Voysisは各業界の専門知識を事前に訓練された音声AIを使いやすいAPIで提供し、音声AIのTwilioを目指す

peter-cahill-voysis-1

【抄訳】
音声による人工知能は、売上増や顧客体験の向上に寄与すると分かっていても、そのセットアップは容易ではない。そんな状況を変えようとするVoysisは、自然言語の入力を解析するAIプラットホームを提供し、eコマースやエンターテインメントなどさまざまな専門分野で効果的に音声入力を利用できるようにする。Voysis自身がSiriやAlexaになるのではなく、デベロッパーがユーザー企業のお店の優秀なアシスタントや、ビデオ店の頭の良い販売員を作る手助けをするのだ。

VoysisのファウンダーでCEOのPeter Cahillは次のように語る: “Voysisは完全な音声AIのプラットホーム〔それを構築するためのプラットホーム〕だ。それを利用すれば、企業やそのさまざまな事業部門が、顧客が音声やテキストでクェリできる独自の人工知能を、迅速に立ち上げることができる”。

つまり同社が目指すのは、浅くて汎用的な音声アシスタントではなくて、ユーザーが属する業界のドメインスペシフィックな(その分野固有の)知識を持った音声AIプラットホームだ。ユーザー企業やデベロッパーはそれを、同社が提供するAPIから利用し、セットアップ時間の短縮を図れる。音声AIを、ユーザー企業がそれをわざわざ訓練しなくても、単純に短時間でセットアップできることを、同社はあくまでも目指している。最初はとくに、eコマースの顧客対応インタフェイスの提供を目指しているが、今後はいろいろな業界や業態の業務知識や音声応答パターンを集積していくつもりだ。

【中略】

IBMのWatsonなどもドメインスペシフィックなAIを提供しようとしているが、PhDのCahillには大学の研究室でニューラルネットワークや音声認識と深くつき合った15年の履歴がある。Voysisは今回、 Polaris PartnersがリードするシリーズAのラウンドで800万ドルを調達したが、その主な用途は技術チームの増員(15名から倍の30名へ)と、ボストン支社の開設だ。ユーザー企業にとって、AIの訓練を自分でやらなくてよい、という敷居の低さも、Cahillの長年のAIに関するキャリアと相まって、同社の魅力になるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

位置情報のTwilioを目指すRadarがExpa Labsからローンチ、どんなアプリにも位置関連サービスを簡単に実装できる

radar

デベロッパーが自分のアプリケーションに利用できるAPIのプロバイダ、支払い決済ならStripeがあり、アナリティクス(アクセス分析)ならMixpanel、通信ならTwilioがある。でも、位置はどうだろう?

大丈夫。これからはRadarがある。

RadarのファウンダーNick PatrickとCoby BermanはともにFoursquare出身で、彼らは、人びとがFoursquareを必要としている以上に、いろんなアプリケーションが位置サービスを必要としていることを悟った。もちろんそれを、各デベロッパーがゼロから実装するのはたいへんすぎる。

Patrickは、お掃除のオンデマンドサービスHandyにいたときに、同社のお掃除スタッフが今どこにいるか、顧客に分かるようにいしたい、と思った。そういうバックエンドサービスがあれば実装は簡単なのだが、意外と、そんなAPIプロバイダがなかった。

そこでPatrickとBermanはRadar社を作り、そして同社は今日、インキュベータのExpa Labsを巣立った

Radarのユーザーとなったデベロッパーは、Radar SDKを簡単に統合して、ジオフェンス(仮想領域機能)や、場所への出・入りイベントの追跡など、位置関連の機能を実装できる。そして最終的には、彼/彼女のアプリケーションに位置機能があることによって、エンドユーザーの体験をより快適にできる。

  1. dashboard_users.png

  2. dashboard_geofences.png

Patrickによると、デベロッパーはRadarを使うことによって三つのプラスを手に入れる: ユーザーエンゲージメントの増加、売上〜収益の増加、そしてアプリケーションの操作性の向上。

たとえばTinderに位置機能があれば、お互い意気投合した同士が、相手がすぐ近くにいることを分かる。小売店がeコマースの機能を持ったとき、位置機能があれば、お店の近くのお客さん限定の売り出しを企画できる。またHandyやPostmatesのようなオンデマンド・サービスは、位置追跡機能を自分で作らなくても、Radarを統合すれば、サービスマン/ウーマンが今どこにいるかを、待っている顧客にリアルタイムで伝えられる。

“APIを作るときの最大の課題は、ありとあらゆるユースケースを想定して、それらすべてにエレガントに対応できるようにすることだ”、とPatrickは語る。

今日一般公開されたRadarには、試してみたいデベロッパーのための無料プランもある。またエンタープライズ向けのプランには、手取り足取りのサポートがつく。こちらの料金は、APIの使用量で決まる。

Radarに保存される位置データには、その位置の帰属者情報がもちろんつくが、前者と後者は物理的には別の場所にある。両者の対応関係は、ハッカーには分からない。したがって個人情報や企業の機密情報などが外部に漏れるおそれがない。

Radarは巣立ちにあたってExpa Labsから50万ドルの支度金をもらった。

Radarをここでチェックしてみよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

TwilioがSuper Networkの機能充実のために効率的なメッセージ配布技術を誇るBeepsendを買収

screen-shot-2017-02-07-at-2-47-14-pm

Twilioが四半期決算報告で、スウェーデンのSMSメッセージングサービスBeepsend買収した、と発表している。買収の目的は、Twilioのグローバル複数キャリア接続サービス/API、Twilio Super Networkの機能拡充のためだ。

買収の価額等は、公表されていない。

Beepsendの基本コンセプトは、“テキストメッセージはどれも同じではない”だ。そこでSMSメッセージのトラフィックを複数のセグメントに分割し、それらをプライオリティで分類することによって、費用効率を高める。たとえばテキストによるアラートは即対応を要するが、それほど時間条件が厳しくないトラフィックもある。そうやってメッセージの要求タイプを分類できることは、Twilioにとっても通信を効率化し、同社プラットホームの費用効率を上げることにつながる。

6月にTwilioのCEO Jeff Lawsonは、AmazonのAmazon Simple Notification ServiceによるSMSメッセージングは、Twilioが支えている、と発表した。つまりAmazonも、TwilioのメッセージングAPIのユーザーなのだ。

同社のブログ記事で、プロダクト担当のディレクターBenjamin Steinが、BeepsendのチームはTwilioに加わり、Twilioのプラットホーム上で、“SMSメッセージングトラフィックのセグメンテーションやルートモニタリング、アナリティクス”などの機能を強化していく、と述べている。

この買収によってわれわれは、われわれのネットワークリーチの幅と深さの両方を拡大し、顧客のメッセージングニーズにさらに多くのデリバリオプションを提供していく。さらにまた、これによって、グローバルな通信ネットワーク〔Twilio Super Network〕に、さらなる冗長性と強靭な自己回復力が加わる。この買収は、Twilioが毎日のように、顧客のための改良改善を継続していることの、ほんの一例にすぎない。

Beepsendの40名の社員はそのまま残り、会社そのものも従来どおり操業を続ける、とVentureBeatは報じている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

自動車保険も将来はAIになる…Liberty MutualがAPIポータルを開設

solaria-labs-api

Liberty Mutual Insurance傘下のテクノロジーインキュベーターSolaria Labsが、デベロッパーが同社のAPIにアクセスするためのポータルを作り、そこでは一般公開されているデータと独自の保険情報を併用して、ユーザーにより安全なルートを教えたり、万一の事故時の損害を見積もる。

そのAPIのAIは、事故後の修理費を見積もる。Liberty Mutual InnovationのアシスタントVP Ted Kwartlerがメールにこう書いている: “自動被害見積もりアプリのAIは、匿名化された請求写真で訓練されている”。ユーザーが事故に遭ったら、たとえば折れ曲がったフェンダーの写真を撮ってアプリにアップロードする。するとAIはそれを何千もの写真と比較して、それとよく似たパターンを見つけ、スマホを持って現場にいるユーザーに修理費の見積もりを伝える。

APIはまた、車の盗難、駐車情報、事故などに関する一般公開情報を集めて、ユーザーに安全なルートや駐車スペースを教える。さらに、独自の保険情報により、ユーザーにとってより役に立つ情報を提供する。“保険の専門知識と消費者情報を合わせて、利用できるサービスやデータの整理の仕方などをガイドする”、とKwartlerは述べる。

写真は匿名化されてAIの訓練に利用され、ルートを判断するために使うデータは一般的に公開されている。“Liberty Mutualは同社が集めた、個人を同定できるデータを、法律で定められた機関以外のサードパーティにシェアしない”、とKwartlerは付言している。

このAPIを使ってみたいデベロッパーはSolaria LabsのWebサイトで登録すれば、今後のアップデートも受け取れる。なお、APIの一般供用は数か月後からだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プリンターのように印刷ーーAPI型印刷クラウド「コーデンベルク」がリリース

codenberg

パソコンのボタン1つで、オフィスや自宅にあるプリンターから資料が印刷できる。それと同じくらい簡単に、本格的なデジタル印刷機で自社のチラシや販促物の印刷ができたら楽だろう。本日正式リリースしたAPI型印刷クラウドサービス「Codenberg(コーデンベルク)」が目指すのはまさにそのような世界だ。

フライデーナイトが手がける「コーデンベルク」は印刷工場と連携する印刷サービスだ。例えばチラシを印刷したい場合、コーデンベルクにデータを入稿し、用紙の種類や加工を指定して発注する。ダッシュボードからは、オフィスのプリンターさながら、現在印刷待ちや印刷中といった状況もリアルタイムで把握でき、これまでの印刷履歴も確認できる。dashboard

料金は印刷料と送料がかかる。月に100部まではサービス利用料はかからないが、それ以上利用する場合は月額プラン1万9800円に加入する必要がある。また、開発者向けにはAPIを提供している。企業やブランドは自社システムにAPIを組み込んで印刷の発注と管理を自動化することも可能だ。

チラシでも効果測定

コーデンベルク最大の特徴は、1部からでも印刷できる点だ。これにより例えば、チラシに1枚1枚個別のQRコードやクーポンコードを載せたり、各カスタマーにパーソナライズした販促物を作成したりすることができる。今まで印刷物では難しかったパッケージのA/Bテストや効果測定を行うことも可能になる。デジタルでは当たり前にできたことが、オフラインの印刷物でも簡単にできるようになるのだ。

通常印刷会社ではオフセット印刷を用いるため、このように柔軟な印刷のニーズに応えるのが難しかったとフライデーナイトで取締役CTOを務める木村俊範氏はTechCrunch Japanに話す。オフセット印刷では印刷の版を作成する必要があるため、手間と人件費がかかる。

フライデーナイトは佐賀県にある老舗の印刷会社サガシキと資本業務提携を行っていて、コーデンベルクの印刷はサガシキのデジタル印刷機で行っているという。デジタル印刷機では版を作成することなく印刷ができ、小ロットでの印刷が可能だ。ただ、印刷物は単に印刷して終わりではなく、製品として出荷するには、断裁したり、加工したりする必要がある。コーデンベルクでは、小ロットの印刷サービスを実現するために、印刷工場のラインを充実させることに力を入れているという。

フライデーナイトは、デザイン会社を経営していたCEOの長沼耕平氏とコンサルティング会社を経営していたCOOの中村直彦氏は2005年1月に立ち上げた会社。その後2016年7月よりコーデンベルクのベータ版を公開し、本日正式リリースに至った。

コーデンベルクでは今後チラシに加え、箱や冊子などの印刷物に対応していくとのこと。また小ロットごとの個別配送にも対応予定だという。

印刷工場には断裁、加工、組み立てなどの工程があるが、コーデンベルクは将来的に、そのような工場のリソースもネットワークでつなぎ、開放できるようにしたいと考えている。コーデンベルクはアマゾンAWSのようにリソースを割り振り、さまざまな人と印刷工場とがつながる世界の実現を目指している。

Google HangoutsのAPIが消滅へ、メッセージングに関するGoogleの無能の犠牲者

google-hangouts-api

顔に絵を描きたい? 電話会議でピンポンする? でもそんなアプリケーションはもう書けない。Googleが今日ひっそりと、HangoutsのAPIを閉鎖することを明かしたのだ。もう新しいアプリケーションを作ることはできないし、既存のアプリケーションは4月25日をもって、使えなくなる。それはGoogleのブログで発表されたのではなく、FAQのアップデートと、そのAPIを使っているデベロッパーへのメールによる通知で知らされた。本誌はデベロッパーの一人から、その話を聞いた。

このAPIでできることは、自撮り写真(セルフィー)に拡張現実(AR)でマスクをつけたり、あるいはScoot & Doodleアプリのようにポーリングや共同お絵かきをやること、などだ。でもGoogleが消費者向けビデオチャットにはDuoを推し、Hangoutsをエンタープライズ向けと位置づけたため、デベロッパーがいろんなことをできる自由度もなくなった。

メールはこう述べている:

“弊社のさらなる合理化努力の一環として、Google+ HangoutsのAPIを撤収し、今後デベロッパーは、Hangoutsを利用するビデオ会議を実装できなくなります。最初このAPIは、Google+の一部として、消費者向けソーシャル機能のサポートを意図していましたが、今ではHangoutsはエンタープライズのユースケースがメインになりつつあります。

弊社のプラットホームに開発努力を投資されたデベロッパーのみなさまにご迷惑をおかけすることは、十分理解しております。この変更については、慎重に検討いたしました。そして今回の措置によって、よりターゲットの絞られたHangoutsデスクトップビデオ体験を、今後ユーザーにご提供できるものと信じております。”

〔“よりターゲットの絞られた”とは、企業用、ということ。〕

FAQによると、例外として残るAPIは、DialPadやRingCentralからHangoutにダイヤルできる能力、Slackなどのエンタープライズチャットツールとの統合、そしてGoogle自身のHangouts on Airのツール(Toolbox, Control Room, Cameraman)だ。

google-hangout-api

Google Hangouts APIは、メッセージングアプリに関するGoogleの方針に一貫性がなかったことと、Hangoutsそのものをほったらかしにしていたことの、犠牲者だ。それは初めての完全なビデオチャットアプリのひとつであり、Snapchatがティーンの人気をさらったARによるセルフィーマスクも、Hangoutsが元祖だ。でも次々と、ばらばらに立ち上げるメッセージングアプリはすべてサイロ(silo, 孤立・閉鎖系)と化し、お互いの会話の行き来もできず、かくしてHangoutsが提供するGoogle+のソーシャルレイヤ(ソーシャル層)は、忘れられた存在になった。

こんどAPIが閉鎖されたことによって、それは、企業向けのビデオつき電話会議にすぎないものへと、さらに一歩近づいた。それはGoogleにとっては“合理化”かもしれないが、ユーザーはますます、Hangoutsに見向きもしなくなるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビデオのTwilioを目指すSynqが高度なビデオAPIを提供、既存のビデオプラットホームに不満なデベロッパーにも

synq_logo_office

あなたがこれから作るアプリには、ユーザーがビデオをアップロードしたり、保存したり、再生する機能が必要だ。しかしビデオコンテンツの管理システムを自分で作るのも、既存のシステムのライセンスを買うのも、ちょっとたいへんすぎる。そんなときは、Synqに第三のオプションがある。同社は、“デベロッパーのためのビデオAPI”をクラウドから提供するサービスを、今日(米国時間11/29)立ち上げた。ビデオのための完全なインフラストラクチャを、ワンセットで提供することをねらっている。

特殊なニーズがないかぎり、デベロッパーが自分で作らずに済むための、補助的機能のサービスは、今やいろいろある。電話機能ならTwilioだし、支払い決済はStripeやPayPal、Squareなどを使える。アプリ内のアナリティクスともなると、APIプロバイダーは枚挙に暇(いとま)がない

同社は自分のことを、ビデオのためのTwilioだ、と言う。今ではTwilioにもビデオはあるけど、でもそれは、Synqが考えているようなのとは、違う。

デベロッパーが自分のアプリにビデオを容易に実装できるようにする

SynqのCEOでファウンダーのStian Haugeは、デベロッパーが自分のアプリケーションの中でビデオを使うのが難しすぎる、と嘆き、“ビデオってヘンなやつだからね”、と言う。“だからうちのプラットホームは、デベロッパーが今相手にしている既存のインフラストラクチャが何であっても、その上で高度なビデオ機能を実装できるための、十分な柔軟性を提供する。またそれと同時に彼らが、ARやVR、機械学習などにも取り組めるようにしていく”、とサービスの概要と抱負を語る。

そのプロダクトには複数のコンテンツ・デリバリ・ネットワーク(CDN)が含まれ、Haugeは、ビデオのデリバリのスピードと料金ではAkamaiやCloudFrontなどとも十分競合できる、と言う。

でも、VimeoBrightcoveKalturaのようなプラットホームが今やたくさんあるから、それらを利用する方が簡単では?

“たしかに既存のビデオプラットホームはストレージとトランスコードと配布は面倒見てくれる”、とHaugeも認める。しかしアプリケーションが必要とするビデオ機能が、それだけでは済まない場合も多い。“たとえば彼らには、十分なカスタマイズの機能がない。データ構造にも柔軟性がない。標準的なワークフローと限定的なAPIを提供しているだけだ”。

“Synqは逆に、デベロッパーがやりたいことをあくまでも優先する。だからうちのAPIなら、プログラマブルなクェリやWebhookも実装できる”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

イスラエル出身の18歳が350万ドルを調達し、世の中の公開APIを使いやすくする

rapidapi-iddogino-ceo

サンフランシスコを拠点とする設立2年目のスタートアップRapidAPIが、シードファンディングで350万ドルを調達した。同社は開発者がアプリケーションに取り込みたいと思う多くのAPIを発見し、テストし、そして管理することを可能にする。ラウンドは、Andreessen HorowitzのMartin Casadoによって主導され、FundersClub,、SV Angel、Green Bay Advisors、そして500 Startupsが参加した。RapidAPIは最近500 Startupsのアクセラレータープログラムを通過している。

同社は様々な理由で興味深い — その中でも目立つものの1つは、その創業者である現在18歳のddo Ginoが、昨年いわば「発見」されたときにはイスラエルのHaifa高校の最上級生だったということだ。GinoがDov Moranの注意を惹いたのは、地元のハッカソンでのことだった。このイスラエルの有名なエンジェル投資家がGinoに初期のメンターシップを与え、同時に25万ドルをシードマネーとしてGinoに提供した。Ginoは短期間公的研究機関のTechnionで研究したあと、そのお金を使って米国に移住した。

もちろん、RapidAPIのミッション — 開発者たちが公開されているAPIに、シームレスにコミュニケートすることを許すやりかたで、アクセスし簡単に利用できるようにすること — も投資家たちの大いなる興味を惹いた。

Ginoは、お互いに織り合わせることのできる、これらの機能「ブロック」を配管に用いられるパイプになぞらえて、さらにこのように語った「各企業は、独自の言葉を話しています。なので、[開発者は]Facebookのがどのように話すのかを学び、辞書を使ってそれを自分たちの言葉に翻訳します。そして、[彼または彼女は]この作業を各企業のAPIごとに毎回繰り返さなければなりません。時には同じ会社の異なる部門の間でも同じことが必要になります」。一方RapidAPIは、本質的には巨大な翻訳ユニットのレポジトリを作るので「APIの変換をする必要がなくなるのです、私たちが全てを単一の言語に変換します」。

実際、トレンドの中でRapidAPIが強調しているのは、所謂マイクロサービスだ。そこでは保守しにくいソフトウェアを作る代わりに、既存のソフトウェアとインフラをAPI化する。

Amazonはこの14年間その課題に取り組んできたことで有名だ、このため異なるチーム同士が、こうしたインターフェイスを通して相互にコミュニケーションできるようになっている。そして、ジェフ・ベゾスも先頭集団の先を行きたがる傾向を持っている。しかし、ほとんどの企業では、APIはより行き当たりばったりなやり方で生み出されている、あるチームが企業内でチャットサービスを作り、他のチームはイメージのアップロードとトリミングを行い、また別のグループがサービス管理を行うといった具合、しかし彼らの開発したAPIは、お互いに上手い連携がとれないのだ。

例えばeBayでは、長い年月の間に沢山のAPIが異なる標準とプロトコルを使って作られてきた – その全てがとても難しい言葉を喋り、お互いに対話をさせることがとても難しくなっている。RapidAPIは、APIを接続するためのフリーでオープンソースのアダプタを提供しているが、サービスインテグレータの一種としてお金を稼ぐことを計画している — 現在は企業が沢山の内部APIを管理し接続することの手助けをしている。

そしてRapidAPIはその他にも、市場で明らかに始めようとしているものがある。例えば、一部の開発者はそのテクノロジーをParseになぞらえている、Parseはモバイル開発者のためのツールキットならびにサポートシステムで、Facebookが2013年に買収し、今年の始めに他の領域への集中が決定されてシャットダウンが発表された。一方、他の皆に愛されたAPI管理プラットフォームも大きな買収の中で消えていった、例えばGoogleが9月に6億2500万ドルで買ったApigeeや、 昨年Tibcoに売却される前にインテルに買収されたMasheryなど。

RapidAPIは、現在200以上のAPIをサポートしていると言っている。またGinoは16人の会社で1年のうちに「サポートする数を10倍にしたい」と話している。

ところで、そのプラットフォーム訪問する開発者によって最も使われるAPIは何だか分かるだろうか?答はSpotify APIとGoogle検索APIだ。

rapidapiscreenショット - 2016年11月17日

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

カナダの高校生が作った、視覚障がい者用対象認識アプリiDentifi

identifi_app

盲目あるいは弱視の人にとって、日々のタスクは辛いものだろう — 例えば、棚の中から目的の缶詰を見つけたり、テーブルの上から必要な本を拾い上げたりするといったことだ。もちろんスマートフォンはこの種の問題の解決を手助けをすることができる。もしそれが対象を識別して対象が何かを教えてくれるならだが — それこそがこのトロントの高校3年生が作ったアプリがしてくれることなのだ。

iOS用の新しい無償アプリiDentifiは、ユーザーがカメラを対象に向けると、その対象についての説明をすぐに聞くことができる。例えば:「赤いヘッドフォン」とか「木のテーブルの上にあるDarigoldミルクの瓶」といった具合だ。これはカメラが見ているものを説明できる唯一のアプリではないが、視覚障がい者を対象にしていること、ならびに最初から多言語に対応しているという利点を有している。Anmol Tukrelがこのアプリに取組始めたのは1年前、機械学習とコンピュータビジョンの可能性について学習した直後からだ。

最初彼は独自のニューラルネットワークを作り始めたが、ほどなく十分な速度と正確性を兼ね備えた一般利用可能なAPIの存在に気が付いた。これによって、ゼロから作成を始めなくてもアプリの他の部分に注力できた。iDentifiはGoogle Vision、Cloudsight、そしてGoogle Translateを利用している。ここではAI部品は信頼できるリソースだ。それらはまた、多種多様なオブジェクトや表現を使って訓練されているので、簡単に答に窮することもない。

アプリの残りの部分は、視覚に制限がある、あるいは全く見ることのできない人が操作可能なように、慎重にデザインされている:タップするとヒントを喋る明るくて大きなメインメニュー領域、使い慣れたカメラインターフェイス、対象認識モードの変更(基本的には、速さまたは正確性)と読み上げ速度の速さの調整オプション。

「視覚障がい者コミュニティからのフィードバックは、圧倒的に好意的なものでした」とTukrelはTechCrunchへの電子メールに書いている。「日々のタスク、読み物、ウェブのブラウズなどに便利に使って貰えています。例えば、食料品の買い物に行って、手に取ったものがコークなのかペプシなのかを知りたいとき、いつもならそれを訊ねるひとを探さなければなりません。しかしiDentifiを使えば、ただ写真を撮影するだけで、音声による説明を数秒のうちに得ることができるのです」。

アプリはテキストを読むこともできる、そのため近付いてよく調べたり、近くの人に助けを求めたりしなければならなかった、標識、メニュー、本のページ、雑誌の表紙、その他のものを容易に識別できるのだ。点字は偉大な標準だが、常に提供はされておらず、見つけることも容易ではない。

macbook_id

iDentifiはカナダのテレビやラジオで紹介され、かの地の多くの大学から賞賛を集めている。Tukrelはまた、視覚障がい者を代表するいくつかの組織と協力してきた。どの組織も彼に喜んで協力してくれたそうだ。

アプリは今日出たばかりだが、Tukrelはその開発を続ける計画だ。

「このアプリのための短期的な目標は、Androidへの移植です」と彼は書いている。しかし、その先に追加したい沢山の機能も挙げている:

  • 96言語をサポート
  • 対象が完全にビュー内に含まれるときに、自動的にフォーカスしキャプチャ
  • ビデオモードでの対象認識
  • 市街地でのナビゲートを行うパノラマモード — 住所や交差点の読み上げなど
  • 歩行者用信号機を読み取り、横断しても安全か否かを歩行者に伝える

「最後に」と彼は書いた、「できるだけ多くの人を支援するために、私はこのアプリを完全に無料で提供し続けられることを願っています」。

私たちもそう願う。まずはApp StoreでiDentifiをチェックしてみよう、Androidバージョンが利用可能になったときにはお知らせする。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

GoogleのCloud PlatformがGPUマシンを提供するのは2017年前半から、ただし機械学習SaaSとAPIはますます充実

google_data_center_2

Googleが今年前半に立ち上げたCloud Machine Learningサービスは、Google自身によれば、早くも“急成長プロダクト”の一つになっている。今日同社は、このサービスの新しい機能をいくつか発表し、機械学習のワークロードを動かしたいと思っているユーザーとデベロッパーの両方にとって、さらにサービスの利用価値を増そうとしている。

これまでGoogleは、競合するAWSやAzureのように、ハイエンドのGPUを使う仮想マシンをデベロッパーに提供してこなかった。しかし、機械学習など、科学の分野に多い特殊でヘビーなワークロード、とくにそれらのアルゴリズムは、GPUのパワーを借りないとうまく動かないことが多い。

デベロッパーたちが一般的にGoogle Cloud Platform上で機械学習のワークロードを動かせる、そのために仮想マシンのGPUインスタンスが提供されるのは、Googleの発表によると、2017年の前半だそうだ。料金は、そのときに発表される。

なぜGoogleは、もっと前からこのタイプのマシンを提供しなかったのだろうか? Google自身、機械学習に非常に熱心だし、競合相手のAzureやAWSはとっくに提供しているというのに(Azureは今日(米国時間11/15)、OpenAIとパートナーシップを結んだ)。

しかしデベロッパーは、Googleの既存のCloud Machine Learningサービスを使って自分の機械学習ワークロードを動かすことはできる。そのための構築部材TensorFlowも利用できる。でもCloud Machine Learningが提供しているような高い処理能力と柔軟性を、Google既存のプラットホームで利用することが、まだできない。

今のGoogleはデベロッパーに、カスタムの機械学習モデルを構築するためのサービスと、機械学習を利用した、すでに教育訓練済みのモデルをいくつか提供している(マシンビジョン(機械視覚)、音声→テキスト変換、翻訳、テキストの情報取り出しなど)。Google自身が機械学習で高度に進歩しているし、独自のチップまで作っている。そこで今日のGoogleの発表では、Cloud Vision APIの使用料が約80%値下げされた。またこのサービスは、企業のロゴや、ランドマークなどのオブジェクトも見分けられるようになった。

そしてテキストから情報を取り出すCloud Natural Language APIは、今日(米国時間11/15)、ベータを終えた。このサービスは、構文分析機能が改良され、数値、性、人称、時制なども見分けられる。Googleによると、Natural Language APIは前よりも多くのエンティティを高い精度で認識でき、また感情分析も改善されている。

消費者向けのGoogle翻訳サービスは、今ではカスタムチップを使っている。またデベロッパー向けにはCloud Translation APIのプレミアム版が提供され、8つの言語の16のペアがサポートされる(英語から中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、スペイン語、トルコ語、など)。サポート言語は、今後さらに増える。プレミアム版では、これらの言語に関しエラーが55から85%減少した。

この新しいAPIは主に長文の翻訳用で、100言語をサポートする“標準版”は、短い、リアルタイムな会話テキスト用だ。

さらに、まったく新しいプラットホームとしてCloud Jobs APIがある。この、あまりにも専門的で奇異とすら思えるAPIは、求職者と仕事の最良のマッチを見つける。つまり、仕事のタイトル、スキル、などのシグナルを求職者とマッチングして、正しいポジションに当てはめる。Dice やCareerBuilderなどのサイトはすでにこのAPIを実験的に使って、従来の、ほとんど検索だけに頼っていたサービスを改良している。このAPIは、現在、特定ユーザーを対象とするアルファだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Clarifaiが3000万ドルを調達、ビジュアル検索技術をディベロッパーへ

customtraining-adidas

Matt Zeilerはカナダの農村で育った。それから数十年後の今、彼はPinterestやGoogleが保有しているようなビジュアル検索ツールを、他の企業やディベロッパーへ提供するためにスタートアップを運営している。

そのスタートアップの名はClarifai。ニューヨークを拠点とする同社は、どんなものが写真の中に含まれているかというのをアルゴリズムが学習できるように、ディベロッパーに対してメタデータを写真にタグ付けできるサービスを提供している。この機能を利用すれば、Clarifaiのディベロッパーは、対象物の含まれる写真を検索したり、アップロードされた写真と似たものが含まれる画像を検索したりできるようにアルゴリズムを訓練することができる。本日Clarifaiは、リードインベスターのMenlo VenturesやUnion Square Ventures、Lux Capitalなどが参加したラウンドで3000万ドルを調達したと発表した。同社のこれまでの調達額は合計4125万ドルにのぼる。

GoogleやPinterestといった企業がビジュアル検索テクノロジーの開発を進める中、Clarifaiも同じことをしようとしているが、彼らはサードパーティのアプリやディベロッパーにビジュアル検索機能を提供することに注力している。複数枚の画像に相当するデータがあれば、どんなものが画像内に含まれているかというのを判断するモデルをClarifaiで構築することができるとZeilerは話す。そしてディベロッパーは自分たちが識別しやすいタグを使うことで、画像や動画の中に含まれる”オブジェクト”のクラス(雛形もしくは定型)を新規にアルゴリズムに教え込むことができる。

「私たちにとって、顧客に通じる1番大事な扉となるのがディベロッパーの方々です」とZeilerは話す。「Twilioのサービスを考えてみて下さい。彼らはディベロッパーファーストで通信機能に特化したAPIプラットフォームを運営しています。私たちは似たような形でAIサービスを提供していて、積極的にミートアップやハッカソンに参加したり、オフィスでイベントを開催したりしています。今後は、全てのディベロッパーの間でClarifaiが話題となり、彼らが実際に私たちのサービスを使って次世代のアプリを作るようになってくれればと願っています。将来的には次のSnapchatとなるようなサービスをガレージで開発している人たちと、一緒に成長していきたいです」

Clarifaiは、経験の浅いディベロッパーやプログラマーに向けて、Twilioのように数行のコードで実装可能なAPIの形でツールを提供しているほか、カスタマイズ性の高い玄人向けのツールも用意している。もしもClarifaiが、Twilioのように上手くディベロッパーのトレンドを利用することができれば、Twilioと似たような形で強力な事業に発展していくかもしれない。

しばらくのあいだClarifaiは、画像・動画検索の機能向上に集中し続ける予定だが、データ構造を理解できるような技術があれば、理論上ほかのメディアにもサービスを展開することができる。ZeilerはClarifaiがほかにどのようなツールの開発を行っているかについて口を閉ざしているが、音声やテキストなど、サービスが展開されるであろう方向性は簡単に予想がつく。

Clarifaiの本質的なゴールは、GoogleやPinterestが保有しているようなツールを開発し、それを下流にいるディベロッパーやほかの企業に提供していくことだ。例えば、WalmartやMacy’sなどの小売企業はこのようなサービスを利用したいと思うかもしれないが、Googleのような会社と協業すると、小売店の情報を競合企業に渡してしまうことに繋がる可能性がある。そして最終的には、彼らが競合サービスを構築するための手助けをしてしまうことになりかねないのだ。

「私たちは何社かの大手企業を競合と見ていますが、この分野のスタートアップの話はあまり聞きません」とZeilerは言う。「たくさんのスタートアップが引き続き買収されていますが、私たちにとっては喜ばしいことだと社内ではその状況を祝っています。というのも、私たちは独立系のAI企業を作り上げたいと考えていますし、この市場には独立した企業が必要だとも考えているんです。顧客となる企業にはデータの扱いに関して私たちを信用してほしいと思っている一方、多くの企業はGoogleやMicrosoftなどの大手IT企業が、そのうち集めたデータを使って競合製品を作ろうとしていることを知っており、彼らのことを信用していません」

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

データをAPIに加工するOpenDataSoftが$5.4Mを調達、コードだけでなくデータもオープンソースにする社会的メリットとは

stocksnap_c6ygdz1dsw

フランスのビッグデータ分析サービスOpenDataSoftがこのほど、シリーズAで500万ドルを調達した。Aster CapitalSalesforce Venturesがこのラウンドをリードし、既存の投資家AurinvestAder Financeが参加した。

OpenDataSoftは企業や団体などがデータをより有益に利用するためのサービスを提供するSaaSだ。今、多くの企業や自治体などは大量のデータを抱えているが、その有効利用はほとんどやっていない。OpenDataSoftは、それらの団体や組織がデータの分析と処理と視覚化に取り組むとき、その第一歩を助ける。

社名に‘OpenData’とあるように、同社がとくにねらうのは、データをオープンにして外部者や第三者が、独自の用途やサービスに利用できるようにすることだ。たとえば鉄道企業がすべての時刻表データをAPIとして公開したら、デベロッパーは乗り換え案内のアプリを作れるだろう。

ぼく個人的には、自治体がOpenDataSoftのようなものを利用して、もっとデータドリブンになってほしい。いろんなサービスや自治体、公共団体等のあいだに、デジタルのコミュニケーションがない。なさすぎる。ひとつの都市と、その周辺(関連団体等)の可動部品がすべて統合されたら、あらゆることをもっと効率化できるだろう。ぼく自身は、“スマートシティ”という、もっともらしくて空疎な言葉が大嫌いだ

同社は、これまでのヨーロッパに加えて、今度ボストンにオフィスを構え、アメリカ進出をねらう。ヨーロッパも今後は、フランスだけでなくドイツ、イタリア、スペイン、イギリスなどにも顧客を開拓していく。

これらの国にオフィスを置く、という意味では必ずしもないが、これらの国々からの人材起用は十分にありうるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

TwilioがWebRTCメディア技術のKurentoを買収、さらにWebRTCのモニタリングサービスVoice Insightsを立ち上げ

SAN FRANCISCO, CA - SEPTEMBER 12:  Founder and CEO of Twilio Jeff Lawson speaks onstage during TechCrunch Disrupt SF 2016 at Pier 48 on September 12, 2016 in San Francisco, California.  (Photo by Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)

Twilioは今、同社のカンファレンスSignalのヨーロッパバージョンロンドンでやっている。その同社が今日(米国時間9/20) 、6月にIPOに成功して以来初めての買収を発表した。

ちょっと話はややこしいが、しばらく我慢を。Twilioが買収しようとしているのは、WebRTCによるプロプライエタリなメディアプロセシング技術で、それを開発したのは、オープンソースのWebRTCメディアサーバーKurentoを開発したチームだ。Twilioはそのチームを雇い、オープンソースでない技術をすべて買収するが、しかしオープンソースの方のプロジェクトを管理しているスペインのTikal Technologiesは、そのオープンソースプロジェクトとコミュニティの管理を今後も続ける。

Twilioがローンチしたのは2007年だが、買収は今回が二度目だ。最初のAuthyは、二要素認証などセキュリティサービスの企業だった。今日発表された買収は詳細が非公開だが、それほど巨額ではないだろう。

Twilio自身も今後マドリッドにオフィスを開き、Kurento Media Serverの技術を利用して大きなグループによる起呼や、コード変換、録音録画などのメディア処理機能をTwilio Programmable Videoに加えていく。

TwilioのCEOで協同ファウンダーのJeff Lawson(上図)は、今日の発表声明でこう述べている: “TwilioとKurentoのチームは、デベロッパーに強力なプラットホームと簡明なAPIを提供していくという共通のビジョンを共有している。デベロッパーの能力を増し、それによって通信の未来を切り拓いていく、というTwillioのミッションがまた一歩前進することになり、Kurentoを作ったチームの力を借りて弊社のビデオプラットホームをより多機能にしていけることを、大いに喜んでいる。それらを利用してデベロッパーたちが、どんなすばらしいプロジェクトを作るか、それが今から楽しみだ”。

同社によると、今後のKurentoのメンテナンスと改良に関しては、Tikalとも協働していく。

WebRTCのアナリティクス

WebRTC関連でもうひとつ: Twilioは今日、Voice Insightsのローンチを発表した。このサービスを使ってデベロッパーは、WebRTCで通信しているネットワークやデバイスのパフォーマンスをモニタできる。しかもそれだけではなく、得た情報に基づいて、それらへの対応アクションをプログラミングできる。たとえば発呼者の通信量が急に減ったら、そのユーザーに通知を送ってマイクロフォンが突然ミュートになってないか調べてもらう、など。ネットワークの問題はVoice Insightsのダッシュボードでチェックでき、集めたすべてのデータを利用して独自のアナリティクスを構築できる。

この新サービスはまだベータだが、料金は1起呼あたり0.4セントだ。

これによってTwilioは、Callstats.ioなどのスタートアップと競合することになる。同社は最近、300万ドルを調達して、独自のWebRTCモニタリングサービスを強化している。しかしすでにTwillioを使ってWebRTCのアプリケーションを運用しているデベロッパーは、Twilio自身のモニタリングツールを使うのが便利かもしれない。ひとつのダッシュボードで、通信のインフラストラクチャのすべてをモニタできるのだから。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、API開発の上場企業、Apigeeを6億2500万ドルで買収へ

2016-09-09-apigee-goes-public

今日(米国時間9/8)、Googleは上場企業でAPIの開発と管理のプラットフォームを提供しているApigeeを買収することを発表した。Apigeeは昨年上場された会社で、買収価格は1株あたり17.40ドル、総額6億2500万ドルだ。

ApigeeはオープンAPIでユーザーがデジタル・サービスを構築することを助けている。

Apigeeのユーザーには薬局チェーンのWalgreensを始め、AT&T、Bechtel、Burberry、First Data、Live Nationといった有力企業が含まれる。

買収を発表した公式ブログで、Googleのエンタープライズ・クラウド・コンピューティング担当上級副社長のDiane GreeneはApigeeについてWalgreensの場合を例にして次のように説明した。

たとえばWalgreensはApigeeを利用してデベロッパーや提携企業がWalgreensのエコシステムを助けるアプリを簡単に開発できるようにしている。デベロッパーはApigeeのプラットフォームで開発された独自のAPIを用いて、たとえば各店舗で写真を出力するモバイルアプリ、処方箋で買った薬を簡単に再購入できるモバイル・アプリなどを開発することができる。

GreeneはAPIの開発、管理ツールがGoogleのビジネスに与える影響を正しく理解しているようだ。Greeneは「ApigeeのAPIソリューションは企業ユーザーが顧客との間で高品質な双方向のやりとりを可能にし、Googleのクラウド・コンピューティングを加速する。Apigeeはユーザーが洗練された独自のAPIセットを開発し、公開するのを助ける」と書いている。

Apigeeの買収は同社のテクノロジーと顧客ベースを入手できるだけでなく、AWSの顧客の一部もボーナスとして手に入れることになる。

GoogleはApigeeの買収によって大手企業が並ぶ顧客リストとともにAPIビジネスにおける有力メンバーの地位を入手することは間違いない。Apigee買収はユーザー企業がデジタル化というきわめて変化が速く、広汎におよぶプロセスを遂行するために役立つだろう。また今回のタイミングも興味深い。昨日DellはEMCを670億ドルで買収する手続きを完了させたばかりだ。またエンタープライズ・クラウド・コンピューティング・プラットフォームのスタートアップ、Pivotalが調達したベンチャー資金の出所がEMCだったことも判明している。今やどの会社も急速なデジタル化を必要としており、Dell、Google、AWS、Microsoftといったビッグ・プレイヤーはこのプロセスを加速することに全力を挙げている。

上場企業のApigeeにとって、この1年はジェットコースターに乗っているような株価状況だった。昨年。Apigeeは1株17ドルで上場したが、株価は公開初日に1.9%ダウンした。その後も状況は悪化し、2月12日には5.45ドルまで落ち込んだ。しかしそこからは着実に値を戻し、昨日は16.34ドルで取引を終えた。

ApigeeのGoogleへの売値が上場当初の株価とほとんど同額なのは偶然ではないだろう。同社の時価総額は昨日は4億9893万ドルだったが、今日のGoogleの買値、6億2500万ドルは上場時の時価総額にほぼ等しかった。

Featured Image: Apigee

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Oktaがアイデンティティ管理サービスをAPI呼び出しにも適用

People on phones with social media icon chalkboard

Oktaが今日(米国時間8/29)、ラスベガスで開かれたカスタマーカンファレンスOktaneで、同社のアイデンティティサービスをAPIにも適用する、と発表した。

これまでずっとOktaは、人びとをServiceNow, Salesforce, Office 365などのクラウドアプリケーションにセキュアに接続するサービスを提供してきたが、2年前にはそれに加えて、顧客企業の社員たちがそれらのクラウドアプリケーションにアクセスするために使うデバイスをコントロールする機能の、提供を開始した

今日の発表で同社は、そのプログラムが既存の複数のサービスを利用していることを明かした。たとえば位置に関してはGoogle Maps、通信に関してはTwilio、決済はBraintree、というように。それは単一のプログラムのようでありながら、そのユーザー体験は複数のゲートウェイを横断して提供されている。

“このことによって実は、うちの顧客はコントロールをAPIにも拡張できるんだ”、とOktaのCEO Todd McKinnonは語る。

彼によるとそれには、二つの方式がある。APIはアドミンやプログラマーがアクセスすることが多いが、Oktaにより企業はこのアクセスをポリシーで管理できる。また、APIのゲートウェイへのアクセスを試みた者のID等を、監査証跡(オーディットトレイル)に残すこともできる。

“ハッカーは弱点を見つけることが上手だから、システムがAPIをロックしていないこともきっと見つけるだろう。しかしそこに強力なアクセスポリシーがあれば、多くの場合、弱点の補強が可能だ”、とMcKinnonは述べる。

OktaのAPIシステムはOAuth 2.0によるアクセスコントロールとOktaのポリシーエンジンを併用し、アドミンにアクセスコントロールパネルを提供する。またApigeeやMuleSoftなどのAPIアクセス管理のベンダーともパートナーしている。

Oktaは今、岐路に立っている。昨年9月には12億ドルの評価額で7500万ドルという巨額なラウンドを発表して、企業のセレブたちが集まるユニコーンクラブの仲間入りをした。同社は2009年の立ち上げ以来、累計で2億3000万ドルの大金を調達し、昨年の資金調達のときの発表声明は、向こう12〜18か月以内にIPOがありそうなことを、示唆している。

しかしその後、テクノロジー企業のIPOのペースは鈍化し、今回のMcKinnonも、時期については何も言えない、と慎重な姿勢を示した。

彼はこう言う: “誰かが時期をはっきり言ったら、それはたぶん上場しない、という意味なんだ。一般的に、過去数年間を見ても、上場したからすごく良くなった、という企業はあまりないからね”。

彼によると、最近の業界の最大の変化は、市場が成長を重視しなくなり、むしろ投資効果や費用効果の悪いところがネガティブに評価されていることだ。“だから、単なる成長ではなく、投資効率の良い成長でないと市場は評価しなくなったのだ”、と彼は語る。

ではOktaは、そんな成長をどうやって達成するのか。去年McKinnonが言った12〜18か月は、まだ過ぎていないのだが。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

API至上主義の愚

Colorful ceramic cube texture and background

【編集部注】著者のDavid Lee氏は、RingCentral社のプラットフォーム製品担当副社長である。

すべての重要な技術は、ハイプサイクルを通過する。

おそらくガートナーによるハイプサイクル図を見たことがあるだろう:期待が膨らみ、それが失望へと転じて、やがてテクノロジーの価値に対する実際の理解が訪れる。

もしジェットコースターから完全に落ちてしまわなければ、「世界を変革する」という約束はやがてありふれた現実に姿を変えていく。

ハイプ・サイクルガートナーハイプサイクル

クラウドAPIはこのサイクルをかなり奥まで進んできた。その中の優れたものたちは日々重要なビジネスサービスに力を与えている。それでも「APIエコノミー」は、定期的に誇大宣伝で翻弄されている。私が気にしているAPI愛好家によるレトリックは、「組み立て可能エンタープライズ」である。企業全体のソリューションを縫い合わせて作り上げる、日曜大工的アプローチだ。

大きなアプリケーションの一部としてプラグイン可能な、個別APIサービスの販売を通して成功したビジネスを構築した企業は、これからの企業はソフトウェアソリューションを買うのではなく、無数のAPIやマイクロサービスを通して自分たちのアプリケーションを組み立てるのだという、信じがたい極端な夢を見がちである。その見返りは、究極の無限のカスタマイズの形で与えられると語られている。

現実を見よう:そうしたことが起きることはない。少なくとも、多数の企業を横断して当たり前になることはないだろう。技術採用側のほとんどは、イノベーターも含んで、他に選択肢がないと考えたときに自家製のITを採用する。彼らが必要としているのは、あまりにも困難な仕事をしなくてもよいように、穴を塞ぎギャップを埋めてくれるようなAPIだ。期待する結果を得るための最も簡単なパスを彼らは求めている。

ほとんどの企業は、ただ1つのビジネスだけをしているわけではない。そしてソフトウェアを作成するのではなく、適合する傾向がある。

例外もある。Uberはそのモバイルアプリに、あなたの場所を検索し、ドライバーにあなたをピックアップするように通知し、支払いを受け付ける、といった厳選されたプレミアムAPIを取り込んでいることで有名でだ。サードパーティ製のソフトウェア機能にアラカルトでアクセスする能力は、必要な技術群を維持するためにリスクとコストをかけずに、誰もやったことがない機能を組み合わせて提供することが必要な、革新的なビジネスに最適である。別の言葉で言えば、サービスの組み合わせそのものが、キラーアプリをキラーアプリにしているものの大部分であることも可能だということだ。

一部の企業は、独自にUberのような革新を育もうとがむしゃらに進んでいるが、ソフトウェアの製作に特化していないビジネスのニーズは常に異なっている。ゼロから出発して、企業はその正確なニーズに合ったカスタムコールセンターやCRMを組み上げることができる。企業の規模でみると、それは、車輪の再発明のように見みられるだろう。

ほとんどの企業は、ただ1つのビジネスだけをしているわけではない。そしてソフトウェアを作成するのではなく、適合する傾向がある。どのように顧客サービスコールを捌くべきか、どのように顧客の記録を整理するかといった問題は、広範なビジネスニーズにアプローチする製品を作るソフトウェア会社によって、これまで何度も何度も解決されてきた。一般的な企業の購買戦略は、彼らの要件の中で1番旨味のある部分に最適である技術プラットフォーム上で、標準化を行うことだ。

これはAPIがソフトウェアの適合には無関係ということを意味しているのではない。ただコアエンタープライズシステムをゼロから作ることには、あなたの車をナット、ボルトそしてボールベアリングを用いて組み立てる以上の意味はないということだ。賢い技術採用者たちには、「最適」と「完璧」の間を埋めてくれる強力なAPIをもつクラウドプラットフォームへの選択バイアスがかかっている。

クラウドベースのコミュニケーションプラットフォームのためのAPIを扱う私の仕事で、私が見る最も一般的な例は、私たちの管理ダッシュボードを介してできるものとは異なる形でデータにアクセスしたいという顧客の需要だ。どんなに私たちがレポートをカスタマイズ可能にしても、データをさらに異なる形式でグラフ化したかったり、それを他のシステムから持ってきた自身の記録と組み合わせたいという顧客たちが必ず存在する。あるいは彼らは、出荷通知などの自動化されたSMSテキストメッセージを送信し、そして受信者がテキストメッセージまたは電話で返事することを可能にすることができるようにしたいかもしれない。

ソフトウェア作成者は個別のAPIサービスを必要とする可能性が高いのに対して、ソフトウェア適合者(大部分の企業だ)はAPIによって補われた全体的ソフトウェアソリューションを必要とする可能性が高い。Uberのようなデジタル変革を狙う企業は複数のAPIとマイクロサービスを拾い上げてカスタムアプリケーションを作りたい誘惑にかられるかもしれない。しかしながら、よく行われることは、最高レベルのビジネスソフトウェアと高度なアクセス性をもつAPIを縫い合わせることだ。

いつかどこかで、この原則を破るものを出てくる者が出てくることは間違いない ‐ APIの福袋から重要なアプリケーションを組み上げ、偉大な仕事を成し遂げる企業が出現するだろう。しかし、そうであっても、その営みが日常化しない限り、彼らは「組み立て可能エンタープライズ」にはならないだろう。

私たちはこうした妄想をとりこむことなく、APIエコノミーを受け容れていくことができる。もしソフトウェアが、マーク・アンドリーセンの言ったように、「世界を食べていく」のなら、クラウドAPIは最後のスナック菓子だ。ただ全体の食事ではないということだ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Microsoft、Excel APIを一般公開―クラウドに保管された表計算データを簡単に参照できる

2016-08-04-microsoft-API

今日(米国時間8/3)、Microsoftは比較的短いベータテストの後、Excel APIの一般公開を発表した。これによりデベロッパーはプログラム内からOffice 365のExcelのデータを参照し、計算処理やダッシュボードなどを実現できる。

Microsoftが最初にAPIを紹介したのは昨年11月で、続いてこの3月のBuildカンファレンスでAPIを利用してOffice 365を単なるアプリというより、デベロッパーにとって便利なプラットフォームに変身させる計画を発表した。他のOffice 365 APIと同様、今回のExcel APIも公式のクラウドAPIエンド・ポイントであるMicrosoft Graphにアクセスすることによって利用できる。

MicrosoftがExcel APIを公開しことは、多くのビジネス・ユーザーが(不適切な場合も多いのだが)大量のデータをExcelに保管しているという現実をMicrosoftが密かに認めたということでもある。デベロッパーはAPIを使って参照したExcelのデータにOffice 365の外で独自の処理を加えることができる。またダッシュボードやレポートを作成するためにExcelのシートを参照できる。

APIによるアクセスをさらに簡単にするためにMicrosoftは2つのサードパーティーのサービスと提携した。ZapierのユーザーはExcel for Office 365を参照するアプリを簡単に作成できる。小規模から中規模向けのビジネス管理サービス、Sagの場合、会計処理にExcelを統合的に利用できるようになった。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、クラウド自然言語APIを公開―英語、日本語、スペイン語に対応

DUBLIN, IRELAND - APRIL 19:  (FRANCE OUT) A general view the Google European headquarters, on April 19, 2016 in Dublin, Ireland.  (Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)

今日(米国時間7/20)、Googleはクラウド自然言語API(Cloud Natural Language API)の公開ベータ版をリリースしたことをブログで発表した。デベロッパーはこの新しいサービスにより、Googleが開発したセンチメント分析、 表現抽出、シンタックス解析などの利用が可能になる。

新しいAPIはこれも公開ベータ版であるGoogleの訓練ずみ機械学習API、 クラウド・スピーチAPI(Cloud Speech API)視覚API(Vision API)翻訳API(Translate API)と連携させることが可能だ。

現在、クラウド自然言語APIは英語、スペイン語、日本語のテキストに対応している。Googleによれば新APIは「業種を問わず、広い範囲の企業、デベロッパーに高効率でスケール可能なサービスを提供する」ことが目的だという。

センチメント分析や表現抽出の提供はもちろん新しいアイディアではない。表現抽出の例としてはたとえば10年近く前にスタートしたThomson ReuterのOpen Calaisがある。これはテキスト中の人名、組織名、地名、出来事名などを自動的に認識してラベル付けできるサービスだ。センチメント分析についても事情はほぼ同じだ。

それに反して、自然言語を品詞分解し、依存関係をツリー構造でパースできるシンタックス解析APIは、まだそれほど普及していない。デベロッパーが新APIをアプリにどう統合するか注目だ。当然ながら自然言語解析は チャット・ボットなどがユーザーから寄せられる自然言語によるリクエストを正しく認識する基礎となる。

自然言語APIの料金はどのAPIを利用するか、どれほどのデータを処理するかによって違ってくる。3つのAPIについての料金は以下のとおりだ。

image (3)

80種類以上の自然言語をサポートするクラウド・スピーチAPIの場合、料金は処理しようとする音声の長さに基づいて計算される。月額計算で最初の60分は無料、それを超える場合15秒ごとに0.006ドルが加算される。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビッグデータ、そして没落するデータの利用者

humanpie

編集部注: Ben SchlppersはHappyFunCorpの共同創業者だ。

ソーシャルサービス同士の権力争いも落ち着きを見せはじめ、その闘いの勝者が明確になってきた。一握りの企業がソーシャルデータの95%をコントロールする今、インターネットは以前よりも自由のない、閉ざされたものになった。

過去15ヶ月間、ビックデータという用語(そして、その背後にあるコンセプト)をよく耳にするようになった。ここで言うビックデータとはユーザーに関するデータのことだ。ユーザー・データとは主にソーシャル・サービスによって集められたデータであり、企業のAPIの範囲に限ってそれを活用することで、より効果的にアプリやビジネスを構築することができる。

その基本的な例をいくつか見てみよう。まずはFacebookだ。ディベロッパー、製品アーキテクト、起業家などは、Facebookから入手できるユーザーの名前や写真、シェアされた記事などのデータを利用することができる。スナップチャットから入手できるのはシェアや、送信されたアイテムの数などのデータだ。同様に、インスタグラムからはユーザー、ハートの数、コメントなどのデータを、テスラからは車両の位置、エネルギー消費量、最後に充電された時間などのデータを入手することができる。このような例は他にもたくさんある。現代のウェブサービスはデータをオープンにやり取りすることによって成り立っているのだ。

良いアプリとは何か。私はよくそう聞かれる事がある。それに対するシンプルな答えは、データだ。もっと詳しく言えば、ユーザーに関するメタデータのことだ。ユーザーこそがデータの源泉なのだ。アプリがどれだけ優れていても、ユーザーが存在しないアプリは機能しない。それだけのことだ。

そして、こう答えると決まって「では、どうすればユーザーを獲得できるのでしょうか?」と聞かれる。

その質問に対する答えは何百万ドルもの価値がある。既存のソーシャル・サービスを通せばユーザーを獲得することができるというのはよくある宣伝文句だ。ただ、それが本当だとは限らない。実際のところ、ユーザーを買うことはできないのだ。自身のサービスやソフトウェアと既存のソーシャル・サービスをつなぎ合わせるだけでは、ユーザーを獲得することはできないし、何も生み出すことはできないのだ。人々は既存のサービスにそっくりなソフトウェアが次々と生み出されることにうんざりしている。アプリを成功させるうえで一番難しいのは、ユーザーを獲得し、そして維持することなのだ。

かつて、ディベロッパーはFacebookのソーシャルグラフを大いに活用することができた。その貴重なデータを多種多様のウェブサービスやプロダクトに落とし込むことができた。そして、最も重要なことに、かつては帯域制限にひっかかることなく大量のデータをリクエストすることができた。

ここ数年で、その状況は大きく変わった。悲しいことではあるが、その変化を示すための例としてZyngaの栄光と没落の歴史を見てみよう。かつてFacebook Graph APIから利用できるデータの範囲が広かったころ、Zyngaは他のどの企業よりもGraph APIを有効に活用し、素晴らしいゲームビジネスを構築することに成功した。しかし、それから数年が経ってFacebookがGraph APIに制限を加えたことで、Zyngaはその著しい成長のスピードと同じ速度で坂を真っ逆さまに転がり落ちることになったのだ。同様に、大小さまざまな企業がその変化に対応することができずに没落していった。

サービスやプロダクトを開発する者たちは、キャンディーに惹きつけられるお金のない子どものようにソーシャル・ビックデータをもつ企業に夢中になってしまう

サービスやプロダクトを開発する者たちは、キャンディーに惹きつけられるお金のない子どものように、ソーシャル・ビックデータをもつ企業に夢中になってしまう。そこで与えられるのは、終わりのない誘惑と甘い香りの解決策だけだ。大企業のAPIドキュメンテーションには、ハイクオリティなデータを素早く手に入れられるだとか、ソーシャルグラフを隅々まで活用することができるなどと大きく謳われている。しかし、現実の世界と同じように、悪魔は細部に宿っている。注意した方がいい。もちろんデータを素早く入手することは可能だろう。しかし、いったんAPIの速度が制限されることになれば、ナイアガラの滝のように流れ込んでいたデータは、蛇口から漏れる水ほどにしか流れてこないだろう。データを素早く取得できなければ成り立たないようなビジネスは、その時どうなるだろうか。

ソーシャルグラフから細部に渡るデータを取得して、それを分析することも可能だろう。しかし、そこで得られる位置情報、ユーザーの人物情報、ハートの数、シェア数などのデータのなかで、本当に有益なものは全体の1%から3%ほどだろう。その小さな金塊にどれほどの価値があるだろうか。

結局、Zyngaやその他の名もなき企業たちが私たちに教えてくれたのは、他社のビジネスがあって初めて成り立つビジネスを構築するべきではないということだ。そのようなビジネスは他社の気まぐれに大きく左右されてしまうからだ。データを持つ企業は、その公開範囲を自由にコントロールすることができる。そして、それによって企業の寿命や利益性が大きく左右されることになるのだ。

「ソーシャル」はビジネスの特徴の1つではあるが、それだけが頼りのビジネスを構築してはならない

草原が広がる約束の地はもう存在しない。データを無制限にリクエストしたり、ユーザー・データの細部まで入手できる時代はもう終わったのだ。その地に踏み入っていじめを受けるだけで済むなら良いほうだ。インターネットやソーシャル・ビジネスが成熟した今、本当の価値は壁で囲まれた庭に隠されているのだ。ユーザー・データを自社のコアビジネスに限定して活用すれば広告料を稼ぎ出すことが可能だからだ。広告戦略が他社よりも優れている企業もなかにはいるが、対価を払えば不自由なくデータにアクセスできるというビジネスモデルは絶滅していく。そのモデルを支えるにはマーケットが小さすぎるのだ。

それでは、これからのビジネスはどうあるべきであろうか?まだ可能性は大きく残されている。ただ、これまでとは違った見方で物事を考えればいい。「何かアイデアを思いついてみせる。それを成長させるために既存のコミュニティを活用する」と考えるだけではダメだ。今のAPIはそれを許してはくれない。最近のところでいえば、UberやPinterest、Snapchatがそうであるように、起業家は新しいコミュニティを活用する方法を考え出さなければならない。より縦断的で何かに特化したビジネス、つまり「共通の趣味・関心を持つ者のコミュニティ」を利用したビジネスだ。

「ソーシャル」はビジネスの特徴の1つではあるが、それだけが頼りのビジネスを構築してはならない。土台もなしにソーシャルの事ばかりを考えていても、誰にも利用されることのない「非ソーシャル」なアプリしか生まれない。それは間違いなく、失敗への近道なのだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook

 

SlackのAPIがアップデート、メッセージボタンでのタスク実行が可能に

slack-approve-deny

経費の承認、締切日の設定、フライトの確認など、Slackから他のエンタープライスツールに対し、この新しいMessage Buttons(メッセージボタン)からタスクの実行ができるようになる。Slackは、12月にローンチAPIにこれまでで最大のアップデートを施した。職場でいつも開いて使うポータルの立ち位置を確立したい考えだ。

例えば、「/kayak flights from NYC to BOC on 6/23」と入力するとフライトの選択肢がいくつか表示され、価格が変わった時にアラートするよう設定できる。

この新メッセージボタンは、12のアプリとデビューを飾る。コラボレーション・プラットフォームTrello、トラベルサイトKayak、人材管理サービスGreenhouse、ビジネス・インテリジェンスサイトQualtrics、コンタクトセンター用ソリューションTalkdesk、障害管理サイトPagerduty、AIショッピングアシスタントKip、プロダクティビティ・ツールKyber、GIFシェアアプリRiffsy、経費アプリAbacus、会計パッケージCurrent、ヘルプデスクアプリのTalkusだ。Slackはアプリディレクトリで入手できるアプリは500個になったとし、そこから随時対応アプリを追加していく計画だ。

この新機能からSlackと開発に関してのトレンドが見て取れる。

Slackは現在300万デイリーアクティブユーザーを抱え、93万人以上のユーザーは有料プランを利用しているという。平日5日間で平均10時間の利用があるという。Slackは継続的にサービス開発を進め、ユーザーがより長い時間使用するプラットフォームを目指す。

これは、Slackのビジネスモデルにとって重要なことだ。フリーミアムモデルを採用しているので、基本機能のアクセスには料金が発生しない。ストレージや他の機能を使いたい場合は、料金を支払う必要がある。 Slackにアプリのタスクを実行する機能をつけることで、ユーザーはSlackを使い続け、Slackを去る理由が少なくなるだろう(ユーザーがSlackをより多く使うことでストレージ、セキュリティー、アーカイブ機能のある有料プランに移行する理由も出てくる)。

また、「ボット」の急成長をSlackは自社の力にしたい考えが見て取れる。基本的なボットは自動でタスクを実行するミニアプリで、ユーザーをアプリ内の一連のアクションで導くものだ。ボットはFacebook Messengerといったメッセージアプリ、スタンドアローンのサービスSaphoなどに導入されていてる。Saphoは、ボットを組み込むことを想定していなかったソフトウェアのためにボットを開発している。今回の機能追加でSlackはこのボットのトレンドに対する姿勢を明らかにした。

Slackで各アプリがどう機能するかの詳細は以下の通り:

  • Trello:
    ビジュアル・コラボレーションツールで、どんな規模のチームでもプロジェクトの進捗を共有するサービス。Slackからカード作成、チームメンバーの招待、締切日の設定、カードに詳細情報の追加などが可能に。
  • Kayak:
    世界屈指のトラベル検索エンジン。Slackからフライト、ホテル、レンタカーの検索ができる。他にもFlight Trackerツールからフライトの更新情報を瞬時に取得したり、Price Alertで予約したいホテルやフライトの価格変更を通知で受け取ったりすることができる。
  • Greenhouse:
    適切な人材の応募、インタビュー、採用、オンボーディングのためのサービス。Slackユーザーは、別のユーザーや特定のSlackチャンネルに採用に関する通知を設定することができる。例えば、承認、新規候補者、新規の紹介、代理店からの提案、スコアカードの締切日などだ。
  • Qualtrics:
    Qualtricsは、インサイトの取得とそれに基づいた行動を喚起するサービス。QualtricsアプリはSlack上でミニアンケートの作成と送付ができ、フィードバックがすぐに得られるようにする。1-j4hgf6wm_GrW-xgn3QnZWw
  • Talkdesk:
    SlackとTalkdeskの強力なコンタクトセンター・ソリューションの統合で会社の内部と外部のコミュニケーションをシームレスにつなぐ。
  • PagerDuty:
    アジャイル障害管理ソリューションでITOpsやDevOpsのモニタリングスタックと連動する。イベントを集約し、それらを関連付けることで行動に移せるアラートを出す。運用の信用性と俊敏性の改善につなげる。
  • Kip:
    チームでの購入のためのAIアシスタント。オフィスのアシスタントやマネージャーが、オフィス関連用品の注文を集める時間とストレスを軽減する。
  • Kyber:
    Slackで初の会話型プロダクティビティツール。プロジェクト管理、カレンダー、リマインダー、todoリストを提供。チームのプロジェクトの立案と進捗の確認、ミーティングへの招待、タスクのアサイン、todoの管理、リマインダーやイベント情報の通知を設定できる。
  • Riffsy:
    Riffsyは最もダウンロードされているGif共有アプリ。Slackとの統合でぴったりのGIFを33言語から閲覧、検索することができる。遊び心を持って考えや気持ちを伝えることが可能になる。
  • Abacus:
    唯一の知的な経費報告ソリューション。データと行動分析により、経費の作成と承認に関してレコメンドや自動化を行う。チームの招待から承認した経費の払い戻しまでできる。
  • Current:
    Currentは、人生における財政管理のデジタルハブを構築する。Slackを通じて、すぐにCurrentチームと直接やりとりすることもできる。
  • Talkus:
    TalkusはSlack経由のヘルプデスク。Slack経由で会社のチームは、カスタマーとウェブサイトのライブチャット、メール、携帯やSMSで一対一のやりとりをすることが可能。

AbacusのSlackメッセージボタンで経費を承認

「この開発でSlackが全ての従業員が毎日、一日中使うツールになること、そしてSlackが全ての知識労働者が同僚、アプリケーション、ワークフローに関わるサービスになるポテンシャルがあることを示しています」とSlackは説明する。

Slackがより多くのエンタープライス向けツールの参加を促し、Slackでログインできるエンタープライスツールが増えるほど、カスタマーは他のサービスに切り替えるのが難しくなる。中核となるチャットアプリがコピーしずらいものではないと考えると、これは非常に重要なことだ。開発者エコシステムに頼り、その熱量、リーチ、そして機能連携アプリに投資するSlack FundでSlackは深い堀を築いている。

他のエンタープライス向けコミュニケーションツールがSlackの領域に侵略させないための堀でもあり、Slackのチャットインターフェイスを使用しているユーザーがサブスクリプションを解約する気を起こさせないための堀を築いているのだ。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website