サーバーレスコンピューティングのモニタリングサービスStackeryが$5.5Mを調達

StackeryのファウンダーたちがまだNew Relicにいた2014年に彼らは、今後伸びてくるサーバーレス技術の市場にツールを提供していく機会がある、と考えていた。New RelicのIPOを契機に同社を去った彼らは、サーバーレスのアーキテクチャに統括と管理の層を提供する、を目標としてStackeryを創業した。

今日(米国時間4/3)同社は二つの大きな発表を行い、その最初の550万ドルの資金調達を彼らは“シード+”(プラス)と呼んでいる。第二の発表は、Health Metrics Dashboardと呼ばれるサーバーレスのパフォーマンスモニタツールだ。

まず、資金調達の話から。なぜ、シードプラスと呼ぶのか? 同社の協同ファウンダーでCEOのNathan Taggartによると、シリーズAでも良かったけど、でもまだ彼らの市場がそれほど成熟していないので、控えめな呼び方にした。“シリーズAへの欲求はあったけど、シードプラスの方が市場の現状に合っている”、と彼は述べる。今はまだ、各社がやっとサーバーレス方式の利点を理解し始めた段階だから、明らかに成長途上の市場だ。

HWVPがこのラウンドをリードし、Voyager Capital, Pipeline Capital Partners, そしてFounders’ Co-opが参加した。これにより、2016年に創業した同社の調達総額は730万ドルになった。

AWS LambdaAzure Functionsなどのサーバーレスコンピューティングという呼び名は、やや誤称だ。プログラムはサーバーが動かすのだけれども、アプリケーションのための専用のサーバーは要らない。トリガーイベントがあってそれに呼応するコードをサーバーが実行するときだけ、料金が発生する。これに先駆けてやってきたクラウドコンピューティングと同じく、デベロッパーがこれを好むのは、アプリケーションの構成やリソースの確保に大量の時間を取られずに済むからだ。

しかし、従来のクラウドコンピューティングと同じく、サーバーレスも実はクラウドサービスだ。だからこそ、デベロッパーは容易にアクセスできる。2011年に始まった“ITの消費者化”現象を思い出せば、それはクラウドサービスを容易に調達できる能力と引き換えに、組織内部のコントロールを失うことを意味していた。

クラウド初期の当時と同じく、今企業はサーバーレス技術のアドバンテージを求めるが、それと同時に、その費用や、他企業の利用状況、セキュリティ、企業のルールとのコンプライアンスなどが気になる。そこで、Stackeryのようなサービスの出番となる。

Health Metrics Dashboardと名付けられた新しいダッシュボードは、このビジョンの延長であり、モニタリングにルーツを持つファウンダーたちらしいプロダクトだ。サーバーレスはコンテナを扱うことが多く、多くのファンクションがそこにはある。何かがおかしくなったとき、その根因を見つけるのが難しい。

StackeryのHealth Metricsダッシュボード。写真提供: Stackery

そのダッシュボードは、ひとつのアーキテクチャ全域のスループットと各リソースのパフォーマンスを見せるから、デベロッパーは、どこにボトルネックがあり、パフォーマンスの問題や失敗があるか分かる。

同社は2016年に創業し、オレゴン州ポートランドに本社がある。社員は今9名で、内5名がエンジニアだ。年内には3名の増員を計画している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Atlassianの2年にわたるクラウドへの旅 ―― AWSへの大幅な移行

 数年前、Dropboxがパブリッククラウドの採用をほとんど止めて、独自のデータセンターを構築することに決めたことは、多くの人々に衝撃を与えた。だが最近、Atlassianはこれとは逆向きに、ほとんどのデータセンターを閉じてクラウドに移行した。企業たちは、さまざまな理由でこうした選択を行う。Atlassianの現在のCTOであるSri Viswanathが取締役会に加わったのは2016年だったが、彼は同社の最大のアプリケーションをAWSに移行する決定を下した。

これは部分的には、時間が経つにつれてアプリケーションたちが厄介なコードの層に邪魔されて、更新も保守も行うことが困難になる、技術的負債に関わる話である。2002年に設立されたAtlassianにとって、Viswanathが会社にやって来た2016年が、いわば先延ばしにしていた年貢の納め時だったということだ。

Atlassianは、未来に進むためには、コードを更新する必要があることには既に気がついていた。彼らがViswanathを取締役会に加えた理由の1つが、その仕事の指揮をとって貰うことを狙ってのことだが、そうした仕事の必要性そのものは、彼がやってくる前に十分に認識されていた。2015年には新しいクラウドベースのアプローチに向けたビジョンとアーキテクチャを検討する小さなチームが立ち上げられていたが、その成果を十二分に達成するために、最初のCTOを採用したいと考えたのだ。

マイクロサービスへの移行

彼は計画を実行に移し、内部コードネームVertigoを与えた。おそらく、彼らのソフトウェアスタックの大部分をパブリッククラウドに移行させるという考えは、エンジニアリングチームにとって、想像するだけでもめまいがするようなものだっただろう。このプロジェクトの目標は、その最大の製品であるJiraとConfluenceから始めて、ソフトウェアを再構築することだった、もちろん次の10年を大きな困難なしに支えてくれるような基礎とすることが狙いだ。

写真:WILLIAM WEST/AFP/Getty Images

彼らは2016年の大部分をソフトウェアの書き直しに費やし、それをAWS上に置くことにした。15年に渡って蓄積されてきたコードをマイクロサービスに転換することに注力した結果、最終的にはコードベースも小さなものにすることができた。彼は、技術的負債は大変な問題だったが、車輪の再発明をしないように注意深く行う必要があったと語った。いつでも、本当に変更する必要がある場所だけを変えるようにしていたのだ。

「コードベースは相当な大きさでしたので、作業に際して、私たちは2つのことをしなければなりませんでした。マルチテナントアーキテクチャのために構築したいと思っていましたし、マイクロサービスを提供したいと思っていたのです」と彼は語った。「もし引っ張り出して自己完結型にすることのできるサービスがあれば、そうしたことでしょう。でも私たちは新しいサービスを全体プロセスの一部にしたかったのです」。

運用しながらの顧客移行

移行が行われたのは昨年だった。そしてすべての顧客を残らず新システムに移行させるにはまるまる1年が必要だった。その移行は1月に始まり12月に終了したが、数万の顧客が移行の対象となった。

写真:KTSDesign/Science Photo Library

まず第一に、彼らは可能な限り自動化を行い、移行の順番についても非常に慎重に考慮し、難しく見える移行に関しても注意深く取り扱った。「どのような順番で移行を行うべきかに関しては非常に慎重に考えました。単に最初に簡単なものから始めて最後に難しいものをやろう、とは思っていませんでした。かといって困難なものばかりに取り組んで、進捗があまりないことも望む所ではなかったのです。私たちは(自分たちのアプローチ)を適宜ブレンドし、プロジェクト全体のバグと課題を解決して行かなければなりませんでした」と彼は語った。

