テスラが走行中は車載ゲーム機能を無効化へ、米当局の調査受けアップデート配信開始

Tesla(テスラ)は、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)による走行中のインダッシュゲーム機能に関する調査にすばやく対応している。The Guardianによると、Teslaは走行中の「Passenger Play」機能を無効化するアップデートを配信するとのこと。NHTSAの広報担当者によると、Teslaは当局関係者とこの問題について話し合った後、この変更を約束したという。アップデートがいつ提供されるかは言及されていないが、今後ゲームをプレイしたければ駐車しなければならないと考えて間違いないだろう。

この担当者は、アップデートがあっても調査は継続すると強調した。NHTSAは、自動車安全法が、運転の集中を妨げるような重大な安全上のリスクをもたらす自動車の販売を禁止していることを改めて強調した。今回の調査は、2017~2022年モデルのTeslaのEV約58万台が対象となる。

テスラは広報部門を廃止しており、コメントを得ることはできなかった。今回の機能変更は驚くべきことではない。NHTSAがテスラに過失があったと認定した場合、不作為は結果を悪化させる可能性がある。また、競合他社からの圧力という問題もある。メルセデス・ベンツは最近、走行中に動画再生ができてしまう問題を修正したが、Teslaが同様にすばやく対応できないとなると、NHTSAに対して良い印象を与えないだろう。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Jon Fingas(ジョン・フィンガス)氏は、Engadgetのウィークエンドエディター。

更新:TeslaのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、アップデートとなるソフトウェアバージョン10.8を米国時間12月23日から配信するとし「良い感じだ」と述べている。@Teslascopeによると、FSD 10.8ベータ版は23日夜から配信され始めたという。

画像クレジット:Screenshot/Tesla

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(文:Jon Fingas、翻訳:Aya Nakazato)

Voodooは「Play-to-Earn」、遊んで稼ぐブロックチェーンモバイルゲームに約227億円超を賭ける

フランスのスタートアップVoodoo(ブードゥー)は、ブロックチェーンを活用したモバイルゲームに多額の投資を行う計画を発表した。同社は、今後数年間で2億ドル(約227億4000万円)規模の投資を行うことになると見積もっている。

2021年は暗号ゲームにとって重要な年となり、中でもAxie Infinity(アクシー・インフィニティ)はPlay-to-earn(ゲームして稼ぐ、P2E)モデルを普及させた。Mythical Games(ミシカルゲームス)のように、大規模な資金調達ラウンドを行い、メインストリームのブロックチェーンゲームに取り組んでいる企業もある。

サイドノートとして、ファンタジースポーツのNFTゲームも暗号ゲームと考えられる。その分野では、ファンタジーフットボールのSorare(ソラーレ)が6億8000万ドル(約773億3000万円)のシリーズBラウンドを調達し、NBA Top Shotを開発したDapper Labsは2億5000万ドル(約284億2000万円)を調達してNFT分野でのさらなる発展を目指している。

関連記事:レアル・マドリードやリヴァプールなどと提携するファンタジーサッカーNFTゲーム仏Sorareがソフトバンク主導で約743億円調達

Voodooは現在、ハイパーカジュアルゲームで最もよく知られており、50億のダウンロード数と3億人の月間アクティブユーザー(MAU)を抱えている。同社のゲームには「Helix Jump」「Crowd City」「Hole.io」「Paper.io 2」などがある。

Voodooは自社スタジオを持つ一方で、サードパーティのゲームスタジオのパブリッシャーとしても活動している。Voodooの秘伝のソースは、配信、ユーザーあたりの平均収益、絶え間ないイテレーションを最適化する技術スタックだ。

そして、モバイルゲームのエキスパートであるVoodooは、暗号ゲームに関しても何もせずじっとしているつもりはない。Voodooはすでに10の社内スタジオでブロックチェーンベースのゲームに取り組んでいる。2022年には、さらに20の暗号ゲームに特化したスタジオを開設する予定だ。

2021年、Voodooは8社を買収した。つまり、新しい暗号ゲームのスタジオは、買収から生まれる可能性があるようだ。

VoodooのAlex Yazdi(アレックス・ヤズディ)CEOは、声明の中で次のように述べている。「複数の業界を変革するような技術的ブレイクスルーを経験することは、人生においてほとんどありません。プレイヤーはすでにデジタル資産を購入することに慣れているため、ブロックチェーンは特にゲームに影響を与えるでしょう。この技術により、プレイヤーは自分のデジタル資産の真の所有権を得ることができ、ゲーム内のデジタル通貨やゲーム資産の収集、取引、販売などを通してプレイヤー同士の交流が深まり、楽しさやエンゲージメントが向上します。またこれにより、プレイヤーは自分の資産から利益を得ることができるようになり、新たな『Play-to-earn』モデルにつながります」。

つまり、今後のVoodooのゲームでは、取引可能なNFTが期待できるということだ。ユーザーがオンラインマーケットプレイスでNFTを売買できるようになれば、ゲーム外でも経済的価値を持つことになる。

Voodooの既存のスタックに加えて、同社はトークンの管理、NFTの作成、ウォレットアドレスの作成、(イーサリアムのような)レイヤー1ブロックチェーンやレイヤー2のソリューションと統合して取引コストを削減するための再利用可能なブロックチェーンスタックに取り組む予定だ。

画像クレジット:Afif Kusuma / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

NFTとファッションを融合させたRTFKT、人はメタバースで何を大事にするのか

12月2日から3日にかけてオンラインで開催されたスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2021」。2日目午後2時50分から3時25分にかけて行われた「NFT & メタバース」のセッションでは、RTFKT(アーティファクト)共同創業者Benoit Pagotto(ブノワ・パゴット)氏が登壇し、最近話題のメタバースという世界を生きる中で、NFTという技術をどのようにファッションと融合させることに成功したのかついて解説した。モデレーターはOff Topicを運営する宮武徹郎氏だ。

また、RTFKTはイベント後の米国時間12月14日、Nikeに買収されている。

関連記事:ナイキが話題のNFTスタジオ「RTFKT」買収、TC Tokyo 2021にも登壇

デジタルとファッションの融合を実現したRTFKT誕生の経緯

RTFKTの共同創業者であるブノワ氏の経歴は興味深い。起業前は、欧州のeスポーツチーム「Fnatic」のブランディング、およびマーケティングの責任者として働き、それ以外にもDior、パリの高級コレクトショップcoletteなどのブランド戦略をも手がけてきた。好きなものは、アニメとゲーム、日本のサブカルチャーなど。

さまざまな要素が彼の中に混在し、RTFKTは、その発露ともいえるようなスタートアップ企業だといえる。

RTFKTが生まれたのは、ブノワ氏がZaptioことSteven Vasiley(スティーブン・ヴァジリー)氏、Chris Le(クリス・リー)氏とeスポーツ内で出会ったことがきっかけだ。

「学校にいるよりもゲーム内にいることの多いような人にとって、自己表現を行うには、どのようなスキン(ゲーム内で使うアバターの見た目)を持っているかが重要だ」とブノワ氏。「そこで、多くの人気スキンを作っていたクリスに連絡を取り、チームのためにゲーム『CS:GO』用のスキン制作を依頼したのが始まりだった」。

「当時、ストリート文化ではスニーカーが流行しつつあった。クリスはCS:GOのスキンに、実在ブランドのスニーカーを取り入れていた。ファッションとゲーム文化の融合。とても良いと感じた」(ブノワ氏)

その後、「フォートナイト」に登場するレイブンのスキンにアディダスのスニーカーYeezy 700を組み合わせた絵を、チームのInstagramに投稿したところ、かつてないほどの反響を得る。

「実在するブランドとゲームという異なる文化を融合させることで、個性的なものになる、と確信した」(ブノワ氏)

ブノワ氏のチームは、2018年に欧州チームとして数年ぶりに決勝進出を決めた。そして、決勝という晴れ舞台に立つ選手用に、赤いカスタムスニーカーを準備。残念ながら、優勝は逃したが「靴もかなり注目を集めた」とブノワ氏。「そこで、記念エディションとして翌年1月に、スニーカーと限定パーカーを製作。在籍企業がゲームスキン用NFT制作を始めていたので、それも同梱した。その初めての試みを通じ、僕たち3人はどんどん仲良くなっていった」。

やがて、3人の経験を持ち寄れば、誰にも真似できないブランドを作れるのではないかと思ったブノワ氏は、RTFKTの構想を立て、コンテンツを制作。Instagramに投稿したところ、好評だったため、事業化を計画する。

「それまで、ゲームと暗号技術をつなぐ真のブランドは存在していなかった。アニメ、ゲーム、レトロファッション、そしてNFT。情熱を注いだそれらを融合させ、未来のブランド像を示したかった。そして、ゲームに関連したファッションやキャラ、考え方をメタバースの中で広めていきたかった。それも非独占的に。それが創業に際しての理念だ」(ブノワ氏)

そして、それまでの仕事を辞め、2020年1月にRTFKTを立ち上げたのだ。

デジタル所有物は環境負荷を軽減する

そして2年目。ブノワ氏は、この1年を「自分たちほどたくさんの仕事をしたブランドはない」と豪語する。

2021年1月にはPCゲーマー向けにPCパーツやゲーミング周辺機器を開発・販売しているNZNXとバーチャルまたリアルでスニーカーを作るパートナーシップを締結した。それに先がけて紹介したゲームスニーカーの動画が反響を呼んだのはいうまでもない。

また、スニーカー界のレジェンドとも呼ばれ、ストリート系ブランドSTAPLEの生みの親であるジェフ・ステイプル氏とのコラボも実現した。

「個人的に気に入っているのは、PUNKS PROJECTだ」とブノワ氏はいう。「1万足の、それぞれユニークな(他とは異なる)スニーカーをCrypto Punksとともに作った」と振り返る。それぞれを異なるものにしたのは、以前にいた業界で目にしたことが関係している。

「高級ファッション業界で見てきたのは、大金をかけて没個性的になってしまっている人々だった。ヴィトンの鞄は高くても、世界中にゴマンとあるでしょう?」と問いかけた。

「1万足の完成品は、どれもクールで個性的。(Crypto)Punksの感性にマッチしたものだった」とブノワ氏。「送付方法は、TwitterのDMで。1対1ということもあり、毎晩2時まで作業していた」と振り返る。

