GoPro株が10%以上急落ー2016年業績がウォール街の予測に届かず

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GoProは米国時間2/2に、2016年Q4および通期の決算発表を行った。その後、思わしくない業績を受けて同社の株価は、リコールされたGoPro Karmaのように急落し、時間外取引中には10%も落ち込んだ。

2016年Q4の売上高は5億4000万ドル、1株当たり当期純損失が0.82ドルで、どちらもアナリストの予想を下回った。2016年通期の業績も芳しくなく、売上高は2015年の数字から26.8%も下がり、11億8500万ドルだった。

0.82ドルという1株当たり当期純損失には、繰延税金資産の引当金総額にあたる1億200万ドルと3700万ドルのリストラ費用が含まれていると同社は話す。

今回の決算発表後に10%以上も値を下げたGoProの株価だが、2017年初頭の値動きは堅調で、1月だけでも23%もの伸びを見せていた。

一方で決算発表には嬉しいニュースも含まれていた。2016年Q4の売上高はGoPro史上2番目の金額で、さらに最近発売されたHero 5 Blackは、販売台数・売上高ともにデジタルカメラ部門ではトップだった。また2月1日には、販売を取りやめていたKarmaが再ローンチされた。

GoProブランドも順調に成長を続けている。Instagramのフォロワー数は前年比で53%増加し、特にアメリカ国外のフォロワー数が245%も増加したことで、全体の数字を押し上げた。同様に、GoProコンテンツのソーシャルメディアにおける視聴数は前年から40%増え、2億3800万再生を記録した。なお、YouTubeだけでも2015年から2016年にかけて視聴数が86%も伸びていた。

今年のCESでGoPro CEOのNick Woodmanと話をした際に、彼はまだGoProには十分な余剰資金があり、投資家や取締役会のメンバーには今後もしっかりGoProの動きについてくるよう要請したと話していた。さらに彼は、IPO後にGoProがメディア事業に手を出そうとして失敗したと認め、その後軌道修正を行ったと話していた。しかし、CEOの座を退き、誰か他の人に経営を任せるつもりがあるかと尋ねたところ、Woodmanはその可能性を完全には否定しなかった。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

速報:Amazonの四半期は期待外れ―売上ダウン、利益アップ、株価はダウン

NEW YORK, NY - OCTOBER 27: Jeff Bezos, Chairman and founder of Amazon.com and owner of The Washington Post, addresses the Economic Club of New York, at the Sheraton New York Times Square Hotel, October 27, 2016 in New York City. Bezos discussed the future of Amazon, space travel, and his ownership of The Washington Post. (Photo by Drew Angerer/Getty Images)

シアトルではAmazonが2016年第4四半期の決算を発表した。eコマースの巨人の決算は437.4億ドルと予想を下回る売上となった。逆に1株あたり利益は予想を上回り、1.54ドルだった。今期の決算に関してウォールストリートの期待は高まっていた。アナリストの予測は売上446.8億ドル、1株あたり利益1.35ドルだった。

決算の数字が判明すると同時に時間外取引でAmazonの株価は急落した。Amazonによる2017年第1四半期の予測は売上が332.5億ドルから357.5億ドルとなっている。営業利益は対前年比でダウンするという予測だ。

投資家にとって前四半期は波乱含みだった。ウォールストリートは虚をつかれたかたちとなった。Amazonの1株あたり利益が78セントという予測より26セントも低かったからだ。1年を締めくくる時期にわずかの配当しかないことで株価は下落した。しかしムードは変わってここ数週間期待が高まっていた。

Amazonの株価は先月8.7%アップした。Amazonが急速に事業の多様化を進めることを投資家が信頼していたことが読み取れる。GoogleとAmazonはともに多様なプロダクトやサービスを展開しており、それらの事業を収益化しようと苦闘している。しかしこれまでAmazonはいくつかの面でGoogleに勝っていた。Amazonはクラウド化でもスマートスピーカーでもGoogleに先手を打った。AWSとAlexaは急激に巨大化している。

AWS自身のビジネスの成長に加えて、投資家はクラウド事業はeコマース事業と比較して人件費などの運営コストがはるかに低いことを好感している。

決算発表はさきほど行われたばかりなので、現在さらに詳細を取材中だ。新しい事実がわかり次第アップデートする。

画像:Drew Angerer/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、明日の四半期決算は成長再加速との予測―iPhone 7は7800万台以上の見込み

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Appleは明日(米国時間1/31)、クリスマス商戦を含む四半期の決算を発表する。再びiPhoneに注目が集まっている。今やAppleの売上の大半はiPhoneから来ている。iPhoneの売上の変動は巨大な意味を持つことになる。

Appleのこれまで四半期決算を観察すれば、過去1年は波乱の年度だったことがわかる。簡単にまとめると、売上は3四半期連続でダウンした。アナリストはAppleの快進撃もついに終わったかと懸念を抱いた。Appleはすでに下り坂なのか?

どうやら、今期はAppleにとって久々の成長再開となるようだ。アナリストの予測では、売上は774億ドルで、昨年同期の758億ドルから2.1%のアップとなりそうだ。 この数字はAppleの前回のガイドラインの予測と一致する。Appleは今期の売上を760億ドルから780億ドル程度と予測していた。

この四半期のiPhoneの売上は7800万台をやや上回るだろう(前年同期は7500万台)。これほど大きな数字となると直感的にとらえるのが難しい。アナリストによれば、Appleは1分ごとに590台のiPhoneを販売した計算だという。私としてはAppleがそんなスピードでiPhoneを製造できたことに驚いている。

まずこういったところが現在判明している全体像だ。細かい数字は実際の発表に待つとして、興味ある点がいくつかある。MacBook Proは大幅にアップデートされた。出荷が始まったのは四半期の半ばだったが、今期のMacのセールスに大きな影響を与えたことは確かだ。Appleはかなり長いあいだノートパソコンの分野を放置してきたため、今回の新モデルはは大きな反響があった。

Apple Watchもアップデートされた。AppleはこれまでApple Watchの販売台数を発表していない。12月にティム・クックは「Apple Watchのセールスは順調だ」と述べた。IDC調べのウェアラブル全般の売れ行きに関する数字はそれほど楽観を許さないものとなっている。これまでのところApple WatchはiPhoneをメインとする企業というAppleの性格を根本的に変えるような成功を収めていない。

最後に、Appleは自社をハードウェア製造者であると同時にサービスの提供者と位置づけている。そこで今期Appleのサービスはどうであったか知りたい。任天堂のSuper Mario Run始め数多くのiPhone向けの新しいアプリが発表されているので売上は増加したはずだ。問題はこの増加がApple全体にとって意味があるほどの大きさだったかどうかだ。これについてはまだ情報がない。

私としてはAppleの電話記者会見が待ちきれない。質問したい事項が山のようにある。ティム・クックはその全部に答えることはないだろうが、Appleについてかなりのヒントが得られるはずだ。特に私が知りたい情報はAppleの自動車に関する取り組みと中国での売れ行きだ。また Qualcommに対する10億ドルの訴訟や、(もちろん)トランプ大統領についても尋ねたい。

画像:Kris Yeager/Shutterstock (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Alphabet、2016年Q4決算発表 ー 脱検索に向けた投資が実を結びだす

Alphabet CEO Larry Page speaks at the Fortune Global Forum in San Francisco, Monday, Nov. 2, 2015. (AP Photo/Jeff Chiu)