Viswanathは、とにかく重要な目標は、顧客を重大な問題を起こすこと無く移行させることだったと述べた。「マイグレーションを行った人と話したことがあるなら、それは大変なことだとわかります。誰もがマイグレーションで多かれ少なかれ傷を負っているのです。これを本当に慎重に行うことを意識していました」。驚くべきことに、それは完璧ではなかったものの、大規模な停止を招くことなく彼らはこの仕事を乗り切ることができた。誇るべき仕事だと言えるだろう。もちろんだからといって、それがずっと順調で簡単だったというわけではない。

「『私たちは注意深く考え移行しました』と聞くと、まるで簡単なように響きますが、実際には毎日が戦争でした。移行する度に、壁にあたり思わぬ反応が起きました。一年を通して、それが私たちにとって日常的な事だったのです」と彼は説明した。エンジニアリング、プロダクト、サポートを含むチーム全体の努力が必要とされた。その努力の一環として、日々のスクラムミーティング(スクラムはアジャイル手法の1つ)にはカスタマーサポートの人間も参加してもらい、顧客が抱えるあらゆる問題に関する感覚を掴み、それを可能な限り迅速に解決できるようにしていた。

彼らが得たもの

どのようなクラウドプロジェクトでも、アプリケーションをクラウドに移行することには、柔軟性、敏捷性、資源弾力性といったものに関わる、一般的なメリットがあるものだが、今回のプロジェクトにはそれ以上のものがあった。

写真: Ade Akinrujomu/Getty Images

まず第一に、マイクロサービスがたっぷり使われているために、複数の配備を同時に迅速に展開することが可能になった。すなわち、新しい機能を格段に早く追加することができるようになったのだ。移行期間の年は、移行のためにできるだけものごとを静的に留めておきたいと考えていたために、ほとんどの新機能の追加は延期されていた。しかし新しいシステムを導入することで、新しい機能の追加をはるかに迅速に行うことができるようになったのだ。

パフォーマンスも大幅に向上した、そしてこの先もしパフォーマンスのボトルネックが発生しても、クラウドであるためリソースをただ追加することができるのだ。さらには、EU内で現地拠点を持つことができるようになり、エンドユーザーに近い場所にアプリケーションを配置することでパフォーマンスが向上した。

最後に、クラウドに移動したすべての企業に当てはまるわけではないが、彼らにとってはクラウドがより経済的な選択肢であることが本当に実証されたのだ。データセンターを閉鎖して、ハードウェアの購入費用や、それを維持するためのIT担当者を雇用することに伴うコストを削減することによって、全体のコストを削減することができた。

人間的側面の管理

これは長期にわたるプロジェクトだったが、彼らはそれと同様に、人間的側面も考える必要に迫られていた。彼らは、技術者が常に新鮮な気持ちでいられるように配置換えを行い、移行支援作業で技術者たちを疲弊させないようにした。

企業文化そのものも役立ったものの1つだ。Viswanathはそれを率直に、オープンなコミュニケーションと、問題を隠し立てしない文化によるものだと説明した。「わたしたちはオープンなコミュニケーションの維持を心がけています。たとえ物事がうまく進んでいないときでもそれは変わりません。もし自分の手に負えなくなったときには、エンジニアは手を挙げて助けを求めます。そうすることで私たちは支援を行うことができるのです」と彼は言う。

彼は同社の中にある種の不安があったことを認めた。彼個人にしてもこの規模のプロジェクトの実施に関しては不安を抱えていた。しかし彼らは組織の未来のためには、これを行う必要があることを理解していたのだ。「もしこのプロジェクトがうまくいかなければどうなるんだ、という緊張は確かにありました。でもその方向は正しいもののように見えましたし、私たちはそれをやらなければならなかったのです。真のリスクは、私たちが遂行に失敗して、あるべき利便性を実現しそこなうことでした」。

結局のところ、それは大変な作業だったが上手く行き、将来のためのシステムを手にすることができた。「次の10年を戦う準備が整いました」と彼は言った。

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CMSのDrupal、「極めて深刻」なバグで100万サイトを危険にさらす

人気のオープンソースCMS、Drupalの開発チームが、管理者に向けて重大なバグに関する警告を発している。Drupalによるとこのバグによってサイトはアタッカーに対して「極めて脆弱」な状態になるという。

該当するバージョン(Drupal 6、7、および8)は、インターネット上で100万以上のサイトで利用されているCMSシステムだ。

Drupalは本件のセキュリティーリスクを”highly critical” [極めて深刻]であると評価している。入力の検証がされなくなるため理論上サイトの訪問者はリモートコードを通じてハックされる可能性がある。

「このバグによってアタッカーはDrupalサイトで複数のアタックベクターを悪用可能になるため、サイトが全面的に危険にさらされる可能性がある、と開発チームはブログ記事に書いている

Drupalは先週ユーザーに対して警告を発令し、週末に「極めて重大なリリース」を公開するので直ちにアップデートするよう伝えた。これはDrupalとしては異例の発表だったため、デベロッパーは金曜日(米国時間3/30)のリリース予定時間帯に向けて「厳戒体制」に入った。脆弱性のあるバージョンのDrupalを実行しているサイトは、被害を避けるためにDrupal 7.58またはDrupal 8.5.1にできるだけ早くアップテーとすべきだ。Drupalは現時点では被害の報告はないと言っている。

バグの正式名称はCVE-2018-7600だが、ソーシャルメディアでは2014年に起きた重大バグになぞらえて 、”drupalgeddon2″と呼ばれている。

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Microsoft Azureのアベイラビリティゾーンがやっとアベイラブルになった

どのクラウドを使う場合でも、あなたのアプリケーションの可利用性を高く維持するためには、そのアプリケーションとデータを物理的に異なる複数のリージョンに置きたいだろう。そうしないと、ひとつのリージョンがダウンするとアプリケーションもダウンする。しかし大手クラウドプラットホームはすべて、ひとつのリージョン内に‘アベイラビリティーゾーン(availability zone)’という概念を設けて、アプリケーションを同じリージョン内の二つのデータセンターでホストするオプションを提供している。すべて、と言ったが、Azureのアベイラビリティゾーンは昨年9月にベータでローンチし、今日(米国時間3/30)から一般供用される。

今日のローンチに先駆けてMicrosoftのAzure担当VP Julia Whiteは、データセンターのネットワークに関する同社の設計哲学はつねに、商用利用の顧客にできるかぎり広い圏域のリージョンを提供して、彼らの顧客との至近性を確保し、またローカルデータの独立性とプライバシーに関する法律を守ることにある、と述べた。たしかにAzureは競合他社に比べてリージョンの数が多く、今可利用なものが38、発表されているものが12ある。

“Microsoftのインフラストラクチャのアプローチはエンタープライズの組織を念頭に置いており、そのために多数のリージョンを設けている”、とWhiteは言っている。“このようなリージョンの設定は、容易でシンプルだからしているのではない。顧客が本当に望むものはこれだ、と信じているからだ”。

それぞれのアベイラビリティゾーンに独自のネットワーク接続と電力のバックアップがあり、リージョン内のひとつのゾーンがダウンしてもほかは無事だ。しかしリージョン全体に及ぶ災害はすべてのゾーンを遮断するだろうから多くの企業は、データを少なくともあとひとつの別のリージョンに保存したいだろう。

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Google CloudはGoogle自身が使っているテキスト音声変換エンジンをデベロッパーに公開

テキストから音声への合成技術は近年大きく進歩し、最近のシステムは本物の人間がテキストを読んでるように聞こえるものが多い。その進歩を引っ張った企業のひとつであるGoogleは今日(米国時間3/27)、同社がAssistantやGoogle Mapsなどで今使っているのと同じ、DeepMindが開発したテキスト音声変換エンジンをデベロッパー向けに一般公開した。

そのCloud Text-to-Speechと呼ばれるサービスは、32種の声が12の言語とその変種を喋る。このサービスが生成するMP3またはWAVファイルは、ピッチや読む速度、音量などをデベロッパーがカスタマイズできる。

しかし、声の質にはむらがある。それはたとえば、英語には6種類の声があるからで、それらはすべて、テキストから生のオーディオを作るためのDeepMindのモデルWaveNetで作られている。

WaveNetはそれまでの技術と違って、短い発話の集まりから音声を合成しない。それをやると、私たちにはおなじみの、ロボットふうの話し方になってしまう。それに対してWaveNetは機械学習のモデルを使って生のオーディオのモデルを作り、より自然に聞こえる音声を合成する。Googleが行ったテストでは、WaveNetの声の方がふつうの(人間の)声よりも20%良い、という評価になった。

Googleが初めてWaveNetに言及したのは約1年前だが、その後同社は、同社自身のTensor Processing Unitsをベースとする新しいインフラストラクチャへこれらのツールを移し、オーディオ波形の生成をそれまでの1000倍速くした。だから今では1秒のオーディオの生成に50ミリ秒しかかからない。

この新しいサービスは、すべてのデベロッパーが利用できる。料金表はここにある。

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NvidiaのGPUによる高速化技術がついにKubernetesをサポート

やっと、という感じだが、NvidiaのCEO Jensen Huangが今日(米国時間3/27)、彼のGTC(GPU Technology Conference)キーノートで、Googleで生まれ育ったコンテナオーケストレーションシステムKubernetesをNvidiaのGPUでサポートする、と発表した。

その意味は、何百何千ものGPUが機械学習処理の高速化などのために使われているような、いわゆるハイパースケールなデータセンターでGPUの使用を最適化し、デベロッパーがコンテナをなんの変更も加えずに複数のクラウドへデプロイできるようにする、ということだ。

Jensenはこう言った: “今やフレームワークは高速化し、コードも高速化した。では、それをデータセンターの世界へデプロイするにはどうするのか? そうだ、そこにはうまい具合に、Kubernetesというものがある。良かった!すごく良かった!”。

NvidiaはKubernetesのGPUによる高速化技術とそのコードを、オープンソースのコミュニティに寄贈する。機械学習のワークロードは、計算とデータの両方で巨大なものになりがちだ。Kubernetesはそんなワークロードのオーケストレーションを助け、そして今や、その仕事にGPUを使える。

Huangは次のように述べて、会場からの笑いを誘った: “Kubernetesは今やGPU対応だ。DockerのコンテナはGPUが加速する。そして私がこれまで名を挙げたようなフレームワークはすべて、GPUで加速される。そしてまた、みなさんが抱え込んでいる推論のワークロードもGPUが加速する。そしてこれらのクラウドのすべてでNvidiaのGPUが動く。そしてさらに、すばらしいオーケストレーションのレイヤとしてKubernetesがある。完全に満たされた人生だね”。

KubernetesのGPUによる高速化は、今日の発表以前にもある程度サポートされていた。たとえばGoogleは、そのKubernetes EngineですでにGPUをサポートしている。

 

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マイクロソフト、時価総額1兆ドルを示唆する推奨コメントで株価8%アップ。

月曜日(米国時間3/26)、貿易摩擦の緊張が和らいだあと、ダウ平均は669ポイントの急上昇を見せ先週の低迷状態から抜け出した。

Amazon、Appleなどのテクノロジー株も軒並み上がった、中でも最大の勝者はMicrosoftだ。同社は7.54%アップの93.78ドルでこの日の取引き終えた。

ダウ30社にも入っているシアトルのIT巨人を後押ししたのは、市場全体の好調さだけではない。Morgan Stanleyのアナリストの好意的なコメントおかげでもある。

Keith Weissは顧客向けの書簡に、12カ月後の目標価格を130ドルに引き上げると書いた。先週の取引き価格87ドルより50%近く高い数字だ。そうなればMicrosoftの時価総額は1兆ドルになる。

同氏が特に強く推すのがMicrosoftのクラウドビジネスだ。AmazonやGoogleらのライバルを尻目に今後も堅調を続け利幅も改善されると信じている。彼はOffice 365製品も高く評価している。

時価総額1兆ドルを目指すレースはここ数年話題に上っている。現在Appleが時価総額8770億ドルでリードしている。Amazonは7530億ドルだ。Alphabetは7310億ドル。そしてこの日の強力な取引きの結果、Microsoftが7220億ドルで肉薄している。

全般的にここ数年株式市場は非常に好調であり、ダウ平均は5年前と比べて1万ポイント近く伸びている

Microsoftの株価は昨年だけで44%上昇した。

同社は2014年2月にSatya Nadellaが指揮をとって以来非常に好調だ。Nadellaは、ビル・ゲイツ、スティーブ・バルマーに続く3人目のMicrosoft CEOとなった。

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Dropbox、上場2日目も株価7%アップ

Dropboxの株価が急騰を続けている。上場2日目も7%高で取引を終えた。

終値は30.45ドルで、完全希釈後の時価総額は130億ドルを超えた。

IPO価格が設定されたとき、果たしてDropboxが最後の調達ラウンドで達成した会社評価額100億ドルを超えられるのかという疑問があった。同社はそんな懸念を一夜のうちに一掃した。

上場直後の数日間は、このクラウドストレージ会社に対する投資家の需要を表す重要な指標になっている

おさらいしておくと、当初DropboxはIPO価格を16~18ドルと希望し、後に18~20ドルへと引き上げた。最終的には21ドルでIPOを果たし、28ドル以上で初日の取引きを終えた。そして今も上がり続けている。

通常主幹銀行はIPO価格を、IPO Popと呼ばれる初日の急騰で20%程度上がるように設定する。今の上昇ぶりは、Dropboxがウォール街の予想を上回ることを示唆している。これは、Dropboxが株価をもっと高く設定していればもっと多額の資金を得られたであろうという意味でもある

Dropboxは募集価格21ドルでIPOを実施して7億5600万ドル調達した。仮にそれを24ドルにしていれば、調達額は8億6400万ドルとなり、それでも新規投資家は大きな利益を得ていた

企業の財政が好転することを喜ぶ株式市場の投資家らにとって、これは間違いなく勝利だ。

Dropboxは直近の年度に11億ドルの収益をあげ、2016年の8億4500万ドル、2015年の6億0400万ドルから上昇した。

しかし、キャッシュフローは2016年以来黒字だが利益はまだ出ていない。昨年Dropboxは約1億1200万ドルの損失を出した。それでも、2016年の2億1000万ドル、2015年の3億2600万ドルと比べて利幅は改善されている。

月曜日(米国時間3/26)は株式市場全般に好調の一日だった。Dowは600ポイント急上昇し、Microsoft、AppleといったIT株の値上がりが理由のひとつだった。

Dropboxの筆頭株主は、共同ファウンダー・CEOのDrew Houstonで、IPO前に同社の25.3%を所有していた。Sequia Capitalの持ち株比率は23.2%だった。

Dropboxは、来週上場予定のSpotifyとはまったくタイプの異なる会社だが、投資家はこの好調なデビューをIPOの窓が「開いている」証拠と見ている。つまり、IT企業の新規上場に対する需要が高まっている、という意味だ。

最近、ZuoraPivotalSmartsheetもIPO申請したことを公表し、いずれも4月中の上場を予定している。そして本誌はDocuSignのIPOが近いというニュースもいち早く報じた。

ここ数年、テクノロジー企業のIPOは低調だったが、今年は変わる、と専門家は期待している。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の国際上場責任者、John Tuttleは「市場環境が安定すれば好調の一年になる」と予想している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleのクラウドプラットホームではハイパフォーマンスなワークロードを容易に動かせる

AmazonやMicrosoft、Googleなどが提供している非常に大きなクラウドプラットホームは、大学や企業の科学者たちがシミュレーションや分析のために必要とするハイパフォーマンスコンピューティング(high-performance computing, HPC)のプロジェクトを十分に動かせる。なにしろ彼らに課せられる大きなワークロードも、何百何千というマシンで並列処理されるから楽勝だ。しかし、往々にしてチャレンジは、それだけ大量のクラスターをどうやって作り、それらを動かすワークロードをどうやって管理するかだ。

HPCのコミュニティがこのチャレンジを比較的楽にこなせるために、Googleは今日(米国時間3/23)、同社のクラウドプラットホームでオープンソースのHPCワークロードマネージャーSlurmをサポートする、と発表した(このSlurmではない)。それは、上位500のリストに載ってるようなスーパーコンピューターのユーザーの多くが使ってるのと同じようなソフトウェアだ。ちなみに現在最大最速のクラスターは、1000万あまりのコンピューターコアから成るSunway TaihuLightだ。

GoogleはSlurmを作っているSchedMDとチームを組んで、SlurmをGoogleのCompute Engineで簡単に動かせるようにした。この統合努力によりデベロッパーは、自分たちの仕様に基づいて動くCompute Engineで、スケーリングを自動的に行うSlurmを容易にローンチできる。ここでの興味深い機能のひとつは、もうちょっと計算力が欲しいようなときに、ユーザーがオンプレミスのクラスターのジョブをクラウドと連合できることだ。

GoogleのCompute Engineは現在、最大96コア、メモリ624GBまでのマシンを提供しているので、GCP(Google Cloud Platform)の上で必要に応じて大規模な計算力クラスターを構築することも、十分に可能だ。

なお、Microsoft Azureもその上にSlurmをデプロイするためのテンプレートを提供しており、またこのツールはかなり前からAWSをサポートしている。

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Dropbox、上場初日の株価は36%アップ――終値は$28.48、100億ドル企業の仲間入り

今日(米国時間3/23)、Dropboxが上場を果たし、公開企業の仲間入りをした。1株当たり21ドルで売り出し、7億5600万ドルを市場から調達した後、株価は一時31.60ドルまで跳ね上がった後、28.48ドルで取引を終えた。上場初日のアップ幅は36%となった。

Dropboxのパフォーマンスは市場がクラウドストレージサービスの将来に強い期待を寄せていることを間違いなく示している。同社は上場売り出し価格の範囲を16ドルから18ドルに設定したが、その後18ドルから20ドルに上方修正していた。

またDropbox の終値は、前回の資金調達ラウンドの際の評価額、100億ドルを大きく超えたことを意味する。 希釈後のDropboxの時価総額は120億ドルとなった。

Dropboxの3017年の売上は11億ドルで、. 2016年の8億4500万ドル、2015年の6億400万ドルから順調な伸びを見せている。

2016年以降、キャッシュフローは黒字であるものの、損益では1億1200万ドル近くの赤字を出している。しかし赤字幅は2016年の2億1000万ドル、2015年の3億2600万ドルと比較すると大きく圧縮されている。

有料ユーザー1件当たりの売上は111.91ドルだ。

フリーミアムモデルを採用しているDropboxが一般ユーザー向け企業なのかエンタープライズ向け企業なのかについてはこれまでも議論があった。同社の登録ユーザーは5億人いるものの、有料ユーザーは1100万に留まっている。

Dropboxは創立1年後の2008年にTechCrunch 50カンファレンスに登壇したが、ステージでピッチを行ったCEOのドルー・ハウストンはデモの途中、WiFiの不具合で立ち往生した苦しい経験を語っている。この記事でそのときのビデオが見られる

上場時点でSequoia Capitalが発行済全株式の23.2%を所有し、最大の投資家となっている。SequoiaのサイトにはDropboxが2007年にシード資金を調達するために作成したスライドが掲載されている〔Original seed pitch from 2007というキャプションが付されている〕。2位の投資家はAccelで5%を所有している。

ドルー・ハウストンは25.3%を所有している。

Greylock Partnersも若干の株を保有しており、ジェネラル・パートナーのJohn Lillyは「Dropboxに投資したのはドルー・ハウストンとそのチームが仕事のやり方の将来に関して非常に明確なビジョンを持っていたからだ」と述べている。

しかしクラウドサービスを提供するライバルは数多く、Dropboxの市場では激しい競争が繰り広げられている。【略】

メディアではDropboxと比較されることが多いBoxに関してハウストンは「正面からのライバル関係ではない」と必要以上に重視しない姿勢を見せている。たしかに両者のサービスには類似点も多いが、ビジネスモデルではBoxはエンタープライズ寄りであり相当に異なる。Dropboxは投資家にこの点に留意するよう求めていた。初日の値動きを見ると、Dropboxの戦略は功を奏したようだ。

NasdaqのティッカーシンボルはDBXとなった。

われわれがDropboxの上場と将来像に関して討論した内容をポッドキャストとして下にエンベッドした。参加者のEric KimはGoodwater Capitalのマネージング・パートナーで、このレポートを執筆している

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Dropbox、IPOを明日に控え売出価格を21ドルに引上げか

本日(米国時間米国時間3/22)Dropboxは、明日の株式公開の売出価格を 当初の予定より高く設定すると発表した。時価総額は目標の100億ドルに近づく。

今週Dropboxは、IPO価格を1株あたり18~20ドルの範囲として時価総額最大80億ドル(完全希薄化した株数に基づけば約87.5億ドル)に設定すると発言していた。新しい価格設定によるとDropboxの評価額は約84億ドル(完全希薄化株数では90億ドル)になる。18~20ドルという価格範囲も当初提示された16~18ドルよりは上がっていた。DropboxはこのIPOで7億ドル以上の資金調達を見込んでおり、並行して既存株主が900万株以上を売りに出す。

つまりはDropboxが世間の関心を試したということで、実際関心は非常に高い。IPOの価格範囲を控えめに設定しその後その価格で買いたいという投資家候補がどれだけいるかを見て価格を上げる企業もある。Dropboxは明日、株式市場デビューを果たす予定で、時価総額を最大化するとともに、IPOポップとよばれる急騰(通常20%前後の値上がり)も確保したい。正式な価格は今日のSEC申請資料でわかるはずた。

順調に行けばDropboxは最後の調達ラウンドの評価額を上回り、消費者プロダクトスタートアップのブームの中、時価総額100億ドルに届く可能性がある。オンラインストレージの先駆者であるDropboxは、近年では大企業ユーザーを徐々に獲得して高収益な第2の事業も進めようとしている。同社は、まず企業内チームの顧客を取り込み、成長とともに会社幹部にリーチを伸ばす古典的なシナリオを展開しているが、Dropboxが普及するにつれ逆のパターンも可能になるだろう。

CNBC が最初にこのニュースを取り上げた

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AIをクラウドにデプロイする過程を単純化するためにPaperspaceはサーバーレスを選ぶ

GPUベースのインフラストラクチャをサービスとして提供することは、スタートアップにとって容易なことではないが、機械学習やVFXを多用するモダンなソフトウェアの開発とデプロイを目指すクラウドインフラストラクチャサービスPaperspaceは、あえてそれに挑んでいる。そして同社は今日(米国時間3/21)、さらに次の一歩として、AIや機械学習のプロジェクトでサーバーのデプロイを不要にするサービスプラットホームGradientを発表した。

どんなサーバーレスのアーキテクチャでも、サーバーがいなくなるわけではないが、ユーザー(デベロッパー)が手作業でそれらをデプロイする必要はなくなる。Gradientはコードをデプロイする手段を提供し、アロケーションやマネージメントはすべてPaperspaceが面倒見る。それにより、機械学習のモデルの構築に伴う複雑性の、大きな塊(かたまり)を取り除く。

同社の協同ファウンダーでCEOのDillon Erbによると、数年前に同社を立ち上げたときはGPUは今日のクラウドサービスのように一般化していなかった。最初は仮想マシンのGPUインスタンスを立ち上げるやり方が主流で、今でもそうだが、問題はツールの不備だった。

Erbの説明では、大企業はツールセットを内製することが多い。しかし実際には、それだけのリソースを持たない企業がほとんどだ。“GPUなどで十分な計算パワーがあっても、それだけではだめで、ソフトウェアスタックが必要なんだ”、と彼は言う。

同社が昨年1年間を費やして作ったGradientは、デベロッパーにそのための構造を提供し、それにより彼らは、もっぱらモデルやコードの構築と、プロジェクトを軸とするコラボレーションに集中できるようになる。そしてマネージメントは、Paperspaceにまかせる。DevOpsのチームが、チームとコードとその下のインフラストラクチャの間の対話を管理する必要も、なくなる。

“コードとDockerのコンテナだけをいただければ、VMのスケジューリングなどはわれわれがいたします。ご自分でマシンを立ち上げる必要はありません”、とErbは語る。

Paperspaceは、Y Combinatorの2015年冬季クラスを卒業して以来、クラウドにGPUをデプロイするという難題に取り組んできた。2014年にローンチしてから今日までに1100万ドルあまりを調達してきたが、シードラウンドの400万ドルがやっと2016年だった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

IBMが“サービスとしてのディープラーニング”をWatson Studioから提供、簡単・易しいを重視

機械学習のワークフローと訓練モデルを作るサービスWatson Studioに今日(米国時間3/19)、新しいサービスDeep Learning as a Service(DLaaS)が加わった。すでに類似サービスもあるこのサービスは、機械学習の最新の進歩を、その難解さの敷居を下げ、企業ユーザーにとって使いやすい形で提供する。

この新しいツールを使うデベロッパーは、彼らがすでに使っているオープンソースのフレームワーク(TensorFlow, Caffe, PyTorch, Kerasなど)を使って自分たちのモデルを開発できる。実際にはIBMのこの新しサービスはこれらのツールを、基本的にクラウドネイティブなサービスとして提供し、デベロッパーはふつうのREST APIを使って、彼らが望むリソースや予算内でモデルを訓練できる。このサービスはコマンドラインインタフェイスと、Pythonのライブラリ、あるいは対話的ユーザーインタフェイスを提供し、それによりたとえば、NvidiaのGPUのどれを使うか、といったオプションを指定できる。

このような、ディープラーニングのための管理を伴う環境(managed environment, マネージドエンバイロメント)は、必ずしも新しいものではない。MicrosoftはAzure ML Studioで、高度なグラフィカルな環境によるMLモデルの構築を提供している。しかしIBMは、いくつかの独自のアドバンテージを主張しており、その中にはドラッグ&ドロップによるニューラルネットワークビルダーなどがある。それは、ノンプログラマーでもニューラルネットワークの構成や設計ができる、というものだ。

さらにIBMのツールでは、ハイパーパラメータがユーザーのために自動的にチューニングされる。これは従来、手作業でやると多くの時間を消費するプロセスであり、科学だけでなく一種のアートの側面も持つ。〔参考: Google Cloud ML Engine, Wikipedia

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

IBMがベアメタルKubernetesを発表

コンテナは急速に、新しいアプリケーションをクラウドに導入するための標準的な方法になりつつある。これは歴史の古い企業でも同様である。このため主要なクラウドプロバイダーのすべてが、コンテナに力を入れていても不思議はないが、その中でも特にオープンソースのKubernetesコンテナオーケストレーションサービスに力が注がれている。IBMも長い間自身のCloud Container Serviceを通してそのサービスを提供してきた。そして本日(米国時間3月13日)業界初となる、ベアメタルKubernetesをマネージドサービスとして提供し始めた。

なぜそれが重要なのだろう?ベアメタルサーバー上でコンテナを実行するとパフォーマンスが向上し、開発チームはコンテナを実行したいマシンを選択することができる。同時に、他の顧客と共有していないマシンでコンテナを実行することで、通常のコンテナサービスを実行するときには得られない、一段上のセキュリティと分離のレイヤーを実現することができる。

IBMのWatsonならびにCloudのCTOであるBryson Koehlerによれば、このことによってGPUをマシンに装着することが可能になり、多くの企業が実験を始めている、機械学習やハイパフォーマンス計算ワークロードの実行が可能となる。「企業がクラウドに移行させようとしているワークロードの種類を見ると、ベアメタルは分離性と柔軟性の面で大きな恩恵をもたらします」とKoehlerは私に語った。

他のIBM Cloud Container Serviceと同様に、これはフルマネージドサービスであり、自動アップデートとセキュリティパッチが適用される。

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(翻訳:sako)

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GoogleがUbisoftと協働でオープンソースのゲームサーバーホスティングシステムAgonesをローンチ

クラウドコンピューティングといえば、ドキュメントをクラウドで編集したり、CRMシステムをアップデートしたりするための大規模なサーバーファームを連想する人が多いだろう。でも嬉しいことにクラウドには、遊びの側面もある。マルチプレーヤーゲームも、すべてどこかのクラウドで動いている。ゲーム企業は、これらのサーバーを動かすためのシステムを自分で作ることが多いが、しかしGoogleとUbisoftは今日(米国時間3/13)、マルチプレーヤーゲームのサーバーを管理しホスティングするためのオープンソースのシステムを提供する新しいプロジェクトを発表した。

そのプロジェクトの名前Agonesは、ギリシア語で“コンテスト”という意味だ。それはGoogleが育てたコンテナプロジェクトKubernetesを、マルチプレーヤーゲームサーバーの艦隊をオーケストレーションしスケーリングするための中核的なツールとして使用する。ユーザーが自分が好きなマルチプレーヤーゲームをプレイするときには、そんな大軍のゲームサーバーがあるおかげで、島にいる自分以外の99名のマニア的プレーヤーと互いに相手を見つけたり対戦したりできる。サーバーはゲームだけでなく、いかさまを見抜くためのソフトウェアを動かすこともある。コンテナがこの種のシナリオにとって理想的なのは、ゲームの個々のセッションは短時間で終わるものが多く、ひとつのコンテナでひとつのセッションを表せば、デプロイもシャットダウンも迅速にできるからだ。

Ubisoftの開発部長Carl Dionneは、こう書いている: “プレーヤーがゲームに集中できるためには、クォリティの高い、最高にシームレスなサービスを提供しなければならないし、そのための方法をたえず改良していく必要がある。Agonesが備えている柔軟性により、専用のゲームサーバー群を最適なデータセンターで動かすことができ、われわれのチームに、彼らが必要とするリソースのより強力かつ詳細なコントロールを与える。両社のコラボレーションによって、Kubernetesの大規模デプロイに関するGoogleの専門的能力と、われわれのゲーム開発パイプラインと技術に関する深い知識を、結びつけることができる”。

Agonesは要するに、ゲームサーバーを動かすために必要なツールでKubernetesを拡張したものだ。そのツールには、ゲームサーバーのためにカスタム化されたKubernetes Controllerと、同じくカスタムのリソース定義が含まれる。Agonesのチームによると、デベロッパーは、ペアのゲーマーを互いに引き合わせるデベロッパー独自のマッチメイキングサービスと標準のKubernetes APIsを容易に統合して、ゲームサーバーを始動できる。

Googleとしてはデベロッパーが自分のゲームをGoogle Kubernetes Engineでホストしてくれると嬉しいところだが、しかしAgones自身はクラウドを特定せず、どんなクラウドでも、あるいはオンプレミスでも、使用できる。

今日のリリースは、あくまでも初期的な形だ。しかしv2に向けてのロードマップはすでに作成中であり、チームによると、そこではゲームサーバーの集合体(Fleets)のような新しい機能や、ゲームサーバーのパフォーマンス分析、ノードの自動スケーリングなどが導入される予定だ。

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Cloudflareが自分のグローバルネットワークへのアクセスを提供して真のエッジコンピューティングを可能に

ますます多くのコンピューティングがエッジへ移行して行くに伴い、プログラマーはレイテンシーを減らしパフォーマンスを上げるために、ユーザーになるべく近いコンピューティングパワーにアクセスしたい、と願っている。今日(米国時間3/13)Cloudflareが発表したCloudflare Workersは、そんなデベロッパーたちがCloudflareのネットワークのエッジで直接実行されるコードを、書けるようにする。

同社の協同ファウンダーでCEOのMatthew Princeによると、これまでそんなアクセスができるのはCloudflareの社員だけだった。“今日からはそれを、自分のアプリケーションをエッジで動かしたい人なら誰でも使える。これによってCloudflareの可能性も広がり、アプリケーションのこれまではできなかったような構成やプログラミングが可能になる”、と彼は説明する。

今の、IoTやゲーム、ビデオなどのアプリケーションは大量の帯域を使用するから、処理をなるべくエッジに持ってこれればパフォーマンスも改善され、またコードの実行に対する細かい粒度のコントロールも可能になる。

Princeによると、プログラマーは、ユーザーがそのアプリケーションにアクセスする場であるフロントエンドをいじったり、あるいはバックエンドではデータベースをいじくってパフォーマンスをアップしようとする場合が多い。しかしこれまでの彼らは、Cloudflareのネットワーク上のどこで自分のコードが実行されるかを、コントロールできなかった。

“本質的にローカルなプロダクトを開発する場合は、大多数のユーザーが至近距離にいるわけだから、コードがエッジで実行されるようプログラミングすればよい”、と彼は語る。至近距離という言い方は、誇張でなない。Cloudflareはデータセンターが世界中127箇所にあり、しかもその数はコンスタントに増え続けている。

この新しいサービスによりプログラマーは、コードが実行される場所をJavaScriptのコードで指定できる。しかも、そのコードをアップデートすると、エンドユーザーのところでアプリケーションのアップデートをする必要なく、ほとんどすぐに実装される。変更を、今使っているクラウドプロバイダーへアップロードする必要もない。

Cloudflareは、企業のWebサイトのパフォーマンスとセキュリティを向上することがメインの仕事だが、今回は自分のネットワークのパワーを顧客に利用させようとしている。コードの実行場所をプログラミングできることによって、ユーザーは自分のアプリケーションを動かすために必要なさまざまなレベルのリソースにアクセスでき、そしてロードバランシングやリソースアロケーションなどの面倒な仕事はCloudflare自身がやってくれる。AWsなどの、クラウドインフラストラクチャプロバイダーが、まさにそうやっているように。

2009年に創業された同社は、これまでに1億8200万ドルを調達し、これからの数か月ないし数年で同社のネットワークへのアクセスを拡大したい、という大きなビジョンを持っている。Princeによると、同社は昨年売上1億ドルのラインを超え、社員は600名を抱えている。今回のCloudflare Workersのようなサービスが加わると、売上はさらに拡大し、同社が作った全世界的なネットワークを、さらに有利に利用していけるだろう。

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Dropboxの上場予定価格は16-18ドル、時価総額100億ドルには届かず――別途Salesforceが1億ドル出資

先月、上場準備中であることを発表したDropboxは、今日(米国時間3/12)、証券取引委員会に提出したS-1書式をアップデートし、売出し価格を改定した。DropboxはNasdaqに上場して1株当たり16ドルから18ドルで3600万株を売り出す。18ドルの場合、売却総額は6億4800万ドルとなる。ティッカーシンボルはDBXが予定されている。

またDropboxは新たなインテグレーション・パートナーとなったSalesforceに対して株式で1億ドル分を売却すると発表した。時期は上場の直後で、1株当たり価格は「上場売り出し価格に準じる」という。

上場の正確な期日は明らかにされていないが、今月末となるはずだ。

上場時のDropboxの時価総額は上場プレミアムを考慮すると70から80億ドルになるとみられる。 これはテクノロジー企業として昨年のSnap以来の大型上場となる。しかしDropboxが2014年に3億5000万ドルのベンチャー資金を調達した際の会社評価額、100億ドルには届かない模様だ。

Dropboxはその将来性と共に上場が他のテクノロジー系大型上場のいわば風見鶏となるものして各方面から注目されている。この中でSpotifyはすでに上場を準備中だが、Airbnbのように上場に関してまだ何も発表していない大型スタートアップもある。

もちろんDropboxのようなクラウド・ストレージと宿泊の共有経済(Airbnb)や音楽ストリーミング(Spotify)では全くビジネスモデルが異なるので比較は無理だという意見もある。特にSnapが上場後大きな株価下落―30%以上―によって投資家に手痛い損害を与えたことを考えればDropboxの上場にも慎重にならざるをえないかもしれない。

しかしプラスとして、Dropboxはクラウド・サービスというコンセプトを一般ユーザーに拡大したパイオニアだという点が考えられる。モバイルの急速な普及、端末アプリの軽量化、インターネット接続の高速化といった要素によりユーザーがデータをローカルデバイスから追い出ししクラウドに保存する傾向が一気に強まった。これらのトレンドを追い風として、現在Dropboxには180カ国以上に5億人のユーザーがいる。

マイナスの面は、この5億人のうち、有料メンバーが1100万しかいないという点だ。2017年の売上は11億ドルと発表されている。これは216年の8億4500万ドル、2015年の6億400万ドルから十分にアップしているものの、依然としては利益を出すまでに至っていない。2017年の赤字額は1億1200万ドルだった。

ただし2016年の赤字額は2億1000万ドル、2015年は3億2600万ドルだったから大きく改善されている。しかしDropboxには無料ユーザーを有料ユーザーに転換するための効果的なプランがあるのかというのは重要かつ緊急性の高い疑問だ。これは黒字化を待つために投資家はどれくらいの期間忍耐を続けられるかという問題と関連する。

この点、Salesforceが自社サービスにDropboxをインテグレーションすると同時に1億ドルを出資するというのはこの上ない信任投票といえるだろう。またDropboxが設定した上場売り出し価格が控えめであることも信頼性を高めている。Salesforceは顧客関係管理をクラウド化するサービスだ。ティッカーシンボルをCRMとしてもいいくらいだし、ロゴにはブルーのクラウドがあしらわれている。スタートアップから出発して現在は確固たる大企業の地位を築いている。

SalesforceがDropboxと密接な関係を築くことになったのは短期的にDropboxのビジネスモデルにとって有利な材料なのはもちろんだが、中長期的にはDropboxにイグジットの可能性を与えるかもしれない。Salesforceはクラウド・ストレージ・サービスにおいて重要な地位を築こうと年来努力してきた

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DropboxがIPOを前にしてSalesforceの深い統合を発表、エンタープライズの評価アップをねらう

Dropboxはこのところ忙しい。2週間前にはIPOを発表した。ついこないだの先週には、Googleとの大型パートナーシップを発表し、そして今日(米国時間3/9)は、Salesforceとのより深い統合のニュースが飛び込んできた。

DropboxとSalesforceは共にクラウド企業だから、過去に多少の関わりはあったが、しかし今日の発表はもっと大きい。たとえば、DropboxのフォルダがSalesforce Commerce CloudとMarketing Cloudに埋め込まれて、それらがあたかも、軽量版のデジタルアセット管理ソリューションのような様相になる。

たとえば、企業を顧客とするクリエイティブエージェンシーなら、写真などマーケティングキャンペーン用の素材を作り、それらの一部をSalesforceのマーケティングクラウドに保存するだろう。しかしそのフォルダは完全に統合化されているから、マーケティングとは無縁な現場のクリエイターがそれらのアセットの一部を自分たちのDropboxのフォルダでアップデートしても、マーケティングのための素材が入っているSalesforceのフォルダも自動的にアップデートされる。両者は物理的には同一のフォルダだから。

このような統合化によって、ユーザーの、あれをしたらこれをして、というステップが省略できる。Dropboxをオープンしてそのフォルダへ行き、アップデートされているアセットを見つけたらそれらを手作業でSalesforceにも持っていく、…こんな手間が、一発で済むようになる。

Salesforce本体だけでなく、同社が2016年に7億5000万ドルで買収したコラボレーション型ワードプロセッサQuipとも、同様に統合化される。それは、先週発表されたGoogleのG Suiteの統合の場合と同じく、エンドユーザーが自分のコンテンツに、どこで仕事をしていてもアクセスできるようにするためだ。

しかしQuipの場合は、双方向の統合になる。DropboxのフォルダがQuipに埋め込まれるのは、MarketingやCommerceのCloudの場合と同じだが、逆にQuipのドキュメントにDropboxの中でアクセスして仕事ができるようにもなる。これもまたユーザーが、そのとき使いたいツールや、アクセスしたい場所を自由に選べるためだ。

このようなパートナーシップは一見わかりにくいが、DropboxのSVP Quentin Clarkが先週、G Suiteの統合のとき言ったように、すべてはユーザーを楽にし、自由にするためだ。

“仕事の性質や都合などで、そのときどきの、ベストのツールは変わってくる。でもそんなとき、今の仕事のコンテンツに、そのときのベストのツールでアクセスできると便利だ。ツールや場所を変えても、そこに仕事がついて来る。それが、いちばん気楽だ”、と彼は語る。

今後はこのパートナーシップをさらに進めて、SalesforceはクラウドストレージにDropboxを使い、Dropboxは社内でSalesforceを活用する、という状態にしていく。Salesforcは前にも、G Suiteの統合Office 365ツールの統合に際して、同様の発表をしている。

Dropboxは、パートナーシップの発表はIPOと何の関係もない、と言うだろう。でも今や、同社のあらゆることがIPOと関係している。IPO申請のS-1ファイルで、売上の大半が消費者サイドからと言っている同社は、エンタープライズからの信任をできるかぎり厚くしてからIPOに臨みたい。今回のパートナーシップもそのことに寄与するはずだが、まだまだ実際の数字は薄い。

先週のG Suiteの統合パートナーシップと同じく、今回のSalesforceの統合も、まだ発表だけであり、ローンチはない。ローンチはたぶん、今年の後半だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

政府系顧客の獲得を目指すMicrosoftがAzure StackとAzure Governmentを統合へ

政府系クライアントの増加策としてMicrosoftは、同社のハイブリッドクラウドプラットホームAzure Stackを本年半ばにAzure Governmentと統合する、と発表した。Azure Stackにより政府諸機関はAzureのクラウドコンピューティングプラットホームを各自のプライベートサーバー上で動かせるようになり、Microsoftの各種クラウドサービスにもアクセスできる。これによりクライアントは機密データをより容易に保護できるようになり、それにはオンプレミスのサーバーに保存されるべき秘密情報も含まれ、そしてデータをめぐる規制へのコンプライアンスも確保される。

Microsoft Azureは、公共部門の顧客獲得をめぐってAmazon Web Servicesと競合しており、その競合では2013年にCentral Intelligence Agencyにサービスを提供する6億ドルの契約を獲得した後者が先を走っている。その契約についてCIAのCIO John Edwardsが昨年、それによって同機関がレガシーソフトウェアをより効率的かつ低コストでメンテナンスできるようになったため、“これまでで最良の意思決定だった”、と述べている。

しかしながらMicrosoftはAmazonに追いつく気でおり、そこで両社とも最近では政府系クライアントのためのサービスの導入に追われている。たとえば昨年の秋にAmazonは、アメリカの諜報機関のニーズに応じた“秘密リージョン”の提供を発表した。AmazonによるAWS Secret Regionの発表は、MicrosoftによるAzure Government Secretの発表の直後に行われた。それもやはり、秘密のワークロードをサポートする。

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Airはホームビデオをクラウドに保存するアプリ――空き容量を気にせず赤ちゃんをどんどん4Kで撮れる

最近ではユーザーがビデオを撮影するときにビデオカメラよりスマートフォンを使う場合が圧倒的に多くなった。しかしスマートフォン、特にmicroSDカードを使えないiPhoneの場合、ビデオを撮影しているとあっという間にストレージの空き容量がなくなってしまう。

こうした悲劇を防ぐために止むなく低画質での撮影を余儀なくされた読者も多いだろう。iPhoneには4K撮影能力があるが、途方もなくスペースを食うため往々にして宝の持ち腐れになっている。 今回紹介するAirはこのジレンマに対して解決策を提供するのが目的だ。

Airアプリは動画ファイルを、ローカルではなくクラウドに自動的にアップする。 4K(Ultra HD)で撮影されたビデオファイルもクラウド上のプライベートなスペースに保存される。つまり高画質、長時間のビデオを撮影してもモバイルデバイスの空き容量を心配する必要がない。

もちろんビデオファイルをクラウドに保存するというのは新しいアイディアではない。iCloudは事実上iOSデバイスの一部になっているし、Googleフォトに加えてAmazon、Dropboxのサービスもユーザーに人気がある。

しかしAir Labsの共同ファウンダー、CEOのShane Hegdeは「こうしたライバルはビデオ録画に特化したサービスではないところが問題だ」という。

「ビデオには特有の問題がある。写真と比べてサイズがはるかに巨大でファイル構造も複雑だ。しかし現在市場にあるソリューションのほとんどはビデオを静止画と同様に扱っている。その結果アップロードすると画質が劣化し、再生すると悲惨なことになる。われわれのプロダクトはNetflixやYoutubeの最新のテクノロジーと同様のレベルにあり、ユーザーが簡単にシームレスにビデオを撮影できる方法を提供する」とHegdeはいう。

Airのサービスはデジタルビデオをアダプティブ・ストリーミングができるよう自動的にトランスコードする。つまり接続速度が十分でない場合はそれに応じてで画質を調節するので、ほぼリアルタイムで再生される、延々とロードを待つ必要がない。Airの大きなセールスポイントは、共有の際に勝手に圧縮をかけないことだ。ユーザーは友達なり家族なりにAirのギャラリーに保存されたビデオのURLを送るだけでよい。受け手はそれぞれの接続環境に応じて最適な画質で再生できる。

またAirにはReelsと呼ばれる共同編集の機能もある。これはカンファレンス、コンサート、フェスティバル、ウェディングなど大勢が参加したイベントのビデオ編集するためのスペースだ。Reelsには誰でも自分のビデオクリップを投稿できる。編集後の成果物は、ソーシャルメディアその他の場所で公開可能だ。

Airは月額4.99ドルの有料サービスで、無料のものもある他のエントリーレベルのクラウド・サービスの中では多少高めに感じられるかもしれない。たとえばiCloudの場合、50GBが月0.99ドルだ。Googleだと100GBが月1.99ドル(これにはGoogleフォトだけでなくGmail、Googleドライブも含まれる)。しかしひんぱんにビデオを撮影するユーザーなら月5ドルで無制限のビデオストレージにアクセスできるのは価値があるだろう。

Airが赤ちゃんや小さい子どものいる両親をターゲットして売り込みを図っているのはそのあたりに理由がある。そうした若い両親は大量のビデオを撮影する傾向にある。もちろんセミプロのビデオグラファーにとっても空き容量を気にせずに4Kビデオを長時間撮影できるというのは便利だ。

Airが提供するもうひとつのサービスは物理メディアへの書き込みだ。まず50ドルを仮払いする必要があるが、HDD、DVD、USBメモリーはもちろん、必要ならVHSテープや映画フィルムにも動画を記録してくれる。料金はデジタイズにかかった時間とターゲット・フォーマットによって異なる。

Hedgeはスタンフォード大学出身で、同窓のTyler Strand(CTO)と共同でAirを創業した。Hegdeによれば、このサービスを作ることを思い立ったのは、子どもの頃、両親がソニー・ハンディカムでたくさんのビデオを撮ったのに、テクノロジーが変化して簡単に見ることができなくなってしまった経験からだという。

「今私はカムコーダーを持っていない。最新のノートパソコンにはDVDプレイヤーが内蔵されていない。つまりビデオファイルはそこにあるのに時代遅れのハードに閉じ込められてアクセスができなくなっている。2016年後半には私は勤めを辞めてホームビデオを生き返らせる仕事を始めることにした。Airは実は私のこうした個人的体験の上に作られたものだ。容量やフォーマットを気にせずに貴重なシーンをホームビデオを撮影できるようにしたい」とHegdeはいう。

HedgeはAir以前にスタンフォード大学時代にSwapというスタートアップを立ち上げている。卒業後はHPS Partnersで投資に携わり、 ロサンゼルスのRevolt TVでは最高デジタル・テクノロジー責任者を務めた。共同ファウンダーのTylerはスタンフォード時代にhostess.fmを創業し、SFX Entertainmentに売却している最近ではPostlightの創立パートナー、取締役を務めた。

現在ブルックリンに本拠を置くAirは2017年10月にシードラウンドを実行し、メディア企業、テクノロジー投資家から資金を調達している。金額は明らかになっていない。

Airアプリは当面iOS版が公開されており、App Storeから入手できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+