティングのあらゆる部分にモバイルが浸透しているので、企業向けアプリケーションのデベロッパたちも、これまでの企業向けアプリケーションの能力を拡張するようなモバイルアプリケーションを効率的に開発する方法を求めている。FeedHenryにより弊社の顧客は、Red Hatのエンタプライズソフトウェアが持つセキュリティとスケーラビリティおよび信頼性にモバイルの能力が持つアドバンテージを組み合わせて利用できる”。

エンタプライズサービスの分野ではかねてからヨーロッパのスタートアップが強くて、FeedHenryもその好個の例である。2010年に創業した同社は、昨年のシリーズAラウンドの一回だけで900万ドルを調達している。投資家はIntel CapitalやVMWareなどだ。FeedHenryのこれまでの顧客には、Aer Lingus、Baystate Health、アイルランド政府などがいる。

FeedHenryのCEO Cathal McGloinは声明の中で、“弊社は創業時から、オープンな技術とクラウドをモバイル開発とその管理の中軸に据えている。オープンソースのエンタプライズソリューションにおけるリーダーであるRed Hatの一員になることを嬉しく感じており、これはモバイルとクラウドの組み合わせが強力であることの、ひとつの証拠だと見ている。今やモバイルアプリケーションとMBaaSプラットホームはマスマーケットが採用するところとなっており、そしてNode.jsの人気も拡大している。Red Hatに加わったことによって、弊社の優れたモバイルアプリケーションプラットホームを、グローバルな顧客とパートナーから成るより広いオーディエンスに提供でき、彼らによるモバイルファーストの世界の最適化努力を支援できる”。

FeedHenryはRed Hatが2013年9月に発表したJBoss xPaaS for OpenShiftの取り組みを一層強化し、とりわけエンタプライズアプリケーションと統合化とビジネスプロセスオートメーションをオープンなPaaSとして提供して行くことに貢献する。“モバイルのアプリケーションサービスはこのビジョンの鍵であり、FeedHenryはモバイルアプリケーションをサポートするためのセキュリティとポリシー管理と同期化と統合化機能を提供してくれる”、と同社は言っている。

FeedHenryのアーキテクチャはNode.jsをベースとし、企業によるAndroidやiOS、Windows Phone、BlackBerryのアプリケーションや、HTML5によるWebアプリケーションの開発を助ける。アプリケーションの構築のためには、各ネイティブのSDK、Apache Cordova、HTML5、Titanium、およびフレームワークとしてXamarin、Sencha Touch、各種のJavaScriptフレームワークをサポートする。デベロッパがFeedHenryからリンクできるアプリケーションは、salesforce.com、SAP、Oracle、デバイス管理サービスAirWatchとMobileIronなどだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


マイクロソフト、さらに2100名をレイオフ

予定されていた通り、Microsoftは2100名の従業員を本日(米国時間9/18)解雇した。うち747名は本社事務所のあるシアトル-レドモンド地域の人々だ。

今回の人員削減は、以前発表されていたレイオフの一環だ。予定された1万8000人の削減のうち、1万3000人はほぼ直ちに実行された。今日の2100人で、合計人数は1万5000人をわずかに越え、まだ3000人を残している。

Microsoftは、Nokiaハードウェア部門の大部分を買収した際、多数の従業員を引き取った。新たな携帯電話事業は、直近四半期の1株当たり利益を大幅に引き下げた。短期的に見て、会社はこれらの社員を賄い切れない。よってレイオフとなった。

Microsoftは、削減によって動きが迅速になることを期待している。それは真実かもしれない。現場の情報筋によると、レドモンドの全体的雰囲気は平穏で、キャンパスの社員らは、この大量解雇にもさほど動揺を見せいないという。もっとも、現在までのレイオフ対象者の殆どは、非本社拠点の住民たちである。

最低あと1ラウンドのレイオフが見込まれている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


これまでになかったのが不思議―150万ドルを調達したEnvoyはiPadの来客入館管理アプリ

会社を訪問するとロビーの受付で来客簿に記入して担当者を呼んでもらう。このプロセスにイノベーションが必要だとは誰も思いつかなかった―Envoyの登場までは。

Googleで4年、Twitterで3年、インフラのエンジニアとして働いた後でLarry Gadeaは昨年11月にEnvoyを創業した。これはiPadベースの来客入館管理システムだ。Twitterを辞めた後、Gadeaは他のテクノロジー企業に勤める友人を頻繁に訪問するうちにこのアイディアを得たのだという。

Airbnbに行くと古臭いクリップボードに名前を書くようになっていたが、GoogleとAppleには自前の入館管理システムがあった。「GoogleとAppleはさすがだな」とGadeaは感心した。「しかし待てよ。どうしてAirbnbには専用システムがないのだ? それにAppleとGoogleがわざわざ人手を割いて本業とは関係ないシステムを開発したということは、入館管理というのはよほど重要な業務なのだろう」とGadeaは気づいたという。

そこでGadeaは4人の仲間(Teng Siong Ong,、Ben Angel,、Kamal MahyuddinWells Riley)を集めて来客管理システムの開発にとりかかった。最初のアプリは昨年App Storeに登録され、19.99ドルの売り切り方式で販売された。今回EnvoyはビジネスモデルをSaaSに改め、一建物当たり99ドルのベーシック・コース、249ドルのプレミミアム・コース、 499ドルのエンタープライズ・コースが用意された。本日からサービスが一般公開され、受付が開始されている。

べーシック・コースは、NDA(秘密保持契約)への署名、入館証の印刷、来客の顔写真入りでSMSとメールによる面会相手への通知、などの機能が用意されており、来客人数無制限だ。

もちろん、タブレットにはSign In for iPadやReception for iPadなどの来訪者管理アプリが存在する。しかしGadeaは「そういうアプリもあるが、入館管理専門に真剣に取り組んでいるのはわれわれだけだ」と自信を見せる。

現在、来客管理アプリではHID GlobalのEasyLobbyが有力だが、Envoyはロビー受付のハードウェアにiPadを用い、洗練されたUIを提供することで対抗していく考えだ。

GadeaはEnvoyをCRMとビッグデータ収集の分野にも拡張していく野心を抱いている。これにはシード資金を投資したのがMarc Benioffであることも影響しているかもしれない。EnvoyはBenioffに加えてAdam D’AngeloJeremy StoppelmanRazmig HovaghimianYishan WongHarj TaggarAlexis OhanianGarry TanBlake Krikorianemil Shah、 Tobi Lutke、Yun-Fang JuanBobby GoodlatteKent LiuTammy NamJavier Olivan、Ali Rosenthalから総額150万ドルのシード資金を調達している。

Gadeaは「受付担当者がいない、あるいは人数10人以下の会社は当面ターゲットにならない。また病院やクリニックの受付はHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠する必要があるため、今後の課題となる」と述べた。

Envoyには現在250社の有料顧客があり、黒字化間近だという。顧客には200人の社員を擁する産業用大容量送風ファンのメーカー、Big Ass Fansも含まれている。サービスのローンチ当初はこのBig Ass Fansが最大のユーザーだったという。現在、Envoyのユーザー企業のうち30%はハイテク関連以外だ。「われわれのユーザーには石油精製、教会、金融機関、学校、工場、倉庫、なんでもありだ」Gadeaは自慢する。

「入館管理のようなサイドプロジェクトにリソースを割いて内製するよりもEnvoyのようなこの分野専門に真剣に取り組んでいる会社のシステムを利用するほうが得策と考えた」とBoxのシステムエンジニアのJohn Allenはいう。BoxもEnvoyのファンだ。.

