Facebookが3D写真機能を公開――iPhoneで奥行きのある写真が撮れる

 

小さな窓から部屋の中を覗くとしたら頭を動かして何があるのか見ようとするだろう。ニュースフィードの写真でそれと同じことができるようになる。これがFacebookの5月のF8デベロッパー・カンファレンスで発表された3D写真機能だ。Facebookではいよいよこの機能を一般公開する。利用できるのは 当面、iPhoneのポートレート・モードだ。

3D写真をFacebookにアップするにはポートレート・モードを選んで撮影し、「3D写真」のオプションを選ぶ。投稿された写真はデスクトップでもモバイルでも表示されるが、モバイルデバイスの場合、ユーザーがタッチしたりデバイスを傾けたりすると写真がそれに反応する。それに加えて、Oculus GoのVRブラウザやRiftのFirefoxで表示した場合、頭を動かすと横に回り込むような奥行きの感覚が得られる。誰もが簡単に3D写真を撮影したり操作したりできるようになるわけだ。この機能は全ユーザー向けで、数週間かけて公開される。

Facebookでは常にニュースフィードに新しい要素を加えてユーザーの興味をかきたててきた。タイムラインに投稿できるのは当初テキストと写真だけだったが、ビデオが追加され、さらにライブでストリーミングができるようになった。これに360度写真と3D写真が加わる。Facebookではこうしたコンテンツが表示されることでニュースフィードを見る頻度が増え、広告を目にする回数も必然的に増えるものと期待している。これには専用カメラを使って短いカットをつなぎ合わせ、ある種のデジタル点描法で記憶を再現しようとするVR
Memoriesのような機能も含まれる。

この3D写真の仕組みは上のビデオに要点をまとめてあるが、われわれの同僚、Devin Coldeweyがこの記事で詳しく解説している。FacebookはAIを利用して多数の写真から複数のレイヤーを作って前後に重ね合わせ、これによって奥行きを得ている。最新のiPhoneのポートレート・モードは自動的に複数のカメラで撮影するのでこれが視差の感覚を与えるのに役立っている。

3D写真を撮影できるのは現在、iPhone 7+、 8+、 X、 oXSだ(サポート範囲は今後拡大される予定)。 Facebookでは最大の効果を挙げるには対象から1メートルないし1.5メートル程度離れるよう勧めている。また3Dで描写したい場合、3D効果を与えるレイヤーを作るためには主たる対象の前後にも対象が必要だ。これらの対象はくっきりした輪郭で色彩もはっきり異なっていることが望ましい。透明だったり光を強く反射したりする対象が含まれているとAIが正しくレイヤーを分離できない場合がある。

当初この機能はVRコンテンツを誰でも作れるように開発された。しかしVRヘッドセットの普及がいまいちなため、Faceboodではもっともインパクトのあるチャンネルであるニュースフィードに奥行き感覚があり動く写真が表示できるようにした。Facebookの魅力が薄れてかけており、ソーシャルな活動はむしろInstagramにシフトしていると報じられる現在、ニュースフィードにこうした次世代アートを表示できるようにすることは大きな意味があるわけだ。

〔日本版〕記事中のTCビデオはChromeブラウザ以外では表示に問題が生じる可能性がある(原文も同様)」。

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滑川海彦@Facebook Google+

360度でない360度カメラRyloはソフトウェアでいろんなトリックを提供

Ryloは、360度カメラで撮った画像や映像を、後からソフトウェアで必要な形に整える。今日(米国時間4/19)同社はそのアプリと、カメラと、カメラのエフェクトに新しい機能を加え、同社の、本当は360度カメラでない360度カメラを、もっとおもしろいものにしようとしている。

アクションカメラとして使おうとすると、360度カメラにはそれに向いてない部分がいくつかある。たとえばカメラを胸に装着したら、撮った映像の約半分は使えないことを覚悟するだろう。そんなときのために、Ryloのカメラには180度モードがある。このモードで撮ると解像度と画質が良くなる、と同社は言っている。

実際、YouTubeがVR180モードを導入して以来、180度ビデオはいろんな記事でも取り上げられるようになった。その目標は、クリエイターがすべてのワークフローを再発明しなくても、もっと良い没入的なフォーマットを作れることだ。Ryloの単眼レンズでは3Dは無理だが、しかし同社のねらいは、VRヘッドセット用のコンテンツではなく、ふつうのレターボックスフォーマットによりパンチを効かせることだ。

このカメラのタイムラプスモードでは、“モーションブラー(動きのぼかし)”(下図)というクールなエフェクトがあって、パーフェクトなモンタージュを作れる。

またBluetoothによるリモートキャプチャという、360度カメラらしい機能もあり、アプリからリモートで映像の収録をon/offできる。撮影中にユーザーがモードの切り替えをできるから、いちいちカメラに触らなくても、スナップ写真モードから180度モードへ、などの切り替えができる。

いずれも、画期的と言うほどのアップグレードではないけど、この独特でおもしろい球面カメラがどんどん良くなっていることを、示している。アップデートは同社のAndroidとiOSアプリで今日から有効になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Ryloのクールな小型360度カメラがAndroidからも使える、気楽に撮って自由に編集がモットー

Ryloは強力な小型360度カメラだが、360度機能をなるべくバックグラウンドに置こうとする。つまり同社の本当の目標は360度カメラそのものではなく、カメラというものの考え方を変えて、写真やビデオの完璧な構図云々といったことを後回しにし、とにかく撮ることに専念させる。

このカメラは昨年ローンチして以降、iOSのみだったが、今日(米国時間3/2)同社のアプリがPlay Storeに登場し、Androidユーザーも、この革新的な球体カメラで遊べるようになった。

同社はAndroid互換のRyloカメラを自分のサイトで予約販売してきたが、シンクケーブルの違い(Lightningでなくmicro-USBとUSB-C)を除いては、iOSバージョンとほとんど同じだ。今日まで時間がかかったのは、ハードの問題ではなく、iOS版と変わらぬ機能性能のAndroidアプリを作るためだった。そのAndroidバージョンの予約販売を開始したのは先週で、発送は24時間以内に行われる。

そのカメラはすっきりしたデザインのハードウェアだが、Rylo Inc.自身は自分をソフトウェア企業と呼んでいる。

同社のモバイルソフトウェアスイートは、ビデオや写真を見るだけでなく、編集や、360度で撮った画像や映像からふつうのフレームを“型抜きする”仕事もする。しかしそれは、静的な世界ではない。Ryloにはとても強力でしかもシンプルなオブジェクト追跡機能があり、そのため、競合するGoProのFusionカメラ用のOverCaptureなどよりもずっと大きな自由度と使い易さが得られる。苦労せずに編集できる、ということ。

360度ビデオの処理はかなり計算集約的な工程だったが、最近の2年以内に出たスマートフォンがあれば、ほとんど問題ない。Rylo互換のデバイスのリストが、ここにある。

カメラの小売価格は499ドルで、ここで入手できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

FacebookのARやVRそしてニュースフィードに3Dオブジェクトをポストできる…3Dが第一級メディアに昇格

たとえば上図のようなデジタルの3Dオブジェクトを作って、それをFacebookでシェアしたり、仮想現実の中で遊んだり、実際の世界に拡張現実として挿入できるとしたら、かなりすてきじゃないかな? Facebookは10月に、ニュースフィードに対話的3Dモデルをポストできるようにして、ユーザーがそれを動かしたり回転できるようになったが、今日(米国時間2/20)はそれを一歩も二歩も前進させた。

