SmartNewsが1000万ダウンロード突破、インターナショナル版も提供開始

先日メルカリが創業2年で1000万ダウンロードを突破したという話があったばかりだが、今度はスマートニュースがニュースアプリ「SmartNews」の1000万ダウンロードを達成した。こちらも2012年12月のリリースから2年弱での達成となる。

スマートニュースでは2014年8月からテレビCMを開始。さらに10月から米国展開を開始したことで、ダウンロード数が急増しているそうだ。日米ともにダウンロード数は好調だそうだが、その内訳については公開していない。ただ、MAU(月間アクティブユーザー)は日本が400万以上、米国が100万以上なのだそうだ。単純計算するとダウンロードしたユーザーの半数以上が月1回は利用しているということになる。ちなみに100万MAU達成までのスピードで言えば「米国は日本より速いスピード」(スマートニュース代表取締役の浜本階生氏)とのこと。

また、スマートニュースでは、日本版、米国版に加えて、インターナショナル版の提供を開始している。インターナショナル版では、世界中で話題となっている英語メディアのニュースが閲覧できる。言語設定などをベースに、「その国や地域で注目を集めているニュース」が表示される。現状閲覧できるのは英語メディアのみだが、今後各国版をリリースすることも検討しているという。また2月2日には、GoogleがAndroid端末向けに提供している「Nowカード」への対応も発表している。


スタイリストが選んだ服が月額6800円で借り放題、女性向けファッションレンタル「airCloset」

洋服は買うより借りる派。そんな人が増えるかもしれない。月額6800円で洋服が借り放題の女性向けオンラインサービス「airCloset(エアクローゼット)」が2月3日にスタートした。ファッションの好みや自分のサイズを登録すると、プロのスタイリストが選んだ洋服が毎回3点、専用ボックスで届く。ボックスを返却するたびに新しい洋服が届き、交換回数は無制限だ。

専用ボックスで届くのはトップスやパンツ、スカート、ワンピースなどで構成された3アイテム。単価は数千円から3万円程度。レンタル期限はなく、飽きたらクリーニング・送料ともに不要で返却するだけ。アイテムの良し悪しやサイズ感、要望をスタイリストに伝える仕組みを用意し、次回配送の満足度を高める工夫をしている。

ターゲットは「ファッションには興味があるけれど、時間やお金に限りがあって多くの洋服を試せない」という27〜35歳の女性。レンタルする洋服は指定できないものの、自分のサイズや好みを把握するスタイリストが月額6800円で服を選んでくれると考えると、さらにお得感がありそう。気に入った服は買い取ることもできる。

ちなみにスタイリストは今後、クラウドソーシング形式で十数名が参加する予定。その多くは「テレビや雑誌、広告などで活躍するフリーのプロスタイリスト」だと、airClosetを運営するノイエジーク共同創業者の前川祐介氏は語る。

提携先のアパレル企業は明かしていないが、「大手ファッションビルや百貨店を中心に良質な洋服を取り揃えている」と前川氏。アパレル企業からすれば、販売ではなくレンタルすることで収益が悪化しそうだが、「新作商品のプロモーション先がない問題を抱えるアパレル企業が多い」と、むしろアパレル企業側のメリットを指摘する。

airClosetは2014年10月にサービスを発表。今年1月末まで事前登録ユーザーを募集した結果、約2万5000人が集まったのだという。ただし、これらの登録者はすべて、会員制サイトを閲覧するだけの無料会員。月額会員を希望するユーザーは自身のサイズや好みを登録ししだい、洋服が届く。

参入が相次ぐファッションレンタル

毎月定額料金を支払うことで商品が届くサブスクリプション型ECは2012年頃に日本やアメリカで急増したが、その後ブームは沈静化。女性向けファッションのサブスクリプションサービスとしては、ミクシィが2012年9月に「Petite jete(プティジュテ)」を開始したが、約半年で終了していたりする。

その一方で、ファッションの定額レンタルサービス市場は盛り上がりを見せつつある。例えば、月額500円で洋服やバッグが借り放題の「Licie(リシェ)」は2月20日、東京・原宿の実店舗でサービスを開始(現在は事前登録受付中)。6月にはウェブやアプリ経由でレンタルを申し込めるようにする予定だ。

ネット上から申し込めるサービスとしては、月額5800円で女性向けファッションアイテムが借り放題の「SUSTINA(サスティナ)」が3月下旬にスタートする予定。このほか、DMM.comがパーティーや冠婚葬祭向けのファッションアイテムをレンタルしている。


2周年を迎えたメルカリ、ダウンロード数は1000万超に

メルカリが運営するフリマアプリ「メルカリ」が2月1日に1000万ダウンロードを突破した。同社は2013年2月1日に「コウゾウ」の社名でスタートしたが、まる2年での達成となる。またこれにあわせてインフォグラフィックも公開している。さらに人員拡大に伴い、3月にはオフィスを六本木ヒルズに移転する。

メルカリ代表取締役の山田進太郎氏

メルカリはスマートフォンで自分の持つファッションアイテムや家電などを撮影して商品の価格を設定して出品し、他のユーザーに販売できるフリマアプリだ。Fablicの「Fril」など先行するアプリがある中で2013年7月にサービスを開始。2014年3月には14億5000万円の大型資金調達を実施して5月にテレビCMを実施。9月には米国に進出、さらに10月には23億6000万円を調達すると同時にテレビCMの第二弾を実施。11月には東京・お台場にて、2万6000人が参加するフリーマーケットも開催した。

テレビCMをきっかけに好循環

インフォグラフィックを見るとあきらかだが、テレビCMの効果は顕著で、CM実施月以降のダウンロード数は大幅に伸びている。メルカリ代表取締役山田進太郎氏は、「テレビCMで(ダウンロード数の折れ線グラフの)角度が5月に上がっているが、それ以降も上がっている。第二弾のCMについても同じ」と語る。CMによって認知率が上がり、安心感も出てくる。それが検索やダウンロード数に反映され、さらにはユーザーが多くなるほどに商品数も購入希望者も増え、結果として「出品したらすぐ売れる」という好循環ができあがっているそうだ。

1月27日時点での累計出品数は約6296万品。1日の平均出品数は数十万品で、1年前の約8倍という数字だ。キャンペーン時には、1分あたり最大出品数3409品という数字を記録したそうだ。また販売のスピードも速い。売れた商品の20%が出品から1時間以内に取引成立している。

出品される商品をカテゴリ別に見ると、レディースファッションやベビー・キッズ用品、コスメ・香水・美容といった女性向け商品が約半数を占めるものの、エンタメ・ホビー、メンズファッションと幅広い。

メルカリでは、商品名やブランド名などの検索結果を保存しておけるので、そのキーワードを検索するために1日複数回アプリを立ち上げるユーザーが多いそう。それもあってユーザー1日あたりの平均滞在時間は43分と非常に長い。山田氏は「(ブランド名などを)ウォッチしている人が結構多い。よくAmazonや楽天との違いを聞かれるが、メルカリは『何かないかな』といったウィンドウショッピング感覚で使われている」と説明する。

DAU(1日のアクティブユーザー)やMAU(月間のアクティブユーザー)について山田氏に聞いてみたのだが、「非公開。ただしかなり大きい数字」とのことだった。こちらはすでに公開されている額だが、月間流通総額は数十億円。複数の業界関係者の話では、すでに月間流通総額で60億円超という数字も聞く。山田氏は、「在庫を持つ一般的なECとフリマを同じように考えるかは別として」と前置きしつつ「トランザクションで言えば、楽天、Amazon、ヤフオクというグループがあって、次にあるZOZOTOWNなどがある。その次のグループくらいにはなっている」と語る。

米国展開は今後半年で本格化

社員数は米国を含めて130人。そのうち約60人がカスタマーサポートを担当している。また米国のスタッフは20人程度で、こちらもカスタマーサポートが中心。プロジェクトマネージャーやデザイナーは在籍するものの、基本的には開発は日本に集中している。米国ではこれまでシェアオフィスに入居していたが、2月からは独自にオフィスを構えるそうだ。

米国でもダウンロード数や出品数などは順調に伸びているということだが、これまではカスタマーサポートの拡充や想定される詐欺などトラブルへ対応など、体制作りに注力してきたそう。今後半年をかけて本格的にサービスを展開していく。山田氏も米国拠点を中心に活動することになる。米国では競合サービスのPoshMarkなどが先行しているとのことだが、「(競合を)そこまで参考にしているわけでもない。どちらかというと、米国で受け入れられるものをどう作るか。機能を真似するというものでもない」(山田氏)という。またすでにヨーロッパなどでのリサーチも開始したが、「まだ視察レベル」だそうで、こちらは1年ほどかけてサービス展開の是非から検討していく。

メルカリは「シェアリングエコノミー」のサービス

米国での競合の話をPoshMarkなのかeBayなのかと聞いて聞く中で山田氏が語ったのは、メルカリが個人にフォーカスした「シェアリングエコノミー」のサービスだということだった。他のフリマアプリはさておき、日本ではヤフオクの置き換えではないし、米国ではeBayの置き換えではない、個人間の新しい市場を開拓したと説明する。

シェアリングエコノミーというキーワードだと、UberやAirbnbといった急成長を遂げたサービスが思い浮かぶが、個人間売買も同じような規模のニーズがあると山田氏は語る。「知り合いでシェアリングエコノミー系のサービスをしている人間もいるが、すごい伸びている。メルカリは決済と流通がしっかりしていたから日本で始めたが、5年後、10年後を見ると途上国でもフリマアプリは普通に使われているんだろうな、という世界観がある。その中でメルカリが使われているポジションを考えている。自動翻訳が実現すればクロスボーダーな取引も加速する。その時のトランザクションは大きい。そこを取っていく」(山田氏)