テクノロジー系企業では他にLyft、Pixar、Jawbone、Yelp、PalantirがEnvoyを利用している。そしてとうとうAirbnbもユーザーに加わった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


IBM、Watson Analyticsを発表―Watson人工知能が万人にビッグデータ解析能力を与える

今日(米国時間9/16)、IBMは一般のビジネス・ユーザーに高度なビッグデータ解析能力を与えるWatson Analyticsという新しいプロダクトを発表した。

Watson Analyticsはクラウド・サービスで、データの収集、チェック、解析、ビジュアル化、共同作業のためのコミュニケーション・ダッシュボードなどビッグデータ処理に必要な作業はすべてクラウドで行われる。Watsonといえば、誰もが知るとおり、人気クイズ番組『ジェパディー』で人間のチャンピオン2人を打ち破った人工知能としてあまりにも有名だ。

IBMのビジネス分析事業グローバル・マーケティング担当副社長、Eric Sallは「単にブランドイメージのためにWatsonの名前を付けたわけではない」と強調する。Sallによれば、このプロダクトの特長はビッグデータに対して自然言語で分析、加工処理を行えることで、これにはまさにWatsonの人工知能テクノロジーが用いられているのだという。

Sallは「Watson Anlyticsの目的は、一般のビジネス・ユーザーに強力なビッグデータ解析能力を与えることにある。適切な意思決定のためにビッグデータを利用しなければならないことはだれでも知っている。だが、これまでそれができるのはごく一部の高度な知識とコンピューティングのインフラを持つユーザーに限られていた」と述べた。

現在、ビッグデータ解析には強力なコンピュータ資源、データサイエンティストとデベロッパーのチームが必要とされる。中でも後者を確保することは難事業だ。Sallは「このためにビッグデータ解析の結果を得るまでに、往々にして何日も、あるいは何週間もかかる。 今日のビジネスの厳しい競争環境からみてこのような遅れは許されない。また意思決定を行う人々が他のチームにいちいち処理をお願いするようではいけない」という。

Watson Analyticsはこうした障害を一挙に克服することを目指している。まずクラウド・サービスであるから、コンピューティングのインフラについて心配する必要はない。次にユーザーの望むデータ解析を自然言語で受け付けるのでデータサイエンティストもプログラマーも必要としない。

ユーザーは既存のデータ、たとえばSalesforce.comのCRMデータなどをそのままインポートして利用できる。Sallによれば、このサービスにはポピュラーなビジネス・ツールによって生成されるデータをインポートするためのコネクター・ツールが用意されているという。データをセットすれば、ユーザーは思いついた質問を次々にぶつけていくこともできるし、サービスにバンドルされているストーリー・テンプレートを利用して標準的な統計分析を行うこともできる。

もし営業データを扱っているのなら、テンプレートから標準的な分析を行うのが有効だろう。しかし、その過程でユーザーが何かを思いつけば、自由に質問することができる。Watsonは質問を理解して直ちに答えを出してくれる。Sallによれば「問題は多くのビジネス・ユーザーがビッグデータ解析の専門知識や経験に乏しいため、そもそもどんな質問をするべきなのかよく理解していないという点だ。テンプレートはこのような場合に解析を進めるための糸口として大いに役立つ」と述べた。

さらにWatson Analyticsのベーシック版はIBM Cloud Marketplaceから無期限に無料で提供される。 Sallは「ユーザーがこのサービスを利用する際の敷居を下げるために無料版を提供することにした。無料版も極めて高度な能力を持っている」と述べた。

有料のプレミアム版には、大容量ストレージや企業内データベースのデータに直接アクセスするためのコネクター、さらに高度な分析能力などの追加機能が加わる。

Sallは「これまでわれわれは紺のスーツを着たセールス部隊がCIO始めIT部門の専門家にプロダクトを売り込んでいた。一般ビジネス・ユーザーを直接のターゲットとするWatson Analyticsはわれわれにとって大きな戦略の変更だ。こうしたエンドユーザー向けプロダクトを急速に普及させるにはフリーミアム・モデルが適していると判断した」という。

Watson Analyticsにかぎらず、最近のIBMのエンタープライズ・クラウド戦略自体が、IBMが2013年に買収したインフラのプロバイダー.、Softlayerのプラットフォームを利用したプロダクトのデジタルマーケットを中心に据えるようになっている。またBluemix Platformを通じて、将来はサードパーティーのデベロッパーがWatson Analyticsをプロダクトに組み込むことが可能になる。

Watson Analyticsは今月虫にベータテストが開始され、年末には一般公開される予定だ。クラウドサービスであるので、デスクトップ、タブレット、スマートフォンなどさまざまなデバイスから利用が可能だ。しかしまだ専用のアプリは登場していない。

