Stircleで飲み物を混ぜる

私は自分のライフスタイルとしてゴミの産出を最小限に抑える努力をしているが(まあブログのポストはともあれ)、どうにもならないのがコーヒーを混ぜるための使い捨てスティックである(常にスプーンを持ち歩いていれば良いのだろうが…)。だが、この状況がStircleで変わるかもしれない。これは飲み物を混ぜるための小さな台である。

さて、もちろんこれは馬鹿げたアイデアだ。他にも心配しなければならないことがある。しかし正直に言って、ここで廃棄されているゴミの量は驚くべきものだ。デザインハウスのAmron Experimentalによれば、毎日4億本の使い捨てスティックが使われているということだが、それを疑う理由はない。私の地元のシアトルではその4分の1が使われていることだろう。

さてあなたが買ったアイスアメリカーノに、砂糖(またはアガベシロップ)とクリーム(またはアーモンドミルク)を混ぜたいとしよう。スティックに手の伸ばし、10秒から15秒間激しくかき混ぜる代わりに、カップをStircle(stir+circle:かき混ぜる+円)の上に載せることができる(このことについて最初に取り上げたのはNew Atlasといくつかのデザインブログだった)。これはおそらくコーヒーショップの什器の一部に組み込むことを想定しているのだろう。

回る回るくるくると…一体どこまで…。なるほど。

カップをStircleに置くと、回転を始める。まずは一方向に、やがて逆方向に。まるで木またはプラスティックの使い捨てスティックを使うこと無く、飲み物を均等に混ぜたという成果を誇るように。これは電気で動くが、レバーもしくはボタンでスプリングを圧縮する方式のものも想像できる。そうなれば、もっとエコなものになる。

ビデオでは、おそらく砂糖やその他の沈んでいる物質が、上方へと混ざりながら上がっていく様子が示されている。そしてまたそれは、再利用可能なタンブラーを含む、様々なサイズのカップをおけるもののように見える。蓋付きのカップが必要なことは明らかだ、そうでなければ液体はあらゆる方向に飛び出してしまう。テイクアウト用のコーヒーを注文しよう。このため店内で飲むときには、マグカップやトールグラスでサーブしてくれる近所のコーヒーショップでは利用できないことになる。

しかし、1つのソリューションが全てを解決しなければならないというわけでもない。例えば、これは、ほぼ全員がテイクアウトをする空港などでは素晴らしいソリューションだろう。よりスムースなマティーニのためにバーに導入しても良いかもしれない。

実際に、私は実験室の人たちが、自動マグネチック撹拌装置を使ってコーヒーをかき混ぜていることを知っている。これは実験室の備品の使い方として適切ではないかもしれない。しかし、これらもまたとてもクールな方法である。

読者はAmronのことをこれまでの数多い巧みなデザインのことで覚えているかもしれない。私が覚えていたのはKeybridSplit Ring Keyで、どちらもそれなりの期間使っていた。正直なところ、私は近所のコーヒーショップでStircleがすぐにでも見られるようになるとは思っていない。しかし世界中のStarbucksにそれが登場することを望んでいる。遅かれ早かれ、私たちは使い捨てスティック不足に陥るのだから。

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(翻訳:sako)

セガ、『メガドライブ ミニ』を今年中に発売

Nintendoに続き、Segaも同社を象徴するゲームシステム、Mega Driveのミニバージョンを発表した。商品は2018年中に発売予定。さらに同社は、Mega Drive発売30周年を祝って、Segaの名作ゲーム15タイトルをNintendo Switch向けにこの夏発売する予定だ。

Segaは新ハードウェアの開発をAtGamesに依頼した。AtGamesはかつて少々出来のわるいSega Genesis Flashbackを作った会社で、今回はもっといい製品になることを願いたい。Nintendoは自社のレトロシステムの細部にこだわった製品を作っている。mini NESとmini SNESは最高の過去を現在に持ってきたすてきな先祖返りだ。コントローラーのコードさえもう少し長くしてくれればよかったのだが。

子供のころ私はSNES派だった。両親がSegaのゲームは暴力的すぎると思っていたからだ。基本的に、Mortal KombatよりもKiller Instrinct。今ならScorpionのラストの動きにも対応できるかもしれない。

これでもノスタルジアが不足という人たちのために、Sega Agesシリーズのプロデューサー、下村一誠氏は、Sega DreamcastのゲームもSwitch向けに発売されることを示唆した。そうなればPhantasy Star OnlineやJet Set RadioがNintendoのシステムで動くようになる

なお本誌のイラストレーターの星、BryceはGenesiが北米以外ではMega Driveと呼ばれていたことを知らなかった。もちろん彼だけではない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソニー、ウルトラ低照度カメラ搭載の新XZ2 Premium発表

ソニーは今年2月のMWCのプレスイベントで次世代スマートフォンに超低照度対応カメラを搭載することを約束した。突然の発表はSamsungの最新のフラグシップモデルを牽制する意味だったに違いない。しかし同社が発表した最新モデルExperia XZ2の影も薄くするという皮肉な結果も招いた。しかし優秀なカメラを作れるのでなければソニーではない。

ソニーはこの約束を果たすべく、新しいXperia XZ2 Premiumを発表した。MWCで発表された時点ではまだあちこち未完成の状態だったと思う。ともあれPremiumの出荷は今年夏以降になる。

最終的にPremiumには通常のXZ2にはない機能が多数追加されたので、当然価格もそれに見合うものになるだろう。 アップグレードの中でも主要なものはやはりカメラだ(なにせソニーだ)。同社の発表によれば、Premiumeが搭載するウルトラ低照度対応カメラは静止画はISO 12800、ビデオも51200と高性能なものとなる。今朝(米国時間4/16)のプレスリリースによれば、 デュアル・リアカメラ( XZ2ではメインカメラが2台装備される)と独自のAUBE画像プロセッサーの利用によりこの能力が実現されたという。

このとおりなら印象は強烈だ。最近のSamsungの低照度対応カメラの能力をはるかに上回ることになる。私はソニーのスマートフォンの新モデルをいつも興奮して待つわけではないが、今回は期待が高まる。ソニーはいつもカメラの能力でわれわれを驚かせてきた。 実際、Xperiaの最大のセールスポイントもカメラだろう。残念ながらアメリカでの販売力はあまり強くない。

その他の新機能:ソニーのフラグシップモデルとしては当然だが4K HDRの高精細度ディスプレイとなる。動画撮影は4K、デザインは他のXZ2各モデルと共通で、これまでの角ばった直線的な箱型デザインが曲線を多用したスマートなものになる。バッテリーも3540mAhと強力でSnapdragon 845を搭載する。

ソニーのこれまでの戦略から考えて、この超低照度対応カメラはまずXperiaに搭載された後、社外に販売され他社製品に組み込まれ始めるだろう。しかもさほど遠くないうちにそうなると思う。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Roadie 2チューナーがギターチューニングに苦しむ私たちを救う

最初のRoadieチューナーは驚異的な製品だった。それは自動ギターチューニングシステムだ。あなたの携帯電話に接続して、ギターの弦の音を聞かせると、内蔵モーターを駆動して正しいチューニングを行ってくれるのだ。そして新しいモデル、129ドルのRoadie 2は、さらにクールになった。

私はRoadie 2を数ヶ月使っているが、今ではすっかりその虜(とりこ)だ。私は決して良い演奏者でもなければチューニングが得意でもなかった。私の耳はきちんと聞き取ることができず、そのへんのツールを使ってさえギターを正確にチューニングすることができなかったのだ。しかし、いまやRoadie 2を使えば、巻取り機をペグに嵌めて、ボタンを押すだけなのだ。弦を素早く爪弾けば、わずか数秒でチューニングは終了だ。

Roadie 2は完全に自己完結型で、USB-C経由で充電される。それ自身に振動センサーが内蔵されていて、現在の弦を検出し、それに応じてチューニングを行うことができる。このシステムでは、複数の弦楽器を追加することもできる。エレキギターやアコースティックギターだけでなく、バンジョー用のプロファイルを設定することさえ可能だ 。また、標準的なチューニングを行うだけでなく、自由なチューニングを行うことも可能である。高トルクモーターは、ペグをすばやく簡単に回転させて、弦の巻き上げや巻き戻しを行うことができる。

Roadie Tuner 2を使った巻き上げと巻戻し!

チームは昨年3月にRoadie 2をキックスタートし、今年になって出荷を開始した。入手して以来、私はそれをギターのチューニングに使い続けているが、それは非常に上手く働いてくれている。失敗したのは、1度だけ子供用ギターを不運にも巻き上げすぎてしまったこと位だ。パッケージに含まれているアプリを使えば、対象楽器やチューニングを調整することができる。

世の中のギタリストの中には、頭上の蛍光灯の音に合わせることができる人もいるし、デジタルチューナーをすばやく聞いてチューニングできる人がいることも知っている。だが私はそのどちらでもない。ということでRoadie 2は、ギターの才能がないことで終わりのない苦しみの呪いにかけられた私たちにとっての、神からの贈り物なのだ。少なくとも、いまやチューニングは私の得意とするところになった。

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(翻訳:sako)

Amazonのおならアプリは、Echoボタンを買う最大の理由である

本稿の執筆時点で Button Tooterのユーザーレビューはただひとつだけ存在している。★三つと文が三つからなるこのレビューからは、激しい感情の起伏が読み取れる。「アイデアが尽きたにことは間違いない!」とレビュアーは書いている。「ちょっと楽しい! これで音楽を作るゲームなんかどうだろう」。果たしてAmazonによるおならアプリの開発は、創造性の枯渇を真に意味しているのだろうか。

それとも、新しいハードウェアプラットフォームのキラーアプリをついに見つけた会社の兆候なのか。かつて「おならアプリ」は、使えないモバイルソフトウェアの代名詞だった。そして、短期間だが数年前の輝かしい瞬間に、おならアプリが様々なモバイルランキングのトップに躍り出たこともあった。

しかし、Echo ButtonはEchoファミリーの中でも常に好奇対象であり、そもそもある従業員の余暇プロジェクトが量産されることになった製品だ。Amazonはゲームメーカー何社かと提携を結んでいるが、これ以外のスマートホーム機器に大半の時間を注ぎ込んできたことは明らかだ。

私はEcho Buttonを欲しいと思ったことが一度もなかった —— そこへButton Tooterがやってきた。こうして私は、自分のEcho Spotにおならをさせるリモートボタンがいくらなら欲しいかを考えることになった。そして20ドルというのは、人生で5分間ほど純粋に子供のような時間を取り戻すためには小さな出費だと思えてきた。

人は瞬く間に歳を重ね、テクノロジーはわれわれを無慈悲で思いやりのない脱け殻にしていく。世界は敵意に満ち、われわれはこの貴重な瞬間にも、われわれ自身の手による地球破壊に近づいていることを感じているかもしれない。

しかし、絶え間なく変化するこの世界で常に言えることがある。おならは愉快だ。だから、友よボタンを押そう!

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソニー「Xperia Ear Duo」4月21日発売決定、LINE Clova対応の遮音しない左右独立イヤホン

eng-logo-2015ソニーモバイルは「Xperia Ear Duo」を4月21日に国内発売します。ソニーストアにおける販売価格は税別2万9880円です。カラバリはブラック・ゴールドの2色展開。

Xperia Ear Duoは、外界の音を遮断しない「デュアルリスニング技術」を搭載した左右独立型スマートイヤホンです。外の音と曲のサウンドの両方がクリアに聞こえるので、ジョギングなどの運動中や仕事中、人と会話をしながらでも、問題なく利用できるといいます。

さらに、ソニー独自の高音質化技術「ClearPhase」も採用。外界の騒音レベルに合わせて、自動的にイヤホン音量を調節する「アダプティブ・ボリューム・コントロール」も搭載します。

●まるで”耳にはめるスマートスピーカー”

Xperia Ear Duoは、いわば耳に装着するスマートスピーカーでもあります。Androidスマートフォンと連携すれば、LINEの音声AI「Clova」や、「Google Assistant」を利用可能。Clovaを使えば声だけでLINEメッセージも送受信したり、LINE Musicの音楽を再生することも可能です。なお、iPhoneと連携した場合、アップルの音声アシスタンス「Siri」のみ利用できます。

マイクは左右に2つづつ、合計4つ搭載。騒がしい環境でも声を拾い、ハンズフリー通話やボイスコントロールも快適に行えるといいます。

連続音楽再生時間は4時間。付属のケースはバッテリーを兼ねており、最大3回分の充電が行なえます。

●法人展開めざしJALと実証実験も

Xperia Ear Duo、およびXperia Earで最大5台までリアルタイムグループ会話できる「Anytime Talk」機能も搭載。ソニーモバイルは同機能の法人展開をめざし、JALと提携。機内での客室業務員のコミュニケーションを補助するデバイスとしての用途について、実証実験を行うとしています。

関連:ソニーの左右独立スマートイヤホン Xperia Ear Duo、遮音性『ほぼゼロ』の開放感が魅力

Engadget 日本版からの転載。

Robo Wunderkindで子どもたちがスマート・ロボットを組み立てられる――LEGO Mindstorm的だがもっとシンプル

LEGO Mindstormsは現在市場に数多く出ているプログラミングができるおもちゃのパイオニアだ。オーストリアのスタートアップRobo WunderkindはMindstorm方式のレゴ的なプログラマブルおもちゃを提供している。このスタートアップは2015年のTechCrunch Disrupt SFでデビューし、アクセラレーター、ベンチャーファンドのSOSV、企業育成のためのオーストリアの国営投資銀行、Austria Wirtschaftsservice Gesellschaft他の投資家からから120万ドル(100万ユーロ)を調達した。

他のプログラマブルおもちゃと比べるとRobo Wunderkindはブロックを組み合わせる方式を採用している。これはレゴ的だが、シンプルなブロックを組み合わせて何かを作る面白さを他のおもちゃは忘れているかもしれない。

Robo Wunderkindの核心となるのは単なるレゴ的ブロックの固まりをスマート化する特別なブロックだ。これには光、近くの物体、自身の移動などを検知する一般的なセンサーの他にWunderkindが開発した独自のセンサーを備えている。このブロックには超小型カメラ、赤外線発光/受信装置、小さいLEDモニターなどを組み込んでプログラムすることができる。

楽しいのはRobo WunderkindはLEGOアダプターが含まれており、独自ブロックの他に各種のLEGOブロックを利用してロボットを組み立てられることだろう。

Wunderkindでは2種類のアプリを販売している。 Robo Liveはロボットをリアルタイムでリモートコントロールする。もうひとつのRobo Codeは新しいユーザー・インターフェイスで子どもたちがロボットをプログラムするのを助ける。

Robo CodeはRobo Wunderkindでいちばんユニークな部分だろう。子どもたちはiPad上で仮想ブロックを組み合わせることで複雑なアルゴリズムを実現できる。これはループや条件分岐といったプログラミングの基礎を教えるのにすばらしい方法だ。

LEGO Mindstormsで作成されるような高度なロボットを作るのは難しいが、ロボティクスの基礎を学ぶにはRobo Wunderkindのほうが入門しやすい。子どもたちの成長に合わせてArduinoやRaspberry
Piに移行するのも容易だ。

Robo Wunderkindは2015年にKickstarterで25万ドルを集めることに成功している(プロジェクトは終了ずみ)。現在スターターキットは250ドルから入手できる。さらに多機能なプロ・キットも近く発売される予定だ。

 

〔日本版〕Robo WunderkindのSHOPページにはチャットボックス(画面右下隅のアイコン、言語は英語)が用意され、マーケティング担当者がリアルタイム(またはメール)で質問に答える。日本にも配送可能とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Fetch、倉庫オートメーション向けロボットの新種を投入

Fetch Roboticsは2500万ドルのシリーズBラウンドで2017年度を締めくくり、総調達額を4800万ドルとした。カリフォルニア州サンノゼ拠点のオートメーション企業に対する投資家の期待が高いことは明らかだ。昨今自動化された倉庫では、人員整理が行われているところが多いと言われているが、Fetchは人間と機械が力を合わせて働く環境の提供を約束している

本日(米国時間4/5)同社は、倉庫配送作業で発生する苦痛をいくらかでも取り除くためのロボットを2種類発表した。いずれも同社のロボット、VirtualConveyorに付加するプラグインモジュールだ。Virtual Conveyorは倉庫版のRoombaとでもいえるロボットで、A地点からB地点まで、人や物との衝突を避けながら無人で移動する。

RollerTopは、その名の通りロボットの上部に一連のローラーを付加する。ローラーはそれ自身が動力を持つためロボットはベルトコンベヤーまで移動して、位置をあわせて箱を送り込むことができる。もうひとつの新機能であるCartConnectは金属製スパイクのついたモジュールで、倉庫周辺でカートを拾って持ち運ぶことができる。

今週TechCrunchはCEO Melonee Wiseと、最近完成した同社のサンノゼ事務所で話をする機会を得た。Wiseによると、今回追加されたモジュールはFetchにとって大きな役割を果たすという。同社はロボティックハードウェア本体に大きな変更を加えることなく、このようなハードウェアアクセサリーとソフトウェアアップデートを中心にして機能を追加している。

これらのモジュールは、適切なアドオンを揃えることで幅広い作業をこなすシステムへを作り上げるための重要なステップだ。Amazonなどの企業が倉庫作業の概念を完全に変えてしまい、多くの企業が時流に遅れまいと戦っている。DHLがすでにFetchの機械を導入したこともその現れだ。

ロボットが、工場労働者に負担をかけている反復的で骨の折れる仕事をこなす実用的な存在であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Smartsheetの共同ファウンダーが大転換。次のプロジェクトは石拾いロボット

エンタープライズ向けコラボレーションのスタートアップでIPOを申請したSmartsheetの共同ファンダーは、急ハンドルを切って農業ロボティクスの世界に向かった。Brent Freiは地面から岩石を取り除く自動化システムに取り組んでいることをGeekWireに話した。これは、少々予想外ではあるが、まちがいなく悪くないアイデアだ。

昨年Freiが子供たちとちょっとした農作業をしていたときのこと、大きな石を拾ってトラクター・トレーラーに載せるというあまり元気のでない作業をしながら思いついた。これこそは自動化プラットフォームが得意とするところではないか?

半自動化のソリューションはいくつかあったが、何エーカーかの土地に放り出して「この大きさ以上の石を全部取ってこい」と言うだけのシンプルなものはなかった。

この水撒きや栽培や収穫に使われているさまざまなテクノロジーをこれに応用できないだろうか? まずは少なくとも彼自身が使えるものを作ろうと、10月にTerraClearを設立して「石拾いのルンバ」を作り始めた。

まだプロトタイプにもほど遠い段階だが、これは、自由な発想さえ持ち続けていれば、世界はコンピュータービジョンやロボティクスの新しい応用ができるオープンなところであることを示す好例だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

今年の新iPhoneは6.5インチX登場へ――Apple、画面に触れずに操作できる機能も開発中

BloombergがiPhoneの最新の情報を掲載している。これによればAppleはiPhone向けに新しいジェスチャー操作の仕組みを開発しており、従来のタッチ・ジェスチャーに加えて将来はiOSデバイスの画面に指を近づけるだけである種の操作ができるようになる。また今年発表される新しいiPhoneについても予想している。

スティーブ・ジョブズが最初にiPhoneを紹介したとき、タッチ・ジェスチャーという新しいインターフェイスの紹介に多大の時間を使った。 一切圧力を加えなくとも指を画面に触れるだけでデバイスが反応するというのは当時としてはまったく新しい経験だった。スワイプで新しい画面を出すこともできるし、写真の上で複数の指を使えばズームやピンチなどの操作ができる。

iPhone 6SでAppleは3D Touchというデバイスがタッチの圧力を検知する新しい方式を導入した。画面に少し強く触れると写真やメールのプレビューを表示させたり、ショートカット・メニューを開くことができるようになった。iPhoneは何段階の圧力を判別できるので、アイコンを軽く押してプレビューを表示させ、強く押して文書を開かせるなどの操作が可能だ。

Bloombergによれば、次世代のiPhoneは画面に指を近づけただけでに認識されるタッチレス・ジェスチャー機能を搭載するようになる。新機能がいつ導入されるのかは不明だ。作動ソフトにはまだ調整すべき要素が多いらしく、今年発表されるiPhoneにはまだ搭載されないようだ。

Appleは本体がカーブしたiPhoneも実験中だという。ただしこれはSamsung Galaxy S9のスタイルとは異なり、天地がバナナ型に湾曲しているという。

Bloombergはまた今年のiPhoneのラインナップに関して、KGI SecuritiesのAppleアナリスト、郭明池(Ming-Chi Kuo)のレポート(われわれの記事)を紹介している。この情報で間違いないようだ。Appleは3種のプロダクトを準備しており、まずiPhone Xがアップデートされる。新しいiPhoneは現行iPhone Xによく似ているが、LCD画面の採用によりXほど高価ではない。さらにアップデート版iPhone Xの大型タイプが用意される。

この大型Xは6.5インチのOLEDディスプレイを採用するというが、初代iPhoneの画面がわずか3.5インチだったこと考えると驚くべき大きさだ。しかし人々がスマートフォン上で過ごす時間がますます長くなっていることを考えると、こうした大型デバイスにも十分なマーケットがあるのだろう。

画像:Tomohiro Ohsumi/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

新しいiPad(第6世代)の分解レポートをiFixitが発表。メモリは前モデルと同じ2GB、修理しやすさは10点中2点

eng-logo-2015アップル製品の分解で有名なiFixitは、発売されたばかりの第6世代iPadを分解したレポートを発表しました。新しいiPadは前世代とほぼ同じ構造やパーツを踏襲しながら、A10 Fusionプロセッサの搭載やApple Pencilの使用を可能とするコントロールチップの追加を確認できたとのこと。

さらにiFixitは、教育現場における耐久性や修復のしやすさを他社製品と比較して検討。内部全体に接着剤が使用されているなどの事情から、「Repairbility Score(修理難易度スコア。高いほど修理しやすい)」は10点満点中2点と辛めの評価が付けられています。

新しいiPadを丸裸にする分解が進むうち、公式に発表されてなかった内部仕様が次々と明らかに。メモリは2GBでTouch IDチップは「NXP 8461A1」が搭載、バッテリー容量は8827mAhで、いずれも前モデルから据え置きです。

アップグレードが確認できたのはA10 Fusionプロセッサと、Apple PencilサポートのためのBroadcomのタッチスクリーンコントローラ搭載の2点。うち後者は10.5インチおよび12.9インチiPad Proに搭載されているものと同じで、この部分のみが「Pro」グレードとされています。

一方、新しいiPadは教育現場での使用がアピールされているものの、防水性能なし、充電ポートは交換できず、内部全体に接着剤を使用しているため部品は交換しにくい……ということで「修復の悪夢」が増えたとのこと。他社タブレットが10点を取っている修理難易度スコアでわずか2点、学校の先生がその場で修理するのは難しそうです。

ほんの少し救いとなるのが、デジタイザパネルがディスプレイと簡単に分離可能なこと。どちらかが壊れた場合、修復が簡単になると指摘されています。

第6世代iPadは米国内でChrome OSが60%近いシェアを占めているK-12(幼稚園から高校まで)の教育現場に向けて、15%弱にとどまるiOSの巻き返しを期待された戦略商品と言えます。

が、たとえば教育向けに作られたASUS Chromebook C202は修理難度スコア9点と高評価が付けられています。もともとタフな扱いが想定されていないiPadは、元気一杯の子供たちを相手に厳しい戦いを強いられるのかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

耳をふさがないイヤホン「ambie sound earcuffs」にワイヤレス版が登場——WiL・ソニー設立ベンチャーから

ベンチャーキャピタルのWiLソニービデオ&サウンドプロダクツが立ち上げたスタートアップ、ambie(アンビー)がファーストプロダクトとして、耳をふさがずに音楽を楽しめるイヤホン「ambie sound earcuffs(アンビー サウンドイヤカフ)」を世に出したのは、昨年2月のこと。それから約1年たった4月5日、今度はBluetooth対応の「wireless earcuffs(ワイヤレスイヤカフ)」が発売されることになった。

前作のサウンドイヤカフは、耳に挟んで装着するタイプのイヤホンで、耳穴をふさがないため周囲の音を聞くことができ、会話することもできるというもの。実は私も使っているが、オフィスで音楽を聴いていても人の話を無視しないで済むし、散歩などのときに車や自転車の接近にも気づくことができるので、重宝している。

新製品のワイヤレスイヤカフは、有線モデルの前作の特徴はそのままに、無線化した首かけタイプだ。

首かけ部分の再生ボタンを長押しすることで、Bluetooth接続したスマートフォンのGoogleアプリやSiriが起動でき、ランニングや料理中でスマホ操作が難しいシーンでも使いやすいように設計されている。一度の充電で連続6時間まで音楽再生が可能。耳への負担が少ないため、長時間使っても疲れにくくなっている。

カラーは全6色。価格は1万2000円(税抜)で、明日4月5日午前0時からambieのオンラインサイトで販売開始される。また、e☆イヤホン、タワーレコード、蔦屋家電、蔦屋書店、ビームスでも取り扱うという。

新製品発売にあたり、ambieディレクターの三原良太氏は「1号機では『ながら聴き』の特徴を正確に伝えるため、また、新規事業としてのリスクを下げるため、あえて有線のみの販売を進めてきた。発売以降たくさんの要望をいただけたおかげで、設立約1年の小さなベンチャーという体制ながら、Bluetoothに接続対応した新製品の開発を進めることができた」とコメントしている。

ambieは2017年1月の設立。資本金は3億円で、出資比率はWiLが67%、ソニービデオ&サウンドプロダクツが33%。「人と音の、関わり方を変えていく」を理念に掲げ、オーディオ製品やデジタルコンテンツの企画、開発、製造、販売を行っている。

ニットマシンで3Dのウサギが編めるシステム登場――カーネギーメロン大で開発

産業用編機がついに3D化する。Carnegie Mellon大学の研究チームは任意の3D形状をオンデマンドで編み出すことができるテクノロジーを開発した。3Dプリンターに似ているが、プロダクトはソフトだ。

セーター、シャツ、帽子などアパレルでニット製品は大人気だが、消費者からは往々にして不満が出る。長過ぎる、短すぎる、ぶかぶかだ、きつい等々。

消費者のどんな難しい要求にも答えられるような、3D形状を編めるシステムをCMU Textiles LabのJames McCannのチームが開発した。このソフトウェアは通常の3Dモデリングツールで作った形状をニッティングパターンに変換し、コンピューター制御の産業用ニッティングマシンでプロダクトを編み出すことができる。

ニッティングマシンは人間の編物職人のような柔軟性は持ち合わせていないので、ニッティングパターンが不適切だと糸がよじれたり、切れたり、機械を詰まらせたりする。しかし機械を使えば大量生産が可能で常に同一の仕上がりとなる。

CMUのニュースリリースで McCannは「ニッティングマシンを3Dプリンターなみに容易に扱えるようになる」と述べている。

こういう産業用ニッティングマシンを消費者が操作することはないだろうが、アパレルやぬいぐるみのメーカー、デザイナーには朗報だと思う。

McCannのチームは研究成果をこの夏のSIGGRAPHでプレゼンする予定だ。

画像:CMU

〔日本版〕CMUのプレスリリースのビデオにはトップ画像のスタンフォードバニーの他にドーナツ・アヒル、翼のあるヒツジなど多数の複雑な形状の3Dニットのサンプルが見られる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Nvidia、VR経由でリアル世界の自動車を運転!

本日(米国時間3/27)Nvidiaは、同社のGTCカンファレンスで意欲的なデモを披露した。それは映画「ブラックパンサー」からそのまま出てきたかのような内容だった。

「彼はここにはいません」とNvidiaのCEO Jensen Huangがステージ上のドライバーを指さして言った。「彼はライブビデオを通じてこのバーチャルワールドを見ています」。

ドライバーは会場のステージで、HTC Viveを着用し、ハンドルのついたコックピット風の車に乗っている。NvidiaのHolodeckソフトウェアを使ったしくみが搭載されている(ブラックパンサーで使われたのと同じLexus)。続いてビデオには、会場のコンベンションセンターを背にしたFord Fusionが映し出された。

ショウで見せたデモは、最小限の内容で簡単だが動作はたしかだった。VRの中のドライバーは自動車を完全に制御しているように見え、私有地内をゆっくりと走らせていた。彼はバンを避けながら100メートルばかり走って車を駐車した。

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車は走行中完全に無人だった。

Nvidiaはこのシステムが動いているプラットフォームや公開予定などについて一切明らかにしていない。デモは概念実証として行われた。Jensenはこんなことも言っていた。「これを何と呼んだからいいかもわからない。何がいいだろう?」

自動運転技術はNvidiaにとって壮大な市場であり、技術提供でリードしている企業でもある。今日のようなデモは、同社の能力をに注目を集める最高の方法だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iWorksアプリがApple Pencilをサポート――イベントで低価格スタイラス、クレヨンも紹介

シカゴで開催されたイベントでは、Appleがスタイラスの普及に力を入れていることが目立った。

Apple Pencilは新しい9.7インチiPadで利用可能になっただけでなく、 Apple自身の生産性ツール、iWorkでもサポートされる。Pages(ワープロ)、Numbers(スプレッドシート)、Keynote(スライド)すべてでPencilが利用可能となる。

シカゴのイベントでAppleがスタイラスをサポートする新しい低価格iPadを発表したのは教育マーケットで優勢なGoogleのChromebookに対抗するためだろう。

AppleはイベントでLogitechの新しいスタイラス、Crayonを紹介した。筆圧検知機能はないが価格は49ドルでApple Pencilの半値だった。

〔日本版〕Logitechは日本ではLogicoolブランドとなる。サイトにはまだCrayonに関する情報はない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple Pencil対応の低価格9.7インチiPad発売――シカゴでAppleイベント開催

Appleはシカゴでプレスイベントを開催し、いくつかの新製品を発表した。ここではApple Pencilをサポートする新しい9.7インチのiPadを紹介しよう。

従来Apple Pencilをサポートするのはもっと高価でもっと大型のiPad Proだけだった。今日発表された新iPadは一般消費者は329ドル、学校は299ドルで購入できる。その他の機能は従来の9.7インチiPadと同等だという。

紹介ビデオを見たところではベゼル、Touch IDセンサーなど現行の9.7版そっくりだ。ハード面ではApple Pencilのサポートが加わったことが唯一の変更のようだ。

iOS版のPages、Numbers、Keynoteはすべてアップデートされ、Apple Pencilをサポートするようになる。考えてみるとApple自身のiPad向けアプリがこれまでスタイラスをサポートしていなかったことがむしろ驚きかもしれない。

新機能はSmart Annotationと呼ばれ、当面ベータ版となる。たとえば学校の教師であれば宿題の採点にこのスマートペンシルを使えるだろう。

Appleはスペックについても簡単に触れている。新iPadにはLTE接続版が用意され、8メガピクセルのカメラ、各種の標準的センサー、A10 Fusionチップを搭載する。A10はiPhone 7で最初に登場した。Apple Pencilのサポートも含めて現行9.7インチからは歓迎すべきアップデートとなったが、プロダクトの本質的部分は変わっていない。

今回のイベントでAppleは現在App Storeに20万種類の教育アプリが登録されていると述べた。AppleはiPadをGoogleのChromebookに対抗できる機能をもった製品にしようと努力しているようだ。教育機関での魅力を増すため、AppleはiCloudの1アカウントあたりの無料ストレージ容量を通常の5GBに変えて200GBとした。

〔日本版〕日本のAppleサイトによればApple Pencilをサポートする新iPadの価格は37,800円(税別)から、Apple Pencilの価格は10,800円 (税別)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Marshall製ノイズキャンセリング対応ヘッドフォンが登場

Marshallといえば、ヘッドフォン市場でも高音質なプロダクトで知られている。そのMarshallが、アクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)機能を備えたヘッドフォンを発表した。名前はMarshall Mid ANCだ。価格269ドルのワイヤレスヘッドフォンで、昔ながらのMarshallらしいルックスを保持しつつ、最新のBluetooth aptXに対応している。

搭載される4つのマイクが周囲の音を検知して、無用なノイズをカットする。40mmドライバーを搭載し、良い音を聴かせてくれる。ノイズキャンセリング機能をオンにした場合のバッテリー駆動時間は20時間(Boseの最新モデルと同様)で、ノイズキャンセリングをオフにすれば30時間の駆動時間となっている。

市場には同様のスペックをもつヘッドフォンが溢れている状況ではある。しかし、マーシャル製のMid ANCには注目せざるを得ない。かねてよりバランスのとれた格好良さを追求しているメーカーとして知られているからだ。レトロなイメージももちつつ、しかしよくみればモダンで最新技術を採用している。個人的には買いだと思うがいかがだろうか。

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(翻訳:Maeda, H

この海洋動物用ウェアラブルは、邪魔することなく生態を追跡できる

海洋動物の追跡が困難である理由はいくつもあるが、どんな装置にせよ水中の過酷な環境で数週間耐える頑強さが必要であることは中でも大きな課題だ。現在クジラなどの動物の観察に使われている無骨な装置は、まもなく、より軽量なライバルに取って代わられるかもしれない。この柔軟で低価格な Marine Skinだ

サウジアラビアのアブドラ国王科学技術大学の研究者らが開発した超軽量センサープラットフォームは、既存のテクノロジーを着用するのは動物にとって快適ではない、という単純な心配から生まれた。Muhammad Mustafa Hussain率いるプロジェクトはRed Sea Research Instituteの協力を得て進められている。

Marine Skinは材料に柔軟なシリコン基質を使って、一定の水深でもねじれや回転、高圧に耐えられるように設計されている。装置は海水の塩分濃度や温度、水深などを追跡し、動物自身の好む場所や、動物が泳いだりはい回ったりする場所の水の状態を監視することができる。

電源には腕時計用のバッテリーを使用し、研究チームによると最適化すれば最大1年間持続する。ただし、遠距離から情報を送信する必要があれば条件は変わる。現在情報送信の方法はBluetoothのみで、送信可能距離が9メートルというのは巨大な海で使うにはあまり実用的とはいえない。しかし、それに対処する方法はある。

1基12ドル以下という価格は非常に安価である。量産すればさらに安くなる可能性もあり、目立たないデザインなので、クジラのように厳選された高価値な追跡対象だけでなく、大量の小動物に付けることもできる。

現在はまだプロトタイプ段階だが、研究チームは外部の協力を得て装置をテストし、進捗状況をFlexible Electronics誌で発表した。IEEE Spectrumに追加の詳細情報と写真が掲載されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

次期iPhoneの試験生産、早ければ4月〜6月に前倒し? 初期の品薄を繰り返さないためとの噂

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アップルが次期iPhoneの試験生産を、早ければ2018年第2四半期(4〜6月)に開始するとの噂が報じられています。

台湾の製造業界誌DigiTimesが台湾に本社を置くIC設計会社からの情報として伝える記事によると、昨年のiPhone Xでの3Dセンサーモジュール(顔認証機能「Face ID」に使用)製造における初期の歩留まり率の低さを繰り返すのを避けるため、とのこと。

iPhone Xの発売直前に生産量の削減が予測された際、その原因が3Dセンサーモジュールのうち、通称「ロミオ」の生産難航であると報道されていただけに、それがアップルにとって最大の懸念であるとの観測には説得力があります。

Digitimesのソースによれば、iPhone 8、iPhone 8 PlusおよびiPhone Xの売上高は「予想よりも低い」とのこと。しかし、次期iPhoneの早めの試験生産はスマートフォンの勢いを「再燃させる」と期待されるとともに、アップルのサプライチェーンパートナー企業は今年の受注見通しについて「だいたい楽観的である」と述べられています。

例年では、新型iPhoneのリーク情報やうわさは第2四半期に入ってようやく流れ始めるケースが多い(たとえばiPhone 8は2017年5月)なか、2018年版においては年初から続々と報じられています。前倒しに試験生産がスタートする噂と合わせて考えると、ちょうど辻褄が合うのかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

大工ロボットと一緒に家を建てよう

大工仕事の新参者(おんぼろだが頑丈な納屋を作ったことがある)として、私は良きパートナーのありがたみをよく知っている。測ったり、切ったり、押さえたりするのを手伝って第3第4の手になってくれる。人間に頼む場合の欠点は、お礼にお金や食事が必要なことだ。そんな私がチューリッヒ工科大学が作ったこのロボット大工アシスタントを見つけたときの喜びを想像してほしい。

複数機関の連携によるSpatial Timber Assemblies DFAB Houseプロジェクトは、家屋の枠組みだけでなく、設計の効率も上げようという取組みだ。

誰もが想像するように、プロジェクトのロボット部分を作るのは簡単ではなかった。作業場の天井に設置された1対のロボットアームが、木材を決められた長さに切断し、しかるべき位置においてドリルで穴をあける。

ほとんどの作業は人間の介入なしに行われ、何よりも補強材や足場を必要としない。これらのモジュール(部屋の大きさのバリエーションに応じて組み合わせが可能)は、事実上自立できるように特別な設計で作られていて、荷重や剛性は梁材の組み合わせによって対応されている

事前にCAD作業が行われ、ロボットは設計図に沿って、お互いぶつからないように気をつけて、ゆっくりとしかし効率的に作業する。

「プロジェクトに変更が加わると、コンピューターモデルが調整されて常に新しい要求に対応する」とプロジェクトを率いるMatthias Kohlerが説明した。こうした統合デジタル建築技術は、設計、計画、実施の隙間を埋める役目を果たす。

ボルト止めは人間の作業員が担当している。これも自動化できそうに思えるが、現在のロボットには作業に必要なセンサーやツールが備わっていないのかもしれない。

最終的に柱や梁は、これもプレハブ製のコンクリート柱で補強され、正確にこの配置に合わせて砂ベースの3Dプリンティングで作られた「スマート・スラブ」 に組み込まれる。3階建ての家は秋には完成して見学のために公開される予定。詳しくはプロジェクトのウェブページで。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook