明日のキッチンはこうなる―最新スマート調理ガジェット、8種類

IoT(モノのインターネット)がキッチンにも入り込みつつある。アプリから操作できるコーヒーメーカーからiPhoneに温度を伝えてきてステーキを完璧に焼きあげるフライパンまで最新のキッチン・ガジェット8種類を紹介しよう。

1. Palateのホーム・スマート・グリル

Palate Home製のSmart Grillは、さまざまな素材を種類、重量、火の通り具合の好みに応じて完璧に調理してくれる。コントロールは専用iPadアプリで行う。

2. Pantelligentのスマート・フライパン

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このフライパンはサーモン、ステーキ肉、その他の素材の内部温度を測定し、ちょうどよい焼け具合になったところで知らせてくれる。いちいちフォークを刺して試してみる必要がない。PantelligentのiPhone用アプリには現在の内部温度、焼き上がりまでの推定時間などが表示される。

3. Drop Connected Kitchen Scale

こちらはケーキ、クッキー、パンなどオーブンで焼く素材を簡単に軽量するためのスマート秤。専用iPadアプリでレシピを選び、Bluetoothを内蔵した秤にボールを乗せる。レシピにしたがって順に素材を入れる。適量を入れるとアプリがそれを知らてくれる。

4. LivBlends Smoothie Maker

こちらはY Combinator出身のスタートアップ、LivBlendsのプロダクト。同社の主な事業はベイエリアでのジュースの宅配だが、スマート・スムージー・メーカーも開発中だ。写真はプロトタイプ

5. Orange ChefのPrep Pad

Prep Padはボウルに食材を入れると栄養分を表示する。専用iPadアプリに脂肪、炭水化物、タンパク質、ミネラルなどがどれくらい含まれているかが表示されるだけでなく、1週間にそれらをどれほど摂取したか総計も表示される。またJawbone Upとも連動してダイエットの目標達成を助ける。

6. HAPIfork

HAPIforkは食生活をモニタしてダイエットを助けるスマート・フォークだ。このフォークは食事の時間や間隔、食物を口に運んだ回数などを記録する。データはUSBまたはBluetoothでスマートフォンに転送、表示される。

7. Siemensのインターネット接続コーヒーメーカー

Siemensは個々のガジェットというより統合されたスマート・キッチンのインフラを提供している。このキッチン・インフラに多数のスマート・ガジェットが接続される。このコーヒー・メイカーはその一部だ。朝、ベッドの枕元のスマートフォンを取り上げて、ボタンをクリックすると、シャワーを浴びて食堂に行く頃には朝のエスプレッソができているという仕組みだ。

8. LGのスマート・オーブン

このオーブンはスマートフォンからLG Smart Access Rangeアプリを通じて操作する。レシピを選択するとそれに合わせた自動的に適切な加熱パターンが実行される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


電子回路のプロトを手軽に作成できるAgIC、1億円の資金調達を実施

昨年開催した「TechCrunch Tokyo 2014」のスタートアップバトルで見事に優勝に輝いたAgIC。同社が約1億円の資金調達を実施した。

調達した資金のうち3600万円は借り入れ、6000万円が第三者割当増資となっている。第三者割当増資の割当先はIoT関連の投資を手掛ける鎌田富久氏が率いるTomyKのほか、East Ventures、中国のYoren、その他事業会社と個人投資家6人となっている。なおTomyKは前回のラウンドでもAgICに出資しており、今回は追加投資となる。またYorenとは、中国での広告関連事業における業務提携を実施。ちなみに日本のスタートアップとしては珍しいのだけれども、同社はプレスリリースでプレマネーバリュエーション(増資前評価額)5億円、優先株での資金調達だとも発表している。

AgICは、導電性の銀ナノインクを使ったペンと専用紙を使って電子回路を描き、電子工作をしたりハードウェアのプロトタイプを作成したりできるキットを日米で販売している。このインクと家庭用プリンタでも回路の作成が可能だ。同社では今後、電子工作向けのキットを始めとした製品ラインナップの拡充、電子工作のレシピ共有サービスの開発などを進めるとしている。


NEEOは、手のひら認識を使うスマートホーム用リモコン


スマートホームにはリモコンが必要だが、今日(米国時間1/13)Kickstarterでデビューするスタートアップは、スマートフォンは必ずしも最良の選択肢ではないと考えている。NEEOは、リモコンだけでなく自宅の中央制御装置のブレインとして、暖房装置やNest、Philips Hueなどの「つながるガジェット」もコントロールする専用デバイスだ。

NEEOはカリフォルニア州クパチーノのスタートアップで、設立チームはホームオートメーション分野で25年以上の経験を持つ。CEOのRaphael Oberholzerは電子工学の専門家で、Bang & Olufsenやスイスの高級スマートホームシステム設備会社、Smart Home SAで経験を積んできた。

Oberholzer率いるチームは、ここ数年間スマートリモコンには大したイノベーションが起きていないことに気付き、今日のITと電気のイノベーションにふさわしいデバイスを作ろうと考えた。LogitechのHarmonyリモコンシリーズが最近スマートホームに進出したので、NEEOとは直接競合するが、同チームによると、NEEOにはHarmonyにはない機能が数多く組み込まれているという。

例えばNEEOには、手のひら認識があり、バッテリーは1回の充電で数ヵ月間使用できる。ロケーター機能を使うと、スマホアプリから呼び出してビープ音を鳴らすことができ、Bluetooth、Wi-Fi、6LowPAN、ZigBee、Z-Wave、およびThreadを標準でサポートしている。ハブに内蔵されたIRブラスターは360度のレンジを持ち、未サポートのガジェットの赤外線コードを学習できる。

NEEOで最も注目すべき機能は、手のひら認証を使ってユーザーのニーズを予測するように作られていることで、291 ppi 480 x 800 3.2インチタッチスクリーン上に、お気に入り、プレイリストその他のコンテンツを個人の手の形状に応じて表示する。専用ハードウェアではあるが、スマホ用のコンパニオンアプリもある。

NEEOは、3万種類以上のガジェットデータベースと共に出荷されるのでセットアップは容易で、早期支援者は148ドルのプレッジで入手できる。出荷時期は何段階かに分かれており、第一弾は4月だ。大胆な目標のようだが、すでに機能プロトタイプの設計は完了しており、クラウドファンディングの目的は、量産への最後の一押しのためだ。

専用スマートリモコンは、ソフトウェアによるソリューションに遅れをとっているが、スマートフォンアプリだけでは満足できないのも確かだ。NEEOのコンセプトは非常に期待が持てるので、製造に向けて頑張ってほしいものだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple Watchはカスタマイズの宝庫。専用アプリの画像が大量リーク

来たるべきApple Watch専用アプリに関する新たなリーク情報によると、今年新ウェアラブルが発売される暁にはいくつか未発表の機能が期待できそうだ。9to5Macに掲載されたアプリ設定画面のスクリーンショットを見ると、ウォッチがアクティビティー、アクセサビリティー、メッセージ、モーション、フィットネスなどをどう扱うかをユーザーが微調整できるようになってる他、ウォッチにどんな情報が通知されるかを細かくカスタマイズできるオプションもある。

山ほどある画像を探ってみると、ユーザーは時計の文字盤に1~4文字のイニシャルを表示したり、ワールドクロックの「コンプリケーション」で使われる都市設定をカスタマイズしたりできることがわかる。コンプリケーションとは、様々な時計機能の説明全般に使われる言葉で、機械式腕時計の製造において、ゼンマイ駆動力メーター、ワールドタイム、クロノグラフ等の基本的な計時〈以外〉の機能を指す用語を借用したものだ。

コンプリケーションの一つには文字盤に追加できる株価モニターもあり、iPhoneで追跡している銘柄の現在価格、変化のパーセンテージ、時価総額などが常時ライブ更新される。

メッセージは、iPhoneの設定を引きつぐことも別途設定することも可能で、例えば相手に既読通知を送ることができる。返信は音声録音あるいは音声認識したテキストを選べる。


パスコードロックを有効にするとApple Payが使用できるようになるが、、ウォッチを腕に付けた上でパスコードを入力しなければならないので、iPhoneのTouch ID(指紋認証)を使う時と同じレベルのセキュリティーが確保できる。一旦Apple Watchを腕から外すと、再度装着してコードを入力するまでApple Payは無効になる。同様に、ユーザーがApple Watchをアンロックするには、接続されたiPhoneをアンロックするだけでよいが、それはウォッチが腕に着けられている時に限られるので、これも不正なアクセスを防ぐのに役立つ。

コンパニオンアプリには、活動リマインダー機能もあり、持ち主が50分間連続で立っていると通知が送られる(一日を通じて継続的に立っていると健康が促進されると、多くの医療専門家が言っている)。ユーザーが目標を設定して、4、6、8時間毎に活動状況の通知を受け取ることもできる。心拍数と歩数を組み合わせてカロリー消費をモニターする機能もある。

9to5Macの全スクリーンショットを見れば、Apple Watchのコンパニオンアプリの詳細がさらにわかるが、設定項目の多くは既にiPhoneやiPadで見たものとよく似ている。重要なのは、AppleはユーザーがApple Watchで見るものを、iPhoneとは独立に、フルコントロールできることを重要視する一方で、手間をかけたくないユーザーのために、設定をiPhoneから簡単にインポートする手段も用意していることだ。

Apple WatchにおけるAppleの戦略は、ハードウェアに関してユーザーによる大幅なカスタマイズを可能にすることに賭けているようなので、これは同じ戦略のソフトウェア版と考えられる。ただし、Apple Watchの情報はまだ確定にはほど遠いので、ソフトウェアに関する今後のAppleの正式発表を待たなくてはならない。3月と噂される発売時期に向けて本誌の追加情報に注目されたい。

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Apple Watch、iOS 8.2ベータのBluetoothメニューに現れる


Appleは今日(米国時間1/12)iOS 8.2の最新ベータ版を公開し、その中にはこのOSがApple Watchと共に一般公開される可能性を示唆するヒントが含まれていた。9to5Macによると、Apple Watchに関する記述が見つかったのはBluetoothメニューで、デバイス一覧の下端に、Apple Watchとペアリングするためには専用アプリを使用するよう指示するメッセージがある。

この注意書きはApple Watchの登場が近いことを強く示すものだ。なぜならこれはiOS 8.2の4番目のベータ版であり、以前の報道によるとApple Watchの一般販売開始は3月と見られているからだ。AppleはすでにApple Watchを正式発表しており、Apple Watch専用アプリにも言及しているが、発売時期については今年の早いうち、という以上に正式なコメントはない。

iOS 8.2のBluetoothメニューに含まれているApple Watchアプリへのリンクは、実際には何も行わず、Apple Watchアプリ自身も現在App Storeにはない。この機能は、AppleがWatchとiPhoneのペアリングを極力簡単にしようとする意志を表すものであり、アプリは設定やチュートリアルを含むApple Watch導入体験プロセスを提供すると思われる。

Appleの新しいウェアラブルの発売価格は349ドルからで、3月という発売時期は、例年iPad、iPhoneや複数のMacの新機種が発表される秋ではなく、年間を通じて新製品を提供する機会を持つ意味でも理にかなっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


IoT企業はプライバシーとセキュリティーに最優先で取り組め―FTC委員長がCES講演で強く警告

FTC(アメリカ連邦取引委員会) は、モノのインターネット(Internet of Things)に潜むプライバシーとセキュリティー上のリスクに対して関係者に強く注意を促した。インターネットに接続するさまざまなデバイスの数は2015年中に250億個に達すると予測されている。サーモスタットやドアロックなど、いわゆるスマートホーム・デバイスの数も今年は2500万になると見られる。

FTCは「ひとたびプライバシー、セキュリティー上の大規模な事故が発生すれば、消費者にIoT1への抜きがたい不信感を植え付けることになりかねない」と警告した。こうした破壊的シナリオを避けるために、IoTビジネスはセキュリティーおよびプライバシーのリスク対策に現在よりもずっと真剣に取り組む必要があるというのがFTCの考えだ。

FTCのEdith Ramirez委員長はラスベガスで開催中のConsumer Electronics Showを視察した後でIoTビジネスの将来に関する講演を行った。

「[モノのインターネット]は消費者に巨大な便益を与える一方、プライバシーとセキュリティー上のリスクも重大だ。IoTデバイスは、たとえばヘルス、医療関連分野で普及し始めているが、、膨大な個人情報を収集、転送することになる。こうした情報は極めてプラバシー性の高いもので、その処理には潜在的に非常に大きなリスクを伴う」とRamirez委員長は警告した。

3つの高リスク要素

Ramirez委員長は、プライバシー上、特にリスクの高い3つの要素について分析した。

(1) データ収集の遍在化; (2) 個人に不利益を与えるような個人情報の目的外使用; (3) 悪意による攻撃

データ収集の遍在化というのは、センサーやモニター・テクノロジーの発達にともなって「驚くほど大量かつ正確な個人的情報が蓄積される」という問題を指す。しかも収集されたデータを強力なツールによって分析することで、その影響力は一層拡大される。

しかもIoTデバイスは、家庭、自動車、さらには体表、体内にまで入り込み、きわめて個人的な情報を収集する。「IoTによってビジネスはわれわれの私生活のあらゆる側面を把握することができるようになる」とRamirezは述べた。.

そこで、収集されたデータが当初の目的や予期に反して使用されるというリスクが重大なものとなってくる。フィットネスや医療のために利用されるはずのデバイスから得られた個人情報が横流しされ、企業の採用選考に用いられるなどという例が考えられる。あるいは保険会社が健康保険や生命保険の料率を計算するために用いるかもしれない。消費者が便利なデバイスを購入したつもりで、実は知らないうちに自分の個人情報を売り渡す結果となるかもしれない。

「われわれは最終的な結果を慎重に考慮することなく無制限な個人情報の収集と流通を許すわけにはいかない」とRamirezは付け加えた。

またRamirezはIoTデバイスがハッカーの攻撃にさらされるセキュリティー上のリスクについて言及した。また侵入されたIoTデバイスがさらに広汎なネットワークへの侵入の突破口となる危険性にも注意を喚起した。

最近、いくつもの大規模なデータ漏えいがトップ・ニュースとなっている。データ・セキュリティーの困難性はますます高まっているといえる。しかしIoTはまた別種のセキュリティー上の問題を生じる。その一つは、伝統的インターネット業界はセキュリティーに対して数十年の経験を積んでいるのに対して、最近IoT市場に参入しているソフト、ハード企業の多くがセキュリティー問題に未経験であることだ。同時にIoTデバイスのサイズが小さく、処理能力に限界があることが暗号化その他の強力なセキュリティー施策を導入することを妨げている。また一部のIoTデバイスは安価な使い捨てモデルだ。こうしたことから、IoTデバイスに深刻な脆弱性が発見されてもソフトウェアをアップデートすてパッチを当てるなどの対策が難しい。それどころか脆弱性があることを消費者に周知することさえ困難だろう。

IoTデバイスには最初からセキュリティーを「焼きこむ」必要がある

こうした課題に対処するため、IoT企業はプライバシーとセキュリティーの重要性を認識し、ビジネスモデルそのものに「焼きこんでいく」必要があるとFTCは考えている。 それが企業自身、さらにはIoT市場全体への消費者の信頼をつなぎ止める道だという。

Ramirez委員長は具体的に3つの施策を挙げた。

(1) 「セキュリティー・デザイン」の採用; (2) データ収集、保存の最小化; (3) システムの透明性の確保、また予期せぬ情報漏えいや目的外使用が発生した場合の消費者に対する適切・迅速な情報開示

セキュリティー・デザインの採用とは、プロダクトやサービスのデザインにおいてセキュリティーを優先させることだ。「デバイスはデザインの段階でセキュリティーが作りこまれて居なければならない」としてRamirez委員長は次のように述べた。

デザインの過程でプライバシーとセキュリティーのリスクに関する十分な検討が行われる必要がある。プロダクトの市販、一般公開前に必ずセキュリティーがテストされなければならない。またデバイスのセットアップの段階で消費者がかならず独自のパスワードを設定しなければならい〔デフォールトのパスワードを使い続けることができない〕スマート・デフォールトを採用すべきだ。可能な限り暗号化を図る必要がある。またプロダクトのリリース後もモニターを続け、脆弱性の発見と修整に努めねばならない。 また社内にセキュリティー問題に関する責任者を置かねばならない。

これらはいずれも大企業では標準的に実施されている措置だが、小規模なスタートアップの場合、人的その他のリソース上の制限が厳しく、また新しいプロダクトをリリースすることを急ぐあまり、プライバシーとセキュリティーの保護がないがしろにされがちだ。

Ramirez委員長はまた「データ最小化」の原則についても触れた。これもまたスタートアップにとっては利益の相反となる分野だ。スタートアップのビジネスチャンスは取得するデータの種類や量に比例して向上する。そこで「サービス、デバイスが機能するために必要最小限のデータのみ取得する」、「取得後も必要のなかくなったデータは即座に破棄する」という方針は生まれにくい。 FTCの求めるこの原理は多くのスタートアップのビジネスモデルと衝突することになる。

「多量の個人データを取得、保持していればいるほど、その漏洩によるダメージは大きくなる。ビッグデータの恩恵を受けるために企業はできる限り多種多様なデータを取得、保持すべきだという議論がある。しかし私はこのような議論には疑問を持っている。将来もしかするとビジネスに役立つかもしれないというようなあやふやな理由で現在の業務に不必要な個人情報を持ち続けることは企業に大きなリスクを追わせるjものだ」とRamirezは述べた。

またRamirezは「個人識別情報を削除して保管する」という方法についても「そうして削除された情報はさまざまな方法で復元可能なので十分な対策にはならない」と警告した。また「企業は個人識別情報を削除された情報を再度個人識別可能にするような処理を行わない」と公式に約束すべきだとも述べた。

最後にRamirez委員長は透明性とユーザーに選択権を与えることの重要性を強調した。

IoT企業がユーザー情報を利用する場合、ユーザーはその内容を明示し、ユーザーが承諾ないし拒絶する機会を与えねばならない。この選択は長々しい利用約款の中に埋め込んでユーザーが一括して承諾するか拒絶する以外にないような方法で提示されてはならない。利用約款は一般消費者が通読する可能性がほとんどない。FTCは個人情報の利用に関する選択は一般の利用約款とは別に提示されるべきだと考える。

つまり「スマート薬缶」を販売する企業が、ユーザーが1日に何杯、いつ湯を沸かすかについての情報を地元のスーパーマーケットに売りたければ、そのことを別途、明示してユーザーの承諾を得なければならないということだ。

「IoTデバイスの場合、通例ユーザーインタフェースがきわめて限定されているか、そもそも存在しない。そのため消費者から明示的承諾を得ることが技術的に難しいことは私も理解している。それであっても、私は消費者に目的外使用を承諾するか否かについて選択の余地を与えることは必須だと考える。問題はそうすべきかどうかではなく、いかにしてそれをするかだ」とRamirez委員長は結論づけた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


CES 2015からのベストビデオ

CESは非常に巨大なイベントだ。私たちはHardware Battlefieldを開催しつつ、コンベンションセンター中を広く歩き回りもした。そこで何時間分ものビデオを撮影したが、以下ではその中で「ベスト」なものをいくつか紹介しようと思う。

ちなみに撮影した全ビデオはこちらに置いてある。「ベスト」として選んだのは愉快なものや、ドローン・ラブがあふれたもの、あるいはいかにもCESらしいものなどだ。ぜひお楽しみいただきたい。また来年のCESで面白いプロダクト(とビデオ)を発掘したいと思っている。

CES Drone Rodeo


 

Indiegogo Going Strong


 

Parade of Drones


 

Garmin’s New Smartwatches


 

Bitcoin World


 

Panasonic’s Secrets Of Good Living!


 

Audi’s Concept Cars


 

HP Sprout


 

All About The Selfie Stick


 

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(翻訳:Maeda, H


Hemingwriteは、クラウド対応の機械式タイプライター

タイプライターは、基本的に70歳代かヒップスターたちへと追いやられているが、Hemingwriteは、これもよう少し広くアピールすべくクラウドベースの文書ストレージと同期をサポートし、デジタルEインクディスプレイによって、1枚タイプするためにインクリボンや紙を探す必要がなくなった。

本誌ではHemingwriteがKickstarterに登場した時に紹介したが、その後好調に人気を博し、2週間を残して32万ドルを集めて当初目標を7万ドル上回った。われわれはHemingwriteのファウンダー、Patrick PaulをラスベガスとCES 2015で捕えて、この装置やキャンペーンの様子を尋ね、さらに完動品のHemingwriteプロトタイプを触れる機会を得た。


個人的には、Hemingwriteは魅力的で一昔前のポータブルタイプライターを彷彿させる。画面の文字は非常に読みやすく、邪魔するもののない簡素なインターフェースだ。物理的スイッチを使ったナビゲーションによって、操作を複雑にすることなくHemingwriteの機能を利用できる。最終デザインには例えば印刷のための専用ボタンが付いていないなど、まだいくつか疑問の残る点もあるが、宣伝文句通りに動き、間違いなく印象深いレトロスタイルな工業デザインだ。

Paulは、予定出荷日を守れそうだと言っているので、1台欲しいと思う人は、Kickstarterキャンペーンをチェックされたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Zoltは、小さな小さなMacBook充電器。スマホとタブレットも同時に充電可能


もしあなたが、MacBookと一緒にあの嵩張る白いケーブルと充電器を持ち歩くの嫌になっているなら、Zoltが荷物を軽くしてくれる。99ドルの小さな7.5 x 3.3 x 3.3 cmの八角柱には、USBスロットが3つと30ドルの超薄型MagSafeケーブルをつなげば最大70ワット必要なMacBookを充電できる。この春にZoltが出荷されれば、コンピュータ、スマートフォン、そしてタブレットの充電器を同時にこれで置き換えることができる。

Zoltは現在79ドルのディスカウント価格で予約できる。[訳注:米国外への出荷時期は未定]

ではいったいなぜ、ZoltはAppleより小さな充電器を作ることができたのか? CEOのDinesh Ramanathanは私に、37の特許と特殊な半導体と電流スイッチング技術を組み合わせることによって、Zoltをより効率良くすることがてきたと語った。なぜZoltを作ったのかを尋ねたところ、Ramanathanは、リュックの中で絡まっていた大きなアダプターを指して、「ああなることが多すぎるから」と言った。

様々な充電端子のおかげで、Zoltは殆どのノートパソコン、タブレット、スマートフォンを同時に充電することができる。Zoltの回転式ACプラグと細長い形状によって、殆どのコンセントやテーブルタップの差し込み口に納まる。出荷された暁には、同じく小型の充電器Dartがライバルになる。

Zoltは、Appleノートパソコンの最大機種を充電するパワーは持っていない。MacBook Air、MacBook、MacBook Pro 13’は充電できるが、85ワットのPro 15’、17’、あるいはRetinaには使えない。45ワットのMacBook用充電器の重さ半分のZoltが、小型機種を持ち歩くのをずっと楽にすることは間違いない。Acer、Asus、Compaq、Dell、Gateway、HP、IBM/Lenovo、MSI、Samsung、およびToshibaとも互換性がある。そしてZoltは、現在Appleから正式に承認を受ける準備をしている。

果たしてZoltが純正アダプターと同じ速さで充電できるのか、またUSBのように薄いZolt MagSafeケーブルの使い心地がどんなものか、出荷が待たれるところだ。しかし、もしZoltが約束を果たすことができれば、ノートパソコンの標準アダプターはデスクに残して、Zoltを持って出かけられるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


セルフィー・ブームもここまで来たか―Belfieは80ドル!の自尻撮りスティック

現在では大量の自撮り写真を公開することは精神障害の一種ではないとされている。市場にあふれる自撮りグッズの数はバカバカしいほど多い。そこにまたひとつ、Belfieという自撮り棒が加わった。なんと、これは自分のお尻を撮るためのツールだという。

自尻撮りといえばお騒がせセレブ、キム・カーダシアンがInstagramに投稿した写真(下)が有名だが、レディー・ガガまでDo What You Wantでお尻を披露している。

しかし自分のお尻を撮影するのはそれほど簡単ではない。キムにしてもLife & Styleの記事によれば、何百枚も撮影した中から気に入った1枚を選び出したのだそうだ。

On.comのCTO、Kevin DeeganがはBusiness Insiderの取材に対して、「われわれはここ数ヶ月、自尻写真が急速に増大したことに気づいた。そこ自尻撮りでユーザーを助けるツールが存在してしかるべきだと考えた」と語っている。

通常のセルフィー・スティックは15ドル前後だが、このスペシャル・セルフィー・スティックは79.99ドルもする。そしてなんと現在売り切れだ! 自尻撮りにこだわる読者はこちらから予約できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


赤ちゃんの夜泣き当番を決めて、深夜の夫婦ストレスを軽減するNapTime

赤ちゃんはまさに神の恵みといっても良い存在だと思う。しかし新生児とともに暮らしながら、十分な睡眠をとるというのは非常に難しいことでもある。そのような状況に、少しでも役だとうと考え出されたのがNapTimeだ。Bluetoothを搭載して赤ちゃんをモニターする。そして必要なときにはお父さんとお母さんに順番で通知するようになっているのだ。

たとえば、おむつを替えて優しく寝かしつけるのがお父さんの番ならば、お父さんが身に着けているブレスレッドが振動するようになっているのだ。大きな音で二人を同時に起こしたりしないようになっている。もちろん、お母さんの番ならば、お母さんのブレスレットが振動する。

赤ちゃんのモニターはスマートフォンにインストールしたNapTimeアプリケーションおよびWi-Fiカメラを通じて行う。赤ちゃんの鳴き声をアプリケーションで検知し、起きる役になっている人にアラートを送る。またブレスレットをはめているかどうかも検知し、もし片方のブレスレットが装着されていないなら、設定によらず装着されているブレスレットにアラートを送るようにもなっている。両親の双方がブレスレットを装着していないような場合には、スマートフォンの着信音を鳴らすこともできる。

このシステムは子供部屋と行き来する両親の負担を減らしてくれるはずだ。また、赤ちゃんがどのような時間帯に、どのような理由で眼を覚ますのかを記録しておき、両親に備えを促すこともできる。

NaptimeはKickstarterでのキャンペーンを予定している。こちらのサイトに詳細な説明が掲載されている。

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(翻訳:Maeda, H


手のひらサイズ燃料電池の「kraftwerk」、1度のガス充填で11台のiPhoneを充電可

外見も機能もこれまでのバッテリーパック同様に見えるが、実はこのkraftwerkは携帯型「燃料電池」なのだ。電池の充電は3秒で行える。そして1週間にわたってモバイルデバイスの充電に利用できるのだ。

この「kraftwerk」という言葉はドイツ語で「発電所」という意味だ。そしてこのプロダクトを作ったのも、ドイツの研究機関であるFraunhofer GesellschaftからスピンアウトしたeZelleronというエンジニアリングチームだ。現在Kickstarterにてキャンペーンを展開中だが、開始から3日で目標額50万ドルのほぼ半分を集めてしまった。さらに1万ドルを支払って販売代理店の権利を申し込んだ人も3名いるようだ。

燃料電池の可能性については1950年代から言及されてきていた(英語版Wikipediaによると最初に開発されたのは1838年だとのこと)。しかし化石燃料の普及にともなって、燃料電池への注目は薄らいでしまっていた。普及を妨げた原因はさまざまであるが(現在でも、原油のだぶつき感が燃料電池への注目度を弱めてしまうことがある)。しかし燃料電池が安価でクリーンなエネルギーを大量に供給できる技術であることは間違いない。kraftwerkは、外部から電気を取り込んで使うのではなく、化学反応により自ら電気を作り出すことができる。すなわち、地球上にまだまだ存在する送電網の備わっていない地域においても、直ちにクリーンな電気エネルギーを長期間にわたって利用することができるようになるのだ。

実はKickstarterに燃料電池が登場するのは初めてのことではない。但し、このkraftwerkほどの完成度を持つものはなかったように思う。たとえばDevotec Micro Fuel Chargerというものがあった。キーホルダータイプの燃料電池で、モバイルデバイスに20分ないし30分の稼働時間を与えるものだった。またキャンペーンに失敗したHALOというプロジェクトもあった。iPadを外で使うアウトドア派のための予備電源という位置づけだった。無骨なスタイルながら、同時に2つのデバイスをチャージできるとしていた。

今回紹介しているkraftwerkは、3種類のカラーバリエーションを用意しているとのこと。それぞれ「Urban」、「Outdoor」、そして「Glam」と名付けられている。エネルギー源には、あちこちの店で売られているキャンプ用ないしライター用のガスを利用する。iPhone、タブレット、あるいはGoProなど、USBで繋がるデバイスなら何でも充電することができる。ガスを一度充填すれば、iPhone換算で11台分を充電できるのだそうだ。エネルギーを使い果たしても、ガスを充填すれば(必要な時間は3秒だ)すぐに利用できるようになる。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon、再びFire Phoneを在庫処分。SIMフリー、Prime会費1年分付きで189ドル


今週AmazonのFire Phoneは、なぜ同端末が失敗したかに関する裏話と、AmazonがFire Phoneの開発部隊であるハードウェアグループ、Lab126を再編するという計画でニュースを賑わせた。小売業者たちは再びこの端末の在庫を一掃すべく、Fire Phoneをキャリア契約なしの189ドルで売り始めた。これには、Amazon Prime一年分(通常価格99ドル)が含まれている。これは〈残念ながら〉悩めるこのスマートフォンにとって初めての叩き売りではない ― 2014年11月に、AmazonはSIMロックフリーのFire Phoneを199ドルで販売した。その前にはAT&Tとの2年契約付き価格が199ドルから0.99ドルへと引き下げられていた。

バーゲン前のSIMロックフリーFire Phoneの価格は449ドルだった。

現在189ドルで売られている32GB Fire Phoneは、4.7インチ HDディスプレイ、13メガピクセルカメラ、2.2. GHzクアッドコアCPU、2 GB RAMを備え、さらにPrimeメンバー1年間および無料無制限写真用ストレージが含まれている。ただしこの端末はGSM専用であり、これは米国ではAT&TとT-Mobileでは使用できるが、Verizon、Sprint等のCDMAネットワークでは使用できないことを意味している。

同端末はAmazonの日替りセール品として189ドルで提供されているので、セール期間終了後には通常価格に戻る可能性がある。

189ドルという価格は、決して〈安く〉ないが、通常ならPrime会員1年分に99ドル払うことを考えれば、ぐっと魅力的な価格になる。

Amazonのスマホが失敗した理由は、この会社の強味を生かせなかったことだ ― 顧客はもっとシンプルで手軽に買えるものを期待していた。しかしAmazonは、ハイエンド機で市場に参入しようと試み、メガネ不要の3D効果、Dynamic Perspective等をはじめとする機能の研究開発費のために価格も高くなった。この端末はCEO Jeff Bezosの愛玩プロジェクトと言われており、内部の人間がFast Companyに伝えたところによると、Bezosは実質的にFire Phoneのプロダクトマネージャーとして振舞い、ハードウェアからソフトウェアまであらゆる面で決定を下したという。Bezosのリスクに対する欲求は成果をもたらすことが多いので、人々は彼の話を聞きあるいは口を閉ざした。

Fire Phoneのゴールは、端末価格を正当化する「大ヒット」機能を塔載して差別化したハードウェアで高い利幅を確保し、消費者にiOSやAndroid端末からの乗り替えを促すことだった。しかしAmazonにとって不運なことに、消費者はその機能の数々を受け狙い、もっと言えばうっとうしくて邪魔だと受け取った。さらに重要なことに、Amazonは価格設定を誤った。同社はわずか数万台しか端末を売ることができず、結局1.7億ドルの評価損を計上するはめになった

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


次世代MacBook Airは12インチ、エッジ・ツー・エッジ・キーボード、USB-Cコネクタ装備か

しばらく前からApple MacBook Airの12インチ新モデルが登場するという噂が流れているが、Apple情報に関して一貫して正確なサイト9to5MacのMark Gurmanが非常に具体的な情報を伝えている。それによれば、12インチMacBook Airのリリース時期は、ごく近々か、おそくても2015年半ば以前で、厚さや入出力ポートなどを含め、全体にぎりぎりまで削ぎ落とされた新しいデザインだという。

12モデルは現行11インチモデルの半分の厚さで、端のもっとも薄い部分からもっとも厚い部分へのテーパーは現行モデルに比べてずっとゆるやかだという。画面が大きくなったにもかかわらず占有面積は11インチモデルとほぼ同様。これはエッジ・ツー・エッジデザインのキーボードを採用したおかげだ。また画面周囲のベゼルも現行モデルに比べて細くなっている。

Appleは大胆にも、この新モデルではほとんどすべての入出力ポートを廃止した。残されたのは3.5mmオーディオジャックとUSB-Cコネクター1基だけだ。USB-CはLightningと同様、リバーシブルで裏表なしに挿し込める。また高精細度ビデオの入出力と電力供給ができる。したがって新しいMacBook Airは単一ポートにもかかわらず、これまでよりも多様な機器の接続が可能になる。

もし上記のような記事内容が正しければ(実際、TechCrunchが確認できた限りでは、現時点の開発状態を正確に伝えていると考えてよいようだ)、Appleは、ユーザーがもっとも重視するのが携帯性とミニマルなデザインだと考え、それに賭けているようだ。現在ではI/Oポートはワイヤレス接続で十分に代替できる。もちろん実機をテストするまではっきりした評価はできないが、USB-Cコネクタの能力が評判どおりなら私も入出力ポート数の少ないことには問題を感じない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


スキルなしの射手を名スナイパーにするTrackingPointスマートライフル実射レポート

1月の晴れた涼しい午後、私はラスベガスの郊外へ1時間ほど車を走らせた。魔法のようなスマートライフルをテストするためだ。開発者から受けた詳しい説明によると、この銃は誰でも、まったくスキルがなくても精密射撃ができるということだった。私は半信半疑だったが、ともあれ喜んで実地に試してみることにしたのだ。

私が広大な射撃施設に着くと、退職警官だと名乗る警備員に出迎えられた。メディアを好いてはいない雰囲気だった。大型のダッジで起伏した地形を縫う迷路を運ばれ、谷の縁に着いた。見渡すかぎりの砂漠は映画『アイアンマン』のオープニングのような光景だった。そこに改造されたAR-15ライフルが置かれていた。

ターゲットは300ヤード(270m)と500ヤード(457m)先に設置されていた。説明では、私でもTrackingPointの精密狙撃システムを使えば5.56mm弾をこれらの標的に命中させることができるはずだった。

TrackingPointの広報担当、Anson Gordonが要領を説明してくれた。クロスヘアをターゲットに重ね、ライフルの引き金の後ろにある赤いボタンを押してターゲットを指示する。引き金を引く。クロスヘアをもう一度ターゲットに重ねる。自動的に発射される。簡単だ。

実際、簡単だった。私は最初の1発から命中させることができた。事前の説明そのままの作動だった。

Gordonによれば、このシステムは4つの部分から成り立っている。スコープハウジングにはレーザー測距儀、ジャイロ、加速度センサー、磁気センサー、データ処理システムという全体の頭脳が収められている。射手は液晶スクリーンを見てターゲットを設定する。ライフルのロワーレシーバーにはターゲット指示ボタン、ズームボタン、カスタム・トリガーメカニズムが組み込まれている。台尻に収められたバッテリーが全システムを駆動する。また最大の効果を上げるためにはTrackingPoint専用仕様の弾薬を利用することが推奨されている。

テクノロジーはこうだ。射手は液晶ディスプレイを見ながら、トリガーガード内にあるボタンを押してターゲットを指示する。このシステムはターゲットが最大で時速30マイル(48km/h)の速度で移動していても追随する。スコープハウジング内のLinuxベースのシステムがターゲットを認識すると、即座にあらゆる射撃諸元を計算する。射手が引き金をフルに引く。しかしこの時点では銃は発射されない。射手がクロスヘア照準線をもう一度ターゲットに重ねるた瞬間に発射が行われる。システムは重力、空気抵抗、コリオリの力など必要な要素をすべて計算しており、銃身を飛び出した弾丸はターゲットに向かって飛んでいく。

スコープの光学系に入った映像はスマートフォン、タブレットにストリーミングされ、オンラインでの共有も可能だ。つまりコーチが助言したり、狩猟仲間が映像を楽しんだりするのにも使える。TrackingPointはいわば「ソーシャル・シューティング・システム」だ。

TrackingPointは2011年にJohn McHaleによって創立された。MacHaleはアフリカのハンティング・サファリから帰ったところで、自分の遠距離射撃の成果に不満だった。そこで「スキルのあるなしを問わず、誰でも精密射撃が可能なライフル」の開発を目標とするスタートアップが立ち上げられた。その成果がTrackingPointライフルだが、まさにSFの世界から飛び出してきたような銃だ。

重要な点はTrackingPointは全体として統合されたシステムで、その射撃管制能力は現代のジェット戦闘機に用いられているものに近い。つまり既存のライフルに後付することは不可能だ。

正直にいえば、この射撃体験はいささか拍子抜けだった。まったくドラマがない。私は引き金の引き方とか呼吸の整え方とか何もしらないし、またGordonも教えてくれなかった。教えられたのは単に「赤いボタンを押して、引き金を引け」ということだけだ。

TrackingPointシステムでは射撃の間隔は比較的長い。戦場で毎分何百発もの弾幕を張るような射撃の仕方には向いていない。ハンターとターゲット・シューターが想定される顧客だ。Gordonによれば、このシステムは対象動物を傷つけて長時間苦しませるような失中を無くせるので狩猟の倫理的側面を大きく改善するものだという。

システムにはWiFiが内蔵されており、光学系の映像をストリーミングする。GordonはiPad miniを通じて映像を見ながら初心者の射手をコーチしていた。射撃訓練にも非常に効果があることは一見して明らかだった。

ビジネス

ファウンダーのJohn McHaleは最初のスタートアップを1995年に3億7200万ドルでCompaqに売却した。これによりMcHaleは2400万ドルを資産を得た。その後McHaleはさらに2社を立ち上げ、Ciscoと3Comに売却している。つまりTrackingPointのファウンダーは成功した連続起業家だ。

TrackingPointはMcHale自身の出資も含め、3300万ドルの資金を調達している。最初のプロダクトは2013年に2万2000から2万7000ドルで発売されたが、このモデルは信頼性に欠け、完璧な製品とはいえなかった。しかしデモビデオがネットで評判を呼び、会社を存続させるだけの売上が得られた。

McHaleはレミントン、Amazon、SiemensやMotorolaの製品をデザインした会社などから優秀な人材をスカウトしている。 しかし初期製品の失敗でCEOは元レミントンの副社長のJason Schaubleから社内で開発の指揮を取ったJohn Lupherに交代している。

TrackingPointはアメリカ陸軍が6丁、カナダ陸軍が5丁、テスト用に購入しているという。

同社は製品の改良とコストの引き下げに務めてきた。私がテストした新システムはAR-15ライフルを含めて7500ドルだという。 テストした個体は最大射程1200m、対応移動速度10マイル(16kmh)だったが、追加費用を支払えばさらに高性能のモデルも購入できる。

TrackingPointでは .338口径の弾薬を使うMile Makerという製品を開発中だ。その名の通り、射程は1マイル(1600m)となる。つまりほとんど何の射撃技術もない人間が1マイル先の標的に難なく命中弾を送り込めるようになるわけだ。

Gordonの説明によれば、TrackingPointは射撃の安全性を高めるという。このライフルを発射するにはシステムを起動するパスワードを入力し、ボタンを押して目標を指示し、引き金を引いてからさらに照準を再度目標に合せなければならない。これは誤射、暴発の可能性をほとんどゼロにするはずだという。

その影響は?

どんな分野であれ、イノベーションを止めることは誰にもできない。TrackingPointは明らかに小火器の次世代の姿だ。射撃性能と安全性は格段にアップする。

すでにストリーミング機能がある以上、次の段階ではヘッドアップ・ディスプレイから操作できる偵察/狙撃兵用のデバイスが開発されることは必然だろう。そうなれば兵士はスコープを覗かなくても射撃ができる。TrackingPointではすでにこうしたデバイスを開発中で、ShotGlassと呼んでいる。

信頼性、耐久性、価格などいろいろな理由からTrackingPoint方式のスマートライフルが通常のライフルをすべて置き換えることにはならないだろう。ほとんど技術を必要としない銃を嫌うシューターも多いだはずだ。しかし銃は今後ますますスマート化していくだろう。なんとも怖い話だが、これは必然だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


お金持ちゲーマーとしてのシャキール・オニール

「シャックアタック」という言葉を知らない人も増えてきたかもしれない。しかしシャキール・オニール(シャック)は相変わらずの活躍ぶりであるようだ。

どうやらMonsterと協働して、水に浮かぶBluetoothスピーカーの開発を手がけたりもしたそうだ。「バスルームに持ち込むだけでなく、じゃんじゃん水をかけても大丈夫なんだ」とシャックは言う。

プロダクト名をSuperStar BackFloatという。水に沈めても、水を弾きながらすぐに浮かび上がってくるらしい。水の上で陽気に音楽を奏でてくれるわけだ。発売開始は今年後半予定で、価格は170ドル程度の予定だとのこと。

と、プロダクトもまあ面白そうではあるが、せっかくシャックに会えたのでいろいろと話をきいてみた。どんなアプリケーションが好きなのかという問いに返ってきた応えは「ゲーム」だった。

これまでで一番好きなゲームはMyVegasなのだそうだ。ゲームを通じてリアルなリワードを得られるのがうりのゲームだ。また、KillShotも好きだと話してくれた。名前の通りスナイプ系のゲームだ。但し、シャックが名を挙げたからといって、とくにそのふたつがお気に入りであるのかどうかは怪しいところであるようだ。聞けばなんと毎週1000ドルをアプリケーション内購入に費やしているそうなのだ。

「$1.99とか$4.99のゲームパックなんかには興味を感じないね。いつも“ビッグ”であることがシャック・スタイルなのさ」。

もちろんそうだろう。そしてそれだけの金額を投入していれば、きっとゲームでのスコアもビッグであるに違いないのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


FAA、不動産写真撮影のドローン使用を初めて認可


アリゾナ州ツーソンの不動産会社Tierra Antigua RealtyのDouglas Trudeauは、今日(米国時間1/6)不動産写真の撮影にドローンを合法利用できる最初の不動産業者になった。もしあなたが最近、地元の不動産屋でMLS(あるいはZillowかRedfin)の物件リストを見たことがあれば、ドローンから撮ったとしか思えない写真がたくさんあることに気付いただろう。しかしFAAの厳格な定義に基づくと、これらは合法的に撮影されたものではない。同局は未だにドローンの商業利用をほぼ全面的に禁止しているからだ。

FAAは今日、Trudeauが「学界の認知度を高め、不動産物件ビデオを向上させるためにPhantom 2 Vision+ クワッドコプターを飛ばすこと」を認可したと発表した。Vision+は、現在DJIの消費者向けドローンの製品ラインアップ中最上位機種である(3400ドルのInspire 1は、私の目には消費者向けと映っていない)。

さらにFAAは、ワシントン州スポケーンのAdvanced Aviation Solutionsにも例外措置を認めた。同社はsenseFly製の固定翼ドローンeBee AGを使って、作物の監視を行う。

ただし、Tierra AntiguaとAdvance Aviation Solutionsは、ただドローンを持って飛ばしに行けるわけではない。操縦士に加えて、近くに監視役を置く必要がある。操縦士はさらに「FAA プライベートパイロット資格および有効な診断書を保有し、UAS(無人飛行システム:FAAはドローンのことをこう呼ぶ)は常に視界に入っていなければならない」。当然のことながら、FAAの操縦士試験のこれらの質問に答えられなければ、Vision+を安全に操縦することはできない。

今日新たに与えられた適用除外措置によって、米国で商用ドローンの運行を認められた会社は計13社となった(現在13の会社に対して14の例外が認められている)。これはどう想像力を働かせても多いとは言えないが、実は昨年FAAは、いくつかの映画会社に例外を認めた際には反発も受けたという。FAAは、現在214件の例外措置要請を受け取っていると言っていた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


CES:SkySpecs、人間や電線を自動的に避けるGuardianドローンをデモ

SkySpecsはドローンの最大の問題を解決した。障害物の回避だ。今日(米国時間1/6)、CESで開催中のTechCrunch Hardware Battlefield 2015でSkySpecsは最初のプロダクト、Guardianを発表した。このドローンは人間が近づくと回転するブレードで怪我をさせないよう、後ろに下がる。 また飛行中、進路上に木や電線などの障害物があると自動的に避けることができる。

いちばん良いのは、このシステムが既存のドローン・プラットフォームに組み込める点だ。

SkySpecsは6年前からドローンの開発を続けており、DARPAが後援する権威ある国際ドローン・コンペ、MAGICでは2012年に1位を獲得している。ドローンに関してはトップクラスのチームだ。

SkySpecsによればGuardianはこのスタートアップの最初のプロダクトであると同時に、障害物自動回避機能のある最初のドローンだという。われわれのHardware Battlefield CES 2015のデモでは、人がローターブレードに近づくと自動的に離れていくという作動が確認できた。

SkySpecではこのテクノロジーを商用、産業用に実用化していく計画だ。

共同ファウンダーのThomas Bradyは私のインタビューに対して、「われわれはミシガン大学でロボット工学を学んだ後、SkySpecsを創立した。共同ファウンダーは、博士課程の学生やボランティア研究者で、地上、水上、空中のロボティクスの専門家だ」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、いよいよアメリカでSIMフリーのiPhone 6、6 Plusを販売開始

9to5Macの信頼できるライター、Mark Gurmanによれば、Appleは完全にSIMフリーのiPhone 6と6 Plusを今日(米国時間1/6)からアメリカで発売するという。SIMフリー版iPhoneは他のいくつかの国で昨年秋から販売を開始しているが、アメリカでは今回が初めてとなる。

現在でもT-Mobile版のiPhone 6、6 Plusには特別な契約が付随せず、事実上SIMフリーだが、AppleはこれまでアメリカではApple Storeなどの公式チャンネルからSIMフリー版を販売していなかった。

Gurmanによると、価格はストレージ容量によってiPhone 6は649ドルから849ドル、iPhone 6 Plusは749ドルから949ドルとなる。ストレージは16GB、 64GB、128GBの3モデルが用意される。

アンロック版の販売はこれまでも新モデルの発売から数カ月後に行われてきたので、今回も順当なスケジュールといえるだろう。

〔日本版〕日本では昨年12月にSIMフリー版の販売が突然中止された。SIMフリー版はAppleストアのカタログに現在も掲載されているものの、選択すると注文できませんと表示される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


光療法で頭髪を成長させるiGrowはまるでSFのようにクール、というかSF映画の小道具のよう

おヘアがうすくなってきた方に、朗報。Apira Scienceという新進企業が、低光療法(low-light therapy)…弱い光(レーザー、赤外線など)を当てる療法…で、もうすぐあなたのヘアを育て、お顔のお肌も若返らせてくれる。

信じられない?

私もそう思ったから、同社の製品iGrow(ヘア用)とiDerma(お肌用)をチェックしてみた。

同社によると、この技術はFDAの承認を得ており、大規模な試験により有効性を実証している。とはいえ、光療法で髪を伸ばし、肌をきれいにする、というアイデアは比較的新しい。

製品にはiPodにつなぐヘッドフォンがついている。ユーザはiGrowとiDermaの両方を、週に4回、各回25分以上装着しなければならないから、賢明なアクセサリだ。

お肌が若返るiDermaはまだ開発中で、その予価は300から400ドル。iGrowは600ドルあまりだ。

詳しくはここで

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))