「彼らと面識はないが、特別な一体感を感じた。これは前例のない功績だろう。とても誇らしく感じる」(ブノワ氏)

すべてのスニーカーは、当然NFTの技術を使っている。そのため、それぞれが一点物であり、デジタルであってもコピーできない。リアルなスニーカーと同じく、ユーザーはそれを「所有」している。

ブノワ氏は「デジタル物の所有はとても大切だ」という。「ゲームでスキンやキャラに大金を注ぎ込んでも、ゲーム機の世代が代わったり、ゲームそのものが終わってしまったり、アカウントが何らかの理由で停止させられてしまったりすれば、すべてが水の泡。ゲームの外に持ち出せなかった」と解説。

「しかし、NFTであれば、自分で所有できるため好きなときに交換できる。NFTに出会ったとき、真っ先にゲームでの活用を考えたのは、デジタル物を所有できる技術だと感じたからだ」(ブノワ氏)

人は、リアル世界でモノを所有することを重視するが「現実よりも仮想空間で長く時を過ごすようになれば、仮想空間でデジタル化されたものを持ちたいと思うようになるでしょう」とブノワ氏。「仮想生活が、現実以上に重要になりえる」という。

そして、仮想空間での生活の重みが増すことにより、フィジカルなモノよりデジタル化された所有物が増え、それは環境負荷を軽減させるものになると考えている。

さらに「メタバースでは人が区別されることのない世界。そこでの生活の創造性をグッと高めたいし、新興ブランドとしてその先鞭をつけるのが重要だと考えている」と語った。

「ファッション企業では、販売ありきで創造を行う。その流れを逆転させたい。たとえ無名でも、たとえ非常に若くても、斬新なものづくりをしている優れたクリエイターを起用していきたい。そして、利益を分かち合っていきたい。創造行為と権力の関係を変えていきたい」(ブノワ氏)

習うより使って学ぼう

11月に予約販売が始まった「Clone X NFT」についての話も行われた。Clone X NFTは、身につけるものではなく、アバターそのものを2万体制作するというプロジェクトだ。

思いついたのは、Crypto Punksとのコラボを発表したときだとブノワ氏はいう。「ファッションブランドには、あれが究極のプロジェクトだったが、キャラクターを作れば世界が変わる。ブランドがキャラクターを作れば、その特定ブランドから継続的に購入するようになり、ブランドの存在感に変化が生じるようになる」という計算だ。

人型の3D制作にはDaz 3Dを、アバターのデザインには「好きな要素を全部詰め込み」アニメの要素を組み込んだ。

ファッションコレクションも同時進行で制作していった。「150点ほど作ったので、コーディネートすることもできる」とブノワ氏。「デジタルで制作したそれらのファッションを、現実世界でも身につけたいと考える人が出ることだろう」。まさに、バーチャルとリアルの融合だ。

ブノワ氏は、これを「ファッションブランドの新時代の始まり。ブランドの礎、エコシステムの始まり」と位置づける。

なお、村上隆氏がClone X NFTにコラボするようになったいきさつについては、そもそも日本が好きで、日本のアニメ、ゲームなど日本文化を「世界一すばらしい」と感じている3人が、ファンである村上氏から、Instagramアカウントをフォローされたことに端を発しているとのこと。

「すぐにDMを送り、コラボを意識して連絡を交わした。そして、このプロジェクトが実現した」(ブノワ氏)

「NFTは新しい技術。使っているとクールに見えるため、『NFTって何?』と尋ねられることも多い。でも、僕は言いたい。知りたいのなら、使ってみようよ、と。それが最大の学びになる。NFTでデジタル物を所有するとはどういうことなのか。利益のこととは関係なく、ぜひとも(Clone X NFTの)アバターを使ってみて欲しい」とブノワ氏はいう。

高額落札で注目を集めたNFT「Bored Ape」、2022年のゲームリリースを発表

2021年には、100万ドル(約1億1400万円)規模のNFT(非代替性トークン)プロフィール画像プロジェクトの台頭ほど、魅力的で苛立たしいものはなかった。手順どおりに生成された1万枚のJPGファイルのコレクションは、一見すると剥き出しの投機の手によって数億ドル(数百億円)の時価総額を獲得し、懐疑的な人々を当惑させ、崇拝者たちを豊かにしている。

これらのプロジェクトの多くは、十分な資金とコミュニティのサポートがあれば、エーテルから文化やブランドを生み出すことができると期待されている。中でもBored Ape Yacht Club(BAYC、ボアード・エイプス・ヨット・クラブ)は、そのサルの画像を購入しようと競い合うユーザーが増え、入札価格が数十万ドル(数十億円)レベルにまで高騰したことで2021年に注目を集めたNFTプロジェクトだ。

その価値の一部は、BAYCが文化的な試金石になるという信念を軸としている。同グループは米国時間12月13日、その目標に向けて大きな一歩を踏み出した。ブロックチェーンゲームのユニコーン企業であるAnimoca Brands(アニモカ・ブランズ)と提携し、Bored Ape(ボアード・エイプ)をテーマにしたゲームを来年リリースすると発表したのだ。

このゲームには、非常に高価な参入障壁を持つコミュニティを中心に、メインストリームのゲームを構築するという、明らかに険しい課題がある。NFTプロジェクトの核である独占性と、堅固なユーザーベースを構築するために必要な資産の民主化との間でバランスを取ることは、まだ達成されていないどころか、大規模な試みすら行われたことがない。

この件について同社のプレスリリースには、このゲームがいわゆる「Play-to-earn(遊んで稼ぐ)」の仕組みを取り入れたものになり、2022年第2四半期のリリースを目指しているということ以外、詳細はほとんど書かれていなかった。ちなみに、BAYCの制作元であるYuga Labs(ユガ・ラボ)は、このプロジェクトに関連したトークンを開発中であることを以前に明らかにしている。

2021年10月、香港を拠点とするAnimoca Brandsは、22億ドル(約2500億円)の評価額で6500万ドル(約74億円)を調達した。

画像クレジット:BAYC

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Netflixのゲームサービスに3タイトル追加、iOSとAndroidでグローバル提供

Netflix(ネットフリックス)の新たなゲームサービスが11月にiOSAndroidの両方で世界展開され、まずは「Stranger Things」をテーマにした2つのゲームと、いくつかのカジュアルゲームが提供された。そして今回、Netflixはそのラインナップを拡充し、新たに3つのゲームをiOSとAndroidの両方で提供する。

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1つ目の新作品は「Dominos Cafe」で、1対1または2対2の対戦でさまざまな種のリアルなチャレンジができるドミノゲームが含まれている。このゲームには、難易度が3段階あるクラシックなゲームモードが用意されている。また「Knittens」というマッチ3ゲームも追加される。他のマッチ3ゲームに似ているが、目的を達成すると子猫をドレスアップできるという工夫が加えられている。最後に「Wonderputt Forever」というミニゴルフゲームだ。このゲームでは、プレイヤーは適宜ショットを計画し、それぞれのユニークなホールにボールを沈める必要がある。

Netflixはまた、近い将来さらに2つのゲームをリリースすることを発表した。1つ目は「Hextech Mayhem:A League of Legends Story」という作品で、音楽のビートに合わせて跳ねながら障害物を避けたり、敵の武装を解除したり、導火線に火をつけたりするリズムゲームだ。2つ目は「Arcanium:Rise of Akhan」というもので、オープンワールドの1人で遊ぶカード戦略ゲームだ。

Netflixのラインナップは現在「Bowling Ballers」「Shooting Hoops」「Teeter Up」「Asphalt Xtreme」「Stranger Things 1984」「Stranger Things 3」「Card Blast」を含む計10タイトルとなっている。

Androidでこれらのゲームにアクセスするには、NetflixアプリAndroid版の新しい「ゲーム」タブをタップする。するとゲームのリストが表示される。タイトルを選択すると、他のアプリと同様にGoogle Play Storeに移動し、ゲームをインストールすることができる。ゲームをダウンロードした後は、Netflixアプリ内またはAndroid端末のホーム画面上でゲームをタップすることで、いつでもプレイできる。iOS版でも同様のシステムを採用していて、ユーザーはAppleのApp Storeにアクセスしてゲームをダウンロードする。

長期的には、Netflixは他の追加要素やゲームジャンルでゲームカタログを拡大する計画だ。例えば、同社はゲームライブラリをさらに充実させるために「Oxenfree」などのストーリー性の高い作品で知られる独立系ゲーム開発会社Night School Studioを9月に買収した

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Netflixは以前、ゲームに触手を伸ばしたのは、会員を楽しませ、加入を維持するための方法にすぎず、ゲーム自体から直接収益を得るためではないと説明していた。現在のところ、ゲームは無料でダウンロードでき、広告もなく、アプリ内課金もない。同社は、カタログが拡大すれば、同じ推薦アルゴリズムを適用して、テレビ番組や映画だけではなく、新しいゲームをモバイルユーザーに提案することも可能だと述べている。

画像クレジット:Netflix

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

ゲーマー向けコミュニティプラットフォームGauGが4000万円のシード調達、マーケティングや開発人材強化

ゲーマー向けのコミュニティプラットフォーム「GauG」(ゴーグ)を運営するGauGは11月24日、第三者割当増資による総額4000万円の資金調達を行ったと発表した。引受先はマネックスベンチャーズ。調達した資金はGauGのサービス向上のため、eスポーツ大会主催を含む新規顧客獲得のためのマーケティング強化と、開発人材・インターンの採用強化にあてる。

GauGは、ゲーマーもしくはチームとしてのプロフィール作成・管理ができるほか、掲示板でフレンドやチームメンバーの募集、配信・イベント告知などが可能なプラットフォーム。ゲームのオンラインプレイデータを反映することで、プロフィール情報を充実させることも可能。11月には、新サービスとして大会の主催・運営が行えるトーナメント機能をリリースし、データ連携を通じた自動集計も提供している。

2021年10月設立のGauGは、メンバー全員がハードコアゲーマーというスタートアップ。ゲーマーにとって使いやすい、またワクワク感を得られるコミュニティプラットフォームとすべく、GauGの開発を進めている。eスポーツ大会「GGT」(GauG Tournament)の主催なども実施しているそうだ。

ゲームにおけるアクセシビリティは課題でありチャンスだという英国のレポート

ゲームのコミュニティ、開発者、パブリッシャーが、アクセシビリティをビジネスと楽しみの重要な部分と考え始めている。しかし先はまだ長い。英国における障がい者ゲーマーのニーズと習慣のレポートは、世界中の多くのゲーマーがプレイや購入などゲームを楽しむ際にいつも困難に直面することを示唆している。

障がい者支援組織のScopeが実施したアンケート調査についてゲームメディアのEurogamerにVivek Gohil(ビベック・ゴーヒル)氏が寄稿したところによると、1326人(障がい者812人、障がい者でない人514人)がゲームの世界で直面する問題について回答した。

回答者の3分の2がゲームに関する障壁に直面し、最も多い障壁は支援技術に対応していない、あるいは手頃な価格で利用できないということだった。アクセシビリティのオプションがないためにゲームを購入しなかった、あるいはアクセシビリティが欠如しているゲームを購入したがゲームをプレイ(または返品)できなかったと回答した人が多かった。

興味深い点として、障がいのあるゲーマーはゲーム内アイテムを購入したりeスポーツを観戦するなど、さまざまなプラットフォームに関わる傾向がかなり強い。ゴーヒル氏が指摘しているように、英国内だけでも1400万人ほどの障がい者が多くの可処分所得を有している。その中にはアクティブなゲーマーが多数いて、経済効果が望める人々だ。それにもかかわらず、ゲーム内広告のターゲットにしたりゲームに登場したりする層であるとはほとんど考えられていない。

アクセシビリティのオプションを備えればあらゆる人にとってより良いゲームになると認識する大手開発企業が増えて、こうした状況は変化しつつあるようだ。「ラチェット&クランク」「The Last of Us Part II」「Forza Horizon 5」などの新作人気タイトルは、色覚特性からゲームプレイのスピードダウン、きめ細かい難易度設定などに幅広く対応している。

中小企業が多様なニーズに応える支援デバイスを製造するようになって、ハードウェアも向上しつつある。MicrosoftのXbox Adaptive Controllerはこれまでのコントローラを使えない人たちの間で大ヒットとなった。

Microsoftは最近、スペシャルオリンピックスとの共催でインクルージョンを重視したeスポーツのトーナメントも開催した

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しかしすべきことはまだたくさんあり、それはエンジニアリングや開発にはとどまらない。ゲーム内チャットは特に問題がないときでも有害であることは周知の通りだが、障がい者がチャットに参加するとひどい状況になることがScopeの調査で明らかになった。「オンラインでの障がいに対するネガティブな態度への対応にもっと取り組むこと」は優先事項として最も多い回答だった。ゲーム内で障がい者がもっと正確に、また頻繁に登場することと、支援技術がもっと手頃な価格になることも重要であるとの回答も多かった。

ゲームの世界でのアクセシビリティの向上が必要であることは明らかだが、その評価は難しい。このため、こうした研究は極めて有用だ。レポートの全文はこちらから読むことができる。

画像クレジット:aurielaki / Getty Images

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Kaori Koyama)

ゲームボーイなどのカセットを挿して遊べるAnalogueの携帯ゲーム機「Pocket」がいよいよ12月13日に発売

「Nt Mini」「Super Nt」「Mega Sg」などを開発したレトロゲームハードウェアメーカーAnalogueは、待望の携帯ゲーム機「Analogue Pocket」が米国時間12月13日に出荷される。この携帯ゲーム機は、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスのカセットに対応しているが、新型コロナウイルスの流行と供給上の制約により延期されていた。同社によると、すべての予約商品は12月13日に出荷され、12月14日から12月30日の間に配送される予定だという。

アナログポケットは、解像度1600×1440、総表示密度615 PPIの3.5インチ液晶ディスプレイを搭載。すばらしいレトロゲーム体験を提供してくれそうだ。また「ゲームボーイ」シリーズに加え「ゲームギア」「ネオジオポケットカラー」「Atari Lynx」のカセットにも対応している。さらに、デジタルオーディオワークステーション「Nanoloop」が内蔵されており、シンセサイザーとシーケンサーの両方の機能を備えているため、音楽制作も可能だ。

ハードウェアの設計に加えて、Analogueが成し遂げた大きな技術的成果は、FPGAチップを開発したことだ。これにより、対応するゲームカートリッジを、本来の目的通り、ネイティブで動作させることができる。つまり、純粋にゲームを楽しみたい方には高品質のゲーム体験を、ハードコアなゲーマーにはオリジナルハードウェアでの体験を再現するスクリーンモードを提供する。

さらに、199.99ドル(約2万3000円)のAnalogue Pocketは、Analogue Dockなどのアクセサリーにも対応しており、接続したテレビに1080pの映像を出力することができるだけでなく、有線またはワイヤレスで最大4台の8BitDoコントローラーを接続してローカルマルチプレイヤーを楽しむこともできる。また、内蔵バッテリーとUSB-C充電により、最大10時間のゲームプレイが可能になっている。

画像クレジット:Analogue

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ナビタイムがアニメなどに登場するスポット情報整備、全80の「聖地巡礼」ウォーキングコースとロケ地観光情報20本公開

ナビタイムジャパンは11月17日、アニメや漫画、ゲームに関するスポットデータを独自整備し、作品にゆかりのある場所を訪れる「聖地巡礼」オリジナルコースと紹介記事の提供を開始した。全80コースのウォーキングコースは、ウォーキングアプリ「ALKOO by NAVITIME」(Android版iOS版)、「ALKOO forスゴ得」(Android版)、「ALKOO for auスマートパス」(Android版)で、ロケ地の紹介やアクセス情報をまとめた全20本の記事は旅行予約サービス「NAVITIME Travel」で提供されている。

アニメや漫画、ゲーム関連の「聖地」情報は、建物や公園、駅などに加え、道路上の特定の場所(階段や坂道、交差点、マンホール、モニュメントなど)といったより細かなスポットを示す特徴がある。ナビタイムジャパンは、全国900万件以上の地点データを扱ってきたノウハウを活かし、各作品のスポットを確認しデータを拡充。今回、コア技術である経路探索技術をもとに、複数のスポットを徒歩60分間ほどで回るコースやアニメの登場順でめぐるコースを作成した。

アニメ・漫画の舞台となる場所を訪ねる「聖地巡礼」は、地域活性化を促進する観光資源として多くの自治体に取り入れられており、幅広い世代から人気が高い。ナビタイムジャパンは2019年1月より、NAVITIME Travelにて「アニメスポット特集」を公開し、アニメ関連の情報発信に力を入れてきた。

今後は、自転車や自動車向けのコースを拡充し、移動手段に合わせた「聖地巡礼」を楽しめるようサービスの向上に努めたいという。

ナビタイムがアニメ・漫画・ゲームに登場するスポット情報整備、全80の「聖地巡礼」ウォーキングコースとロケ地情報記事20本公開

「ALKOO by NAVITIME」で提供しているウォーキングコースは全80コース。対象作品はラブライブ!、呪術廻戦、ガールズ&パンツァー、恋は雨上がりのように、名探偵コナンなど

ナビタイムがアニメ・漫画・ゲームに登場するスポット情報整備、全80の「聖地巡礼」ウォーキングコースとロケ地情報記事20本公開

「NAVITIME Travel」で提供している記事は全20本。対象作品は鬼滅の刃、天気の子、あひるの空、ヒプノシスマイク、東京リベンジャーズなど

セキュリティスキルをゲーム化して教える英Immersive Labsが米Snap Labsを買収、気候変動も考慮して

サイバーセキュリティのスタートアップであるImmersive Labs(イマーシブラブズ)は、最近7500万ドル(約85億6000万円)のシリーズCラウンドをクローズして相当な資金を獲得したが、同社は「数百万ドル(数億円)規模」の株式と現金を組み合わせた非公開の取引で、米国のサイバースタートアップSnap Labs(スナップラブズ)を買収するとのこと。Snap Labsは、今回の買収以前にはベンチャー資金を調達していないことがわかっている。

最新のサイバー脅威インテリジェンスを「ゲーム化」して企業の従業員にサイバーセキュリティのスキルを教えるImmersiveは、今回の買収により、組織が社内でサイバー知識を身につけることを支援するための新たな力を得られるとしている。

サイバーセキュリティは技術チームだけの問題ではなく、会社全体のビジネスクリティカルな問題へと変化しているため、Immersiveのアプローチは、国際的にも多くの新規ビジネスを獲得しているようだ。一方のSnap Labsは、現在Accenture(アクセンチュア)、Mandiant(マンディアント)、CrowdStrike(クラウドストライク)と提携しており、米国での実績も十分にあるため、Immersiveのサービスを大幅に強化することになるだろう。

Immersive LabsのJames Hadley(ジェームズ・ハドリー)CEOは次のように述べている。「Snap Labsの買収により、お客様は、直面するリスクにピンポイントで対応した詳細でリアルな体験を通し、より優れたサイバー人材を育成することができます」。

ペンシルバニアを拠点とするSnap Labsは、共同創業者のChris Myers(クリス・マイヤーズ)氏とBarrett Adams(バレット・アダムス)氏によって2016年に設立された。

マイヤーズ氏は「2つのプラットフォームは自然にフィットしており、組み合わせることで、お客様がサイバー脅威に対する耐性をさらに高められるよう支援できると期待しています」と述べている。

また、これには気候変動に関する側面もある。Snap Labsは「エラスティックコンピューティング」を採用している。これは、サーバー上で仮想環境を継続的に稼働させて電力を消費するのではなく、使用するときだけ仮想環境を起動し、使用しないときは直ちにシャットダウンするというものだ。これは、各サイバー攻撃シミュレーションのカーボンフットプリントにプラスの影響を与え、全体としても大きな影響を与える。

ハドリー氏は筆者との通話で次のように語った。「Snap Labsの技術を利用することで、企業が自社のネットワークを仮想的に再現するなど、非常にクールなことが可能になります。お客様は複雑な規模の独自ネットワークを構築し、複製することで、マルウェアやペネトレーションテストに対するチームの戦闘力を試すことができるようになります」。

Immersive Labsは、英国の退役軍人を対象にサイバー職業訓練を行うTechVetsという慈善団体を無料で支援している。

画像クレジット:Chainarong Prasertthai / Getty Images

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

暗号資産ゲームは短期的にどれだけの資金を吸収できるだろうか

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター、The TechCrunch Exchangeへようこそ。

