NFTとは何か?デジタル収集家たちのなぜ今、熱狂しているのか?

代替不可能なトークン(NFT、Non-fungible token)は、Ethereumなどのブロックチェーン上の唯一無二の価値を表現するデジタルアイテムの1つである。NFTは2年ほど前から存在しているが、猫のアニメーションNBAのクリップバーチャル家具といったビジュアルアートを収集する手段として急速な盛り上がりを見せている。

「突発的に」といっても過言ではない。Cointelegraph(コインテレグラフ)によると、2020年後半に900万ドル(約9億9000万円)相当のNFT製品が買い手に売れたという。2021年2月初めには24時間枠で6000万ドル(約66億円)相当のデジタル商品が取引されている。

いったい何が起こっているのか。2021年2月にNew York Times(ニューヨークタイムズ)がこのトレンドについて詳しく報じた記事に加えて、ウィスコンシン州在住のBeepleというアーティストについて書かれたEsquire(エスクァイア)の記事が新たな関心を呼んだ可能性が高い。Beepleはウィスコンシン州出身の父親でもあるデジタルアーティストで、過去13年間にわたり日々制作してきたデジタル描画作品が2020年12月に飛ぶように売れ始めた。転換点のさらなる裏づけが必要なら(現時点で豊富にある)、BeepleことMike Winkelmann(マイク・ヴィンケルマン) 氏の作品がChristie’s(クリスティーズ)を通じて公開されたことを考慮して欲しい。これは由緒あるオークション会社がデジタル作品だけを販売する初めてのケースとなる。

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この市場について、そしてなぜリアルタイムで爆発的に成長しているのかを詳しく知るために、元インターネット起業家のDavid Pakman(デイビッド・パックマン)氏に話を聞いた。同氏は数十年前にベンチャー企業Venrockに入社後、すぐにBitcoin(ビットコイン)の動向を探り始め、2015年からベイエリアにある自宅で暗号資産(仮想通貨)をマイニングしている人物だ(「コンピューターが並ぶ棚を見に来る人に『ちょっと説明しにくい』という感じだった」)。

同氏がNFTの将来性を早くから確信し、新興企業Dapper Labs1500万ドル(約16億4650万円)のシリーズAラウンドを主導するようVenrockを説得したのも驚くことではないだろう。Dapper Labsの主力製品は、暗号資産で購入して育てられる限定版のデジタル猫CryptoKittiesだった。

当初はこのコンセプトにとまどう向きもあったが、パックマン氏は以前から、Dapperが提供するものがさらに広がりを見せることを予想していた。実際、最近NBAと結んだDapperの収集可能なハイライトクリップの販売契約は、すでに多大な関心を集めており、Dapperは現在、評価額20億ドル(約2200億円)で新たに2億5000万ドル(約274億円)を調達したと報じられている。パックマン氏はこの数字を確認したり訂正したりすることを控えたが、その他の質問についてはチャットで回答してくれた。ここでは長さと明確さの観点から編集されている。

TechCrunch(以下「TC」):デイビッド、私たちにもわかりやすく説明していただけますか?なぜ世界は今、NFTに熱狂しているのでしょうか。

パックマン氏(以下「DP」):暗号資産の最大の問題の1つは、難解な用語を使ってごく基本的な概念を説明していることです。約4割近くの人々が、野球のカード、靴、アートワーク、ワインなどをコレクションしています。これにはたくさんの心理的な理由が存在します。セットを完成させることを求める人もいます。投資目的で行う人もいます。家宝としての相続を考えている人もいます。しかし、デジタルの所蔵品はコピーするのが容易であったため、実世界でしかコレクションを行うことができませんでした。

そしてブロックチェーンが登場し、デジタルコレクションを不変のものにし、コピーできないものを誰が所有しているかを記録し始めました。スクリーンショットをとることはできますが、デジタルの収集物を実際に所有していることにはならず、スクリーンショットは何の力もありません。売ることも取引することもできません。その強力な裏付けとなるものがブロックチェーンです。そこで私は、暗号ベースのコレクションの存在感は大きくなり、事実上暗号の主流を取り込み、一般の人々を暗号資産に深く関与させることになると確信していました。それが今まさに起こっていることです。

TC:人々がアイテムを集める理由について語ってくれましたが、ステータスについては触れていませんでした。それが動機の1つであると仮定すると、オンラインで集めたものをどのように顕示できるでしょうか?

DP:私たちが収集する理由としてステータスを顕示ことも挙げられますが、デジタルの世界でコレクションを顕示することはより簡単であると思います。私が車のコレクターだった場合、私の車を見せる唯一の方法はガレージに足を運んでもらうことですが、それは一定数の人にしかできません。しかし、オンラインでは、デジタルコレクションとして公開することができます。例えばNBA Top Shopは、自分が体験したことを容易に披露できます。誰もがページを持っていて、アプリが出てきて、アプリ内の誰にでもそれを公開したり、ソーシャルネットワークに投稿したりできます。そして、自分のコレクションがどれだけ大きなものであるか、どれだけエキサイティングなものであるかを示すのは、実に簡単です。

TC:2020年の10月にDapperはこの動画モーメントサービスを開始しています。ポケモンのセットのように、パックを買うと何か「すばらしい」ものがもらえることはわかりますが、何がもらえるかはわかりません。その売上のほぼ半分が先週に入って達成されましたが、どのような背景がありますか?

DP:現在の利用数は3万人から4万人程です。1日に50%から100%成長していますが、成長は極めてオーガニックなものです。このゲームはまだベータ版の段階で、Twitterに投稿する以外のマーケティングは行っていません。私たちはまだバグを解決していませんし、解決すべきバグもたくさん残っていますので、これを市場に出して多くの利用者を獲得しようという計画は今のところありません。

しかし、何人かのNBAプレイヤーはこれを見て「ソーシャルメディア上で」自分のモーメントに熱狂しました。そして「もう少し高い値段で取引したい」というような動きもあるかもしれません。しかし、私はこれを再生しているのはごく普通の人だとも考えています。クレジットカードがあれば再生でき、利用者の65%はこれまで暗号資産を所有したり取引したことがありません。そこで私は、暗号ベースのコレクションが主流のユーザーを暗号資産に引き込むことができるという主張が、私たちの目の前で展開されていると考えています。

TC:Dapperの報酬はどうなっていますか?

DP:二次売上の5%と、100%から一次売上の取引原価を引いた金額が得られます。もちろん、私たちはNBAとも提携しており、NBAもその一部を回収しています。しかし、それはシステムがどのように機能するかの基本的な経済性です。

TC:NBA側には毎年支払われるべき最低額があり、それ以上の額を受け取ることになっていますか?

DP:NBAや選手会との関係について、正確な経済条件は公表していないと思います。しかし、明らかにNBAが知的財産権の所有者であり、チームや選手が経済的に参加しているのは良いことです。なぜなら、彼らこそがここで知的財産を生み出しているからです。

ただ、こうした瞬間が高く評価された場合(パック販売の商品が高額で購入された場合)、その評価の95%は所有者に支払われます。したがって、これは野球カードに非常によく似ていますが、今では知的財産所有者は、製品のライフサイクルを通じて彼らの知的財産の下流の経済活動に参加することができます。これは、あなたがNBAであろうと、何十年もIPライセンスビジネスに携わってきたディズニーのようなものであろうと、非常に魅力的なことであると思います。

そして、このNFTスペースが起きているのはメジャーIPだけではありません。個人のクリエイター、ミュージシャン、デジタルアーティストがデジタルアートを作って、5枚だけコピーしてオークションにかけることができます。将来的には作品が売れるたびに少しずつ収集することも可能です。

TC:NBA Top Shotについては、同じ限定版クリップに何を支払うかという点で価格は大きく変動します。これはなぜでしょうか?

DP:理由は2つあります。1つは希少なアイテムのように低い数字の方が高い数字よりも価値があるということです。つまり、たとえば特定のレブロン社が500枚のコピーを作って、私がその1番を所有し、あなたがその399番を所有しているとすると、市場は低いほうの数字に高い価値を与えることになります。これは限定版のコレクター・ピースの典型です。おもしろいコンセプトですね。しかしとても人間的な概念です。

もう1つは、このゲームに参加する需要が徐々に増えているため、人々はより高い価格を喜んで支払うようになっているということです。そのため、時間の経過とともにこれらの瞬間の価格が大幅に上昇しています。

TC:暗号関連の難解な言葉の中には人々を不安にさせるものがあると指摘されましたが、パスワードを忘れたなどの理由で、世界のビットコインの20%が所有者から永久にアクセスできないという事実もそうだと思います。基本的にデジタルロッカーやデジタルウォレットに保存しているこれらのデジタルアイテムにリスクはありますか?

DP:これは複雑なトピックですが、Dapperは、Dapperのウォレットに自分のモーメントを保存している人たちのために、ある種のパスワード回復プロセスが効果的に存在するような方法でこれが起こらないようにしようとしています。

Dapperのアカウントから離れて別のアカウントに移動することもでき、パスワードの回復を自分で行うことができます。

TC:なぜ複雑なトピックなのですか?

DP:集中アカウントストレージはユーザーにとって便利ですが、何らかの理由で信用できなくなる可能性があると考える人もいます。つまり、企業がユーザーのプラットフォーム設定を解除したり、アカウントを無効にしたりする可能性があるということです。そして暗号の世界では、誰もあなたのプラットフォームを解除することができないようにすること、あなたが購入するもの(暗号資産やNFT)があなた自身のものであるようにすることについて、ほとんど信仰性に近い情熱が存在します。長期的には、Dapperはそれをサポートすることになるでしょう。どこでも好きな場所に自分のモーメントを移動できるようになります。しかし現時点においても顧客は「パスワードを忘れたからモーメントを取得できない」と心配する必要はありません。

Dapper Labsが独自のブロックチェーンを構築した理由や、米国がデジタル米ドルを設立したことについてパックマン氏が考えていることなどの詳細については、ここで私たちの会話を聞くことができる。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFT暗号資産Dapper Lab

画像クレジット:Cryptokitties

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

【コラム】NFTはより大きな金融資本の経済発展の一部でしかない

本稿の著者Dominik Schiener(ドミニク・シーナー)氏はIOTA Foundationの共同創設者で会長。2011年からブロックチェーンの世界にいてスイス、英国、ドイツのスタートアップにも関わっている。彼の主な焦点は、DLTやAIなどのデジタルインフラで物理インフラを改善する方法だ。

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非代替性トークン(NFT)は今、非常に熱いトレンドであり、このテーマについて扱った記事はこの数週間で数千本に達した。本記事でも同じテーマを扱うのは何だか申し訳ないのだが、トークン経済の潜在性が持つ重要な意義が見過ごされていることを考えると、書かずにはいられないのだ。

NFTは、金融資本の世界で起きているずっと大きな発展のわずかな一部でしかない。人々が今、少し困惑しながら苦笑いして見ているNFTは、シリコンバレーの台頭以来機能してきた投資モデルを今後10年もしないうちに完全に変えてしまうだろう。

何が「非代替」なのか

NFTが注目を集めるようになった最初の段階は奇妙なもので、一群のごくわずかな人が富を手にし、ほとんどの人はただ困惑するばかりだった。単に一時的な流行だとNFTを見限る前に、それは決して従来の投資の枠組みで使いやすいよう設計されたものではなかった、という点を考えておくのは意義のあることだろう。

NFTが具体的にどのように発展していくのかを想像するのは難しいかもしれないが、この新しい経済が従来の経済モデルの乾ききった表面からどのように浸透していくのか、その概要はすでに見え始めている。

オークションで6900万ドル(約76億円)のJPEG画像を販売することは、馬車の持ち主が小型原子炉を馬車の上に縛り付け、実際のところは相変わらず馬が引っ張っているのに「これは原子力で動く馬車なんです」と言い張るのとあまり変わらない。周りの人からは注目されるだろうが、根本的な変化は何1つ起こっていない。

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ニュースの見出しをにぎわす最近のNFTの販売例は、どれもこの種の後ろ向きな考え方の実例だ。そして「原子炉は過大評価されている」と言って馬車の持ち主を批判している傍観者たちは、このことが長期的に見て持つ意義にまだ気づいていない。もしかすると、馬が嫌いなだけかもしれない。

クジラとイヌとユニコーン

大航海のための資金調達手段という投資の概念の芽生えから、今日見られるようなベンチャーキャピタルの勃興に至るまで、金融資本の世界はいつでも選ばれし者たちだけの楽しみであった。これは、現在の投資モデルが、大きな投資をした者が大きな勝利を得られるというコンセプトに基づいているからだ。

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全世界の金融資本のほとんどすべては巨大なクジラ(大金を賭けられる投資家)やユニコーン(大成功を遂げた新興企業)といった伝説の生き物によって成り立っており、凡人はその一端を垣間見られるだけでも幸運だと思っている。資本の世界における成功者(ビッグドッグ)を生み出す理論は、最上位の投資家たちの意向を汲んで動く、強力な仲介者たちを基礎として築かれているのである。

Bitcoin(ビットコイン)の発明は、金融の発達史において画期的な出来事だ。ビットコイン自体は、結局のところ有力者たちの新たな遊技場になってしまったとはいえ、テクノロジーの面でビットコインの誕生が投じた一石は、今や世界を大きく変える波になろうとしている。そもそも、ブロックチェーンは分散台帳技術(DLT)の応用例の1つであり、この技術は地球の裏側にいる人へ即座にメッセージを送れることと同じほど重要なブレイクスルーなのだ。

DLTの実用化は、金融資本にとってもはや強力な仲介者が不要になったこと、もしくはいかなる仲介者も不要になったことを意味する。現在は、双方の当事者間で送金、取引契約、投資のための信頼関係を確立する時にどうしても中間者が必要となる。そのような中間者が提供するサービスに対する支払いは、大企業や大富豪ならばビジネスに不可欠なコストとしてあきらめられるだろうが、多くの人にとっては参入の障壁となる支出のままである。

DLTでは信用関係がネットワークのアーキテクチャによって確立され、アーキテクチャそのものに組み込まれているので、そのような障壁を打破できる。DLTを利用すれば、インターネットに接続する人なら誰でも、自分の経済力の許す範囲で大富豪と同じスタイルのビジネスを展開でき、それを支えるのがトークンによる決済なのだ。

柔軟に変化していくトークン経済

投資の分散化のメリットは無視できないほど数多くあるため、大手投資家は今後数年の間にDLT経済を導入するようになるだろう。オートメーションによって取引はいっそうスムーズになり、取引の結果や市況の変化はすばやく(リアルタイムで)反映され、透明性によってセキュリティは向上し、金融商品やサービスのさらなるカスタマイズが可能になる。大型投資家が分散型金融を導入することは、すべての人にとって純粋に好ましい影響を及ぼすだろう。

この新しいシステムの肝となるのがトークンであり、NFTはその一種にすぎない。台頭しつつあるこの経済モデルでは、決済トークンがお金の役割を果たし、証券トークンが株式と同様の意味を持ち、ユーティリティトークンが容量や帯域幅のような機能を提供する。そして、ハイブリッドトークンではこれらのトークンがミックスされて新たな形態が生まれる。なんだかよくわからないがおもしろそうだ、と思われただろうか。実際そうなのだ。

ここで理解しておきたいのは、トークンによって置き換えられるのは株式やその他の投資商品にとどまらず、何かを購入する時の仲介者役(投資ブローカー、クレジットカード会社、プラットフォームプロバイダー、銀行など)も置き換えられる、ということだ。分散型経済は今よりもっとオープンで、直接的な市場になることだろう。

トークン経済の真価とは

上述のようなことすべてがどのようにして起こるのか、具体的には想像しにくいかもしれない。しかし、この新しい経済が従来の経済モデルの乾ききった表面からどのように浸透していくのか、その概要はすでに見え始めている。その突破口は、現実の経済が不合理なものになっている分野で最もはっきり認めることができる。

現在急速に伸びているギグエコノミーでは、もはや誰も安定した職に就くことはなく、まるで傭兵のようにギグからギグへと渡り歩く。私たちの首にくくりつけられた石臼のような大量のサブスクリプションについてはどうだろう。ミュージシャンにとって苛立ちの元になっているストリーミングプラットフォームとの関係や、アーティストと画廊との関係についても考えてみよう。この惑星に根深く残る貧困問題に圧迫されている人の数も考えて欲しい。

これらはすべて、生活と仕事のモデルがいよいよ従来の入れ物には収まらなくなってきていることを示すものだ。それらの側面は最適化されているとはとても言えないものだが、その原因を指摘することも、どのような解決策があるかを指し示すこともできていない。トークンを使用した分散型経済には、これらのマイナス面、矛盾、機能不全をすべて除去し、それよりもはるかにわかりやすくエレガントなもので置き換えるだけのポテンシャルが秘められている。

新しい現実がどのようなものになるのか、それがもたらす結果の一部については比較的想像しやすい。例えば、9種類のサブスクリプションに支払うのではなく、欲しいと思った時に欲しいコンテンツに直接支払うことが可能になる。アーティストがギャラリーに稼ぎの半分を持っていかれたり、ミュージシャンがすべての稼ぎをストリーミングプラットフォームに渡したりする代わりに、そのような種類のコンテンツ向けに構築された柔軟なネットワークを通じて自分の作品に対する支払いを直接受け取れるようになるだろう。また、不動産投資のようなこれまで手の届かなかったセクターを含め、投資するためにブローカーに手数料を払う代わりに、関心のあるエンタープライズに直接投資できるようになる。そして、貧困による圧迫や、守りの固められた階級間の境界線が排除され、障壁を打破して誰もが価値にアクセスできるようになる。

トークン経済の展望について、まだ想定されていない側面が数多くあることだろう。だからこそ今後が非常に楽しみだ。インターネットに接続できる人なら誰でも参加でき、意義深い仕方で貢献できるような経済がグローバルに広がっていけば、まだ利用されていない資産が持つ何兆ドルもの価値が活用されることになる。ためらう理由はあるだろうか。どうすれば最短距離でそこまで到達できるだろうか。

何をすべきかは明らか

この新しい経済を実現させる上で最も難しい問題は、すでにクリアされている。合意形成システムを分散型に変え、取引と投資のために資産をデジタル化するシステムと組み合わせる方法に関する技術的な理解はもう得られているのだ。

このシステムを軌道に乗せるために必要な残りの作業は、かなり明確だ。まず何より先に、この新たなシステムがその草創期に生態系に与える影響について考えなければならない。マイニングファームを完全に法律で禁止するか、ファームが電力ソースとして非再生可能エネルギーを使用できる割合についてできるだけ厳しい制限を加えることが必要だ。新しい経済のバックボーンがこの惑星を破壊してしまうものならば、大きくなる前にシャットダウンし、完全に停止させなければならない。システムは生態学的にサステナブルであることが必須だ。

次に懸念されるのは、さまざまな暗号資産やトークンがあるのに、現状ではまだそれらに共通する規格も共通のネットワークも存在しないことだ。多様な暗号資産が存在しながら、そのことが話題にも上らないのは驚くべきことであり、非常にもどかしい。

それはまるで、多数の企業が電球を発明するのに飽き足らず、独自のソケットや配線規格まで発明し、それぞれが自分たちのやり方こそ最善で最後には勝利すると主張しているようなものだ。電球はすばらしいが、お願いだからソケットは統一してもらいたい、と思うのは当然のことだ。このすばらしいトークン経済も、私たちが中立的で相互運用性のあるネットワークを作らなければ決して羽ばたけない。さらに、そのネットワークは無料かつスケーラブルなものでなければならない。

差し迫った懸案事項の最後のものは、規制と法的枠組みだ。暗号資産の世界には、干渉されることを極度に嫌う無政府主義的な考えを持つ人々がまだ非常に多い。これは、私たちのコミュニティが長期的に目指している目標の達成に寄与しない。

バリューチェーンに存在するあらゆる仲介者を排除することには大賛成だが、それは、いかなる規制機関からも自由なおとぎの国を作るという意味ではない。分散型経済向けの法的枠組みは、オープンソースによるコミュニティ主導で構築された透明性の高いオペレーションという私たちの精神と調和するものだ。私たちすべてが、まだ発生期にあるテクノロジーに関する全面的かつ緻密な規制づくりに協力しなければならない。

エコロジー、相互運用性、規制を合言葉にすれば、ユーザーがこの新しい経済の力を活用するための実用アプリやその他のインフラの構築に取りかかることができるだろう。余剰電力を地域のスマートパワーグリッドに販売することから、自分の労働の対価を受け取ることまで、その用途は無限にある。そしてもちろんNFTの購入もその用途の1つであり、新しい経済においては今よりはるかに有意義な存在になることだろう。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFT分散型経済暗号資産コラム

画像クレジット:imaginima / Getty Images

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(文:Dominik Schiener、翻訳:Dragonfly)

上場間近のCoinbase、絶好調の2021年第1四半期決算を読み解く

一般向け暗号資産取引プラットフォームであるCoinbaseの2021年第1四半期決算が発表されたが、成長ぶりは著しく同時に着実に利益を出していることが判明している。

Coinbaseの今回の2021年第1四半期の速報値の発表直接上場を4月14日に控えたタイミングで行われた。同社は巨大な資金力があり、知名度も高いため新株を発行して一括売り出すという伝統的な方法ではなく、直接上場という新しい方式を採用する。

関連記事:Coinbaseが4月14日に直接上場へ、4月6日に最新の財務情報発表予定

我々は今回の発表でCoinbaseが明らかにした最新の数字を2021年の2月25日に公開されたS-1上場申請書の数値と比較して検討した。

  • MTU(月間トランザクション利用ユーザー)は 610万人で2020年末の280万人から大きく成長している。
  • プラットフォーム上の暗号資産は2230億ドル(約2兆4400億円)。2020年末は903億ドル(約9800億円)だった。
  • 取引高は3350億ドル(約3兆6600億円)。2020年末は1931億ドル(約2兆1100億円)。
  • 収入は18億ドル(約2000億円)。2020第4四半期は5億8510万ドル(約640億円)だった。
  • 純利益は「約7億3000万ドルから8億ドル(約800億円から880億円)」で、2020年第4四半期の1億7880万ドル(約200億円)から増加。
  • 調整後のEBITDAは「約11億ドル(約1200億円)」で、2020年第4四半期の2億8770万ドル(約320億円)から増加。

2020年第4四半期から2021年第1四半期までのCoinbaseの成長は極めて大きいため対前年比はあまり意味がない。たとえば2020年第1四半期の収入は1億9060万ドル(約208億8000万円)で2021年第1四半期の10分の1強だった。2021年第1四半期の同社の調整後利益だけでも前年同期の5倍以上だ。

こうした数字は同社が(近づいているとする)1000億ドル(約10兆1000億円)ないしそれを超える会社評価額の根拠を固めるものとなるかもしれない。

Coinbaseはプレスリリースでいくつかの警告を述べている。暗号資産の価値は「短期間で大きく変動するため、四半期末ごとの状態の代わりにサイクル全体の平均を測定する」という。同社はまた、将来暗号資産取引が減少しても投資が現象、停滞することはない述べた。

MTU、取引総額、これにともなう取引収入は現在、将来ともにBitcoinの価格、暗号資産価値の急激な変動により変動する。このため将来の収入の予測は非常に困難であり、四半期ごとの収益性に影響を及ぼす。支出面では、Bitcoin価格が下落する時期があり得ることを認識しているが、そうした時期にも投資を最優先する。これは会社規模をスケールさせることが使命の達成のために必須であり、この業界自体、発展の初期段階にあると我々が信じているからだ。(強調はTechCrunch)

簡単にいえば、収入が減少した場合、短期的に投資家の期待に沿うのではなく、収益性を犠牲にしても将来に向けた企業規模の拡大を優先するということだ。Coinbaseはこの点、投資家へのメッセージを明確にしている。「Coinsbaseは投資家の意を迎えるために四半期ごとの業績を調整しない。そういうことを期待しているなら我々の株を買うべきでない」ということだろう。

将来に関して、Coinbaseは2021年通期の業績についてガイダンスを示している。同社は3つのシナリオを提示した。1つ目は「暗号資産価の時価が増大し、暗号資産価格の変動がが中程度から高程度」という想定だ。この場合はMTU700万人と推定している。第2は「暗号資産時価総額は横ばい、価格変動は低~中程度」の場合で、550万MTU、3つ目は「2018年に見られたような大幅な暗号時価総額の減少が起き、その後の暗号資産価格の変動は低水準」の場合で年間400万MTUを想定している。

しかし、最高のシナリオでも610万から700万MTUを提示しているからといって同社が成長の停滞を予想しているわけではない。同社はリリースの中で「機関投資家による収入」というセクションで「2021年には、機Coinbaseの四半期はばかばかしいほど上出来だったが、これは同社のみにとどまるものではなく、暗号資産ビジネス全体がそうだった。関投資家の関心が高まり、取引手数料およびカストディフィーの収益が意味のあるレベルに拡大する」と予想している。つまりCoinbaseの株を買うことはBitcoinその他の暗号資産の先行きに賭けることとほぼ同義となる。というわけで4月14日はおもしろいことになりそうだ。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Coinbase暗号資産新規上場

画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:滑川海彦@Facebook

Robinhoodの暗号資産取引が急増、2021年第1四半期で170万から950万に

2021年は暗号資産にとって大きな年だった。米国時間4月8日、Robinhoodは統計をちょっとばかり共有して、少なくとも現在のところ暗号資産(仮想通貨)のブームが単なる空騒ぎではないことの証拠を提供している。

Robinfoodの暗号資産運用部門のトップであるChristine Brown(クリスティン・ブラウン)氏がブログで明かしたところによると、2021年の第1四半期には950万人の顧客が同社のプラットフォームで暗号資産の取引を行った。それは2020年第4四半期の170万人と比べて大きな増加だ。同社が暗号資産部門であるRobinhood Cryptoを立ち上げたのは2018年1月だが、これまでは四半期データを公表していない。

2021年2月にRobinhoodは、同年の最初の2カ月で新しい顧客が600万人増えたことを公表した。2020年にはピークの月が40万1000人、1カ月平均では約20万名の顧客数だった。

ブラウン氏によると、Robinhood Cryptoを立ち上げた同社のそもそもの意図は、同社の基本的仲介業務であるRobinhood Financialで提供されている一連の資産種類に加えて、暗号資産の売買ができる機会を顧客に与えることだった。