これからは、Facebookの3Dポストは業界標準のglTF 2.0ファイル形式をサポートするので、オブジェクトの質感や光の方向、オブジェクトのざらざら感やつるつる感などを表現できる。そして新しいGraph APIを使ってデベロッパーは、3Dモデルを作るアプリや、それどころかオブジェクトをニュースフィードで直接シェアできる3Dカメラ、3Dのポストを見せるWebサイトなどを作ったりできる。3Dオブジェクトは、ユーザーがドラッグ&ドロップでフィードに入れられる。またユーザーの3Dポストは、VRの出会いの場であるFacebook Spacesに持ち込める。

[指やマウスで動かせる3Dモデル]

たとえば、あなた独自のデザインでメタリックなチェスのピースを3Dモデルづくりのアプリで作り、ニュースフィードでシェアし、さらにFacebook Spacesに持ち込めば、そこで出会った人とチェスをプレイできるだろう。すでにLEGO, Jurassic World, Clash of Clans, Wayfairなどのブランドが3Dポストの実験をやっているから、ここでプレイしたり、あるいはこの記事の上でもプレイできる。

FacebookのソーシャルVRのクリエイティブ・ディレクターOcean Quigleyは、“3DをFacebookのエコシステムのネイティブな部分(基盤的な部分)にしたいんだ。今そのための基礎工事をしているところだけど、これからはFacebookとユーザーはVRやARの3D世界に自由に行き来できるようになるね”、と語っている。彼によると、ソーシャルネットワークが単純なテキストや写真やビデオなどから没入的なメディア(immersive media)に進化していくのは当然の歩みなのだ。

さて、3Dポストをシェアしたら、今度は背景色とか質感などを自由に選びたいだろう。Quigleyによると、そういったアップロード過程をなるべく簡単にして、高度なスキルのない者でもハイテクなポストを共有できるようにしたい。彼はglTF 2.0を“3DのJPEG”と呼び、GoogleやMicrosoftによるサポートを賞賛する。また別の形式の3Dオブジェクトを持っている人のためには、Facebookはコンバーター(変換ソフト)をGitHub上でオープンソースで提供しているから、ファイル形式を変換してFacebookへのポストも可能だ。

これがうまく行けば、Facebookにとって大きな強みになる。まずそれは、もっとも未来的なシェア方法だから、そのほかのソーシャルネットワークがずっと後方に置き去りにされてしまうだろう。Facebookのプロフィールが“3Dの自撮り”になったり、友だちから集めたオブジェクトでみんなと遊んだりできる。そして、サードパーティなども参加して優れた3Dのアバター制作ソフトを作れば、あなたの写真から作られたあなた自身の仮想バージョンがFacebook上を動き回る。おともだちもびっくり! FacebookがSnapchatのBitmojiアバターの競合製品を作るのも、時間の問題だ。

そして消費者であるFacebookユーザーが、単なる写真よりは拡張現実を試すようになれば、マーケターや広告主にとっても(魅力や説得力の点で)ありがたい。すでにSonyなどは、そんな拡張現実コマースをやり始めている。またWayfairでは、ユーザーが自分の家の写真に、買ってみたい家具の3Dの拡張現実を、‘試着’ならぬ‘試設’できるようにしている。

Facebookはこれまでも、360度写真など新しい形式のコンテンツを積極的に採用してきた。すでに14歳を過ぎたFacebookが、ティーンの心を捉えようとして、ライブのビデオやGIFも導入した。FacebookのプロダクトマネージャーAykud Gönenがこう書いている: “人びとがVRやAR、Facebookのニユースフィードなどで、そのような没入的な体験やオブジェクトをシェアできる、シームレスなデジタル世界を目指したい”。

もちろん現実世界のすべてを拡張現実でカバーするほどの大量の3Dオブジェクトは、Facebookだけで作れるものではない。サードパーティのデベロッパーと一般ユーザーの協力が不可欠だ。Quigley曰く、Facebookの中でオブジェクトを作れるような“3Dエディティングツール”を提供するつもりはない、と。でも外部のクリエイターがそんなものを比較的簡単に作ってインポートできるなら、スマートフォンやヘッドセットや、未来のARグラス(めがね)からのARVRの没入的体験が、とってもすばらしいものになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Essential Phoneが360度ライブビデオを簡単にFacebookへストリーミングできるようになった

Essential Phoneとその360度カメラのオーナーは、カメラソフトのアップデートにより、今撮っている360度ビデオを、ライブでブロードキャストできることになった。そのほかのソフトウェアは不要で、なにしろEssential Phone本体に360度カメラを取り付けるだけで、撮影中の動画を送信できるようになる。

前と同じく、カメラを取り付けるとカメラアプリが360度モードで起動し、”Liv”ボタンをタップするとユーザーのFacebookアカウントにログインして、動画はそのアカウントへポストされる。そして二度目からは、画面を左へスワイプするだけで、360度ライブ動画のFacebookアカウントへの投稿が始まる。

さらに、Facebookの共有オプション“Only me, Friends, Friends of Friend, Public”(自分だけ、友だち、友だちの友だち、一般公開)のどれかを指定して、ブロードキャストの範囲を選べる。最初に、これから送る動画の説明文を送信することもできる。今後の動画送信には、Facebookの認証過程は要らない。

Essentialは、360度カメラの将来性にすごく自信を持っているようだ。本体への独特な接続方式をはじめ、360度カメラが最初から標準アクセサリになっていることについてチームに聞いたら、360度カメラの大衆化で先行することによって、今後のスマートフォン市場で優位に立ちたい、ということだ。今回のソフトウェアのアップデートで、360度ビデオを撮るだけでなく、それをライブでストリーミングすることも容易になった。はたして、消費者の反応はどうだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Ryloの360°カメラは手ブレを追放した優れもの――ファイルは標準フォーマットで保存

先週Ryloのファウンダーにインタビューするまでこのプロダクトにはいささか懐疑的だった。テクノロジー的には面白い製品であっても360°カメラというのはすでにマーケットに多数登場している上に、正直に言えば、野心的なユーチューバーを除けば、われわれは日頃あまり利用していない。360°全周ビデオカメラというのはたまに使われるだけのきわものではないかと思っていた。

しかしベイ・エリアのスタートアップの新しい製品はこれまでのものとかなり違っていた。ファウンダーはInstagram元社員( Alex Karpenko、Chris Cunningham)で、 標準的フォーマットに360°ビデオを録画する新しいテクノロジーを開発した。社名と同じRyloカメラは画角208°の広角レンズ2基で4Kで360°ビデオを撮影する。しかしこのカメラのいちばん優れた機能は360°ビデオを日頃われわれが使っている標準的フォーマットの変換できることだろう。これは1080p、アスペクト比16:4の表示となる。

また走ったり、サイクリングしたり、その他どんなに激しい動きをしようと、Ryloのソフトウェアは手ブレを大幅に軽減する。このスタビライザーのデモを見て私は強い印象を受けた。短いデモだったが、安定効果はメカニカルなジンバルに近かった。

また編集能力も強力だ。ソフトウェアにはモーショントラッキング機能がビルトインされておりフレーム内の特定の対象を選んでトラッキングすることができる。しかもこれはポストプロダクション〔撮影後の後処理〕で実行できる。今のところトラッキング機能は完全ではない。指定した対象とカメラの間を何かが横切るとトラッキングを失ってしまうことがある。しかし全体として撮影者の製作意図をよく伝えるカメラのパンを実現してくれると思う。

その他ソフトウェアには前後のカメラの映像を左右に並べて表示するスプリット・スクリーンやタイムラプス撮影など各種の便利な機能がある。タイムラプスは最大16倍速がサポートされる。当初発表されるモデルはiOSデバイスと接続するモデルだが、Android互換も「近くサポートされる」ということだ。このカメラにはBluetoothではサポートされておらず、テザリングにはmicroUSBケーブルが必要だ。2017年後半の製品でBluetoothがないというのは問題だが、もともとこのカメラはポストプロダクションを経て公開することを前提としているのでストリーミングについては優先順位が低かったのだろう。

ハードウェアとしてのデザインはしっかりしているが、これは元Appleのデザイナー、Jonathan Denby(iPhone 5C、iPhone 6s Plusの開発を担当した)によるものだ。360°ビデオを撮る際に撮影者自身が写り込まいないようにするためセルフィースティック方式のハンドルが同梱される。

カメラは固定焦点で光学ズーム機能はない。また低照度の環境ではやや画質に難が出る。しかしRyloの最初の製品であることを考えれば全体的に上出来だ。同社は356万ドルのシード投資に加えてAccessとSequoiaがリードしたシリーズAラウンドで1100万ドルを調達しており、十分な資金を用意しているようだ。

Ryloカメラは現在予約受け付け中だが、499ドルとかなりの価格だ。撮影用ハンドル、16GBのmicroSDカード、USBケーブルなどが同梱される。出荷は11月中旬以降になる予定だ。

〔日本版〕Ryloサイトにスタビライザーのオン/オフを比較できる動画がアップされている。このカメラはスマートフォン(iOSデバイス)に接続して専用アプリから再生、編集する。カメラ本体にはデイスプレイは備えていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Mark ZuckerbergがVRのアバターになってFacebookのプエルトリコ救難活動を説明

FacebookのCEO Mark Zuckerbergが今日(米国時間10/9)、同社がアメリカの赤十字と協働してプエルトリコの災害救助に取り組み、とくに人工知能と衛星画像を利用して、援助を届けるべき地域を同定している、と発表した

Zuckerbergは曰く、“人工知能を利用して‘人口地図’というものを作り、それを参照しながら衛星画像を見ると、各地の人口密度とその地域のインフラの被害状況が分かる。それにより赤十字は、救助を必要としている人びとの所在が分かる”。

この発表が一風変わっているのは、それが、Ocluls Riftのヘッドセットを利用する同社の仮想現実アプリSpacesから、Mark Zuckerbergの漫画のアバターが語る、という形で行われたことだ。

今週はOculusのデベロッパーカンファレンスが行われるので、まったく突飛な試みとは言えないが、NPRが製作した360度ビデオがプエルトリコの状況を映す中で、現地の人びとが家の被害状況を調べて歩いている映像を背景とする、漫画のアバターの登場は、あまり適切とは思えない。

しかしともかくZuckerbergは、Facebookを利用して友だちに安否を伝えるSafety Check so機能や、現地の人びとが救援組織を作るためのCommunity Help機能などを紹介した。そしてさらにZuckは、救援努力にFacebookが150万ドルを寄付し、また救援活動がより円滑にできるための、ネットワークの保全作業に数名の社員を派遣したことを発表した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Earth VRアプリケーションがStreet Viewをサポート、衛星ビューから地上360度ビューへ切り替えできる

Google Earth VRが今日(米国時間9/14)、ささやかなアップデートにより、その世界探検仮想現実アプリケーションに、街路に立った人間の目ぐらいの高さからのビュー(ストリートレベルのビュー)が導入された。

つまりそのアプリケーションにGoogle MapsのStreet Viewが加わった形になり、ユーザーは3Dの衛星ビューと地上レベルの360度カメラのビューを容易に切り替えることができる。

後者のビューのナビゲートはかなり簡単で、VRのコントローラーでその場所へズームインし、レンズを引き上げて360度の視界へ入る(右図)。その中を歩いてみる、などのクレージーなことはまさかできないけど、このアップデートでユーザーはアクションの世界へやや近づく。

CardboardやDaydreamを使ってるユーザーはStreet Viewアプリを使えるので、すでに今日のアップデートのようなビューを見られていたが、Google Earth VRは目下、HTC ViveとOculus Riftで利用できる。Google自身のプラットホーム向けに最適化されたバージョンがまだないのは不思議だが、同社の新しい位置追跡システムではヘッドセットでもパートナーを加えるようだから、Earth VRのような強力なアプリケーションもいずれサポートされるのだろう。

5月にGoogleは、不動産の視覚化をやってるMatterportのようなパートナーに、StreetView APIを公開した。それにより彼らの360度コンテンツが、Street Viewでも見られるようになったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのVR連作ビデオ、今回はファッションべったりでスーパーモデルのクローゼットに侵入する

GoogleのDaydream用の仮想現実ビデオシリーズ、その最新作はすみからすみまでファッション、大胆なお洋服選びで知られるセレブたちのクローゼットに入り込む。

GoogleがVogue誌と共作したそのSupermodel Closets(スーパーモデルのクローゼット)と題するビデオは、モデルのワードローブへ仮想的に忍び込み、彼らの衣類を見たり、ファッション哲学を聞いたりする。

仮想現実に手出ししている企業が徐々に気づいてきたのは、360度カメラで撮ったコンテンツなら何でもおもしろい、ことはない、ということだ。激しい抗議のデモや、きれいな風景などは、360度カメラで撮るとすごい臨場感を与えるかもしれないが、Googleが学んだと思われるのは、たとえばGoogle I/OカンファレンスのキーノートをVRヘッドセットを着けてウォッチしたからといって、得られるものは何もない、ということ。

Supermodel Closetsシリーズは、Googleの最新のJump 360カメラを使って、クローゼットのような狭いスペースでも4Kの立体画像を捉えている。

モデルのクローゼットを覗くこの新シリーズがピューリッツァー賞を取るとは思われないが、VRを探検の道具として使って、めったに行けない場所に人びとを連れて行くという、VRならではのミッションをうまく強調している。KardashianやJennerたちのように、ソーシャルな共有の術を心得ている人は世の中にあまりいないし、着るものに彼らほどめちゃめちゃ凝る人たちも珍しい。VRなら、そんな珍獣たちの生活に入り込んで見物できるし、とっくに見飽きてしまっていると思っていた超有名人たちの、実はあまり知らなかった私生活を、ちらっと見ることもできるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleが不動産販売のMatterportとパートナーして屋内ストリートビューの360度3D画像を一挙に充実

知らない場所へ行くときには、事前にGoogleのストリートビューを見ると、だいたいの様子が分かる。しかしそれが屋内の場所なら、そのやり方が通用しない。

でも最近のストリートビューでは、一部の家やお店、企業などの建物の中に入って見れるようになった。それが今日(米国時間5/9)、GoogleがMatterportとパートナーしたおかげでさらに増えた。

Matterportは不動産会社で、顧客がその家を実際に見に行くか行かないかの判断材料として、3Dスキャンの画像を作って提供している。同社は最近、Qualcomm Ventures, Greylock Partners, そしてY Combinatorからの約6500万ドルの資金調達を公開した。

【3D画像】

〔ここに3D画像が表示されない場合は、原文のページを見てください。〕

ストリートビューの場合と同じように、クリックしたりドラッグしたりして建物内を3D/360度で見て回れる。画像中の二重丸のようなボタンをクリック(タップ)すると、特定のアイテムの前でとまる。

このような屋内見学は、すでにGoogleが360度写真家たちとのパートナーシップである程度実現しているが、Matterportとのパートナーシップでそれが一挙に50万箇所あまりに拡大した。それらはWebのほかに、VRのヘッドセットでも見ることができる。Matterportも個人の写真家と契約しているので、内容の充実は今後の彼らの活躍にかかっている。でも同社は、不動産販売のお客用以外の画像も今後大きく増やしていく、と言っている。

GoogleがストリートビューのAPIを公開しているのはMatterportだけではないが、360度スキャンに加えて3Dの画像も提供するのは同社だけだ。GoogleもVR(仮想現実)などの新しい技術に意欲的だから、そのための強力な画像や映像が今後さらに充実していくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookが簡単なVRアプリを作るためのJavaScriptフレームワークReact VRをオープンソースでローンチ

Facebookは今日(米国時間4/18)、同社のデベロッパーカンファレンスF8で、React VRのローンチを発表した。これは、JavaScriptで仮想現実体験を構築できるためのJavaScriptフレームワークだ。Webアプリケーション用の同社のフレームワークがReactであるのに対し、仮想現実用のReactという意味でReact VRという名前になっている。つまりReactと同様の宣言型の書き方で、360度体験のアプリケーションを作れるのだ。

当然ながらReact VRは、WebGLやWebVRといった既存のWeb技術を利用して仮想現実体験やセンサー群との対話を実装している。現状はまだ、複雑なVRゲームを作れるレベルではなく、3Dモデルを記述できるとはいっても、2DのUIやテキストや画像に360度のパノラマを容易に組み合わせることができる、という程度だ。

Reactで何かを作った経験のある人なら誰でも、React VRを楽に使えるだろう。またもちろん、Reactのエコシステムにある既存のツールの多くを利用できるだろう。

ふつうのモバイルアプリよりもきついのは、VRアプリが60fps(できればそれ以上)の描画を要することだ。すでにReact NativeがJavaScriptでは難しいとされる問題の多くに対応しているから、React VRのチームはそのアプリケーションの高速高性能化に、それほど苦労せずに済んだようだ。

React VRのコードはGitHubで入手できる。何か作ってみたくなった人は、ここでドキュメンテーションを読もう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのWeb仮想現実アプリケーション‘Speak to Go’は音声で検索しながら地球を旅する

今日(米国時間4/12)からGoogleが、同社の実験的WebページWebVR Experimentsで、たくさんのVR Webアプリケーションを見せている。それらは、音声検索で探検できる。

その“Speak to Go”アプリケーションは、GoogleのDaydreamやCardboardのヘッドセットで楽しめるほか、ヘッドセットなしでスマートフォンやPCからでも体験できる。Chromeブラウザーでマイクロフォンをonにしておくと、音声検索が使える。

スペースバーをタップしてアドレスを言うと、それがStreet Viewのデータにマッチしていれば、そこへ連れてってくれる。たとえば都市や国の名前を言うと、そのWebアプリケーションはユーザーをそれらの国や町のどこかランダムな場所へ運び、そこから景観を探求できる。

それはデスクトップではGoogle Mapsの音声検索の変形にすぎないが、でもGoogle Cardboardのヘッドセットでは世界がそこだけに限定されるので、本格的な探検気分になる。孤独な探検者ユーザーは、独り言を言いながら歩きまわるのだ。

そのアプリケーションは、WebVRの強みを見せつける。ユーザー体験が自然でシームレスで直感的なのだ。WebVRはその名のとおり、ブラウザー上でURLを指定するだけで仮想現実を体験できる。

11月にGoogleは、HTCのViveプラットホーム上にGoogle Earthアプリケーションを持ち込んだが、今回の最新アップデートは、そのビューの一部をCardboardとDaydream上のモバイル360度映像に仕立てた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、360°ビデオ・ストリーミングを公開―Insta360、最新のSamsungカメラなどをサポート

Facebookは360°ビデオをライブストリーミングする機能を一般公開した。ただしユーザーはSamsungが発表したばかりのGalaxy S8向けのGear 360(2017年モデル)、 Insta360 Nano(iOS向け)、Air(Android向け)などの対応カメラを使う必要がある。Nokia OZOなどプロ向けのデバイスにも対応している。

この機能はFacebooのライブストリーミング・テクノロジーをベースとしており、再生時間は最大4時間、1080p、30fpsフォーマットに対応している。どういったシチュエーションを考えているにせよ、没入的ストリーミングの実現にはほぼ十分な容量だろう。ただし視聴者が見やすいストリーミングをするためには十分に速い接続環境が必要だ。Facebookでは4Mbps接続が必要だとしている。 ソフトウェアとしてはカメラの専用アプリを使うか、専用アプリがまだ用意されていないカメラの場合は、 facebook.com/live/createで新たに設定を行う必要がある。

私はすでにInsta360(Air、Nanoとも)テストずみだが、利用は非常に簡単だ。専用アプリに今日(米国時間3/29)、360°ストリーミング用のアップデートが来るはずだ。アプリのオプションから公開先としてFacebook Liveを選べばよい。このカメラの場合ストリーミングしながら自分でもリアルタイムでその映像を見ることができる。これはプロ用機器を含めて他のデバイスにはまだない機能だ。このアプリは現在の視聴者の数、「いいね!」その他のリアクションの数を教えてくれる。またコメントもチェックできる。

Insta360カメラはすでにTwitterのPeriscopeとGoogleのYouTubeでのストリーミングをサポートしているが、Facebookが追加されたのは視聴者拡大に大いに効果があるだろう。アプリ内の公開先オプションからFacebookを選ぶだけで設定が完了するので非常に簡単だ。Live 360ストリーミングはまだ他のサイトにエンベッド可能ではない。またApple TVやChromecastを通じて大画面で再生することも今のところできない。しかしその場の状況をそのまま伝えるには強力な方法だ。

昔の長距離電話の宣伝文句ではないが、「その場にいることの次によい」のは仮想的にその場にいることだろう。Facebook 360はこれを実現するのにもっとも簡単でもっとも視聴者の多いプラットフォームの一つといえる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Insta360 Airは、Androidにお手頃価格で簡単な360度写真と動画をもたらす

これまで以上に多くの場所で360度ビデオとイメージを共有できるようになった。とはいえそのコンテンツをまずはどうやって取り込めばよいだろうか?Insta360は、利用者の持つスマートフォンへの比較的安価なアドオンで少し名前が売れてきている。これを使えば360度の録画と放送を行うことが可能になる。129.99ドルのInsta360 Airは、同社のAndroidデバイス用アクセサリだ。小さなパッケージは写真道具箱に気軽に追加できる。

Insta360 AirはUSB CもしくはマイクロUSBコネクターを備えた小さな球体だ。どちらのタイプのAndroidで利用するかによって、どちらのバージョンを買うかが決まる。私はGoogle Pixel XLとペアリングすることにした。ということで使っているのはUSB Cバージョンだ。コネクターはボールに固定されているので、選択は賢く行おう。もし将来新しいデバイスを買ってコネクタ形状が変わったら、もう1台Insta360を購入しなければならない。

とはいえ、固定コネクタにこだわることで、Airはデザインも、使い勝手も、構造も、とてもシンプルなものになっている。それは非常にしっかりとしていて、比較的頑丈な感触の、硬いプラスチックの球だ。360度写真のためにAirに装着された2台のカメラのレンズを保護する、ソフトシリコンのケースもついてくる。そのよく考えられたデザインは、カバンのなかで殆ど場所をとらず、ぶつけたり、落とした場合のショックからカメラを保護する役割も果たす。そして、球形のカメラ本体のコネクターを延長できるように、USBを延長するアクセサリーも付属している。

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ボールを携帯電話のUSBコネクターに接続するだけで、動作が始まる。まだアプリをインストールしていない場合にはGoogle Playからのインストールを促されるが、既にインストール済ならそのままアプリが起動する。画面上でイメージプレビューを見る際に、カメラが正しい方向を向くように、携帯電話上の表示方向は上下逆になる。

Insta360 Airで写真やビデオを撮影すること自体は、スマートフォン内蔵カメラで撮影を行うのと同じくらい簡単だ。しかし慣れるまでには少々時間が必要だ、なにしろこれまでのように「正しい」ショットを撮ろうと何かを狙うというやり方ではないからだ。興味深い高さで、例えば電話を高く差し上げたり、低い位置で撮ることが、良い結果を生み出すことにつながるようだ。撮影の後でもキーフレームや開始フレームを設定できるので、現在カメラが何に「向けられて」いるのかについて、あまり真剣に考える必要はない。

写真は、Instagramを含む様々なソーシャルネットワークで簡単にシェアができるが、特にFacebookでのシェアがお勧めだ。Facebookが360度をネイティブにサポートしているので、投稿した写真は友人たちのFBフィード上で簡単に効果を発揮することができる。見る側がモバイルを使っているなら携帯電話を動かすことで画像を回転させることが可能だ。

下に埋め込まれた例からも分かるように、イメージの品質も良い。例えばDaydreamを使ってGooglePhotoを見るなどの没入型のVRを使った場合には、解像度の限界に気が付いたかもしれない。Insta360はそれを「3K」と言っている。しかしこの記事にあるようなデスクトップやモバイルの埋め込み映像を見る場合には、十分に詳細で品質も素晴らしい。特に2台のカメラからの180度の画像を縫い合わせて映像がブレないようにしている裏方のソフトウェアの働きが優れている。

要するにInsta360 Airは、iOSにフォーカスした以前の製品Insta360 Nanoのように、手頃な価格でサラウンドイメージとビデオをキャプチャできる、素晴らしい製品だ。Nanoと違い、バッテリーを内蔵していないので、スマートフォンなしには利用することができない。しかし新しいギミックも用意されている、付属品のフレキシブルなUSBケーブルを用いれば、コンピューターに繋いでライブストリーミングを行うことができる。このことでスマートフォンを利用する際のバッテリーやプラットフォームの問題を避けることができる。

基本的に、これはあなたの写真武器庫に沢山の柔軟性を加えるツールだ。そしてこの先私のカメラバックの中で、恒久的に場所を占めることになるだろう。

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(翻訳:Sako)

”カメラ企業”としてのSnapの野望―、360度カメラからドローンまで

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Spectaclesに続く、”カメラ企業”Snapの新製品は何になるのだろうか?複数の情報筋によれば、同社はこれまで360度カメラの可能性を探っており、360度カメラや3Dカメラに詳しい開発者を会社に招いて、今後Snapが開発すべき製品のオプションに関するプレゼンを受けていたという。

一方、Snapはまだ360度カメラの調査をはじめたばかりで、実際に製品がリリースされるかどうかは定かではない。なお、同社は本件についてコメントを控えている。

もしも360度カメラが市場に出れば、SnapはSpectaclesで撮影できる1人称視点で丸いフレームの動画のように、これまでにない形式のコンテンツをSnapchatに追加できるほか、新しい収益源を確保することができるかもしれない。

以前Snapは、買収の可能性を示唆しつついくつかのスタートアップとミーティングを行ったが、結局その目的は、同社が今後進出できそうな新しい市場やテクノロジーに関する情報収集だったと、SnapのM&A周りに詳しいある関係者は話す。

さらにその人物によれば、中にはミーティング後に実際にSnapが買収した企業もあったが、「さまざまな相手と何度もミーティングを重ね、情報を引き出すだけという場合もありました。Snapは買収に興味があるようなふりをして、相手から情報を引き出そうとしているようです」とも語っている。

samsung-gear-360

SamsungのGear 360

例えば、Snapがセルフィー用ドローンを開発するスタートアップLilyとの話し合いに入ったものの、結局何も具体化しなかったという情報を、昨年末にTechCrunchは入手していた。その後Business Insideが両社の話し合いについて報じ、Lilyは最終的に倒産した。さらに昨日The New York Timesは、Snapがドローンを「開発した」と報じており、TechCrunchがコンタクトした関係者もそれを認めている。しかしドローンについても、実際に製品としてリリースされるかどうかはわかっていない。

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Artist rendering of Ricoh’s forthcoming R 360 camera 近々発売が予定されているRicohのR360のレンダリング画像

Snapが得意分野を離れてドローン市場に進出するとなると、そこには厳しい競争が待っている。Lilyはプレオーダーで3400万ドルもの売上を確保していたにも関わらず、結局製品をリリースできないまま倒産してしまった。またGoProにはKarmaがあるが、先日の落下事故を受けてリコール・リローンチを余儀なくされた。

中国発で人気の大手ドローン企業DJIは、コンシューマー向けドローン市場で1番の性能を誇るカメラ付きドローンを製造しているとされており、その他にも市場には価格の安いドローンが溢れている。こんな状況の中Snapがドローンを開発するとすれば、競合製品とは違う新しくて”クール”なカメラの機能や、使いやすさに重きをおかなければいけない可能性が高い。

そういう意味では、もしかしたら360度カメラの方がSnapにとってはチャンスがあるのかもしれない。RicohのThetaやSamsungのGear 360などが競合製品として存在する一方、まだアメリカでは一般に普及し大成功を収めた360度カメラはない。また、ドローンよりも360度カメラの方が、持ち運びがしやすく操作も簡単で、画像取込というSnapの専門性をうまく活用できるだろう。

通常360度カメラは複数の魚眼レンズを使って写真や動画を撮影し、見る人は携帯電話のスクリーンを動かしたりスワイプしたりすることで、撮影された空間を色んな角度から眺めることができる。これが没入感につながるのだ。これまでのところ、人の心をつかむような360度コンテンツというのはなかなか誕生しておらず、プロのビデオグラファーもどんなコンテンツが360度カメラと相性が良いのかまだ模索している段階だ。

コンサート中のステージや戦闘機のコックピットの様子を360度動画で長時間眺めていても、退屈であまり身近に感じないかもしれないが、知人や友人に囲まれているような雰囲気の短い動画であれば、もっと楽しく感じられるかもしれない。さらに、もしもティーンエイジャーがSnapの360度カメラを手にすれば、また新たな使い方が生まれる可能性もある。

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このRicoh Thetaで撮影された写真のように、360度動画・写真は色んな角度から眺めることができる。

他にもSnapはこれまでに、GoProのようなアクションカメラや、3D画像が撮影できるカメラなどの開発を検討していたと関係者は話す。また、Spectaclesの第2世代がリリースされる可能性もあるが、少なくとも初代Spectaclesは売上という意味ではほとんど実績を残せていない。

今週予定されているSnapのIPOが近づく中、投資家は今後新しい収益源を求めることになるだろう。Snapchatのユーザー数の伸びは、競合のInstagramがStories(TechCrunchはInstagramのStoriesがSnapchatのユーザーを奪っていくだろうと報じていた)をローンチしてから鈍化してしまったが、新しいタイプのコンテンツを撮影できる新製品を導入することで、Snapは再度ユーザー数を増やせるかもしれない。

Snapのハードウェア戦略の裏には「携帯電話のカメラにできないことは何か?」という問いが存在する。携帯電話では手を使わないでPOV動画は撮影できない。だからこそSpectaclesが誕生したのだ。同様に、携帯電話は空を飛べないし、周囲の様子を一度に撮影することもできない。携帯電話を握りしめてゆっくりとその場を回りながら、自分のいる場所を撮影している人をよく見かけるが、360度カメラを使えば、友だちはよりリアルに、あなたと同じ場所にいるような感覚を味わえるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

リコー、360度ビデオストリーミング・カメラ、Rを発表―CES 2017でデモへ

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日本の有力カメラメーカー、リコーのTheta SとSCはすでにヒット製品となっているが、同社は今日(米国時間1/4)、新製品のベールを少しだけ上げてみせた。プレスリリースによれば、新しいカメラは誰でも簡単に360°全周ビデオのストリーミングができるようにする。現在リコーはデベロッパーが独自のアプリを開発するためのキットを準備中だ。開発キットは2017年の第2四半期に出荷の予定。

The new Ricoh R (an artist's rendition)

Ricoh R(3D CGによるイラスト)

このカメラはこれまでコンサートのライブストリーミングのような当然考えつくようなシーンから、もっとクリエイティブクリエイティブなリモート・テレプレゼンスまでさまざまなな条件でテストが重ねられてきた。リコーが紹介する例の一つは学校の入学式だ。生徒は仮想現実ヘッドセットでこのカメラのストリーミングを見ることによってセレモニーに参加できる。

来るべき360°ビデオ時代への入り口

しかしこうした例を聞いても必ずしも興奮しないかもしれない。それには理由がある。リコーはこのカメラをまず開発者向けキットとして発売するが、その理由は、今のことろ360°ライブストリーミング・ビデオがどんな場面で有効なのか知っている人間が少ないからだ。トレンドに先がけて、まずデベロッパー向けキットから始めるというのは慎重かつ賢明な戦略だろう。Theta
Sカメラの大成功の再現を狙っているなら特にそうだ。

リコーではRicoh Rはインターネット接続と外部電源がある限り連続してライブストリーミングが可能だとしている〔リコー・サイトによると24時間の連続作動が可能〕。

リコーの広報担当者は私の取材に対して「全周ビデオ映像のライブストリーミングは、テクノロジーだけでなく、コンテンツ製作や配信、視聴方法などシステムのすべてが始まったばかりだ。
これまだ多様な背景のユーザー・グループを対象にベータテストを繰り返してきた結果、リコーではこのテクノロジーにきわめて大きいビジネスチャンスがあると結論した」と語った。

ストリーミングの解像度は2K、、毎秒30コマだ。VRヘッドセットに圧倒的な臨場感をもたらすというレベルではないが、それでも誰でもコンテンツを作れる360ビデオ体験としては十分だろう。このカメラは全周ビデオで標準的な正距円筒図法(Equirectangular Projection Format)を用いて2基の魚眼レンズが撮影する画像を貼り合わせている。出力はHDMIとUSBが可能だ。オフラインの場合はMicro SDカードへの録画が可能。

〔日本版〕CES 2017のリコー・ブースに実機が出展される。YouTubeによるデモ配信も予定されている。 Rカメラの公式日本語ページはこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

VR・ARの普及に向けたデモの重要性

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【編集部注】執筆者のTim Merelは、Eyetouch RealityDigi-Capitalのファウンダー兼CEO。

もしもこれまでにVRやARという言葉を耳にしたことがないとすれば、あなたが住む島にはWi-Fiが飛んでいないのだろう。一方で、VRやARのことを知っていても実物は見たことがない、という人はたくさんいる。つまりVRやARが一般に普及するためにはデモが欠かせないのだ。過去のデジタルプラットフォームは、いかに大衆の心を認知から行動へと動かしていったのだろうか。

AKQAのファウンダー兼会長であるTom Bedecarreは「新しいテクノロジーは似たような過程を経て一般に普及していきます。最初のお客さんになるイノベーターやアーリーアダプターをひきつけるのは比較的に簡単ですが、垣根を超えてアーリーマジョリティやそれ以外の消費者の心を掴むのは大変難しいことです」と単刀直入に話す。

360度動画でさえ、高品質のVR・ARアプリを使って初めて本当の驚きや喜びを体験することができることを考えると、VRやARが一般に普及するまでには大きな壁を超えなければいけないとわかる。AR・VRの全てを体験するためには、実際にスコープを装着しないといけないのだ。言い換えれば、「これこそが本当の立体映像だ、この野郎」といったところか。

それではVR・AR企業は、どのようにしてアーリーアダプター以降の消費者にプロダクトを体験させているのだろうか。

無料=なかなかの価格設定

New York Timesはこれまでに、100万個以上のGoogle Cardboardsを読者にプレゼントしてきた。マクドナルドは”Happy Goggles“と名付けられたセットで、VRヘッドセットに変形するボックスを配布し、コカコーラも複数本入りのパッケージで同じようなキャンペーンを行った。

紙箱からアップグレードしたものだと、SamsungはVR対応の携帯電話にGear VRヘッドセットを無料でバンドルした結果、「何百万人ものユーザーにGear VRを配布し、100万人以上の月間アクティブユーザー」を獲得したと同社の広報担当者は話す。さらにSamsungは店頭デモも積極的に行っており、「アメリカ国内で1万5000軒もの店舗」にデモ機を導入した。VerizonもPixelの先行予約者に対して、GoogleのDaydream View VRヘッドセットをプレゼントし、中国のOnePlusも携帯電話とセットで3万台ものVRヘッドセットをこれまでに配布してきた。

ハイエンドのパソコンやコンソールにVRヘッドセットが無料でバンドルされることはないだろうが、Microsoftが新たに発表したWindows 10用VRヘッドセットの登場で、ハイエンドVRシステムの価格は今後下がっていくことが予想される。

一にも二にも実体験

Sony PlayStation Magic Labのトップを務めるRichard Marksは、「ユーザーに実際にVRを試してもらうというのは極めて重要です。というのも、VRで得られる体験は、ほとんどの人がこれまでに他のメディアで経験したものとは比べ物にならないですからね。これまでに私たちは40万人以上を対象にデモを行い、体験した人には友人にも宣伝するようお願いしてきました。また、PSVRを購入した人全員に無料のデモディスクを配布しているほか、VRヘッドセットを持っている人もそうでない人も一緒に遊べるよう、非対称マルチプレイゲームも併せて配布しています」

HTCで部長を務めるPearly Chenも、Viveをユーザーに試してもらうことの重要性を強調している。「百聞は一見にしかずという言葉の通り、VRの素晴らしさを伝えるにあたって、実際に消費者にVRヘッドセットを装着させて、彼ら自身の目でVRを体験させるよりも良い方法はありません。HTCでは、2015年の半ばからVive World Tourと呼ばれるプロジェクトに取り組んでおり、世界の主要都市や大学、イベント、展示会などを巡りながら、製品を宣伝すると共に、VRの普及に向けた草の根活動を行い、消費者からのフィードバックを集めています」

「また、引き続き大手小売店とのパートナーシップを深めていき、アメリカ国内で言えばMicrosoftストアGameStop、MicroCenter、中国だとSuningやGuomei、インターネットカフェなどにデモステーションを設置していく予定です。さらに台北には、多くの人にVRを体験してもらえるようなエンターテイメントセンターとしてVive Landをオープンしました。」

一般大衆向けのコンテンツやアプリケーションをつくる際には、どうすれば多くの消費者にその存在を知らせ、トライアルの効果を行き渡らせることができるのだろうか?

HTCは自社のプロダクトを消費者に届けるだけでなく、もっと広い視野で業界を眺めている。「VRエコシステム全体の発展に寄与するため、1億ドル規模のファンドであるVive Xを利用し、VRに関する全ての人やモノのためになるようなビジョンを持った企業をサポートしています」

AR・VRを利用したサービスを提供する教育系スタートアップのzSpaceは、店頭でのトライアルに関してもっと積極的なアプローチをとっており、ユーザーが店舗を訪れるのではなく、店舗がユーザーのもとを訪ねる仕組みを構築した。彼らはデモ環境を整えたバスを複数台用意し、アメリカ中の学校を訪れているのだ。CEOのPaul Kellenbergerは「私たちはこの方法に効き目があるからやっているんです。このプロジェクトによって、教師や生徒は遠い距離を移動したり、試したこともないシステムを買ったりする必要がなくなります。さらに、私たちのプロダクトの協力的な側面もあり、学校を取り囲む人を含めた教育コミュニティ全体が、その効率性を感じてくれています。また、このプロモーション活動のリターンはとても大きく、規模の大きな学校からの注文の中には、バスツアーがきっかけとなったものもありました。つまり、潜在的なユーザーがいる場所を実際に訪問し、トライアルのプロセスを簡素化することで、利益に直接的な影響があることがわかったんです。これは私たちのビジネスが成長する上で、とても大きな要因となるでしょう」と話す。

ポケモンゲットだぜ!

これまでに市場に出ているARスマートグラス(Microsoft HoloLens、ODG、Metaなど)のほとんどは法人向けのため、現状の製品を消費者向けのトライアルで試すのは時期尚早だ。しかしPokémon GOのおかげで、(業界の中にいる人はPokémon GOがARだと認めていないものの)既に大衆はARの存在を知っているばかりか、実際に体験までしている。Apple CEOのTim CookやGoogle CEOのSundar Pichai、さらにFacebook CEOのMark ZuckerbergMicrosoft CEOのSatya Nadellaも口を揃えて早期AR市場の勝者はPokémon GOだと認めている。つまり、これまでにPokémon GOが一時は5000万人という恐ろしいほどの月間アクティブユーザー数を記録したかたわら、全世界の(何億人とは言わずとも)何千万人という消費者が、自分はARを試して気に入ったと感じているのだ。

大きな問題は、今後数年のうちにスマートグラスが消費者市場に参入する際に、Pokémon GOによって広まったARの認知を、”本当の”ARプロダクトがどう利用できるかということだ。願わくは(失敗に終わった)Google Glassや(好評だった)SnapのSpectacles両方から得た教訓が、次世代のプロダクトに反映されてほしいものだ。

Snapの戦略勝ち

SnapのSpectaclesへの臨み方は、素晴らしいマーケティング戦略に他ならない。Spectaclesは、Google Glassによって数年間に渡りダメージを与えられた消費者のARに対するイメージを、(Spectaclesは本当の意味でのARではないとしても)ほぼ一手に回復することに成功した。

Spectaclesは一般消費者向けのカッコいいガジェットであり、ディストピア的未来を象徴するものではない。また、数に限りはあるがエリート主義的ではなく、Spectaclesを入手するために何時間も車を運転して自動販売機のもとを訪れる覚悟がある人であれば、(選ばれた”Glassholes“だけでなく)誰でも手に入れることができる。機能にこだわらなければ、Spectaclesの130ドルという価格も競合製品に比べるとずっと低い。

お金をかけないマーケティングの成功やSpectaclesビデオがバイラルに広がった結果、Snapchatの1億5000万人を越えるデイリーアクティブユーザーは、Spectaclesを使って撮影されたビデオを通して(実物をまだ手にできていなくても)自分がSpectaclesを使っているような体験をすることができる。さらにアーリーアダプター(一部からは課金ベータテスターとも呼ばれている)から収集したデータを利用し、SnapはSpectaclesをハード・ソフト両面から改善し、フルローンチに向けて準備を勧めている。CEOのEvan Spiegelとは大した男だ。

Call me maybe

消費者向けのARプロダクトが成功する上で重要な要素が次の5つだ。ヒーローデバイス(Apple製かどうかに関わらず、Apple製品のような品質のデバイスを指す)、モバイルデータ通信、丸一日もつ電池、(初期のスマートフォン同様)アプリのエコシステム、そして通信会社によるデバイス代負担だ。通信会社が徴収するデータ使用料と、そこから捻出されるデバイス代が料金面での鍵となってくるが、実際に通信会社は消費者がVRを体験する上でどんなことができるのだろうか?

Verizon Venturesでディレクターを務めるEd Ruthは、ARプロダクトが消費者市場に参入する準備ができた段階で、通信会社は大きな役割を担うことになると考えている。「店頭でのトライアルを超えて、通信会社は全国の店舗網を利用し、最終的にはスマートフォンの普及と同じやり方でARプロダクトを消費者のもとに届けることができる可能性があります。この新たな市場から得られるデータ通信料が、モバイル通信の成長を再活性化していくことになるでしょう。特に360度動画だけで考えても、通常のビデオの4~5倍の通信量が消費されることになります」と彼は話す。

改めて強調したいコンテンツの重要性

Baobab StudiosのInvasionAsteroidsといったハイエンドVRコンテンツから、Eyetouch RealityのようなVR・AR機器向けの次世代ビジュアルメッセージサービスなど幅広い可能性がある中、一般大衆向けのコンテンツやアプリケーションをつくる際には、どうすれば多くの消費者にその存在を知らせ、トライアルの効果を行き渡らせることができるのだろうか?

Penrose StudiosでCEOを務めるEugene Chungは、業界全体の動向について「新しい芸術的な表現方法としてのVR・ARの発展というのは、これまで前例がありません。このような大きな転換が最近起きたのは、動画関連の技術が進化したときでした。誕生したばかりのハードウェアがまだ市場に浸透していないため、今の段階ではVR・ARの本領が発揮されていませんが、その状況もかなりの速さで変わっています。PlayStation VRやGoogle Daydreamの誕生で、消費者が手にしやすいVRの市場がこれまでにないほど成長しています。テクノロジーに詳しい人の大部分は既にVRを体験していますが、消費者の大多数はまだVRに触れられていません。一般消費者がVRを体験してその力を理解すれば、普及率も上がってくるでしょう」と語っている。

Sketchfab CEOのAlban Denoyelは「ユーザーが自分でVRコンテンツをつくれるようになれば、普及率は上がってくるでしょう。家族や休暇の様子をVR用に(360度もしくは3Dで)撮影すれば、きっとVRシステムを使ってそれを視聴したいと思うはずです。そのため、ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツがVR普及の鍵となるでしょう。ターゲット層へのアプローチに関しては、ソーシャルネットワークのように、既にターゲットがいる場所へコンテンツを届けることが大切になってきます。だからこそ、アプリを介すことなくクリエイターから消費者へ直接コンテンツが提供できるWebVRが重要視されているんです」と話す。

若者にフォーカス

一般消費者には、あなたの姪から祖母まで色んな人が含まれている。しかしFacebookやSnapchatなど最近のテック界での成功例を見ると、大衆にターゲットを移す前のローンチ時に、若者の支持を集めたサービスが多いことに気がつく。そのため、VR・AR界も一般消費者にアプローチする前に、Pokémon GOやSnapのSpectaclesのように、流行に敏感な若者にプロダクトを試させる必要があるのだ。古い言葉で言えば”Ditto(同じ、前例にならって)”ということだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

少ないデータ通信量でハイクオリティな360度ビデオストリーミングを可能にするVisbitが320万ドルを調達

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バーチャル・リアリティは多くの人々を巻き込む革命だ。PC部品の製造業者は、ハードウェアがもつスペックのリミットをもう一度引き上げなければならず、この革命は彼らをもう一度復興させるきっかけとなるだろう。また、ISPはユーザーがストレスなくVRコンテンツを楽しめるように、従来より高速のダウンロード速度を提供するという圧力がかけられるようになる。

それが実現するにはまだ時間がかかる。だが、今回紹介するVisbitはVR業界に”今”存在するギャップを埋め、VRコンテンツがユーザーのデータ通信量を使いきってしまうことがないように、速度の遅いインターネットでもハイクオリティな360度ビデオのストリーミングができるソリューションを生み出した。

カルフォルニア州にあるSunnyvaleを拠点とする同社は現地時間6日、Presence Capital、ZhenFund、Colopl Next、Amino Capital、Eversunny Limitedなどが参加したシードラウンドで320万ドルを調達したと発表した。本ラウンドにはアメリカと中国のVCが入り混じっており、これは同社がもつグローバルな野望の表れだ。

Visbitは今回調達した資金を利用して、現存する技術よりも大幅に少ないデータでハイクオリティな360度VRビデオのストリーミングを可能にするという彼らのプロダクトを、より早い段階で市場に送りだす構えだ。

同社のテクノロジーはFacebookの「ダイナミック・ストリーミング」技術に似ている。ダイナミック・ストリーミングとは、360度ビデオをストリーミングする際にユーザーが向いている方向だけを高解像度で描写するという技術だ。ユーザーが360度ビデオ内で視線を動かすと、Facebookは”ダイナミックに”ストリーミング映像の解像度を調整し、ユーザーが向いている方向の映像だけを最大の解像度で描写するのだ。これにより、4Kビデオのストリーミングに対応していないインターネット環境でもハイクオリティな映像体験を楽しむことができる。

ダイナミック・ストリーミングが機能するのはFacebookのプラットフォームだけだ。その一方でVisbitは、「Visbit View-Optimized Streaming(VVOS)」と呼ばれる同プロダクトのライセンスを360度ビデオのコンテンツ製作者に販売する予定だ。そうすることで、コンテンツの製作者は任意のプラットフォームでこの技術を利用できるようになる。現在のところ、同プロダクトはモバイル・プラットフォーム上の4Kビデオや8Kビデオのストリーミングにフォーカスしている。Gear VRなどのプラットフォームがその例だ。

共同創業者兼CEOのChangyin(CY)Zhouは、以前にはGoogle XとMicrosoft Researchでコンピュータービジョンとビデオ・プロセッシング技術に携わっていた。

4Kの360度ビデオをストレスなくストリーミングするために通常必要とされるインターネット速度と比べると、VVOSを利用した場合に必要なインターネット速度は、その半分だ。

つい先日、VisbitはVRコンテンツ企業やスタジオ向けにクローズドなプライベート・ベータ版を公開しており、今後このベータプログラムへの参加企業を増やしていく予定だ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Androidスマートフォンでお手軽に360度ビデオ/写真を撮影〜ストリーミングできるInsta360 Air

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360度カメラははまだ物珍しさが先に立つが、お値段も、まともな製品なら300ドル前後とお高い。しかし今日(米国時間11/28)Indiegogoに登場したInsta360 Airは、従来製品よりもコストパフォーマンスが良いのではないか。スマートフォンに簡単に接続でき、ライブストリーミングもできて、予約価格が99ドル、一般市販価格が119ドルだ。

Indiegogoのキャンペーンの中には積極的に推せないものも少なからずあるが、Insta360というブランドとその親会社Shenzhen Arashi Visionはハードウェアに関して実績がある。たとえばスマートフォン用の良質なVRカメラも作っている。今あるiPhone用のInsta360 Nanoとほぼ同じ光学系を使用し、ぼくの個人的な体験から言えば、なかなか画質の良い写真やビデオを撮ってくれる。撮像部は二つの魚眼レンズを使用、そしてその二つの画像を内蔵のソフトウェアにより“縫い合わせて”いる。

Insta360によると、AirはNanoと基本的に同じ光学的品質を持ちつつ、お値段はNanoよりも約100ドル安い。Nanoはバッテリーがあるので、デバイスから電源をもらわなくても使えるが、Airは違う。でもスマホと一緒に使う人がほとんどだろうから、それはあまり問題にならないだろう。しかもスマホだけでなくノートブックなどのコンピューターの上でも使えるし、その場合は長時間のライブ360度ストリーミングができる。

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解像度は、スマートフォンの基本仕様にもよるが、基本的には写真が3K、ビデオが2Kだ。ビデオはソフトウェアが安定化を行うので、手持ちで撮影しストリーミングしても、視聴者が吐き気を催すことはない。接続はmicroUSBまたはType Cだから、ほとんどのデバイスで使えるだろう。

Insta360 Airで捉えたコンテンツは、ソーシャルメディアで共有したり、VRヘッドセットへエキスポートできる。360度コンテンツをちょっとやってみたいが、あまり巨額を投資したくない、という人はこの製品がぴったりだ。製品は、クラウドファンディングの支援者には2017年の3月に発送される、と同社は言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))