トヨタが歩行回復を助けるロボット、レンタルへ―WW-1000は半身麻痺のリハビリに朗報

トヨタはWelwalk WW-1000という装置のレンタルを開始すると発表した。これは半身麻痺の患者が再び歩けるようになることを助けるロボットだ。WW-1000にはある種の外骨格が組み込まれており、麻痺が起きている側の脚に取り付ける。患者が歩けるよう強力なモーターが膝関節を支える。この装置の利用により患者はやがて自力歩行ができるようになる。

このロボット補装具には専用の大型トレッドミルとハーネスが用意されており、全体として歩行の練習ができ、また安全を確保する。患者はハーネスにより頭上から支えられる。リハビリを助ける医療スタッフは扱いやすいタッチスクリーンを通じて装置を調整し、練習を見守ることができる。

Associated Pressによれば、Welwalkシステムは今年後半にまず日本の医療機関に導入される予定だ。レンタル料金は初期費用が100万円、月額料金が35万円程度という。これは医療機器の水準からすれば負担になるような金額ではない。しかも脳出血その他の原因によって半身麻痺を起こした患者の歩行能力の回復に要する期間を劇的に短縮する効果がある。

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    A model demonstrates how the rehabilitation-assist robot Welwalk WW-1000, developed by Japan's Toyota Motor Corporation, helps to assist in flexing and extending the knee while walking on a treadmill during a press preview in Tokyo on April 12, 2017. Toyota Motor Corporation announced that the company will launch a rental service for the Welwalk WW-1000 robot from the fall of 2017. The Welwalk WW-1000 is designed to aid in the rehabilitation of individuals with lower limb paralysis as a result of stroke and other causes. / AFP PHOTO / Kazuhiro NOGI (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)
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    A model demonstrates how the rehabilitation-assist robot Welwalk WW-1000, developed by Japan's Toyota Motor Corporation, helps to assist in flexing and extending the knee while walking on a treadmill during a press preview in Tokyo on April 12, 2017. Toyota Motor Corporation announced that the company will launch a rental service for the Welwalk WW-1000 robot from the fall of 2017. The Welwalk WW-1000 is designed to aid in the rehabilitation of individuals with lower limb paralysis as a result of stroke and other causes. / AFP PHOTO / Kazuhiro NOGI (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)
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    A model demonstrates how the rehabilitation-assist robot Welwalk WW-1000, developed by Japan's Toyota Motor Corporation, helps to assist in flexing and extending the knee while walking on a treadmill during a press preview in Tokyo on April 12, 2017. Toyota Motor Corporation announced that the company will launch a rental service for the Welwalk WW-1000 robot from the fall of 2017. The Welwalk WW-1000 is designed to aid in the rehabilitation of individuals with lower limb paralysis as a result of stroke and other causes. / AFP PHOTO / Kazuhiro NOGI (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)
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    A model demonstrates how the rehabilitation-assist robot Welwalk WW-1000, developed by Japan's Toyota Motor Corporation, helps to assist in flexing and extending the knee while walking on a treadmill during a press preview in Tokyo on April 12, 2017. Toyota Motor Corporation announced that the company will launch a rental service for the Welwalk WW-1000 robot from the fall of 2017. The Welwalk WW-1000 is designed to aid in the rehabilitation of individuals with lower limb paralysis as a result of stroke and other causes. / AFP PHOTO / Kazuhiro NOGI (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)
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    A model demonstrates how the rehabilitation-assist robot Welwalk WW-1000, developed by Japan's Toyota Motor Corporation, helps to assist in flexing and extending the knee while walking on a treadmill during a press preview in Tokyo on April 12, 2017. Toyota Motor Corporation announced that the company will launch a rental service for the Welwalk WW-1000 robot from the fall of 2017. The Welwalk WW-1000 is designed to aid in the rehabilitation of individuals with lower limb paralysis as a result of stroke and other causes. / AFP PHOTO / Kazuhiro NOGI (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)
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    A model demonstrates how the rehabilitation-assist robot Welwalk WW-1000, developed by Japan's Toyota Motor Corporation, helps to assist in flexing and extending the knee while walking on a treadmill during a press preview in Tokyo on April 12, 2017. Toyota Motor Corporation announced that the company will launch a rental service for the Welwalk WW-1000 robot from the fall of 2017. The Welwalk WW-1000 is designed to aid in the rehabilitation of individuals with lower limb paralysis as a result of stroke and other causes. / AFP PHOTO / Kazuhiro NOGI (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)
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    A model demonstrates how the rehabilitation-assist robot Welwalk WW-1000, developed by Japan's Toyota Motor Corporation, helps to assist in flexing and extending the knee while walking on a treadmill during a press preview in Tokyo on April 12, 2017. Toyota Motor Corporation announced that the company will launch a rental service for the Welwalk WW-1000 robot from the fall of 2017. The Welwalk WW-1000 is designed to aid in the rehabilitation of individuals with lower limb paralysis as a result of stroke and other causes. / AFP PHOTO / Kazuhiro NOGI (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)

Welwalkシステムは患者が自力で歩ける最低限の力で補助を行うようモーター出力をきめ細かく調整できる。これが回復期間の大幅短縮をもたらす秘密だ。麻痺のある患者のリハビリでは補装具による支えを次第に減らしていくことで患者の自力歩行の回復を促す。支える力が強すぎると助患者は補装具に頼り切ってしまう。逆に支える力が弱すぎれば転倒などの事故に結びつきかねない。トヨタのロボット補装具は内蔵されたセンサーにより患者ごとに、また患者の回復に合せて最適な力で支えを行うことができるという。

トヨタは各種のロボティクスを以前から研究してきた。トヨタの人工知能研究の拠点、TRI(Toyota Research Institute)では高齢者の生活の質を高めるためのテクノロジー の開発を大きなテーマとしている。韓国のHyundaiも昨年ロボティクスを応用した補装具のデモを行っている。全体として自動車メーカーは自動車関連だけでなくさまざま形態での人間移動を助けるシステムの開発に力を入れ始めたようだ。

画像:: KAZUHIRO NOGI/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Xbox One Scorpioは6TFOPSの強力ゲームマシン―Microsoftがベールを少し上げる

Microsoftは6月のE3カンファレンスを待たず次世代Xbox、Project Scorpioの内容を公開した。Digital FoundryEuroamer.etで怪物マシンのスペックを見ることができる。 予想どおり、Scorpioはゲーム専用機の中では格段に優れたハードウェア性能だ。

このマシンのGPUは毎秒6兆回の浮動小数点数演算を実行できる―つまり6TFLOPSだ。この性能はXbox Oneに比べて4.5倍、ソニーのPlayStation 4 Proの1.4倍だ。

この性能は相当のものだが、Nvidia GeForce GTX 1070とほぼ同等で、1080, 1080 Tiなどには及ばない。Scorpioではネイティブで4K、60コマのビデオがサポートされるが、このレベルはパソコン・ゲーマーには耳新しくはないだろう。

ゲーム専用機でこの性能を確保するために、MicrosoftはAMDの協力を得て、40のRadeon演算素子を1つのチップに搭載し、TSMCに製造させている。クロックは1172MHzで冷却システムはかなり重労働となるだろう。

ScorpioのCPUは8コア、 2.3GHzだ。RAMは12GBで、うち4GBはOS専用に割り当てられる。こうしたハードウェアの性能を活かすために、メモリの速度326GB/sに速められている。さらにMicrosoftはDirect3D 12 APIを用いたAPIコールをGPUでネイティブに処理させている。

ゲーム世界全体を見れば革命的とまではいえないが、Xbox Oneからは大幅なアップデートだ。Project Scorpioは非常に高価な最強のゲーム・パソコンほど強力ではない。 しかし居間にゲーム専用機を一台置いておきたいユーザーにとっては朗報だろう。

Digital Foundryの記事にも新マシンのサイズは掲載されていなかったが、多くの面でXbox One Sに似たものになるようだ。接続性もほぼ同様(Kinectポートはない)で、ACアダプターと4K Blu-rayを備える。オーディオチップは現行と同じだが空間オーディオ対応などいくつか新機能が追加されている。音像の定位に優れた空間オーディオは拡張現実ヘッドセットなどに有効だろう。

Project Scorpioに関する情報は豊富だ。Microsoftはによれば、次世代ゲーム専用機の開発は2016年6月からスタートしたという。ScorpioはXbox One Sの後継機ではなく、Xbox One Sも引き続き販売される。

すべてのXbox OneゲームはXbox One SとScorpioの双方で動作する。ただしScorpioの方が性能が上で描写が美しいし、フレームレートも速い。読み込み時間も短縮される。ソニーもすでにに強力なゲーム専用機、PlayStation 4 Proを昨年発表している。次世代ゲーム専用機に関してはソニーとMicrosoftが先行したようだ。

Microsoftは6月11日のロサンゼルスで開催される予定のE3 2017プレス・イベントでさらに詳しい発表を行う予定だ。Gears of
War 5, Halo 6、Forza 7などがScorpioではるかにリアルな描写でデモされるだろう。6月のイベントでは価格について知りたいところだ。

〔日本版〕 上のビデオはDigital Foundryのもの。サイトで記事を開くにはDigital Foundryの登録が必要なようだ。同じくトップにリンクがあるEurogamer.netの記事、Inside the next Xbox: Project Scorpio tech revealedは非常に詳しい。またScorpio、Xbox One、PS4 Proのスペックを比較した表が掲載されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、360°ビデオ・ストリーミングを公開―Insta360、最新のSamsungカメラなどをサポート

Facebookは360°ビデオをライブストリーミングする機能を一般公開した。ただしユーザーはSamsungが発表したばかりのGalaxy S8向けのGear 360(2017年モデル)、 Insta360 Nano(iOS向け)、Air(Android向け)などの対応カメラを使う必要がある。Nokia OZOなどプロ向けのデバイスにも対応している。

この機能はFacebooのライブストリーミング・テクノロジーをベースとしており、再生時間は最大4時間、1080p、30fpsフォーマットに対応している。どういったシチュエーションを考えているにせよ、没入的ストリーミングの実現にはほぼ十分な容量だろう。ただし視聴者が見やすいストリーミングをするためには十分に速い接続環境が必要だ。Facebookでは4Mbps接続が必要だとしている。 ソフトウェアとしてはカメラの専用アプリを使うか、専用アプリがまだ用意されていないカメラの場合は、 facebook.com/live/createで新たに設定を行う必要がある。

私はすでにInsta360(Air、Nanoとも)テストずみだが、利用は非常に簡単だ。専用アプリに今日(米国時間3/29)、360°ストリーミング用のアップデートが来るはずだ。アプリのオプションから公開先としてFacebook Liveを選べばよい。このカメラの場合ストリーミングしながら自分でもリアルタイムでその映像を見ることができる。これはプロ用機器を含めて他のデバイスにはまだない機能だ。このアプリは現在の視聴者の数、「いいね!」その他のリアクションの数を教えてくれる。またコメントもチェックできる。

Insta360カメラはすでにTwitterのPeriscopeとGoogleのYouTubeでのストリーミングをサポートしているが、Facebookが追加されたのは視聴者拡大に大いに効果があるだろう。アプリ内の公開先オプションからFacebookを選ぶだけで設定が完了するので非常に簡単だ。Live 360ストリーミングはまだ他のサイトにエンベッド可能ではない。またApple TVやChromecastを通じて大画面で再生することも今のところできない。しかしその場の状況をそのまま伝えるには強力な方法だ。

昔の長距離電話の宣伝文句ではないが、「その場にいることの次によい」のは仮想的にその場にいることだろう。Facebook 360はこれを実現するのにもっとも簡単でもっとも視聴者の多いプラットフォームの一つといえる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ANAのスターウォーズ・シリーズにC-3POモデルが登場

飛行機のカスタムペインティングは、多くの航空会社が行なっている。しかしもっとも本気なのはどこかといえば、それは日本のANAであると考える人も多いのではなかろうか。最近はスターウォーズ・シリーズを展開している。シリーズ最新モデルは、金色に輝くドロイドであるC-3POだ。機体はもちろん、内装や小物もC-3PO風になっている。

この、ANAによるスターウォーズ・シリーズでは、これまでにR2-D2モデルやBB-8モデルが公開されている。それらについては、本体の形と機体の形に類似性もあったことで比較的かんたんに機体をデザインできたが、人間型ロボットであるC-3POについては苦労も多かったはずだ。C-3POの特徴のひとつであるワイヤ配線や円盤パーツを表現したモデルとなっている。ドロイドとしての特徴を、巨大ジェット機上になかなか上手に表現しているように思える。

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飛行機の内部に入れば、座席のヘッドカバーや、紙コップなどもC-3POモデルとなっている。もちろん搭乗券も特別版となっている。さらにはアンソニー・ダニエルズがキャプテンとして搭乗し、CAにはR2-D2も控えている。

もちろん最後の2つは冗談だ。しかしアンソニー・ダニエルズはお披露目に臨席し、飛行機内部にサインも残した。すっかりドロイド化したかと思われたアンソニー・ダニエルズだが、サインは人間らしいものとなっている。

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(翻訳:Maeda, H

Appleの新9.7インチiPad、予約開始は3/25から―能力向上、価格は大幅引き下げ

今朝(米国時間3/21)、Appleは新型iPadを発表した〔日本サイト〕。実質的には2014年後半に発表されたAir 2の後継機種だが、モデル名が煩雑になるのを避けるため、単にiPadと呼ばれる。これはMacBookのネーミングが単純化された前例を思い出させる。

新iPadは9.7インチの輝度が強化されたRetinaディスプレイと能力が向上したプロセッサを備えている。独自開発のA8Xプロセッサは新モデルではさらに高速なA9に置き換えられた。

重要な点は 32GBの入門モデルの価格を下げて320ドル〔日本版は税別37,800円〕からとしたことだ。128GBモデルは459ドル〔同税別48,800円〕からとなる。このサイズではApple史上もっとも低価格のタブレットだ。

なおこの発表に先立って、先月のMWCではSamsungがTab S3を発表している。このタブレットの価格は現在600ドルで、もっと手頃な価格を期待していたユーザーを失望させている。Appleは大胆にも 9.7インチ機種の価格を半額近くに引き下げた。

Appleのフィル・シラーは新モデルについてのプレスリリースを「さらに手頃な価格に」というきわめてシンプルなタイトとしている。手頃な価格のエントリーレベルのタブレットを探していたユーザーがまさにAppleのターゲットなのだろう。

Appleはタブレット全体で長年マーケットのリーダーの地位を占めてきたが、最近このジャンルはやや冷え込んでいる。しかしAppleのトップの座は揺らがないだろう。Strategy Analyticsによれば、Appleの昨年の第4四半期の世界市場でのタブレットの出荷台数ベースのシェアは13.1%だった。

能力のアップと同時に価格を引き下げるという戦略は当然ユーザーに歓迎されるだろう。タブレット分野でのAppleの大きなリードは今後も維持されるものと思われる。

〔日本版〕Appleサイトには「注文は3月25日午前0時01分(日本時間)から。」と記載されている。Appleのプレスリリースには「翌週からAppleストア(およびその他のチャンネル)に届きはじめる」とある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Galaxy S8のカラバリは3種類

なんの写真だかおわかりだろうか。これはVentureBeatのEvan Blassがリークした、Samsung Galaxy S8の写真だ。カラーモデルは2種類になるという噂もあったが、どうやら3種類用意されているようだ。

ツイートをそのまま転載しておこう。

写真だけでは詳細なスペックなどわからないが、ブラック、グレイ、シルバー(マーケティング的にはBlack Sky、Orchid Grey、およびArctic Silverと呼ばれるらしい)の3種類が用意される。ゴールドモデルはなく、いずれもグレーを基調とするカラーモデルとなっている。

Galaxy S8については、さまざまな情報がリークされている。写真でも明らかだが、画面サイズは従来よりも長くなっている。これが2017年のトレンドらしく、Samsungもそれを踏襲しているわけだ。Samsungとしては、スマートフォンとしてよりも、情報端末としての性格を強調したい考えでもあるらしい。

なお、さらに大きなS8+も用意されている。また、詳細は不明ながら、スマートフォンを外部ディスプレイに接続してPCとして活用するためのDeXドックもリリースされるといわれている。発表は3月29日のプレスイベントが予定されている。価格についても情報が流れている。

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(翻訳:Maeda, H

Swatchが独自のスマートウォッチOSを開発中

今のところスマートウォッチ・ビジネスに関して強気になれる材料は乏しい。 しかしSwatchは例外を作れるかもしれない。ともあれSwatchは全力を挙げている。このスイス最大の時計メーカーは単にスマートウォッチを開発しているだけではなく、独自のスマートウォッチOSも開発している。これによってAppleやSamsung(Tizenのカスタマイズ版)に対抗する考えだ。

このニュースは CEOのNick Hayekのインタビューの中で明らかにされた。Hayekは「Swatchのウェアラブルが消費者向けデバイスとなるには、小型化と〔他の企業から〕独立したOSの開発が必要になる」と述べた。このニュースはTag Heuerがスーパーハイエンドのモジュール式スマートウォッチを発表した直後に流れた。

しかしTagのスマートウォッチが(とてつもない高価格はべつとしても)、イノベーションがAndroid Wearをベースにしている。これは多数のブランド名を冠させることでビジネスとして成功を収めたアメリカのFossilの戦術に近い。これに対してSwatchはOSから独自に開発し、Tissotブランドに製品を加えるというアプローチだ。出荷は来年の末になるという。

出荷時期がだいぶ先なのでHayekが独自OSの詳細についてほとんど語らなかったのは当然だろう。しかしこのインハウスのOSの開発は、市場に出ている同種の製品が決定的に欠いているもの、つまりバッテリー駆動時間に集中しているようだ。Swatchの幹部によれば同社は「小さく考える(think[ing] small)」、つまり駆動のための消費電力の削減に取り組んでいるという。【略】

Swatchのスマートウォッチがどういう製品になろうと、前途はかなり険しいものになる可能性がある。この分野における消費者の購買意欲はAppleなど少数のトップ・メーカーを除いて、ここしばらく減退ぎみだ。ただしデバイスメーカーがOSレベルから内製を試みる傾向は、Fitbitを始めとしてひとつのトレンドとなりつつある。FitbitのCEOは開発中のスマートウォッチについて「あらゆる部分を自分たちで作る」と強調している。

スマーフォン、スマートウォッチがSwatchが得意とする低価格製品市場に食い込む動きが続いている。Swatchの今回の発表はこの流れを逆転させようという試みのようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

いつでも、どこからでもペットと一緒に遊べるPebby登場

かわいいペットたちは、愉しみをみつけるのがとても上手だ。人間もこうだったら世の中はもっと平和になるのになどと考えてしまう人も多いだろう。Kickstarterに登場したばかり(訳注:そしてあっという間に目標額を達成した)のPebbyで遊ぶ犬をみると、あらためてペットたちの平和な世界をうらやんでしまう人もいるに違いない。

単純に紹介すれば、Pebbyはスマートフォンでコントロールすることのできる「ボール」だ。ペットは動きまわるボールと楽しく遊びまわるし、また飼い主はボールをうまく動かしてペットの場所を移動させることなどもできる。ボールはWiFiでネットワークに繋がっていて、1度の充電で90分動作させることができる(スタンバイ時間は15時間)。

このPebbyには2つのモードが備わっている。ひとつは、先に述べたようにリモードでコントロールするモードだ。またペットにとりつけるスマート首輪と連携させることもできるようになっている。こちらのモードでは、首輪をつけたペットを追いかけたり、あるいは逆に遠ざかったりという動きを自動で行わせることができる。

また、ペットがPebbyで遊びはじめたら飼い主に通知するような機能も備わっている。また首輪連動モードでペットの動きを記録しておき、フィットネストラッカーのように使うこともできる。首輪に内蔵されている電池は8日ないし12日間動作するのだそうだ。

さらに双方向のマイクや、720pの広角カメラも搭載されている。世界中のどこにいても、ペットの様子をチェックしたり絆を深めたりすることができるようになるわけだ。レーザーやLED、およびスピーカーも内蔵されていて、外装も交換可能となっている。

遊び終えたら、アプリケーションからワイヤレス充電器まで運ぶこともできるようになっている。市場価格は248ドルの予定だが、Kickstarterでは早期割引で124ドルから入手することができるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H

これがジェフ・ベゾスの次世代ロケットだ―Blue Origin、New GlennのCGビデオ公開

ジェフ・ベゾスの宇宙企業、Blue Originは次世代大型ロケット、New Glennを開発中だ。Blue Originはさきほどビデオを公開し、このスーパーロケットがどのように打ち上げられるかを紹介するCGビデオを公開した。ネタバレになってしまうが、これはSpaceXのFalcon 9に非常によく似ている。

下にエンベッドしたビデオで、ロケットはBlue Originの発射基地から垂直に打ち上げられ、洋上を航行する大型プラットフォームに垂直に着陸する。これは現在SpaceXが用いているのとほぼ同様の方式だ。ただしCGアニメを見るかぎりでは、New Glennの着陸プラットフォームは大型船上に設けられており、乗員がいるもようだ。SpaceXのブースターはこれと異なり、自律航行する無人の艀に着陸する。

今回のビデオはBlue Originが宇宙計画の紹介するメディア・ツアーの一環でだ。昨日(米国時間3/6)、ベゾスは次世代ロケットで用いられるBE-4 エンジンを公開した。これに続いて今日、ベゾスはフランスの衛星テレビ企業、Eutelsatと契約を結んだことを発表した。この契約によれば、Blue Originは2021年ないし2022年に静止軌道に放送衛星を打ち上げる計画という。

SpaceXとBlue Originは本格的な宇宙競争に突入したようだ。平和的な競争なのが何よりだが、この2社のアメリカ企業の目標ははたいへん似通っている。つまりブースターを再利用することによって劇的なコスト削減と打ち上げ回数の増加を狙っている。Blue Originは2015年にNew Shepardでブースターの垂直着陸に最初に成功しSpaceXを出し抜いた。しかしSpaceXはその年の後半になってNew Shepardよりはるかに大きい実用衛星打ち上げロケット、Falcon 9で垂直着陸に成功し、その後も着陸を繰り返している。その中には洋上の艀への着陸も含まれる。現在、
両社とも月を目指しているという。さいわいなことに両社の競争はゼロサム・ゲームではない。どちらが勝つにしても本当の勝利は人類のものだ。

〔日本版〕 Blue Originのロケットはアメリカ初の有人宇宙飛行プロジェクト、マーキュリー計画の乗員の名前から命名されている。アラン・シェパードはアメリカ人として初の大気圏外飛行をした人物となった。ジョン・グレンは衛星軌道を飛んだ初のアメリカ人で、後にオハイオ州選出の上院議員を長く務めた。

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任天堂Switchは最高のゲーム機だ―タイトル数が少ないのが問題にならない理由

任天堂のSwitchはソフトウェアに関する限り、製品として成立する最小限という感じだ。起動したとき表示される画面は実際のソフトというよりモックアップのように見える。大きな空白の四角は将来追加されるソフトウェアのためのダミーのようだ。ユーザーが新しいゲームをダウンロードまたはカートリッジで入手するとこの四角に表示される。しかしゲームタイトルは現在懸命に作成中らしい。オンライン・ストアに飛んでみても事情はあまり好転しない。ゲームは9本あるが、トップクラスのゲームといえるのは1、2本だろう。

それでも任天堂Switchは私が実際に手にしたゲーム専用機の中でベストの1台だ。ゲームタイトルが充実してくればSwitchの持つ可能性ははかりしれない。

まず第一に、Switchはゼルダの伝説―ブレス・オブ・ザ・ワイルド というゲームひとつだけで成功するのに十分だ。このゲームの素晴らしさは一言では表現できない。プレイヤーはこの不思議な世界に最小限の抵抗で入って行くことができる。プレイのマニュアルなどはほとんどない。ゲームのルールはゲームの中で自然に気づくようにデザインされている。またゼルダには非常に幅広いプレイ方法が含まれている。プレイヤーはこっそりあちこち動き回って様子を見ながら戦闘能力を高めることができる。強力な敵から走って逃げ切ることもできる。気が向くなら美しい自然の中を何時間ものんびり歩き回って果物を摘んだり怪物を倒したりできる。どれを選ぶかはユーザーの気分とプレイのスタイル次第だ。

しかしブレス・オブ・ザ・ワイルドの成功については多くの記事が書かれている。 見過ごされがちなのは任天堂がSwitchのソーシャル・ゲーム機としての能力を巧みにアピールする小さなゲームを同時に公開している点だ。これらのゲームはでSwitchにほぼ無数のプレイ方法があることがデモされている。素晴らしいイノベーションだし、実際使い勝手も良い。

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注意点:ゲームタイトルの少なさが問題にされがちだが、スーパーボンバーマンR スニッパーズ〔注意:音声が自動再生される〕はどちらも非常に優れたゲームだ。どちらもマルチ・プレイヤーでプレイできる。スニッパーズは2人のプレイヤーが協力するというユニークなプレイ方法だ。こうしたゲームは本体から分離可能なSwitchのコントローラー、Joy-Conの能力を発揮するのに最適だ。スーパーボンバーマンRはローカル・ネットワークによるマルチプレイをサポートしており、複数のSwitchを持ち寄って楽しめる。またこのゲームは既存のコンソール上ですでにシリーズ化されているので馴染みのあるプレイヤーも多いだろう。Joy-Conを表現したスニッパーズのゲームキャラクターは可愛らしい。マルチプレイヤー・ゲームとしてはWiiのスーパーマリオブラザーズ を思わせるがこちらは競走より協力に重点を置いている。【略】

当面、Switchはゲームタイトルの数が少ないことに加えて、最近トレンドになっているオンライン・メディアの再生オプションに乏しい(Netflixが再生できないのは最大の欠点だと思う)。しかし任天堂は目下新しいゲーム機の使い勝手と新機能を浸透っせる努力に集中しているようだ。そしてこれに成功しつつあると思う。この勢いのまま新機能を十分に生かせるゲームタイトルが後続するなら、長期的に成長可能な新たなプラットフォームとなるのではないか?

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

”カメラ企業”としてのSnapの野望―、360度カメラからドローンまで

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Spectaclesに続く、”カメラ企業”Snapの新製品は何になるのだろうか?複数の情報筋によれば、同社はこれまで360度カメラの可能性を探っており、360度カメラや3Dカメラに詳しい開発者を会社に招いて、今後Snapが開発すべき製品のオプションに関するプレゼンを受けていたという。

一方、Snapはまだ360度カメラの調査をはじめたばかりで、実際に製品がリリースされるかどうかは定かではない。なお、同社は本件についてコメントを控えている。

もしも360度カメラが市場に出れば、SnapはSpectaclesで撮影できる1人称視点で丸いフレームの動画のように、これまでにない形式のコンテンツをSnapchatに追加できるほか、新しい収益源を確保することができるかもしれない。

以前Snapは、買収の可能性を示唆しつついくつかのスタートアップとミーティングを行ったが、結局その目的は、同社が今後進出できそうな新しい市場やテクノロジーに関する情報収集だったと、SnapのM&A周りに詳しいある関係者は話す。

さらにその人物によれば、中にはミーティング後に実際にSnapが買収した企業もあったが、「さまざまな相手と何度もミーティングを重ね、情報を引き出すだけという場合もありました。Snapは買収に興味があるようなふりをして、相手から情報を引き出そうとしているようです」とも語っている。

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SamsungのGear 360

例えば、Snapがセルフィー用ドローンを開発するスタートアップLilyとの話し合いに入ったものの、結局何も具体化しなかったという情報を、昨年末にTechCrunchは入手していた。その後Business Insideが両社の話し合いについて報じ、Lilyは最終的に倒産した。さらに昨日The New York Timesは、Snapがドローンを「開発した」と報じており、TechCrunchがコンタクトした関係者もそれを認めている。しかしドローンについても、実際に製品としてリリースされるかどうかはわかっていない。

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Artist rendering of Ricoh’s forthcoming R 360 camera 近々発売が予定されているRicohのR360のレンダリング画像

Snapが得意分野を離れてドローン市場に進出するとなると、そこには厳しい競争が待っている。Lilyはプレオーダーで3400万ドルもの売上を確保していたにも関わらず、結局製品をリリースできないまま倒産してしまった。またGoProにはKarmaがあるが、先日の落下事故を受けてリコール・リローンチを余儀なくされた。

中国発で人気の大手ドローン企業DJIは、コンシューマー向けドローン市場で1番の性能を誇るカメラ付きドローンを製造しているとされており、その他にも市場には価格の安いドローンが溢れている。こんな状況の中Snapがドローンを開発するとすれば、競合製品とは違う新しくて”クール”なカメラの機能や、使いやすさに重きをおかなければいけない可能性が高い。

そういう意味では、もしかしたら360度カメラの方がSnapにとってはチャンスがあるのかもしれない。RicohのThetaやSamsungのGear 360などが競合製品として存在する一方、まだアメリカでは一般に普及し大成功を収めた360度カメラはない。また、ドローンよりも360度カメラの方が、持ち運びがしやすく操作も簡単で、画像取込というSnapの専門性をうまく活用できるだろう。

通常360度カメラは複数の魚眼レンズを使って写真や動画を撮影し、見る人は携帯電話のスクリーンを動かしたりスワイプしたりすることで、撮影された空間を色んな角度から眺めることができる。これが没入感につながるのだ。これまでのところ、人の心をつかむような360度コンテンツというのはなかなか誕生しておらず、プロのビデオグラファーもどんなコンテンツが360度カメラと相性が良いのかまだ模索している段階だ。

コンサート中のステージや戦闘機のコックピットの様子を360度動画で長時間眺めていても、退屈であまり身近に感じないかもしれないが、知人や友人に囲まれているような雰囲気の短い動画であれば、もっと楽しく感じられるかもしれない。さらに、もしもティーンエイジャーがSnapの360度カメラを手にすれば、また新たな使い方が生まれる可能性もある。

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このRicoh Thetaで撮影された写真のように、360度動画・写真は色んな角度から眺めることができる。

他にもSnapはこれまでに、GoProのようなアクションカメラや、3D画像が撮影できるカメラなどの開発を検討していたと関係者は話す。また、Spectaclesの第2世代がリリースされる可能性もあるが、少なくとも初代Spectaclesは売上という意味ではほとんど実績を残せていない。

今週予定されているSnapのIPOが近づく中、投資家は今後新しい収益源を求めることになるだろう。Snapchatのユーザー数の伸びは、競合のInstagramがStories(TechCrunchはInstagramのStoriesがSnapchatのユーザーを奪っていくだろうと報じていた)をローンチしてから鈍化してしまったが、新しいタイプのコンテンツを撮影できる新製品を導入することで、Snapは再度ユーザー数を増やせるかもしれない。

Snapのハードウェア戦略の裏には「携帯電話のカメラにできないことは何か?」という問いが存在する。携帯電話では手を使わないでPOV動画は撮影できない。だからこそSpectaclesが誕生したのだ。同様に、携帯電話は空を飛べないし、周囲の様子を一度に撮影することもできない。携帯電話を握りしめてゆっくりとその場を回りながら、自分のいる場所を撮影している人をよく見かけるが、360度カメラを使えば、友だちはよりリアルに、あなたと同じ場所にいるような感覚を味わえるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

iPhoneプレミアムモデルは曲面OLEDを採用(全モデルでポートはUSB-Cに)

CUPERTINO, CA - SEPTEMBER 09:  Apple CEO Tim Cook models the new iPhone 6 and the Apple Watch during an Apple special event at the Flint Center for the Performing Arts on September 9, 2014 in Cupertino, California. Apple unveiled the Apple Watch wearable tech and two new iPhones, the iPhone 6 and iPhone 6 Plus.  (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

iPhoneが登場して10周年を迎えた今年、iPhoneには特別モデルが用意されるだろうという話が広がっている。それにともないさまざまが流れている。そうした中、WSJに詳細な記事が掲載されている。記事のもととなった匿名の情報源によれば、プレミアムモデルは他のモデルとハードウェア的にずいぶん違ったものになるとのこと。

記事によれば、iPhoneのプレミアムモデルでは、SamsungのGalaxy S7 edge同様の曲面OLEDスクリーンを搭載するそうだ。曲面ディスプレイはSamsungが製造するものとなるらしい。

このハイエンドモデルの価格は、1000ドルが見込まれている。iPhone 8ないしiPhone 8 Plusとは別の特別モデルとして販売されることになる。

尚、すべてのモデルではライトニングポートを廃してUSB-Cを搭載することになるようだ。もしこれが本当なら、iPhoneとして初めて独自規格を捨ててAndroidなどのライバル機種と同じ標準規格を採用することになる。これは最新のMacBook Proなどをみれば、たしかにありそうな話だ。

USB-Cは電力、データ、音楽、ビデオなどを、LightningないしUSB 3規格よりもはるかに高速に転送することができる。MacBook Proでも、この規格の優位性を認めたからこそ、MacBook Proにおける唯一のI/OインタフェースとしてUSB-Cを採用したわけだ。しかしこのせいでiPhoneをMacBook Proと直接つなぐことができなくなったのは問題ではあった。USB-CとLightningを変換するケーブルが必要だたのだ。iPhone側にもUSB-Cを搭載することで、こうした状況が変化することとなる。

話を戻して、WSJのレポートが実現するのなら、iPhoneには従来と異なる新たなエコシステムが生まれることとなる。iPhone 8およびiPhone 8 Plusとは別に用意されるという噂のiPhone Xだが、ハードウェア的な仕様も異なるものとなるわけだ。このプレミアムモデルの登場で混乱する消費者も生じることだろう。しかしプレミアムモデルの販売は、たしかにAppleを潤すこととなるのだろう。
USB-C化)
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(翻訳:Maeda, H

ガジェット界の前例を覆す試み―、Motorolaが販売予定のないコンセプトモデルをお披露目

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ガジェット業界はここ最近新鮮味に欠け、つまらなくなってしまった。どれも同じような見た目の携帯電話や、GoProのコピーで溢れるアクションカメラ、さらにヘッドフォンはBeatsを真似たものばかりだ。どのメーカーも冒険するのを怖がり過ぎているし、発表後になかなか販売されない商品は勢いを殺してしまう。