画像: Flickr USER ibmphoto24 UNDER CC BY-NC-ND 2.0 LICENSE

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Microsoft、9月30日にサンフランシスコでWindowsイベントを実施することを確認

今日(米国時間9/15)、Microsoftは、噂のとおり、来る9月30日にサンフランシスコでWindowsのプレスイベントを開催することを正式に確認した。

このイベントでは賛否両論多かったたWindows 8.1の後継OS、Windows 9のテクニカル・プレビュー版が公開されるものと広く期待されている。またおそらくSurfaceシリーズのタブレットの新モデルも発表されるだろう。Windows 8とSurfaceは2012年にリリースされた。

Windows Phoneと統合されることになるのではないかと観測されるている新しいWindows RTのプレビュー版は来年早々公開されるという情報が流れているが、今のところ、こちらの方はあまり確かではない。

Windows 9については、スタートメニューやバーチャル・デスクトップなどのビジネス向け機能を始め、リークが相次いでいた。9月30日に発表されるのはテクニカル・プレビューなので、アピールする対象は一般ユーザーというよりデベロッパーやエンタープライズ・ユーザーとなるだろう。

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Windows XPのシェアは、8月中に1%しか減っていない

MicrosoftはWindows XPのサポートを4月に打ち切った。にもかかわらず、世界PC市場の大きな部分は未だにこのOSで動いている。そして20%以上のシェアを持つそのWindows XP市場は、そう早くは減衰しそうにない。

Net Applicationsによると、Windows XPの世界デスクトップ市場シェアは、7月の24.82%から8月は23.89%へと減少した。1ヵ月でわずか1%弱だ。このペースで行くと、Windows XPの市場シェアが完全消滅するまでには2年以上かかる計算になる。

この夏にWindows 7のシェアは事実上変化していない。今や旧型となったこのOSは、XPを捨てたいがWindows 8は買いたくないという企業ユーザーの恩恵を受けてきた(こうした企業向け売上が、PC市場のプレーヤーたちの好調を支えたことは注目に値する)。しかし、大部分のWindows XPユーザー基盤がなくなるまでには長い時間がかかりそうだ。

ちなみに今年3月のWindows XP世界PC市場シェアは29.53%だった。

Windows XPを使い続けることによるセキュリティー上のリスクは数多い。しかし、企業で未だにWindows XPが走っているPCは10%に満たない。これは、今もWindows XPが動いているPCの大部分が消費者ユーザーの手にあることを示唆している。
直近四半期における消費者のPC需要は小さく、これはXP衰退を遅らせている理由の少なくとも一部だろう。

この結果、Windowsの世界は興味深い状況に置かれている。もし、急速に迫り来るWindows 9が、何であれ消費者たちを魅することができれば、一般ユーザーをWindows XPから引き離し、より安全なオペレーティングシステムへと移行させる後押しになる。

このソフトウェア会社にとってWindows 9が決定的に重要な製品ある数多い理由が、また一つ加わった。

IMAGE BY FLICKR USER AUSTEN SQUAREPANTS UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED) 

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


スティーブ・バルマー、Microsoftの取締役からも退く―NBAチームのオーナーとして熱狂的歓迎

スティーブ・バルマーがMicrosoftの取締役会から去った。

Microsoftの前CEOは公開状でMicrosoftの取締役の辞任したことを発表した。サティヤ・ナデラ現CEOはバルマーのMicrosoftへの貢献を称えると同時に、新CEOへの移行期におけるバルマーの支援に感謝した。

これでバルマー時代は名実ともに終わった。

バルマーの公開状は一読に値する。

私は34年間、Microsoftに心血を注いできた。これからも注ぐ。私はこれからもMicrosoftの将来について論じるし、新しいプロダクトをいち早く試してフィードバックを伝えるだろう。私はMicrosoft社内で何が起きているか知りたいし、新しいアイディアも提案していく。今やMicrosoftは新たな高みに上った。私は大いに誇りに思っている。私はMicrosoftの株主として当然の努力を続ける。私は経営陣に対して株主としてなし得るかぎりの支援を与え続けることを約束する。

CEOとしてのバルマーの評価は賛否の議論を巻き起こしてきた。しかしことの当否は別として、バルマーの確信の強さと果断な決断力を疑うものはいなかった。

Microsoftの株価はこのニュースにまったく反応しなかった。

バルマーは取締役を辞任した理由について、最近NBAチーム、LAクリッパーズを買収し、その経営に時間を割く必要ができたことなどを挙げている。

「デベロッパー、デベロッパー、デベロッパー」の絶叫を聞くことはもうない。しかしバルマーはこれからも大いにニュースを作りそうだ。

〔日本版〕NBAのプロバスケット・チーム、LAクリッパーズは大富豪オーナーが人種差別的発言をしたことが発覚してNBAから永久追放などの制裁を受けた。バルマーは信託財産の処分権を持つ離婚裁判中の妻から20億ドルでチームを買い取った。オーナーは依然抵抗を続けているものの訴訟ですべて敗北しており、売却が覆される見込みはまずなさそうだ。スキャンダルで沈滞していたファンはバルマーを熱狂的に歓迎したという。

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GoogleとHPが提携―Google Nowがエンタープライズ・データのバーチャルアシスタントになる

われわれはSiri、Google Now、Microsoft Cortanaなどのパーソナル・アシスタントに天気、映画、スポーツなどについて尋ねることができる。しかし自分の会社の四半期売上や財務情報について知ることはできなかった。しかしThe InformationによればGoogleはHPと協力しながら、そういうことができるようにする準備を進めているという。 Google Nowがエンタープライズ・データにアクセスして組織内情報のバーチャル・アシスタントになってくれる。これはエンタープライズのモバイル・コンピューティングにまったく新しい分野を開く可能性がある。

これに先立って、AppleもHPとエンタープライズ・コンピューティングにおける協力の可能性を話し合っていた(Appleはその後、IBMと全面的に提携した)。The InformationによればHPとの協力の中には、ビジネス情報に特化したSiriが含まれていたという。Googleとの提携ではHPが開発中のエンタープライズ向け検索エンジンが利用され、これにバーチャルアシスタント機能が加わることになるだろう。一般ユーザー向けのバーチャルアシスタントに関してGoogleが大きくリードしている。これでAppleとGoogleはエンタープライズ市場でのモバイル・コンピューティングで真っ向から激突することになる。

こうしたエンタープライズ・スマート・システムにはアポ、位置情報、連絡先など各社員の個別データに加えて、会社の売上、財務情報のような重要な全社的情報が登録され、必要に応じて検索できるようになる。たとえば、あるプロジェクトの成績をレビューする会議を開くときにはリーダーがシステムにログインし、必要な情報を即座に収集してメンバー全員と共有するなどができるようになる。

モバイル・バーチャル・アシスタントは、すでにユーザーの置かれたコンテキストを認識して、検索に対してもっとも適切な情報を表示する、あるいは検索される前に情報をプッシュ通知することができるようになっている。ユーザーは以前のデータベース検索で必要とされたブール演算子や命令を用いた複雑な検索式を組み立てる必要がない。エンタープライズのビッグデータに関しても同じことが可能になるシステムなら規模の大小を問わず、あらゆる企業が関心を示すだろう。

Googleとの提携の具体的内容は明らかになっていないが、HPは縮小するパソコン事業を補う意味でもエンタープライズ・ソフトウェアにますます力を入れることになるだろう。MicrosoftもCortanaに一部のサードパーティー・デベロッパーのアクセスを許し始めたところでもあり、この分野からは目が離せないことになってきた。

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マイクロソフト、Windows 8.1とSurfaceのアップデートを公開

今日はWindowsワールドにとって重要な1日だ。Microsoftは、 Surfaceタブレットのセキュリティーパッチ一式とアップデート、およびWindows 8.1の機能追加を、8月アップデートの一環として公開した。

