WeChatがLINEと提携し、訪日する700万人の中国人観光客を狙う

中国最大のチャットアプリWeChatは、中国観光客たちに人気のある訪問先である日本で、その支払サービスをより普及させようとしている。

火曜日、Tencentが運営するこのメッセンジャーは、モバイル決済に関して日本のLINEチャットアプリとの提携を発表した。この提携により、LINE Pay端末を設置済の日本の実店舗で、WeChat Payの直接支払いを行うことが可能になる。通貨両替の手間を掛けることなく、中国人客はただWeChatアプリを起動して、店舗側が提示するQRコードをスキャンして支払うことができる。

この新しい同盟は、Tencentの最も強力なライバルAlibabaによる、似たような動きに続いたものだ。9月には、巨大電子商取引企業Alibabaの支払い子会社であるAlipayが、中国から国外に出ていく旅行者を獲得するために、Yahoo Japanと提携した

Tencentは、TechCrunchから問い合わせを行った際には、このスキームを通じて潜在的に、どれくらいの数の小売業者にリーチできる可能性があるかについては答えなかった。しかし同社は、LINE Payとの提携により、中小規模のビジネスがモバイルペイメントに比較的安いコストで対応できると語った。なぜなら小売店はそのためにQRコードスキャナーを購入する必要がないからだ。

WeChat PayとAlipayは、既にここ数年の間、日本で独立して運営されている。例えばWeChat Payは、2017年6月から2018年にかけて、日本での取引件数が6倍に増加したと主張している。

一方、地元の店舗に幅広く提携店舗を持つことは、AlibabaやTencentが、ますます洗練されつつある中国人観光客の波に乗ることを助けることができる。

LINEとの提携は「WeChat Payを中小規模の小売店に普及させ、中国人たちに有名な観光スポットだけではなく、より日常的な場所でも使ってもらう動きを加速します」とTencentの広報担当者は語った。「この戦略は、中国人旅行者から出されている、より地元の人たちのように旅したいという、よりレベルの高い要求に沿うものなのです」。

中国人たちに対する日本の魅力は高まっている。中国のオンライン旅行代理店Ctripの報告によれば、10月の中国の1週間に及ぶ「ゴールデンウィーク」の間に、日本は初めてタイを飛び越して、中国人観光客たちにとって最も人気のある行き先になったということである。2017年に日本政府観光局(JNTO)は、合計736万人の中国人旅行者を記録した。これはこの年に日本を訪れた観光客の四分の一を占めている。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:sako)

Twilioが電話越しの支払いを簡単にする

例えば航空券を変更するために、あるいは期限ギリギリの請求書への支払いをするために、電話越しに支払いをしようとすると、まるで時代遅れの手続きのように感じられる。担当者に向かってクレジットカード番号を読み上げ、続けて有効期限とセキュリティコードを伝える。このプロセスの中で、いくつかの数字を間違えて、プロセスをやり直すこともしばしば起きる。Twilioはこれを、もっと簡単にしたいと考えている。同社は本日(米国時間10月17日)、このプロセスから面倒とセキュリティ上の懸念を取り去ることを目的とした新しいプロダクト”Pay”を発表した。

PCI準拠のTwilio Payは、企業が自動音声応答システムやコンタクトセンターの係員を通して、簡単に支払いを受け取ることを可能にする。そして、これはすべて、クレジットカードのデータを係員に伝える必要なく行われるのだ。その代わりに、係員や電話応答システムが、支払いプロセスを起動することができる。そのプロセスはPayによって処理され、利用者に番号を安全に入力させる。そしてクレジットカードのデータはトークン化され、安全に処理される。人間のエージェントが見るのは、すべての支払いが処理されたことだけだ。

Twilioは成功したトランザクション1件につき、0.10ドルの請求を行う。

開発者にとっては、この機能を既存の仮想コールセンターや音声応答システムに追加するためには、数行のコードを追加すれば良い。Payはまた、Twilloのドラッグアンドドロップ式ローコード環境である、Twilio Studioに統合される。当然のことながら、急速に成長しているというTwilioのFlexコンタクトセンターソリューションでは、すぐに使用することができる。

Stripeは、Twilioが最初に協業したペイメント処理業者だが、プラットフォームは他社にも公開されている。

Twilio Payは現在パブリックベータ版で、2019年前半に一般公開される予定である。これは、米国およびいくつかの国際マーケットで利用可能になる。その国際的なアベイラビリティは、主にTwilioのパートナーがサポートしている市場に依存する。

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(翻訳:sako)

画像クレジット: Chainarong Prasertthai / Getty Images

Apple PayとGoogle Payが今月からやっと7-11(セブンイレブン)でも使える

7-Eleven(セブンイレブン)が他より進んでいるところといえば、人類の飲み物消費量の限界を拡大する努力ぐらいだろう。しかし今や日本企業がオーナーであるこの巨大コンビニチェーンは、モバイルペイメントの導入が他よりずば抜けて遅いことでも、目立っていた。

同社の今日(米国時間9/10)の発表によれば、ついに同社も、今月からアメリカの“多くの”ストアにApple PayとGoogle Payを導入する。おもしろいことに、シャーベットドリンクSlurpeeの自販機では、Samsungがこの二大強敵を抑えている。まるでAとGの両社は、Glaxyのメーカーの決済システムを助けるべく、協定を結んだかのようだ。

AppleのCEO Tim Cookはこの夏の初めに、もうすぐ7-ElevenとドラッグストアチェーンのCVSにApple Payが入る、と発表した。Apple Payが7-Elevenで使えるようになればそれは、モバイル決済が小売業界の全域に一挙に普及するきっかけになるだろう。7-Elevenの店は17か国に計66000店あり、その約14%がアメリカだ。

でもアメリカではすでに大型リテールの多くがモバイル決済を採用しているから、そこに7-Elevenが加われば、人口の3/4以上がスマホを持っているアメリカでは、それだけですでにきわめて高い普及率になるだろう。

画像クレジット: Mark Schiefelbein / AP

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日本も含む世界25か国に展開のStripeがダブリンにヨーロッパ技術拠点を開設

日本にも進出して1年あまりとなる簡単便利な支払い決済サービスStripeが、米国外の初めての技術拠点をダブリンに開く、と今日(米国時間2/4)のReutersが報じている。ダブリンは、意外な選択ではない。このオンライン決済処理プロバイダーは本社がサンフランシスコにあるが、創業者はアイルランド人であり、Stripeのヨーロッパ本社もアイルランドの首都にあって、およそ100名の社員を抱えている。

Reutersによると、その新しい技術拠点には数年内に数十名を雇用し、Stripeの主製品である決済プロダクトの開発に携わる。

Stripeの最初のヨーロッパ進出は2013年で、まずイギリスで利用できるようになった。最近の2年間で国際展開のペースが上がり、ダブリンにオフィスを開設した次はアジアに進出、そして今やヨーロッパではフランス, ドイツ. オーストリア, スイス, オランダ, ベルギー, ルクセンブルグに展開している。今Stripeを利用できる国は全部で25か国、全世界で約1000人の社員がいる。

弟のJohnと共に2010年にStripeを創ったCEOのPatrick Collisonと、技術のトップDavid SingletonがReutersの取材に対して、Stripeは最初、ヨーロッパの数か国で技術者を雇用することを考えていた、と言っている。アイルランドのハブへと考えを変えたのは、その国が“つねに外向き指向で、ものごとをグローバルに考える”国民性だからだ、という。

イギリスは、EU脱退(Brexit)後の将来が不安なので、技術拠点の候補地にはならなかった。

“Brexitについては、今はまだ何も決まっていないようだが、ヨーロッパ中の国々を検討した結果、不確実性のある国は捨てた”、とCollisonは言う。

Stripeは、2016年の最前のシリーズDの資金調達ラウンドで、既存の投資家General CatalystとCapitalG(元Google Capital)から1億5000万ドルを調達し、調達後の評価額が92億ドルになった。

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Boltがオンライン小売業者たちにAmazon対抗のチェックアウト体験を提供する

Boltという名のスタートアップが、電子商取引の小売業者たちに、Amazonとの競争の機会を与えようとしている。これまで1年間、公表されることなく運用されてきたこの支払いプラットフォームは、現在100ほどのオンライン業者へと広がってきている。それぞれは、カスタマーチェックアウト、支払い処理、そして不正検知のエンドツーエンドソリューションを含む、様々な展開段階にある。

同社の公式な設立は2014年である、当初はオンラインチェックアウトにおけるデジタル通貨の利用に焦点を当てていた。同社を率いているのが、このアイデアの実現のためにスタンフォード大学を辞めたRyan Breslowと、Eric Feldmanである。しかし、設立から1年間の実験の後、Breslowは小売業者のサイトにおけるオンライン決済体験を向上させる、他の方法があることを発見した。

「チェックアウト体験は素晴らしいものではありません。顧客が『チェックアウト』をクリックしてオンラインショッピングの支払いステップに入りますが、それは裏で何十種類ものツールが動いているのです」とBreslowは説明する。

そこで動いているツール群は、クーポン、ポイント、税金、そして送料などの計算を扱わなければならないチェックアウト体験に加えて、実際の支払い処理、支払いゲートウェイ、不正検知などにも関わっている。

「このように、電子商取引はレイヤリングするという哲学があり、そのレイヤリングによって断片化が生じています」Breslowは続ける。「Boltで私たちが得た洞察は、この仕組の断片化が更に激しくなるほど、オンライン小売業者のパフォーマンスは悪化し、Amazonが更にマーケットシェアを占めるようになるというものでした」。

この問題に対処するために、Boltは体験を最適化するためにデザインされた新しいチェックアウトプラットフォームを開始した。そこには小売店が必要とするすべてのツールが束ねられている。

それには、ロードタイムを加速するために様々な技法が使われた、より迅速で高性能なチェックアウトページも含まれている。例えばフロントエンドコードの事前処理などだ、これによりコードと必要な要素が既にロードされているため、サイトが新しいページにリダイレクトして、ゼロからロードし直す必要はない。

また、チェックアウトページでは、購入を完了するために顧客が通常入力する必要のあるフィールドの数が減っている。これはカートを中途で放棄する比率を下げる効果がある。

チェックアウトを開始する際に、Boltは「ゲストとして続ける」かログインするかの選択肢を提示することはない、Breslowによれば、顧客は自分の選択肢を後悔することがあるので、こうした選択肢が示されると40%がそこで手続きを止めてしまうのだという。

その代わりにBoltは、チェックアウト後の登録機能を提供している。顧客はサイトが支払いを取り込んだ後に、アカウントにサインアップすることができるのだ。

またBoltでは、顧客が請求先住所を入力する必要もない。これは、今日のオンライン支払い処理と根本的な違いがある点だ。

Breslowは、詐欺行為を減らすための手段として一般的に受け入れられている「請求先住所の要求」は、そうしても実際にはほとんど役に立たないと言う。

「より多くのデータが漏洩することで、私たちの個人的な生活がダークマーケットに晒され、顧客を認証するための貴重な識別情報が減っていきます」と彼は言う。顧客に対してこの情報の入力を要求する代わりに(この要求によっても顧客は離脱しやすい)、Boltは不正に対抗するテクノロジーを採用している(そして実際、それが完全なチェックアウト体験を支えている)。

たとえば、ページ上でマウスがどこを移動しているか、情報をフィールドへコピー&ペーストしているかどうか、ミスタイプを行ったかどうか、どれくらいの速度でタイプしたか、その他沢山の要素を追跡している。Boltは、顧客の行動パターンを分析することで、請求先住所を尋ねるよりも、より良い不正行為防止を行うことができると言う。

彼はまた、現在市場にある不正検知会社よりもBoltの方が優れていると言う。なぜならそうした会社はより保守的だからだ。このことは、偽陽性(すなわち正しい注文が怪しいものとして拒絶されてしまう)につながり、電子商取引業者の利益が減少することになる。

Boltの不正検出が信頼できることを顧客に保証するために、同社は不正による支払い取り消しの100%をカバーしている。

Boltの顧客の中にはまだソフトウェアを試用しているだけの会社もあるが、もしそうだとしても、テストするためにはある種の決意が必要である。すなわちBoltに対してその全ての支払とチェックアウト体験を委ねることになるからだ。

Boltはまた、小売業者たちの現在の決済業者に比べて、遜色ない処理手数料を提示することで、切り替えを促そうとしている。

Boltには現在約100社のクライアントがいるが、そのほとんどが中規模、すなわち扱い高が7から8桁(100から1000万ドル)規模の業者である。ここにはInvicta(腕時計)、Watches.com、Robert Wayne Footwear、Brian Gavin Diamonds、Adiamor Diamond Jewelry、State Bicycle Co.などが含まれている。

同社の技術が競合相手に比べて、高価なものであることをBreslowは認めている(月額費用に関して)。しかし同時に、それは売上の向上で埋め合わせることができると主張している。同社はトランザクションごとに安価でフラットなパーセンテージベースの手数料を徴収するが、どの場合にも10から50%の売上増がみられるということだ。(数字の幅が広いのは、他に比べてチェックアウト実績が芳しくないクライアントがあるからだ)。

まとめると、Boltはその迅速なチェックアウト、A/Bテスト済のチェックアウト体験、そして不正検知によって、Amazonのワンクリックチェックアウトが支配的な世界での対抗手段を、その顧客たちに対して提供できると考えているのだ。

Boltの30名のフルタイムチームには、共同創業社のEric Feldmanの他に、Google、Facebook、Twitter、そしてAirbnbからの転職者や、(デジタルギフトカードの)CashStarでの経験をもつ人材が属している。

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同社の調達額は公開されていない(「シードよりは多額です」とBreslowは語る)が、PayPal、Intuit、Splunk、StubHub、Oculusの創業者たちを含む多くの投資家たちや、スタンフォードのStartXファンド、スタンフォードのコンピュータサイエンスの教授Jay Borenstein、Streamlined Ventures、Floodgate(Mike Maples)、Great Oaks VC、Trevor Traina、Brainchild Holdingsなどからの投資を受け入れている。

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(翻訳:sako)

「トルコのStripe」、lyzicoがシリーズCで1500万ドルを調達

Eコマースサイトにオンライン決済機能を提供するトルコのフィンテック企業、lyzicoがシリーズCラウンドで1500万ドルを調達したと発表した。うち1200万ドルは今年初めに発表されていたものだ。

今回のラウンドにはロンドンを拠点とするVCのAmadeus Capital Partnersが加わり、300万ドルを出資している。ファーストクローズをリードしたのはVostok Emerging Financeで、その他にも既存投資家の数々、International Finance Corporation、そしてイスタンブールを拠点とするVCの212が本調達ラウンドに参加した。

「トルコのStripe」と称されることもある同社。サンフランシスコを拠点とする決済分野の有力企業であるStripeの潜在的な競合となりうる存在だ。しかし、Stripeは現在トルコでは事業を行っていない。lyzicoのターゲットはEコマースサイトなどのオンラインビジネスであり、同社はディベロッパーフレンドリーなプラットフォームを通して顧客に決済機能を提供している。

同社によれば、彼らのプラットフォームは24時間以内に導入可能で、PCI-DSSとBRSA(Banking Regulation and Supervision Agency)に準拠したセキュリティ性を備えている。2013年のローンチ以降、同社のプラットフォームは1万以上のオンラインビジネスに導入されており、登録アカウント数は20万を数える。

Amadeus Capital PartnersのJason Pinto氏はリリース上でこのようにコメントしている:

「トルコの急速な経済成長は力強い個人消費によって支えられています。そして、そのほとんどがクレジットカード決済によるものです。そのため、企業は洗練されたカード決済システムを用意し、そのニーズに応えなければなりません。モダンでかつ簡単に導入でき、急速に進化を遂げる決済システムをもつlyzicoに期待しています」。

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(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Starbucksがモバイルオーダーのみの店を本社内でテスト、システム改良のため

Starbucksがモバイルのオーダーシステムを導入したのは2015年だが、その後ある意味で同社は、自分の成功の犠牲者になった。人気店の顧客たちは、レジの列に並びたくないので、こぞってモバイルからのオーダーと前払いを選び、今度は“仮想行列”ができてしまった。場合によってはそれは、本物の行列より長いこともあった。そこでモバイルオーダーの改良を志した同社は、シアトルの本社内にテスト店として、オーダーはモバイルからのみ、という店を開いた。

Reutersの記事によると、本社内にある二つのカフェのひとつが、来週からモバイルオンリーになる。記事によると、そのビルにいる5000名の社員のモバイルからのオーダーはすべてその店へ行く。その店舗は改装され、受け取り窓口がよく目立つようになり、店内であなたのコーヒーを淹れているバリスタの姿もよく見えるそうだ。

Starbucksのアプリに、事前オーダー・後で受け取り、というシステムが加わったのは2015年の9月で、それ以降、人気が拡大した。アプリの中でメニューを選び、店を指定し、前払いをすると、受け取り予定時間を教えてくれる。コーヒーは受け取り窓口に置いてあったり、あるいは店内オーダーのときのようにバリスタが声をかけたりする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AirbnbによるペイメントサービスTiltの買収が確定―、狙いは人材獲得との噂も

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AirbnbによるソーシャルペイメントサービスTiltの買収話に決着がついた。TechCrunchでは先月この件を報じていたが、ようやく全てが正式に決まったという確認がとれた。

私たちが入手した情報によれば、Tiltの投資家には1200万ドルが現金で支払われる。しかし、Airbnbが現金と株式で支払った従業員の引き留め費用を考えると、買収総額はさらに数千万ドル以上高くなる。CEOのJames Besharaを含め、サンフランシスコで勤務している社員の多くは会社に残るよう引き留められたが、それ以外の地域で働いている社員のほとんどは買収を機にTiltを去ることになった。

AirbnbはTiltの資産を取得し、今のところはアプリもそのまま運営していく予定だ。しかし情報筋の中には、買収額のほとんどが人材の引き留めに使われていたことから、これは企業ではなく人材の買収(acqui-hire)だという人もいる。

サービスをシャットダウンしてしまうよりはマシとはいえ、これまでに6000万ドルもの資金をつぎこんできた投資家にとって、この結果は喜ばしいものではないだろう。Andreessen HorowitzやSV Angel、Reddit共同ファウンダーのAlexis Ohanianといったシリコンバレーのビッグネームは、Tiltがモバイルコマース市場のリーダーになると信じていたのだ。

2012年に設立されたTiltは、ソーシャルペイメントの草分け的存在だ。同社は個人間の支払いよりもグループからの集金に重きをおいていたが、PayPal傘下のVenmoやSquare Cashとも共通点があり競合関係にあった。さらに何らかの「活動」から人を動かす「信念」まで、さまざまな目的のクラウドファンディングを行う場としても利用されているため、Tiltは急成長を続けるGoFundMeの代替サービスのような存在でもある。

そんなTiltを買収したAirbnbの動きには納得がいく。というのもの、同社は既に宿泊施設の貸し出しビジネスをある程度成長させ、次は旅行業に進出しようとしている。そして最近Airbnbは、旅行予約サービスとシナジーのありそうなペイメント業界の優秀な人材を集めているのだ。

Airbnbでプロダクト担当ヴァイスプレジデントを務めるJoe Zadehは、声明の中で以下のように説明する。「AirbnbとTiltはどちらも、人と人を結びつけるようなコミュニティ重視のプロダクトをつくる、というビジョンを掲げています。さらにTiltのチームは、旅行のかたちを変えようとしている私たちの取り組みにぴったりと合うような経験や専門性を持っています。両社で力を合わせて、団体旅行を再定義し、宿泊先や旅行先でのアクティビティ、現地にいる人をつなげ合わせる新しいプラットフォーム『Trips』をつくりあげていきます」

300億ドルの評価額を誇るAirbnbは、その影響力を使って規模の小さなスタートアップの買収を進めている。最近ではLuxury Retreatsを買収し、昨年はChangeCoinやTrip4realを買収していた。さらに、同社はResyをはじめとする複数のスタートアップにも投資している。

Airbnb自体は恐らくどこかに買収されるには評価額が高すぎるため、IPOの可能性に関する噂が飛び交っている。最終的な目標としては同社も株式上場を考えているものの、どうやら今年中のIPOはなさそうだという話を私たちは聞いている。

取材協力:Matthew Lynley

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

PayPal、キャッシュ支払サービスのTIO Networksを2.33億ドルで買収へ

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PayPalは支払サービスの有力企業、TIO Networksを2億3300万ドルのキャッシュで買収することで同社と合意した。TIO Networksは公共料金などの請求書をドラグストア・チェーンのRite Aidなどの店頭で支払えるようにするサービスだ。今回の買収によりPayPalは一挙にこの分野への参入を果たした。

この買収により、PayPalは給料日から給料日までぎりぎりの生活を強いられている北米の人々に対するサービスが可能になる。こうした人々の多くは銀行口座を持っていないためクレジットカードが利用できない。PayPalのCOO、Bill ReadyはTechCrunchの取材に対し「われわれはこうした〔恵まれていない〕人々に対してデジタル時代への橋渡しをしたい」と語った。

TIO NetworkをPayPal本体にどのように統合するのか、具体的な計画はまだ明らかではない。しかしキャッシュによる支払いをデジタル支払サービスに統合しようというのは以前からのPayPalの目標だった。開発チームはキャッシュをオンライン支払にあてる手続きを簡単に行えるPayPal Cashというシステムを発表している。

昨年TIOは6万5000箇所の支払いコーナーで1400万人の顧客の70億ドルの支払を処理している。

TIOはカナダのバンクーバーを本拠とする会社でドットコム・バブルの時代にトロント証券取引所に上場した。最近の時価総額は買収金額を25%程度下回っている。PayPalは最終的に1株2.56ドルという条件を示した。買収の完了は今年中となる。

PayPalは今やオンライン支払の世界的な巨人であり、PayPalサービス以外にもモバイルのピア・ツー・ピア資金移動アプリ、Venmoなど数多のくサービスを傘下に持っている。またUberやAirbnbの支払を処理して大成功を収めたBraintreeも買収している。

PayPalがeBayからスピンオフしたのは2015年で、企業規模はすでにeBayを追い越している。時価総額は510億ドルで、株価は昨年21%上昇した。

画像: PayPal

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Shopify、決済用カードリーダーとPOSアプリをイギリスで近日提供開始

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Shopifyは事業者向けクレジットカードリーダー(読み取り機)とPOSアプリをイギリスでまもなくローンチする。同社のリーダーは非接触式、ICチップ、磁気テープによる決済をサポートし、店舗側はAndroid PayやApple Payなどのコンタクトレス決済と、従来のカード読み取り式決済の両方に対応できる。アプリは無料で、iPhoneまたはiPadに接続したリーダーと連動する。

Shopifyのアプリとリーダーをセットで使えば、イベントや期間限定のポップアップ・ストア、固定店舗などで幅広い支払方法に対応できるようになる。さらにShopifyのeコマース機能で、実店舗でのショッピング・エクスペリエンスをオンラインストアと結びつけることも可能だ。

Shopifyのカードリーダー本体は、今なら期間限定で20ポンド引きの59ポンドで事前予約が可能。前述のようにアプリは無料で、決済手数料は1.6パーセントから。決済ごとの基本料金はかからない。

Shopifyのプロダクト・グロース・マネージャーHailey Colemanは「イギリスはShopifyにとって2番目に大きな市場」とTechCrunchに語る。「Shopify POSアプリとカードリーダーのローンチで、スモールビジネスオーナーはカード決済をいつでもどこででも、簡単かつ安全に受付可能になります。これでイギリスの事業者にもShopifyでビジネス全体を回してもらえます」。

今回イギリスで提供開始となるShopifyのリーダーとソフトウェアがあると、小売店側にとって最新のモバイル決済技術の導入もかなり容易になる。同社のカードリーダーはコンタクトレス(非接触/NFC)決済機能を内蔵し、Android PayとApple Payにも自動的に対応する。

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(翻訳:Ayako Teranishi)

決算発表後にPayPalの株価が2%上昇、Visaとのパートナーシップが好材料に

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木曜日の株式市場が閉じた後、PayPalは決算発表を行った。アナリストによる今四半期の予測収益が26億ドルだったが、実際には26億5000万ドルだった。調整後株当たり利益は、ウォール街の予想値である36セントと同等だった。

株価は時間外取引で2%上昇した。その1つの要因として決算発表と同時にVisaとの発表があったからだ。Visaとの新しいパートナーシップでは提携を深め、カスタマーがPayPalのアカウントから銀行口座に資金をVisaのデビットカードで簡単に動かせるようにする。このパートナシップではさらに、Visaの非接触決済取引を導入する販売店でPayPalのデジタル・ウォレット決済を受け付けることができるようになるということでもある。

「Visaとの提携で私たちの機能を拡張し、コンシューマーや店舗は新しい文脈で私たちのサービスを活用することができるようになります。そして、さらなるパートナーシップの基盤にもなります」とPayPalのCEOであるDan Schulmanと声明で伝えた。

PayPalのプロダクトのグローバルヘッドであるSVPであるBill Readyは「カスタマーがどこでも、どのようにでも支払うことができるようにすること」が目標だという。Visaとは「障壁の少ないコマース体験を作るために協力します」という。

PayPalは、年間の収益予想を100億7500万ドルから100億8500万ドルの範囲に上方修正した。彼らは今年度の調整後株当たり利益を1.47ドルから1.50ドルに見込んでいるという。

PayPalは前四半期800万の普通株を買い戻すことで、3億ドルを株主に返した。

投資家は、PayPalがVenmoのビジネスのマネタイズに成功するかどうかを気にしている。Venmoはミレニアル世代に人気のモバイルで使えるピア・ツー・ピアの支払いシステムで、同社はその決済ごとに課金はしていない。Venmoは今四半期、39億ドルの支払いを処理した。しかし、収益の配分までは開示していない。

Venmoは最近、店舗支払いを導入した。店舗はPayPalに取引毎に僅かな割合を支払うことで、「Venmoによる支払い」の選択肢をカスタマーに提供することができる。

PayPalの最大のビジネスはBraintreeだ。BraintreeはUberからAirbnbまでホワイトレーベルでモバイル決済ソリューションを提供している。Braintreeは盤石なクライアントリストを獲得し、モバイル決済分野で一大勢力になりつつある。

PayPalの株価は、1年前にeBayからスピンオフした時から13%上昇している。同社の時価総額は490億ドルだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

アジアを拠点とするクロスボーダー決済のフィンテック企業AirWallexが300万ドルを調達

Asia Pacific cross border payment startup Airwallex lands  3M   Tec1hCrunch

フィンテック企業がアジアの投資家の興味を引いている。資金を調達した最新の企業はAirwallexだ。中国とオーストラリア拠点のクロスボーダー取引に特化したスタートアップである。

メルボルンに本社を置くAirwallexは今週、中国の投資家Gobi Partnersが率い、エンジェル投資家のHuashan Capital One、中国のEasylink PaymentsのCEOのBilly Tamらが参加するシードラウンドで300万ドルを調達したと発表(米国時間2016年7月5日)した。

Airwallexは顧客が自国通貨で国外の製品を購入できるようにし、クロスボーダー取引のコストと面倒な手間の削減を目指している。販売者と消費者の両者が異なる通貨を利用する際に発生するコストを削減する点でロンドンを拠点とするスタートアップTransferwiseと根本的に同じ原理を利用している。

AirwallexのCEOで共同創業者のJack Zhang氏はオーストラリアの銀行で働いていた時、カフェ・ショップ事業に投資していた。しかし、その事業のために国外からの輸入品に対して余分なコストがかかることに嫌気がさすようになっていた。オーストラリア・ニュージーランド銀行、ナショナルオーストラリア銀行で働いてきたZhang氏はテクノロジーでより良いソリューションを提供しようと決断した。そして、バークレイズ銀行の外国為替部門で働いていたCTOのJacob Dai氏、COOのLucy Yueting Liu氏を含む4人の共同創業者と共にAirwallexを創業したのだった。
Asia Pacific cross border payment startup Airwallex lands 3M TechCrunch

Zhang氏はTechCrunchのインタビューに対して、プレシリーズAラウンドはクローズまで2週間と、とりわけ早く終わったと語った。

「世界的にEコマースの時代の幕開けを迎えており、とりわけここアジアにおいて大きなチャンスがあるのです」とZhang氏は語った。「Eコマース企業は自国での展開のみで満足することなく、グローバルに打って出たいと考えています」。

Airwallexは外国為替を仲値で取引する銀行間為替取引を利用している。顧客にとっては外国為替レートの手数料のだいたい90%を節約できるとZhang氏は語る。

Airwallexのサービスは現在のところクローズドベータテストの段階で、1ヶ月以内にサービスを開始する予定だ。現在、オーストラリアの規制当局の承認を待っている段階である。そのコンセプトはBraintreeもしくはStripeに近い。売買の背後に存在するシステム(それも最終顧客には見えることのない)によって決済が実行される。Airwallexは支払額に応じた決済手数料からマネタイズを図ることになる。

Airwallexは本社メルボルンに約20人の従業員、中国には12人の従業員、香港には小規模な拠点を持つ。Zhang氏は調達した資金は主にマーケティング、雇用、製品開発に使うと語った。Airwallexは顧客と販売者が同時に複数の通貨を利用できる電子財布を開発している。A

中国、香港、オーストラリアはAirwallexがまず最初に重点を置いている市場だ。しかしシンガポール、日本、韓国にも拡大予定だ。今年度内には、その市場の拡大に向けて財務面を支えるためシリーズAラウンドでの資金調達を目指している。

[原文]

(翻訳:Shinya Morimoto)

 

 

FinTechスタートアップのカンムがVISAプリペイドカードを発行へ、その意図は?

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CLO(Card Linked Offer)事業を展開するFinTechスタートアップのカンム。同社は7月11日、VISAのプリペイドカード「Vandle」を今夏中にも発行することを明らかにした。クレジットカードの加盟店で利用できるプリペイドカードは、KDDIの「au WALLET」(Master)やLINEの「LINE Pay カード」(JCB)などの登場によってユーザーの認知も高まっている存在。スタートアップがこれを提供する意図はどこにあるのだろうか。

その前にカンムについてご紹介しておこう。同社の設立は2011年。シード期に独立系ベンチャーキャピタルのEast VenturesおよびANRIから、2015年末にアドウェイズ、iSGSインベストメントワークス、フリークアウト、三菱UFJキャピタル、TLMから合計1億2500万円の資金を調達している。

カンム代表取締役社長の八巻渉氏

カンム代表取締役社長の八巻渉氏

カンムでは2013年からは大手クレジットカード会社のクレディセゾンと提携してCLO事業を展開してきた。CLOとは、クレジットカードの利用履歴をもとに、カード会員の属性に最適な各種の割引情報や優待情報を提供するというもの。現在は大手小売店やEC、保険などの領域のクライアントを中心に取り扱い、送客手数料や送客後の成果報酬によって収益を得ている。カンム代表取締役社長の八巻渉氏によると、すでに事業単体で単月黒字化を達成している状況という。

だが一方で課題もある。提携カード会社と直接契約している加盟店以外はCLOを利用できない(ざっくり言うと、カード決済において、イシュアー(カード発行者)とアクワイアラ(加盟店)が異なる場合は、決済に関する情報の一部を確認できないことがあり、最適なオファーを提案できない)ほか、オファーUIをカスタマイズできない(クレジットカードのオンラインサービス上で固定のバナーを提供する程度)という課題があった。これを解決するためには自らが決済情報を把握でき、かつさまざまな形でカード会員にオファーを提案できるプラットフォームを築く必要がある。これがカンムがプリペイドカード発行に至る経緯だ。

Vandleは、あらかじめ金額をチャージしておけば、VISAのカードが使える店舗・インターネット決済どこでも利用可能なプリペイドカードだ。あらかじめチャージする必要があるため、年齢制限や与信審査も必要ない。専用のアプリをインストールし、会員登録さえすればすぐにカード番号をが付与されてECの決済に利用できる。決済情報はリアルタイムに通知されるほか、今日いくら使ったか? 今週いくら使ったか?といったデータをアプリ上で表示する機能も用意する。

「Vandle」のアプリやその上でのCLOイメージ

「Vandle」のアプリの利用イメージ

アプリ上からはバナー広告を一掃。CLOを用いて、ユーザーが興味あるであろう情報だけを提供するという。具体的には、行ったことある店舗の情報が関連付けて表示される、そのカードが店舗のポイントカードの代わりになるといったようなものになるという。

また、Vandleは企業などが独自ブランドでプリペイドカードを発行することも可能となっている。あくまで例だが、出資するiSGSインベストメントワークスの親会社であるアイスタイルが、「@cosmeプリペイドカード」を発行することだって可能なわけだ。さらに言えば、自社サービス上で提供するポイントと、Vandleを通じた独自プリペイドカードを組み合わせることができれば、ネットとリアル両方で利用できる新たなポイントサービスを生み出し、また裏側では様々な決済データをもとに、より精度の高いCLOを実現できる。どこまでの範囲での話かはさておき、カンムではすでに複数の大手企業との提携を進めているところだという。

カンムではまた、今回の発表に合わせて、決済やマーケティング関連の3つの特許も取得している。今後はCLOで培ってきた決済データ解析の強みを活かして、自社で与信モデルを開発。独自のクレジットカードも発行する予定だという。この新しい与信モデルでは、既存の与信方法ではカードを作れなかった層にもクレジット機能を提供していく予定。

BASE、オンライン決済サービス「PAY.JP」上でID決済の「PAY ID」を開始

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BASEは6月27日、自社で展開するオンライン決済サービス「PAY.JP」にて、ID決済の「PAY ID」の提供を開始した。

ID決済とは、あらかじめID情報と紐付くクレジットカード情報を登録しておけば、IDだけでスムーズにオンライン決済が可能なサービス。国内ではPayPalやLINE Pay、Yahoo!ウォレットや楽天ID決済、Amazonログイン&ペイメントなどの他、モバイルキャリア各社が同様のサービスを提供している。PAY IDでは複数のクレジットカードを登録可能で、目的によってカードを使い分けることができる。

BASEでは、ECサイトプラットフォームの「BASE」を展開。現在では個人や法人、行政機関などが合計20万店舗のECサイトを開設しているが、ここにPAY ID決済を順次導入する。ローンチしたばかりのID決済サービスではあるが、最初から20万店舗の加盟店舗持つことになる。なお、BASEのスマホアプリ(iOSおよびAndroid)でもPAY IDによる決済が可能だ。

「BASEで利用できるID決済だが、『BASE PAY』というブランドではなく、『PAY.JP』という決済サービスのブランドで展開することにはこだわった」——BASE代表取締役の鶴岡裕太氏はこう語る。

例えば大手のプラットフォーマーがID決済を提供する場合、そこで狙うのはユーザーの決済簡略化だけではない。IDと結びついた購買データを取得することで、ユーザーに最適な購買施策を行うことも重要になるのだ。だがPAY IDで狙うのは、あくまで質量を持った「現金」をリプレイスしうるプラットフォームを拡大するということなのだそうだ。PAY.JPはBASEが2015年に買収したサービスだが、その際にも鶴岡氏は「個人の与信をもとに、価値と価値の交換をなめらかにする」と話していた。

 

Slackの中から友だちなどに簡単に支払いができるボットをLydiaがローンチ

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LydiaとSlackの二つは、ぼく自身も実際に使っている楽しいアプリだ。今度この二人のあいだに子どもが生まれたから、さらに嬉しいね。

Lydiaはフランスのペイメント(payment, 支払い)アプリで、ステルスのCookiesみたいに、ヨーロッパのためのVenmoのようなもの。友だちとのあいだで簡単にお金の送受ができ、しかも料金はかからない。もちろん、現金を使うよりもずっと便利だ

それが、Slackに統合されてSlackボットになった。このボットをSlackにインストールすると、そいつはアットメンション@xyz〜〜をモニタして、ユーザーがお金を送ろうとしていることを理解する。

たとえば、

“あそこのバーガーを楽しんでくれたかな。@jordanと@mattはそれぞれぼくに€10借りができたよ。cc @lydia。”

なんて書くと、JordanとMattは支払いの確認を求める通知を受け取る。それを確認して受け入れたら、彼らはあなたに€20を返す。

彼らがLydiaのユーザーでなかったら、クレジットカードで支払いができるところのリンクを受け取る。そのWebページで、クレジットカードの情報を入力すればよい。逆に金をもらう方がLydiaのユーザーでないときは、IBANを教えて銀行に振り込んでもらえばよい。

フランスの中小企業の場合は、このやり方がとても便利だ。昼食代の立て替えやそのほかの費用を、簡単に払える。銀行のWebサイトに、わざわざアクセスする必要がない。Slackの上でLydiaを@すれば、すぐに支払いを送れる。

これは、Lydiaにとっては正しい方向性だ。Lydia自身が良いアプリであるだけでなく、Slackのようなほかのアプリに、支払い機能を統合できる。APIが公開されれば、このようなLydiaの利用がヨーロッパ各国にたちまち広まるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))