企業向けチャットSlackで元Twitterのエイプリル・アンダーウッドがプロダクト担当副社長に

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急上昇中のロケット、Slackの副操縦士にプラットフォーム部門のチーフ、April Underwoodが任命された。彼女は去る6月にSlackに移る前はTwitterに5年在籍し、最後はプロダクトのディレクターを勤めていた。Underwoodは今回、プロダクト担当副社長になる前、Slackのアプリ・ディレクトリとSlackファンドを実現させている。

プラットフォーム部門のトップを全プロダクトを統括する副社長のポジションに就けたことは、外部デベロッパーに対して職場のニーズに適合したチャット・アプリがSlackの本質であることを強く印象づけることになるだろう。Underwoodの指揮下でチャット・プロダクトがすべての企業の必要性にシームレスに応えるものに拡張されることを期待したい。

ビジネス・チャットの分野のライバルは基本的な機能でSlackに追いつくことは可能かもしれないが、エコシステムをコピーしようとすれば、Slackの持つ驚くべき勢いや評判、8000万ドルに上るデベロッパー向けファンドなどををそのまま真似るのがいかに困難か気づくはずだ。

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CEOのStewart Butterfieldはわれわれの取材に対し、「Aprilはプラットフォームのチーフとして非常に大きな仕事をした。Aprilの影響力がさらに大きなスケールで発揮されるのを見るのが楽しみだ」と語った。Underwoodをップラットフォームの責任者として6月に採用したとき、Stewart ButterfieldはForbesの取材に対して「Apriはビジネスとエンジニアリングの双方の分野で傑出した業績を残してきたが、これは非常に珍しい才能だ」と語っている。

Underwoodは当初、Appleと 3Mでインターンをを勤め、その後Deloitte、Intel、Travelocity、WeatherBillなどで短期間働いた。その後Googleでは2007年から2009年まで上級パートナー・テクノロジー担当マネージャーとして買収の調整と収益化を担当した。この間、Underwoodは#Angelsファンドの共同ファウンダーとなり、ファウンディング・パートナーに就いている。

TwitterでUnderwoodは2010年から2015まで働き、大きな業績を挙げた。UnderwoodはTweetボタン、Followボタンの最初に公開されたバージョンのマネージャーを務め、全ツイートを販売するfirehoseサービスやTwitterのロケーション・サービスの実現にも関与した。APIの開発や広告などUnderwoodの功績は幅広い分野で認められている。

SLack Daily Users

UnderwoodはSlackの膨大なユーザー体験を全面的に利用できるようになった。同社のアクティブ・ユーザーは200万と推定されており、Butterfieldは「ユーザーは平均して1日10時間はSlackeに接続しており、うち2時間は積極的に利用している」と述べている。

Slackは非常にユーザー活動の活発なサービスであり、そのプロダクト担当副社長のなすべき任務は多い。仕事をしている人間は誰もが効率的で使いやすいメッセージ・サービスを必要としている。Slackはアクティブ・ユーザー数からしてもエンタープライズのメッセージ・サービスとしてデファクト標準となるのにもっとも近い位置にいる。チャット分野を制覇すれば、その周辺の有望分野に進出することは容易だろう。

Slack Platform

Butterfieldは「2016年はわれわれにとって再び記念すべき年となりそうだ。Aprilのリーダーシップ、特に才能ある人材のリクルートの能力はSlackの成長にとって欠かせないものとなるだろう」と結論している。

April Underwood がSlackのプラットフォームを改革する

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビジネス向けチャット、Slackの動物アニメのCMはかわいいし、効果的〔ビデオあり〕

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テクノロジーに詳しいならSlackが何であるかはよくご存知だろう。企業向けチャット・サービスの代表であるSlackの名を聞いてけげんな顔をするような読者は少ないはずだ。

ということでこちらのビデオをご覧いただきたい。:

事情に詳しい読者でもジョークを全部理解するのに繰り返しビデオを見直す必要があったらしい。もちろん特に何も考えずにかわいいビデオを楽しんでもかまわない。ファウンダーのスチュワート・バタフィールド(以前Flickrを作ったことで有名)のTwitterはこちら。

Slackが用意した動物テーマをサポートするページはこちら

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年明けに誰か事情に疎い人間があなたがたの会社でやたらにスラックとやらが話題になっているのはなぜか、などと尋ねるようなら上のビデオURLを送ってやればよいだろう。Slackは2016に大ブレークしそうだ。もしかするとエンタープライズ向けとしてわれわれの知るすべてのサービスの上をいくスーパー大人気アプリになるかもしれない。

私もスチュワートにあの「カラー雨傘」をひとつ注文したい。

〔日本版:Slackは現在UIが英語だが、コンテンツには日本語も問題なく使えて非常に便利なツール。ちなみに”Leave it to me!”は「それはオレに任せろ!」というような意味。〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitterの2015年を検討する―財務は上昇、ユーザー数は頭打ち、株価は急落

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Twitterにとって2015年は最良の年ではなかった。世界的に知らぬもののない大企業となり、売上はアップしたが、ユーザー数は頭打ちで、株価は急落した。

Twitterは結局今年も根本的な問題を解決できなかった。財務状況は良好なトレンドを示しているが、ユーザーベースの拡大がどうしてもくうまいかない。結果論になるが、市場は後者の要素をやはり重視した。今年、新しいCEOが就任したが、これまでのところ同社のユーザーを目に見えて増加させるような成果は上げていない。

その結果、年の終わりを迎えてTwitterの株価は上場以来最低水準のまま取引されている。

グラフを見れば一目瞭然だ。Twitterの株価は上場直後に60ドル近くまで急伸した。その後しばらく30ドル台の半ばで推移し、40ドル台を回復することはなかった。しかし夏を過ぎるとTwitterの株価は20ドル台にまで急落した。

報酬の一部として株式取得のオプションを得ているものの、その行使価格がはるかに高く設定されている社員にとってこの実勢価格は深刻な問題だ。こうした人々は被害者の分かりやすい例だが、株式の取引価格が下落すると現に巨額の損失を被る人々が存在する。また上場株の下落は人材の採用を困難にし、社内の士気を下げ、、幹部の離職を促す。

今年Twitterには何が起きていたのか? 順を追って検討してみよう。

Twitterの財務状況

あらゆる企業にとって極めて重要な情報、つまり財務のパーフォーマンスの数字はTwitterの成功を告げている。決算報告によれば、同社の売上は順調に拡大しており、ウォールストリートのアナリストの予測を上回っている。ユーザーベースの1人当たり売上も印象的な数字だ。以前Twitterは一過性のブームに過ぎないとか財政的に維持可能ではないなどと批判されたものだ。それに対して現状は次のようなものだ〔下記のTwitter決算記事はいずれも翻訳ずみ〕。

ソーシャルメディアのマネタイズの可能性に関する限り、Twitterは輝かしいパイオニアだと評してよいだろう。この良好な財務状況を考えれば同社の経営チームは称賛されるべきだ。

しかしこの優れた財務状況にも問題があった。経営チームがユーザーあたり売上額アップさせるという堅実かつ優秀な仕事をしたとはいえ、Twitterの売上総額は依然としてアクティブ・ユーザー数に比例する。長期的にみればTwitterが収入を増やすにはユーザーベースを拡大するしかない。単純な理屈だが、もしTwitterのユーザー数が現状のままで推移し、要するに拡大に失敗するなら、長期的な成長は望めない。

いくら全力で絞ってみても、乾いた雑巾では得られる水滴には限界があるということだ。

Twitterの経営陣は、これまでの優れた仕事にもかかわらず、このサービスこそ日常使うべきソーシャル・ツールだと一般ユーザーを説得することに失敗している。.

Twitterのユーザーベースはなぜ拡大しないのか?

2015年の第2四半期の決算報告に際して新CEOのジャック・ドーシーはTwitterの経営の困難さを非常にシンプルに表現してみせた。「第2四半期の決算は収益化の良好な進展を示しているが、オーディエンスの拡大の分野ではわれわれは不満を感じている」

ドーシーの声明はTwitterの置かれた状況を非常に的確に要約していると思う。各種の財務指標は良い。しかし実際にログインしてくるユーザー数は期待ほどに伸びていない。月間アクティブ・ユーザー数は実際のところ頭打ちだ。株価の将来性がユーザーベースの拡大にかかっているソーシャルメディア企業としては投資家への深刻な警告だ。

もちろん、Twitterのユーザーベースの拡大が完全に停滞しているわけでない。Twitterの公開投稿を読むだけならログインは必要ないので、さまざまな理由でログアウト中のユーザーも多数存在する。Twitterも努力を重ねているが、こうしたユーザーを追跡することは非常に難しい。またTwitterではサービスへのエンゲージメントを高めるためにさまざまなプロダクトを開発している。しかしTwitterがマネタイズを劇的に改善する最良の方法はユーザーの関心グラフの可視化だろう。ユーザーはこの情報を利用するためにはサービスに登録し、ログインしていなければならない。そうして他のユーザーをフォローして始めてそうした人々が何に関心を抱いているかを知ることができる。

いくらTwitterの財務パフォーマンスがアナリストの予測を上回り続けてもログイン・ユーザー数がフラットなまま推移するのでは今後の大きな成長は望めない。企業の損益、つまりボトムラインを改善する方法はいくつか存在する。まったく新しい広告手法を開発する、あるいは広告収入を得る新しい分野に参入することは有効だ。しかし結局のところ、投資家の目を覚まさせるような劇的な効果はユーザー数の爆発的な伸び以外には期待できない。

要約すれば、Twitterの売上は増加はしているが、ユーザー数は頭打ち、株価は低下しているという状況だ。

投資家はTwitterに冷たすぎるのだろうか? 同社は十分な額のキャッシュを抱えているし、何十億ドルも稼いでいる。しかしコンテンツのレベルのカギを握る優秀なジャーナリストや著名人の関心を失うことなく一般大衆をユーザーに引き込めるかどうはTwitterにとって今のところ未知数だ。

Twitterは以前からそうだったが、現在も非常に理解しにくい企業だ。経営チームは新たな広告プロダクトを多数発表してきた。またPeriscopeの例でも明らかなように、大金を投じてビデオ広告の分野にも進出した。これらはすべて必要なことであるが、理論としても現実としても、効果が現れるまでには時間がかかる。こうした事情がTwitterの株価を低い水準に留めているのだろう。

Twitterが成長を必要としているなら、いわば「全部の気筒に点火して仕事をさせる」必要がある。つまりオーディエンスのモニター、獲得、満足の最大化などに社員全員がもっと真剣にならなければいけない。

先日、2015年第3四半期の決算についてTwitterにコメントを求めたところ、広報担当社員は決算発表の際に行われた電話会議のページへのリンクを送り返してきただけだった。こんなことではいけない。

画像: Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

シリコンスロープ―テクノロジー・スタートアップの新たな聖地、ユタはユニコーンを量産中

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この季節、オグデンからプロボにかけての山の斜面、地元のユタ州民が「シリコン・スロープ」と呼ぶワサッチ郡にはすでに雪が降っている。しかしロッキー山脈のこのあたりは単なる雪山ではない。そのニックネームから想像されるとおり、ユニコーン―評価額10億ドルを超えるスタートアップ―を多数産みだしているのだ。

ユタ州の新たな特産となったユニコーンのうち、4社はワサッチ地区に本拠を置いている。Omnitureのファウンダーとして有名なJosh Jamesのビジネス・インテリジェンスのスタートアップ、Domoもその一つだ。さらにPluralsightQualtricsInsideSalesもユニコーンだし、他にいくつかの「半ユニコーン」も存在する。

ユタの経済成長は主として最近の2年間に集中している。リードしているのはテクノロジー産業だ。こうしたテクノロジー・スタートアップの特長はベンチャーキャピタリストが注目する前からすでに黒字化を達成している企業が多いことだろう。

「蜂の巣」効果

ユタのテクノロジー・スタートアップでは地元コミュニティが以前から大きな役割を果たしてきた。ユタはOmniture、WordPerfect、Landeskの誕生の地であるだけでなく、Pixarの共同ファウンダー、エド・キャットムル、Atariの共同ファウンダー、ノーラン・ブッシュネルの2人はどちらもユタ大学の卒業生だ。付近の大学やカレッジは高度な学位を取得したエンジニアを毎年何百人も社会に送り出している。ユタはさほど生活費も高くなく、十分な教育を受けた人材が地元には多数住んでおり、彼らの大部分は他所に移ることを望んでいない。しかもユタのスタートアップの多くはベンチャーキャピタルの資金を受け取る必要なしに運営されている。

「ユタには時間をかけて良好なファンダメンタルを備えた企業を育てる文化がある」とFarmingtonに本拠を置く教育スタートアップ、PluralsightのCEO、Aaron Skonnardは言う。Pluralsightは外部の資金援助なしに9年近くやってきた。「シリコンバレーにはわれわれのところのような強い忍耐心の強さはない」とSkonnardは考えている。

最初からそのような財政規律の教育を受けていたため、長期にわたってじっくりスタートアップを育てることができたファウンダーを何人も知っている。

—QualtricsのRyan Smith

ユタではシリコンバレーに比べてベンチャーキャピタルが遠い存在だったのは事実だが、それだけに当地のスタートアップは生まれた瞬間から収益性に注意を払わざるを得なかった。「われわれはスタートアップはどうしたら企業を黒字化できるか常に考えることを規律として叩き込まれている」とプロボのスタートアップ、InsideSales.comのCEO、Dave Elkingtonは言う。

しかし最近、ベンチャーキャピタルはユタで珍しい存在ではなくなってきた。数年前、名門VCのSequoiaはQualtricsのファウンダー、Ryan Smithに7000万ドルのベンチャー資金をシリーズAラウンドとして投じた。以来、Qualtricsには2億2000万ドルのベンチャー資金が流れ込んでおり評価額は10億ドルを超えている。

SmithとSkonnardはいくつかの点で同意見であることがわかった。たとえば、スタートアップは最初期の時点から収益性を考えなばならないという財政規律だ。「最初からそのような財政規律の教育を受けていたため、長期にわたってじっくりスタートアップを育てることができたファウンダーを何人も知っている」とSmithは言う。

急がずIPOへ

Smithはユタで生まれた有名なワープロ・ソフトウェアを例にこういう。「WordPerfectはものすごいイノベーションを起こしていたかもしれない。しかし1992年に売却されている。、もしこの売却がなかったらどうなっていただろう?」

ユタのユニコーンは現在の10億ドルの評価額を得るまでに非常に長い期間、多くは10年以上をスタートアップとして過ごしている。これはSnapchatやPinterestとは比べものにならないくらい長い期間だ。

TechCrunchはNational Venture Capital Associationが収集したデータを検討したが、今年の第1四半期から第3四半期までに7億ドル弱がユタのテクノロジー・スタートアップに投資されている。

ユタに投資したこうしたベンチャーキャピタリストの狙いはもちろん高配当だ。教育テクノロジーのスタートアップ、Instructureは昨年上場した。 Domo、 Pluralsight、InsideSales.comの3社も間もなく後に続きそうだ。2016年には相当数のユタのスタートアップが上場を果たすに違いない。

InstructureのCEO、 Josh Coatesは「ユタのエコシステムは信じられほど急速に拡大している。ユタには現在5、6社の極めて活気あるテクノロジー企業が存在するが、いずれも近く上場を果たす準備ができている」と言う。

Smithがわれわれに語ったところによると、Qualtricsも来年か再来年には上場するという。「あらゆる面でそうなるだろうという兆候が見える。いずれにせよ、われわれは上場企業として自らを律している」とSmisthはTechCrunchに語った。

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スーニコン―「すぐにユニコーンになる」存在

一般のメディアの注目を引かないステルス的スタートアップにも検討を要する存在が多数だ。Entrataは不動産管理ソフトの企業で、そう聞けば想像がつくとおり、AirbnbやUberのような分かりやすい派手な存在ではない。しかし同社には通年換算で1億ドルの売上があり、しかもこれまでベンチャーキャピタルの支援を全く受けていない。完全に自己資金のみで運営されている。

紙の健康情報をデジタル化することを目的とするユタのスタートアップ、Catalystは最近5億ドルの評価額でベンチャー投資を受け、ユニコーンへの道の半ばまで来た。これまで総額1億6500万ドルの資金をユタ内外のベンチャーキャピタリストから調達しており、これにはユタきっての大手ベンチャーキャピタル、Sorenson Capitalも含まれる。手元資金の総額は10億ドルを超えるだろう。

エンタープライズの成長も有望

ユタの成長の大きな部分は大企業の成功のせいでもある。これまでユタの大企業はスタートアップ以上にメディアや投資家の注目を引くのが難しかった。注意を引くにはきわめてど高い利益を産み出すか巨額の評価額を獲得する必要があった。

「当地の大企業にはSnapchatのような爆発的急成長もAmazonのような持続的巨大化も難しい。そいう土地ではないのだ。しかし投資家がユタの企業をじっくり検討すると、満足して次の会社、またその次の会社と投資すjることになる」とSmith。

ベンチャーキャピタルのAccelはQualtricsだけで7000万ドルを投資している。Accelはまたユタのフラッシュメモリー・メーカー、Fusion-ioにも投資中だ。

「ほぼすべての主要なシリコンバレーの投資家がユタを注視している」とElkingtonは言う。

「ユタの企業文化は長続きする会社を育てる」Skonnardは胸を張って主張する。

F画像: Andrew Zarivny/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、ビジネス向けサイトを改訂してIBMとの関係を強調

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Appleは今週、同社のビジネス向けサイトMac in Businessをデザイン変更し、IBMとの良好な関係が続いていることを示した。名前の通り、このサイトはAppleのエンタープライズに関する見識を示すもので、新デザインではAppleのビジネスでの強みに焦点を当てている。

全体としては、Appleのソフトウェアとハードウェアの共生関係や、Mac、iPhone、iPadが心地良く協調するしくみ等、Appleのマーケティング要素として想像できる種類のものごとを目立たせている。

さらにAppleは、アクセシビリティー・ツール、最近コンパイラをオープンソース化したプログラミング言語Swift、OSXのセキュリティー機能等、企業の購買担当者にアピールするものに注意を向けさせている。

Mac in Business website

Mac in Business website. Courtesy of Apple.

しかしAppleは、IBMとの関係、特にIBMが今年Macへの大がかりな移行を実施した経験も強調している。ウェブサイトおよびIBM CIO Officeでサービスとしてのワークプレース担当副社長を務めるFletcher Previnの話によると、Macへ切り換えた結果、同水準のPCより平均270ドル費用を節約できた。Previnは、実際の節約額は240~273ドルの間だったと言った。

「これまでに5万台のMacBookを配布し、今後会社全体で15万台から20万台を配る計画だ。2015年6月に開始して以来、IBM内で毎週1900台ずつMacが増えている」と彼は言った。

節約は主としてIBM社内のヘルプデスクへの質問が減ったことによるサポート費用の減少によるものだ。プログラム開始以来、Macユーザーのわずか5%からしか質問がない。一方PCユーザーは40%だとPrevinはTechCrunchに話した。

平均して新規採用者の40%が入社後にApple機を要求するが、Apple製品の使用に関しては世代の違いが見られると彼は言っている。「例えば、IBMで25年間働いてきた人がMacを欲しがる率は、新卒より少ない」とPrevinは言った。

事実、IBMは ‘Mac at Work’ という事業を立ち上げ、他社のApple製品への移行を手伝っている。「IBMは、Macを企業システムやアプリケーシヨンと簡単かつ安全に統合するための、[当初社内用に開発したものと]同じプログラムを、顧客に提供することができる」とPrevinは説明した。

IBMの愛は、メインページの下にあるIBM-Appleモバイルアプリパートナーシップの専用ランディングページへのリンクにも表れている。ここには、両社が協力して作ったアプリが対応している様々な業界や職種が紹介されている。

App from IBM-Apple mobile partnership on iPad, iPhone and Apple Watch.

An app from the IBM-Apple mobile partnership. Photo courtesy of Apple.

提携は開始から約18ヵ月が過ぎ、アプリ100本目の節目を今週迎えた。両社は独自の強みを発揮し、Appleは鋭いデザイン感覚を、IBMはエンタープライズの深い知識を提携にもたらしている。協調によって両社は、モバイルプログラミング原理の特徴を生かした一連のエンタープライズアプリを生み、全く新しい仕事のやり方を作り出した。

サイトの目標は、これらすべてを、職場の幸せなMacユーザーの写真と共に披露することだ。

Appleは本件に関するコメント要求に返信していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yahoo取締役会、Alibaba株を売却しないと決定―会社は2社に分割

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アメリカのYahooは今日(米国時間12/9)、中国のeコマースの巨人Alibaba株を売却する計画を撤回したというテレビ報道事実であると確認した。このニュースを受けて、市場が開く前の時間外取引だが、Yahoo株は上昇中だ。

今月初め、Yahoo取締役会がAlibaba株の売却という選択肢を検討中だという報道が行われた。この噂で Yahoo株は一時、7%アップした。

CEOのMarissa Mayerはこの7月、eコマースのAlibaba資産を分離し、会社を分割する計画を発表していた。.

しかし最近、数週間、320億ドルもの資産の行方について不透明性が高まっていた。この問題に関するアメリカ内国歳入庁の見解が不明なため、投資家は巨額の課税が行われる可能性を恐れたものとみられている。「もの言う株主」は Yahooを訴える構えをみせていた。

今日、Yahooの発表によれば、「取締役会は、わが社の長期的な株主価値の最大化を図るための最良の方策を慎重に検討した」という。その結果、Yahoo取締役会は「Alibaba資産を新会社に移して売却する」案を全員一致で棚上げすることとした。

Yahooによれば、同社は今後「逆オプション」を検討していくことになる。これはYahooは別会社を設立しここにAlibaba関連以外の本体の資産と債務(つまりインターネット事業のすべて)を移管するという計画だ。その結果、Yahooは相互に独立な株式公開企業2社に分割される。

この「逆分割」案は、Alibaba株を売却した際に課せられるおそれのある巨額の課税に対する投資家の懸念に配慮したものと思われる。

ただし今回の2社分割案もまだ多くの第三者の承認を必要とする。株主の承認はもちろんだが、SEC(証券取引委員会)への申請書の提出と承認が求められる。すべて順調にこうした承認が得られたとしても、会社分割の完了には1年以上必要とするだろうとYahooは述べている。

CEOのMayerはこの決定にコメントし、「 Alibaba資産を分離することはわれわれが継続中であるビジネスの改革の重要な一部をなす」と従来からの見解を繰り返した。【略】

しかし、Yahooから高価値のAlibaba資産を分離することは本体事業を買収しやすくする効果もありそうだ。ただしこれは本体に従来Yahoo傘下にあったどの事業資産が継承されるかによって大いに変わってくる。

Finacial Timesの記事によれば、いくつかの未公開株式会社とメディア・インターネット関係の広告会社がYahooの買収に興味を示しているという。今週月曜にはVerizon(注)が「仮に可能なのであればYahoo買収に関心がある」と述べている。

インターネット事業が分離されればYahooは現在とはまったく異なる性格の企業になるだろう。他国の巨大eコマース事業の15%の権利を保有するもものの、自らは積極的なインターネット事業者ではなくなるわけだ。

Mayerは2012年7月に GoogleからスカウトされてYahooの CEOに就任した。【略】3年後の現在もYahooのサービスは生き残りのために苦闘を続けている。特にモバイル・サービスのイノベーションでは出遅れぎみだ。また広告売上ではGoogleやFacebookなどの企業に厳しい戦いを迫られている。それでもMayerはこの秋、Googleとの検索広告契約をさらに3年延長する契約をまとめることに成功している。

今回のYahooの新しいプランについて、 Gartnerグループのリサーチ担当副社長、Andrew Frankはわれわれの取材に対して、「Yahooのコアビジネスには依然として成功の可能性があると思う。Yahooは多様なデジタル・メディアを抱える独立の企業として発展することができる。しかしこの道を選ぶとなると、株主からの相当の圧力を受ける覚悟が必要だろう」と述べた。

Frankはまた「これは以前からの私の持論だが、Yahooはテクノロジーの革新者というよりもメディア企業としてうまくやっていける可能性が高い。しかしメディアとして成功するためにはポートフォリオのコンテンツのブランド価値の向上と管理の努力が必要とされる。もし独立企業としてこれが難しいなら、他の巨大企業の傘下に入り、自身としてはコンテンツの配布、広告、新規ユーザーの獲得などの分野に専念するというオプションも有望だろう」と付け加えた。

(注):VerizonはTechCrunchの親会社AOLのさらに親会社となる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

米YahooはAlibaba株を売却、スピンオフしないとのテレビ報道流れる(TechCrunchは取材中)

先ほど CNBCニュースは、「YahooはスピンオフしてAlibaba株を売却しない」とする情報源の証言を報じた。

今月始め、Wall Street JournalはYahooの取締役会は会社をスピンオフさせるべきか、現在同社が所有しているAlibabaインターネット資産の15%を売却すべきか、その双方の措置を講じるべきか議論していると報じた。YahooのAlibaba持ち分にどのような課税が行われるかが不明な点がこの問題を難しいものにしていた。

Yahooの株価は時間外取引で2%アップしている。

TechCrunchはYahooにコンタクトを取って取材中。

何かつかめ次第アップデート…

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

UA、6000人の空港職員にiPhone 6 Plusを配布、乗客サービスに利用させる

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Appleはユナイテッド・エアラインとの関係を深めることに首尾よく成功したようだ。UAは6000台前後のiPhone 6 Plus.を購入し、乗客に対するサービス要員に配布した。

UAは以前からAppleのフラグシップ顧客企業だった。2011年には パイロットがiPadを与えられ、昨年の終わりにはユナイテッドの客室乗務員に2万3000台のiPhone 6 Plusが配布された。地上サービス要員の6 Plusは、乗客のボーディングパス、ラゲージタグ、フライト情報などの重要データをプリント出力するのが主な目的だという。目的地やフライトの変更などを希望する場合もiPhone 6 Plusの出番となる。

UAは毎日世界の350の空港間に4000のフライトを運行しているという。ユナイテッドの空港オペレーション担当上級副社長Jon Roitmanによればこのオペレーションをスムーズにする切り札がiPhoneだったわけだ。Roitmanは「われわれはiPhone 6 Plusにカスタム・ツールをインストールし、大きな成果をあげている。優れたスマートフォンの利用拡大と多数のカスタム・アプリケーションの開発はすばらしい投資だった」と述べている。

Appleは最近、目立つほどに、企業のビジネス利用の拡大に力を入れている。エンタープライズ・ユーザーにiPhone 6 Plusのような大型のスマートフォンを売り込むだけでなく、, Appleは昨年始めて手掛けるようになファブレットや大型で強力なiPad Proのような製品の売り込みにも余念がない。またソフトウェアの面では、2014年からIBMと提携し、今回のユナイテッドのような企業ユーザー向けに、それぞれの業務に特化したカスタム・アプリを提供している。

AppleとIBMの提携1周年を機にTechCrunchのエンタープライズ担当記者のRon Millerが書いてたとおり、一見するとこれは「奇妙なカップル」にも見える組み合わせだが、実はさまざまな大企業に30種類もの人気アプリを供給する実力派だ。

ライバルの動向を見ると、一昔前なら、巨大エンタープライズのお気に入りの業務用スマートフォンといえば、BlackBerryの独壇場だったが、今やこの機種はビジネスでも個人ユースでも、見る影もない。もっともこのブランドは最近初のAndroidデバイスを出荷して忠実なファンをつなぎ留めようとしている。またGoogleのAndroid For Workプログラムは1万9000社の企業が利用ないしテストしている。Samsungもビジネス利用の普及に力を入れており、Knoxのようなツールをエンタープライズ向けに提供している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ご注意! 企業向けチャットサービスのSlackに不具合発生中

2015-11-24-slack

企業向けチャットサービスのSlackに現在不具合があるようだ。

Flickrの共同ファウンダー、Stewart Butterfieldが開発したSlackはエンタープライズ・チャットルームとして最近大人気だ。そのSlackに何か問題があるとTechCrunchの社内で判明したが、その後、Twitterのレポートでも確認された。

@SlackHQは公式ツイートで次にように述べている。

〔Slackに間歇的な接続問題が起きている。われわれは全力で問題の所在を調査し、解決を図っている。すぐにアップデートの予定。〕

Slackのシステム・ステータスのページも同様の内容を述べている。.

困っているのはTechCrunchだけではないようだ。

〔SlackがダウンしてるときにSlackの本社では何を使ってコミュニケーションしてるのだろう?〕

われわれはSlackに問い合わせ中だ。何かわかればすぐにアップデートする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、VMwareの共同創業者Diane Greeneのスタートアップを買収、企業向けクラウドのトップに任命

2015-11-20-google

今日(米国時間11/19)、Googleは意表を突いた動きを見せた。Googleはエンタープライズ向け開発プラットフォームを提供するスタートアップ、bebopを買収すると同時に、そのファウンダーであるDiane GreeneをGoogleのエンタープライズ・クラウドビジネスのトップに就けた。

Greeneにはこの職に対して十分過ぎるほどの経歴がある。Greeneはまず第一にVMwareの共同ファウンダー、CEOだった。またGreeneはGoogle(現在はその親会社、Alphabet)の取締役だ。またGreeneのbebopはGoogleが買収するまでほとんど誰にも知られず、ステルス状態で運営されていた。

Googleはこの任命をCEOのSundar Pichaiが発表した。Pichaiによれば、 Greeneは新たに統合されたエンタープライズ・クラウド事業全般を指揮することになるという。 エンタープライズ・クラウドにはGoogleのクラウド・プラットフォーム全般、Google Appsと新たなビジネス向けプロダクトに加えてそのクラウドのエンジニアリング・チームなどがすべて含まれる。Pichaiによれば、今回新たにマーケティングとセールス部門が加えられたという。

PichaiはGoogleクラウドはFortune 500企業の60%で利用されていると述べているものの、これまでのGoogleのエンタープライズ・クラウドに対する取り組みには戦略的な一貫性が欠けていたことも事実だ。

Constellation Researchのファウンダー、 R Ray Wangは Greeneの就任は VMwareでの経歴を考えるとGoogleのエンタープライズ・ビジネスにとってきわめた望ましいとして、「Googleは、消費者目線でユーザー体験を考え、それをエンタープライズ級のプラットフォームに拡張できる思考〔ができるトップ〕が必要だ」とTechCrunchに語った。

ベンチャーキャピタルのGeneral Catalystのゼネラル・パートナーであり、元VMwareのCTOだったSteve Herrodも「彼女はたいへんな才能の持ち主だ。Googleのビジネスは大きく変わるだろう」と、この意見に同意した。

Googleはクラウド・ビジネスのパイオニアとして大きく先行しながら、これまでライバルのAmazon Web ServicesやMicrosoft、IBMとの競争で苦戦していた。

エンタープライズ面でGoogleは早くからビジネス向けのパッケージ、Google Apps for Workを提供していたが、この7月に大口顧客であったGEが30万人の社員が使うクラウド・ツールをMicrosoft Office 365に乗り換えるという痛手を被っている。

この打撃を反省してか、Googleは去る10月に、他社のクラウドサービスと契約している企業は無料でGoogle Apps for Workに乗り換えができるというプロモーションを開始している。

GoogleにはライバルのAWSやMicrosoftと競争する体力は十分あったが、これまで大企業を深く理解し、戦略的思考ができるリーダーシップに欠けていたといえるかもしれない。

さらにGoogleのPichaiはブログ記事でGreeneが起業したスタートアップ、bebopの買収したことについて、「同社の開発したプラットフォームはエンタープライズにとって導入、維持管理が簡単であり、アプリを作動させるのに適している。Googleのクラウド・プラットフォームの全域で統合を進めることを助けられる」としてl単にGreeneを獲得するための買収ではなかったことを強く示唆した。

Greeneは3年前からGoogleの取締役の一員であり、今後もその役割は継続する。Google内でGreeneはPichaiに直属する。またbebopチームは買収手続きが完了次第、全員がGoogleに加わることになるという。

画像 Robert Scoble/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Hewlett Packard Enterpriseは今後何もかもコンテナが主軸…ハイブリッドクラウドをメインにしつつ

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Hewlett Packard Enterprise(HPE)が今日(米国時間11/16)、バルセロナで行われたDockerのデベロッパカンファレンスで、同社のデベロッパ関連製品のアップデートをたくさん発表した。HPEのコンテナにかける意欲には、並々ならぬものがあるようだ。

HPEのインキュベータパートナー担当VP Tana Rosenblattは次のように語る: “コンテナは確かに画期的な技術だが、それは単に新しい技術であるだけでなく、ハイブリッドな環境を求める企業にとっても意味がある。今後のDockerとの、きわめて有意義なパートナーシップにより、その優れたやり方とプロダクトの恩恵に与れると期待している。その際のわが社の戦略は、受容して拡張せよ、だ。弊社には、devとopsおよび両者を結びつけることに関連した知財がたくさんある。それらをDockerと組み合わせれば、弊社のエンタプライズ顧客にさらに高い価値を提供していけると信ずる”。

HPEには今日ローンチしたハイブリッドクラウドのためのPaaS Helion Development Platform 2.0があり、それが最初からデフォルトでDockerをサポートする。したがってデベロッパとITオペレータはたとえば、このサービスを使って、Dockerコンテナとしてパックされたマイクロサービスをデプロイできる。

HPEにはさらに、クラウドの負荷とパフォーマンスをテストするStormRunnerと、モバイルのパフォーマンスモニタツールAppPulseがあり、これらもDocker化されたアプリケーションのデプロイとモニタリングをサポートする。

HPEのクラウドモニタリングツールSitescopeも、これからはDockerのSwarmクラスタをサポートする。それによりアドミンは、Dockerのクラスタのすべての層…Swarmからコンテナの個々のワークロードを実際に動かすDockerのデーモンに至るまで…をマップしモニタできる。

さらにまた、リリース管理サービスHPE CodarもDockerをサポートし、ストレージ配列3PAR StoreServとソフトウェア定義ストレージStoreVirtualもDockerイメージをサポートする。

以上すべてをひっくるめて、HPEは近いうちに24×7のエンタプライズコンテナサポートを開始し、Dockerのリファレンスアーキテクチャとデベロッパ向けの新たなリファレンスガイドが、ハイブリッド環境にコンテナをデプロイしたいユーザに提供される。

Rosenblattによると、HPE(当時のHP)が、コンテナに全(まる)がけすることを意思決定したのは1年半前だ。HPはこれまでさまざまなアーキテクチャのコンテナ技術をトライしてきたが、コンテナへのフルコミットメントの契機になったのはDockerだ。“今というタイミングを決めたのがDockrだ”、と彼女は述べている。“それへ向かって全社が動き始めたのが1月であり、これからのHPEは、フィジカルからクラウドまでのすべてのソリューションにおいて、顧客にはコンテナによるソリューションを提供していきたい”、というのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

MesosphereがMicrosoftの買収プロポーズを蹴って評価額6億ドルの新たな資金調達ラウンドを準備中

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オープンソースのApache Mesosプロジェクトを母体とする商用サービスMesosphereが今、評価額を6億ドルと大きく更新して新たな資金調達を行っているようだ。

現状はまだ情報筋からの話に過ぎないので、公表された時点ではもっと大きな額になっている可能性もある。しかしThe Informationによると、この調達ラウンドは、Microsoftによる買収が破談になった直後に始まっており、そのときのM社の評価額を大きく上回る3億ドル以上を同社は今求めているらしい。

こういうケースでは複数の商談が並行して進み、互いに相手を交渉の材料として利用しあう戦法になりがちだ。したがってその過程で大きくふくらんだ額が、そのまま最終的な額になるとは限らない。

オープンソースプロジェクトApache Mesosと商用サービスMesosphereとの関係は、Hadoopとその商用サービスClouderaの関係に似ている。Mesosphereを利用すると大きなデータセンターをあたかも単一のリソースプールのように管理でき、ジョブが増えれば新たに仮想マシンを立ち上げる、といった低レベルを、ユーザは扱う必要がない。ユーザはまるで単一の仮想マシンから得られるような効率をデータセンター全体に亙(わた)って得られ、単純にどんなリソースでも利用できる。

Mesosphereのユーザインタフェイスとしては単一のリソースプールだが、もちろん楽屋裏ではジョブを複数の仮想マシンに分散し、それらをクラスタ化して管理する仕事が行われている。ユーザから見れば、データセンターの全体が一台の仮想マシンであるかのような、仮象になる。今日のアプリケーションは複数のクラウドベースのサーバに分散してデプロイされ、実行効率を上げていることが多いが、Mesospereがデータセンター全体のユーザインタフェイスであるかぎり、ユーザであるIT部門はそのあたりの細部に関わる必要がない。Apache Mesosにかぎらず、通常、オープンソースのパッケージそのものは、そこまでの利便性は提供していない。複雑難解なHadoopを使いやすくしてくれる、というClouderaやRed Hatなども、そういうタイプの商用サービスだ。

ClouderaやMesospereのようなサービスはいわば、オープンソーステクノロジの応用系(‘アプリケーション’)であり、そのことがユーザを惹きつける。MicrosoftやNvidiaは結婚まで申し込んできたが、もちろんそうなれば、単純な投資よりもややこしい話になる。一方今同社が求めているラウンドの額は、情報筋によると500万ドルあまりで、投資家にはMicrosoftやIntelも含まれるらしい。

同社は昨年10月のラウンドで3600万ドルを調達している。そのときの投資家は、Andreessen Horowitz、Khosla Ventures、Fuel Capitalなどだ。

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急成長中の企業向けソフトのAtlassianがSECに上場申請―売上3億2000万ドル、純利益6800万ドル

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上場を目指すソフトウェア企業がまた一つ現れた。Hipchatなどのソーシャル機能のあるエンタープライズ・ソフトを提供するAtlassianがNASDAQへの上場を目指して昨日(米国時間11/9)、アメリカの証券取引委員会(SEC)にF-1申請書を提出した〔F-1はアメリカ企業のS-1に相当する外国企業向け上場申請書〕。

Atlassianの主力製品はSlackのライバルHipChat、それにJIRA、Confluenceなどが知られている。ティッカー・シンボルはTEAMが選択されている。今回の新規上場では2億5000万ドルを調達する予定とされる。

公表されたF-1申請書によれば、その下書きは去る8月21日に秘密にSECに提出されていた。なお、われわれが得た情報によると、2億5000万ドルという株式売り出し総額は現在のところダミーであり実際の目標額は今後決定されるという。

現在、市場はテクノロジー企業の上場に不向きな環境となっており、Squareのような優良とされる企業も黒字化の達成に苦しんでいる。これに対してAtlassianの申請書はずっと明るいトーンだ。

F-1申請書には、同社過去3年利益を上げていると書かれている。ただし昨年の利幅は大きく縮小したが、これはR&D費用が急増したためだとしている。F-1申請書によれば、6月30日を会計年度末とする過去3年の利益は、2013年が1080億ドル、2014年が1900億ドル、2015年が680億ドルとなっている。

同じ会計年度の売上は2013年が1億ドル4850万ドル、 2014年が2億ドル1500万ドル、2015年が3億ドル1950万ドルだった。ここから2013年度から
2015年度までのCAGR(年平均成長率)を求めると、46.7%という高い値となる。.

Atlassianのソフトウェアには 500万以上の月間アクティブ・ユーザー(MAU)があり、顧客は4万8000社に上っている(同社は少なくと1人以上の有料ユーザーを含む組織、または月額10ドル以上を支払う組織を1社と計算している)。同社によれば顧客は「事実上、あらゆる業種の世界160ヵ国に横断的に存在する」ということだ。

同社の有力顧客としてはFitbit、PayPal、Visa、NASA、MIT、Nordstrom、Tesla、Cisco、Adobeなどがある。Atlassianの主なプロダクトは5種類だが、売上の3分を2を稼ぎだしているのはチームのためのスケジュール管理のJira(Asanaのライバル)とコンテンツの制作と管理のConfluence(Quipのライバル)の2種類だ。

Atlassianはビジネス戦略を下の図表にまとめている。

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オーストラリアのシドニーを本拠とするAtlassianはこれまでに2億ドル1000万ドルを調達している。これらのベンチャー投資はすべて二次的ラウンドとして実施された。最終ラウンドにはT. Rowe PriceとDragoneerが参加し、企業価値は30億ドルと評価された。

同社は資金の大半を自己調達して創業されたが、F-1によれば、アメリカのAccelが12.7%を、共同ファウンダー、共同CEOである,Michael Cannon-BrookesとScott Farquharがそれぞれ 37.7%%を所有している。また Accelの Rich Wongも7.3%を所有している。.Atlassianの上場は声明によると、Goldman, Sachs & Co.とMorgan Stanley & Co. LLCが共同で取り扱う。投資銀行のAllen & Companyらも二次的役割で参加する。

〔冒頭部分でAtlassianの主力製品の紹介の訳にミスあったので訂正してあります。ご迷惑をおかけしました。〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

中国のDJIがスウェーデンの名門カメラ・メーカー、ハッセルブラッドの大株主に

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Accel Partnersから7500万ドルの投資を受けた中国を代表するドローンの王者、DJIが手持ち資金の一部を興味深い方面に投資した。 DJIは今週、スウェーデンのカメラ・メーカー、Hasselbladの株式の一部を取得したと発表した。ハッセルブラッドは過酷な環境で高品位な写真撮影を可能にする製品で知られている。

取得された株式はハッセルブラッドの議決権を左右する数量ではなく、TechCrunchの取材に対し両社とも株式数などの詳細は明らかにしなかった。それでも取得株はハッセルブラッドの取締役会にDJIが1名を送り込むことができるほどの数量だった。

両社は「われわれは今後もそれぞれ独自にビジネスを運営していく」と述べた。しかしこの投資によって実現した提携により、ハッセルブラッドはDJIの無人飛行に関するノウハウを得ることができる。またDJIもハッセルブラッドの高品質な写真を可能にするテクノロジーにアクセスでき、両社はプロフェッショナル・フォトの分野での地位を強化できるものと見られる。

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ハッセルブラッドのCEO、Perry Oostingは「われわれはドローン分野における明白なリーダーであるDJIのパートナーとなることができたことを光栄に思っている」と述べた。またDJIのファウンダー、CEOのFrank
Wangは「このパートナーシップにより、両社は強みを持ち寄り、画像処理分野におけるテクノロジーの限界をいっそう先まで推し進めることができるだろう」と述べた。

いくつかの理由でこの投資は興味深い。DJIの側からいえば、高画質ドローンの分野への参入に役立つということが考えられる。DJIは空撮ドローンのパイオニアであり、この分野ではプロ、アマを問わずハイエンド・ユーザーからの強い信頼を勝ち得ている。しかし最近、あらゆるレベルで競争が激化している。たとえば一般ユーザーをターゲットにする分野ではParrotが有力なライバルとなっている。同じ中国のYuneecも今年に入っててIntelから多額の資金を調達している。

今年10億ドルの売上が見込まれるDJIとしてこの投資は初めてのものではない。だが投資を公表したのはこれが初めてだ。「現時点では他の投資については公表することは控える」とDJIの広報担当は私に言った。

Ubuntu Linuxで知られるCanonicalは今週DJIとの提携を発表した。これによりManifoldという新しいUbuntuコンピューターがDJIのドローンに搭載される。ただしDJIの広報担当によれば「純然たるテクノロジー上の提携であり、投資など財務上の関係は一切ない」ということだ。

テクノロジーであろうとなかろうと、提携はこれで終わることはないだろう。DJIは今年5月にAccelと共同でSkyFundという無人飛行機のスタートアップへの投資に特化したファンドを立ち上げた。今回のハッセルブラッドへの投資がSkyFundの一部なのかどうかについては何も発表がない。しかしAccelが沈黙しているということは、この投資がDJIの独自判断に基づくものだという推測に力を与える。

ハッセルブラッドから見てもこの投資は興味深い。ハッセルブラッドも中国の新興ビジネスからの大型投資を受け入れるようになったわけだ。CEOのPerry OostingはTechCrunchの取材に対し、メールで返信し、、「われわれが外部からの投資を受け入れたことは1941年の創立以来例がなく、今回が唯一だ。われわれは現在DJI以外の投資を受けていないし、戦略的な提携関係も持っていない」と述べた。

ハッセルブラッドは宇宙開発の歴史の輝かしいアイコンだ。人類が最初に月に着陸したとき、最初に月面の鮮明な映像を送るのに用いられてのハッセルブラッドのカメラだった。NASAの重要なミッションでハッセルブラッドが重要な役割を果たした例は数知れない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleのBYODサービスAndroid for Workを2万社近くが利用または試用中、パートナーも80社に増加

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Googleの今日(米国時間11/4)の発表によると、今や2万近くの企業(や団体)が、Android for Workサービスを試用、デプロイ、あるいは本番利用している。

企業がAndroid for Workを利用すると、社員が自分のAndroidデバイスを職場に持ち込んでも安全だ。このサービスは、仕事のアプリと個人的アプリを分離するから、企業のITがそのデータやアプリを完全にコントロールできると同時に、社員は自分のAngry Birdsなどをふつうに楽しめる。この機能は2014年のGoogleのデベロッパカンファレンスI/Oで初めて登場し、今年の2月に公式ローンチした

2万社弱といっても、試用中と本番利用中などの分類数が分からない。大企業は慎重だから、試用中が圧倒的に多いのではないか、とぼくは勘ぐっている。でもまあ、好調と言える数字だろうな。

さらに今日の発表によると、ITが証明を発行する仕事が、楽になった。部・課・係などいろんな粒度で許可を設定できる。そして、NFCを使ってユーザをプロビジョニングできる。

Googleによると、今パートナーは80社いる。なんとBlackBerryもAfWのパートナーで、そのPRIVデバイスの毎月のアップデートもGoogleのAndroidパッチスケジュールに従っている。そのほかのパートナーにはCitrixやCisco、F5、SAPなどがおり、ほかにもデバイスのメーカーやキャリアが多く参加している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Google Apps for Workの有料企業ユーザが200万を突破、サードパーティアプリケーションの審査推奨制度をスタート

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先月Googleは、ライバルのMicrosoftやAmazonとの契約が残っている企業にはGoogle Apps for Workのクラウドアプリケーションを無料にして企業顧客を増やそうという、大胆な作戦を実行した。Google Apps for Workを有料で使っている企業は現在200万社、無料も合わせるとユーザ数は500万を超えている。それが、今以上に企業ユーザを増やそうというのだ。

今以上に顧客を惹きつけ、今以上にデベロッパたちがこのプラットホーム向けのソフトウェアを作ってくれるようにGoogleは、Google自身のGAfWネイティブアプリケーションやプロダクトだけでなく、サードパーティのアプリケーションを審査しGAfWのユーザに推奨する事業を立ち上げた

すでにセキュリティとパフォーマンスの審査を通り、推奨されているアプリケーションが8つある:

併せてGoogleは今日(米国時間11/3)、広大なApps Marketplaceにおけるアプリケーションの発見のしやすさをやや改善し、またAndroidへのリンクを強化した。そして今やGoogle Play for Workにあるエンタプライズアプリケーションも紹介している。

今Googleのコンペティタたちは企業ユーザと一般消費者をはっきり分けた製品戦略やマーケティング戦略をとろうとしており、Googleもそれに倣おうとしている。その典型が、IBMとパートナーしたAppleだ。しかもこの両社は2014年の12月という早くから、iOS用やMac用の企業向けアプリの提供を始めている。

このGAfWのニュースのタイミングにも、戦略的意味がありそうだ。今回のGAfW関連の発表は、同じく企業のクラウド利用に焦点を当てたDropboxのイベントと、同日なのだ。

飴と鞭

今回のGoogleからのニュースは、同社がエンタプライズビジネスを伸ばすために飴と鞭的なやり方をしていることを、示している。

Google Apps Marketplace(Google全体のアプリケーションマーケットプレース)は、AWS MarketplaceやSalesforce、それに企業向けにアプリケーション統合サービスを提供しているクラウドストレージ屋さんなどと競合しており、今ではGAfWと統合できる企業向けアプリケーションを750以上も提供している。

しかしGAfW担当のディレクターRahul Soodによると、数が多いことは必ずしもそれらの利用性に結びつかない。“そもそも現状では、どのアプリケーションがセキュアで信頼性があって高性能で今使ってるツールとの統合性が良いのか、さっぱり分からない。しかも、仮に、検討すべきアプリケーションのグループが分かったとしても、実際にそれらを評価する能力や余裕が企業にない”。

そこでGoogleは、さまざまなサードパーティアプリケーションと、Google自身が作ったGAfW固有のアプリケーションとの、相性を審査する役を買って出ようとしている。

“これらのアプリケーションはGoogleとサードパーティのセキュリティ企業がリビューして、安全性と信頼性を確認し、高度な統合化要件を満たしていることをチェックしている”、とSoodは書いている。セキュリティ企業の名前は、今Googleに問い合わせ中だ。そうやって顧客になるべく多くのアプリケーションを使わせて、Googleのプラットホームへの親近感を持たせ、今後のより高度なサービスでお金をいただこう、という心算なのだ。

また顧客(GAfWのユーザ)企業だけでなく、Googleはソフトウェアのメーカーにもこのプラットホームを開発の対象として利用してもらいたい。

そのためにGoogleは、さまざまなことをやってきた。Google for WorkのパートナーのためにTechnology Trackを立ち上げたのが2014年の3月だった。それはGoogle App ServicesのAPIの統合を選択したソフトウェアパブリッシャーへのごほうびだった。そのごほうびとは、技術やマーケティングや営業の支援、そしてGoogle Apps Marketplaceでアプリケーションが上の方に表示されることだ。最近ではGoogleの推奨アプリケーションに優先的に選ばれる、という飴も加わった。推奨にはセキュリティのお墨付きも伴うから、それらのアプリケーションは相当目立つと思われる。

この、Googleによるアプリケーション審査〜推奨制度は、うまくいけば、ほかのアプリケーションマーケットプレースを蹴散らしてしまうかもしれない。企業ユーザにとって、Googleのお墨付きの効果は、かなり高い。次第に、他のマーケットプレースは見なくなる可能性もある。

そうなればもちろん、デベロッパ〜ソフトウェアショップもGAfW向けのアプリケーションを一生懸命作ろうとするだろう。審査に通るコツ、Googleから高く評価されるコツも、次第にわかってくる。それはGoogleにとっても自分のエコシステムを大きくする方法だが、大きくしたものをずっと支配し制御し続けるための“王様的”な方法でもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Chefが企業におけるコンプライアンステストの自動化のためにドイツ企業を買収しツールを開発

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Chefは、ソフトウェアやインフラストラクチャの構成や管理、それらの自動化で企業を助けてきた。その同社が今日(米国時間11/3)、同様の自動化サービスをコンプライアンスにおいて提供するための発表をいくつか行った。

まず同社は、ドイツのコンプライアンスとセキュリティの企業VulcanoSecを買収したことを発表した。実際に買収が行われたのはこの夏だが、発表を今日行った、という。買収の条件等は公表されていない。

同時に同社は、VulcanoSecのコンプライアンス技術(コンプライアンステストの自動化やメンテナンス)をChefに統合することを発表した。これからはChefのユーザがChefのワークフローの中でコンプライアンスの試験や執行を行えることになる。

さらに同社は今、Chef Deliveryというものを作っている。それは、4月に発表したワークフロー自動化ツールが今日一般公開されたもの、ということだ。それはいわば、工場の組立ラインのIT版みたいなもので、自動化されたワークフローが、必要なものを必要なタイミングで、そのワークを担当する適正な人びとにプッシュしていく。

Chefは、社名以外の部分でも料理のメタファを使う。たとえばユーザはワークの「レシピ」を作り、それらを「クックブック」にまとめる。それらはスクリプトとして書かれたインストラクションマニュアルで、そこに、アプリケーションやインフラストラクチャやコンプライアンスが執り行うべき処理(プロセス)の集合がある。Chef Deliveryにはプロジェクトをワークフローの処方に従ってトリガする働きもあり、クックブックに記されているすべてのマイルストーンを確実に実行していける。

Chefの事業開発担当VP Ken Cheneyによると、コンプライアンスは規約の集まりだと考えると分かりやすい。企業という艦隊の全体を、一連のルールに従って評価し、コンプライアンスを逸脱しているところを見つけ、違反の重大性を見極める。そんな情報が手元に揃えば、問題を修復する方法も分かり、インフラストラクチャを実際に動かす前に対策を講じられる。

それにより全体としてのChefプロダクトが、ソフトウェアとインフラストラクチャとコンプライアンスのすべての側面を自動化できるようになり、デベロッパとオペレーションチームの双方が快適で使いやすいツールを手中にする。彼らが作る自動化ワークフローにより、プロセスのスムーズな流れが生まれ、維持される。

Cheneyによると、昔のITは優秀なプログラマたちがロックスター気取りで長時間仕事をし、プロジェクトを仕上げる場所だったが、今のように、変化が月単位〜年単位ではなく数日〜数時間単位で起こり、対応を迫られるIT環境では、何らかの自動化によって開発プロセスを進めて行かざるをえない。イノベーションに向かう企業の意思決定も、そのような自動化が安定して動いているからこそ、余裕をもって早めに行うことができる。そういう意味では、Chefのサービスは企業のバックボーンでもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

ボストンのスタートアップ、SnapAppが1200万ドルを調達―B2Bの対話的マーティングツールを提供へ

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コンテンツ・マーケティングのSnapAppがシリーズAのラウンドで1200万ドルを調達した。

ボストンを本拠とするこのスタートアップは、計算器クイズ対話的ビデオ、インフォグラフィックスその他オンラインで利用可能なさまざまなマーケティング・ツールを制作している。企業のマーケティング部門、ことに他の企業にプロダクトを販売しようとするB2Bのマーケティング部門にとってSnapAppのツールは利用価値が高い。

SnapAppのCEO、Seth Liebermanはメールで次のように説明した。「対話的コンテツはマーケティング・ツールの未来だ。対話性に本質的に備わるユーザーを引き込む力がこうしたコンテンツを魅力的なものにしている。われわれのツールの対話性のおかげで、マーケッターは見込み顧客により優れた教育効果を提供できるだけでなく、見込み顧客が将来直面するであろうさまざまな問題に関していち早く圧倒的なビジネス情報をつかみ、解決策に誘導することが可能になる」

SnapAppのツールはOracle、Cisco、EMCなどの大企業に採用されている。興味あるユーザーはSnapAppのサイトで無料のサンプルを試すことができる。

今回のラウンドで資金を提供したのはProvidence Equity Partnersだった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Activision、キャンディークラッシュのKing Digital Entertainmentを59億ドルで買収

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これはブロックバスター的買収と呼んでいいだろう。コールオブデューティーなどを製作しているゲーム界のビッグネーム、Activision Blizzardが、キャンディークラッシュで世界的に絶大な人気を誇るKing.comを買収する。モバイル・ゲームは現在もっともホットなビジネス領域だ。

King Digital Entertainmentによれば、今年第3四半期のアクティブ・ユーザーは世界で4億7400万だったという。驚くべき数字だ。Kingは2014年に株式を上場している。

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〔Activisionのコメントは原文参照〕

Uberへの初期投資でも有名なKingのCEO、Riccardo Zacconiはこの買収について次のようにコメントした。

この買収契約により、Activision Blizzardに参加できることをわれわれは大いに喜んでいる。 2003年の創立以来、Kingはモバイル・ネットワークとFacebookにおいて最大のプレイヤーの一つだった。2015年第3四半期のわれわれの月間アクティブユーザーは4億7400万人であり、才能にあふれるKingのエンジニアはモバイル・ゲーム界でもっとも成功したチームとなっている。今回の買収はKingを新たな発展段階に位置づけるものであり、顧客のゲーム・プレイヤーにも社員にも利益をもたらすことは明白だ。

とはいえ、キャンディークラッシュのプレイヤーのほとんどはこのゲームを誰が作り、販売しているかなど考えたこともないだろう。彼らが今後も.楽しくキャンディーを消し続けていけるならそれでいいわけだ。

つくづくモバイル・ゲームはホットで巨大な業界になったものだと感心する。

買収のニュースが流れると同時にTwitterにはそれをテーマにしたジョークが氾濫した。下のジョークなど、出来栄えはともかく、今後数日間のテクノロジー業界の雰囲気をよく表現しているのではないかと思う。

〔ActivisionはキャンディークラッシュのKing Digital Entertainmentを59億ドルで買収したそうだ。アプリ内課金のうっかり買い物としてはたぶん史上最高額〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、11月からSkypeをオンライン版Officeに統合―ChromeのOfficeエクステンションも提供へ

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今日(米国時間10/29)、MicrosoftはOffice OnlineにSkypeを統合し、生産性ツールのソーシャル化を大きく勧める計画を発表した。これによってユーザーはWord、Excel、 PowerPoint、OneNote Online、Outlook.comなどで文書を編集しながら他のユーザーと音声やビデオで会話できるようになる。

Microsoftでは「ユーザーはOffice文書の中からSkypeを通じて他のユーザーの顔を見てコミュニケーションできるようになる。これによりチームとしての協力関係が緊密化する」と述べた。またSkypeのチャットの履歴は文書内に自動的に保存されるので、ファイルをいったん閉じてまた戻ってきた場合など、自分がチャットのどの部分で席を外していたかなどがよく分かる。

Microsoftはまた新しいChromeブラウザ向けのエクステンションを発表した。これによりChromeのツールバーからOffice文書に素早くアクセスし文書を開いたり、新規作成したりできるようになる。

今回のSkypeの統合も最近Microsoftが継続しているOfficeにフラッグシップのコミュニケーション・ツールを組み込もうとする努力の一環だ。同社は先月にも、デスクトップ版のWindows 2016に企業向けのSkype for Business(以前は Lyncという名称)を統合した。そのとき、Microsoftはこの秋までに同様の統合を一般ユーザー向けに実現すると約束していた。

今日、MicrosoftはいわゆるSkype for Office Onlineを発表した際に、世界中で利用可能になるのは11月(Microsoftアカウントが必要)になると述べた。しかし11月というのは明後日から始まる。ユーザーは長期間待つ必要はないようだ。

同時に、Google Chromeウェブブラウザー向けのOfficeエクステンションも発表された。ユーザーはChromeのツールバーの小さなOfficeアイコンをクリックするだけで、即座に各種のOfficeファイルにアクセスできる。このエクステンションからはローカルのOfficeファイルの他、OneDrive、OneDrive
for Businessのファイルも開くことができる。

Microsoftの動きはOfficeの有力なライバルとなっているGoogleドキュメントの生産性アプリに対する対策として注目される。Microsoftは実際、圧倒的なシェアを誇るGoogleのChromeブラウザーとその拡張機能を利用してユーザーをOfficeファイルに誘導しようと努力してきた。

「わざわざOfficeをインストールしなくてもブラウザからWord、Excel、PowerPoint、OneNote、Sway Onlineが使えます!」というのがこの拡張機能のChromeウェブストアでのキャッチフレーズだ。.

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以上が今日のMicrosoftのOfficeについての発表の骨子だが、同社は他のアプリについても各種マイナーな点を明らかにしている。たとえばAndroidのOfficeアプリはサイズが40%小さくなり、エンタープライズ版がマシュマロ(Android M OS)をサポートした。またMac向けVisual Basic Editorが Office 2016をサポートするようになった、などだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+