WhatsAppがメッセージの自動消去機能をテスト中

WhatsAppのユーザーはもうすぐ、一定の時間が経ったらメッセージが自動的に消去されるように設定できる。この機能はTechCrunchが持つ有力な情報筋が、アプリのベータバージョンのコードを調べているときに見つけた。

TwitterのユーザーのWABetaInfo氏は米国時間10月1日に、最近リリースされたAndroid用WhatsAppのversion2.19.275の一般公開ベータに、ユーザーが自分のメッセージを自動消去に設定できるオプションがあると述べた

一定時間後にメッセージが永遠に消えてしまう機能は、友だちや同僚などと機密性のある情報をシェアすることのあるユーザーにとって便利だ。例えば、インスタントメッセージングのTelegramでは、それが最も人気のある機能のひとつだ。

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画像提供: WABetaInfo

Telegramには「秘密チャット」(Secret Chat)機能があって、それを使って会話をしているユーザーはメッセージが一定時間後に消える。Telegramは、テキストを同社のサーバーに保存しないと言い、テキストの痕跡を残さないためにはメッセージを転送せず、スクリーンショットを取らないことをユーザーに勧めている。

同社によると「Telegramの秘密チャットはデバイスの機能でありTelegramのクラウドの一部ではない。従って秘密チャットでメッセージにアクセスできるのは、メッセージの起点のデバイスからのみである。メッセージは、あなたのポケットの中でデバイスが安全であるかぎり安全だ」。

WhatsAppのオーナーであるFacebookは、同社のMessengerアプリに「秘密チャット」機能を搭載している。ただしその秘密チャットは、2人のユーザー間でシェアされるメッセージやメディアコンテンツがエンドツーエンドで暗号化されるだけである。WhatsAppでは、ユーザー間のメッセージはデフォルトで暗号化される。

現在WhatsAppはこの機能を、複数の人が会話に参加するグループモードでテストしている。メッセージの到着から自動消去までの時間は、5秒または1時間を指定できる。WABetaInfoがシェアした上の画像によると、グループの管理者がその秘密チャットに参加できる人とできない人を区別できるようになる。

WhatsAppのサードパーティアプリに、メッセージを自動消去できるものがあった。しかし最近WhatsAppは、セキュリティのためにサードパーティアプリを禁じている。WhatsAppの最近の月間ユーザー数は15億人を超えている。この機能の全面展開がいつになるのか、それはまだわからない。TechCrunchでは現在、同社にコメントを求めている。

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GoogleアシスタントでXbox Oneをコントロールできる、次はWindows 10か

Microsoft(マイクロソフト)が同社のデジタルアシスタントCortana(コルタナ)に執着していたのは、そんなに昔の話ではない。でもそれは勝てる賭けではなかった。しかし、いわゆる新しいマイクロソフトの真骨頂は、自分が勝てなければすでにユーザーが実際に使ってるものを何でも統合するところにある。今日同社は、Xbox OneをGoogleアシスタントからコントロールできると発表した。まだそれはベータだが、今秋中には正式のローンチになるようだ。

ただしそれは、Xbox OneからGoogleアシスタントを使えるという話ではなくて、GoogleアシスタントからXboxのゲームを立ち上げたり、ポーズしたり、ボリュームを上げたりできるのだ。(今は英語のみ。「Hey Google, turn off Xbox」とか。

使えるコマンドのリストが、このページを参照してほしい。

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デバイスはiOSやAndroidのスマートフォンなど、アシスタント対応デバイスなら何でもいい。最初はAndroidやiOSのGoogle HomeアプリでXboxをセットアップする。これでXbox Oneがアシスタントのエコシステムの一員になる。つまり、アシスタントからコントロールできる。

なお、消費者市場でCortanaをギブアップしたマイクロソフトはAmazon(アマゾン)とも協働してAlexaをWindowsから使えるようにした。つまりマイクロソフトにとって重要なのはユーザーが同社のデバイスやWindows 10を使っていることであり、それを何でコントロールしているかはどうでもいい。だからXboxに次いでPCにもGoogleアシスタントが来るのは時間の問題だ。Windows 10がGoogleアシスタントを完全にサポートするかもしれない。

関連記事: AmazonがAlexaイベントで発表したものたち

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Googleが10月15日にPixel 4発表へ、そのほかのハード新製品も登場か

Googleは10月15日にニューヨークで行われるイベントで次期Pixelを詳しく紹介する。同社は米国時間9月16日、メディア各社に送った招待状でそのことを確認した。GoogleはすでにPixel 4の画像や機能の詳細を公表しているが、招待状には「新しいMade by Googleがたくさん」とあるから、もっといろいろあるのだろう。

Pixel 4についてわかってることは、そのすべてだ。というか、すでに多くのことがわかっている。たとえ、GoogleのクールなSoliレーダーによる、顔認識めのアンロックやモーションコントロール。次々と出てくるリークの中には、単色単一テクスチャの背面、カメラがワイド、標準、ズームと3つあるような背面の盛り上がり、XLのOLEDディスプレイは3040×1440ドット、アニメーションとスクロールを滑らかにする90Hzモードなどがある。

unnamedGoogleが送った2019ハードウェアイベントへのアニメーションによる招待状

上部と下部のベゼルが大きいのは、今どきのスマートフォンにしては珍しい。でもGoogleは、スクリーンの中にノッチがあるよりまし、と判断したのだろう。また顔でアンロック用のSoliの技術とドットプロジェクター用には、上部にスペースが欲ほしいのだ。

そのほかの噂のハードウェアとしては、ChromeOS搭載のPixelbookやGoogle Hhiwaomeスマートスピーカーの新製品がある。11月に立ち上げたクラウドゲームサービスであるStadiaも、何かの発表があるだろう。そして、さらなるサプライズとしては、Chromecastのアップデートとか、新たに認証されたWi-Fi 6スタンダードによるGoogle Wifiがあるかも。

要するに、Pixel 4がネタとして安定しすぎていても、そのほかのサプライズがたくさんあるということだ。10月15日にはTechCrunchも頑張って、それらすべてをお伝えしよう。

関連記事: Google Pixel 4は顔認証とレーダー利用の「モーションセンス」を搭載

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MozillaがFirefoxのユーザー追跡クッキーをデフォルトで無効化

米国時間9月3日から提供されるFirefoxブラウザーの最新バージョンにアップデートしたユーザーは、そのデスクトップとAndroidスマートフォンでプライバシー保護のためのデフォルトの設定が変わったことに気づくだろう。それは、ユーザーの多くがアンチトラッキングクッキー(ユーザー追跡クッキーの禁止)の機能をまだ有効にしていないという想定に基づいている。

Mozillaは7月にEnhanced Tracking Protection(ETP、強化版追跡保護)を新規ユーザーにはデフォルトの設定でローンチしたが、しかしそのとき、既存のユーザーの設定はそのままにした。