Googleは本日2016年Q4の連結決算を発表した。好調なビジネスもあれば、不調なものもあったが、「other bets(その他の投資)」とされるGoogleの本業を除くほぼ全てが詰まったカテゴリーには光が見えはじめた。

「その他の投資」からの売上は、2015年Q4の1億5000万ドルから2億6200万ドルへと健全な成長を遂げた。しかしもっと重要なのは、同カテゴリーの赤字幅が昨年の12億ドルから約11億ドルへと減ったことだ。ここにはNestのような事業が含まれており、Googleのビジネス全体に占める割合は微小だが、今後Googleが制覇しようとしている市場を表す重要なカテゴリーだ。そして同社の将来を考えると、このカテゴリーでよい成績を残すことが重要になってくる。

CFOのRuth Poratは、2016年通期での同カテゴリーの業績についても触れ、2016年の売上増額は8億90万ドル(前年比82%増)だったと発表した。なお、この売上の大半はNest、Fiber、Verilyによって生み出されたものだ。営業損失は29億ドルで、2015年に比べ少し減少した(Poratは2015年の具体的な数字を明かさなかったが)。一昨年から少し減ったとは言え赤字幅はかなり大きく、Alphabetが2017年に突入するにつれて損失は大きくなりそうな気配がする。同社は、その他カテゴリーへの投資の「金額やペースを引き続き修正していき」、「投資金額やスピードを入念に管理していく」とPotratは話す。

実際に昨年Alphabetは、特に同カテゴリーを厳しく監視していた。彼らは予想を下回る事業をたたみ、好調な事業へリソースを集中させようとしていたのだ。Alphabetは(Google Xを通じて)、Project LoonやGoogle Fiberなど新しいアイディアを試す場として長きにわたって知られてきたが、今後は自分たちが得意とし、市場を独占できそうな分野に注力しようとしているようだ。そのような動きの一例として、Alphabetは最近自動運転車部門を分社化し、Waymoと呼ばれる新しい会社を設立した

「その他の投資」カテゴリーの全体に占める割合がどれほど小さいか確認したい人は、下図をみてほしい(しかし同時にこの分野はAlphabetにとって極めて重要だということは忘れないでほしい)。

 

Googleは新しい分野へも進出しようとしており、2015年にはGoogle CloudのためにDiane Greenを迎え入れた。去年のAWSの様子を見るだけでも、クラウドコンピューティングサービスがどのくらい儲かるビジネスなのかということがハッキリとわかる。AWSは即座にAmazonで最も効率的なオペレーションと利益率を誇るビジネスのひとつになり、Googleがこのチャンスを逃すはずがない。Microsoftも同分野に精力的に挑んでおり、競争は必至だ。

Goole Play、Google Cloud、ハードウェアを含む「other revenues(その他の売上)」は、2015年Q4の21億ドルから62%増加し、2016年Q4は34億ドルだった。ひとつひとつの分野に特に大きな動きはなかったので、全て順調に成長しているか、ある分野が別の分野をカバーするような状況なのだろう。

アナリストによるAlphabet全体の業績予測は売上額252億2000万ドル、一株当たり利益(EPS)9.67ドルだったのに対し、実際は売上が260億6000万ドル、EPSが9.36ドルだった。EPSが予想を下回った一方、売上高は予想を上回っていたため、直後の株価はほとんど動かなかったもものの、検索ビジネス以外の分野で面白いことがわかってきた。

決算発表後、Alphabetの株価は時間外取引中に2.5%下落した。これは同社のサイズを考えるとかなりの動きだ。つまりウォールストリートでは、広告料が下落する中、Googleの方向性について不透明感が漂っている可能性がある。投資家が予想していた利益額をAlphabetが達成できなかったということが、今後数年間はAlphabetがGoogleをキャッシュマシーンのように扱い、次に何をするべきか模索しようとしているのでは、という不安を生み出したのだろう。

昨年はAlphabetにとって移り変わりの年だった。同社は、単なる検索エンジン広告ビジネスからの脱却を図ろうとしていたのだ。検索ビジネスはこれまでずっとGoogleの強みとして、数十年にわたって彼らの強力なAIエコシステムを支えてきたが、デスクトップ向けの広告でいつまでもお金を稼げるわけではない。

デスクトップ検索からの大幅なシフトの結果として、Googleの広告料は下がり続けている。一方でモバイルに注力することで、Googleは新しい広告フォーマットを開発し、モバイルデバイスが生み出す膨大なインプレッションを売上に結びつけることに成功した。その結果、Googleは1本あたりの広告料(コストパークリック)の減少を、インプレッションの増加で打ち消し、今のところは投資家が満足できる成績を残せている。

当然のように広告料は今も下がり続けており、2016年Q4のGoogleのコストパークリックは、2015年Q4から15%減少した。ペイドクリック数は予想通り増え続け、前年同期比で36%の伸びを見せた。つまり広告収入に関して言えば、これまでと同じような結果だった。

他にもGoogleは音声インターフェースなどの新しい技術を採用しはじめた。Google Assistantのローンチで、同社はユーザーが携帯電話に話しかける(そして最終的にそこからお金を生み出す)ような未来を描こうとしたのだ。Googleの後を追って、Amazonもすぐに音楽再生など簡単なタスクをこなせる、家庭用の音声アシスタントを開発した。

他社のおかげもあり、ユーザーは声を使ってGoogleに何かを「尋ねる」という行為に慣れてきだしたが、その一方でAmazonやAppleのSiriとの競争は激化している。会話式のインターフェースは、いつの間にか私たちに忍び寄ってきたようにも感じるが、時間が経つにつれて、ユーザーがキーワードを打ち込み、その結果現れる検索結果に対して広告を表示するようなモデルだけでは十分ではないということが、ハッキリとわかってきた。

Googleのここ数年の投資家に対する説明は十分なように映る。広告ビジネスの成績はまぁまぁで、モバイルデバイスが普及するにつれて更なる伸びが期待できる。また音声インターフェースやVRのような未来のプラットフォームを利用したビジネスについては、引き続き検討を進めていくのだろう。

 

Alphabetに関しては、2017年に「世界で最も価値のあるブランド」へと返り咲く可能性が大いにある。彼らは以前このタイトルを獲得してから、すぐにAppleにその座を譲ってしまったが、Appleの成長は2016年中に急停止した。iPhone 7や2017年Q1に発表したその他の製品で、Appleが今後持ち直す可能性もあるものの、音声ベースのUIなどAppleがまだ制覇できておらず、別のプレイヤーがユーザーを奪い取れる可能性のある分野には、ポッカリと大きな穴が空いている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

目標未達のApple、Tim Cookの役員報酬を削減

Tim Cook, chief executive officer of Apple Inc., speaks during the Apple Inc. Spring Forward event in San Francisco, California, U.S., on Monday, March 9, 2015. Cook returns to the spotlight to answer questions on many of the Apple Watch's key selling points, including price range, battery life and when in April it will reach stores. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images

Appleの役員報酬は業績によって左右される。そのため、CEOのTIm Cookや他のリーダーたちの報酬が削減されることになった。Appleは2016年度の売上目標と営業利益目標を達成できず(それぞれ3.7%と0.5%の不足)、Tim Cookの報酬が15%削減されることが決まった。