パッケージには、9件のセキュリティーアップデートが含まれ、Microsoftが「37種類のCommon Vulnerabilities and Exposures」と呼ぶ脆弱性リストに対応している。Surfaceのアップデート方が少し興味深い内容で、Surface Pro 3、Surface Pro、およびSurface RTが対象。安定性の改善やハードウェアの微調整が予想される。
Windowsについては、新バージョンはアップデート2とは呼ばれていないが、Microsoftが毎月配布しているWindowsアップデートよりも重要な新機能が織り込まれており、これは新しい試みだ。Windows 8.1 アップデート1では、Microsoftは機能を集約して一括して提供した。今回は新しいコードをいち早く公開する方向のようだ。

TechCrunchは先日こう報じた

ではこの「アップデート2ではない8月アップデート」には何が含まれるのか? トラックパッドの改良、 SharePoint Onlineの連携改良、デベロッパー向けのWi-FiAPIのアップデートなどだそうだ。いずれも必要なアップデートだろうが、なるほど4月に発表されたアップデート1ほど大規模なものではない。

ともあれ、Windowsユーザーにとっては新しいコードの日になった。Windowsアップデートを手に入れて、そう、Windowsをアップデートしよう。

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グッドバイ、Windows 8―Windows 9は8の悪名をそそぐ

Windowsの次世代版がどうなるのか方向性が見えてきたようだ。最近リークされたチャームバーの削除や新しいデスクトップUIなどから察するに、鳴り物入りでWindows 8に導入された新機軸の一部は次のWindowsでは後ろに退くことになりそうだ。

現在コードナームでThresholdと呼ばれているWindows 9のリリースは遠くない。今年末、あるいは来年3月までにも公開されるという情報もある(個人的にはそれはいささか楽観的すぎるスケジュールだろうと考えているが)。

Windows 8はモバイル・コンピューティング、とくにタブレットとの統合を過激に推し進めたとこに特徴があったが、Windows 9はデスクトップの使いやすさとモバイルのユーザビリティーのバランスの取れたミックスとなりそうだ。これはパソコンの販売減少に歯止めがかかる一方でタブレットの急成長は一段落するという業界の大きなトレンドにも合致している。

Microsoftとしては、デスクトップ・パソコンの需要が依然として巨大である以上、快適なデスクトップのユーザー体験を提供する必要がある。しかしこれはMicrosoftがタブレットを含む統一的な操作環境の構築、いわゆるOne Windows戦略を放棄したことを意味するわけではない。しかしWindows 8が性急にタブレットに傾斜しすぎたのをもっとバランスよい方向に修正することなるだろう。

Windows 8.1もデスクトップのユーザー体験を改良する方向でのバージョンアップだった。しかし8.xというマイナー・リビジョンによる改良には限度がある。Windows 9ではもっと基本的なレベルからの改良を行う余地がある。

チャームバーの廃止、スタートメニューの復活、マルチ・デスクトップのサポートなどの改良はユーザーから好感をもって迎えられている。

とはいえ、Windows 9は単に古いデスクトップに復帰するわけではない。MicrosoftはますますWindows Storeに力を入れている。 スタートメニューを復活してもスタートスクリーンを捨てたわけではない。 ライブ・タイルUIもWindows/Windows Phoneの主要なインタフェース要素でありつづける。ただMicrosoftはモバイル・インタフェースと平行してWindows 7で完成の域に達したデスクトップUIも提供することにした。

そこで、Windows 9では複数窓を開いた中でMetroアプリが作動するようになることが期待されている。MicrosoftはWindows StoreをWndows環境の中心的な要素とするべく務めているに違いない(Windows 8.1でWindow Storeへのショートカットが追加されたのはその一つの証拠だろう)。[アップデート:私は間抜けだった。Microsoftはすでのこのことを公式に予告していた]

Windows 7はVistaの悪名をそそぐことに成功した。Windows 9も同じことができるかもしれない。

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Microsoft、8月12日にWindows 8.1のアップデートを公開へ―「アップデート2」ではない

Microsoftは8月12日にWindows 8.1のアップデートを公開するが、公式ブログによればこのアップデートは噂されていた「アップデート2」ではないそうだ。

ではこの「アップデート2ではない8月アップデート」には何が含まれるのか?

 トラックパッドの改良、 SharePoint Onlineの連携改良、デベロッパー向けのWi-FiAPIのアップデートなどだそうだ。いずれも必要なアップデートだろうが、なるほど4月に発表されたアップデート1ほど大規模なものではない。

アップデートはWindows Updateで自動的にインストールされるのでユーザーは特に何もする必要はない。電源が入っていればいいだけだ。

Windows 8.1アップデート1は非常に大規模なリリースだった。OSのブートオプションが改良され、新たなデバイスがサポートされた。ユーザー・インタフェースも抜本的に改良されてずっと使いやすくなった。たしかに“$Update_X”タグを付与される資格があった。

今回8月に予定されているアップデートはそれほどの規模ではない。Microsoftはブログ記事で、今後はアップデートのサイクルを速めていくとして次のように述べている。

改良点を大量にまとめ、何ヶ月も待って一括して大規模なアップデートとして発表するのではなく、月例アップデートを利用してもっと頻繁に改良を行っていくことにした

そういうわけで今回の8月アップデートは、番号付きの大型アップデートから小規模な連続的アップデートへとMicrosoftがアップデート・サイクルを速める戦略に転じたその第一号ということになる。今後Windowsユーザーは毎月、小規模だが実質的なアップデートを受けることになる。

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Appleの第3四半期、利益77億ドルと好調―iPad不振で売上374億ドルは予想を下回る

Appleは先ほど、2014年第3四半期の決算を発表した。これによると売上は374億ドル、純益は77億ドル、一株当たり利益は1.28ドルだった。昨年同期比では、売上5.9%アップ、一株当たり利益は19.6%のアップ(7対1の株式分割を修正後)だった。

Fortuneがまとめたアナリストの予測では、一株当たり利益は1.26ドル、売上383.1億ドルだった。また粗利益率は38.0%となって、利益を押し上げると予測していた。

蓋を開けてみると、売上ではやや期待を下回る結果となった。しかし粗利益率は予想よりさらに高く、39.4%にも上ったため、一株当たり利益は予想を上まわった。売上不振の原因は iPadの不調だ。

Appleが発表した前四半期の見通しでは360億ドルから380億ドルの売上、37%から38%の粗利益が期待されていた。2013年のAppleの見通しはずっと正確で、実際の売上は予測の上限とほとんど一致した。

Appleもアナリストも今期の好調な粗利益を予測していたが、売上はもっと増えるはずだった。しかしiPhone 5cは予想ほど売れず、 消費者はiPad miniよりiPad Airを好んだようだった。

ハードウェア

今期、AppleはiPhoneを3530万台、iPadを1330万台、Macを440万台販売した。2013年の同期と比較するとiPhoneの販売台数は13.9%アップしたのに対して、iPadは8.9%ダウンしている。販売台数に関してはわれわれのこちらの記事を参照


地域別売上

やはり今期もAppleの成長には中国が大きな割合を占めていることが示された。iPhone、iPadとも中国の売上シェアが大きい。こちらの記事を参照


株式市場の反応

1株を7株にする株式分割、自社株買い戻しに300億ドルを追加、配当を8%に増やす戦略などが功を奏し、Appleの株式はきわめて好調に取引されている。過去3ヶ月、株価はほぼ一本調子で値上がりし、分割後で100.81ドルというほぼ過去最高値をつけた。今回の決算の発表後の株価は安定している(時間外取引0.44%のダウン)。

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Microsoft、既存の5つのカンファレンスを「単一の商用テクノロジー・イベントに統合」

今朝(米国時間7/21)、Microsoftは既存のSharePoint、Lync、Project、Exchange、TechEdの5つのイベントを中止すると発表した これらのイベントは「統合された単一のMicrosoftコマーシャル・テクノロジー・イベントに生まれ変わる」のだという。

要するに、Microsoftはエンタープライズ向けイベントを統合するということのようだ。新イベントは2015年5月にシカゴで第一回が開催される。

Microsoftはこの変更を説明するブログ記事を公開し、「これまでのカンファレンスの枠組みは時代遅れになった」と認めた。プロダクト間の連携が密接になり、カテゴリーの垣根が消失しつつある現在、プロダクトごとに多数の独立のイベントを開催するのは適切でなくなったという。

ZDNetのMary Jo FoleyはMicrosoft Management Summitと同様、TechEdが廃止されるという情報を得ていた。

私はMicrosoftに問い合わせて、もう一つのデベロッパー・イベント、Buildには影響がないことを確認した。

画像: FLICKR USER ROBERT SCOBLE UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

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Microsoft、1万8000人の人員削減を発表―うち1万3000人は今年中にレイオフ

今日(米国時間7/17)、Microsoftはかねてから予期されていた大規模な人員削減を実施することを発表した。先週のサティヤ・ナデラCEOの全社員向けメールがはっきりとこの方向を示していた。

今日のnaderaのメールは、人員削減の具体策を述べている。これによると、来年末までにトータルで1万8000人がレイオフされる。このうち1万2500人はMicrosoftが買収したNokiaの携帯電話事業の従業員となる。

ナデラは、うち1万3000人についてはすでにダウンサイジングを進めており、「そのほとんどは向こう6ヶ月のうちに通知を受けることになる。詳細は今日中に上級幹部から各職場に伝達される」としている。

今回の人員カットの主要なターゲットはNokiaのようだ。MicrosoftがNokiaが買収した際、このフィンランド企業の携帯電話事業の従業員は2万5000人程度だった。「Nokiaデバイス及びサービス事業部とMicrosoftの相乗効果を高め、戦略的人員配置を行うために1万2500の職が影響を受ける」とナデラは述べた。つまり買収されたNokia社員の半分がレイオフされるわけだ。これと同時に、Microsoft社内のNokiaと重複する職の一部も削減されるだろう。 ちなみにGoogleも買収したMotorolaのハードウェア事業をLenovoに売却する前に6000人のレイオフを行っている。

今回のレイオフには「マネジメント階層の削減による組織のフラット化」という狙いも含まれている。また低価格のLuma Windows Phoneシリーズに注力するためにAndroidベースのNokia Xシリーズは廃止されるもようだ。

対象となる社員には退職手当が支給される他、他地域に就職する場合は移転費用も支払われる場合がある。ナデラは明日、社内でQ&Aセッションを実施するという。

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IntelとMicrosoft、PC市場の好転を受け10数年ぶりの高値

われわれは〈プレ〉ポストPC時代にいるようだ。

PC市場はほぼ安定し、再び元気を取り戻して業界のプレーヤーたちを助けている。IntelとMicrosoftは、今日(米国時間6/16)大きく株価を上げた。昨日の取引終了後に発表された、Intelの好調な業績報告を受けた結果だ。

Intelは、通常取引で9.27%高値をつけ、時価総額を1722.8億ドルへと押し上げた。これはIntelにとって2002年初め以来の高い数字だ。

同社の売上138億ドル、1株当たり利益0.55ドルは、PC部門の前年比6%の売上増に支えられたものだ。同部門はIntelの売上の半分以上を生み出している。

Intelの結果は驚きではなかった ― 同社は以前ガイドラインを上方修正しており、PC市場そのものもすでに好調を示していた

今年第2四半期、全世界PC出荷台数のデータは、1.7%の微減から0.1%の微増の範囲にあった。目覚ましい数字とは言えないが、終りなき赤字が続いていたパーソナルコンピューター業界にとっては、一息つける嬉しい四半期だった。

現在PC市場では、年間およそ3億台、1日当たり82万2000台が出荷されている。

来週月曜日(米国時間7/21)に業績発表するMicrosoftも、今日3.84%株価を上げ、44ドルをわずかに上回る株価で引けた。Microsoftの今日の高値は、一つにはIntelの好調な業績が理由であり、レドモンドのWindows部門の好調な四半期が暗示される。近々行われると噂されるレイオフも影響している可能性が高い。それによってNokiaから何万人もの従業員を受け入れた後の事業経費を縮小できる。

PC市場の縮小がまだ終っていないかもしれないことは、覚えておくべきだ。Windows XPのサポート終了特需とホリデーシーズンに支えられた四半期が何度か続いただけでは、長期的なPC売上向上を示したことにはならない。よって、潜在的な将来トレンドについては期待しすぎないほうがよい。

ともあれ、興味深い一日だった。Once more round the sun.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook