リーガルテックのキビタスが8000万円調達、すべての人々への司法アクセス実現に向けα版プロダクトの早期リリース目指す

リーガルテックのキビタスが8000万円調達、すべての人々への司法アクセス実現に向けα版プロダクトの早期リリース目指す

「すべての人々への司法アクセス実現」に向けたアプリ開発を行うキビタスは3月25日、第三者割当増資による総額8000万円の資金調達を実施した。引受先は、リード投資家のXTech Ventures、ANOBAKA、クオンタムリープベンチャーズ(既存投資家)。累計資金調達額は1億5000万円となった(金融機関からの借入含む)。

調達した資金により、俗にいうプロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)の、発信者情報開示命令制度に関する法改正施行に合わせ、2022年中のプロダクト正式ローンチに向けた開発を加速させ、α版プロダクトの早期リリースを目指す。法務省からの解決サポート(ADR)認証も現在最終審査段階にあるという。

キビタスは、「司法サービスをもっと身近に」をミッションに、国内最大手損害保険会社との共同研究・実証実験をはじめ、身近に発生する法律トラブル解決を実現するサービスの研究開発を進めてきた。法律トラブルを経験した人のうち弁護士相談経験のある人は約2割という状況(日本弁護士連合会「法的な課題をかかえる人たちに関する意識調査」)を揶揄し「2割司法」と評される日本では、法律関連のサービスはまだ敷居が高く、高単価というイメージがある。

同社が狙う市場は、海外では「Online Legal Service」や「Alternative Legal Service」と呼ばれる領域で、弁護士事務所ではなく株式会社が主体となり、エンドユーザーへ直接サービスを提供する。米国ではすでに社会実装が進み、2021年6月に上場したLegalZoomや、近年急成長を遂げるDoNotPayなど様々なサービスが拡がりつつあるが、日本国内ではまだ黎明期にある。

SDGs(持続可能な開発目標)における目標16「持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する」に照らし、誰でも安価に法律サービスを受けることができる社会を作りたいという信念から、同社はスマートフォン用アプリでアクセスできる法律関連サービスの開発を進め、最初のプロダクトとして、インターネット上で発生する匿名ユーザーからの誹謗中傷対策(投稿記事削除・発信者情報開示請求)に焦点を絞って開発を進めている。

山手線31番目の駅「シン・秋葉原駅」が3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布

JR東日本(東日本旅客鉄道)、ジェイアール東日本企画HIKKYは、オリジナルの共同運営バーチャル空間「Virtual AKIBA World」(VAW。バーチャル アキバ ワールド)を3月25日11時よりオープンし、「バーチャル秋葉原駅」を開業する。これに向け、VAWで展開するコラボレーションやコンテンツを3月23日に発表した。

Virtual AKIBA World(VAW。バーチャル アキバ ワールド)概要

  • 開業日時:3月25日11時(開業まではティザーサイトとなっており、VAWWにアクセスできない)
  • サイトURL:https://jrakiba.vketcloud.com/VAW/
  • メンテナンス:隔週木曜10~15時
  • 利用料:無料

また山手線31番目の駅であるバーチャル秋葉原駅開業記念として、「入場記念NFT」(1枚予定)を無料配布する。従来より駅が新規開業する際に発行している記念入場券を、史上初の「デジタル上の駅開業」であることからNFTのデジタル入場券で発行する。この受け取りには、「LINE」および「LINE BITMAX Wallet」への登録が必要となっている。配布時期は、5月中旬頃予定。記念グッズであるため実在するJR秋葉原駅への入場には使用できないほか、LINEが提供しているNFTマーケットプレイスや、その他のNFTマーケットプレイスを通じた出品は不可。参加方法は、3月25日より公式サイトと公式Twitterで公開する。

JR東日本がバーチャル空間「シン・秋葉原駅」3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布

コラボレーションするのは、「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」の4作品によって構成されたプロジェクト「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」。コラボ期間中は「バーチャル秋葉原駅」から「シン・秋葉原駅」と呼称を変更。さらに、バーチャル空間では各キャラクターが描かれたVAWオリジナルデザインのグラフィックで来場者を迎える。また5月13日公開予定のシン・ウルトラマンより、ウルトラマンの3D立像をVAWに設置。来場者同士で集まり記念撮影を行なえる。

セレクトショップ「BEAMS」とのコラボでは、シン・秋葉原をテーマとした期間限定の店舗装飾やVAWオリジナルTシャツの受注販売、オリジナルノベルティを配布。対象店舗は新宿駅新南口NEWoMan2Fの「ビームスニューズ」「ビームス大宮」「ビームス立川」。期間は3月25日~4月7日。VAW内のシン・ウルトラマン3D立像を撮影し対象店舗のスタッフに提示すると、先着順でオリジナルノベルティをプレゼントするそうだ。

JR東日本がバーチャル空間「シン・秋葉原駅」3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布

アトレ秋葉原でもコラボ展開を行なう。VAWオリジナルコラボビジュアルで館内装飾の実施するほか、キャンペーン期間中に商品を500円(税込)以上購入するごとにシン・秋葉原駅オリジナルキャラクターカードをランダムでプレゼント。このカードはシン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバースの4作品からなり、1種ずつすべて揃えるとVAWオリジナルデザインのグラフィックが現われる。配布期間は4月1日~15日。

JR東日本がバーチャル空間「シン・秋葉原駅」3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布

ラジオ局「文化放送」のA&Gゾーンとも連携する。VAW内に文化放送ブースを展開するほか、A&G番組のパーソナリティーやスタッフ、リスナーがVAWの特徴である「オフ会ルーム」を使用してのVR交流を行なう予定。

