ボルボ、メルセデス・ベンツ、フェラーリが車載iOSシステム発表へ

2014年にiOSを自動車に搭載することは、Appleのインターネット・サービス担当上級副社長のEddy CueがiOS 7のプレスイベントで明らかにしていた。

Financial Timesの記事によると、いよいよボルボ、メルセデス・ベンツ、フェラーリから車載iOSシステムが発表されるらしい。奇妙なことに、昨年のプレスイベントでプレミアム・パートナーとして紹介されたBMWの名前は含まれていない。

新サービスは車載のメーカー純正エンタテインメントとコミュニケーションのシステムにiOSの機能とユーザー・インタフェースが搭載されるというものだ。多くの自動車メーカーは現在iOSデバイスと車載システムの接続をUSBに頼っているが、この方式ではiOSが提供できるメディアへのアクセスに制限が生じる。車載iOSは携帯電話による通話、Siriとの対話、メディアの再生などをシンプルなインタフェースで提供するものだ。同時にiPhoneのGPSと地図サービスを利用したカーナビ機能も内蔵する。

ホンダ、アキュラはすでに一部の機能を装備している。AppleInsider,によると車載iOSプロジェクトが遅れているのはAppleの複雑な社内政治によるものだという。

9to5macから

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


手数料ゼロの画期的な株式売買サービス、RobinHoodが限定ベータ開始

E*TradeやScottradeが取引1回ごとに7ドルから10ドルの手数料を取るのに対して、RobinHoodでは手数料ゼロで株式の売買ができる。今日(米国時間2/27)、RobinHoodは登録済みユーザー16万人に新しいアプリを公開し、限定ベータテストを開始した。「株式取引アプリとして今まででいちばん素晴らしいデザインだと思う。しかしわれわれの強みはそこではない」と共同ファウンダーのVlad Tenevはジョークを飛ばした。

なるほどRobinHoodはスタイリッシュなアプリだが、株式売買が手数料なしで可能だというのは驚きだ。読者は株式売買システムの運営には費用がかかるはずなのに何でそんなことできるのか訝しむだろう。

後で詳しく説明するが、実はRobinHoodはユーザーが株式を取引すること自体から収益を上げている。われわれはScottradeやE*Tradeのせいで1回ごとに手数料を払わねばならないものだと思い込まされていたにすぎない。

RobinHoodの利用の希望者はこちらから登録して招待のメールが届くのを待つことになる。招待されるまでには数週間からことによると数ヶ月かかるかもしれない。RobinHoodは規模の拡大より信頼性の高いサービスにすることを優先しており、顧客の信用度についてきわめて慎重だ。

多くの株式アプリはYahoo FinanceやRobinHoodの初期バージョンのように、株の値動きと会社の財務情報を検索することができるだけだ。あるいは大手証券会社が提供する古典的な手数料ベースのオンライン取引サービスだ。RobinHoodの共同ファウンダー、Baiju Bhattは「慎重に投資戦略を決める場合にはデスクトップで情報を集める必要があるだろう。しかし出先や空き時間に株価をチェックし、直感が働いたり、あるいは思いがけない事態が起きていたりして、素早く株を売り買いしたいなら、RobinHoodで数回スワイプするだけですむ」と強調する。[情報開示:VladとBaijuは私の大学時代の友人.]

ユーザーでは値動きに応じて通知をもらうように設定することができる。実際の売買にあたっては株数と売買の別をを入力するだけでよい。RobinHoodはその取引によってユーザーに生じる損益をプレビューする。ユーザーがその内容を確認すると取引が成立する(アニメーションが表示されとサウンドが鳴る)。またセキュリティー対策としてアプリを起動する際にpinコードの入力を求めるよう設定できる。

RobinHoodでは今後ともユーザーに課金する計画はないという。現在、300万ドル以上の運営資金をGoogle Ventures、Index Ventures、Andreessen Horowitz、Rothenberg Ventures、それに少数のエンジェル投資家から得ているが、近々、損益分岐点に達する見込みだ。手数料ベースの信用取引のためにAPIにアクセスを希望するサードパーティーに対する課金や株式取引所がRobinHoodのようなオンライン取引サービスに対し取引高に応じて支払うインセンティブなどによって売上を確保する。

大口投資家にとっては1回10ドル程度の手数料は無視できるが、そんなに金持ちではない個人が少額の投資をする場合、手数料は大きな負担になる。RobinHoodは株式投資の民主化に大きく貢献できるかもしれない。

RobinHoodへのサインアップはこちらから

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スマートフォンと車載コンピュータを連携させるAutomatic、IFTTTと連動してよりスマートに

Automaticは車の運転時にさまざまの情報を提供してアシスタントとして機能するデバイスだ。モバイルアプリケーションと組み合わせることで、データのトラッキング、分析を行い、トータルな意味での運転「能力」を向上させてくれるものだ。「スマートアシスタント」を標榜するAutomaticだが、この度IFTTTと連携することになり、一層スマートに利用できるようになった。IFTTTというのは、特定の事象が発生した際に、ある種のアクションを起こすようにするものだ。何を検知したらどのような行動を起こすのかを記したものを「レシピ」と呼ぶ(IFTTTはif this, then thatを縮めたもので「これがおきたらあれをやる」という意味だ)。

Automaticでは当然ながら、車に関連したイベントによりアクションが起動されることとなる。イベントとはたとえばイグニッションスイッチのオンオフ、エンジンチェックライトの点滅、あるいは運転を停止したとき、などといったものになる。車のシステムに関わるものだけでなく、たとえば特定の場所に到達したというようなことも、イベントとして利用することができる。

トリガーとなるイベントを設定すれば、それに応じて行うべきアクションを定義する。サンプルのレシピを見てみると、帰路についたときに家族にテキストメッセージを送るなとといった用例が登録されている。

上の用例はシンプルだが、もちろんできることに限界はない。ある街に到着したときにソーシャルメディア経由で仲間に伝えるとか、訪問先が近づいたときにその旨を相手に伝えたりするような使い方もあるだろう。あるいはホームオートメーションシステムと連動して、車庫に車を入れながら自動的に家の電気を付け、エアコンの動作を開始するようなこともできる。

ティーンエイジャーの子供を心配する親などは、車がいつガレージを出て、そしていつ戻ってきたのかを確認するという用途に使いたいと考えるかもしれない。

Automaticも、いろいろとレシピを公開していく予定であるとのこと。公開されたレシピはこちらにあるIFTTTのAutomaticページで見ることができる。安価に「スマートカー」を実現する方法として、なかなか面白い仕組みになるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


航空機のBoeingが超セキュアなスマートフォンBlackをFCCに申請, お役所でBlackBerryの座を奪うか

BlackBerryは今でも官公庁ご愛用の座を捨てていないが、でも航空機メーカーのBoeingが発売するAndroid製品にその座を脅かされるかもしれない。この大手航空機メーカーは昨年、セキュアなスマートフォンを開発していることをついに自白したが、Myceによると、今やその”Boeing Black”と呼ばれる機種がFCCに申請されているのだ。

Boeing Blackは“主に政府省庁と、国防や国土安全保障に関わる政府契約企業に売られる”。そしてその際、“低レベルの技術情報や操作情報は一般に公開されない”。FCCに提出された申請書類には、そう書いてある。だからこれは、Silent CircleとGeeksphoneが共同開発し、一般消費者向けにプライバシーの保護を強化したBlackphoneとは、全然異なるものだ。

でも、これがBlackBerryの合衆国における残存シェアの、横っ腹に刺さるナイフであることは、間違いない。このカナダのスマートフォンメーカーは、国防総省の職員に1月31日以降8万台のBlackBerryフォーンを提供する、というペンタゴンとのおいしい契約を結んだばかりだ。だから今でもBlack Berryは、セキュリティを重視するお役所でいちばん多く選ばれている機種だといえる。

Samsungもこの市場をこじ開けようとして、BYOD専用を謳うKNOXソフトウェアとそのマーケットプレースを打ち出してきた。でもそれは今のところ、BlackBerryほどロバストな(堅固な)製品ではないようで、また、Boeingが提供しようとしている、デュアルSIMでLTE対応の超守秘機種には遠く及ばない。でもSamsungに、官公庁需要という大きな市場を諦める気配はなく、製品の進化を今後も続けていくようだ。

