Flybrixが子供向けのLEGOドローン製作キットを発売

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Flybrixは、LEGOで翼を作る。

このサンフランシスコのスタートアップは、14歳以上の子供向けに開発したドローン製作キットを今日から販売を開始する。キットの中には、LEGOブロック、はんだごてで取り付ける必要のないアームにモーター、他の既製品パーツ、Flybrixの特製パーツが入っている。

組み立てたFriybrixのドローンは軽量で、屋内での飛行を意図したものだ。Bluetooth経由でiOSかAndroidのスマホアプリから飛行をコントロールすることができる。あるいは、Flybrixでマニュアルのコントローラを購入し、操作に使うことも可能だ。

Flybrixのドローンの特徴は「墜落に強い」ことだ。子供達が違うデザインを試したり、飛行の練習をしたりするのに何回でも組み立て直すことができる。

Flybrixの共同ファウンダーAmir Hirsch、Robb Walters、Holly Kasunはティーネイジャーや保護者の監督のもと、さらに小さい子供達にも幾何学、空気力学、電気工学に興味を持つきっかけを提供したいと考えている。

Flybrixは2005年に創業し、サンフランシスコでハードウェアスタートアップを輩出するLemnos Labsでテクノロジーを開発してきた。

Flybrixは自社のウェブサイトからコンシューマーに直接ドローンを販売する。入門版のベーシックキットは149ドルで、デラックスキットは189ドルだ。今注文するとすぐに発送され、学校が始まるタイミングくらいには到着する。ホリデーシーズンにも十分間に合う時期だ。

ベーシックキットにはおよそ40パーツが含まれていて、小型のクワッドコプターを製作するための説明書が同梱されている。組み立ては15分程度でできる。デラックスキットはもう少し複雑なモデル、ゲーム要素を含みアイディアが必要だ。子供達はベーシックなデザインを修正し、そのドローンをどのように製作できるかを考える必要がある。

Flybrixのチーフ・プレイ・オフィサーを務めるHolly Kasunは、同社はLEGOの公式パートナーではないものの、LEGOに同社のビジネスを知らせたという。LEGOでドローン作りを体験したティーンは、この巨大なおもちゃ会社が出している他のSTEM関連製品、例えばLEGO Mindstormsキットなどを試すことにも意欲的になることを期待しているという。

KusanはLEGOブロックは、継続的に製造され、どこでも入手可能なため、子供達だけが作品を作るために使っているのではないと話す。機械技師やロボットエンジニアも研究所でプロトタイプを製作したり、デザインをしたりするのにこれまでも長い間使用されてきた。

Flybrixの共同ファウンダーであるAmir Hirschは、MITで数学や電気工学の分野で3つの学位を収めている。彼もまた研究室でLEGOブロックを使用した経験があり、その経験がFlybrixを創業するきっかけになったとKasunは話す。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

GoPro、Karmaドローンを発表―3軸スタビ、バックパック、グリップ同梱で799ドルから

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GoProはヒット製品を強く必要としていた。GoProはアクションカメラの代名詞であり、このジャンルを15年前に切り開いたパイオニアだ。しかしアクションカメラ市場はずっと前から大小さまざまなメーカーの新規参入が激しく、もっと安い製品やもっと尖った機能を備えた製品がよりどりになっている。

GoProで以前から注目を集めていた撮影用ドローン、Karmaは、当初はクオドコプター市場の大手、DJIと協力して開発を進めていたが、結局単独のプロジェクトとなった。

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Karmaは今年初めに発表されるはずだったが、今朝(米国時間9/19)のプレス・カンファレンスでついにベールを脱いだ。

このドローンのセールスポイントはまず第一にポータビリティーだ。アームが折りたたみ式で専用ケースにすべてが収まるデザインは明らかに持ち運びを簡単にすることを狙っている。Karmaはバックパック式ケースを含めて出荷されるので自転車やオートバイでの旅行にも好適だ。

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独自のメカニズムでカメラをドローンに接続する部分には3軸スタビライザーが組み込まれている。GoProでは「ハリウッド映画レベルのスタビライザー」と呼んでいる。ジンバルの安定化のレベルはDJIが独自開発した製品に劣らないという。またドローンからスタビライザーを外してKarma Gripと呼ばれる同梱の手持ち撮影用グリップに取り付けることができる。ドローンにはHero4以降の既存のGoProを取り付けることができる。またKarma Gripは既存のGoProマウントと互換性があるのでさまざななプラットフォームに取り付けて安定した動画が撮影できる。。

Karmaドローンはタッチスクリーンを備えたコントローラーで操縦されるのでユーザーは別にスマートフォンを必要としない。ドローン本体の価格は799ドル。カメラはHero 4、Hero 5と互換性がある。今回同時に発表されたSessionカメラ同梱バージョンは999ドル、Hero 5 Blackカメラ同梱バージョンは1099ドルだ。

〔日本版〕 Karmaドローンは日本サイトから注文可能(9万円)。発売は10月23日の予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

日本のProdroneのPD6B-AW-ARMドローンは庭の家具の並べ替えもやってくれる

鳥のように塀などの上にとまれるドローンは前にもあったけど、今度のは、その一見怖そうな爪で、デッキチェアなどを運んでくれるのだ。

正式な製品名がPD6B-AW-ARMのこのドローンは、日本のProdroneが作り、二本のロボットアームがある。ドローンのローター(回転翼)は6つあり、持ち上げ荷重は44ポンド、一回の充電で30分飛べる。

このドローンは荷物を運べて、しかもフェンスや手すりの上にとまれる。だから、飛行中の充電もできる。アームの動きはなめらかではやい。ProDrone社によると、空中で複数の仕事ができるし、別の荷物に持ち替えることもできる:

この能力により、形の違う荷物を持って運び、それらをくっつける、組み立てる、ケーブルを切る、ダイヤルを回す、スイッチをon/offする、救命浮き輪を落とす、危険物を取り出す、などなどのことができる。ドローンは、高高度で、遠方で、あるいは人が行けない危険な場所で、さまざまな仕事をできる必要がある。

 
 

ところでぼくは、ローターの多い、腕が二本あるドローンが、未来の地球を支配するロボットだったら、歓迎するね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米ドローン市場の今後の動き、法整備が進み投資は拡大していくのか

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先週起きたアメリカ国内のドローン市場にとってのマイルストーンとなる出来事をうけ、米ドローンテック企業に対する投資への期待が業界内部で高まっている。しかし、実際に投資が加速するには少し時間がかかるかもしれない。

先日の記事で報じた通り、アメリカ合衆国運輸省(DOT)とアメリカ連邦航空局(FAA)はパート107(小型無人航空システムに関するルール)を施行し、ようやくドローン業界に関する規制がある程度明確化された。

パート107では、夜間の商業用ドローンの利用が認められていないほか、人の頭上や視界を超えたドローンの飛行は禁じられている。そのため、企業はビジネス目的で禁止項目にひっかかるようなドローンの利用を行う場合、その都度連邦当局から例外使用の許可を得なければならない。

DOTとFAAなどの関連省庁が、どれだけ速やかに例外使用申請に応じるかによって、パート107はドローンによる配達サービスや、報道目的でのドローン利用、夜間や人の多いエリアでの監視・調査目的のドローン利用の普及を遅らせてしまう恐れがある。

ワシントンD.C.にある法律事務所Hogan LovellsでGlobal UAS Practiceの共同議長を務め、Commercial Drone Allianceでは共同エグゼクティブ・ディレクターを務めるLisa Ellmanは以下のように語っている。

「もちろんシリコンバレーの動きは早いですし、関係当局は官僚らしいペースで動いています……それでも、FAAやDOTなどの組織は規制を草案する前に多くの情報が必要なため、その状況も理解できます」

次の段階として、ドローン技術やドローン関連サービスを提供している企業がもう一歩前進し、出しうる限りのデータを規制機関だけでなく一般にも公開することで、もっと一般の人にもドローンに秘められた利点について知ってもらいたいとEllmanは話す。

さらに彼女は、現状のパート107でさえ、ドローン業界(特にドローンテクノロジー教育や安全関連のテクノロジーの分野)でのさらなるイノベーションや、同業界への投資を促す力になると考えている。

ドローンテックベンチャーのFlirteyや、ドローン探知システムの開発を行うDeDroneに投資を行っているMenlo Venturesでマネージング・ディレクターを務めるVenky Ganesanもその意見に賛同している。「どの業界でもゲームのルールが明確化することで投資活動が盛り上がってきます。投資家がルールを理解することで、どのようにプレイしていくか決めることができるということです」

Ganesanは、バーティカル市場や産業用に特化したドローンテックスタートアップ・ドローンサービスへの投資が、パート107の直接的な影響で増加していくと考えている。

「朝目を覚まして、今日から仕事でドローンを使うぞと言う人なんかいませんよね。まず、企業はビジネス上の問題を解決したり、自分たちの農場やパイプラインの周辺で何が起きているのかを調べたりしたいと考えています。ドローンはそういった企業をサポートすることができる一方、利用者の多くはドローンサービスを提供する企業や専門家の力に頼らざるをえません」

長期的にみて、自動飛行や障害物回避といった遠隔操作システムを備えたドローンが、オペレーターの視界を超えて飛行することを規制団体が許可するようになれば、多額の資金がドローンテック企業に流れ込むとGanesanは予想する。

さらに彼は、まだドローンテック企業に目をつけていない企業は、ドローンテクノロジーが持つ長期的な影響をひどく過小評価しているかもしれないと考えている。

シリコンバレーで語り継がれる決まり文句として、「たいていの場合、新たな一大テクノロジーの短期的な影響は過大評価され、長期的な影響は過小評価される」というものがある。

以前ボーイングに航空エンジニアとして勤務しており、現在はSubtraction Capitalのジェネラル・パートナーを務めるPaul Willardは、「各企業がどうやって越えればいいかわかるくらいの高さのバーを設定する」ことこそ、アメリカをドローン業界のリーダーにする上で、規制機関がとれる最も重要なアクションだと語る。

さらに彼は、「アメリカが業界の最前線に立つには、まだまだハッキリさせていかなければならないことがたくさんあります。しかし、アメリカ以外の市場では、既に多くの企業が資金を調達しつつレースに参加し始めています」と付け加えた。なお、Subtraction Capitalは、ルワンダで医療品配達用のドローンサービスをローンチしようとしているZiplineに対して投資を行っている。

また、Willardはドローンテック市場を医療機器や医薬業界になぞらえている。

医療機器や新薬は、しばしばアメリカ以外の地域で研究・販売されており、しばらくしてから多額の資金を投資ラウンドで調達し、アメリカの厳しい規制に対応するという動きをとっている。

スタートアップのファウンダーや、ドローンテックの投資家の中には、商業用ドローンに関する規制の下で、そのようなテック企業が特例許可をとる必要がでてくると、気付かないうちにドローン界の勝ち組に利益をもたらし、許可をとるのが遅れたり、そもそも許可がとれなかった他の企業にとっての障壁を生み出すことにつながりかねないと心配している人もいる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Intelがドローン船隊の夜間飛行の許可をFAAからもらったのは、花火をしたかったからだ

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アメリカにおける小型ドローンの商業的利用を統轄する規則が今週発効したが、企業はただちに、これらの規則からの免除を、連邦航空局(U.S. Federal Aviation Administration, FAA)から獲得し始めている。

たとえばCNNは、ニュース取材目的で、繋留したドローンを人びとの上に飛ばす権利を取得した。PrecisionHawkは、農業用ドローンを視界の外(操縦者が裸眼で見えない場所)で飛ばす免除を獲得した。そしてBNSF Railroadは、列車の運行をモニタするために人びとの上や視界の外で飛ばす権利をもらった。FAAのMichael Huertaが、これらの例を記者発表で挙げている。

FAAのこのSmall UAS Rule(小型無人航空機規則)は、Part 107(連邦航空規定第107部)とも呼ばれるが、それの興味深い免除がIntelに下されている。同社のスポークスパーソンによると、この義務免除により同社は夜間の飛行が可能になり、また一人の操縦者が複数のドローンを担当できる。

Intelは、一人のオペレーターがドローンの大船隊をコントロールしてよいとする義務免除をもらったのは、今のところ同社が唯一だ、と主張している。今FAAが検討中の免除は、もっといろいろある、と思うけどね。

“これが認可されたのは、Intelがこれまで、ドローンの飛行に伴うリスクの削減に努め、事前に十分な飛行テストを行い、技術を蓄積し、十分な操縦履歴と飛行経験を積み重ねてきたからである”、と同社の代表は言っている。

IntelのPart 107免除のご利益(りやく)のひとつは、昔ながらの花火を、旱魃に苛まれ火事の危険もある地域で、カラフルなライトを搭載し編隊を組んだドローンの隊列に置き換えられることだ。

Intelはすでに今年のはじめに、パームスプリングスで行ったテストで、ドローンの船隊が互いに協調して飛ぶデモを行っている。下のビデオは、そのときのドローン船隊“Intel Drone 100”の、一部始終だ。

さようなら、放火魔〔花火師〕さんたち。あなたたちも、すてきだったわよ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoProドローン、デビューは9月19日に決定

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ドローンとカメラの連携で何ができるのか。GoProが自らの解を示す日が近づいてきた。公式リリースが9月19日に決まったとアナウンスがあったのだ。名前はKarma(カルマ)で、ティーザービデオも公開されている。ずいぶん前にアナウンスはされていて、発売開始スケジュールが遅れていたものだ。

最初にKaramaについてアナウンスしたのは2015年5月のことだった。CodeカンファレンスにてGoProのCEOであるNick Woodmanが、ドローンの開発を行なっているというようなことを発表したのだった。そして10月になって、下の予告映像が発表された。ここからさらに進化しているのだろう。しかし下の映像の段階でもさすがにアクションカメラメーカー自らが自信をもってリリースしたものだけに、十分に画質面や安定性で十分な機能を持つように見える。

さらにKarmaの外観であるとする写真も流れている。ただしこれについて、公式な確認はまだ得られていない。しかしリーク画像を見る限りは本物らしく見えるスマートな外観をしている。言うなればGoProカメラを接続して利用する電動式ジンバルマウントといった感じだろうか。

公式な情報は9月19日よりGoPro.comで公開されるのだとのこと。GoProがドローンの世界に何を持ち込むつもりなのか、ようやく明らかになるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

Parrotのアンリ・セドゥー、スターウォーズのXウィングそっくりのドローンを公開

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フランスの有力ドローン・メーカーParrotのCEO、アンリ・セドゥはパリで開催されたプレスカンファレンスで新しいミニドローンを数種を発表した。Parrotの新製品の中には通常のクワドコプターとは異なった新種が含まれている。これはクワドコプターと固定翼の「いいとこどり」を狙ったものだ。

Parrot Swingは通常のクワドコプター同様、垂直に離陸するが、ジョイスティックを前に倒する空中で姿勢を変え、ポリスチレンの翼を固定翼機のように使って飛行し始める。固定翼機モードで飛行しているときにはスターウォーズ・シリーズで有名なXウィングそっくりだ。 私が聞いたところではParrot内での開発コードネームもWing-Xだったという。

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セドゥはSwingドローンは「庭で操縦するホビー用」だとしたが、同時に従来のクワドコプター式ドローンよりはるかに操縦しやすく、飛行も安定していると述べた。「私にさえ操縦できる。私の運動神経といえば自転車には乗れるがローラーブレードも無理なくらいだ」ということだ。

SwingはBluetoothを内蔵しており、 操縦用ゲームパッドが同梱される。高度90mでもBluetoothは作動するという。

「このドローンを飛ばすのは普通のクワドコプターよりずっと面白い。想像力に訴えるものがある」とセドゥーは述べた。

Swingの開発にあたって多数の特許が取得されている。もっともセドゥは「コピーするライバルがたくさん出てくるだろう」とジョークを飛ばしていた。Swingの価格は139ユーロ(16000円)だという。

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プレスカンファレンスでParrotはMamboというもっと伝統的なクワドコプター方式のドローンも発表した。このドローンはモジュールを簡単に取り付けて機能を拡張できる。エアソフトガンを取り付れば「ミニ戦闘ヘリ」にできる。小さいプライヤーを取り付けることもできる。「ジョークマシンだ」とセドゥは説明した。この2つの付属品込みでMamboは119ユーロ(13600円)程度だ。

Parrotは新しいドローンに多数のセンサーを内蔵させている。加速度計、超音波センサー、圧力センサー等々だ。これらのドローンは9月中に出荷されるという。

〔日本版〕Parrotの共同ファウンダー、CEOのアンリ・セドゥ(Henri Seydoux)はフランスで非常に有名な起業家。007/スペクターで話題になった女優、レア・セドゥの父であり、大手映画チェーン、パテのオーナー、ジェローム・セドゥの息子。また石油採掘機器のトップ企業、シュルンベルジェの共同ファウンダー、マルセル・シュルンベルジェが母方の曽祖父という。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Parrotのアンリ・セドゥー、スターウォーズのXウィングそっくりのドローンを公開

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フランスの有力ドローン・メーカーParrotのCEO、アンリ・セドゥはパリで開催されたプレスカンファレンスで新しいミニドローンを数種を発表した。Parrotの新製品の中には通常のクワドコプターとは異なった新種が含まれている。これはクワドコプターと固定翼の「いいとこどり」を狙ったものだ。

Parrot Swingは通常のクワドコプター同様、垂直に離陸するが、ジョイスティックを前に倒する空中で姿勢を変え、ポリスチレンの翼を固定翼機のように使って飛行し始める。固定翼機モードで飛行しているときにはスターウォーズ・シリーズで有名なXウィングそっくりだ。 私が聞いたところではParrot内での開発コードネームもWing-Xだったという。

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セドゥはSwingドローンは「庭で操縦するホビー用」だとしたが、同時に従来のクワドコプター式ドローンよりはるかに操縦しやすく、飛行も安定していると述べた。「私にさえ操縦できる。私の運動神経といえば自転車には乗れるがローラーブレードも無理なくらいだ」ということだ。

SwingはBluetoothを内蔵しており、 操縦用ゲームパッドが同梱される。高度90mでもBluetoothは作動するという。

「このドローンを飛ばすのは普通のクワドコプターよりずっと面白い。想像力に訴えるものがある」とセドゥーは述べた。

Swingの開発にあたって多数の特許が取得されている。もっともセドゥは「コピーするライバルがたくさん出てくるだろう」とジョークを飛ばしていた。Swingの価格は139ユーロ(16000円)だという。

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プレスカンファレンスでParrotはMamboというもっと伝統的なクワドコプター方式のドローンも発表した。このドローンはモジュールを簡単に取り付けて機能を拡張できる。エアソフトガンを取り付れば「ミニ戦闘ヘリ」にできる。小さいプライヤーを取り付けることもできる。「ジョークマシンだ」とセドゥは説明した。この2つの付属品込みでMamboは119ユーロ(13600円)程度だ。

Parrotは新しいドローンに多数のセンサーを内蔵させている。加速度計、超音波センサー、圧力センサー等々だ。これらのドローンは9月中に出荷されるという。

〔日本版〕Parrotの共同ファウンダー、CEOのアンリ・セドゥ(Henri Seydoux)はフランスで非常に有名な起業家。007/スペクターで話題になった女優、レア・セドゥの父であり、大手映画チェーン、パテのオーナー、ジェローム・セドゥの息子。また石油採掘機器のトップ企業、シュルンベルジェの共同ファウンダー、マルセル・シュルンベルジェが母方の曽祖父という。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

マーク・ザッカーバーグ、ローマ法王に面会―インターネット接続ドローンの模型を手渡す

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昨日(米国時間8/29)、 FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグと妻のプリシラ・チャンはローマ法王フランシスコに面会した。ザッカーバーグ夫妻のイタリア訪問はペルージャ付近に大きな被害をもたらした地震の後で発表された。

ザッカーバーグはインターネット接続のない地域の人々に世界とつながる能力を与えることの重要性をローマ法王と話し合い、さらにFacebookが開発したドローンをプレゼントした。残念ながら実際に空を飛べるドローンではなかった―太陽光発電で成層圏を長期にわたって飛行するAquilaの模型だった。FacebookはAquillaを利用した無線中継で現在ネット接続が得られない地域の人々に接続を提供しようと計画している。

Aquilaの実機は翼幅が34mあり、ボーイング737旅客機よりも幅が広い。 この夏、最初のテスト飛行に成功したばかりだ。計画では連続で90日間滞空し、幅100km弱の地域にインターネット・アクセスを提供する。

自身のFacebookページへの投稿によると、ザッカーバーグは法王に対し「被災者に対する慈悲と優しさにあふれたメッセージに強く心を打たれた」と述べたということだ。また法王が宗教の違いを超えて世界の人々に語りかけていることを称賛した(法王は多くのソーシャルメディアを活用している。現フランシスコ法王は前任のベネディクト16世にならってTwitterに参加しており、この3月にはInstagramからも発信している)。)

バチカンが発表したプレスリリースによれば、法王はメッセージを世界に広める上でテクノロジーが果たす役割についてザッカーバーグと話し合ったという。

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今回のイタリア訪問でザッカーバーグはマッテオ・レンツィ首相とも面会し、震災や経済、テクノロジーが新しい職を作り出す可能性などについて話し合った。またザッカーバーグはローマでタウンホール・ミーティング形式のQ&Aセッションを行い、その模様はFacebookでライブ中継された。

「人工知能が全ヨーロッパを通じて果たした役割に強い印象を受けていると私はレンツィ首相に伝えた」とザッカーバーグはFacebookに書いた

「Facebookの人工知能提携計画の一環として、最新の高性能GPUサーバー26台 を〔イタリアの〕モデナ・レッジョ・エミリア大学を含めヨーロッパ全土の研究組織に提供した」とザッカーバーグは述べている。

ヨーロッパの9ヶ国の15の研究機関がこのコンピューターの提供を受けた。これはFAIR (Facebook AI Research)と同等製品で、最高クラスのGPUボード8枚を装備している。コンピュータービジョン、機械学習システム、ディープ・ニューラルネットワークなどの開発で研究機関を助けるのが目的だ。

法王との会見も重要な出来事だったが、いっそう興味深かかったのは、ザッカーバーグが被災地を訪れたことだ。通常の場合、災害の見舞いや激励は政治家の仕事と考えられている。被災地訪問は今回の旅行の最大の目的ではなかったかもしれないが、世界経済におけるFacebookの重要性が向上していることを示すものだろう。またネット接続のない地域に接続をもたらす上でFacebookがカギとなる役割を果たしそうだということも確認された。

今年初め、ザッカーバーグは中国を訪れ、中国共産党の常務委員でありプロパガンダ責任者の劉雲山と会っている。ザッカーバーグは中国のインターネットの発展と将来Facebookが果たし得る役割について議論したものと見られている。2009年以降、中国のインターネット利用者は7億2000万人以上に増えたが、Facebookは同国で依然ブロックされたままだ。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

固定翼ドローンは不人気、DroneDeployの調査で判明

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DroneDeployが今週発表した商業・工業用ドローン市場の調査結果から、使用されている無人航空機の種類は、どの業界でも固定翼ドローンよりクワッドコプターの方が遥かに多いということが分かった。固定翼ドローンのメーカーにとっては嬉しくない結果だった。

SenseFly eBee Ag、3DR Aero-M、PrecisionHawk Lancasterといった固定翼ドローンは、長時間の飛行と頑丈さなどのパフォーマンス面で優れている。

固定翼ドローンは複数の回転翼を持つドローンと比べ、一般的により遠くまで飛び、1回の充電で広範囲をカバーすることができる。しかし、DroneDeployの調査によると、商業・工業目的のフライトではたった6%しか固定翼ドローンが使用されていないことが分かった。

一方のクワッドコプターは、操縦者がフライトを操作しやすく、素早く離陸することが可能で、広く使用されている。

DroneDeployのCEOで共同ファウンダーのMike Winn は「広い範囲をカバーするのに飛行前に組み立てる作業が必要な固定翼ドローンより、ユーザーは複数回飛ばしたり、途中でバッテリーを替える必要があってもクワッドコプターを利用する傾向にあります」と説明する。

ただ、商業・工業用の固定翼ドローンの製造メーカーはクワッドコプターや他の複数の回転翼を持つドローンも開発しているところが多い。

また、DroneDeployの調査から過去4ヶ月の間だけで300万エーカー(およそ1万2000平方メートル)をドローンで地図化されたことが分かった。比較するために昨年の数値を見てみると、昨年は1年を通して撮影された範囲は200万エーカー(およそ8100平方メートル)にも満たなかった。

dronedeploy_study

今のところ農業でドローンを最も活用されていて、次に建築業界が続く。採鉱、調査、石油、ガス燃料の業界もドローンを急速に活用し始めている。

最近では他の業界もドローンの活用方法を見つけている。例えば教育、救急サービス、不動産などの業界だ。これらの業界は1年前までドローンの検証すら行っていなかった。

昨年、市場で最も利用されたドローンのハードウェアはDJIで、次にSenseFly(Parrot所有の会社)、3DR、AgEagle、Parrotの順だった。最も市場で人気のあるドローンカメラのテクノロジーはDJI、Canon、Sony、GoPro、Mapirだった。

DroneDeployは、ドローンを商業・工業目的で使用したいと考える企業の多様なニーズに対応するソフトウェアとシステムを提供している。地図の作成、交通量の測定、会場の監視とセキュリティー対策、農作物への農薬散布、上空からの農作物の健康状態のモニタリングなどだ。

DroneDelpoyは過去16ヶ月に渡り、130の国における同社のカスタマーのドローン関連の活動を元に今回の調査結果をまとめている。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

ドローン飛行のリアルタイムリスク評価の提供を計画しているFlock

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とらえどころのない規制への対応や、最先端の技術を既存の社会基盤の中でなんとか利用しようとする挑戦に比べたら、エンジニアリングの問題はむしろ単純に見える。しかし、新たなスタートアップのFlockは技術と規制の交差点を単なる新たなビジネスチャンスとして捉えている。

ロンドンに拠点を置くこのビッグデータのスタートアップは、ドローンのためのリアルタイム定量化リスク分析を行うためのプラットフォームを構築している。この分析手法には都市環境から得られるデータに対するAIを用いた追跡の適用も含まれている。現在は英国市場に注力している。

同社は発見回避を行う対象検知システムを構築しているのではなく、都市環境におけるビルや人々、そして車に関するデータを気象データと共にライセンス提供し、それらをリスク評価プラットフォームに流し込むシステムの構築を狙っている。ドローンの飛行計画をリアルタイムに分析し、コスト/ベネフィット分析を行うのがソフトウェアのアイデアである。これにより、保険業者が保険料を設定したり、ドローン飛行業者が予定するフライトを実際に行うかどうかを判断する手助けが行われる。

これがFlockの最初に狙う製品である。それに続くものとしては、ドローン飛行スケジュールに対する予測評価を行い、ドローン飛行業者に対する「リアルタイムリスク削減」を行うために、都市データに対して機械学習アルゴリズムを適用することも狙っている。その予測はリスクを最小化したルートを快適に飛ぶ完全自律ドローンを助けるために用いることができるだろう。

「指定された期間に集められたデータソースからの全履歴データを分析できるような、信頼のおけるトレンド分析機能をシステムの中に構築することが狙いです。そして、都市がどのように活動しているのか、どのように息づいているのか、そして人々の動きと交通状況がどのように変化しているのかに対する、真に役立つ理解を得るのです」と語るのはCEOのEd Leon Klingerだ。

「そうすれば私たちは、内的な物流目的と外的なリスク評価の両方の観点から最適な、取るべき最良のルートと正確な運行時間を計算することが可能になりま。そこで、ドローンがインテリジェントに都市を飛行したり、その飛行計画を立案する際に必要な予測を定式化するために、私たちは機械学習を利用するのです」。

こうしたすべてのことは、まだこれからである。チームはまだ初期の開発を行っていて、Klingerの弁によれば、6カ月以内にMVP(Minimum Value Product=必要最低限の価値を提供できるプロダクト)を提供したいという考えである。それが立ち上がり、運用が始まったなら、保険会社ならびにドローン企業と提携し、試験的な運用を行うということが短期的な計画だ。なお一体どこから都市住民の動きデータを得ているのだろうと読者が考えているなら、実はまだそれは開示されていない。

スタートアップは昨年3月に設立され、これまでのところ、自前の資金やInnovate UKの複数のR&Dグラントを使って投資を続けてきている。現在はシードラウンドの準備中である。

競合に関して言えば、既に市場にはAirMapがいて4月には1600万ドルのシリーズAを達成している。そしてドローン業者たちに対して、いつどこを飛行すべきかの決定に役立つ空中状況を提供している。しかしKlingerによれば、AirMapの「静的な」地図に比べて、Flockは都市情報のリアルタイム分析に注力している点が違うと指摘している。保険会社とリスクアセスメントを対象としている点も、ここではちょっとした特徴となっている。

「4、5年のうちには世界中の自律ドローンの全てに埋め込まれているようになりたいですね。私たちは、都市と都市環境における一般的なコンテキストデータを提供し、ドローンの安全を保つ会社になりたいと思っています」とKlingerは語る。

「都市エリアでドローンが提供できることには巨大な可能性があります…都市には渋滞があり、大気汚染やスモッグがあります。もしそうした問題の一部を道路から空中に逃がしてやることができれば助かることも多いでしょう。さらにドローンによって膨大なデータや、都市エリアの空中写真なども収集することが可能ですが、(現在のところ)それは危険だという理由でとても難しいのです」と彼は付け加えた。

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(翻訳:Sako)

肉眼で見えないドローンを見つけるDedroneがAirbusと組んで空港など広い領域でドローン発見に一役

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飛んではいけない、あるいは飛んでいてほしくない空域を飛んでるドローンを、人間の肉眼以上の能力で検出するDedroneが、民間航空機のメーカーAirbusの電子部門とパートナーして、広い空間や遠い場所におけるドローン検出機能を提供することになった。

Dedroneの技術がAirbusの長距離レーダー技術と統合される。後者は地上のセンサーと、クラウド上のデータ分析/報告ソフトウェアにより、構成されている。

そのレーダーと(それからのデータ)により、Dedroneのドローン検出システムのレンジが、無障碍の空間では最大3キロメートルまで拡大される。DedroneのCEO Joerg Lamprechtはそう語る。

Dedroneの標準のハードウェアは、主に分散的に利用されている。すべてのデータセンターにセンサーがセットアップされ、それらの周辺には木々や外国の大使館、企業の敷地、スタジアムなどもある。それらの中には、ドローンによる盗み見行為を禁じたい施設や敷地などもある。…広い範囲の分散利用が適しているケースだ。

しかし、空港や水処理施設、原発、自動車のテストコースなどの大規模施設では、分散よりもAirbusのレーダーが提供するような長距離の検出能力を、集中的なセットアップで利用したい。

Lamprechtによると、“わが社のシステムにはいつも、市場で手に入る最良の技術を統合している。監視カメラやマイクも使うし、周波数スキャナも使う。そして今回は、Airbusのレーダーの能力を使い、新しい業界に利用を広げる”、ということである。

Dedroneはドローンを見つけてモニタリングするだけで、撃墜や特定領域への進入妨害行為はしない。

システムをオープンにし、今回のAirbusの場合のように新しいハードウェアやデータソースを統合できるDedroneは、これからもますます、いろんな物理的ないし空域的なセキュリティシステムと併用されるだろう。たとえばドローンが重要なインフラに衝突する前に妨害する装置との、協働もありえる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazonが英国政府とドローンの試験で提携

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本日Amazonは、将来Prime Airによるドローン配達を可能にする技術をテストするために、英国政府と提携したことを発表した

英国民間航空局(CAA)との提携によって、これからAmazonは農村や郊外において操作者の視界の外での飛行(米国の連邦航空局(FAA)が現在許可していないもの)の探求が許され、1人の人間による複数の自律ドローンの監視と操作をテストし、そのセンサー並びに回避技術を試行する。これらのテストはすべて、400フィート(約122メートル)以下の高度で行われる。

「英国はドローンのイノベーション実現のリーダーです − 私たちは長い間Prime Airの研究開発に対して投資を行ってきました」と本日の発表で語ったのは、AmazonのGlobal Innovation Policy and Communications担当副社長のPaul Misenerである。「今回の発表は、英国とのパートナーシップを強化し、英国や他の国々でドローンを使って荷物を30分で顧客に安全に届けるという私たちのゴールにAmazonを近づけるものです」。

Amazonによれば、CAAは全面的にこの試験に関わり、その結果は「この分野における将来の政策や規制の策定に対する知見を得ることに役立つ」ということだ。

一方FAAは、商用ドローン利用規則を最近発表した。現在の規制下ではドローンによる配送は認められていない、なぜなら、いろいろな規制の中でも特に、操作者の視界の中でのオペレーションのみが認められているからである。この規制下では、Amazonはサービスを提供できないため、当然ながら他の国で代わりにその技術を試行することを探っているのである。AmazonのPrime Air部門は既に英国に拠点を持っており、ドローンのテストもそれなりの期間おこなっている。ジェフ・ベゾスも最近、Amazonが現在(カナダに加えて)オランダでもドローンのテストを行っていることを明らかにした。

今月初めのAmazonのイベントでは、英国政府の技術顧問であるLiam Maxwellが、ドローンのような新しい自律技術を試験する局面では英国は最も先進的な国であるとコメントを行った、そしてAmazonは「他の多くの大企業」と並んで主要な航空スペース外で製品のテストを行っていると述べた。

本日の合意はAmazonにドローンによる配達を直ちに許可するものではないが、この領域におけるAmazonの野望に大きく一歩近付けるものである。

Amazonのドローンプログラムの共同提唱者であり、英国ケンブリッジの外に一部拠点を置き、Amazonの航空部門の英国代表でもあるDaniel Buchmuellerは、今月初めにロンドンで同社が開催したドローンイベントで「私たちはPrime Airのミッション実現のためにコミットしています」と語った。「安全なオペレーションをお見せすることができるようになるまで、私たちはサービスを開始することはありません」。

Amazonが現在テストしている機材は、55ポンド(25キロ)未満の重量で、バッテリで駆動され、視野から外れた状態で10マイル(約16キロ)の距離を、400フィート以下の高度、毎時50マイル(約時速80キロ)の速度で飛行するものである。それらは機械的な故障に備えて冗長性を持つようにプログラムされていて、センサーならびに回避テクノロジーも搭載されている。

「多くの商品は小さくて軽く、2キロまでのパッケージを30分以内に効率的に小さな飛行ドローンで運ぶことができます」とBuchmuellerは語った。

さて今回の発表は、Amazonのドローン配送計画にとってどのような意味を持つのだろうか?同社の広報担当者は「Amazon Prime Airを使って、私たちは安全で環境に優しい高速配送システムを実現し、そしてすでに数百万の顧客に提供しているサービスをさらに改良しようとしています」と語った。「今回の発表は、顧客のためのこうした驚くべき技術革新の実現に向けて、私たちを一歩近付けてくれるものなのです」。

また米国でのAmazonの計画について尋ねると同広報担当者は、Amazonは「多くの国の規制当局や政策立案者と、私たちの顧客のためにPrime Airを実現するための作業を行っています。そしてその努力はこの先も続けられます」と語った。

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(翻訳:Sako)

セブン-イレブンが米ネバダ州で家庭へのドローン配達に成功…スラーピー(炭酸水シャーベット)も融けずに運べた

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7-Eleven Inc.とドローン企業Flirteyがパートナーして、お客の家までのドローンによる配達を初めて実現し、Amazonに一泡吹かせてしまった。

まず、7-Elevenを知らない人はいないだろう。このコンビニチェーンは、北米だけでもお店が10800軒あり、全世界では59500軒だ。

Flirteyはネバダ州リノ(Reno)の非上場企業で、配達用ドローンの製造と操業をやっている。そんなドローンとその操業サービスは、小売業界以外にも、人道援助活動や保健医療関連、それに食品業界などで需要がある。

CEOのMatt Sweeneyによると、今や既存のドローンがいろいろある中でFlirteyは自社製にこだわり、それ用のソフトウェアも開発、配達用のパッケージやコンテナも独自に作って、安全な配達を確保しようとしている。

7月10日にリノで行われた7-Elevenの配達では、Flirteyのドローンが次のようなものを、注文したお客の家まで成功裡に運んだ: スラーピー、チキンサンドイッチ、ドーナツ、ホットコーヒー、キャンディー。

7-Elevenはフランチャイズ店で商品を売るだけでなく、お客がネットで注文したものをPostmatesやTapingoなどの配達サービスが届ける、という売り方もある。ドローンによって、そんな配達に空飛ぶ機械が一枚加わるのだ。

7-Elevenのマーチャンダイジング担当EVP Jesus H. Delgado-Jenkinsによると、同社はドローンによる配達ををいずれは全国展開したい、ただしドローン関連の規制がまだ流動的だから具体的なスケジュールは立てられない、という。

彼によると、ドローンによる配達は、子どもがいるので大人がなかなか外出できない家で、ミルクとか薬などの必需品が必要になったときに便利だ、と。

同社は今回テストしたお店の半径1マイル圏域の世帯にアンケートして、空飛ぶロボットが自分ちに品物を配達してもよい、という消費者を見つけた。

Sweeneyはこう述べる、“2年前アメリカに来たときは、航空法の例外条項でドローンの商業利用が認められている企業は、一社だけだった。しかもその場所は北極さ!”。

今回、配達が成功したことによって、ドローンによる配達は同社だけでなくドローン業界全体に“急速に広まる”だろう、と彼は語る。

いやむしろ、アメリカのドローン産業全体がこれからは大きく変わるだろうな。

8月には連邦航空局(Federal Aviation Administration, FAA)の新しい規則により、小型の無人航空機を国の空域で操縦できるようになる。

また、今月(7月)両院を通過したFAA関連の新法は、FAAがドローン配達の規則を作ることと、ドローンの”BVOS”(beyond the visual line of sight, 見通し線以遠)飛行に関する調査研究を行うことを、要求している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookの「空からインターネット中継」プロジェクトが前進―ソーラー発電ドローンAquilaが飛行に成功

2016-07-22-aquila-drone

Facebookが2年がかりで開発してきたソーラー・パワー・ドローンのAquilaは滞空時間90日、幅が60マイル〔約100km〕の地域にインターネット接続を提供できるようにするのが目標だ。FacebookはAquillaの最初の公式テスト飛行を実施し、無事に成功させた。

Aquilaはインターネットが使えないでいる16億人もの人々にインターネット接続を提供することになるはずだ。無人飛行機の主翼幅は113フィート〔34m〕あり、ボーイング737より広い。しかし消費電力はヘアドライヤー3個以下だという。この効率の高さが途上国の辺鄙な地域での長時間の滞空を可能にする秘密だ。Aquillは地上との間でインターネット接続を確立し、地元の人々がインターネットに参加できるようにする。

以下のビデオでAquilaの離陸と飛行のようすを見ることができる。

〔日本版〕Googleも遠隔地にインターネット接続を拡大することを目標にProject Loonを推進している。気球利用の他にAquilaタイプのドローンを開発するTitan Aerospaceを買収している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

街灯とそのてっぺんをドローンの充電用とまり木として利用するアイデアでAmazonが特許を取得

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最初に“さあどうする?”クイズ*をひとつ: あなたは配達用ドローンである。今の積荷ではあと20分しか飛べない。しかも遅れているので(理由はご想像にまかせる)、20分以内に着けそうもない。さあどうする?

答: ドローン充電装置のある街灯の上に、とりあえず着陸する。ジョークではなく、Amazonはそれの特許を認められた。

 
 
 

今日(米国時間7/21)交付された特許の正式タイトルは、”Multi-use UAV docking station system”(多用途無人航空機の停泊所システム)だ。その停泊施設は、町の至るところにある街灯だが、でもよく考えると、かなり良いアイデアだ。

ただしこの特許の実装が世の中に実際に登場することは、まずありえないだろう。Amazonが自治体に払う使用料が高そうだ、と言う以前に、そもそも自治体がそんなものを認可しないと思う。貨物を搭載した大きくて重いドローンが、自分よりも小さな台に着陸する。天候が悪い。下には歩行者がいる。…許可の署名をするお役人の、幸運を祈ろう。

広大な私有地の中の建物の屋根にドローン用のそんな施設があるのなら、お役人も認可しやすいだろう。でも承諾したオーナーは、ドローンが発する騒音に悩まされて、たちまち後悔するだろう。

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ドローンから落とされる荷物の上に描かれている5本の動線は、シュートへの落下が無制御であることを表す。.

でも、ドローン側に何らかの自己調節装置があれば、現実性があるかもしれない。そして今あちこちで誇大宣伝されている“ドローン経済”が、やっと本物になるだろう。

特許文書の中には、荷物を落とす場所を描いた図がある(右図)。落とされた荷物はシュート(誘導路)を通って、その下のAmazon Lockersなどへ行くのだろう。あるいは、別のドローンへ荷物が“中継”されるのかもしれない。でも、あのCleveron PackRobotに第二のドアや充電器をつけた方が、Amazonのこの特許は現実味を増すね。

特許を取ったアイデアの多くがそうであるように、この特許も実装が登場しない可能性もある。でも特許文書中の図などはおもしろいから、特許局のWebサイトで見物してもよい。

〔*: さあどうする?クイズ, Pop quiz, hot shot, このビデオ(映画「Speed」)の‘バスに仕掛けられた爆弾’以外にも、さまざまなバリエーションがある。例: 真冬のシベリアで湖に落ちた、早く上がらないと低温で死ぬ。陸に上がるとたちまち凍死する。さあどうする?〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ロッキード・マーチンのHydra Fusionはドローン撮影のビデオからリアルタイムで3Dマップを作成する

2016-07-21-hydra-fusion

ドローンのカメラはすばらしい鷹の目だが、単にカメラが撮影した映像以上のデータが必要な場合―たとえば詳細な3Dマップなど―その処理には何時間もかかることを覚悟しなければならない。しかしロッキード・マーチンの場合は事情が違うようだ。その名もクールなHydra Fusion Tooslと呼ばれるシステムはドローンが撮影したビデオだけを使ってリアルタイムで 3Dマップを作成できるという。

写真測量法(photogrammetry)の大進歩だ。ご存知ない読者のために説明しておくと、これは連続撮影された映像を詳細に比較することによって対象物の絶対的サイズ、距離を決定する技術を意味する。コンピューター写真測量法はきわめて有用なため、科学、軍事方面でさまざまな利用法が知られている。最近ではドローンの映像をベース史跡l驚くほど精密に再構成されている。

An example of Lockheed's photogrammetry in action -- a 3D map of Oahu.

ロッキードの写真測量法の例―ハワイのオアフ島の一部の3Dマッップ

ただしこの処理はすべてのピクセルを詳細にチェックしなければならないためコンピューターに非常な大きな負荷をかける。HDビデオを処理するとなれば以前のスーパーコンピューターなみのパワーが必要になる。幸い、現在のGPUボードはサンドイッチくらいのサイズに小型化されたスーパーコンピューターといってよい。ロッキード・マーチンは何枚かのGPUボードを使ってリアルタイムで3Dマップを作ることを可能にしたようだ。

出力結果は壁紙にして眺めたくなるような出来ばえではないが―初期のAppleマップのレベルを考えてみるとよい―ドローンのビデオがベースだということを考えると十分な精密さだ。このマップを利用すれば、ドローンはマップがなければ気づかないであろうビルや塔を避けながら地形に沿って低空を飛ぶことが可能だという。
これはドローンの偵察飛行ですばやく大まかな地図を作るのにも使えそうだ。米軍特殊部隊が使っているというiPhoneで表示するのによいかもしれない。

ロッキードのプレスリリースではHydra Fusionを作動させるために必要なハードウェアについては単に「商用コンピューターが利用できる」としているだけだ。私は価格とコンピューターの仕様についてロッキードに問い合わせておいた。回答があればアップデートするつもりだが、おそらく相当に高額なものになるのだろう。

画像: Lockheed Martin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ドローンでフェレットを救え―魚類野生生物局、ワクチンを塗ったM&Mキャンデーをモンタナ州で空中散布へ

It's the first time that I really can get such a cute ferret portrait!

いささか奇妙に聞こえるが興味あるテクノロジーの応用だ。アメリカ魚類野生生物局(FWS=U.S. Fish and Wildlife Service)はモンタナ州の僻地に住む絶滅危惧種のクロアシイタチ(フェレット)を救うために ドローンでM&Mキャンデーを散布することを計画している。

このイタチの主たる餌はプレーリードッグだが、その数が山林ペスト(sylvatic plague)のために激減している。この伝染病は1800年代にカリフォルニアに持ち込まれたネズミとノミによって媒介される。

これまで生物学者のチームは、一定のルートを徒歩で進みながら山林ペストのワクチンを塗ったキャンデーを撒いてきた。これは9-10メートルおきにワクチンを落としていくため、きわめて時間を要し、効率が悪い作業だった。チームは1時間に150から300粒ほどしか散布できなかった。

しかしFWSはドローンがきわめて効率的な散布装置になると気づいた。FWSが策定した計画によると、ドローンを用いることによって毎年1万エーカーの地域 を処理でできるとい。ドローンの操縦と空中散布はは民間企業に委託される。ドローンはプレーリードッグの生息地の上空を飛び、毎時最大3000個のワクチンを撒くことができる。これは人力の10倍から20倍の効率だ。

それではM&Mはなぜ必要になってくるのだろう? ワクチンはピーナツバターと混ぜられてM&Mに塗布される。The Guardianの記事によるとプレーリードッグはなぜか特別に.このチョコレート・キャンデーを好むのだという。

使用されるドローンの機種は決まっていないが、散布はこの目的のために改造した魚の餌のディスペンサーが用いられるはずだ。このディスペンサーは空中でワクチンを発射する。

この計画はまだ関係機関の最終的承認を受けていない。しかしこれまでに検討されたワクチン散布方式のなかで格段に効率的なのは間違いない。モンタナでのドローンの使用が成功を収めたら、野生動物を救うためのワクチン散布の標準的な方法になる可能性がある。

Featured Image: Tambako the Jaguar/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

地上走行配送ドローンの普及は近い―Skypeの共同ファウンダーのスタートアップが実験を拡大

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今のところ空を飛ぶドローンによる配送は現実性というより話題作りで会社をPRするのが主な目的だ。しかし車輪によって歩道をゆっくり走る自動運転ドローンはeコマースの配送手段として意外に早くわれわれの身近に姿を現しそうだ。

ロンドンに本拠を置くStarship Technologiesの共同ファウンダーにはSkypeの共同ファウンダーとして著名なAhti HeinlaとJanus Friisが含まれている。このスタートアップは今月からイギリス、ドイツ、スイスで自動運転配送ドローンの大規模な実用化テストを開始する。

Starshipの小型の車輪走行ロボットは、すでに9ヶ月前から12カ国で試験走行を行ってきた。しかし今回はこのドローンとしては初めて実際に商品を配達する実験を行う。つまり提携企業に対し、実際に配送能力を提供するものだ。世界的に料理配達ネットワークを展開するJust Ea、ロンドンのPronto.co.uk、、ドイツのリテラー、Metro Group、荷物の配送ネットワークのHermesなどがパイロット・プログラムに参加する。テストでは5都市でこれらの企業の実際の顧客にロボットが注文の品を配達する。

ドローンが最初に歩道に登場するのはロンドン、デュッセルドルフ、ベルンになる。このテストが成功すればヨーロッパとアメリカの他の都市にも運用が拡張される。Starship Technologiesのマーケティングとコミュニケーションのマネージャー、Henry Harris-BurlandはTechCrunchのインタビューに対し、「テストは6ヶ月から8ヶ月を予定している。テストの結果にもよるが、われわれは2017年にも全面的な実用化ができるものと期待している」と語った。

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テストの目標についてHarris-Burlandは「いろいろあるが、中でも公衆の反応、テクノロジーの信頼性、人間とのコミュニケーションが重要だ。また食べ物でいえば熱いもの熱く、冷たいものを冷たいまま運べるか、生鮮食品を運べるかなどもテストする」と語った。

私はHarris-Burlandにこのロボットはいたずらやバンダリズムの被害に遭う(残念ながらそういう実例がある)ことはないか、また行き会う人々を驚かせはしないか尋ねてみた。

メールで送られてき回答によると、「ロボットに対する不正な行動は実はごくまれだ。 5000マイルにおよぶテストを繰り返してきたが、これまでに第三者による妨害に遭遇したことは一度もない。しかし多数のドローンが路上を走行するようになれば、いずれは何かが起きる可能性がある。そうした妨害を予防し、対処するテクノロジーを確立することも実用化に向けたテストの目的の一つだ。ロボットには9台のカメラが装備されており、ごく近距離まで常時監視している。正常な運行に障害が生じればオペレーターに直ちに警告が発せられる。いずれにせよロボットは40万以上の人々の間で運用されてきたが、これま問題は起きていない」ということだ。

この先進的ロボットが一般人を驚かせるのではないかという質問に対して、Starship Technologiesでは「ロボットの目的(商品の配送)を広く啓蒙する」ということだ。またHarris-Burlandによれば「広汎なテストを通じてロボットと人間との付き合い方を研究していく」と語った。

「配送実験の初期の段階ではロボットは単独では運用されず、人間のオペレーターが付きそう。これにはいくつかの理由があるが、公衆の反応を観察するのもその一つだ。たとえば門口にロボットが現れたとき注文主はどういう反応を示すか? 注文主が抱くであろう疑問に対して答えるのも付き添いのオペレーターの役割だ。いずにしても世界最初のロボット配達の注文主になるのは大いにクールな経験として喜んでもらえると思う」とHarris-Burlandは付け加えた。

Starship Technologiesではロボットを社会に溶けこませるためにどうしたらよいかなどロボットの実用化にあたって見過ごされがちな点を細部にわたって検討している。こうしたロボットがオペレーターの介入の必要なしに順調かつ効率的に荷物の配送を続けられるとよいと思う。

〔日本版〕ビデオではSkypeの共同ファウンダー、アーティ・ヘインラ〔Ahti Heinla〕がサラ・バー記者にロボットの機能やテスト計画を詳しく説明している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

救命活動から環境汚染のモニタリングまで、ドローンが支える中国経済

Drones  Putting China’s economy on autopilot   TechCrunch

【編集部注:本稿の執筆者、は元ファイナンシャルアナリストで軍人】

世界のドローン市場は、テクノロジーセクターにおける主要な柱として現れつつあり、ドローンファンといえる顧客を魅了し急速に拡大してきた。

ドローンの利用、生産の観点から非常に急速な盛り上がりが見られる1つの国は中国だ。中国はすでに他の航空宇宙機の中間部パーツの生産に多大な投資を行ってきた。ドローン製造の世界の工場、そして購買欲旺盛な消費者拠点であることを証明し始めている。

2015年に中国で1.3兆元(GDPの2%超を構成する)の投資がなされるテクノロジーイノベーションの有望な部門として、ドローンは将来中国経済の成長を支えることになる。

ドローンと経済成長

ドローンはテクノロジーイノベーションの1つの柱で、中国が経済成長を促進するために必要なこと(大量生産の使い捨て商品の対極として)であるので、中国の経済成長を支え続けるだろう。行政、民間企業の両方で、テクノロジーセクターにおけるイノベーションを狙いとする「国産イノベーション」施策やプログラムが開始されている。

米国の投資家はすでに、この中国の市場に経済成長の可能性を見ている。インテルは2015年8月に中国のメーカーYuneecに6000万ドルの投資を行っている(他にも8社の中国ドローン企業に対して6700万ドルの投資をしている)。CBInsightsは2015年にはドローン部門単独で5億ドル近い投資がなされたと報告している。

さらに、ZDNetは2015年の中国のドローンの輸出は合計して4億1300万ドル以上だと報告する。その額は継続して増加していくと予測される。中国はテクノロジーイノベーションを取り入れることで、国内のテクノロジー研究開発においてドローンは継続的に増加するセクターとなった。また、ドローンが将来の中国のGDPを増やす重要なセクターとなることは必然だ。

政府のサポート

組織全体でテクノロジーの変化を積極的に活用し、ドローンが中国社会に非常に円滑に適応できた主要な要因は中国政府にある。中国政府は新しいテクノロジーに対して即座に訴訟を起こしたり、禁止するかわりに規制することを選択してきた。2016年早く、中国の民間航空局は一連の規制を発表した。無人航空機(UAV=Unmanned aerial vehicle)を重量とサイズに基づいて7つの階層に区分し、人口密集地域での飛行についての規則を設定した。

ドローンのイノベーションはハイテクなアプローチを遅れた農業経済に導入することになる

中国の民間人や政府によるドローンの利用普及が経済成長に貢献する。中国政府はドローンを市町村から国家レベルのあらゆる業務に利用している。中国の個々の人々はドローンを航空写真、建設現場、不動産の撮影目的、中でも、中国企業は石油燃料やガスの利益を守ること、そして農業を促進するためにドローンを利用している。

行政サービス

市町村レベル

中国の市町村はドローンを活用することで、ローカルレベルでの行政サービスが大幅に改善している。すでにローカルレベルにおいて始まっている救急医療サービスと治安維持で最も改善が見られる。

2014年、マグニチュード6.1の地震が中国の南西の雲南省に位置する魯甸県を直撃した。この地震は12000軒以上の家屋の倒壊させ、600人以上の死亡者を出し、20万人以上の人々が避難せざるえなくなった。

山間地域にはがれきや植物が密生しているので、中国医学救援協会(CADERM)は生存者の急速な探索、損害の調査のために民間のドローンのチームを組織した。これらの無人航空機は救援者に損害の鳥瞰図を提供し、探索と救援の優先順位づけを可能にする。

ドローンの探索と緊急対応における利用で、CADERM率いる地方行政は「地震で形成された下流を洪水の脅威にさらす堰き止め湖の地図の作成や監視ができるようになりました」と中国人民解放軍予備役のエンジニアXu Xiaokun氏は言う。またそれは命を救う適切な時間、リソースの配分を可能にする結果となった。

ドローンは中国の警察庁によって市町村レベルで利用されている。航空警察局補佐官Lin Daolin氏は25省において、警察官が行くことが難しい地域のパトロールの支援のために300の警察用ドローンが利用されていると報告する。中国南東の例えば広東省、恵東県はデートレイプ・ドラッグのケタミンの有力な生産拠点である。中国全土のドラッグの流通の3分の1を占めている。

中国の地方警察はドラッグの中枢への手入れのための調査データ、有力な証拠をドローンを使って入手してきた。1000人以上の警察官を動員したその手入れで多くのドラッグ、ドラッグの生産者を摘発しただけでなく、ドラッグトレードから利益を得ている地方政府の役人も摘発した。これは中国人が地方を守るためにどのようにドローンを活用しているかを示す1つの例だ。

省レベル

省レベルにおいて中国のドローン利用は環境汚染のモニタリングサービス、国境パトロールのツールとして利用されてきた。市町村レベルまでに地元密着ではなく、中華人民共和国全土で実施されるものではないが、省レベルでのドローンの利用実施で通常はアクセス出来ない地域のモニタリング、調査、重要なデータを提供することで省政府を大いに助けてきた。

中国は省レベルで野生動物保護法の徹底と監視のためにドローンを利用している。北東に位置する吉林省の琿春で、琿春森林公安局は128億元(20億ドル)を絶滅危惧種のシベリアトラとアムールヒョウの保護のために投資している。4000平方キロメーター以上を監視では、野生動物保護の隊員だけでは地域をカバーしきれないでいる。

ドローンを活用することで、野生動物保護の隊員は、不法な密猟を防ぐのと同時に、地表で人と動物が遭遇した時にどちらにも被害が出ないよう安全を確保することができる。ドローンは中国のドローン経済の成長を支えるのと同様に、中国の野生動物の保護を変革する可能性を持っている。

米国の投資家はすでに、この中国の市場に経済成長の可能性を見ている。

国境パトロールは中国の省レベルのドローンコミュニティーの新たな焦点となってきた。チベット自治区、新彊ウイグル自治区、云南における中国の国境パトロール部隊はドローンを航空調査のために利用している。人員のみ、または国家レベルの利用のための人工衛星でカバーするのは難しく、国境パトロール部隊は国境の監視の難しさに直面していた。

物体の存在や国境の範囲を探知する電子光学デバイスと適合しているドローンは国境パトロール部隊が高い水準で機能することを可能にする。さらに、これらのドローンは24時間年中機能する。これは部隊にドラッグの取引、中国の国境を横断して行われる不法行為と戦う力を与える。

国家レベル

全国的な行政サービスは中国においてはは様々だ。地域ごとに異なる資金の制限がある。しかしながら、ドローンの利用はこれらの制限を変える。以前はアクセスできなかった地域の視察、監視が行政にとって可能になる(とりわけ環境汚染のモニタリングと軍用に使用される)。

環境汚染は中国において大きな問題になっている(世界で最も汚染された大気だった)。中国の環境保護省は環境汚染の監視をドローンの利用に委ねた。高解像度のカメラを装着した無人航空機は、汚染問題に大きく関与している疑わしい工場、作業現場を監視する力を与える。通常、中国は地上点検、衛星による遠隔測定を利用してきた。

しかしながら、これらのリソースは地域に局在している、もしくは国家レベルでの利用となっている。中国は省レベルでギャップを抱えていたのだ。ドローンはそのギャップを埋める手助けをする。企業に中国の環境保護法に準拠を徹底させることができる。これらの省レベルのプログラムに参加している省は中国の北東の 陝西省、同じく北東の山東省、中部の河南省などを含む。実際に、環境保護省は環境保護に違反しているために、254の工場のうち25%以上の工場がさらに追加点検されるべきだという予備調査結果を発表した。

中国はドローン製造の世界の工場であることを証明し始めている。

中国軍は無人航空機をかなり高い比率で軍用利用してきた。Chengdu Aircraft Industry GroupのWing Loong、China Aerospace Science and Technology CorpのCH-3、CH-4Bのような中国のドローンは防衛武器として開発してきた。それらのドローンは情報収集とともに軍事行動としてミサイルの発射や爆弾の投下も可能だ。

中国がこれだけ早いペースでテクノロジーを取り入れることに熱心なのは、テクノロジーを開発するのと同じだけ早く導入、運用することを欲していることの証拠だ。さらに、中国企業EHangが人をのせることのできるドローンを登場させ、EHangの184が戦場から兵士を輸送するための中国軍に使われるのではとの推測が広がった。

サービスセクター

中国はサービスセクターにおいて、とりわけ航空写真、建設現場、不動産、配達において重用してきた。

航空写真と映画製作

中国人によってドローンは写真、映画製作のために利用されている。ウェディングの写真家たちのWebサイト上ではドローンでの写真撮影のサービスを新郎新婦に売り込んでいる。地上で撮影したワイドな写真とは比べものにならない写真を撮影できる。ドローンは比較的少ない投資で高額な機材でしか撮れないような写真撮影を可能にする。この写真撮影は中国のウェディング業界のブームにうまく乗ることができた。

さらに、写真家は世界中で見られる壮大な写真展示を作るためにドローンを利用している。たとえば香港の写真家Andy Yueng氏は中国の巨大建築物の100枚の写真がInternational Photograph Awards One Shot Competitionにおいて優勝した。

建設現場、不動産

中国においてドローンは建設現場と不動産サービスのために利用されてきた。ドローンメーカーのDJIによって設立されたスタートアップのDroneBaseはドローンとパイロットを貸し出している。DJIが報告するところによると「不動産のプロモーション、建設現場、地図作成、地形のモデル化」が典型的なリクエストだそうだ。これはドローンの鳥瞰図がこれまで人がやっていたい仕事をコスト、信頼性の点で大きく優れているからだ。さらに、ドローンは通常の測量者よりも遠く、高い地域もカバーできる。

大規模な産業

中国の石油燃料とガス、農業の大規模な産業もまたドローンの利用からべネフィットを得ている。

石油燃料とガス

中国は石油燃料とガス資源を支配下におくためにドローンを利用している。中国は非常にエネルギー資源に渇望しているのだ。エネルギー資源のための調査は中国、アフリカ圏内の辺境にまで拡大している。中国企業はドローンを潜在的なパイプラインが存在する地域の調査のために利用している。とりわけローカルエリアなどのアクセスが簡単ではない中国農村部などだ。

さらには、中国政府は中国の石油燃料とガス供給の多くを占めるナイジェリアにおいて、リソースの管理と支配をドローンを使って強めている。ドローンは中国がリーチすることが難しい地域で存在を示し、エネルギー資源を確保することを可能にする。

農業

農業を対象とするドローンが中国企業によって開発、発表されている。ドローン首位企業のDJIは1時間に7~10エーカーの土地に2.6ガロンの農薬をまくことができる農薬散布用のドローンを発表した。XAircraft Technologyはドローンテクノロジーを中国の農業市場に導入しようと試みている70社以上の企業のうちの1社だ。

中国政府は自然農業の持続的な発展計画を通して農業のドローン市場におけるイノベーションを奨励している。中国はドローン市場を開拓するために、1億2000万ヘクタールを超える農場を活用する。また、中国はドローン開発を行うために何百万もの資金を投入している。農業は中国経済の背骨であったし、ドローンのイノベーションはハイテクなアプローチを遅れた農業経済に導入することになる。

まとめ

中国のドローンを日常生活にすんなり取り入れることができていることは、中国政府の新しい技術を導入する意欲とこの種のテクノロジーを取り入れることができる中国人の新たな富の両者の存在を指し示している。

中国のテクノロジーへの関心はまだそこまで育っていない。テクノロジーの成長とイノベーションの可能性は巨大だ。現在、ドローン市場はいくらかニッチなものの1つである。しかし、正しく使えば、今後に続く中国経済の土台になるだろう。

現在、中国はドローンの世界首位メーカー、デペロッパー、消費者だ。スマートフォン、ソーラー発電車の国産のイノベーションと同様にドローン関連のイノベーションが次にこないと誰が言えるだろう?

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)