Appleが発表した業績報告書によると、2016年度の年間売上高は2156億ドル、営業利益は600億ドルだった。もし目標を達成していれば、Tim Cookは2015年度の1030万ドル以上の報酬を得られるはずだった。しかし結果として、Cookはその代わりに875万ドルを手に入れることになった。

比較してみると、報酬の削減幅は業績目標への不足分よりも大きい。他の役員への報酬は9%削減されるに留まっているのだ。一方でCookの基本給は50%上昇しており、その額は300万ドルとなる ― いまだ手付かずとなっているCookが保有するAppleの株式については言うまでもない。

Appleが業績目標を達成できなかったのは、2009年以降初めてのことだ。これまでAppleの成長をめぐる業界の予想は多少シニカルなものだった。しかし、企業価値が疑われるたびにAppleは結果を出してきた。今回の業績は成功でも失敗でもない。問題は、Appleがここから這い上がれるかどうかだ。

初代iPhoneの発表から10年目を迎える今年は、Appleの成功を左右するようなプロダクトが発表されると予想する者もいれば、Appleの成長には陰りが見えると主張する者もいる。Appleには秘密主義のR&Dチームがいるため、ゲームチェンジャーになりうるVR/ARデバイス自動運転車など、Appleの今後についての予測は数えきれないほどある。

Appleの株価を見てみても、この件による影響は出ていないようだ。現地時間1月6日のAppleの株価は約1%上昇している。

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Cookへの報酬の削減は、そこまで驚くべきニュースという訳でもなかった。2016年はAppleの脆弱性が現れた年だった ― 昨年はAppleにとっての最重要プロダクトであるiPhoneの売上が初めて低下した年だったのだ。

今後、1月31日に発表される第1四半期の決算に注目が集まることになる。iPhone7の販売状況も、ここでいっそう明らかになるはずだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Twitterの2016年を振り返る

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大規模レイオフ、買収取り止め、ユーザー数伸び悩みというのがTwitterの2016年だったようだ。こうした要素がTwitterの将来を不透明にしている。これがTwitterがウォールストリートで歓迎されていない理由だろう。

ジャック・ドーシーのCEOとしての1年を要約するなら、やはり株価の下落ということになる。ドーシーはTwitterに活力を吹き込むためにありとあらゆる努力を払ってきたが、それでも十分ではなかった。

少なくともTwitterの最新の四半期決算は、ここしばらくで初めて経営陣がサービスの立て直しを図る努力を始めたことをうかがわせる。Twitterは社員の9%をレイオフした。主なターゲットはセールス、マーケティング、事業開発の各部門だった。財務内容とユーザー数を嫌気してTwitterを買収する話が立ち消えになった後、緊急に必要とされていた立て直し策としてウォールストリートには多少の意味があったようだ。それでも株価は意味あるほどの反発を示さなかった。要するに市場は改善策の小出しなどは求めていない。Twitterが確信をもって立て直しを実行することを求めている。

そこでまずジャック・ドーシーの1年を株価で確認してみよう。

Twitterの株価は―驚くべし―1年で29%も下落している。Salesforceその他の大企業がTwitterの買収を考えているというニュースが浮上したときはこれこそ株主が待ち望んでいた(ノアの方舟でハトがくわえて戻ってきたという)オリーブの小枝かと思われた。Twitterの成長が止まったなら、さらに大きな企業の一部になるのが適切なのでは? このニュースに他社も買収に興味を持ったし、なによりTwitterの株価は大きく上昇した。

しかし長く続かなかった。Twitterで ハラスメントやトロルが野放し状態だとしてディズニーが買収から撤退した。Saleseforceも買収の可能性を否定し、他社も続いた。Twitterはいじめ、トロル、ハラスメントなどを抑える努力があまり成功してない。新規のユーザーにとってサービスがわかりにくく フォロワーを得る上でも不利に働くという問題については事実樹手付かずだった。その代わりにツイートの文字数制限からユーザー名を外すといったアップデートがあっただけだった。それはそれでいいことだが、Twitterに成長を取り戻すにはそういうことでは足りない。

Twitterの2017年は不透明性が増しそうだ。同社ではセールスのリストラを実施するので売上のガイダンスを発表しないとしている。 レイオフに加えてセールスのチャンネルの再編成によってビジネスのコアとなる広告事業を活性化しようとしているのは確かだ。しかし最近の決算の数字は以前の成長ぶりに比べてさほどバラ色にはみえない。投資家はユーザー数の伸びに加えて広告収入の伸びも期待している(ただし同社はデータ事業に比べると広告事業の割合は小さい)。

株式市場の認識は厳しさを増している。そもそも買収の噂であれほど株価が上昇したということが市場におけるTwitterの将来に対する信頼が失われたことを意味している。Twitterは最近、コンテンツのライブ・ストリーミングをサービスに導入するなど刷新を図っている。Twitterは現在でもあらゆるニュースが一番早くアップされるプラットフォームだ。

大統領選挙いくぶんかTwitterの第4四半期の助けになったようだ。ビッグ・ニュースが飛び交う空気はTwitterのビジネスにとってある種の緩衝材の役割を果たした。ガイダンスを発表しないことに決めたのも、良い数字を発表できれば投資家を驚かせるのに役立つだろう。ともかく次の四半期決算はTwitterがウォールストリートの信頼を回復できるかどうかで非常に重要な瞬間となる。【略】

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2017年を迎えるにあたってTwtterはリセットボタンを押そうとしているなどいくつか明るいニュースもある。 Twitterの株価は下落を続けているが、これは買収対象として魅力を増すという効果もあるだろう。小出しの改良であれ、Twitterが進路を修正することはいったんは手を引いた企業に買収を再考させるきっかけになるかもしれない。

しかしこれは「諸刃の剣」でもある。Twitterの株価が下がり続け、失敗が続けばTwitterは「もの言う株主」を引き寄せることになり、彼らは直ちにTwitterの根本的なリストラを要求することになるだろう。2016年にTwitterは株式市場に対してビジネスが順調に運営されいる証拠を見せることができなかった。Twitterが株価の低落を止めることができないなら2017年にはそのツケが回ってくるかもしれない。

Twitterが市場の信頼をつなぎ止め、独自の企業として進むためにはビジネスだけでなく、プロダクトそのものの変革も必要だ。FacebookとSnapchatがユーザーの伸びでも広告収入の伸びでもロケットの勢いで先行を続けている。Twitterはプロダクト・レベルでオンラインでの会話の第3のチャンネルであることをユーザーに納得させると同時に、ビジネスでも広告主の企業の会議室で第3のプレイヤーの地位を確保する必要がある(ビジネス面ではSnapchatはまだスタートしたばかりだが)。

2016年は失敗だった。ウォールストリートはTwitterの進む方向に満足してない。2017年はさらに不確定な要素が増える。ジャック・ドーシーは投資家の不満をなだめるためにすることが山積している。

画像: TechCrunch / Matthew Lynley

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SonyのFY2016Q2は利益が86%ダウン、モバイル事業は思い切ったダイエットで復調

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Sonyの2016会計年度第二四半期の決算報告によると、円高回帰や熊本地震、そして同社の広義のリストラも相まって、利益は前年同期比で86%減少した。

利益は4800万ドル(48億円)と小さく、前年同期の2億500万ドルから大きく下落した。しかしポジティブな側面としては、同社のモバイルビジネスが再び盛り返した。

Sony Mobileの事業は長年同社の収益を傷めつけ、昨会計年度では5億ドルあまりの経費を消費したが、その後は利幅の大きい機種に絞ったため、回復した。Sony Mobile CommunicationsはQ2において3700万ドル(37億円)の利益を計上し、1年前の1億7200万ドル(206億円)の損失から大きく改善された。またそれは、前四半期の400万ドル(4億円)の営業利益からも増加している。

Sonyはこの決算の四半期で3500万台のスマートフォンを売ったが、ミッドレンジ機を減らしたため、台数的には前年同期に比べて40%の減となっている。

Sonyの優等生事業であるPlayStation事業は、主に通貨変動のため、売上は前年同期比で11%落ち込んだ。しかし32億ドル(3199億円)の売上は、再度同社の、トップ・パフォーマーである。

ホームエンターテイメント事業の利益は1億7400万ドル(176億円)で、売上減にもかかわらず前年同期比11%の増、となった。

半導体事業は熊本地震の被害により、4100万ドル(42億円)の損失を計上し、売上は前年同期比で5%落ち込んだ。コンポーネント事業も、主に電池製品の競争激化により、3億6300万ドル(366億円)の損失を報告している。

Sony Picturesを中心とするメディア事業は、売上5%増、利益3200万ドル(32億円)と好調だった。Sony Musicの利益も15%上昇し、1億6400万ドル(165億ドル)となった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

オークションのEBay、ビジネスモデルがAmazonのような定価物販に近づく

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EBayは、水曜日(米国時間10/19)の市場終了後に第三四半期の決算報告を発表した。売上22億2000万ドルは21億9千万ドルという予測をわずかに上回り、前年同期比で6%の増となった。調整後のEPSは45セントで、アナリストたちが予測した44セントよりも、やや上だった。

同社の財務状況は良くても、株価は低迷、その日の時間外の早期では7%落ち込んだ。一部の投資家は、取引総額が予想の203億ドルに届かず、201億ドルだったことに幻滅している。調整後の純利益も、前年同期よりダウンし、営業やマーケティングなどの経費増を反映した。

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同社は昨年PayPalをスピンオフして以来、マーケットプレースビジネスに力を入れている。とくに、Monness Crespi HardtのアナリストJames Cakmakによると、同社はますます“Amazon化してきた”。つまりオークションの縮小を補うべく、商品の定価販売を拡大してきた。

EBayの最近の成長は、その一部を同社の“構造化データ”(structured data)計画に負っている。それは、アイテムにキーワードのタグを付けることによって検索の効果を上げ(いわゆるSEO)、同社のWebサイト上でいろんなものを見つけやすくする工夫だ。

“eBayのショッピング体験を継続的に変えてきた。個人化機能を強化し、eBayブランドが顧客に伝えるものを絶えず活発に更新してきた”、とCEOのDevin Wenigが声明している。

スポーツやコンサートのチケットを扱うStubHubも、拡張してきた。取扱高は11億ドルとなり、前年同期比で23%増加した。“StubHubは同社の最大の成長エンジンだ”、とCakmakは述べている。

EBayの株価は水曜日(米国時間10/19)に32ドル52セントで。時価総額は366億ドルになる。過去6か月で株価は約34%上がり、アナリストたちの期待を上回り続けた

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同社はこの四半期に、5億ドルの株の買い戻しを行った。同社による年商の予想は、89.5億から90億ドルのあいだである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AmazonのQ2、アナリストの予想を上回る好成績―売上は304億ドル、EPSは1.78ドル

Amazon, the US e-commerce and cloud computing giant is said to hire 1,000 people in Poland. The company already hires almost 5,000 people in Poland and has service centers in Gdansk, Wroclaw and Poznan ON 14 April 2016. (Photo by Jaap Arriens/NurPhoto via Getty Images)

木曜日の取引終了のベルが鳴った後、Amazonは第2四半期の決算を発表した。内容はアナリストの予想を超える好成績だった。調整済み1株あたり利益は1.78ドルとアナリストの予想1.11ドルを大きく上回った。売上でも304億ドルと295.5億ドルの予想を超えた。時間外取引の株価は2%アップした。

Amazonの売上と利益は対前年比で大きく向上した。純売上は 31%アップ、純利益も8億5700万ドルと昨年同期の9200万ドルから大幅に増えた。これまで成長のための多額の投資を続けてきたこともあり、Amazonの利益率はきわめて低調に推移していた。

声明の中でファウンダー、CEOのジェフ・ベゾスは今回の好決算の主要な原因をインドでのビジネスの成功に求め、。「インドのチームは驚くべきスピードで事業を拡大している。われわれの事業に対するインドの顧客の温かい歓迎に深く感謝したい」と述べた。

Amazonはガイダンスで第3四半期の売上を31億ドルから33.5億ドルの間と予測した。営業利益についての予測は大きな幅があり、5000万ドルから6億5000万ドルとなっている。

同社はAlexa音声認識機能を備えたパーソナル・アシスタント・デバイスなど実験的な事業を数多く手掛けている。中でもストレージとクラウドサービスを提供するAWS(Amazon Web Services)事業は今や多数の大企業をホストするようになった。AWSは驚くべき成長を遂げ、今期は29億ドルの売上となっている。昨年同期は18億ドルだった。

Amazonのプライム事業は着実に運営されており、定額の年会費で配送が速くなり、映画や音楽を自由に見られる特典も付随する。またAmazonはプライム会員に大幅な割引を提供するAmazonの祝日というべきプライムデーを導入した。今年のプライムデーは多数のユーザーを惹きつけておりその売上等は第3四半期の決算に反映されるはずだ。

四半期決算のリリースでAmazonはプライムデーを「Amazonで過去最高の日」となったと述べている。グローバルでの注文は昨年の第1回目にくらべて60%もアップしたという。

Amazonはまた独自のメディア・プレイヤーのFire TVやKindleの電子書籍、Amazonダッシュ・ボタンについても成功したとしている。

ただし上記以外の実験は期待された目標を達成できなかったようだ。独自のスマートフォン、Fire Phone最近運用が中止されたGiltのライバル、MyHabitなどがその失敗組だ。

将来のビジョンに関してAmazonはドローンによる配送がスピードアップとコストダウンを可能にするとして実現に向けて力を入れている。また生鮮食品ビジネスの拡大も図っている。

株価はこの1年で43%アップし、時価総額は3550億ドルとなっている。

画像: Jaap Arriens/NurPhoto/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AWSは絶好調、Amazonの全営業利益の半分以上を稼ぐ、利益率の高さも驚異的

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Amazonが今日(米国時間7/28)、2016年第二四半期の決算報告で、再びAWSの大きな四半期を見せつけた。AWSの売上は前四半期(Q1)の25億ドルから今四半期(Q2)29億ドルにアップ、前年同期比ではなんと11億ドルの増となった。

ただし、前年同期比の成長率はQ1の64%に対し、Q2は58%とやや鈍化した。ただし58%という成長率は、相変わらずすごいと言うべきである。

AWSの営業利益はQ1が6億400万ドルで、Amazon全体の営業利益の半分以上を占めた。今回のQ2は、営業利益が7億1800万ドルで、前四半期と同じく、Amazonのそのほかの部門全体の営業利益7億200万ドルよりも大きい(北米地区のみ、海外事業は1億3500万ドルの損失)。

またAWSは、Amazonのそのほかの事業部門と違って、利益率が非常に大きい。Q1のAWSは営業利益率が27.9%だったが、Q2では29.9%に上がっている。しかしそのQ1も、利益率は2015Q4に比べると大きい。

AWSと競合するGoogleのクラウドコンピューティング事業については、親会社Alphabetの決算報告が同じく今日発表されたにもかかわらず、その中に数字はない。Google/AlphabetにとってCloud Platformの売上は、“その他の売上”の一部にすぎないから、そこからの推計は不可能である。

MicrosoftもAzureの売上を公式には発表していないが、しかし同社によるとその年商は100億ドルに達し、2018年には200億ドルに伸びる、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookのユーザー17.1億人―好調Q2の売上は64.4億ドル、株価は7.5%アップ

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123.34ドルという過去最高の株価を記録して好調を続けるFacebookが2016年第2四半期の決算を発表した。Facebookは3.63%と昨年同期 3.77%よりやや低めだが、依然として着実な成長を続けている。ユーザーを今期さらに6000万人増やして17億1000万人とした。売上は64.4億ドル、1株あたり利益は0.97ドルと60.2億ドル、0.82ドルというアナリスト予想をはるかに上まわった。

Facebookが38ドルで初上場して以來17四半期が過ぎ、今回は16回目の決算発表だった。市場は決算内容に好感し、株価は時間外取引で7.5%アップして132.60ドルを付けた。

対前年比の売上伸び率は59%で、昨日Twitterが成長率が昨年の60%から今年は20%に転落したことを発表したのと強い対照をなした。広告売上の総額は62.4億ドル、うち84%はモバイル広告だった。

Facebook DAU Q2 2016

ソーシャルメディアでは月間アクティブ・ユーザーが数が大きいため話題になりやすいが、ビジネスの健康状態を表すのは1日あたりアクティブ・ユーザーだ。Facebookの1日あたりアクティブ・ユーザーは(MAU)11.3億人、モバイルの月間アクティブ・ユーザー(DAU)は15.7億人だった。Facebookで驚くべきなのはステキッキネスと呼ばれる値(DAUをMAUで割った数字)が66%と高止まりしている点だ。つまりFacebookは誕生以來かなりの時間がたち、さらに規模の拡大を続けているにも関わらず、ユーザーの利用頻度は減少していないということだ。

Facebookは昨年の7.19億ドルからアップして20.5億ドルの利益を計上した。1ユーザー当たりの利益は3.82ドルで、対前年比15%の大幅アップとなった。手持ちキャッシュは230億ドルに上る。大型買収を繰り返すのに十分な資金だろう。

Facebookはメディアの評判が悪いが中身では勝ち続けている

Facebook Q2決算の好成績に影を落としたのはメディアのネガティブな記事だ。匿名の情報源が右サイドバーに表示される「トレンド〔現在英語版のみ〕で意図的に保守的言論を抑圧している」と非難した。Facebookでは部内調査を行ったが意図的な操作が行われたことはないと判明した。ただしFacebookでは偏向の疑いを避けるためにキュレーションを改善すると発表した。

その後Facebookはニュースフィードの表示アルゴリズムを変更し、ユーザーの家族や友達からの投稿がブランドやパブリッシャーのページより重視されるようにした。このアップデートのパブリッシャーの投稿の表示回数に与える変化を判断するには時期尚早だが、Facebookでは大きな影響が及ぶだろうとしている。

Facebook Messenger Growth Graph

Facebookのライブ動画機能も成長を続けている。 Twitterがライブ動画でブームになったPeriscopeを買収したことと関連し注目されている。ライブ動画にはクリエーティブ機能が拡張された。また同時にに追加されたAPIがプロ用機器を利用して動画を配信するメディアに役立っている。

Facebookのもうひとつのプロダクトにも重要な達成があった。Facebook Messengerのアクティブ・ユーザーが10人に到達した。これはFacebookが端末間通信の暗号化のように有益な新しい機能を追加する努力を怠らなかったことも一因だろう。ともかくFacebookはメインのアプリからチャット機能を削除し、ユーザーはMessengerをインストールすることを強制される形となった。

一方、Instagramも5億ユーザーを得た。Facebookが表示の順序を単純な時間の逆順(最新投稿が先頭)からアルゴリズムによって判定された人気の順に表示するという変更を行ったことはユーザー・コミュニティーの一部の反発を買った。しかしこの反発はInstagaramにとってはそれほど深刻なものとはならなかったようだ。

Facebook ARPU Q2 2016

全体としてみれば、Facebookはスタート以來相当の時間が経過した巨大なサービスであるにも関わらず、順調に成長を続けている。買収によりサービス内容も多様化されたが、さらに買収を進める資金にもこと欠かない。途上国市場を開拓中であること、またそうした地域に低料金のインターネット接続を提供する努力のおかげでFacebookには四半期ごとに多数の新規ユーザーが追加されている。個々のユーザーからさらに多くの売上を得ることにも成功している。

Snapchatが日々の「ライフ・キャスティング」の主流になり、Twitterがメディアと提携してライブ・ストリーミングのプラットフォームとなることを目指しているものの、ソーシャル・ネットワークとチャットの核心となるのは依然としてFacebookだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhone、 iPad、Macの販売は落ちたけど、Appleが強調するのはサービスの売上

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Appleは先ほど、2016年Q3の決算発表を行い、株価が屋根を突き抜けるほど投資家の好感を得た。だがAppleはアナリストの予測値を超えることができたのものの、iPhone、iPad、Macの販売台数は昨年同時期より減少している。全てのプロダクトラインがいつまでもグロースし続けた期間が終わったと確実に言える。

具体的に見ると、Appleが昨年4750万台を販売したiPhoneの今年の販売台数は4040万台だった。15%の減少だ。Macの販売も480万ユニットから430万ユニットだった(10.5%の減少)。さらに、iPadの販売は、iPad Proへの大型アップデートがあったにも関わらず減少した。昨年1090万台から今年は1000万台だった(8.3%の減少)。

驚くことに利益はどこでも上がっているが、Appleの全体の利益率は39.7%から38%に大きく下がっている。その理由の大部分を占めるのはiPhone SEのリリースだろう。iPhone 6sと同じ構成部品で安い価格のスマホを販売しているのだから、同社の利益には傷が付く。

iPadは例外で、販売数は減少したものの、より多くの利益を得ている。9.7インチと12.9インチのiPad Proのモデルはどちらも昨年のiPad Air 2より高額だ。

それでも、Appleは会社の別の側面を見てほしいと思っている。決算リリースを見てわかるように、Appleはサービスのことを話したくて仕方がないようだ。Apple Music、Apple Store、Apple Pay、iCloudは結構な利益を出し始めている。

「私たちのサービスは昨年同期比で19%成長し、Apple Storeの利益は過去最高額を達成しました。私たちの導入した基盤は継続的に成長し、カスタマーとの取引で新しい記録を打ち立てました」とAppleのCFOであるLuca Maestriはリリースで伝える。

また、決算発表でもTim Cookは同社のサービスについて「来年にはFortune100の会社と同じくらいの規模になることが期待できます」としている。

この四半期だけでAppleのサービスにおける収益はおよそ60億ドルだった。昨年同期比19%の増加だ。Appleはここ数ヶ月、自社をサービス提供企業としてブランディングを行ってきた。ただAppleのサービスは新しいものではない。Mac、MobileMe、iCloudに始まり、iTunes、Apple Music、App Store、Mapsなど、Appleはこれまでもサービス提供企業だった。そして、今のAppleのサービスに突出した何かがあるわけでもない。けれども、ローンチして1年でApple MusicをリデザインしたことやApp Storeの変更から、Appleがサービスに多くを投資していることがわかる。

また、Appleは研究開発に多額の資金を費やしている。しかしこの項目では、実際に同社が開発しているものが何であるかは分からない。売上数値や上昇する研究開発費から注目をそらす内容としてサービスの売上はもってこいの内容だったのかもしれない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Apple、Q3決算を発表―売上、利益ともアナリスト予想を上回り、株価は5%上昇

2016-05-17-timcook

空振りに終わった前四半期の後でAppleは良いニュースを必要としていた。今期はAppleにとって好ましい決算となった。

Appleの発表によれば、第3四半期の売上は424億ドル、1株あたり利益は1.42ドルだった。アナリストの予想は420.9億ドル、1株あたり利益は1.38ドルだった。この決算を受けて株価は上昇し、Appleは時価総額を100億ドル単位で取り戻した。時間外取引での5%のアップはさほどの急騰に思えないかもしれないが、時価総額が5000億ドルを超える企業にとっては莫大な金額となる。

それでも対前年比では依然としてマイナスの四半期だった。昨年同期のAppleの売上は496億ドル、1株あたり利益は1.85ドルだった。しかし中核事業であるiPhoneの市場が飽和に近づいていることからAppleの減速は予測されていた。発表によれば4040万台のiPhoneが売れた。前年四同期は5120万台だった。

前年同期は新製品の影響がない期間だったが今期もその点ではほぼ同様だ。売上はもはや急成長モードではない。iPhoneの販売台数も減少傾向だ。アナリストもAppleは成長中の企業ではないと考え始めていた。しかしAppleに新しい成長の可能性を見出したいと考える投資家が多い中、今回の決算は投資家にとっても朗報となった。

今回の決算では近年初めてAppleの手持ちキャッシュが減少したことが注目される。Appleは最近、大胆な投資を実行しており、中国におけるUberのライバル、滴滴出行に10億ドルを出資している。これはAppleが事業を多角化するために巨額のキャッシュを利用し始めたことを意味するのだろうか? 予測は時期尚早だろう。

前四半期はAppleにとって大きな分岐点だった。13年ぶりにAppleは売上の減少を記録し、アナリストの予測を大きく下回った。成長の原動力であるiPhoneの販売台数は昨年の第2四半期を大きく下回った。

その結果、Appleの株価は急落し、1日の午後の取引だけで400億ドルが時価総額から蒸発した。 すぐ背後に迫っていたGoogleは一瞬だが時価総額でAppleを抜いた。Appleの株価はまだ前四半期の急落から完全に回復していないが、それでも今期は復活に大きく踏み出した。

今期は安価な4インチiPhone、SEが売りだされた後、最初の四半期となった。消費者は初めてAppleから手頃な価格のiPhoneを買うチャンスを与えられた。またコンパクトなサイズの新型iPhoneを待っていたiPhone 5、5Sのユーザーにも歓迎された。しかしこうした安価な製品はより高価iPhoneの販売を妨げ、Appleの利益率に食い込む可能性がある。

Appleの業績のカギとしてアナリストが注目する粗利益率は39.7%から今期38%にダウンした。Appleの販売するデバイスは全体としてプレミアム・デバイスと考えられている。当然ながらそういう製品として粗利率は高く、これがAppleの独走の大きな原因となってきた。Appleのガイダンスでは、粗利率は今後さらに減少すると予測されている。新しいiPhoneが発売される直前の今年の第4四半期の粗利率のターゲットは37.5%から38%だ。

そこで明るい方面に目を向けると、iPadの販売台数だ。前四半期、AppleのCEO、ティム・クックはiPadの将来は明るいことを示唆した。1-3月期の決算でAppleは1090万台のiPadを売った。【略】

アナリストは今四半期の iPadセールスは9100万台と予測した。しかし予測を上まわって1000万台が売れたことが報告された。これは前四半期からは多少減少しているとはいえ、ほぼ同数を維持できたことになる。興味深いのはiPandの売上が44億ドルから49億ドルへとむしろ増加したことだ。原因はともかくとしてこれは投資家にとってポジティブなニュースといえる。

注目はiPhone 7の発表と次の四半期決算に集まっている。 Appleの他の部門がおしなべて頭打ち傾向であるときに、iPhone 6で見せたような中核事業の再活性化をiPhone 7で繰り返せるかどうかがAppleの今後を占う上で重要なポイントと考えられている。

今回の決算のポイントは次のとおり。

  • Q4ガイダンスの売上予測は455億ドルから475億ドル(昨年同期は515億ドル)
  • Q3売上は424億ドル(アナリスト予測は420.9億ドル、昨年同期は496億ドル)
  • Q3 1株あたり利益は1.42ドル(アナリスト予測は1.38ドル、昨年同期は1.85億ドル)
  • Q3粗利益率は38%(昨年同期39.7%からダウン)。
  • Q4ガイダンスの粗利率のは37.5%から38%

画像:Stephen Lam/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

決算発表後にPayPalの株価が2%上昇、Visaとのパートナーシップが好材料に

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木曜日の株式市場が閉じた後、PayPalは決算発表を行った。アナリストによる今四半期の予測収益が26億ドルだったが、実際には26億5000万ドルだった。調整後株当たり利益は、ウォール街の予想値である36セントと同等だった。

株価は時間外取引で2%上昇した。その1つの要因として決算発表と同時にVisaとの発表があったからだ。Visaとの新しいパートナーシップでは提携を深め、カスタマーがPayPalのアカウントから銀行口座に資金をVisaのデビットカードで簡単に動かせるようにする。このパートナシップではさらに、Visaの非接触決済取引を導入する販売店でPayPalのデジタル・ウォレット決済を受け付けることができるようになるということでもある。

「Visaとの提携で私たちの機能を拡張し、コンシューマーや店舗は新しい文脈で私たちのサービスを活用することができるようになります。そして、さらなるパートナーシップの基盤にもなります」とPayPalのCEOであるDan Schulmanと声明で伝えた。

PayPalのプロダクトのグローバルヘッドであるSVPであるBill Readyは「カスタマーがどこでも、どのようにでも支払うことができるようにすること」が目標だという。Visaとは「障壁の少ないコマース体験を作るために協力します」という。

PayPalは、年間の収益予想を100億7500万ドルから100億8500万ドルの範囲に上方修正した。彼らは今年度の調整後株当たり利益を1.47ドルから1.50ドルに見込んでいるという。

PayPalは前四半期800万の普通株を買い戻すことで、3億ドルを株主に返した。

投資家は、PayPalがVenmoのビジネスのマネタイズに成功するかどうかを気にしている。Venmoはミレニアル世代に人気のモバイルで使えるピア・ツー・ピアの支払いシステムで、同社はその決済ごとに課金はしていない。Venmoは今四半期、39億ドルの支払いを処理した。しかし、収益の配分までは開示していない。

Venmoは最近、店舗支払いを導入した。店舗はPayPalに取引毎に僅かな割合を支払うことで、「Venmoによる支払い」の選択肢をカスタマーに提供することができる。

PayPalの最大のビジネスはBraintreeだ。BraintreeはUberからAirbnbまでホワイトレーベルでモバイル決済ソリューションを提供している。Braintreeは盤石なクライアントリストを獲得し、モバイル決済分野で一大勢力になりつつある。

PayPalの株価は、1年前にeBayからスピンオフした時から13%上昇している。同社の時価総額は490億ドルだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

S7シリーズの好調でSamsungの財務が2年ぶりに活況、Appleと激突する年末はどうか

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Samsungは、スマートフォン事業が復調したため、2年ぶりで高利益の四半期を報告した。

この韓国企業の決算報告のガイダンスが今日(米国時間7/7)発表され、2016年第二四半期は50兆KRW(約430億ドル)の売上に対して8.1兆KRW(70億ドル)の利益が予想されている。Reutersによると、これはアナリストの予測7.8兆KRWを上回り、2014Q1以降ではもっとも好成績の四半期となる。

Samsungの前四半期は同社のスマートフォン旗艦機種Galaxy S7とS7 Edgeの順調な売れ行きにより、49.8KRWの売上から6.7兆KRWの利益を稼いだ。同社は具体的な数字を挙げていないが、いくつかの記事によると最上位機種は前年内に売り切れとなり、それはタイミング(クリスマス、年末…いつもより1か月早い売り出し)と、サプライチェーン管理の改善、そしてiPhone 6sとiPhone 6s PlusにおけるAppleのやや中途半端なアップデート(Samsungにとって‘圧倒的に強力ではなかった’Apple)という三つの要素が重なったため、と見られている。

当時は売り出しの最初の1か月の動向を見てアナリスト企業のCounterpoint Researchが、Samsungはこれまでに全世界で1000万台のGalaxy S7デバイスを売ったと推計した。それは、同じ時期のGalaxy S6より25%近く多い。

Appleの新型iPhoneは発売が今年晩(おそ)くだから、Samsungのモバイル部門と、ひいては同社の財務の全体が、激しい競争の中で今の好調を持続する可能性もある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

任天堂は睡眠追跡デバイスのプランを睡眠させた(2015Q3決算報告より)

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2014年の10月にNintendoは、これまでの軌道を逸(そ)れて健康指向になり、睡眠時間を最適化するために眠りと疲労をチェックするアプリを開発する、という計画を発表した。しかしその後そのプロジェクトの話はあまり聞かれなくなり、そして今日(米国時間2/4)、この日本のゲーム大手は、そのプランを無期限に睡眠させていたことを確認した。

確かにそのデバイスには、最初の発表のときから関心を惹かれた。そもそもゲームとは無関係なデバイスで、手中に収まるサイズ、ベッドサイドテーブルにのせておくとマイクロ波センサーを使って一晩中睡眠データをモニタする。そしてそのデータを分析し、睡眠と休息のサイクルを改善するためのアドバイスをくれる。

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でも今では、そういった計画やデザインはどうでもよくなった。Wiredの記事によるとNintendoの社長Tatsumi Kimishima(君島達己)は、‘生活の質(quality of life)’デバイスはやめたが、将来そのほかの健康関連のプロジェクトを手がける可能性は否定しない、と確言した*。〔*: 下の発言引用とこの記事文はちょっと違う。〕

Wiredは株主とのQ&AにおけるKimishimaの言葉を英語に翻訳している。それはNintendoの2015Q3の決算報告書に載っている:

〔訳注: 以下は、Q&A記録の日本語原文である。〕

また、今日ご質問が出ていないQOL(Quality of Life)に関してですが、睡眠と疲労のテーマにつきましては商品化できる段階であることを確信していませんので、2016年3月期に(商品として)発売することは予定していません。一方でQOLという領域については、できることがあると思いますので、この分野の事業を拡大していくことは引き続き検討していきたいと思っています。

Nintendoはほかにも多数の活動を抱えているので、今年は多忙だ。モバイルのアプリとゲームにやっと進出しただけでなく、今年の後半には同社の次世代ゲーム機を出す計画がある。いろいろと楽しみだが、しかし今のところ、休息を助けてくれるものはないようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

株価の不振続くYahoo、2015年度決算発表でコア・ビジネス売却の可能性を示唆

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これはほぼ予期されていたことなので、大きな驚きではない。

コア・ビジネスであるインターネット部門が不振を続ける中、アメリカYahooは「戦略的な選択肢を検討中」だと述べた。これが示唆するところはかなり幅広いが、その中には以前も報じたように、コア・ビジネスそのものを他社に売却する可能性が含まれる。

アメリカYahooは四半期決算の発表資料の中で次のように述べている。

株主価値を最大化するため、Yahoo取締役会は現に確定している経営計画の実行と平行して他の戦略的選択肢を検討するべきだと信じる。われわれ自身が運営する事業からAlibaba株式を分離することは依然として最重点課題であり、企業価値の最大化のためにもっとも直接的に有効な手段だと考える。すでに詳しく検討された通り、各種事業の分離(reverse spin)を進めていくと同時に、Yahooは十分に根拠ある戦略的提案を検討していくことになろう。

要するに、この声明はYahoo本体の事業がうまくいっていないことを自認したかたちだ。アメリカYahooは今日、年間決算を発表した。四半期決算同様、ここでも売上の成長の停滞、メインストリームに入れぬままの数多くのプロダクトなどが目立った。全体として投資家を納得させるにはほど遠い内容となっている。

2012年にMarissa MeyerがCEOに就任した際の目標は会社を再び成長路線に引き戻すという非常に野心的なものだった。Meyerはモバイル・アプリを中心にポートフォリオの整備を進め、Yahooを昔のように人々の生活に不可欠の存在にしようと努力した。

以前TechCrunchが報じた通り、Yahooは2016年には新たなコア・ビジネスの構築に務めると同時に、社員の15%をレイオフし、国外オフィスの多くを閉鎖するとしている。しかしこうした努力にもかかわらず、株価を上昇させる効果は見られなかった。つまりすべては決算の発表前に予想された通りであり、まったく驚きの要素がなかったということだろう。

事実、今日現在のYahooの企業価値の大部分はAlibaba〔とYahoo Japan〕の株式だ。このことがそもそもYahoo取締役会がコングロマリットを解体し、インターネット事業の売却を考えている理由だ。取締役会がこういう方針を検討しているというニュースが報道されただけで、株価は7%も跳ね上がった。長年にわたって株価の下落が続いてきたYahooとしては非常に珍しい事態だった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftのQ2決算はクラウド好調で売上257億ドル、株価は7%アップ

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今日(米国時間1/28)、Microsoftは2016年第2四半期の決算を発表した(第2四半期というのは奇妙だが、Microsoftの会計年度は7月から6月まで)。非GAAP売上は257億ドル、調整済み1株当たり利益(EPS)は0.78ドルだった。

ウォールストリートのアナリストは売上を252.6億ドル、EPSを0.71ドルと予想していた

1年前の同四半期でMicrosoftは売上265億ドル、EPS0.71ドルという成績を得ている。

Microsoftの株価は決算の発表と同時に7%以上アップした。

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MicrosoftのCEOのサティヤ・ナデラは「世界中の企業がMicrosoft Cloudを業務のプラットフォームとして利用し、デジタル化という野心的な変身を実現しようとしている。多くの企業がWindows 10を試しており、このOSはすでに2億台以上のデバイスを現に動かしているv」と述べた。

この前の四半期決算でMicrosoftはそれまでの慣習を破り、分野別の財務内容を公表した。今回も同社は前回どおりの発表を行った。事業部別の財務内容を考慮して事業を概観すると以下のようになるだろう。

  • 生産性およびビジネス・プロセス(PBP):ここには法人向け、個人向けのOffice、Dynamicsなどが含まれ、売上は67億ドル(前四半期は63億ドル)だった。Office 365の登録ユーザーは世界で2060万に上った。.
  • インテリジェント・クラウド(IC):ここにはサービス課金が売上として計上される。 売上64億ドル(59億ドル)。
  • モア・パーソナル・コンピューティング(MPC):この事業部にはWindows、デバイス、ゲーム、検索が含まれ売上は127億ドル(前期94億ドル)。今四半期の売上増の主要な要因はSurfaceシリーズによるもので、13.5億ドルをもたらしている。こに対し〔事業を再編した〕スマートフォン部門は予想通り売上を49%減少させている。

前四半期、Microsoftは商用クラウド・ビジネスは通年換算で82億ドルの売上を得ていることを発表した。今四半期は94億ドル相当だという。以前からMicrosoftはクラウド・ビジネスの売上目標として2018年までに200億ドルを達成するとしてきた。

われわれは決算発表直後にMicrosoftの株主関係の責任者、Zack Moxceyに話を聞いたが、この目標は十分達成可能と考えているということだった。

Microsoftは今日の発表でクラウド・ビジネスの好調が決算に良い影響を与えていることを強調した。サーバー製品の売上は10%アップし、Azureの売上も140%向上した。

同社はまた検索広告ビジネスでも前進をみせた。売上は29%増加したという。Moxceyはこの原因を主としてWindows 10内に検索ビジネスを組み込んだことにあるとしている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoProblem―アクションカメラはタブレットと同じ道をたどるのか?

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アクションカメラはタブレットに似ているのではないか? つまり多くの人々が欲しがるが、ただし1台だけだ。いつも最新モデルにアップデートし続けようというユーザーはごく少ない。

私の見るところ、GoProの深刻な状況も結局ここに行き着く。同社は今週発表したガイドラインで売上の落ち込みを予測し、従業員の7%をレイオフすることとなった。GoProが直面しているのは市場の飽和という問題だ。大勢の人々がGoP+roをすでに買っている。ただし1台だけで十分であり、さらにもう1台買うつもりはない。

大半のGoProはたぶん1年のうち11ヶ月は埃をかぶったままだろう。事実に直面する必要がある。われわれ一般ユーザーはエクストリーム・スポーツのマニアではない。なるほどたまの休みにスキーやサーフィン、ハイキングなどをする。GoProがそのもようを撮影できるなら1台欲しい。だが実のところどんなGoProでもいい。

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解像度が最新、最高のものでなくてもビデオを楽しみ、友達を感心させ、休日を思い出すことができる。バッテリーが1日もたず、いいところでビデオが尻切れになるとしても、カメラのサイズが少しくらい大きくてポケットが膨らむとしてもわれわれはさして気にしない。

アクションカメラの機能はユニークで、他のガジェットでは代替できないことは確かだ。だからといって毎年最新モデルに買い換えるユーザーは少ないだろう。毎日いつもポケットに入っているスマートフォンとは違う。取り出してみせびらかすと効果があるようなステータス・シンボルというわけでもない。

ノートパソコンならわずかの改良でも作業が劇的にはかどり、生活が大いに快適になることもある。ノートパソコンは日常生活の基礎に位置づけられる重要なツールだからだ。ところがGoProの場合は中古品やお安いライバル製品で十分だ。

アクションカメラがタブレットに似ていると言ったのはそこだ。タブレットは映画を見たり本を読んだりゲームを楽しんだりするには好適だが、それには前の世代のiPadでも十分だ。私がそのiPadを買ったときそれは最新モデルだった。以後Appleは製品のアップデートを繰り返しているが、私はiPadを買い換えねばならないと思ったことはない。一方でスマートフォンの画面はモデルチェンジごとに大きくなった。こうした事情からタブレットの市場は頭打ちとなった。私はアクションカメラにも同じことが起こるのではないかと思っている。

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タブレットの販売

なるほど世の中にはアドレナリンが出っぱなしの冒険フォトグラファーが存在する。こういうユーザーは常に最新、最高のアクションカメラを求めるだろう。GoProはまたドローンへの搭載や仮想現実の制作ツールの分野で優位性を獲得している。こういう市場は今後も大きな成長が見込まれる。

しかし今日(米国時間1/14)、GoProの株価は15%ダウンし、昨年と比べると77%程度に下がっている。株価を以前の水準に戻すためにはGoProには何か本質的に画期的な製品が必要だ。今のままではユーザーは古いGoProで十分満足しており、新しい製品を買う気にはならないだろう。GoProは「引出の奥に1台あることが分かっていればそれで十分」なのだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitter、Q3決算で株式8%急落―売上見通し弱く、アクティブ・ユーザー数頭打ちに市場は嫌気

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株式取引終了のベルと同時にTwitterは2015年第3四半期の決算を報告した。 今回の財務情報によると、同社の売上は5億6920万ドル、調整済み一株当たり利益は0.10ドルだった。市場はTwitterが5億5960万ドルの売上に対して0.05ドルの一株当たり利益を上げることを期待していたのでこれは上回ったといえる。

しかし財務内容を説明するカンファレンス・コールの後、Twitter株式は時間外取引で約8%急落した。

Twitterは第3四半期の月間アクティブ・ユーザーを3億2000万人と発表した。この数字は前年同期には2億8400万だったが、直前の第2四半期には3億1600万人だった。

現在Twitterについてはアクティブ・ユーザー数の頭打ち傾向が投資家の最大の懸念だ。今日(米国時間10/27)の決算報告でTwitterはこうした懸念を吹き払うことに失敗した。一見したところアナリストの期待を上回る財務情報でありながら、Twitter株が大きく売り込まれたのはそういう理由だ。

売上の伸び率に関してTwitterは問題ない。売上は対前年比で58%も伸びている。しかしユーザー数が横ばいなのはこの企業のキャッシュ・フローを見る上で本質的な弱みだ。読者も記憶しているだろうが、投資家はキャッシュ・フローを見る。

Twitterのモバイル対応は模範的だ。広告収入の86%はモバイル広告の画面から来ている。あの小さいなモバイル・サービスの広告を健全な収益に結びつけることに成功した企業はごく少ない。

にもかかわらず、ユーザー数が増えないことに対する投資家の懸念は晴れなかった。

Twitterが発表した今後のビジネスのガイダンスによると、同社は今期(第4四半期)に6億9500万ドルから7億1000万ドルの売上を予想している。市場では第4四半期の売上は7億3970万ドルに届くだろうと予測されていたので、これを大きく下回るガイダンスの数字は投資家を落胆させることとなった。

通常の会計基準に従えば、今期Twitterは1億3170万ドルの企業価値を失ったことになる。投資家はこれまでTwitterをGAAP基準の財務情報では判断せず、ソーシャルメディアの将来性に賭けてきた。しかし事情がこうであると、市場はもはやTwitterにそのような楽観的基準を適用しないことになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+