今のところBlackBerryは、機密性を重視する大企業やお役所などで筆頭に選ばれているスマートフォンだが、でもおそらく、今後もっと事業を多様化しないかぎり、続かないだろう。同社がこれまで得意としてきた、セキュリティを重視する市場も、BoeingのBlackが荒らしてしまうかもしれないし、もしかしたら首位の座をBlackBerryから奪うかもしれない。

それではここで、上で言及した3つの新しいスマートフォンプラットホームを、簡単に比較しておこう:

  • KNOX: デバイスを二台持ちたくない(国家機密などとはとくに関係のない)大企業ユーザがBYODでセキュリティを確保できる。
  • Blackphone: 心配性の消費者のためのスマートフォン。プライバシーを守るためなら、すこしお金がかかってもよい、と思っている人用。Snowdenに影響された人用。
  • Boeing Black: ジェームズ・ボンドが使う、自己破壊するスマートフォン。コミュニケーションはできるが、スパイは入り込めない。これもSnowdenに影響された製品だが、ただし心配の方向が上とは180度逆。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


どっちがいいか迷ったら友だちに聞いてみよう―PopはFrontback的な2枚の写真でアンケートを取るユニークなアプリ

どちらにしようか迷った経験は誰にもあるだろう。15歳以上でオンラインに友だちが多いなら新しいiPhoneアプリ、Popを試してみるとよいかもしれない。今日(米国時間2/26)正式にデビューしたこのアプリを使うと、2枚の写真を友だちに見せてどちらが良いか選んでもらうことができる。

Popはごくシンプルな投票アプリだ。既存のソーシャル・アンケート・サービスの PolarThumbLoopVotoなどに比べると選択の対象は2枚の写真だけで、機能はごく限られる。UIはFrontbackによく似ており、写真が上下に2枚表示される。二者択一でどちらかを選ばせるという点では昔のデート・アプリ、Hot or NotTinderを思わせる。

ユーザーは2枚の写真を撮り、質問を入力する。それから公開範囲を決める。オプションには「近くにいるユーザー」、「近くにいる友だち」、「友だち全員」の3種類がある。

ユーザーリストをスクロールして個別のユーザーを指定する機能も一応あるが、スクロールも遅く、検索もできないので、事実上個別指定はできない。この点についてはバージョンアップを待つしかない。

今のところPopのアンケート結果はFacebookやTwitterで共有できない。この点は早急に改善の必要がある。指定された相手がアプリをインストールしていない場合、アプリのインストールを促すテキスト・メッセージが届く。これも微妙なところで、こういうメッセージはたとえ発信者が友だちでもスパム扱いされる可能性がある。

開発チームのThomas Leeによると、このアプリは大学キャンパスをターゲットに開発されたのだという(むしろ高校生の方がターゲットとして適しているのではないかと思うか、私はもう若くないのでよくわからない)。

Lee、Khalid Karim、Alessia Vetteseの3人はトロントのNext 36‘というアクセラレータ・プログラムに参加してこのアプリを開発した。Leeによれば、「われわれはよく友だち『どっちのシャツ買おうか?』とか『今夜はどっちを着ていこうか?』とか尋ね合っている。しかし写真を撮ってFBメッセージやその他のメッセージシステムに添付するのは面倒な作業だ。Popはこの作業を能率化するアプリだ。これを開発した動機はわれわれ自身が使うためだった」と語った。

3人のチームはほぼ1ヶ月でこのアプリを開発した。さて次はこのアプリを実際に多くのユーザーに使ってもらうという課題に挑戦しなければならない。しかしPopは(現在のバージョンにはいろいろ制限があるものの)楽しいアプリだし、使い方は簡単だ。人気アプリのUIを真似したのもよい考えだ。将来に期待が持てると思う。

こちらから無料でダウンロードできる。.

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サイトにパスワードを保存する必要なし― Microsoft、Google等がユーザー認証の新規格、OpenID Connectをサポート

ユーザーをウェブサイトやモバイル・アプリにサインインさせること自体は特に難しくない。しかしログイン情報を安全に保つテクノロジーはこれまでセキュリティー専門家が扱うものとされてきた。

今日(米国時間2/26)、OpenID財団がローンチしたOpenID Connectは分散IDシステムに基づくユーザー認証の新しい規格だ。これに対してMicrosoft、Google、Salesforce、Deutsche Telekom、AOL(TechCrunchの親会社)など有力テクノロジー企業と電話キャリヤ多数がサポートを表明している。

デベロッパーはこの規格を利用して簡単なコードを書くだけでサインインのプロセスをMicrosoftやGoogleなどのIDプロバイダににアウトソースすることができる。つまり.OpenIDdを利用すればデベロッパーは自らのサーバにパスワードを保管する必要がなくなる。

OpenID財団は、この新規格によってデベロッパーはユーザーのログイン情報の安全な保管という重荷から解放されるとしている。デベロッパーに代わって、大規模なインフラと高度な技術力を持ち、セキュリティーに対する侵害について常に最新の情報が得られるIDプロバイダがログイン情報を安全に保つ責任を負うことになる

OpenID財団の以前のログイン規格とは異なり、OpenID ConnectはSSL接続に加えてOAuthによるユーザー認証を採用している。以前の規格はXMLと独自のメッセージ・シグナチャーを利用していたため、デベロッパーが実装するためには相当の技術力を必要とした。新バージョンでは、OAuth 2.0が安全な接続とデータ交換を処理する。

それではなぜOAuthだけでなく、その上にさらに別のレイヤを必要とするのだろうか? OpenID財団の崎村夏彦理事長は「OAuthはアクセス許可のプロトコルだが、ユーザーの身元を確認するプロトコルではない」という(ビデオで崎村理事長が自ら説明している)。そのためOAuthにはなりすましを許しやすいなどの弱点がある。FacebookもOAuthを利用してサードパーティーのサインインを助けている。 Facebookのsigned requestsはFacebookの独自規格であるという点を除けばその機能はOpenID Connectと非常によく似ている

Googleのアイデンティティー・プロダクトのグループ・マネージャー、Eric Sachsは私のインタビューに対して「ほとんどのデベロッパーはOAuthの処理に慣れている。このプロトコルの主要部分は、多くのデベロッパーがAPIにアクセスするためにすでに利用したことがあるテクノロジーだ」とConnectを使う利点を強調した。Sachsによれば、GoogleはOpenID ConnectをGoogle+のサイイン・ライブラリに採用するのを始めとしてその普及に全力で取り組むという。

Googleはサードパティーに提供するサインイン機能をすべてOpenID Connect規格にアップデートし、現在のOpenIDは来年にもサポートを打ち切る予定だ。Sachsは「デベロッパーはできるだけ速やかにOpenID Connectに切り替えるべきだ」と言う。

しかしOpenID Connectにとって普及に向けての大きな勝利は、今週、今回の規格の正式発表に先立って、 バルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレスの主催者であり800社以上のモバイル・ネットワークが参加する団体、GSMAが新しい安全なモバイル接続におけるユーザー認証の規格としてMobile Connectを制定したことだ。モバイル・ネットワーク各社はOpenID Connectの採用によって、ネットワーク間の安全な相互運用性が確保されることを期待している。

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無人ドローン配送は幸せを運ぶのか? Netflixによるディストピアな未来ビデオ

最近YouTubeで公開されたNetflixのドローン・デリバリーのビデオがなかなかの話題をよんでいる(最初に記事にしたのはEngadgetであるようだ)。見ればすぐにわかるが、これはAmazonのPrime Airコンセプトビデオを茶化したもので、冗談めかしつつ、あるいはディストピア風の味付けを行っている。Netflixによれば、ドローンによるデリバリーは、ときに爆発事故を引き起こすこともあるらしい。

このビデオは100%の冗談でできている。しかしAmazonも実際にR&Dに取り組んでいるように、DVDレンタルのような用途では、確かに実用可能性もあるわけだ。また、個人的な意見になるが、トイレに何かを配送してくれるような仕組みは「ぜひとも実現して欲しい5つのこと」リストの中でも上位に位置すると考えている。