しかしそんな状況を変えるべく、Motorolaが本日スペインで吠えた。Mobile Word Congressのプレス向けイベントで、同社は要するに発売するかもしれないし、しないかもしれない製品について発表したのだ。競合企業もこの考えを受け入れて、追従したほうがいいだろう。

昨年Motorolaは、スマートフォン「Moto Z」を発表した。この製品は、前から見るとこれまでのスマホと何ら変わりないが、背面にはアクセサリーが取り付けられる端子が搭載されている。既に(MotorolaがMoto Modと呼ぶ)Moto Z対応アクセサリーは数種販売されているが、具体的には今のところプロジェクター、スピーカー、カメラといったところだ。

本日のイベント内で、Motorolaは数ヶ月中に販売開始予定の新たなModsを発表したが、それ以外にも販売”しない”かもしれないMod(=コンセプトモデル)のお披露目も行った。コンセプトモデルの中には、Moto Mod VRヘッドセットや写真プリンター、インタラクティブLEDパネル、さらに携帯電話で何かをつくるためのレゴのようなModもあった。これらのコンセプトからは、既成概念にとらわれない製品を作ろうというMotorolaの気概が感じられ、私はとても嬉しかった。

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コンセプトモデルの考え方は、ガジェット業界ではあまり馴染みがない。大手メーカーは単純に、リリース予定のない製品について話をしないのだ。しかし自動車メーカーは長きにわたって、コンセプトカーを通じてデザインの意匠を主張したり、ファンを盛り上げたりしてきた。

自動車の展示会を思い浮かべてみてほしい。1番面白いのは、新しいトラックやスポーツカーではなく、コンセプトカーだ。一方で消費者は、コンセプトカーが製造もされなければ、自分たちは購入できないことも理解している。つまりコンセプトカーは展示会専用の車だ。

自動車メーカーは、コンセプトカーを使って自分たちのロードマップを披露しようとしている。彼らの現状は生産されている車が表現している一方で、会社がどのような方向に進もうとしているかというメッセージを、彼らはコンセプトカーを使って消費者に伝えてきたのだ。ガジェットメーカーもこの考え方を採用しない手はない。

過去数年のMotorolaは、地獄のような日々を味わってきた。2011年に会社がふたつに分断され、2012年にようやくGoogleが携帯電話部門を買収したものの、2014年にはさらに同部門がLenovoに売却された。当時のMotorolaは起死回生のための商品を渇望しており、ミドルレンジのスマートフォンMoto Gがそれに近いものとなった。Moto Gは驚く程売れたわけではないが、少なくとも多くの市場でMotorolaはマーケットシェアをある程度獲得することができた。

一方Moto Zは、Galaxy SやLG Gシリーズの競合製品で、他社の製品より本質的に優れているというわけではないが、趣の異なる製品だ。そして競合製品と違うというのはいいことだ。MotorolaがMoto Zのモジュラーエコシステムに力を入れているのはハッキリと伝わってくるし、コンセプトモデルのお披露目によって、同社がどのような方向に進もうとしているのかもわかる。

例えばあなたが、MotorolaかSamsung、もしくはKickstarterから誕生したスタートアップのエンジニアだとして、絶対売れると自信を持っている製品を開発したとしよう。細部まで完成されていて、さまざまな消費者に愛されるであろう製品だ。しかしその完成に至るまでには、もっと注目されてもよかった派生物のような製品が試作されていたはずだ。おそらくその試作品はベストセラーにはならないだろうが、あなたのような優秀なエンジニアもしくはデザイナーが少し手を加えれば、素晴らしい製品になる可能性を持っていて、あなたも面白そうだから試作品を人の目に触れさせたいと感じている。しかし残念なことに、会社との秘密保持契約のせいでプロトタイプやデザイン案は全て破棄しなければならない。このような状況を考えると、コンセプトモデルはエンジニアやデザイナーの創造力のはけ口としても使えるかもしれない。

私がよく知るメーカーは全て、社内でコンセプトモデルや初期の試作品を回覧している。開発段階でプロトタイプが上層部まで送られ、その後エンジニアの手に戻ってくるのだ。これも消費者の手元には届けられないが、良しとされている。しかしMotorolaや自動車メーカーの例を見てみると、リリースされない製品にも価値があることがわかる。私自身、Appleが開発を試みたがリリースされなかったアイディアを集めた本があれば、是非手に入れたい。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Nokia 3310フィーチャーフォンがMWCの話題をさらった理由

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Mobile World Congressが開幕したが、話題をさらったの基本的に17年前のテクノロジーのデバイスの復活だった。Snakeヘビゲーム〕がプレイできるキャンディーバーのような形をしたフィーチャーフォンだ。BlackBerry自身もノスタルジックなKeyOneスマートフォンを発表してモバイル業界の現状に挑戦している。

一見すると奇妙だ。フィーチャーフォンはこれまで本当の意味で「消えた」ことはない。スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したとたんにフィーチャーフォンが全滅したというようなことはない。安いフィーチャーフォンは今でも買える。そうではあっても、今年のMWCではLGが社運を賭けているらしいG6を始め、どのスマートフォンのフラグシップモデルよりもHMDのNokia 3310の方が興奮させる製品だ。

いろいろな意味でLG G6は皮肉な製品となった。同社はプレスカンファレンスでモバイル・デバイスのイノベーションはスペックにあるのではなく使い勝手にあると述べた。しかしG6は新しいアスペクト比と高機能を有し、スペックとしても強力なモデルの一つだったが―もちろんLGは正しい。スマートフォン戦争はあまりにもスペック競走に走り過ぎた。

iPhoneが登場してから10年が過ぎ、モバイル業界は一変した。専門家、一般消費者ともにディスプレイの解像度やピクセル数が改良されるスペック戦争にうんざりし始めたところだ。もちろこうした改良を続けるためにメーカーは10年間苦闘してきたわけだが、その結果がテクノロジーとしていちばん古くさいはずのフィーチャーフォンに新鮮さを感じるようになったとは面白い現象だ。

「スマートフォン疲れ」とでもいうのだろうか? 毎年のアップデートにおける小出しのスペックの改良、各社「右へならえ」のデザインに皆が飽き飽きしてきたということなのだろう。フィーチャーフォンはアメリカならもうすぐ投票権を得られるほどの年齢だが、堅実な製品として復活すれば巨大メーカーのスマートフォンの発表会を日陰に追いやるほどのインパクトがあった。

スマートフォンのユーザーの間にはシンプルなテクノロジーに戻ろうとするノスタルジックなトレンドがあり、Nokia 3310はその最初の例だったのだろう。音楽業界ではこの数年、デジタル音楽に対してレコード盤が復活を遂げているのに似ている。3310への興味はマイナーな改良をいかにも大変なブレークスルーのようにはやしたてるスマートフォン・ビジネスに対する反感の現れだろう。

Nokia 3310が発表した奇妙なデバイスがデモしているヘビゲームは暗示的だ。右に左に激しく動いて巨大化してきたものの最後には自分の尻尾を食いちぎり、スマートフォンのアップグレード競走には一時停止がかかってしまうのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Galaxy S7 edgeについてのSamsungの発表は誤解を招く

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Samsungは先ほど、プレスリリースを発表し、「Samsung Galaxy S7 edgeはMWC 2017でベスト・スマートフォンに選ばれた(Samsung Galaxy S7 edge Named Best Smartphone at MWC 2017)」と述べた。しかし事実は以下に説明する通りだ。Samsungのプレスリリースは誤解を招く表現なので撤回すべきだ。

GSMAはMWC〔Mobile World Congress〕を毎年開催している業界団体だ。カンファレンスでは前年に発表された製品や技術的進歩に対して賞を授与し、セレモニーを開催している。今年、Samsung Galaxy S7 edgeは iPhone 7 Plus、Pixel Xl、Huawei P9、Moto Zと共に最終候補に選ばれている。つまりSamsung Galaxy S7 edgeはMWC 2017で2016年のベスト・スマートフォンに選ばれた〔Best Smartphone 2016〕というのであれば正確だ。

しかしSamsungのプレスリリースはこれとは違う。

Samsungは「Galaxy S7 edgeはMWC 2017でベスト・スマートフォンに選ばれた」と表現している。つまり言外に、「今年のMWCでのわれわれはひどい出来だったがそれは忘れてくれ。S7はこのカンファレンスで最良のスマートフォンなのだ」と言っているように聞こえる。

今年のMWCでLG、Motorola、Huawei、BlackBerry、Nokiaとは異なり、Samsungは新しいスマートフォンを発表していない。その代りにSamsungは3月末にニューヨークで大規模なイベントを開催し、Galaxy S8をお披露目するという。MWCではSamsungはタブレットを2機種発表しただけだ。

私は昨日の記事でSamsungはもはやMWCを必要としないだろうと述べた。同社の動向には常に業界が注目しており、新製品を発表するためにトレードショーを必要とする段階を超えている。

われわれはSamsungにコメントを求めている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Galaxy S8の(おそらく本物の)リークビデオ

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サムスンはGalaxy S8を3月末に発表する予定であるらしい。しかしそれに先立って、2本のビデオがリークされた。問題のビデオは記事末に掲載している。

ビデオからは、新モデルのデザインをはっきりとみてとることができる。S7に採用された曲面ディスプレイや、3.5mmヘッドフォンジャックはそのままになる様子。前のモデルには存在した物理的なボタンがなくなったことをのぞけば、外観はそっくりといっても良いかもしれない。物理ボタンの代わっては、ソフトウェア的なボタンを配置することとしたようだ。

ビデオは非常に短く、細かい部分は映っていない。しかしリリースが近づくにつれて、他にもリーク映像ないしビデオが出てくるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H

BlackBerryの再挑戦

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Research in MotionのBlackBerryスマートフォンが、我が世の春を謳歌していた頃の事を覚えているだろうか?

私の最初のスマートフォンは、BlackBerry 7130eだった。私はその電話を気に入っていたが、その後、私の息子がそれをジンジャエールで駄目にした。7130eには不足がなかった。スクロールホイール、Javaアプリケーション、キーボード、そして数日間使える交換可能なバッテリー。その電話は2005年に出荷され、私は2009年までそれを持っていた。

皮肉なことに、Research in Motionの苦闘は、私の7130eの昇天と時期を同じくして始まった。この会社は、あまりにも長い間その過去にしがみついていて、自身の社名をフラッグシッププロダクトと同じものに変えた、そしてその後はご存知だろう、Androidと明快に定義されたマーケットデータとの戦いによって、自分自身を不慣れな戦いの場に引き込んでしまったのだ。

昨日(米国時間25日)までは。

BlackBerryがKEYoneを発表したのだ 。そして何と、それは物理キーボード付きなのだ。この2017年にだ。でもまあ当然か?

このデバイスとクラシックBlackBerryデバイスの間には、いくつかの根本的な違いがある。まず、BlackBerry自身はこのデバイスを製造していない。TCLがBlackBerryのために、この携帯電話を製造している。第2に、KEYoneは自家製のオペレーティングシステムの代わりにAndroidを実行する。

BlackBerryは以前、利益を生み出す会社へと立ち戻る期待を込めて、デバイスの製造を中止し、OSの開発もとりやめた。基本的なアイデアは、ブランド名をライセンスして、Android上で動作するソフトウェアソリューションを構築することだった。BlackBerryのCEOであるJohn Chenは、昨年の動きを、BlackBerryのブランドをいずれかのデバイス上に残すための手段だったと説明した。

KEYoneはこの新戦略の下でリリースされた最初のデバイスだ。まあ、もっとましなブランド名だったらと思う。KEYone?私は気に入っているとは言い難い。

基本となるアイデアは、キーボードを持つスマートフォンを所有することに、潜在的に興味を持つ消費者の小さなグループの一部への訴求を狙うということだ。「潜在的に」という言葉がここでは重要だ。なにしろBlackBerryが調査した人びとの回答によれば、彼らはそうしたデバイスを所有することに潜在的に興味を示していたのだ。

KEYoneのハードウェアは、2017年においては新しいと言えるものだ。過去のBlackBerryによる幾つかのイノベーションを、新しいトレンドに載せて提供している。キーボードはトラックパッドとして利用することができ、スペースキーには指紋リーダーが内蔵されている。ただしトラックパッドとして使えるキーボードは完全に新しいものではない。2014年にリリースされたBlackBerry Passportが、タッチできるキーボードを装備した最初のものだ。

携帯電話ではAndroidが実行される。BlackBerryは何世代か前から、BlackBerry OSの利用をやめてしまった。しかもそれらの携帯電話は、古き良きBlackBerryのフォルムを持っていなかった。

私は物理的なキーを欲しがる潜在的な消費者たちはまだ居ると思うし、そのマーケットを支える会社としては、BlackBerryこそが唯一適切な会社だと考えている。なによりそれこそが、コピー品とお互いに差のないデバイスで溢れかえったAndroidマーケットから距離を置くための1つの方法なのだ。その点で、古き良き時代への回帰は、スマートであると同時に少しキュートなやり方だ。

かつて、最も支配的な携帯電話メーカーだったBlackBerryのシェアは地に落ちて、AppleとSamsungがそのトップの地位を引き継いだ。KEYoneのマーケットは、BlackBerryがかつての地位を取り戻すためには大きさが足りないが、BlackBerryにとってちょっとした盛り上がりとなる程度には売れるだろう。そしてBlackBerryは製造をTCLに任せているので、仮にデバイスが完全に失敗しても大きな負債を負うこともない。

BlackBerryがこの先スマートフォンのトレンドを左右することはない。それは遠い昔の話だ。今では多くの派手な見出しとは無縁な地味なソフトウェア会社なのだ。しかし、それは健全なことだ。

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(翻訳:Sako)

AirPodsのカラーバリエーションを提供するColorWare(日本にも出荷可)

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白のAirPodsが悪いというわけではない。ただ、少々たいくつな感じがするのは否めないと思う。そんな人むけのサービスがColorWareで、AirPodsのカラーバリエーションを提供してくれる。色の種類も豊富に用意されている。さらに追加料金を支払えばケースにも色を塗ってくれる。

ちなみにColorWareは2000年代から、こうしたサービスの提供を行なっている。Appleプロダクトのカラーバリエーションの提供を主力サービスとして提供している。iPodのカラーバリエーションを最初に提供したサービスのひとつでもある。

もちろん費用はかかる。AirPodsを好きな色に変更する価格は289ドルよりとなっている。AirPods本体も含んでの価格なので、カラーリングの価格は130ドル程度よりということになるわけだ。色は58色から選ぶことができ、ソリッド塗装だけでなくメタリック塗装を選ぶこともできる。ケースの塗装は30ドルだ。

現時点では、注文の処理には6週間ほどかかるとのこと(訳注:現在サイトではシッピングまで10-12週間かかると記されています)。AirPodsを好きな色に染めるのに、コストなどあまり意識しないという人も大勢いるようだ。もちろんこうした人の存在にはAppleも注目していることだろう。おそらくは、Appleも自社製品としてカラーバリエーションを提供してくると睨んでいるのだが、果たしてどうだろうか。

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(翻訳:Maeda, H

改造ハッカーたちが、NES Classic Editionを万能レトロゲームマシンに改造中

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もしこの前のホリディシーズンで運良くNES(米国版ファミコン) Classic Editionを手に入れることができていたなら、(私同様に)そのエミュレーションの質の高さに、きっと感心していたことだろう。これでもう少し沢山ゲームが載っていたら、あるいはSNES(米国版スーパーファミコン)版が手に入るなら本当に良いのに。実は、その夢が叶おうとしている。まあ、ある意味ではということではあるが、ともあれ。

ハッカーたちがこの小さなコンソールのメモリを書き換える方法を発見してから、レトロゲームの勇敢なファンたちがその限界をテストし続けてきた。まずいくつかのゲームを追加し、そしてその数が数百に増え、今や他のコンソールのゲームも追加されるようになって来ている。

これは主に、”Cluster”のハンドルネームを持つロシアの開発者、Alexey Avdyukhinの仕事だ。彼は、コンソールのメモリを書き換えるプロセスを、文鎮化(フリーズして復活しなくなること)を避けながら簡略化するツール、Hakchi2を開発した。その「文鎮化を避けながら」という部分が重要だ。

しかし、元々は注意深い操作を必要としたハッキングの産物だったアプリは、はるかに使いやすいものとなり、さらには拡張さえ可能になっている。最初にClusterがGitHub上で発表したのは、RetroArchという名のマルチコンソールエミュレーターだ。これは同じプロジェクトで働く他の開発者MadMonkeyによって移植されたものである。

それは自動的にサポートされていないNESゲームを検出し、ディフォルトのエミュレーターに代わってそれらを立ち上げます。メニューの表示、状態のセーブなどは、普通に動作します。またそれは(もちろんクラシックコントローラを使って)SNES、Genesis(米国版メガドライブ)、GBA、そしてNintendo 64をエミュレートすることができます。N64とGenesisのゲームをNESの上でプレイできるのは奇妙な気がするという意見には同意します。それが、それらをオプションでダウンロード可能な拡張として用意した理由です。

人びとはコンソールのルック・アンド・フィールを失うことなく、既に複数のシステムの数十または数百のゲームを自分のデバイスに取り込んでいる。その様子はこのDan the Manによるデモビデオで見ることができる。

あなたが慌てて駆け寄って、狂ったようにNES Classic Editionの内部を下手に弄り始める前に一言。このプロセスはまだ気軽にできるようなものではないし、明快に合法的とは言えないものだということに注意して欲しい。任天堂は、海賊版ROMを使おうとして回復不可能な損傷を与えた場合には何の面倒も見てはくれない。そしてともかくこのコンソールに対する数多くのゲームはまだテストされていないし、おそらくは動作しない場合もあるだろう。

最善の策は — 少なくとも私はそうしているが — 様子を眺めながら待つことだ。これは1ヶ月でツギハギから立派に動作するソフトウェアに育って来た、近いうちには誰でも扱えるようになるかもしれない。ところで、既に組み込みの30個のゲームはコンプリートしただろうか?本当に?Ghosts ‘n Goblinsも? 嘘はいけないな。

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(翻訳:Sako)

尻尾を振るRoombaに注目―IEEEが効果的インターフェイスだと重視

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IEEEは2013年の面白い研究のビデオを発掘して公開した。Roombaに取り付けたふわふわした犬の尻尾は面白いだけではなかった。インターフェイスとして役立つというのだ。

この研究はAshish SinghとJames Youngによるもので、ロボット掃除機のRoombaに尻尾を装着すると内部状態を知らせるためのコミュニケーションに非常に役立つとしている。たとえばすばやく尻尾を振っている状態は「万事OK」だが、ゆっくり左右に動かしているなら「問題あり」という具合だ。

「工場で運搬に従事しているロボットから家庭内で利用されるロボット、PackBotのような汎用ロボットまであらゆるロボットがこのテクノロジーでメリットを得る」とYoungは語っている。

ロボットに尻尾を取り付けるのはどんな場合に適当だろう? ロボットの内部状態を知らせるという目的であれば、ディスプレイやスピーカーを追加するより尻尾を追加したほうがはるかに安上がりだ。もちろんこれは将来ロボットがあらゆる場所に存在するようになりわずかなコスト削減も全体としてきわめて大きな影響をもたらすという前提にもとづいている。

しかしそうした実用性とは別に、おもちゃ市場をみれば、ごく単純な鳴き声や笑い声を挙げるだけで愛着が大きく高まることはファービーや恐竜ロボットのプレオ、最近ではハッチマル〔生まれてう~も〕の例でも明らかだ。

この研究を行ったマニトバ大学のチームは、ロボットが人間に情報を知らせるために「視覚的手段」を備えることが重要だと指摘している。これにより人間は「手遅れになる前に」ロボットの内部状態を把握できる。このチームはまた人間のロボットに対する共感(empathy)についても研究しており、人間がロボットに対する共感を動画と現実で比較した。その結果、人間は動画に現れるロボットに対するよりも現実のロボットに対して強い感情移入をする傾向があることが判明したという。

〔日本版〕IEEE Spectrumのページは、「Roombaがロボット掃除機だということは分かっているが、観察していると、ときおり掃除機としては不可解な行動する。Roombaについてはさほど大きな問題ではないだろうが、ロボティクス一般として考えると(重要だ」とロボットと人間のコミュニケーションを改善する必要性を述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+