ビル・ゲイツ、 「Apple対FBI」に関する発言を明確化。予防措置と議論を求める

FILE - In this Sept. 27, 2015 file photo, Bill Gates, philanthropist and co-founder of Microsoft, participates in a session at the Clinton Global Initiative in New York City. The University of California announced Sunday, Nov. 29, 2015, it has pledged $1 billion over the next five years toward research and development of clean energy technology to fight climate change as part of a coalition led by Bill Gates. (AP Photo/Mark Lennihan, File)

編集部注:本稿のタイトルは当初「ビル・ゲイツ曰く、AppleはiPhoneをアンロックすべきだ」だったが、ゲイツは本稿の公開後Bloombergに登場し、意図を明らかにしようとした。インタビューの全編はここにあり、彼はややトーンダウンしている。

ビル・ゲイツはFBIを擁護し、Appleはサンバーナーディーノの銃乱射犯のiPhoneをアンロックすべきだと語った。Financial TimesのインタビューでMicrosoftのファウンダーは、これは一回限りのケースでありFBIは一般的なロック解除ツールを要求しているのではない、とする司法省の見解を繰り返した。

「これは政府が情報へのアクセスを求める個別の事例だ」とビル・ゲイツはFinancial Timesに語った。「汎用ツールを要求しているのではなく、固有のケースだ」

「これは、誰でも電話会社に情報を要求したり、銀行に取引記録を要求したりできることと変わりはない」と彼は言った。「銀行がハードディスクにリボンをかけて『これを切れと言うな、なぜなら今後何度も切れというだろうから』と言うようなものだ」

ゲイツのコメントは、Google、Facebookをはじめとするシリコンバレーの多くの幹部たちが、今回のiPhoneのロック解除を拒むTim Cookの強い姿勢を称賛しているのとは、全く対照的だ。

昨日(米国時間2/22)、Tim Cookは新たなレターを今度はApple従業員宛に公開し、FBIの命令取下げを求めると共に、Apple従業員に対しては顧客のデータを保護するセキュリティー機能に取り組んでいることに謝意を表した。

Apple vs FBI

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Bill Gates曰く、AppleはiPhoneをアンロックすべき

FILE - In this Sept. 27, 2015 file photo, Bill Gates, philanthropist and co-founder of Microsoft, participates in a session at the Clinton Global Initiative in New York City. The University of California announced Sunday, Nov. 29, 2015, it has pledged $1 billion over the next five years toward research and development of clean energy technology to fight climate change as part of a coalition led by Bill Gates. (AP Photo/Mark Lennihan, File)

Bill GatesはFBIの味方になって、AppleはSan Bernardinoの銃撃犯の電話をアンロックすべきだ、と言っている。Financial Times誌のインタビューでMicrosoftのファウンダーは、司法省の主張を単純に繰り返す形で、これは一回かぎりのケースでありFBIは一般的なアンロックツールを求めてはいない、と述べた。

“これは政府が情報へのアクセスを求めている特殊なケースだ”、とBill GatesはFinancial Times誌に語っている。“何か一般的なものを求めてはいない。特定のケースに関しての求めだ”。

“誰もが電話会社に情報の入手を求められるべきだ、とか、誰もが銀行の記録を取得できるべきだ、というようなレベルの話ではない”、と彼は語る。“たとえば銀行がハードディスクを紐でぐるぐる巻きにして、‘私にこの紐を切らせないでください、今後あなたは何度でも私に紐を切らせるでしょうから’、と言っているようなものだ、今のAppleは”。

Gatesの意見は、GoogleやFacebookの役員など、シリコンバレーの多数意見と著しく対照的だ。後者は、この特定のiPhoneを開けることに対するTim Cookの強硬姿勢を称賛している。

つい昨日、Tim Cookは別の書簡をリリースした。今回はAppleの社員宛てで、その中で彼はFBIの命令が撤回されることを求め、顧客データを保護するセキュリティ機能を担当している社員たちに感謝している。

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Donald TrumpがAppleのボイコットを呼びかける…あの電話機の今の正規のオーナーは政府、と主張

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大統領候補Donald Trumpが、FBIと抗争しているAppleをさらに強く批判した。

下のビデオでお分かりのように(撮影場所はサウスカロライナ州Pawleys Islandのキャンペーン会場と報じられている)、Trumpは海外に奪われた仕事を取り戻すという話題の中で、副次的にAppleに言及した。

“セキュリティ番号を明かすまでは、みなさん、Appleをボイコットすべきだと私は思う”、と彼が言うと、パラパラと拍手が起こった。“みなさんはどうですか? 私はそう思いますけど”。

本誌の読者はすでにご存知と思うが、今Appleは、政府がアンロックしやすいようなバージョンのiOSを作れ、というFBIの命令と戦っている。その標的は、最近のSan Bernadino銃撃事件に関わったテロリストが持っていたiPhone 5cだ。Appleによると、同社は“これまで”FBIに協力してきたが、“誰のiPhoneでもアンロックできるような”ソフトウェアは作りたくない、という。

本誌はAppleが今置かれている微妙な立場を解明しようとしてきたが、しかしTrumpはあくまでも彼的に単純明快だ。

“そのスマホは今では、人びとを殺したあのチンピラの所有物ですらない。今それは、政府がオーナーだ。彼の電話機ではない。われわれは、他人の電話機を無理やり調べるような、そんなとんでもないことをする必要はない。しかしTim Cookは、リベラルの大物のふりをしたいのだ”。

彼の話を、どれぐらい真剣に受け止めるべきか、それが分からない。Trump自身も、“私はそう思いますけど”と言って肩をすくめた。Trump(または彼のスタッフ)がiPhoneを使うようになったのはごく最近だ、という説もある。しかし彼のツイートによると: “私はiPhoneとSamsungの両方を使っている。Appleがテロリストに関する情報を当局に提供しないなら、彼らがそうするまで、Samsungだけを使うだろう”、という。

[カリフォルニアのラジカルなイスラムテロリストカップルに関する携帯電話の情報をAppleが当局に渡すまでは、すべてのApple製品をボイコットしよう。]

Apple vs FBI

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iPhoneのカメラがプロの道具になりつつあるようだ

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食通のためのオンライン雑誌Bon Appétitが、今月号でちょっとした冒険をした。写真家たちは自分のカメラをデスクに置き、43ページの特集記事用の写真をすべて、iPhoneで撮った。それはAppleの企画ではない。Bon Appétitの特集テーマが「文化」だったので、iPhoneを昨今の食べ物文化の一部と見なしたのだ。

編集長のAdam Rapoportはこう言う: “この号の表紙について議論したとき、今の食べ物文化をいちばん象徴する光景が、自分の食事をスマホで撮ることだ、という結論になった。今はそれを、誰もがやってる。そこで考えた。‘ちょい待ち、特集の全体をiPhoneで撮ったらどうだろう’って。読者も、それを期待してるんじゃないか。それに編集者は、いつも、何かおもしろい企画を考えていなければならないからね”。

つまらない企画だ、と思う人もおられるだろう。でも、プロの写真家Cait Oppermannの反応は違った。“私は、とてもおもしろいと思った。写真は自分の仕事だけど、毎日の生活の中で使うカメラは自分のiPhoneだ”、と彼女は語る。“ある意味では、私のいちばん使いやすいカメラだ。でも、仕事でiPhoneを使うのは、ちょっと変な気分だったけどね”。

今プロの写真家たちは、みんな、彼女と同じように感じているだろう。ファッションや食べ物など一部の業界は、モバイルのカメラとInstagramから大きな影響を受けている。食べ物とファッションの、おもしろいトレンドを知りたかったら、Instagramを見る。そして今度は、自分の写真をInstagramにポストする。

だから、食べ物のオンライン雑誌が、スタッフの多くが日常すでに使っているiPhoneを特集のテーマとして取り上げるのは、当然でもある。Rapportは語る: “今は、食べることの好きな人が、今食べてるものを気に入ったら、すぐにそのスナップ写真を撮れる時代なんだ。そしてその料理の美しさやおいしさを、みんなと目で共有できる。それは当然、プロの写真家にもできることだ。うちの写真家たちも全員、Instagramを毎日のように使っている。おもしろいのは、それらの写真の雰囲気が、彼らがプロとして印刷物の雑誌用に撮る写真とは、全然違うことだ”。

その特集はすばらしい。DSLRで撮ったプロフェッショナルな写真ではないから、最初ちょっと戸惑ったけど、確かにそれは、iPhoneの写真だ。

そしてつくづく分かったのは、iPhoneでも十分に、プロらしい深さのある写真を撮れる、ということ。言い換えるとiPhoneのカメラは、クリエイティブのツールとしても優れている。

写真家たちは今でも、コンピュータの上で自分の写真を編集している。iPhoneのカメラには、レンズ交換ができないなどの制約があり、またそれをコンピュータにすぐにテザーして大画面で写真を見ることもできない。しかしそれでも、iPhoneだけで十分できることは多い。

昨年12月に60 Minutesが、AppleのiPhoneのカメラ部門に800名の社員がいることを、すっぱ抜いた。Appleはカメラに大量の人材を注ぎ込み、他のスマホとの重要な差別化要因にしようとしている。iPhoneの、旧機種に対しても。

AppleはiPhoneのカメラを、スマホのおまけ機能として軽視していない。だから今では、DSLRを家に置いてiPhoneだけを持ち歩くプロの写真家が、増えているのだ。

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Apple Pay、中国で2日後にスタート

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Apple Payがまもなく中国でスタートする。ICBC(中国工商銀行)の広報担当者は、2月18日に開始するとWeChatで言っている。ただし、そこまで見に行かなくても、Apple Payの提供開始については、Apple自身が中国版ウェブサイトで詳しく書いている。

Appleは、中国で圧倒的勢力を持つ支払いネットワークのUnionPay(Visa、MasterCard、American Expressを上回る)と提携した。そして米国、英国と同様、スタート初日からApple Payに対応できるように、現地の大手銀行とも提携している。ABC、CCB、CMB、ICBC、を始めとする19行が名を連ねている。

これは米国、英国に続くわずか3番目の「本格的」なApple Payの展開だ。Apple Payは
カナダ、オーストラリア、香港、シンガポール、およびスペインでも利用可能だが、これらの国ではAmerican Expressカードにしか対応していない。Appleは一部の国々で銀行との提携に苦戦しており、今はまずAmerican Expressを独占的な提携先として選んだ。

しかし今週の中国進出はそれとは異なる全面的展開だ。中国の各銀行が参加している。これはAppleにとって大きな勝利だ。中国はiPhone 6, 6 Plus以降の機種を数千万人の人々が使う最重要市場である。

Appleは2つの大物ライバルと競合することになる ― AlibabaのAliPayとWeChatのウォレットだ。両サービスともNFC支払いシステムから始めてはいないが、支払いに関しては同レベルの抽象化を提供している。AliPayは中国の支配的オンライン支払いサービスであり、WeChatのウォレットはあらゆる種類の支払いに利用できる。

WeChatのウォレットは、コンビニでの支払い、タクシー料金、プリペイド携帯料金のつぎ足し、友達への送金等に使える。Appleがこうした競合の激しい市場でシェアを獲得できるかどうかは興味深く、注目したい。iGenによると、AppleはフランスでもApple Payの展開を準備している。

もう一つ注目すべきは、PayPalが中国での運用に関してライセンス取得に苦闘していることだ。例えば、PayPalは中国のEコマースサイトと提携して支払いオプションにPayPalを加えることができない。ここでもAppleは、中国当局と強力な関係を持つことを示した。

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Apple、一部のMacBook USB-C充電ケーブルをリコール。断続的にしか充電されない問題が発生

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Appleは、一部のMacBook USB-Cケーブルを設計上の問題があったとしてリコールしている。影響を受けるケーブルは、昨年夏まで全世界で販売されていた。

Appleは充電ケーブルのリコールに関する公式ウェブ記事に、015年6月までMacBookに同梱されていたUSB-C充電ケーブルの「一部」が「設計上の問題により」故障することがあると記載している。正確な問題は明らかにされていないが、影響を受けたケーブルを使うと、MacBookが充電されなかったり、断続的にしか充電されないことがあると言っている。

この新しいUSB-Cポートは、Appleが2015年3月にMacBookに採用したばかりであり、同社の伝統的やり方として、複数のポート機能 ― 電源、データ入出力、アクセサリーおよびディスプレイ接続 ― を唯一のUSB-Cポートに組み込んだ。このため、互換性の議論は少なくない。

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Appleは問題のUSB-C充電ケーブルを新しい設計変更されたものと無料で交換する。影響を受けるケーブルは、本体添付以外に単体アクセサリーとしても販売されていると書かれており、それも交換プログラムの対象となる。

対象となるケーブルには “Designed by Apple in California. Assembled in China.” という文字が印字されている。新設計のケーブルには、この文字の後にシリアル番号が印字されている ― 以下の画像を参照。

Apple USB-C charge cable recall

Appleによると、登録の際に有効なメールアドレスを提供した、あるいはAppleオンラインストアで購入したMacBook所有者には、2016年2月末までに新しいケーブルが自動的に送られる。それ以外の対象者は、Appleのオンライン交換手続きで申し込める。

これはAppleにとって、ひと月以内に2度目のハードウェアアクセサリーのリコールだ。同社は、1月末に一部の2芯電源プラグのリコールを発表し、「ごくまれ」にアダプターが壊れてユーザーが感電する危険があることを明らかにした。

Appleは、2012年9月から2013年1月にかけて販売された一部のiPhone 5向けの無料バッテリー交換プログラムも提供している。対象機種はバッテリーが突然放電したり正しく充電状態を維持できない問題がある。

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Appleは、次期iPhoneチップにSamsungを採用しないかもしれない

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AppleとSamsungは長年にわたる非対称なライバルであり、スマートフォン市場でしのぎを削る一方で、チップに関しては提携関係にある。The Electronic Timesの最新記事によると、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が次期iPhoneで唯一のA10製造業者になる。Samsungは次期iPhoneではAppleと取り引きをしないことになる。

これは一夜のうちの変更ではなく、AppleはこれまでにもTSMCと仕事をしてきている。iPhone 6sおよび6s PlusのA9チップは、現在TSMCとSamsungの両社が製造している。それ以前、TSMCはiPhone 6、6 PlusのA8の単独供給元だった。

複数の製造パートナーを用いることには様々な利点がある。第一に、供給不足の心配がなくなる。Appleが四半期に何千万台ものiPhoneを売ることを考えると、SamsungあるいはTSMCが単独で十分なチップを供給できるかどうかは疑問だ。SamsungとTSMCは他の携帯電話用チップも製造している。

第2に、複数のメーカーと交渉することによって有利な価格を得られる。Samsungの方がTSMCより高いのかどうかはわからないが、AppleはA10が巨大な契約になることから価格を引き下げることができる。

そして、Appleは最も効率のよい設計を選べる。TSMCのA9は、バッテリー寿命に関してわずかに優れていた。このためAppleがTSMCを選んだのにはこの理由もあるかもしれない。

Electronic Timesによると、TSMCは今秋のiPhone 7発売に備えて6月にA10の生産を開始する。設計には10 nmが採用されるかもしれない。A10の詳細を知るにはiPhone 7の分解を待たなくてはならない。

一般ユーザーにとって、iPhoneチップの製造元がTSMCであるかSamsungであるかよる大きな違いはない。どちらの会社もAppleの独自CPU設計を実装している。しかしSamsungのチップ事業は、この契約がなくなると大きな打撃を受けるかもしれない。

Via 9to5mac

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Apple、iPhoneのRemoteアプリで、Apple TV専用リモコンの全機能をサポートへ

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去る2015年10月、Appleは長年待ち望まれていたApple TVの新ハードウェアを発売した ― ピカピカの新Apple TVリモコンと共に。リモコンに話しかけて音声コマンドを発行したり、トラックパッドをフリックしてすばやく操作することができる。

しかし、長年のApple TVユーザーはすぐに異変に気付いた。AppleのiPhone用リモコンアプリ、Remoteは新しいApple TVの新機能に対応していなかった。Remoteは、専用リモコンが不得意な操作をするのに便利だった。基本機能(iPhoneをキーボードにする)は使えるようになったものの、その他の嬉しい新機能はない。

どうやら近々それが変わりそうだ。John Gruberとのインタビューで、AppleのEddy CueとCraig Federighiが、Remoteアプリのアップデートについて詳細を語った。

Eddy Cue:リモコンアプリは新しくなった…iPhoneがあればiPhoneのキーボードを使える。

Craig Federighi:実はそれだけではない…iPhoneのSiriでApple TVを操作できる。これは大きなアップグレードだ。

Gruber:でも、Apple TVにつなぐiPhoneのリモコンアプリは今もあるよね?

Eddy:ある。しかしCraigが言ったように、キーボードにしかならない…新しいアプリは、Apple TVリモコンの持つ機能をすべて持っている。例えばSiriも。

Craig:そしてもちろん、リモコンのトラックパッド機能もある ― 同じことがiPhoneでできる。完全なリモコンの置き換えだ。

Gruber:ゲームでも使えるのか?2プレーヤーゲームで、一人がiPhone、もう一人がリモコンを使う。

Eddy:そう、まさにその通り。一人がリモコン、一人がiPhone。

CueとFederighiが、社内の新しい情報についてここまでオープンに話したことは、かなりの驚きだ。伝統的にAppleはどんな小さなことでも鍵をかけた部屋にしまってきた。このこととiOSベータ版の一般公開を合わせてみると、Appleの中の誰かが「たぶん…たぶん〈そんなに〉秘密にする必要はないのだろう」と言っているようにも見える。

実際の会話を聞きたい人は、今週のGruberのThe Talk Showを見ると、ビデオの22:10あたりからこの話題が始まる。

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Apple Watchが値下げ。ただし近々Apple Watch 2が出るという意味ではない。

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今Apple Watchは、100ドル安く売られている。Best BuyB&H、Targetおよびおそらく他の店でも。例えば、38mmのSportモデルは249ドル、42mmバージョンは299ドルだ。これを、Apple Watch 2がすぐそこまで来ているからだと思う人もいるだろうが、それはありそうにない

むしろAppleは、同社初のスマートウォッチで市場シェアを把もうとしているようだ。Apple Watch(少なくともSportモデル)はWalmartでも扱っており、ホリデーシーズン前にディスカウントも行われた。

言い換えれば、Appleはできる限り早く市場シェアを獲得するための全力をあげている。今Apple Watchを買った人は、数年後にまた買う可能性が高い。そしてApple Watchの製品ライフサイクルは始まったばかりだ。この先には、山ほどのアップデートや、後期購入者や、高い利益率が待っている。

さらに重要なのは、Apple Watchを使うためにはiPhoneが必要だということ。Apple Watchを売ることは、ブランドロイヤルティーを高めるひとつの方法だ。新しいスマートフォンに買い換えるとき、Apple Watchユーザーは新しいiPhoneを買い求める ― Apple Watchを使うために。

Best Buy、Targetを始めとするいくつかの店はバレンタインデーの数日前からこのセールを開始している。Apple Watchはギフトに最適であり、もちろんAppleもそれに乗じようとしている。

Appleは3月15日にイベントを開催する可能性が高いが、Apple Watchの大きなアップデートは期待できない。新しいバンドやファッション会社との提携はあっても、同じApple Watchになるだろう。

もう一つ指摘しておくべきなのは、Appleが自社の店舗ではApple Watchをディスカウントしないことだ。同社は、サードパーティー店舗に値引きを任せ、Apple Storeでは元の価格を維持している。

すべてはイメージの問題だ。Appleはブランドの高級感を維持したい。この商品に関しては特にそうだ。Sportモデルを別にして、Apple Watchは贅沢品であり、贅沢品は安売りされるべきではない。

Via AppleInsider

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple WatchがiPhoneアクセサリーの地位を脱する3つの方法

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Appleは正確な数字を発表していないが、昨年春の発売以來のApple Watchの販売台数は期待された水準には届いていないと多くの関係者は考えている。Appleの2015年度の決算書類を見ると、Apple Watchは17億ドル程度の売上高があったもようだ。

一方で、iPhoneは第4四半期だけでの322億ドルも売れている。これは大きな落差だ。新製品を発表するたびに殺到する客で長い行列ができるのを普通としてきたAppleとしては見過ごせない事態だ。

私自身についていえば、独立前の12年間をAppleで過ごした。会社勤めをしていた期間の大部分といっていい。その間、音楽とエンタテインメント分野の立ち上げとプロモーションに関わり、必然的にAppleの各種製品と業務の過程に詳しくなった。

その経験から、私はAppleの新製品を買うにあたっていくつかのルールを守っている。たとえば、ガジェットを買う場合には発売から6ヶ月待つこと(新ジャンルの製品の場合は特にそうだ)。Appleが初期不良を退治するにはだいたいそのくらいの期間が必要だ。しかも待っている間に重要な新機能が追加されることも珍しくない。

その6ヶ月はとうに過ぎたが、私はまだApple Watchをポケットマネーでは買っていない。現在Apple Watch 2.0のリリースが間近だという情報が渦を巻いているが、私は今回も自分の原則を守り、発売後6ヶ月様子をみるつもりだ。

Appleで長期間過ごしたおかげで、私はApple Watchについてもインサイダーの視点とアウトサイダーの視点の双方を持っている。その知識に基いてApple Watchが改良されるべき(そして売上を伸ばすべき点)点をいくつか考えてみたい。

ファッション性:現行のApple Watchはライバル製品に比べれば十分にスマートだ。しかしテクノロジー・ガジェットという本質を守りながらさらにデザインを改良する余地はあると思う。Appleはファッション業界のトップを何人も採用している。イブ・サンローランやバーバリーのデザイナーたちがAppleをライフスタイルのブランドに押し上げるべく才能を注いでいる。最近、Appleはあのエルメスとも提携している

全体的にみればこうしたAppleの努力は十分な成果を挙げているようだ。しかし、エルメス版Apple Watchなど著名デザイナーによるカスタム製品は一般消費者には手の出ない価格になっている。しゃれた時計バンドが欲しいユーザーがみな金持ちとは限らない。

当然ながらAppleは次のステップとしてもっと手の届きやすいブランド、たとえばTargetなどと提携してApple Watchのカスタマイズを進めるべきだろう。現状ではカスタム製品を購入するためのハードルが高過ぎる。Appleはもっと幅広い層に魅力ある製品を販売するべきだ。

現状ではApple WatchはiPhoneアクセサリーの一つという以上の存在ではない

以前、iPod Nanoをリリースしたとき、Appleは市場に新しい製品ジャンルを確立しただけでなく、アイテムを派手なキャンディー・カラーにすることでターゲットである若い層の心をつかむのに成功した。同じように、Apple Watchのバンドのカスタム化を今よりもっと簡単にし、値段を下げるだけでApple Watchの売れ行きを大きく改善できる。

独立性:消費者は外出するときに所有するガジェットを全部持ち歩かなくてもすむようになることを強く願っている。Apple Watchの場合、機能の主要な部分をiPhoneに依存していることはこの製品の最大の弱点だ。現在、Apple Watchのユーザーは常にiPhoneを携帯し、Bluetooth接続を絶やさないようにしなければならない。iPhoneなしでは機能は大幅に制限される

現状ではApple WatchはiPhoneアクセサリーの一つという以上の存在ではない。独自のデバイスとはいえない。しかし将来は、Apple WatchはiPhoneを含めて他のAppleデバイスから独立した製品になるべきだ。そうなって初めてユーザーのライフスタイルにシームレスに溶け込むことができる。たとえばジョギングに出るときにiPhoneを持たずにApple Watchを腕に着けるだけでGPSやフィットネス機能が利用できたら便利だろう。あるいは空港で出発を待っているとき、予定の便に遅れが出たら腕でピンという音が鳴って通知してくれるというのもよい。

残念ながら、今噂になっているApple Watch 2.0ではまだこういう機能は搭載されないだろう。テクノロジーのさらなる進歩を待つ必要がありそうだ。Appleはコンピューターをデスクトップからノートへシフトさせることで大成功を収めた。同様に、Appleはスマートウォッチをモバイル・デバイスに従属した状態から解放することで市場に圧倒的な地位を築くことができる。

ヘルス:もう少し現実的なレベルでいえば、消費者がウェアラブル・デバイスに大きな期待を抱いているのはヘルス関連の機能だということが分かる。

最近のアメリカ人がますます健康に注意を払うようになった結果、体調管理に役立つアプリは目覚ましい成長を遂げている。 ヘルス分野ではAppleはアプリやサービスの開発をサードパーティーのデベロッパーに任せているが、Apple自身がヘルス分野のイノベーションを主導することができるはずだ。それはブランドとしてのAppleの地位を高め、ウェアラブル分野のライバルに対してさらに差をつけることを可能にするだろう。

指を刺して血液を絞り出さずに血糖値が測定できるデバイスや装着者に心臓発作の予兆があることを警告してくれるアプリなどには大きな可能性があり、Fitbitなどが開発中だ。Appleは現実の人々をよく観察し、現実のニーズを把握するべきだ。Appleはヘルスケア・デバイス市場のリーダーとなるために絶好の位置にいる。

テクノロジーが成熟するまで買うのを待つという点にかけてはスティーブ・ジョブズという良いお手本がある。ジョブズは洗濯機やドライヤーなどの電化製品を自分の家のために買うのが遅いので有名だった。ジョブズは製品が機能でも信頼性でもデザイン性でもきわめて高い水準に達していることを望んだからだ。私はこの点でジョブズを見習っている。私だけでなく、売上に関する統計をみるかぎり、多くの消費者がApple Watchに関して同じ態度を取っているらしい。

私はAppleがこうした点を実現してくれることを強く期待している。上に書いた3点はApple Watchのようなウェアラブルが今後どういう方向に発展していくのか様子を見ている消費者を惹きつける上で確実な効果があるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

非正規ショップでiPhoneのホームボタンを修理交換した人は、iOS 9を「絶対に」導入しないこと

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iPhoneのパーツがおかしくなってしまったような場合、非正規の代理店に持ち込む人もいることだろうと思う。ただしホームボタンが壊れた場合は、絶対に正規店に持ち込む必要があるようだ。ガーディアンの記事によると、Appleの導入したTouch ID保護に関わる「Error 53」というエラーにより、たくさんの人がiPhoneを操作できなくなるという事態になっているそうなのだ。このエラーに遭遇すると、iPhoneではあらゆる操作が行えなくなってしまう。

「Error 53」が発生してしまう原因は、iPhoneのホームボタンを非正規ショップで修理交換したことによるものだ。非正規ショップでホームボタンの修理交換を行なったiOSデバイスにiOS 9を導入すると、デバイスは操作不能となり、それを回復する手立てもないという状況になってしまう。

きっと多くの人は、これはAppleが修理代のマージンを取得するために仕込んだことだと考えてしまうことだろう。実はそうした金儲け主義が理由ではない。正規ショップで修理を行うと269ドルないし329ドルの修理代金がかかるが、それは意味のあることなのだ。

AppleがiPhone 5s向けにTouch IDを導入した際、セキュリティのために新しい仕組み構築する必要があった。すなわち指紋データをAppleのサーバーなどに送らない仕組みを実現する必要があったのだ。もちろんiPhoneのローカルストレージに通常のデータとして保存することもできない。iCloudやiTunesバックアップなどにデータを置いておくことも避けなければならなかったのだ。

そこでAppleが構築した仕組みが「Secure Enclave」という仕組みだ。Secure EnclaveとはAシリーズのプロセッサに組み込まれたコプロセッサで、システムへの不正なアクセスを防ぐように設計されている。Secure Enclaveには独自のUID(固有ID)がセットされていて、システムの他の部分からはもちろん、AppleさえもこのIDを知ることはできないようになっている。システムはデバイスの起動時に一時鍵を生成してUIDと関連付けることにより、情報にアクセスすることができるようになる。すなわちSecure Enclave内の情報にアクセスするには、かならずこの一時鍵を利用して行う必要があるのだ。

そしてここまでに記したセキュリティ効果に実効性をもたせるため、Touch IDのセンサーはSecure Enclaveとペアリングされた状態で動作するようになっている。さもなければ、ホームボタンを改造して自前のTouch IDセンサー動作させることで、Secure Enclave内のデータに不正にアクセスできるようになってしまう。たとえばApple Payなどを不正に利用することができるようになってしまうわけだ。

さらにiOS 9ではTouch IDセンサーとSecure Enclaveの結びつきが一層強化され、Touch IDセンサーを正統なものであると認識できなければ、「エラー53」を表示してiPhoneへのアクセスをブロックするようになったのだ。それで、非正規修理店の修理交換したホームボタンが一切動作しなくなってしまったのだ。正規ショップではSecure Enclaveと、新しいホームボタンのペアリング処理も行うようになっていて、それでホームボタン交換後もきちんとiPhoneを動作させることができるようになっている。

もっともらしい話ではある。ただしちょっとおかしなところもあるのではないだろうか。AppleはSecure Enclaveがメインプロセッサーと分離して動作する仕組みを導入している。それであればTouch IDとのペアリングがおかしくなっているときには、Secure Enclaveのデータが必要となる処理のみをブロックすることも可能だったのではないだろうか。あるいはTouch IDの処理を前提としているものの処理を行えなくするようにしてもよいだろう。

しかしたとえばこれまでに撮影した写真や連絡先情報などにまでアクセスできないようにする必要はないのだ。「エラー53」がシステムへのアクセスを拒否する仕組みはまったくひどいもので、ぜひとも再考をお願いしたい。

また、AppleはiOS 9.0へのアップグレード通知を行う際に、この「エラー53」について詳細な情報もあわせて通知すべきだろう。現在用意されているサポートページ程度では不十分だ。iPhoneの利用者には、自分たちが撮りためてきた写真にすらアクセスできなくなる可能性があることを、事前に知る権利があるはずなのだ。これはAppleのためでもあるはずだ。「エラー53」が出る理由を知った人の多くは、Appleが金儲け主義によりサードパーティーのリペアショップを潰そうとしていると考えるはずだからだ。

冒頭にリンクしたガーディアンの記事では、この問題はiPhone 6とiPhone 6 Plusで確認されているとのこと。iPhone 5sやiPhone 6s、あるいはiPhone 6s PlusでもTouch IDセンサーを使っているわけで、条件が一致すれば同様の問題が出てくるものと思われる。Touch IDセンサーを使っているiOSデバイスでは、いずれも同様の問題に遭遇する危険性があるのだ。

Appleからは以下のようなメッセージを受け取っている。

私たちはセキュリティを非常に重大なものと考えています。そうであってこそ、お客様をさまざまな危険から守ることができると考えているのです。そうした考えから、iOSはiPhoneやiPadに搭載されているTouch IDがオリジナルのものであるのかどうかをチェックしています。もし正しくない方法でTouch IDセンサーが交換されていることを検知した場合、Apple PayなどのTouch ID関連サービスを利用することはできなくなります。Touch IDセンサーを不正に利用するのを防ぐためには、どうしても必要なチェックルーチンであると考えています。「エラー53」に遭遇した利用者の方々には、Apple Supportに連絡していただきたいと考えております。

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(翻訳:Maeda, H

Apple Watchは2015年のスマートウォッチ市場の2/3を獲得、とアナリストが推計

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Appleはその最初のウェアラブル製品Apple Watchの売上を公表しないから、アナリストたちの推定に頼るしかない。そしてCanalysからの最新の推計は、1200万以上売れたApple Watchは、そのマーケットシェアが全市場の2/3だった、と言っている。そして、そのうちの500万以上が、クリスマスのあるホリデイシーズンの四半期に売れた。

Canalysの推定では、AWよりも先に出たSamsungが二位に復帰している。それはGear 2でデザインが良くなり、消費者に気に入られたからだ。Pebbleは三位、Huaweiが四位だ。後者はAndroid WearのOEMとしてはトップだ。

フィットネスのウェアラブルに限定すると、Canalysの推計では、昨年発売された総数は3700万あまりでFitbitがゆうゆうトップ、記録的な四半期台数となった。二位は中国のXiaomiで、その低価格製品Mi Bandが2015に1200万あまり売れた。

ホリデイシーズンのFitbitやApple、Garminに引っ張られて、ウェアラブルのバンド類は前年比で60%以上も伸びた。‘バンド類’と総称してしまえば、ホリデイシーズンのAppleはFitbitの後塵を拝して二位、三位がXiaomiだ(いずれも台数ベース)。

Canalysは、先月のCESで発表されたFitbitのスマートウォッチBlazeを前向きに評価している。投資家たちは、Appleのウェアラブルに似すぎ、と否定的だが、アナリストの見解としては、お値段が手ごろでしかもフィットネス機能が正統派であることが、肯定評価の理由になっている。それに対して多機能デバイスであるApple Watchでは、フィットネス機能がファッションやライフスタイルの方を向いている、と。

同じくアナリスト集団のGartnerも、スマートウォッチに対して肯定的だ。同社が今月発表した予測によると、2019年のウェアラブル市場で売上にもっとも貢献するのはフィットネス製品ではなくてスマートウォッチだ。スマートウォッチが作り出す売上(予測値)は、175億ドルである。

また2016年では、ウェアラブル全体の売上が287億ドルに達する。うちスマートウォッチは115億ドル、Appleの参入によってウェアラブルがライフスタイルのトレンドになったため、という。

ヘッドマウント型のウェアラブルに対しては、Gartnerはやや弱気だ。FacebookのOculus RiftもHTCのValve Viveも、予定されている立ち上がりが今春だから、それはまだ“新興市場だ”、とGartnerは評価している。

ウェアラブルのヘッドセットは2016年に一般的な消費者製品としての普及が端緒につくが、それでも総台数はスマートウォッチの5040万に対して、わずか143万だ。だから一般的な普及への端緒とは言っても、よちよち歩きの段階だ。

Gartner

Gartnerによると、今年は、スマートウォッチですら、スマートフォンのはるか後方をよちよち歩くだけだろう、という。スマートウォッチはあくまでも副次的な(添え物的な)製品だから、それも当然である、と。現時点では、スマートフォンをリプレースする、という意欲的なコンセプトを持ったウェアラブルデバイスは存在しない。

GartnerのAngela McIntyreはこう書いている: “スマートウォッチはウェアラブルという枠の中だけで見るとよく売れている方だが、でもその普及率はスマートフォンに比べてずっと低い。たとえば2016年にはスマートフォンが、成熟市場国と、香港、シンガポールなど新興市場国の大都市圏の計だけでも3億7400万台売れると予測される”。

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FaceTimeの特許訴訟でAppleは、パテント・トロールに$625Mを払えと判決(Appleは上訴)

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合衆国の裁判所が、iPhoneのメーカーはiMessageとFaceTimeサービスで特許を侵犯していると裁定し、Appleは悪名高いパテント・トロール(patent troll)VirnetXに6億2500万ドルを払うよう命じられた。

VirnetXが一般的にトロールと呼ばれるのは、同社は売上のほとんどを特許料と訴訟から得ているからで、過去10年間に数多くのテク企業を訴えてきた。2014年にはSkypeに使われている特許でMicrosoftを示談に持ち込み、2400万ドルをポケットに収めた。2010年の裁判ではレドモンドの同じ企業から、2億ドルをせしめた。

VirnetX側の法律事務所は声明の中で、“陪審はわれわれの主張を理解した。AppleはVirnetXに特許権がある技術を長年侵害してきた”、と述べている。。

Appleは、この決定を上訴する、と言った。同社の主張では、問題の特許は正当でない。

Appleは声明でこう言ってる: “評決は意外であり失望している。われわれは上訴する。この技術は弊社の社員が長年かけて独自に設計したものであり、この知財を保護するために特許を取得している。VirnetXの4つの特許はすべて、特許局が無効と判断している。このような訴訟は、特許制度の改革の絶対的な必要性をさらに強調するのみである”。

ネヴァダ州のVirnetX社は2013年に、FaceTimeとiOS内のVPNサービスに使われている特許を侵犯しているとして、合衆国裁判所の裁定により、Appleから3億6800万ドルを勝ち取った。その後Appleはこれらのサービスに手を加えたが、しかしVirnetXはその変更を不十分と主張した。AppleやMicrosoftのほかにVirnetX社は、Cisco, Avaya, Siemensなどなどとも特許侵害で対決している。

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ゼロデイ脆弱性の‘発見者’たちを雇ってMacのセキュリティを確保したApple

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Thunderstrike 2を、おぼえておられるだろうか? 昨年の夏にXeno KovahとTrammell Hudsonが発見したOS Xの深刻なゼロデイ脆弱性は、マルウェアの作者がユーザーのMacを完全な煉瓦の塊(ないし‘文鎮’)にしてしまい、工場出荷時の状態にリセットする方法もない。Appleは、その脆弱性をフィックスしただけでなく、この悪行の背後にいた人たちを雇用して、セキュリティ対策に当たらせることにした。

Thunderstrike 2は、Ethernetアダプタや外付けDVDドライブなどのThunderboltデバイスに感染する。感染したThunderboltデバイスを接続したままでMacをリブートすると、MacのファームウェアはそのThunderboltアクセサリ上のオプションROMを実行してからOS Xをブートする。するとMacのファームウェアが煉瓦になり、Macは使用不能になる。

いちばん厄介なのは、アクセサリの感染はずっと残るので、今後、煉瓦状のMacがいくらでも量産されてしまうこと。Appleとしても早急な対策が必要な、強力で悪質なマルウェアだった。

2015年11月にTrammell Hudsonは、Appleが32C3カンファレンスでLegbaCoreを買収したことを公表した。Xeno Kovahも、今Appleで仕事をしていることを確認した:

[Appleは何のためにわれわれを雇ったのか? それは、言えない。“低レベルのセキュリティ”のため、ぐらいは言えるかな(今の自分の肩書を知らないんだ)。]

セキュリティコンサルタント企業のLegbaCoreは、新しい顧客の受け入れを停止した

それが本当の買収だったのか、それともLegbaCoreを支える二人の人物を雇っただけなのか、よく分からない。KovahとHudsonはLegbaCoreの仕事を続けることができず、フルタイムでAppleの仕事をしているようだ。

Appleが、これらのセキュリティエキスパートを雇用したことは、理にかなっている。セキュリティホールを、それが一般的に知られる前にハッカーを雇って直してしまうテク企業は少なくない。製品のセキュリティを確実にするためには、とても良い方法だ。

出典: Mac Rumors

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iPhone 7の背面カメラには出っぱりがなくなるかもしれない

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上の写真に写っている、iPhone 6やiPhone 6sのカメラモジュールの出っぱりは、殆どの人が嫌っていることだろう。iPhone 7のデザインに関する新たな噂(Mac Rumors)によると、次期iPhoneの背面カメラは平坦らしい。背面を横断するアンテナバンドもなくなりそうだ。

iPhone 6の本体はiPhone 5sよりかなり薄い。しかしそこには欠点があった ― 優れたカメラを使いたけれはカメラモジュールを薄くすることができない。現在、カメラモジュールはiPhoneの中でもっとも厚い部分を成している。

それが突起の理由だ。それが殆どのAndroidフォンのカメラの周囲に突起がある理由だ。カバーを使っていれば問題にならないが、もしAppleがこの突起をなくせるものなら、そうするはずだ。

可能性が2つある。カメラモジュールのメーカーは近年大きく進歩しているので、もっと薄いモジュールを作れる。あるいは、Appleが新たな技術を使って同じ写真品質を得られる方法を見つける。

Appleがデュアルカメラシステムの採用を検討しているという最近の噂を考え合わせると、薄型カメラモジュールはそうあり得ない話ではない。

2枚のレンズを使うことでカメラモジュールをスリムにできるかどうかはわからないが、部品を2層に分ける方法はあるかもしれない。

去る12月、テレビ番組の”60 Minutes” は、Appleでは800人がiPhoneカメラに取りかかっていることを明かした。Appleは常にカメラモジュールを小さくする方法を評価しているに違いないが、会社には別の懸念がある ― 利益率と製造だ。

デュアルカメラセンサーに切換えることは、Appleにとって経費が増すことを意味している。iPhoneの利益率を下げるものは何であれ同社の利益を圧迫する。またAppleは四半期にiPhoneを数千万台販売しているので、サプライチェーンへの制約は避けたい。それにしても、このしょうもない突起には本当に頭にくる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、3月15日〔日本時間16日〕にイベントを開催―iPad、小型iPhoneなど発表予定

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1月中旬に私は「新型Apple Watchはいつ出るのだろうか?」という記事をTechCrunchに載せた。現在でもその答えはやはりノーだと思う。 しかし記事ではAppleは3月に関連イベントを開催するかもしれないと書いている。発表されるのはおそらく新世代のiPadと小型のiPhoneだろう。ただし、いくつかの情報源から聞いたところではイベントの中身はまだ流動的だ。これはハードウェアの開発状況次第ということになる、と付け加えている。

さて、情報源によると、イベントの開催日は3月15日で確定したようだ。また4インチのiPhoneと新iPadが発表されるのはほぼ確実になってきた。

今日(米国時間2/2)、9to5MacBuzzfeed NewsもAppleイベントの日付と発表されるであろうプロダクトを報じている。TechCrunch記事で私は「すっかり新しくデザインされたApple Watchのハードウェアは第1四半期のイベントには登場しないだろう。ただし新しいアクセサリーはいくつか発表されるかもしれない」と書いた。 BuzzfeedのJohn Paczkowskiは新しい腕時計バンドがストアに並ぶと書き、 9to5MacのMark Gurmanはミラネーゼ・ループの黒いバンド(これは私も欲しい)、新しいスポーツ・バンドやエルメス・バンドが発表されるだろうとしている。

4インチiPhoneと新iPadについてはだいぶ前から情報が流れており、記事も書かれている。 Intelの最新プロセッサSkylakeを搭載したMacbookの噂も出ているが、まだ発表の日取りを決められるような開発段階にはないと聞いている。これについてはあとしばらく待つ必要があるようだ。

Appleにコンタクトしてみたが、答えはいつも通りの「われわれは噂や推測にはコメントしません」だった。

画像: Sebastian Horndasch/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SamsungもAppleに続いてAndroidのデフォールト・ブラウザに広告ブロックを導入

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昨年iOS 9をリリースした際に、AppleはSafariブラウザで広告ブロックをサポートした。この日曜日、Androidデバイスのトップメーカー、Samsungは自社のスマートフォンにデフォールトで搭載されているブラウザにコンテンツと広告ブロックの機能を導入した。現在公開されているこのアップデートはLollipop(5.0)以降のAndroidを搭載したSamsungデバイスで作動し、起動方法はAppleのiOS 9の場合とほぼ同様だ。

このアップデートに伴い、サードパーティーのデベロッパーはコンテンツや広告をブロックする独自のアプリを開発することが可能になった。ユーザーにとって不要なコンテンツをブロックすることでページの読み込みを高速化し、データ転送量を圧縮することもできる。

こうした広告ブロック・アプリはSamsungの最新のブラウザに組み込まれたコンテンツ・ブロック拡張機能のAPI を利用することで可能になる。つまりユーザーは広告ブロック機能を利用するためにはSamsungのデフォールト・ブラウザを使わねばならない。Google Chromeその他サードパーティーのブラウザからはこの機能は利用できないことになる。

それでも広告ブロック機能の利用者数は膨大なものになる可能性がある。Google Playストアの調査によれば、Samsungのブラウザは1000万台以上(ただし5000万台以下)のデバイスでダウンロードされているという。しかもこの数字は明示的にダウンロードされた数だけで、Samsungのデバイスにプレインストールされている数ではない。

しかしAndroidではSafariブラウザが圧倒的な勢力となっているiOSの場合とは事情がやや異なる。Net Applicationsの調査によれば、Safariはモバイル・ブラウザの34%を占めているが、AndroidデバイスではGoogleの Chromeブラウザのトップの座は揺らいでいない。Android OSを提供しているのがGoogleであるという有利さもあり、 Chromeのシェアは41.57%となっている。

Appleの広告ブロック機能搭載の発表でユーザーにこの機能への関心が高まり、App Storeでは広告ブロック・アプリの順位が急上昇した。Samsungが自社ブラウザに広告ブロック機能を追加する最初の大手Androidメーカーとなったことも同様に大きな反響を呼んでいる。広告を主たる収入源としているパブリッシャーは売上の低下を懸念し始めている。

iOSの場合、広告ブロック・アプリのブームは一過性で、数週間で元に戻った。しかし一般ユーザーの間にはモバイル環境でインターネットを閲覧した場合、広告や不要なコンテンツが邪魔になることへの不満は根強い。モバイル・デバイスからのウェブ利用をもっと快適にするために、コンテンツ・ブロックとは異なる対策も取られている。たとえばGoogleのAMPプロジェクトを利用すればユーザー・フレンドリーで高速なウェブサイトを作れる。またFacebookはパブリッシャーがニュースフィード中に対話的なリッチメディア記事を簡単に挿入できるInstant Articlesの利用を促している。これはモバイル環境の場合、従来のようにURLでパブリッシャーのウェブサイトへのジャンプするのに比べて10倍も表示が速くなるという。

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Samsungの発表の直後からCrystalAdblock Fastなど広告ブロックの開発者はSamsungデバイス向アプリのプロモーションを活発化させている。Adblock Fastは20万のユーザーがChrome、Opera、Safariなどのブラウザでこのアプリを利用していると主張している。同社によれば、アプリはウェブページの表示最適化のために7種類のルールを作成でき、読み込みが最高で51%速くなるという。

Crystalも同様のコンテンツ・フィルター作成やマルウェアその他迷惑ソフトの侵入防止が可能だ。また容認可能な広告(Acceptable Ads)のガイドラインに沿った不快でない広告を表示する機能もある。

注目すべき点は、iOSのユーザーが一時Safariの広告ブロック機能に殺到したように、今回の発表でSamsungデバイスのユーザーの多数が新機能を利用するようになるかどうかだろう。またユーザー動向とは別に、2015年のスマートフォン市場で22.2%のシェアを占めるSamsungが広告ブロックAPIを実装したことが他のAndroidデバイス・メーカーにどういう影響を与えるかも重要だ。

長期的影響についていえば、AppleやSamsungのこうした動きがきっかけとなって、パブリッシャーがユーザー体験をもっと尊重し、快適なウェブサイトのエコシステムをつくる方向に進んでもらいたいと願うものだ。

画像: Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleが教育スタートアップのLearnSproutを買収、Chromebookが強い学校市場で巻き返しをねらうか

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Bloombergのさきほどの記事によると、Appleは教育テクノロジーのLearnSproutを買収した。本誌もこの件を確認したが、買収の条件は公表されていない。

LearnSproutは今年で創業3年になるサンフランシスコのソフトウェアスタートアップで、K-12の教師が児童生徒の成績を評価するために役立つ、オンラインデータのインサイトを提供する。これまで二度のラウンドで計470万ドルを調達しており、投資家はAndreessen HorowitzとFormation 8、Samsung Venturesなどである。CrunchBaseには、すべての投資家のリストが載っている

The Informationによると、買収は昨年の夏に完了し、投資家には投資額と同額がリターンされた。

Appleは学校でますます強いChromebookラップトップに競合で優位に立ちたいため、このところiPad向けの教育ツールに力を入れている。Googleによると、2014年夏の時点で、教育者たちは1四半期あたり100万台のChromebookを購入している

Appleも同じく、iPadが教育者たちに強力に売れていると自慢しているが、CNBCの12月の報道によると、Chromebookは合衆国のクラスルームの全デバイスの半分以上を占め、Appleの学校購入のシェアは2012年から2015年にかけて半分以上減少した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple、 2芯AC電源プラグをリコール。「ごくまれ」に感電の恐れ

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珍しいApple製品のリコール ― 同社は一部地域向けのAC電源プラグの自主リコールを発表し、2芯プラグが破損しユーザーが感電する「ごくまれ」なリスクがあるとしている。

ワールドトラベルアダプタキットのユーザーも、このリコールの対象となる。

Appleからの通知:

ヨーロッパ大陸、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、アルゼンチン、ブラジル向けに設計された 2 芯の Apple AC 電源プラグ (「ダックヘッド」) がごくまれに故障し、手で触れると感電する危険性があることが判明しました。これらの電源プラグは、2003 年から 2015 年にかけて Mac や一部の iOS デバイスの同梱物として出荷され、また、Apple ワールドトラベルアダプタキットにも含まれていたものです。

Apple にとってお客様の安全は最優先事項です。そのため Apple では、対象となる AC 電源プラグを新設計の電源プラグ (新品) と自主的に無償交換させていただくことにいたしました。対象となる電源プラグをお持ちのお客様は、下記の方法で交換手続きをしていただきますようお願いいたします。

注:その他の電源プラグ (米国、英国、中国、日本向けの AC 電源プラグや、 Apple USB 電源アダプタなど) は本プログラムの対象外です。

Appleは利用者に対して、対象のAC電源プラグの使用を中止し、http://www.apple.com/jp/support/ac-wallplug-adapter/ で、対象アダプターを設計変更された新しい物に交換する方法を調べてほしいと呼びかけている。

自分のアダプターが対象かどうかはどうやって見分ければよいか? Appleによると、対象の2本プラグは、Apple電源アダプターとの接触部のくぼみ(凹部)に、4~5文字が記載されているか、または文字が一切記載されていない、と説明している。

リコールについての詳細は交換プログラムのページを参照のこと。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Chrome For iOSが速くなり、あまりクラッシュしなくなった…新しいフレームワークの採用で

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Googleが今日(米国時間1/27)ローンチしたChrome for iOSのニューバージョンは、同社によれば、前のバージョンよりも速くて安定性も良いそうだ。

Googleによると、Chrome 48 for iOSはクラッシュする頻度が前よりも70%少なくなり、ブラウザの応答性が良くなったと感じるだろう。JavaScriptの実行も、目に見えて速くなった。

Googleはこれまでずっと、AppleのUIWebKitフレームワークを使ってきた。それにより、Googleの目的であるWebページの表示はできるが、セキュリティのためにサンドボックス化されているため、とりわけJavaScriptのパフォーマンスが良くなかった。

[安定性の向上(クラッシュ頻度)]
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今度からGoogleは、AppleがiOS 8で導入したWKWebViewに換えた。それはiOS 8の最新アップデート以来、問題なく使われてきたが、Googleによれば、 WKWebViewへの移行は“かなりの難事業だった”。Googleによると、とくに大きな問題は、この新しいフレームワークにはクッキーを管理する単純明快な方法がなく、SSLの処理にも問題があることだった。これらの問題の一部がiOS 9で改善されたので、今回やっと、公式な移行ができることになった。

新しいフレームワークに移行したことによって、ブラウザは速くなっただけでなく、安定性も向上した。それに、ページがクラッシュしたときでもアプリ自身はクラッシュしない。デスクトップの場合と同じく、エラーページが表示されるだけだ。

ブラウザ本体がクラッシュしないのは、たいへん良いことだが、それプラス、JavaScriptが快速になった。ページを切り替えたときのリロード(再ロード)が少なくなり、また、スクロールも速くなり、応答性が良くなった、とGoogleは言っている。

[JavaScriptのスピード(Octaneベンチマーク)]
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。