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(翻訳:Maeda, H


Googleのプロジェクト・タンゴでモバイル・デバイスは新しい競争の時代へ―カギはコンテキスト認識

スマートフォンのあの薄い筐体には数々のセンサーが内蔵されている。しかし先週、GoogleのAdvanced Technology And Projects (ATAP)グループが発表したタンゴ・プロジェクトのおかげで、次世代のスマートフォンは新たなパワーを獲得することになるだろう。つまりビジュアルな空間認識能力だ。スマートフォンは単にカメラで画像を記録するだけでなく、周囲を3D空間として理解することができるようになる。

これがSF的に聞こえるのも当然だ。たとえば映画her/世界でひとつの彼女に登場するAIアシスタントがおそろしく人間的なのは、それがユーザーの置かれている空間を正しいコンテキストで認識できる能力のせいだ。Googleの新しいプロトタイプ・ハードウェア・デベロッパー・キットではMyriad 1 Movidius Vision Processorプラットフォームが利用されており、チームの技術責任者のJohnny Leeによれば、まさに<em>her</em>のような空間理解能力をモバイルデバイスに与えることが目的だという。

しかし単なる新しいカメラではない

プロジェクト・タンゴのカメラとセンサーは単なる新しいハードウェアでない。それはいわば人間の大脳皮質の視覚野に相当する。 またカメラによる認識は次世代スマートフォンでもっとも激しい競争が起きている分野でもある。たとえばAppleにはM7モーション・プロセッサーがある。また撮影後に焦点を変化させることができるカメラも開発されている。

しかし今回Googleが発表したタンゴの影響範囲はこれらとは比較にならないくらい広い。コンピュータ・ビジョンはこれまで学術的にも産業的にも広く研究されてきた。しかしGoogleがパートナーと共に開発したシステムは必要なときにいちいち起動されるのではなく、低消費電力によって常時作動させること可能にしている点が画期的だ。

ユーザーの命令をコンテキストで理解する

では、タンゴはユーザー体験という面では何をもたらすのだろうか? もちろんあらゆる面で非常に大きな変化が予想されるが、現在はまずデベロッパーにこのテクノロジーの利用のアイディアをできるだけたくさん出してもらうという点にGooogleは力を入れている。したがって具体的な応用例を挙げるには早過ぎるわけだが、一つだけ確実なことがある。コンテキストがカギになるという点だ。

Google Nowはモバイル・デバイスがユーザーの置かれたコンテキストを十分に理解できるようになった場合に何ができるかを知るヒントになる。時刻、場所、メール、カレンダー、その他の情報を総合すると、ユーザーが今必要としている情報が何であるかをかなりの精度で推測できるする。われわれの言うコンテキストとはそれぞれのユーザーの所与の環境に関する情報を総合した知識だ。しかし前述のように、現在のモバイル・デバイスの環境認識の能力には大きな制約がある。いわば密室の壁に開けられた小さな穴を通して断続的に映るぼんやりした像を眺めているようなものだ。

バーチャル・パーソナルアシスタントが有効に機能するためにはユーザーの置かれたコンテキストについてのもっと明確な理解が必要だ。たとえばユーザーがバス停の前のカフェで仕事の相手と握手し、カバンを床に置いてコーヒーを注文したとしよう。このコンテキストではバスの到着時間よりも、この時刻に予定されているミーティングに関するメールその他の資料を用意する方が適切だ。

しかしバーチャル・アシスタントというのは視覚的理解が必要な数多くの分野の分かりやすい一例にすぎない。スマートフォンが自らの位置を知り、近傍に何があり、どんな動作が行われているかを理解する能力を備えれば、驚くべき応用が広がる。バーチャル世界と現実世界のハイブリッド型のゲーム、付近いいるユーザーの位置、動作、性別などを理解してマルチメディア広告を表示するディスプレイ、コンテキスト情報に応じて刻々と設定を変化させるモバイルデバイスなどが実現するだろう。

最後の例に関してはFirefoxやGoogleがすでにコンテキスト・ランチャーという形でメインストリームへの導入を図っていることを私は指摘している。ただし、現在は、スマートフォンのコンテキスト認識能力が低すぎることがハードルとなっている。デバイスが外界を正しく認識できるようになれば、劇場や公共交通機関の中では自動的にマナーモードになり、ユーザーがその時点でもっとも必要としそうなアプリを選んで常に待機させるようなことができるだろう。

しかしなんらかの意味でデータの蓄積と組織化が関連してくるのでなければGoogleがわざわざこういうことを始めるわけがない。ユーザーがどこへでも持ち歩くデバイスから刻々とアップロードされてくるコンテキスト・データはデバイスと同時に、Google自身の世界を認識する能力も圧倒的に強化するものとなる。

Googleの全ビジネスはユーザーに関する知識をベースとしている。ユーザーが知りたがっている情報を提供することでGoogleのビジネスは成り立っている。検索エンジンに特定のフレーズを入力することは、つまりユーザーがそのフレーズに関連する事項に興味を抱いている確実なサインだということを発見したことが検索連動広告を生んだ。後知恵で見れば当たり前に思えるが、当時はこの発見がまさに雷電のように全検索業界を震撼させ、Googleの巨大化への道を開いたのだった。

Googleがムーンショット(月ロケット)と称する野心的なプロジェクトも、実はすべて最終的には一般ユーザーを対象とする巨大ビジネスへの成長の可能性が考慮されている。プロジェクト・タンゴも例外ではない。一般ユーザーまったく気付かない段階で新たなテクノロジーがどのような需要とビジネスを生むかを大胆に予測しているわけだ。コンテキストを認識するスマートフォンもその一例であり、ビジネスの観点からいえば、消費者が持ち歩くスマートフォンの1台ずつに熟練したマーケティング・コンサルタントを忍び込まされるようなものといえるだろう。

最近のテクノロジーの発達に共通することだが、タンゴもユーザーの個人情報をより詳しく収集する見返りにより便利なサービスを提供するという仕組みだ。ひとたびその利便性が明らかになれば、多くの消費者はプライバシー上の譲歩を喜んで受け入れるだろうというのが私の予測だ。

Googleだけではない

モバイル・デバイスのコンテキスト認識能力の向上に取り組んでいるにはGoogleだけでない。昨年、AppleがPrimeSenseを買収したのも、動作の認識など3Dマッピンの能力を強化するためだったし、 Qualcomも同様の理由でGestureTekを2011年に買収している。

位置情報ベースのサービスも当初はSF的と思われたが、今では当たり前になっている。コンテキスト認識も明日のスマートフォンではないのが不思議になるだろう。空間的コンテキスト認識能力を応用した新たなソフトウェアの可能性を探るためににデベロッパーに現実の開発環境を提供し始めたのはたしかにGoogleが最初だが、他のプレイヤーも続々と後に続くだろう。その競争はすぐに始まり、また激烈なものになるだろう。

画像 Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Samsung Galaxy S5の詳細―防塵防水、心拍計、指紋スキャナ、4Kビデオカメラなど新機能多数

SamsungのGalaxy S5がはされた。5.1インチ、1920×1080ディスプレイを備えサイズはファブレットのジャンルに近いた。ホームボタン上に指紋センサー、裏側のフラッシュの近くに心拍モニターがあり、おそらくこれがもっとも実用的に効果が大きい改良点だろうが、防塵防水仕様〔IP67準拠・訳注参照〕となった。

このAndroid 4.4 Kitkat搭載フラグシップモデルは筐体デザインの面では現行モデルをほぼ踏襲している。やや大きなスクリーンを収容するために若干サイズが増加しているが、依然プラスティックのボディーだ(金属採用の高級版も存在する)。指紋スキャナー、心拍モニターはハードウェア上の大きな新機能だ。Galaxy S5はヘルスとフィットネスに大きな重点を置いているようだ。AppleのiOSの次世代版もこの方向だと噂されている。またS5ではカメラの能力も大きくアップした。


心拍モニター

alaxy S5では、モニターで計測した心拍情報をSamsungのフィットネス・アプリS Health 3.0に転送する。このアプリは歩数と消費カロリーのモニターもできる。また指先に取り付ける光学式心拍モニターも今回同時に発表されたSamsung Galaxy Gear 2スマートウォッチに用意されている。

指紋スワイプで支払い

もう一つの重要な新機能は指紋スキャナーだ。またしてもSamsungがAppleをコピーしたと非難する声も出そうだが、このスキャナーはiPhone 5のものとはまったく異なる。3種類の指紋を登録することができ、登録には8回のスワイプが必要だ(Appleのスキャナが指を押し付ける方式なのと異なり、Galaxy S5のものは指をボタンの上で滑らせるタイプ)。指紋認証は画面ロックの解除はもちろん、PayPalでのオンライン支払にも使える。

指紋認証でPayPalが利用できるということはオンラインでの購入だけでなく、リアル店舗での支払にも使えるということだ。Samsungはモバイル支払サービスを大幅な拡大できる可能性がある。もちろんそのためには使いやすいサービスの構築が必要だし、偽造その他の不正に対する耐性が十分かどうか検証されねばならないだろう。

またスワイプによる指紋認証でプライベート・モードを起動することができる。Galaxy Sのプライベート・モードでは、自分専用のファイル、フォルダーにアクセスできる。子供や他人に見せたくないコンテンツをモバイル・デバイスに保存しておけるようになったのはたいへん便利だ。

4Kビデオ、撮影後に焦点変更可能

カメラにも大幅な改良が加えられた。リアカメラは1600万画素で動画の録画解像度は4K対応だ(デバイスに搭載されているディスプレイは1080pなので解像度としては約4分の1)。Galaxy S5は最初の4Kビデオカメラ搭載モデルではないが、少数のアーリーアダプターの一つであることは間違いない。4Kテレビが普及期を迎えており、4Kコンテンツへの消費者の需要が高まっている現在、これは大きなセールスポイントになる。この調子だとホームビデオの画質が放送番組の画質を上回ることになりそうだ。

新カメラにはiPhone 5のようなスローモーションが備えられた。また高価でかさばるLytroのような撮影後に焦点を変更する新機能が追加された。モバイル撮影マニアを大いに喜ばせそうだ。撮影後後の焦点変更も今年の新機種のトレンドになりそうだが、メジャーブランドとしてはSamsungが一番乗りしたことになる。

オートフォーカスは高級デジタル一眼で標準となっているコントラスト検出と位相差検出の双方を用いるハイブリッド方式になった。Samsungによれば、合焦にわずか0.3秒しかかからず、スマートフォンのカメラとして過去最速だという

その他の仕様

その他S5のmicroSDスロットは、最新の128GBのSDカードをサポートする。またLTEとWi-Fiの双方を利用して高速でダウンロードができるダウンロード・ブースターも搭載された。

2.5GHzのSnapdragon 800、クオドコア・プロセッサー、2GBのRAM、NFC、LTE、Bluetooth 4.0、16GBまたは32GBのストレージなどは標準的だ。その他画面表示をモノクロにする省電力モードが用意されているのが面白い。4月11日に世界150か国で同時発売を予定しているという。

〔訳注:IP67とは国際規格で防塵6等級、防水7等級を意味する。防水能力としてJIS規格7等級相当となる。日本では通常「完全防水」と表示される。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


1万5000mAhの大容量に加え、IP66の防塵防水性を備えたLimefuel製モバイルバッテリー

モバイルバッテリーの便利さは、いまさら言うまでもないだろう。毎日持ち歩いているし、旅に出るようなときも、とてもなしでは過ごせないようになっている。しかし何か大変な災害のようなものが起こった時、この予備バッテリーはどうなってしまうのだろう。豪雪に埋もれてしまったりしたときはどうなのだろう。さすがに隕石が落ちてきて全てが灰に埋もれるようなときのことを考えても意味はないだろうが、しかしいったいどのような環境にまで、予備バッテリーは耐えてくれるのだろう。

こんなことをいろいろと心配してしまうが、Limefuel IP66 Ruggedという予備バッテリーを用意すれば、もう何も考える必要はなくなる。この予備バッテリーは現在Kickstarterで資金調達キャンペーンを行っているところだが、あっという間に目標額の3万ドルは調達完了となっている。ハイエンドモデルタイプの供給可能容量は1万5000mAhに達する。他にも同様の放電容量をもつものはあるが(Amazonを探せば、低価格なものもみつかるはずだ)、しかし「頑丈さ」で、このLimefuel Ruggedに比肩し得るものはない。

まず防水(waterproof)かつ防塵(dirtproof)、さらに耐衝撃性(shock proof)を特徴としている。注意してもらいたいのは「耐性」(resistant)を持つのではなく、防御性能(proof)を持つ点だ。IP66規格に適合している。IP66というのは粉塵が内部に侵入しない防塵性を持ち、波浪およびいかなる角度からの暴噴流(powerful water jets)にも、最大で3分間は耐えることができるということを意味する。もちろん保護性能を最大限に発揮するのは、保管状態の場合であるのだが、それでも十分に注目に値する性能だといえよう。

もちろん電源容量も素晴らしい。スマートフォンを10回程度チャージできる容量をもち、また2台同時に充電することができる。また本体チャージも大きめの2Aにて行う(但し容量が大きいことからフル充電には9時間ないし15時間が必要となっている)。少し前にレビューしたMophie Powerstation XLではできなかったパススルー充電(本体を充電しながら、他デバイスの充電も行う)にも対応している。

Limefuelはコロラド州ボルダーにて2012年11月に設立された。既に充電用デバイスを世に送り出した経験を持ち、今回も予定通り2014年5月に出荷開始となるのではないかと思われる。プレオーダー価格は10400mAhの低容量版は50ドルからとなっており、15000mAh版が70ドルからだ(同等性能の他社製品と比べると、まず安い方になっている)。

おそらくはL150XRのハイレベルな耐久性などを必要としない人がほとんどなのだろう。ただ丈夫であるのならそれはそれで良いことだとも言える。スマートフォンの方が壊れてしまっても、あるいはUSB充電などという仕組みが遠い過去のものとなってしまっても、このL150XRはエネルギーを溜め込み、誰かのために待機を続けるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Googleが野心的AIプロジェクト、タンゴを発表―3Dカメラとセンサーでスマートフォンが空間を認識する

今日(米国時間2/20)、Googleのスカンクワークスこと先進テクノロジー・プロジェクト(Advanced Technology and Projects)グループはプロジェクト・タンゴ(Project Tango)と名付けられた画期的3Dセンサーを装備したAndroidベースのスマートフォンのプロトタイプとデベロッパー・キットを発表した。

この3Dセンサーとカメラを組み合わせたシステムはモーショントラッキングと同時に周囲をスキャンして3Dマップをリアルタイムで生成することができる。Googleはこの新センサー、カメラ、高度なコンピュータ・ビジョン・ソフトウェアの組み合わせによって屋内のナビゲーションやVRゲームなど数々のまったく新しい応用への道が開かれると信じている。デベロッパーは今日からGoogleに対し、プロトタイプ・スマートフォンとデベロッパー・キットの入手を申し込むことができる。

ただし、初回はGoogleが審査して特に許可する200チームに限られるという。 申し込みをするデベロッパーはこのデバイスでどのようなプロダクトを開発する計画なのか明確な案を提出しなければならない。200チームの選定は2014年3月14日までに完了する。Googleが想定する分野は屋内ナビゲーション/マッピング、物理的な空間内でプレイする単独/複数プレイヤーのゲーム、センサーからの3Dデータの新しい処理アルゴリズムなどだ。

デベロッパーはアプリをJava、C/C++で開発するものとする。またUnity Game Engineを利用することができる。このスマートフォンに対するAPIは現在開発中だという。

「“プロジェクト・タンゴの最大のインパクトは、スマートフォンが人間の視覚のような動作と空間の認識能力を持つようになることだ」とプロジェクト・タンゴのチームリーダー、Johnny Leeは言う。

Googleはこの3Dセンサー機能を利用して、デベロッパーが3Dビジョンに基づいたまったく新しいジャンルのスマートフォン・アプリケーションを多数開発するようになることを期待している。

このスマートフォンには他のスマートフォン同様、コンパスとジャイロが搭載されているが、Googleが開発した新センサーシステムは周囲をスキャンしてKinectのように動作やジェスチャーを認識し、また周囲をスキャンして3D空間マップを生成する。

ただしプロジェクト・タンゴのシステムはLeap Motionのようなジェスチャー・ベースのUIを開発することを念頭に置いたものではない。逆にスマートフォンが周囲の3D空間を認識し、自分の位置が分かるようになった場合、デベロッパーがどんなアプリを作り出せるのかが興味の焦点だ。

たとえば新しい家具を買おうとするときスマートフォンを構えて家の中を一回りするだけで正確な寸法の測定ができたら便利だろう。 複雑な構造のビルの中でのナビゲーションにも応用できるかもしれない。ショッピング・モールや地下街で迷子にならずにすむだろう。

タンゴのセンサー

Googleはプロジェクト・タンゴにMovidius’ Myriad 1ビジョン・プロセッサー・プラットフォームを利用している。これまでこうした機能をスマートフォンに組み込むのは、非常に高価になってしまうだけでなく、膨大なデータ処理の負荷によってバッテリーがすぐにゼロになってしまうために困難だった。しかし最新のビジョン・プロセッサーは省電力化が大きく進んだ。これがおそらくGoogleがプロジェクトをスタートさせた大きな理由だろう。プロジェクト・タンゴのセンサーに関してはわれわれのこちらのの記事を参照。

プロジェクト・タンゴの技術面のリーダーであるLeeは、2011年の初めにGooogleに加わる前はMicrosoftでKinectの開発に携わっていた。今日の発表はGoogleの謎めいたATAPグループとして最初のハードウェア・プロダクトのリリースだ。この組織はもともとMotorolaの研究部門で、GoogleがMotorolaを売却した際に手元に残した数少ない部門の一つだ。

タンゴ・プロジェクト以外にもATAPは途上国市場向けの低価格のスマートフォンを開発するプロジェクトAraも担当している。 GoogleはATAPをGoogle[x] と並ぶ同社のムーンショット〔アポロ計画のような大胆な先進プロジェクト〕を担うグループと位置づけている。現在ATAPは元DARPA局長で2012.年にGoogleに加わったRegina Duganが責任者を務めている。

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Ubuntuスマートフォンがbq(スペイン)とMeizu(中国)から年内発売へ

UbuntuのCanonical社が、Ubuntu Linuxを載せたスマートフォンをついに発売する。昨年、Ubuntu Edgeと名づけた派手なクラウドファンディングキャンペーンに失敗したにもかかわらず。そのスマートフォンを今年おそくに発売する計画の詳細がTheNextWebに載っているが、それによると発売元は同社のハードウェアパートナー、スペインのbqと中国のMeizuになるようだ。

まだ詳しい仕様は発表されていないが、同社の声明によると最初の製品は“ハイエンド寄りのミッドレンジ”となるらしい。つまり今後の過密なスマートフォン市場で競争力が期待される低価格機ではない。最初に発表されたEdgeが、出資者割引価格でも600ドルという超高級機だったから、今さら初心者向けの安価なスマートフォンを出したって、意味がないだろう。

Canonicalがモバイル市場で自己の一角を築く気なら、それは苦戦という生易しい言葉では表現できない歩みになる。たとえばFirefox OSは低価格入門機で市場に参入しながら、今だに足取りはふらついている。Canonicalが低価格機を指向しなかったのも、そのせいだろうが。

Canonicalの差別化戦略は、従来のスマートフォンのようにいろんなコンテンツやサービスを個々のアプリの中へばらばらに閉じ込めずに、それらをUIそのものにしてしまうことだ。Canonicalは、発売時にはEvernote、Grooveshark、Weather Channelなどおよそ50のアプリがUIから直接使える状態にしたい、と言っている(個々にアプリをインストールしたり立ち上げたりしない)。またEdgeのキャンペーンのときに同社が組織化したCarrier Advisory Group(Vodafone、EE、T-Mobile、Verizon、Deutsche Telecomなどなど)の協力も、求めていくつもりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


モバイルデータ利用トップ15ヵ国中、12ヵ国をAndroidが支配(Mixpanel調べ)

データ分析会社、Mixpanelの第1回年間グローバルモバイルデータ報告によると、モバイル利用トップ15ヵ国におけるアプリデータの大半が、Androidプラットフォームから生まれたものだった。同15ヵ国で生成されたモバイルデータの64%がAndroidデバイスによるものであり、15ヵ国中3ヵ国のみでiOS利用者が優勢だった。

データ生成国の上位はスペイン語を話す国々であり、スペイン語を母国語とする国々ではさらにAndroidが強く、 全アプリ生成データの74%を占めた。フランス、日本、およびオランダの3ヵ国のみでiOSが明確に多数を占め、タイでは両OSがほぼ均衡している。

もちろんアプリデータの利用量は、プラットフォームやアプリの親密度を測る唯一の尺度ではないが、ユーザーがスマートフォンでそのソフトウェアを立ち上げ、ウェブを利用していることを示す指標にはなる。モバイル端末に関するこのデータには、他にも注目すべき点がいくつかある。例えばモバイルアプリ市場では、スペイン語にローカライズされたタイトルが、利用量に関して大きな牽引力を持つ可能性を持っている。

アプリの集客力を測るもう一つの指標で、よりデベロッパーの気持に近いと考えられるのがモバイル売上だ。Distimoによると、アジアにおけるモバイル売上は、162%という大幅増を記録しており、その成長の大部分がAndroidによる。ただし、スペイン語圏の国々は、Distimoのアプリ売上トップ10ヵ国には未だ入っていない。つまりAndroidは、新興市場において利用量は急増しているが、これらの地域をターゲットにするデベロッパーにとって、必ずしも大きな売上には結びついていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


次世代Samsung Galaxy Sの概要明らかに―発表は来週火曜のスペインのイベント

Samsungのスマートフォンの新しいフラグシップモデルは来週月曜〔日本時間火曜〕からスペインのバルセロナで開催されるMobile World Congressで発表されるものとみられる。

新モデルの詳細もだいぶ明らかになってきた。 Bloombergその他によれば、鮮明度の向上した5.2インチ・ディスプレイ、容量が拡大したバッテリー、改良型のカメラを備えるという。それに網膜あるいは指紋スキャナーが加わるかもしれない。

指紋スキャナーはSamsung専門サイトのSammobileによるもので、このサイトはかなり信頼性が高い。Sammobileによれば、Samsung Galaxy S5は8種類まで登録可能な指紋スキャナーを備えるという。デバイスのアンロック、特定のアプリの起動、個人情報を記録したフォルダのオープン、新しいプライベート・モードの起動などに指紋認証が利用できる。プライベート・モードでは通常隠させているファイルやフォルダが表示されるようになる。指紋スキャナーはホームボタンに内蔵され、ユーザーはその上に指を滑らせて(iPhone 5の場合はセンサーに指をあてるだけ)指紋を読み取らせる。

Bloombergが伝える改良点は新世代へのアップデートの際に通常予想されるようなものだ。ディスプレイは対角線長5.2インチのサイズで、現行GalaxyS4の5インチよりやや大きく、「鮮明度が高い」という。おそらく現行の1080 x 1920(441 ppi)よりも解像度が高いという意味なのだろう。

今回のBloombergの記事にはバッテリーとカメラの改良に関する詳しい情報は含まれていなかった。以前の記事ではリアカメラは16MP、リチウムイオン・バッテリーの容量は現行の2,900mAhから3200mAhに拡大されるとあった。

いずれにせよ正確なところはすぐに判明する。Samsungは中央ヨーロッパ時間2月24日午後8時にバルセロナでUnpacked5というイベントを開催する。TechCrunchではライブ・ブログで内容を報じる予定だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AppleおよびGoogle、「Flappy」の名前が入ったゲームの登録を停止中

Flappy Bird現象はまだ沈静化していない。オリジナル作者であるDong Nguyenは、ゲームの人気が出すぎてとても対処できないとして、App Storeから既に削除している。しかしApp Storeチャートの上位には、多くのFlappy Birdクローンの名前が見える。いずれも、オリジナルの苛つかせられながらも、中毒状態になってしまうようなところを再現したものとなっている。

しかし、数多くのクローンによるこうした騒動も、ついに終わりを迎えようとしつつあるようだ。AppleおよびGoogleは、タイトルに「flappy」が付されたアプリケーションの登録を拒否するようになってきているようなのだ。

バンクーバーにてMind Juice Mediaのゲームデザイナーを務めるKen Carpenterによると、登録申請を行った「Flappy Dragon」という名前のゲームが登録を拒否されたのだそうだ。「他のアプリケーションの名前を“利用している”」というのが拒否の理由だったそうだ。

AppleのReview Gudelineに反していると指摘されたのだとのこと。内容を(原文のまま)掲載しておく。

Reasons:
22.2: Apps that contain false, fraudulent or misleading representations will be rejected

22.2
We found that your app, and/or its metadata, contains content that could be misleading to users, which is not in compliance with the App Store Review Guidelines.We found your app name attempts to leverage a popular app.

ここで指摘されている「他の名の知れたアプリケーション」(popular app)とは、もちろんFlappy Birdのことだ。但し、Appleの論拠とする条項は、既に存在しないアプリケーションについても適用されるものだろうか。

ポリシー変更により影響を受けた開発者は、もちろんCarpenterだけではない。Kuyi Mobileのツイートによると、複数の開発者が「Flappy」なゲームを登録しようとしてリジェクトされているのだとのこと。

しかし、Carpenterも言うように「Flappy Bee」、「Flappy Plane」、「Flappy Super Hero」、「Flappy Flyer」、あるいはさらにミックスした「Flappy Bird Flyer」などといったゲームが既に登録されている。また、「Flappy」の名前こそないものの、やはりFlappy Birdのクローンである「Splashy Fish」や「Ironpants」などが1位および2位につけてもいる。あるいは「Flappy」で「はじまらないだけ」の「City Bird – Flappy Flyer」は3位、そして「Fly Birdie – Flappy Bird Flyer」が7位となっている。

App StoreはすっかりFlappy Birdクローンに占拠され、そしてどうやらそれを歓迎している利用者もかなりの数に上るということらしい。

しかしもう充分だとも言えるのかもしれない。Appleとしても、こうした傾向を手放しで歓迎することはできないようだ。多数のクローンが登場することは、利用者を混乱させることにもつながる。Flappy Birdを巡る騒ぎは、普段ならスマートフォンのゲームチャートなどに興味を持たないような人々の関心もひきつけるに至った。そのような人がApp Storeにやってきて、そしてFlappy Birdを探し、ただ混乱してしまうという自体も起こっている様子。

但し、この状況に終止符を打とうとするAppleの行動は遅きに失したのかもしれない。「Flappy Birds」の名前を今後禁止するというやり方は、単に不公平感を持たせるだけになってしまう可能性もある。既に数多くの「Flappyなんとか」がApp Storeの、上位ランクに存在するからだ。不公平感をもたせずに事態を収拾したいということであれば、既に登録されているものについても、名前の変更を指示すべきだという意見もある(Update:どうやらそうした動きもあるようだ。次のようなツイートも投稿されていた)。

Googleも「Flappy」をリジェクト中

「Flappy Birdクローン」の存在を整理しようとすることについて、GoogleもAppleと同じ考えを持っているようだ。Kuyi MobileおよびHappy Mage Gamesが「Flappy」をタイトルに含んだゲームの登録をリジェクトされたと報告している。

Carpenterも「Google Playでも登録を拒否されたんだ」と述べている

最初は「Flappy Birdなき今、最高のflappingゲームだ」という説明を書いたのでリジェクトされたのかと思った。最初は普通に登録されて、しばらくの間はストア内で検索できたりしていたからね」とのこと。

しかし登録後しばらくしてGoogleはこのゲームの検索ができないようにした。それでもURLがわかっていればダウンロードできていたのだが、それもできなくなった。24時間後、登録停止を行った旨のメールが届いた。「こうした場合、まず警告がやってくることになっているはずなんだけど、こなかったんだ。なのでスパムフォルダーを何度も見なおしてみたよ。結局、何の事前通告もなく登録を削除されたということらしい」とCarpenterは言っている。「スパム条項に反していると言われたんだけど、具体的に何がどう違反しているのかは教えてもらっていないんだ」ということらしい。

説明文中でも「Flappy Bird」の名前を使わないようにして、ゲームの再登録も行ってみたとのこと。登録できたように見えたが、やはりしばらくすると消されてしまったのだそうだ。

AppleとGoogleにはこの件について問い合わせを行っているところだ。しかし週末でもあるので(またAppleはこうしたポリシーについての質問には回答しないことにしている様子)、返事があるにしてもしばらく時間はかかりそうだ。

Hat tip: Ouriel Ohayon; Image credit: Flappy tee, tweeted by @kunaalarya; Note: Post updated with additional comments from Carpenter after publication.

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(翻訳:Maeda, H


iPhone 6のリーク写真は偽物だった。しかしこれが本物でも文句はない

先日、Appleの次世代iPhoneを写したものだとされる写真が駆け巡った。上に掲載した写真も、Appleの次世代iPhone写真であるとしてTwitter上に流れたものだ。この写真のiPhoneは、背面がiPad風のカーブを描くようになり、またベゼル領域をなくして、前面を大きくディスプレイが覆うようになっている。いろんな論評も出たが、結局のところ流出写真と呼ばれたものは、いずれも偽物だった。

写真はレンダリングされたもので、Redditでも指摘したユーザーがいたように、Martin Hajekの作品を拝借したものであるようだ。Hajekはさまざまなデバイスを非常にリアルに3Dレンダリングしてサイトに公開している。そして今回のリーク画像と非常によく似たiPhone 6を2013年3月に公開している。今回の写真では内部パーツなども写っており、またTouch IDセンサーおよび2台のフラッシュを搭載している(オリジナルのレンダリング作品が公開されたときには、まだこうしたパーツの搭載は明らかになっていなかった)。しかしこれらの内部パーツ以外については、Hajekの作品を借用しているようだ。

ちなみに、元になったHajekのレンダリングもAppleの製品デザインとは無関係のものだ。しかし頷ける部分もあるのではないかと、個人的には感じている。iPad miniのレティナ版をiPhone化したような感じで、持ちやすく、そしてポケットに入れて持ち運びができるようにしているわけだ。iPhone 5sなどはエッジを強調して角を目立たせていたが、iPhone 5cでは丸みを帯びたデザインも採用している。そしてこれは人間工学的には面白いデザインであるとの評価も受けている。

と、いうわけで今年の秋辺りに、リークとして出回った写真のようなiPhoneが出てくるようなこともあるかもしれない。まず、画面が大きくなるのは間違いないのではないかと思われる。これに伴って背面を曲面デザインにするのも良いアイデアであるように思う。次のiPhoneがリリースされた際には、Hajekが未来予知能力を持っていたことが証明されると良いとも感じているところだ。

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(翻訳:Maeda, H


2013年のグローバル市場は携帯全体の中で初めてスマートフォンが過半数を達成

2013年に、その避けられない事態は起きていた。全世界でスマートフォンの売上台数が、通常フィーチャーフォン(feature phone)と呼ばれるふつうの携帯電話を初めて上回ったのだ。すなわちGartnerの最新の推計によると、2013年の携帯電話の総売上台数18億台のうち、9億6800万台がスマートフォンだった。

18億というグローバルな売上台数は、2012年に比べて3.5%の増である。

Gartnerのこの前の報告によると、グローバルにスマートフォンがフィーチャーフォン(ダムフォン(dumbphone)とも呼ぶ)を初めて抜いたのは昨年のQ2だった。そのとき、Androidのマーケットシェアは79%だった。

そして2013年通年では、スマートフォンが携帯電話全体の53.6%を占め、多数派の地位を確定した。

スマートフォンの売上は2013Q4では前期比で36%増加し、携帯電話全体の57.6%を占めた。前年同期比では44%の増だった。44%はQ2の46.5%よりも低いが、とにかく年間を通しては、ユーザがサードパーティのアプリをダウンロードできるいわゆるスマートな携帯電話機が、それのできない携帯電話を確実に上回ったのだ。

2013年は、北米などの飽和市場では携帯電話全体の需要がやや落ち込み、成長を引っ張ったのはもっぱら新興市場である。

とくにラテンアメリカ市場が前年比で96.1%という高い増加率を達成し、このほか、中東、アフリカ、アジア太平洋、東欧地区がそれぞれ、Q4には50%を超える増加率を示した。

国別でスマートフォンの増加率が最高だったのはインドで、Q4の前年同期比増加率166.8%を達成した。中国もグローバルなスマートフォンの増加に大きく貢献し、2013年通年で86.3%の増加を示した。

Gartnerの推計では、Android OSの2013年のグローバルなマーケットシェアは78.4%、これに対し、マーケットシェアの縮小が続いているiOSは15.6%、MicrosoftのWindows Phoneは3.2%だった(ただしこの‘第三勢力’の世界シェアは微増している)(下表)。BlackBerryは限界値ぎりぎりの1.9%に落ち込んだ。

2014年には、Androidだけで10億の大台に近づく、とGartnerは予測している。

2013Q4のスマートフォンの売上をベンダ別に分類すると(下表)、トップは依然としてSamsungで29.5%のシェアを握っているが、前年同期の31.1%よりは落ち込んでいる。

次位のAppleの2013Q4のシェアは17.8%で、こちらも前年同期の20.9%から落ち込んでいる。

三位は中国のHuaweiでシェア5.7%、しかしこちらは前年同期の4.2%より大きくなっている。

GartnerのアナリストAnshul Guptaは、次のように述べている: “携帯電話のグローバル市場を支配している上位3社は、その合計シェアが2013年第四四半期と2013年通年で落ち込み、中国などの地域ブランドが継続的にシェアを伸ばしている”。

Gartnerの分析では、Samsungの落ち込みの原因は先進国市場におけるハイエンドスマートフォンの飽和だ。同社はハイエンド機の旗艦ブランドGalaxyが、ここ数年の成長の源泉だった。報告書は同社について、ハイエンド機の開発は今後も継続すべきだが、成長を維持するためにはよりシンプルなインタフェイスを持つミッドレンジ機で市場のボリュームゾーンに訴求すべき、と述べている。低価格よりも、使いやすいインタフェイスが重要、というのだ。

2013Q4におけるAppleのスマートフォンの売上は記録的だったが、スマートフォン全体におけるシェアはQ4と通年のどちらでも落ち込んだ。ただし携帯電話全体の中では、スマートフォンの優勢化という傾向の中で同社もシェアを伸ばしている。

しかしAppleは9月に日本のNTT Docomo、Q4にはChina Mobileと契約しているので、iPhoneは今後アジアで伸びると予想される。

第三位のHuaweiの、Q4におけるスマートフォンの売上は85%増加し、2012年に続き銅メダルの地位を維持した。同社のQ4の売上増加に大きく寄与したのは、中東、アジア太平洋、ラテンアメリカ、ヨーロッパなどへの海外展開だ。

同じく中国のLenovoは、GoogleからMotorolaを買ったばかりだが、やはりQ4には63.1%と大きく伸び、通年の成長率は102.3%となった。Motorolaの買収により同社にはアメリカ進出の機会が生じたとされ、特許の取得によりグローバル市場への急速な拡大も期待される、という。

Guptaは曰く、“Motoを買ったのは合衆国進出が目的というより、脱中国がより重要なねらいだ”。

Gartnerの予測では、2014年もスマートフォンの勢いは持続する。とくに今年は、メーカー数が増えて低価格機での競争が激化するだろう、という。すなわち新興市場が成長を引っ張るようになるとハイエンドスマートフォンの売れ行きは鈍化し、低~中位価格の製品が主役になっていく。したがってスマートフォンの平均価格と売上額の増加率はともに、低下することになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Yahoo、非同期タイプ写真共有サービスのDaysを運営するWanderを買収

先日、非同期型写真共有サービスを展開するDaysというサービスについての記事を投稿した。このサービスを運営するのはニューヨークにあるWanderだが、このたびYahooがこのWanderを買収することとなった。

買収金額などについては明らかにされていないが、業界内にながれる噂によれば1000万ドルを上回る額だとの話だ。Jeremy Fisher率いるWanderは、これまでに合計で120万ドルの資金を調達してきていた。

Wanderはもともと2012年にTechStarsからの支援によりスタートした。コンテンツ制作関連のサービスを行おうとするスタートアップで、そもそもは旅行関連のコンテンツを公開するための仕組みを提供するプラットフォームを提供しようとしていた。しかしすぐにピボットを行い、そして先日紹介したDaysをリリースするに至ったのだ。

Daysとは、写真やGIFを「Day」というパッケージにまとめ、そしてそれらを翌日にまとめて公開するというスタイルの写真共有サービスだ。リアルタイムで瞬間をシェアしていくのではなく、1日の「ストーリー」をシェアしようというコンセプトに則ったものだ。

日々の要素を1日単位でまとめることで、たとえば朝に飲んだコーヒーや、一緒に暮らす猫の様子などが、ストーリーをもつようになり、他の人とシェアする意味を持つようになるというわけだ。

ブログによれば、Daysアプリケーションはこれまで通りの形で提供され、Wanderによってサポートされるとのこと。またYahooのMobile and Emerging Productsチームにて「エキサイティングな新プロジェクト」にもとりかかるとのこと。

ブログ記事の全文を原文にて掲載しておく。

We’ve spent the past few years figuring out how to make content creation as habitual as content consumption. That’s the idea behind Days, the daily visual diary we launched in May 2013. Nine months later, we’re excited to announce that we’ve accepted an offer to bring our work on daily habits to Yahoo. We started our company with the vision of transforming daily habits, and we’re proud to be joining a new one that shares that mission.
Our entire team will be joining Yahoo’s NYC-based Mobile and Emerging Products group, where we’ll continue on as a startup team within a larger organization. The Days app will live on as a standalone entity, and we’ll also be working on some exciting new projects that we can’t talk about just yet.
Sincerest appreciation to our investors, our advisors, our friends and families, the good folks at Apple, and, most importantly, our users! Your days have inspired us and it’s been beyond rewarding watching the product and community we’ve built together evolve and grow. We are so grateful, thank you!
If you have any questions, please tweet @wander or email us via founders@onwander.com.
Happy Days,
-Jeremy, Keenan, Lara, Sean, and Whitney

Marissa Mayer指揮下のYahooは、積極的に企業買収を行っており、この18ヵ月で行った買収件数は15件以上になる。この動きは彼女がCEOとして就任する前にあった停滞イメージを完全に払拭するものとなっている。

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(翻訳:Maeda, H


Flappy Bird + Snapchat? ゲームをクリアしないと見ることのできないメッセージを送るAmazing Cupid

自分がティーンエイジャーで、ちょっと嫌な相手から好意を持たれた(持たれてしまった)と考えてみよう。飼い主に気に入られようと必死になっている子犬のように、あなたの周りから離れなくなる。こんなときはどうすれば良いのだろう。もしサディスティックな感情を持っているのなら、お断りのメッセージをAmazing Cupidを通じて送るのが良いかもしれない。

Amazing CupidはFlappy Bird風のゲームで、送られたメッセージを見るには、送信者の設定した時間内に、やはり送信者の設定したスコアをクリアする必要がある。クリアできない場合は、送られたメッセージは永遠に失われることとなるのだ。

Flappy Bird類似のゲームは数多くリリースされている(実のところ、Flappy Bird作者のDong Nguyenがゲームをアプリケーションストアから削除してから、iOSアプリケーションチャートで首位になるものも登場している)。しかし、このAmazing Cupidを制作したTouchTenのCEOであるAnton Soeharyoは、勝手に真似をすることを潔とせず、Nguyenにゲーム部分でFlappy Birdと類似のものを制作する許可を得ているのだとのこと。メールでの問い合わせに対して、Nguyenもこの事実を確認している。

Amazing Cupidは現在Google Playストアでのみ公開中だが、iOS版も既にApp Storeに登録申請済みであり、TouchTen(こちらはインドネシアで活動している)によると、バレンタインデーまでには公開されるのではないかとのことだ。

このAmazing Cupidはマネタイズを目的とするものではなく、広告もTouchTenがリリースしている他アプリケーションのものに限っているのだとのこと。Amazin Cupidを通じてメッセージング関連アプリケーションの可能性を探りたい考えなのだそうだ。このAmazing Cupidの人気が出るのなら、メッセージング関連アプリケーションのリリースを検討していこうと考えているようだ。ちなみにこのTouchTenはCyberAgent Venturesの出資をうけて、モバイルゲームの開発を行っている。

ゲームは確かにFlappy Birdに似ているが、主役は鳥ではなく、青い髪をしたキューピッドだ。ゲームの目的は、無限に続くローマ建築風の柱にぶつからずにキューピッドを飛ばし続けることだ。失敗すると「そんなことでは恋など成就するわけもないね」(No wonder you’re alone)だとか「一緒にいるのが君であることにイライラしてきたよ」(Why am I grumpy? You are my only friend)などといった罵詈雑言を投げつけられることとなる。基準点をクリアすれば、ようやく隠されたメッセージを見ることができるようになる。

尚、Amazing Cupidでは、メッセージのやり取りに使うのではなく、純粋にゲームを楽しむこともできる(友達がいない人のための機能だろうか)。ゲームの難しさを楽しむ(そして中毒化する)ために、「ノーマル」、「難しい」、そして「超絶」(impossibro)といったレベルを用意するなど、Flappy Birdにはない工夫もこらしている。

なかなか面白いが、かなりイジワルな存在でもある。

「ちょっとした実験的な意味合いもあるのです」とSoeharyoは言っている。Snapchatを使って、内輪受けの写真などをやりとりすることが流行っているのを見て、自動消滅型の仕組みを使ってなにか面白いことはできないかと考えたのだという。「Snapchatはかなりストレートなものですね。メッセージを送って、それが自動的に消え去るというものです。そこにある種のゲーミフィケーションの仕組みを導入できないものかと考えてみたのです」とのこと。

Amazing Cupidにおけるメッセージング+ゲームの仕組みが流行るようであれば、この仕組を企業やセレブのマーケティングツールとして使えるのではないかとも考えているようだ。最初にメッセージを見た人に特別なプレゼントをあげるとか、あるいはプロモーションコード自体をメッセージにしておくという使い方も考えられる。

ところでSoeharyoは、いつかNguyenに会いたいとも語っている。Flappy Birdの作者であるNguyenは、Twitter上でFlappy Birdがあまりに広まったことにより、周りが騒々しくなりすぎたと言っていた。Flappy Birdが嫌いになったというようなこともツイートしていた。

「急激な変化で途方に暮れてしまったということなのでしょう」とSoeharyoはDongを思いやっている。「会ったことは無いのですが、メールでのやり取りはとてもフレンドリーな様子でした。とても良い人物なのだという印象を受けましたよ」とのこと。「ジャカルタに来るようなことも言っていました。その機会にはぜひとも会ってみたいですね。もちろん無理を言うつもりはありません。でも機会があるのなら、何か一緒にやってみたい気持ちを持っています」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


Appleの苦情でAndroidカスタマイズアプリ”Themer”がGoogle Playから削除…ここにはGoogle側のもっと重要な問題が

Androidのホーム画面をカスタマイズするアプリThemerはMyColorScreen社の作で、同社は昨年秋に50万ドルのシード資金を獲得したが、アプリそのものはこのほど、Appleから著作権侵害を主張されたため、Google Playのストアから姿を消した。Appleが文句を言っているのはThemerアプリが提供している200あまりのテーマの内の一つにすぎないが、アプリは2月2日に取り下げられ、同社が問題のテーマを取り去ったにもかかわらず、まだストアに戻っていない。

問題のテーマは”Seven”という名前で、Appleの言い分ではそのアイコンの一部が同社のパテントに抵触している。MyColorScreenの協同ファウンダでCEOのAshvin Dhingraがそう説明した。

Themerの使い方は簡単で、気に入ったテーマを選んでボタンを押せば、そのテーマがホーム画面にインストールされる。それまでは、デザイナーがMyColorScreenのWebサイトにアップロードした作品をユーザがデザイナーから買う、というやり方で、それはAndroidデザイナーのマーケットプレースとして、Dribbble.comなんかにも似たやり方だった。

Dhingraはこう説明する: “Sevenはすぐに削除したから、Google Playのストアにすぐ復帰できると思っていた。でも今日で一週間になるから、あと何週間かかるのか分からなくなってきた”。

“Appleの法務にも話を聞いたが、そいつはとても親切ないいやつで、Sevenのテーマ以外には何も問題ない、と言った。でもGoogleにはGoogleのやり方があるみたいで、それに対してわれわれは手出しができない。われわれには、復帰を早める手段がない。それにGoogleからは、まだ何も言ってこない”。

彼の言い分は、アプリが消えてしまい、その復活を望む者として当然だし、コミュニティもその心配を共有しているだろう。DhingraによるとThemerは、この秋に公開ベータでデビューして以来、100万回ダウンロードされている。

同社が困っているのは、こういう問題が起きたときの、デベロッパのための窓口がGoogleにないことだ。どこにコンタクトすればよいのか、それが分からない。Themerのチームは、ランダムにGoogleのいろんな人にメールなどしてみたが、無駄だった。GoogleのAndroidデベロッパ向けサイトにはいろんなリソースがあるが、それらの中に、今回のような状況に応えるものはない。今Googleに問い合わせているので、答が得られ次第この記事をアップデートしよう。

MyColorScreen社によれば、現時点では、そもそもThemerがストアに戻るのかどうか、すら分からない。ただし同社としては、今のところは、Google Playストア以外のところからAPKをリリースする意思はない。そんなことをすれば自動アップデートがやりにくくなるので、得策ではない(Themerはもうすぐベータを終えて1.0にアップデートする予定だから、なおさらだ)。

ただし既存のユーザに対するサポートは、support.themerapp.comで受け付けている。以下は、アプリの削除を伝えてきたときの、Googleからの書簡だ:

Googleからの書簡:

[以下英文ママ]

This is a notification that your application, Themer Beta, with package ID com.mycolorscreen.themer, has been removed from the Google Play Store.

REASON FOR REMOVAL: Alleged copyright infringement (according to the terms of the Digital Millenium Copyright Act).

All violations are tracked. Serious or repeated violations of any nature will result in the termination of your developer account, and investigation and possible termination of related Google accounts. If your account is terminated, payments will cease and Google may recover the proceeds of any past sales and the cost of any associated fees (such as chargebacks and payment transaction fees) from you.

Please review the Developer Distribution Agreement and Content Policy to ensure that your applications are compliant with our policies.

The DMCA is a United States copyright law that provides guidelines for online service provider liability in case of copyright infringement. Click here for more information about the DMCA, and see http://www.google.com/dmca.html for the process that Google requires in order to make a DMCA complaint.

Google may reinstate your application into the Google Play Store upon receipt of a counter notification pursuant to sections 512(g)(2) and (3) of the DMCA. Click here for more information about the requirements of a counter notification and a link to a sample counter notification. If you have legal questions about this notification, you should retain your own legal counsel.

Please note that we have included a text copy of the Infringement Notice we received for your reference.

The Google Play Team

Text copy of DMCA complaint:

subject_lr_dmca: Your Request to Google
full_name: xxxx
companyname: xxxx
represented_copyright_holder: Apple Inc.
contact_email_noprefill: xxxx
country_residence: US
location_of_copyrighted_work: The original artwork for the following
infringed iOS7 app designs may be viewed on any iDevice running the iOS7
operating system:

Notes (Copyright Reg. No. VA1871602)
Stocks (Copyright Reg. No. VA1871786)
Newsstand (Copyright Reg. No. VA1871650)
Maps (Copyright Reg. No. VA1871438)
Camera (Copyright Reg. No. VA1871668)
Photos (Copyright Reg. No. VA1871779)
Settings (Copyright Reg. No. VA1871669)

description_of_copyrighted_work: Apple Inc. is the sole and exclusive owner
of the copyright in the original artwork for the app designs in its iOS 7
operating system. The foregoing application being distributed on Google
Play intentionally includes unauthorized reproductions of Apple’s
copyrighted apps, including its icon designs for Notes (Copyright Reg. No.
VA1871602), Stocks (Copyright Reg. No. VA1871786), Newsstand (Copyright
Reg. No. VA1871650), Maps (Copyright Reg. No. VA1871438), Camera (Copyright
Reg. No. VA1871668), Photos (Copyright Reg. No. VA1871779), Settings
(Copyright Reg. No. VA1871669) and other features. This application
violates Apple’s copyrights, in addition to other Apple IP rights. (This
app developer’s unauthorized reproduction of Apple’s multiple copyrights
may be viewed in-app by first downloading and installing the app, allowing
Themer to create widgets on one’s device, and loading the “Seven” theme
from the list of the “Most Popular” category under the Browse Themes.)

画像クレジット: Themer; テーマはAndroidtapp.comより。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))