Appleは差分プライバシー技術を利用して個人データに触らずにSafariの閲覧データを収集

macOS High Sierraの今日の一般リリースにより、Safariにも重要なアップデートが加わった。それらは、クロスサイトなクッキー追跡を無効にする機能や、広告の自動再生をoffにする機能だ。また、あまり大声で喧伝されてない新しい機能としては、データの収集がある。Appleがこのたび新たに実装した差分プライバシー技術(differential privacy technology)により、ユーザーの習慣に関する情報を集めて、問題のあるサイトを見つける手がかりにする、という機能だ。

Safariが、電力やメモリを大喰らいしてブラウザーをクラッシュするサイトを見つけるために、このようなデータ収集を行うのは、これが初めてだ。Appleはそういう問題ありのサイトの人気を調べており、それに基づいて最初にやっつけるサイトを決めるようだ。

差分プライバシーは、個人を同定できるデータをいっさい集めずに大量の情報を集める技術だ。だから、ユーザーまで遡(さかのぼ)れる情報は、何一つ収集しない。このやり方は学問的研究に由来していて、アルゴリズムによりユーザーデータを隠し*、大量の情報の中にトレンドを見つける。〔*: 個々の情報項目間で差分のないデータは、個人同定情報だと見なせる(たとえば名前はどの情報項目でもデータや場所が同一だ)。差分のあるデータが、個人情報を除いた、個々の情報の実質内容だ、と見なせる。Wikipedia。〕

SVPのCraig Federighiが、WWDCのキーノートでこう述べている: “ソフトウェアをよりインテリジェントにするための重要なツールのひとつは、複数のユーザーがデバイスを使ってることを示す、パターンを見分けるようなツールだ”。〔これは裏を返せば、単一ユーザーがそのデバイスを使ってるときのパターン。〕

Appleは差分プライバシーの技術を、キーボードの予測入力や絵文字、検索入力の予測のような低レベルのアプリケーションですでに使っている。そこでこの技術はすでに、同社のDevice Analytics事業の一環だ。

データ収集はオプトインの機能なので、ユーザーが意図的にonにしないと行われない。その点では、クラッシュ時の情報提供と同じだ。またこの件でSafariは、特別の登録や通知の画面は出さない。

今回の新しい実装はDevice Analytics事業にすでに含まれているので、ユーザーが新しいmacOSやiOSデバイスにユーザー登録したとき、自動的に提供される。そのシステムの詳細は、今後のドキュメンテーションで提供するそうだ。

差分プライバシー技術を使うことでAppleは、以前のようにユーザーのプライバシーを侵す危険なく、情報を収集できる自信を深めたようだ。またこの技術には、セキュリティ上の弱点もない。でもブラウザーのセキュリティをアップするためにユーザーの閲覧データをさらに多く集めなければならない、というのは、皮肉かもね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、macOS High Sierraの無料ダウンロードを開始

AppleのMac App Storeで最新のmacOSがダウンロード可能となった。ここ数年、macOSはiOSの影に隠れる傾向があったが、High Sierraのリリースも例外ではなかった。今回、iOSが華々しいアップデートだったのに対してはmacOSは地味だったこともその傾向を強めたようだ。macOS 10.13は目に止まりにくいインフラの改良が主となっている。

ただしこれらは重要な改良だ。Macのファイル・システムの実質的改良としてここ30年で初めてのものだというだという点は特に注目だ。いささかクレージーに聞こえるかもしれないが、これまでの数々の OS Xのアップデートははすべて同一のファイルシステム、つまりMacのスタート当初からのファイルシステムの上で行われてきた。ファイルシステムの一新はカジュアルなユーザーの目には触れにくいが、向こう何年にもわたってMacのパフォーマンスに重要な影響を与えることになろう。

High Sierraはまた4K向けに新しいビデオエンコーディングを採用した。Metal 2は今後のグラフィックスを大きく強化するものだ。エンドユーザーにとってはSafariと写真に新機能が追加されたことが大きい。広告ブロックが進化し、編集メニューにもさらに高度なオプションが追加された。詳しくはMacの新OSについての私の記事を参照されたい。

今回のアップデートでは一般ユーザーが飛びつくような派手な新機能をフィーチャーしているわけではないので、新OSのダウンロード数が前回に比べてどうなるか興味あるところだ。もっともAppleによればSnow Leopardも主としてOSの改良だったが販売は好調だったという。 しかも2009年のSnow Leopardが有料であったのに対して、High Sierraのダウンロードは無料だ。ユーザーは概して無料のプロダクトを好むと聞いても意外な印象は受けない。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook <A

Apple、Siriのウェブ検索をBingからGoogleに変更――iOS、Mac Spotlight、Safriの結果が一致

AppleはこれまでSpotlight検索と呼ばれていたSearch inside iOSや、MacでのSpotlight検索でのSiriのウェブ検索エンジンのデフォールトをGoogleに切り替えた。

たとえばiOSで何かSiriに質問し、Siriが手元に答えがなくてウェブ検索でバックアップしようとすると、MicrosoftのBingではなくGoogleで検索した結果を得ることになる。アップデート:Microsoftからコメントがあったので「画像検索はBing」という情報を追加した。

今回の変更が行われた理由の中でAppleがもっとも重視したのは一貫性のようだ。Mac、iOSのSafariはすでにデフォールトでGoogle検索を利用している(これによりAppleはGoogleから毎年数十億ドルの収入を得ている)。今後はSiri、iOSの検索窓、Spotlightなどの結果が一致することになる。【略】

今後はiOSのSiriが「その答えは分かりませんがウェブの検索結果は次のとおりです」と答える場合も、国際的に統一されたHey, Siriという呼び掛けでSiriを起動し、ウェブを検索させた場合にもGoolgeが検索エンジンとなる。

ただしGoogleで検索されるのは通常のURLとビデオで、静止画の検索結果はBingから来る。かなり前からBingの画像検索には定評があったのでこの点は納得できる。もしSiriにユーザー自身の写真を探させる場合は、ウェブではなく写真のライブラリが検索される。面白いことに、ビデオの場合はYouTubeが直接検索される。

すべてのウェブ検索はAPIを通じて通常のGoogle検索結果が表示される。つまり関連性によりランク付けされており、広告やKnowledge Graphによるカスタマイズがそのまま表示される。YouTubeビデオをクリックするとやはり広告が再生される。ユーザーが直接Googleサイトを訪問するのでなくともGoogleにとってはやはり収入源となるわけだ。

すべてのApple上でのユーザー行動は暗号化され匿名化されており、個々のユーザーを特定するために用いることはできない。しかしGoogle検索結果をクリックするとGoogleサイトにジャンプすることになり、以降はGoogleのユーザー・トラッキングが適用される。ウェブサイトをクリックして直接そこにジャンプした場合にはGoogleのトラッキングは適用されない。

この切替の実施タイミングも興味深い。iOSのアップデートにつづいて、今日(米国時間9/25)、Mac OS、High Sierraがリリースされる。データのプロバイダを複数使う例はこれまでにもあった。マップはYelp、Foursquare、Garmin、Tripadvisoなど10以上のデータ・ソースを用いており、それぞの得意の分野、地域で利用されている。【略】

いまひとつ分からないのは、今回の変更の原因がAppleが検索結果に一貫性を求めるためだけだったのか、それともAppleが30億ドルを得る契約にGoogleがデフォールトの検索エンジンという立場を維持することが含まれていたのかだ。おそらくは両方の動機がいくぶんずつ混合していたのだろうと思う。

この変更は順次公開されており、今日の午後までに世界に行き渡るはずだ。

アップデート:われわれの取材に対しMicrosoftの広報担当が以下のようにコメントしたので、これに応じて記事を修正した。

われわれはAppleとの提携関係を尊重しており、多くの面で関係を強化していきたいと願っている。現在Bingの画像検索はSiriに用いられ、最高のユーザー体験をもたらしている。【略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhone 8とApple Watch 3が販売開始

新築なったスティーブ・ジョブズ・シアターで披露されてから一週間余りがすぎ、iPhone 8/8 PlusとApple Watch Series 3が店頭に並び始めた。例によって、我先に新機種を手に入れようと世界中の待ちきれないファンが店に並んだが、列の人数はこれまでより明らかに少なかったたようだ。

Reutersによると、いつもは「数百人」だったシドニーの行列が、ことしは「30人以下」だった。今のところ新型iPhoneは好評のうちに迎えられている。本誌のMatthew Panzarinoは、新しくなったカメラをほめちぎっていた

もちろん、11月3日発売の超プレミアiPhone Xによる買い控えの影響はあるだろう。ネット注文が増えたことも理由の一つかもしれないし、ハイエンド市場での競争も激化している。今やAppleは、唯一の高級携帯電話メーカーと呼ぶにはほど遠い。

新しいApple Watchの評価は分かれている。少しのあいだ着けてみて私は今もこれが最高のスマートウォッチだと考えているが、最近報じられたLTE問題に水を差さされたのは間違いない。LTEは新Apple Watchをほかの高級機と差別化する重要な機能なだけに、これは残念だ。Appleは修正を約束しているが、会社としては発売前に見たくなかったニュースサイクルだったろう。

恒例にならって、Appleは最初の週末の販売成績を週明けに公表するはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone 8は分解しても意外性は少ない、でもSonyによるカメラの細部技術がおもしろい

いつものごとく待望のiFixitによるiPhone 8の分解報告が出た。今回は、意外さという点では大したものはないが、でも、そこに隠されていたおもしろいお話はいくつかある。たとえば、“pixel pitch”(ピクセルピッチ、ドットピッチ)なんて言葉、あなたは知ってたかな?

基本的にこのスマートフォンは、大方の予想どおり、衣装を変えたiPhone 7と言ってもよい。ペイントとスーパーグラス(ガラス)が変わっている。分解も7の場合とほとんど変わらなかったが、Apple特製のネジが減り、ふつうのネジに換わった。ただしバックパネルは、前よりもずっと開(あ)けにくくなっている。結局iFixitは、ガラスをレーザーで削らなければならなかった。

8のバッテリーは7の7.45mAhよりやや小さく、6.96mAhになっている。Appleの言うとおり効率がアップしたのなら、あまり重要な問題ではないが。

ディスプレイの部分に、iFixitにも分からないおかしな小さなチップがある。誰か、わかる人いる?

これは一体何だ?

すでに言われているとおり、リアカメラの性能はこれまでのスマートフォン中最高だ。今回分解したのは8 Plusではなく8だが、TechInsightsが撮った8 PlusのX線写真(下図)には、センサーのマニアにとっておもしろそうなものが、写っている。

どちらもSony製の裏面(りめん)照射型CMOS画像センサーで、大きさは32.8平方ミリメートル、ただしデフォルトの広角カメラセンサーの方はピクセルピッチ(ドットピッチ)が1.22 マイクロメートル、一方ズームは、より小さい1マイクロメートルのピッチだ。

 
ピッチが大きいと、そこに当たる光量も多い。そして1/4マイクロメートルの差は結構大きい〔面積では5割増し〕。だから広角の方のカメラは低照度で性能が良く、ISOの設定を上げなくても短い露出時間が可能だ。