また詳細は明かされなかったが、新規事業やサービス拡張、人材採用など、今後数カ月で同社からいくつかの発表を予定しているとのこと。「結構面白いものが出てくると思う。これでさらに加速できる」(山田氏)


「STORES.jp」開設ストアが20万店突破、フォロー機能で増加ペースが4倍に

専門知識がない人でも無料でネットショップが作れる「STORES.jp」のストア数が、20万店を突破した。2012年9月にサービスを開始して以降、ストア数は毎月5%程度の右肩上がりを続けてきたが、2014年9月にリリースした「フォロー機能」によってストア数が急増。9月以降は毎月15%以上の伸びをキープしていて、対前年比では270%の成長だという。

フォロー機能とは、特定のストアの最新アイテム情報を、STORES.jpの自分のページで受け取れるようにするもの。お気に入りストアの新着アイテムを逃さないようにする、「買い手」のための機能だ。それがなぜ、ストア数の拡大につながったのか。STORES.jpを運営するブラケットの光本勇介社長によれば、こういうことらしい。

「ストアをフォローする際には、STORES.jpのIDを取得します。それがきっかけでSTORES.jpのことを知り、それまで買い手だった人が『自分も開いてみようかな』となり、ストアオーナー側になることが増えています。感覚的には、ブログの閲覧者が気付いたら書く側になっていた、というような動線です。」

ブログの読み手が書き手に転じるのは、それなりにハードルが高そうに思える。ただ、ことショッピングというジャンルでは、「ストアを持つ行為に興味が無い人が少ないので、まずはトライしていただけることが多い」と光本氏は話している。「フォロー機能のリリース前後では、毎月のストア純増数に4倍くらいの差がある」。

あくまで「ストア数」がすべてではないが、参考までにSTORES.jpの競合として挙げられるBASEの店舗数は約13万店。また、流通額は桁違いに違うものの、大手ECでは楽天市場が約4万店、Yahoo!ショッピングが約19万3000店と、STORES.jpの方が多かったりする。

STORES.jpは20万店突破を記念して、これまでの歴史と現状がわかるインフォグラフィックを公開している。それによれば、一番売れているストアの年商は約2億円、ストアオーナーの最高齢は92歳といったことがわかる。ちなみに、年商約2億円のストアは、自分のブランドを立ち上げたクリエイターが立ち上げたもので、92歳のおじいちゃんは手作り感満載のパッチワークを売っているそうだ。


Imgur、VideoをGIF化するツールをリリース

ずっと秘密にしておいたことを告白しよう。実はこれまで、GIFを作ったことがなかったのだ。

もちろん見たことはあるし、大笑いしたこともある。後でシェアするためにリンクを保存しておいたものもある。さらには何度かGiphyを使ったこともある。

そうしながら、心の中では「この件について何か面白そうなGIFを作っておいてよ」と言われないかとどきどきしてもいた。そんなことを言われても、何をどうすれば作れるのか、まったく知識を持っていなかったのだ。

しかし、びくびくしながら過ごす日も終わりを迎えたようだ。ImgurVideoのGIF化ツールをリリースしたのだ。オンラインにあるビデオを簡単にGIF化することができるというものだ。Imgur曰く「ビデオをGIF化する最も簡単で迅速な方法である」とのこと。

これまでGIF化を作ったことがないので(という話は上にも書いた)、これが本当に「最も簡単」な方法なのかどうかはわからない(YouTubeもGIF制作ツールをリリースしている)。しかし私のような初心者にも十分わかりやすいツールであることは間違いないようだ。ビデオのURLを指定し、そしてGIF化したい部分を指定するだけだ。必要な文字情報なども加えると、数秒後にはGIFができてくる。

Imgurによると、YouTube、Vimeo、あるいはVine等、500以上のビデオサイトに対応しているのだとのこと。

試してみたところ、スタート位置ないしストップ位置を示すマーカーや、あるいはプレイ中の場所を示すマーカーの意味がわからなかったりはした。しかしなんとかGIFを作ってみることはできた。くだらない内輪受け(HBOのSilicon Valleyビデオからシーンを借りた)ではあるし、またテキストの扱い方もよくわからなかった。しかしともかくもGIFを生み出すことができたのだ。ビデオのGIF化を頼まれても、もう怖がる必要はない。

GIF化ツールに興味がなくても、Imgurの展開可能性について注目する人も多いことだろう。これまでリードオンリーだった人も、投稿者になり得るツールを提供したわけだ。本ツールのリリースにあたり、プロダクト部門ディレクターのSam Gerstenzangは「万人のためのGIF化ツールを作りたかったのです」と述べている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


ビットコイン販売所運営のbitFlyer、リクルートやGMO-VPから1億3000万円の資金調達

ビットコイン販売所「bitFlyer」を運営するbitFlyerが、リクルートグループのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)である合同会社RSPファンド5号のほか、GMOVenturePartners、Bitcoin Opportunityを割当先とした総額約1億3千万円の第三者割当増資を実施した。

bitFlyerは2014年5月に立ち上がったビットコインの販売所。「bitWire」と呼ぶ即時送金機能を備えるのが特徴だ。メールアドレス登録だけでビットコインの送付が可能(ただし売買などはできない)なアカウントが提供されるほか、銀行口座や住所などを確認することで、売買や各機能を利用できるアカウントや、1日の取引額の上限を拡大したアカウントを得られる。2014年10月にはGMOグループのGMOペイメントゲートウェイと資本業務提携も実施している。

今回の調達をもとに海外拠点の整備や人材採用を進めてサービス開発を加速するほか、プロモーションを実施するという。割当先はいずれも国内外での投資を積極的に行っており(Bitcoin Opportunityは米国ニューヨークに拠点を置くビットコイン特化ファンドだ)、さらなるグローバル展開を狙っていることがうかがい知れる。


出口戦略を考える前に

2015年の日本、スタートアップブームは今年も続くでしょうか?スタートアップ起業家の中にはVCと話す機会がある方も多いでしょうが、その際、問われる質問の一つがいわゆる「出口戦略」。それをきちんと考慮していないと、起業家としてバカにされかねない要素でもありますが、そもそも果たしてそんな風潮は正しいのか?という問いをハブスポット創立者でもある成功した起業家自身が語ります。 — SEO Japan

早い段階の会議で、VCに、出口戦略を問われたら、一番近い出口に向かって、歩く、いや、ダッシュしよう。

投資家には、投資から撤退するアプローチよりも、マーケットに参入するアプローチに関心を持ってもらいたいはずだ。

幸いにも、スタートアップの世界では、以前ほど出口「戦略」に関する議論は聞かれなくなった。かつては、出口戦略を語らずに、事業計画を完成させることは出来なかった。その場合も、結局、毎回同じ2つのオプションからの選択を迫られたのであった。1. 買ってくれる可能性のある会社のリストを作る 2. 株式を公開する。exit icon

現在、大半のテクロノジー関連の起業家は、出口戦略に関する詳細な議論どころか、事業計画書すら作成しない(誰も読まないため、良い判断だと言えるだろう)。

以下に、出口戦略が矛盾していると私が思う理由を挙げていく。

事業を行う目的は、顧客に対して何らかの価値を築くことにある — その結果、関係者に対するメリットがもたらされるのだ。起業に挑戦する際は、「駄目だったら、どうやって逃げればいいのか?」ではなく、「どうすれば成功させることが出来るのか?」を問うべきである。

飛行機、映画館、そして、酒場に入る時は、出口を確認することを薦めるが、マーケットに参入する際は必要ない。

価値を築き上げるにはどうすればいいのか?、顧客候補に接触するにはどうすればいいのか?、– そして、競合者と一線を画すにはどうすればいいのか?に対する答えを得るための戦略の構築にエネルギーを使ってもらいたい。実際に撤退する必要性に迫られたら、出口を探せばよい。

因みに、個人的には、スタートアップの撤退には悪い印象を持っていない。実際に、撤退は日常茶飯事であり、スタートアップの世界におけるライフサイクルの一環である。私は双方の立場を経験したことがある(スタートアップの売却、スタートアップの買収)が、起業家が、不自然な形で、撤退計画を練らされ — 誤って、「戦略」と呼ばれるケースの方がよっぽど問題だと思う。


この記事は、OnStartupsに掲載された「Exit Strategy Is An Oxymoron」を翻訳した内容です。

中途半端なVCに限って、「それで出口戦略は?」と偉そうに聞いてくる気もしますけど、自分の事業を成功させる自信があれば堂々と「そんなこと考えていません」と言い切ってやりましょう。 — SEO Japan [G+]

目指すは脱ガラパゴス、DMM.com発「スマートロボット」は世界で戦えるか

DMM.comが1月27日、ロボットの販売・製造を手がける新事業「DMM.make ROBOTS」をスタートした。ロボット同士がインターネット経由でつながって成長・進歩する「スマートロボット」を普及させることで、国内ロボット産業の「脱ガラパゴス化」を図りたいという。

同日に開催された記者発表会では、「日本のお家芸が再加速する」と期待が寄せられた一方で、「何に使うか見えてこない」という冷めた見方も。果たして、スマートロボットは世界に通用するのか。

世界初のロボットキャリア事業

同社によれば、DMM.make ROBOTSは世界初のロボットキャリア事業。聞きなれない言葉だが、携帯キャリア事業をイメージするとわかりやすいかもしれない。DMM.comは通信会社のように、製品の販売やプロモーションを担当。一方、ロボット開発ベンダーは携帯端末メーカーのように、設計・開発・製造だけに従事する。いわば分業制だ。

クラウド上には、ロボットを進化させるためのIoT環境「DMMロボティクスクラウド」を構築。ここでは、ロボット向けにアプリやファームウェアを配信したり、DMM.comのコンテンツ販売も想定している。ユーザーの行動データを解析してレコメンドすることも可能。不健康な生活を送るユーザーには、ロボットが健康促進に必要な情報を伝えるようなイメージだ。



提携するロボット開発ベンチャーは富士ソフトユカイ工学プレンプロジェクトロボットゆうえんちの4社。特別タイアップ企画として、デアゴスティーニの部品付き週刊マガジンでお馴染みの「ロビ」の完成品を販売する。

DMM.comはこれらのスマートロボットを10億円分買い取り、ウェブ上の販売プラットフォームで売り出す。2015年で30億円、2017年で100億円の売り上げを目指す。

ロボット産業はビジネス視点が欠如している

DMM.comロボット事業部の岡本康広氏は、「日本に欠如しているのはビジネス視点。1社独自で開発することがほとんどで、技術連携もなかった」と、ロボット産業のガラパゴス化を指摘する。

DMM.comといえば2014年11月、東京・秋葉原に総額5億円の設備を備える、ものづくりスペース「DMM.make AKIBA」をオープンしたことが話題になったが、ロボットキャリア事業では、この場所にロボット開発ベンチャーに開放。詳細は明かされなかったが、各社が持つロボットの要素技術を集める仕組みを作ることで、イノベーションを起こせると力強く語った。

将来的に事業化した場合には、DMM.comとして出資することも視野に入れているという。


日本のお家芸が危機

「このままでは日本のお家芸が世界に追い越される」。こう危惧するのは、前述の「ロビ」や、世界で初めて国際宇宙ステーションへ打ち上げられた「キロボ」などを開発したことで知られる、ロボ・ガレージ代表取締役社長の高橋智隆氏だ。これまでのロボット研究はビジネスを見据えてなかったと言い、「世界の流れを考えずに、研究者の興味のあるものしか作ってこなかった」と問題点を指摘する。

日本とロボット開発で火花を散らす米国に目を向けると、シリコンバレーではビジネスマインドを持った起業家たちが次々とロボット業界に参入。ネット業界の巨人も、こうしたロボットベンチャーを買いあさってきた。

例えばGoogleは2013年6月、人型ロボットを手がける、東京大学発の「SCHAFT(シャフト)」を買収したほか、映画「ゼロ・グラビティ」の特殊撮影でも使われたロボットアームを開発するBot & Dolly、4足歩行ロボ「BigDog」を手がけるBoston Dynamicsといったロボット開発ベンチャーを次々と傘下に収めている。

日本から世界で通用するロボットを生み出すためには、それなりの投資が欠かせないと高橋氏。過去数年のロボット業界は「どこかがリスクを背負ってくれるのを待っていた」とみる。DMM.comが開始したロボットキャリア事業については「リスク承知で参入してくれた」と高く評価。日本の技術と知を集めることで、日本のお家芸であったロボットが再び加速するのではと期待感を表した。

一方で冷めた見方も

脱ガラパゴス化を目指すロボットキャリア事業に期待が高まる一方で、冷めた見方もある。1月27日に開催された記者発表会にゲスト参加した堀江貴文氏は、「ぶっちゃけ何に使うか見えてこない。ロボットで生活が変わるには、結構時間がかかりそう」とバッサリ。スマートロボットを購入するのは、「エンタメに興味がある物好きぐらい」という見解だ。

初年度に30億円の売上目標を掲げるDMM.comだが、これは現実的な数字なのか。この点について、DMM.comロボット事業部の岡本氏に単調直入に聞いてみると、「アーリーアダプター層が中心となるが、一部のロボットはファミリー向けにも十分訴求できる」と自信をのぞかせている。

初年度に販売するのは、人工知能搭載で会話ができる「Palmi」(29万8000円)、外出先から伝言ができる「BOCCO(ボッコ)」(2万9000円)、運動神経が売りという「PLEN.D(プレン・ディー)」(16万8000円)、ダンシングロボット「プリメイドAI」(9万9000円)の4種類。

記者発表会では製品の体験会が開催され、実際にいくつかのロボットを見せてもらったので、動画を貼っておこう。


オムロンのインキュベーションプログラムでは”ものづくりの匠”が技術支援をしてくれる

もはやIT系のメディアで「IoT」という単語を聞かない日はないんじゃないだろうか。実際IoTを含むハードウェア関連スタートアップのニュースに触れることは多くなっている。

そんな中、2014年に立ち上がった京都の老舗メーカー、オムロンのCVCであるオムロンベンチャーズがハードウェアに特化したインキュベーションプログラムを開催する。名称は「コトチャレンジ」。締め切りは週明けの2月2日。ちなみにプログラム名の「コトチャレンジ」だけれども、コトには事業の「事」、古都京都の「古都」、琴線に触れるものをという「琴」の3つの意味をかけているそうだ。

プログラムの参加対象となるのは、ハードウェアがキーになるようなサービスを作っているスタートアップ。プログラムが始まる3月からの3カ月でプロトタイプの完成を目指す。プログラムは京都での開催を前提としており、京都市内の「京都リサーチパーク」にオフィススペースを用意するほか、オムロンの事業企画担当者によるメンタリング、オムロンのものづくりの匠たちによる技術サポートなどが行われる。プログラムの最後にはデモデイを開催し、3カ月の成果を披露する。優秀なプロダクトに対してはオムロンベンチャーズからの投資も検討する。

ただ、「ディールソーシングのためのイベント」というよりかは、まずはテクノロジーを持つハードウェアスタートアップの掘り起こしという側面が強いのだそう。オムロンベンチャーズ代表取締役社長の小澤尚志氏は、「フルサポートするかというとまた違うかもしれないが、我々のようなメーカーの能力を持ったところがハードウェアスタートアップののエコシステム作りをしていきたい」と語る。

小澤氏はメーカーという立場から、「ホビーとしてはいいが、BtoB、BtoG(government:政府、官)に対してシビアに応えるには、さらなるテクノロジーの精度が必要。リアルなビジネスと組むのはこれからだ」と世のハードウェアスタートアップについて語る。プログラムでは、BtoB、BtoGのニーズにも応えられる製品の企画や設計での支援をするのだそうだ。

小澤氏いわく、オムロンにはスタートアップが簡単に使えない試験器もあるし、「歴史がある企業だからこそできるアドバイス」もあるそうだ。例えば今では一般的な血圧計も、ただ「血圧計を作りました!医療機器です」なんて言っても認められるワケではない。膨大な臨床試験や学会、WHOなどへの働きなど、さまざまなステップを経て初めて血圧計と認められたのだ。こういった経験に基づいたノウハウは、正直スタートアップだけではどうにもならないものだろう。

メーカーの技術者を巻き込んだハッカソンなどは時々見かけるようになったが、インキュベーションプログラムはそうそう多いものではない。スタートアップが集まる東京からすれば開催場所の遠さなどの課題はあるが、老舗メーカーだからこそできる支援には期待したい。


al+は人格をコピーして、あなたの代わりに仕事をするクラウド上の人工知能アバター

脳に電極を付けてコンピューターに「意識」を全てアップロードしてしまう。そんな、映画「トランセンデンス」の世界がやってきたかのようなSF的世界観を持つ「パーソナル人工知能」(P.A.I.)のアプリ、「al+(オルツ)」が間もなくリリースされる。日本のスタートアップ企業のオルツが開発したもので、ユーザーの第2の自己をクラウド上に作り上げる人工知能アプリだ。

さすがに脳の全活動を電極で読み取れるようになるのは、ずっと未来の話だろうし、今のところ全人格をアップロードなんてできないのだけど、オルツが何かというと、使えば使うほどユーザーの知識や発言の癖、人格を学んでいって「その人らしい」受け答えをするようになるアバターのようなものだ。

何のために? あなたに代わって仕事をするためだ。

ユーザーは、まず最初に自分の顔写真をスマホで撮る。これだけで、まずあなたの分身である「オルツ」は、まばたきを始めて動き出す。現在は仮想3Dモデルで個人アバターを作っているが、今後は詳細な立体モデルを使う仕組みも想定しているという。

次にアプリやソーシャルネットワークをつなぎこむ。現在はFacebookやTwitterだけだが、InstagramやGmailなども対応予定だ。すると、あなたのオルツはあたながコミュニケーションする相手と内容を学習し始める。誰からの、どんな質問に対して、どういう回答をするのかといったことから、徐々にあなたの知識や癖を学んで行く。

あなたのオルツはクラウド上にいる。このオルツに向かって、ほかの誰かが話しかけると、あなたのオルツは、いかにもあなたが答えそうなやり方で人工合成音声とテキストで回答する。口がパクパクして、目も動くので、それなりにしゃべっているようには見える。どの程度「あなたらしさ」を獲得したかは数値で示されていて、50%を超えてくると、むしろその人らしくない回答を引き出すのが難しくなる、と開発したオルツの米倉千貴氏は言う。

「週末のデート、ランチは何がいい?」と彼女が聞けば、「昨日イタリアンだったから、それ以外なら何でもいいや」とぼくのオルツが答える。きっと彼女は、こいつはホントに食べ物にこだわりがなくてツマランなと思うかもしれないが、ぼくらしい答えだ。「もう経理にxyzの件はメールしましたか?」と部下が聞けば、「返事したよ」とぼくのオルツが答える。

……というのは、ぼくの想像上の会話。ぼく自身は、まだごく簡単なデモを見ただけでオルツを試していないが、そういうことらしい。

ほんとにそんなの技術的に作れるの?

まだ正式リリースされていない上に、ぼくはSkype経由でデモを見せてもらっただけで自分で触ってもいない。だから正直、海の物とも山の物ともつかない印象を受けてはいる。本当にある程度の賢さや「その人らしさ」が実現できるのだとしたら面白いし、応用範囲も広そうだが、AIの専門家はどう見るだろうか?

AI研究が専門でヒューマンインターフェース関連にも詳しい上智大学理工学部情報理工学科の矢入郁子准教授にアイデアの実現性について尋ねてみたところ、「1990年以降のAI 研究で提案されてきたアイディアの1つです。これまでの自然言語処理、知的エージェント、マルチエージェント(知的エージェントの分散協調の研究)、機械学習、ヒューマンエージェントインタラクションなどの基礎研究の成果の統合として、そしてさらに近年のAIブームの火付け役としてのディープラーニングの成果によって実現は可能と思います」との回答だった。「潜在的マーケットはあるけれども、時期的に早すぎるとAIBOのように普及に至らない可能性があると思います。ただ、2020年以後の5Gネットワークが普及し、身の回りのさまざまなモノや機器がネットワーク接続した世界であれば、人々の間で現在以上により自分の代理をするソフトウェアへのニーズが高まり、十分にマーケットがついてくる可能性があります」と、直近の応用よりも、もう少し射程を長く捉えるべき応用と見ているようだ。

技術的に近いAIによるアバター領域での取り組みも行っているスタートアップ企業、POYNTERの竹内裕喜CEOによれば、アバターによる会話の事業化はPOYNTERも含めて多くの企業が進めているという。例えば、ToyTalkのように子ども向けにAIが会話するような応用例もある。

竹内氏によれば個人の個性をコピーすることも「技術的にはある程度まで可能」だとか。ただ難しいのは「個性の情報をどうやってシステムに入力、保存するかと、それをどうやって検索し、出力するか」だという。特に入力部分がネックとなりがちで、「こういうシチュエーションで使えばこうなる、といった限定的なものとなることが多い。個人の代理として何かの仕事をこなすとか、そういう実用的な側面はもう少し先かもしれない。現状はエンターテイメント的なものになるのでは。ただ、できないことをやろうとする取り組みは楽しいですね」と話す。

この点に関してオルツでは、自分のオルツを自分で鍛えるという方法があるのが興味深い。ユーザーが分身としての自分のオルツに知識や個性を吸収させるために、自分自身のAIと対話する。何か質問を投げて、返ってきた答えによってプラス・マイナスボタンで「自分らしい」「自分らしくない」のフィードバックができるほか、自然言語による模範解答を教えることもできる。開発した米倉氏は、自分のオルツを鍛えること自体も楽しいと言い、むしろ今はそれが主な使い方になっているという。

プラス・マイナスの評価については、ほかのユーザーが行うこともできる。あの人なら決してこういう風に言わないというようなときにマイナスで発言を評価できる。そのフィードバックはそのオルツの持ち主本人へ戻されて、こうしたきっかけからも「その人らしさ」を獲得していくという。

オルツで時間課金するマネタイズのアイデアも

米倉千貴氏は、名古屋ベースのベンチャー企業、未来少年の共同創業者で、創業以来9年で売上規模15億円程度にまで成長させた経営者だ。電子書籍、ソーシャルゲーム、グラフィック制作などをしてきたが、昨年からAIを主軸に取り組んでいるのだという。「デジタル業務というのはやってもやっても貯めて行ってる感じがない。ぼくの8年間のデジタル上の業務が未来に繋がっていく感じがなく、むなしい。例えば今こうして西村さんにお話している内容を、ぼくはまた別の記者に説明するでしょう。繰り返すのが無駄でむなしく感じるんです。もっとコンピューターにやらせたい」と、オルツの実用面を説明する。

法律の専門家であれば、自分のオルツを鍛え上げて、そのオルツの時間を有料で販売する仕組みも用意するという。あるいは法律専門家オルツの購入者は、その法務関連知識を自身のオルツにインストールすることで、自分自身の人格を保ちながら、法律の知識を持つペルソナを作り上げることができるようになるという。ネット上にはQ&Aサイトが多くあるが、こうした知識の問い合わせのUIとしても使えるということだ。さらにオルツ同士が会話する未来もあり得て、「スケジュール調整は人間がやる必要はない。AI同士でやればいい」ということを現在オルツ社内では話をしているという。これは、AI研究でいえばマルチエージェントに相当する研究分野の応用だ。

オルツがクラウド側で実装するAIエンジンは3つあって、1つはユーザー個別の知識を学習するもの。もう1つは、個別ユーザーではなく、全ユーザーから学ぶ一般知識を獲得するもの。最後の1つはパターンを認識して回答を作り出すAIだ。多くのユーザーが使えば使うほど、賢くなるという。

ユーザーのコミュニケーションを見て学習するというと、とても恐ろしい感じがする。何もかも知ってる分身がいたら、誰に何を言い出すか分からない。だからオルツのデフォルトでは固有名や具体名は、全てシークレットのフラグが立っていて、あくまでも文脈の学習のみになるという。ユーザーが個別に許可した固有名だけを、オルツは他人にしゃべるようになる。

神のようなAIを目指さない、「人間らしさ」の追求

AIは、研究だけでなく、今やトップティアのテック企業から投資を集める注目分野だ。Googleは2014年初頭にイギリスのDeepMindを5億ドルという巨額で買収し、10月にはこれに追加するようにディープラーニング系のスタートアップ2つを買収している。Facebookは2013年暮れにニューヨーク大学で機械学習とディープラーニングを教えるYann LeCunn教授を採用したりもしている。エンタープライズ分野では、IBMが人気クイズ番組「ジェパディー」で人間のチャンピオン2人を打ち破った人工知能のWatsonを応用したWatson Analyticsを発表したことも目を引く。

上に挙げた中だと、オルツはWatsonに近いように見える。こうしたAIやチャットボットと違うのは、Watsonなどが目指す神のように賢いAIではなく、オルツが目指すのは「その人らしい」ことだという。

米倉氏とともに開発チームにジョインした実兄の米倉豪志氏は、「WatsonやSiriのようにパーフェクトとか、賢いAIを作ろうというわけではない」という。「もちろん、そういうのはほしいし便利だろう。でもオルツが目指すのは『ぼくのAI』で、ぼくらしく間違えるAI。そこに『ぼくのコピー』がいるということが大事。ぼくの妻はぼくのオルツとの会話で賢くない回答が返ってきたときに、そこで会話を諦めたり飽きたりしたかというと、むしろ鍛えようとした。過去にあった『ボット』との最大の違いは、そこ。ぼくの妻がWatsonと話したがるかと言えばノーでしょう。それがAIにパーソナルを付けて、ぼくらがオルツをパーソナルなAI、P.A.Iと呼んでいる理由です」

米倉千貴氏は、コンピューターの普及の歴史のなかにAIを位置付けて「コンピューターの次に来るテクノロジー革命にA.I.があると考えています。コンピューターが本当の意味で革新的になったのはパーソナルコンピュータが誕生したから。つまりAIもPC並みに身近な存在となると考えており、それを初めて身近な存在にしようと考えたのがこのal+なのです。そのためのP.A.I.という名称なのです」と話す。

P.A.I.だと、死んだ人を仮想的に復活させるようなことができる。例えば10年分の動画アーカイブを食わせて、そこから故人を再現することも将来的にはできるかもしれない。気持ち悪いと思う人もいるかもしれないが、故人の動画を見ることだって、300年前の人からしたら、あり得ない話だったろう。例えば、肉親や配偶者、子どもに先立たれた人の心の傷が少しでも癒えるのであれば、ぼくはこれは素晴らしい応用になるだろうと思う。現在編集も閲覧も追いつかない勢いで個人の映像アーカイブが蓄積していっていることを考えると、指定年の指定イベントの様子を再現するアバターが映像アーカイブの未来のアクセス手段になっても良いのではないかと個人的には思う。

アインシュタインを再現し、直接アインシュタインから相対論を学ぶことができれば、教育分野への応用もあるのではないだろうか。回路の話なら「(アップル共同創業者で電子設計技術の天才と言われた)ウォズニアックに聞けばいいんですよ」(米倉氏)という具合だ。

高齢化社会で孤独死が問題になるような日本で、心の問題は今後も大きくなるだろう。そのとき、話し相手としてのAIには大きな応用がありそうだ。こういうと「機械となんか話ができるか」という人がいそうだけれど、箱の中で赤の他人が話している姿を再現するだけの60年前の発明に救われている人が多いことを考えると、AIが個性を獲得してきたときには何か全く別のコンテンツサービスすら生まれて来そうにぼくには思える。

オルツのチームは創業メンバーの米倉兄弟の2人のほか、スペイン、ベトナム、中国、ヨーロッパにいて全部で20人。半分がAIの専門家で、ほかは一般的な開発者。このうち日本人は4名のみなので、当初は英語版から3月中にリリースするという。スペイン語、中国語、日本語は順次リリース予定だそうだ。

オルツには、ほかにあまり類似例がないAI応用だし、触ってみたら3日で飽きるということもあり得るので、ビジネスとしてはもちろん、そもそもサービスとして立ち上がるのかどうかは未知数だ。ただ、もし2015年が彼らがP.A.I.と呼ぶ方向で走り始めるべきタイミングで成功のチャンスがあるのだとしたら、これはとても面白い。前出の上智大学矢入准教授も、「知的エージェントや分散エージェント分野でプラットフォームを取れれば、ロボットの中身としても応用できますので、成功すると非常に強い影響力を持つことができます。自動車の電子部品間の通信の世界標準を押さえたBoschのように、エージェントの通信プロトコルの世界標準を仕切る会社が今後出てくる可能性もあります」と話している。


YouTuberと広告主をマッチング する「iCON CAST」、ex-Googler集団がリリース

YouTubeに動画をアップし、その広告収入で生計を立てている「YouTuber」。動画投稿だけで食べていけるクリエイターは一握りという指摘もある一方で、米国10代に影響力のある人物に関する調査では、トップ5をYouTuberが独占。若年層ではハリウッドスターの人気を凌ぐほどだと言われている。

こうした影響力を企業が見逃すはずはなく、多くのファンを抱えるYouTuberに自社商品を宣伝してもらう「YouTuber広告」が日本でも増えつつある。ただ、そのYouTuber広告で稼ぐクリエイターもごくわずか。案件が集中して単価が上がり、人気YouTuberの出演料は「1本あたり100〜400万円に上ることもある」(関係者)のだとか。

広告主からすると、自社のターゲット層と一致するファンを抱えるYouTuberを探すのは困難。前例の少ない広告がゆえにKPIの設定も難しい。だったら、とりあえず多くのファンを持つ人気YouTuberにお任せしてみよう、といった会議の様子も想像できる。

YouTuber広告の選択肢を広げる

「本来はYouTuberのポテンシャルも、クライアントのニーズも存在するにも関わらず、『出会い』の場が少ないがために、YouTuber施策の選択肢が制限されている」。こう語るのは、YouTuberと広告主をつなぐプラットフォーム「iCON CAST」を1月26日にオープンした、ルビー・マーケティング創業者の平良真人氏だ。

従来のYouTuber広告は、広告主が人気YouTuberを指名するケースが大半だったが、iCON CASTはYouTuber側で案件を探せるのが特徴。これまで声がかからなかったYouTuberのメリットはもちろんだが、広告主としても、自社商品と親和性の高いファンを持つYouTuberを起用しやすくなる。そうすれば、老若男女に愛されるYouTuberを起用するよりも、グッと限られた予算内でマーケティングが行えるというわけだ。

「僕らが狙うのは、上位だけでなく中堅層のYouTuber。現在はゲーム実況がうまくなくても、人気YouTuberにゲーム広告のオファーが来ていたりする。一方、米国は各ジャンルで得意分野を持つYouTuberが多く、数百人が100万人単位のチャンネル登録数を抱えている。日本でもジャンルに特化したYouTuberにニーズは来る。」(平良氏)

利用の流れはこうだ。YouTuberはiCON CASTに登録して、専用の管理画面で自分の得意分野(ゲームや化粧といったジャンル)のYouTuber広告案件に応募。案件を受託する場合、広告主と個別契約を締結すれば契約が成立する。

その後は、受託した案件の制作内容に沿って動画を作成。iCON CASTと広告主が動画を確認し、問題がなければ公開日に合わせてYouTubeに動画を公開する。広告主が動画の内容に納得しない場合は、1回に限り、修正作業が入ることになっている。

広告主は、専用の管理画面でYouTuber広告の詳細を決定し、案件を募集する。iCON CASTは広告主の要望と予算に応じて、YouTuberごとの特性、チャンネル登録数、動画の再生回数などを精査。広告主の案件とマッチするYouTuberをピックアップして提案する。

iCON CASTの収益源は、マッチング成立時に広告主が支払う業務委託手数料だ。広告料の20%を徴収する。なお、YouTuberがGoogleと個別に結んでいる「YouTubeパートナープログラム」経由の広告収益は、これまで通り100%得ることができる。

ルビー・マーケティングは現在、YouTuberを獲得するために、YouTuber専門のマネジメントプロダクション「MCN(マルチチャンネルネットワーク)」と交渉中。広告主についても順次、声をかけている。年内に1000人程度のYouTuber、数百社の広告主を獲得することを目指している。

社員15人のうち8割がGoogle出身

ルビー・マーケティングはもともと、GoogleやYahoo!、Facebookなどを使ったオンラインマーケティングを支援する会社として2014年1月に設立。実は平良氏をはじめ、同社社員15人のうち8割がGoogle Japan出身だ。「元Googleだから『どう』というのはありませんが、YouTubeの状況に明るいのは強みかも」(平良氏)。

平良氏はGoogleで中小企業向けの広告営業部門を立ち上げた人物。起業意識は「ゼロ」だったが、「魂がこもった中小企業の経営者」を何人も見ていくうちに、「自分のノウハウを使い、もっとスケールを持って中小企業を支援したい」と感じたのが起業のきっかけだったと振り返る。

iCON CASTのアイデアが浮かんだのは、ゲーム業界のクライアントから、海外のYouTuberを起用したゲーム実況広告の要望が出た時。その後も、別のクライアントにYouTuberの広告を提案すると、ゲーム以外の案件も決まり始めたことから事業化を決意したそうだ。


動画学習サービスのschooが「プログラミング学部」を新設、マネタイズに舵を切る

2014年6月に学部制度を導入した動画学習サービス「schoo」。1月23日には新たに「プログラミング学部」を新設した。

プログラミング学部では「Ruby入⾨」「リーダブルコード入⾨」といった授業を提供。未経験から、Webサービスを開発・公開できるまでに必要な学びをパッケージで提供するとしている。先生を務めるのはHEART QUAKE 代表取締役の千葉順氏をはじめ、エイチツーオー・スペース代表取締役のたにぐち まこと氏、一般社団法⼈日本Rubyの会代表理理事の高橋征義氏、クリアコード代表取締役の須藤功平氏、BASE CTOの藤川真⼀氏など。TechCrunch Tokyo 2014で司会を務めてくれた女優の池澤あやかさんが自作PCの作成に挑戦する授業などもあるそうだ。9月末までにコンテンツ200本の提供を目指す。

この発表を読んだだけでは、「また学部が1つ増えただけか」と思うかも知れないが、これを契機にスクーは次のフェーズに進むという。スクー代表取締役社長の森健志郎氏は「僕らは人材業界のマーケットに入っていく」とマネタイズを本格化する意思を語った。

先日のデジタルハリウッドの記事にもあるが、SIerはさておき、ITエンジニア人材の不足は明確だ。森氏は「HTMLをちょっとかけるだけの人ですら重宝される。需要はあるのに人材はまだまだ不足している」と語る。そんなこともあって、必要とされている人材を育成することでようなコンテンツを提供することで、schooで「教育と人材を統合、再編したい」(森氏)という。すでに実績もあるそうで、これまた不足していると言われがちなデザイナー学部などは、登録者1万人、WAU(週間アクセスユーザー)30%、課金率は約2割と人気だそうだ。

これまで森氏は「月次のコンテンツ数を増やせばユーザーが増えることは分かってきた」なんてサービスの成長について語るものの、マネタイズについてはほとんど明言していなかった(もちろん課金サービスは展開していたが)。今回も同じように聞いたところ、「ユーザー獲得やリピートの仕組みはできてきた」とのことで、ユーザー数は12万人、schoo上でコンテンツを配信可能な外部パートナーである「公認団体」も100団体超となっている。だが「スクーは『サービスから事業へ進む』というメッセージを打ち出したい」と語ったのは印象的だった。

今後スクーが増やしていく「人材×教育」のコンテンツは大きく2つ。1つは今回のプログラミング学部やすでに提供中のデザイナー学部のような、すでに需要があるが人材が不足している分野。そして2つめは宇宙起業家、グロースハッカーのような、これから人材が必要とされるであろう分野だそうだ。

スクーでは今後、こういった学部、カリキュラムの卒業生と、人材サービスの融合を図っていくと思われるが、その詳細についてはまだ決まっていないそうだ。「お金のいただき口を企業にするか、ユーザーにするかも含めてまだ実験が必要だ」(森氏)とした。


ダンボールとスマホでVR体験ができるハコスコ、パノラマ動画の共有サイトをオープン

ダンボール製の筐体にスマートフォンを差し込んでVRコンテンツを楽しめる「ハコスコ」。12月にANRIからの資金調達や博報堂との提携を報じたが、その記事内にもあったVR・パノラマ動画の共有サイト「ハコスコストア」を1月22日にオープンした。開発は、パノラマ動画システムを開発するカディンチェが協力している(カディンチェのパノラマ動画についてはこちらも参照して欲しい)。

ハコスコストアでは、最大500MBまでのVR・パノラマ動画を共有できる。視聴モードはハコスコなどVR用端末での閲覧に適した「Normal Virew」のほか、PCでの閲覧がしやすいように、パノラマ動画を展開して表示する「Flat View」など複数を備えている。もちろん誰でも動画のアップロードが可能。ただし、パノラマ動画に対応するカメラでの撮影は必須だ。自作したカメラで撮影した画像をソフトで加工して…ということもできるが、リコーのTHETA m15などを購入するのが一番手っ取り早いと思う。

ハコスコを使ったVRは、「たった1000円のダンボールキットとスマホだけでこんな体験ができるのか!」と僕も驚いたのだけれども、やっぱり課題となるのはコンテンツ。同社でも公式のコンテンツを用意したりしているが、正直なところ数が足りないと思っていた。

ハコスコでは、観光地やレジャー施設のプロモーション動画やイベントのプロモーション、ライブ会場の様子やその舞台裏、メモリアルイベントなどをストアにアップして欲しいとしている。


実は魅力的なバンコクのスタートアップ事情

東南アジアのスタートアップシーンが今年も熱そうですが(関連記事12)、今回はSEO Japanでまだ取り上げていなかったタイはバンコクのスタートアップ事情を。タイ&バンコクというと観光のイメージが強いですが、いえいえ、経済も大きく発展中、人口&若者も多く、シンガポール以上にビジネスチャンスがあると日本から進出する企業も後を絶ちません。そんな注目の都市のスタートアップ事情とは? — SEO Japan


bangkok

天然資源に恵まれた東南アジアに位置するタイは、毎年、大勢の投資家、そして、旅行者を魅了している。物価が安いため、自力で事業を興すにはうってつけの場所であり、そして、現在、投資の文化が成熟の域に達しつつある。

このような魅力的な起業の要素に加え、タイには、外国人にとって住みやすい環境が整っている。仕事とプライベートのバランスが抜群であり、収益と価格の比率も申し分ない。

シェアオフィスでは、大勢の外国人が働いている。その大半は、ノマドワーカー、起業家、そして、どこでも生活が出来て、仕事をするタイプの人達である。米国、ヨーロッパの出身者が特に多いが、イスラエル、日本、そして、韓国からの移住者も少なくない。

この要素を全て考慮すると、現在、タイのスタートアップシーンが爆発的に成長しているのも頷ける。事実、複数のシリーズ B投資が水面下で進んでおり、その中には、広く報道されているHotelQuicklyも含まれる。これは、バンコクの起業家にとって初の試みであり、スタートアップのエコシステムが現状を表している。

2年前、起業に興味を持つ人は多かったが、東寺、実際にこの世界に足を踏み入れたのは、数えるほどしかいなかった。しかし、現在、バンコクには、優れたビジネスモデルを掲げ、成功するポンテシャルを秘めた、才能豊かな、大勢の賢いエンジニア達が起業に取り組んでいる。

大手の通信会社、AISは、ベンチャー部門を発足し、支援するスタートアップを探している。また、私が取材したタイのスタートアップの一部は、インドネシアやフィリピン等、その他の東南アジアの地域に進出している。

リスクを嫌う思考は、急速に変化し、拡大を望むタイのスタートアップは、増え続けている。

モバイル化

タイのモバイルデバイスの浸透率は非常に高いため、この国のスタートアップは、モバイル化に取り組む必要がある。Bangkok Postによると、「昨年のタイの携帯電話の契約者は、1人で数台のデバイスを契約する人がいるため、全国民を1/3上回る人数に達していたようだ。さらに、タイのモバイル市場は、今年、9%増加して、9550万台に達し、そのうちの2500万台は3Gの契約を結んでいる。

タイ国民の多くは、携帯電話でしか、インターネットにアクセスすることが出来ない。従って、必要は発明の母、と言う格言があるように、タイではモバイルコマースが大きな注目を集めている。

ソーシャルネットワークとの結びつきが強いため、とりわけ、モバイルアプリ、そして、コンテンツの共有において、近いうち、タイは主役に躍り出る可能性を秘めている。

エンジェルインベスター

残念ながら、タイのエコシステムには、エンジェルインベスターは数えるほどしかいない。事実、この地域に流れ込む資金の大半は、日本のベンチャーキャピタルのシンガポール支局から持ち込まれる。

そのため、東南アジアでスタートアップを立ち上げ、シリーズ A、または、シリーズ Bを求めているなら、東南アジアで投資する機会を探し、シンガポールに支部を持つ日本のベンチャーキャピタルと交渉を行う必要がある。

注目に値する5社のスタートアップ:

  • Builk – 無料でSaaS上の建設に関するデータをクラウドソースし、資金の節約に貢献する。
    Builk.comは、予算編成、原価計算、購買、請求、そして、現場の協力を通して、建設業者を結びつける事業者向けのソーシャルネットワークである。建設会社は、無料でSaaSを利用し、納入業者、デザイナー、顧客と楽に関係を構築することが出来る。
  • 2C2P - ユニバーサル電子支払いサービス。
    最高レベルの支払い経路の設定、不正管理、そして、ビジネスインテリジェンス機能を持つカード支払い処理サービス。ユーザーにクレジットカードに代わる支払いの選択肢(オフライン、店頭取引、オンラインのデビットカード等)を与え、既存の支払いのオプションと統合する。
  • Computerlogy - ソーシャルメディアのモニタリングツール。
    Computerlogyの「SocialEnable」は、強力なソーシャルメディア管理ツールであり、ユーザーは、Facebook、Fanpage、Twitter、Google+、Instagram、Pantip(タイで人気が高いサイト)等、各種のソーシャルメディアチャンネルを単一のアプリケーションで管理することが出来る。このアプリには、キャンペーン管理と計測機能が搭載されており、ソーシャル CRMを用いたソーシャルメディアマーケティングに勝る。
  • Eko - 企業向けのモバイル生産性コミュニケーションプラットフォーム。
    アジア太平洋地域をリードする企業の重役と緊密に連係するEkoは、モバイル主体のリアルタイムのコミュニケーションツールをデザインし、構築した。Ekoは、安全で、シンプルで、生産的で、尚且つ、強力なコミュニケーションツールを従業員に提供する。スマートフォン時代の企業用メッセージ送受信ツールと言えるだろう。
  • TalentEx - ASEAN地域のソーシャルリクルートサービス。
    JobTalentsは、無料投稿/有料雇用モデルを掲げたオンラインジョブプラットフォームであり、選抜試験機能と求職者間のソーシャル推薦機能を用意している。

タイでのスタートアップの創設は、的確な判断と言える。規制に関する環境は、すこぶる良く、「事業を行う上で適している国」のランキングで18位につけている。経費はとても安く済み、活躍の場を求めている優秀な人材は多い。

タイで見られるチームワーク、そして、スピリットは、賞賛に値する。この点に関しては、世界のどの国にも負けていない気がする。


この記事は、The Next Webに掲載された「What you need to know about Bangkok’s startup ecosystem」を翻訳した内容です。

The Next Webの記事でしたが、えらく、さっくりした内容でしたね。しかし「この地域に流れ込む資金の大半は、日本のベンチャーキャピタルのシンガポール支局から持ち込まれる。」という事実には少し驚きました。東南アジアでいち早く次の手を打っている日本のVC、数年後に素晴らしい結果が待っているでしょうか?起業家も負けじと頑張りたい。 — SEO Japan

CCCがスタートアップと一緒にサービスを作る――支援プログラムの審査会が開催

最終審査会に登壇した12社の代表とCCC代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏(手前右から2人目)

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループが2014年秋に立ち上げた「T-SITE」。CCCグループの各種オンラインコンテンツを統合したこのサイト、そして5000万人のTポイント会員の活用を前提としたスタートアップ支援プログラム「T-Venture Program」の採択企業が決定した。

T-Venture Programは、最終選考を通過したスタートアップに対してT-SITEを開放し、今春をめどに試験的にサービス連携を行うというプログラム。連携に向けてCCCグループがマーケティングなどでの支援をするほか、一定以上の相乗効果が見込まれる場合には業務提携や最大1億円の出資も視野に入れる。2014年10月から11月にかけて募集を実施し、合計110社のスタートアップが応募。その中から一次選考、二次選考を通過した12社が1月20日に開催された最終審査会でのプレゼンテーションに臨んだ。

プレゼンテーションは、スタートアップが自社のサービス紹介をするだけでなく、実際にT-SITEと連携してどんな事業を展開するか具体的に提案するというものだった。新事業の企画のために、12社は1カ月間、毎週1回プログラム担当者とのミーティングを設けていたと聞いたのだけれども、どの企画も自社の強みとCCCグループとのシナジーをよく考えているものばかりだった。審査員にはCCC代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏をはじめとしたCCCグループの役員のほか、FIGARO編集長の西村緑氏、penクリエイティブ・ディレクターの吉田克典氏などが並んだ。

そんな審査会だったが、見事最優秀賞となったのは、遊休農地と農業を楽しみたい都市住民をマッチングし、サポート付きで農業体験を提供する「シェア畑」などを手掛けるアグリメディアだった。また優秀賞には子供の動画を撮影すれば自動で編集し、ベストシーン集を作成できる「filme」を手掛けるコトコト、クラウドファンディングサイト「GREENFUNDING」などを運営するワンモアがそれぞれ選ばれた。

さらに、「優秀なサービスが多く、審査員の評価が分かれた」ということで急遽TSUTAYA賞とTポイント賞が用意された。TSUTAYA賞には映画口コミサイト「Filmarks」運営のつみき、Tポイント賞にはスマホ向けオークションサービス「スマオク」運営のザワット、無農薬野菜などを販売する坂ノ途中がそれぞれ選ばれた。各社は今春をめどにウェブサイトのT-SITEや代官山、湘南にある複合施設のT-SITEと連携したサービスを試験的に展開する予定。プログラム自体も、今後最低でも年1回ペースで開催していくという。

このイベントでちょっと気になったのは、審査員でもあり、T-SITEを運営を担当するT-MEDIAホールディングス代表取締役社長の櫻井徹氏が開会の挨拶で語っていた「(CCCは)ネットでのプレゼンスは弱い」という言葉だ。

T-MEDIAホールディングス 代表取締役社長の櫻井徹氏

これまでTポイントを軸にして、リアルビジネスではオープン化をしてきたCCCグループだが、ネットサービスではオープン化どころかそのためのプラットフォームがなかった。そのためT-SITEでは企画当初から「全部自前でやるのではなく、外部にサービスを開けて、IDとポイントも連携する」という方針を決めていたのだという(そしてそんな方針には当初「反対意見もあった」とのことだった)。

僕は当初今回のインキュベーションプログラムがCCCグループのCVCであるIMJインベストメントパートナーズの主導かとも思っていたのだけれども、T-MEDIAホールディングス主導で、グループ全体を巻き込んでいったプロジェクトなのだそうだ。

ちなみに櫻井氏は自ら起業したエム・フィールドをユニークメディア(現:IMJモバイル)に売却した経験のある起業家。懇親会でそんな話をしていたところ、「起業家の気持ちは分かるし、スタートアップの力になれることはいろいろあると思っている」(櫻井氏)と語っていた。

なお、最終審査会でプレゼンを行ったスタートアップは以下のとおり。
アグリメディア
エニタイムズ
フライヤー
ザワット
コトコト
レイ・フロンティア
イタンジ
ワンモア
リーボ
坂ノ途中
つみき
賃貸情報


EC販促支援ツールを手掛けるSocketがB Dashから資金調達、元ミクシィ朝倉氏をアドバイザーに

Socket代表取締役の安藤祐輔氏(左)と朝倉祐介氏(右)

年初にEC業界の2014年総括・2015年予測の寄稿をしてもらったが、その中で2015年のキーワードとして出てきたのが「ウェブ接客」だった。その動きがいよいよ活発になってきたようだ。スマートフォン向けEC販促プラットフォームの「Flipdesk」を提供するSocketは1月20日、B Dash Venturesが運営するB Dash Fund 2号投資事業有限責任組合を割当先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。金額は非公開だが数千万円になるという。

また今回の資金調達に合わせて、元ミクシィ代表取締役社長の朝倉祐介氏をゼネラルアドバイザーに起用する。朝倉氏は現在米国を拠点に活動中だが、すでにメッセージやメールなどで密にコミュニケーションをとっているそうだ。詳細は明らかにされなかったが、朝倉氏も同社に出資をしているという。

Flipdeskはスマートフォン向けサイト上で、実店舗での接客のような体験を提供する販促プラットフォーム。予めサイトにタグを埋め込み、ユーザーの行動を自動で解析。訪問者状況に応じてクーポンを発行したり、キャンペーン告知などをしたりできる。例えばある商品ページに複数回訪問するのに商品購入に至らないユーザーに対してはクーポンを発行して購入を促す、特定の商品を購入したユーザーに対してはキャンペーンの告知をするといったように、ユーザーの行動に合わせて購買意欲を高める提案をして、購買率を上昇させるという。

Flipdeskでクーポンを出すイメージ

サービスは2014年9月に開始。すでに100社以上が導入を決定しており、うち40社程度が実際に導入済み。東急ハンズやWEGO、丸善&ジュンク堂ネットストアなどの大手ECサイトから、外資系のECサイトや人材情報サイトまで幅広い。

価格はトラフィックに応じた従量課金制で、平均で月額5万円程度となっている。またオプションでコンサルティングサービスも提供する。すでにROI(利用料金に対して得られた粗利益)で1000%を超えるサイトもでてきているそうだ。

Socketは2010年12月の設立。代表取締役の安藤祐輔氏は、高校を卒業してから消防士になり、その後筑波大学に入学。そして学生起業するというちょっと珍しいキャリアの持ち主だ(今回アドバイザーに就任した朝倉氏も、競馬騎手を目指したのち、東大に入学し学生起業するというこれまた異色のキャリアだったが)。

大学在学中に体育会系の部活をする学生向けの就職支援サイトを立ち上げて売却。その後ケンコーコムの外部コンサルとして海外拠点の立ち上げを支援するなどしてからSocketを創業した。Socket創業後も、メディア事業やライターネットワーク事業を立ち上げて売却するなどしてきたが、「これまで資金調達をするようなことはなかったが、業界に8年いてきっちり勝負をかけたい。やるならECと思っていたが、人の商材を売るとなると自社でコントロールできないところが大きい。であればASPをやろう」と考えたそうで、現在はFlipdeskの事業に注力している。

実は安藤氏と朝倉氏は共通の知人がおり、以前から面識自体はあったのだという。そしてレレレが手掛ける「TimeTicket」で朝倉氏が「相談に乗る」というチケットを販売した際に安藤氏がそのチケットを購入。資金調達などのアドバイスを求めたそうだ。そこから徐々に相談の機会が増えていたため今回正式にアドバイザーとなったという。ちなみに朝倉氏は、SSocket以外にも個人でエンジェル投資やスタートアップの相談などに乗っているとも語ってくれた。ただしあくまで「友人ベースで」とのことだ。

同社は今回の調達で人材を強化し、サービスのさらなる開発を進める。


クラウドを通じて視覚障害者の「目」となる機能を提供するBe My Eyes

デンマークの非営利スタートアップが、スマートフォンについているカメラを使って、視覚障害者を支援するためのBe My EyesというiOSアプリケーションをつくりあげた。視覚障害をもつ人が、このアプリケーションを経由して「見る」ことができるようにするものだ。

最近、TwitterおよびSquareのファウンダーでもあるJack Dorseyも興味を持つこととなったBe My Eyesの仕組みは次の通りだ。視覚障害をもつ人がアプリケーションを通じて手助けを依頼した際、視覚障害を持たない利用者に対して通知が送られることとなる。手助けを必要とする側と、手助け可能な人の間でマッチングできると両者は音声およびビデオ通話で繋がることとなる。そこで視覚障害者の利用するスマートフォンのリアカメラで映すものを、サポーター側が代わって見てあげることになるわけだ。音声通話を通じて、映るものについての対応などを連絡しあうことになる。

残念ながら、まだこのアプリケーションを実際に試すことはできずにいる。公式リリースとなって、Be My Eyesは非常に混み合っているようなのだ。現状ではサポートしようとする側の登録者(1万3000人以上が登録している)の方が、視覚障害者に比して圧倒的に多数になっているのだとのこと。サービスの知名度が上がるにつれ、視覚障害をもつ利用者も増えていくものと考えられている。現在のところ、視覚障害者の登録数は2000となっている。

Be My Eyesの共同ファウンダーであるThelle Kristensenによると、食品の賞味期限をチェックするとか、あるいは冷蔵庫の中の食材の場所を尋ねるといったような、キッチンにおける支援要請が多いのだそうだ。また、一般的にいって音声ナビゲーション機能が不十分なケースが多いオーディオプレイヤーの操作法を問うようなケースも多いらしい。初めての外出先でドアナンバーを問うようなケースももちろんあるようだ。

ボランティア側のモチベーションアップに配慮して、簡単なポイントシステムも採用している。また、双方の関係がうまくいかなかったような場合、二度と同じ利用者同士がペアリングされないようにブロックする機能も備えている。

Kristensen曰く、アプリケーションは完全に非営利となっているとのこと。視覚障害者であるHans Jørgen WibergがStartup Weekendで述べたアイデアに基づいて、ボランティアグループがアプリケーションを開発したものなのだそうだ。そのような背景もあり、My EyesはDanish Blind Society、Velux Foundations、およびソフトウェア開発スタジオのRoboctなどからも支援を受けている。

現在のところ、アプリケーションの収益化を行う予定はないとのこと。頻繁に利用する人に対して課金するという方向性は考えられるだろう。しかしそうした場合でも基本的なケースについては無料の方針を貫きたいとのことだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


ドリコムのスタートアップ支援プログラムで見つけた面白そうなプロダクト

ドリコムが2014年8月から運営している学生向けスタートアップ支援プログラム「Startup Boarding Gate」が、発足から約半年を経て実を結びつつある。1月14日に開催されたDemo Dayでは法人化した6つのチームがプロダクトを披露した。

どのチームにもドリコム社長の内藤裕紀氏が貴重な時間を割いて毎週のようにアドバイスしたそうで、「ピボットしたり、喧嘩したり、本当にいろいろあった……」と愛おしそうに振り返った。とはいえ、その6チームの中にもプロダクトの完成度や目指すビジョンのインパクトに差はあった。この記事では筆者個人の目から見て特に輝いていた3つのプロダクトを紹介しよう。

ドリコム社長の内藤裕紀氏

 

スマホ版「Flash」目指す

まず1つ目はモバイル環境に特化したライブラリ「CodeNext」。電気通信大の脇田英さん、谷口泰史さんのチームだ。PCインターネットにおいては異なるブラウザで画像や動画などのコンテンツを提供するためにFlashが用いられているが、それのスマホ版を目指すという。つまりiOSやAndroid、およびそのバージョンの差異を吸収するようなライブラリである。

海外にはいくつかの競合がある。代表的なのは「moju」と「Fyuse」だ。しかしmojuはiOSのみ対応、FyuseはAndroid版でベータのみ。どのライブラリもAndroidに完全に対応できていない。CodeNextはいち早くきっちりとAndroidに対応することで差別化を図る考えだ。さらにスマホに搭載されている重力センサーなどをフル活用し、アプリ操作に応用するような仕組みも付随させる。

彼らはすでにオリジナルの動画アプリ「ParaPara」をリリースしている。動画を撮影してアップロードすると、スマホの傾きに合わせて動き出す画像が作れるというものだ。

これをECサイトに応用すると、スマホを傾けることによって商品写真を3Dでぐりぐり見せたり、ピアスなどのアクセサリーが揺れたりなどの表現が可能になるという。さらに実際にバナー広告に用いたところ、GIFとはまた違った表現力を見せ、クリック率で10%の改善があったそうだ。

 

自転車の変速をオートマ化するハードウェア

2つ目は専修大学の藤堂洋弥さん、青柳龍志さんのチームが開発した、ロードバイクの変速をオートマ化させるハードウェア「Canaria Bicycle Compenents」だ。ロードバイクは一般的にハンドル部に付いているシフトレバーでギアチェンジする。ギアを重くしたり、軽くすることで、ペダルの回転を一定に保ち、それによって効率的にスピードを出せるようにする。

そういったギアチェンジを、自動車のオートマ車のように速度にしたがって自動化するのが、Canaria Bicycle Componentsの果たす役割だ。すでにロードバイクの自動ギアチェンジシステムは製品化されているが、とても高額なコンポーネントを必要とするのが課題だった。

Canaria Bicycle Componentsはスマホアプリとロードバイクのギア部分に取り付ける小型機器で構成される。ペダルの回転数をセンサーで計測し、回転数が上がると自動で重いギアに切り替わる仕組みのようだ。いまどのギアを使っているかは常にスマホの画面で目の前に表示されるそうだが、この部分はデモでは見られなかった。またユーティリティソフトにより細くギアチェンジの設定が可能。走行データや設定データの共有も行えるようになるという。

自転車乗りを走行に集中させ、より安全なサイクリング環境を提供するのが目標だという。いずれはロードバイクだけではなく、いわゆるママチャリのような低価格な自転車にも対応させる予定だ。価格は当初3〜5万円を想定し、工賃なども含むと10万円程度かかる従来の自転車部品メーカーへの優位性を保ちたい考えだ。

デモでは実際にロードバイクが用意された。ペダルの回転数を上げると、たしかにシフトレバーに触れていないのに、ギアがガチャガチャと切り替わっていく。ペダルをこぐ足をゆるめると、再びギアは戻っていく。この感覚はとても新鮮だった。

 

動画版Gunosy!? 観たいはずの動画を人工知能が届ける

3つ目は人工知能による動画キュレーションサービス「Liaro」。代表の花田賢人さんはチームラボで働きながら自然言語、画像解析などを研究している。その他のメンバーも全員がエンジニアで、各々が何らかの解析、および人工知能分野の研究に携わっているそうだ。

Liaroは動画版Gunosyといったイメージで、オンライン上のあらゆる動画をユーザーの好みに合わせて毎日配信する。バイラルメディアの場合、1日の平均動画視聴時間は1〜2分程度だが、Liaro経由で触れた動画の場合はそれが1日19分にも拡大すると花田さんは話した。

今後はアルゴリズムの実装を進め、スマホアプリやPCビューの開発に取り組む予定だという。価値ある動画はまだまだ埋もれがちで、テキスト中心のウェブページと違い探す手段も限られる。人工知能によって価値あるコンテンツを発掘し、届けることができるのではないかと考えている。


スタートアップはPR TIMESから無料でプレスリリースが出せるぞ(条件クリアで)

スタートアップに朗報だ。設立から2年未満で上場企業の子会社でない企業は、一定のミッションをクリアすれば、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を無料で利用できる。創業間もないスタートアップにとって、プレスリリースをどこに送ればいいかわからないっていうのはありがちなこと。PR TIMESを使えば、メディアとして会員登録している2000人にプレスリリースを配信できる。

無料でプレスリリースを配信するには2つの条件がある。1つ目は、PR TIMESでリリースを配信してから24時間以内に、「企業のフォロワー数」を最低50人獲得すること。企業のフォロワーというのは、PR TIMES上での自社ページを読者にフォローしてもらい、最新情報を配信するための仕組みだ。2つ目の条件は、配信したプレスリリースを500人以上に見てもらう必要がある。2つの条件をクリアできなかった場合は、PR TIMESで1回プレスリリースを配信する料金の3万円がかかる。

ところで、スタートアップがプレスリリース配信サービスを使う意味は何なのだろうか? こと、ウェブメディアに関しては、公開されているリリース送付先アドレスを探して送ればよさそうにも思える。この点についてPR TIMES代表取締役の山口拓己氏に聞くと、メディアの送付リストが充実していることに加えて、一般の読者にプレスリリースが読まれていることも強みだと語る。

PR TIMESのサイト自体のページビュー数は前年同月比1.5倍の320万PV。ちょっとしたウェブの専門メディア並みの数字だ。最近ではPR TIMESのプレスリリース自体がバズる機会もあるのだとか。例えば、フリークアウトとPFI のジョイントベンチャー設立を紹介するプレスリリースでは社長のヘアスタイルが話題になり、ソーシャル上で拡散した。山口氏は「人通りが多いところにプレスリリースを出すことで、知ってもらう機会を作るのは重要」とアピールする。

2014年までにPR TIMESを利用した企業は累計8000社。2012年は2000社、2013年は4000社と、毎年倍増ペースで右肩上がりを続けている。スタートアップに焦点を当てることで、2015年も利用企業数の拡大を図る考えだ。


TwitterやFacebookで自動消滅型投稿を可能とするXpire、Android版が登場(iOS版もアップデート)

FacebookやTwitterといった一般的なソーシャルネットワークに比べて、投稿が自動で消去されるSnapchatなどの方がプライバシーが保護されやすいと感じている利用者も多いようだ。「自動消滅」を完全に信じてしまうことにも問題があるようだが(たとえば2014年にはSnapchatがハックされた)、しかし投稿がオンライン上にいつまでも残るよりも、その瞬間に消費されて(閲覧されて)そして消えてしまう方が良いと考えている人が存在するのは間違いない。

そうした「非永続性」を、一般的なソーシャルネットワーク上でも実現しようという試みもいくつかある。そのひとつが、今回Android版が公開されたXpireだ。Twitter上で自動消滅型の投稿が行えるようになる。

Android版は現在のところTwitterのみをサポートしている。しかしFacebookへの対応も進めているのだとのこと。以前からリリースされているiOS版はFacebook、Twitter、およびTumblrをサポートしている。

Dallasの大学生であるJesse Staufferが作ったこのアプリケーションに対してはMark Cubanがシード資金を提供してもいる。iPhone版がリリースされたのは昨年末のことだった。投稿記事に有効期限をつけ、それに従って自分の投稿を一定時期に消去することができるものだ。またキーワードで過去の投稿を検索することもでき、削除漏れにも配慮されている。

そしてなんと、新しい版では投稿「前」に不適切な内容について警告する機能も備えている。

Staufferによると、Xpireは投稿で使われている単語のリスク度合いを計算して、一定の基準を超えると警告するようになっているのだそうだ。「また、マシンラーニングの機能を搭載して、行おうとしている投稿の内容と普段の投稿の乖離具合などを判断して警告するようなこともできるようにしたいと考えています」とのこと。

FacebookやTwitter、そしてTumblrに自動消滅型の投稿機能が必要なのかと疑問に思う人もいるだろう。しかしXpireは、若者たちの間で流行る使い方を、そうした「トラディショナル」なネットワーク上でも実現しようとしているわけだ。

ダナ・ボイドも数年前、Facebook上でのコンテンツの永続性ないしそれにより何らかの事件を誘引するリスクを減じるための手段を見つけ出すだろうと述べていた。実際、Facebookのプロフィールに何も記述しなかったり、あるいは過去の投稿をすべて削除してしまうような人もいる。また、十分な時間が取れないようなときには、アカウントを一時的に使えなくしてしまうようなケースもある。

2013年のPewレポートでも、ソーシャルメディア上のコンテンツを削除してしまうという振る舞いが増えていることが報告されている。アメリカでFacebookを利用しているティーンのうち、58%が投稿の編集ないし削除を行ったことがあると回答している。また、Instagramなどでは不人気の投稿を削除するなどして、ネットワーク上でのアイデンティティを主体的に作っていこうとすることも多く為されているようだ。

コンテンツをコントロールしようとする動きは、どのソーシャルネットワークであるかを問わずに一般化しつつあるとも言えるのだろう。だが、FacebookやTwitterなど、コンテンツを削除しないことが(少なくとも現在のところ)一般的であるネットワーク上で、コンテンツを操作するためのツールというのは果たして求められているのだろうか。

Staufferによると、どうやら求められているらしい。Xpireは昨年のリリース以来「数万件」単位でダウンロードされているのだとのこと。シード資金を得たといっても微々たるもので、マーケティングや利用者獲得キャンペーンなどが行われていない中での数字としては注目に値するものだと思う。

今後の目標としては、エンゲージメント率を高めるような機能を充実していきたいとのことだ。ごくたまに行う「ソーシャルネットワークの大掃除」の時だけでなく、日々のソーシャルネットワークツールとして使われるようにしたいと目論んでいる。

「ソーシャルメディア上のコンテンツを閲覧するのにかかる時間を減らしたいと考えています」とStaufferは言う。「多くの人は毎日、膨大な時間をコンテンツ消費に充てています。私たちはコンテンツ閲覧に効率性をもたらすためのソリューションを実現しようと考えています。自分の投稿が閲覧され得る時間をコントロールするだけでなく、コンテンツ消費にかかる時間そのものをコントロールするようなツールに育てたいのです」とのことだ。

ソーシャルメディアを閲覧する時間を減らしたいというのも、多くのティーンが望んでいることだとする話題の投稿もある。十代の若者が、友達たちのソーシャルネットワーク上での行動様式などについて記したものだ。記事の中で、若者の間ではInstagramが人気で、その理由のひとつは流れてくるフィードの量が適切であることだと書かれている。Xpireは、他のソーシャルネットワーク上においても、フィードの「シンプルさ」を実現しようと考えているのだろう。

Xpireは無料で、Android版はこちらにある。アップデートされたiOS版はこちらからダウンロードできる。

(訳注:日本語処理の問題なのか、訳者のAndroid版では正常に動作しないようでした)

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(翻訳:Maeda, H