Uberの自動運転部門がスピンアウトを前にトヨタやソフトバンクから1100億円超調達

Uberは、トヨタや自動車部品メーカーのデンソー、ソフトバンク・ビジョン・ファンドから計10億ドル(約1119億円)を調達し、自動運転部門をスピンアウトすることを明らかにした。

自動運転部門のスピンアウトは昨年10月ごろから推測されていたことだった。このスピンアウトは、Uberの主要事業から利益を上げていない部門を切り離して損失を縮小するのに貢献する。そしてUberのAdvanced Technologies Group(Uber ATGとして知られている)が、自動運転車両をマーケットにもってくるという難しい課題に専念することにもつながる。

今回の資金調達により、Uber ATGの企業価値は72億5000万ドル(約8114億円)になるとUberは発表した。出資の内訳は、トヨタとデンソーが6億6700万ドル、ビジョンファンドが残る3億3300万ドルを拠出する。

この出資は今年第3四半期に完了する見込みで、これは間もなく行われるUberのIPOにおいて投資家に新たな展望を提供する。Uberは2018年に18億5000万ドルの損失を計上していて、自動運転車や空飛ぶ車といった「ムーンショット」にかかったR&D費用4億5000万ドル超は損失の数字を大きなものにした。そうした資金を多く必要とするR&D部門を新会社として切り離すのは、Uberの決算数字を実際的なものにするのに役立つ。しかし明らかに損益ゼロもしくは収益化にたどり着くのは簡単ではない。

それでもなお、そうした数字はUberの勢いをくじくものではない。Uberは1世代に1社出てくるかどうかという企業として見られている。IPOで100億ドルほどを調達すると予想され、これにより企業価値は900〜1000億ドルになると報道されている。Uber ATGのスピンアウトそのものと同様、今回出資する3社の顔ぶれは驚きではない。

ビジョンファンド(そして親会社のソフトバンク)は2018年1月にクローズしたディール以来Uberをサポートしていて、一方のトヨタも昨年8月にUberに5億ドル出資している。トヨタとUberは自動運転車両のSiennaを2021年までにUberのサービスに投入すべく、ともに取り組んでいる。さらに協力関係を示すものとして、ソフトバンクとトヨタは合同で自動運転車両を使ったサービスを日本で展開する準備を進めている。

この2社はまた、Uberが株式の23%強を持つ東南アジアの配車サービス会社Grabも支援している。ソフトバンクは2014年から投資していて、トヨタは昨年10億ドルをGrabに出資した。この投資は配車サービス業界では最高額とされた。

「Uberグループで培われたテクノロジーとサービスネットワークに、トヨタグループの車両制御技術と量産ノウハウ、高度安全運転支援のガーディアンシステムを融合させ、より安全、かつ高品質で低コストの自動運転ライドシェア車両の実用化を目指す」とトヨタのコネクティッドカンパニーを率いる副社長の友山茂樹氏はプレスリリースで述べた。

以下にUberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏の短いツイートを掲載する。

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(翻訳:Mizoguchi)

ソフバンとトヨタ共同出資のMaaS企業「MONET」、ホンダと日野自動車から資金調達

ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資で誕生したMaaS事業のMONET Technologies(以下、MONET)は、日野自動車と本田技研工業(以下、ホンダ)から資金調達を実施したと発表した。両社はそれぞれMONETに対して2億4995万円を出資し、9.998%の株式を取得する。これにより、MONETの株主構成は以下のようになる。

今回の出資に関して、MONET代表取締役の宮川潤一氏は「この提携によって、日野のトラックやバスから得られる人や物の移動に関する車両のデータと、Hondaの乗用車などを活用したモビリティサービスから得られるデータが連携できるようになり、MONETのプラットフォームはさらに進化する」とコメント。

また、トヨタ自動車とは競合関係に位置するホンダ代表取締役の八郷隆弘氏は「Hondaは、MONETとの連携を通じて、モビリティサービスの社会受容性・顧客受容性獲得のための普及活動、モビリティサービスの実証実験、関連法令整備に向けた渉外活動などをよりスピーディーに推進し、日本のモビリティサービス産業の振興と日本における交通関連の社会課題の解決を目指してまいります」と話し、業界をあげたモビリティサービスの普及や渉外活動の重要性について触れている。

Uberが自動運転ビジネス強化のためソフトバンクなどから約1100億円を調達か

Uberが新しい資金調達ラウンドの実施を検討しているみたいだ。The Wall Street Journalが3月13日(現地時間)に伝えたところによると、同社は10億ドル(約1100億円)の資金を調達するためにソフトバンクのビジョン・ファンドなどを含む投資家との協議を重ねているという。今回の資金調達は同社の自動運転部門に対して実施され、その評価額は50億ドルから100億ドルになると見られている。

WSJによれば、この資金調達ラウンドは早ければ来月にもクローズするという。Uberは2018年にIPOに向けた申請を行っており、それを考えるとIPOと今回の資金調達ラウンドの時期は重なることになる。

Uberはこれまでに、デットとエクイティを含めて約200億ドルを調達済み。現在のバリュエーションは約700億ドルにのぼる。

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(この記事は米国TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

ソフトバンクがラテンアメリカで50億ドル規模のファンドを設立

ソフトバンクグループ(以下SBG)は3月7日、ラテンアメリカ市場に特化したテクノロジーファンド設立したと発表。規模は50億ドルで、SBGは20億ドルを拠出する予定だ。

「ソフトバンク・イノベーション・ファンド(仮称)」と命名されたこのファンドでは、アルゼンチンやブラジル、チリ、コロンビア、メキシコなどラテンアメリカ全域で、Eコマース、デジタルファイナンスサービス、ヘルスケア、運輸業、保険業といった領域のスタートアップに投資する。

SBGは同日、「ソフトバンク・ラテンアメリカ・ローカル・ハブ(仮称)」を設立することも併せて発表している。このグループでは、ソフトバンクのポートフォリオ企業のラテンアメリカへの進出を支援し、事業展開地域の拡大をサポートするのだという。

「ラテンアメリカで育った私は、人々がもたらす創造性と情熱を直に見てきました。数多くの革新と創造がこの地域で起きており、ビジネス機運はかつてないほど高まっています。ソフトバンク・イノベーション・ファンドは、産業を再定義し、多くの人々に新たな経済機会を創出しようとしているラテンアメリカ企業へ投資していきます」

そうコメントしているのは、新たなファンドの投資、運営の全体統括の責務を担うSoftBank Latin AmericaのCEOに就任したマルセロ・クラウレ氏。同氏は、現任のSBG取締役副社長 COO、SoftBank Group InternationalのCEO、Sprint CorporationのExecutive Chairmanのポジションも継続して務めることとなる。

SBGいわく、ラテンアメリカ市場の特異性と急速な経済発展は、世界の10%を占める人口と世界全体の8%(インドの2倍、中国の2分の1)に相当するGDPに伴うものだという。

ラテンアメリカには3億7500万人のインターネットユーザー、そして2億5000万人のスマホユーザーが存在する。また、Eコマースの売上高が、2015年の298億ドルから2018年には540億ドルに増加するなど、消費者行動がオンラインショッピングに大きくシフトしているという。

加えて、“その地域に足りていないもの”に関してもSBGにチャンスをもたらすだろう。銀行業務はオンラインが主流となりつつある一方、ラテンアメリカでは人口のおよそ7割である約4億人が銀行口座を開設していない。

ソフトバンクはこれまで、ラテンアメリカでは、ブラジルの配車サービス会社99(結局はソフトバンクも支援しているDiDi(滴滴出行)に買収されたが)や、同じくブラジルの配送アプリLoggiなどに投資してきた。

ソフトバンク、自動運転配達のnuroに9.4億ドルを資金提供

自動運転配達のスタートアップNuroが、9.4億ドルの資金をSoftBank Vision Fundから調達した。驚きの金額は同社の配送サービスの拡大、新規パートナー獲得、人材強化、自動運転ロボットの規模拡大などに使われる。

