チャットやメッセージングを営業とマーケティングのツールにしたいHubSpotがチャットボット制作のMotion AIを買収

営業支援とインバウンドマーケティングの今や古参で大手HubSpot日本)が、チャットボット制作のスタートアップMotion AIを買収したことを、今朝(米国時間9/20)発表した。

Motion AIは2015にローンチし、チャットボットを作るためのエディターを提供している。そのチャットボットは、WebサイトやFacebook Messenger、SMS、Slackなどで動作し、ユーザーはコーディング不要で作成できる。実は、HubSpotのFree CRMにはMotion AIがすでに統合されている。

Motion AIのファウンダーでCEOのDavid Nelsonを含め、全員がHubSpotに加わる。さらに詳細は、来週(9/26)行われるHubSpotのイベントINBOUNDで発表するそうだ。

買収の発表声明の中でHubSpotのCEO Brian Halliganはこう述べている: “今やチャットとメッセージングのインパクトを無視することはできない。それはB2Bで重要なだけでなく、社会全体として重要だ。今はどの企業も大きな転換期にあり、それを好機として乗り切るためには、このような新しいプラットホームを積極的に導入して、ブランドからのより密接で常時つながってる状態のコミュニケーションを求める消費者を、前向きに受け入れて行かなければならない”。

数か月前にAIのKemviを買収したHubSpot は、そのときと同じく、買収の条件等を公表していない。Motion AIはCharge VenturesやCrush Venturesなどから資金を調達している。

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営業の最終過程を管理するサービスApttusが$55Mを調達、次はIPOか

Salesforce上の見積請求管理サービスApttus日本)は今やユニコーン企業だが、このほど5500万ドルの資金調達ラウンドを発表した。これは同社の、IPO前の最後のプライベート投資になるものと思われる。

CEOのKirk Krappeは上場についてまだ明言しないが、今日(米国時間9/13)のラウンドは今後の投資家の信任を獲得するだろう、と述べた。“バランスシート上に一定量の流動性が必要である、と判断した。企業が上場や買収に臨むときは、投資家たちがその企業の確実な流動性を求める。流動性は、企業を良い位置につける”、と彼は説明する。“弊社の成長は今でも大きいが、最後の手早いプライベートラウンドをやるのが賢明かつ慎重と言えるだろう”。

5500万ドルのラウンドをリードしたのは、インドのシステムインテグレーターWiproのプライベート投資部門Premjiだ。これまでの投資家Salesforce, K1, Iconiqも参加した。

今や13億ドル(2016/9現在)というユニコーン評価額の同社は、これで累計調達額が3億2900万ドルになる。最近では、投資家を国際的に求めることにも果敢だ。たとえばシリーズCの1億800万ドルには、Kuwait Investment Authorityが投資家として参加した。シリーズDの8800万ドルには、サウジアラビアからの投資も含まれる。

バックにSalesforceがいることは大きい。2015年の終わりには、SalesforceがApttusのライバルSteelBrickを買収して割りを食った形になったが、Apttusはその後Microsoft Dynamics用のバージョンを作るなどして独立を模索した。しかし今ではその傷もすべて癒え、今度のラウンドではSalesforceが投資家として戻ってきた。

Krappeによると、Steelbrickの買収によってSalesforceとの仲がこじれたわけではない、という。“彼らは小さなコンペティターを買ったけれども、弊社の同社との関係は一貫して良好であり、今でもうちの仕事の大半はSalesforceの上でやっている”、と彼は語る。

見積〜請求〜回収の全過程を管理するApttusのサービスは、営業過程の重要な部分を担う。営業が顧客企業との関係を築くと、その対話過程をSalesforceに記録するが、実際に最終的な売買契約の過程(本番の見積提出以降)に入ると、企業はApttusなどのソフトウェアを利用して、見積書の作成や、契約書の生成、そして最後の代金回収までの流れを管理していくことになる。〔quote-to-cash, 見積から現金までのサービス、と言う。〕

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企業の営業を商談締結までガイドするGetAcceptが$1.6Mを調達、アルゴリズムが営業の実践から学ぶ

GetAcceptの協同ファウンダーMathias Thulinは、営業マン/ウーマンが抱え込む問題をよく知っている。すばらしい見込み客に会って商談をする。先日はありがとうございました、とメールでフォローする。返事はない。

そんなお先真っ暗を何度も経験したことのあるThulinと協同ファウンダーのSamir Smajicは、データを分析してうまくいかない営業の原因を見つけようとする。そのために始めたGetAcceptは、営業が自分の文書をよく調べて、商談を締結させるまでの過程をお手伝いする。同社は今日(米国時間9/4)、Amino CapitalとY Combinatorおよびそのほかのエンジェル投資家たちから160万ドルのシード資金を調達した。GetAcceptは、Y Combinatorの2016年の卒業生だ。

“とってもいいですね。担当に話しておきます。詳しい資料を送ってください。来週中にはお返事をさせます。…などと最初の面談で色よい返事をくれるところは多い”、とThulinは語る。“そのあと、闇が訪れる。意思決定者の数が、彼らが最初に考えたよりも多かったのだ。あるいは、彼らがどれだけ本気で関心を持ってくれたのかを、営業が測り損ねていたかもしれない。提案書類を送ってからその後何が起きたのか、その実態を営業は知らない。いろんな会社の営業からのメールや電話は毎日とても多いから、それらを無視したり忘れるのも簡単だ”。

GetAcceptは、締結する商談の多い営業と、多くない営業の違いを調べた。違いはたとえば、商談にプロダクトのデモが含まれているか、チャットボットを利用して他の営業を商談に参加させているか、などにある。営業が顧客企業のほかの部門にもアプローチして、社内の関心を喚起しているやり方もある。Thulinによると、そういったいくつもの‘軽いタッチ’が、成功する商談の鍵になっているが、そのことに気づかない営業が多い。

同社が使っている人工知能は、ディープラーニングによる機械学習のような本格的なものではないが、それでも同社のアルゴリズムは、成功する営業たちのベストプラクティスを学習できる。成功する商談に向かう道の上には、ちょっとした工夫やきっかけがいくつもある。スタンフォード大学の研究室で作られた本格的なAIでなくても、エンタープライズの営業を支援するスタートアップは、営業の成功や失敗の具体例から学ぶ姿勢が絶対的に必要だ。

“商談を前進させる引き金となるものを、見つけたい”、とSmajicは語る。“営業が商談を前進させることができる理由は、非常にさまざまだ。見込み客が、たとえば渡した文書を24時間放置していたら、そこにある問題に対応すべきだ。その商談の担当者を社内のほかの人に変えたために、検討が遅れることもある。汎用のツールだからだめか、と思っていたら、まさにそのとおりだったこともある”。

GetAcceptの主要プロダクトでもある電子署名は、DocuSignなど強力な競合他社がいる。また営業支援のCRMスタートアップには、GongAttachなどの先輩がいる。でも同社の強みのひとつは、電子署名の営業活動から、営業の実践についていろいろ学び、それらを営業支援サービスに活用できることだ。しかしかなりの地歩を確立している先輩企業たちに比べると、同社はまだまだこれからだけどね。

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ネットマーケティングのHubSpotがAIによる営業トークの効果アップを目指してKemviを買収

マーケティング・テクノロジー*のHubSpotが、人工知能と機械学習で営業を支援するKemviを買収した。〔*: たとえばソーシャルメディアへのパブリシティ活動を代行する。〕

数か月前にKemviが立ち上げたDeepGraphは、一般公開されているデータから営業のベストタイミングを見つけるデータ分析ツールだ。売り込み先の企業の、業務の変化とか、何かの記事の発表、などのタイミングに合わせて、売り込みを仕掛ける。また、今後起きることを見越して、先取り的に営業を展開することもできる。

KemviのファウンダーでCEOのVedant Misraはこう説明する: “インターネット上の膨大な量のテキスト情報から、業界や世界の最新の動向を取り出し、営業やマーケティングの能力を高めることが、うちの仕事だ”。

そしてHubSpotの側としては、同社の戦略担当常務Brad Coffeyによると、同社はそのプラットホームへのAIの導入を志向していた。彼曰く、AIや機械学習は今安易に使われているバズワードだが、Kemviは営業の人たちの現実的なニーズに対応しているので、魅力を感じた。

“重要なのは、顧客に具体的な価値を提供することだ”、とCoffeyは語る。“彼らにはそれがある。顧客が事業の成長のために必要としている情報、彼らのお客さんの心をつかむ情報、そういう情報をマーケティング部門や営業に提供できる。機械学習やAIは情報を精選するために利用するのであり、単に勉強のために導入するのではない”。

Kemviのチームは、Misraを含めて二名だ。彼らがHubSpotに入って、その技術をHubSpotのプラットホームに統合する。同時にそれと併せて、既存のKemvi/DeepGraphの顧客に対する移行プランもある。“彼らも、HubSpotとの合体を喜んでくれるだろう”、とMisraは語る。

この買収の財務的条件は公表されていない。Kemviは過去に、 Seabed VC, Neotribe Ventures, Kepha Partnersなどから100万ドルを調達している。

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成功する営業の鍵は“正しい見込み客”を見つけること、それを助けるNodeが$10.8Mを調達

営業の最初の仕事は、誰に(どこに)売り込むかを決めることだ。しかしこの最初の段階で選択を誤り、時間を無駄にすることが多い。

その無駄をなくそうとするのが、Nodeだ。このスタートアップは、人工知能を使って見込み客を見つける。これまでの2年半お忍びモードだった同社が今日、1080万ドルの資金調達を発表して表舞台に出てきた。この投資ラウンドを仕切ったのはAvalon Ventures、これにMark Cuban, NEA, Canaan Partnersらが参加した。

Cubanは本誌にこう言った: “セールスインテリジェンスに変革をもたらす、すばらしい企業だよ。これからの営業は、狩猟採取の原始時代を卒業する。営業は立派な知識労働になる”。

サンフランシスコにオフィスを置くNodeのファウンダーでCEO Falon Fatemiによると、長年Googleにいたので、検索のアルゴリズムをビジネスに生かすやり方がよく分かった。彼女の言うには、Nodeのプラットホームは“検索ボックスのない検索エンジン”だ。すなわちそれは、“モノやコトではなく、ヒトを見つけるインテリジェンス”だ。

そして彼女によると、Nodeの仕事は、営業のために、見込み客としての確度の高い、“人や企業、アプローチの正しいタイミング、ときには最初の段階の適切なセールストークまでも、見つけてあげること”、だ。

今はもっぱら営業をお助けすることがNodeの仕事だが、長期的には、雇用、求職、そしてデートのお相手選びにまで、同社の“ヒトに関するインテリジェンス”技術を応用していきたい、とFatemiは語る。

今、営業支援サービスへの投資は、投資家たちのあいだでブームだ。営業は、テクノロジーの有効な応用分野として、現状は南極大陸なみに広大な未開の大地だからだ。そこには、大きな市場機会が眠っている。この分野で今とくに活発な投資家は、Salesforce Venture, Box Group, 500 Startupsなどだ。

Nodeはすでに、シード資金として500万ドルあまりを獲得している。

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機械学習を利用して見込み客別にもっとも有効なピッチを営業に教えるHighspotが$15Mを調達

営業はいつも大量のノルマを抱えているが、でも最新のテクノロジーは、それらが従来よりももっと売れるようにしてくれる。

それともあなたは、うちのピッチ(売り込み)は完璧、と思っているかな? Highspotは、それは違う、と教えてくれる。まあそれが、Highspotのピッチだけど。

Highspotのソフトウェアは、見込み客とのさまざまなコミュニケーション、たとえばプレゼンテーションやケーススタディ、教育訓練ビデオなどを分析する。そして、それらの有効性を表すデータを提供する。

その分析結果が売上増に導くなら、それは多くの企業にとって大きな売上機会になる。そこでVCたちは、Highspotが今後ビッグビジネスになることに、さらにもう1500万ドル賭けている。

そのシリーズBのラウンドをリードしたのはShasta Venturesで、Salesforce VenturesとMadrona Venture Groupが参加した。シリーズAは、2014年の1000万ドルだった。

ShastaのマネージングディレクターDoug Pepperはこう語る: “Highspotは、営業を支援するソフトウェアの市場にAIや機械学習のパワーを持ち込んだ。彼らのプロダクトとチームと顧客評価技術は、長年営業を悩ませてきた問題を解決する。その問題とは、その見込み客に対して適切なコンテンツを適切なタイミングで提示して、営業努力をを成功に導くことだ”。ワンパターン、行き当りばったり、出たとこ勝負の営業は、古いし、効率も最悪だからね。

CEO Robert Wahbeの言い方はこうだ: “Highspotは、営業が頭の中につねに確実に(顧客・見込み客別に)適切な情報を持ち、顧客に提示する適切なコンテンツを確実に持ってる状態を作り出し、維持する”。同社の現在の有料顧客(月額会費制)は、中小企業と大企業合わせて100社ぐらいだ。

彼は、HighspotがCRMと競合する製品だとは見ていない。むしろ、CRMを“補完するプロダクトだ、と。とくに、顧客がSalesforceのプロダクトとHighspotを併用してくれることを、彼は期待している。

同社が拠を構えるシアトルについてWahbeは、“今は一種のブーム・タウンだね”、と言う。同市のスタートアップシーンは、今や“沸騰している”そうだ。

将来の買収については、彼は言葉を濁(にご)した。そして、“でも上場企業にはなりたいね”、これが彼の考える同社の将来像だ。

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アジャイルソフトウェア開発からヒントを得た営業ツールHeresydでコラボレーションとデータに基づくスマートな営業を

Stack OverflowのヨーロッパのマネージングディレクターだったDimitar Stanimiroffが作ったHeresyは、営業チームのメンバー間のコラボレーションを盛んにして、グループとしても個人としても、データ駆動の意思決定能力を磨き、販売実績を上げる、というツールだ。

このSaaSは、CRMに代わるものではない。CRMは今、Salesforceの統合に腐心しているが、Stanimiroffによると、Heresyはアジャイルソフトウェア開発からヒントをもらい、それにフロントエンドとしてシンプルなKanban(==トヨタのかんばん方式)ボードを、データの入力と、営業の進捗状況チェックのために置いたものだ(この部分はTrelloに似ている)。

営業が入力したデータはまとめて分析され、チームやマネージャーがそれらの案件の、成約や目標達成への寄与の見通しを知る。それらの案件が不発に終わりそうだったり、目標を達成できそうもないときには、ソフトウェアがそのことをいち早く教え、対策を提示する。

Stanimiroffによると、ロンドンで創業したHeresyの大枠的なミッションは、営業チームのメンバー間のコラボレーションを盛んにして、昔の、互いに支えあったり学んだりすることのない‘たこ壺営業’と決別することだ。一匹狼営業と、格差の激しい孤独な営業にも別れを告げる。

それは彼がStack Overflowで学んだレッスンで、そこではHeresyの初期のバージョンを試用したが、それにより短期間で120名あまりの営業チームが利用するようになった。コラボレーションの効果が、それだけの説得力を持った。

筆者もちょっと試してみたが、かんばんボード的なUIへのデータ入力はとてもやりやすい。個々の営業マン/ウーマンが、すぐにそれを使えるようになるだろう。

これまでの営業用のCRMでは、正しいデータを入力することが難しくて、しかも営業マン/ウーマンの役に立つというより、営業部長が見るためのデータを作っているような感じだった。徐々に、CRMは使われないようになり、使われている場合でも、そのデータは不正確だった。

Heresyでは、営業が入力したデータに基づいて目標達成状況などをリアルタムですぐに見られる。また、うまく行きそうもない案件には、警報を出す。目標達成の見通しも、ソフトウェアがチェックする。

“営業の各段階の状況報告や、今後やるべきことのリマインダー、過去のメールやノートを調べるなど、営業が必要とする情報をすべて提供し、しかもそれを、画面上のUIのクリックや、シンプルなドラッグ&ドロップでできる”、とStanimiroffは語る。

そして、集積し分析したデータを、マネージャーやチームと共有する。そのことを通じて営業の文化というものを作っていくが、その過程は、StanimiroffがStack Overflowで経験したソフトウェア技術者たちのコラボレーションに似ている。

チーム全体としてのその月の営業の進捗状況が画面で簡単に分かるから、それまでの孤独な盲目状態に比べると、それだけでも安心や励みにつながり、コラボレーションの意識や意欲も高まる。営業の動的過程を実際に画面上で見ることがとても重要、とCEOのStanimiroffは言う。

“問題が早めに分かるから、チームのコース修正も、間に合うタイミングでできる”、と彼は言う。

Heresyこのほど、75万5000ポンドの資金を調達して、製品開発と、(イギリスだけから)ヨーロッパへの進出にそのお金を充てようとしている。同社を支援する投資家は、LAUNCHub Ventures, AngelList, Seedcamp, そしてLondon Co-Investment Fundだ。Stack OverflowのファウンダーJoel SpolskyとTrelloの協同ファウンダーMichael Pryorも、同社の良きアドバイザーだ。

コミュニケーションのない孤独な営業から、コミュニケーションの盛んな強い営業へ。

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企業の営業活動を自動化するPeople.aiが$7Mを調達、営業の全過程の可視化が鍵

People.aiは、売買が成立するための最良の方法や道筋を示す予測的指針をAIを利用して作成し、企業の営業部長に提供する。同社は今日(米国時間5/30)、Lightspeed Venture PartnersがリードするシリーズAの投資ラウンドにより、700万ドルを調達した。Index VenturesとShasta Venturesが新たに参加したほか、これまでの投資家Y CombinatorとSV Angelもこの投資に参加した。LightspeedのパートナーNakul Mandanが、People.aiの取締役会に加わる。

この営業管理プラットホームが解決しようとする問題は、営業の教育がデータではなく直感に基づいて行われている現状だ。People.aiは、すべての営業活動と、営業が商談締結までに行うアクションを見渡す全体的な視野を提供することによって、これを解決したい、と考えている。同社のソフトウェアによって、営業がどの部分でいちばん時間を消費しているかを突き止め、何が成功に導く要素かを同定する。営業は、体を使うより頭を使え、というわけだ。

目標は、営業マン/ウーマンの営業活動過程を完全に視覚化して、成績トップの者はどの段階で多くの時間を費やしているか、もがいている営業はどこで、成功へ導くやり方から逸脱しているかを見極める。取引の特定の段階に、あまりにも足をとらわれていないか? (客先の)プロダクトマネージャーや役員やそのほかの意思決定者と、十分な時間をとって話をしていないのではないか? そもそも、正しい見込み客にアプローチしているのか? これらの質問に、People.aiのアルゴリズムは答えようとする。

そのソリューションは、営業とクライアントとのあいだの、コミュニケーションのさまざまなタッチポイントにおける活動を調べる。そのために、メールや電話履歴、ミーティングのカレンダーなどを調べて、商談の各段階でどれだけの時間を費やしているか、誰にコンタクトして結果はどうだったか、を示すダッシュボードを作り出す。

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昨年People.aiがローンチしたとき、CEOで機械学習のベテランOleg Rogynskyyは、営業活動をファンクションとして自動化したい、と望んだ。その後同社は、このようなソリューションの提案は大企業に向いている、と考えるようになった。

こういう、問えば答える会話的なAIは、Chorus.aiや VoiceOpsなど競合他社も多いが、People.aiはこれらの企業を単なるデータソースと見なし、自分たちのソリューションはすべてのタイプの営業活動を読み取る、営業のバックボーンだ、と考えている。

Rogynskyyによると、最近では大企業やFortune 500社からの引き合いが増えている。今度の新たな資金は、プロダクトと同社営業チームの規模拡大、そして大企業向けR&Dへの注力に充てたい、という。

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営業の無駄を省き、追う価値のある見込み客を精選するRileyがY Combinatorから巣立つ

企業はつねに、見込みのある見込み客を見つけるために多大なる時間を消費している。そこで新進スタートアップのRileyは、営業の見込み客にアプローチの優先順をつける作業を手伝う。

RileyはY Combinatorの冬季クラスの生徒だったが、しかしCEOのDaniel Ahmadizadehによると、彼と協同ファウンダーのHelson Taverasは、これまでさまざまなプロダクトやアイデアで応募したけれども、すべてだめだった、という。今回はやっと実を結び、今日は310万ドルのシード資金の調達を発表した。

Rileyの今のバージョンは、不動産代理店が対象だ。Rileyを使ってる代理店の広告や物件リストにはそのリンクがあるから、訪ねて自分のアドレスを伝えると、数分後にはその代理店の“オフィスマネージャー”や“アシスタント”からテキストメッセージが来て、探している物件等に関する基本的な質問をする。

だから代理店が多忙だったり、夜だから寝ていても、見込み客は最小限の応答を直ちにもらえる。Rileyのところには人間のコンシエルジュがいて、スクリプトに従って応答する。今のコンシエルジュは多くが学生だが、スクリプトとコンシエルジュは本物の不動産代理店であるユーザーからのフィードバックで、だんだん良くなるはずだ。

そして会話の内容に基づいて、Rileyは代理店に、優先的に追うべき見込み客を教える。

Riley screenshot

“代理店の人が朝起きたら、今日接触すべきホットな見込み客が分かる。夜中に応対した、あまり見込みのなさそうな見込み客も分かる”、とAhmadizadehは語る。

Rileyのシード資金の出資者は、YC, FundersClub, Social Capital, Fuel Capital, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Liquid 2 Ventures, Rough Draft Ventures, そしてエンジェル投資家のWayUpのCEO Liz Wessel、YCのMichael SeibelとPaul Buchheitらだ。

Ahmadizadehによると、コンシエルジュの対話を容易にするためのソフトウェアをすでに作っている。さらに今後は、そんな対話の過程をなるべく自動化したい。でも、現状のシステムでも、すでに各月10万以上の会話を管理している。

今後の計画は、不動産販売以外の分野に、この見込み客発見サービスを広げることだ。“うちのやり方は、不動産だけでなくいろんな業種で有効だと思う。しかも、コミュニケーションのチャネルも特定しない”、と彼は述べる。

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営業はデータ情報作業を自動化すれば効率三倍増も夢ではない、それを助けるOutreachが新たに$30Mを調達

各種企業の営業チームに、時間の有効活用と営業活動の最適化のために必要な力与えるサービスと、売り込みの過程を管理するための組織化ツールを提供しているソフトウェアデベロッパーOutreachが今日(米国時間5/23)、そのまさに売り込み努力によって、3000万ドルの資金を調達した。

最前線の営業がそれまでの三倍、いろんな相手に面会できるようになり、営業のパイプラインをそれだけ増やせることが、ソフトウェアサービス企業としての同社の誇りであり自慢だ。

Outreachは、それを可能にするためのマジックを、メールやCRMツール*など、さまざまなソースからのデータの収集で演ずる。逆に、得られた情報を、CRMに入力することもある。〔*: CRM, customer relationship management, 顧客関係管理〕

メールやCRMなど既存のデータソースがいろいろあっても、そこから営業活動のための有意義な情報を得ることは難しいし、そんな才能がたまたまある人でも、時間と労力がかかる。そこで、その仕事を自動化するのがOutreachだ、と考えるとよい。同社のCEO Manny Medinaはそう説明する。

まさにその点を、昨年本誌TechCrunchに寄稿したTrinty VenturesのパートナーKaran Mahendruも指摘している:

今、営業というゲームに欠けている最重要のピースが、営業の自動化だ。これは今後、とても大きな活動分野になり、今後数年間は、自社の営業のためのホーム画面を求めて買収も盛んになるだろう。

わが社の新しいポートフォリを企業であるOutreachや、SalesLoftToutAppなどの企業は、営業の生産性を上げ、そのワークフローを円滑にするために必要な、アクションのシステムを作っているのだ。

今言わんとしている営業のテクノロジー化とは、〔コールドコール、コールドメールなど〕一対多の作業で需要を生成することから、取引先別の一対一の営業とマーケティングへの、着実な移行の動きだ。このトレンドが、次世代のエンゲージメント(顧客の積極関心の喚起)のプラットホームへの道を、今舗装している。初めて、これらのツールと技術が、営業の“やり方”を可視化しつつあり、“どれだけ/なんぼ”の営業だけではない新しい世界を拓(ひら)きつつある。

結局のところ、目標は、営業の商談締結を実際に助けるソフトウェアを作ることであり、ただ単に管理職のための報告書作成ツールを作るだけのことではない。われわれが求めるのは、プロの営業が自己の最良のバージョンになれるためのソフトウェアだ。

同社の今回の資金調達はDFJ Growthが指揮し、これまでの投資家Mayfield, MHS Capital, Microsoft Ventures, Trinity Venturesが参加した。新たな投資家として、Four Rivers Groupも加わった。

今日までOutreachは、計6000万ドルのベンチャー資金を調達した。

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見込み客各社の情報から大きなグラフを生成して的(まと)を得た営業活動に結びつけるDeepGraph

あなたがスタートアップの経営者で、営業を強くせねば、と思ったら、まず営業という仕事を理解しなければならない。それはしかし、言うは易く…の典型である。Kemviは、それ自身今シード段階のスタートアップだが、今日(米国時間5/11)からステルスを脱してメインのプロダクトDeepGraphを発表した。営業が正しい見込み客(とくに企業顧客)を正しいタイミングで見つけられるようにするためのツールだ。同社の100万ドル強のシード資金は、Seabed VC, Neotribe Ventures, Kepha Partners, そして複数のエンジェルたちから調達した。

DeepGraphはさまざまな一般公開データを洗い出して、具体的な顧客が現れそうな、見つかりそうな市場関連イベントとそこに群がる企業や人びとを拾い上げる。そしてそれから、システムは定型的なコールドメールを送って、各社の見込み客になってくれそうな程度を見極める。そして、関心を持ってくれそうな見込み客の一群を見つけたら、今度は個別にアプローチしていく。

DeepGraphが送るコールドメールの例

DeepGraphは自分の楽屋裏で、さまざまな企業の関連事項から成る大きなグラフを作っている。A社の今度の新製品発表はいつか。株価はどう動いているか。出来高はどうか。これらの一般公開情報が見込み客の見込み度の指標になり、企業の今後の意思決定の兆候にもなる。そして全体としてDeepGraphは、データが表しているトレンドを見つける。たとえば株価が低迷していたらその会社は、営業を強化するためのサービスを探しているかもしれない。

そしてその次は、正しいターゲットにふさわしいメッセージを起草する。それを、DeepGraphの大規模なグラフが可能にする。どんな状況でも、基本的には一般化できる。たとえば調達をめぐるスキャンダルがあった直後に調達担当に送る、監査ツールに関するメールは、どれもほぼ同じ内容になるだろう。そしてもちろんSalesforceはDeepGraphを統合しているから二者の連絡先情報やそのほかの重要データを共有して、より幅広いターゲティングができる。

KemviのCEO Vedant Misraは、こう述べる: “DeepGraphを、Salesforceにアクセスしていないときに時間を有効利用できる場所にしたい”。

大きなグラフの生成と利用をより円滑にするために、楽屋裏では相当数の人間が働いている。これらの海外の人たちは、情報の真正性の確認や、背景的知識の補充を担当する。いずれも、グラフの信頼性と最新性を確保するための作業だ。

DeepGraphの料金は、一人あたりの月額×人数だ。早くも、次の資金調達をねらっている。このような、自動化された営業支援サービスは今とても活発な分野で、競合他社もGrowlabsNova AIなどをはじめ、数多い。まだ社歴の若いDeepGraphは、スタート時のチームが6名だが、今後R&Dから営業に回された人たちがどんな成果を上げるか、そのへんも楽しみだ。

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中小企業営業チームの見込み客発掘精製過程を機械学習で自動化するGrowlabsがシードで$2.2Mを調達

生後6か月とまだ非常に若いスタートアップのGrowlabsは、マシンインテリジェンスを利用して外回りの営業チームを支援している。このほどシードラウンドで220万ドルを調達した同社は、チケットアプリのUniverseを作ったBen Raffiが創業し、これにJaclyn KleinとSafeer Jiwanが加わった。Growlabsは、小さな営業チームの効率を上げることによって、企業の顧客獲得コストを減らすお手伝いをする。

Universeの経験からRaffiが学んだのは、顧客獲得コストを肥大させずにアプリケーションをスケールするのが、とても難しいことだ。チームが80%の時間を調査と、メールの乱発に費やしても、それが売上に結びつく保証はどこにもない。

“見込み客の生成に努力したが、結果は良くなかった”、とRaffiは語る。“何もかも、いきあたりばったりだった”。

Growlabsを使うと、営業チームがターゲットのタイプと業種を指定すると、Growlabsが自動的に見込み客を生成し、メールを送り、結果を評価する。

Growlabsは機械学習と3億5000万件の見込み客候補のデータベースを組み合わせて、一番売りやすいターゲットを見つける。対話のデータをすべて集めて、今度はいつメールを送るべきか、フォローアップは何回必要か、などをアドバイスする。

ターゲットに対しては、基本的な分析のほかに、自然言語処理によりメールの内容を分析する。メッセージを分類すると、どの役職にはどんな売り込みが効果があるか、などのフィードバックが浮かび上がってくる。CTOが関心を向けても、CMOはさっぱり、ということもある。

課金は有効見込み客の生成数に対して行われるから、高価な一律会費制のSaaSサービスを使えない零細企業でもGrowlabsの顧客になれる。Growlabsのいちばん小さい顧客でも、このサービスを使って毎月数千通のメールを送っている。大きな顧客なら、2万とか3万になる。

今日の資金調達ラウンドは主にエンジェルたちと、B2Bの営業活動の経験のある戦略的投資家たちが主体だ。Growlabsは今、社員が8人だが、同社自身がこれからますます、中小企業への営業を成功させていかなければならない。

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営業を支援するデータアナリティクスSlackボットでブレークしそうなTroopsが$7Mを調達

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今の世界は営業(セールス、売ること)で成り立っている。ぼくの(そして同僚たちの)のまわりでは、ほぼ毎日、CRMがすべてを支配している。多忙な営業役員の人生を少し便利にするための融資やプロジェクトやアプリケーションが、そこらにあふれている。

そしてここでご紹介する最近登場したピンチヒッターは、大規模なCRMの最新のトレンドや、そのほかの“超ホットな”最新ビジネスツールが交差する場所にいる。

まだ知る人の少ないTroopsのプラットホームとボットは、無料で利用できる。同社のボットによるサービスは、Salesforceを統合して営業チームの情報ワークを助け、それらをSalesforceの難解なシステムに入力できるようにする。

それは、フロントエンドではSalesforceとGoogle AppsとSlackの統合、そしてバックエンドは同社自慢のデータ処理とアナリティクスの集まりだ。

投資家たちはすでに同社に、700万ドルをつぎ込んでいる。そのラウンドをリードした新しい投資家Felicis Venturesが、そのうちの300万ドルをコミットした。そのほかの新規投資家として、Aspect Ventures, Slack Fund, Susa Ventures, Flight.VCらがおり、これまでの投資家First Round Capital, Nextview Ventures, Chicago Ventures, Great Oaks Capital, Founder Collective, Vast Venturesらも参加した。

Troopsは営業のためのボットベースのサービスを、最初はSalesforce用として開始したが、ファウンダーのブログポストによると、今後はもっといろんなサービスにも対応していく、という。

今回得られた資金は、新製品開発とそのほかの新しい技術的な企画に充てられる。また、今後何千ものユーザーにサービス提供できるために、バックエンドの充実を図る。

“ぼくもVCをやるまでは、かばんを抱えて営業をしていた”、とFirst RoundのパートナーChris Fralicは語る。彼から見ると、Troopsの実力はすごい。“営業記録のシステムとしてはSalesforceと同じぐらい重要だ。それは、誰もが避けて通りがちな部分だけど”。

FralicがTroopsと付き合い始めたころは、同社は独自のメッセージングアプリやメールクライアントを作っていた。しかし、“彼らはすぐに、Slackの人気と将来性に気づいて、Slackのボット専門へと舵をきった”、とFralicは言う。

TroopsのSlackボットの最大の成功要因は、Fralicによると、見込み客に電話をするタイミングとその電話の内容(話題)を教えてくれる機能だ。その機能をSlackに統合したことが、より使いやすいサービスにつながっている。

“Troopsの特長は、AIをボット化したことにある。それがとても便利だから、今、人びとが集まり始めている”、とFralicは語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Salesforce PardotとCRMの導入支援を行うtoBeマーケティングが総額2億円を調達

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マーケティングオートメーションの導入支援を行うtoBeマーケティングが総額2億円を調達したことを発表した。リード投資家はDraper Nexusが務め、Salesforceの投資部門であるSalesforce Venturesも出資する。toBeマーケティングは小池智和氏が2015年6月に立ち上げ、同年9月にはDraper Nexusから3000万円を調達していた。

toBeマーケテイングは、SalesforceのCRM(顧客管理システム)とマーケティングオートメーションの「Salesforce Pardot」を組み合わせたサービスの導入と活用支援を提供している。2つのサービスを組み合わせることで、企業は例えばCRMの顧客属性とその顧客が自社ウェブサイトでどの商品に関心を示しているかといったデータをまとめて確認することができる。だがサービスを導入するだけではその機能を活かしきれないこともある。toBeマーケティングが提供する一連の支援サービス「MAPlus(マプラス)」は、企業がSalesforceのサービスを活かして営業活動や販売を強化できるよう、導入コンサルティングから初期セットアップ、運用の定着を促す伴走活用支援までカバーする。さらにはコンテンツ制作やマーケティングサイトの構築などにも対応しているという。

MAPlus

toBeマーケティングではPardotと連動する運用支援ツールの開発も行っていると取締役COOを務める坂本元気氏は説明する。その1つは「MAPlus企業名アクセス分析」で、これはPardotのVisitor情報のIPアドレスを解析し、サイトを閲覧した法人を特定するツールだ。自社サイトを訪問している法人は、自社プロダクトやサービスに関心を持っている可能性が高いと言え、その情報は新規の顧客開拓などに活かすことができるだろう。今年の4月には情報活用の支援を行うウイングアーク1stと連携し、Pardot、Salesforce、Google Analyticsなどのデータを可視化する「MAPlusマーケティングダッシュボード」の提供も開始したという。

導入支援企業はすでに170社以上になると坂本氏は言う。その半数はIT系企業、およそ3分の1は非IT系のB2B企業だそうだ。他にも自動車教習所、大学や専門学校などの教育機関、不動産仲介事業者といったB2C企業での導入も広がっているという。今回の資金調達でtoBeマーケティングはコンサルタント、カスタマーサクセスエンジニアの採用を進めること、そしてマーケティングオートメーションをさらに便利にするツールの開発を進める考えだ。今期中にはチームを40名ほどに増やし、導入支援企業200社を目指すと話している。

FedExも使うニューヨークの位置情報サービス、Yextがブレーク中―売上8880万ドル、成長率48%

attending the Yext Launch Party at 1 Madison Ave., NY on Oct 1, 2015 Photo By: (Ken Arcara/Guest of a Guest)

YextはこのほどGoogleマップを同社のPowerListingsネットワークに追加した。つまり、クライアントの店舗や企業はGoogle検索でマップに表示される店舗や支店の位置をリアルタイムで変更できる。このアップデートでYextは100種類以上の地図、アプリ、検索エンジン、カーナビなどの位置情報にアクセスできるようになった。

YextはすでにApple、Facebook、Bing、Yahooなどの位置情報サービスを管理してきた。

Yextによれば、全世界で60万ヶ所の位置データが登録されており、各ネットワーク上の情報を管理できるという。ユーザーにはCitibank、FedEx、Sunglass Hutが含まれる。

TechCrunchの取材に対し、「Salesforceが顧客データを管理するうように、われわれは位置データを管理できる。Yextは位置情報の総合システムだ」とCEO、Howard
Lermanは述べた。

Yextはまだ黒字化していないが、同社は調達した資金を積極的に再投資しており、来るべき株式上場の前にできるかぎり規模を拡大することに務めているという。「その時が来たら〔上場を〕やる」とLermanは語った。

Yext 2006年の資金調達以來、少なくとも1億1500万ドルを資本として保有しているInsight Venturesは2014年に5億2500万ドルの評価額で5000万ドルのシリーズFラウンドをリードしている。IVP、CrunchFund、SV Angelも株主だ。

Insight Venture Partnersのマネージング・ディレクター、Deven Parekhは「Yextのビジネスは絶好調だ。しかもこの市場はまだ始まったばかりだ」と述べた。

Yextの社員も昨年度38%増えて455人となった。本社はマンハッタンの中心部、マジソン・スクエア・パークに隣接する1 Madisonにある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

営業が抱えるコンタクト情報を自動的に最新に維持するElucify、まずSalesforceのプラグインとしてスタート

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Y Combinatorの2016冬季クラス出身のElucifyは、営業マン/ウーマンが慢性的に抱える厄介な問題の解決を目指している。その問題とは、顧客や見込み客のコンタクト情報を常に最新に保つことだ。

Elucifyが作り出したソリューションは、機械学習と人工知能(AI)を応用した、Salesforce.com CRMのプラグインだ。そのシステムは様々な公開データやプライベートデータにアクセスして、最新のコンタクト情報を見つける。…ElucifyのCEOで協同ファウンダーのGerald Fongはそう説明する。

営業の人は、Salesforceのレコード中に表示されるElucifyのボタンをクリックする。するとElucifyのツールが既存のコンタクト情報をアップデートし、新たに見つけたコンタクトをリストアップする。そのツールは通常、電話番号やメールアドレス、現在の意思決定者、会社情報のアップデートなど、忙しいセールスチームが必要とするあらゆる種類のデータを見ていく。Fongによると、レコードのアップデートに要する時間は通常、5秒から10秒ぐらいだ。

Elucify button in Salesforce CRM record window.

写真提供 Elucify.

 

Fongはこう語る: “われわれは、営業チームが毎日のように抱える面倒な問題に焦点を当てている。彼らは毎日、良質なコンタクトデータを探すのに長時間を費やしている。売り込みや訪問打診の電話をかけるよりも、いろんなWebサイトを訪ねてコンタクト情報を確認している時間の方が長い”。

しかも、コンタクト情報のアップデートを個々の営業が手作業でやってる企業が多い。しかしElucifyは、個々のレコードごとのアップデートを自動的に行う。

今では多くの営業チームが、SalesforceのようなCRMツールを使ってこの情報を調べている。だから、問題ないじゃないか、と思う方もおられるだろうが、しかしeConsultancyのデータによると、営業やマーケティングが利用しているコンタクト情報の30%はガラクタだ。

Elucfyは立ち上げからまだ数か月の企業だが、発想からY Combinatorまでがわずか1週間、すでにベータの顧客が3社いる。

同社の三名の協同ファウンダー、Fong, Mihir Deo, そしてNaveen Krishnamurthiは、Y Combinatorに参加したことによって、エンタープライズサービスを起業したさまざまな人たちに会うことができた、と言っている。またYCの社長Sam Altmanも、彼ら若きファウンダーのための良きアドバイザーになってくれた。

“われわれは最初から、エンタープライズソフトウェアの企業だと思っている。でもサービスを立ち上げて、実際にそれにお金を払ってもらうことは、容易ではない。自分たちが犯している間違いや、抱えている問題について、Y Combinatorのネットワーク上の人たちに相談できて大いに助かっている”、とFongは語る。実際にこれまで、このネットワーク上の人たちからのアドバイスで気付かされたり、解決した問題は少なくない。

同社の至近の目標は、なにしろ成功に向かう足場を築くことだ。CRMは巨大な市場であり、Salesforceがその60%を握っている。…Fongはそう指摘する。

“まず、Salesforceのユーザーたちに食い込みたい”、と彼は言う。それは同社にとって、とても分厚い顧客層だ。そして徐々に軌道に乗ってきたら、ほかのCRMツールにも同社のコンタクト情報機能を提供していきたい、それが、同社の長期的な構想だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ビデオの視聴者データを収集分析してマーケティングや営業活動を助けるVidyardが$35Mを調達

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ビデオを利用するマーケティングや営業活動を改良すると自称するVidyardが、創業5年目を迎える本年年初早々、シリーズCで3500万ドルを調達した。

このラウンドをリードしたのはBattery Venturesで、これにBessemer Venture PartnersとSalesforce Ventures, OMERS Ventures, iNovia Capital, そしてSoftTech VCが参加した。Y Combinatorで孵化した同社は、これまでに計6000万ドルを調達したことになる。

Vidyardは、視聴者のデータを調べるためのいろんなツールを提供し、ユーザはそのデータをマーケティングや営業のツールで利用したり、コンテンツの個人化に利用したりする。顧客は、Honeywell, Lenovo, LinkedIn, MongoDBなどだ。

同社によると今回の資金は、主に新製品開発に投じられる。それは、“企業がビデオを顧客のエンゲージメントのために利用して、ネット上のオーディエンスのデジタルのボディランゲージを理解し、マーケティング等に利用できる”ための、ツールないしサービスだそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

ユーザ企業の顧客の質問にオンラインで自動的に答えるMindTouchが$12Mを調達

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製品に関する顧客の疑問に答えるクラウドサービスMindTouchは、企業の既存のドキュメンテーションや、教育訓練のための教材、カスタマサービスの文書などから答を探す。長年自己資金のみでやってきた同社が、初めての外部資金導入1200万ドルを発表した。

そのラウンドをリードしたのはPeakSpan Capitalで、SK VenturesとSAP SEが参加した。

ファウンダでCEOのAaron Fulkersonによると、実は同社がオープンソースのプロダクトとしてローンチしたのは、2005年だ。2010年にギアを切り替えて、商用のクラウドプロダクトになった。

同社は企業の既存のドキュメンテーションやそのほかの素材を集めてその内容を整理し、顧客がアクセスして利用できるようにしている。そのためには、オリジナルのコンテンツを小さな単位に分割し、それぞれのメタデータを取り出し、ユーザがそれらを検索できるようにする。そしてさらに機械学習を結びつけ、素材を貫く論理的な学習パスを編成する。それによってユーザは、必要な情報を容易に検索して見つけられるようになり、カスタマサービスに電話する必要がなくなる。

“顧客が抱える状況に合ったコンテンツを即座に提供できるし、単純なキーワード主義というよりセマンティック的に豊富な情報だから、顧客が求めている情報がより具体的に企業にも分かる”、とFulkersonは語る。

このサービスは、それを利用する企業にとってさまざまな価値がある。まず、企業のWebサイトへの自然なトラフィックが増える。製品を検索した消費者ユーザが、それを実際に買う可能性が大きい。納得いく答が得られるから、顧客満足度が上がる。答を自分で見つけたユーザは、それだけでいい気分になるのだ。

しかもMindTouchを使っている企業は、人びとがそれらの情報素材をどのように利用しているかに関する、細かい統計的データを得られるので、それは販売や営業の部門で非常に役に立つ。顧客の関心が分かれば、セールスを前進させられる。顧客が関心を持っている情報のタイプも分かるから、企業の製品や、このQ&Aサービス自身の、今後の新しい機能を作るための参考にもなる。

Fulkersonによると、とくにマーケティング努力もしなかったけど、現在のユーザ企業はおよそ400社、中にはRemington、Docker、Zenefits、Whirlpoolなど有名企業もいる。

今回初めて外部資金を導入したのは、スケールアップのためだ。Fulkersonによれば、そろそろ競合他社も現れそうだから、それに負けないだけの企業体力をつけておきたいのだ。

具体的には、1200万ドルは営業とマーケティング部門の整備、そしてプロダクトを改良していくためのR&D部門を置くことに充てられる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

営業の効率を上げる: 見込み客を見つける前にLegion Analyticsで情報の精選を

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Legion Analyticsのファウンダたちは、営業が新規顧客を見つけるためには、もっと良い方法があるはず、と主張する。

彼らはは今、Y Combinatorが新しく作った特別奨励事業(fellowship system)に参加している。それはごくごく初期の企業に対する8週間の育成事業で、12000ドルの助成金とオフィスの利用とメンターが提供される。

これまでの見込み客生成過程の、どこが間違っていたのか? CTOのSinan Ozdemirによると、これまでの営業はごみの山のような大量の無駄なデータとの格闘に、時間を取られすぎていた。情報の20から40%は、不正確な、あるいは無関係なデータなのに。

そこでLegion Analyticsは、営業マン/ウーマンに大量のコンタクト情報を提供しない。代わりに毎朝、二つ、五つ、または十件の見込み客情報を送る(件数は設定できる)。これらの見込み客は会社の業種業態や彼/彼女の関心に基づいて選別され、さらにPandoraの曲のランクのように[良い/だめ]の評価をつけられ、ランキングができる。

見込み客の選別は、Legion Analytics独自のアルゴリズムと、社内のエキスパートグループが行う。とくに、その人の職責と肩書を重視する。CEOのJamasen Rodriguezによると、ふつうの肩書も役に立つが、同社のアルゴリズムは”sales hacker”のようなナウい肩書も無視しない。今では、同じ仕事がさまざまな、珍奇な肩書で呼ばれていることが多いからだ。

選別に対して、ユーザが条件を付けることもできる。たとえば「25-32歳の営業担当VPで、サンフランシスコの企業、資金調達履歴は500万ドル以上、WebサイトでMixpanelを使っている」、などと。

Legion Analytics screenshot

同じくY Combinatorで育った営業支援スタートアップAmbitionのBrian Trautscholdが、Legion Analyticsについてこう言っている: “これまで10種類あまりの見込み客生成サービスを使ってみた。どれもまあまあだけど、すばらしくはない。でも、2か月前から使っているLegionは、手放せないね。毎朝メールチェックのとき、新しい見込み客を教えてくれる。それは自分の毎日のワークフローに合っているから、人生がすごく楽になった気がする”。

RodriguezとOzdemirはJohns Hopkins大学で出会った。当時Rodriguezは学生、Ozdemirは講師だった。Ozdemirによるとそのとき彼らは、“人間に関するネット上のデータからその人を本当に一人の人間として感じ理解できるためにはどうすべきか”、というテーマに関心を持っていた。研究を続けるうちに、これは営業の人たちを助けることもできるテーマだ、と気づいた。

YCの特別奨励事業を知ったのは、二人がサンフランシスコに来てからだ。実はその事業は、ベイエリア以外のスタートアップでも参加できる。彼ら自身もまた、営業の担当地域としてもっと多くの地域をカバーしたい、と考えている。

“見込み客生成(リードジェネレーション, lead generation)のための情報分析は、今ではネット上のひとつの業種業態として定着していて、情報の分析や精錬からメールマーケティングまで、いろんなタイプのサービスがある”、とRodriguezは語る。“でもうちは、その全過程をカバーしたい”。

そして、Legion Analyticsという社名の由来だが、なんとそれはLeがlead、gionがgenaration、合わせて“見込み客生成分析”という意味になるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

最後のフォローアップまで営業の全過程を自動化するPersistIQがシード資金$1.7Mを調達

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営業のワークフローを自動化するPersistIQが、170万ドルのシード資金を獲得した。

よくある話で、今回も資金調達は数カ月前だったが、多忙に紛れて発表が今になった、というやつ。このシードラウンドの投資家は、Point Nine、Salesforce Ventures、Y Combinator、それに匿名のエンジェルたちだ。PersistIQがY Combinatorで育てられたのは、昨年だった

協同ファウンダでCEOのPouyan Salehiが主張するのは、ネット上の営業ツールは、メール、電話など特定のチャネルを対象とするものが多い中で、PersistIQは営業活動の全ワークフローを改善することを目指し、“営業が行くところならどこへでもついていく”ツールであることだ。

“今の営業はメールもLinkedInもSalesforceも、と、いろんなものを使っているけど、うちはそれらを全部一望して管理し、一つのソリューションにまとめる。いろんなものがあっても、営業がその都度欲しいのは、たった一つ、次は何をやるか、だからね”、と彼は語る。

PersistIQ LinkedIn

PersistIQは、社内的ではなく、客先相手の外向きの営業過程の大半を自動化し、データベースから重複を取り除き、正しいタイミングでフォローアップのメールを送り、メッセージングを個人化する。だからメール等のセールストークも、ロボット的でなく人間的になる。PersistIQはそれを、“人間的要素のある自動化”、と呼んでいる。

今、顧客は数百社だが、その中にはZenPayrollもおり、彼らによると、PersistIQのおかげで営業の生産性が10倍になったそうだ。

最近加わった新しい機能として、何がうまくいき、何がうまくいかなかったか、に関する詳細分析がある。またAPIを公開したので、そのほかの営業ツールと統合できる。さらに、メールアドレスをLinkedInから取り出して営業のデータベースへ取り込むchromeエクステンションもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa