インドネシアで卸売りマーケットプレイスを運営するUlaにアマゾン創業者が出資

インドネシアのeコマース企業であるUla(ウラ)は、2020年の創業以来、3000万ドル(約33億3000万円)以上の資金を調達し、多くの著名な投資家と関係を築いてきたが、さらにこの度、世界で最も裕福な人物の信頼を獲得したようだ。

Amazon(アマゾン)の創業者が、この1年半前に創業したスタートアップの新たな資金調達ラウンドに出資したと、関係者やこの件に詳しい多くの人物が語っている。

ジャカルタに本社を置くUlaには、B Capital Group(Bキャピタル・グループ)、Sequoia Capital India(セコイア・キャピタル・インディア)、Lightspeed Venture Partners(ライトスピード・ベンチャー・パトナーズ)、Quona Capital(クオナ・キャピタル)がすでに出資しているが、現在は8000万ドル(約88億8000万円)以上を調達する新ラウンドの確定に向け、交渉を進めているところだ。

アマゾン創業者のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は、自身のファミリーオフィスであるBezos Expeditions(ベゾス・エクスペディション)を通じてUlaに投資することに合意したと、関係者が語っている。B Capital Group、Tencent(テンセント)、Prosus Ventures(プロサス・ベンチャーズ)が主導するこのラウンドは、早ければ2021年10月中にもクローズする見込みだ。

ベゾス氏は、企業間電子商取引プラットフォームを運営するUlaに関心を示しているが、現在のところ、アマゾンはほとんどの東南アジア諸国には進出していないか、あるいは限定的なプレゼンスを維持しているのみである。

Ulaの広報担当者は、米国時間10月2日に求められたコメントの要請に応じなかった。

Ulaは、小規模な小売店が直面するサプライチェーン、在庫、運転資金などの非効率性を解決するための支援を行っている企業だ。卸売り電子商取引マーケットプレイスを運営し、店舗オーナーが必要な在庫だけを仕入れられるようにするとともに、運転資金も助成している。

このスタートアップは、インドのFlipkart(フリップカート)の元幹部で、Sequoia Capital Indiaの元パートナーであるNipun Mehra(ニプン・メーラ)氏、以前はアマゾンで働いていたAlan Wong(アラン・ウォン)氏、一般消費財大手P&Gのインドネシア事業を監督していたDerry Sakti(デリー・サクティ)氏、Lazada(ラザダ)とaCommerce(エーコマース)に勤務していた経歴を持つRiky Tenggara(リキー・テンガラ)氏によって設立された。

画像クレジット:Pradeep Gaur/Mint / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米国アマゾン、プライム会員はメールアドレスや電話番号だけでギフトを送れるように

Amazon(アマゾン)は米国時間10月4日、ホリデーショッピングシーズンに向けて、モバイルアプリでギフトを送る際に使える便利な新機能を発表した。デジタル化された現代では知らない人が多い受取人の住所を入力する代わりに、プライム会員は、電話番号やEメールアドレスを使って友人にギフトを送ることができるようになった。

この機能は、チェックアウト時に配送先の住所を入力する代わりの手段を提供するもの。相手の住所を知らない場合は「Let the recipient provide their address(受取人に配送先住所を提供してもらう)」という新しいオプションを選ぶことができるようになる。そして、相手のメールアドレスまたは携帯電話番号を入力する。

チェックアウトが完了すると、ギフトを受け取った人は、あなたが提供した情報に応じてEメールまたはテキストを受け取り、自分のAmazonアカウントから希望する配送先をAmazonに伝えることでギフトを受け取れる。または、ギフトで受け取った商品と同額のAmazonギフトカードと交換するオプションもある。これは、ギフトの送り主がチェックアウト時に「ギフトレシートを追加する」オプションを選択することで可能になる。もちろんこの交換は実店舗のショッピングと同じように、ギフトを贈った人に通知することなく行える。Amazonはギフトを受け取った人にもともと購入された商品を表示するため、ギフトを選んでくれた人にはそのアイテムに対する感謝の気持ちを伝えることができる。

この機能は、Amazonで買い物をしたい人なら誰でも利用できるというわけではない。同社はその代わりにこれを、ユーザーにプライム会員(年額119ドル / 月額12.99ドル、約1万3200円 / 1440円)への登録を促すための新たなプロモーション手段として利用している。ギフトシーズンの煩わしさを解消することで、会員登録を躊躇していた人たちの背中を押す可能性はある。しかしおそらく、これまでAmazonプライムの利用を検討していなかった人に入会を促すほどの理由にはならないだろう。家族や友人、同僚に住所を教えてもらうだけなら、いつでもできるからだ。しかし、すでにプライム会員になっているユーザーにとっては、特にギリギリのタイミングでのプレゼントや贈り物を忘れた時など、有益なリテンション戦略として役立つかもしれない。

アマゾンによると、この機能は10月4日から米国のプライム会員向けにモバイルアプリで展開される予定だ(今のところ、米国本土に配送するギフトのみが対象)。

同社は4日、ブラックフライデーの早期割引情報や、複数週にわたりさまざまな商品が割引になるビューティーホール(買い込み)イベントも発表した。

画像クレジット:Thomas Trutsche / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルがウェブサイトの写真を購入可能な商品に、「検索」に新たなショッピング方法を追加

Googleは、オンラインおよびGoogle検索モバイルアプリを利用した新たなショッピング方法を紹介した。近日に行われるiOS用「Google検索」アプリのアップデートでは、デバイス上での処理を利用した新しい機械学習モデルを活用して、ウェブサイト上の画像に含まれる商品を認識し、即座に「ショッピング可能」な状態にする。これにより、オンラインショッピングをするユーザーは、検索結果から洋服やアクセサリーを見たり、近くの店舗に在庫があるかどうかを確認したりすることが簡単になる。

iOS用のGoogleアプリでは間もなく、ユーザーはウェブサイト上の画像をGoogleレンズでショッピング可能な商品に変える新しいボタンを目にすることができる。ウェブサイトを見ていて、写真の中に気になるものがあれば、タップしてその商品の購入先を確認することができるのだ。この機能は、すでに画像内の商品を識別できる「Googleレンズ」の技術を拡張したもので、これまでと違う新たな文脈での利用となる。

画像クレジット:Google

Googleによると、デスクトップのChromeにも「Googleレンズ」が登場し、ユーザーは「レンズ」でウェブサイト上の画像、動画、テキストコンテンツを選択すると、同じタブで検索結果を見ることができるようになる。

別のアップデートでは、モバイル端末で服や靴、アクセサリーを見ているときに検索結果から簡単に買い物ができるようになる。

例えば「クロップドジャケット」といった検索条件にマッチする商品が、複数の色やスタイルでビジュアルフィードとして表示される。また、スタイルガイドや動画、購入場所の詳細情報なども表示される。さらにスタイル、ブランドなどで検索結果をフィルタリングしたり、評価やレビューを確認したり、価格を比較したりすることもできる。

画像クレジット:Google

この機能は、Googleが提供する「ショッピンググラフ」によって実現される。ショッピンググラフは、現在240億件以上の商品情報をリアルタイムで提供している。

また「在庫あり」のフィルターを選択すると、近くの店舗で今すぐ購入できる商品を確認することができる。この機能は、忙しい年末商戦の前に、プレゼントや子どものおもちゃを買う際に特に役立つだろう。

今回のアップデートは、本日開催されたGoogleのイベント「Search On」で発表された。同社はGoogleマップ、レンズ、検索の他の製品アップデートについても詳細に説明しており、その中には新しいAIの機能強化を活用するプロダクトもある。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ネットショッピングで「カート」に入れたものを自動的に分類するプラグインCarrotが約6.1億円を調達

eコマースの発展により、私たちはこれまで以上にブラウジングやショッピングをするようになったが、だからといって実際にそれほど多くのものを買っているわけではない。実際、Shopifyが引用したBaymard Instituteによると、ショッピングカートの約70%はデスクトップ上で放棄され、その数はモバイルやタブレットでは増える一方だという。

Bobby Ghoshal(ボビー・ゴーシャル)氏と共同設立者Ramin Bozorgzadeh(ラミン・ボゾルグザデ)氏による最新のベンチャー企業であるCarrotは、この状況を変えようとしている。

Carrotは、カートに入れた商品を保存し、自動的に分類するプラグインだ。

同社はKindred Ventures、M13、Abstract、Designer Fund、Combine、Paris Hilton(パリス・ヒルトン)氏、Scott Belsky(スコット・ベルスキー)氏、Riverpark、Nextviewなどの投資家から550万ドル(約6億1200万円)のシードラウンドを受けたことを発表した。

Carrotの「特別なソース」は、小売店を問わず、カートに入れた商品を追加のボタンや信号なくキャプチャーする製品の機能だ。この技術は、カートに入れるというアクションをキャプチャーし、価格や小売店を含む情報をプラグインに保存する。

Carrotは、小売業者自体に基づいてカートを自動的に分類するが、ユーザーが独自のフォルダを作成することもできる。例えば、電灯を複数の小売店で購入する場合「電灯」というフォルダを作成し、価格や外観をCarrot内で比較することができる。

また、カートに入れた商品の価格変動を追跡することで、ユーザーはセールの時期を知ることができる。

Carrotでは、レジストリーを作成して友人や家族に送ることができる。レジストリー製品は、Carrotの主なユースケースの延長線上にあり、まだ完全な機能としては構築されていない。つまり、欲しいものリストのページを友人や家族に送っても、誰かがある商品を買ったかどうかはわからないので、重複してしまう可能性があるということだ。しかし、チームはその機能を近い将来に実現するという。

ゴーシャル氏は、シリアルファウンダーだ。Candidを共同で設立し、1億5000万ドル(約167億円)以上の資金を調達した他、WeWorkでデザインと成長の責任者を務めた経験もある。一方、ボゾルグザデ氏は、WeWorkのファウンディングエンジニアであり、WeWork Labsのエンジニアリング責任者、Etsyの初期のエンジニアでもあった。

現在、Carrotはデスクトップ版のみを提供しているが、モバイル版でもカートを保存できるようにしている。ゴーシャル氏によると、カスタマーからのフィードバックで、Carrotが提供する番号を使って、アイテムをカートにテキストで入れたいという要望があったそうだ。このアイデアは、ユーザーが後で買いたい商品をすでに自分にテキストで送っているということだ。

Carrotは、アフィリエイトモデルを利用して収益を上げている。小売店は、最初のセッション後にチェックアウトしたカスタマーごとに同社に支払う。

最終的には、ブランドが月額料金を支払うことで、競争入札やオーディエンスプロファイリングなどの機能を利用できるSaaSモデルに移行する計画だ。また、複数のチャートで単一のチェックアウトオプションを利用できるようにし、交換手数料などで収益を上げることにも取り組んでいる。とはいえ、現在は規模の拡大に重点を置いているため、収益は優先事項ではない。

ゴーシャル氏は、同社最大の課題は、人々がCarrotの使い方を話し、それを友人と共有するということも含めた規模の拡大にあると考えている。

「Googleのプラットフォームに関する課題についても考えなければなりません」とゴーシャル氏はいう。「理想的には、Googleに掲載されることですが、Googleがこの分野に参入するつもりがあるかどうかはわかりません。そこには考えなければならないリスクがあります」。

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(文:Jordan Crook、翻訳:Yuta Kaminishi)

東南アジア6カ国でロジスティックを展開するNinja Vanが約642億円調達

シンガポール拠点のロジスティックスタートアップNinja Van(ニンジャバン)が、事業のインフラとテクノロジーシステムの成長を支えるべく、5億7800万ドル(約642億円)のシリーズEラウンドをクローズした。

同社の発表によると、投資家には中国のAlibaba Group、そして既存投資家であるDPDgroupのGeoPostFacebook共同創業者Eduardo Savering(エドゥアルド・サベリン)氏のB Capital Group、MonkのHill Ventures、ブルネイ政府系ファンドZamrudが含まれる。

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報道によると、早ければ2022年にも新規株式公開するNinja Vanのバリュエーションは、最新のラウンドにより10億ドル(約1111億円)を超えた。同社の広報担当はバリュエーションについてコメントしなかった。

シリーズEで、同社の累計調達額は9億7650万ドル(約1085億円)になったと広報担当はTechCrunchに語った。

今回のラウンドは、2020年4月に7億5000万ドル(約833億円)のバリュエーションで2億7900万ドル(約310億円)を調達したシリーズD、2018年1月に8700万ドル(約96億円)を調達したシリーズCに続くものだ。

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Ninja Vanは調達した資金を、東南アジアにおけるeコマースの機会を最適化するためのマイクロサプライチェーンソリューションを含む、オペレーションの強化に使う。

同社は1日あたり約200万個の小包を配達していて、150万もの荷主と受取人1億人を抱える、と主張する。

CEOのLai Chang Wen(ライ・チャン・ウェン)氏、CTOのShaun Chong(ショーン・チョン)氏、CPOのBoxian Tan(ボシアン・タン)氏が2014年に創業した同社はシンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンで事業を展開している。現在スタッフ6万1000人超を雇用する。

「東南アジアのeコマースをの可能性、特にeコマースの成長を促進するテクノロジーがもたらしているロジスティックの力を強く信じています。この地域でのNinja Vanの広範なプレゼンスと極めてローカルな洞察でもって、Ninja Vanとの提携で東南アジア中のeコマースエコシステムの参加者にさらにサービスを提供できると確信しています」とAlibaba Groupの東南アジア投資責任者Kenny Ho(ケニー・ホー)氏は述べた。

画像クレジット:Ninja Van

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

チリのOcular Solutionはカスタマージャーニーにビデオチャットを取り入れるスタートアップ

「コロナ禍によって、カスタマージャーニーに欠けているものがあることが可視化されました」。そう語るのはチリのアーリーステージのスタートアップOcular SolutionのCEOであるFernando Moya(フェルナンド・モヤ)氏だ。

モヤ氏は、人はオフラインと同じように顧客担当者と顔を合わせて話したがたるのでライブチャットやチャットボットでは不十分であることが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって明らかになったという。

そこでTechCrunch DisruptのStartup Alleyに参加したOcular Solutionは、クライアントのサイトにビデオチャットの要素を追加しHubSpotやPipedriveなどの既存のツールと統合するプラットフォームで、デジタルの世界におけるこうした問題を解決しようとしている。

ビデオチャットはカスタマーサポートに便利だが、オンボーディングやセールスにも便利だ。進み具合に応じてエンドユーザーが質問に答えてもらうことを希望するようなコンサルティングセールスに向いているサービスの場合は、特に有用だ。

実際に人と話したいという要望が、eコマースにとって大きな問題であるカート離脱率を減らすのにビデオチャットが効果的だとモヤ氏が考える理由だ。UXの調査機関であるBaymardは44種類の研究からデータをまとめ、オンラインショッピングで実証されている平均カート離脱率は70%近いと推計している

サイト訪問者が顧客にならない理由はたくさんあるが、Ocularはビデオチャットを導入するとコンバージョン向上につながることをつきとめた。モヤ氏がTechCrunchに語ったところによると、同社の顧客はサービス関連のネットプロモータースコアが平均8点を誇り、チリのeコマース促進イベントであるサイバーデーの期間中に最初は15%だったコンバージョン率が最高で250%に達した。

Ocularはチリでスタートした。モヤ氏はチリで以前にWingsoftという別の企業を共同で創業したことがあり、Ocularはそこからスピンアウトした。しかしOcularはすでに国境を越えている。チームは小規模なハイブリッドの拠点を持ちながらもリモートで業務を続ける予定で、クライアントはラテンアメリカ各国にわたっている。

ラテンアメリカのeコマースは北米や西ヨーロッパほどには浸透していないが、売上は他の地域よりも早いペースで伸びている。新たにオンラインを利用するようになった消費者は、おそらく対面でのショッピングに似たエクスペリエンスを求めている。モヤ氏は「ビデオでのサポートを求める人の数は、急激に増えています」という。

顧客満足度や売上とは別に、Ocularはクライアントの社内プロセスを改善したいとも考えている。その結果、同社はカスタマーサービスに関する重要な指標の追跡に役立つデータを顧客に提供し、接客担当者の業務を支援している。同社のサイトでは「当社は貴社の接客担当者をトレーニングしますので、担当者は最高のサービスエクスペリエンスを提供し、ツールを最大限に活用できます」と説明されている。

モヤ氏は次のように語った。「当社のテクノロジーを利用するにあたり、接客担当者は重要な役割を果たしていると思います。カスタマーサービスの新しいチャネルに人間らしさをもたらすのは担当者だからです。したがって当社は楽しくやりがいのある環境で担当者の日々の業務を改善し、モチベーションを上げて、優れたパフォーマンスの結果として利益を生み出すツールを作ることに力を入れています」。

モヤ氏は、ビデオチャットの担当者を希望する人が増え、この分野での「ウーバー化」が到来すると予測している。そうなれば、増えつつあるカスタマーサービスの需要に対する答えとなるかもしれない。「ビデオサポートのユースケースはさまざまで、新しい使い方が毎日出てきています」という。

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(文:Anna Heim、翻訳:Kaori Koyama)

BASEがネットショップの売上金をVISA加盟店で直接支払いに使える「BASEカード」の発行受付を開始

BASEがネットショップの売上金をVISA加盟店で直接支払いに使える「BASEカード」の発行受付を開始

ネットショップ作成サービス「BASE」(ベイス)を運営するBASEは9月21日、BASE加盟店のキャッシュフロー早期化を目的に、ネットショップの売上をすぐに全国のVISA加盟店で利用できるバーチャルカード「BASEカード」の提供開始を発表した。同日より先行受付を開始しており、翌週以降に順次バーチャルカードの発行を開始する。

またBASEカードは、2022年上半期に、オフラインでも全国のVISAカード加盟店での決済に使用できるリアルカードの発行を予定。オンライン・オフライン問わずネットショップの売り上げを好きなタイミングで使用できる環境を目指す。

BASEは、加盟店に対して売上金の入金日を最短で翌営業日に短縮できる「お急ぎ振込」、資金調達サービス「YELL BANK」(エールバンク)を展開しており、個人やスモールチームが運営するネットショップの資金繰り早期化を推進してきた。今回のBASEカードでは、顕在化した資金ニーズの解消に加えて、ショップオーナーが資金の悩みに直面することなく円滑な経済活動を行えるように、さらに多くの潜在的な資金課題に対する予防を見据えサービスを提供する。BASEがネットショップの売上金をVISA加盟店で直接支払いに使える「BASEカード」の発行受付を開始

また、実際には売上のあるネットショップの半数以上がお急ぎ振込を利用していたり、1カ月に1度のペースでYELL BANKを活用して資金調達を実現しいるショップオーナーもいることから、資金繰りのニーズとそれに応じた対策は多様な選択肢が求められていると考えているという。

そこでBASEでは、BASE加盟店それぞれのショップ規模や、ニーズにあったキャッシュフローを幅広い選択肢からサポートできるように、既存のお急ぎ振込、YELL BANK、BASEカードに加えて、2022年中の提供を目標に「発送前の売上の買取」やそのほかにも新たな信用創造などによる資金調達サービスの開発に取り組んでいるという。

同社のお急ぎ振込とは、ネットショップからの売上金の振り込み申請に対し通常10営業日かかるところを、振り込み申請金額の1.5%の手数料で振り込みまでの期間を最短翌営業日まで短縮できる機能。

YELL BANKは、BASEのデータから、各ショップの将来の売上金額を予測して、YELL BANKがショップオーナーから将来の売掛債権を買い取るというもの。買い取った金額は、ショップオーナーに即時支払うため、ショップオーナーは、将来の売上を「今すぐ」利用できるという。

資金調達後は、ショップの商品が購入される度に、売上からYELL BANKに一定の支払率に応じた金額が支払われる。これによりショップオーナーは、支払いを気にすることなく商品制作に集中できるとしている。

またYELL BANKがショップから買い取った将来債権が万一発生しない場合には、そのリスクをYELL BANKが負担する。

アマゾンがインドの法務顧問による現地政府当局への贈賄を捜査開始

Amazon(アマゾン)は、インドの同社法務顧問が政府当局に賄賂を送ったという内部告発を、インドのニュース・分析機関であるMorning Context(モーニング・コンテクスト)が現地時間9月20日に報道したことを受け、インドの同社法務代理人の行動に関する捜査を開始した。

報道によると、Amazonは同社が提供する法務費用が政府関係者への賄賂に使われていたかどうかを調べている。記事は匿名の情報源を引用しており政府関係者の個人は特定していない。Amazonは、上級顧問弁護士のRahul Sundaram(ラフール・スンダラム)氏を休職させたと同誌は伝えている

Amazon広報担当者はTechCrunch宛の声明で、会社は「いかなる腐敗行為も許さない」と話したが、捜査の詳細については言及しなかった。

「当社は不正な行動の疑いを深刻に受け止め、徹底的に捜査したうえで適切な措置をとります。現時点で具体的な疑惑内容や捜査状況についてはコメントいたしません」と広報担当者は付け加えた。

インドはAmazonにとって主要海外市場の1つだ。米国のeコマース巨人は、これまでこの南アジア国の事業に65億ドル(約7120億円)以上投資しており、この数年に複数の分野へと積極的に拡大してきた。

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新たな展開は、Amazonが大規模販売業者を密かに優遇し、それらの企業とのつながりを不正確に伝えることでインドの海外投資規則を回避していたとするReuters(ロイター)報道から数カ月後に起きた。

さらにAmazonは、インドで現在進行中の反トラスト捜査の対象にもなっている。同社の上級幹部らは、捜査に異議申し立したが成功せず、同社がPrime Video(プライムビデオ)で配信した政治ドラマが宗教心を傷つけ公衆の怒りを買ったとする疑惑に関して、現地警察から召喚され尋問を受けた。

その後同社はその全9回のミニシリーズを巡り、後に異例の謝罪を行った。

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画像クレジット:Noah Seelam / AFP / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nob Takahashi / facebook

コレクター向けのライブストリーミングショッピングアプリWhatnotが約165億円を調達、ユニコーン企業に

レアなポケモンカードやFunko Pop(ファンコ・ポップ)などのコレクター向けのライブストリーミングショッピングプラットフォームを提供している「Whatnot(ワットノット)」は、2021年だけで3回目の資金調達となるシリーズCの1億5000万ドル(約164億9600万円)を獲得した。今回のラウンドでWhatnotの評価額は15億ドル(約1648億9300万円)に達し、増え続けるユニコーン企業のリストに名を連ねることとなった。

では「Whatnot」とはどんなアプリなのか?このアプリは、米国でInstagram(インスタグラム)などのプラットフォームで人気が高まっていた(中国ではすでに大きな人気を博していた)ライブショッピングというトレンドに着目している。認証された出品者は、アプリを使っていつでも生中継を開始でき、その場で商品のビデオオークションを開催することができる。購入者が何を購入しているのか把握している場合もあれば、ときにはミステリーバッグのように何が手に入るのかわからない場合もある。例えば、ポケモンカードやスポーツカードの未開封の箱の一部をユーザーが購入し、その中身をライブで公開する「カードブレイク」というコンセプトが人気だ。

今回のラウンドでは、投資家のa16zとY Combinator(Yコンビネーター)のContinuity Fund(コンティニュイティー・ファンド)に加えて、新たにCapitalG(キャピタルG)(Google / Alphabetの社名変更前は「Google Capital」として知られていた)が出資した。また、エンジェル投資家として、Golden State Warriors(ゴールデンステート・ウォリアーズ)のAndre Iguodala(アンドレ・イグダラ)氏、New Orleans Pelicans(ニューオーリンズ・ペリカンズ)のZion Williamson(ザイオン・ウィリアムソン)氏、ユーチューバーのLogan Paul(ローガン・ポール)氏など、有名どころが加わっている。このラウンドに関する最初の情報は、先週、The Information(インフォメーション)で報じられた。

Whatnotはもともと、一般的な(ライブ感の少ない)再販用のプラットフォームとしてスタートし、当初は、Funko Popの公式コレクターズアイテムのみに絞っていた。しかし、パンデミックの影響で誰もが家に閉じこもりがちになったことを受け、同社はライブショッピングに力を入れ、その結果、急成長を遂げることとなった。

その間に、同社は急速に取り扱う範囲を拡大し、Funko Popだけでなく、ポケモンカード、ピンバッジ、古着、スニーカーなど、あらゆる種類のコレクターズアイテムを扱うようになった。Whatnotの共同設立者であるGrant Lafontaine(グラント・ラフォンテーヌ)氏によると、同社で最も人気なカテゴリーはスポーツカードであり、次にポケモンとFunko Popが続くという。Whatnotでは、各カテゴリーにおいて、それぞれのコミュニティですでに知られ、信頼されている販売者を採用することを重視している。参加している各ストリーマーは、ライブを開始する前に同社によって審査されているため、不正行為を最小限に抑えることができる。なにか怪しいことをすれば、同プラットフォームから追い出され、自分の評判を落とすことになるだけだ。

その他、ラフォンテーヌ氏との会話からいくつかのポイントを紹介する。

  • 展開できるカテゴリーは「数千」にのぼるという。今、取り組んでいるのは NFT(非代替性トークン)だ。ストリーマーは、自分のNFTをWhatnotに取り込み、画面に表示したり、ライブストリームの中に(静的またはアニメーションの)オーバーレイとして取り込むことができる。ユーザーは、画面に表示されたNFTをタップすると、そのメタデータが表示され、NFTの詳細を確認することができる。
  • 同氏によると、現在、このプラットフォームには「数千人のアクティブなライブストリーム販売者」がいるという。
  • 同社のGMV(プラットフォーム上で販売されたすべての商品の合計金額)は、2021年の初めに行われたシリーズAの時点から30倍に増加している。Whatnotは販売額の8%を受け取る。
  • 同社は現在「プレビッディング(事前入札)」機能の導入を進めている。これは、ライブストリームが始まる前に、ユーザーが欲しいと思っている商品に入札することができるというものだ。例えば、ユーザーがあるものを欲しがっていて、それを入札したいと思っているものの、ライブを見ることができない場合などを想定している。もちろん、他の人が入札に参加することも可能だ。
  • 同社は近日中に、iOSとAndroidの両方のアプリを全面的に再構築し、買い手と売り手の両方にとって利用プロセス全体がよりスムーズで簡単になるような、新しいUIを採用する予定だ。ラフォンテーヌ氏は「来週か再来週」にはすべてのユーザーにこのアプリが提供されると期待している。

今回のラウンドにより、同社の資金調達額は2億2500万ドル(約247億4600万円)となり、そのほとんどが2020年中に調達されたものだ。一方、この分野での競争は激化している。「Popshop(ポップショップ)」のような競合企業は、自社のプラットフォームのために数百万ドル(数億円)の資金を調達しており、マイアミの「Loupe(ルーペ)」は、スポーツカードのライブ販売に焦点を当て、6月に1200万ドル(約13億1900万円)を調達した(近日中に実店舗をオープンする予定)。さらに、既存の大手企業もこの分野に参入しようとしている。YouTube(ユーチューブ)はライブショッピングのコンセプトを取り入れており、Amazon(アマゾン)もライブセッションを開催するインフルエンサーを招いている。言い換えれば「この領域に注目せよ」ということだ。もしかしたら、この競争そのものもライブストリームで見られるかもしれない。

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画像クレジット:Whatnot

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Dragonfly)

欧州でAmazon流のフルフィルメントと物流をeコマース企業に提供するByrdが約21億円調達

新型コロナウイルスをきっかけに始まったオンラインショッピングの盛り上がりは衰える気配がなく、ヨーロッパのeコマースは2021年30%の成長が見込まれている。このような需要に対応するため、欧州でインフラを構築して販売業者の受注や配送をサポートし、Amazonに代わるフルフィルメントサービスを提供しているスタートアップ企業が、事業拡大のための資金調達を発表した。

倉庫や物流業務を管理するソフトウェアを構築したり、オンラインストアの商品の保管、集配作業をサポートするサービスを行ったりしているByrdは、シリーズBとして1600万ユーロ(約20億9200万円)を調達した。すでに活動している5カ国に加え、東欧、北欧、南欧の5つの市場に拡大するために使用する予定だ。2016年にオーストリアのウィーンで設立されたByrdは英国、ドイツ、オランダ、フランスにも進出し、合わせて約15のフルフィルメントセンターと200の顧客を抱えており、その中にはDurex、Freeletics、Scholl、Your Superfoodsなど、ヘルス&ウェルネス、消費財、化粧品、ファッションなどのD2Cブランドが含まれている。

銀行大手のSantanderから2020年スピンアウトしたフィンテック / eコマース関連の戦略的ベンチャーキャピタルであるMouro Capitalが今回のラウンドをリードし、Speedinvest、Verve Ventures、Rider Global、VentureFriendsも参加した。Byrdは評価額を公表していないが、現在までで約2,600万ユーロ(約33億9900万円)を調達している。

Byrdが狙っている市場機会は成長しつつあり、規模だけでなく、小売業者の需要やフルフィルメントパートナーに求めるものも大きくなってきている。

eコマースは見かけによらず複雑なビジネスである。見かけによらずというのは、私たちが消費者として実際に目にするのは、欲しい商品を適切な価格で見つけることができ、クリックしてあまり面倒な手続きなしに購入し、理想的にはすぐに手元に届くという機能だけだからだ。

しかし、これらのことを可能にするためには裏方で多くのステップが必要で、そのほとんどが複雑であり、通常、一般的な小規模小売業者のコアコンピタンスではない。そのような業者はたとえ人々が欲しがっていると思われる製品を知っていても、それをどうやって届けるかがわからないのだ。そのようなステップには、マーケティング、決済、ユーザーインターフェースのデザイン、パーソナライゼーション、製造、その他のサプライチェーン、そして注文商品を顧客に届けるための物流やフルフィルメントなどがある。eコマースがより大きなチャネルへと成長していく中、これらのサプライチェーンに含まれるすべての部門がかつてないほど大きな可能性を秘めている。

一般的に、小売企業はこれらのサービスを提供するために第三者のテクノロジー企業を利用するが、ここでByrdが、企業の物流とフルフィルメントを扱う外注パートナーとして登場する。Byrdは、小売企業がフルフィルメント業務全体をByrdに委ねることができるよう、一連のAPIを構築している。

これには商品の受け取り、保管、集荷を行うByrdの倉庫との連携や、企業の販売ネットワークとの連携が含まれる。販売ネットワークには、企業のオンラインストアだけでなく、Amazonやその他のマーケットプレイスで商品が販売されている場合も含まれる。注文が入り商品を集荷して発送する際には、Byrdが自社の技術を駆使して、UPS、DHL、Amazon、postNLなどのさまざまな運送会社のネットワークを活用し、商品を購入者に届けるための最も安くて簡単な方法を見つけ出す。

このような事業を行っているのはByrdだけではない。Byrdと競合する他の独立系企業(最大手の1つであるShipBobは、先に10億ドル(約1101億2800万円)の評価額で2億ドル(約220億2520万円)の大型ラウンドを実施した)と並んで君臨しているのがAmazonだ。巨大eコマース企業であるAmazonは、(FBAによる)フルフィルメントだけでなく、オンラインストアでの視認性やマーケティングなど、さまざまなサービスを提供しており、売り手にとってのワンストップショップのような存在となっている。

Byrdの共同設立者兼CCOであるPetra Dobrocka(ペトラ・ドボロッカ)は、インタビューで次のように述べている。「Amazonは一般的に大きな市場シェアを占めているため、多くの販売店は、たとえ主に顧客獲得のためのチャネルとして使用するのであっても、Amazonを使わないというわけにはいきません」。

しかし問題は、Amazonのオプションや他の第三者プロバイダーの中には、パーソナライゼーションにそれほど対応していないものもあるということだ。実際、eコマースが成熟し、厳しい競争にさらされるようになると、eコマース事業者は自分たちが優位に立ち、他社と差をつけるための方法を模索するようになる。この問題についてもByrdが登場し、パッケージをカスタマイズすることで、実際にはByrdが提供するサービスであっても、顧客が直接サービスを体験できるようにしたり、持続可能な配送方法などのオプションも提供している。

これによりスタートアップ企業のスケールアップの速度が遅くなる可能性もあるが、サービスは品質の高いオプションとして提供されている。このことは、品質管理がまったく不十分であったり、市場の中で明確なアイデンティティが欠如していたりする場合には重要な意味を持つ。とりわけスケールアップを続けている場合はそうである。

「私たちはAmazonの代替サービスともいえますが、まったく違うものでもあります。当社の販売者は、ブランドを重視し、お客様にトータルな体験を提供したいと考えています。また、この点を評価してくださる小規模のお客様もいらっしゃいます」とドボロッカは語る。確かに、中小企業は大企業に比べるとサービスレベルを下げられてしまうことがよくあり、小規模な小売業者でも大企業のように扱ってくれるフルフィルメントサービスがあることはプラスだ。

これは、小売業者がよりはっきりとしたオンライン販売での存在感を出し、パーソナライゼーションを構築するのをサポートするテクノロジー企業が次々と登場しているという大きなトレンドの一環でもある。(2021年6月に資金調達を発表したオンラインストア・デザイン・プラットフォームのShogunも、このトレンドに乗ったスタートアップ企業の一例だ)。

これらすべての結果として、Byrdは非常に大きな成長を遂げ、収益は1年前に比べて300%増加し、月に数十万個の小包を取り扱うようになったという。

ByrdはB2Cを中心としたビジネスを展開しているが、それに近い領域であるB2BでもByrdは活躍できると考えており、ドボロッカによれば、今後数カ月のうちにB2Bビジネスもオンラインで登場する予定だ。また、次にどの国でフルフィルメントを構築するかは明らかにしていないが、Mouroの関与を考えると、スペインが次の国の1つになるのではないかと思われる。

Mouro CapitalのゼネラルパートナーであるManuel Silva Martínez(マニュエル・シルバ・マルティネス)は以下のように声明で述べている。「特に新型コロナウイルスの影響で、柔軟なデジタルeコマースフルフィルメントソリューションの必要性が高まっている中、ByrdのシリーズBの資金調達を主導できたことをうれしく思います。Byrdのエンド・ツー・エンドの能力、持続可能性への注力、そして有名ブランドの顧客は、競合他社とは一線を画しており、今回の投資による地理的拡大がもたらす成功を期待しています」。

画像クレジット:chain45154 / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

Chromeベータ版はよりパワフルな新しいタブページ、ウェブのハイライト、検索の変更を実験的に実施

Googleは米国時間9月1日、Chromeベータ版ブラウザの新バージョンを発表し、ユーザーインターフェースとデザインにいくつかの重要な変更を行った。新しいタブページでは、従来のお気に入りのウェブサイトへのショートカットだけではなく、過去のウェブ検索履歴を表示するカードが追加される。その他の変更点としては、検索結果のナビゲーションがより簡単になり、ウェブ上の引用文をハイライトして共有することができるようになる。

新しいタブページのアップデートは、Chromeベータ版ユーザーが最初に気づく変更点の1つとなるだろう。

このデザイン変更の背景にあるアイデアは、レシピやショッピングなどで利用していたサイトを思い出すために閲覧履歴を調べる必要なく、過去のウェブでのアクティビティにすばやく戻るということだ。また、Googleドライブの最近使ったドキュメントのリストにもすばやく戻ることも可能で、Googleのサービスとのクロスプロモーションにもなる。

画像クレジット:Google

ページには、単なるリンクではなく、Googleが「カード」と呼ぶものが表示され、例えば、最近訪れたレシピサイトでアイデアを探していたり、編集を終えなければならないGoogleドキュメントがあったり、ショッピングカートに入れたままになっている小売業者のウェブサイトにアクセスしたりすることができる。後者は、Googleがオンラインショッピングへの投資を拡大していることに関連している。Googleはすでに、商品リストを無料にしたり、Shopifyといったeコマースプラットフォームと提携したりすることで、この分野でのマーケットシェアを拡大しようとしている。

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Googleは、Amazonの広告ビジネスが急成長していることに懸念を抱いている。同社の「その他」カテゴリーの大部分を占めている広告事業は、第2四半期に前年同期比87%増の79億ドル(約8687億6000万円)を売り上げた。今回の変更は、Chromeの新しいタブを利用して、ショッピングを活性化させ、ユーザーの取引が完了することを期待してのものだ。

もう1つの変更は、ウェブでのリサーチをより簡単にすることを目的としている。Googleによると、ユーザーがプラットフォーム上で何かを検索する際、答えを見つけるために複数のウェブページに移動することがよくあるという。Android版Chromeで、アドレスバーの下に検索結果の残りの部分を表示する行を追加することで「戻る」ボタンをタップすることなく他のウェブページに移動できるようにしている。

画像クレジット:Google

Android版Chromeベータ版にも搭載された「quote cards(引用カード)」のテストも予定されており、ウェブサイトに上のテキストを使って、ソーシャル共有のための定型化された画像を作成することができる。ウェブサイトのテキストをスクリーンショットで残すことは、すでに一般的になっており、特にニュース記事の重要なポイントをTwitterやFacebook、Instagramといったプラットフォームのフォロワーと共有したい人にとって便利な機能だ。この新機能では、テキストを長押ししてハイライトした後「共有」をタップし、メニューから「カードを作成」をタップしてテンプレートを選ぶことができる。

すべての機能は、Chromeベータ版ブラウザの一部だ。実験を有効にするには、ブラウザのアドレスバーに「chrome://flags」と入力するか、実験ビーカーアイコンをクリックし、フラグを有効にする。これらの実験に関連するフラグは、#ntp-modulesフラグ(新しいタブページ)、#continuous-search(検索結果の変更)、#webnotes-stylizeフラグ(引用カード)だ。

これらの実験は、必ずしもChromeの機能として広く展開されるわけではない。その代わりにGoogleは新デザインのアイデアに関する大規模なユーザーフィードバックを集めており、一般公開前に機能を微調整できるようになっている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Katsuyuki Yasui)

D2Cのブランドに柔軟性が高い提案を行えるeコマースサブスクプラットフォームを提供するPrive

1カ月前にサンフランシスコで誕生したPriveは、2人の創業者が元Uberのプロダクトマネージャーで、このほど170万ドル(約1億9000万円)のプレシード資金を調達して、D2Cのブランドのための、よりカスタマイズ性が高いeコマースのサブスクリプションプラットフォームを作ろうとしている。

このラウンドはPatrick Chung(パトリック・チャン)氏とXFundのBrandon Farwell(ブランドン・ファーウェル)氏、そしてBling CapitalのBen Ling(ベン・リング)氏が共同でリードし、Defy PartnersとHalogen Ventures、そしてUberの役員たちが参加した。

Uberに2年半勤務した後、価格設定やインセンティブについて学んだことからUberを退社したClaudia Laurie(クラウディア・ローリー)氏とAlex Craciun(アレックス・クラシウン)氏が設立したPriveは、小規模な小売業者がAmazonのような巨大企業に対抗できるようにすることを目的としている。

彼らの考え方の概略は、Shopifyなどのeコマースプラットフォームの既存のAPIに接続することにより、顧客が繰り返し購入するものに関するオピニオンを形成して、それをマーチャントに売る。例えばカミソリを買う人には、ついでに歯ブラシを買う傾向があるかもしれない。そんな情報を渡すことによって、ブランドがよりカスタマイズされた柔軟な提案ができて、ショッパーにより適切なものを紹介できる。また溜まり始めているようなものは、容易にキャンセルできる(訳注:アマゾンの定期おトク便などは注文の調整をすべてショッパーが自助努力でやるので大変で不十分)。

ローリー氏は次のように語る。「市場にはありとあらゆる商機が転がっているが、これまでのeコマースサブスクリプションツールは表層をかすっていただけだ」。実際、eMarketerによると、サブスクリプションeコマースの売上は新型コロナウイルス以来41%伸びているが米国のeコマースのリテールはその3%、276億700万ドル(約3兆384億円)がサブスクリプションによるものだ。それでも、2年で100億ドル(約1兆1007億円)のアップである。

もちろん、まだやるべきことは山ほどある。今回のプレシードは、そのために使えるだろう。目下Priveは7名のチームだが、競走は厳しい。特にカリフォルニア州サンタモニカで社歴7年になるサブスクリプションeコマースのRechargeは5月に、投資後評価額21億ドル(約2312億円)で2億7700万ドル(約305億円)の成長資本を調達した。その発表のときRechargeの従業員はおよそ330名で、同社が扱っているサブスクリプションサービスは全世界2000万のサブスクライバーに対して1万5000社のマーチャントが販売している。

創業9年のBold Commerceも強敵だ。同社は計4400万ドル(約48億4000万円)を調達している。創業10年のChargebeeは、Crunchbaseのデータによるとこれまで2億2000万ドル(約242億2000万円)を調達した。

クラシウン氏も認めるように、eコマースの「サブスクリプション」は今、すごくホットなバズワードだ。しかし彼は、現在のプロダクトは表面をかすっているだけのサービスだと考えている。

投資家たちは彼の信念とPriveのチームの能力に賭けているわけだが、クラシウン氏は「今あるツールは頭痛を治すどころか重症化させてしまう。今日のサブスクリプションは、その多くが硬直的で、顧客の購入パターンの把握と対応ができません。私たちは、そんなメンタルモデルをぶち壊したいんだ」と語る。

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画像クレジット:Prive

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(文:Connie Loizos、翻訳:Hiroshi Iwatani)

美容・健康分野でクリエイターと顧客をつなぎソーシャルコマースを一変させるFlipが約30億円調達

ソーシャルコマースのスタートアップであるFlipは、モバイルのライブコマースアプリと実際の顧客レビューを組み合わせることで、購買体験の向上とクリエイターエコノミーの機会を提供している。米国時間8月30日、ロサンゼルスを拠点とするFlipは、Streamlined Venturesが主導する2800万ドル(約30億770万円)のシリーズA獲得を発表した。

eコマース分野の連続起業家であるNooruldeen “Noor” Agha(ノールルディーン・ノール・アグハ)氏は、イラクから米国に移住した後、2019年にFlipを設立した。それまではドバイに住んでおり、eコマースの分野でいくつかの企業を立ち上げていたという。

企業を率いているときに、彼はコマースのビジョンが壊れていること、そして人々が購入に至るまでの経路が断片的であることに気がついた。彼らはまずソーシャルメディアからアクセスし、動画プラットフォームに飛び、最後はまた別のサイトで購入する。

アグハ氏は、eコマースの未来は、買い物客と彼らのソーシャルメディアでのユーザー体験によって左右されると考えている。そこでFlipは、ユーザーによるレビューや、美容・健康ブランドのライブショッピングショーなどを盛り込み、これらの体験を1つのアプリにまとめた。そしてさらに、即日発送やバックエンドのロジスティクスも加えるとアグハ氏はTechCrunchに語っている。ユーザーは購入した商品のレビューを動画で投稿し、その結果をリアルタイムのデータで確認することができる他、自分の投稿に起因する売上からコミッションを受け取ることもできる。

「これは単なるソーシャルプラットフォームではなく、理想的な購入後体験であり、発送、特典、返品など、人々が好むすべてのものが2クリックでできる。当社のアプリは、TikTokとAmazonの子どものようなものだ」と彼は付け加えた。

今回のラウンドでは、Streamlined Venturesに加え、Mubadala Capital Ventures、BDMIそして中国の大手ソーシャルコマースプラットフォームであるKuaishouの初期投資家であるRuby Lu(ルビー・ルー)氏を含む初期支援者やエンジェル投資家が参加している。Flipは合計で3150万ドル(約34億6100万円)を調達したが、これには2年前の小規模なシードも含まれているとアグハ氏はいう。

今回の資金調達により、会社とクリエイターのエコシステムを拡大するとともに、プラットフォームのエンド・ツー・エンドのロジスティックス部分も拡大していきたいと考えている。

ライブコマースは中国が発祥の地で、McKinseyの推計によると、2020年には市場規模が1710億ドル(約18兆7900億円)に達し、2022年には4230億ドル(約46兆4800億円)の評価額に跳ね上がるとされている。一方、米国のライブコマース市場は後塵を拝しており、2021年末には110億ドル(約1兆2080億円)に達すると予想されている。

Flipは現在、週に平均20の新規ブランドと契約しており、すでにUnileverやCotyとのパートナーシップを獲得している。アグハ氏は、2021年のホリデーシーズンまでに500ブランドを達成することを見込んでいる。さらに、アプリは100万のダウンロード数を誇り、前四半期には3万件の注文を受けたが、アグハ氏は今後数カ月でそれが2倍になると予測している。

「私たちは、すべてを構築し終わって発売時には完成した状態にしておくため、わざと表に出てこなかった。しかし今は、9月末のグランドローンチに向けて、積極的に成長をアピールしていきたいと考えている」と彼は付け加えた。

Streamlined Venturesの創業者兼ゼネラルパートナーであるUllas Naik(ウラス・ナイク)氏は、同社がeコマースやマーケットプレイスに多くの投資を行っており、DoorDashの最初の投資家の1人であり、Rappiも支援していると述べた。

同氏によると、この20年間で、コマースは大きな進化を遂げたという。その間、消費は小売からオンラインへと移行し、消費者の体験の質も進化してきた。彼は、他の地域でも同じようなモデルの傾向を目にしており「大成功」を収めている中国では特に顕著だ。

「私たちが最も興味を持っているのは、ライブコマースとソーシャルネットワーキングがどのように交わり、より充実したショッピング体験を生み出すのかということだ。ノール氏に会い、彼が美容と化粧品から始めると言ったとき、私は彼がユニークな体験を構築していると思い、ぜひ美容だけでなく幅広いカテゴリーに進出して欲しいと思った。彼がバックエンドで構築しているロジスティックスの部分で、彼はすばらしい体験を生んでおり、私は何ができるのか大変興味を持っている」とナイク氏は語っている。

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画像クレジット:Flip

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(文:Christine Hall、翻訳:Akihito Mizukoshi)

【コラム】データサイエンティストは恐れずに新しい分野に挑戦せよ

編集部注:本稿の執筆者Ilyes Kacher(イリエス・カーシャー)氏は、商品画像をオンラインで一括編集するAIベースのプラットフォーム、autoRetouch(オートレタッチ)のデータサイエンティスト。

ーーー

私はフランス出身のデータサイエンティストで、コンピュータービジョンの研究技師としての経験を日本で積んだ後、母国に戻った。しかし今、私はコンピュータービジョンのハブとは思えないドイツのシュツットガルトでこれを書いている。

ただし、みなさんが想像するであろうドイツの自動車技術の仕事をしているのではない。代わりに、パンデミック下の驚きべきチャンスを最もありそうもない場所で私は見つけた。そこはシュツットガルトのeコマースに特化したAI駆動の画像編集スタートアップで、あらゆる小売製品のデジタルイメージングプロセスを自動化している。

日本での経験は、仕事で海外に移住することの難しさを私に教えた。日本では、プロフェッショナルネットワークとの接点を持つことが往々にして必要だ。しかしここヨーロッパでは、多くの都市にアクセスできることが利点だ。パリ、ロンドン、ベルリンなどの都市は、特定技術のハブとして知られていると同時に、多様な雇用機会を提供している。

パンデミックのために完全リモートワークが増加している中、職探しの範囲を広げることで、興味にあう機会がより多く提供される。

意外な分野で価値を見つける、たとえば小売業

私は今、高級小売業からスピンオフしたテック企業で、自分の専門技術を製品画像に応用している。データサイエンティストの視点からアプローチすることで、私は小売業のように巨大で確立した業界への新たな応用に価値を認識見出した。

ヨーロッパには世界的に有名なブランドがいくつもあり、中でもアパレルと靴が代表的だ。その豊かな経験が、数十億の製品と数兆ドル(数百兆円)の市場にイメージング技術を応用するチャンスを生み出している。小売企業の利点は、定常的に画像を処理することで、AI企業が収益を上げ、利益を上げる可能性もあるベースを作ってくれていることだ。

もう1つ、探求すべき分野として、研究開発部門の一部にあることの多い独立部門がある。私は相当数のAIスタートアップが、非常にニッチなクライアントの研究コストとその結果得られる収益のために利益を上げていない分野に取り組んでいるところを見てきた。

データを持っている企業は収益見込みのある企業

私が特にこのスタートアップに惹かれたのは、そのデータアクセスの可能性だった。データはそれ自体非常に高価であり、多くの企業は限られたデータしか利用できない。B2BやB2Cレベル、中でも小売業やフロントエンドのユーザーインターフェースに関わるデジタルプラットフォームと直接つながりのある企業は狙いどころだ。

こうした顧客エンゲージメントデータを活用することは全員の利益になる。将来の研究開発や分野内のその他のソリューションに応用できる他、自社の他部門と協力して弱点を解決することにも使える。

さらにこれは、ブランドが影響を与えるユーザーの関連分野への関心が高ければ高いほど収益の可能性が大きくなることを意味している。私からのアドバイスは、データがすでに管理可能なシステムに保存され、アクセスが容易な企業を探すことだ。そういうシステムは研究開発に有用だ。

難しいのは、多くの企業がそういうシステムを導入していないこと、あるいはシステムを活用できるスキルを持つ人がいないことだ。もし、深い洞察を語れなかったり、システムが未導入の会社があったら、データ活用の方法を導入するチャンスを探してみて欲しい。

ヨーロッパでは最善策には自動化プロセスの開発が関わっている

私は、プロセスとコアシステムを作るチャンスをくれるアーリーステージ企業の成功の秘訣を知っている。私が働いていた会社は、入社当時まだ新しく、ある分野のためにスケーラブルなテクノロジーを開発する仕事をしていた。チームが解決すべき課題はすでに解決していたが、山ほどあるその他の問題を解決するために行うべきプロセスはたくさんあった。

1年に渡る大量一括画像編集を自動化するプロジェクトは、開発しているAIが、同時に複数の可変要素(複数の画像とワークフロー)を横断して独立に動くことように作られていれば、既存の有名ブランドには出来ないことをするテクノロジーだということを教えてくれた。ヨーロッパでこれを実行している企業はほとんどないため、それができる人材は切望されている。

というわけで、ちょっとしたカルチャーショックを恐れることなく、飛び込んでみてはいかがだろうか?

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画像クレジット:Warit Silpsrikul/EyeEm / Getty Images

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(文:Ilyes Kacher、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ポルシェがオンラインマーケットプレイスに米国内の新車在庫を登録

Porsche Cars North America(PCNA、北米ポルシェ)は、米国内の全商品をオンラインマーケットプレイスに追加した。消費者の要望と業界のデジタルコマースへのシフトに対応する動きだ。

2020年5月に同社のオンラインマーケットプレイスであるPorsche Finder(ポルシェ・ファインダー)が公開された時、顧客はこのツールを使って中古車と認定中古車しか検索できなかった。同プラットフォームでは消費者が、車両モデル、年式、価格、パッケージ、カラーなどで検索できるが、このほど米国内193のディーラーの新車在庫がすべて登録された。

システムを開発したのは子会社のPorsche Digital(ポルシェ・デジタル)とPCNAで、ユーザーが下取り価格の見積りをとったり、Porsche Financial Services(ポルシャ・フィナンシャル・サービス)が提供するリースとローンを比較する支払い計算機などの機能もある。

顧客が製品を検索できるオンラインプラットフォームは新しいものではない。顧客の買い物志向がオンラインにシフト(新型コロナウイルス感染症パンデミック中に加速したトレンド)するにつれ、デジタルプラットフォームは企業にとって不可欠なツールになった。

しかしポルシェのような伝統的自動車メーカーは、顧客からの要望とディーラーネットワークとのバランスを取る必要があった。Porscheには、Tesla(テスラ)や新規参入のLucid Group(ルシッド・グループ)、Rivian(リビアン)のような直販モデルがない。

「ディーラーネットワークは今も当社が行うことすべての中心にあります」とPCNAのプレジデント兼CEOであるKjell Gruner(クジェル・グリューナー)氏は最近のインタビューで語った。「ディーラーでは非常に人間的な対応を心がけています。相手の目を見て、ボディランゲージを読み取ります。そして、もちろん、私たちの製品は非常に物理的です」。

Porsche Finder Toolには、全193ディーラーが参加しているが、大勢の中にはデジタルコマースへのシフトに警戒的な人たちもいることをグリューナー氏は認めている。

「いつの世にも、人より革新的な人たちもいれば、慎重な人たちもいます」と彼は言った。「新型コロナは、人々がデジタルを受け入れ、これらのツールを自身のために役立てる意識を喚起しました」。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nob Takahashi / facebook

注文した食料品・日用品が10分で届く宅配スーパー「OniGO」1号店が東京・目黒区にオープン、年内25店舗展開へ

注文した食料品・日用品が10分で届く宅配スーパー「OniGO」1号店が東京・目黒区にオープン、年内25店舗展開へ

10分で届く宅配スーパー「OniGO」の1号店が8月25日、東京の学芸大学(目黒区鷹番)にオープンしました。『世帯収入が比較的多い子育て世帯』をターゲットに、目黒区・世田谷区・品川区を中心に年内で25店舗、来年夏までに100店舗の開設を目指します。

「OniGO」は、配送専用店舗から食料品を即時配達する、いわゆる「ダークストア」と呼ばれるビジネスモデルを採用した宅配スーパーです。

ユーザーはアプリから商品を選択し、注文完了ボタンを押すと、注文した商品が10分以内に届きます。商品は生鮮品やグローサリー・お菓子・冷凍食品・ドリンク・洗剤・その他日用品、酒類、薬品類などを扱います。

注文した食料品・日用品が10分で届く宅配スーパー「OniGO」1号店が東京・目黒区にオープン、年内25店舗展開へ注文した食料品・日用品が10分で届く宅配スーパー「OniGO」1号店が東京・目黒区にオープン、年内25店舗展開へ注文可能距離は店舗から半径約1〜2km以内で、配送手数料は300円。商品価格は実店舗とほぼ同じだといいます。

配達員への報酬については”10分以内のお届け”を実現するために、Uberのような単発業務発注ではなく時給制を採用。店舗に常駐し、OniGOから貸与される電動アシスト自転車で配達します。また、配達先を近場に限定することで配達員の土地勘を養い、事故リスクの低減を目指します。配達員の時給は1500円を基本とし、適宜インセンティブを付与します。

一般的な宅配スーパーの場合、注文から配達までに3時間ほどかかるのが一般的ですが、これを10分に短縮することで、新たな宅配需要の取り込みを狙います。

(Source:OniGOEngadget日本版より転載)

TikTokがShopifyとの提携を拡大、米英カナダで買い物機能のテストを実施

TikTok(ティクトック)がeコマースに進出している。同社は米国時間8月24日朝、eコマースプラットフォームのShopify(ショッピファイ)との提携拡大、並びに米国、英国、カナダの特定のShopify販売事業者と今後数週間で行うTikTokショッピングのパイロットテストを発表した

ソーシャルビデオプラットフォームであるTikTokは2020年10月、Shopifyの販売事業者がShopifyのダッシュボードから直接TikTokマーケティングキャンペーンを展開したり最適化したりできる新しいツールの導入や、TikTok For Business Ads Manager内での統合など、Shopifyと提携する計画を明らかにした

8月24日に詳細が発表された提携の拡大では、これまでよりもさらに踏み込む。間もなく、TikTok For Businessアカウントを持っているShopifyの販売事業者は新しい「ショッピング」タブをTikTokプロフィールに加え、プロフィールにミニ店舗を持ってくるために製品カタログを同期させることができるようになる。

この新たなサービスを真っ先に利用するユーザーの1人がKylie Jenner(カイリー・ジェンナー)氏で、同氏はこの機能を自身の化粧品ブランドで使い、TikTok上で直接商品を購入できるようにする。米国や英国の他の販売事業者ともテストが進行中で、今後数週間内にカナダの販売事業者とも展開される予定だ。販売事業者はShopifyのTikTokチャンネルを通じてテスト参加をリクエストできる、とTikTokは説明している。

新たな提携にはまた、Shopifyの販売事業者へのプロダクトリンクの提供が含まれる。これはTikTokビデオでプロダクトをタグ付けするのに使う。TikTokユーザーはタグの付いたプロダクトをクリックすれば販売事業者の店舗に案内され、精算できる。

画像クレジット:Shopify x TikTok

「クリエイターは新しい種の起業家精神への道を切り開いています。そこでは、コンテンツ、コミュニティ、そしてコマースが鍵を握ります」とShopifyの社長Harley Finkelstein(ハーレイ・フィンケルスタイン)氏は声明文で述べた。「新たなアプリ内買い物エクスペリエンスと、TikTok上でのプロダクト発見を初めて可能にすることで、Shopifyは世界で最も急成長しているソーシャルエンターテインメントプラットフォームの1つでクリエイター経済を後押ししています。次世代の起業家がさらに多くの方法でオーディエンスとつながるのを、先見の明あるパートナーのTikTokとサポートすることを楽しみにしています」と付け加えた。

Shopifyはまた、Shopifyのソーシャルコマースチャンネルのインストールが2020年2月から2021年2月にかけて76%増えたことを指摘し、販売事業者の間でTikTokとの提携に対する需要が増えつつあると述べた。

TikTokは着実にeコマース機能を開発していて、ここには2019年のHashtag Challenge Plus立ち上げも含まれる。この機能では、ハッシュタグに買い物ができる要素を加え、ビデオ視聴者をTikTok内のショップに誘導する。2020年にはLevi’sのようなブランドがTikTokの「Shop Now」ボタンを展開できるようにした。このボタンで消費者はTikTokに表示されるリンクを通じて購入できる。そして2020年秋に発表したShopifyとの提携に加えて、WalmartがライブストリームショッピングイベントでTikTokの活用を開始した。

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2021年初め、BloombergはTikTokが2021年に米国でのeコマース拡大を準備している、と報じた。ユーザーがプロダクトへのリンクをシェアできる他、手数料プログラムやライブストリームショッピングが含まれ、これらすべてはFacebookに対抗するためのものだ。後に、アプリ内ショッピングのテストが欧州のいくつかのブランドで始まった、とも報じた。

TikTokの買い物できるコンテンツでのさらなる大きな目標は、究極的にはFacebookとInstagramに対抗することかもしれない。FacebookとInstagramも近年、FacebookとInstagram ShopsInstagram内の専用ShopタブReelsでのショッピングなど、オンラインショッピングに投資している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

テストを経てInstagramが「ショップ」タブ内の広告をグローバルで開始

Instagramは2020年に、Facebookがeコマースに向けて転換する一環として「ショップ」を公開した。「ショップ」はアプリの最もわかりやすい場所である下部のナビゲーションバーにあり、新しい写真をアップロードするボタンよりもアクセスしやすい。2021年8月前半の米国でのテストを経て、Instagramは「ショップ」タブ内に広告をグローバルで導入し、このタブを利用できるすべての国で順次公開する。

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これはeコマースプラットフォームとして進化するInstagramの最新のアップデートだ。Instagramはこれまでに、TikTokに対抗するものとしてリールでショッピングをする機能を実装し「ショップ」カテゴリーで限定商品を販売する「ドロップ」を導入し、クリエイターが広告商品を販売したことに対して手数料を得るアフィリエイト機能を追加してきた。

現在「ショップ」では商品が正方形のタイルで2列に並んでいる。広告はこのレイアウトの中の1つのタイルとして表示されるが、画像の左下に「Sponsored」(広告)と目印がつく。広告をクリックすると商品詳細ページが開き、商品の詳しい情報や他の画像、そして同じブランドの別の商品が表示される。ユーザーは広告から商品を自分のウィッシュリストに保存したり友人に送ったりすることができる。広告が不適切である場合は、タイルを長く押すと非表示にしたり広告を報告したりするオプションが表示される。

画像クレジット:Instagram

Instagramは「ショップ」の広告をAway、Donny Davy、Boo Oh、Clare paint、JNJ Gifts、DEUX、Fenty Beautyといった米国の広告主とともにテストしてきた。TechCrunchが以前に報じたように、こうした広告はオークション方式のモデルで導入され、デスクトップでは「ショップ」を利用できないためモバイルにだけ表示される。広告に関するユーザーのエクスペリエンスは、ユーザーのInstagramの使い方やInstagramのタブで買い物をする人の数次第となるだろう。

画像クレジット:Facebook

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

コンピュータビジョンとAIで服のフィット感をより正確に見られる仮想試着室「Revery.ai」

ウェブサイトで洋服のサイズやフィット感を確認する作業は、時としてオンラインショッピングの楽しみを奪ってしまう。そこでRevery.aiは、コンピュータビジョンとAIを活用したツールを開発し、より良いオンラインドレッシングルーム体験を実現しようとしている。

イリノイ大学Center for Computer ScienceのアドバイザーであるDavid Forsyt(デビッド・フォーサイス)博士の指導のもと、博士課程の学生であるKedan Li(ケダン・リー)氏、Jeffrey Zhan(ジェフリー・チャン)氏、Min Jin Chong(ミン・ジン・チョン)氏からなるチームは、既存のカタログ画像を利用して、従来のバーチャルドレッシングルームでは困難であった、毎週100万着以上の規模の処理を行う初めてのツールを作成しているとリー氏はTechCrunchに語った。

Revery.aiの共同ファウンダーのジェフリー・チャン氏、ミン・ジン・チョン氏、ケダン・リー氏(画像クレジット:Revery.ai)

カリフォルニアを拠点とするReveryは、Y Combinator(Yコンビネータ)の2021年夏のコホートに参加しており、8月末のプログラム終了を目指している。YCは、同社に12万5000ドル(約1370万円)投資している。リー氏によると、同社はすでに2年間のランウェイを持っているが、150万ドル(約1億6500万円)のシードラウンドを調達することで成長を加速させ、大手小売業者に対してより成熟した企業であることをアピールしたいと考えているという。

Reveryの前には、リー氏はパーソナライズされたメールの分野で別のスタートアップに取り組んでいたが、すでに大手レガシー企業の無料版があったため、うまく機能させることができなかった。独占が少なく、テクノロジーを収益化できる分野を探していたところ、ファッションに興味を持ったという。別のアドバイザーと協力してワードローブコレクションを始めたが、そのアイデアは頓挫してしまった。

チームは、フォーサイス教授との共同作業でエンジンがかかり、すでにウェブサイトに画像を掲載しておりユーザーはいるが、コンピュータビジョンの側面を求めていたB2B顧客をターゲットに、技術のイテレーションを数回行っている。

多くの競合他社は、3Dモデリングや画像を手作業で加工してモデルに重ね合わせる方法を採用しているが、Reveryはディープラーニングとコンピュータビジョンを活用することで、服のドレープ性を高め、さらにユーザーは肌のトーンや髪型、ポーズなどをカスタマイズして自分に似せたモデルを作ることができる。また、完全に自動化されており、何百万ものSKUを扱うことができ、数週間で顧客に提供することができる。

同社のバーチャルドレッシングルームは現在、東南アジア最大級のファッション企業であるZalora-Global Fashion Groupを含む多くのファッションECプラットフォームで利用されている、とリー氏はいう。

Revery.aiランディングページ(画像クレジット:Revery.ai)

「こんなに良い結果が出ているのはすごいことです」と彼は付け加えた。「お客様からは、3〜5倍といった、これまでになかったような高いコンバージョン率の報告を受けています。ZaloraでABテストを行ったところ、380%の増加が見られました。これから当社の技術をZaloraのすべてのプラットフォームに展開していくことを大変うれしく思っています」。

この技術は、2020年、パンデミックの影響でオンラインショッピングが急増した時期に登場した。米国だけでも、2020年にはファッションリテール売上高の29.5%をeコマースファッション業界が占めており、2021年に同市場の価値は1000億ドル(約11兆円)に達すると予想されている

Reveryは「オンラインレースで勝つためのロードマップにこれを入れている」40社以上のリテーラーとすでに交渉中です、とリー氏はいう。

同社はこれからの1年、より多くの顧客に採用され、本番運用を開始することに焦点を当てている。競合他社との差別化を図るために、リー氏は、リテーラーから求められているボディタイプ機能を搭載したいと考えている。このような技術は、多様な体型のモデルがあまり存在しないため、難度が高いと彼は語った。

Reveryがユーザーにアバターを作成して服の見え方を確認できる機能を提供するためには、自社で独自のデータを収集する必要があると同氏は考えている。

「もしかしたら今見ているのは実際に大きな波の始まりで、そのニーズに応える適切な製品を私たちは持っているのかもしれません」と彼は付け加えた。

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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)

【中国の近況】政府がByteDanceに出資、Amazonの中国販売業者取り締まりは続く

TechCrunchチャイナ・ラウンドアップへようこそ&おかえりなさい。中国テック業界の近況と、それが世界の人々にどんな意味をもつかについてまとめてみた。

先週、中国政府がByteDance(バイトダンス)に資本参加したことで投資家たちの不安は増大した。TikTok(ティックトック)の親会社にして世界最大級の非上場インターネット企業だ。一方でAmazon(アマゾン)による中国販売者の取り締りは続き、中国南部の多くの業者を廃業に追いやり、政府は包括的データ保護法を可決しせ11月に施行される予定だ。

国の資本参加

中国政府による国のインターネット巨人の制御を強める大計画は続いている。今週、The Informationは、ByteDanceの国内事業体が4月に株式の1%を政府関係機関に売却したことを報じた。この取引は企業情報の公開データベースであるTianyancha公式企業登録簿にも記載されている。

この動きは突然起きたのではない。中国政府は非上場テック企業の少数株取得を2017年から考慮していた。当時The Wall Street Journalは、インターネット規制当局が、WeChat(ウィーチャット)運営者であるTencent(テンセント)、Twitter(ツイッター)類似サービスのWeibo(ウェイボ)、YouTube類似サービスのYouku(ヨーク)などの企業の1%株を取得する検討をしていると報じた

2020年4月、China Internet Investment Fund(中国インターネット投資ファンド)の子会社、WangTouTongDaはWeibo株の1%を1000万中国元(1億6900万円)で購入した。Weiboの米国証券規制当局への提出書類による。Weiboはこの書類で、WangTouTongDaの国との関係について言及しなかった。

同様に、ByteDanceは株式の1%を、主要規制機関が指定した3つの団体、China Internet Investment Fund、共産党中央宣伝部が制御するChina Media Group、および北京市政府の投資部門に売却した。

ByteDanceに対する中国政府の動きを受け、米共和党のMarco Rubio(マルコ・ルビオ)上院議員は今週、米国でTikTokをブロックするようジョー・バイデン大統領に緊急要請した。

ByteDanceの少数株を取得することで中国政府がどれほどの力を得るのか正確にはわからないが、Weiboによる投資家への情報開示がいくつかヒントを与えている。

同政府がWeiboとByteDance両方の国内事業体の株を取得していることは注目すべきだ。中国のインターネット企業は、中国本土の事業が契約上の合意を通じて金銭的利益を得られる資格をもつ海外事業体を設立することがよくある。この枠組は変動持ち分事業体(VIE)と呼ばれる。この構造によって中国企業は海外での資金調達が可能になるが、海外投資を制限する中国政府による監視が強まっている。

Weiboは提出書類の中で、出資者である国有企業のWangTouTongdaが、Weiboの国内事業体の3名からなる取締役会の役員1名を指名できるようになり、コンテンツや将来の資金調達に関する特定の要件に対する拒否権を得ると書いている。

ByteDanceも同様の契約を同社の国有出資者と結んでいる可能性が高い。中国政府はケイマン諸島法人の独立海外事業体の子会社であるTikTokの株式は取得していない、とThe Informationは指摘している。これは米国規制当局に多少の安心化を与えるものだが、中国政府による海外中国企業の支配に対する懸念が消えることはないだろう。

実際バイデン政権は2021年6月、ByteDanceとWeChatを禁止したトランプ時代の命令をより精査されたポリシーで置き換え、安全保障上のリスクを生む可能性のある「外国の敵対者」とのつながりについて、商務省によるアプリの審査を必須とした。

TikTokは中国政府へのユーザーデータ引き渡しに関する告発と戦ってきた。ByteDanceは米国で2021年4番目のロビー活動費使用者であり、Amazon、Facebook、およびAlphabetに続いている。中国政府による投資によって、さらに多くの活動費が必要になるだろう。

関連記事:バイデン大統領がトランプ氏時代のTikTok、WeChat禁止令を廃止

窮地のAmazon販売業者

5月に私はAmazonが中国最大級の販売業者数社を、同プラットフォームの規約に違反したとして利用禁止にしたことを報じた。偽レビューやユーザーに肯定的レビューを書かせるために報酬を支払うなどの行為による。厳しい取り締りは中国のオンライン輸出業者をパニックに陥らせ、それはAmazonによる1回限りの不意打ち攻撃ではなく、長引く戦争になった。影響を受けた中国業者の正確な数は明らかにされていないが、業界ウォッチャーのMarkeplace Pulseなどは、7月初め時点で「数百社の」中国販売業者が停止されたと言っていた

関連記事:米Amazonから中国の大手販売業者が消える、不正レビューが原因か

罰せられたアカウントは利用禁止となりされ、Amazonによって商品は差し止められ入金は凍結されている。世界のAmazon販売業者の大半が拠点を置く深圳では、最近だけで数千人が解雇された。深圳のある大規模販売業者のオーナーは、大損害を理由に最近自殺したと知人が伝えた。

取り締りを生き延びた販売業者は、Amazonによる襲撃は「遅かれ早かれ起きたこと」だと語った。私が話した業者のほとんどが同じ意見だった。シアトルの巨人Amazonは現在、価格とランキング操作だけで競争するジェネリック製品ではなく、品質とデザインを求めている。

中国政府もこの事象に注目した。商務部の高官は7月の記者会見で、相次ぐアカウント閉鎖について中国輸出業者を「水から出た魚」になぞらえた。

「世界の法律、文化、ビジネス慣行の違いのために、[中国]企業は海外進出においてリスクと難題に直面しています」と商務省のLi Xingqian(李興乾)対外貿易局長は言った。

「私たちは企業がリスク管理を改善し国際貿易標準を遵守する手助けをします」。一方で同氏は「各プラットフォームにはさまざまな企業による重要な貢献を大切にし、異なる取引相手を十分に尊重する」よう要請した。

データ保護

最後に、中国は先週、包括的なデータ保護法を可決した。同法はテック企業によるユーザーのデータ収集の方法を厳格に制限しているが、国家による監視には影響を与えない可能性が高い。この2020年提起された規制法案は11月1日に発効する。詳しくは以下の記事を参照されたい。

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(文:Rita Liao、翻訳:Nob Takahashi / facebook