NuroはSoftBank、Greylock Partners、およびGaorong Capitalから合計10億ドル以上を調達している。

「われわれは過去2年半の期間に素晴らしいチームを結成し、最初の無人サービスをスタートし、素晴らしいパートナーたちと共にわれわれの日常生活を根本的に改善するテクノロジーを開発してきた」とNuroの共同ファウンダー、Dave Fergusonが声明で語った。「この提携によって、地域商業に関するわれわれのビジョン実現を次のステップに進め、われわれのテクノロジーを広く応用する機会を得ることができる」

Nuroは、自動運転システムを開発し、これを地元商品のラストワンマイル配達のために設計されたカスタム無人自動車と組み合わせてきた。配達車には車室が2つありレジ袋が最大6個ずつ入る。

「Nuroのワールドクラスのチームは、自動運転技術を実験室から路上へとスケールアップすることに成功した」とSoftBank Investment Adviserのパートナー、Michael Ronenが声明で語った。「わずか2年の間にDaveとJiajunらのチームは、ロボットを小売店や顧客とつなぐことによって、Nuroをコンセプトから真のビジネスへと発展させた」

2018年同社はKrogerと提携してアリゾナ州で配達サービスのパイロットテストを行った。テスト車には当初Toyota Priusが使われていたが、昨年12月には配達専用ロボット置き換えられた。R1と呼ばれる無人運転車は、アリゾナ州フェニックスに隣接するスコッツデールの郊外で非常用ドライバーなしの自動運転サービスを運行している。

今はこの自動配達サービスが注目を集めているが、Nuroが同社の自動運転技術を、無人トラック運送のスタートアップ、Ikeにライセンスしたことも注目に値する。

IkeはNuroのシステムのコピーを利用しており、今回のラウンドに基づくとその価値は数十億ドルと思われる。NuroはIkeの少数株を保有している。

先週Ikeは自身の5200万ドルの調達ラウンドを発表したが、Nuroとの継続的な技術関係はない。以前Ikeのファウンダー・CEO Aleden Woodrowは、このコピーは(完全に派生した互換性のない)「ハードフォーク」だと説明した。

このライセンス契約は、Nuroの経営陣がビジネスの多様化を望んでいることの現れだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

全国1万校の実績、ClassiとEDUCOMが学校教育向け支援で連携

ClassiとEDUCOMは、初等中等領域において「学習支援」×「校務支援」に関する教育サービスを共同提供する目的で、戦略的パートナーシップを締結した。これによりClassiはEDUCOMの株式の過半を取得し、EDUCOMはClassiグループに入る。

Classiは、ベネッセホールディングスとソフトバンク(現・ソフトバンクグループ)の合弁会社として2014年4月に設立。クラウド型学習支援プラットフォーム「Classi」の提供を通じて、アダプティブラーニング、アクティブ・ラーニング、コミュニケーション、ポートフォリオの4つの視点で学習を支援している。約5000校ある全国の高校の4割超となる約2100校で導入されている。

EDUCOMは、全国の小・中学校や教育委員会向けに教職員の校務の効率化を支援する統合型校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」を提供。具体的には、成績処理はもちろん、学校運営、学級経営に関わる校務全般を支援する。全国の約320自治体、約6900校の小・中学校にて活用されているという。

今回のパートナーシップについて、Classiの代表取締役副社長である加藤理啓氏は「30年前から、校務支援という新たな市場を創りリードしてきたEDUCOMと戦略的パートナーシップを締結できたことを大変うれしく思います。両社が有する深い専門知識と実績を組み合わせ、『学習支援×校務支援』においてシームレスなサービスを、小・中・高校の全領域において提供することで、日本の学校教育、先生、児童・生徒、保護者に対して大きな貢献ができると考えています」とコメント。

一方、EDUCOMの代表取締役/CEOを務める柳瀬貴夫氏は「EDUCOMは、ICTを活用することで、授業以外のさまざまな雑務に追われている先生方の業務を効率化し、先生方が子どもたちと過ごす時間や、授業準備にかける時間を増やし、学校をもっと元気にしたいと考えています。Classiとともに全国の小・中・高校に、校務支援を柱にした周辺領域への支援を行うことで、日本の教育を変えていきたいと思っています」とのこと。

写真左より、Classiの山﨑昌樹代表取締役社長、EDUCOMの柳瀬貴夫代表取締役/CEO、Classiの加藤理啓代表取締役副社長

現時点ではClassiは高校での学習支援、EDUCOMは小中学校の校務支援と得意分野が異なるが、同じグループとなることで高校での校務支援、小中学校での学習支援といったシナジー効果を発揮できるか注目していきたい。

UberのパートナーFairはソフトバンクから3億8500万ドルの投資を受け世界の自家用車に変革を起こす

カリフォルニア州のスタートアップFair.comは、車を購入するものから、安価で勘弁なリースするものへと自動車産業の舵を切ることを目的に、本日(現地時間12月20日)、野心的な、新しい大きな一歩を踏み出す。

Fairは、ソフトバンク率いる3億8500万ドル(約428億円)という巨額のシリーズB投資ラウンドによる資金を調達した。この投資には、Exponential Ventures、Munich Re VentureのERGO Fund、G Squared、CreditEaseも参加し、このビジネスの世界展開を目指す。Fairは、運転免許証とクレジットカード(または銀行口座を証明するもの)があれば、日常的な個人使用でも業務用でも、誰にでも柔軟なリースのオプションを提示してくれる。昨年、密接な協力関係にあったUberは、そのリース部門を今年の初め、Fairに4億ドル(約444億7500万円)で売却した。これによりUberは、ドライバーに車両を用意することができる。この方式を、他のライドシェア企業にも広めたいと考えているのだ。

「計画では、ビジネスを10倍にすることです」とCEOで共同創設者のScott Painterはインタビューに答えて話している。Fairはすでに、アメリカの15の州(25の市場)で事業を展開し、毎週、新しい街に進出している。今日までに、2万件以上のリース契約を行ったと彼は語っている。「去年は劇的な成長を遂げました」

今回の投資は、ソフトバンクがビジョンファンドを通じて行った、技術業界全体からしても、このシリーズの最新にして最大のものであり、とても戦略的な意味を持つ。

ソフトバンクは、ライドシェア業界では世界最大の投資企業であり、Uberだけでなく、中国のDidi、東南アジアのGrab、インドのOla、アメリカのGetaroundも支援している(その他、食料品配達スタートアップDoordash、ドイツの自動車販売プラットフォームAuto1、自律運転車両の企業Cruise、マッピングのスタートアップMapboxなどといった、自動車、運送関係の数多くの企業にも投資している)。

その長期計画の中には、Fairを使って、より多くのドライバーに車両を与えることでライドシェア産業を拡大するというものがある。すでにUberで行っているように、ドライバー志望者に車両を素早く提供できるようにするのだ。

「Fairなら、ライドシェアを世界規模で展開できると思っています」とソフトバンク・ビジョンファンドの投資家Lydia Jettは、TechCrunchとのインタビューで話していた。「これがソフトバンクのポートフォリオに何を加えるのか、またその逆を見るのが、大変に楽しみです」

Painterによれば、Fairは昨年から今日まで、ソフトバンクと話を続けてきたという。ソフトバンクが投資を決めた理由には、FairがUberの事業を好転させた実績があった。

「Uberは、私たちを納得させるケースとなりました」とJettは言う。「投資家としては、2つの異なるチームによって運営されるひとつの資産に注目することは滅多にありませんが、Fairのチームは、Uberがうまくできなかったことを解決しようとしていました。彼らは資産を好転させ、それが多大な付加価値を与えることを証明して見せたのです」

Painterは、自社の評価額について、直接的に述べることは決してしなかったが、今回のラウンドによってFair.comが調達した投資総額は、現在のまでにおよそ5億ドル(約556億円)になった話している。また、私は推測するところでは、Fairの現在の企業価値は、株式投資家が集団で事業を支配していない状態で、10億ドル(約1112億円)は下らない。

株式投資の他に、Fairは車両を揃える目的で最大10億ドル(約1112億円)の借入資本を確保した。Painterが私に話したところによると、今回の投資により、同社は必要なときに必要に応じて大きくなる借金の壺ができたという。「平たく言えば、株1ドルにつき10ドルの借金ができます。その現金を使って車を買うのです」

データを使ってスケールを拡大する

Painterは、株式投資はおもに、より多くの市場に事業を広げるために使われると話しているが、それはライドシェア業界に留まらず、「ギグエコノミーの中にいるあらゆる労働者」も含まれる。とは言え、一部の投資は同社の技術プラットフォームにも引き続き割り当てられる。

このプラットフォームには、近年成長してきた金融サービスに共通するものがある。ビッグデータの解析と人工知能を利用するというものだ。Fairは、手続きをできる限り簡便化して、ちょっと興味を持った人を、本物の顧客に変えることを目指している。

この場合は、同社の新車または新車に近い車(こちらが主だが)を借りたい人は、たった2つの書類を提出すればよい。自動車運転免許証と、クレジットカードか銀行口座を証明するものだ。

これを元に、Fairは申請者の資産概要をバックエンドで組み立て、リースが可能かどうかを即座に判断する(それだけでも大きな成果だ。車のリースや購入には、多くの人の手と時間を要する手続きが付き物だからだ。そうした手間を省くことができる)。利用者は車を「サブスクライブ」(定額利用)することになる。契約は5日前の通知で解約できる。プランは130ドル(約1万4500円)からとなっている。

車両の側でも、Fairは計算を行っている。どの車種に需要があるかを見極め交渉を行う。自動車販売業者(すでに3000社と契約している)との間で価格を決め、車を入手するための、確かなビジネスの流れを作る。

そのビジネスのデータの流れには、無駄な側面はないようだ。

「私たちのアプリは、およそ200万本インストールされていて、中古車を探している人のための大変に便利な場になっています」とPainterは言う。「それを通じて、私たちは利用者とその購買行動の情報を手に入れ、それをもとに、どの車種や製品が適しているかを考えることができます。データ駆動形の深層学習の実践です」

Painterの事業は、車を所有せず、すべての人がリースする自動車産業を前提としている。好都合なことに、それは、自動車産業はすでに変化し始めていると信じる大勢の人々の考えと一致している。

変化はこのように起こる。自動車がより高性能になる。そしてより高価になり、人々の手が届きにくいものとなる。または、自分で運転するのを嫌うようになる(まさに、自動車メーカーはそんな未来のための準備を始めている)。

人々が移動サービスを好むようになるか、まだ自分で運転したいと思うかに関わらず、自分で車を買うことはなくなる。こうした傾向を、オンデマンドサービスで見てきた大きな経済の変化と合体させると、効率的で、納得価格のリースというビジネスモデルとなり、人々は一度試してみようと思うようになる。

長期的には、個人に車を提供する以外に挑戦したいドライビング・シナリオがあるとPainterは言っている。

「今、私たちは乗用車と個人の移動にフォーカスしていますが、小型の運搬車という商用利用も考えられます。たとえば、小さな運送会社やパン屋、花屋など、輸送が必要なすべての業種が対象です」とPainter。「しかし、2019年はUberや同業の企業を助けることが先決です。そこには明確な要請があります。彼らを成長させるために、私たちはオフバランスシートでやっていきます」。Uberも同業の企業も、いずれは株式を公開する。それが来年である可能性もある。まさに、成長という名のゲームの始まりだ。

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(翻訳:金井哲夫)

ソフトバンク東証1部上場、終値ベースでは6兆強の時価総額にダウン

ソフトバンクグループの通信子会社ソフトバンクが12月19日、東京証券取引所第1部に上場した。初値は1463円、終値は1282円と公開価格の1500円を下回る価格で、初日の取引を終えることとなった。初値ベースでは7兆35億円と7兆を超える時価総額だったが、終値ベースでは6兆1370億円となっている。とはいえ、ソフトバンクグループが調達した資金は初値ベースで約2兆6000億円と、国内では過去最大規模の金額となった。

ソフトバンク代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮内譲氏は、15時30分から行われた上場記者会見でまず、12月6日に起こった通信障害について謝罪。「事象発生を重く受け止め、再発防止策の徹底を図る。サービスの安定的な運用に取り組む」と述べた。

その後、これまでの事業展開について「PCのインターネット回線、携帯電話、スマートフォン、そしてIoTやAIと、パラダイムシフトを経ながら会社自体を大きくしてきた。厳しい環境にあった日本テレコム、Vodafone、ウィルコム、eアクセスなどを束ねて再生してきた」と説明。「逆境に強い」と自社を評価した上で、「我々自身がより自分自身を強化し、事業基盤を拡大して革新的なサービスを提供してきた」と述べている。

今後の施策では「Beyond Carrier戦略」の推進に言及。「スマホ契約数の拡大、オペレーションの効率化、付加価値の提供と、5Gを含めたネットワークを使った新しい事業を通信事業としてやっていく。と同時に、その上での新しい事業をビジョンファンドが投資する先とも連携しながら、日本に最も合う事業を新規事業として取り入れ、これから事業を大きく増やす」と話していた。

新しい取り組みでは、PayPayについて、まずセキュリティコード入力回数の上限が設けられていなかったことによるクレジットカードの不正利用について謝罪。「改良は完了している」と説明した。12月4日から実施された100億円キャンペーンについて「名称認知、サービス理解、利用意向でもトップを獲得。日本のQR決済を広げるチャンスとみている」と述べた。

2月に日本上陸を果たしたWeWorkについても「11カ月で8拠点を展開。これは世界でも最速のスピードで、大変受け入れられている。今後も力を入れて、コミュニティをベースにした働き方の環境を一気に広めたい」と話した。

さらにトヨタとの提携で実施するモビリティサービスMONETについては、年度内の事業開始を予定している、とあらためて述べ、「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)をはじめ、“アズ・ア・サービス”で展開するものは、確実にネットワークプラットフォームを使う。我々にとって親和性の高いビジネスができる」としている。

ソフトバンクは上場にともない、決算情報を発表(PDF)。2019年3月期の売上高は3兆7000億円、純利益は4200億円と、前期を4.8%上回る利益が見込まれている(国際会計基準)。2019年3月期の配当については、連結配当性向85%の2分の1程度を目安に金額を決定する方針だという。

また、12月6日に起こった通信障害の詳細と対策については、代表取締役 副社長執行役員 兼 CTOの宮川潤一氏が説明を行った。

11カ国同時に発生した通信障害の原因は既報の通り、LTE交換機のソフトウェア不具合(証明書の有効期限切れ)であるとし、暫定的な対策として、商用設備における証明書の「有効期限」総点検、ラボ試験による将来の日付での動作確認実行、旧ソフトウェアによる緊急立ち上げ手順の時間短縮かを図ると説明。

また、恒久的には証明書の確認・更新を可能とするソフトウェアの切り替え、システムアーキテクチャの見直し、交換機のマルチベンダー化による対策を実施すると述べた。

常時素行調査の信頼のジレンマとファーウェイとソフトバンクのIPOの話

まず、スタートアップでの初めての素行調査、それからファーウェイの財務のトップの逮捕、ソフトバンクの新規株式公開(IPO)の応募開始、そしてTechCrunchのポッドキャストEquityの次の話の録音。これらすべては、2018年12月6日の木曜日の出来事だ。

TechCrunchでは、新しいコンテンツ形式を試すことにした。これは、その新しいスタイルの草稿になる。どうか、率直なご意見を賜りたい。気に入らない部分があれば、本記事の著者である私、Dannyに直接メールをいただきたい(danny@techcrunch.com)。

常時素行調査のジレンマ

私の同僚のJohn Biggsは、イスラエルに本拠地を置くスタートアップIntelligoシリーズA投資ラウンドについて取材をした。同社は、従業員が犯罪を犯したり、会社の規則を逸脱したときに、即座にわかるように常時素行調査を行うOngoing Monitoringを提供している。これまでは、人工知能と機械学習を使って素行調査を効率的に行うことに主眼を置いていたが、少し方向性が変わったようだ。

素行調査は巨大産業だ。サンフランシスコに本拠地を置くCheckrは、おそらくこの分野でもっとも名の知れたスタートアップだが、Crunchbaseによれば、Uberなどの企業が数千人の臨時職員を雇い入れることから、その必要に迫られて事前に1億4900万ドル(約168億円)の資金を調達した。Checkrは、今年の7月に、すべての従業員の問題行動を常時監視するためのContinuous Checkという製品を立ち上げている。

ここで、数週間前にOlivia CarvilleがBloombergに書いた記事を思い出して欲しい。従業員の経費を監視し、不正が疑われる者に警告を発する「アルゴリズム監査人」」が増えている現状を探った内容だ。

評判が傷つくことを恐れるアメリカの企業は、不正出資によって1年間に失われる経費の額は公表したがらない。しかし、4月に発表された不正検査士協会の報告では、分析の結果、2016年1月から2017年10月にかけて2700件の不正があり、損失額は70億ドル(約7890億円)にのぼるという。

しかしここで、ある疑問がわく。私たちは、犯罪と出資を常時監視されている。多くの企業は、ウェブのトラフィックと、電子メールやSlackやその他の通信を監視している。職場での私たちのあらゆる行動が覗かれ、「規範」に従うよう強制されている。

それでも、中国の社会信用システムには批判が集まっている。それだって、犯罪記録を監視して、財政的な不正がないかを見て、人々をそのスコアで評価するものではないか。いつになったら雇用主は、我々の「従業員としての善い行い」をスコア化して、Slackのプロフィールに載せてくれるようになるのか。

もちろん、どのスタートアップも企業も、素行調査をやりたがっているわけではない。だが避けることもできない。そこが難しいところだ。従業員の変化や不正を常に監視していることには、おそらく意味がある。もし、ボブが週末に人を殺していたら、月曜日の打ち合わせでボブに合うときには、そのことを知っておきたい。

しかし、常時監視が、従業員から求められるもうひとつのものを台無しにしてしまう恐れがあることを無視してはいけない。それは信用だ。職場での一挙手一投足を厳重に監視されるようになれば、従業員は、もし監視システムが職場の物を持ち逃げしても何も言わないなら、それは許されることだと勘違いするようになってしまう。監視がない場合は、信頼が頼りだ。監視の目に囲まれていたら、規範が行動の原則として刻み込まれる。規範にさえ違反しなければ、何をやってもいいと。

中国では、社会的信用がきわめて低いため、なんらかのスコア付けのメカニズムで代替することには合点がいく。しかし、スタートアップや技術系企業の場合は、信用という(監視されていなくても正しい行いをする)文化を築き上げることが成功の必須条件であると私は考える。だから、常時型サービスを契約する前に、私なら二度見をして、その潜在的な有害性を考える。

もし私がスタートアップの従業員だったら
中国出張はよく(よくよく)考える

 

写真:VCG/VCG Getty Imagesより

 

先週、トランプと習近平は、中国製品に対する関税の実施を延期することで合意し、月曜日にはアジアのタイムゾーンで中国(ハイテク)株が上昇傾向を見せた。私は、関税実施の延期は米中問題解決にはつながらず、そうする意味がわからないと記事に書いた

市場は中国経済のみならず、アメリカのリーダーシップについても判断を大きく誤っていると私は考える。

そして、とくにファーウェイとZTEの参入制限についてこう書いた。

これらの禁止措置が解かれることがあるのだろうか? アメリカの安全保障に関わる機関は、ファーウェイとZTEがアメリカ国内で機器を展開することを許さないだろう。それは、これまでと変わらない。率直に言って、この選択によって中国のすべての非関税障壁が取り除かれ、ファーウェイがアメリカに戻って来られたとしたら、アメリカの交渉係はそっぽを向く。

そのため、ファーウェイの財務のトップが、昨夜、アメリカの要請によりカナダで逮捕されたことは喜ばしい(彼女ではなく私にとって)。私の同僚、Kate Clarkはこう書いている。

世界最大の電気通信機器メーカーであり、世界第ニのスマートフォンメーカーでもあるファーウェイの最高財務責任者、孟晩舟(メン・ワンズー)は、The Globe and Mailが最初に報じたとおり、アメリカのイランに対する経済制裁に違反した疑いで、カナダのバンクーバーで逮捕された。

ファーウェイはこれが事実であることをTechCrunchに認め、ファーウェイの創設者、任正非(レン・ツェンフェイ)の娘でもある孟晩舟は、カナダへ向かう飛行機に乗り換えたニューヨークの東地区連邦裁判所から詳細不明の罪状で告発されたと話した。

トランプ政権が、関税以外に、どのような方法で貿易戦争を戦おうとしていたかが、これでわかった。中国でもっとも有名なハイテク企業を狙っただけでなく、ついでにその創設者の娘も捕まえるという、トランプ政権の強引な一手だ。

中国は、彼女の身柄の返還を求めている。

落とし所はここにある。中国は、劉昌明(リウ・チャンミン)のアメリカ国籍の2人の子どもたちの出国を拒み、父親が中国に戻って不正事件とされる問題で刑事司法手続きに従うまで、彼らを実質的な人質にしている。アメリカは、中国大手企業役員である有名な女性を拘束している。つまり報復だ。

2つの国を行き来するスタートアップの創設者や技術系企業の役員たちの、出国ビザや身柄引き渡しの心配をする必要は、私たちにはない。

ただ、これらの国を従業員が頻繁に往来している企業の渡航セキュリティー管理部門は、この話の展開に目を光らせておくべきだと私は強く思う。偶発的に「ちょっとした人質」にされる事件が多発し、二国間の仕事をずっと困難にする恐れが十分にあるからだ。

ざっとご紹介
ソフトバンクはIPOで多額の資金調達

KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images

 

Bloomberg日向貴彦の記事よると、ソフトバンクは新規株式のブックビルディングですでに完売し、2兆6500万円という膨大な資金を手にしたと伝えた。正式な価格は月曜日に決定され、12月19日に公開される。これは、孫正義にとっては決定的にして重要な勝利だ。彼にとってこの電気通信部門のIPOは、山のような借金のリスクをいくぶんでもソフトバンクから取り除くために(さらに、ビジョン・ファンドなどを通じた彼のスタートアップの夢への投資を続けるためにも)必要な処置だった。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの計算その2

Armanと私は、ソフトバンクのビジョン・ファンドには、いったいいくらあるのか、その複雑な計算について話し合った。詳細は、Jason RowleyがCrunchbase Newsに書いている

今年、米証券取引委員会に提出されたフォームDが、今朝、公開され、SBVFは、2017年5月20日の初回クロージングから、総額およそ985億8000万ドル(約11兆1130億円)を14の投資家から調達していることがわかった。去年に提出された書類では、およそ931億5000万ドル(約10兆5010億円)だった。つまり、ビジョン・ファンドはこの1年間で、54億3000万ドル(約6120億円)増えており、リミテッド・パートナーとして新たに6つの投資家が加わっている。

私が昨日話したように、このファンドの規模は「この50億ドルがファイナルクロージングに加わったとすると、970億ドル、正確には967億ドル(約10兆9000万円)となる」。今一度見直してみると、50億ドルは実際にクロージングされたようなので、990億ドル、正確には986億ドル(約11兆1154億円)となる。

次はなんだ

私は今でも次世代の半導体に魅せられている。そこに意見がおありの方は、私まで連絡して欲しい。danny@techcrunch.com

記事の感想

明日ならゆっくり読めそうだ。

読書記録

現在、私が読んでいるもの(少くとも読もうとしているもの)。

次世代半導体に関する長大な記事のリスト。近日公開。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

Pepperの次はR2-D2みたいな掃除ロボ、ソフトバンクが第2弾「Whiz」を発表ーー月額2万5000円

ソフトバンクが初めに発表した人型ロボット「Pepper」はさまざまな事ができる万能型だったけれど、今日発表されたばかりの第2弾ロボは、たった1つだけの使命を与えられてこの世に生まれてきたみたいだ。

ソフトバンクロボティクスは11月19日、オフィスや業務フロア向けのバキューム掃除ロボット「Whiz(ウィズ)」の申し込み受付を2019年2月に開始すると発表した。カーペットなど床の清掃を目的とした自律走行ロボットだ。

本体には乾式バキュームクリーナーが搭載されているので、ルンバなどの他の掃除ロボットとは違って縦に長い機体が特徴だ。ハンドルを引き伸ばした時なんかは、掃除機そのもの。もちろんコミュニケーションも取れないし、レイア姫のホログラムも映してくれないけれどR2-D2に似ているので個人的には親近感が持てる。

使い方はかんたん。最初にWhizを手押しして清掃エリアを学習させてあげると、自動的にエリアの地図データを作成して記憶する。一度ルートを作成したあとは、スタートボタンを押すだけで地図データをもとに自律走行してくれる。本体には複数のセンサーが搭載されているため、人や障害物に衝突してオフィスの厄介者になってしまうこともない。

手押しをして地図データを覚えさせるというのは一見スマートには思えない方法だけれど、ロボットに触れたこともない人たちでも簡単にWhizを使いこなせるという点では非常に優しい設計だと思う。

ソフトバンクロボティクスは、2019年3月から開始予定のレンタルプランも併せて発表。60ヶ月の貸し出しで月額は2万5000円だ(ロボット手続き手数料の9800円が別途必要)。保証などのオプションサービスの詳細はまだ明らかになっていない。

ソフトバンクはこれまでにも、「AI掃除PRO」という自動運転技術「BrainOS」を搭載した自動運転清掃・洗浄機を利用するためのサービスを提供してきた。同サービスに対応するロボットとしては、2018年8月に発売した「RS26 powered by BrainOS」に続きWhizは2機目となる。最後にWhizの仕様テーブルを下に載せておくので、参考にしてほしい。

 

ソフトバンク、ドローンを活用して社会インフラの保全を効率化するサービスを2019年春から提供

eng-logo-2015ソフトバンクは、産業や生活の基盤として整備された施設(以下、社会インフラ)の老朽化対策として、ドローンによる社会インフラの保全を行う新たなサービスを開発し、2019年春から提供を開始すると発表しました。

橋梁や発電所、送電鉄塔、大型プラントなどの多くは、高度経済成長期に整備された社会インフラで、竣工から50年以上が経過し、老朽化が課題となっています。メンテナンスをする人が不足していることや、人が立ち入れない場所も多く存在しているといった課題もあります。

これらの課題解決に向けて、ソフトバンクは、北米を中心にドローンによる携帯電話基地局点検ソリューションの開発や運営事業を行う5×5 Technologies Inc.(ファイブバイファイブテクノロジーズ、以下、5×5)に対して、2018年8月に約400万ドルを出資し、5×5が持つ技術の日本国内での独占使用権と販売権を取得しました。

具体的には、人が用意に立ち入れない場所をドローンで空撮し、撮影した画像から誤差がわずか数ミリメートルの高精度の3次元(3D)モデルを生成。

その3Dモデルから対象物を計測し、歪みや傾きなどの確認ができる他、対象物の状態を視覚的に確認できるとしています。

上の画像は、写真撮影した画像に高精度な位置情報を画面に付与する様子

上の画像は、ドローンで撮影データから高精度3Dモデルを生成し、計測した画像からゆがみや傾きを確認する様子

今後、ソフトバンクは、3Dモデルとセンシングデータの解析AI(人工知能)を組み合わせることで、事前に異常を検知したり、を自動で検知し、建造物などの点検業務をさらに効率化するサービスの開発や、高精度な3Dモデルを活用したシミュレーションによる、災害発生時の被害予測や予防保全の実現などを目指すとしています。

Engadget 日本版からの転載。

ソフトバンク孫氏、サウジ投資会議での講演をキャンセル

ジャーナリストJamal Khashoggi氏殺害で世界からの非難の高まりを受け、サウジアラビアで開かれる投資会議を欠席するビジネスリーダーが相次ぐ中、ソフトバンクグループが最新のドロップアウトとなった。

Wall Street Journalは今日から3日間にわたってリヤドで開かれるフューチャー・インベストメント・イニシアチブ会議における孫氏の講演の土壇場での取りやめを報じている。

我々はソフトバンクにコメントを求めている。

会議への出席について先週ソフトバンクにたずねたとき、“今後どうなるのか成り行きを見守っている”とのことだった。

先週、サウジ側はようやくKhashoggi氏がイスタンブールにある総領事館の中で死亡したことを認めたーしかしながらKhashoggi氏がどのように死に至ったのかについての彼らの説明には世界から疑惑の目が向けられている。と同時に、トルコ当局からの露骨なリークでは、殺害は入念に準備され、極めておぞましいものだったとされている。

孫氏はサウジのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と親しい関係にあり、孫氏の巨大なSoftBank Vision Fundはサウジから何十億ドルもの投資を受けている。同ファンドは1年前に930億ドルで発足した。

以来、複数の1000億ドル規模のファンド立ち上げに強気な姿勢を見せていた。しかしジャーナリスト殺害をめぐって地政学的に非難が渦巻く状況に直面し、ソフトバンクはいま今後の展望を控えめにしようとしているようにみえる。

広報担当者は金曜日、CNNに対し「Vision Fund 2は現在のところコンセプトにすぎない。タイミングや規模、詳細は決まっておらず、発表されていない」と語っている。

孫氏の会議辞退は、グループがサウジマネーと距離を置くという考えに傾かせることになる。そして、将来のVision Fundへのサウジからの何十億ドルもの資金注入がなければ、複数の“メガファンド”というソフトバンクの構想は実現から遠ざかる。

Khashoggi氏殺害の件で懸念が強まる中、多くの企業そして政治のリーダーたちが、サウジ投資会議への出席をとりやめた。その中にはUberのCEOも含まれている。この配車サービスは、近年サウジから何十億ドルもの投資を直接的に、そしてソフトバンクのVision Fundを通じて間接的に受けている。

こうした関係が今後どうなるのかは不明だ。

我々が先週報じたように、Khashoggi氏殺害の件は波紋を広げているー投資家たちがもしかすると期待しているかもしれない沈静化の兆しはみえない。

フューチャー・インベストメント会議のウェブサイトは昨日、ハッカーにより一時的に画像が変造された。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

サウジアラビアの現状を見ないことが企業の成功の鍵なのか?

昨日、サウジアラビアのメディアは、Marc Andreessen、Sam Altman、Travis Kalanickといったシリコンバレーの大物が、サウジアラビアが国家計画として進めている5000億ドル(約56兆円)規模のメガシティー・プロジェクトのアドバイザーになっていることを伝えた。このプロジェクトは、未来都市がどのような世界になるか、その模範を示すものだと宣伝されている。

この発表は、1カ月前にプロジェクトへの参加を決めた19人にとって、いろいろな意味で、あまりいいタイミングではなかった。このとき、サウジの反体制派ジャーナリストJamal Khashoggi(ジャマル・カショギ)が1週間以上姿を消していた。そして、先週、イスタンブールのサウジアラビア領事館内で、サウジの王家の命令で殺害されたとトルコ当局者が話したことから、激しい批判が高まっている。彼はその後、骨のこぎりで細切れにされ、建物から持ち出されたとのこと。

想像するだに生々しく心乱される事件だが、注意すべきは、証明されていない点だ。だが、サウジアラビアの諜報機関がKhashoggiに何かをしたとする説が拡散されると(Khashoggiが建物を出たという証拠もない)、サウジアラビアの皇太子Mohammed bin Salman Al Saud(ムハンマド・ビン・サルマーン・アール・サウード)は、世界中の怒りの視線を集めることになった。たしかに、この顧問委員会の発表は、MBSという愛称で知られる皇太子が、アメリカに数多く暮らし、皇太子の実力を疑い始めていた同程度の人数のアメリカ人実力者の友人の心をかき乱すには、よい方法だったのかも知れない。

昨年6月に皇太子に即位し、MBSの名声を追い求める態度が封印されて以来、彼はずっと、批判に対してもライバルに対しても、短気になっていた。そのことを、私たちはもっと早く考えておくべきだった。MBSは、その改革派的な行動から賞賛を受けていた。「宗教指導者に反抗して、女性の自動車の運転、コンサートや映画の解禁など、息を飲むような社会改革を断行した」と、この夏のウォール・ストリート・ジャーナルの意見記事にあった。だが彼は同時に、イエメンに空爆を行い、数千人の一般人を殺害している(これはホワイトハウスが支持しているが、両政党の議員を落胆させた)。

またサウジアラビアは、この夏、女性の権利を求める活動家12名以上を拘束している。カナダ外務省が「深く憂慮している」と、逮捕に対してリヤドに激しい抗議を伝えると、サウジアラビアはカナダ大使を国外追放し、トロントとの航空路線を停止、カナダ在住のサウジ人がカナダの医療を受けることを禁止し、カナダとの数十億ドル規模の新規の貿易と投資を凍結した。さらに、サウジアラビアの奨学金でカナダに留学している学生を、カナダから退去させる計画もある。

その一方でMBSは、昨年、サウジアラビア当局に対して300人以上のビジネスマンと王家の家族を、数カ月間、監禁するように命じた。これは腐敗防止キャンペーンの一環という名目になっている。これにより、押収した1000億ドル(約11兆2000億円)の資産がMBSの支配下に入った。ニューヨーク・タイムズは後にこう報じている。拘留されている中の少なくとも17人は「身体的虐待を受け、1人は死亡したが、首がねじ曲がっているように見えた。体はひどく腫れていて、別の虐待があったことを示していると、遺体を目撃した人は語っていた」

こうした策略がアメリカのメディアで大きく報道されたが、その大騒ぎの1カ月後にMBSはアメリカを訪れ、大歓待を受けた。ドナルド・トランプは彼をホワイトハウスに招待し、両国の友好を深めた。それを国際関係学者たちは、「異常で下品」と評価した。

シリコンバレーのCEOたちも、MBSの春の訪米を歓迎した。そのときMBSは、Googleの共同創設者Sergey BrinとCEOのSundar Picha、Magic LeapのCEO、Rony Abovitz、Virgin Groupの創設者Sir Richard Bransonたちを訪ねている。彼らだけでなく多くの面々が、彼の社会的な進歩性を褒め称えた。彼らが本当に欲しているものは明らかだ。MBSは、サウジアラビアの石油依存度を下げるという野心を持っている。その手段のひとつとして、王国の資金をアメリカ企業に大量につぎ込むという考えがあるのだ。

事実、MBSのその他の振る舞いは、こと金に関する限りでは大きな障害はなかった。TeslaのElon Muskは、この夏のことは問題にしていないSoftbankも、気が咎めている様子がない。孫正義CEOは、Softbankの1000億ドル(約11兆2000億円)という巨大ファンドへの450億ドル(約5兆円)の投資を、MBSにわずか45分で決めさせたと自慢していた。そして先週、MBSは第二のビジョン・ファンドに450億円を投資すると話した。

最近までワシントン・ポストのコラムニストとして活躍していたKhashoggiの不穏な疾走で、こうした計算が狂ったとしても、それを口に出す者はいない。Softbankのビジョン・ファンドの代表者と、Softbankが支援しているおよそ10人の企業創設者に、昨日、コメントを求めたが、答えはなかった。

Softbankから資金を調達している数多くのベンチャー投資家にも、昨日、Softbankについて、また、Khashoggiの疾走がスタートアップの資金調達に対する考え方にどう影響するかについて質問したが、答えてもらえなかった。ビジョン・ファンドからレイターステージの資金を調達した2つのポートフォリオ企業(DoorDashと最近株式公開されたGuardant Health)を見てきたPear VenturesのPejman Nozadだけが、唯一返事をくれた。「技術分野では、シードからプレIPOまで、資本が溢れています。シード資金として50万ドル(約5600万円)を必要とする企業が300万ドル(約3億4000万円)を調達してしまいます。5000万ドル(約56億円)が欲しい企業は5億ドル(約560億円)を調達できます。これが健全なことかどうか、時間だけが知っています」とNozadは電子メールで答えてくれた。

長年、ボストンのFlybridge Capital Partnersでベンチャー投資家を続けてきたJeff Bussgangは、Khashoggiの件には特に触れずにMBSについて尋ねたとき、微妙なニュアンスの返事をくれた。ベンチャー投資家も未公開株式投資会社も、長い間、中東の資金源から資金を調達してきたことを踏まえ、「一般的に、起業家は政治や歴史のことを深く考えるのが好きではなく、資金の出所についても、あまり気にしていない」という。「PLOやイラン」は別として、とのことだ。

さらにBussgangは、電子メールにこう書いている。「そう、すべてのベンチャーキャピタルの金が貧しい未亡人や孤児から集まるのなら素晴らしいことだが、それはあり得ない。その金が公正な資金源からのものなのかを判断するのは、主観的な作業です。スターバックスの資金源は公正でしょうか?」

Bussgangは、フィラデルフィアのスターバックスで起きた事件のことを言っている。店員が警察を呼んだところ、店にいた2人の黒人男性が誤って逮捕されたことがあった。恐ろしいことだが、イエメンで罪のない市民が殺戮されたり、人権活動家を拘留したり、MBSの憂さ晴らしと言われているようなこととは比べ物にならない。

公正を期して言うなら、アメリカやその他の国々の多くの人たちは、Khashoggiが現れてくれることを待ち望んでいる。その可能性は、日を追うごとに低くなっているが、何が起きたかを知らずにいることは、人殺しの暴君ではなく、改革者と手を組みたいと考える多くの人間に最良の結果をもたらすに違いない。ワシントンポストのコラムニストKhashoggiの失踪は誤算だったように見えるが、日が経つにつれて、こんな言い方はなんだが、それは古新聞(過去の話)となる。そして、みんなは仕事に戻れる。

その同じ人たち、そくにシリコンバレーのリーダーたちが、性的多様性に逆行するメモを読んで激怒したという話は、まるで漫画だ。

とは言え、かなり気分が滅入る話だ。

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(翻訳:金井哲夫)

ソフトバンク傘下のARMが米データ分析企業Treasure Dataを6億ドルで買収か

7月30日、ソフトバンクグループ傘下のコンピュータチップ設計企業ARM Holdingsが米国のデータ分析企業Treasure Data(英語サイト。日本のサイトはこちら)を買収することに合意したとBloombergが報じた(英語)。記事によれば、買収金額は約6億ドル(約666億円)。関係者の情報によるもので、ARMおよびTreasure Dataは正式なコメントを発表していない。

Treasure Dataはカリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置く、ビッグデータ分析企業。2011年にシリコンバレーでCEO兼共同創業者の芳川裕誠氏らにより設立された。購買履歴やIoTセンサーからの情報分析を行うSaaSプロダクトを提供。自動車、小売、IoT、エンターテインメントなどの業界で利用されている。

ソフトバンクは2016年7月にARM買収の意向を表明し、同年9月に240億ポンド(表明当時のレートで310億ドル)で買収を完了している。今回の買収はARMのIoT分野進出への一環として行われるものとみられている。

ソフトバンクが滴滴出行と合弁会社を設立ーータクシー配車プラットフォーム提供へ

ソフトバンクは7月19日、世界最大級の交通プラットフォームを手掛ける中国の滴滴出行(DiDi)と、国内で次世代のタクシー配車サービスを提供することを目的に、合弁会社「DiDiモビリティジャパン」を設立したと発表した。

2018年の秋から順次、大阪、京都、福岡、沖縄、東京やその他の主要都市でトライアルとして無償でサービスを提供する予定だ。両社は2月に日本のタクシー事業者向けサービスにおいて協業することを明らかにしていた

DiDiモビリティジャパンは、DiDiの革新的な人工知能とデータ分析技術を活用し、全てのタクシー事業者が利用できるオープンなタクシープラットフォームを提供するために設立。機械学習をベースにした技術をスマート配車システムの需要予測に活用することで、タクシー配車サービスのさらなる最適化と乗客の利便性向上をサポートする。

新会社のプラットフォームには、タクシー事業者向けの管理コンソール、ドライバー向けのアプリケーション、そして乗客用のアプリケーションがある(トライアル開始とともにiOS版とAndroid版を提供予定)。

乗客はアプリを使い簡単にタクシーの配車サービスを利用でき、ドライバーの到着予測時刻も確認できる。アプリで決済を完了させる場合、主要なクレジットカードで支払いが可能だ。中国版DiDiアプリケーションの利用者は、日本国内でもAlipayまたはWeChat Payを選択できる。乗客向けおよびドライバー向けアプリには日本語・中国語間の自動翻訳機能が搭載される。

タクシー事業者は管理コンソールにより、配車状況やドライバーの稼働状況などの管理が可能。また、乗客からのドライバー評価を確認することでサービス向上に役立てることができる。

DiDiはアプリを通じ、5億千万人以上の利用者に「DiDi Taxi」「DiDi Express」「DiDi Premier」「DiDi Luxe」「DiDi Hitch」「DiDi Bus」「DiDi Minibus」「DiDi Designated Driving」「DiDi Enterprise Solutions」のほか、バイクシェアリング、カーシェアリング、フードデリバリーなどの幅広い交通手段を提供している。1日当たりの乗車数は3千万件に達している。

なおソフトバンク代表取締役社長執行役員兼CEOの宮内謙氏は本件について以下のようにコメントしている。「この合弁会社を通して、DiDiの最先端の交通プラットフォームサービスを日本市場に提供できることを大変うれしく思います。DiDiの卓越した技術革新力と、ソフトバンクの最先端の通信インフラを含む強固な事業基盤を融合させることで、日本の消費者とタクシー業界の方々へ新しい価値を提供できると確信しています」

ホテルスマホ「handy」、ソフトバンクと提携で急拡大目指す。無料テザリング開放も

eng-logo-2015ホテル宿泊者向け無料レンタルスマホ「handy」を展開するhandy Japanは2日、ソフトバンクとの資本業務提携を発表しました。ソフトバンクの資金、リソースを活用することで、導入数の急速な拡大を目指します。

handy Japanが提供するレンタルスマホ「handy」は、ホテルの客室にスマートフォンを設置し、宿泊客が無料で使えるサービス。ホテル情報や観光案内などのコンテンツだけでなく、ブラウザーやSNSなどを利用できる上、国内・国際電話が使い放題。Google アカウントを登録すればアプリもインストールできる自由度の高さが特徴です。

▲アプリもインストール可能。チェックアウト後に自動で初期化される

handyは、香港発のベンチャーTink Labsが展開するサービスで、handy Japanはその日本版サービスを展開するため、同社とシャープの合弁会社として設立。2017年7月1日にサービスを開始し、丸1年を迎えました。

1年間で急速に導入数を増やし、日本のホテル客室の約3割にあたる24万室に導入済み。今後は旅館や民泊などもターゲットとして、さらなるシェア拡大を目指します。

▲全国ホテルの3割に導入。外国人観光客が多い地域では稼働率も6割前後と高水準

handyをホテルの鍵に、観光ガイドも強化

急成長のhandyがパートナーとして選んだのはソフトバンク。handy Japanの勝瀬博則CEOが「ソフトバンクと組みたいと初めから思っていた」と語る理由は、同社がモバイル通信サービスを手がけているだけでなく、グループ内にIoTやAIといった技術や、旅行予約サービスといった親和性が高いリソースを豊富に抱えているから。さらに、全国に展開するソフトバンクの法人営業網を活用することで、「一気に伸ばしていく」(ソフトバンクCEO 宮内謙氏)といいます。

▲左から、handy Japanの勝瀬博則CEO、Tink Labsのファウンダー Terence Kwok氏、ソフトバンクの宮内謙CEO

発表会ではソフトバンクの宮内謙CEOも登壇し、handyのサービス拡充でも協力していくと紹介しました。その1つがIoTサービスの導入。例えば、handyを使って客室のスマートロックを解除したり、空調や照明のコントロールする機能を導入。ルームサービスもhandyから注文できる仕組みを整えます。さらに、ソフトバンクが持つクラウドPBXサービスと連携し、ホテルのアナログ電話回線の置き換えも目指します。

▲handyスマートフォンをルームキーで空調のコントロール、無人チェックアウトなどに使えるように

また、handyスマートフォンで配信している旅行情報も強化。現地発の観光パッケージや、タクシーの配車サービスなどを取り扱うとしています。

handyで配信される旅行情報はユーザーにとっては旅行ガイドですが、見方を変えればホテル宿泊客をターゲットとしたメディアとも言えます。全国24万室に泊まる8600万人の旅行客にアプローチするメディアとして、クーポンや広告配信の機能も強化していきます。ビッグデータ解析を強みとするソフトバンクと組んだことで、旅行客の利用動向を分析するDMP(データマネジメントプラットフォーム)の展開も視野に入れているということです。

ソフトバンクグループには、実はホテルが存在します。2017年に買収した投資法人フォートレスは、傘下企業でホテルチェーン「マイステイズ」を展開。このマイステイズを実験場として、スマートロックなど、handy Japanの新サービスを先行導入していくとのことです。

なおソフトバンクの出資は、handy Japanの親会社handy Japan Holdingsの第三者割当増資を引き受ける形で実施されます。出資金額・比率は非開示ですが、ソフトバンクの宮内CEOいわく「比率で2~3割には満たない」とのこと。

▲ソフトバンクグループ傘下の「ホテルマイステイズ」で検証環境を構築

「無料」テザリング機能が開放、ただし導入はホテル次第か

発表会で「新サービス」として発表されたのが、handyのテザリング機能の解放。つまりhandyをモバイルルーターの代わりにして、ユーザーのスマートフォンやパソコンで通信できるようになります。テザリングを利用する場合も、ユーザー(宿泊客)にかかる利用料は無料です。

ただし、テザリング機能がどれだけ多くのホテルに導入されるかは未知数と言えます。というのも、ユーザーにとっては無料ですが、ホテル側には追加の負担が発生することになります。

▲「無料」のテザリング機能が提供されるが……

handyのビジネスモデルは、ホテル側にサービス利用料を負担してもらうことで、ユーザーにサービスを無料で提供するというもの。ホテル側の利用料は1端末当たり月額980円となっています。

それがテザリング機能を有効にする場合、ホテル側にかかる利用料金は1台当たり月額2980円程度に膨れ上がります。これは「プレミアムプラン」に相当する新プランの料金で、そのパッケージの1つとしてテザリング機能が含まれてるという構図です。宿泊客向けにテザリング機能を提供する必要性をホテルがどのように考えるかにもよりますが、「handyがあれば必ず無料テザリングが使える」という状況にはならないと思われます。

ちなみに、handyの通信回線はこれまでNTTドコモ系のMVNOを利用していましたが、今回の提携により、新規に導入する端末からソフトバンク回線に切り替えていくとのこと。それにともなって通信速度も向上する見込みです。

VRサービス提供。新端末も?

今回、予告された新サービスの1つに、VRコンテンツの配信サービスがあります。handyのスマートフォンで日本観光の紹介映像やエンタメコンテンツなどを視聴できるという内容です。

視聴に利用するVRゴーグルは段ボール製のものですが、問題はhandy Japanが展開するスマートフォン。handy Japanでは、シャープのODMという形で鴻海製の専用端末が利用されていますが、この端末はロースペックで、VR視聴に必要なジャイロセンサーも搭載されていません。

▲ゴーグルは持ち帰り可、自分のスマートフォンで利用することもできる

そのため今後、VR視聴に対応するより高性能な端末への置き換えが進むものと見込まれます。海外のhandyサービスでは複数のスマートフォンが利用されており、その中の1台が日本向けに導入される可能性もあります。

性能が向上することで動作が快適になり、テザリングも長時間利用できるようになると見込まれます。宿泊先のホテルでVRを視聴しないとしても、気になる動きではあります。

Engadget 日本版からの転載。

AI特化型インキュベーターのディープコアが60億円ファンドを設立へ、LPには親会社のソフトバンクも

写真左より、ディープコア代表取締役の仁木勝雅氏と、新ファンドの第1号案件となったVAAK代表取締役の田中遼氏

AI特化型インキュベーターであるディープコアは5月31日、シード・アーリー期のスタートアップ投資を目的としたファンド「DEEPCORE TOKYO」を設立したと発表した。同社が目標とするファンド規模は総額60億円だ。

設立時にも紹介したディープコアは、主にディープラーニングを中心とするAI領域でビジネスを行うスタートアップを対象としたインキュベーターだ。同社は2018年夏に東京の本郷にコワーキングスペース「KERNEL HONGO」をオープンする予定となっている。

ディープコアが今回立ち上げたファンドは、シードラウンドやシリーズAラウンドでの投資を目的としたもので、今年12月のファイナルクローズまでに約60億円の出資金を集めることを目指しているという。現時点で、LPにはディープコアの親会社であるソフトバンクグループのほか、ソフトバンク、ヤフーが参加することが決定している。

ディープラーニングを活用するスタートアップがまず必要とするのは、計算資源を整えるためのまとまった資金だ。ディープコアはその資金を直接スタートアップに供給するとともに、ソフトバンクグループが出資するNVIDIAの計算資源と技術コンサルティングを提供するとしている。これは、ディープラーニングを活用してビジネスを立ち上げたい起業家にとって大きなメリットとなるだろう。

ファンド運営を担当する渡邊拓氏は、「当社の調べでは、ディープラーニングを活用したビジネスを行う日本のスタートアップは、米国と比べて10分の1程度の数しかない。コワーキングスペースの運営から出資まで一貫して行うことで、その数を増やしていくことが目的だ」と語る。

ところで、ディープコアはソフトバンク子会社であるものの、彼らはその事実を積極的にアピールはしていない。その理由として、同社CFOの雨宮かすみ氏は「ディープコアのミッションは、ソフトバンクグループとシナジーを生み出すスタートアップを発掘することではなく、日本におけるAIスタートアップのエコシステムを活性化すること」だと語り、“ソフトバンクグループ色”を前面に出さずによりオープンな支援を行なっていくためだと説明する。

ディープコアによれば、同社はすでに防犯カメラの映像解析を手がけるVAAK(約5000万円)と、名称非公開のスタートアップ1社への出資を実施済みだ。同社は今後も1社あたり数千万円程度の出資を続け、最終的には100社近くのAIスタートアップに出資を行っていくという。

ソフトバンク、「LTEが月10円」のモノ向け通信サービス開始。NB-IoTとCat.M1を商用化

eng-logo-2015ソフトバンクがIoT向けのLTE規格「NB-IoT」「LTE Cat M1」の商用サービスを開始しました。月額料金は10円〜(税込)と業界最安。データ解析と組み合わせた収益化を狙います。

低速で廉価なIoT向け通信

「NB-IoT」「LTE Cat.M1」は、センサーなど、少量のデータ通信が中心となるIoT(モノのインターネット)向けの通信規格です。スループットは「NB-IoT」が上り63Kbps / 下り27kbps、「LTE-M」が上り1Mbps / 下り0.8Mbpsと低速。下りより上り通信が速いのも特徴で、センサーで集めた容量の少ない情報(例:川の水位、温度など)を、定期的にアップロードする用途に向きます。

それに従って通信料金も安価です。1回線あたり10KBまで月額10円で利用できるプランなど、月々のデータ通信量に合わせて4プランを提供。「(セルラーIoTでは)業界最安の料金」だとアピールします(ただし、後述のIoTプラットフォームと併用することが前提です)。

なお、1回線で月10円〜というのは、大量導入が前提の法人向けとしてもあまりに安価。ソフトバンクの丹波廣寅氏(IoT事業推進本部 本部長)は『回線で儲ける気はない』といい、同社のIoTプラットフォームと組み合わせた収益化を狙います。

同プラットフォームでは、IoTセンサーで集めた大量のデータを、ソフトバンクが携帯事業を展開するうえで保有するキャリアデータや、オープンデータと組み合わせて解析することが可能。また、デバイスやデータ管理API、ネットワークAPI、解析・認証API、メッセージAPI、決済APIなどを活用して、データから新たな価値を生み出せるビジネス基盤であるといいます。

「原価率が60%を超えるような商売ではない」(丹波氏)という利益率の高さも特徴。「APIを叩くとチャリンチャリンとお金が入ってくる。APIトランザクションのビジネスに近い」とも語ります。

丹波氏は、ソフトバンクのIoT戦略について「直線的ではなく、データを分析して未来を予測して制御したり、データから新しいビジネスを作り出せるIoTを目指したい」と語りました。

Engadget 日本版からの転載。

ソフトバンク子会社がAI特化のインキュベーション事業を開始、学生も対象で創業支援

ディープコアのメンバー。写真中央が代表取締役の仁木勝雅氏。

ソフトバンクグループの100%子会社であるディープコアは1月29日、学生や起業家が対象となるAI分野に特化したインキュベーション事業を開始すると発表した。

ディープコアはもともと、「汐留事業4号株式会社」という変わった法人名がつけられていた企業で、ソフトバンクがいつ新規事業を立ち上げてもいいように用意したペーパーカンパニーだった。同社は2017年9月に法人名を現在のディープコアに変更。今回発表したインキュベーション事業が現在の主要事業だ。

そんなディープコアのインキュベーション事業が特に注力する分野がディープラーニングだ。ディープラーニングといえば、Preferred Networksがトヨタ自動車から約105億円の資金調達を実施するなど、日本でも大企業とスタートアップとの協業が活発的に進みつつある分野である。ディープコアは東京大学松尾研究室と共同研究契約を締結し、企業との共同プロジェクトの実施や起業家育成を進めていく。

また、同社は東京大学に近い本郷にコワーキングスペースを開設し、NVIDIA(ソフトバンクが約1兆円を出資したとされる)の協力の下で用意したコンピューティング・リソースを提供する。起業意欲がある優れたメンバーについては創業支援も行うという。

ソフトバンクグループでは投資部門を担当してきたディープコア代表取締役の仁木勝雅氏は、“求める人材像”についてこう語る。

「一定のAIスキルを持っている理系学生、大学院生、エンジニアなどで、『現在は特にビジネスに係わっていないが、経験してみたい』だとか、『AIの技術を使って、面白いことをやってみたい』という人だ。既に起業意欲を持っている人は大歓迎だが、現時点で、必ずしも具体的なテーマやアイデア、起業意欲を持っている必要はない。企業との実証実験などへ参加してもらうことで、社会における実課題に取り組む機会を提供する」(仁木氏)

ディープコアは50人のプログラムメンバーを2018年2月1日より募集開始する。インキュベーション施設は2018年春に開設予定だ。その他の詳細は同社のWebページに随時アップデートされる。

ソフトバンク、CEO辞任で揺れるUberへの投資を断念か

つい先週にライドシェアリング大手のUberへの投資が噂されていたソフトバンク。しかし、米CNBCが報じたところによれば、ソフトバンクはUberへの投資を断念したようだ。

米国時間の7月25日に公開された米Wall Street Journalの記事によれば、ソフトバンクからUberへの投資は「数十億ドル」規模のものではないかとされていた。

前CEOトラビス・カラニック氏の退陣など、波瀾のさなかに立つUber。同社の先行き不安が広がるなか、ソフトバンクがUberの既存株主から株式を買い取ろうとしていると米Bloombergが報じたのは7月中旬のことだった。

ソフトバンクがUberへの投資を取りやめた理由は、現時点でまだ明らかになっていない。

近年、ソフトバンクはライドシェアリング業界に熱烈なラブコールを送っていた。同社は2014年10月にインドのOlaに2億1000万ドルを出資しているだけでなく、かつては中国のライドシェアリング市場における覇権をUberと競い合ったDidi Chuxingの株式も取得済みだ。

Didi Chunxingはその後、Uberの中国事業を買収している

また、つい先日の7月25日には、そのDidi Chunxingとソフトバンクが共同で「東南アジアのUber」とも呼ばれるGrabに20億ドルを出資したと報じられたばかりだった。