しかし今回のバージョンv69.0からは、全ユーザーの設定をデフォルトで追跡禁止に切り替える。

この機能の狙いは、サードパーティのクッキーが、広告の個人化など気持ちの悪い目的のためにインターネットのユーザーを追跡することの防止だ。そういう、ブロックすべき気持ち悪いクッキーを特定するためにFirefoxは、Disconnectのリストを利用している。

このアンチトラッキング機能は、暗号通貨の無断採掘も敵視する。それはバックグラウンドで動いてCPUのパワーと電池を浪費し、ユーザー体験を損なう。これからのFirefoxは暗号通貨の採掘もデフォルトでブロックする。ユーザーがそれを起動したときだけではなく。

この最新リリースに関するブログ記事でMozillaは「これまで何年もFirefoxを使う全ユーザーのプライバシー保護の強化と使いやすさの向上に努めてきたが、今回の措置はその長い旅路の重要な区切りである」とコメントしている。

そしてデフォルト設定の効果について「現状では、Firefoxユーザーの20%あまりがEnhanced Tracking Protectionを有効にしている。今日のリリースにより、デフォルトでは100%のユーザーにその保護が行き渡ることを期待する」と語る。

ETPを有効にしたFirefoxユーザーのURLバーには盾のアイコンが出て、トラッカーのブロックが機能していることを示す。このアイコンをクリックすると、ブロックした追跡クッキーのすべてがリストで表示される。ユーザーは個々のサイトごとに、Content Blockingメニューでクッキーのブロックをオン、オフできる。

追跡クッキーのブロックはユーザーを追跡する行為の一部を抑止するが、それは必ずしも完全なプライバシー保護ではない。Mozillaが注記しているところによると、ブラウザーの指紋スクリプト(フィンガープリントスクリプト)が動くことをETPはデフォルトではブロックしない。

ブラウザーの指紋採取(Fingerprinting,、フィンガープリンティング)とは、ウェブユーザーの感知も同意もなく秘かに行われる一種のプライバシー侵犯で、これも広く行われている。それは、ユーザーのオンラインアクティビティからコンピューターの構成を知り、それにより複数のブラウザーセッションを同一のユーザーと判断する。すなわちデバイスの情報からこれはAさんだと知る。

それは複数回のブラウザーセッションや、ときには複数のブラウザーすら侵食するので、非常に悪質なテクニックだ。後者の場合は、個人情報を盗まれまいとして複数のブラウザーを使い分けていたことが無意味になる。

Firefoxの最新リリースのセキュリティの設定で「厳格」(Strict Mode)を指定するとフィンガープリンティングをブロックできるが、デフォルトではそうなっていない。

Mozillaによると、Firefoxの今後のリリースではフィンガープリンティングもデフォルトでブロックする。

Firefoxの最新の変化は、Mozillaが昨年発表したプライバシー保護強化策の継続だ。それはユーザー追跡技術の活動範囲を狭めることによって、ユーザーのプライバシーを保護する。

広告ターゲティングのためにユーザーデータを集めまくるアドテックの「業界データ複合体」の肥大を抑止する強力な規制が存在しないので、ブラウザーのメーカーはプライバシーの敵である追跡技術に対して独自の場当たり的な対抗策を編み出してきた。

そしてそれらの一部は徐々に重要な位置を占め、プライバシー保護と追跡対策のデフォルト化によりブラウザーの主要な機能に育ってきた。

特にに今月9月は、AppleのSafariブラウザーにも使われているオープンソースのブラウザーエンジンであるWebKitが、新たに追跡防止ポリシーを発表した。それはプライバシーの重要性をセキュリティと同レベルに置くもので、プライバシー侵犯はハッキングに等しいと言っている。

Google(グーグル)でさえもプライバシーをめぐるプレッシャーの増大に応えて、5月にはChromeブラウザーのクッキーの使い方の変更を発表した。ただそれはまだ、デフォルトにはなっていない。

Googleによると、同社はフィンガープリンティング対策も開発中だ。最近発表された長期的な提案では、同社のブラウザーエンジンであるChromiumにおいてプライバシーに関する新たなオープンスタンダードを開発するとなっている。

Googleはアドテックの巨大企業でもあるから、そこが最近ではプライバシーを競争圧力とみなして、インターネットユーザーのデータマイニングという同社の得意技を抑制すると言い出しているのは、皮肉な光景だ。巨大な利益源を、犠牲にする気か。

でも、プライバシーに関する発表が遅くて、長期的な提案しか出せないのは、この話題が忘れ去られるのを待つ時間稼ぎかもしれない。相変わらずChromeはウェブユーザーのプライバシーを侵し続け、自社の利益になる反プライバシー的な慣行を即座にやめようとはしないかもしれない。

画像クレジット: fotoVoyager/E+

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ファーウェイの今後を占う今月のMate 30の発表

9月に大規模な発表を計画しているスマホメーカーは、なにもApple(アップル)ばかりではない。Huawei(ファーウェイ)は、新しいiPhoneの発表からわずか1週間ほど後の9月18日に、ミュンヘンで大きなイベントの開催を予定している。ファーウェイにとって、そのMate 30の発表は単なるスマホの発表以上の意味を持つものとなるだろう。

このイベントは、中国のメーカーとしてのファーウェイが、米国の貿易ブラックリストに追加されて以来、事実上最初の大々的なスマートフォンの発表となる。このような動きは、長い時間をかけて、徐々に進行していたように思われる。スパイ行為から、制裁違反まで、数年に渡ってさまざまな疑いをかけられてきた。そして、同社からの製品調達が禁止されるに至り、これまでGoogleのような米国企業から提供されるものに依存していた企業にとって、いよいよ正念場が訪れることになった。

Mate 30は、5Gへの動きを推進する製品だが、もしかするとGoogle製のアプリを装備せずに発売される可能性もある。最近の米国政府による救済措置は、すでに発売済の製品にのみ適用されると、Googleはロイターに伝えている。トランプ大統領は、新たな米中間の貿易協定によっては、ファーウェイ製品の禁止が解除できる可能性もあることを示唆している。それは、禁止が純粋に安全保障上の懸念による判断だったという主張に疑念を投げかけている。

同社自身も、ロイターに独自のコメントを寄せている。「ファーウェイは、米国政府が許可すれば、引き続きAndroid OSと、そのエコシステムを使用します。もし許可が得られなければ、私たちは独自のOSとエコシステムの開発を続けます」。

ここで最後に触れているのは、間違いなくHarmonyOSのことだろう。最近発表されたこのOSは、基本的にはローエンドの携帯電話とIoTデバイスに限定されていることになっているが、ファーウェイはGoogle製のソフトウェアが使えなくなった場合のことも考えて、長期的に備えようとしているようだ。

一方CNBCは、情報筋からの話を引用し、今後数週間の状況の展開しだいで、ファーウェイ製のスマホが、発売時にGoogle製のアプリを搭載するかしないかが決まるとしている。それが、購入後にユーザーが自身でアプリをダウンロードするという、ちょっとした面倒で済めばまだいいが、もしAndroidブランドがまったく使えないとなれば、そのスマホの収益に大きな打撃を与えることになるはずだ。

とはいえ現時点では、ファーウェイが独自の未成熟なOSを搭載して、このようなハイエンドのデバイスの発売に踏み切ることはほとんど考えられないだろう。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

グーグルが AndroidアプリやChrome拡張機能の脆弱性発見に報奨金支払いへ

Google(グーグル)は、同社のプラットフォームを使用したデータの不正使用の「検証可能かつ明白な証拠」を発見したセキュリティ研究者に、報奨金を支払う。

これは、AndroidアプリやChrome拡張機能を通じて収集されたユーザーデータを悪用したハッカーを捕らえようとする同社の取り組みの一環であり、2016年の米国大統領選挙中に何百万ものFacebookプロフィールが削除され、浮動票を誘導するのに使われたCambridge Analyticaのようなスキャンダルの再現を避けるためだ。

Googleによると「ユーザーデータが予期せず使用または販売されたり、ユーザーの同意なしに不正な方法で転用されたりする状況」を特定した研究者は誰でも、データ悪用に関する報奨金の対象になる。

ブログ投稿によれば、「アプリやChrome拡張機能に関連するデータ悪用が確認された場合、そのアプリや拡張機能はGoogle PlayやGoogle Chrome Web Storeから適時削除される」としている。「アプリ開発者がGmailの制限範囲へのアクセスを乱用した場合、APIアクセスは削除される」。同社は、開発者向けAPIの悪用もバグ報奨金の対象になると表明した。

Googleは報奨金の一覧をまだ提供していないが、データの不正使用に関する一つの報告が5万ドル(約530万円)の報奨金となる可能性があるという。

今回の報奨金の拡大のニュースは、ブラウザ拡張機能が数百万人のユーザーからデータを収集して共有していた、DataSpiiのスキャンダルを受けたものだ。これらのChrome拡張機能は、ユーザーが訪れたすべてのサイトのアドレスとページタイトルをアップロードし、所得申告、医療データ、旅行日程などの機密データを公開した。

GoogleはChrome拡張機能の問題により、一時的に利用を停止したことがある。Instagramは最近、相次ぐデータ関連の事件を受けて、ユーザーデータの悪用を含む独自のバグ報奨金を拡大した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Android 10からはお菓子の名前をバージョンの愛称にすることを廃止

ネーミングにデザートの名前を使うことは、Googleの一番愛された伝統のひとつだ。中には疑問符が付くのもあったが。同社のモバイルオペレーティングシステムは、新しいバージョンが出るたびに、今度はどんなスイーツの名前になるのだろう?という推測で盛り上がった。でも、名前がPで始まるお菓子はたくさんあったけど、その次のQは難問だ。

Quiche(キッシュ)はお菓子ではないし、その点ではQuesadillas(ケサディーヤ)やQuinoa(キヌア)も同じだ。では次のリリースはどうするか。おおいに悩んだGoogleはついに、スイーツの名前という長年愛されてきた方針を捨てた。もちろん、Googleが挙げる捨てる理由は「Qで始まるお菓子を思いつきませんでした」という率直なものではない。

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代わりに同社が挙げるのは、デザートの名前は世界中で25億台も現役で使用されているデバイスの愛称として普遍性がないというものだ。

かなり前から、世界には特定の名前が理解されない地域や民族もある、というフィードバックをいただいてきた。たとえば一部の言語の話し言葉では、LとRが区別されない。

なので「Androidの次のバージョンはAndroid Lollipopだ」と我々が大声で言っても、それがKitKatの次のバージョンであることが伝わらない人たちがいる。またAndroidの新しいユーザーには、この命名の慣行をまったく知らない人も多いので、それが自分のスマートフォンに載っている最新バージョンのオペレーティングシステムであることが、全然理解されない。それに、世界にはパイ(Pie)がお菓子ではない地域があるし、我々にとってはおいしいマシュマロ(Marshmallow)も、日常的に食べられていない地域が世界には多い。

関連記事:Android Pieよりはマシだったかもしれない名前を考えてみた

もちろん、オンラインの時代においては普遍性は明確でない概念だ。例えば、Appleという今やグローバルな商標は最初、カリフォルニアをテーマとするデスクトップOSの名前だった。でも率直に言えば、今のペーパーバックのスパイ小説みたいな政治的風土の中では、Qの文字を最初から避けたほうが良かったかもしれない。それに同社が市販のお菓子の商品名Raisinetes(レジネッツ)やSkittles(スキットルズ)やTwizzlers(トウィズラーズ)を使うことを、想像したくないね。

そして今度からは、Androidの商標のデザインがやや変わって文字がグリーンから黒になる。それについて同社は「小さな変更だが、グリーンは目の不自由な人たちなどにとって読みづらいことがわかった。また、文字と同じ色だとロゴが目立たないので、文字の色とのコントラストを改善した」とコメントしている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Androidユーザー800万人がGoogle Playから85種の新手のアドウェアをダウンロードしていた

写真編集アプリやゲームを装った、数十ものAndroidアドウェアが発見された。ユーザーの画面を乗っ取るような広告を表示する、詐欺的な金儲けの手法を含んだアプリだ。

セキュリティ会社のトレンドマイクロは、85種のアプリがGoogle Playからのべ800万回以上ダウンロードされているのを発見したと発表した。これらすべてのアプリは、すでにGoogle Playから削除されている。

たいていの場合、アドウェアはユーザーのデバイスで実行され、バックグラウンドでこっそりと広告を表示してクリックし、ユーザーが気付かないうちに広告収入を生み出す。研究者によると、今回見つかったアプリは特に厚かましく、巧妙なものだっという。

「ありふれたアドウェアとはちょっと違うものでした」と、トレンドマイクロのモバイル脅威対策エンジニアのEcular Xu氏は述べている。「表示された広告を閉じるのが難しいのはともかくとして、ユーザーの行動と時間ベースのトリガーを利用して、検出を回避する独自の手法を採用してたのです」。

Xu氏が発見したところによると、アプリは、いつインストールされたのかを記録すると、その後約30分間は休眠状態になる。その時間が経過すると、アプリは自身のアイコンを非表示にし、代わりにユーザーのホーム画面にショートカットを作成する。それによって、ユーザーが画面の「アンインストール」領域にショートカットをドラッグ&ドロップしても、アプリ自体は削除されないようにするのだという。

「これらは広告をフルスクリーンで表示します」とXu氏は説明する。「ユーザーは、広告を最初から最後まで観ないと、閉じてアプリに戻ることができないのです」。

アプリは、ロックが解除されると、ユーザーのホーム画面に広告を表示する。また、そのコードには、同じ広告が頻繁に表示され過ぎないよう、チェックする機能まで含まれているという。

