任天堂とNianticがコラボしたARモバイルゲーム「Pikmin Bloom(ピクミン ブルーム)」

米国時間10月26日、Nianticは任天堂とコラボレーションを行い誕生した拡張現実モバイルゲーム「Pikmin Bloom(ピクミンブルーム)」を発表した。


ピクミン ブルームは「Pokémon Go(ポケモンGO)」のように、外に出て近所を探検することが奨励されている。ただし今度はPidgey(ポッポ)やRattata(コラッタ)を捕まえるのではなく、苗を集めてPikmin(ピクミン)の集団を作る。どんどん歩けば、どんどんピクミンが集まる。これは植物と動物のハイブリッド生物で、任天堂の同名の戦略・パズルゲームシリーズに由来している。

ピクミン ブルームは、シリーズの6作目となる。プレイヤーが対話するピクミンの種類はかなり多く、ユーザーが歩いた背後には拡張現実による花の足跡ができる。上の発表動画のゲーム内映像では、自分のアバターをMiiピクミンとしてカスタマイズできるようだ。

Pokémon Goからのもう1つの借りものは、月に1度のコミュニティの日のイベントだ。以前は特別ボーナスに釣られて外に出ると、月に1度、珍しいポケモンをゲットすることができた。外に出て友だちを作りましょう、という誘いだ。Nianticはまだ詳細を発表していないが、ピクミン ブルームの月に一度のコミュニティの日では、ピクミンを植えたり一緒に遊んだりできるという。

メタバースのガーデニングだ 🙂

Pokémon Goでは週に1度、月曜日の朝にポップアップが出て、その週どれだけ歩いたかがわかる。しかしピクミンは運動を強調していて、歩いたルートや歩数がその日の終わりに表示される。

先にこの2社が一緒に作ったゲームは期待を裏切ったため、今度の花のお友だちにはあまりプレッシャーを与えないようにしよう。Pokémon Goは2016年にあれほど売れたが、そのあとのあまりニュースにならない年でさえ、Nianticの人気は上昇し、2020年の売上は10億ドル(約1134億円)を超えた。しかしピクミン ブルームには、Pokémon Goや「Harry Potter:Wizards Unite(ハリー・ポッター:魔法同盟)」ほど、やることがたくさんはないように思える。だからこのゲームは、歩きながらきれいなピクセルをちょいと見る、といったカジュアルな大衆向きかもしれない。少なくともまだここには、きらきらしたものを探したり、奇襲作戦で協力するスリルはない。

関連記事:ポケモンGOで新型コロナ対策の仕様変更が復活、コミュニティの反発を受けて

画像クレジット:Niantic

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ザッカーバーグ氏がフィットネス機器としての「Quest 2」を紹介、「Pelotonのようなものだ」

Facebookは「Oculus Quest 2」をゲーム機以上のものとして認識してもらいたいと考えている。

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、同社の開発者会議「Facebook Connect」で、Questを「Supernatural」や「FitXR」といったサードパーティ製アプリのフィットネスプラットフォームとして活用するための取り組みを紹介。さらにコネクテッドフィットネス機器として、Pelotonと直接比較もしている。

基調講演においてザッカーバーグ氏は「多くの方が、健康維持のためにQuestを利用していますが、まったく新しい方法でワークアウトすることができます。Pelotonのようですが、自転車の代わりにVRヘッドセットを用意するだけで、ボクシングのレッスンから剣術、さらにはダンスまで何でもできるのです」。

同社は、ハードウェアの分類をさらに進めており、2022年には、Quest 2ヘッドセットをカスタマイズして、エクササイズで使えるようにする「Active Pack」をリリースすると発表した。このパックは、コントローラーにグリップを追加し、ヘッドセットが汗で濡れてしまう問題を解決するフェイシャルパッドを備える。

近年、Facebookはヘッドセットを使ったフィットネスを推進しており「Quest 2」に活動量やカロリー消費量を測定するトラッキング機能を持つ「Oculus Move」というプロダクトを発表している。

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

フェイスブック、独自ARフィルター作成アプリ「Polar」発表

開催したAR/VRに焦点を当てたイベント「Connect」で、Facebookはより多くのクリエイターを拡張現実(AR)の世界に呼び込むことを目的とした新アプリを発表した。

画像クレジット:Facebook

「Polar」と名づけられたこのiOSアプリは、Spark ARプラットフォームを利用して、FacebookやInstagram用に独自のARフィルターを作成することができる。ユーザーは、既存のフレームワークよりもはるかに軽い技術的負担で、テンプレートを使いこれらのフィルターを視覚的に簡単に作成することができる。

nstagramが「Reels」プラットフォームを通じて動画をより強力に推進していることから、ユーザーの間でARフィルターへの関心が高まっており、FacebookがクリエイターにARフィルターを売り込むチャンスになっている。

このアプリはまだかなり初期の段階にあるようで、Facebookによると、2021年後半にクローズドベータを開始し、特定のクリエイターを厳選して参加させる予定だという。最終的には、誰もが自分のARフィルターを作成できる無料アプリとして、広く展開していく予定だ。

I
画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

VR版「グランド・セフト・オート・サンアンドレアス」がOculus Quest 2向けに開発中

Facebook(フェイスブック)の創業者兼CEOであるMark Zuckerber(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日に開催されたVRとARに特化した大規模なイベントの中で、VRプラットフォームに向けたメジャーな新タイトルを発表し、注目を集めた。


「Grand Theft Auto:San Andreas(グランド・セフト・オート・サンアンドレアス、GTASA)」がOculus Quest 2にやってくる。GTASAは、Rockstar(ロックスター・ゲームズ)が2004年に発表した大ヒットゲームGTA(Grand Theft Auto)シリーズの作品で、ロサンゼルスやラスベガスなどの都市を模したオープンワールドでプレイヤーが大暴れするゲームだ。

「史上最高のゲームの1つであるこのタイトルの新バージョンは、このアイコニックな世界をバーチャルリアリティで体験するという、まったく新しい遊び方をプレイヤーに提供します」とザッカーバーグ氏は述べた。

このような象徴的なゲームを導入することは、同社の新たなバーチャルワールドに、より多くのユーザーを引き寄せる1つの方法であることは間違いない。FacebookのVRアカウントへのログイン要件に抵抗があるユーザーでも、ゲームの魅力につられるかもしれない。

ザッカーバーグ氏は、何をいつ期待するべきかについて多くの詳細を提供しなかったが、Facebookは何年も前から、GTAの名作をVRヘッドセットに導入することに取り組んでいたようだ。

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

かつてフェイスブックと呼ばれた会社が「Oculus」ブランドをさりげなく抹殺

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日朝に行われたAR/VRに特化したイベント「Connect」で、名前が変わってもFacebookMeta(メタ)のミッションは変わらず、既存のブランドも変更しないと発表した。

「私たちが何者であるか、そして何を築いていきたいかを反映させるために、今日から私たちの会社がMetaになったことを発表でき誇りに思います。当社の使命は変わらず、人々を結びつけることにあります。私たちのアプリやブランドも変わりません」とザッカーバーグ氏は述べた。

しかし、実際にはそうではないことがわかった。基調講演が終了してから約15分後、CTO(に就任予定)のAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏は、Facebookへの長い投稿の中で、新しいブランド再構築の一環として、Oculus(オキュラス)ブランドを廃止することを明らかにした。

28日のプレゼンテーションでは、Oculusというフレーズが目立って欠けており、Oculus Storeなどの機能は一貫してQuest Storeと呼ばれていた。ボズワース氏は投稿の中で、2022年初めからOculusアプリをMetaアプリに、Oculus QuestをMeta Questに名称変更するプロセスを開始すると詳細に説明している。

「私たちはみな、Oculusブランドに強い愛着を持っており、今回の決断は非常に難しいものでした。Oculusという名前は引退しますが、当初のOculusのビジョンは、Metaが今日のVRの大規模な普及を推進していく上で、引き続き深く根付いていると断言できます」とボスワース氏は書いている。

Facebookは2014年にOculus VRを買収した。

画像クレジット:David Fitzgerald/Sportsfile / Getty Images

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

フェイスブックが「Meta」に社名変更、メタバースを中核事業に

正式発表だ。Facebook、Instagram、WhatsApp、Oculusを擁するソーシャルネットワーキングの親会社は、17年間にわたって「Facebook」と呼ばれてきたが、社名を新しくした。

Facebookの社名は「Meta」になった。

Facebookの生みの親であるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、AR / VRに特化したイベント「Connect」でこの変更を発表し、新しい社名はメタバースを構築するという会社の中核的な野心を表していると語った。

「我々が何者であるか、何を構築したいかを反映するために、当社がMetaになったことを発表できることを誇りに思います。我々の使命は変わりません。人々を結びつけることです。我々のアプリケーションやブランドも変わりません」とザッカーバーグ氏は述べた。「これからは、Facebookファーストではなく、メタバースファーストでいきます」。

この名称変更は、Facebookにとって都合の良い時期に行われた。絶えず自社に対する反発に直面しており、特にここ数週間は元従業員がメディアや政府機関に大量の文書をリークし、Facebookが責任を持ってプラットフォームを構築する上で長年にわたって犯してきた過ちを詳述していた。同社は、数カ月前から社名変更のための準備を進めてきた。これは、同社の最も人気のある製品にまつわる絶え間ないネガティブな見出しから、同社の中核的なブランドを引き離すための努力であり、怒っている消費者を回避するためのもののようだ。

CEOのザッカーバーグ氏は7月、Vergeの記事の中で、Facebookがメタバースにすべてを賭けていることを発表した。これは、1兆ドル(約113兆円)規模の企業にとっては驚きの発表だった。その理由は主に、同社がバーチャルリアリティのハードウェアに多大な資金と労力を費やしてきた一方で、ソーシャルVR製品はほとんど短命という失敗に終わっており、ベータ版のソーシャルプラットフォーム「Horizons」については、1年半以上前に発表して以来、ほとんど何も語っていなかったからだ。

Facebookは8月に、VRで会議ができるように設計されたVRアプリについて、異例の大々的な発表を行った。ザッカーバーグ氏は朝のテレビ番組に出演し、小さなVRアプリの紹介に驚くほどの力を注いだ。

そして同社は9月「責任を持ってメタバースを構築する」というブログ記事の中で「これらの製品が責任を持って開発されることを保証する」ための研究に投資する5000万ドル(約56億円)の基金を発表した。同社は今月、設立間もない「Horizon Worlds」プラットフォームの開発者向けに、1000万ドル(約11億円)の小規模なクリエイターファンドを発表するとともに、メタバースプラットフォームを構築するために、EU域内で1万人もの従業員を雇用する計画であることを明らかにした。

先週のThe Vergeの記事には、Facebookは社名変更を検討しているようだ、とあった。

究極的には、主力事業を最も問題のあるプロダクトから切り離すことは、驚くべき行動ではない。しかしMetaに社名を変更することで、Facebookは自社のコアブランドを何年も先に進んだプロダクトと合わせる必要があり、メインストリームで成功するまでに多くの失敗を経験する可能性がある。Facebookはまだユーザー25億人を抱えるが、メタバース製品のユーザー数はせいぜい数千人程度だ。

テクノロジー業界の最大手企業が名前を大きく変えるのは、前例がないわけではない。Google(グーグル)は2015年に新しい会社組織を導入し、Alphabet(アルファベット)と呼ばれる親会社を設立した。Googleは現在もAlphabetの子会社だが、良くも悪くも、同社やその子会社に関係するものを「Google」と口語的に呼ぶ人が多いようだ。20年近くにわたってブランドを構築し、月間ユーザー30億人近くの製品に育ててきたFacebookも、おそらく同じような扱いを受ける。

Googleは自社の名前との間に距離を置こうとしていたわけではなく、Facebookはブランド変更の理由がまったく異なる。同社のビジネスは急成長を続けているが、2016年のロシアの選挙偽情報から、Cambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)スキャンダルのような重大なプライバシー侵害、そして現在はFacebookのシビック・インテグリティ・チームの元メンバーで、Facebookの内部告発者となったFrances Haugen(フランシス・ハウゲン)氏による進行中の暴露の数々と、そのブランドはここ数年で打撃を受けている。

また、Facebookは現在、テック業界のどの企業よりも規制当局の監視下に置かれていると言っても過言ではない。議員の意見が一致することはめったにない議会で、共和党と民主党はFacebookの拘束を受けない成長、非合理的なビジネス手法、そしてInstagramがティーンエイジャーの精神衛生に悪影響を及ぼすことへの懸念を共有し、嫌悪感を抱いている。

先週行われた上院の公聴会では、TikTok(ティクトック)、Snap(スナップ)、YouTube(ユーチューブ)の各ソーシャルメディア企業が、自社のビジネス手法をFacebookと明確に対比させようと躍起になっていた。YouTubeは「安全よりも利益を優先することはない」と断定した。Snapは自社が一定時間後に消えるな会話にフォーカスしていると指摘し、TikTokはティーンエイジャーのユーザーの健康状態を慎重に考慮していると主張した。しかし、Facebookの同業者たちの努力は無駄に終わったようだ。

Richard Blumenthal(リチャード・ブルーメンソール)上院議員は「Facebookと違うということは防御にはなりません」と述べた。「障壁は、溝の中にあります」。

原文へ

(文:Lucas Matney、Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

インドのSnapchatユーザーが1億人突破、eコマース大手FlipkartやAndroidスマホベンダーなどと提携へ

Snap(スナップ)は、現地時間10月27日、インドにおける月間アクティブユーザー数が1億人に達したことを発表した。これは、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)が5億人以上の人々にサービスを提供している重要な海外市場での快挙だ。同社は世界第2位のインターネット市場へのさらなる進出に向けて、Androidスマートフォンのベンダー、エンターテインメントTVチャンネルのSony(ソニー)およびZee TV(ズィーTV)、eコマース大手のFlipkart(フリップカート)など、さまざまな企業との契約を進めている。


Snapの共同創業者兼CEOのEvan Spiegel (エヴァン・シュピーゲル)氏は、同日に開催されたバーチャルイベントで、インド進出に貢献した同社のローカライゼーションの取り組みを紹介しながら、この節目を語った。この節目と今日の数多くのパートナーシップは、2~3年前までは存在感や関連性が限定的だったインド市場に対するSnapの戦略における大きな転換を示している(Snapは全世界で5億人以上の月間アクティブユーザーを抱えている)。

同社は近年、Androidアプリを改良したことでインドに進出した。インドでは、スマートフォンの98%以上がAndroidだ。Snapは、Durgesh Kaushik(ドゥルゲシュ・カウシク)氏をインド事業の責任者に任命したことで、現地のクリエイターや企業との関係を発展・改善させることにも大きく貢献したと、多くの人たちが最近の四半期にTechCrunchに語っている。

「私たちは、インドのコミュニティ向けにSnapchatをローカライズするために、多大な投資を行ってきました。文化的に関連のあるコンテンツを追加し、非常に活発でクリエイティブな現地のクリエイターコミュニティを開発し、現地の製品、マーケティング施策、言語サポートに投資してきました」と、イベントでシュピーゲル氏は述べている。

「インドのスナップチャッターにローカライズされた体験を提供するためのこうした取り組みの結果、現在、インドのスナップチャッターは毎月1億人に達しています。今後も、インドの文化や能力を称えることに重点を置きながら、インドのクリエイターのコミュニティを強化し、成長させ、リソースを提供していきます」と述べている。

Snapは、インド向けの2回目の年次イベントで、インドでの成長を加速させるために締結した数々のパートナーシップを発表した。同社は、AR体験を開発するために、インドのeコマース大手Flipkartと「戦略的パートナーシップ」を結んだ。同社によると、eコマース企業とこの種のパートナーシップを結ぶのは初めてのことだという。

「このパートナーシップにより、買い物客はSnapchat ARを通じてショッピングやeコマースを利用する体験を始められ、自宅にいながら簡単にショッピングを進めることができるようになります!」と同社は述べている。

Snapは、インドのSugar Cosmetics(シュガー・コスメティックス)およびMyGlamm(マイグラム)とも提携しており、両社は今後、SnapのARショッピングベータプログラムを採用して、バーチャルな美容・化粧品の試着体験を顧客に提供する予定だ。

「拡張現実は、インドにおけるSnapchatのサービスの中核をなすものです。文化的な関連性を保ち続け、ユニークなAR体験を提供するための当社の取り組みは、1億人のインドのスナップチャッターの共感を得ています。私たちは、ワークショップやレンズソン(ARレンズを用いたインドのクリエイター向けハッカソン)を通じて、学生や若者に必要なARスキルを身につけてもらうことを目指しています。私たちは、インドでより多くのローカルクリエイターと提携し、スナップチャッターが利用できるすばらしい体験の数を増やすことを目指しています。Snapでの私たちの狙いは、ARをこれまで以上に身近で便利で実用的なものにすることです」。とSnapの共同創業者であり、最高技術責任者であるBobby Murphy(ボビー・マーフィー)氏は、イベントで述べている。

もう1つのインド初の取り組みとして、Snapは、インド国内で1億台以上のデバイスをインストールしているAndroidの主要なOEMメーカー(Androidベンダー)と提携したとのことだ。これらの企業は、自社のデバイスにSnapchatアプリをプリインストールする。また、Samsung(サムスン)との提携により、SnapのAR機能付きレンズの一部をSamsungのインド向けスマートフォン「Mシリーズ」に搭載する「ファン・モード」を提供する。

また、Anushka Sen(アヌシュカ・セン)氏とVir Das(ヴィル・ダス)氏が出演する「What’s On My Plate」や「The Most Epic Max Show」など、多数のクリエイターショーを公開し、来年はインド全体で120エピソードの新コンテンツを委託すると述べている。

同社は「ディスカバリー」セクションがインドで非常に人気があると述べている。このセクションでは、ニュース、ファッション、エンターテインメント、コメディーなど、インドのローカルチャンネル70社のコンテンツを紹介している。現在、Sony Entertainment TelevisionやZee TVなどの大手エンターテインメントチャンネルとの提携を発表し、さらに多くの厳選されたコンテンツをアプリに掲載する予定だという。

また、インド事業では、あらゆる規模の企業に対応できるよう、収益化機能を急速に拡大している。2020年の新規広告主数は70%増加し、Spotify(スポティファイ)、Swiggy(スウィッギー)、LG、OnePlus(ワンプラス)、ITC Yippee Noodles(ITCイッペイ・ヌードル)などの企業と提携している。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ゲーム内広告の拡大とメタバースへの準備のためにアドテック企業Admixが資金調達

2020年6月、アドテック系スタートアップ企業のAdmix(アドミックス)が、シリーズAラウンドで700万ドル(約8億円)の資金を調達したことを紹介した。ロンドンに拠点を置く同社は、ゲーム、eスポーツ、仮想現実、拡張現実に広告を提供している。

大規模なゲーム内広告では、広告主が広告代理店のモデルに頼るのではなく、慣習的な広告購入プラットフォームを通じて、プログラムに従って入札を行うことができるが、この分野は広大であり、まだ十分に活用されていない。

Admixは、この広告モデルをさらに強化するために、シリーズBラウンドで2500万ドル(約28億4000万円)の資金調達を実施した。この資金によって同社はその「In-Play(インプレイ)」ソリューションの規模を拡大し、Facebook(フェイスブック)などの企業が明らかに構築を進めているメタバーズのような新しいプラットフォームに対応する準備を進めていく。

今回の資金調達により、Admixの総資金調達額は3700万ドル(約42億円)に達した。

この投資ラウンドは、Elefund(エレファンド)とDIP Capital(DIPキャピタル)が共同で主導し、Force Over Mass(フォース・オーバー・マス)、Notion Capital(ノーション・キャピタル)、Speedinvest(スピードインベスト)、Rocket Capital(ロケット・キャピタル)、Colopl Next(コロプラ・ネクスト)、Sure Valley Ventures(シュア・バレー・ベンチャーズ)、Sidedoor Ventures(サイドドア・ベンチャーズ)の他、成長投資家のKuvi Capital(クヴィ・キャピタル)やゲーム業界のエンジェル投資家たちも参加した。

AdmixのCEO兼共同設立者であるSamuel Huber(サミュエル・ヒューバー)氏は次のようにコメントしている。「私たちはインターネットが新たなステージに入ると考えています。それはWeb 3.0あるいはメタバースと呼ばれるもので、リアルタイムの3Dインタラクションと、ゲーム業界が先導する新しいクリエイター経済を特徴とします。【略】私たちの業界の多くのプレイヤーは基本的に代理店ですが、Admixはクリエイターが可能な限り最善の方法でコンテンツを収益化できるための重要なインフラを構築しています」。

Elefundの創業者兼マネージングパートナーであるSerik Kaldykulov(セリク・カルディクロフ)氏は次のようにコメントしている。「サムとジョーは、まさしく我々がElefundで一緒に仕事をしたいと思っているタイプの創業者です。彼らはデジタルゲームの未来に対するすばらしいビジョンを持って、AdmixとIn-Playを作り上げました。彼らはメタバースと呼ばれるようになる世界において、消費者と企業がどのように存在し、どのように相互作用するかということが形成される上で、引き続き重要な役割を果たすだろうと、私たちは信じています」。

さらに詳しくいうと、同じ分野の企業にはBidstack(ビッドスタック)、Adverty(アドバーティ)、Anzu(アンズ)、Frameplay(フレームプレイ)などがあると、ヒューバー氏は語る。しかし、これらの企業との違いは、Admixが「データを利用して、適切なゲームの、適切なユーザーに、適切なタイミングで、邪魔にならない広告を提供するためのプロセスを自動化するインフラを構築している」ことだと、ヒューバー氏はいう。「この技術は、スケーラビリティ(同社は過去2年間で300以上のゲームと数百の広告主と取引したが、90%はセルフオンボーディングしている)とネットワーク効果が防御可能であることを意味します。それが、このカテゴリーを支配するためにVCが当社に賭けている理由です」。

Admixは最近、Calvin Klein(カルバン・クライン)、Schuh(シュー)、Movember(モーベンバー)、Sky(スカイ)といったブランドと、In-Playを使った広告活動の契約を結んでいる。

画像クレジット:Admix / Samuel Huber, co-founder

原文へ

(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アドビが「ウェブ版」アプリに力を入れる理由とは?Creative Cloud製品群・最高製品責任者ベルスキー氏インタビュー

アドビが「ウェブ版」アプリに力を入れる理由とは?Creative Cloud製品群・最高製品責任者ベルスキー氏インタビュー

Webブラウザ版Photoshop

アドビは10月27日から28日にかけて、クリエイティブの祭典「Adobe Max 2021」を開催する。本稿では、同社Creative Cloud製品群の最高製品責任者であるスコット ベルスキー(Scott Belsky)へのグループインタビューを元に、質疑応答の内容を抜粋してお届けする。

アドビ、Creative Cloud担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CPO(最高製品責任者)のScott Belsky(スコット ベルスキー)氏

アドビ、Creative Cloud担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CPO(最高製品責任者)のScott Belsky(スコット ベルスキー)氏


── 2021年におけるクリエイター市場でのトレンドをどのように把握していますか?

いくつか興味深いトレンドがありました。例えば、写真でしたら、当然普段なら実際にその場所へ行ったりとか、もしくはスタジオで撮影したりするわけです。こういった部分での成長は大きくありませんでした。一方で、ビデオや、3D、「イマーシブクリエーション」と呼ばれる没入型のコンテンツ制作の分野に関しては、かなり大きな成長が見られました。

特に企業やブランドがお客様に対し、エンゲージするためのコンテンツを作りの重要性を認識したことで、さまざまなソーシャルプラットフォーム上でビデオが使われるようになりました。また、3D&イマーシブというセクターにおいては、以前でしたら多くの企業がスタジオで物や人を撮影していましたが、最近は3Dでレンダリングすることが増えてきています。

──トレンドとして挙げられた3D&イマーシブジャンルについて、アドビとしては3Dモデリング制作ツールなどの展開をどうお考えですか?

3D&イマーシブにおけるクリエイティブの世界は、まだ早期の段階にあると思います。これまでにコンシューマーの多くが3Dを経験したのかと考えても、そうではないはずです。一方で、将来的には私たちは、ARを駆使した世界で生活し、エンターテインメントの多くもVRになっていくことでしょう。こういった世界においては、全てのクリエイティビティに関するプロフェッショナルが3Dや没入型、あるいはインタラクティブなコンテンツものを作らなくてはならなくなります。

私たち自身がよりバーチャルな世界で生活することを「メタバース」と言ったりもします。そんな世界では、ファッションや、アクセサリー、そして3Dの空間といったものが、一層必要とされてくるのだと思います。そのため、私たちにとっても、「Adobe Substance 3D Collection」を充実させるのが非常に重要だと思っています。これはクリエーターの方々が、新しいバーチャルな世界において、制作活動を続けていくために欠かせません。そのためには、 やはり3Dの能力や機能をPhotoshopやIllustratorといったプロダクトに含めていくことが重要であると考えています。

──今回、Creative CloudスペースやCreative Cloudカンバスなど、Web上でのコラボレーションを想定した新サービスが登場しました。その背景についてお聞かせください。

クラウドドキュメントの開発は、私たちにとっても長い旅路になると思っています。元々、最終的には全てのプロダクトをクラウドに持っていきたいという意図はありました。また、お客様からも私たちの製品をあらゆるところで使いたい、例えば「どんな場所にいてもiPadでPhotoshopを使いたい」とか、「Webでのコラボレーションをより簡単にしたい」といった、要望がありました。

こうした背景もあって、私たちはクラウドドキュメントに対して方向性を定めなければいけないと考えてきました。アドビという企業はかつて、ローカルでのファイル格納や、デスクトップ製品に慣れていました。そういう意味において、Web上でのサービス提供は大きなトランスフォーメーションになると思います。こうした変化は、コロナ危機によって加速したと言える側面もあります。

私たちとしては、クラウド上にプロダクトを持ってくることによって、より多くの可能性を開放できると考えています。皆さんがより共同作業を行いやすくなりますし、異なるデバイスを使うこともできる。クラウドでしか実現できないようなAIのパワーをワークフローに取り入れることも可能です。さらに、その他のWebアプリケーションやクラウドサービスとの相互接続性も担保されていきます。

──10月に買収完了した「Frame.io」についてお伺いします。同社由来の機能をCreative Cloud製品群へのネイティブに実装することで、どのような進化が期待できるでしょうか?

Creative Cloudの全てのセグメントでどのようなコラボレーションをしたいか、を表しているのがこの「Frame.io」です。まず、このFrame.ioには、深いオプションがありまして、権限管理や、ビデオのウォーターマーク(透かし)付与、エディターのフィードバックの管理などが行えるのが特徴です。Frame.ioを使うようになったお客様は、よく「Frame.ioを使っていなかったころ、どうやっていたのか覚えていない」と仰られることが多いですね。

我々は、Adobeのプロダクトを利用する全てのお客様に対して、こういった魔法のようなコラボレーション機能を同じレベルで提供したいと考えています。

──Adobe MAXの完全オンライン開催は今回で2年目になります。昨年の経験が活かせた部分などはありますか?

「どういうふうになるのか」が何となく想像がついている点で、昨年よりも今年の方がよりリラックスして臨めましたね。例えば、私は基調講演の収録をしますので、自分が語りたいストーリーを考える際に、新しい人たちだったり新しい製品だったり、新しい声だったりを十分にカバーできたと思います。

ただ、そうは言っても、実際にお客様とお会いするということがなかなかできないのは少し残念には感じます。通常でしたらカリフォルニアや東京で行うイベントですので、現場でコミュニティやお客様との繋がりが生まれることになります。それができないのは大変残念です。

将来的には、オフラインとオンラインのハイブリッドでできればな、と思います。オンラインのセッションで何百万人もの人たちに、色々と語る機会があって、同時にコミュニティの繋がりを生むイベントなどもできればいいなと思っています。

──ありがとうございました。

なお、昨年開催されたAdobe MAX 2020における動画視聴回数は2100万回以上を記録したという。400以上のセッション、キーノート、MAX Sneaks、ワークショップが実施され、Adobe.comのイベントサイトへの訪問は220万回以上、ソーシャルインタラクションは5000万回以上を記録した。

2021年のAdobe MAX 2021は、日本時間10月27日~28日の2日間に渡って開催され、基調講演や400以上のブレイクアウトセッションが公開される予定だ。日本向けのオリジナルセッションも50以上用意され、すべて無料で視聴できる。アーカイブ視聴も用意されるので、ぜひチェックしてみて欲しい。

(井上晃(AKIRA INOUE)。Engadget日本版より転載)

ナイアンティックがスマホAR「ピクミン ブルーム」を配信開始、任天堂と共同開発した「歩くことを楽しく」アプリ

ポケモンGOのナイアンティックが、任天堂と共同開発したスマホアプリ『Pikmin Bloom』(ピクミン ブルーム)の配信を開始しました。

『ピクミン ブルーム』は「歩くことを楽しくする」アプリ。従来の『ピクミン』の移植ではなく、ポケモンGOのように元のゲームを現実世界で再構成したものでもなく、「ゲーム」という言葉も使っていません。

では何かといえば、日々の散歩や通勤通学で歩くこと全般を、「不思議な生き物ピクミンを引き連れて一緒に歩く」世界観と、発見や収集・地図埋めといったゲーム性でもっと楽しめるように支援するアプリ。よく聞く言葉でいえばウォーキングの「ゲーミフィケーション」です。

ピクミンと一緒に花を植えつつウォーキング。コーヒーカップに入ったデコピクミンも

ピクミンと一緒に花を植えつつウォーキング。コーヒーカップに入ったデコピクミンも

具体的な内容は、歩いて苗を育ててピクミンを増やす(要するにポケモンGOのタマゴ)、珍しい種類のピクミンを集める、歩きながら花を植えて地図上を花畑にする(ここが「ブルーム」)、毎日の歩数や発見を記録して振り返るライフログなど。

いわゆるスマホゲームをしない人にも始めやすい一方で、歩くほどにピクミンが増え新たな発見があるなどついつい進めたくなる / 歩きたくなる仕掛けの数々を用意しており、広い意味では間違いなくゲームです。

引き連れて歩けるピクミンが増えるほど拾ってくるものも増え、遠征のような「おつかい」要員も増えるため、最初はただひたすらにピクミンを育てて引っこ抜いて増やすことが目的であり楽しみになります。

ふかそうちならぬバックパック型プランターに苗をセットして育成。基本のピクミンは当初7種

ふかそうちならぬバックパック型プランターに苗をセットして育成。基本のピクミンは当初7種

ポケモンGOと並行しやすい低負荷

「集める・見つける」と聞くとポケモンGOの二番煎じのようですが、ピクミン ブルームの特徴はプレーヤー / ユーザーの注意資源をあまり使わず、好きなタイミングで進められること。

ポケモンGOではプレーヤーがマップを注視して、欲しいポケモンがいたらその場でタップして狙ってボールを投げるなどリアルタイム性があり、いま手が離せないから!とスマホに集中するタイミングがありますが、ピクミン ブルームでは基本的に歩いているうちにピクミンが苗やフルーツなどを見つけたり拾ってくれるため、移動中はスマホを出さなくても別のことに使っていても、後から好きなタイミングで確認して受け取ることで進められます。

花を植えて歩く「ブルーム」

もうひとつの特徴は、タイトルにもなっている花を咲かせる要素。ただ歩くだけでも自分だけの地図上には足跡が残り、ライフログとして振り返ることができますが、 ピクミンの頭から収穫する「花びら」を消費して「花植え」して歩くと、マップ上にほかのプレーヤーからも観られるカラフルな花が咲きます

「花植え」をオンにして歩くことで普段通る道沿いに花を咲かせたり、色の違う花びらを使って装飾的な花畑を作ることも。ピクミン ブルームのプレーヤーが増えるほど街が花で溢れ、多くの人が歩く経路ほど花の道として可視化されることになります。

巨大な花はIngressのポータル、ポケモンGOのポケストップに相当。周囲に花を植えると咲く謎生態系

巨大な花はIngressのポータル、ポケモンGOのポケストップに相当。周囲に花を植えると咲く謎生態系

花植えはただ目に楽しいだけでなく、プランターのなかの苗の成長が加速(タマゴが孵りやすく)、ピクミン苗や果物などの発見率向上、地図上の特定ポイントに生えた大きな植物の成長を加速といったゲーム的な誘引もあります。

(マップ上の巨大な花は、ポケモンGOではポケストップがあるポイントに対応。最初は芽や葉の状態で、近くに花植えすると謎の効果で成長が促進されて巨大な花が咲きます。巨大な花が咲いたポイントでは珍しいアイテムを発見する確率が上昇。咲いているから近くまで歩こう、もう少し育てようと歩く誘引になります)

さらにこの花植えは、オプションの「みんなで花植え」モードも選択可能。みんなで花植え中は花だけでなく自分のアバター(Mii)もリアルタイムにマップに現れ、一緒にウォーキングと花植えが楽しめます。ナイアンティックではこの「みんなで花植え」を使ったイベント「コミュニティ デイ」を毎月実施する予定。

(花植えについて注意。花植えオンのままたとえば駅から徒歩で帰宅すれば、もし他のプレーヤーが少ない場所なら、最寄りから自宅まで分かりやすい一本道がしばらく(数日間)残ることになります。

誰が植えた花かまではアプリから分かりませんが、リアルでピクミン ブルームを遊んでいることを知られているが家までは教えたくない相手など条件が揃えば、少々面倒なことになりかねません。

アプリ上でも注意がありますが、花植えのオンオフは意識的に、跡を残したくない場所では使わない注意が必要になりそうです。といっても花植えには有限の資源を消費するため、切り忘れて永遠に行動範囲に線を引くことにはなりません。もしもの場合は、設定から歩行と花植え履歴を削除することもできます。)ナイアンティックがスマホAR「ピクミン ブルーム」を配信開始、任天堂と共同開発した「歩くことを楽しく」アプリ

デコピクミン、ポストカード、ライフログ、AR

基本は「歩く、たまにアプリを開いてピクミンが拾った苗や果物を回収、苗はプランターにセット、育ったら引っこ抜いて増やす」の繰り返しだけでも、シンプルにピクミンの数や種類が増えてゆくことを楽しめます。

上記の「花植え」のほかさらに楽しむ要素としては、ピクミンが自分の出身地にちなんだアイテムを拾って身につける「デコピクミン」集め、ピクミンが拾ってくる様々な場所の「ポストカード」集めやフレンドとの送りあい、その日の足跡と写真、一言コメントを足したミニ日記のような「ライフログ」をつけて後から振り返るなど。ナイアンティックがスマホAR「ピクミン ブルーム」を配信開始、任天堂と共同開発した「歩くことを楽しく」アプリ

ポケモンGOのようなAR写真ももちろん撮影可能。ピクミンの隊列をまるごと撮影できます。もとのピクミンがリアルな地形のかげに小さな謎の生き物というビジュアルだったため、多数のピクミンが果物やアイテムを抱えて現実に現れるスケール感はなんとも言えない楽しさ。

動画でもマカロンになったピクミンなど見たこともない個体が写っていましたが、ゲーム的に攻略するユーザーには「デコピクミン」集めが熱くなりそうです。

ピクミン ブルームは10月27日から、まずシンガポールとオーストラリアで正式配信を開始。数日間で他の地域にも展開する計画です。

Engadget日本版より転載)

Facebook Messengerグループビデオ通話に新しいAR体験を追加

Facebook Messenger(メッセンジャー)は、ビデオ通話や同プラットフォームのビデオ会議機能であるMessenger Rooms(ルーム)に、新しい拡張現実(AR)体験を展開している。同社は、新機能「Group Effects(グループエフェクト)」が近日中にInstagram(インスタグラム)にも登場するとしている。

Facebookが、ARエフェクトを共有体験にすることを目指していると言っているように、グループエフェクトは、ビデオ通話に参加している全員に効果がある。ユーザーは、最高のハンバーガーを最も早く作ることを競うゲームなどを含む70以上のグループエフェクトのライブラリからエフェクトを選ぶことができる。

新しいグループエフェクトを確認するには、ビデオ通話を開始するかルームを作成し、笑顔をタップしてエフェクトトレイを開き、グループエフェクトを選択する。そこから、通話に参加している全員に適用されるAR体験を選択することができる。

さらにFacebookは、2021年10月末にSpark AR APIへのアクセスを拡大し、より多くのクリエイターや開発者がグループエフェクトを構築できるようにするとしている。

画像クレジット:Facebook

「グループエフェクトは、友達とつながるための、より魅力的でインタラクティブな方法を提供します。また、クリエイターのコミュニティをサポートし、人々が自分自身を表現する方法を増やすことができます」と同社はブログで述べている。

また、Facebook Messengerは、チャット内でアニメーションを起動する新しい「suggested word effects(メッセージエフェクト)」を展開している。例えば「おやすみ」や「おめでとう」などの単独のメッセージを送信する際に、その言葉に合わせてエフェクトを作成するオプションが表示されるようになった。Facebookは8月に、特別な祝日や内輪のジョークのためにエフェクトを発表したが、今回、この機能を日常的なフレーズにも拡大した。メッセージエフェクトは、すべてのiOSユーザーに提供されており、今後数週間のうちにAndroidでも利用できるようになる。

また、映画「007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開を受けて、ジェームズ・ボンドの「soundmojis(サウンド文字)」も新たに提供する。また「ケア」をテーマにしたものや、お化けのようなハロウィンテーマなど、新しいチャットテーマも登場する。Facebook Messengerは、ハロウィーンに合わせて4つのお化けの世界のARエフェクトを展開する。

MessengerのグループARは、Facebookが「メタバース」の取り組みを強化している中で登場したもので、共有された仮想体験を作り出すというテーマに沿ったものとなっている。

画像クレジット:Muhammed Selim Korkutata/Anadolu Agency / Getty Images (Image has been modified)

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Snapが企業のAR開発を支援するスタジオを公開

米国時間10月19日、SnapはブランドがARの広告やエクスペリエンスを開発する支援をするグローバルなクリエイティブスタジオの公開を発表した。この新しいスタジオはArcadiaという名称で、ウェブプラットフォームとアプリベースのAR環境にわたって使用できるエクスペリエンスを開発する企業を支援することを目的としている。

このスタジオはブランドおよびクリエイターと連携してSnapchatのミレニアルやZ世代の利用者に働きかけていく。ArcadiaはすでにVerizon、WWE、Shake Shack、P&G Beautyなど多くの企業と連携している。

ArcadiaはSnapの1部門として活動し、独立した運営で自由にクリエイティブな活動をして、Snapchatだけでなく他のソーシャルメディアプラットフォームでも使えるARエクスペリエンスを開発するブランドを支援する。Snapは、Arcadiaはブランドとクリエイターのゴールに応じてさまざまなサービスを提供すると説明している。例えばあるブランドのARプロダクションをすべて請け負うこともできるし、ワークショップやトレンドレポートの形でAR戦略に関する専門性をクライアントに提供することもできる。

Snapのクリエイティブ戦略担当グローバル責任者であるJeff Miller(ジェフ・ミラー)氏は「Arcadiaは、巧みな技術、テクノロジー、カスタマーエクスペリエンスに根ざした世界有数のARエクスペリエンスを短時間で開発する価値を理解しているブランドや代理店に、魅力あるソリューションをお届けします。ArcadiaをスタートすることでSnap Inc.はこれまで以上にARのエコシステムに投資し、パートナーやクリエイター、ツールの支えを受けて、世界中の企業にフルファネルの結果をもたらします」と述べた。

Snapは近年、Snapchat全体でAR機能をさまざまな方法で活用している。最初に人気となったのはユーザーの写真やビデオに犬の耳などを重ねるフィルタ機能だった。その後、この機能を拡張して動くBitmojiキャラクターをビデオに追加できるようにした。

最近では、デベロッパー向けツールとAR技術プラットフォームのLens Studioに関するアップデートを発表した。その多くはショッピングをSnapchatのエクスペリエンスに深く取り込むことを主眼にしている。同社は2021年5月にARグラス「Spectacles」の新世代バージョンも発表した。この第4世代のARグラスは1回の充電で30分間動作し、デュアル3D導波路ディスプレイを搭載し、視野角は26.3度だ。

関連記事
SnapchatにARとカメラを活用したコマース重視の新機能追加
SnapがARグラス「Spectacles」の新世代バージョンを発表

画像クレジット:Snap

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

フェイスブックの名称が変わる?メタバースにフォーカスした名称への変更を計画中との報道

The Vergeによると、Facebookは、メタバースの構築に注力するために、新しい名称でリブランディングすることを計画しているという。

CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、米国時間10月28日に開催される年次カンファレンス「Connect」でその新名称を発表する予定だというが、報道によるとそれ以前に新名称を発表する可能性もある。

ソーシャルメディア以外でも広く知られたいと目論むFacebookは、米国時間10月17日、同社が将来において重要な要素だと考えるメタバースの構築を支援するために、今後5年間ヨーロッパで1万人の雇用を募集する計画を発表している。

また、同社は1カ月前に、ARとVRの責任者であるAndre Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏が最高技術責任者に昇格することを発表している。Facebookにはすでに1万人以上の従業員がおり、ザッカーバーグ氏がスマートフォンと同じくらいユビキタスになると考えているARグラスといった消費者向けハードウェアを開発、製造している。

2021年7月、ザッカーバーグ氏は、Facebookの未来はユーザーがその中で生活、仕事、遊べるバーチャルメタバースにあると述べた。

今回のブランド変更は、米上院商業科学運輸委員会で証言した内部告発者Frances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏が流出させた一連の内部文書など、さまざまなスキャンダルでFacebookが批判にさらされている時期に行われることになる。Facebookは、現在も米国政府による独占禁止法の調査を受けている

Facebookの広報担当者は「ウワサや憶測にはコメントしない」と述べている。

画像クレジット:Lionel Bonaventure / Getty Images

原文へ

(文:Kate Park、翻訳:Katsuyuki Yasui)

グーグルの3D美術館「Pocket Gallery」がウェブからも楽しめる

GoogleのArts & Cultureチームは、2018年に「Pocket Gallery(ポケットギャラリー)」を提供開始し、史上初めてヨハネス・フェルメールなどの芸術家の作品、通常は公開されていなかった作品もAR対応のスマートフォンユーザーで鑑賞できるようにした。米国時間10月14位、同チームは、「ポケットギャラリーPocket Gallery

関連記事:Google、デジタルアート・ギャラリーにARを導入

Pocket Galleryの当初の目標は、これまで見たことのない展覧会をデジタル3D形式で提供することだった。そしてこの度のウェブ化によって、ギャラリーはデスクトップや、AR非対応のスマートフォンでも鑑賞できるようになり、デジタル展覧会はより観やすくなった。

「お気に入りのブラウザを開くだけで、Pocket Galleryのすべてを3Dで観ることができます。世界のアートツアーを音声付きで楽しみ、ショーヴェ洞窟で人類最古の絵画を鑑賞し、古代インドの細密画に驚嘆したり、Klimt vs. Klimtで矛盾を抱えた人間を発見したりすることができます」とGoogle Arts & CultureのアソシエイトプロダクトマネージャーであるJoe Shepherd(ジョー・シェパード)氏はブログで述べている。

一部の作品には歴史の解説があり、またいくつかの作品は近寄って細部を観ることができる。また一部のギャラリーでは、音声付きのツアーでこの展覧会の見どころを解説し、作品の歴史的な由来の解説などもある。

画像クレジット:Google

また、フランスのRéunion des musées nationauxの協力による特別展示もある。ユーザーはバーチャルガイド付きのツアーに参加して「maritime tales, stormy landscapes, and shores swathed in light(海の物語、嵐の風景、光に包まれた海岸)」の美術作品を鑑賞できる。この特別展示にはベルサイユ宮殿やルーブル美術館などヨーロッパ屈指の美術館が提供した、海の絵画の傑作40点がある。

「私たちの最新のギャラリーで、海の神秘を解き明かすことをお楽しみください。ウェブからご覧いただけるPocket Galleryで、新しい角度から集めた文化的名品の、充実したコレクションをご経験ください」とシェパード氏はいう。

Pocket Galleryの展覧会は、Google Arts & Cultureのウェブサイトや、AndroidiOSでダウンロードしたGoogle Arts & Cultureアプリで見学できる。

画像クレジット:Mitch Barrie/Flickr CC BY-SA 2.0のライセンスによる。

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マイクロソフトと米軍がARヘッドセット「HoloLens 2」ベースのIVAS供給契約を1年延期、2022年9月へ

マイクロソフトと米軍がARヘッドセット「HoloLens 2」ベースのIVAS供給契約を1年延期、2022年9月へ

Courtney Bacon/US Army

今年の春、米陸軍とマイクロソフトはARヘッドセット「HoloLens 2」をベースとした統合視覚補強システム(Integrated Visual Augmentation System:IVAS)の供給で、向こう10年間(基本5年、オプション5年)の契約を結びました。この契約は2021年9月30日から開始され、マイクロソフトは順次ARゴーグルの供給を開始する予定でしたが、Reutersが報じたところでは予定日を過ぎてもデバイスの納入は始まっておらず、契約開始日が1年先送りの2022年9月からになったと伝えられています。

延期の理由は定かではありませんが、マイクロソフトはこの10月上旬、国防総省の監察官からシステム的な要件を満たすかどうかの監査を受けています。とはいえ、監査の結果が延期につながるものかはわかりません。米陸軍はIVAS契約に「完全にコミット」していると述べており、9月にもテストを実施していました。このテストは来年9月まで定期的に行うとのことです。

ちなみに、IVASは戦闘支援と訓練の両方で利用できるようになっており、戦闘の現場でもまるでSF映画やゲームなどにみるHUD表示のように、ゴーグル内に隊の位置やその他重要な情報を表示確認できます。暗視機能も備え夜間や地下といった暗い場所での作戦遂行にも利用が可能です。訓練の場においては演習に関する情報を提供し、インストラクターが特定の技術向上のためのメニューを提示するのに活用されます。

なお、米軍とのHoloLens契約に関しては、正式な契約に至る以前から、マイクロソフト社内に反発の声が聞かれました。従業員たちの一部は、自社の技術が軍を直接支援して、実際の戦争をゲームのように感じさせてしまうことに反対しています。しかし、サティア・ナデラCEOは契約を翻す考えはないと主張してきました。もし仮にマイクロソフトがこの契約を失ったりすれば、会社としての収益とHoloLens事業そのものに大きな打撃となることは間違いありません。

(Source:DoD(PDF)Engadget日本版より転載)

Appleマップが3Dビューを展開、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコで

Apple(アップル)は、「マップ」アプリ内で、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコなど、多くの都市に3Dマップを導入する。iOS 15で提供されるこの体験は、市場をリードするGoogleマップとの競争力を高めるためにAppleのマッピングプラットフォームに数年にわたって行われた投資の結果だ。このアップデートには、現在主要な市場に導入されているような3Dマップの追加だけでなく、全体的により詳細な地図、改善された交通機関の機能、AR表示モードなども含まれている。

関連記事:AppleマップがiOS 15アップグレードでより詳細な地図、交通機関ナビ、ARビューなど追加

これらの機能の多くは、充実した機能を得るためまず米国および世界の主要都市で導入され、時間をかけて展開してきた。例えばARビューイングは、2021年に入ってから一部の都市で開始された

画像クレジット:Apple

Appleによると、3Dマップでは、ユーザーは近隣地域、商業地区、マリーナ、ビルなどの詳細を見ることができ、標高の詳細、新しい道路ラベル、さらにはカスタムデザインされたランドマークも表示されるという。

例えば、サンフランシスコのコイトタワー、ロサンゼルスのドジャー・スタジアム、ニューヨークの自由の女神、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールなど、有名なスポットのレンダリング画像がマップに表示され、今後さらに多くのランドマークが追加される予定だ。

画像クレジット:Apple

2021年後半には、フィラデルフィア、サンディエゴ、ワシントンD.C.でこの種の3Dマップが利用できるようになるとAppleは述べている。そして2022年には、モントリオール、トロント、バンクーバーでも利用できるようになる。

Appleは、より明確に表示されるターンレーン、中央分離帯、バス・タクシー用レーン、横断歩道などによって、道路レベルでのナビゲーションも強化している。これらは3D表示モードで表示されるため、交通状況に応じて最適な車線を選択したり、より良いルート計画を立てたりすることが容易になる。また、Googleマップと同様に、現在の道路状況に基づいた到着予定時刻も表示される。Appleは、これまで2021年のリリースが発表されていたこの新しいナビゲーションが、具体的な期限はなしに2021年後半にCarPlayに搭載される予定であると述べた。

画像クレジット:Apple

同様に、2021年初めに発表されていた他の地図のメジャーアップデートも現在展開中だ。これには、Citymapperのような、交通機関を利用する人たちに好まれるサードパーティのアプリケーションに対して、Appleマップがより競争力を持つように設計された機能が含まれている。近くの交通機関の駅が画面上部に大きく表示され、ユーザーはお気に入りの路線をマップにピン留めして簡単にアクセスできるようになった。また、Apple Watchでもできるように、路線を選択すると、降りる時間になるとマップが自動的に通知する。

Appleマップは、拡張現実(AR)を利用したステップ・バイ・ステップの案内で、より臨場感のある徒歩ルート案内を提供する。これは、ユーザーが携帯電話をかざして周辺の建物をスキャンすると、マップがより正確な位置を生成し、より詳細な案内を提供するというものだ。この機能は、2021年に入ってから一部の市場で提供されている。

iOS 15のユーザーは、新しい3D地球儀を見ることができる。また、マップの「ガイドを詳しく見る」ボタンをタップすると、Time Out、The Washington Post、The National Park Foundation、Complex、The Infatuationなどが提供する厳選されたガイドにアクセスすることがでる。これらのガイドは世界中の都市での観光ガイドを提案する。また、ユーザー自身がガイドを作成し、友人や家族と共有することもできる。

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

NASAが女性初の月面歩行を実現する宇宙飛行士を描くARコミック公開、次世代人材の獲得に向けた取り組み

NASAが女性初の月面歩行を実現する宇宙飛行士を描くARコミックを公開、次世代人材の獲得に向けた取り組み
米国では9月25日をコミック本を祝う日”Nationlal Comic Book Day”としてイベントなどが行われていましたが、これに合わせてNASAは、デジタル・インタラクティブ・ノベル「First Woman: NASA’s Promise for Humanity」を公開しました。これは月面探査をする女性宇宙飛行士キャリー・ロドリゲスを描いた架空の物語で、アルテミス計画において、女性で、なおかつ有色人種として、初の月面歩行を実現するという歴史的偉業を達成するというあらすじ。

作品は40ページのコミック版では月への宇宙旅行、着陸、月面探査に使われるNASAの技術が紹介されていて、ブラウザーで読んだり、PDFでダウンロードもできます。また音声バージョンもSoundCloudなどで聴くことが可能です。

そしてモバイルアプリで提供されるデジタル版(Android版iOS版)では、拡張現実(AR)要素を盛り込んだインタラクティブな体験が提供され、読者は実物大であったり3DでOrion宇宙船や月面探索などができるようになります。そのほかにもゲームや動画をプレイまたは視聴したり条件を満たしてバッジを取得したりして楽しめるようになっています。

作品は次の飛行士になる世代に宇宙への興味を持ってもらうことを目的としたもので、NASA宇宙技術ミッション部門のコミュニケーション・ディレクター、デレク・ワン氏は「このグラフィック・ノベルとデジタル・エコシステムは、これまでにない刺激的な方法でNASAの仕事を知っていただくために制作しました。魅力的で親しみやすいコンテンツは幅広い年齢層の宇宙ファンから、STEM教育の新しい方法を探している熱心な教育者まで、誰にでも楽しんでいただける内容になっています」と述べています。

子供向け、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、コンテンツにはNASAの長期的な計画もわかりやすく記されているとのことなので、興味があれば見てみるのも良さそうです(ただしすべて英語です)。なお、NASAはこのコンテンツのスペイン語版も提供する予定とのこと。スペイン語のほうが得意ならそちらをお待ち下さい。

(Source:NASA(1)(2)Engadget日本版より転載)

コミュニティの反発を受けて、ポケモンGOで新型コロナウイルス対策の仕様変更が復活

「Pokémon GO(ポケモンGO)」は米国時間8月26日、ソーシャルディスタンスを保ちながらゲームをプレイしやすくするための仕様変更を、恒久的に維持すると発表した。

この仕様変更は、新型コロナウイルスの蔓延に合わせて導入されたもので、ゲームプレイに欠かせない拡張現実の主要なランドマーク(ジムやポケストップ)にアクセスできる距離を、それまでの2倍にするというものだった。ポケモンGOを提供するNiantic(ナイアンティック)は、8月初めにこの仕様変更を解除したが、コミュニティやクリエイターからの反発を受け、数週間後に恒久的に復活させることにした。

トレーナーのみなさん、9月1日にタスクフォースの結果として私たちの計画をお伝えするのを楽しみにしています。しかし1つだけ、お待たせさせずにお伝えしたいことがあります! 今後、全世界のポケストップとジムの基本交流半径は80mとなります。(1/2)

Pokémon GO

新型コロナウイルス流行前のポケモンGOでは、プレイヤーはポケストップやジムにアクセスするために、半径40メートル以内にいる必要があった。しかし、今回の恒久的な変更により、その半径は80メートルに拡大された。特に障がいのあるプレイヤーは、この変更によって、移動手段が限られている人でも、ゲームにアクセスできるようになったことを実感していた。ポケモンGOは、ARモバイルゲームの先駆けとして、ポケストップやジムのように現実世界の指定された場所に移動できないと、事実上プレイできない。それらの場所に、より遠くからアクセスできるようになったことで(例えば、車イスのユーザーが舗装された歩道から離れられなくても)、新たなプレイヤーにゲームを開放することができた。

ポケモンGOは長い間、現実世界の探索を促すゲームとして位置づけられてきたため、世界的なロックダウン(都市封鎖)はナイアンティックに固有の課題をもたらした。アクセス可能な距離を40メートルだけ伸ばしたり、ポケモンの出現数を増やしたり、より多くのポケモンボールを手に入れやすくするなど、小さな変更を加えることによって、ポケモンGOは自宅にいてもプレイしやすいゲームになった。

これらの変更は、ゲームを壊したり、冒険心を否定したりするものではなかった。そのため、特に現在のデルタ変異株が拡散しつつある状況を考えると、これらの好評だった変更を元に戻すという決定は、プレイヤーを困惑させた。財務面を見ても、このアプリは新型コロナウイルス流行の間に大きな利益を上げていることがわかる。2020年には10億ドル(1100億円)以上を稼ぎ出し、ポケモンGOが2016年に始まってから最高の収益を記録した。アプリ分析会社のSensor Tower(センサー・タワー)によると、この上昇傾向は2021年の上半期も続き、6億4200万ドル(約706億円)の収益を上げているとのこと。2020年上半期の4億7900万ドル(約527億円)と比較すると、消費者の支出が34%増加したことを示している。

親愛なる@NianticLabsさま
最近の #PokemonGO のゲーム内変更について、コミュニティはあなたに再考を求めています。私たちはこのゲームを愛し、ともに築きあげてきたコミュニティを愛しています。このゲームは包括性と多様性の上に栄えてきました。あなたがそれを理解していることを示してください。

ZoëTwoDots

ナイアンティックが交流半径を縮めた後、ポケモンGOのコンテンツクリエーターとコミュニティメンバーは協力して同社宛てに公開書簡を書き上げ、Twitter(ツイッター)ではハッシュタグ「#HearUsNiantic」がトレンド入りした。この公開書簡では、交流半径を広げることで、ゲームがより安全でアクセスしやすくなり、煩わしさが減ると訴えていた。

関連記事:ポケモンGOの新型コロナ対策ボーナス廃止を受けインフルエンサーたちがボイコットを示唆

一部のプレイヤーは、8月5日に「Pokémon No Day(もうポケモンはやらない)」と呼ばれるゲームのボイコットを組織した。同日、ナイアンティックは、ポケモンGOコミュニティに宛てた回答書を発行した。

「人々が探求し、運動し、安全に人と一緒に遊ぶように促すことが、ナイアンティックの使命であることに変わりはありません。プレイヤーのみなさまの健康と幸福は、私たちの最優先事項です」と、ナイアンティックは声明で述べている。これらの懸念に対処するために、同社は「社内部門間協力チーム」を結成し、著名なポケモンGOコンテンツクリエーターを招いてコミュニティからのフィードバックを共有した。交流半径の拡大は、このタスクフォースの最初の成果だが、9月1日にはさらに多くの調査結果を共有すると、ポケモンGOはツイートしている。

TechCrunchは、コミュニティからの好意的な反応や収益の増加をもたらし、新型コロナウイルスの流行が進行中であるにもかかわらず、なぜ最初に変更を元に戻すことを選んだのかとナイアンティックに尋ねたが、同社はコメントを断った。

ソーシャルメディア上でプレイヤーから目に見えるネガティブな反応があったにもかかわらず、Sensor Towerによれば、ボイコット運動の前後で、ポケモンGOの消費者支出やアクティブユーザー数に変化は見られなかったという。しかし、App Storeのレビューでは、否定的な意見が大幅に増加した。

現在では拡大された交流半径が復活しているものの、一部のプレイヤーは依然として不満を感じている。というのも、ナイアンティックが6月にこれらの変更をもとに戻す計画を発表した後、コミュニティリーダーがこのような意見を表明していたからだ。

「私たちの意見を聞いてもらうために、なぜこのような大きなコミュニティ運動が必要だったのでしょうか?」と、クリエイターのZoëTwoDots(ゾーイトゥドッツ)氏は、YouTube(ユーチューブ)の動画で語っている。

関連記事
Nianticが3D-LiDARスキャンアプリのScaniverseを買収
ポケGOスタイルの「トランスフォーマー」ARゲームをNianticがタカラトミー、ハズブロと開発中、事前登録開始
ポケモンGOのNianticジョン・ハンケ氏がARメガネ画像をちら見せ、AR OSの責任者募集

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

TikTokがAR開発ツール「Effect Studio」のベータ版を米国でテスト中

Facebook(フェイスブック)、Snap(スナップ)いずれも、デベロッパーがそれぞれのアプリ向けの拡張現実(AR)体験と機能を構築できるツールを提供している。そして今、TikTok(ティクトック)も同じことをしようとしている。同社はこのほど、TikTok Effect Studioという新しいクリエイティブツールを立ち上げた。現在ベータ版をテスト中で、同社のデベロッパーコミュニティのみがTikTokのショートビデオアプリのためにARエフェクトを構築できる。

「Effect House」と名付けられた新しいウェブサイトで、TikTokは関心を持っているデベロッパーにEffect Studioへの早期アクセスを申し込むよう呼びかけている。

デベロッパーは用意されているフォームに名前、電子メール、TikTokアカウント情報、会社名、AR制作の経験レベル、作品例などを記入する。ウェブサイトはまた、Mac、PCのどちらを使っているのか(おそらくどのデスクトッププラットフォームを優先すべきか判断するためだろう)、仕事と個人使用どちらのためにEffect Houseをテストするのかを確認する。

このプロジェクトは、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナヴァラ)氏がSam Schmir(サム・シュミル)氏のヒントを得て最初に発見した。

TikTokはウェブサイトが8月初めに開設されたことをTechCrunchに認めたが、プロジェクトそのものはまだ米国を含むいくつかのマーケットだけでテストを行っている初期段階にある。

これらのツールがいつ広く利用できるようになるのか、同社はタイムフレームを示さなかった。その代わり、Effect Studioは初期の「実験」と位置付け、実験したものすべてが実際に提供されるとは限らないと付け加えた。さらに、他の実験も初期ベータ段階から一般提供されるまでの間にかなりの変化があるかもしれない。

とはいえ、ARツールセットの立ち上げでTikTokは業界のライバルとこれまで以上に張り合えるようになりそうだ。ライバルたちは新しい機能やエクスペリエンスを追加してアプリの機能セットを拡大するのにクリエイティブなコミュニティに頼っている。例えばSnapは2020年にSnapchat AR Lens構築のために350万ドル(約3億8400万円)の基金を立ち上げた。一方、6月に開催されたFacebookのF8デベロッパー会議で同社は、Spark ARプラットフォームを190カ国のクリエイター60万人超に提供し、世界最大のモバイルARプラットフォームになったと発表した

関連記事:フェイスブックのAR作成ソフト「Spark AR」がビデオ通話対応に

画像クレジット:TikTokウェブサイトのスクリーンショット

TikTokもここ数年、デベロッパーツールへの投資を増やしてきた。しかし最近は自前のアプリにTikTokをより深く統合したいサードパーティデベロッパー向けのツールキットに注力してきた。今日、TikTokのデベロッパーウェブサイトはアプリ開発者がTikTok機能をアプリに加えられるようにしているツールへのアクセスを提供している。ユーザー認証フローやサウンド共有、そしてユーザーがサードパーティの編集アプリからTikTokへとビデオを公開できるようにするその他のものなどだ。

関連記事:TikTokが開発者向け新ツールの提供開始、サードパーティーアプリの統合を拡大

ただし、新しいTikTok Effect Studioはサードパーティアプリで使うためのものではない。

消費者向けビデオアプリで直接TikTokユーザーに提供される、ARエクスペリエンス(そして他のクリエイティブなエフェクト)を構築するためのものだ。

TikTokは、TikTok Effect Studioのより広範な目標を喜んで認めたが、プロジェクトがまだ初期段階にあるとして具体的なツールの詳細を明らかにするのは却下した。

「当社は常にコミュニティに価値をもたらし、TikTokエクスペリエンスを豊かなものにする新しい方法を検討しています」とTikTokの広報担当はTechCrunchに語った。「現在当社はクリエイターのクリエイティブなアイデアをTikTokコミュニティのために現実のものにする追加のツールを提供する方法を実験しています」。

画像クレジット:Nur Photo / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブックがVRコラボ・ミーティングツール「Horizon Workrooms」オープンベータ開始

バーチャルリアリティ(VR)の普及に向けたFacebook(フェイスブック)の道のりは長く、紆余曲折を経てきたが、VRのより幅広いユーザーを獲得することには部分的にしか成功していないものの、その過程で非常に優れたハードウェアを構築することができた。皮肉なことに、FacebookはOculusデバイスのハードウェアとOSの改良には成功したが、VR用の優れたアプリを実際に作るという面では長年にわたって最も苦労してきた。

同社はこれまでに数多くのソーシャルVRアプリをリリースしてきたが、どのアプリも何かしらの工夫を凝らしてはいるものの、提供終了をまぬがれるだけの出来栄えではなかった。大多数のVRユーザーはVRヘッドセットを持っている友人をたくさん持っていないという事実はさておき、これらのソーシャルアプリの最大の問題は、ユーザーにとってそのアプリを使う大きな理由がないということだった。360度動画を見たり、友達とボードゲームをするのはおもしろいギミックだったが、VRでは「ソーシャル」専用アプリはあまり意味がないのと同時に、ユーザーはスタンドアロンソーシャルアプリを求めているのではなく、ソーシャルダイナミクスによって向上する魅力的な体験を求めているのだということを、Facebookが理解するのに非常に多くの時間がかかった。

ここで、今週Facebookがデモを見せてくれた「Horizon Workrooms」というワークプレイスアプリの話をしよう。このアプリは、Quest 2のユーザーを対象に、米国時間8月19日からオープンベータを開始する。

このアプリは在宅勤務の従業員向けに、その中でコラボレーションを行う仮想空間を提供するものだ。ユーザーは自分のMacやPCをワークルームに接続し、デスクトップをアプリにライブストリーミングできる一方で、Quest 2のパススルーカメラを利用して、手元にある物理的なキーボードを通じ入力することができる。また、ユーザー同士がアバターでチャットしたり、写真やファイルを共有したり、バーチャルホワイトボードにアイデアを書き留めることも可能。このアプリはもう少し早くパンデミックの初期に発売されていれば、Quest 2プラットフォームにとってもっと大きな利益をもたらしただろう。しかし同アプリは、リモート環境での有意義なコラボレーションを支援する技術的なソリューションを見つけるという、 テクノロジーに精通したオフィスでいまだに大きな問題となっている課題に挑んでいる。

Horizon Workroomsはソーシャルアプリではないが、VRでのソーシャルコミュニケーションへの取り組み方は、これ以前にFacebookが世に送り出した他のファーストパーティのソーシャルVRアプリよりも思慮深いものとなっている。空間的な要素は、他のVRアプリに比べて大げさでなく、ウケ狙いでもなく、単に優れた機能的な体験を高めるだけで、時に通常のビデオ通話よりも生産的でエンゲージメントが向上したように感じられた。

画像クレジット:Facebook

これはMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOが最近、Facebookは「メタバース企業」へと移行していると宣言したことと繋がる。

関連記事:ザッカーバーグ氏は110兆円規模のフェイスブックを「メタバース」企業にすると投資家に語る

さて、メタバースとは何なのか。ザッカーバーグ氏の言葉を借りれば、こういうことになる。「デジタル空間で人々と一緒にいることができる仮想環境です。見ているだけではなく、自分がその中にいるような感覚になれるインターネットのようなものです」。これは、AR / VRを同社のモバイルアプリ群とは完全に別ものとして扱ってきたFacebookにとって、かなり重要な再調整のように聞こえる。デスクトップユーザーとVRユーザーは、長年にわたって事実上、お互いにサイロ化されてきた。

概してFacebookは、Oculus(オキュラス)を次のスマートフォンを作るかのようにスケールアップし、ネイティブアプリのパラダイムを核としてヘッドセットを構築してきた。一方、ザッカーバーグ氏のいう未来志向の「メタバース」は、Facebookがこれまで実際に開発してきたものよりも、Roblox(ロブロックス)が目指してきたものに近い。「Horizon Workrooms」は、Facebookのこれからのメタバースの動きのベースになると思われるHorizonブランドの下で運営されている。興味深いことに、このVRソーシャルプラットフォームは、2年近く前に発表された後、まだクローズドベータ版である。もしFacebookがHorizonのビジョンを実現することに成功すれば、Robloxのようにユーザーが作成したゲーム、アクティビティ、グループのハブに成長し、ネイティブアプリのモバイルダイナミクスをより柔軟性のあるソーシャルエクスペリエンスに置き換えることができるだろう。

Workroomsの洗練されたデザインが、これからのFacebookの方向性を示す有望な兆候であることは間違いない。

関連記事
ザッカーバーグ氏は110兆円規模のフェイスブックを「メタバース」企業にすると投資家に語る
フェイスブックのVR広告参入は前途多難
フェイスブックがOculus Questにソフトウェアサブスクリプションプランを導入
画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)