みなさんこんにちは!今回は、インシュアテック、SPAC、そしてダイレクトリスティングがIPOの価格問題をどれだけ解決できるかについてお話ししたい。だがその前に暗号資産について取り上げる。

先週の暗号資産周辺はにぎやかだった。Coinbase(コインベース)の業績報告からは、第3四半期の資産クラスの取引活動がいかに忙しかったかを知ることができた。Robinhoodの業績報告を思い出せば、Coinbaseが開示したものは驚きではないだろう。米国の株式投資プラットフォームの暗号資産収益が大幅に減少したために、Coinbaseも第2四半期と比較して、取引量と収益の両者が減少した。

これに関連して、暗号資産取引所FTXの米国事業所が自社のパフォーマンスデータの一部を公開した。これによると、2021年9月までの3カ月間は全体的に減少傾向にあるものの、暗号資産取引市場はまだ成長可能であることが示されている。

つまり、暗号市場は急速に進化(脱皮?)し続けているのだ。大規模ブロックチェーンと中小規模のコインのアクティビティは、四半期ごとに大きく変動する可能性がある。Coinbaseのような企業にとっては、これは収益や利益の変動を意味している。

しかし、Coinbaseは現金を豊富に持っているため、暗号活動の長期的な動きがポジティブなものである限り、短期的な浮き沈みはそれほど大きな問題ではない。

長期的な上昇トレンドに賭けるもう1つの企業集団は、暗号資産ゲーム会社たちだ。彼らはここ数カ月、非常に忙しい日々を送っている。例えば、Patron(パトロン)は暗号資産ベースのゲームに投資するために9000万ドル(約102億5000万円)のファンドを組成し、Mythical Games(ミシカル・ゲームズ)は暗号資産ゲームを開発するために2021年の夏に7500万ドル(約85億4000万円)を調達、トレーディングゲームのParallelは評価額5億ドル(約569億3000万円)で調達を行い、Axie Infinity(アクシ・インフィニティは)2021年の年頭に資金調達を行っている

また先週、Forte(フォルテ)は、暗号資産ゲームのインフラのために7億2500万ドル(約825億4000万円)を調達した。このことから、私はブロックチェーンゲームが短期的にどれだけの資本を吸収できるのだろうかと考えている。これまでのところ、少なくとも伝統的なベンチャーキャピタルの考え方の中では、ゲームはベンチャーキャピタルの投資対象としては不適切であることが証明されてきた。それはなぜか?というのも、ゲームはどちらかというとヒットに左右される商品であり、発売後に好調でも収益が減少していくタイトルもあるからだ。

投資家は、予測可能で成長性のある強力な収入を求めている。そして投資家は、収益の不均一性や不確実性を嫌うものなのだ。新規タイトルは、失敗する可能性があるという不安要素を持っている。

それなのに、暗号資産に群がり、ゲーム企業がもてはやされているとは?ベンチャーの投資対象としての魅力を失わせていたゲーム会社の経済的・社会的リスクが、ブロックチェーンをバックボーンとして構築されることで改善されるというのだろうか?それがなぜそうなるのかを私は理解できない。しかし、投資家たちはあたかもそれが起きるとばかりに資金を投入している。さまざまな賭けがどのような損得に落ち着くのかを見ていきたいと思う。

インシュアテック、SPAC、そしてデータ

現在は決算期を迎えている最中だ。メジャーな企業はもちろんのこと、中小企業も多くの時間とエネルギーを費やしている。先週のいくつかの決算報告会から、以下のようなことがわかった。

インシュアテックは難しい:Metromile(メトロマイル)がLemonade(レモネード)に身売りしたというニュースの直後では、公開インシュアテック企業の運命に疑いが生じても仕方がない。とはいえ、先週発表されたRoot(ルート)の決算では、この自動車に特化した保険会社の業績が投資家に評価されて、株価が大きく上昇しや。

しかし、Rootにとっては、ライバルが新しい落ち着き先を見つけたからといって、すべてが順風満帆というわけではない。先週、RootのCEOであるAlex Timm(アレックス・ティム)氏にインタビューした結果、私たちは保険分野での成長のタイミングがいかに複雑であるかを知った。

現在、多くの自動車保険会社が直面している補償価格の設定に関する市場の不確実性(つまりRoot自身の問題ではない)を考慮し、Rootは短期的な成長目標を引き下げたとCEOは説明している。車両や人件費などのインフレ圧力により、保険料の決定が難しくなっており、市場の各プレイヤーが新規契約の獲得に慎重になっていることがわかった。

これは、Rootが長期的に問題を抱えていることを意味するものではないが、マクロ的な状況が、どのように技術や技術を応用したビジネスにとって厳しい状況をもたらしているかを示している。Rootは、データとスマートなソフトウェアが、時間とともに保険の価格を改善していくことに賭けている。しかし、上場直後の同社は、事実上前例のないビジネスの根本的な経済的変化に遭遇していると、ティム氏はいう。Metromileが上場後すぐに諦めて事業を売却したのは、このような複雑な事情があったからかもしれない。

SPACはおそらく大丈夫:先週、NextDoor(ネクストドア)が公開会社として取引を開始した(オリジナルのメモはこちら)。私たちは取引初日にCEOのSarah Friar(サラ・フライア)氏にインタビューを行い、彼女が選択した上場方法について話を聞いた。

彼女によれば、NextDoorは2020年後半に製品計画の一部を止めなくてはならなくなり、これによってより多くの資金を調達する必要性が生じたのだという。また、NextDoorは上場準備が整っており、SPACパートナーを通じて事前に決められた価格でまとまった資金を調達することができたため、この取引は彼女の会社にとって意味のあるものとなった。

これはある意味標準的な視点であり、SPACが2021年初頭に流行した理由を詳しく説明してくれるものだ。しかし、その後の状況は変わり、多くのSPAC主導の組み合わせでは、買収対象を発表して取引を完了させた後に、一部の支援者が資本を引き上げることも起きている。

NextDoorは、そうした資金引き上げ問題が必然的なものではないことを示した。最初のリリースでは、SPACパートナーが4億1600万ドル(約473億2000万円)の現金を事業に注入するとしていたが、最終的な集計では4億400万ドル(約460億円)となった。これは、失われた資本比率としては超低水準だ。そして、NextDoorの株価は、SPAC以降順調に推移している。このように、SPAC主導のデビューでも、場合によってはうまくいくこともあるようだ。

ダイレクトリスティングは価格の万能薬ではない:Amplitude(アンプリチュード)は、最近ダイレクトリスティング(直接上場)を行い、先週上場企業になって初めての収益を報告した。上場以来、同社の取引は好調で、今週の終値は1株当たり73.86ドル(約8409円)と、基準価格の35ドル(約3985円)を大きく上回っている。

Yahoo Finance(ヤフー・ファイナンス)によれば、同社の現在の価値は80億ドル(約9108億円)強だ。同社が不本意な価格付けを避けるために伝統的なIPOではなくダイレクトリスティングを選択したことに対して、私たちは、同社がダイレクトリスティングに先だって2021年初めの調達時の評価額が約40億ドル(約4554億円)だったことに苛立っていたのではないかと気になっていた。結局、彼らは価格の問題を避けるためにダイレクトリスティングを行い、Roblox(ロボロックス)が行ったように事前に個人投資家から資金を調達したのだ。

AmplitudeのCEOであるSpenser Skates(スペンサー・スケイツ)氏は、従来のIPOでは価格の歪みがさらに大きくなっていただろうと語り、ダイレクトリスティングに手応えを感じていると述べた。それに対して、私たちは「おそらくそうでしょうね」と答えるだけだ。しかし、非公開市場の投資家が自分の資金を一気に倍にしてしまう様子は、結局別の金持ちが儲けをさらっていくだけの間違った値付けのIPOが生み出す「儲け損ない」と似たものにみえる。

それではまた!

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

Panicの人気携帯ゲーム機Playdateにバッテリー問題、2022年初頭まで出荷できず

Panicが、レトロな雰囲気のかわいい携帯ゲーム機Playdateの予約販売を開始したとき、最初の2万台はホリデーシーズンに向けて2021年末までに出荷される予定だった。そして、この最初のロットは、20分以内に完売した

しかし残念なことに、出荷直前に発生したバッテリー部品の問題により、最初の注文も2022年にずれ込んでしまった。

予約者に送られたメールには、次のように書かれている。

最初の5000台のPlaydate完成品が2021年に向けてカリフォルニアの倉庫に到着したとき、私たちはそのうちの数台をテストし始めました。その結果、期待していたバッテリーの寿命が得られないものがあることに気がつきました。Playdateのバッテリーは非常に長持ちするように設計されていて、しばらく使わなくても、いつでも使えるようになっています。しかし、実際にはそうではなく、バッテリーが消耗してPlaydateの電源が入らなくなり、充電もできないものがいくつかありました。これはバッテリーにとって最悪のシナリオです。

この問題は、数カ月に及ぶ総力を挙げた研究の負担となり、工場での生産を中止しました。

その結果?