さらに悪いことに、広告は攻撃者によってリモートで設定できるため、デフォルトの5分間隔よりも高い頻度で表示されることもある。

トレンドマイクロが提供したアプリのリストには、Super Selfie Camera、Cos Camera、Pop Camera、One Stroke Line Puzzleなどが含まれている。これらはいずれも、100万回程度ダウンロードされていた。

アプリをインストールしようとしたユーザーは、酷いレビューを見れば、それに気付くこともできたはず。多くのアプリには、星5つのレビューと同じくらいの数の星1つのレビューがあった。それらはポップアップ広告の嵐に不満を表明していたのだ。

Googleはいつものことながら、Google Playからアプリを削除したことを認めるだけで、それについて何もコメントしていない。

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画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Googleマップが歩行者のためのナビ「Live View」を拡張現実で実装

Googleマップの中で、歩く方向を教える拡張現実(Augmented Reality、AR)をGoogle(グーグル)はベータ版として提供中だ。

一般公開後には、システムがARをサポートしているiOSとAndroidデバイスで利用できる。iOSならARKit対応デバイス、AndroidならGoogleのARcoreをサポートしているデバイスだ。そしてもちろん、今自分が歩いているところのGoogleストリートビューがGoogleマップ上にある地域でなければならない。

今年の初めに発表されたGoogleマップの拡張現実機能は、Google PixelのユーザーとGoogle Maps Local Guidesにアルファ版として提供されていた。しかし今日からは公開ベータという状態になるから誰でも試せる。ただし全体的な展開には2週間ぐらいかかるから、今日やってみてだめだったという人もいるはず。TechCrunchは3月にいくつかの機能をご紹介したが、今回のバージョンもそれと同じようだ。マップの中で近くの行き先をタップして、次に「Directions」ボタンをタップ、「Walking」へ行って画面下の「Live View」をタップする。

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このLive View機能は、ユーザーがスマホを持って歩けばその一歩一歩をガイドしてくれるものではない。むしろ、上図でおわかりのように、目の前の本物の街路の画像の上にARで大きな矢印と読みやすい街路標識をオーバレイで表示することで、どっちへ行けばいいかがわかる。簡単でとても便利だ。これなら、初めて訪れた見知らぬ町でも間違いなく目的地にたどり着けるだろう。

今回Googleマップには、そのほかのアップグレードもいろいろあり、例えば「Reservations」タブは飛行機やホテルなどの予約をすべて1カ所にまとめてオフラインで保存する。これと、これまでAndroidだけだったタイムラインのデザイン変更は、今後の数週間で展開されるだろう。これらは正規のアップグレードであり、ベータではない。

関連記事: Google Travel adds flight price notifications and a limited time flight price guarantee(Google Travelに時間制限付きお買い得航空券通知機能が登場、未訳)

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音声通話できない状況での緊急時連絡機能を米国でAndroidに導入

Googleが米国時間8月1日、災害時などに音声による連絡ができなくても対話できる機能をPixelやそのほかのAndroidデバイスに導入した。怪我などで声を出すと危険な状況や、発話機能に障害のある人が、タッチメニューでコミュニケーションできる。

この緊急通話を開始すると、火災、医療、警察などの状況やニーズを伝えることができる。これらの情報はオペレーターに伝わるので、通話者は話せなくてもよい。位置もGPSから伝わるので、自分が具体的なアドレスを知らなくてもよい。

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メニューの情報は電話機上にローカルに保存され、すべての情報の守秘性が、オペレーター以外に対して保たれる。また可能なら、情報入力後にはオペレーターとは直接に話せる。

この機能は、National Emergency Number Association(全国緊急番号協会)とのコラボレーションで作られた。数か月以内に米国のPixelと一部のAndroidデバイスにやってくる。

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あの懐かしいDoomシリーズがSwitchとXbox OneとPS4に登場

週末に何をして過ごそうか悩んだりするだろうか?もうその心配はいらない。Doomが、さらにDoom IIとDoom 3もが、Switch、Xbox One、そしてPS4でプレイ可能となったからだ。これらのクラシックゲームをプレイしない理由はない。いつまでも、何度でもやりまくれ!

これらのゲームの再登場は、QuakeCon 2019で発表された。id Software(イド・ソフトウェア)が、年に1回、通常は最新作を披露する、同社のゲームのコアなファンの集いだ。この場合、披露したのは最新作ではなく、最古作だった。

オリジナルのDoomと続編のDoom IIは、それぞれ価格は5ドル(約540円)。いずれも古き良き時代の楽しさを、何十時間も味あわせてくれるだろう。久しぶりにプレイしてみると、レベルのデザインは眼を見張るようだ。DishonoredシリーズやDivision 2などに比べれば単純だが、ゲームプレイもエレガントで、丹念に調整されたものであることがわかる。そして、プレイしていて今でも怖くなるのは、すごいことだ。

もう何十年もプレイする機会がなかったので、だいぶ忘れてしまっているかもしれない。でも、PCプレーヤー用の無料のマップが、まだいくらでも見つかるはずだ。どれかのゲーム機を、いつものようにサラウンドシステムと大きなスクリーンにつないで、Doomをプレイしてみよう。そうした不朽のクラシックゲームをプレイできる状態にしておくことに、少なくとも10ドル以上の価値があると納得できるはずだ。

画面を4分割して対戦プレイや協力プレイができるという機能もしっかりと再現されている。これも、かなり懐かしく感じられるのではないだろうか。

Doom 3に関しては、当時リークされたアルファ版をプレイしていたことを、はっきりと思い出す。それだけでも、むちゃくちゃ怖かったので、本物のゲームをやりたくないと思ったくらいだ。当時としては、非常に進歩したグラフィックを実現していた。あえて採用したわざとらしいライティングは、今見てもクールだ。もちろん、別の言い方をすれば古臭いのだが。

これを今でもプレイする価値があるかって?10ドル(約1086円)出して自分で確かめよう。

DoomとDoom IIには、正式なiOS版、Android版も登場する(日本向けApp Storeでは、現時点ではDoomのみだが、すでに600円で配信されている)。驚くべきことに、これらは1990年代に登場したオリジナル版のほぼ10倍の解像度で動作する。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleのFast Pairヘッドフォンに紛失したら見つけてくれる機能が加わる

ちょっと前のGoogle I/Oで紹介されたFast Pairは、ポストAirPodsのヘッドフォンシーンに食い込もうとするGoogleの努力だった。機能の多くは本家Apple(アップル)と似ていたが、Googleには1つだけ強みがあった。それは、サードパーティハードウェアのサポートだ。Android OSと同じく同社は、Fast Pairをできるかぎり多くのメーカーに持ち込みたかった。

そのリストに今載っているのは、Libratone、Jaybird、JBL(4機種)、Cleer、LG(4機種)、Anker(ヘッドフォンとスピーカー)、そしてもちろんGoogle自身のPixel Budsだ。今週同社は、今度のFast Pairヘッドフォンの新しい重要機能をいくつか発表した。

関連記事:A disappointing debut for Google’s Pixel Buds(Pixel Budsが出たけどがっかりした、未訳)

まず新しい機能といえば、Find My Deviceだ。紛失したヘッドセットを見つけてくれる。このアプリは、最後に使った場所と時間を教えてくれる。そしてBluetoothの圏内なら、ヘッドフォンがチャイムを鳴らす。

また、電池寿命がヘッドフォンとケースで別々になった。ペアしているハンドセットの近くでケースを開くと、その情報がポップアップする。上記の機能はすべて、現在その機能のあるおよそ15種のヘッドフォンにやってくる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ビル・ゲイツが「生涯最大級の失敗」を語る

ベンチャーキャピタルのVillage Globalが最近主催した創業者向けイベントで、著名な投資家であるBill Gates(ビル・ゲイツ)氏が、Eventriteの共同ファウンダーでCEOであるJulia Hartz(ジュリア・ハーツ)氏と対談し、企業の設立について、繁栄する企業を作って維持するためにはあらゆる場面で困難な決断に遭遇すると語った。

ハーツ氏はゲイツ氏に、ワークライフバランスに対する彼の考えについて、ゲイツ氏がかつて発言した「休暇が必要だとは思わない」という考えから変化があったかどうかを尋ねた。

ゲイツ氏の短い答えは、企業の初期段階では必要ない、特にソフトウェアプラットフォームを作っているときは、だった。ゲイツ氏はハーツ氏に、「私は、創業時には大きな犠牲を払うべきだという信念をかなり強く持っている。実現の可能性、すなわちプロジェクトが成功する確証を得るための技術的作業をしているときは特にそうだ」と語った。

実際ゲイツ氏は、目をそらしていたためにGoogleがAndroidを開発することを許してしまったことを今も悔やんでいる。それを「非Appleの標準プラットフォーム」と彼は呼び、「あれはMicrosoftが勝って当然のものだった」と言った。

対談の全容は下のビデオにあるが、仕事にすべてを捧げることの価値と初期段階のファウンダーがバランスを重視すべきかどうかに関する彼の回答を以下に引用した。

猛烈に働くことを礼賛しすぎたり神話化しすぎるということはあるかもしれない。私に関して言えば、私が週末の存在を信じていなかったのは本当だ。休暇の存在も信じていなかった。私は全員のナンバープレートを覚えていたので、先月誰の車が駐車場に出入りしたかを知っていた。誰にもこれを勧めないし、誰もが喜んでできることではないだろう。

30代になったとき、どうしてあんなことができたか自分でも想像できなかった。その頃から自然な行動をするようになり週末が大好きになったからだ。あと、そう、ガールフレンドは休暇が大好きだった。結果的にそれはすてきなことだった。今はたくさん休暇をとっている。二十歳の私は今の私にうんざりしている。飛行機はエコノミークラスしか使わなかったが、今は自家用機を持っている。

しかし、最初の何年かは仕事に対して熱狂的なチームであるのは良いことだし、いつまでそれを続けるかについては共通の理解が必要だ。人によって求めるものが違ってはいけない。

中には、健康や家族の事情を抱えるてい人もいるだろう。しかし私は、創業時には大きな犠牲を払うべきだという信念をかなり強く持っている。実現の可能性を確かめるための技術開発をしているときは特にそうだ。

知っての通りソフトウェアの世界、特にプラットフォームは、勝者総取りの市場だ。最大の失敗は、私の何らかの経営判断ミスが原因でMicrosoftがAndroidの立場になれなかったことだ。Androidは標準非Appleプラットフォームであり、Microsoftが勝つのが当然だった。

それはまさに勝者総取りだ。非Appleのオペレーティングシステムの座席は正確に1つだけだ。あの4000億ドル(約43兆円)は、G(Google)社ではなくM(Microsoft)社に行くはずだった。

私が驚いているのは、生涯最大の失敗をして、しかもあんな反トラスト訴訟を抱えながら、われわれの財産、つまりWindowsとOfficeが今も非常に強いということだ。もし、あれもうまくやっていれば、Microsoftは「ザ」カンパニーになっていただろう。しかし、まあしかたがない。

つまり、小さな違いが大きな違いに拡大する、という事情が当てはまるビジネスはそう多くない。たとえば、サービスビジネスには当てはまらない。しかし、ソフトウェアプラットフォームでは、本当に巨大だ。これは、毎晩「自分は大失敗するんじゃないか?」と心配するメンタリティーのせいでもある。そして、結局我々は超重要なもので大失敗してしまった」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Playの子供向けアプリのポリシーがFTCの告発を受けて改定

Googleは米国時間5月29日の朝、新しいデベロッパー向けのポリシーを発表した。Google Playで子供向けのアプリを探す子供や家族を、手厚く保護することを目的としたものだ。今回改定されたポリシーでは、デベロッパーは、子供を対象とするアプリに必要なすべてのポリシーと、当局による規制要件を満たしていることを保証しなければならない。アプリのコンテンツ、広告、および個人を特定できる情報の取り扱いなどが対象となる。

まずはじめに、デベロッパーはアプリの対象ユーザーとして子供が含まれるのかどうかを明確にする必要がある。もしそうでないのなら、アプリが意図せずに子供の目に触れることのないようにしなければならない。Googleも個々のアプリのマーケティング状況を再確認し、そのアプリがどちらに該当するのかをチェックして、必要であればデベロッパーに変更を求める。

また、子供を対象とするアプリは、個人を特定できる情報の中身と、その取り扱いに関するポリシー要件を満たさなければならない。これについては、もともとルールを遵守してきたデベロッパーにとって、何も新しいことはないはずだ。Googleは、「ファミリー向け」プログラムの一環として、もう何年も前から子供の安全を考慮したアプリに関するポリシーを制定している。また国ごとに、子供に関するデータを収集する際に守るべき法規は前からある。

さらに、子供向けのアプリを開発しているデベロッパーは、Googleのファミリー向けポリシーに準拠していることが認定された広告ネットワークからのもの以外の広告を配信してはならない。

こうしたポリシーをくまなく適用するため、Google Play Console上で、新しい対象ユーザーとコンテンツのセクションの記述を完成させることを、Googleは今やすべてのデベロッパーに求めている。そこでは、アプリに関する詳細を記述する必要がある。もし子供がターゲットに含まれるとした場合には、対応するポリシーが提示される。

Googleは、こうした情報に、アプリのマーケティング資料を加味してアプリを分類し、3種類のターゲットグループに応じたポリシーを適用する。つまり、子供、子供と大人、大人の3つだ。「子供」の定義は国によって異なる可能性があるので、デベロッパーは、各アプリがGoogle Playに表示される国ごとに、年齢によって課せられる制限を確認しておかなければならない。

デベロッパーは、Google Play Consoleに必要な情報を確実に入力するとともに、改定されたポリシーに準拠するよう対処しなければならない。期限は2019年の9月1日と定められた。

Googleは、子供と家族に「安全で有益な環境」を提供することに全力で取り組んでいるとしている。そのため、今回の変更を発表したのだと。

しかし、この変更は、むしろ昨年12月に提出されたFTCへの告発に対応したものと考えられる。その告発は、合計22の消費者および公衆衛生擁護団体の連盟が参加し、CCFC(コマーシャルフリーの幼年期キャンペーン)と、CDD(デジタル民主主義センター)によって主導されたもので、Google Play上の子供向けアプリを調査することを要求している。

こうした団体は、Google Playのファミリーセクションに掲載されているアプリやゲームが、米国の子供のプライバシーに関する法律、COPPAに準拠しているかどうか、Googleは検証を怠っていると主張していた。

彼らはまた、多くの「キッズ向け」とされているアプリの振る舞いがよろしくないことも指摘した。たとえば、途中で終了するのが難しい広告や、ゲームを続けるためには嫌でも見なければならない広告を表示するようなものがある。アプリの中には、子供にアプリ内購入を迫るものや、アルコールやギャンブルに関する広告を表示するものもある。他にも、有害な行動を助長するモデルとなりそうなもの、性的な画像を表示するものがあることなどを、グループは規制当局に訴えていた。

そうした違反行為が、網の目から漏れてしまっていたのは遠い過去の話となっている。データ保護とプライバシーに焦点を当てたEUのGDPRのような法律を盾にした、規制当局によるオンライン業界全体に対する監視の強化によるものだ。FTCは、必要に応じて積極的に行動を起こすようになっている。最近では、TikTokがCOPPAに違反したとして、記録的な額の罰金を科している。

対象とするユーザーとコンテンツを設定するセクションは、すでにGoogle Play Consoleに設けられている。また、新しいポリシーに関するドキュメント、デベロッパーガイドオンラインのトレーニングも用意されている。さらにGoogleによれば、Google Playのアプリレビューに関するコミュニケーションと、審査に対する抗議に対応するための人員を増やしたという。それによって、デベロッパーが、指摘された変更について理解し、素早く判断できるよう補佐するとのこと。

【米国東部標準時2019/05/29 16:30追記】
Googleの発表を受けて、FTCの告発を主導したCCFC(コマーシャルフリーの幼年期キャンペーン)は、以下のような声明を発表した。

「私たちの連合の主張が、Play Storeの子供向けアプリが抱える大きな問題に対してGoogleを目覚めさせることになったのは素晴らしいことです」と、CCFCのディレクター、Josh Golin氏は述べた。「ただ残念ながら、今回の変更には実効性のあるものはそれほど含まれていません。Googleは、独自のポリシーを施行するための真の一歩を踏み出す代わりに、コンプライアンスに対する責任を、相変わらずデベロッパーに転嫁しようとしていることが懸念されます」。

「さらに言えば、自分たちのアプリが子供向けではないフリをして自らの法的責任を回避しようとしているデベロッパーを、もしGoogleが真剣に取り締まるつもりなら、まず自らの姿を鏡に写して見ることから始めるべきでしょう。YouTubeは、毎日、大々的にCOPPAに違反しています。Googleの、このサイトは13歳以上を対象にしている、という言い訳には笑うしかありません」と、彼は付け加えた。

画像クレジット:Christopher Winton-Stahle/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アドビが動画編集アプリPremiere RushをAndroid向けにリリース

2018年後半、Adobe(アドビ)は「Premiere Pro」(プレミアプロ) と 「Adobe Audition」(アドビオーディション) をコンパクトにまとめた、オールインワンの最新動画編集ツール 「Premiere Rush」をリリースした。当時はiOSとmacOS、Windowsにしか対応していなかったが、今回ついにAndroid版がリリースされた。

ただし、アプリはSamsung(サムスン)の「Galaxy S9」や「Galaxy S10」、そしてGoogle(グーグル)の「Pixel 2」や「Pixel 3」、そして「OnePlus 6T」といった、かなり新しいスマートフォンでしか動作しない。

Premiere Rushの背景にあるアイデアは、Premiere Proのような複雑なツールを熟知していなくても、動画を作成するのに必要なすべてのツールを、熱心なユーザーや動画をすぐに公開する必要があるYouTubeユーザーに提供するというものだ。アプリはプロ向けの製品と同じ技術がベースとなっており、ずっと簡単に使える。つまり柔軟性を失う代わりに、効率性を得るのだ。

Premiere Rushの試用は無料だが、その「Starter Plan」では3つのプロジェクトしかエクスポートできない。フルアクセスにはアドビのCreative Cloudを購読するか、Premiere Rushにアクセスする月額9.99ドルのプランを購入する必要があり、またチームとエンタープライズ向けにはそれぞれ月額19.99ドルと月額29.99ドルにて提供される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Googleのファーウェイ制裁参加で欧州にショック拡大中、脱米模索も

米中貿易戦争は大きくエスカレートしつつある。中国を代表するテクノロジー企業、Huawei(ファーウェイ)に対し、Google(グーグル)がハード・ソフトの新規移転を停止したことはヨーロッパにもショックを広げている。ヨーロッパのテクノロジー企業もファーウェイと絶縁しないかぎり米国の禁輸ブラックリストに掲載される可能性が出てきた。

Reuters(ロイター)の報道によれば、米国時間5月20日、ヨーロッパの大手半導体メーカーであるInfineon Technologies、AMS、STMicroelectronicsの株価が急落した。 これらの企業はアメリリカが同国企業に対し、ファーウェイとの取引を禁止する行政命令を出したことを受けて、ファーウェイへの出荷をすでに停止したか、近く停止するという。

ハイテク分野のサプライチェーンは複雑にからみあっており、テクノロジーでは米国が優れているが、ヨーロッパではファーウェイがモバイル、ITネットワークのコンポネント供給者として地歩を築いていた。米国の厳しい禁輸措置により、EUのテクノロジー企業は大小を問わず政治的な戦いに巻き込まれることとなった。

たとえば、小さな会社ではあるが、フランスのスタートアップであるQwantがそうだ。 同社はプライバシーを優先した検索エンジンでDukDukGoとともにグーグルに対抗しようと試みていた。EUが反トラスト行為の疑いでグーグルのAndroidに制裁を課して以来、同社はグーグル以外の検索エンジンとしてヨーロッパで販売される有力スマートフォンにデフォールトで搭載されることを狙っていた。

その最初の大型パートナーがファーウェイだった。Qwantには、米中貿易戦争の激化以前に、EUのAndroidライセンスの見直しによる値下げに関連して価格面で逆風が吹いていた。そうではあっても米中貿易戦争の激化はスマートフォンのサービスのあり方を見直し、公平な競争条件をを構築しようとするEUの努力を無にする深刻な危険がある。

Googleのファーウェイへのテクノロジー移転の中止がきっかけとなってAndroidに用いられるコンポネントの供給が全面的に停止されるようなことがあれば間違いなくそうなるとロイターは観測している。

スマートフォンにおけるEUの反トラスト措置の核心はAndroidデバイスとグーグルのポピュラーなアプリをアンバンドルすることだ。これによりスマートフォンメーカーはグーグルのブランドを維持したまま完全にグーグルの支配下にあるのではないデバイスを販売できる。例えば、Playストアをプレロードするものの、デフォールトの検索エンジンやブラウザにグーグル以外のプロダクトを設定するなどだ。

しかしグーグルが(現行モデルでは継続されるとしても)ファーウェイに新しいAndroid OSやGoogle Playストアを提供しないとなれば、こうした構想は崩れてしまう。ロイターの報道に対するグーグルのコメントでは、まだ詳細は決定されていないようだ。広報担当者は以下のように述べている。

グーグルは(大統領の)行政命令を遵守するため、今後の行動を慎重に検討している。われわれのサービスのユーザーを保護するため、Google PlayとGoogle Play Protectによるセキュリティーは既存のファーウェイ端末に対して引き続き提供される。

これに対し、Qwantの共同ファウンダーでCEOのEric Léandri氏は、我々の取材に答えて「Googleは過剰反応している」として次のうように述べた。

トランプ大統領が正確にどういうことを言ったのか知りたい。グーグルは過剰反応しているのではないか。私は驚いている。(大統領命令は)そこまで要求しているようには思えない。。

ファーウェイがブラックリストに載せられるのであれば、他の中国企業はどうなる?ヨーロッパで販売されるスマートフォンの60%前後は中国から来ている。ファーウェイかZTEだ。OnePlus(ワンプラス)やその他、ポピュラーなスマートフォンはすべて同じ(米国による制裁の)リスクを負うことになる。

Nokia(ノキア)のような市場占有率の低いスマートフォンも中国の大手企業との提携で製造されている。つまり我々は(Androidという)単一のOSに頼るべきではない。Google PlayストアはGoogle検索と同じくらいスマートフォンにとっては重要だ。(略)

Léandriは「Qwantはファーウェイの対応を注視している。ファーウェイは独自のアプリストアを搭載したデバイスをヨーロッパで提供することにあるかもしれない」と述べた。

TechchCrunchの取材に対し、EU欧州委員会のデジタル単一市場の広報担当者はサイバーセキュリティーを強化したもののファーウェイ制裁を見送ったときの声明を繰り返し「EUメンバー諸国は国家安全保障に有害と認められたならば、そうした企業を市場から排除する権利を有する」と付け加えた。

またロイターの報道によれば、ドイツの経済相は米国のファーウェイ制裁がドイツ企業に与える影響の調査を始めたという。

米国の対中経済制裁の影響は広汎かつ深刻だが、Jollaのようなスタートアップには追い風になるかもしれない。同社はSailfishというヨーロッパ独自のAndroid代替OSを開発している。(略)米中の緊張が高まるにつれ、こうしたヨーロッパ独自の規格はリスク分散の手段として注目されるかもしれない。

画像:J. Scott Applewhite

(日本版アップデート)アメリカ政府はFuaweiに対する制裁措置を一時的に緩和するという。これはすでにライセンスされた技術については期限つきで利用を認めるというもので、Googleもこれに沿った声明を発表している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Androidのユーザー数は25億

GoogleのデベロッパーカンファレンスI/Oで米国時間5月7日、今やAndroidが25億あまりのデバイスを動かしていると発表された。それは2年前(2017年)の発表では20億だった。

これはAndroidの全体的な成長ペースが鈍っていないことを意味しているが、加速はしていない。2015年9月から2017年5月までの間に世界のAndroidデバイスは約4億増えたが、さらに5億台増えるために、同じく2年を要している。

でも過去2年間では、Androidが最も人気の高いモバイルオペレーティングシステムであり続けた。この間にGoogleは、Mozillaの失敗作Firefox OSから派生したKaiOSに投資したが、Google I/Oでその名前が聞かれることはない。でもGoogleが今すでに市場として十分に意識している開発途上国でインターネットのユーザーが増えれば、このような軽量オペレーティングシステムがますます重視されてくるだろう。

関連記事(2017年): Androidの月間アクティブユーザーは20億人、Googleフォトは5億人

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Androidアプリはアップデートを各ユーザーに強制できる

半年前のAndroid Dev SummitでGoogleは、アプリのデベロッパーがユーザーに、新しい機能や重要なバグフィックスなどのアップデートを強制する方法を発表した。でも、その機能をデベロッパーが実際に利用できるのは、なんと米国時間5月7日のGoogle I/Oからだ。これまではGoogleのごく一部のパートナーが使えるだけだった。

さらにまた、Googleの動的アップデート機能も本日でベータを終える。この機能を使うと、アプリを構成する一部のモジュールを後からプッシュできるので、最初のインストール時のファイルサイズを小さくできる。

Androidのチーフアドボケイト(Chief Advocate)であるChet Haase氏はこう語る。「これまでは、自動更新を利用したり、ユーザーがPlay Storeにわざわざ行ってアップデートを確認したり、デベロッパーがユーザーに通知したり、という方法しかなかった。しかし、セキュリティや決済などの問題ですべてのユーザーに早急にアップデートしてほしいときは、どうするか?」。

今度の新しい機能はInline Updatesと呼ばれ、デベロッパーが新しいAPIにアクセスしてユーザーにアップデートを強制する。強制の方法は、ユーザーが今やってることをブロックする全画面のメッセージを出したり、バックグラウンドでアップデートを強制インストールしたり、ダウンロードが完了したらそのアプリをリスタートしたり、デベロッパーが独自に作ったカスタムのアップデートフローを使ったりする。

関連記事: Android developers can now force users to update their apps(Androidデベロッパーはアプリのアップデートをユーザーに強制できる、未訳)

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleがAndroid Automotive OSをSpotifyなどメディアデベロッパーに一般公開

Googleは、自動車のインフォテインメントシステムのために音楽などのエンターテインメントアプリを開発するデベロッパーに、同社のAndroid Automotiveオペレーティングシステムを一般公開する。その手始めの車種は、VolvoのEV子会社PolestarのPolestar 2だ。

Googleの水曜日(米国時間5/1)の発表によると、5月7日に始まる同社のデベロッパーカンファレンスGoogle I/O 2019以降、メディアアプリのデベロッパーはAndroid Automotive OSとPolestar 2向けのエンターテインメント体験を制作できる。

GoogleはSpotifyやそのほかのエンターテインメントサイトなど、メディアアプリのデベロッパーたちと作業を開始しているが、同社はそんな関係をナビゲーションなどそのほかのカテゴリーのアプリにも広げていく計画だ。Android Automotiveのプロダクト担当Haris Ramicが、本誌のインタビューでそう語った。

Android Automotive OSとAndroid Autoは同じものではない。後者はAndroidオペレーティングシステムの上で動く、ナビなどのインタフェイスアプリだ。Android Automotive OSもLinuxの上で動くオープンソースのモバイルオペレーティングシステムAndroidをモデルにしているが、スマートフォンやタブレットの上で動くのではなく、Googleの改造により車の中で使用する。

Polestarは2月に、同社の初めての全電動車、5ドアのファストバックPolestar 2を、ジュネーブのモーターショーに先駆けて発表した。この車のインフォテインメントシステムはAndroid Automotive OSを使っているから、GoogleアシスタントやGoogleマップ、Google Play StoreなどGoogleのサービスを車上で使える。

Ramicによると、ジュネーブで見せたシステムは改良されていてGoogle Mapsがアップデートされているほか、メディアセンターではSpotify、NPR、YouTube Musicなどのサードパーティーアプリケーションが車上でよりシームレスに機能する。これらのアプリケーションは、2020年に中国の成都工場で量産が始まったときにはすでに含まれている。最初の対象市場は、中国と米国とカナダのほか、ベルギー、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、英国などヨーロッパの一部の国も含まれる。

Polestarの親会社Volvo(ボルボ)は2017年に車のインフォテインメントシステムにおけるAndroid OSの使用を発表し、その1年後に音声制御のGoogleアシスタントやGoogle Play Store、GoogleマップなどGoogleのサービスを次世代のSensusインフォテインメントシステムlvoに組み込む、と言った。

Fiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は米国時間4月30日に、HarmanとGoogleの技術を利用してそのコネクティッドカーサービスを構築すると発表した。GoogleのAndroid Automotive OSが、FCAのUconnectインフォテインメントシステムの次のバージョンで使われる。またサムスン傘下HarmaのIgniteクラウドプラットホームが、車外のサービスを扱う。

Renault-Nissan-Mitsubishi Alliance(ルノー・日産・三菱アライアンス)もAndroid Automotive OSを採用する計画を公表しており、Ramicによると、ほかにもGoogleがまだ公表できない自動車メーカーに同様の計画がある。

Ramicは、「関心はきわめて高い」と言う。Googleの技術を利用する価値を検討したい、と同社を来訪する企業は日増しに増えているそうだ。

従来、自動車メーカーは車からGoogleを排除する守勢を維持してきたが、それが変わってきた。その排除的守勢ではスマートフォンと車載インフォテインメントシステムの能力的格差が広がるばかりなので、自動車メーカーも最近はGoogleに積極対応するようになっている。

画像クレジット: Google/Polestar

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ネイティブアプリ開発者は絶滅危惧種なのか?

最近ちょっとおもしろいことに気づいた。5年ほど前なら、新たな仕事で頼りになるiOSの経験豊かな熟練開発者は、少なくとも金の卵を生むユニコーン企業と同じくらいには簡単に見つけることができた。それが2年前になると、そんな人を見つけ出すのはかなり難しくなった。そして今年は?もしかすると、ランダムなノイズのようなものかもしれないが、今年はそのあたりにいることはいるようだ。あれこれ考えてみると、それも単なる偶然ではないように思えてくる。

App Annieの「State of Mobile 2019」は、「モバイルの成熟」について遠回しに触れている。それは、特定の市場で年間のダウンロード数が横ばいになるような状態のことだ。その報告によれば、米国はその状態に達しているという。米国市場でのアプリのダウンロード数は、2016年から2018年にかけて、5%の微増に留まっている。ただし、アプリから得られる収益は、同じ期間にアプリストア上で70%も増加している。これは注目すべき点だ。

その一方で、iOSのApp Storeのアプリ数は、過去2年間でほぼ横ばいとなっている。これには、Apple(アップル)の承認基準が厳しくなったことの影響もある。それを含めても、収益の増加は注目に値する。

さらにその一方で、非ネイティブでクロスプラットフォームのアプリ開発フレームワークに対する人気が高まっているという事実もある。「マイクロソフトのiOSおよびAndroidアプリの中身をスキャンしてみた。その中で、Word、Excel、Xbox、その他もろもろ38本ものアプリが、最近のアップデートでReact Nativeを利用するようになったことを発見した」と、AppFiguresは報告している。そして「昨年の1年で、React Nativeの利用はほぼ倍増した」という。

聞くところによると、多くのクライアントが、単純なものも、そうでないものも、React Nativeを使ったクロスプラットフォームのアプリ開発にますます興味を持つようになっているという。私は、この動きが必ずしも望ましいものではないと考えている。それについては、数カ月前のExtraCrunchに、こうした判断とそのメリット、デメリットについて書いた通りだ。それでも、Cordova/Ionicに比べれば、まだ少しはまともな選択だろう。そちらについては、ここ数年、何度もひどい経験をさせられてきた。そして、ゆっくりながら確実にPWAが勃興しつつある。

アプリのブームは終わったのだろうか?今日の熟練したネイティブアプリ開発者は、明日にはCOBOLプログラマーのような時代遅れになってしまうのだろうか?もちろん、それほど速い変化ではないだろう。ネイティブの開発ツールや技術も、最近大幅に進化してきた。例えば「SwiftのほうがObjective-Cよりだんぜんいい」と感じていないような人には会ったことがない。

Kotlinはさらに新しいが、Androidアプリ開発にとってはiOSにとってのSwiftと似たような立場にある。そして、いわゆる「ロングテール」の新規アプリ開発が成長し続けているのも確かだ。大規模な消費者や企業向けを対象にするのではなく、かなり的を絞ったビジネス分野向けに開発され、アップデートされるアプリのことだ。

とはいえ、特定分野のアプリ開発だけで生計を立てようとすることには、まだ少し不安もある。特にデベロッパーとしてのキャリアが浅いうちはなおさらだろう。それは、その市場が消えてしまうかもしれなからではない。スマホでしか利用できない、ずば抜けた新技術(例えばARなど)を除外してしまうことになるかもしれないからだ。これまでのような、絶え間のない成長と増え続ける需要は、米国のように成熟した市場では、近い将来には失われているだろう。まだいくらかの成長はあるだろうが、その分は、非ネイティブ開発の増加によって吸収されてしまう。

つまり、App Storeが登場して以来初めて、ネイティブアプリ開発者に対する需要が減少し始めるような未来を、少なくとも想像することが可能となっている。もちろん、それだけが確実な未来というわけではない。それが社会通念になっているというのでもない。5月のGoogle I/Oに群がるAndroidデベロッパーや、6月にWWDCに押し寄せるiOSデベロッパーにも聞いてみるべきだろう。それでも念のため、バックアップ戦略を立てておく価値はあるのではないだろうか。

画像クレジット:Pixabay LicenseによるPixabay

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(翻訳:Fumihiko Shibata)