新しいMacBook Proのキーボードは静かな音になったか?本誌の実験結果を聴いてみよう

スペックではどうか、だって? スペックの話はあとでしよう。今は、もっと重要な話だ。そう、キーボードのノイズ。バタフライスイッチに変えてから、ノイズの苦情が多くなった。

人間は、何かがこれまでとは変わると文句を言いたくなる動物であり、キーボードのような日常よく使う基本的な道具ほど、そうなる。でも今回の場合は、正しい手を持つ正しいユーザーの文句には正当性がある、と言えるだろう。

正しい手を持った正しいユーザーが、本誌にもいる。みなさんは、本誌のライターAnthony Haをご存知だろう。WebサイトTechCrunch.comやカンファレンスTechCrunch Disruptの常連だ。本誌TechCrunchのニューヨーク本社で、彼はぼくの隣に座っている。

みなさんはご存知ないと思うが、Anthonyの打鍵音は大きい。でかい。ばかばかしいほど、大きい音だ。コンピューターのキーボードが楽器なら、Anthonyはグレン・グールドになれる。それも、晩年ではなく、世界全体を自分の肩に背負ったような、若き日の天才グレン・グールドだ。

そんな彼は、コンピューターのキーに歌を歌わせることができる。だからキーボードのアップデートの話を聞いたとき、わがオフィスの全員が当然、テスターとしてAnthonyを選んだ。彼は、“弘法筆を選ばず”と豪語してそのチャレンジを引き受けた。

そして以下が、その結果だ。ビデオは、ここにある。

  1. Anthonyは、どのキーボードも大きな音で打つ。彼のことを、役に立つミュータントとは言えないが、しょうがない。
  2. これは、科学的なテストではない。TechCrunchが数百万ドルを投じた、キーボードの音用録音スタジオは、この記事には間に合わなかった。そこでぼくは、自分のポッドキャスト用のマイクを、Anthonyがタイプしているキーのそばに置いた。
  3. “The quick brown fox jumps over the lazy dog”という文章を、何度も何度もタイプした。それは、映画「シャイニング」のワンシーンを、すこし可愛らしくしたような情景だった。
  4. 前のキーボードとの違いは、はっきり分かるが、夜と昼ほどの大差ではない。Appleが言ってるように、基本的な技術は前と同じだ。ではどこがどう変わったのか、それをAppleは言わないが、そのうち例によって、分解屋さんの記事が本誌にも載るだろう。
  5. 音質には、明瞭な違いがある。前は、カチャカチャというタイプライターみたいな音だったが、今度の音は、水中で聞く音のように鈍い。両者の違いとしては、音の違いがいちばん大きいのではないか。
  6. 今日はアウトドアにふさわしい、絶好のお天気だったが、ぼくらは編集室に閉じ込められて、キーボードの音を録音していた。しかし、それもこれもすべて、読者のためのお仕事だった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

PCの売上が6年ぶりに増加、企業のWindows 10リプレースが主な原因

幽霊かもしれない。でもPCはまだ生きていた。調査会社のGartnerによると、全世界のパーソナルコンピューターの売上台数〔推測値〕は、2012年以来初めて、前年比で増加した。2018年第二四半期の総発売台数は6210万台で、前年同期比では1.4%の増だ。報告書は“1年前に比べて若干の成長を経験した”、と述べているが、それに続けて、PC業界の回復を宣言するのはまだ早い、とも言っている。

上位5社のPCベンダーがすべて成長を経験した中で、最大の成長率はLenovoの10.5%だが、これは富士通との合弁事業の寄与が大きい。以下、HPが6.1%, Dellが9.5%, Apple 3%, Acer 3.1%となっている。長年停滞していた業界にしては、良い数字だ。しかしこの報告書からはChromebookが抜けている*。Chromebookは近年のノートブックコンピューターにとって脅威だったが、今回業界は、それ抜きでも成長を記録した。〔*: 報告書原文より: Data includes desk-based PCs, notebook PCs and ultramobile premiums(such as Microsoft Surface), but not Chromebooks or iPads.

Gartnerによると、好調の主因は企業需要の増加だ。消費者市場は依然としてモバイルの増加が続き、PCは減少が続いている。しかし企業セクターの成長も長くは続かないだろう、と同報告書は言っている。

Gartnerの主席アナリストMikako Kitagawaが報告書中で書いている: “企業分野におけるPCの増勢は、Windows 10への置換がピークを迎える2年後以降は弱まるだろう。PCベンダーは、Windows 10へのアップグレードサイクル終了後の企業市場の成長を維持する方策を、探すべきである”。

消費者の多くは今後も身辺にコンピューターを置き続けると思われるが、しかしWebが第二のデスクトップになって以来、カジュアルユーザーのアップグレードサイクルは年々長くなっている。多くの人びとにとって、家にあるコンピューターはChromeブラウザーが使えればそれで十分なのだ。

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MacBook ProにもApple純正レザーケースができた

iPhoneとiPadのケースを何年も作ってきたAppleが、昨年10月ついにノートパソコン用のケースを作った。その革製ケースは「高品質のヨーロピアンレザーにソフトなマイクロファイバーのライニングが施され」、Appleロゴと”designed by Apple in California” の文字が刻印されている。理由はなんであれ、それはMacBookオンリーを意味していた。

しかし今日、それが変わる。今日発表された新しいMacBook Proには新しいMacBook Proスリーブがある。それはMacBook版と事実上変わらない革とマイクロファイバーのコンビネーションだが、大きめのサイズに合うように変更が加えられている。

そして先行モデルと同じく、色はブラウンとミッドナイトブルーの2種類————ただし、それに加えてAppleはブラックも用意した。新しいMacBook Proと同じく、スリーブも今日から発売される——ノートパソコンを危険な外部世界からまもろうという時でもクパチーノの言う通りにしたい人たちのために。

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Apple、新しいMacBook Proで再び「クリエイティブのプロ」に焦点をあわせる

WWDCで当然出てくると思われていた新MacBook Proは、他のハードウェア製品と同じく姿を見せなかった。Appleはクリエイティブ・プロフェッショナルたちの要望に答えることを再度約束し、重要なmacOSアップデートも紹介したが、その新機能を享受できる新デバイスがなかった。

本日(米国時間7/12)Appleは13インチおよび15インチのMacBook Pro Touch Bars付きモデルの新機種を発表した。

外観は何も変わっていない。新しいProは昨年のモデルと区別がつかない。例によって重要な変化は内部で起きている。6コアのIntel Core i7またはi9とストレージ 4TB、メモリー最大32GBを搭載——後者のためにAppleはDDR3からDDR4メモリーにアップグレードする必要があった。

性能アップはバッテリー寿命につながるので、Appleは7.7 Whバッテリーを強化した。ほとんどのユーザーにとってバッテリー寿命は前世代と変わらない。13インチTouch Bar付きモデルも同じような変更がなされ、、4コアi5またはi7でSSD最大2TBを搭載する。

AppleはTouch Barのないモデルも続けることを約束しているが、今のところアップデートの予定はない。

AppleはわれわれITライターに、何人かのクリエイティブプロフェッショナルを紹介した。マイクロニューロジーの専門家(UCSFのSaul Kato教授)から、パフォーマンスアート(Aaron Axelrod)やギガピクセル画像(Lucas Gilman)まで。これは「クリエイティブ・プロフェッショナル」という名称がいかに広い範囲を指しているかを示しているともいえる。

PC市場全体から見れば小さな存在だが(同社は15%程度のシェアと推定している)、彼らはインフルエンサーだ。作品はそれだけにとどまらない。著名なEDMプロデューサー(Oak Felder)や音楽ビデオディレクター(Carlos Perez)ひとりにつき、使うべきツールを探しているアーティストは無数にいる。

昨年4月、Appleは珍しく悪名高き鉄のカーテンをめくって、Mac Proシリーズの転換計画を公表した。Phil Schillerはデスクトップ機を「全面的に考え直す」ために製造を一時中断することを謝罪した。そして、TechCrunchのビデオプロデューサー、Veanneが「デベロッパーへのラブレター」と評したiMac Proを発表した。Veanneはテスト機を返却することに激しく抵抗していた。

このオールインワンマシンは単なる慰めのポーズではなく、見慣れたフォームファクターに詰め込まれたパワーハウスだった。そしてAppleがMac Proのリセット計画取り掛かっているあいだ、iMac ProはAppleのオフェンスラインを単独で支えている。新しいMacBook Proは、このパズルの新しいピースとして、スペースグレイのiMacで採用された数々の機能を継承している。

中でも専用に設計されたT2チップは、Intelチップの負荷軽減を担う。このチップが受け持つ仕事のリストは長く、オーディオシステムやディスクドライブから、トーンマッピングやFaceTimeの顔検出までこなす。

セキュリティー面でも重要な機能がある。Appleの報道資料を引用する:

iMac Proで初めて導入されたApple T2チップが、新たにMacBook Proにも搭載されました。Apple T2の搭載により、MacBook Proシステムのセキュリティが強化されて、セキュアブートとストレージのオンザフライ暗号化への対応、また、Macでも「Hey Siri」と呼びかけてSiriを起動できるようになりました。

Appleは、初めて”Hey Siri” をmacOSでも使えるようにしたのも興味深い。これは追加オプションだが、設定プロセスの中で有効にできる。ひとたび設定されれば、iPhoneやHomePodと協調し、一番近くのマイクロフォンを優先して動作する。CortanaやPiexelbookのGoogel Assitantなどと似ている。

一方True Toneは別の世界からの借り物だ。2016年にiPadでデビューし、周囲の環境に基づいて自動的に色温度を調節する。Appleの画像や動画編集への熱心な取り組みを考えると、この技術をこれまで導入しなかったことが奇異に感じる。これは、自分で使ってみるまでは重要性がわかりにくい機能だが、使ってみるとこれまでなかったことが不思議に感じられる。

しかし、クリエイティブプロフェッショナルたちが今週のイベントで繰り返し強調していたのは性能の強化だ。「時間が半分になる」は、iOSアプリのシミュレーターを動かしていたデベロッパートリオ(Leah Culver、Akshaya Dinesh、John Ciocca)や複雑な分子生物学のアニメーションをレンダリングしていたユタ大学のJanet Iwasa准教授らがもっとも多く発していたフレーズだ。

Appleの狙いは、プロフェッショナルたちがデスクを離れても複雑な作業をこなせるようにすることだ。これは魅力的なコンセプトだ。過去10年間、スマートフォンが数々の仕事に自由を与えた(同時にスマートフォンが人を縛っている問題は別の話)。今度は同じことをPCに要求することは理にかなっている。

もちろん、プロフェッショナルの中にはノートパソコンで強力なワークステーションを置き換えられない人もたくさんいるが、ポータブルコンピューティングの最近の飛躍はめざましく、新しいMacBook Proも例外ではない。

5Kモニター2台と外部GPUをThunderbolt 3経由扱える能力は、モジュラリティーを約束するものでもある。上述したクリエイティブな人たちの多くが、プラグアンドプレイによって重い仕事の負荷を分散できる能力を称賛している。

Appleにとってバランスの問題は難しい。ほとんどのユーザーは4K長編映画の編集や、VRゲームの開発には関係ない。ハイエンドのアップグレードはほとんどの人にとって日々の生活に影響しない。それでも、Siri機能と静かになったキーボードは間違いなく歓迎だ。

プロの要望に答えることは、Appleが長年続けている教育分野と同じく長い目で見れば効果をもたらすタイプの努力だ。いっときAppleはこの世界から目をそらしていると見られ、ライバルのの侵攻を許したが、iMac ProとMacBook Proと近々登場するmacOSのおかげで、プロフェッショナルは今もAppleの未来にとって重要なカテゴリーであることを明確に示した。

13インチ、15インチモデルともに本日発売。価格はそれぞれ1799ドル(19万8000円)to2399ドル(25万8000円)から。

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新しいMacBook Proのキーボードは静かになった

どんな仕事でもそうだろうが、ITジャーナリストには細部に執着する傾向がある。Appleが今週のイベントで新しいMacBook Proを披露した時、会社(および少数のプロフェッショナルクリエイティブ集団)は、スペックに関して多くのことを言わずにいられなかった。しかし、話題の大部分はその第3世代キーボードについてだった。

みなさんの熱い疑問に答えるなら、このキーボードは以前のモデルと比べてあきらかに静かになった。並べて比較するチャンスはまだないが(それは本格的レビュー記事に任せる)、第2世代キーボードを毎日使っている一人として、改善点はすぐにわかるレベルであることを確認した。

これは大きな問題の一つに答えるものであり、会議や図書館にMacBookを持ち込んでいる人にとっては、かなり気が楽になる改善だ。もしジョン・クラシンスキーがあの静かな映画(”A Quiet Place” )で古いMacBookを使っていたら、彼はほぼ間違いなく殺人モンスターの餌食になっていた。新しいProなら、彼にもう少しだけ戦うチャンスを与えるはずだ。

新しいキーボードは、技術的にそれ以外の違いはなさそうだ。バタフライスイッチは同じで、移動距離も前機種とかわらない。クリック音を下げるために何をしたのかについて同社は何も語らないが(これはどこかの分解アーティストの仕事だ)、改善されたことは間違いない。

なぜキーボードを全面変更しなかったのかは誰もが気になるところだ。可能性はいくつか考えられる。まず、キーボード問題が持ち上がったのは比較的最近のことであり、新しい技術を開発するための時間がなかった可能性がある。また、一部で批判はあるものの、あのキーボードにはファンもいる。実際われわれ編集部でも何台か使っている。

おそらく一番重要なのは、問題になったキーボード欠陥がAppleユーザーベースの中では比較的レアケースだったことこだろう。メーかーは欠陥を認め、影響を受けたキーボードの 無料修理を約束した。遠くない未来にキーボードが全面改訂されたとしても私はさほど驚かない。ともあれ、新しいキーボードが改善されていることは間違いない。

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アップル元従業員、自動運転車の機密情報を盗んだ罪でFBIに摘発。転職先への土産代わり?

eng-logo-2015アップルの元従業員が同社の機密情報を盗んだとして、米連邦捜査局(FBI)によりカリフォルニア州地方裁判所に告訴されたことが明らかとなりました。

被告のXiaolang Zhang氏は、アップルの自動運転EV開発計画「Project Titan」に関わっていた技術者の一人。機密の回路図などを自分のパソコンにダウンロードした上で中国に逃亡を図ったところを逮捕されたと報じられています。

2015年12月にアップルに入社したZhang氏はコンピュータチームに属し、センサーデータを分析する回路基板の設計及びテストを担当。その職務的な立場から、機密情報や知的財産権を含む社内データベースへの広汎なアクセス権を与えられていたとのこと。

そして2018年4月、子供が誕生したZhang氏は家族休暇を取り、中国を訪問。その後、彼は上司にアップルを辞職して中国の新興EVメーカーXmotors(小鵬汽車)に転職したいと相談。

彼の言動を上司が不審に感じたことがきっかけで、社内のセキュリティ部門が調査を開始。その結果、Zhang氏のネットワーク活動が過去2年と比べて「指数関数的に増加」しており、プロトタイプやプロトタイプ要件へのアクセスが明らかに。知的財産を含む大量の情報を、機密データベースからダウンロードしていたことが露見しました。

さらに社内の録画映像では、Zhang氏がダウンロード時間に合わせてソフトウェアとハードウェアのラボ両方に入っており、ハードウェアの入った箱を持ち出す姿も確認されたとか。

セキュリティ部門の取り調べで、Zhang氏はデータとハードウェアを持ち出したこと、それに自分のコンピュータから妻のノートPCに機密情報を転送していたことを認めました。

そのうち少なくとも60%が「非常に問題がある」と判断された上で、アップルはすべての証拠をFBIに引き渡し。FBIは「技術的な回路図やテクニカルリファレンスマニュアル、テクニカルレポートなど」本質的なものだったと裁判所に申告しています。

今回の件で興味深いのは、アップル社内のセキュリティ体制が垣間見えること。Titan Projectのように機密性の高いプロジェクトにアクセスするためには、従業員はアップルのVPN(仮想プライベートネットワーク)にログインし、「承認」を与えられる必要があり。

この承認にはまず、すでにアクセス権を持つ他の従業員に推薦が不可欠。さらに管理者の査定を受けなければいけないという二段構えです。

自動運転車プロジェクトのデータアクセス権限を持つ従業員は、ざっと5000人。その中でもZhang氏は、より高度なアクセス権を認められた約2700人の「コア従業員」だったとされています。

Zhang氏は6月下旬にFBIの取り調べを受け、機密を盗んだ事実を認めたとのこと。最高で懲役10年、25万ドルの罰金と伝えられています。

アップルは「我が社は機密保持と知的財産の保護を非常に重視している。この問題については当局と協力しており、可能な限り全てのことを行う」との声明を発表しています。

もっとも、今回の摘発はさほど意外ではありません。同社は今年4月、社内ブログに長文を掲載し、昨年のうちに「29件の情報漏えいが発覚し12人が逮捕された」と述べるとともに「失業するだけでなく、他社での再雇用も非常に困難になるかもしれない」と警告したと報じられていました。

発売前の新製品や開発中のプロジェクトにつき秘密主義を徹底する一方で、新型iPhoneなどのリークも絶えないアップル。社内にて厳しい警戒網が張り巡らされていたなかで、摘発されるべくしてされた事件かもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

Appleが機械学習のチームとSiri/AIのチームを統一、AIの適用を全社一本化

Appleは、Core MLとSiriのチームをひとつのチームにまとめた新しいAI/MLチームを作り、それをJohn Giannandreaの統率下に置くことにした。

Appleの今朝(米国時間7/10)の確認によると、同社の人工知能と機械学習を合わせたチームは、引き続きSiriを担当するとともに、Googleに8年在籍して機械学習とリサーチと検索のチームを率い、今年Appleに来たGiannandreaがそのトップになる。Googleの前に彼は、 Metaweb TechnologiesとTellmeを創業した。

SiriとCore MLのチームの内部的構造は変わらないが、トップがGiannandreaになる。Apple全体の構造の中ではチームは全社横断型の組織として、開発ツールや地図、Core OSなど、さまざまなプロジェクトに奉仕する形になるだろう。基本的に今ML(およびAI)は、どの分野でも必要とされている。

その昔Giannandreaは、Appleのチームメンバーが1989年に作った伝説の企業General Magicのシニアエンジニアだった。創業者には、Andy Hertzfeld, Marc Porat, Bill Atkinsonらがいたが、会社は結局失敗し、そのあとに革新的な技術の数々を遺した。たとえば小型のタッチスクリーンや、ソフトウェアモデムなどだ。General Magicは天才たちのインキュベーターとしても機能し、Susan Kare, Tony Fadell, Andy Rubin, Megan Smith, そしてAppleの今の技術担当VP Kevin Lynchらはみなここから巣立った。

Giannandreaは、TechCrunch Disrupt 2017でスピーチした。結果的に、そのタイミングは完璧だった。下のビデオを、ご覧頂きたい:

AppleのSiriとMLのチームは、多くの共通の目標を共有しているが、出自は違う。しかし今やAppleのありとあらゆるプロジェクトでAIがメインの機能だから、一人の責任者の下に全体をまとめるのが理にかなっている。Siriのこれまでの、行きあたりばったりのようなやり方も、Appleが地図のときのような本格的な肩入れをしていけば、修正されるだろう。また、ユーザーデータのプライバシーの維持保全という問題も、これまでのようにアプリ別分野別に個別に取り組むより、全社的総合的なAI/MLチームの担当管理下に置く方が有利、という計算も働いただろう。Create MLのような最近のリリースは、AppleのMLチームが内部的にやっていることの対外的表現だが、それも現状ではあまりにも断片的だ。そして新たな総合的組織を作ることは、統一に向けてのメッセージだ。

地図のときと同じく、今度のAI/MLチームも、クラウド上の一般的なコンピューティングにフォーカスする側面と、ローカルなデバイス上のデータ中心型のコンピューティング、という二面性を持つことになるだろう。人びとの手の中には今、10億あまりのAppleデバイスがあって、それらがさまざまなデータ処理を行っている。そう考えると、Appleがこれから築くものは、未曾有の、そして世界最大の、AIをメインとするエッジコンピューティングネットワークだ。Giannandreaが関心を持つにふさわしいチャレンジ、と言えるだろう。

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Apple、FaceIDとiPadの新CMを公開

Apple は、iPadの携帯性と利便性がノートPCや伝統的紙メディアよりも優れていることを示す新しいCMを展開している。15秒のCMは、iPadならいちばん面倒な仕事さえも簡単にできる、というところ焦点を当てている:旅行、メモ、書類、等々。

4本中3本に、3月の教育イベントで発表された第6世代iPadが登場している。このiPadは低価格(米国では329ドル)ながらPencilに対応している。

CMはAppleの国際YouTubeチャンネル(UAE、シンガポール、英国)で公開された。

この1日前、FaceIDに焦点を当てた 90秒のCMも公開された。そこではクイズ番組に出演している男が、その日の午前に作った銀行のパスワードを尋ねられる。彼はさんざん苦痛な時間を過ごしたあと、バンキングアプリをFaceIDでアクセスできることを思い出す。

iPadの次世代モデルにFaceIDが組み込まれるのではないか、という憶測が出ているが、本当のところはAppleの次のイベント(おそらく9月に行われる)までわからない。

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Belkinの新しいバッテリーパックにApple認証済みのLightningポートがついた

iPhoneを充電できるバッテリーパックは山ほどある。しかし、Lightningケーブル経由で充電できるものはかなり稀だ。どうやら Boost Charge Power Bankは、Appleのお墨付きでそれを作った最初の製品ということになりそうだ。

Belkinの新しいポータブル充電器には、2つの標準USBポートの間にLightnintポートがあるので、iPhone/iPadで使っているケーブルを使って(このバッテリーを)充電できる。かつてAppleの独自仕様のケーブルでいろいろ悩まされた者にとっては複雑な心境だ——それでも、一週間の旅からケーブルでいっぱいのキャリーオンバッグを持ってかえった人にとっては、1本で済むことについて何か言いたいことがあるかもしれない。

(ちなみに最近私は中国の空港で、一定以上の大きさのバッテリーパックを捨てさせるというつらい現実を目撃したが、それはまた別の議論だ)

バッテリーパックは10,000 mAhの電池を内蔵している——iPhone X/8 Plusの4倍近い容量だ。しかし、60ドルという価格は安いとはいえない。Amazonをざっと見た限り、ずっと大きなバッテリーをずっと安く手に入れることができる。もしAppleのMFI認証とケーブルの統合が、あなたにとって何かしらの意味を持つのであれば、これはおそらく一番のお薦めだろう。

Belkinのサイトで予約受付中。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

次世代iPhoneはカラーバリエーション大幅拡大へ――グレー、ホワイト、ブルー、レッド、オレンジが加わる

サプライチェーンからの情報によればAppleはこの秋、iPhoneに3つのシリーズを用意しているという。ひとつは 5.8インチのiPhone Xでスペックが向上し価格は引下げられる。2つめは新しい6.5インチのiPhone X Plusシリーズで、ディスプレイがOLEDだ。3つ目が6.1インチのiPhoneでFace IDに加えてカラーバリエーションが多彩になり、グレー、ホワイト、ブルー、レッド、オレンジが選べるようになるという。

9to5macによれば、著名なAppleアナリスト、Ming-Chi Kuo〔郭明錤〕は「最高モデルとなる6.5インチのiPhone X Plusは1000ドル前後で現在のiPhone Xとほぼ同額になる」と予想している。つまり次世代iPhone Xは現行価格より引き下げられることになる。カラフルな6.1インチiPhoneは価格としてはもっとも手頃なモデルとなり、700ドル程度だろう。記憶容量についてはレポートは触れていない。

廉価版のiPhoneの外観はiPhone Xによく似ており、FaceIDも含まれる。ただしデュアルカメラはX、X Plus限定となるかもしれない。郭明錤は700ドル前後のこのモデルがiPhone販売の55%を占め、2019年までにiPhoneのセールスはさらに上昇すると予想している。

カラーバリエーションについての情報が正しいなら、Appleはこれまで色彩に乏しかったマーケットに大胆な変革を持ち込むことになる。他のベンダーのスマートフォンも標準はグレーと黒で他の色はスペシャルモデルとなることが多い。これでは飽きが来る。Appleは廉価版のiPhone 5cでカラーバリエーションを増やそうとしたことがあるが、ベストセラーのモデルに多数の新色を持ち込むとすれば大きな戦略の転換だ。当然SamsungやLGも対抗することになるだろう。スマートフォンも虹のようにカラフルな世界になりそうだ。

画像:9to5Mac

〔日本版〕Ming-Chi Kuo〔郭明錤〕はAppleのプロダクトについて正確な予測をしてきたことで世界的に有名だが、この4月に台湾のKGI Securites(凱基證券)を離れ、香港のTF International(天风证券)に移った。今回の予測はTF Internationalのアナリストとしてのレポートという。新色のレッドが現行の(PRODUCT) REDと異なるのかどうかなどの詳細はまだ判明していないもよう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

これがiPhoneアプリの歴代トップだ――App AnnieがApp Store10周年記念レポート

7月11日にiOS App Storeは10周年を迎える。そこで今日(米国時間7/2)、iOSアプリモニター、分析サービスのApp AnnieはiOSアプリ史上で各ジャンルの上トップとなるアプリを発表した。このレポートでは2010年(この年にApp Annieが記録を取り始めた)以降のダンロード数、売上額双方のトップを調べている。同時にApp Storeでの主要な達成や出来事も報告している。

そのためApp Annueの特集はApp Storeの歴史を振り返るのにかっこうのレポートとなっている。App Storeは2010年以降、1700億ダウンロードと1300億ドルの売上を記録している。Appleが不正なアプリの大掃除をした後にもかかわらず、現在のApp Storeには220万種類のアプリが登録されているという。

App Annieはこのレポートでアプリをゲームとそれ以外のジャンルに分けている。 これは2017年の秋にAppleがApp Storeのデザインを大きくアップデートしたときの分類と同じだ。App Annieはこのジャンルをさらにダウンロード数と売上数に分けて調査している。

ゲーム

ダウンロード数でも売上でもClash of Clans〔クラッシュ・オブ・クラン〕、 Candy Crush Saga〔キャンディークラッシュ〕、Honour of Kings〔王者栄耀〕などの名作がランクインしているのは予想どおりだが、Temple RunやAngry Birds〔アングリーバード〕など記憶に残るゲームの一部は売上歴代トップ10に入っていない。売上で歴代1位はClash of Clans、2位は Candy Crushだ(こちらはダウンロード数で歴代1位)。

App Annieはクライアントに配慮する必要があり、ダウンロードや売上の実数をすべて明らかにしていないものの、Candy Crushは、2010年7月から2018年5月までの間に2億8000万回ダウンロードされているという。

売上歴代1位のゲームはClash of Clansで、同時期に全世界で40億ドル以上の売上を記録している。

App Annieはまたトップ・ゲーム・パブリッシャーのリストも作っている。これにはEA(Electronic Arts)、Tencent、Gameloft、Rovio、Glu、Disney、Zynga、King、Supercell
、Activision Blizzard、Bandai Namco、Storm8、Ubisoftなどが含まれている。

ゲーム以外のアプリ

この分野ではFacebookとGoogleのアプリがダウンロード回数で他を圧倒している。

Facebookが歴代1位、Messengerが2位、Instagramが4位、WhatsAppが5位だった。3位はGoogleのYouTube、6位はGoogleマップ、7位がSnapchat、以下、Skype、WeChat 、QQの順となっている

1位Facebookのダウンロード数は2010年7月から2018年5月までの期間で全世界で7億回だった。

しかし売上チャートとなると様相は大きく変わる。ソーシャル・ツールに代わってサブスクリプションやストリーミング・アプリが上位を占めた。Netflixが首位で売上は10億ドル弱、これにSpotify、Pandora、Tencent Video、Tinder、LINE、iQIYI、HBO NOW、Kwai、QQが続いている。

 

このレポートではApp Store自体のランキングとは別に、App Annieが選んだ毎年のトップアプリやApp Storeで起きた重要な出来事を記録している。

たとえば2015年から2017年の間でiOSアプリの売上は倍増し、Google Playでのアプリ売上の伸びを大きく上回った。 とくに100万ドル以上の売上を記録したアプリの数は5年間で3倍近くに増えた。これらのデータはApp Annieが10週年を期に新しく調査を行った結果に基づいている。

ただしデータのとり方について若干の説明が必要な場合が出ている。たとえばアメリカがiOSの単一マーケットとして売上が世界最大だというグラフが採用されているが、ベースとなった期間は2010年7月から2017年12月だ。

しかし現在では中国がアプリのマーケットとして世界最大であり、App Annie自身も2022年までこの地位は揺るがないと推定している。 中国まだ「累計で世界一のマーケット」ではないが、これはスタートが遅れたためだ。アメリカでのアプリ・ダウンロードが累計401億回であるのに対して、中国は早くも399億回とほとんど肩を並べている。また売上累計でも中国は277億ドルとアメリカの360億ドルに急速に追いついている。

レポート全文はApp AnnieのサイトからPDFでダウンロードできる。

画像:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

これはAppleの次期iPhone用USB-C高速充電器かもしれない

今現在、新しいiPhoneについてくるケーブルは、新しいMacBook Proにドングルなしではつながらない。#donglelifeは現実だ。しかし、もしこのリークが本当なら、その誤りはまもなく正される。

このたび明るみに出た写真は、Apple 18 W USB-C充電器のプロトタイプで、次期iPhoneに同梱されると思われる。もし本当なら、オーナーはiPhoneの高速充電機能を何も買い足すことなく利用できることになる。しかも、iPhoneとMacBook Proを買ってきたままでつなぐこともできる。

この噂は昨年にもあったが、それを裏付ける写真はなかった。

もし本当なら、このアダプターはiPhoneの電源アダプターにとって初めての大変更となる。Appleは長年5Wの充電器をiPhoneに同梱してきた。これは十分役目を果たしているが最高速で充電するために必要な電力は供給できない。仮にこの写真が公式Apple製品ではなかったとしても、Appleが似たようなものを準備している可能性はある。以前のリークでも同じような写真があった。

Appleは高速充電機能をiPhone 8/8 PlusおよびiPhone Xに搭載したが、その能力を利用するために必要な充電器はついてこない。ユーザーはサードパーティー製充電器にするAppleの30W充電器を50ドルで買う必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、マップの完全リニューアルを準備中――編集長が読者の質問に答える

今日(米国時間6/29)、Appleはまったく新しいマップを開発中だと発表して大きな注目を集めた。新マップはゼロからの作り直しになるという。TechCrunchの読者から質問が殺到したので代表的な質問に答えてみる。さらに質問があればTwitterに投稿して欲しい。できるかぎり答えを探ってみる。

マップのどの部分が改良されるのか?

マップ全部だ。Appleはマップをスクラッチで作り直している。今回は外部のパートナーに頼らず、、すべて独自データだ。

見た目として変わるのだろうか?

地表の植生の状態を表示するマーカーが追加される。これは地表が草や樹木で覆われていることをさらに正確に示す。池や駐車場、建物、野球のグラウンド、テニスコート、バスケット・コートなども実際の形状のとおりに示される。これまでマップに表示されていなかった歩行者通路も加えられる。またマップを見て建物の入り口がわかるような新機能も追加される。

つまりビジュアルにもそれとわかる変化があるということか?

新たに追加される詳細情報に関してのみビジュアルの変化がある。今回はマップのビジュアルを根本的に変化させるわけではない〔将来はあり得るだろう〕が、新しいマップを見れば変化に気づくだろう。たとえばこうした例だ。

新マップはiPhonesから送られてくる情報を利用するのか?

そのとおり。iPhoneユーザーの移動情報の一部を匿名化して利用する。「このルートは実際に通行できるか?」を検証したり、交通渋滞に関する情報を得たりする。

私が個人として特定されることはあるのか? つまりAppleは私がこれこれのルートで移動したと知るようになるのか?

これはノーだ。個人の移動情報を完全に保存しているのはその個人が所有しているデバイスだけだ。移動情報がAppleに送信されるときにはそのつど変化するランダムな識別子が割り当てられる。そのようなプライバシー保護措置を取った上でなければデータはAppleに送信されない。しかもAppleが入手するのはランダムに抽出された移動の一部セクションに過ぎず、個人がどこから出発してどこへ移動したかをAppleが知ることはない。情報はマップのアップデートと交通情報の表示のみに用いられる。もともとのデータが誰のデバイスから来たか知ることはない。たとえ外部からの要請があってもユーザーの移動を再現することはAppleにもできない仕組みだ。

移動データ送信からオプトアウトすることは可能か?

可能だ。位置情報サービスをオンにしなければ情報がAppleに送信されることはない。これはマップのプライバシー設定から随時変更できる。 この点は目新しい機能ではなく、以前からずっとそうだった。

新マップはデータ量が多くなり、より多くの電力を消費するようになるのか?

Appleではノーだと言っている。マップが新しくなることによる電力消費の増大は微小であり、全体としての効率の改善で完全にカバーできる程度だという。

一般公開はいつごろか?

サンフランシスコからシリコンバレー周辺のエリアに関しては来週からベータテストが開始される。秋にはカリフォルニア北部に拡大されるようだ。シニア・バイスプレジデントのEddy Cueは新マップ開発チームはグローバルな存在だとして、次のように明言している。

われわれは新しいマップ開発のために専任のチームを結成した。プロジェクトがすたーとしたのは4年前になる。機械学習からマップデザインまで広汎な分野の人材を集めた。このプロジェクトでは全世界で数千人が働いている。ここ、シリコンバレーだけでなく、シアトル、オースティン、ニューヨークなどにも多数のメンバーがいる。ベルリン、パリ、シンガポール、北京、マルメ、ハイでラバードなど他の国、都市でもそうだ。 

チームは全世界に広がっている。世界をカバーする新しいマップを作るにはこれは重要なことだ。われわれはユーザーが世界各地でAppleのデバイスをどのように使っているのか知ろうとしている。われわれは出先で役立つマップづくりを目指している。

将来はストリートビュー・モードが導入されるのか?

可能性はある。今のところAppleからストリートビューについての発表はない。しかし自動車から周囲の写真が収集できるようになれば、ストリートビューは完全に可能だ。ただし発表の段階にはないようだ。

各種ビジネスへの影響は?

Appleが利用しているコンピューター・ビジョン・システムは店舗や会社の名前を完璧に読み取る能力を備えている。だから各種ビジネスにも大きな影響があるものと思う。

建物の形状も3D化で改良されるのか?

イェス。Appleではマップ・エディターが3Dビューで建物の高さ、形状できるだけ正確に調整できるツールを使っている。この測定ツールは建物が何階建てか推定するためにも役立つ。これは建物内部のナビを行う場合に有用な機能だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、TV/Music/Newsの定期購読一本化を検討中

The Informationの記事によると、Apple は同社のメディアサービスを1つの購読契約にまとめようとしている。現在Appleの主たるメディア購読製品はApple Musicだが、同社が他の分野にも投資していることは公然の秘密だ。

具体的には、同社はこれまでに数多くテレビ番組配信権利を買ってきた。しかし、Appleがどのように販売するかは誰も知らない。たとえば、iPhoneやiPadをAppleTVでAppleのコンテンツを利用するために、月額料金を払う方法が考えられる。

Appleは去る3月にTextureも買収している。Textureは1つの購読で何十もの雑誌をダウンロードして読めるサービスだ。同社はCondé Nast、Hearst、Meredith、News Corp.、Rogers Communications、およびTime Inc.と提携して各社の雑誌を配布している。

Textureは今も利用できるが、Appleがもっと大きな計画をもっていることは明らかだ。ウェブコンテンツのフォーマットを変更してAppleのNewsアプリで再配布することに加えて、雑誌の有料コンテンツを追加する可能性もある。

購読サービスを別々に3つ作る代わりに、Appleは統一購読サービスを作るとInformationは書いている。Amazon Primeと似ているが、物品の配達はない。

ユーザーは、月間あるいは年間の購読料を1種類払って、Apple MusicとApple TVのプレミアムコンテンツとApple Newsのプレミアムコンテンツを利用できる。

たとえ購読しているサービスを全部使わなくても、ユーザーがその価値を認めれば、解約者を減らす効果が期待できる。

高い定着率と幅広いアピールを維持できれば、今やiPhoneの販売台数が対前年比成長わずか0.5%というAppleの利益改善に貢献できるかもしれない。Appleがいつテレビやニュースのサービスを提供するかはまだ明らかになっていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS上のAmazon Alexaアプリで音声コントロールが可能に

もう2年以上前にも思えるが、AmazonがAlexaのAndroidアプリに音声によるコントロールを持ち込んだのは実はやっと今年の初めだ。これによってサードパーティのモバイルデバイスにも、Amazonが進出していけるか、と思われた。そしてそのときは、同じ機能性を“もうすぐ”iPhoneにも導入する、と発表された。そして、そのもうすぐが今日(米国時間6/26)になった。

iOS上にAmazonのスマートアシスタントをダウンロードした者は今日から、そのアプリに訊いたり頼んだりできるようになる。もちろんそれはネイティブアプリではない(Appleは自分のスマートアシスタントをとても愛しているのだ)。そこで対話は、ボタンをタップしないと始まらない。

そしてそれ以降は、Alexaに質問をしたり、音楽を聴いたり、スキルにアクセスしたり、スマートデバイスをコントロールしたりなど、Alexaの‘芸’を楽しめる。天気予報やスポーツ、カレンダーなどの問い合わせに対しては、ビジュアルな表示も出る。このアップデートは“数日後から”、無料でダウンロードでき、利用できる。

スマートアシスタントの競争でAmazonには不利な一面がある。ビッグスリーの中でAmazonだけは、独自の、そしてメジャーな、モバイルOSを持っていない。MotorolaやHuaweiなどAndroidのハードウェア開発者とパートナーして、なんとか入り込んでいるが、でもGoogleとAppleは彼ら独自のスマートアシスタントのエコシステムを育てる気だ。

今後モバイル市場で何か大きな策を打ち出さないかぎり、Amazonにとってはアプリをできるだけ多くのiOSとAndroidハンドセットに載せていくことが、モバイル進出の最良の手だ。音声コントロールが加わったことによって、モバイル上のAlexaは突然、Echoデバイスをセットアップするだけのアプリではなくなったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleがMacBooksとMacBook Prosの不良キーボードを無料で修理する、申し込みはお早めに

2016年にAppleは、MacBook Proのキーボードの設計を変えた。彼らがおそらく望んだように、消え去りはしなかったが。

その後すぐに、キーの不具合に関する苦情が殺到し始めた。押すと、そのまま戻らないキーがあった。動きは正常だが反応しないキーもあった。

それから2年経ったが、その間には訴訟もあった。そしてついにAppleは問題を公式に認め、キーボードを無料で修理することになった。

これまでに、Appleに有料で修理してもらった人はどうなる? 連絡し、相談せよ。サポートページによると、これまでの修理代は返金するようだ。

Appleによると、無料キーボード修理の対象機は以下のとおり:

  • MacBook (Retina, 12-­inch, Early 2015)
  • MacBook (Retina, 12­-inch, Early 2016)
  • MacBook (Retina, 12-­inch, 2017)
  • MacBook Pro (13­-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (13-­inch, 2017, Two Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (13-­inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (13-­inch, 2017, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro (15-­inch, 2016)
  • MacBook Pro (15-­inch, 2017)

まずやることは、上記該当のラップトップをApple公認のサービスプロバイダーかAppleのリテールストアへ持ち込む。郵送してもよい。彼らは、ジュースやコーヒーをこぼしてキーボードが壊れたのではなく、確かに問題の機種であることを確認し、キーボードまたは基板を交換する。ただし、その修理は、すぐには終わらないことが多い。コンピューター全体を、一度完全に分解するらしい。数日かかる、と覚悟しよう。

保証期間が過ぎていても、Appleによれば、このキーボードの修理にかぎり、保証期限とは関係なく購入後4年以内の製品なら対象機となる。製品の設計不良の問題だから、もっと長くてもよいと思われるが、まあ、出だしはこんなところだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

オーストラリアでAppleが一部の顧客サービスを断って$6.6Mの罰金刑を食らう

【抄訳】
Appleはオーストラリアの消費者権利団体からの訴訟により、900万オーストラリアドル(660万USドル)の罰金刑を食らった。原告は、以前サードパーティに修理させたデバイスがiOSのアップデートにより使用不能になったときの、Appleの対応を問題にしていた。

公正な競争と消費者保護のための政府機関、オーストラリアの競争と消費者委員会(Australian Competitor and Consumer Commission, ACCC)は、所有者がAppleのiOSオペレーティングシステムのアップデートをダウンロードすると、一部のiPhoneとiPadが動作しなくなるエラー(‘error 53’, 下図)に関する、一連の苦情を調査した。

ACCCによると、Appleは2015年2月から2016年2月にかけて、AppleのアメリカのWebサイトや、オーストラリアの店内スタッフ、それに顧客サービスの電話がそのこと〔使用不能と顧客対応〕を認めた。彼らはerror 53を経験した少なくとも275名のオーストラリアの顧客に、そのデバイスがサードパーティによって修理されていたら救済の対象にならない、と告げた。それが、今回の訴件だ。

画像クレジット: 70023venus2009 Flickrより, CC BY-ND 2.0のライセンスによる

裁判所は、Appleのその態度はオーストラリアの消費者法に違反している、と判決した。

ACCCのSarah Court委員は、声明で次のように述べている: “オーストラリア消費者法(Australian Consumer Law)では、製品に欠陥があれば顧客は修理または交換、ときには返金の法的権利を有する。Appleの代表者たちは顧客に、自分はサードパーティの修理屋を利用したから自分の欠陥デバイスに関して救済を拒否される、と信じこませようとした”。

“裁判所は、「iPhoneまたはiPadがApple以外の者によって修理されたという事実だけでは、消費者保証の停止や消費者の救済の権利が消滅する結果にはならないし、なりえない」、と宣言した”。

ACCCによると、Apple Australiaは、法的強制力により、スタッフの教育訓練の改善や、保証に関する監査情報とオーストラリア消費者法を同社Webサイト上に載せることを行い、今後のコンプライアンスを確保するためにシステムと手続きを改良することになった。

さらにACCCによると、この判決によって解消した懸念は、Appleが交換用に再生機を提供していた、前に大きなエラーを被った品物を再生機として利用していたという疑念だ。実際にはAppleはそれらの状況において、消費者が要求すれば新しい製品と交換していた。

“iPhoneやiPadを買った人が重要な欠陥に悩まされたら、返金が当然だ。交換を希望する顧客には、再生品でなく新品を渡すべきだ。新品があるかぎりは”、と裁判所は言う。

裁判所はまた、オーストラリアAppleの親会社Apple USにも、子会社がやったことへの責任がある、と論じた。裁判所は、グローバル企業も、その返品に関する方針は各国の(ここではオーストラリアの)消費者法を遵守すべきであり、守らなければACCCのアクション〔==訴訟〕の対象になる、とも主張した。

Appleは昨年12月から今年1月にかけて、あの人為的性能劣化問題で、同様の消費者問題の爆撃を被(こうむ)った。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、iOS 12でiPhoneの位置情報を緊急センターに通知(米国のみ)

今日(米国時間6/18)午前Appleは、iOS 12の新機能を発表し、米国ユーザーがiPhoneで911通報した際、自動的に位置情報が初期対応者に送られるようになる。この動きは携帯電話から緊急電話をかけたときの問題に対処するものであり、旧来のシステムでは携帯電話の発信者の位置情報を迅速正確に取得することが困難だった。

911呼び出しの約80%が携帯電話からであることから、システムの改善は急務である。

2015年にAppleは、GPSおよびWi-Fiアクセスポイントを利用して発信者の位置情報を推定するHELO(Hybridized Emergency Location)と呼ばれるシステムを提供した。本日のAppleの発表によると、同社はさらにRapidSOSのインターネットプロトコルベースのデータパイプラインを利用して、このHELO位置情報を911センターに安全に送信することで、応答時間の短縮を目指している。

RapidSOSの技術は、多くの911センターにインストール済みのソフトウェアに統合される。

またAppleは、FCC(連邦通信委員会)は携帯通信業者に対して、2021年までに発信者の80%の位置を50メートル以内の精度で特定することを要求していることを指摘した。現在同社の位置情報サービスの精度はこの要求を満たしており、今後911センターは同じ精度のデータをアクセス可能になる。

いつものAppleらしく、同社は新機能のデータプライバシーを強調した。ユーザーの位置データは緊急目的以外に共有することは不可能であり、911センターのみが通話中に位置情報を利用できる。

この911対応は、今月行われたAppleのソフトウェア中心のカンファレンスであるWWDCのキーノートでは発表されなかった。そこでは、プライバシー、セキュリティーやAI利用など今年iOS 12に導入される数々の機能が紹介された。例年通りであればiOS 12は9月に一般公開される。

「社会は緊急時に911センターを頼りにしており、そこでは利用可能な最高の技術を利用できるべきだとわれわれは信じている」とApple CEOのTim Cookが新機能発表の声明で言った。「一瞬一瞬が重要な場面で、これらのツールは顧客がいちばん助けを必要としているときに初期対応者が手を差し伸べるのに役立つだろう」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleはAndroidユーザー向けにWeb上のMessagesを提供

メッセージングに関するGoogleの多様な努力は、最近Alloを“休止”してMessagesに一本化されたようだが、そのMessagesが今日(米国時間6/18)からWebでも使えるようになる、と同社は発表した。全ユーザーへの展開は来週いっぱいかかるようだ。GIF検索やスマートリプライなど、GoogleがiMessageに対抗するために盛り込んだ機能は、すべて揃っている。

同社は今年初めにAlloのチームをAndroid Messageへ移し、そしてそのアプリはメッセージングのスタンダードRCSを使っている。世界中のモバイル企業の多くが採用しているそのスタンダードは、iMessageより機能が多く、開封確認やタイピングインジケーター、高解像度の写真共有、便利なグループチャットなどの機能もある。

今回Messagesは、iMessageにない機能をさらに増やした。それは、Webのサポートだ。

Appleのユーザーは今でも、専用のアプリケーションを使ってMacからiMessageの会話にアクセスできる。GoogleのMessages for Webもそれと似ていて、メッセージへのクロスプラットホームなアクセスを提供する。Androidユーザーは、スマートフォンを使っていなくても、メッセージを見たり、チャットに応答できる。

ただしMessages for Webの実装はWhatsAppのデスクトップと似ていて、スマートフォンと同期するためにはMessageのWebサイトでコードをスキャンしなければならない。

Googleによると、Messages for Webはローンチ時からすでに、ステッカー、絵文字、画像の添付などもサポートする。

来週中にサポートされる機能は、内蔵のGIF検索や、スマートリプライ(英語と絵文字による返事のみ)、会話中のWebリンクのプレビュー、タップしてワンタイムパスワードをコピーする、などだ。

ワンタイムパスワードのコピー機能は、iOS 12のiMessageにもある。ワンタイムパスワードを要求するアプリやサイトにログインするときは、それを入力すべき欄に一回のタップだけでコピーできるようになる。Googleのは一回じゃなく、コピーとペーストで計二回のようだ。それでも、十分便利だけどね。

試してみたい人は、Google PlayからMessagesアプリの最新バージョンを入手すること。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Macの新しい広告キャンペーンでは最高にクリエイティブなアーチストもドングルを使用

Appleが、“behind the Mac”と名付けた、Macの新しい広告キャンペーンを開始した。このキャンペーンでは、仕事やクリエイティブなプロジェクトや障害などアクセシビリティの理由でMacを使っている人たちのストーリーをシェアしている。

Macは多芸なプラットホームだ。メールのチェックやWebの閲覧など、退屈な仕事のために使っている人もいるし、また数えきれないほどいろんなことに使ってる人もいる。Appleは、Macでは、WordやExcelを使うこと以外にこれも、これもできるよ、と訴求したいようだ。

Appleが今日(米国時間6/15)シェアしたビデオは4つだ。最初のは(下)、ほかの3つのまとめだ。ひとつひとつのビデオは、Macを毎日使っている誰かのポートレートだ。AppleのWebサイトを見ると、ポートレートは全部で12あることが分かる。

まず、Peter Kariuki(下)は、ルワンダの道路の安全性を改善するiPhoneアプリを作ったデベロッパーだ。

Bruce Hall(下)は、目の不自由なフォトグラファーで、写真を使って外界の細部を見ている。

そしてGrimes(下)は、今もっともおもしろい音楽アーチストのひとりだ。

三人ともラップトップを使っているが、たしかにMacBookはAppleのもっとも人気のあるコンピューターになった。Appleは、iMacやiMac Pro, Mac Mini, Mac Proを見捨てていないが、今では買う人がそんなに多くない。

また、これらのMacは最近の1年間アップデートされていない。Mac系の新機種も出ていない。だからそんなタイミングで広告キャンペーンを打つのは、ちょっと気になる。あと数か月は、Macのアップデートはないのだろう。

それに、最近のMacBookやMacBook Proを使っている人は、アクセサリーをUSB-CやThunderbolt 3のポートに挿入するために、あほらしいドングルを使っているかもしれない。でもGrimesでさえドングルを使わざるをえないのだから、しょうがないね。

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