私たちは、既存のすべてのバッテリーを、まったく別のバッテリーサプライヤーの新品に交換するという、困難で高価な決断を下しました。

Panicは、新しいバッテリーを受け取り、それらは正常に動いているが、すべてをマレーシア送り返し、電池を交換し、海を越えて戻ってくるまでには時間がかかるだろう。

一方で、2022年に出荷するPlaydateの全機種に搭載する予定だったCPUが、文字通り数年分のバックオーダーになっていることも判明した。

たくさんの予約が入っていたので、2022年以降に必要な部品をすぐに工場に発注しました。その結果は……厳しいものでした。多くの部品が大幅に遅れているのです。実は、Playdateの現在のCPUは、信じられないかもしれませんが、2年間は入手できないのです。そう、730日です。

多くの人が話している「世界的なチップ不足」という話を、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。私たちはそれが現実であることをお伝えしたいと思います。新型コロナウイルスは、世界的なサプライチェーンの障害を連鎖的に引き起こし、多くの電子部品が単に……なくなってしまいました。

この問題を回避するために、同社はプレイデイトの基板を再設計し、より入手しやすく、ユーザーが気づくような動作への影響のない別のCPUをサポートするようにした。

同社によると、1号機から2万号機までは2022年にずれ込んだが、これまでに発注した分が2023年にずれ込むことは今のところないという。

相変わらず、ハードウェアは難しい。さらに、パンデミックが加わると……。

画像クレジット:Panic

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Yuta Kaminishi)

Riot Gamesの元同僚二人が設立した新しい投資会社Patronが約103億円確保

Axie Infinityからのワンシーン(画像クレジット:Yield Guild Games)

テック関連のニュースを追っている人なら、ブロックチェーンベースの「遊んで稼ぐ」トレンドに関する記事が増えていることにおそらくお気づきだろう。これは個人が暗号資産によるゲームをし、そのゲームの中で資産やトークンを稼ぎ、それを「現実」のお金に替えて生計を立てることができるものだ。

「Axie Infinity」と呼ばれるベトナムの会社が、この動きを推進している。同社は非常に人気があるため、フィリピンには「Axie Infinity」でゲームを始めたい人向けにお金を貸すためだけに存在しているスタートアップがあるほどである(ゲームを始めるにはまずデジタルクリーチャーを購入する必要がある)。このお金の貸し手も、ゲームの背後にある会社も、どちらも現在Andreessen Horowitzから資金援助を受けている。

このトレンドは一過性のものではないと、Patronと呼ばれるアーリーステージ専門の新しい投資会社を創設したある共同創設者2人はいう。彼らは「Axie」のようなゲームが分散型「Web 3」と呼ばれる時代の最大の消費者になると信じている。

私たちは、先にPatronの創設者たちにもっと詳しく話を聞くためにメールをした。彼らのうちの1人、Brian Cho(ブライアン・チャオ)氏は、過去7年間Riot Gamesで過ごし、ビジネスおよび企業開発のグローバル責任者を務めた(また、彼は2012年からアンドリーセンホロウィッツに2年間勤務している)。共同創設者であるJason Yeh(ジェイソン・イェ)氏は、過去4年間、ドイツのベルリンで自ら投資会社を立ち上げ運営していた。またそれ以前はEU Esportsの責任者としての業務も含め、8年間Riot Gamesで働いていた。

2人には多くの共通の知り合いがおり、そうした人々がPatronの新しい投資家層を形成している。その中には、Andreessen Horowitzのパートナー数人や、Union Square VenturesのFred Wilson(フレッド・ウィルソン)氏、 Initialized CapitalのGarry Tan(ギャリー・タン)氏、GGV CapitalのHans Tung(ハンス・タング)氏などが含まれる。2人は、Patronの今度の道筋についても語ってくれた。

TC:お2人はRiot Gamesで知り合ったのですよね。ご自身の会社を立ち上げるために、いつ頃独立する決心したのですか?

BC:私たちはRiot Gamesで同僚として知り合い、過去10年ほどにわたってさまざまな取引に共同で投資する中で、次第に関係を深めて行きました。Patronのコンセプト自体は長い間温めてきたのですが、ごく最近になるまで、私たちがもともと思い描いていた種類の会社を作ることができるようなマーケットニーズがありませんでした。

TC:Patronには著名な多くのVCが投資していますね。最初に投資してくれたのはどこですか?

BC:私たちは、ゲームに個人的に関与し、私たちの会社がシリーズAを順調に達成できるよう支援したいと考えてくれている投資家を引き入れることに意図的に力を入れました。また、これは予期していなかったのですが、私たちの初期のLPが、全体的な資金調達と市場で最も競争力のあるシード取引を勝ち取ることに非常に大きな影響を及ぼしたようです。結果的に 4カ月で9000万ドル(約103億円)を集めることができました。

LPの多くは、過去10年ほ多くの期間、同僚や共同投資家として親しい関係にあった人々です。したがって彼らに最初に関わってもらうという判断は理にかなったものでした。最初に資金提供してくれたのは、私たちのボスでメンターだったa16zのChris Dixon(クリス・ディクソン)氏やMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏、FirstMarkのRick  Heitzmann(リック・ヘイツマン)氏やAmish Jani(アミッシュ・ジャニ)氏といった人々、そしてRiot Gamesの創設者です。個人からの資金提供額平均は40万ドル(約4600万円)を超えており、多くの方々が個人的に多額の資金援助をしてくれました。

TC:機関投資家は関与していないのですか?Riot Gamesはどうでしょう?

JY:Horsley Bridge PartnersとInvesco が当社の最も重要な機関投資家です。Riot Gamesは当社には出資していません。というのも、私たちは資金を提供するための戦略よりも個人や機関を優先したいと考えていたからです。

TC:「遊んで稼ぐ」は「Axie」のおかげで今突如としてトレンドになっていますね。お2人はこのトレンドにどれくらいの期間注目してきたのですか?そして興味深いスタートアップは他にもありますか?そしてそれはなぜですか?

BC:私は約4年前にRiot Gamesを退社して、Cryptokittiesの発売に合わせてNFTゲーム関連の会社を立ち上げました。残念なことに、当時は消費者や投資家の関心が高くなかったので、タイミングがよくありませんでした。2018年に市場の景気は底を打った後は特にです。それでも、過去1年間で私たちにとって最も重要なシグナルだったのは「AxieInfinity」や「 NBATop Shot」など非暗号ユーザーをプラットフォームにオンボーディングできる製品に関するものでした。

さらに、BAYCやPunksといった暗号資産ベースの製品がメインストリームになってきました。Coinbase NFTマーケットプレイスでの230万件のウェイティングリストと、AAAおよびWeb 2ゲーム開発者がこの分野で会社を立ち上げるために現在の勤め先を退社するという流れは、すべてすばらしい兆候でした。

TC:現在までにいくつ投資を行いましたか?

JY:発表はまだされていませんが、いままでのところ4つの投資を行いました。

TC:トークンや株式を買うために資金を使う予定ですか?これらの異なる投資のモードについてどうお考えですか、そしてこれについて御社のLPはどのように考えているのでしょうか?

JY:はい、その予定です。私たちの最初の取引の1つは純粋なトークン取引です。私たちはこれらを1つ1つ評価しています。またこのトークン取引が、創設者が構築しようとしているスタートアップや製品のタイプに適した配慮の行き届いたものであるべきだ、と考えています。私たちはLPに対し、ゲームとWeb 3の強力な融合を考えると、Web 3やトークンに資金の相当な部分を使うことになると伝えてあります。それが、彼らがPatronでの投資活動に興奮している理由の1つです。

TC:投資の対象を考えたとき、ロサンゼルスに拠点があるということは、なにか特別な利点があると思われますか?

JY:はい。ロサンゼルスには現在アート、創作、ゲーム、エンターテインメント、暗号資産が色濃く交差しています。そうはいっても、私たちは仮想的な性質をもった会社であり、ロサンゼルスやシリコンバレーで存在感を発揮する一方、サービス提供は国際的なものになるでしょうし、取引の約半分はアメリカ国外のものになると予想しています。

私は過去10年間のほとんどをベルリンで過ごし、最近ロサンゼルスに戻ってきたところです。そしてブライアンも私もRiot Gamesでは、東アジアや東南アジアにおけるビジネスチャンスのために働いていました。私たちは、こうした地域のどこからでも世界的な消費者ビジネスを構築できると信じています

TC:出資の額面についてですが、あなたが投資する際の最低出資額、そして上限については、どのようにお考えですか?

JY:私たちは高い信念と集中型ポートフォリオモデルを持っています。つまり、私たちは量よりも質を重視し、シードステージでの機会を主導または、共同で主導することを目指しています。これは、私たちが活動するステージにおいて、主要投資家として早い時期に高い割合でオーナーシップを持つことを目標に100万ドルから400万ドル(約1億円から4億6000万円)の間で投資することを意味しています。

TC:興味深いプロジェクトをどこで見出すのですか?

JY:私たちのLPは私たちの取引の流れ、そして競争の厳しい取引を勝ち取るための最善のソースです。また、もちろん、TwitterやDiscordが私たちにとって創設者たちと繋がるのに自然な場所になるでしょう。また私たちはDAOsや緊密に結びついたエンジェルシンジケート(私たちもその一部ですが)といった新しい領域が私たちの取引の流れの重要なソースになることを期待しています。

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

Niantic「ハリー・ポッター:魔法同盟」が2022年1月末にサービス終了

少年が活躍するNiantic(ナイアンティック)のARゲームが終わろうとしている。「ポケモンGO」を我々に届けた同社は、大ヒット作の「ポケモンGO」と同様の手法を用いた「ハリー・ポッター:魔法同盟」を2019年にリリースした。しかし人気の手法を利用し、それにARをプラスしたゲームが同じように成功するとは限らないという結果になった。

「ハリー・ポッター:魔法同盟」のプレイ停止は2022年1月31日で、2021年12月6日以降はすべてのアプリストアから削除される。アプリ内購入も12月6日以降はできないが、それまでにアプリ内で購入したゴールドなどは1月31日までゲーム内で使える。「法律で定められている場合を除いて」返金はできないと発表の中に書かれている(訳注:この日本語版記事制作時点で、日本語の発表には返金に関する記載がない)。

「ハリー・ポッター:魔法同盟」は最初のリリース以降、順調な数字を発表していたが、「ポケモンGO」と同レベルの成功に達していないのは最初から明らかだった。コロナ禍にもかかわらず「ポケモンGO」は2020年にそれまでで最高となる10億ドル(約1130億円)以上の収益を上げ、2021年は現時点でさらに前年を超える11億ドル(約1250億円)の収益となっている。

Nianticはブログの中で「永遠に続くゲームはありません。私たちはともに(ゴールを)達成し、2年間続いた物語はまもなく完結します」と述べている。

あいまいな筋書きがある程度の「ポケモンGO」よりも「ハリー・ポッター:魔法同盟」のほうがはるかに物語仕立てであることは確かだ。しかし2つのゲームにまつわる数字は「ハリー・ポッター:魔法同盟」が終了するもう1つの理由を語っている。

アプリ分析企業のSensor Towerによれば「ハリー・ポッター:魔法同盟」は2021年1月〜10月に世界で約73万9000回インストールされた。これは2020年の同期間で約170万回だったのと比べると57%の減少だ。同様にアプリ内購入の金額も2021年1月〜10月は前年同時期比で57%減っている。これまでに「ハリー・ポッター:魔法同盟」は推計で2030万回ダウンロードされ、3940万ドル(約44億8000万円)の収益があった。これに対して「ポケモンGO」は2021年1月〜10月に11億ドル(約1250億円)もの収益を上げている。

Nianticが任天堂とのコラボで開発した新ゲーム「ピクミン ブルーム」を10月下旬に発表したばかりのこのタイミングで「ハリー・ポッター:魔法同盟」の終了が発表された。NianticはユーザーがARで巨大ロボットを戦わせる「Transformers:Heavy Metal」も開発している。同社は米国時間11月2日のブログで、2022年に試験的に限定公開する予定のものも含めて9本のゲームとアプリを開発中であると記している。同社はTechCrunchに対し「ハリー・ポッター:魔法同盟」を担当していた従業員は他のプロジェクトに異動すると述べた。

NianticのCEOであるJohn Hanke(ジョン・ハンケ)氏は「ハリー・ポッター:魔法同盟」のリリースに際して2019年に実施したTechCrunchのインタビューで「ハリー・ポッター」に使用しているシステムは「ポケモンGO」と「Ingress」で開発したものだと述べていた。

その際にハンケ氏はTechCrunchに対し「我々が開発をするとき、特に「ポケモンGO」に関しては、他のゲームで再利用できるプラットフォームを構成するようなものを意図的に作りました。ソーシャルの機能はその好例です。ソーシャルの機能は『ポケモンGO』で使うために開発したものですが、他のゲームにも簡単に取り入れられるように作っています」と語った。

歩き回ってデジタルのオブジェクトを操作することは、ポケモンの世界では機能しているが他のプロダクトへのシームレスな応用はできないようだ。「ハリー・ポッター:魔法同盟」の終了は、おそらくそのことを明らかにしている。

画像クレジット:Niantic

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

ゲーム内広告の拡大とメタバースへの準備のためにアドテック企業Admixが資金調達

2020年6月、アドテック系スタートアップ企業のAdmix(アドミックス)が、シリーズAラウンドで700万ドル(約8億円)の資金を調達したことを紹介した。ロンドンに拠点を置く同社は、ゲーム、eスポーツ、仮想現実、拡張現実に広告を提供している。

大規模なゲーム内広告では、広告主が広告代理店のモデルに頼るのではなく、慣習的な広告購入プラットフォームを通じて、プログラムに従って入札を行うことができるが、この分野は広大であり、まだ十分に活用されていない。

Admixは、この広告モデルをさらに強化するために、シリーズBラウンドで2500万ドル(約28億4000万円)の資金調達を実施した。この資金によって同社はその「In-Play(インプレイ)」ソリューションの規模を拡大し、Facebook(フェイスブック)などの企業が明らかに構築を進めているメタバーズのような新しいプラットフォームに対応する準備を進めていく。

今回の資金調達により、Admixの総資金調達額は3700万ドル(約42億円)に達した。

この投資ラウンドは、Elefund(エレファンド)とDIP Capital(DIPキャピタル)が共同で主導し、Force Over Mass(フォース・オーバー・マス)、Notion Capital(ノーション・キャピタル)、Speedinvest(スピードインベスト)、Rocket Capital(ロケット・キャピタル)、Colopl Next(コロプラ・ネクスト)、Sure Valley Ventures(シュア・バレー・ベンチャーズ)、Sidedoor Ventures(サイドドア・ベンチャーズ)の他、成長投資家のKuvi Capital(クヴィ・キャピタル)やゲーム業界のエンジェル投資家たちも参加した。

AdmixのCEO兼共同設立者であるSamuel Huber(サミュエル・ヒューバー)氏は次のようにコメントしている。「私たちはインターネットが新たなステージに入ると考えています。それはWeb 3.0あるいはメタバースと呼ばれるもので、リアルタイムの3Dインタラクションと、ゲーム業界が先導する新しいクリエイター経済を特徴とします。【略】私たちの業界の多くのプレイヤーは基本的に代理店ですが、Admixはクリエイターが可能な限り最善の方法でコンテンツを収益化できるための重要なインフラを構築しています」。

Elefundの創業者兼マネージングパートナーであるSerik Kaldykulov(セリク・カルディクロフ)氏は次のようにコメントしている。「サムとジョーは、まさしく我々がElefundで一緒に仕事をしたいと思っているタイプの創業者です。彼らはデジタルゲームの未来に対するすばらしいビジョンを持って、AdmixとIn-Playを作り上げました。彼らはメタバースと呼ばれるようになる世界において、消費者と企業がどのように存在し、どのように相互作用するかということが形成される上で、引き続き重要な役割を果たすだろうと、私たちは信じています」。

さらに詳しくいうと、同じ分野の企業にはBidstack(ビッドスタック)、Adverty(アドバーティ)、Anzu(アンズ)、Frameplay(フレームプレイ)などがあると、ヒューバー氏は語る。しかし、これらの企業との違いは、Admixが「データを利用して、適切なゲームの、適切なユーザーに、適切なタイミングで、邪魔にならない広告を提供するためのプロセスを自動化するインフラを構築している」ことだと、ヒューバー氏はいう。「この技術は、スケーラビリティ(同社は過去2年間で300以上のゲームと数百の広告主と取引したが、90%はセルフオンボーディングしている)とネットワーク効果が防御可能であることを意味します。それが、このカテゴリーを支配するためにVCが当社に賭けている理由です」。

Admixは最近、Calvin Klein(カルバン・クライン)、Schuh(シュー)、Movember(モーベンバー)、Sky(スカイ)といったブランドと、In-Playを使った広告活動の契約を結んでいる。

画像クレジット:Admix / Samuel Huber, co-founder

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Unityがクロスプラットフォーム・マルチプレイヤーゲーム開発をシンプルにする「Unity Gaming Services」ベータ提供開始

モバイル、タブレット、PC、コンソール、AR・VRデバイス向けに2Dおよび3Dコンテンツを開発するプラットフォームであるUnityは、バックエンド、マネタイズ、ユーザー獲得、プレイヤーエンゲージメントなど、ゲームクリエイターが必要とするすべての機能を提供する新しいプラットフォーム「Unity Gaming Services」ベータ版の提供を開始した。この新バージョンでは、「Roblox(ロブロックス)」「Genshin Impact(原神)」「Fortnite(フォートナイト)」などのヒットタイトルを含む成長分野である、クロスプラットフォームのマルチプレイヤーゲームを、開発者がより簡単にローンチできるようにすると同社は約束している。

新しいプラットフォームは全世界で利用可能で、100社以上の開発者がこのプラットフォームを利用していると、Unityのオペレートソリューション担当上級副社長兼ゼネラルマネージャーのIngrid Lestiyo(イングリッド・レスティヨ)氏はTechCrunchに語った。

新しいツールには、プラットフォームのリリースプロセスを経ることなく、ゲームロジックをUnityのバックエンドサービスと同期させることができるなど、あらゆる規模のライブゲームを構築するために開発者が必要とするものが含まれている。提供されるツールの中には、プレイヤーの接続、ロビーの作成、オンラインプレイヤーのマッチング、ゲーム内でのボイスやチャットの有効化など、マルチプレイヤーゲームプレイを可能にするものが含まれている。

「これはシンプルです。当社のソリューションは、クロスプラットフォームのマルチプレイヤーゲームを作る最速の方法であり、マルチプレイヤーゲームをライブ配信するには、Unityエディタを使ってクリックするだけです」とレスティヨ氏はTechCrunchに語った。「また、どんな規模のチームでも、ニーズに合わせて製品を簡単に組み合わせ使用することができます。当社の製品は相互運用が可能なので、開発者とプレイヤーの両方にとってより良い体験となるでしょう」。

また、開発者は、ゲームのパフォーマンスの概要を把握し、実用的なインサイトを1カ所で確認できるようになる。また、アプリ内課金や広告、ユーザー獲得に役立つツールを使って、ゲームの収益化と成長を図ることができる。

レスティヨ氏はこう語った。「どんなに複雑なツールやコンテンツであっても、ゲームのパフォーマンスを単一の接続されたインターフェイスでモニターできるようになりました」。

Unity Game Servicesは、ベータ期間中はすべての開発者に無料で公開されており、開発者はスケールアップした場合のみ料金を支払う。Android、iOS、Linux、Mac、Windowsに対応している。コンソールサポートは今のところ招待制となっているが、近日中に利用可能になる予定だとレスティヨ氏は述べている。

レスティヨ氏はパートナーシップの可能性については現段階ではコメントを控えたが、あらゆる規模のチームやスタジオに新しいUnity Gaming Servicesプラットフォームを試してもらいたいと語った。

同氏はこうも述べている。「当社のミッションは、デベロッパーの成功を支援することです。今日、開発者は、クロスプラットフォームのマルチプレイヤーゲームに対するプレイヤーの需要の高まりを満たす必要があると同時に、膨大なクラウドネットワーキングの専門知識を必要とし、ゲームデザインそのものをはるかに超える技術的および運用上の課題を提示する、ますます複雑な新しいリアリティーを管理しています。そのようなクロスプラットフォーム・マルチプレイヤーゲームに関するニーズが高まっている中、Unity Gaming Serviceは、開発者がより多くのマルチプレイヤーゲームをローンチするための参入障壁を軽減し、業界の規模とプレイできるタイトル数を拡大します」。

Unityは、2021年6月時点で34億人以上の月間アクティブユーザー(MAU)がいると主張している。

画像クレジット:Unity

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

【レビュー】Nintendo Switch有機ELモデル、モバイルユーザーに良いがテレビにつなぐならスキップしてもよい

任天堂の大ヒットゲーム機「Nintendo Switch」の新バージョンは、それ自体を正当化するのに十分な違いがあるが、従来のSwitchを購入した何百万もの人たちが絶対に買わなければならにものではない。より大きく、より明るく、より高性能なディスプレイを備えたSwitchは、主に携帯ゲーム機として使おうとする人には良い選択だが、主に据え置きゲーム機として使う人にはアップグレードする理由はほとんどない。とはいえ、2021年のホリデーシーズンには多くの台数が販売されるだろう。

任天堂のハードウェア戦略がどのようなものか、本当に戦略があるのかどうかを見極めるのは、どんなに良い時期であっても難しいものだ。350ドル(日本では税込3万7980円)のNintendo Switch有機ELモデルがその好例だ。

ライバルであるSony(ソニー)やMicrosoft(マイクロソフト)が、次世代ゲーム機は最強だとアピールしている際、任天堂は5年前に発売されたときにはすでに性能が低かったゲーム機とほぼ同じバージョンを発売する。迷走しているのか?それとも、それだけ自信があるのだろうか?

ウワサでは、形状は同じだが、内部をアップグレードしディスプレイを変更した新しいSwitchの販売を2021年予定していたが、パンデミックとチップ不足でそれができなかったという話もある。

この状況を最大限に利用するため、任天堂は有機ELディスプレイをオリジナルのハードに取り付け、何年も前から3DSで繰り返してきたように、QOLのちょっとした向上のためのアップデートとして販売しているという話だ。任天堂はほとんどの説明や憶測を否定しているが、この話(これも単なるウワサだが)は正しいような気がする。

それについて、何といえばよいのかわからない。有機ELディスプレイモデルは明らかにオリジナルよりも優れているが、その改善はほんの少しだけで、人によてはまったく改善されていないこともある。

ディスプレイが最も良くなったのはいうまでもない。私は「メトロイド ドレッド」をプレイしたが、

動きが速く、色鮮やかでコントラストの高い環境はすばらしいものだった。有機ELディスプレイの暗い部分は、明るい部分や色をより鮮明にしていた(ただし、測定によるとピーク輝度は実際には低くなっている)。またディスプレイサイズも7.0インチに拡大されている。以下の写真では最小限に見えるが、実際にはとても大きなポイントで、細部や細部やUI、テキストがよりわかりやすくなっている。

また、黒一色の前面は、ホコリが目立つ。

画像クレジット:Darrell Etherington

動きのあるシーンでは、OLEDの方がピクセル単位のリフレッシュレートが速いため、フレームが次のフレームにぼやけてしまうような感覚が少なく、鮮明さが向上しているように感じる。初代Switchのディスプレイもはっきりいって問題ないものだが、有機ELディスプレイは明らかに優れている。

初代の液晶ディスプレイとは色味が違うが、ゲームではほとんどの人が気づかないだろう。私の目には、初代の液晶ディスプレイがマゼンタ寄りだったのに対し、有機ELディスプレイはグリーン寄りになっているように見ええる。興味深いことに、有機ELモデルでは設定に「あざやか」と「標準」のオプションがある。あらかじめ「あざやか」が選択されており、私は確かに良かった。画像に少し彩度を与えますが、気になるほどではない。

画像クレジット:Darrell Etherington

これに加えて、全体的に品質が向上している。薄いキックスタンドは、より頑丈で調整可能になり、全体的によくまとまっている。内部構造に大きな変更はないが、熱プロファイルが若干改善されたことで、動作温度がやや低くなり、ファンの使用をより抑えられている。スピーカーも改善されていると思われる。

Switch 有機ELモデルの本体保存メモリー64GBで、初代モデルの32GBから大幅にアップグレードされた。もちろん、多くの人がmicro SDカードを入れることになるだろうが、誰にとっても好ましいものであり、古いゲームをアーカイブする必要性もこれで減る。

Switchのゲームを主に本体でプレイする人、またはその予定がある人であれば、Switch 有機ELモデルは優れたデバイスだ。定価を支払ってアップグレードする価値があるとはいわないが、初代モデルをプレゼントしたり売ったあとに新しいゲーム機を購入するのであれば、50ドル(日本では約5000円)を追加で支払う価値は間違いなくある(モバイル機のみのLiteよりも約1万5000円高いが、テレビに表示できないというトレードオフは私にとっていつも正当化しがたいものだ)。

画像クレジット:Darrell Etherington

もちろん、私のように、旅行中以外は常にSwitchをドックに入れておくことが多い人にとっては、ほとんど何も変わらない。技術的には新しいドックが登場し、より頑丈になり、有線接続好きのためにEthernet接続も採用されているが、それ以外はほとんど同じだ。

Switchのゲームをプレイするには、Switch 有機ELモデルが最適であることは疑う余地もないが、それでもアップグレードの必要性を感じる人はいないはずだ。任天堂の次世代機がいつ登場するかは誰にもわからない。任天堂でさえ、その点についてはよくわかっていないのではないだろうか。だから今のところ、あなたが持っているSwitchがボロボロだったり、誰かの手に渡ったほうがいいものだったりしない限りは、無理に買う必要はない。

画像クレジット:Darrell Etherington

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ツイッターがアバター関連スタートアップFacemojiに出資

アバター関連のスタートアップ企業はここ数年の間に次々と生まれては消えていったが、その背後にいる起業家の多くが当初想像していた未来は、多かれ少なかれ正確であることが証明されている。Apple(アップル)はMemoji(ミー文字)によるアバター表現に関心を高めており、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はFacebook(フェイスブック)をメタバース企業にしたいと考えている。また、ユーザーが仮想世界に入り込み、自分のキャラクターのためのアクセサリーを購入するRoblox(ロブロックス)のようなプラットフォームは、かつてないほどの人気を博している。

Facemoji(フェースモジ)は、ゲームやアプリの開発者が同社のSDK(ソフトウェア開発キット)を使ってアバターシステムをアプリに導入するためのプラグアンドプレイ技術プラットフォームを構築している。Facemojiは、Play Ventures(プレイベンチャーズ)を中心に、Twitter(ツイッター)、Roosh Ventures(ルーシュベンチャーズ)、エンジェル投資家が参加した300万ドル(約3億3400万円)のシードラウンドを実施した。

チームによると、この分野の他の多くの企業は、開発者が扱いたくないUnityのプラグインに依存しているが、Facemojiの軽量ソリューションは、独自のレンダリングパイプラインに依存している。また、開発者が望むのであれば、すぐに利用できる多様なアバターアートのシステムをすでに持っている。

画像クレジット:Facemoji

Facemojiは、より多くのゲームメーカーが独自のアバターシステムを簡単に構築したいと考えているが、必ずしも他のネットワークに接続したいとは思っていないと考えている。初期のアバタープラットフォームの弱点は、独自のメタバースとして機能する一貫したクロスプラットフォームのアバターシステムを構築しようとする野心にあることが多い。それは、製品を開発するスタートアップやユーザーにとっては意味のあることだが、ゲームメーカーにとっては、独自のプラットフォームを作る機会をただテーブルの上に置いておくのは無駄なことだった。

Facemojiは、AppleがMemojiを開発者コミュニティに開放することは予想しておらず、Snap(スナップ)の方がより顕著な競争相手であると述べている。Facemojiのスタートアップの競合企業は、ますます速いペースで買収されている。2020年には、RobloxがLoom.aiを買収し、Epic Games(エピックゲームズ)がHyperSense(ハイパーセンス)を買収した。

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Facemojiの創業者たちは、メタバースの流行や最新のNFTブームに強く惹かれており、開発者が統合してユーザーにアバター用のアクセサリーを購入させることができるプラグアンドプレイのNFTストアフロントを開発している。Facemojiは、初期の暗号化されたTwitterのプロフィール写真の使い方は、一般消費者が自分のアバターをカスタマイズすることに興味を持つようになった証拠だと考えている。

「最終的には、エゴに帰結します」とFacemojiのCEOであるRobin Raszka(ロビン・ラズカ)氏は、TechCrunchに次のように述べた。「バーキンのバッグを持っていることをどうやってアピールするか、Twitterのアバターはそのための主要な領域であり、人々はただ見せびらかしたいだけなのです」。

企業への投資をあまり行わないTwitterにとって、これは特に興味深い投資だ。Facemojiのチームは、画面共有ソーシャルアプリSquad(スクワッド)がTwitterに買収される前に、Squadのチームとアバターの統合についていくつか会話をしたと述べている。また、Twitterは、現在進行中のNFTプロジェクトについて詳しく説明しており、CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、この分野のスタートアップ企業を積極的に支援している。

Facemojiチームは、ゲームに加えて、人々がアバターとして次のZoom(ズーム)にダイヤルしたり、クラスに参加したりすることが簡単にできるようになり、実写のアバターがこれまでの汚名を返上し、カメラのオンとオフの間の自然なメディアとして扱われるようになることを期待している。

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画像クレジット:Facemoji

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(文:Lucas Matney、翻訳:Yuta Kaminishi)

ファンタジー「スタートアップ」ゲームVisionrareは実際の企業のフェイクNFT株を購入し最高のパフォーマンスを誇るポートフォリオ構築を競う

所有権のミーム化と、未公開スタートアップのバリエーション高騰を背景に、ベンチャーキャピタルの元アソシエイトが「ファンタジースタートアップ投資」のための暗号資産(仮想通貨)マーケットプレイスを創設した。ユーザーは、リアルの資金で、リアルのスタートアップの、フェイクの株式を購入する。株式はもちろんNFT(非代替性トークン)の形態だ。

【更新】「Visionrare」はオープンベータ1日で有料マーケットプレイスを閉鎖してしまった

米国時間10月6日からクローズドベータで始まったこのゲームは「Visionrare」と呼ばれる。創設者のJacob Claerhout(ジェイコブ・クラーホート)氏とBoris Gordts(ボリス・ゴーツ)氏は、投資のゲーム化を極限まで進め、ファンタジースポーツリーグの魅力を真似て、ユーザーが成功すると思うスタートアップに賭けて友人と競争する手段を提供することを考えている。ユーザーは、数百種類のスタートアップ企業のNFT株を落札し、最高のパフォーマンスを出すフェイクのポートフォリオ構築を競う。

当初、Visionrareのデータベースに登録される企業は、Y Combinatorの最近のクラスを出たスタートアップが中心だ。Visionrareは、同社が販売するフェイクの株式の母体であるスタートアップの名前やロゴを使用する許可を得るどころか、ほとんどの場合、打診してさえいない。だが創業者らは、このプラットフォームのゲーム性により、対象となった企業が停止要求書の提出を思いとどまることを期待している。スタートアップは、自社のプロフィールが正しいことを確認した上でNFT株のうち大きな割合を受け取り、好きなように分配することもできるし、Visionrareに連絡してプロフィールを削除してもらうこともできる。もちろん、無視することもできる。

このゲームは、ベンチャーキャピタルの複雑さを入札形式により単純化することを目的としており、スタートアップの実際の資金調達サイクルや現実世界での業績と連動している。Visionrareは、資金調達ラウンドごとに連番になった100単位の「VisionShares」を入札にかけ、各スタートアップにつき一度に1単位ずつ、5ドル(約550円)から入札できる。ユーザーの保有株式が一定の数(最低5株)に達すると、リーグに参加できる。そこで他のユーザーとファンタジーのような体験を通じて競い合い、順位表を上下しながら、自分のポートフォリオのパフォーマンスに基づくVisionSharesの価値の合計を競う。

Visionrareのマーケットプレイス(画像クレジット:Visionrare)

オープンベータに移行したVisionrareには、セカンダリーマーケットの構築や、OpenSeaなどの外部プラットフォームにおけるVisionSharesの販売サポートなど、いくつかの重要な課題が残っている。ユーザーは現在、クレジットカードでVisionSharesを購入しているが、チームは暗号資産による支払いを導入することも検討している。

このゲームの主な問題は、マンデーナイトフットボールのようなものとの相関関係が少ないことだ。そのため、ファンタジーリーグの規模拡大は難しいかもしれない。つまり、業績に関する公開情報がないのだ。対象が上場企業であれば、ゲームは株価や、四半期決算に載るような一貫した指標のように具体的な何かを中心に構成することができるが、スタートアップ企業は情報公開に非常に慎重だ。

VisionrareはTracxnからスタートアップの業績データを入手し、それをもとに毎週、独自のバリエーションのような「Visionrareスコア」をはじき出す。このスコアは、リーグの進捗や勝者を追跡するための基礎となるものだが、無形資産がバリュエーションを押し上げることが多い市場で、プレスリリースへの言及、ソーシャルメディアのフォロワー数、アプリのダウンロード数といった業界横断的で一貫性のあるデータに過度に重きを置けば、未公開市場でのバリエーションとスコアの間に著しい乖離が生じることは明らかだ。パリに拠点を置く投資会社Partechで、アーリーステージの投資に携わっていたクラーホート氏は「これは正確な科学ではありません」としながらも、時間をかけてより多くのデータストリームにアクセスし、スコアリングアルゴリズムのパフォーマンスを向上させていきたいと考えている。

さらに大きな課題は、最もお金を持っているユーザーがリーグ戦で常勝しないようにすることかもしれない。現実の世界と同じだ。リーグ戦の勝者は、ある期間中にVisionrareのスコアポイントを最も多く獲得したポートフォリオによって決まる。だが、ベンチャー企業のサクセスストーリーは長い時間をかけて作られるため、初期のチームに長期的に賭けることと、流行のSaaSスタートアップに馬車を繋ぐことには、不均衡があるかもしれない。創業者らは、リーグの仕組みはまだ試行錯誤中であり、Visionrareの規模が大きくなるにつれ、楽しく公平なものになるよう調整していくと述べた。

結局のところ、このプロジェクトは、2人の若い起業家が資金ゼロから立ち上げた初期段階のプロジェクトであり、暗号資産空間と今日のスタートアップの投資エコシステムの両方の馬鹿げた部分を捉えている。だが、Visionrareの創業者らは、このNFTフェイク株式市場が、スタートアップに興味を持つ人々が確信する勝者はどの企業なのかを示す機会を提供し、いつの日か、次の採用候補者を探しているVCにとってシグナルとなることを望んでいる。

「この業界は信用を築くのが本当に難しく、アクセスも資本もない人がたくさんいます」とクラーホート氏はTechCrunchに語った。「もしあなたが会社というものを信じるなら、VisionShareを買ってください」。

画像クレジット:Visionrare

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

【コラム】NFT、メタバース、ゲームの親和性が持つ魅力と高まる関心における間違い

ゲームが普及するスピードは、そのエコシステムにあふれる新しいバズワードのペースに並び他に類を見ない。マーケターやディシジョンメーカーは、ゲーム業界でのビジネスチャンスについて、すでにFOMO(Fear Of Missing Out、取り残されることへの恐れ)に陥っており、常にキャッチアップしているだけでは事足りず、ゲームにおけるブロックチェーンの活用や「メタバース(インターネット上の仮想世界)」などの話題性のあるトレンドに食いつき、さらに先取りをしようとしている。

ブロックチェーン、メタバース、ゲームの親和性が持つ魅力は明らかだ。ゲームは常にデジタル所有権(ゲームプラットフォームであるSteamの功績により、ゲームや、おそらく映画などの他のメディアにおけるこの概念が標準化されたといえる)の最前線にある。また、メタバースのビジョンが、分散化されたデジタル所有権を有するゲームに共通する仮想環境に依存していることも多くが認めるところだ。

デジタル所有権とメタバースのそれぞれをどう見るかはさておき、筆者はこの2つがゲームの未来に相互作用を発揮すると考えている。しかし、この流行りの話題が成功するかどうかは、現時点では見過ごされている重要なステップにかかっている。

まず、ブロックチェーン、もっと具体的にはNFT(非代替トークン)の例を見てみよう。多くのゲームでは、希少性が高く、多くの場合あちこちに隠された、さまざまなアイテムを集めることで、モンスターを倒し、強力な武器を手に入れ、さらに強いモンスターを倒し、もっと強力な武器を手に入れたりといった中核となる「ループ」が形成されている。また「スキン」(ゲームキャラクターのさまざまな衣装やアバターアイテム)を集めることは、ゲームにおけるマイクロトランザクションの定番の1つだ。

現在、NFTは、不変で追跡可能でありオープンな価値を持つさまざまなレアアイテムと自然に調和するものとして位置づけられている。最近発売された「Loot(for Adventurers)」では、NFTをファンタジーを呼び起こすための仕かけと簡単に説明し、他のクリエイターが世界を構築するためのツールとして提供するという斬新なアプローチをとっている。Lootのように、NFTアイテムを中心としたゲームが開発されることは想像に難くない。

関連記事:NFTを使った新プロジェクト、まだルールも存在しないが価値を生み出す「Loot」に熱中するのか?

同様のことは以前にも行われたことがある。上記のような「Loot式のループ」を持つゲームの開発者は、ゲームの利用規約に反しゲーム通貨やアイテムを取得して他のプレイヤーにリアルマネーで販売する「ゴールドファーマー」の問題を長年抱えてきた。そして、その解決策として、ゲーム内に「オークションハウス」を導入することで、プレイヤー同士がリアルマネーでアイテムを購入できるようにしたのだ。

ところが、これには望ましくない副作用があった。著名なゲーム心理学者であるJamie Madigan(ジェイミー・マディガン)氏によると、人の脳は、思いがけない有益な報酬に特別な注意を払うように進化しているという。ゲームの楽しさの多くは、予想外の報酬をランダムに獲得できることにあるが、あけすけな報酬がリアルマネーで簡単に手に入ることになると、ゲームのそういった楽しさが奪われてしまうことになる。

ゲームに関連して、現在議論されているNFTの用法は、ゲームの核となるループを経済的な近道によって潰してしまうといった罠に陥る危険性が高いといえる。この現象の最も極端な例では、ゲームにおける最大の罪を犯している。つまり「Pay to Win(金を払って勝つ)」という類のゲームでは、大きな資金を持つプレイヤーが、対戦ゲームの用具における優位性を獲得できるのだ。

Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)のようなブロックチェーンゲームは「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」というコンセプトのもとで急速に熱を帯びている。これはブロックチェーンゲームの環境でトークン化したリソースやキャラクターを獲得し、それを売却することで、プレイヤーが収益を得られるというものだ。これが「金を払って勝つ」とほとんど同じシナリオじゃないかといわれれば、それはその通りだろう。

それが今の状況下で重要であるかどうかは、あまりはっきりしていない。NFTの潜在的な市場価値やプレイによる収入の可能性ではなく、ゲームのコアそのものに関心を持つ人はいるのだろうか。より本質的にいえば、実世界での収益がポイントである場合、それは本当にゲームなのだろうか、それとも、上記のような「ゴールドファーミング」が不正な行為ではなく、むしろゲームの中核的メカニズムであるような、ゲーム化されたミクロ経済に過ぎないのだろうか。

ブロックチェーンを中心とするテクノロジーや文化は、ごく少数の人が関心を持つような非常に難しい問題を解決する力を高めてきた。テクノロジーにおける多くの問題と同様、そのソリューションには、より人道的なアプローチからの再評価が必要だ。ゲームの場合、これらのテクノロジーが主流の推進力になる前に、根本的なゲームの楽しさやゲーム心理の問題に取り組む必要がある。

これに関連する例として、メタバースに目を向けてみよう。ゲームに興味がない人でも、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏がFacebook(フェイスブック)の将来を賭けたこのコンセプトについては、耳にした人もいるだろう。しかし、盛り上がってはいるものの、根本的な問題は、それが単に存在しないということだ。最も近いものとしては、「Fortnite(フォートナイト)」のような巨大なデジタルゲーム空間かRoblox(ロブロックス)のようなサンドボックスだ。また、多くのブランドやマーケターは、ゲームを理解することに取り組まずに、いつまで経っても実現しない可能性のあるチャンスをつかもうと近道を探している。

ゲームは、メタバースの補助輪と見ることができる。仮想空間についてのコミュニケーション、ナビゲート、思考の方法は、すべてゲームを基盤とするメカニズムやシステムに基づいている。極言すれば「メタバース」を最初に実現するのは、こうしたスキルに磨きをかけ、バーチャルな環境に身を寄せることを楽しんでいるゲーマーたちかもしれない。

そろそろパターンが見えてきたのではないだろうか。ゲームの「今」という視点をあまり持たずに、ゲームの「未来」のアプリケーションに対する関心が高まっている。社会学から医学に至る広い分野でゲームが思考に与える影響について認識されたため、学術の世界では2000年代初頭からゲームの研究が急速に盛んになったが、ビジネスの世界では最近まであまり感心が持たれていなかった。

その結果、マーケターやディシジョンメーカーは、なぜそのようなものが重要なのか、そのようなものを手に入れたときに何をすべきなのかといった当たり前の背景を知らずに、新しい大きな話題を追いかけることに全力を尽くしているのだ。ゲームの発展は大きな可能性を生み出しているが、その可能性をめぐる議論は、関心の方向性が間違っていることもあって、まだ十分に洗練されていない。

この死角から抜け出すためには「金を払って勝つ」のような近道はない。勝つためには労力を惜しんではならない。

編集部注:Jonathan Stringfield(ジョナサン・ストリングフィールド)博士は、Activision Blizzard Media and Esportsのビジネスマーケティング、計測、インサイト部門のVP兼グローバルヘッド。

画像クレジット:Gunes Ozcan / Getty Images

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(文:Jonathan Stringfield、翻訳:Dragonfly)