JR東日本がバーチャル空間「シン・秋葉原駅」3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布


©TTITk
© TOHO CO., LTD. ©カラー ©2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 ©円谷プロ ©石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

NFT総合マーケットLINE NFTが4月13日開始―吉本興業など17コンテンツと提携・Web3への入口を目指す

LINEの暗号資産事業およびブロックチェーン関連事業を展開するLVCは3月23日、NFT総合マーケットプレイス「LINE NFT」(記事執筆現在はティザーサイト)を4月13日より開始すると発表した。ローンチラインナップとして、吉本興業など計17コンテンツと提携しており、エンターテインメントやスポーツ、ゲーム、アーティスト、アニメ、キャラクター、イベントの7ジャンル100種類以上のNFTを販売する。今後はソフトバンクやZホールディングスのグループ企業などとの協業を通じ、さらなる拡大を目指す。

ローンチ時に販売されるNFTのラインナップは、吉本興業ホールディングスによる人気芸人のネタをNFT用撮りおろした限定NFT動画「よしもとNFT劇場」、歌手や俳優として活躍するNissy(西島隆弘)の今後の活動と関連したNFTやLINE用のヨッシースタンプのNFTなどを予定。

昨今、海外のNFT市場が爆発的に広がり、国内でも多くの企業がNFT事業に参入している一方、NFTは、購入までのハードルの高さやNFTを保有する価値・意味が十分に理解されていないという課題がある。

これに対してLINE NFTでは、月間9000万人が利用するLINEからNFTを購入(一次流通)およびユーザー間で取引(二次流通)できることに加えて、その先にあるNFTを持つことによる楽しみを感じられるような場を提供するという。また今後は、LINE NFTにより誰でもNFTにアクセスできる環境を提供し、Web3への入口をユーザーに届けることを目指す。

LINE NFTで購入したNFTは、LINEアカウントですぐに登録できるデジタルアセット管理ウォレット「LINE BITMAX Wallet」で保管可能。自分のNFTをLINEの友達と交換したり送り合ったりできる。また、キャンペーンプラットフォーム「LINEで応募」といったLINEの他サービスとの連携も進めることで、購入特典やキャンペーン景品などにNFTを付与する機会を増やす。LINEのプロフィールにNFTを設定可能とするほか、現在国内で約600万セット以上が発売されているLINEスタンプにおいて、NFTを活用する予定。

今後の展開としては、ソフトバンクやZOZO、Zホールディングスと協業し各社が提供する各種サービスと連携を予定。ソフトバンクとは、同社提供の動画配信サービス「バスケットLIVE」での動画NFTを取り扱う予定。また同社コンテンツ配信サービス「5G LAB」とも技術的な連携を深めてxR技術を活用した立体感・臨場感のあるNFTの検討を進めているという。加えてNFT購入時の決済手段としてPayPayの導入も検討中。「ヤフオク!」にNFTを出品・落札できるよう準備している。

ZOZOとは一部のファッションブランドとのNFT販売を予定しており、ファッション領域におけるNFTの協業を検討。

「LINE GAME」「LINE MUSIC」「GYAO!」といったエンターテインメントサービスを運営するZホールディングス傘下のZ Entertainmentと連携し、動画やライブ配信といったエンターテインメント領域におけるNFT事業の推進を図る。

バックオフィス向けクラウド「ジンジャー」を提供するjinjerが51億円調達、開発・マーケティング・採用を強化

バックオフィス向けクラウド「ジンジャー」を提供するjinjerが51億円調達、開発・マーケティング・採用を強化

バックオフィス業務の効率化を図るクラウドサービス「ジンジャー」を開発・提供するjinjerは3月23日、第三者割当増資による総額51億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、リードインベスターの香港Tybourne Capital Management(タイボーン・キャピタル・マネジメント)、SBIグループ、事業会社1社、VC1社。調達した資金は、ジンジャーシリーズのプロダクト開発とマーケティング投資、エンジニアやセールスなどの採用活動への強化へあてる。

ジンジャーは、人事労務・勤怠管理・給与計算・ワークフロー・経費精算・電子契約・ウェブ会議などのバックオフィス業務の効率化を支援するクラウドサービス。「ジンジャー勤怠」「ジンジャー人事」などをシリーズとして提供している。バックオフィスに関わるすべてのデータをジンジャーシリーズに集約し、1つのデータベースで管理することで、各システムにおける情報の登録や変更手順の手間を削減する。

2021年10月設立のjinjerは、「世の中のすべてを『as a Service』へ」をミッションとして掲げ、ジンジャーシリーズを開発・提供。世界が直面する少子高齢化という社会課題に対して、テクノロジーにより様々なサービスを進化させ、課題解決と顧客の発展へ貢献するという。

 

日本のテラドローンがシリーズBで80億円調達、グローバル展開を加速

ドローン、電動垂直離着陸機、無人航空機などの航空機の利用が本格化する中、日本のスタートアップTerra Drone(テラドローン)は、空のトラフィックが見落とされないようにしたいと考えている。

テラドローンのCEOで創業者、そして電気自動車を開発するTerra Motors(テラモーターズ)のCEOも兼務している徳重徹氏は「空域はこれまで以上に混雑していきますが、今日のほとんどの企業はハードウェアの開発だけに注力しています。安全かつ効率的なドローンやアーバンエアモビリティ(UAM)の運用を可能にするグローバルな航空交通管理ソリューションに対する差し迫ったニーズがあり、テラドローンは空のデジタルインフラを構築する主要プレイヤーになることを目指しています」と述べた。

2016年に設立されたテラドローンは、ドローンのソフトウェア、ハードウェア、無人航空機システムのトラフィック管理ソリューションを手がけている。同社は3月23日に三井物産が主導した80億円のシリーズBラウンドを完了したと発表した。2021年2月にシリーズAで1440万ドル(約17億円)を調達してから約1年、今回のラウンドで調達総額は8300万ドル(約100億円)となった。

SBIインベストメント、東急不動産HD、九州電力送配電、西華産業、JOIN(海外交通・都市開発事業支援機構)、既存投資家のベンチャーラボインベストメントが今回のラウンドに参加した。

テラドローンのCOO、関鉄平氏はTechCrunchとのインタビューで、シリーズB資金を人員増強と欧州、米国、東南アジアへのグローバル展開に使うと述べた。また、これらの地域での企業買収にも使われるという。同社の評価額については明らかにしなかった。

テラドローンは2018年にオランダのドローン会社Terra Inspectioneeringを買収し、2016年にはベルギーのドローン会社Uniflyに投資している。

さらにテラドローンは調達した資金を、無人航空機システムの交通管理ソリューションを通じて、ドローンやエアタクシー運航のための目視外自律飛行技術の支援や、自社のUAMサービスの開発強化に充てるという。

シリーズB後の次の計画について尋ねられた関氏は、テラドローンは株式公開を検討しているという。また、IPOの前にさらに資金調達する可能性もあると付け加えた。

テラドローンはShell(シェル)、Chevron(シェブロン)、BP、ExxonMobil(エクソンモービル)、ConocoPhillips(コノコフィリップス)、Vopak(ボパック)、日本のインペックスといった石油・ガス会社、そしてBASFや関西電力といった化学会社を含む約500の顧客を抱える。テラドローンはまた、食品会社Bunge(バンジ)に検査サービスを、建設会社に調査サービスを提供していると関氏は語った。

注目すべきは、2022年2月に発表されたFortune Business Insightsのレポートによると、安全性と性能向上のために主にリグ点検に注力している石油・ガス業界は、陸上・海上パイプラインの監視に年間で約507億6000万ドル(約6兆1280億円)を投じていることだ。テラドローンは、構造物の腐食、コーティングの不具合、その他あらゆる構造物の損傷などの欠陥を特定することができると関氏は話す。世界のドローン監視市場は、2021年の1億4200万ドル(約171億円)から2028年には4億7650万ドル(約575億円)に成長すると予想されている。テラのIR資料によると、世界のUAM市場は2040年までに1兆5000億ドル(約181兆円)まで拡大すると予測されている。

テラドローンは、東京電力ホールディングス、日本航空、大手通信会社KDDI、INPEX、国土交通省など、多くの日本企業や政府とのプロジェクトに取り組んでいる。また、有人・無人の航空機の飛行管理調整で宇宙航空研究開発機構(JAXA)とも連携している。

テラドローンの無人交通管理

関氏は、テラドローンの重要な特化・差別化ポイントは、足場がなくてもドローンが超音波探傷器(あるいは超音波厚み測定器)を表面に押し当て、壁の厚みを測定できる特許技術だと明かした。

「Terra LiDAR(光検出・測距)やTerra LiDAR Cloudなどの測量グレードのハードウェアソフトウェアの販売による経常収益の拡大、(子会社の)Terra Inspectioneeringによるドローンを使った超音波厚み(UT)測定や非破壊検査(NDT)などの専門サービスの提供、そして海外事業の戦略的整理によって、成功のための態勢が整いました」と徳重氏は述べた。「我々は事業とイノベーションをより速く拡大することができます」。

テラドローンは英国のSky-Futures、CyberHawk、マレーシアのAerodyneなど、世界のドローン会社と競合している。AirMapや、ドローン用のUAVライダーシステムを開発するフランスのYellowScanも競合相手だと関氏は言及した。

テラドローンの従業員は60人で、子会社の従業員は全世界で約500人だ。

画像クレジット:Terra Drone

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

スマートフォンで3Dスキャン&データ編集が行えるスマホアプリ「WIDAR」を手がけるWAGOが1.1億円のシード調達

3Dを活用するための技術開発・提供を行うWOGOは3月22日、シードラウンドとして、第三者割当増資による1億1000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Coral Capital。

また、スマートフォンで3Dスキャン&3D編集が行えるアプリ「WIDAR」(Android版iOS版)の正式版を3月5日にリリースしたことを明らかにした。

調達した資金により、同アプリの編集ツールの追加リリースを継続的に行う。また、コミュニティー機能を充実させ、3Dデータの蓄積とともに、これらデータが素材として活用されるようなコラボ制作の流れを作り出し、3Dコンテンツ作成のハードルを下げる。さらに、3Dデータの活用を促進し、メタバースにより多くのコンテンツを供給することを実現すべく、データの外部接続APIの開発と提供も図る。

WIDARは、スマートフォンのカメラ機能でスキャンした対象を3Dモデル化し、編集できるアプリ。3D編集機能は、初回リリースとして複数データ配置機能、背景変更機能と動画像出力機能をアプリ内に新規追加した。また、自身の作品を投稿できるコミュニティー画面を用意し、3Dデータが共有、再利用されていく土台を用意した。

現在、メタバース市場の成長と同時に、バーチャル空間のゲームも盛り上がっている。また、モバイルデバイスの高性能化が進み、個人がスマホで手軽に3Dコンテンツを作り出せる下地も整いつつある。

ただ、メタバース向けコンテンツ創出において利用されている「Blender」などの既存3D制作ツールは、プロ向けであることから、一般的なユーザーには難易度が高いという状況にある。

その中でWOGOは、2021年にはアプリのベータ版をリリース。3Dスキャンの実装をスマホに落とし込んだ。さらにWIDAR正式版では、3D編集機能を搭載。これにより、従来3D制作ツールでは数時間かかっていたゼロから形状を構築する作業が、WIDARでは3Dスキャンと編集の組み合わせにより10分程度に短縮させたという。

WOGOは、東京大学情報理工学系研究科所属のメンバーを中心として、2021年1年に設立されたスタートアップ。「3D制作の民主化」をビジョンとして掲げており、WIDARによって3Dコンテンツ作成のハードルを引き下げ、創出された3Dデータの活用を促進しメタバースへ多くのコンテンツ供給を目指している。

美容クリニック向けSaaS「medicalforce」を展開するメディカルフォースが1億円調達、サービス開発および採用を強化

美容クリニック向けSaaS「medicalforce」を提供するメディカルフォースは3月18日、プレシリーズAラウンドにて総額1億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先はDNX Ventures、ANRI、個人投資家2名。調達した資金は、medicalforceの開発とチームの採用強化にあてる。また、シードラウンドおよびデットでのファイナンスを含めた累計調達額は約1億3000万円となった。

medicalforceは、美容クリニックの現場業務のデジタル化および経営支援を目指すサービス。予約、問診、カルテ、会計といった日常業務をすべて一元管理することが可能。「予約はGoogleカレンダーで、カルテは保険診療向け電子カルテ」など個別のシステムを使っている場合に発生する、情報がバラバラなためにダブルチェックの手間や集計が煩雑になるという課題を解決できる。また、予約・カルテ・会計の集約情報を基にLINEやメールでのメッセージ発信も行なえる。経営管理ダッシュボード、リマインド・ステップ配信などのCRM機能を搭載しており、経営面においても効率化を図れる。

美容クリニック向けSaaS「medicalforce」を展開するメディカルフォースが1億円調達、サービス開発および採用を強化

GVA TECHの法人登記簿取得サービス「GVA 登記簿取得」、法務省提供の登記・供託オンライン申請システムと連携

法人登記簿取得サービスのGVA 登記簿取得、法務省提供の登記・供託オンライン申請システムと連携―交付申請がスピーディーに

リーガルテックサービスの開発・運営を行なうGVA TECHは3月23日、法人の登記簿謄本を取得できるオンラインサービス「GVA 登記簿取得」について、法務省の提供する登記・供託オンライン申請システムと連携したことを発表した。

GVA 登記簿取得は、登記事項証明書(履歴事項全部証明書・現在事項全部証明書・代表者事項証明書)や登記情報のPDFファイルをいつでも交付申請できるサービス。スマートフォンやPCから申請でき、支払いはクレジットカードに対応。登記事項証明書は指定した住所に郵送可能で、登記情報PDFファイルはダウンロードが行える。2021年12月のサービス開始以降、すでに1000通を超える交付申請の実績を持つという。

これまでは、ユーザーがGVA 登記簿取得に申請した情報を、GVA TECHが法務局に依頼する形で作業を行っていたが、今回、法務省が提供する登記・供託オンライン申請システムと連携したことで、ユーザーの申請内容が法務局にも直接申請され、登記事項証明書の交付申請がタイムラグなく行なえるようになった。

GVA TECHは、同社の各種サービス提供を通じ、変更登記申請の書類作成から変更完了後の登記事項証明書の取得までを支援し、今後もユーザーの登記業務のコスト削減に貢献したいという。

埼玉工業大学が世界で初めて水陸両用船の無人運転技術を開発、八ッ場あがつま湖で実証実験

八ッ場ダム無人運航船の入水シーン

八ッ場ダム無人運航船の入水シーン

埼玉工業大学は3月22日、群馬県八ッ場あがつま湖にて、群馬県長野原町が所有する水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」を使った自動航行の実証実験(3月14日実施)に参加したと発表した。陸上から入水し、障害物を避けながら水上を航行、再び上陸する一連の自動運航を成功させた。水陸両用船の無人航行の実証は世界初となる。

無人運航の実証実験を行った水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」(全長11.83m、総トン数11トン)

無人運航の実証実験を行った水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」(全長11.83m、総トン数11トン)

埼玉工業大学は、ITbookテクノロジーとの共同研究により、自動運転・自動運航が可能な水陸両用バスのためのソフトウェアとシステムを設計・開発。同実証実験は、長野原町所有の水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」にその成果である自律航行システムを搭載して行われた。航行距離は約2km、所要時間は約30分だった。

入出水と水上航行での経路追従のための位置推定には、高精度GNSS(全球測位衛星システム)とジャイロを利用。自動運転には、自動運転システム用のオープンソースソフトウェア「Autoware」を使用し、そのモデル予測制御に船舶モデルを導入。水上と陸上の高精度な経路追従を実現した。障害物の自動検知と回避は、LiDAR、カメラ、ソナーとAutowareの深層学習アルゴリズムを組み合わせて行っている。車用と船用の制御装置を同時制御することで「船舶と車両の自動切り替えもスムーズに行えるシステム」を開発したとのことだ。

無人運航船の運転席

無人運航船の運転席

自動運転バスの研究を行っている埼玉工業大学は、すでに2台の自動運転バスを開発し、公道での営業運行を行っている。ITbookテクノロジーとの共同研究では、その経験を活かして水上の自動運航技術の開発に取り組んできた。2年間の共同研究の成果として、「離着水、離着桟における位置推定および自動運転技術」「水上障害物検知および回避のための技術」「ローカル5Gなどを用いた遠隔操作技術」をすでに構築している。

今回の実証実験は、日本財団が推進し、無人運航船の国際標準化の先導などを目指す無人運航船プロジェクト「METURI2040」の一環として行われた。このプロジェクトでは、国内で5つのコンソーシアムがそれぞれの取り組みを行っているが、これはその1つ「水陸両用無人運転技術の開発〜八ッ場スマートモビリティ〜」によるもの。現在は主に観光目的で利用されている水陸両用船だが、自動運航を実用化することで、将来的には災害時に役立つ技術転用や、「離島へのシームレスな物流インフラ」の構築を目指している。

画像クレジット:
日本財団

シェアリングIoT農園を展開するプランティオが1.3億円調達、大手町エリア・渋谷区・多摩田園都市エリアに農園設置

シェアリングIoT農園を展開するプランティオは3月22日、第三者割当増資による総額1億3000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先はジェネシア・ベンチャーズ、大広、MS-Japan、iSGSインベストメントワークス、そのほか既存投資家。

調達した資金により、大手町エリア・渋谷区・多摩田園都市エリアにシェアリングIoT農園を設置するほか、年内には東京以外の主要都市にも随時設置し、行政・民間らと共創を行い、コレクティブ・インパクトを加速する。コレクティブ・インパクトとは、社会課題に対して、行政・企業・NPO・基金・市民などがセクターを越え、互いに強みやノウハウを持ち寄ると同時に働きかけを行い、課題解決や大規模な社会変革を目指すアプローチ(Channeling Change: Making Collective Impact Work)。

また、農業をDX化する次世代型アグリテインメントプラットフォーム「grow」において、農業的な活動がどれだけ環境に貢献しているかを可視化する機能を強化するという。既存農業と比較した場合のCO2削減量、生ゴミ削減量、ヒートアイランド現象にどの程度貢献できているのかなどを可視化する。

growとは、IoTセンサー「grow CONNECT」とスマートフォンアプリを組み合わせることで野菜栽培をナビゲーションするプラットフォーム。家庭のベランダやビルの屋上、マンションの屋内といった様々な場所で野菜栽培を可能にするという。

2015年6月設立のプランティオは、「持続可能な食と農をアグリテインメントな世界へ」をビジョンとして掲げるスタートアップ。育てる楽しさ、食べる喜び、人との関わり合いなどをICT×エンタテインメントの力でエンパワーメントすることを目指している。

産業向けドローンサービスを提供するTerraDorneが80億円のシリーズB調達、「空のプラットフォーム」運航管理技術開発

産業向けドローンサービスなどを提供し、空飛ぶクルマとドローンで「世界No.1」を目指すTerra Drone(テラドローン)は3月23日、シリーズBラウンドとして、総額80億円の資金調達を発表した。

引受先は、新規投資家の三井物産、SBIインベストメント、東急不動産HD、九州電力送配電、西華産業の5社、既存投資家のベンチャーラボインベストメント。また、国土交通省傘下の官民ファンドである海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)より、特別目的会社を通じ同社の関係会社Unifly N.V.(ユニフライ)への共同出資枠を確保。JOINにとって、エアモビリティ含む航空インフラ領域スタートアップへの初出資という。産業向けドローンサービスなど提供のTerraDorneが80億円のシリーズB調達、「空のプラットフォーム」運航管理技術開発産業向けドローンサービスなど提供のTerraDorneが80億円のシリーズB調達、「空のプラットフォーム」運航管理技術開発

2016年3月設立のTerra Droneは、東京本社含め全国に拠点を構え、海外においても欧州・東南アジアを中心に事業展開する産業用ドローンソリューションプロバイダーだ。「空から、世界を進化させる」をミッションに掲げ、世界各地域でドローンや空飛ぶクルマなどのエアモビリティにおけるハードウェア、ソフトウェア、サービスと、事業横断的な開発およびソリューションを提供。

またエアモビリティを用いて、石油ガス、化学、建設業界などにおける現場作業のデジタル化や、遠隔地・被災地における物流の効率化など多岐にわたる産業のDX化を進め、人力の限界である非効率・危険な作業の解消を進めている。

ドローンや空飛ぶクルマの社会実装において基盤となる、エアモビリティの運航管理分野では、世界で国家レベル含む導入数1位というUniflyの筆頭株主となり、世界8カ国にわたる「空の運航管理プラットフォーム」を構築。国内では、JAXAより一部技術移転を行い、ドローンや空飛ぶクルマの運航管理の実証実験を重ねているという。加えて、大阪府の公募に対し、三井物産、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、朝日航洋と共同で「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」に事業採択されている。

エアモビリティの世界市場は、2040年には160兆円規模への成長が予測されている。日本国内でも、2022年度level4(ドローンによる有人地帯における目視外飛行)解禁を迎える予定だ。創業から4期目で黒字化し、CAGR87%(5年平均)、売上営業利益ベースで毎年増収増益と、堅調な事業成長を続ける同社。事業の次期フェーズとしては、多種多様なエアモビリティの安全性や効率性が不可欠となり、エアモビリティ同士の衝突回避や、住民保護のための交差点・ 信号機の役割を果たす「空のプラットフォーム」(空域および運航管理システム)の整備が急務と考える。今回の調達により、「空のプラットフォーム」運航管理技術の開発、各事業成長資金、同活動を実現するための採用活動への投資を行うという。

SkyDriveとスズキが「空飛ぶクルマ」事業・技術連携に関する協定締結、機体開発・製造・量産体制・インド市場開拓検討

SkyDriveとスズキが「空飛ぶクルマ」事業・技術連携に関する協定締結、機体開発・製造・量産体制・インド市場開拓など検討

SkyDriveスズキは3月22日、「空飛ぶクルマ」(eVTOL)の事業化を目指し、連携協定を締結したと発表した。「機体開発および要素技術の研究開発」「製造・量産体制および計画」「スズキの四輪・二輪・マリンに『空飛ぶクルマ』を加えた新しいモビリティの具体化」「インドを中心とした本件対象の海外市場開拓」について、検討を開始する。

SkyDriveは、空飛ぶクルマの機体メーカーとして、日常の移動に空を活用すべく現在2人乗りの機体を開発中。2025年の大阪・関西万博開催時の大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現、また各地域での事業展開を目指している。

SkyDriveは、自動車同様の世界最小のコンパクトで電動の「空飛ぶクルマ」の製造を目指して開発を推進。スズキはコンパクトカーの製造・販売を得意としている。

SkyDriveとスズキは、相互の連携を図ることで、四輪・二輪・マリンに続く、新しいモビリティ「空飛ぶクルマ」への事業参入を検討し、多様な選択肢を顧客に提供したいという思いから連携協定を締結することとなった。

今後、事業・技術連携を行うことで、技術の研究開発、製造・量産体制の計画、インドを中心とした海外市場開拓を推進し、カーボンニュートラルへの取り組みも推進する。

次世代型mRNA創薬の実用化に向けた名古屋大学発スタートアップCrafton Biotechnology設立

次世代型mRNA創薬の実用化に向けた名古屋大学発スタートアップCrafton Biotechnology設立

名古屋大学は3月18日、メッセンジャーRNA(mRNA)の製造、分子設計・医学に関する知見、AI、データサイエンス、シンセティックバイオロジー(合成生物学)などの最先端技術を融合し、次世代型mRNA創薬を目指す名古屋大学発スタートアップCrafton Biotechnology(クラフトンバイオロジー)を3月1日に設立したと発表した。国産mRNAワクチンの速やかな供給をはじめ、がんや遺伝子病の治療、再生医療にも応用されるmRNA創薬に取り組むという。

Crafton Biotechnologyは、名古屋大学、京都府立医科大学、早稲田大学、理化学研究所、横浜市立大学の共同研究を実用化することを目的に設立された。10年以上にわたりmRNAワクチンと医薬品の開発に取り組んできた名古屋大学大学院理学研究科の阿部洋教授と京都府立医科大学大学院医学研究科医系化学の内田智士准教授らが、AI、データサイエンスを専門とする早稲田大学の浜田道昭教授、シンセティックバイオロジーを専門とし進化分子工学の手法を採り入れた次世代mRNAの製造法と設計法を開発する理化学研究所の清水義宏チームリーダー、さらに、副反応の少ないmRNAワクチンの開発を進める京都府立医科大学大学院医学研究科麻酔科学の佐和貞治教授と横浜市立大学眼科学の柳靖雄教授らが連携し、「強固なベンチャーエコシステム」を構築するという。そのとりまとめを行うのが、代表取締役を務める名古屋大学大学院理学研究科の金承鶴特任教授。そのほか、安倍洋教授が最高科学責任者、内田智士准教授が最高医療責任者に就任した。名古屋大学インキュベーション施設に拠点を置き、各研究機関の技術をライセンス化して一元的に集約。mRNA技術の事業基盤を確立し開発を促進する。

同社は数年以内に国内でmRNAを製造できる体制を整備し、安定供給を目指す。また独自の創薬技術を整備して、新型コロナウイルスに限らず、感染症のパンデミック時に独自開発したmRNAワクチンの迅速な供給を可能にすると話す。また、治療技術の海外依存度が大変に高くなっている現在、医薬品産業における日本の国際競争力を高める上で非常に重要な「ワクチンを超えた医薬品としてのmRNAの応用」として、がんや遺伝性疾患、再生医療への応用にも取り組むとしている。

航空自衛隊「宇宙作戦群」発足、宇宙領域の指揮統制・監視能力を強化しスペースデブリや人工衛星への妨害行為など監視

防衛省が航空自衛隊「宇宙作戦群」発足、宇宙領域の指揮統制・監視能力を強化しスペースデブリや人工衛星への妨害行為など監視

Japan Ministry of Defence

3月18日、防衛省は航空自衛隊宇宙作戦隊の能力を強化し、宇宙領域での活動を指揮、統制する「宇宙作戦群」を発足、東京都府中市の府中基地で発足記念行事を開催しました。

日本政府は防衛力の新しい軸になる分野として宇宙・サイバー・電磁波の3領域を重視しており、17日の「自衛隊サイバー防衛隊」発足に続いて宇宙分野の能力強化も進めていく方針です。

宇宙作戦群の拠点は府中基地に置かれ、発足当初は70人という比較的少人数で構成され、本部20人、自衛隊(陸海空)との連携をとる宇宙作戦指揮所運用隊に30人、2020年に設置された既存の宇宙作戦隊20人という編成になります。

また2022年度には府中基地に装備の維持管理をする「宇宙システム管理隊」を10人編成で設置し、宇宙作戦隊を40人に倍増して「第1宇宙作戦隊」に改名、さらに山口県の航空自衛隊防府北基地に「第2宇宙作戦隊」を新設する予定です。

第1および第2宇宙作戦隊の役割分担は、主に第1作戦隊が宇宙状況(スペースデブリなど)の監視任務、第2作戦隊は電磁波による日本の人工衛星への妨害行為などの監視にあたるとのこと。現在山口県に建設中の宇宙監視レーダーは第1作戦隊が遠隔で運用します。また、2026年度までに監視用の人工衛星を打ち上げ予定で、レーダーと衛星などを組み合わせた宇宙監視システムを構成するとのこと。

近年は世界各国が再び月への有人探査を目指し、火星への進出なども計画される一方で、宇宙空間の監視体制を強化する動きも目立っています。最も話題になったのは米国が2019年に陸・海・空軍および海兵隊などに並ぶ軍種として設置した宇宙軍ですが、2020年にはフランスも空軍の活動領域を宇宙にまで拡大、防衛力強化を目的として「航空宇宙軍」に改名しています。そして日本でも先に述べたとおり2020年に「宇宙領域における部隊運用の検討、宇宙領域の知見を持つ人材の育成、米国との連携体制の構築」を目的とした宇宙作戦隊を編成しており、これが今回の宇宙作戦群発足の基礎になっています。

(Source:TBS。coverage:防衛省(PDF)、NHKEngadget日本版より転載)

アパレル事業者向けクラウドを展開するpark&portがプレシリーズAファーストクローズとして8000万円調達

アパレル・ライフスタイル製品事業者へ向けた業務クラウド「PORTUS CLOUD」(ポルタスクラウド)を展開するpark&portは3月17日、プレシリーズAラウンドのファーストクローズとして、第三者割当増資による8000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、新規投資家のHIRAC FUND(マネーフォワードベンチャーパートナーズ)、BDJキャピタル。調達した資金は、プロダクト開発および拡大に向けた人材採用にあてる。引き続きセカンドクローズへ向けて動き、必要資金を調達する予定。

PORTUS CLOUDでは、アパレル事業者の中心的業務が「商材」にひも付いていることに着目し、商材情報のデジタル化を起点とした業務効率化・フローのデジタル化を実現させたという。park&portによると、アパレル業界は、消費者の趣味嗜好が多様化していることを受け、今後小売企業はより細分化し、商材品種も増えると見ているそうだ。PORTUS CLOUDでは、そうした商材情報をデジタル化することで既存業務を効率化するとともに、リソースの最適が図れるとしている。さらにデジタル化した商材情報をアセットとした、新しいビジネスの可能性も切り開く。

park&portは、「自分のスキを手に取れる世界の実現」をパーパスに据え、「ファッションプロダクトの流通最適化」をミッションとして掲げるスタートアップ。アパレル業界出身の代表とITベンチャー出身の共同創業者により、2019年4月に設立された。PORTUS CLOUDの開発と運営を事業として展開している。

飲食店向けSaaS「delico」を手がけるフードテックキャピタルが1.4億円のシード調達、事業強化と加盟開発事業加速

飲食店向けSaaS「delico」(デリコ)をはじめ飲食店向けテック事業を展開するフードテックキャピタルは3月16日、シードラウンドとして合計1億4000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、西山知義氏(ダイニングイノベーション創業者)など複数の投資家。調達した資金は、主力事業であるdelicoの開発や、加盟開発事業の成長にあてる。主にシステム開発と人材採用に充当するという。

delicoは、フードデリバリーサービスの注文一元管理サービス。コロナ禍もあって、飲食店から「各店舗の業態を増やしたい」「導入プラットフォームを増やしたい」というニーズが増えているものの、フードデリバリーごとに管理端末が必要となってしまう「タブレット地獄」や、現場・本部における管理が煩雑になるという課題により実行が難しくなっている。

delicoはその課題解決策を目指しており、1台のタブレットですべてのプラットフォームからオーダーを受注可能となる。同様に、1台の専用プリンターでオーダー伝票の印字を行え、配達スタッフへの受け渡しまでがスムーズに進められる。マネージャー機能により、一元管理された売上の可視化も可能となっており、スピード感のある業態改善などを実現する。飲食店向けSaaS「delico」を手がけるフードテックキャピタルが1.4億円のシード調達、事業強化と加盟開発事業加速

加盟開発事業は、同社がダイニングイノベーションと「七宝麻辣湯」(チーパオマーラータン)のフランチャイズ加盟開発を目的とする業務提携を行っていることから進めているもの。七宝⿇辣湯の加盟店候補先との相談窓口として、物件審査および出店に関わる事業計画の策定・加盟契約締結をサポートしている。

2020年12月設立のフードテックキャピタルは、「テクノロジーで食の未来をつくる」をミッションに掲げ、食業界のプロ、テクノロジーのプロ、ビジネスのプロが三位一体となって飲食業界を変革すべく事業を展開。テクノロジーとデザインを融合し、30年後の日本の食がより良いものになるために、食の未来を作るとしている。

ウェブベースのコラボデザインツールFigmaが日本法人を設立、今後数カ月をめどに日本語版をリリース

ウェブベースのコラボデザインツールFigmaが日本法人を設立、今後数カ月をめどに日本語版をリリース

ブラウザー上で共同編集できるデザインプラットフォーム「Figma」(フィグマ)を提供するFigma,Inc.は3月16日、アジアで初の拠点となる日本法人Figma Japanの設立を発表した。今後数カ月をめどに日本語版をリリースする予定。Figma製品が英語以外で公式に利用できるようになるのは、今回が初。またカントリーマネージャーとして、ブライトコーブのシニアバイスプレジデントおよび日本法人代表を務めていた川延浩彰氏が就任する。

これまでサンフランシスコとロンドンにオフィス拠点を設けてきたFigmaは、日本国内でも採用活動を強化するという。
Figmaの日本進出への背景には、2019年末にFigma本社の製品並びに営業チームが日本へ市場調査に訪れたことや、直近1年間で(ユーザーの登録数ベースで)約2倍に拡大した活発なデザイナーコミュニティの存在がある。

同社によると、日本について、デザインとテクノロジーのグローバルリーダーとしてのポジションだけでなく、デザイン思考を持つ多くの顧客が存在する重要な市場と位置付け。このため、アジア最初の拠点として日本でのFigma Japan設立を決定したという。

Figma共同創業者兼CEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏は、「日本法人を設立し、日本市場向けのローカライズを行うことにより、この重要なコミュニティにFigmaがより一層普及し、『すべての人がデザインを利用できるようにする』という私たちのビジョンの実現に近づけてくれると考えています」と述べている。

ウォレットアプリのKyashが49億円のシリーズD調達、累計資金調達額約128億円に

ウォレットアプリのKyashが49億円のシリーズD調達、累計資金調達額約128億円に

ウォレットアプリ「Kyash」(iOS版Android版)提供のKyashは3月17日、シリーズDラウンドにおいて、第三者割当増資による49億円の資金調達を実施したと発表した。累計資金調達額は約128億円となった。引受先は、JPインベストメント、米Block(旧Square)、英Greyhound Capital、米Altos Ventures、Goodwater Capital、StepStone Group(旧Greenspring Associates)、香港Yitu Capital、SMBC日興証券、三井住友海上キャピタル、AGキャピタル、ジャフコ グループ、SMBCベンチャーキャピタル、W venturesのそれぞれが運営するファンド。

調達した資金により、さらなる人材採用による組織拡充を行い、事業領域の拡大・サービス運用体制を強化する。

「Kyash」アプリは、インストールすると誰でもすぐにバーチャルカード(Visa)を発行可能。銀行口座やクレジットカード、デビットカードをアプリに登録すると、Visaオンライン加盟店で買い物が行える。Apple PayやGoogle Payにも対応しており、QUICPay+加盟店の決済もサポート。「Kyash Card」、「Kyash Card Lite」を発行すると実店舗でも利用できる。カードの利用限度額上限や利用可能場所はカスタマイズに対応しており、ICチップによるサインレス決済も可能。

2015年1月設立のKyashは、「価値移動」のサービス・インフラを開発・提供するテクノロジー・カンパニー。人々のライフスタイルに寄り添いながら、人々の価値観や想いが自由に届けられる「新しいお金の文化」を創造することを目指している。

不正経費自動検知クラウドStena Expense、飲食店の相場価格から会議費・交際費の異常利用を検知するAI機能を追加

不正経費自動検知クラウドStena Expense、飲食店の相場価格から会議費・交際費の異常利用を検知するAI機能を追加

AI活用検知クラウドやサイバーセキュリティ技術を開発・提供するChillStackは3月15日、個人立替領域の不正経費自動検知クラウド「Stena Expense」(ステナエクスペンス)において、飲食店で会議費・交際費として使用された経費が一般的な相場金額から大きく逸脱していないかを判定・抽出する新機能の実装と提供開始を発表した。

今回の新機能では、外部APIとの連携により、飲食店で使用された経費(交際費・会議費に該当する明細)が、該当店舗の1人あたりの相場金額から大きく逸脱していないかを同社独自AIで識別・抽出する。飲食店データベースと連携したStena独自のAI識別エンジンが飲食店データベースを照合して金額の妥当性を判断するという。

不正経費自動検知クラウドStena Expense、飲食店の相場価格から会議費・交際費の異常利用を検知するAI機能を追加

Stena Expenseは、企業における個人立替経費の申請・承認データを元に、AIが自動的に不正や不適切な経費利用を検知する。経費の重複申請や交通費の水増しといった不正検出に加えて、個々の従業員の申請履歴を踏まえて判断することで、「特定個人との多頻度利用」や「特定店舗での多頻度利用」といった不適切もしくは異常と推察される経費利用も検出できる。AI技術を活用することで、人の目では不可能な時系列的・網羅的に経費申請というビッグデータの解析を行い、間接部門の生産性とガバナンス向上を実現する。

主な特徴

  • 経費の承認・チェック業務の負担を増やすことなく、全データの網羅的かつ時系列での精査が可能
  • 申請履歴・傾向を踏まえたチェックにより、経費利用の妥当性確認が可能
  • 不正・不適切・異常の根拠が表示されるため、原因・理由が明瞭
  • 経理部門・業務部門のどちらも使える分かりやすいウェブUI

2018年11月設立のChillStackは、「AIで守り、AIを守る」というビジョンを掲げ、AIで進化させたサイバーセキュリティ技術、AI自身を守るセキュリティなどの技術開発・提供を行っている。Stena Expenseをはじめ、AI技術を活用した不正検知システム「Stena」シリーズを展開している。

内航海運の抱える課題を解決するDXソリューションを推進するMarindowsが2億円の追加資金調達

内航海運の抱える課題を解決するDXソリューションを推進するMarindowsは3月15日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による2億円の追加資金調達を実施したと発表した。引受先は井本商運、東京汽船、古野電気、三菱造船を含む5社。

調達した資金は、内航海運向けに提供する3つのコア事業「船員働き方改革」「船員と船舶の安全向上」「船員の健康向上」を実現する各種ソリューション開発の加速、人材獲得にあてる。また出資者との事業シナジーを活用し、各種サービスの使い勝手向上、価格低廉化を加速させる。

日本の基幹物流として国内貨物輸送のおよそ45%を担う内航海運は、「船員高齢化による人材課題」「船舶の事故増大という安全課題」「地球温暖化への対応に伴う環境課題」という3つの課題を抱えている。Marindowsでは、これら課題を解決するサービスを10月より開始するため開発を進めている。具体的には以下のとおり。

  • 船員働き方改革:船員向けに最適化した業務サポート端末を展開。年齢やスキルに関わらず使えるよう配慮したという。2022年度から施行される改正船員法で求められる労務管理アプリも備える
  • 船員と船舶の安全向上:通信機能によりネットワークと連携することで安全性と利便性を向上させた内航標準ドライブレコーダーと、内航標準ポータブル電子海図を用意。これら機器により、船舶の安全性の確保と、船主やオペレーション業務との連携強化による業務効率向上にもつなげられる
  • 船員の健康向上:船員の健康を守るため、遠隔診療、遠隔処方、ストレスチェック、デジタル船員手帳連携を備えたサービスを提供する。船員の医療格差を解消し労働環境の向上を図る

また同社は、船員向け業務端末に便利な機能を追加提供していく予定という。2022年後半サービス開始予定の衛星ブロードバンド通信を普及させるための取り組みも進めている。