そして最後に、これはAppleがカメラに積層型センサーを採用する最初の製品だ。つまり、ピクセルウェルと信号処理とメモリが一体化している。iPhone 8のカメラはすごいよ!と人に自慢したくなったときは、心の片隅でSonyにも感謝しようね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

カメラテストの専門サイトDxOMarkの評価でもiPhone 8と8 Plusのカメラは最高評価

最新のiPhoneのカメラは、なにか特別のものである、という本誌のレビューに納得しなかった人も、DxOMarkのカメラテストのプロたちによる評価には、うなずく点が多いだろう。このカメラ試験専門のサイトは、明白に述べている: iPhone 8と8 Plusのカメラは、これまでのスマートフォンカメラの中で最良である、ただし、完全無欠ではない、と。

このカメラが傑出しているのは、ふつうに写真を撮る日常的な状況においてだ。つまり、やや暗いので明度補償モードを使ったり、はしゃぎまくる子犬にピントを合わせようとしてカメラが苦戦しなくてもよいような、状況だ。

そんなときには、iPhoneの自動焦点機能は正確であり、どんな光のもとでも細部まで明確で、また最近人気の高い、背景をぼかす人工的ボケ機能も優れている。Plusのズームは、このクラスのカメラでは最高だが、この機能はスマートフォンではまだ犬に二足歩行をさせるようなもので、できただけでもすばらしい。

至近の競合機であるPixelとHTC U11は最近、どの機能でもトップを独占していたが、それらにも勝っている。低照度撮影における細部の表現や、HDRの性能では、iPhoneが頭一つ抜いている。またとくにPlusでは、背景のぼかしがとても自然だ(後述)。

DxOMarkはいろんな状況でテストしており、サンプル画像も多い。それらのどれも一見に値するけど、ぼくがとくに感心したのはこれだ:

スマートフォンのカメラは短い期間に大きく進歩したが、残されている課題も多い。

改良すべき点も、まだ多い。自動焦点(オートフォーカス)は、いちばん重要な正確さでは合格だが、まだ十分に速くない。高評価のビデオも、Pixelに負けている。ポートレートモードは、ぼかしの境界部分にまだノイズがあるが、Pixelよりは目立たない。またDxOMarkは今回、スタジオ光源モードに言及していないが、ぼくも経験したように、多くの場合あんまし良くないからだろう。

これは、Appleが獲得するにふさわしい勝利だが、抜かれた走者もすぐに巻き返す気だ。Pixelのニューバージョンが、もうすぐ出る。上述の本誌レビュー記事でMatthewが指摘しているように、いまどきのスマートフォンレビューはたちまちカメラのレビューに退化してしまう。そしてGoogleも、そのことをよく知っているはずだ。では、10月4日に登場するその競合機は、‘どんなカメラ’だろうか?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、アプリの携帯網ダウンロード上限を150MBに

iOS 11の一般公開を期にAppleはアプリのダウンロード制限を多少緩和した。これまでiOSデバイスのオーナーは携帯ネットワークでアプリをダウンロードする場合、100MBが上限で、それ以上の場合はWiFiを使うことを求められた。生産性アプリ iWorkや多数のゲームがこの制限にかかっていた。今後、OTA(Over-the-Air)ダウンロードの上限は150MBになる。

この変更はAppleのデベロッパー向けサイトで簡単に報じられた。今回AppleはサードパーティーのデベロッパーにAR〔拡張現実〕アプリを開発する新しいテクノロジーも紹介している。これにより、ポケモンGOのような現実世界にバーチャル・オブジェクトを重ねて表示させるアプリの開発が容易になる。

しかし現在の人気ゲームのサイズを考えると、150MBはやはりかなり厳しい制限だ。

ダウンロード制限が緩和されることは1年も前から9to5Macが報じていた。Appleは2013年にダウンロード制限を 50MBから100MBに拡大したものの、それ以降は変更がなかった。もっともiOSのダウンロード制限は当初10MBだった。それから比べれば大進歩を遂げたことになる。

ただしなぜこうしたダウンロード制限が存在するのかは不明だ。ダウンロード制限は設定のオプションとすればよいはずだ。

現在、多くのiOSユーザーは無制限ないし事実上無制限に近いデータ転送量の契約をしており、大型アプリをダウンロードしても問題ない。 データ契約に制限があるユーザーの場合でも、設定で「上限あり」をデフォールトにしておけばすむことだ。これなら、自動アップデートなどで、知らないうちにデータ転送量を使い果たしてしまうことを防げる(セルラーでのダウンロードでデータ転送量を食ってしまう可能性が高いのはFacebookで、ほぼ2週間ごとに新バージョンを送り出している)。

しかしAppleは一部のユーザーに不便をさせても他のユーザーを守ることを優先しているようだ。同時にこの上限はデベロッパーに対して「望ましいアプリのサイズ」を示唆しているのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ひと目では分かりにくいiOS 11の15の小技

何ヶ月にもわたるベータ期間が終わり、iOS11が遂に登場した。これは本当に大型のアップデートだ。特にAppleは、すぐには気が付かない小さな機能をたくさん隠している。

もし友人たちを、iOSに関するオタクなスキルで感心させたいなら、ここにその幾つかを紹介しておこう。また、iOS 11のすべての変更についてもっと知りたい場合は、iOS 10の短くてスイートなレビューも書いてある。

1/15:コントロールセンターのコントロール

Appleはコントロールセンターを再デザインした。全てが1ページに収まっているので、スワイプして回る必要はない。

しかし、それが意味するのは、いくつかのショートカットが奥に隠れてしまったということだ。ネットワークアイコンの深押し(Padでは長押し)で、AirDropと個人用のホットスポットにアクセスしたり、ブライトネスインジケーターの長押しでNight Shiftなどにアクセスすることができる

2/15:コントロールセンターのカスタマイズ

しかしそれだけではない。ついにカスタムアイコンをコントロールセンターパネルに追加することができるようになった。とはいえAppleは、今のところそれをiOSの組み込み機能とネイティブアプリだけに制限している。

しかし、低電力モードに移行したり、コントロールセンターから音声メモを起動したりできるのは良いことだ。

3/15:エマージェンシーモード

緊急時には、スリープ/スリープ解除ボタンを5回押してエマージェンシーモードを有効にすることができる。iPhone Xでは、スリープ/スリープ解除ボタンと音量ボタンを長押しする必要がある。

このモードでは、Touch IDとFace IDが無効になり、誰もあなたの携帯電話のロック解除を強制することができなくなる。医療情報にアクセスしたり、この画面から911に電話をかけることも可能だ。

4/15:パスワードはA932JDPOQ02JDXMZ

パスワードが複雑すぎるので、友人の家に行ったときにWi-Fiネットワークに参加しないということもあるだろう。

いまや、もし他のiOSデバイスが、誰かが現在使っている同じWi-Fiに接続しようとすると、現在使っているデバイス上から簡単にパスワードを共有できるように、ポップアップが表示される。

5/15:端末から画面を録画する

もし開発者なら、これを気に入る筈だ。コントロールセンターにカスタムショートカットを追加して画面を記録できるようになった。

3秒間のカウントダウン後、iOSデバイスはあなたが行ったすべての操作を記録し、ムービーファイルとしてフォトライブラリに保存する。

6/15:強いGのかかったGIF

これは全てを変える。

もしこのGIFが好きなら、写真ライブラリに保存して後で共有することができる。写真アプリはお気に入りのGIFを保存して表示することができる。この機能だけでも、iOS 11はゲームチェンジャーになれる。

7/15:AirPodのショートカットをカスタマイズする

iOS 11では、AirPodのために2つの異なるショートカットを設定できるようになった。たとえば、左のAirPodをダブルタップしてSiriをトリガーし、右のAirPodをダブルタップして次のトラックにスキップするといった設定が可能だ。

便利!

8/15 :Googleマップよ、うかうかしてはいられないぞ

Appleマップには新しい仕掛けが入った。チームは、モールと空港の地図を徐々に追加している。一番近いレストランを探したり、別の階へナビゲートすることもできる。

Googleマップのユーザーにとっては何を今更ということろだろう、Googleのアプリは何年もこうした機能を提供していたのだから。だがAppleマップが好きな人もいるのだ!

9/15 :運転中の着信拒否

Bluetoothを使用して携帯電話を車に接続すると、iOSが運転中の着信拒否を自動的にオンにする。これがオンになっていると、iOSはすべての通知を停止して、路上に集中できるようにする。

また、車内でBluetoothを使用していない場合には、iOSは、自身の位置や加速度計に基づいて、運転を自動検出することができる。

10/15:Screenshot

AppleはSnapchatとInstagramから学んでいるようだ。iOS 11でスクリーンショットを撮ると、サムネイルが左下に表示される。それを開くと、スクリーンショットをトリミングしたり、注釈を付けて別のアプリで開いたりすることができる。

さらに良い点は、作業が終わると、iOSはこのスクリーンショットを保持するか、すぐに削除するかを尋ねてくる。やっとこの機能が!

11/15:2017年の大掛かりなアプリパージ

App Storeの設定で、定期的に使用しないアプリを自動的に削除できるようになった。ただしアプリの実体は削除されても、アイコンはホーム画面から消えない。次回にアプリ開こうとしたときに、iOSはまずApp Storeからアプリをダウンロードする。

16GBiPhoneの所有者は気に入ると思う。

12/15:QRコードをスキャンする

QRコードなんて、とても時代遅れさ…いやそうでもないかも?

iPhoneのカメラをQRコードに向けると、いまやスマートなiOSは、それがQRコードであることを検出して読み取ることができる。そしてもしあなたが日常的にWeChatを使うなら、これがどんなに大切な機能かわかるだろう。

13/15:小さい写真

iPhoneのカメラはますます良くなっている。しかし、それは写真やビデオもまた重くなっていることを意味する。毎秒60フレームの4Kビデオは、膨大なストレージを必要とする。

iOS 11では写真や動画にHEIFとHEVCがを使用するようになった。これはメディアファイルのサイズが、同じ品質で半分の大きさになることを意味する。また、写真や動画付きのメールを送信すると、iOSはファイルをiOS以外のデバイス用の標準JPGとMP4に自動的に変換する。

14/15:iPadダブルキーボード

iPadの上のグレイの文字を見ることができるだろうか?

iPadの場合、キーの上で指をスワイプダウンすると、2番めのキーボードに切り替えることなく数字やシンボルを入力することができる。慣れるまでには少し時間がかかるものの、かなり効率的だ。

15/15 :Ever-Notes(ずっと残るノート)

iPad上でのメモアプリは新しい機能を取り込んでいる。メモアプリケーションを使用して文書をスキャンできるようになった。

iOSでは、後でノートを検索できるように手書き文字のインデックスを作成しようとする。多くのハードコアEvernoteユーザーたちが、乗り換えるためにこれを待っていた。

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(翻訳:Sako)

ご注意:32ビットアプリはiOS11で動かなくなる――アップデートすると多くのゲームが忘却の彼方へ

AppleのiOSが一般公開された。iOS 11はiPadのユーザーには非常に大きなアップデートとなる。お気に入りのアプリを登録したドックがシステム全体で使えるようになり、全体に使い勝手がmacOSに近づく。ただしiPhoneユーザーの場合、改良はARKitによるAR〔拡張現実〕フレームワークのサポートなど主として目に見えない部分が中心になる。

一部のアプリはすでにこのAR機能を利用している。ロンドン生まれの乗換案内アプリ、Citymapperがそうだ。ただしユーザーはこの機能が「フラットな面がない地下鉄の中では表示できない。ギミックだ」と批判的だが…

すでに繰り返し紹介されているように新しい絵文字が追加され、コントロール・センターにはお気に入りのショートカットが追加できるようになった。

しかしiOS 11にアップデートするとデジタル歴史の忘却の彼方に消えてしまうアプリがある。すべての古い32ビット・アプリはiOS 11では動作しない。つまり多くのデータが袋小路に入りこんで出てこられないことになる。

お気に入りのiOSゲームが動かなくなった。Dungeon Raid、Flappy Bird、15 Coins、Puzzle Restorer、ASYNC Corp… 

Flappy Birdといえばあまりの中毒性にゲーム開発者が公開を停止したので知られるゲームだ。しかし本当にデジタル世界から消えるときが来たらしい。

そこで新しいOSにアップデートする前に既存のアプリがiOS 11と互換性があるかどうかをチェックしておこう。Settings > General > About > Applications に互換性のないアプリが表示される〔日本版注〕。開発者が将来改修すれば別だが、そうでなければアウトだ。iOS 11は互換性のないアプリを削除するようなことはないが、起動しない。

iPadユーザーが多くのゲームが動かなくなったと報じている。

しかし、EufloriaのようにiOS 11で作動するようにアップデートされたアプリもある。

「卵を割らずにオムレツは作れない」ということわざもある。新しいものを手に入れるには多少の不便をしのぶ必要があるようだ。

〔日本版〕この部分は日本語版では「設定->一般->about->App」のようになるはずだが、訳者のiPadではabout->appが表示されない。ネットをチェックすると「32ビット・アプリをインストールしていない場合、この階層が表示されない。問題となるアプリをインストールしていないので作動には問題ない」という意味の情報があった。手元にiPhoneがないためiPadとの作動の差異は未確認。iPadのiOS 11へのアップデートは問題なく完了し、1つを除いてすべてのアプリが作動した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleがSafariの新しい広告追跡防止機能(クッキーに対する制限など)を擁護

Appleには、Webの訪問者たちがオンラインの広告主たちに追跡されるのを制限する新しいやり方を、今さら引っ込める気はない。

Safariのその新しい機能はIntelligent Tracking Preventionと呼ばれ、最初は、6月に行われたAppleのカンファレンス、Worldwide Developers Conference(WWDC)で発表された。それは、広告主がユーザーを追跡する(調べる)のを防ぐための、複数の方法を組み合わせていて、たとえば広告のターゲット変えにクッキーを利用することを24時間だけに制限し、それ以降30日間そのクッキーを発行したサイトをユーザーが再訪しなかったら、クッキーを完全に削除する。

今週の初めに広告業界の6つの業界団体(Interactive Advertising BureauやAmerican Association of Advertising Industriesなど)が、Appleのこのやり方を“透明性を欠き恣意的”と批判する公開書簡を発表した。

“Appleの一方的で強引なやり方は消費者の選択権を奪い、広告に支えられているオンラインコンテンツやサービスとそれらを愛する消費者にとって有害である”、と彼らは書いている。

そしてAppleの答は? どうやら同社はこのまま前進を続け、消費者のプライバシーのための正しいやり方だと自分を擁護するようだ。以下が、同社の声明だ:

Appleは、人間にはプライバシーの権利があると信ずる。Safariはデフォルトでサードパーティのクッキーをブロックする初めてのブラウザーであり、 Intelligent Tracking Preventionはユーザーのプライバシーを保護するさらに進んだ方法である。

広告の追跡技術がこれほどまでに蔓延しているからには、広告追跡企業が人びとのWeb閲覧履歴を記録して保有していることもありえる。その情報は無許可で集めたものであり、広告のターゲット変えに利用されている。それによって広告が、インターネット全域で人びとを追尾しているのだ。新たなIntelligent Tracking Prevention機能は、このクロスサイト追跡に使われているクッキーなどのデータを検出して排除し、個人の閲覧をプライベートに保つ。この機能は広告をブロックせず、また人びとが実際にクリックして訪れるサイトの正当な追跡を妨害しない。サイトの機能と対話するために設計されているクッキーや、Webのパブリッシャー自身が置いた広告は、正常に表示される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AppleのFace IDには、ひとつの顔情報しか登録できない

AppleのFace IDは、1台の端末につきひとつの顔情報しか登録できないようになっているようだ。少なくとも、当初はそのようになっている様子。先日の発表イベントにて、多くの人が問い合わせを行ったようだ。TechCrunchもこの情報を確認している。読者の方もすでにご存知のことではあるのかもしれないが、重要なポイントであると思われるので、記事でもご報告しておく次第だ。

Face IDが、ひとつの顔情報の登録にしか対応しないというのは、ごくあたりまえのことのようにも聞こえる。指紋情報を確認するための指は何本もあるが、顔はひとつしかないものだからだ。指は複数あるものだし、また端末の向きや、しまっておくポケットによっても認証に利用する指が異なることはあり得る。そうしたケースに応じて、Touch IDでは複数の指を登録することができるようになっているわけだ。

ただ、自分の指紋情報を複数登録するだけでなく、たとえば恋人や子供の指紋情報を登録して利用している人も多い。指紋認証情報は5つまで登録できるようになっているわけで、自分の分を2、3登録して、あとは別の人ように利用するということも可能なわけだ。

「顔はひとつしかないのだから」というFace IDの運用ポリシーのもとでは、これまでのように複数人で使いまわすという行為が面倒なものとなる。たとえば恋人に使わせたい場合には、まず自分でカメラの前でにっこり笑ってから恋人に手渡すといった手間が必要になる。それがいやだという場合、パスコードを共有する必要が出てくる。パスコードの共有は、指紋認証に比べてちょっとめんどうくさいといったレベルのものではあるかもしれない。しかし多少ではあっても手間がかかることに間違いはない。しかも、頻繁にアクセスするのでなければ、パスコードを忘れてしまうというのもありそうな話だ。

Face IDを、iPadなど他デバイスに拡張していく場合にはさらに問題になるだろう。iPadはiPhone以上に、複数人で共有して使うことが多いデバイスだからだ。使い方にもよる話ではあるが、iPhone 8を選ぶのか、それともiPhone Xを選ぶのか、あるいはiPhoneではないデバイスが欲しくなるのかにも影響し得る話だと思うが、いかがだろうか。

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(翻訳:Maeda, H

Apple、AirPodsのワイヤレス充電ケースを発表

昨年のiPhone 7発表イベントで、AppleはAirPodsを発表した。一年後、Appleはこのワイヤレスイヤホンを早くも改訂する ―― 正確にはケースだけだが。AirPodsはいまだに多くの店舗で入荷待ちだが、オプションの充電ケースが発表された

新しいケースの見た目は殆ど変わっていない。しかし、インジケーターランプが外側についたので、ケースを開かずにバッテリー状態を確認できるようになった。なぜか? AirPowerワイヤレス充電パッドに置くだけで放っておけばいいからだ。

以前のAirPodsケースにもLEDはついているが、ケースの内側にあった。充電中はオレンジの点滅で、完了すると下の写真のようにグリーンに点灯する。

AirPodsをAndroid機やパソコンとペアリングするためには、ケースの後ろにあるペアリングボタンをLEDが点滅するまで押さなくてはならない。この手順が少し楽になる。ケースを開けたままスマートフォンをいじる必要がなくなるからだ。

Appleデバイスではその問題は起こらない。ケースを開いて一度だけペアリングすればいいからだ。すると、あなたの持っているほかのAppleデバイスとも自動的にペアリングする。

AirPower充電器の発売は来年なので、AirPodsの充電ケースはすぐには買えないと思った方がいいだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone 8とiPhone Xは高速充電に対応している

バッテリー容量の50%を30分で充電できたらいいと思わないだろうか? iPhone 8(と8 Plus)とiPhone Xならそれが可能だ(via Engadget)。この3機種は、Appleが初めて出した〈高出力充電器を使えば早く充電できる〉スマートフォンだ。

すでにiPad Proがそうであるように、新しいiPhoneは付属の充電器よりも速い充電速度に対応している。Appleの29ワットUSB-C充電器(MacBookに付属)とUSB-C-Lightningケーブルを使うと、ずっと早く充電できる。新しい13インチまたは15インチMacBook Proを持っている人なら、付属の61ワットまたは87ワットの充電アダプターを使うこともできる。

高出力に対応していれば、どのUSB充電器も使える、試してみる前に充電器の評判を確認することをお勧めする。USB-CとLightningの変換ケーブルについても同様だ。

MacBook充電器を使って、始終最新のiPad Proを高速充電している経験を言うと、違いはものすごく大きい。別の充電器が必要ではあるが、ついにiPhoneでもできるようになったのは大変うれしい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 11のサポートでQR、NFCに北米で復活のチャンス

今のところ世間の注目はピカピカの新iPhoneに集まっているが、iOS 11がわれわれの手元に届くのはそれより早い。9月19日にはモバイルOSのメジャーアップデートが実施され、対応するiPhone、iPadにインストールできるようになる。多くの新機能が用意されており、特にiPad、iPad Proのアップデートは大幅だ。

しかしiOS 11については、マスコミがあまり注目しない2つの新機能が将来のモバイル体験、ひいてはマーケティング全般を大きく変えることになるかもしれない。

iOS 11の2つの機能というのは、デバイスのカメラ・アプリから直接利用できるネーティブQRコード・リーダーとNFCチップのサポートだ(これまでNFCの利用はApple Payのみに制限されていた)。iPhone 7以降のアプリはNFCが利用できることを求められる。iPhone 6、6s以降のデバイスはApple Pay用のNFCチップを搭載していたものの、やはりこれは近接コミュニケーション・テクノロジーにおける大きな進歩だ。

その理由はこうだ。QRコードとNFCはモバイル・デバイスを現実世界に接続するためにきわめて有効な方法だ。QRはもちろん10年以上前からこの目的にために使われてきた。特にアジア市場では驚異的な普及をみせている。NFCもAndroidスマートフォンでは以前からサポートされていた。クレジットカードより偽造が難しく、交通機関における料金支払やショップでアイテムの購入に利用できる。また 公共施設のターミナルにスマートフォンをかざすだけでランドマークの情報を得られるなどさまざまな場面に応用可能だ。

NFCとQRはいわゆるハイプ・サイクルを何度もくぐり抜けてきた。実際QRコードが北米市場に紹介されたのは8年も前になる。当時、北米市場は日本を始めとするアジア市場で成功を収めたモデルをコピーして追いつこうと努力中だっった。NFCも大騒ぎされた後で失速し、それからある程度の成功を収めた。これが過去5年程度の間でおきた。

QRコードに至ってはアナリストや専門家によって何回も「死んだ」と宣告されている。しかしAppleはiOS 11でカメラが直接QRコードを読めるようにした(現在の一般公開候補のビルドでもデフォールトでそう設定されている)。これは北米でQRコードを復活させ、メインストリームに押し上げる効果があるかもしれない。残念ながらこれまでの努力はまったく実を結ばなかったのだが。QRコードはきわめて有力な規格で、現実世界の商品や広告ととスマートフォンを接続する方法としてこれ以上に使いやすく、また高機能なテクノロジーを新たに発明するのは難しいだろう。

NFCの普及はQRコードより困難度が高いかもしれない。AppleはNFCを何らかのタグの読み取りに制限しており、またアプリごとに実装されるべき機能としている。つまりデベロッパーはアプリを開発する際にアプリの中にNFCのサポート機能を独自に作り込まねばならないことを意味する。そうであっても、QRのサポートと同様、NFCにとって普及に向けた大きな一歩であることに変わりはない。

一部のアナリストや専門家は、「Appleのこれらのテクノロジーの採用は遅すぎだし、これ以前になされた普及の努力もほとんど効果を上げいない」などと批判するかもしれない。しかし新しいテクノロジーがメインストリームに普及するかどうかに関して、Appleがカギを握っていることを軽視すべきではない。ことに北米ではそうだ。その証拠に、たとえば、この次ホテルに泊まったときにベッドの枕元を見てみるといい。充電式の目覚まし時計に用いられているのはおそらく30ピン端子だろう。これは当初、iPhoneのコネクターとして普及したものだ。

QRコードとNFCは北米のメインストリームの消費者には依然としてほとんど知られていない。 しかしAppleがiOS 11に採用したことはこれらのテクノロジーへのアクセスを大幅に改善するだろう。当初の期待を実現するような普及への一歩となる可能性が十分ある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhone 8にはAppleが設計した独自のGPUが新しいA11 Bionicチップとともに載っている、機械学習のためだ

iPhone 8のカメラには、A11 Bionicという新しいチップが載っていて、それは6-coreチップを上回るパワーを秘めているが、今日(米国時間9/12)の発表でいちばん重要なのは、たぶんそこではない。

AppleがiPhone 8に載せたのは、独自に設計したGPUなのだ。GPUの、大量のコアの配列を動員する高速かつ強力な計算力は、自然言語処理や画像認識など機械学習のタスクにうってつけだ。ハイスペックなGPUはもちろんゲームにも向いているが、デバイスの配列をベースにしてSiriのエコシステムに人びとを閉じ込めたいAppleにとっても、これ〔カスタムGPU〕は大きな一歩だ。

ここまでの道も、長かった。4月には、AppleがiPhone用の独自のGPUを設計している、と囁(ささや)く声があった。機械学習のためにカスタムハードウェアやGPUを作って、ハードウェアをそのニーズに向けて最適化しようとしているのは、Appleだけでなない。しかしAppleにとっては、Siriとカメラと今後の機械学習ツールのために最適化されたツールを作ることが目的だ。

それにまたこれは、拡張現実におけるAppleの取り組みにとっても重要だ。デベロッパーには、拡張現実を開発するためのツールを提供して彼らの気を引きたい。またスマートフォンが高品質な消費者体験をサポートして、その魅力を一層高めれば、それもより多くのデベロッパーの心を捉える。

一方A11 Bionicの重要な特長は、下図に‘表示’されている:

Appleは通常、スマートフォンのアプリやそれが取り扱うプロセスの高度化ニーズに対応して、プロセッサーの高速化と効率化に努めてきた。でも今回独自のGPUを使うようになったことは、長年その部分を独り占めしてきたNvidiaを袖にすることだから、重大事件だ。しかもそれは今後、デベロッパーにとっても重要な意味を持つ。

今回本誌TechCrunchは、iPhoneイベントの記事やライブブログがめちゃめちゃ多いから、ぜひお楽しみいただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))



iPhone 8のカメラのポートレートライティング機能でプロがスタジオで撮ったような高級感ある写真を作れる

iPhone 8のカメラには、これまでのポートレートモード(Portrait Mode)に加えて、“ポートレートライティング”(Portrait Lighting)という新しい機能がある。この機能は機械学習を使ってカメラの画像をリアルタイムで分析し、それに基づいてプレビュー段階またはPhotosアプリで撮影後に、ライティングの効果を変えられる。

iPhoneでAppleは、人が気軽にいつも持ち歩くようなカメラに高度な撮影効果を持たせようとしているが、これもその一環だ。昨年のポートレートモードでは、人工的なボケ効果で背景をぼかし、被写界深度を変えたような写真を作れた。そして今回のイフェクトは、人工的にライティングを変えて、まるでプロの写真家が高価な照明装置のあるスタジオで撮ったような画調を作り出す。

Appleは、これがフィルターの一種ではないことを強調している。シーンを分析して、その結果に基づいて画像情報を自動的に調整するのだ。たとえば、いろんな部分の露出やハイライトを変えて、ダイナミックなライティング効果を作り出す。

今日(米国時間9/12)見たデモでは、顔の輪郭を明るくするとか、額(ひたい)などのハイライトを変えて単灯のステージライトが当たってる感じにしたり、顔をグレースケールにしてほかのものを黒っぽくフェードさせる、といった効果を見た。

この超クールなイフェクトは、iPhone 8 Plusのデュアルカメラを必要とする。だれもかれもがこの機能を使い始めたら、Instagramのフィードが、一見すごい上手な写真ばかりになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))



Apple、ワイヤレス充電パッドAirPowerを来年発売

AppleはAirPowerという名前の新しい充電パッドを開発中だ。今日発表されたiPhone 8またはiPhone XとApple Watch、さらにはAirPodsの新しい無線充電ケースも載せることができて、ケーブル無しで3つ同時に充電できる。ただし、手に入れるには2018年まで待たなくてはいけない ―― Appleは来年早くに発売すると言った。

AirPowerマットは、複数デバイスの充電が可能な新しい標準を利用する。今すぐ出荷しない理由がそれで説明できるかもしれない。おそらく量産体制にはいるまでにすべきことがあるのだろう。今日の発表前にそんな噂が流れていた。

AppleのAirPowerは、真のワイヤレスデバイスの普及を大いに促進するだろう。なぜなら今のワイヤレス充電には不便なことがおおいからだ(パッド1枚につき1台しか充電できない、置き方に制限があるなど)。出荷時期についてはチェックを続ける。値段(未発表)次第ではあるが、Appleはかなりの数を売るだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhoneのシリーズを整理してみた――少し複雑すぎ?

スティーブ・ジョブズは「シンプルにするのは複雑にするより難しい」という名言を残した。Appleは安易な方向に進んでいないだろうか。今日(米国時間9/12)、iPhoneに新しいモデルが追加されたことで消費者は多数のモデルから一つを選ぶことを強いられるようになった。シリーズ、サイズを比較し、さらにカラーバリエーションやストレージ容量を決めねばならない。

整理してみると、

  • 「小さくて安い4インチが欲しい」派」:iPhone SEは349ドルから
  • 「ヘッドフォン・ジャックはどうしても必要」派: iPhone 6S、6S Plusは449ドルから
  • 「未来に生きる。ヘッドフォンジャック要らない」派: iPhone 7、7 Plusは549ドルから
  • 「新モデルが欲しいが大きいのはイヤ」派:iPhone 8は699ドルから
  • 「大きいモデルが欲しいが200ドル節約したい」派:iPhone 8 Plusは799ドルから
  • 「最高モデルでFaceIDが欲しい」派:iPhone Xは999ドルから

以前は5種類のシリーズだったが、今日のイベントの発表で3機種増えた。さらにシリーズのネーミングもSE、添字なし、S、Plus、Xと5種類になった。

一部のユーザーには選択肢が増えることは嬉しいニュースなのだろう。しかし一般消費者には「選択を間違ったのではないか?」という不安をかき立ててしまうだろう。

「しまった、どうしてもヘッドフォン・ジャックは必要だった」、「あと少し出せばベストのiPhoneが買えたのに」、「表示は美しいが片手では操作できない」などという後悔が頻繁に聞かれることになりそうだ。

カメラ、自動車、テレビなどのテクノロジー製品を買うときにはどうしても面倒なスペックの比較がつきものだ。しかしAppleはシリーズを簡素化することによって「Appleの製品を買っていれば最良の製品を買ったことになる」という安心感を消費者に与えていたのでなかったか。しかし製品のシリーズが複雑化すると選択は難しくなるし、買った後での後悔も起きるようになる。契約しているキャリヤで使えないモデルが欲しいということになると、諦めて使えるモデルで我慢するか大変な手間をかけてキャリヤを変えるかしなければならない。

個人的な意見としては6と7のシリーズの販売を止めるべきだ。こうすればシリーズは小型、最新型の大型、小型、大型豪華版に集約できる。.

本当に優れたテクノロジーはテクノロジー製品であることを感じさせないものだと言われる。しかし「選択を間違ったかもしれない」という小さな声が頭の中でいつまでも聞こえているようでは本当に優れたテクノロジー製品とはいえないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

今日のAppleイベントをビデオでおさらい――Watch3、iPhone 8/8 Plus/X

今日(米国時間9/12)、Appleは多数のガジェットを発表した。プレゼンのビデオを見損なった皆さんのために下にまとめてみた。

AppleはApple Watch Series 3、4K Apple TV、iPhone 8、iPhone 8 Plusに加えて噂のiPhone X(10周年記念なので「テン」と発音する)を発表した。

Appleのいつも流儀でイベントのプレゼンでは多数のビデオが流れた。いくつかはストレートなCMだが、優れたデザインを強調するものやデバイスが開発された裏のシーンなども含まれている。

こうしたビデオはプレゼンの中でもたいへんよくできた部分になっていた。そういうわけで下のビデオを見ると時間とエネルギーの相当な節約になるかもしれない。

Apple Watch Series 3

上はWatchのユーザーの声を集めたもの。下はストレートなCM


iPhone 8

iPhone X

 

最初と最後はストレートCM。中段のビデオではジョニー・アイブがXの優れた部分を詳しく解説。



新しい4K Apple TVについてはこちら

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iPhone Xでは、Face IDがTouch IDを置き換える

Appleはつい先ほどiPhone Xを発表した。フチなしのエッジツーエッジ画面にホームボタンはない。ホームボタンがないことはTouch IDがないことを意味する。従来機種ではそこに指紋スキャナーが置かれていた場所だからだ。

このためAppleは、セキュリティーを守るためにFace IDを導入した。iPhoneを見つめるだけでロック解除できるしくみだ。この顔認証システムは、 Apple PayやTouch IDを利用してユーザーを識別する銀行アプリなどのサードパーティ製品ではTouch IDの代わりに使用される。

しくみはこうだ。新しいiPhone Xは最初に使用するとき、ユーザーの顔をあらゆる角度から3Dスキャンする。スキャン結果はiPhone Xのハードウェアチップの中に安全に保管され、iPhoneをロック解除するときカメラに映った顔との比較に使用される。

Appleは、この3Dフェイシャルマップを作るために様々な新ハードウェアを動員している ―― ドットプロジェクター、通常のフロントカメラ、フラッドイルミネーター、および赤外線カメラだ。Xbox Kinnectのミニチュア版がiPhoneの前面についたようなものだ。

Appleによると、顔スキャンは非常に精密で、他人の顔で誤ってロック解除される確率はわずか100万分の1だという。これはTouch IDのエラー率である5万分の1よりずっといい。そして、顔の写真を見せても解除はできないし、ハリウッド水準のフェイスマスク(下の写真)でもロック解除できない。Appleの技術チームは、ニューラルネットワークを学習させるために、さまざまなフェイスマスクを使用したと言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook