Facebook、ついに月間アクティブ・ユーザー20億人――情報インフラとして責任も重大に

Facebookの最高プロダクト責任者、クリス・コックスは同社の新たな記録についてTechCrunchのインタビューに答え、「ソーシャルメディアは可能なかぎりポジティブな力であるべきだ。それを実現するため、Facebookはあらゆる努力を払っているか慎重に検討すべき規模に成長してきた」と述べた。このサービスはスタートしてから13年、ユーザーが10億人を超えてから5年経つ。今やFacebookは20億人の月間アクティブ・ユーザーを擁している。

Facebookはこの記録を祝うためにユーザーごとにカスタマイズされた“Good Adds Up”ビデオを用意し、共有を勧めている〔日本版では『小さな積み重ねを大切に』というタブが用意されている〕 。一方、共同ファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグはさりげなく短いメッセージを発表するに止めた。

ユーザー20億人というのはログインを必要とするソーシャルメディアとしてはYouTubeの15億人を上回って世界最大だ。他のソーシャルメディアをみると、WeChatは8億8900万人、Twitterは3億2800万人、Snapchatは推定2億5500万人だ(2015年12月の1日当たりユーザー数1億1000万、月間ユーザー1億7000万をベースに外挿)。10億を超えているのはYouTubeとFacebookグループだけだ。Facebook傘下のWhatsAppとFacebook Messengerはともに12億人、Instagramは現在7億を越してさらに急成長しているので近く10億人クラブに加わるだろう。

最近5年間のFacebookの成長は主として途上国ユーザーの増加によるものだ。同社は途上国の低い通信速度と格安のAndroid向けに大胆に機能を簡略化したアプリを提供している。その結果、ユーザーが10億人を突破した後、アジアその他の途上国地域で7億4600万の新たなユーザーを獲得している。その間アメリカとカナダでのユーザー増加は4100万だった。

Facebookの規模と年数を考慮すれば17%の成長率というのは驚くべきもので、事実、2012年以来最速の成長だ。しかもエンゲージメントも低下していない。Facebookの月間アクティブ・ユーザーの66%が毎日このサービスを利用している。この回帰率はユーザー10億人のときには55%だった。創立以来の年数でFacebookはティーンエージャーになったが、北米の現実のティーンエージャーは特にクールなサービスだとだとは思っていないようだ。しかこの数字は動かしがたい。

しかし数字や統計よりもはるかに重要なのはFacebookが持つ巨大な社会的インパクトだろう。ザッカーバーグは「 「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」(Give people the power to build community and bring the world closer together)というFacebookの新たな使命を発表した〔カッコ内はFaceboo日本版による表現〕。

「これは間違いなく重大な責任を伴う」とクリス・コックスは言う。【…】 つまりこれがマーク・ザッカーバーグが世界を飛び回りさまざまなユーザーから直接話を聞いている理由なのだろう―皮肉屋は「大統領戦に出る準備だろう」とくさすが、もちろん本人は否定している。20億人のコミュニティーを作ったのであれば、シリコンバレーを出てこのサービスが人々の生活にどんな影響を与えているか見てまわることは必要だ。

ザックは大統領選に出るわけではない。自分の作ったプロダクトが大統領選でどういう役割を果たしたのか調べているのだ。

Facebook Liveでの自殺者や大統領選でのフェイクニュースなどはマスコミが取り上げやすい派手な話題だ。しかしFacebookのようにほぼ遍在的なソーシャルメディアとなれば、はるかに複雑で微妙な問題を検討しなければならない。ソーシャルメディアは人々をインターネットに依存させ、現実の人のつながりを希薄化するのだろうか? フィルター効果によって自分の好む意見だけをやり取りするグループを作り、社会の分極化を進めるのだろうか? Facebookは事実上ライバルを駆逐してしまった。一方ではこれにより、現代社会におけるソーシャルメディアの役割について対処する余裕が生まれたともいえる。

クリス・コックスはFacebookが採用した重要な戦略について、「人類全体に影響するような非常に複雑なシステムについて検討する場合、現在なにが起きているかについてオープンでなければならない。その結果、たとえば、自殺やいじめのような問題が起きているのであれば、それらの問題の専門家と協力して調査を進め、どういう対策が最善かを考えなくてはならない。そしてそのことを世界に向かってはっきりと告げる必要がある」と語った。【略】

ユーザー10億人まではプロダクトを作り上げる努力だった。20億人の大台に乗ってからは確固たるユーザー・コミュニティーを作ることが目標となる。Facebookはわれわれユーザー間にエンパシーを築くことによって30億人の世界へ向かうのだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleの投稿機能(Posts on Google)を地域の企業やお店も利用できるようになった

これまで、Googleの投稿機能を使えるのは、ひとにぎりのセレブたちやスポーツチーム、スポーツのリーグ、映画スタジオ、美術館などに限られていた。行事などに関するソーシャルネットワークふうのアップデートが、検索の結果ページに表示されていた。画像、ビデオ、GIF、テキストなどを投稿して、イベント等への集客に役立てることもできた。

しかし今日からは、各地の企業やお店がこの機能(日本語)を使って、イベントや製品やサービス(の写真だけでもよい)を検索やMaps(地図)へ公開できる。

Googleによると、地域の企業やお店はこの機能を使って、その日の特売品目とか今行われているプロモーションイベント、新製品発表などを共有できる。しかもそこに、自分のサイトやイベントや製品のリンクを置けるし、ニューズレターの購読を勧誘することもできる。

そういう投稿は、Web上や、Android/iOSのGoogle My Businessアプリで作れる。

Googleはこの機能を、この前の大統領選で実験した。そしてその後、徐々に一般ユーザーを増やしてきた。最近ローンチしたブラジルでは、ミュージシャンがアップデートを投稿できる。この機能はGoogleの新生児ソーシャルネットワークGoogle+の生まれ変わりのようにも見えるが、でも本当は、企業が顧客に、情報をタイムリーに提供するための手段だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookグループに新機能――アナリティクスや予約投稿、加入申請者のフィルタリングなど

マーク・ザッカーバーグが6000ワード弱の人道主義宣言に記した通り、Facebookが「コミュニティを構築する」上でグループ機能は欠かせないものだ。そして、ザッカーバーグの約束通り、本日(現地時間6/22)シカゴで行われたCommunities Summitにて、Facebookはグループ管理人向けの新たな機能を発表した。なお、同イベントにはFacebookでトップを争うグループの管理人300人が集った。今回発表された機能の中には、アナリティックスツールや加入申請者のフィルタリングツール、強制退会済みユーザーに関連した情報を削除する機能、予約投稿機能、グループ間のリンク機能などが含まれている。

これらの新しい機能のおかげで、以前は管理人がグループの運営のために手動で行っていたような作業が、自動化もしくは簡素化されるようになる。さらに、社会活動から患者支援ネットワークや趣味の集まりまで含む、多種多様なグループの結束が強まるだけでなく、より多くの関連コンテンツがグループ内で共有されるようになるだろう。

「グループはFacebookの誕生直後からある機能です」とチーフ・プロダクト・オフィサーのChris Coxは話す。「もともとのFacebookは、友人同士の繋がりよりも自分が属するコミュニティを重視したサービスで、『自分と同じ寮には誰が住んでいたか?』『同級生にはどんな人がいたか?』『自分と同じクラブには誰がいたか?』といった問いがサービスの中心にありました。つまり、当初は友達と写真を共有し合うためのサービスではなく、それはFacebookが変化を遂げた後の姿なんです」

さらにCoxは、Facebookが現実世界の絆を深めるための場から、お互いの情報を覗き見るための場に変わってしまったような気さえすると、物憂げに語った。しかしFacebookは、もともとの存在意義を取り戻そうと、現在新しいミッションに取り組んでいる。

ちょうど本日、同社は新しいミッションステートメントを発表し、そこには「人々にコミュニティを構築する力を提供し、世界中の結束を強める」と記されている。ちなみに、以前のミッションステートメントは「世界をよりオープンにし、つながりを強める」だった。つまり、Facebookは単なるつながりだけでは不十分だと認め、今後は人同士や人と周囲の世界のつながりを強めるようなプラットフォームにならなければいけないと考えているのだ。そして、このミッションを達成するための目標として、Facebookは10億人のユーザーが有意義なコミュニティに属するための手助けをしていくとザッカーバーグは語った。

しかし、まずFacebookは有意義なグループをつくるために必要なツールを準備しなければならない。ザッカバーグはユーザー向けの文書の中で、Facebookは「管理人の望む形でグループを運営し、成長させていけるようなツールをもっとたくさん作らなければ」いけないと述べていた。そのツールが遂に発表されたのだ。

グループインサイト:アナリティクスはグループの管理人がもっとも欲しがっていたツールだ。そこでFacebookは、ウェブ版・モバイル版両方の管理ページに、ユーザー情報を配信するツールを追加した。表示される情報の中には、リアリタイムでの成長率やメンバー数、さらにはアップされた投稿の数や、どの時間帯に訪れる人が多いのかといったエンゲージメントに関する指標も含まれている。どのコンテンツがメンバーの共感を呼ぶかがわかれば、管理人はもっと似たようなコンテンツを共有できるようになる。

予約投稿:グループインサイトからは投稿に最適なタイミングを割り出すことができるが、この機能を使えば、管理人やモデレーターがそのタイミングに投稿を予約できるようになる。つまり、彼らは時間が空いたときに情報をまとめ、後からそれを投稿できるようになるのだ。平日時間がとれない人であれば、週末に1週間分のポストをまとめて書き、次の週に毎日新しいポストが投稿されるよう予約する、といったことも可能。グループの管理人は全員ボランティアで、日中は別の仕事をしていることを考えると、これは極めて重要な機能だ。

グループ間のリンク:グループの中には、大きな組織の分会として機能しているものや、他のグループと関連があり、メンバーも一部かぶっているようなものもある。そこで導入されたグループ間のリンク機能を使えば、管理人はメンバーが興味を持ちそうな関連グループや似たグループに関する情報を掲載できるようになる。さらにFacebookは、正式なサブグループ機能も近々公開予定とのこと。このふたつの機能があれば、ユーザーが自分の好みに合ったグループを見つけやすくなるだけでなく、大きなグループのメンバーであれば、住む地域や趣味といった共通点を持つ人と分会を作って密な会話をするといったことも簡単にできるようになる。

強制退会済みのユーザーに関連した情報の削除:荒らしや何かしらの迷惑行為をした人がグループから退会させられた場合、管理人はすぐにその人のポストやコメントを全て削除し、さらにはその人がグループ外のユーザーに送った招待状を無効化できるようになった。この機能のおかげで迷惑行為の記録を完全に抹消できるため、もしかしたらグループ内での荒らし行為も減るかもしれない。

加入申請者のフィルタリング:管理人がメンバー候補のひととなりを把握できるように、先日Facebookはスクリーニング用の質問機能を導入した。しかし、新たに加わったフィルタリング機能では、性別や居住地などの条件を設定するだけで、自動的に加入申請者をふるいにかけることができる。残念ながら細かな設定はできないため、特に問題があるわけではないのにグループへの加入を拒否される人が出てくる可能性もある。

例えば、生物学上は男性だが自分のことを女性と認識している人だと、女性オンリーのグループには入れないかもしれないのだ。また、サンフランシスコに住んでいるが、よくオークランドに病気の母の面倒を見に行っているという人も、オークランドの地域グループには加入できない可能性がある。時間がかかる面倒な作業とはいえ、手作業で加入申請をチェックしていく方がこういった問題は防ぎやすいのだ。

この点に関し、誤って加入拒否された人が自分の意見を伝える方法はあるのかとFacebookに尋ねたところ、現状は存在しないがフィルター関連の問題には注視していくという回答を得た。

Facebookは、毎月プラットフォームを利用する10億人超のユーザーが、全員納得できるようなプロダクトを開発するという難題に取り組んでいる。しかし、その分チャンスも大きい。友達と交流するためのソーシャルアプリや、世界の動向を追うためのニュースアプリは次々と誕生する一方で、グループというのはFacebook以外ではあまり見ない機能だ。グループ機能がさらに進化し、もっと多くのユーザーがグループに加入するようになれば、FacebookはNews Feed以外の場で、もっとニッチでユーザーの好みにあったコンテンツを配信できるようになるかもしれない。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Periscope、配信者がコンテンツを収益化できるスーパーハート機能をローンチ――仮想通貨ビジネスへの参入も?

Twitter傘下のPeriscopeは新機能をローンチし、新たな収益源と人気配信者の獲得を狙っている。本日(現地時間6月21日)ローンチされた、スーパーハートと呼ばれるアプリ内購入機能を使えば、ユーザーは好きな配信者に特別なハートマークを送り、コメント欄で注目を集めることができる。さらに配信者は、集めたスーパーハートの数に応じてTwitterから毎月現金を受け取れるようになる。

スーパーハートの収益は、まずiOS・Android版どちらについても30%のアプリストア利用料と決済手数料が引かれ、残りの金額の70%が配信者へ、30%がTwitterに入るようになっている。また、この機能は世界中のiOS・Androidユーザーが利用できるが、受け取った”チップ”を現金化できるのは現在のところアメリカに住む配信者に限られており、Periscopeは今後対象エリアを広げていこうとしている。

今回発表された新機能は、恐らく中国のライブストリーミングサービスで人気のバーチャルギフトからヒントを得たのだろう。中国のYingkeやYizhiboなどでは、ファンがバラのマークや種々のステッカーをアプリ内で購入し、お気に入りの配信者に送っている様子がよく見られる。先週には、チップや換金可能なバーチャルグッズをクリエイターに送れる機能の利用をAppleが正式に許可した。しかし、Appleの決定とPeriscopeの新機能に直接的な関係はなく、同社は「私たちがやろうとしていることを(Appleが)たまたまサポートしてくれた」と語っている。

スーパーハートの買い方、送り方、換金方法

残念ながら新機能は少し複雑だ。まず、視聴画面には新しくスーパーハートのアイコンが表示されるようになっており、ユーザーはそれをタップするとスーパーハート専用のストアに移動できる。しかし、スーパーハートを購入するためには、まず枚数に応じて0.99ドルから100ドルの値段がついたバーチャル”コイン”を購入しなければならない。スーパーハートは全部で3種類準備されており、ひとつめはベーシックなハートマークにプラスサインがついたもの、ふたつめは泡で囲まれた光り輝くハートマーク、そしてもっとも高価な3つめは、中央にユーザーの顔写真がフィーチャーされており、配信者に送ると小爆発を繰り返すもの。なお、購入したスーパーハートはどの配信者に対しても送ることでき、0.99ドルだと約30個のベーシックなスーパーハートを購入できる。

多くのゲームアプリでは、普通にプレイしているだけでも無料でコインを獲得できるが、Periscopeでコインを入手するためにはお金を使う以外の方法がなく、所得の少ないユーザーは新しい機能を十分に楽しめない可能性がある。

スーパーハートを送ったユーザーは、以前からある無料のハートマークを送ったユーザーに比べて配信画面上で目立つように表示される。さらに、配信中にスーパーハートを送ったユーザーの名前はリーダーボードに掲載されるため、配信者は誰に動画内で感謝すればいいのか把握できる。他のユーザーはその様子を羨望の眼差しで見つめることになりそうだ。今のところスーパーハートの購入や送信はPeriscope上でしか行えないが、配信をTwitter上で見ている人もやりとりの様子を確認することはできる。

配信者のプロフィールには、受け取ったスーパーハートに対応するコインの枚数が”スター”として表示されるようになる。そして、175ドル分のスター(約18万5000スター)が集まると、その配信者はPeriscopeのSuper Broadcasterプログラム加入申請できるようになり、申請が受け入れられれば、月末にスターを現金化してACH送金(日本版注:アメリカの一般的な国内送金の手段)で受け取れるようになる。また、ファンからお金を受け取りたくないという配信者であれば、スーパーハートの機能をオフにすることも可能だ。

料金設定やTwitterの取り分について、PeriscopeのSara Haiderは次のように語った。

「スーパーハートは、一定の要件を満たした配信者の中で、コンテンツから収益を得たいと考えている人のために作られた機能です。私たちは、配信者が最大限の収益を得られるように、この機能の様子を観察しながら改善していこうと考えています。アプリ内購入や決済にかかる手数料を除いた金額のうち、約70%が配信者の元に渡ることになりますが、手数料や為替レート等の変動によって、実際の割合は多少変化する可能性があります」

コインを購入し、そのコインでスーパーハートを購入し、さらにそれがスターに姿を変え、その後ようやく現金化されるというプロセスをややこしく感じる人もいるかもしれない。というか、これは大変ややこしいプロセスだ。ユーザーは自分がどのくらいお金を使っているのかわかりづらいし、どのくらいの金額がお気に入りの配信者の元に届いているかもよくわからないため、ユーザーと配信者どちらにとっても新機能を利用するには多少のハードルがあるかもしれない。

しかしコアなファンからしてみれば、自分の好きな配信者のコメント欄やリーダーボードで目立つことができ、さらには配信者から直接お礼を言われるかもしれないとなれば、多少の複雑さなど問題ではないのかもしれない。

Twitterは仮想通貨ビジネスへの参入を画策中?

もしもスーパーハートが広く利用されれば、好調な2017年度第一四半期の業績でカムバックを果たしたTwitterにとっては重要な収益源となる。さらに配信者からすれば、Facebook Liveで収益をあげるには邪魔な広告を動画の途中に挟まなければならず、SnapchatやInstagramではマネタイズの手段が準備されていないため、Pericopeで動画配信を行うインセンティブが生まれる。

しかし、配信者たちはこの機能が大きな収益に繋がるとは考えていないようだ。Periscope上で有名なある配信者は「素晴らしい第一歩ではありますが、現実的に考えるとスーパーハート機能で稼げるのはお小遣い程度でしょう。つまり、これは大金を稼げるようなマネタイズ機能ではないため、配信者側もあまり期待し過ぎない方がいいと思います」と語っている。

そのため、仕事として動画配信を行いたい人は、引き続き応援機能のあるTwitchや、クリエイターの収益を中心に考えて作られたBusker、最近課金ユーザーのみを対象にした限定配信オプションが追加された月額制会員プラットフォームのPatreonなどを利用することになるだろう。視聴者のコメントを目立たせるためのSuper Chatと呼ばれる機能や広告からの収益を考えると、YouTubeも有力なオプションだと言える。

もしかしたら、Periscopeは自分たちで新たなコンテンツを追加しなければならないかもしれない。というのも、同社はユーザー数や配信者数をここ2年ほど発表しておらず、これは悪いサインである可能性が高い。

さらに、彼らはスーパーハートを使ったアダルトコンテンツの配信にも気をつけなければならない。だからこそ、Super Broadcasterプログラムは許可制で、175ドルというハードルが設定されているのだろう。元からアダルトコンテンツを配信するつもりの人の申請は通らないだろうし、急にアダルトコンテンツで稼ごうと思った人も、現金を手にする前に一定額を稼ぎ、さらには申請が許可されなければならないのだ。

今後スーパーハート機能がTwitterからも利用できるようになるかや、Periscope上のコインを他の目的で使えるようになるかに関しては、Twitterはコメントを控えている。しかし、彼らにとって初となるバーチャルグッズの導入がうまくいけば、Twitterは特別なステッカーからプロフィールを飾るバッチまで、各ユーザーのツイートがより多くの人の目につくようなものを色々と販売できるようになるだろう。

さらに、もしもTwitterが多様な意見が受け入れられるプラットフォームという信念を曲げずに、ユーザーがお金を払いたくなるようなモノを発見できれば、広告収入のためにユーザー数を増やさなくとも、コアな一部のファンから十分な収益をあげられるようになるかもしれない。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Snap、ソーシャルマップのZenlyを最高3億5000万ドルで買収――新機能Snap MapはZenlyそっくり

Snapchatの最新機能Snap Mapは、ソーシャルマッピング企業Zenlyの買収と深く関係しているようだ。TechCrunchでは、Snapchatが5月末にZenlyを2億5000万〜3億5000万ドルで買収していたという情報を入手した。買収金額の大方は現金で支払われ、残りは株式の譲渡でまかなわれたようだ。また、買収後もZenlyは独立した企業として運営され、FacebookとInstagramのような関係になると見られている。

Zenlyのアプリでは、バックグラウンドでGPSが常に位置情報を把握しており、ユーザーは友人の居場所を地図上で確認できるようになっている。そして、近くにいる友人にメッセージを送って、遊ぶ計画を立てることができるのだ。

Sensor Towerのデータによれば、パリに拠点を置くZenlyのアプリはこれまでに400万回もダウンロードされており、その28%がフランスのユーザーによるものだが、アジアでも人気を呼んでおり、ダウンロード数の12%が韓国、8%が日本のユーザーによるものだとわかっている。メインのユーザー層は10代の若者で、街中や学校やコンサート会場などで友人とリアルタイムでコミュニケーションをとるのに使われている。さらにZenlyはこれまでに合計で3510万ドルを調達しており、昨年9月に行われた2250万ドルのシリーズBでは、シリコンバレーの名門VCであるBenchmarkがリードインベスターを務めていた。

Zenlyのソーシャルマップ(左)は、Snapchatの最新機能Snap Map(右)に酷似している……その理由はSnapがZenlyを買収したからだった。

今朝(現地時間6月21日)Snapchatは、ユーザーが位置情報を共有したり、自分の近くに何があるかを発見したりするのに使える新機能Snap Mapをローンチした。Snapchatはアプリが開かれた状態でないと位置情報を取得しないので、仕組みに若干の違いはあるものの、それ以外に関してはSnap MapとZenlyは酷似しており、私たちはSnapchatがZenlyのサービスをコピーしたのではないかと考えている。情報筋によれば、Snapから買収の話を持ちかけたようだが、当初Zenlyはそれを断ったという。

さらに本件について探ったところ、買収についてよく知る関係者から、Snapが実際にZenlyを買収したという情報を手に入れた。5月25日にはZenlyのサービス利用規約が変更されており、これはSnapによる買収と関係しているのかもしれない。さらにSnapの社員が、Zenlyのファウンダーをお祝いする内容のツイートをリツイートしている様子も確認された

SnapはZenlyをシャットダウンしてSnapchatに組み込むのではなく、ある程度独立した企業として扱っていくようだ。買収について両社にコンタクトしたが、Snapはコメントを控えており、Zenlyからは返答を受け取っていない。代わりに、昨年Londonで行われたDisruptにおけるZenly CEO Antoine Martinのインタビューの様子を以下にお届けしたい。

Snap MapとZenlyを共存させることで、Snapはソーシャルコンテンツの分野におけるリスクをヘッジしようとしているようだ。InstagramやFacebookをはじめとする他社のアプリが、Stories機能を次々にコピーしていることもあり、ユーザーがオフラインで会うのを促進するような方向に機能を拡大したのはSnapchatの賢い選択だったと言える。しかも、今や消費者のスマートフォンのホームスクリーン上に、Snapのアプリが2つインストールされている可能性さえあるのだ。

友人との予定には色々な活動(食事やアクティビティなど)が含まれているため、将来的には広告掲載やパートナーシップなどさまざまな可能性が考えられる。例えば飲食店や映画スタジオであれば、ZenlyもしくはSnap Mapのユーザー向けに広告を掲載したいと感じるだろう。

Zenlyアプリの概要

2億5000万〜3億5000万ドルという金額はZenlyの買収額としては高く感じられるが、Snapchatはこれまでにも大型買収をプロダクトとしてうまく昇華してきた。例えば、1億5000万ドルの現金とボーナスで買収したLookseryは、Snapchatの代名詞となるARフェイスフィルター機能の原動力になり、6420万ドルで買収したBitstripsは、ユーザーの顔を型どった絵文字Bitmojiのローンチに繋がった。さらにSotiresの検索機能やSnapcode(QRコード)、Spectaclesも、それぞれVerb、Scan.me、Vergence Labsの買収から生まれた機能やプロダクトだ。

Zenly自体は、カメラ企業になるというSnapのミッションにはマッチしないように見える。しかし、ユーザーが友人とオフラインで会うためのアプリを買収したことで、Snapchatはカメラにおさめたくなるような瞬間を生み出そうとしているのかもしれない。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Instagram StoriesのDAU、2.5億人――ライブビデオの録画再生も追加

Snapchatに対するInstagram Storiesの優位性は拡大している。同時にライブビデオを後で再生できる新機能をスタートさせた。Instagram StoriesのDAU(1日当たりアクティブ・ユーザー)は2億5000万人となった。Snapchat Storiesがリリースされたのは2016年の8月だったが、その後昨年10月の1億人、今年1月の1億5000万人、4月の2億人と順調にユーザーを拡大してきた。これに対してSnapchatのDAUはトータルで1億6600万人だ。一方Instagram全体のMAUは7億人だ。

Instagramは私の取材に対して「新しいクリエーティブ・ツールから位置情報までユーザーがいついかなる瞬間も容易に共有できるよう、またフォローしている相手が公開している興味あるコンテンツを発見しやすくするよう努力してきた。その結果、Instagramはアメリカ内外を通じて力強い成長を続けている」と述べた。

Instagramが発表した数字はStoriesの成長がむしろ加速していることを示す。最近2ヶ月の新規ユーザーは5000万人だった。その前に5000万のユーザーを追加するには3ヶ月かかっている。一方Snapchatの成長率は減速している。2016年第2四半期は17.2%だったが、2017年第1四半期には5%にダウンしている。これに対して Instagram Storiesの四半期成長率は25%だ。

Snapchatの株価はInstagramの今朝の発表と同時に下落したがその後持ち直し、下落幅は2.96%に留まった。

Instagram StoriesはSnapchatが欠いている機能にさらに柔軟性を加えた。モバイル・デバイスのカメラからLive videoを公開した後、ユーザーはビデオをただちに消去するか、その後24時間に限って再生できるようにするか選択できる。 ユーザーがLiveビデオの再生を選択した場合、友達はフィードの上部、プロフィール部分に再生ボタンが表示される。

これまでLiveビデオは放映終了後に自動的に削除されていた。これは「その時見なければ見ることができない」というモチベーションを与えていたが、同時にLiveビデオ機能を不便に感じさせる原因でもあった。ビデオを向こう24時間公開できるようになったことは、さらに多くの友達がビデオを見ることができることを意味するのでLiveビデオを利用するユーザーは増えるはずだ。

TwitterのPeriscopeは当初ライブビデオの再生可能な時間と24時間に限っていたが、その後無期限に保存できるよう変更された。Facebook Liveのビデオも同様に恒久的に保存、共有できる。以前のInstagram Liveは放映中に見逃せば、その後は見ることができないという点で独特だった。24時間の再生が可能になったことでStoriesをフォローしている友達はビデオを見るチャンスが増えたことになる。

Instagramがこれほど急速に成長できたことは一方でSnapchatが大きなチャンスを逃したことを意味する。ロサンゼルスのSnapchatがアメリカのティーンエージャーにクールなアプリを提供するのに熱中したことは近視眼的だった。年長のユーザー層には使いにくいものになっただけでなく、海外での成長戦略も欠いていた。もともと国際的に人気が高いInstagramをベースにしたStoriesがさらに使いやすくなったことで、ソーシャルメディアのユーザーは誰もがこのフォーマットを利用することになりそうだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

オンラインでのより良い会話をデザインする

【編集部注】著者のAshleigh Axiosは、Automatticにデザイン担当として入社する前は、オバマ時代のWhite Houseの、Creative Directorならびにデジタルストラテジストだった。

AutomatticMIT Center for Civic MediaThe Mash-Up Americansの3者は、率直な対話をもちながら、共感を深め、世界をより包括的で思いやりのある場所にするために協力してきた。これまでのところ、私たちは問題を明らかにし、私たちの前提を探求してきた。この3回目のDesign and Exclusion(デザインと排除問題)対談では、私たちがオンラインで互いに引き付け合っている方法について語り合うことになった。

私たちはそれぞれ、オンラインで話す時間を増やし、写真、ストーリー、思い出を他人と共有しているものの、どれほど多くの、世界中の善意あるいは悪意の他者がこの情報にアクセス可能なのかを考慮することはあまりない。もしあなたが他の人たちと似たような考えの持ち主ならば、それについて深く考えること避けるだろう。なにしろそれは、恐ろしいものである可能性があるからだ。ありがたいことに、オンラインでの対話やコミュニティを改善する方法を考えるために、その時間を費やすことを選んだ人たちが居る。私たちは、こうした先駆者たちの何人かを同じ議論の場に引き出すことができた。

この対談では、Tech LadyMafiaの共同創業者であり、Call Your Girlfriendの共同主催者でもあるAminatou Sowが、MIT Center for Civic MediaのディレクターであるEthan Zuckermanと、最大のオンライン辞書Wordnikの創設者であるErin McKeanとの間の、素晴らしい議論の仲立ちをしている。私たちのホストであるAmy S. Choiは、何人かのデザイナーたちが個人的なソーシャルメディアポリシーを述べ、いつそして何をを共有するのかについて、彼らの線引がどこにあるかを紹介するところから議論を始めている。録音は以下のリンクから(完全な書き起こし文付き)。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Facebookが検閲やテロ対策の方針に関する意見を公募――ユーザーとの対話を図る

Facebookはどのようなコンテンツであれば掲載してもよいと考えればいいのだろうか? また、多様な意見や文化の違いが存在する中、彼らはどのようにユーザーの安全と真実のバランスをとればよいのか? Facebookはこのような一筋縄ではいかない問題の解決に向けて、本日(現地時間6月15日)7つの”難問(hard questions)”に関する記事を公開した。ユーザーは各項目に対するフィードバックや、他にFacebookが取り組むべき問題を、所定のメールアドレス(hardquestions@fb.com)に直接送ることができる。

Facebookは今後それぞれの問題に対する考えをまとめたブログ記事を公開しようとしており、まずは本日、インターネット上でのテロリズムの拡散とFacebookがどのようにこの問題に取り組んでいるかについての記事がアップされる予定だ。

[アップデート:こちらから最初の”難問”に関するFacebookのブログ記事を確認できる。予定通りこの記事ではテロ対策が取り上げられており、詳細については以下で触れている]

「私たちの選択に疑問を抱いている人もいるかと思いますが、Facebookの考え方やどれだけ真剣に私たちがそれぞれの問題に取り組もうとしているかについて、このブログシリーズを通じて知ってもらえればと考えています」とパブリックポリシー担当VPのElliot Schrageは記している。「また、こういった情報を公開して説明責任を果たすことで、今後間違いを犯す回数が減り、何か問題が起きてもすぐに対応できるようになると信じています」

Facebookが取り組んでいる7つの”難問”は以下の通りだ。各項目には関連情報を追記している。

  • ネット上のプロパガンダの拡散を防ぐためにソーシャルメディアはどのようなアプローチをとればいいか?

Facebookはこれまでにテロ支援を表明しているページやアカウントを閉鎖してきた。しかし、テロリズムとの関連が不明確なものへの対応や、忌憚のない意見とプロバガンダの線引きに関しては明確な指針を示せないでいる

  • アカウントの持ち主が死んでしまった場合、その人の情報をどのように扱うべきか?

現在のところ、Facebookでは亡くなった人のアカウントが追悼アカウントに変更され、事前に「追悼アカウント管理人」に定められた人がそのページを管理するようになっている。しかし、もしもアカウトの持ち主が生前に管理人を定めていなければ、たとえ家族の誰かに対してであっても、管理権を移譲するためには複雑なプロセスを経なければいけない。

  • ソーシャルメディアは、問題となりそうな投稿や画像をどのくらい積極的に監視・削除すべきなのか? 特にさまざまな文化的背景を持つ世界中のユーザーが利用しているサービスでは、誰がコンテンツの問題性を判断すればいいのか?

Facebookはさまざまな年代のユーザーや広告主の安全を守りつつも、熱い議論が交わされるトピックを検閲しないようにするという難しい綱渡りを強いられている。最近では、警察による暴力がおさめられた動画や、裸の子どもが写った戦争の恐ろしさを伝える歴史的な写真を一時的にブロックしたことで批判を受けていた。この点に関しマーク・ザッカーバーグは、各ユーザーがフィルター機能を自分で調節できるようにし、各地域のユーザーの平均的な設定をその地域のデフォルト設定にしたいという考えを示していた。しかし、各地域の基準が国際的な基準と一致しない場合、Facebookは依然として厳しい選択を迫られることになる。

  • 誰が「偽ニュース」と「賛否の分かれる政治的な発言」の線引きを行うのか?

2016年のアメリカ大統領選挙以降、Facebookは偽ニュースの拡散に対して十分な対策をとっていないと批判を浴びており、特に右派の陰謀論やドナルド・トランプの勝利に繋がったとされる情報の拡散が話題になった。しかし、もしもFacebook自体が偽ニュースを取り締まり始め、思想的に偏った決断を下すようになると、ユーザー間の議論が沈静化し、オンラインコミュニティがさらに分裂してしまうだろう。その一方で、彼らが何もしなければその判断は有権者の手に委ねられることになる。

  • ソーシャルメディアは民主主義にとってプラスなのか?

ひとつ前の問題にも関連しているが、ユーザー間で”ニュース”が勝手に広まることで、これまで誤報や不正確な情報から読者を守ってきたプロの編集者が入りこむ余地がなくなってきてしまった。残念ながら、扇情的な虚偽のコンテンツほどエンゲージメント率が高く、結果的にニュースフィード上でも目立つ位置に配置され、これがさらなる拡散に繋がってしまっている。これに対し、Facebookは偽ニュースが目立つ位置に表示されないようにアルゴリズムを改変し、外部のファクトチェッカーとも協力してきたが、フィルターバブルが縮小化したことでユーザーが多様な意見に触れる機会が減ってしまう可能性もある。

  • どのようにユーザーデータを活用すれば、ユーザーの信頼を損なわずに利便性を高めることができるのか?

Facebookはいい意味でも悪い意味でもデータ発掘機のような存在だ。大量のデータがあるからこそ彼らはユーザーの好みにあったコンテンツを表示することができるのだが、ユーザーデータは広告の効率化にも使用されており、Facebookの影響力はさまざまな業界に留まらず、私たちのプライバシーにまでおよぶ。

  • 若いネットユーザーが安全な環境で自分を表現するためにはどうすればよいのか?

大人にとっては重要なニュースだったり軽いエンターテイメントだったりするものが、子どもにショックを与え動揺させてしまうことがある。そんな中、Facebookはお互いに繋がりあえるような環境を子どもに与えつつも、悪意を持ったユーザーから子どもたちを守るようなネットワークを構築していかなければならない。既に同社は成人ユーザーがグラフ検索で18歳未満のユーザーを見つけられないよう制限を設けているほか、親向けにさまざまなリソースを公開しているが、子どもが投稿した内容は一般公開できるようになっているため、見知らぬ大人が子どもと関わりを持つ可能性を根絶できてはいない。

テロリズム対策

テロ対策に関するFacebookのブログ記事はユーザーとの対話のスタート地点に過ぎず、AIや人間のスタッフ、外部パートナーといった、プロパガンダ拡散を防ぐための手段をリストアップしただけのものだった。

Image via BuzzNigeria

彼らの取り組みは以下の通りだ。

  • 既に削除対象となったコンテンツが再びアップロードされるのを防ぐための類似画像検索機能の実装
  • テロ行為を支援するような文章を特定できるアルゴリズムを使い、似た文章を見つける機能のテスト
  • テロ支援を理由に削除されたアカウントと繋がっている、もしくは似たアカウントの削除
  • 削除後に再登録したと思われるアカウントの動きを特定し”再犯率”の低下を狙う
  • プラットフォームを超えてテロリズムの撲滅を目指すためInstagram、WhatsAppと協力
  • 現状Facebookでは、警察からの要請に対応する緊急時用の専門スタッフを含め、何千人というモデレーターが同社の社員としてフラグの立てられたコンテンツのレビューを行っている。ここにさらに3000人のモデレーターを追加し、150人の専門家をテロ対策専用のチームに配備する。
  • FacebookはTwitterやYouTubeをはじめとする企業とパートナーシップを結び、テロ関連コンテンツのフィンガープリントを共有しているほか、世界各国の政府機関からブリーフィングを受け、反過激主義・反ヘイトスピーチプログラムを支援している。

残念ながら、今回の記事にはフィードバックのためのメールアドレスは記載されておらず、プロパガンダとされるコンテンツをチェックする際の基準に関する哲学的な問題も提起されていない。

[アップデート:この記事でメールアドレスが記載されていないということを指摘した結果、当該ブログ記事にhardquestions@fb.comが追記され、今後”難問”に関連する全ての記事にメールアドレスを記載するという連絡をFacebookから受け取った。この対応から、実際にフィードバックに耳を傾け行動を起こそうとする同社の姿勢を感じられた]

透明性だけでは事態の重大さは変わらない

この度公開された”難問”からは、どうすればザッカーバーグが「これまでとは違うメディア企業」と呼ぶ存在であり続けられるのかというFacebookの葛藤が感じられる。ソーシャルネットワークというものは、ユーザーが肉付けしていく骨格のようなプラットフォームであると同時に、何が有益で楽しいコンテンツで何が誤解を招く邪魔なコンテンツなのかを判断し、自分たちの色を出していく出版社のような存在でもある。

そういう意味では、考えていることを社内に秘めておかずに公開すると決めたFacebookの判断は賢明だったと言える。また、情報が公開されたことで、人々はFacebookが少なくとも問題に真剣に取り組もうとしているのだと安心できるかもしれない。問題は、透明性が高まったからといって、急を要する事件が起きたときに、何十億もの四半期売上高を誇るFacebookが時間をかけてそれに対応する余地が与えられるかということだ。フィードバックや解決策をクラウドソースするだけでは足りない。たとえ解決策がビジネスの妨げになるとしても、Facebookは実際にアクションを起こしていかなければならないのだ。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Facebook、コメント投稿時の「GIFボタン」を採用

Facebookの投稿への返信に、動きをもたせることができるようになった。GIF誕生30周年となる今年、Facebookは3ヶ月のテストを経てGIFアニメによる返信機能を実装したのだ。ちなみに、Messengerではこの1年で130億のGIFが送信されていて、2017年の元旦だけで4億のGIFがやり取りされたのだとのこと。

コメント時に表示されるGIFボタンを押すと、コメント画面から移動することなGiphyTenorのGIFを検索して使用することができるようになっている(デスクトップ環境では、Messengerの場合と同様に「トレンド」GIFも表示されるようになっている)。

訳者注:役者の環境では、現在利用可能なのはデスクトップのみで、スマートフォン(Android)上ではまだGIFボタンが反映されていません。

ちなみに、GIFが利用可能となったのは2年前のことだった。しかしこれまでは、他のGIFサイトに移動してGIFを検索し、そしてURLを貼り付ける必要があったのだ。GIFボタンを実装して、その場で探せるようになったことで、GIFの利用ははるかに容易になった。とくにモバイル環境で便利に利用することができるだろう。現在のところ、GIFボタンが利用できるのはコメントする場合のみだ。しかしいつでもGIFを使いたいと考える人はますます増えており、おそらくは自らの記事を投稿する際にもGIFをが使えるようになるのだろう。

Facebookは、今回の「正式サポート」前にも、GIFサポートを行なってきていた。しかしフィードが騒々しくなってしまうという考えもあり、なかなか広く採用するまでにはいたっていなかったのだ。しかしFacebookの意向に関係なく、利用者はGIFの利用方法を見つけ出して実践してきていたのだ。GIF採用を躊躇ううちに、Imgurなどにチャンスを与えることにもなっていた。本日をもってFacebookは、ニュースフィードをより「リッチ」(うるさい、と感じる人もいる)なものにすることとなったわけだ。他にも自動再生ビデオをサポートしたり、投稿の背景色を変えるような機能ももたせている。

CompuServeが1987年に生んだGIFの30周年にもあたっているし、タイミング的にも良いアイデアだといえるかもしれない。なおFacebookはGIFの読み方についての投票なども行ったりしている。GIF生みの親であるSteve Wilhiteの意向を無視する形で議論が繰り返されたりもしている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Microsoft、Skypeをリニューアル――ストーリーズ的Highlights追加、スワイプでカメラを起動

今日(米国時間6/1)、Microsoftはまったく新しくなったSkypeをリリースした。新しいSkypeアプリにはライバルのチャットサービス、Facebook MessengerやSnapchatの影響が明らかに見てとれる。つまりSkypeにはFacebookストーリーズに似たHighlightsが導入された。インターフェイスのDesignも一新され、スワイプするだけでビデオが利用できるようなるなど多数の新機能が追加されている。

Microsoftによれば、Skypeのリニューアルは1年以上前から準備が始まっていたという。Skypeとしては2006年にビデオ共有が導入されて以来の大型アップデートとなった。つまりチャット化のトレンドに驚いて大急ぎでアップデートが始められたとばかりは言えないわけだ。

新しいSkypeには、Facebook Messengerに対抗する独自のボットや拡張機能が追加されている。

Highlights – Skype版のストーリーズ

最近のソーシャル・アプリのやり方どおりスワイプでカメラを起動できる。ユーザーは写真なりビデオなりを撮る。説明のテキスト(手書きも可能)を入力し、Skype独自のスタンプで飾る。こうした定番の機能がすべて用意されている。

撮影したビデオは個別の相手やグループ・チャットで共有できるが、新しいSkypeアプリで目立つのはHighlightsでの共有だ。

新バージョンではカメラはメインのスクリーンで右からスワイプすると現れる。Highlightsでは左スワイプだ。

HighlightsはSkype版のストーリーズだ。これはMicrosoftも認めている。

Skype担当のMicrosoftのコーポレート・バイスプレジデントのAmritansh Raghavは、Facebookのメッセージング担当VP、David Marcusの発言を念頭において、「Facebookも言うとおり、このフィードのフォーマットはトレンドだ」と語った。【略】

Skypeにはストーリーズにない独自の機能が追加されている。

たとえばストーリーズの場合、共有されたコンテンツが24時間で消えるのに対して、、Highlightsでは1週間表示される(投稿したユーザーは設定により最大24ヶ月まで見ることができる)。またHighlightsはSkypeネットワーク全体に公開されず、Twitter式のフォロー・システムにより、ユーザーのHighlightsをフォローしている相手にのみ表示される。

また「共有」を選べば、Highlightsを個別の個人ないしグループの連絡相手に対して表示することが可能だ。これはその相手にHighlightsをフォローするよう勧める効果がある。相手がフォローしていない場合はそのつどマニュアルで相手を指定する必要があるのでスパムを送るために用いられないようになっている。

Highlightsを含めてSkypeの投稿に対して絵文字で使ってリアクションできる。Skypeはフェイスブックの「いいね!」、「すごいね!」などの各種リアクションを取り入れた。
親指アップが「いいね!」、ハートマークが「お気に入り」を表す等々だ。悲しい、笑える、驚いた、怒っている、なども絵文字で簡単に投稿できる。相手とのプライベートなチャットでは文章もタイプできる。

Bボット、アドイン

今日の新バージョンではSkypeのボットとアドインの機能が大きく拡張された。今後、Microsoftの人工知能アシスタントのCortanaと会話したりMSN.comからScoopを使って最新ニュースを検索したりできるようなる。

ボットがチャットに組み込まれるとアドインと呼ばれる。つまりチャット内から直接ボットに呼びかけることができる。「Scoop、Xについての最新のニュースは?(Scoop, what’s up with X?) 」といった具合にXについて知りたいことを検索できる。【略】

Microsoftのデモでは数多くのボットとアドインが登場している。これにはCortana、Scoopの他にGfycat、Giphy、MSN Weather、(Bing検索。Polls、Expedia、Stubhub、BigOven(クッキング)、YouTubeなどサードパーティのサービスも含まれる。ただしアメリカでCortanaが利用できるようになるのは6月に入ってからになる。

グループチャット

Highlightsとアドインは目立つ機能だがそれ以外にも数多くの改良が加えられている。

たとえば新Skypeでは好きな色を選ぶなどデザインのテーマをカスタマイズできる。あらゆる投稿にエモーティコンで反応できる―実際ビデオ通話でもエモーティコンが使える。一時的にオーバーレイを表示することによって非常に大きなエモーティコンの表示が可能だ。また通話の際に自分の背景色を選ぶこともできる。

ユーザーはビデオ通話中にメッセージをタイプできる。グループでのビデオチャットで音声で話すと発言者が紛れそうな場合に特に便利な機能だろう。

ビデオチャットの機能は今後も強化が予定されている。これにより、友達とゲームをプレイしたり、ストリーミング・ビデオをいっしょに見たりできるようになる。グループでのの「共同視聴」はTumblrのCaban、YouTubeのUptimeなど他のソーシャルメディアも力を入れている分野だ。

この中ではYouTubeが最初に共同視聴できるようになるだろうと観測されていたが、Skypeは多数のストリーミング・サービスと提携を進めているようだ。ゲームの共同プレイについてはMinecraft、SolitaireなどMicrosoftの既存ゲームがまずターゲットになる。

新SkypeはAndroid版が今日公開される。iOSは一月後になる見込み(iOSでは段階的なロールアウトがサポートされていないためだろう)。

デスクトップ版(Windows、Mac、Linux)、ウェブ版は及びXboxが新バージョンになるのはこの夏の予定。

〔日本版〕日本語Skypeアプリも近く新機能に対応するはずだが、自然言語処理をベースにしたボット機能は当分の間、英語のみのサポートになる可能性が高い。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft元CEO Steve BallmerがTwitterに投資をした理由を語る

Microsoftの元CEO Steve Ballmerが、火曜日(米国時間5/30)のCode Conference のステージに立ち、彼がTwitterの大株主になった理由を語った。

“それを価値ある経済的資産にするような本物の機会がある”、と言ってBallmerは、そのソーシャルメディア企業への浮気のような投資だった彼の意思決定を、擁護した。彼が同社のポテンシャルを信じるのは、同社が“人びとに世界中の自分が話しかけたい人と直接的にコミュニケーションできる機会を与える”からだ。

一時Ballmerは同社の4%を保有していたが、今回は“大きなパーセンテージだ”と言うだけで、詳しくは語らない。

MicrosoftがTwitterを買収する、という彼がCEOだったころの噂を彼は否定したが、Twitterがどこかに買収されることはありえる、と考えてはいたようだ。“企業は、長い年月のあいだには、整理されたり、魅力ある資産としてどこかに買われたりするものだ”、という言い方だ。

Ballmerは、Jack Dorseyが二つの企業のCEOであり続けるのは無理、という世間の懸念に同意した。“二つの会社のCEOなんて、想像すらできない”そうだ。

ただしBallmerは、今後、投資はあまりしないらしい。株式投資に対しては考えが変わり、今では債券やインデックスファンドに“戻った”、と言う。

彼は最近、政府の支出を監視するWebサイトUSAFactsを立ち上げたが、その動機は、企業の決算報告などに比べると政府の予算に関するデータが見つけにくいことへの、欲求不満だった。

費目が詳細に分類された政府の支出に関するデータは、“さんざん探してもほとんど見つからない”、と彼は言う。だから彼は、そのサイトが、政策立案者たちやジャーナリスト、そして自分が払ったの税の行き先を知りたい人なら誰もが利用できるリソースになることを、期待している。

彼がオーナーであるバスケットボールチームLos Angeles Clippersには、今かなりの時間を投じているそうだ。彼は、試合中にスマートフォンばかり見ている連中は“嫌いだ”、と語り、拡張現実を利用してアリーナでの体験を改良したい、と述べた。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Bill Gates, Reid Hoffman, Sam Altmanらがグローバルな署名運動サイトChange.orgに$30Mを投資

LinkedInの協同ファウンダーReid Hoffmanが今日(米国時間5/26)、社会的正義を実現するための署名運動サイトChange.orgに大きく賭けることを発表した。彼は3000万ドルの投資ラウンドをリードし、それにBill GatesやY Combinatorの社長Sam Altmanらのビッグネームが参加する。

HoffmanはLinkedInにこう書いている: “Change.orgは集団的アクションのためのグローバルなハブであり、市民参加が大きくなりつつある今の時代における重要な民主化勢力である。それは、重要な問題や政策に関して、ロビイストを雇わなくても本物のインパクトを及ぼすことのできる世界を実現する”。

この組織は2007年に今のCEO Ben Rattrayが創った。その後、世界中の2億人近い人びとがこのサイトを使って、人権、環境、教育、健康などの問題に関する気づき(awareness)を喚起してきた。

Rattrayは、そのグローバルなミッションについて書いている: “私たちは今、より参加性の高い新しい形の民主主義の、初期的な発展途上段階にいる。そして、市民の参加性を変革することのできるテクノロジーの力を実際に実現するためには、私たちの声がより広く到達し、より深い関わりを可能にするためのツールを作る必要がある”。

シリコンバレーで、もはやマンネリの常套句が、「“世界を変える(change the world)”ものを作る」、だ。

でもChange.orgは、NPOではなく利益を追うビジネスだ。同社は企業や非営利団体などに陳情や署名活動のスポンサーとして寄付を求め、それが同社の年間2000万ドルの収益になっている。しかしそれでも、社員の30%をレイオフすることを避けられなかった(2016年)。その後彼らはクラウドファンディングを導入し、今ではそれがChange.orgに“数百万ドルの収入”をもたらしている。

HoffmanがChange.orgのチームに賭けるのは、これが初めてではない。2014年には、Richard Branson, Ashton Kutcher, Twitterの協同ファウンダーEv Williamsらと並んで、名士らによる大きな投資に参加した。

また2012年には、Change.orgは4200万ドルあまりを調達している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Imzyよ安らかに

優しくて穏やかなオンラインコミュニティプラットフォームImzyが、6月23日に閉鎖される。

同社の共同創業者であるDan McComasは、本日(米国時間5月24日)のブロク投稿による発表を、Imzyの居場所を市場の中に見つけることができなかったことへの、コミュニティへの謝罪から始めた。

私たちがベータ版を運用していた時代から参加していただいた方もいますし、まだ参加なさったばかりの方もいます。私たちは皆さんのことを知り、皆さんがコミュニティを築いて新しい友達を作る様子を見ることが大好きです。残念ながら、私たちは市場に私たちの居場所を見つけることができませんでした。それでも私たちはまだ、インターネットはより良い場所にできると思っていますし、この先もっと多くの仲間たちがこの課題にチャレンジしてくれることを期待しています。

McComasと彼のパートナーJessica Morenoは、Redditの仕事を辞めたあと、2015年の夏にユタ州ソルトレークシティにやってきて、より包括的なソーシャルボードのアイデアを発表した。

Imzyは昨年秋にプラットフォームを公開し、6000以上のImzyコミュニティに数万人のユーザーを抱えるまでに成長した。それはRedditのようなサイトにも見られるような、スレッド化されたコメント形式を採用していたが、Redditがいかがわしいトロールの跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)を許していたような自由奔放さに対して、Imzuでは初めから人びとがお互いをどのように扱うべきかについてのルールが定められていた。

しかし、それは多くの人びとを引き付けられるものではなかったことが明らかになり、Imzyはインターネット上で善き交流を行なうという、理想的な実験に幕を降ろさざるを得なくなった。

救いがある点としては、これまでのユーザーデータは保全され、リクエストに応じてユーザーにそのデータをダウンロードすることができるリンクを提供できる、とMcComasが話していることだ。彼はまた、誰もが投稿できる/ Imzyコミュニティーボードが開設されるとも述べている。「これは、私たちが集まり、思い出を共有し、さようならを言うためにふさわしい場所になるでしょう」と彼は言った。

Imzyは総額1100万ドルを調達したが、そのうちの800万ドルは2016年の秋に獲得したものである。ある情報源によれば、創業者たちが閉鎖を決めたのはつい最近で、銀行に十分な資金が残っているうちにそうしたかったのだとのこと。おそらく別の事業を計画しているのだろう。私たちはこのことについて問い合わせを行った。何らかの情報が得られたときにはお知らせする。

ほんの数ヶ月前に、ユタ州のスタートアップシーン調査の一環として、Imzyチームを訪問したばかりのTechCrunchにとってはショッキングなニュースだ。そのときのMorenoとのインタビューは以下のビデオで。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Facebook本社で犬種判別人工知能に挑戦――フリードランダーのJudah vs. the Machinesビデオ

人工知能を作るにはまずいろいろと教え込まねばならない。犬種を判別させるなら、見たところボロ雑巾みたいに見える犬も何という犬種なのか教える必要がある。

Judah vs. the Machinesシリーズはコメディアンで俳優のジュダ・フリードランダーが「人類を救うために人間が世界のトップ人口知能と対決する」という番組で、今回はFacebookの本社に応用機械学習チームを訪れた。

フリードランダーは サタデー・ナイト・ライブの内幕パロディーとして人気を博した NBC放映の30 RockシリーズのFrank Rossitano役が有名だ。フリードランダーはメンロー・パークのFacebook本社、1 Hacker Wayを訪問し、世界最大のテクノロジー企業で人々が働く様子を観察した。無料ランチなどFacebookの福利厚生を十分体験した後、フリードランダーは機械学習チームと対決した。といってもフェイクニュースやFacebook Liveのライブ配信に不適当なコンテンツを判別するために現に用いられている人工知能ではない。犬の種類を判別するコンピューター・ビジョンだ。

フリードランダーは応用機械学習チームの責任者、ホアキン・カンデラ(Joaquin Candela)からFacebookでの人工知能の利用について説明を受けた。自然言語理解についての会話ではFriedlanderは自分のアイディアをいくつか述べた。その後、犬種当て人工知能と対決したが、その様子は上のビデオご覧いただきたい。

FacebookのAIはもちろん完全ではない。しかし犬種の見分けに関してはフリードランダーを上回ることに成功した。おかしなことにフリードランダーとAIの双方を迷わせた犬種はプーリだった―マーク・ザッカーバーグの愛犬、Beastで有名な犬だ。 Facebookがなぜ人工知能に犬を判別をさせようとしているのかは不明だが、数秒で曲名を教えてくれるShazamのようなサービスが人気なら、犬を判別するバージョンがあってもいいのかもしれない。

Judah vs. the Machinesの他のエピソードはこちらから視聴できる

〔日本版〕ビデオでは0:48あたりから普段見る機会が少ないFacebookキャンパスが紹介されている。1:33から無料カフェテリアや広場に置かれたピンポン台などが紹介される。2:30から機械学習のチーフ、ホアキン・カンデラの話を聞いている。カンデラは「人工知能でFbの投稿を翻訳するのは難しい。きわめて多種類の言語が用いられている上にセンテンスにいきなり絵文字が使われたりする」と困難さを述べるとフリードランダーは「それでは絵文字言語を作ったらどうか?」と半分真剣な提案。「どの投稿を無視したかも情報となる」という説明に「Facebookはわれわれをスパイしているのか!」とジョーク。3:30から犬種判別チャレンジ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTube VRの中ではチャットによる対話形式/会話形式のコメントが可能に、安全なルームならね…

YouTubeにコメント書いてる人と、実際に会いたいと思ったことある? そう、ぼくもないね。

ところが、どっこい! 今日のGoogle I/OのYouTube VRに関する説明では、コメントは従来のようにテキストで書くだけでなく、VRの中にチャットルームができるので、そこでいろいろとお話ができるようになる。それ以上詳しいことはまだ分からないんだけど、音声によるスパムが猛威を揮ったりしたら、おとろしいだろうね。

そのシステムは、Oculus Roomsとほとんど同じのようだ。それは、友だちと一緒にルームに入ってビデオを一緒に見る、という機能だ。

YouTubeのこのシステムでは、あなたはアバターになって360度のスペースに飛び込み、ビデオについてチャットする。それはFacebookがF8で見せたソーシャルネットワーキングアプリSpacesとまったく同じと思えるけど、モバイルのVRではソーシャルな対話の機能が限られてしまうだろう。

でもモバイルのVRに関しては、GoogleにとってYouTubeの価値と意義が大きい。これまでもGoogleは、そうであることを隠そうとしなかった。モバイルVRは確かに、友だちが集まるためのすばらしいソーシャルプラットホームだ。でも、きちんと荒らし対策を実装してからでないと、安心して使えないだろうね。



[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、Messenger、Instagramの通知を統合する実験――ファミリー・アプリの緊密化進む

Facebookファミリーのアプリの緊密化が進んでいる。Facebook本体、Messenger、Instagramのアプリはそれぞれ他のアプリからの通知を表示するテストを行っている。ユーザーはアプリ間を即座に切り替えて行き来することができる。

おせっかいな赤いアイコンが常に他のアプリを見て通知を確認するよう勧めるのでエンゲージメントは高まるはずだ。最初に着信があったのを見落としたり、アラートを意識的に消したり、そもそもプッシュ通知を受け取らないよう設定していても、新しい方式では数字入りの赤いボタンが光る。

一部のユーザーは新方式を嫌うはずだ。人間の本性として「何かを読んでいない」のは気になる。さらに青地のアプリに赤いドットは目立つので否応なしに注意を向けさせられることになる。

ソーシャルメディアのアナリスト、Mari Smithがこの実験に最初に気づいた。TechCrunchの取材に対してFacebookもこの機能の存在を認めた。

Facebookによれば「ユーザーが他のメンバーとつながり、何に関心を抱いているか知ることを容易にするような機能についてわれわれはごく小規模な実験を行っている。この中でFacebook、Messenger、Instagramそれぞれのアカウントを簡単に行き来できる方法もテストしている」ということだ。

実験の対象になっているユーザーの場合、Facebook、Messenger、Instagramアプリの上部のプロフィール・アイコンをタップするとファミリーのアプリ間を行き来するためのスイッチャーがポップアップする。スイッチャーアイコンには他のアプリに未読の通知があることが表示される。ユーザーは赤いドットで自分のアカウントのそれぞれに何通の未読通知があるかを知ることができる。タップすればそのアプリが起動する。Facebookファミリーの一員ではあるが、WhatsAppは今回のスイッチャーの実験には加えられていない。

Facebookは赤いドットでうるさく注意を引き続けることによって上記3種類のアプリを密接に関連付け、ユーザーがモバイル・デバイス上で過ごす時間の大部分を占領することを狙っている。簡単にいえば、デバイスのOSをバイパスしてしまおうという試みのようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookのグループは三つの質問で参加希望者を篩(ふるい)にかけられる、荒らしを防ぎ良質なメンバー確保のため

Facebookは、コミュニティ作りに関するMark Zuckerbergの約束を守って、Facebook Groupsの管理者ツールを改良している。これにより管理者は、参加希望者の適性を判断し、彼らがグループをスパムしたりトロールしたりすることなく、建設的な議論をもたらしてくれることを期待できる。

Facebookによると、この機能は全世界のグループ管理者全員にすでに展開済みである。Facebookのスポークスパーソンは、こう語った:

“新たな参加申し込みを篩(ふるい)にかけることは、管理者の大きな負担になる。特定的な情熱や目的を軸とするグループほど、その負担は厳しい。このようなグループに関して管理者はふつう、新メンバーを認めるために必要な特定の規準を持っている。そういうオープンエンドな質問を事前に確立しておけば、彼らはもっと早く入会リクエストを検討し承認することができる。また、自分の関心の支持や共有を求めている人びとは、もっと早く他の人びとと結びつくことができる。”

[質問は三つまで。答を見れるのは管理者とモデレーターのみ。]

グループの設定メニューには、管理者のための“入会を保留している者に質問をする”という項目がある。入会希望者が答える質問は最大三つまで、一つの質問は最大250文字までだ。答はグループにポストされず、管理者とモデレーター(司会者)だけが閲覧できる。グループの“Join(参加する)”ボタンを押した者は、ただちに質問に答なければならない。参加を招待された者は、通知の中にそのフォームへのリンクがある。参加申込者は、答が審査されるまでは、自分の答を編集できる。

これまでは、管理者が入会申込者に参加の動機を尋ねるときは、彼らの‘友だち’になるか、またはFacebook Messageを送っていた。しかしメッセージは、そのほかのメッセージの中に埋(うず)もれてしまう可能性もある。またそれを毎回行って答を調べる作業は、多くの管理者にとって負担が大きすぎる。だから、無差別に入会を認めてしまってグループの荒らしに悩まされるとか、あるいは逆に、プロフィール上の限られた情報をもとに入会を拒否したりしていた。後者では、入会にふさわしい、あるいはその会を本当に必要としている人も、グループのコミュニティと支援から排除されていた。

遡(さかのぼ)って2月にZuckerbergは、こう書いた:

“ネット上のコミュニティでも、あるいはオフラインのコミュニティでも、積極的で有能なリーダーのいることが、コミュニティを強くするための鍵であるという例を、これまで数多く見てきた。しかしながらFacebookのグループ機能には、リーダーのための、あるいはリーダーが育つための、便宜が組み込まれていない。”

グループのリーダーがこれらの質問を作って、その答に基づいて参加者を選定することは、リーダーに強力な権限を与える。また結果的にグループのディスカッションがより生産的になり、既存会員の嫌気(いやけ)を誘う、お邪魔で無益なポストを減らすだろう。

来月Facebookは、初めての、グループ管理者のためのコミュニティサミットをシカゴで開催する。そこではZuckerbergのマニフェストに概要が記されていた新しいプロダクトの発表もあるだろう。たとえば、サブグループ(下位的小グループ)を作る機能、モデレーターの役割の高度化と多様化(あるいは権限強化)、さまざまなコンテンツやグループの成長に関するアナリティクス(分析)機能、などだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Snapは第2のTwitter化している―ポリシーの根本的見直しが必要

Twitterは2013年にユーザー数が急激に頭打ちになったときにビジネスとして行き詰った。TwitterはFacebookを始めとするライバルからいくつもの機能をコピーしたが、これはかえってユーザーが求めるコンテンツを発見することを難しくした。選択を加えない単純な新着順のTwitterのフィードはもともとユーザーが望みのコンテンツを発見しにくかった。次の四半期にもユーザー数の伸びの低下が続くとTwitterの株価は18%下落した。

今日(米国時間5/10)、上場後最初の四半期決算の発表を受けてSnapchatの株価は暴落した。Facebookと激しく競争する中、Snapの選択を加えない単純な新着順のフィードも望みのコンテンツを発見しにくかったからだ。Snapの株価も24%下落した。

しかしTwitterは株価急落から4年経って再び成長し始めた。Twitterは根本的なプロダクト・ポリシーの一つを捨てることをとうとう決断した。それは「選択を加えいない単純な新着順フィード」だ。Twitterはフィードの表示に単純な新着順を廃止し、アルゴリズムを導入した。フィードはユーザー別にもっとも適切な投稿がトップに表示されるようカスタマイズされることになった。親しい友だちの投稿など関心が高いはずの投稿が目立つ位置に表示される。その結果、2017年の第1四半期にTwitterは久々に成長を回復し、900万人の新規ユーザーを加えることに成功している。

今日Snapは今期800万の新規ユーザーを獲得し、成長率は5%だったと発表した。残念ながらこれは2016年第4四半期のユーザー数158万、成長率3.2%という数字とほとんど変わらない。この間、 InstagramはStoriesをコピーしSnapchatの成長を妨げた。株式市場はSnapの現状に対して強い不満を表明している。

SnapchatとCEOのEvan Spiegelはそろそろ歴史から教訓を得るべきだろう。 なるほどSnapの反Facebook哲学は「消えるメッセージ」を産み出した。Facebookのチャットがメールに似て恒久的であるのに対してSnapchatのメッセージは24時間でタイムラインから消滅する。しかし手を加えない単純な新着順のStories表示はユーザーにとって非常に使い勝手が悪いものになっている。セレブや知り合いなどフォローしている相手の投稿の洪水に本当の友達からのメッセージが埋もれてしまう。
Snapchatのアルゴリズムを使わないフィードはユーザーを窒息させてしまうと先月私は警告した。

なるほど昨日発表された消しゴム機能、Magic Eraserや最近の3D拡張現実、World Lensesなどはよくできている。しかしそうした新機能ではSnapchatが使い難くなっているという根本的な問題の解決にはならない。世界のティーンエージャー、あるいはそれより上の世代のユーザーに対してSnapchatを使いやすく再び魅力的なものにするためには根本的なサービス哲学の見直しが必要だろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Snap、初決算は期待外れで株価急落―上場後の値上がり帳消し

Snapの上場は成功したと考えられている。しかし最初の四半期決算はウォールストリートの期待に遠く及ばず上場の成功は完全に吹き飛んでしまった。

Snapの発表によれば、同社の2017年第1四半期の売上は1億4960万ドルで、1株あたり2.31ドルの損失だった。この損失は株式ベースの報酬によるものが大きかった。一方でアナリストは1億5800万ドルの売上に対して0.16ドルの損失を予想していた。簡単に言えば成績は悪かった。同時にユーザー数の伸びも鈍っていた

この結果を受けて、株価は延長取引時間に20%以上下落し、18ドルを割り込んだ。これは上場後の値上がりを帳消しにして当初の売り出し価格17ドルぎりぎりに戻ったことを意味する。

四半期決算の内容を考えれば株価の急落は当然のことと受け止められている。上場後最初の決算はビジネスの詳細が公になる最初の機会だ。そこで成長余力とコスト管理の能力に関して深刻な疑問が持ち上がった。Snapのサービスがクラウド上で運営されていること、FacebookがSnapでもっとも人気のある機能を積極的にコピーして戦いを挑んでいることも悪材料となった。FacebookはSnap的な機能をInstagramに導入している。Instagramはすでに億単位のユーザーを擁しており、Snapのユーザーの伸びへの影響が懸念されていた。これが事実そうであるかどうかは分からないものの、株価にとっては「そのように見える」だけで十分だ。

Snapの赤字は昨年同期の1億40万ドルから今期は22億ドルに膨らんだ。ただし このコストの大部分は株式ベースの報酬だ。決算報告によれば、Snapの株式公開に伴って社員への報酬として計上されたRSU(制限付き株式ユニット)が20億ドルに上っている。つまりこのRSUの分を除けば事態は一見したほど悪いものではないとも言える。しかしRSU分を除外してもSnapの赤字は前年同期比で2倍になっている。

なるほど上場後最初の決算というのはどんな企業にとって波乱の体験となることが多い。Snapはまったく新しいジャンルの広告ビジネスであり、ウォールストリートは営業成績の予測にあたって2年あまりのデータしかなかった。ビジネス自体は急成長している―2015年から2016年の間に6倍にもなった。しかしコストもそれに比例して急騰した。今後ウォールストリートはSnapについてユーザー数、コスト、売上構造など、あらゆる変化をきわめて注意深く研究することになるだろう。

〔日本版〕SnapはAWSクラウド上で運営されており、上場申請書によればAWSに対して毎年10億ドルを支払う契約をしている。RSUはストックオプションと似ているが株式自体を給与の一部として定期的に支払うことを約束する制度。Wikipediaに解説がある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ナゲットラブ(#NuggsForCarter)青年、リツイート回数の世界記録を達成

ウェンディーズのチキンナゲットが大好きだという若者が、エレン・デジェネレスがもっていた「最多リツイート回数」の記録を更新する快挙を成し遂げた。

始まりは1ヵ月前のことだった。Carter Wilkersonという若者が、Twitterのウェンディーズアカウントに対して「何回リツイートされたら、チキンナゲットを1年間無料にしてくれますか?」と尋ねたのだ。ウェンディーズからの回答は「1800万回」というものだった。

「1800万回」というのは、「無理」という回答に、ほぼ等しいものだ。これまでのリツイート記録は300万回なのだ。それを1500万回も上回れと言っているわけだ。ちなみにこれまでの記録はエレン・デジェネレスがオスカーの会場で撮影したセルフィーで記録したものだった。しかしこの非現実的ともいえる条件にも、Wilkersonはチャレンジをやめなかった。Wilkersonの動きには多くの人が注目し、「#NuggsForCarter」というハッシュタグも広まることとなった。アーロン・ポール(Aaron Paul)などのセレブも、リツイートチャレンジに協力することとなった。また MicrosoftGoogleも応援に回った。ブランド側としては、そうした「支援」が「今風」であると考えているわけなのだろう。

ともかく、そうした支援もあって、Wilkersonのフォロワーは138人から10万人に増加した。そしてWilkersonのツイートは342万回のリツイートを獲得した。1800万回には遠く及ばない。しかし、これまでの記録を更新することにはなったのだ。

各方面を巻き込んだムーブメントとなる中、ウェンディーズはWilkersonに1年分のナゲットを無料で提供することを決定した。加えてDave Thomas Foundation for Adoptionにたいして、Wildersonの名前で10万ドルの寄付も行うこととなった。今回の出来事で獲得したパブリシティの価値が、十分に報いるに値すると判断したわけだ(これまでウェンディーズのナゲットなど何も知らなかった記者も、機会があれば試してみようと興味を持つことにはなった)。

1つのツイートにより、Wildersonはあっというまに有名人となった。当初の希望であった1年分のナゲットも獲得した。ソーシャルメディアの世界には、まだまださまざまな可能性が眠っているようだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H