Robinhood Cryptoは現在、Bitcoin、Bitcoin Cash、Bitcoin SV、Dogecoin、Ethereum、Ethereum Classic、Litecoinという7種類の売買可能なコインを提供している。

またブラウン氏によると、Robinhoodの暗号資産チームは人員が年初以降3倍に増えているという。ただし具体的な人数は明かされていない。同社の求人サイトには暗号資産関連の募集が多く、その中には「暗号資産担当CFO(Crypto CFO)」まである。

同社は、暗号資産が同社の事業全体の重要な部分であり、大衆へのアクセスを民主化するというミッションの一部であることを明確にしている。

「暗号資産の支出と売買と保存に必要なものは、理論的にはインターネット接続だけです。巨額な信用限度額やスタートアップの資本金はいりません。売買をするのに、1日の特定の時間に起きている必要もありません。暗号資産のマーケットには終了がありません。暗号資産は現在、さまざまな機関が握っている通貨に関する力を、人々の取り戻すというミッションから生まれました」とブラウン氏のブログでは述べられている。

2020年夏、Robinhoodは同社のその年3度目の資金調達として、112億ドル(約1兆2240億円)というさらに高い評価額で2億ドル(約220億円)ほど調達し、2021年3月の上場へと向かった。同社はそれまで、騒乱の1年あまりを過ごし、議会に呼ばれたりユーザーの自殺で評判を下げSECとの和解もあった。

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一方、TechCrunchは今週、2021年4月第2週の初めに、2021年第1四半期には米国の消費者向け暗号資産取引の大手Coinbase急伸し同四半期に大きな利益を上げたことを報じた。2021第1四半期における同社の売上は18億ドル(約1970億円)で2020第4四半期の5億8510万ドル(約640億円)から大きく増加した。純益は2020第4四半期の1億7880万ドル(約200億円)に対し「およそ7億3000万ドル(約800億円)から8億ドル(約870億円)」とされた。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Robinhood暗号資産

画像クレジット:Robinhood

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Hiroshi Iwatani)

暗号化チャットのSignalが英国でMobileCoinによる決済機能をテスト中

メッセージを暗号化して送信しているチャットアプリSignalが、そのサービスに決済を加える。それはユーザーが長年待望し、同社自身も開発に時間をかけていた機能だ。英国のみのベータプログラムでユーザーは、暗号資産MobileCoin使って、迅速で容易に、そして特に重要なこととしてプライベートに支払ができる。

英国に住んでたり、住んでることになってる人は、SignalをアップデートするとSignal Paymentsという新しい機能に気づくだろう。利用するために必要なことは、暗号資産の取引所FTXでいくつかのMobileCoinを買ってから、そのウォレットをリンクするだけだ。現在、MobileCoinを扱っている取引所はそこだけだ。

そうしてリンクしたら、同じくウォレットをリンクしている誰かに即座にMOBを送金できる。チャットを送るのと同じぐらい簡単だ。英国以外の国でのベータの予定は、まだ発表がない。

Signal自身はユーザーの送信内容や通話内容にどんな方法でもアクセスできないが、それと同じでユーザーが行う決済も完全にプライベートだ。Signalが数年前から取り組んでいたMobileCoinは、スピードとプライバシーを重視して完全に新しく開発され、ゼロ知識証明システムやその他のイノベーションを利用して、Venmoのように容易でしかしSignal自身のように安全だ。詳しく知りたい人はこの研究論文(PDF)を読もう。

関連記事:高セキュリティのメッセージングアプリ「Signal」開発者が助言を行った暗号資産「MobileCoin」がベンチャー資金調達

MobileCoinは2021年3月、この統合が近いという噂の中で、110万ドル(約1億2000万円)ほどの資金を調達した。さらなる噂がMOBの価値を高騰させ、持ってる人はラッキーだったが、これから誰かに食事代の割り勘を払うつもりだった人はアンラッキーだった。突然あなたは友だちにBenjamin(米100ドル紙幣)、今なら英国でTuring(英50ポンド紙幣)を払うはめになり、あるいはランチタイムを過ぎたらそのサンドイッチのお値段が急落していたりする。

もちろん、あなた自身がその通貨を持っていなくてはならないことはないが、毎回安定通貨や法定通貨を換えてもらうのは面倒だ。Signalの共同創業者であるMoxie Marlinspike(モクシー・マーリンスパイク)氏がWiredで、自動交換システムの構想を語っていたが、実際のところ開発中ではないため詳しく語れたのではないだろうか。

暗号資産については悪い評判もあるし、リスクをともなうため、Signalが安全で第三者的なサービスプロバイダーとして開発した善意のシステムも、希釈されたり汚染されるかもしれない。しかしチームは、それは避けられないと考えているようだ。結局のところ、広く利用されている決済サービスがメールやソーシャルメディアのように傍受されていたら、そんなものは芽のときに摘み取り、早急にエンド・ツー・エンドの暗号化へ移行すべきだろう。

カテゴリー:フィンテック
タグ:SignalMobileCoin決算サービスイギリス暗号資産

画像クレジット:Signal

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

日本銀行が「中央銀行デジタル通貨」(CBDC)の実証実験を開始

日本銀行が「中央銀行デジタル通貨」(CBDC)の実証実験を開始

日本銀行は4月5日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を開始しました。現時点でデジタル通貨を発行する予定はないものの、技術的に実現可能かを検証します。

日本銀行が「中央銀行デジタル通貨」(CBDC)の実証実験を開始

開始したのは『概念実験フェーズ1』と呼ぶ実証実験で、同フェーズではシステム的な実験環境を構築し、決済手段としての中央銀行デジタル通貨の中核機能である「発行」「送金」「還収」等に関する検証を行います。実施期間は2022年3月までの1年を想定しています。

日本銀行ではその後、「実証実験フェーズ2」を経て、必要と判断された場合、民間事業者や消費者が実地に参加する形でのパイロット実験の実施も検討します。

日本銀行が「中央銀行デジタル通貨」(CBDC)の実証実験を開始

中央銀行が発行するデジタル通貨を巡っては、「デジタル人民元」で知られる中国の取り組みが先行しているほか、各国の中央銀行も調査研究や実証実験を行っています。

(Source:日本銀行Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:フィンテック
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)中央銀行デジタル通貨 / CBDC(用語)デジタル通貨(用語)日本銀行(組織)ブロックチェーン(用語)日本(国・地域)

NFTはアーティストとミュージシャンだけでなくマネーロンダリングの分野でも注目を浴びる

暗号資産(仮想通貨)業界に注目するメディアが、あるトレンド追っている。Google(グーグル)検索のデータによれば、NFT(非代替性トークン)に対する関心が高まっており、今ではそれが2017年のICO(イニシャル・コイン・オファリング)のブームに匹敵するレベルに達している。

証券取引委員会がICOの周辺を嗅ぎ回り、ある場合にはマネーロンダリングに使用されていたと判断されるに至ったため、ICOが話題に上ることがなくなったのは記憶に新しい。そして今、トークンを追跡できるNFTでも、悪用される可能性があることをブロックチェーン取引の専門家は感じている。トークンを追跡できるからこそ、可能性があるということだ。

NFTがある意味で、デジタル収集品であることをほとんどの読者はすでにご存じだろう(この話題を避けるのは無理がある)。対象はPDFファイルでもツイートでも、デジタル化されたニューヨーク・タイムズのコラムでも構わない。

同じアイテムのコピーがどれだけ存在するとしても、アイテムに英数字の長い文字列が書きこまれることで編集不可能になる。初期段階から暗号資産に投資してきたVenrock(ヴェンロック)のDavid Pakman(デヴィッド・パクマン)氏の説明によれば、このコードはブロックチェーンにも同時に記録されるので、アイテムの所有者に関して記録が恒久的に残るのだ。PDFやツイート、NYタイムズのコラムなどを他の人がスクリーンショットで保存することは可能でも、そのスクリーンショットをなにかに利用することはできないが、NFT所有者はその収集品をさらに高い価格で売ることが(少なくとも理論的には)可能だ。

現時点でのNFT最高額は、約15日前にデジタルアーティストのMike Winkelmann(マイク・ウィンケルマン)が「Everydays:The First 5000 Days(日常:最初の5000日)」という作品で記録した6900万ドル(約76億円)という驚くべき額だ。これは現在活動中のアーティストのうち、Jeff Koons(ジェフ・クーンズ)とDavid Hockney(デヴィッド・ホックニー)に次ぐ3番目のオークション価格である。Beeple(ビープル)という名前を使うウィンケルマンは今回の取引で、自身が2月にクリプトアート作品を売却した際の660万ドル(約7億3000万円)という記録を塗り替えた。(彼は今週の初めに、別の作品も600万ドル、約6億6500万円で売却した)。このような熱狂の中、ビープル自身はメディアに対して、クリプトアートに「注目が集まっている」が、多くのNFTが「最終的に無価値になる」だろうとも語っている。

これほど大きな金額が絡むため、専門家はNFTが犯罪の温床となることを危惧しているが、それに対する対策はまだ講じられていない。

最も現実的に考えられる問題は、取引をベースとしたマネーロンダリングだ。つまり、取引の決済と見せかけて違法な収益を合法的なもののようにするのだ。アートの世界ではこの点がすでに大きな問題になっているが、NFTは芸術作品に類似しているうえ、現在はその金額が安定していない。

ブロックチェーン分析会社Chainalysis(チェーナリシス)で政府関連業務の責任者を務めるJesse Spiro(ジェッセ・スピロ)氏は、次のように説明する。「(従来の)芸術作品を利用した取引ベースのマネーロンダリングを特定する1つの方法は、(鑑定人に)適正な市場価格を提示してもらい、関係している作品の価格と適正価格を比較することで、請求額が過大または過小である取引、つまり本来の価値に対して値段が高すぎたり低すぎたりする取引を(監視)することでした」。

一例としてNBAのハイライトクリップを取り上げるが、数多くのNFTがさまざまな価格で販売されているのは良いことだ。スピロ氏が指摘するように、この状況ではアイテムの平均価格を計算できるため、不審な取引を見つけやすくなる。

一方で、販売履歴を把握できないケースでは、最終的な価格は「購入者が払いたいと思った額になるので」、違法な取引であるとは「断定できなくなってしまう」。スピロ氏によると「当事者同士が(取引を)成立させてしまえばよいのだ」という。

デジタル資産は他の犯罪にも使われることがあり、NFTにもその可能性がある。暗号資産市場の調査会社Solidus Labs(ソリダス・ラボ)の共同創設者兼CEOであるAsaf Meir(アサフ・メイア)氏は、個人や団体が同じ金融商品を同時に売却・購入する仮装売買や、同一組織内の2つのアカウント間が関係するクロス取引などを例に挙げて指摘する。ある資産の価格について虚偽の記録を作り出し、実際の市場価格を反映させないためにそのような手法が使われる。

どちらの手法もマネーロンダリングを防止する法律では違法であるものの、この行為を取り締まることが従来の方法では特に難しい。「市場では小売が一般的なため、複数のアカウントが手を組んで、複数のアドレスを使ってさまざまなアクションを実行できてしまうことが、暗号資産市場のやっかいな点です。利益を受けるオーナーが、別々の組織や機関のアカウントを使うこともあれば、同じ機関のアカウントを使う場合もあります」とメイア氏はいう。同氏と同社の共同創設者はGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)で出会い、株式の電子取引デスクで働くうち、デジタル資産に対する監視に関する問題が解決されていないことにすぐに気づくようになった。

NFTが違法な送金に利用されるものだとすべての人が考えているわけではないことも、覚えておくべきだろう。NFTマーケットプレイスのDapper Labs(ダッパー・ラボ)にも投資しているパクマン氏は「暗号資産の推進派はこのような問題に気を悪くしていますが、政府はマーケットプレイスや取引所に乗り込み、『商売がしたければ、顧客の個人情報とマネーロンダリング防止に関する法律に従い、顧客全員の身元を確認しろ』ということができます。このようにすると、一定額を超える不審な取引については、書類確認の実施が必要になります」と語る。

この2つの手順を踏むことで、不審な取引が見つかった時に当局がマーケットプレイスや取引所を呼び出し、ユーザーの身元確認を強制しやすくなる。

不審な取引が発生してから取り締まるまでに時間が経過してしまった場合、そのプロセスがどれほど効果的かという疑問も残る。それに対するパクマン氏の回答は「どんな情報でもさかのぼって調査することは可能です。今は目をつけられていなくても、1年後にFBIが追跡し始めるのも簡単です」というものだ。

暗号資産を使ってもっと簡単に多額の資金を移転できるのに、マネーロンダリングに手を染める人たちがわざわざNFTを利用するだろうかという別の疑問もある。ブロックチェーン分析プラットフォームElementus(エレメンタス)の共同創設者兼CEOであるMax Galka(マックス・ガルカ)氏は「NFTはマネーロンダリングにもってこいの媒体にならないと私が考える理由の1つは、二次市場の流動性が低いことです」という。つまり、犯罪者が取引に関係する可能性を下げにくいというわけだ。

以前はDeutsche Bank(ドイツ銀行)とCredit Suisse(クレディ・スイス)で証券トレーダーを務めていたGalka(ガルカ)氏は、犯罪者たちがNFTを使わずに、流動性があって代替性の高い(トークン内に一意の情報が書き込まれない)トークンを分散型取引所で購入するのではないか、とも考えている。その方法を使えば、資金を追跡することは非代替性トークンよりも難しくなる。

「NFTがマネーロンダリングに利用される可能性は確かにありますが、その目的に利用できる資産がブロックチェーンの分野にたくさんあることを考えれば、(NFTをその他の方法と比べた時に)ベストな選択とはならないでしょう」とガルカ氏は語る。

チェーナリシス社のスピロ氏も理論上はこの意見に賛成しているが、NFTの作成と販売が急速に増大しているため、必要なプロセスが整備されていないことが多いと警鐘を鳴らす。

「NFTの大部分はイーサリアムのブロックチェーンで動いています。技術的に追跡可能なのは確かです。NFTを運用している組織はコンプライアンスを順守し、ブロックチェーンの犯罪捜査や分析に協力して、資金の流れを把握できるようにしていることになっています」と同氏は語る。

「取引を追跡でき、ユーザーがトークンを流通紙幣などに交換する時点で(個人情報の)提出が義務付けられており」、法執行機関や規制機関がその取引と違法行為との関連性を確認できるのが理想だと同氏はいう。

現時点ではそのような制度が整っていないことが、Nifty Gateway(ニフティー・ゲートウェイ)2021年3月初めに発生した盗難事件で露呈した。泥棒が高尚な趣味を持っていたなら、同社の顧客は収集品を取り戻すことはできなかったかもしれない。

「現在のところ、NFTに関するコンプライアンスには不明瞭な点があります」とスピロ氏はいう。

「マネーロンダリングの手法が簡単であれはよいというわけではありません。犯罪者たちが探している方法というのは、マネーロンダリングする資金を差し押さえられる可能性が最も小さい方法です。NFTがそれにあたるというわけではありませんが、弱点があれば必ずそこを突いてくるでしょう。犯罪者たちはいつでも目を凝らして抜け穴を探しているのです」とも同氏は付け加えている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFTマネーロンダリング暗号資産

画像クレジット:Beeple

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

【コラム】暗号資産とエネルギー消費をめぐる議論

暗号資産(仮想通貨)に関して昨今、エネルギー消費が議論の的となっている。批評家たちは暗号資産がエネルギーを大量に消費していると主張し、推進派は現在の世界経済に比べ、エネルギー消費量は少ないと評価している。

そんな批評家の1人であるDigiEconomist(デジエコノミスト)創業者のAlex de Vries(アレックス・ド・フリース)氏は「Bitcoin(ビットコイン)ほど非効率的なものは見たことがない」と話す。

一方、ARK Investment Management(アークインベストメントマネジメント)の調査によると、Bitcoinのエコシステムが消費するエネルギーは、従来の銀行システムに必要なエネルギーの10%以下であることがわかった。銀行システムの方がはるかに多くの人々にサービスを提供しているのは事実である一方、暗号資産はまだ発展途上にあり、他の産業と同様、インフラの初期段階では特にエネルギー消費量が多くなる。

2021年2月だけで14億ドル(約1520億円)近くを稼いだ暗号資産マイニング業界は、工業化した現代社会におけるその他の問題と比較すれば、環境にとって特別にひどい影響はまだもたらしていない。ド・フリース氏もTechCrunchに対し、環境に配慮した規制当局が「Bitcoinに対してありとあらゆる行動をとったとしても、すべての政府がそういったマイニング規制に賛同するとは思えない」という。

「理想的なのは、内部から変化が起こることだ」とド・フリース氏は話し、Bitcoin Core(Bitcoinコア)の開発者が、コンピューティングの消費エネルギーが少ないソフトウェアに変更することを期待しているとして、こう付け加えた。「Bitcoinは現在、世界中にあるデータセンター半分に相当するエネルギーを消費していると思われる」。

ケンブリッジ大学のBitcoin電力消費指数によると、Bitcoinのマイナーは約130テラワット時のエネルギーを消費していると予想されており、世界の電力消費量の約0.6%に相当する。これは、Bitcoin経済がスリランカやヨルダンのような小さな発展途上国の二酸化炭素排出量と同等であることを意味する。とりわけ、ヨルダンの人口は約1000万人だ。毎月何人の人がBitcoinを使っているのかはわからないし、アンマンの住民がヨルダンディナールを使うよりも、Bitcoinを使う頻度の方が少ないのは確かだ。しかし、CoinMetrics(コインメトリックス)のデータによると、100万以上のBitcoinアドレスが日常的にアクティブであることが示されている。暗号資産取引所Crypto.com(クリプトドットコム)の記録では、過去10年間のアクティブアカウントは最大1億600万である。

関連記事:ビットコイン購入がテスラの環境重視の評判と収益に悪影響をおよぼす可能性

「当社は上場している取引所のアドレス総数を数え、同じユーザーが複数の取引所で所有しているアドレスを差し引いて、Bitcoin(BTC)とEthereum(ETH)のユニークユーザー総数を算出している。その後、ETHとBTCの両方を所有するユーザーを考慮して、この総数をさらに減らしている」とクリプトドットコムの広報担当者は話す。

これにより、多くの人々がこれらの金融ネットワークを利用していることがわかる。さらに、Bitcoinマイニング事業の多くは、水力発電や油田から漏れ出る天然ガスなど、環境に配慮したエネルギー源を利用している。マイニング業界で経験豊富なCompass Mining(コンパスマイニング)のCOO(最高執行責任者)、Thomas Heller(トーマス・ヘラー)氏は、四川省や雲南省にある中国の水力発電所では、雨季になると電気料金が安くなると話す。乾季には採算が取れなくなるが、水力発電を1年中使い続けているという。

「5月から10月『雨季』以外の電気料金はずっと高くなるが、雨季以外で水を供給している発電所もある」とヘラー氏はいう。

基本的に、コンピューターはあらゆる供給源からの電力を利用できるため、暗号資産マイニングは本来、余分な二酸化炭素を排出しない。2019年、デジタル資産運用会社のCoinShares(コインシェアーズ)は、Bitcoinマイナーの最大73%が、少なくとも何らかの再生可能エネルギーを電力供給の一部として使用しているとする調査結果を発表した。そこには中国の巨大ダムによる水力発電も含まれている。Bitcoinのマイニングプール(マイナーが協力して利益を上げるための共同体)の上位5社は、いずれも水力発電を多く利用している。ド・フリース氏がこの調査結果に驚くことはない。同氏は、マイナーが消費する全エネルギーの39%は再生可能エネルギーであることを、ケンブリッジ大学の研究者が確認していると指摘した。

「私の発電所にはソーラーパネルを1台設置していますし、再生可能エネルギーを組み合わせて利用しています」とド・フリース氏はいう。

地域別でみると、中国のBitcoinマイニング作業が、ハッシュレートと呼ばれるネットワーク計算能力の約65%を占めていることが、ケンブリッジ大学のデータから明らかになっている。中国の新疆ウイグル自治区のような一部の地域では、Bitcoinマイナーたちが石炭を燃やして電気を供給することもある。同自治区は、暗号資産マイニング以外にも、ウイグル人に対する人権侵害で知られている。中国はこの地域にある天然資源を利用しようとさまざまな攻撃を仕かけており、その一環として、ウイグル人を激しく弾圧している。批評家が暗号資産マイニングとエネルギー消費に警鐘を鳴らすとき、彼らが懸念しているのはこの点である場合が多い。

一方、世界のハッシュレートの約8%は北米のマイナーが占め、ロシア、カザフスタン、マレーシア、イランのマイナーが僅差でそれに続く。イランのHassan Rouhani(ハッサン・ローハニ)大統領は、2020年に国家的なBitcoinマイニング戦略を策定することを呼びかけた。米国による銀行を対象とした制裁の下においても、この金融システムにおけるイスラム国家の影響力を強めることが目的だ。

自分たちに最も有利になるようなマイニング規制を加えている国や組織では、Bitcoinマイニングが盛んになっていく。これまで中国が優位であったのは、少なくとも部分的には、政府によるマイニング事業への補助金に依るところがあった。中国やノルウェーなどでは、Bitcoinマイナーが地元の水力発電所を利用することを奨励する補助金を出している。

ノルウェーに本社を置く60億ドル(約6500億円)規模の上場企業Aker ASA(アケル)が設立したSeetee(シーティー)の調査報告書には、こう書かれている。「マイニング事業の財務管理者は、最も安価なエネルギーの利用にこだわるであろうから、当然、その電気の利用は経済的にそれほど大きな意味がないだろう」

暗号資産マイニングをより環境に配慮したものにするためには、エネルギー源がすでに十分に活用されていない地域でマイニングを推進しようとする政治家を支援するのが一番だ。

北米に関していえば、Blockstream(ブロックストリーム)のCEOであるAdam Back(アダム・バック)氏は、300メガワットのマイニング能力を持つ同社のマイニング施設は水力発電などの産業用電源を組み合わせて利用していると話す。また、ブロックストリームは、古くなったマシンの「リタイヤメントホーム」のようなものとして、太陽光発電によるBitcoinマイニングを検討しているという。

バック氏は「太陽光発電を利用する場合、もし50%の時間しか稼働しないのであれば、コストを分析して検討する必要がある。機器のコストをすでに回収した後であれば、これは古いマシンの良い利用方法となる」という。

暗号資産の価格高騰により、今、Bitcoinのマイニング機器が世界的に不足している。需要が供給を上回っており、マシンの製造には1台あたり最大6カ月を要しているとバック氏は付け加えた。コンサルタント会社MMH Blockchain Group(MMHブロックチェーングループ)の創設者であるEmma Todd(エマ・トッド)氏によれば、この不足によりマイニングマシンの価格が押し上げられているという。

「例えば、2020年7月に中古市場で35~55ドル(約3800〜6000円)だったマイニングマシンのBitmain Antminer S9(ビットメインアントマイナーS9)が、今や275~300ドル(約3万〜3万3000円)ほどになっている」とトッド氏は言い、こう付け加えた。「つまり、新品機器や中古機器の購入を検討しているマイニング企業は、すべてではないにせよ、多くが同じような課題を抱えているということだ。世界的なチップ不足で、今後数カ月のうちに発売予定だった新しいマイニング機器のほとんどが、ほぼ確実に発売延期となるであろう」。

ド・フリース氏のような批評家は、効率的な新しいマシンを使っても、市場原理により、マイ二ング業者は電力消費量を減らすことはできないだろうと指摘する。

「より効率的なマシンがあっても、稼ぎ出す額が同じであれば、1台だけでなく2台のマシンを動かすことになるだろう」とド・フリース氏はいう。

それでも、暗号資産の価格は新しいマイニング機器を製造するよりも早いスピードで上昇しているため、再生可能エネルギーを利用する「引退した」古いマシンを使う方が、単に新しいマシンと入れ替えるよりも利益が大きくなると、バック氏は述べている。また、Bitcoinの強固なマイニングインフラは、電力を使い果たすといったことはなく、むしろコミュニティを支えることができると同氏は話す。Bitcoinのマイニング機器は、エネルギーを蓄え、売買で利益を出すことに役立つからである。

「価格が高騰する状況になればマイニング機器をオンにしたりオフにしたりできるし、緊急性や収益性が高ければ、人々のために電力を使って家を暖めることもできる。Bitcoinは事実上、電力網を支えることができる」とバック氏はいう。

一方、カナダ国境のすぐ北にあるUpstream Data(アップストリームデータ)の代表取締役Steve Barbour(スティーブ・バーバー)氏によると、伝統的な石油・ガス会社の中には、独自のBitcoinマイニング事業を密かに強化しているところが増えているという。

これは、Bitcoin経済が、スリランカやヨルダンのような小さな発展途上国の二酸化炭素排出量と同等であることを意味する。

バーバー氏は「現在大規模なマイニング事業の大半を占めているのは水力と石炭である。しかし、世界規模でみれば、天然ガスのような安価な電力にどんどんシフトしていくだろう。油田には、排出されるフレアや廃ガスを利用した安価なエネルギーがすでに存在しており、2021年は約160ギガワット(の採掘電力)が得られる可能性がある」という。

アップストリームデータは、石油会社がこれまで売却することができなかった廃棄物や低品質のガスを回収するという方法でBitcoinのマイニング機器の設置・運用を支援しており、北米で合計100件の導入実績がある。これらの企業のほとんどは、Bitcoinの批評家から否定的な意見を受けることを懸念し、マイニング事業について公表していないとバーバー氏はいう。

「確かに彼らは自社の評判に傷がつくことを懸念している。しかし、Tesla(テスラ)のような信頼できる大企業がBitcoinに関わっているのだから、そうした考えは間もなく変わるであろう」と同氏は付け加えた。

暗号資産業界においても、Bitcoinマイニングによる電力の大量消費が懸念され、さまざまなマイニング方法があちこちで試されている。例えば、Ethereum(イーサリアム)のコミュニティは、Bitcoinのエネルギー集約型のPoW(プルーフ・オブ・ワーク)モデルではなく、保有コインの割合によってネットワークを動かすPoS(プルーフ・オブ・ステーク)のマイニングモデルに切り替えようとしている。

その名が示す通り、PoWは多くの計算「作業」を必要とする。それがマイナーの行う仕事だ。難しい数学の問題を大量に解くため、コンピューターは大量の電力を必要とする。Ethereumに関して言えば、現在はPoWで運用されており、数年後に原理的にはPoSで運用されることになるのだが、日常的にアクティブなアドレス数十万で、Bitcoinの半分ほどになることもある。Bitcoinと同様、中国に施設を持つ少数のマイニング事業のプロジェクトが、Ethereumネットワークの電力の半分以上を生み出している。Ethereumの1回の取引は、米国の家庭2軒が1日に使用するエネルギーとほぼ同量のエネルギーを必要とする。

ド・フリース氏は「Ethereumのコミュニティで気に入っているのは、少なくとも彼らが問題を解決する方法を考えているということだ。気に入らないのは、彼らが数年前からそのことについて語っているのに、実際には実行できていないことである」という。

Ethereumのエコシステムは、毎年、パナマの国全体に電力を供給できるほどのエネルギーを消費している。Bitcoinと同様、Ethereumの各取引にはおいしいランチを買えるほどの電気料金がかかる。Ethereumの1日の利用者数はBitcoinの利用者数100万人の半分以下だが、両ネットワークはいずれも小さな国を動かすのに十分な電力を必要とする。暗号資産の取引はVISA(ビザ)の取引よりも多くの電力を必要とすることは明らかだ。しかし、暗号資産は単なる決済会社ではない。それは、通貨システムそのものなのだ。

Bitcoinの時価総額を、通貨供給量の値を使い、1つの国としてランク付けした場合、Bitcoinは日本に次いで5位となる。これはEthereumのようなそれに次ぐエコシステムについては考慮すらされていない。つまり、世界のBitcoin経済における電力消費量は、他のいくつかの産業化された金融システムのそれに匹敵するものなのだ。新興経済国で使われている多くのシステムと同様、ド・フリース氏が指摘するように、これは非効率的である。何百万人ものユーザーがいる中、世界中何千人ものユーザーが収入源として暗号資産に依存しているが、彼らは暗号資産のエコシステムについて概して楽観的で、技術が成熟するにつれ今より効率的になると信じている。

カナダのビジネスコンサルタントの1人Magdalena Gronowska(マグダレーナ・グロノフスカ)氏は「クリーンで進歩的な、より分散化されたエネルギーシステムへの移行において、Bitcoinマイニングはますます重要な役割を果たすと考える。マイナーは、バランスのとれた電力網や柔軟なデマンドレスポンス(需要応答)サービスを提供し、再生可能エネルギーの統合を強化することができる」と話す。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産BitcoinEthereum電力マイニング

画像クレジット:Visual China Group(Image has been modified)

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(文:Leigh Cuen、翻訳:Dragonfly)

QuikNodeがAWSに対抗のブロックチェーン開発クラウドプラットフォームを開発中

このところブロックチェーンは、あれほど熱気を帯びているのに、分散アプリケーションを単純に安心して動かす方法はまだない。NFTのブームと暗号資産(仮想通貨)の相場の高騰が、ブロックチェーンを使って動くアプリケーションへの関心をやや増やしたが、クラウドサービスのメジャーなプラットフォームはどこも、これら新しいタイプの開発者のニーズに十分対応する用意がない。

最近Y Combinatorが投資を行い、シード投資を完了する過程にあるQuikNodeは、ブロックチェーンの開発者がアプリケーションを作りスケールしていくための、Web 3.0ベースのクラウドプラットフォームを作ってきた。この2017年に創業されたスタートアップは、YCの2017年創業の同期たちの誰よりも、先に行っているようだ。

現時点では、プラットフォームの基盤となるインフラストラクチャー関して頭痛のタネが多く、開発者の関心が実際のプロダクトから逸れがちだ。同社によると、最初のセットアップに数日を要し、最初のうちはダウンロードとネットワークの同期に追われて、メンテナンスのコストも高くなる。対してQuikNでは、アプリケーションの開発者がノードへのアクセスをレンタルし、自分が選んだブロックチェーンのネットワークで運用できるため、自分のノードのメンテナンスやモニタリングを回避できる。

ノードの管理やメンテナンスと並んでQuikNodeのプロダクトは、分散アプリケーションの実行を単純化するデベロッパーツールやアナリティクスを統合している。QuikNodeにとってチャレンジは、分散アプリケーションの市場がウェブ上で大きくなり、しかも継続性を持つようになってきたとき、クラウド大手の陰で研いできたシャープな刃をメンテナンスできるかだ。QuikNode自身が大手クラウドの顧客で、物理的にデータセンターを作るよりはソフトウェアに集中する方を選んできたが、それでもクラウドプラットフォームとしては大手クラウドと直接競合することになる。

CEOのDmitry Shklovsky(ドミトリー・シュクロフスキー)氏は「Amazon(AWS)には2年いたから、向こうもこっちに気づいていると思う」と述べている。

今のところは、QuikNodeは小さいので、他のクラウドベンダーの新しいプログラムに比べて料金的に有利だろう。同社のプランは、もっともベーシックなアプリケーションをローンチするユーザーなら9ドル(約1000円)で、構造的なプランなら「メソッド呼び出し」行った回数で料金が決まる。専用ノードのレンタルは月額300ドル(約3万3210円)だ。それに付加して、同社はブロックチェーン固有のアドオンを提供している。それらにはオプションがあり、たとえばArchiveモードならアプリケーションは、ネットワーク上のスマートコントラクトの中のヴァリューステートのすべての履歴にアクセスできる。Traceモードでは開発者がノードに、トランザクションの再実行をリクエストできる。

チームは現在1000あまりのノードを運用し、約400の顧客がいる。顧客ベースを大きくしたいQuikNodeは、シュクロフスキー氏によれば、ガイドが分散アプリケーションの開発者を教育して、もっともポピュラーなネットワークへの接続方法を教えることが、顧客獲得の一番の近道だという。

現在主にマイアミで仕事をしているチームは、Ethereum、Bitcoin、xDai、Binance Smart Chain、Polygon、そしてOptimismという6つのブロックチェーン上のネットワークをサポートしている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:QuikNode暗号資産

画像クレジット:AerialPerspective Images/Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

メルカリが新会社「メルコイン」の設立を4月下旬に設立します。メルカリの子会社として、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行い、暗号資産交換業者の新規登録も行います。

発表によると、メルカリグループは「メルコイン」を「メルカリ」「メルペイ」に続く事業の柱に育てる方針。今後は売上金のビットコインでの受け取り機能の提供や、メルペイで決済・送金・与信・資産運用・暗号資産を1つのウォレットで管理できる機能を提供します。

また、価値交換を実現するブロックチェーン技術に取り組むことで、NFT(Non-fungible token)等、これまでのモノ・金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形の創出を目指すといいます。

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

暗号資産をめぐっては、米国の決済サービス大手「ペイパル」が自社ウォレットでの取り扱い開始を発表したほか、テスラが自社製品の購入代金にビットコインを利用可能とするなど、各社の参入が相次いでいます。

2020年末からの価格高騰を受けて、暗号資産全体の時価総額は200兆円を超え、金の時価総額(1200兆円)の6分の1に迫っています。また、直近では米フィデリティがビットコインETFの承認申請をSEC(米証券取引委員会)に行ったことでも話題を集めています。

発表の全文は下記の通りです。

株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うことを目的に、メルカリの子会社として2021年4月下旬(予定)に株式会社メルコイン(以下、新会社)を設立することを決定いたしましたので、お知らせいたします。
※メルコインは、今後、暗号資産交換業者の新規登録申請を行う予定です。

暗号資産は、現在、暗号資産全体の時価総額が200兆円※1を超え、これまで採掘された金の時価総額約1200兆円[※2]の6分の1の規模に迫るなど、大きな存在になりつつあります。国内の暗号資産やブロックチェーンの領域においては、2017年4月に「資金決済に関する法律」が改正され、以降、様々な事業者が暗号資産交換業に参入、資産運用を中心に活用が広がっています。一方、グローバルな環境においては、資産運用に加え、決済や送金での利用等、様々なシーンで暗号資産やブロックチェーンの活用が広がっており、国内においてもこれまでに無い新たな顧客体験を提供できる可能性があると考えています。

新会社を設立し、暗号資産事業に取り組むことで、「メルカリ」においては、売上金のビットコインでの受取り機能の提供や、「メルペイ」においても決済・送金機能の提供に留まらず、与信、暗号資産・資産運用の機能を一つのウォレットで提供していく等、より簡単に金融サービスを利用できる環境を構築していきます。

また、価値交換を実現するブロックチェーンの技術に取り組むことで、NFT(Non-fungible token)[※3]等、これまでのモノ・お金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形を創出し、さらなる顧客体験の向上や顧客基盤の拡大に繋げていきたい考えです。メルカリは、メルコインにおける新たな挑戦を通じて、メルカリグループの新たな柱となりうる事業の企画・開発を目指してまいります。

※1:CoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/ja/)2021年3月30日時点
※2:出典(グラム単価:https://www.kitco.com/kitco-gold-index.html、金の採掘量:https://www.gold.org/about-gold/gold-supply/gold-mining/how-much-gold)2021年3月30日時点
※3:NFT(Non-fungible token)とは、ブロックチェーン上に記録されるNon-Fungible Token(非代替性トークン)のことで、デジタル資産や権利などの所有や譲渡を記録するものです。

【メルコイン概要】
会社名:株式会社メルコイン / Mercoin, Inc.
設立日:2021年4月下旬(予定)
資本金:5,000万円(株式会社メルカリ100%子会社)
事業内容:暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発
代表者名:青柳直樹
主要役員:
取締役CISO 曾川景介
取締役 伏見慎剛
監査役 栃木真由美
所在地:〒106-6118 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー

(Source:メルカリEngadget日本版より転載)

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イラスト作品をNFTアートとして発行できる「NFT Studio」が3月22日公開予定、クレジットカード決済で購入可能
double jump. tokyoとスクウェア・エニックスが「ミリオンアーサー」NFTコンテンツ開発で協業
国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが業務提携、NFT発行から販売まで支援
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ビットコイン・イーサリアムを「楽天キャッシュ」にチャージ(出金)し、楽天ペイや楽天ポイントカードで利用可能に
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異なるブロックチェーンやアプリ間でNFTを相互利用するための共通仕様「Oct-Pass」を策定開始

カテゴリー:フィンテック
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)SEC / 米証券取引委員会(用語)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)中央銀行デジタル通貨(CBDC)Bitcoin / ビットコイン(用語)ブロックチェーン(用語)Paypal(企業)メルカリ / Mercari(企業)メルペイ(製品・サービス)日本(国・地域)

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

メルカリが新会社「メルコイン」の設立を4月下旬に設立します。メルカリの子会社として、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行い、暗号資産交換業者の新規登録も行います。

発表によると、メルカリグループは「メルコイン」を「メルカリ」「メルペイ」に続く事業の柱に育てる方針。今後は売上金のビットコインでの受け取り機能の提供や、メルペイで決済・送金・与信・資産運用・暗号資産を1つのウォレットで管理できる機能を提供します。

また、価値交換を実現するブロックチェーン技術に取り組むことで、NFT(Non-fungible token)等、これまでのモノ・金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形の創出を目指すといいます。

メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定

暗号資産をめぐっては、米国の決済サービス大手「ペイパル」が自社ウォレットでの取り扱い開始を発表したほか、テスラが自社製品の購入代金にビットコインを利用可能とするなど、各社の参入が相次いでいます。

2020年末からの価格高騰を受けて、暗号資産全体の時価総額は200兆円を超え、金の時価総額(1200兆円)の6分の1に迫っています。また、直近では米フィデリティがビットコインETFの承認申請をSEC(米証券取引委員会)に行ったことでも話題を集めています。

発表の全文は下記の通りです。

株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うことを目的に、メルカリの子会社として2021年4月下旬(予定)に株式会社メルコイン(以下、新会社)を設立することを決定いたしましたので、お知らせいたします。
※メルコインは、今後、暗号資産交換業者の新規登録申請を行う予定です。

暗号資産は、現在、暗号資産全体の時価総額が200兆円※1を超え、これまで採掘された金の時価総額約1200兆円[※2]の6分の1の規模に迫るなど、大きな存在になりつつあります。国内の暗号資産やブロックチェーンの領域においては、2017年4月に「資金決済に関する法律」が改正され、以降、様々な事業者が暗号資産交換業に参入、資産運用を中心に活用が広がっています。一方、グローバルな環境においては、資産運用に加え、決済や送金での利用等、様々なシーンで暗号資産やブロックチェーンの活用が広がっており、国内においてもこれまでに無い新たな顧客体験を提供できる可能性があると考えています。

新会社を設立し、暗号資産事業に取り組むことで、「メルカリ」においては、売上金のビットコインでの受取り機能の提供や、「メルペイ」においても決済・送金機能の提供に留まらず、与信、暗号資産・資産運用の機能を一つのウォレットで提供していく等、より簡単に金融サービスを利用できる環境を構築していきます。

また、価値交換を実現するブロックチェーンの技術に取り組むことで、NFT(Non-fungible token)[※3]等、これまでのモノ・お金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形を創出し、さらなる顧客体験の向上や顧客基盤の拡大に繋げていきたい考えです。メルカリは、メルコインにおける新たな挑戦を通じて、メルカリグループの新たな柱となりうる事業の企画・開発を目指してまいります。

※1:CoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/ja/)2021年3月30日時点
※2:出典(グラム単価:https://www.kitco.com/kitco-gold-index.html、金の採掘量:https://www.gold.org/about-gold/gold-supply/gold-mining/how-much-gold)2021年3月30日時点
※3:NFT(Non-fungible token)とは、ブロックチェーン上に記録されるNon-Fungible Token(非代替性トークン)のことで、デジタル資産や権利などの所有や譲渡を記録するものです。

【メルコイン概要】
会社名:株式会社メルコイン / Mercoin, Inc.
設立日:2021年4月下旬(予定)
資本金:5,000万円(株式会社メルカリ100%子会社)
事業内容:暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発
代表者名:青柳直樹
主要役員:
取締役CISO 曾川景介
取締役 伏見慎剛
監査役 栃木真由美
所在地:〒106-6118 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー

(Source:メルカリEngadget日本版より転載)

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仮想通貨ウォレットとブロックチェーン技術のimTokenがシリーズBで約33億円調達

ブロックチェーン技術のスタートアップで暗号ウォレットを開発しているimTokenは、Qiming Venture Partners社が主導するシリーズBで3000万ドル(約33億円)の資金を調達したと発表した。投資に参加したのは既存投資家であるIDG Capitalと、新規投資家であるBreyer Capital、HashKey、Signum Capital、Longling Capital、SNZそしてFosun Internationalの共同設立者であるLiang Xinjun(リャン・シンジュン)氏が含まれている。

2016年に設立されたスタートアップであるimTokenの前回の資金調達は、2018年5月にIDGが主導した1000万ドル(約11億円)のシリーズAだった。同社によると、Ethereum(イーサリアム)やBitcoin(ビットコイン)などの仮想通貨用ウォレットは現在1200万人のユーザーが利用しており、500億ドル(約5兆5000億円)以上の資産がプラットフォームに保管され、総取引額は5000億ドル(約55兆円)を超えているという。

imTokenは中国の杭州で設立され、その後に現在の本社をシンガポールに移転した。ユーザーの約70%は中国本土で、続いて韓国、米国、東南アジアなどの市場で利用されている。

imTokenは今回の資金調達を利用して「imToken 3.0」の機能を構築する予定だ。imToken 3.0にはキーレスアカウント、アカウントリカバリーおよび分散型金融サービスが含まれる。また「imToken Labs」と呼ばれるブロックチェーン技術の研究部門を拡大し、より多くの国にオフィスを開設する予定だ。現在は中国本土、米国、シンガポールの拠点で78名のチームを擁しているが、2021年中には100名まで増員する予定だという。

プレスリリースの中でQiming Venture Partnersの創業者でマネージングパートナーのDuane Kuang(デュアン・クアン)氏は「今後10年から20年の間に、ブロックチェーンは世界規模で金融業界に革命を起こすでしょう。imTokenはこのトレンドに乗り、市場で強力な地位を築いていると考えています」と述べている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:imToken資金調達仮想通貨

画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:塚本直樹 / Twitter

PayPalが仮想通貨でオンライン精算できる新機能を導入、まずは米国で

PayPal(ペイパル)は米国3月30日、消費者が何百万というオンライン事業者のサイトで仮想通貨を使って精算できる新機能「Checkout with Crypto」の立ち上げを発表した。機能の拡大は、PayPalが現在行っている仮想通貨マーケットへの投資の一環であり、投資の中には顧客がさまざまな仮想通貨の売買や保持ができるようにするためのPaxosとの提携も含まれる。また、直近の動きとしては仮想通貨セキュリティスタートアップCurvの買収がある。

関連記事:PayPalがイスラエルの暗号通貨セキュリティCurvを買収へ

PayPalによると、仮想通貨を持つ米国の顧客は数百万の事業者との取引で自身が所有する仮想通貨を使って精算できるようになる。PayPalはこのサービスを今後数カ月で世界中の同社の顧客、2900万のオンライン事業者に拡大する計画だ。この機能には追加のインテグレーションや手数料はない。

実質的には、Checkout with Cryptoでは顧客が精算時にPayPalを通じて仮想通貨を売却し、その後米国ドルで実際の決済を行えるようにする。事業者側には何ら変更はない。事業者はこれまで同様、仮想通貨ではなく米国ドルで支払いを受ける。しかしPayPalの機能ではこうした決済がこれまでと同じ精算の流れで行われるようになっており、買い物客が簡単に仮想通貨を使ってすばやく買い物できるようにしている。

立ち上げにあたっては、Bitcoin(ビットコイン)、Litecoin(ライトコイン)、Ethereum(イーサリアム)、Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)を扱う。しかしそれぞれの決済で使えるのは仮想通貨1種類のみだ。

顧客がオンライン購入の支払いをするのに十分な仮想通貨を持っている場合、銀行口座やPayPal残高、クレジットカード、デビットカードといった従来の決済方法とともにCheckout with Crypto機能が表示される。他の決済方法と同様、Checkout with Cryptoは詐欺防止や対象となるアイテムの返品・購入保護を含むPayPalの安全とセキュリティ保障の対象となる、と同社は記している。

決済が終わると、客は仮想通貨の売却の記録と決済レシートを受け取る。

同社は仮想通貨マーケットに参入した2020年、仮想通貨での決済のサポートを開始する計画を発表していた。その際、仮想通貨売買サポートを開始した後、2021年に精算機能を立ち上げると述べている。

同社は現在、顧客が仮想通貨を買ったり売ったりする際に決済手数料をとることで収益を上げている。これが、販売業者側から手数料を徴収しない理由だ。

PayPalのサービス立ち上げは仮想通貨が実社会での購入に使える場所を大幅に増やすのに役立ち、デジタル通貨の浸透を加速させるのにもひと役買うかもしれない。

同社の上級副社長であるJim Magats(ジム・マガッツ)氏によると、事業者にとって仮想通貨を決済オプションとして提供することは、歴史的に統合要件、テクニカルの障壁、消費者の間での一般的な認識の欠如のために難しかった。

「Checkout with Cryptoでは、事業者が決済手法として仮想通貨の売却の手続きを受け入れられるようにします。すべて現在のPayPal統合の中で行われ、事業者が追加で何かする必要はありません」とマガッツ氏は述べた。「顧客との間で行われる仮想通貨の売却や変換はPayPalが受け持ちます。そして事業所に購入代金を米ドルで渡すことで、事業所側のプロセスを合理化しています」。

PayPalの今回の動きは、先のTeslaの発表から間もない中でのものだ。Teslaは米国の顧客がビットコインを使ってTesla車を購入できるようになったと明らかにした。そして日本のeコマース大手楽天のニュースもあったばかりで、ユーザーは日本のオンライン事業者からの購入を仮想通貨を使って精算できるようになると発表した。そしてVisaも3月29日に仮想通貨を使った決済を導入すると発表している

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「デジタル決済とデジタル通貨の使用は加速していて、PayPal顧客にPayPalウォレットを使った支払方法で選択肢とフレキシビリティを提供する一方で、Checkout with Cryptoの導入で仮想通貨が主流のもになるよう当社は引き続き注力します」と社長のDan Schulman(ダン・シュルマン)氏はCheckout with Crypto立ち上げについての声明で述べた。「世界中の事業所での購入に仮想通貨を使えるようにすることが、デジタル通貨のユビキタスと一般受け入れを促進するという点で次のステップとなります」と付け加えた。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:PayPal仮想通貨

画像クレジット:PayPal

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

初代ゲームボーイでビットコインを採掘する勇者現る、1コインあたり数兆年のマイニング速度

初代ゲームボーイでビットコインを採掘する勇者現る、1コインあたり数兆年の採掘速度

stacksmashing

任天堂の携帯ゲーム機・ゲームボーイシリーズはPS5のプレイ画面になったりApple TVのリモコンに変身したりと今なお活躍中ですが、初代モデルをビットコインの採掘に活用するYouTuberが現れました。

YouTuberのstacksmashing氏(「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」をハックしてDOOMを動かした人)はRaspberry Pi Picoと古いリンクケーブル、および数個の基本的なソフトウェアを使って古いゲームボーイを再利用しています。PicoはゲームボーイとPCの入出力を制御し、ゲームボーイとPicoの間には電圧変換ロジックが使われていますが、ゲームボーイ本体に手は加えられていません。

ゲームボーイのハッシュレート(採掘速度)はおよそ0.8ハッシュ/秒とのこと。最新のマイニングマシンでは1秒間に約100テラハッシュ(100兆ハッシュ/秒)のため、わずか125兆倍しか違いません。

1コインを採掘するだけで数兆年はかかる計算ですが、stacksmashing氏は携帯しながらマイニングできると長所を述べています。「ゲームボーイは単に単三電池を4本使うだけです」と言われると、たしかにグラフックボードへの投資に加えて莫大な電気代がかかるマイニングよりも割が良いのでは……という錯覚に陥りそうです。

意外なデバイスや手法でビットコインを採掘する試みは様々なものがあり、かつては鉛筆と紙で手掘りしたり1960年代のパンチカードコンピュータで挑戦した人(1コインを生成するために宇宙の年齢138億年×約4万倍かかる)もいました。ファミコンやメガドライブがマイニングに参戦しても、今さら驚きはないのかもしれません。

(Source:stacksmashing(YouTube)、Via:MotherBoardEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)ガジェット(用語)ゲームボーイ(製品)電子工作(用語)Doom(製品・サービス)任天堂 / Nintendo(企業)Bitcoin / ビットコイン(用語)Raspberry Pi(組織・製品)

Visaが米ドルステーブルコイン「USDC」で仮想通貨による決済を開始

決済カードネットワークのVisa(ビザ)は、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーン基盤のステーブルコインであるUSDC(USD Coin、USDコイン)による決済を認める方針を発表した。Crypto.comは、自社のVisaブランドのカードでこの新機能をテストした最初の企業となった。

USDCはCircle(サークル)とCoinbase(コインベース)が共同で設立したステーブルコインで、Centre Consortiumが管理している。その名が示すように、USDCは米ドルに連動する仮想通貨だ。1 USDCは常に1米ドルの価値があるため、ステーブルコインと呼ばれる。

USDCの価値が安定していることを確認するために、USDCのパートナーは新しいトークンを発行するたびに、銀行口座に米ドルを保管する。その口座は監査され、その口座にある米ドルと同じ数のUSDCが流通していることが確認される。

では、お金のほとんどがデジタル化されている今日、なぜステーブルコインが存在するのか。他の暗号資産と同様に、ステーブルコインは価値の送受信や保管に関して柔軟性がある。銀行口座も必要なく、すべてが簡単にプログラム可能だ。また、レガシーシステムをサポートしたり、銀行と統合したり、他の金融機関に取引手数料を支払う必要もない。

USDCはもともとEthereumブロックチェーン上のトークンとしてスタートしたが、他にもAlgorand(アルゴランド)とStellar(ステラ)ブロックチェーンにもサポートされている。Visaは今のところ、USDCのEthereumバリアントにフォーカスすることを選択している。

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Visaは、すでに世界の160通貨に対応している。海外旅行をしていてもVisaカードをシームレスに利用できるのはそのためだ。トランザクションはカードの利用明細には自国通貨で記載されるが、加盟店への支払いはその国の通貨で行われる。

今回Anchorageとの提携により、Visaは初のデジタル通貨への対応を開始する。Anchorageは最近、連邦銀行の認可を受けデジタル資産銀行としての地位を確立した。Visaはおそらく、このプログラムのために信頼できるパートナーを探していたのだろう。Anchorageが規制当局から承認されたことで、このパートナーシップは理にかなうものとなった。

Crypto.comにとっては、これはUSDCを直接Visaに送れることを意味する。例えば、ウォレットにUSDCを保有しているCrypto.comの顧客がカード取引を行う場合、Crypto.comはUSDCトークンをまず米ドルに変換する必要はない。

Crypto.comはAnchorageにあるVisaのEthereumウォレットアドレスにUSDCを送って、取引を決済することができる。その後、加盟店はVisaから自国の通貨で支払いを受ける。Visaによると、Crypto.com以外にもパートナーを増やしていく予定だという。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:VisaUSDC仮想通貨

画像クレジット:Håkan Dahlström Photography / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

仮想通貨批判の的であるエネルギー消費量を95%も削減する二相式液浸冷却式データセンターを展開するLiquidStack

データセンターとビットコイン採掘事業は、膨大なエネルギーを消費しており、この2つの事業が爆発的に成長すると、世界的な温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みを帳消しにしてしまう恐れがある。これは仮想通貨事業に対する大きな批判の1つであり、業界の多くの人々がこの問題に対処しようとしている。

そこに新たに参入したLiquidStack(リキッドスタック)は、仮想通貨のハードウェア技術を開発するBitfury Group(ビットフューリー・グループ)から、1000万ドル(約11億円)の投資を受けてスピンアウトした会社だ。

以前はAllied Control Limited(アライド・コントロール・リミテッド)として知られていた同社は、オランダに本社を置き、米国で商業活動を行い、香港で研究開発を行う商業運営会社として再編されたと、声明で発表した。

この会社は、従来の空冷技術と比べてエネルギー消費量を95%削減するという二相式液浸冷却システムを採用した500kWのデータセンターを香港に建設した後、2015年にBitfuryに買収された。その後、両社は共同で160MWの二相液浸冷却型データセンターをいくつか展開してきた。

「Bitfuryは複数に渡る業界で革新を続けており、計算量の多いアプリケーションやインフラのためのLiquidStackによる革新的な冷却ソリューションに大きな成長の機会を見出しています」と、BitfuryのValery Vavilov(ヴァレリーヴァヴィロフ)CEOは述べている。「LiquidStackのリーダーシップチームは、我々の顧客やWiwynn(ウィイン)の戦略的サポートとともに、二相液浸冷却の世界的な採用と展開を急速に加速させると確信しています」。

今回の1000万ドルの資金調達は、台湾のコングロマリットであるWiwynnからのものだ。同社はデータセンターやインフラの開発を手がけており、2020年の売上高は63億ドル(約6900億円)に達している。

WiwynnのCEOであるEmily Hong(エミリー・ホン)氏は声明の中で「クラウドコンピューティング、AI、HPCの密度と消費電力が急速に増加しつつあるという問題に対処するため、Wiwynnは先進的な冷却ソリューションへの投資を続けています」と述べている。

LiquidStackの声明によると、同社の技術は空冷に比べてITラックあたりの排熱量を少なくとも21倍に向上させ、しかも水を必要としないとのこと。その結果、冷却に使用するエネルギーを41%削減し、データセンターのスペースを60%削減することができるという。

「Bitfuryは、組織のトップから草の根に至るまで、常に模範を示すことを重視しており、技術によって前進する企業です」と、LiquidStackの共同設立者でありCEOを務めるJoe Capes(ジョー・ケイプス)氏は述べている。「新たな資金調達を得てLiquidStackを起ち上げることで、我々は当社の強みと能力に集中することができます。クラウドサービス、AI、先進高性能コンピューティングの採用によって引き起こされる熱と持続可能性に関する困難な課題の解決に向けて、液冷技術、製品、サービスの開発を加速させていきます」。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:LiquidStack仮想通貨資金調達地球温暖化データセンター

画像クレジット:Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

その流行を裏づける仮想市場の投資家向け金融サービス「BlockFi」が381億円調達、評価額は3300億円

仮想通貨ブームに疑念があるとしたら、この分野における特定の企業の急成長に注目してみるのがいいだろう。

BlockFiはそうした会社の1つだ。同社は米国時間3月11日、シリーズDの3億5000万ドル(約381億円) の資金調達を完了し、評価額は30億ドル(約3300億円)に達したことを発表した。このニュース自体が注目を集めているのは確かだが、2020年8月にシリーズCで5000万ドル(約54億円)を調達し、評価額は4億5000万ドル(約490億円)だったことを考えるとさらに印象的だ。シードラウンドからシリーズCラウンドにかけての合計調達額は1億ドル(約109億円)となっており、今回の資金調達で同社の創業以来の総調達額は約4億5000万ドルに達したことになる。

BlockFiは、消費者金融出身のZac Prince(ザック・プリンス)氏がFlori Marquez(フロリ・マルケス)氏とともに2017年に設立したスタートアップだ。ニュージャージー州ジャージー市に拠点を置く同社は、2018年に完了したシードラウンドで160万ドル(約1億7400万円)を調達、このラウンドではConsenSys Venturesが主導し、SoFiの参加も得ている。

プリンス氏によると、BlockFiは仮想通貨市場の投資家向けに金融サービスを提供する会社で、小売や機関を対象とした一連の製品を提供しているという。同プラットフォームの小売側では、同社のモバイルアプリを利用して、保有する暗号の利回り(ビットコイン6%、ステーブルコイン8.6%)を得たり、暗号を売買したり、暗号ポートフォリオの価値によって担保される低コストのローンを受けたりできるため「売却せずに流動性を得ることができます」と同氏は述べた。具体的には、クライアントはデジタル資産(ビットコイン、イーサリアム、Linkをはじめ、ライトコイン、PaxG、および複数のステーブルコイン)をBlockFi上で直接売買することができる。

同スタートアップはまた、デジタル資産市場に参加している機関向けの取引執行サービスのレンダーおよびプロバイダーでもある。

このモデルはかなりうまく機能しているようだ。2019年末以降、BlockFiの顧客ベースは1万から22万5000以上に増加しており、現在までに資金提供を受けた小売顧客は26万5000社、機関顧客は200社を超えている。

小売、法人、機関投資家の顧客への融資額は100億ドル(約1兆円)を突破した。

過去1年間で、BlockFiは次のことも達成している。

  • プラットフォーム上の資産数が2020年3月の10億ドル(約1090億円)から150億ドル(約1兆6300億円)に拡大。貸出ポートフォリオ全体の損失率は当初から0%にとどまっている
  • 月間売上は5000万ドル(約54億4000万円)を超え、前年同期の150万ドル(約1億6300万円)から大幅に増加
  • 従業員数を2020年3月時の100人から約530人に増員

「シリーズCを完了して6カ月も経たないうちに、ビットコインや他のデジタル資産が多くの投資家のポートフォリオ、そしてより広範な金融市場において中心的な役割を担うようになっています」とプリンス氏は語る。「デジタル資産が金融の未来であるという私たちの信念は、2020年に前年比10倍に成長し、2020年末から倍以上になった顧客ベースによって証明されています」

シリーズDでは、新しい投資会社、Bain Capital Ventures、DST Globalのパートナー、Pomp Investments、TigerGlobalが共同で主導したが、ここには既存の投資会社Valar Ventures、Breyer Capital、Susquehanna Government Products、Jump Capital、Paradigmなど多数の企業も名を連ねている。1年以上勤務したBlockFiの従業員には、資金調達ラウンドの一環として、二次的な公開買い付けを通じて株式の一部の流動性を受け取る機会が与えられる。

BlockFiは、シリーズDラウンドへの投資家の熱意は、同社の力強い事業の成長と「資産クラスとしての仮想通貨への幅広い確信」の両方を反映していると考えている。

「個人投資家、機関投資家、企業の財務部門はいずれも、仮想通貨に投資する方法を模索しています」とBlockFiは述べた。

同社でオペレーション担当SVPを務めるマルケス氏は次のように語っている。「BlockFiの目標は一貫して、仮想通貨を主流化することでした。そして日々、そうした現象が今まさに起きているという証拠を提供し続けています」

Bain Capital Venturesのパートナー、Stefan Cohen(ステファン・コーエン)氏も同意見だ。同氏は、現在暗号保有者が利用できる銀行サービスは限られているため、BlockFiは有利な立場にあるとみている。

同氏はメールで「ビットコインはすでに時価総額で1兆ドル(約109兆円)を突破しており、価値の貯蔵を実現するべくさらに高値に向かう可能性があります。BTC保有者に富が蓄積されるにつれ、住宅や自動車、教育といった従来型の資産購入のために保有資産から利回りを得たり、借り入れたりする方法を模索する人が増えていくでしょう」 と述べた。「BlockFiは、仮想通貨保有者にシンプルで安全な日常的な金融サービスを提供するリーダーとしての地位を確立しています」。

この1年間の同スタートアップの大きな成長は「BlockFiのサービスには明らかに大きなニーズがあった」ことを証明している、とコーエン氏はいう。

「彼らのビジョンは、仮想通貨を主流にするための使いやすく信頼できるプラットフォームを構築することでした。そして、彼らは真の成功を収めました」と彼は付け加えた。

一方コーエン氏によると、Bain Capitalはビットコインが価値の貯蔵庫になるという長期的な考えを持っており、現在1兆ドルを超える市場を支える「ピックアンドショベル事業」に積極的に投資してきたという。

「信頼できる金融サービスはこの分野の重要な柱であり、私たちはそれを市場における極めて戦略的な要素だと考えています」 と同氏は続けた。

今後については、同社は第2四半期にビットコインのリワードクレジットカードをローンチする計画だ。これによりBlockFiの顧客は、取引ごとにビットコインのキャッシュバックを得ることができる。今回調達した資金は、同社の製品群の成長、新たなグローバル市場への進出、そして戦略的買収のために利用される。プリンス氏によると、同社は年末までに人員を倍増する計画だという。

BlockFiはすでに世界100カ国以上で小売事業者向けサービスを展開している。2020年、同社はロンドンとシンガポールに法人顧客サービスオフィスを開設した。2021年中にはヨーロッパ、アジアパシフィック、中南米でもサポート開始を予定している。

この1週間、BlockFiは別の理由でニュースになっていた。同社は、3月7日に攻撃者が偽のサインアップと暴言でプラットフォームにスパム攻撃を仕かけた「異常な攻撃」の被害者となったのだ。

最終的に同社は、3月7日に無許可の第三者がプラットフォーム上で一括サインアップを試み始めたことを認識したことを認めている。

「私たちはこれらの『サインアップ』に使われたメールアドレスの出所を把握していませんが、それらは私たちから発信されたものではなく、BlockFiクライアントのメールでもありません」と同社はTechCrunchに語った。「私たちはこのイベントを悪質なスパムと判断しています。影響を受けた有効メールの総数は1000件未満でした」

同社は、BlockFiのデータはアクセスされておらず、データは漏えいしていないと主張している。

「当社の顧客の資金とデータは、インシデントの間ずっと保護されていました」と同社は付け加えた。「それ以来、当社のエンジニアリングおよびセキュリティチームは、このようなできごとが今後発生しないように対策を講じてきました。さらに、有効なメール受信者全員に直接連絡を取り、この件について謝罪の意を伝えました」。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:BlockFi仮想通貨資金調達

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

高セキュリティのメッセージングアプリ「Signal」開発者氏が助言を行った仮想通貨「MobileCoin」がベンチャー資金調達

プライベートメッセージングアプリ「Signal」を開発したMoxie Marlinspike(モクシー・マーリンスパイク)氏から技術指導を受けた仮想通貨「MobileCoin」が、Future VenturesとGeneral Catalystから2ラウンドにわたって1135万ドル(約12億3000万円)の新たなベンチャー資金を調達した。

同社をよく知る関係者によれば、このラウンドにより、現在は利用できないSignalのプラットフォーム上でMobileCoinが利用できるようになる可能性が高まったのではないかという。

マーリンスパイク氏とは連絡が取れなかったが、彼の役割をよく知る人物によると、彼はほぼ完全に自身の事業に集中しているようだ。MobileCoinの創設者であり、LinkedInでMobileCoinの「門番」であると自称しているJoshua Goldbard(ジョシュア・ゴールドバード)氏には米国時間3月9日の午後Signalで連絡が取れたものの、質問への回答は拒否された。投資家らにMobileCoinが他の仮想通貨関連企業と比べてどうなのかという質問をしても、回答を得ることはできなかった。

WiredがMobileCoinを初めて紹介したのは2017年のことで、仮想通貨の大小さまざまな課題を克服する必要があると説明されている。多くの人や商売にとって複雑すぎて使えない、十分な拡張性がない、取引に時間がかかりすぎるなどの課題である。

例えば、CryptoKittiesやNBA Top Shotなどの事業を展開するDapper Labsは、Ethereumのスケーラビリティの問題があったことや、より「消費者志向」のプラットフォームの開発に興味を持ったことから、2020年に独自のブロックチェーンと「Flow」トークンを開発した。

当時Wiredは「世界はもうこれ以上多くの仮想通貨を必要としていないのではないか」としながらも(現在オンライン上では4000以上の仮想通貨が発行されている)「Signal」でのマーリンスパイク氏の実績を考えると「注目に値するプロジェクトである」と述べている。

MobileCoinのウェブサイトによると、同社は携帯電話での「ほぼ瞬時的な取引」による支払いに、確実なプライバシー保護を提供することを目指しているという。しかし、携帯電話に仮想通貨を保存する際のリスクとして、携帯電話のロックが解除されたまま放置されたり、携帯電話の無線がハッキングされたり、または例えばiOS自体がハッキングされたりすることもあり、こういった場合このプライバシー保護の価値が失われる可能性がある(iOSには、特定のサービスや情報へのアクセスをアプリに許可する際に強固な許可システムが採用されているが、それでもこのようなことは起こる)。

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同サイトによると、携帯電話を紛失した際には財布を「安全に復元」できるというのがMobileCoinの特徴だという。ただしこれは秘密鍵を託すプロバイダーを信用しないことには成り立たない(MobileCoinはその必要はないという)。これについては、近日中に詳細が発表されると思われる。

ゴールドバード氏とマーリンスパイク氏は、MobileCoinをSignalやWhatsAppなどのチャットアプリに組み込むことを想定しているとWiredに語っているが、もしMobileCoinがSignalでの事実上の取引方法の1つとなれば、その影響力は絶大なものになる可能性がある。

Signalはプラットフォームのユーザー数を公表していないが、現在、推定4000万人が同社の暗号化されたメッセージングアプリを利用しており、2021年初めのトランプ大統領の任期が終わりつつある時期にダウンロード数が急増した。モバイルアプリの分析を提供するSensor Towerによると、Signalの1日あたりのダウンロード数は通常5万件のところ、1月5日の週には1780万件のダウンロードがあったという。

Signalでの大量使用がMobileCoinの価値向上につながるのであれば、2020年12月初旬に仮想通貨取引所のFTXで購入できるようになったこの通貨は、上昇気流に乗っているように見える。

マーリンスパイク氏の早期段階からの関与は間違いなくプラスではあるものの、仮想通貨とメッセージングアプリの相性は、規制当局の影響もありこれまであまり良いものではなかった。2009年にウォータールー大学の学生グループによって設立されたモバイルメッセージングアプリのKik Messengerは、ユーザーがプラットフォーム内で使用できるKinというデジタル通貨を作成した。このプロジェクトは最終的に米国証券取引委員会との数年に及ぶ争いに発展し、同社はほぼ壊滅状態に陥ったが、現在は復帰を果たそうとしている。

(MobileCoinの擁護のためにいうと、ベンチャーキャピタルを頼ったMobileCoinとは対照的に、Kikはイニシャル・コイン・オファリング、ICOという、当時はまだ実績がなく規制もない資金調達方法でKinから資金を集めようとしていた)

Signalよりもはるかに大規模なメッセージングアプリであるTelegram(2020年4月時点でのユーザー数は推定4億人)も、SECと何年も争った後、スマートフォンを持っている人に独自の分散型仮想通貨を提供する計画を放棄した。Kikと同様、Telegramの一連の出来事の一部は、ICOによるトークンの早期販売に起因している。

Facebookでさえ、新しい仮想通貨に関する野心的な計画を縮小し、代わりにドルに裏づけられた単一のデジタルコインを発行することを決意したにもかかわらず、まだ何も公開していない(間もなく発表されると見込まれるが)。

もしかすると、MobileCoinは単に米国外での活動を計画しているのかもしれない。実際、2020年12月にMediumに掲載された公開記事によると、MobileCoin Foundationは、このプロジェクトを米国のユーザーや「他の禁止された管轄区域の人や団体」は利用できないと記している。

いずれにせよ、今回の新ラウンドはMobileCoinにとって初めての外部調達ラウンドではない。2018年5月には、投資家から2970万ドル(約32億2500万円)を調達したことをSEC提出書類で明らかにしている。報道によれば、仮想通貨取引所大手のBinanceのベンチャー部門であるBinance Labsがその資金調達を主導したという。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:MobileCoin仮想通貨資金調達Signal

画像クレジット:Signal

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

仮想通貨ブームが続く中、ブロックチェーン分析のChainalysisが109億円調達

ブロックチェーン分析会社Chainalysis(チェイナリシス)は米国時間3月26日、1億ドル(約109億6400万円)のシリーズD資金調達をクローズし、評価額は20億ドル(約2192億9000万円)に倍増したと発表した。

今回のラウンドのわずか4カ月前のシリーズCラウンドで、同社は10億ドル(約1096億4500万円)の評価額で1億ドルを獲得したばかりだ。最新ラウンドはParadigmがリードし、既存投資家のAdditionとRibbitが投資額を倍増させた。Marc Benioff(マーク・ベニオフ)氏の投資ファンドTIME Venturesも参加し、Chainalysisの累計調達額は2億6500万ドル(約290億5500万円)となった。

今回のラウンドは同社にとって2年弱という期間で4回目の資金調達となる。既存投資家にはAccelとBenchmarkも含まれる。

Chainalysisは、当時世界最大の仮想通貨取引所だったMt. Gox(マウントゴックス)がハックされた2014年の創業だ。ニューヨーク拠点のChainalysisは現在、60カ国超の政府機関や取引所、金融機関、保険会社、サイバーセキュリティ会社にデータやソフトウェア、サービス、調査を提供している。中でも顧客の400社はSquareのようなフィンテック、Barclaysのような金融機関、そしてGemini、Bitstamp、BitPayといった仮想通貨の事業会社だ。

共同創業者のMichael Gronager(マイケル・グロナガー)氏とJonathan Levin(ジョナサン・レビン)氏(画像クレジット:Chainalysis)

Chainalysisが自称するミッションは「少ないリスクで金融のさらなる自由を促進するためにブロックチェーンにおける信頼を構築すること」だ。

データプラットフォームは調査、コンプライアンス、リスクマネジメントのツールを動かす、と同社は話す。これらツールは「世界で最も有名なサイバー犯罪を解決したり、消費者が安全に仮想通貨にアクセスできるようにするのに使われてきた」。

共同創業者でCEOのMichael Gronager(マイケル・グロナガー)氏によると、あらゆる企業がゆくゆくは事業を行うのにブロックチェーンを使うようになるという信念のもとにChainalysisは事業を展開している。

「仮想通貨業界の誰よりも当社はブロックチェーンで何が起きているかについてより多くの情報を集めてきました」とグロナガー氏は話した。「そうした情報で、当社の顧客はより良いデータ駆動の判断を下すことができます」。

同社は以下のことを2020年達成したと話している。

  • 年間経常収益(ARR)を前年比100%超増やした
  • 30カ国超の政府機関、60カ国超の民間事業会社を含む顧客ベースを倍増させた
  • 10のネイティブブロックチェーンにまたがる100超のデジタル資産のカバーへとサポートを拡大した。これは仮想通貨経済活動の推定約90%を網羅している
  • 2020年従業員数を現在の233人に倍増させた
  • FireblocksやFlashpointを含む50社超から成る提携プログラムを拡大した
  • 今後の展望として、2021年に数百人を採用する計画で、新たに調達した資金は主に企業データプロダクトを拡大するのに使う

「当社は引き続き、捜査とコンプライアンスのソフトウェアに投資しますが、既存の顧客と新たなオーディエンスのための新データプロダクトも構築します」とグロナガー氏は話した。

Chainalysisはアジア太平洋地域で存在感を高めることに特に注力している。

「仮想通貨はグローバルです。Chainalysisも同様です」と同氏は述べた。

Chainalysisにとって仮想通貨にはこれまでにない透明性がある。

「仮想通貨はいずれの組織も管理しない初のグローバル決済システムですが、ブロックチェーンは違法行為を含め、すべての取引の公で永久の記録を作ります」とグロナガー氏はTechCrunchに語った。

ブロックチェーン分析は人々が公のブロックチェーン台帳を解釈するのをサポートすることで登場した。Chainalysisのツールは、政府機関や仮想通貨事業所、金融機関がどの実在組織が互いに取引しているか理解するのをサポートすることを目的としている。

「例えば異なる2つの仮想通貨取引所間、あるいは仮想通貨取引所と闇ネットマーケットや制裁を受けている機関など違法な組織の間で行われた取引を当社は示すことができます」とグロナガー氏は話した。

Paradigmの共同創業者、Fred Ehrsam(フレッド・アーサム)氏は、Chainalysisが仮想通貨エコシステムのために鍵となるデータインフラやソフトウェアを提供する方法に惹かれた、と述べた。

「誰よりも規制の状況をよく知っているChainalysisのチームは、何年もかけてツールを洗練し、顧客が欲しているものをよく知っています。これはひと晩で起こるサクセスストーリーではありません。チームは複数の暗号サイクルを通じて長期的なビジョンでツールを構築しました。これによりChainalysisはマーケットにおける優位性を確保し、機会は複利式に増えます」と付け加えた。「仮想通貨が浸透するにつれ、Chainalysisのサービスに対する需要も成長します」。

仮想通貨ブームのさらなる証拠として、2021年3月初めにBlockFiは30億ドル(約3289億3500万円)の評価額で3億5000万ドル(約383億7500万円)という巨額のシリーズDラウンドをクローズしたと発表した。暗号マーケット投資家のための金融サービス会社である同社は、小売や機関向けプロダクトを提供している。

特筆すべきことに、BlockFiはChainalysisの顧客でもある。CEOで共同創業者のZac Prince(ザック・プリンス)氏は、ChainalysisがBlockFiに「事業開発活動を通知し、サービスをカスタマイズし、そして新たな売上源を特定するのをサポートできるコンプライアンスを超えた知見を与えるデータを提供している」と声明で述べた。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Chainalysis仮想通貨資金調達

画像クレジット:Westend61 / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

NFT(非代替性トークン)をフェミニストのために使うバンドPussy Riotが「サイファーパンク」の力を示す

最近では、誰も彼もが非代替性トークン(NFT)を販売しているように思われるが、 Pussy Riot(プッシー・ライオット)の創設メンバーであるNadezhda Tolokonnikova(ナジェージダ・トロコンニコワ)氏は、ハイプ・サイクルを超えた戦略を立てている数少ない人物の1人だ。

「私はその前から仮想通貨を使っていました」と、トロコンニコワ氏はTechCrunchに語り、プッシー・ライオットのメンバーが2015年頃からブロックチェーン技術に興味を持っていたことに言及した。「マーシャ(プッシー・ライオット創設者の1人であるMasha Alyokhina[マーシャ・アルヨキナ])は銀行口座の問題を抱えていました。彼女が銀行口座を開設する度に、政府はその口座を閉鎖してしまうのです。それは彼女がお金の一部を抗議活動に使っていたからです。今、彼女は自分のクレジットカードすら持つことができません」。

トロコンニコワ氏は2021年3月、グループの最新シングル「Panic Attack(パニック・アタック)」のために制作されたミュージックビデオを4部に分けたNFTを公開し、数千万円相当の資金を集めている。彼女によると、これらの利益は東欧にある社会的規範に違反した女性のための秘密のシェルターに寄付されるとのこと。

「この領域の女性は、いまだにモノとして扱われています。汚名の烙印を押されているのです。彼女たちの多くは同性愛者であったり、見知らぬ人に微笑むようなことをして、家族全員の恥とされています。もし、このシェルターの場所を公表したら、見つけて破壊しようとする人が出てくるでしょう」と、トロコンニコワ氏はいう。「活動家として、どの政府にもコントロールされていないツールを見るのはとてもエキサイティングなことです」。

今回のNFTの取り組みを、2021年5月にリリースが予定されているプッシー・ライオット初のスタジオアルバム「Rage(レイジ)」の宣伝と片づけることは簡単かもしれない。さらに、プッシー・ライオットが使用しているNFTプラットフォーム「Foundation(ファンデーション)」は、プッシー・ライオットを検閲したり、購入者がNFTを閲覧や取引することを困難にする可能性がある。暗号資産作品とそれに対応する仮想通貨の収益は、民間企業のプラットフォームではなく、クリエイターの個人的なウォレットに保持されている場合にのみ、検閲に耐えることができる。

一方、トロコンニコワ氏は「この技術への関心は長く続いている」と述べ、性差別的な権力構造を覆すために暗号ツールを活用する方法をすでに模索していると語る。プッシー・ライオットは、活動家に仮想通貨を寄付するだけでなく、フェミニストアーティストのEthereum(イーサリアム)取引手数料を負担するNFT奨学金プログラムを後援している。

「今のところ、活動家や政治的な芸術作品のためだけに使っています」と、彼女はいう。「プッシー・ライオットのコミュニティを教育するようなことにも使っています。私たちはNFTをより低価格で利用できるようにする方法を検討しています」。

アラバマ州バーミンガムでパフォーマンスを行うプッシー・ライオットのナジェージダ・トロコンニコワ氏(画像クレジット:David A. Smith/Getty Images)

その一方でプッシー・ライオットは、障害を持つ人々のためのアバンギャルドなファッションで知られるViktoria Modesta(ヴィクトリア・モデスタ)氏など、他のNFTアーティストとのコラボレーションも進めている。トロコンニコワ氏の視点によると、NFTは女性アーティストが伝統的なアートの世界から認知されるための方法を提供するという。プッシー・ライオットはパフォーマンスアートやデジタルアートを中心に活動していたため、従来のギャラリーやコレクターが彼女の作品を真剣に見ることはほとんどなかった。しかし今では、暗号化された作品によって、美術館ギャラリーが注目している。

「これは多くのアーティストにとって、キャリアの中で初めて、アーティストとして認識されるようになるという画期的な出来事です」と、トロコンニコワ氏は語っている。「以前は、プッシー・ライオットの一員として、講演料やイベントなどによる収益を、パフォーマンスアートの資金に充てていました。私はアートに対して直接お金をもらったことはありません。今はNFTの活動に集中し、真剣に取り組んでいます」。

NFTブームでブレイクしたスターの多くは、Beeple(ビープル)として知られるMike Winkelmann(マイク・ウィンケルマン)氏やTrevor Jones(トレヴァー・ジョーンズ)氏のように、従来の実績や長年のプロとしての経験を持つ白人男性だが、トロコンニコワ氏のような女性は、暗号資産のエコシステムで急成長しているセグメントだ。仮想通貨取引所の調査によると、集計されたユーザーのうち女性が占める割合は、地域によっておよそ15%から50%となっている。Metapurse(メタパース)やShe256Meta Gamma Delta(メタ・ガンマ・デルタ)などの組織も、女性のためのメンターシップや資金提供の機会を提供している。

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「Metapurseはすでにこのような活動を行っていますが、私たちは自分たちの小さな一歩を踏み出して、より多くの女性やクィアのアーティストをこのスペースに呼び込みたいと思っています」と、トロコンニコワ氏は言い、次のように締め括った。「それはクリエイターズマーケットというビジネスにすばらしいツールが提供されているということだと私は思います。これはアートのためだけではありません。クリエイターの力を高めてくれます」。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFTロシア暗号資産

画像クレジット:Pussy Riot and AR creator Asad J. Malik

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(文:Leigh Cuen、翻訳:Hirokazu Kusakabe)