VRは娯楽より企業利用がメインか?…DIRTTのVRソフトICERealityはリアルタイムでオフィスレイアウトを助ける

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オフィスなどの仕事場のために、カスタムメイドのプレファブ素材を提供しているDIRTT Environmental Solutionsが、仮想現実(virtual reality, VR)を娯楽ではなく企業目的のために利用する企業の、仲間入りをした。

今週シカゴで行われた建設産業の例年のトレードショーNeocon 2016で同社が披露したICErealityが、そのVRソフトウェアだ。そう、今週は、AppleのWWDCやビデオゲーム業界のE3カンファレンス以外にも、見るべきものがあったのだ。

DIRTTは、顧客のニーズを満たして、スタイルが良くて、しかもエコなワークスペースを建築家やデベロッパーやファシリティマネージャーやインテリアデザイナーたちが作れるための、素材を提供したい、と願っている企業だ。

そのための彼らの工程は、デジタルの青写真をDIRTTのクラウド上のデザイン/プランニングソフトウェアICEを使って作ることから始まる。そしてICErealityは、この段階で利用される。それはこの秋に一般公開の予定だが、今は招待制のベータで少数のユーザーに提供されている。

ICErealityはデザイナーや実際にその仕事場を使う人たちに、これから内装工事をしていくスペースの上に、そこに配置するいろんな要素の仮想的な三次元画像を重ねた映像を見せる。彼らは、カウンターや特注のドアや間仕切りや窓、ブラインド、家具などが、どんな感じでそのスペースに収まるかを、実際に見て検証できる。

そのデモビデオがここにある。このビデオでは、DIRTTが空のステージの上にキャビネットやカウンターを(仮想的に)作っている。(2:20のあたり):

ICErealityは、部屋のデジタル部位(家具など)の形を、ビデオにぴったり合うように翻訳する。そうするとユーザーは、それらの新しいプレハブ部位が実際に部屋に置かれたとき、どんな感じになるかを事前に理解する。

DIRTT's ICEReality is VR software used for office and interior design.

DIRTTのICErealityはオフィスやインテリアデザインで使うVRソフトウェアだ。

DIRTTの協同ファウンダーでCTOのBarrie Lobergによると、ICErealityはOculus RiftやHTC ViveのようなVRヘッドセットで使うとさらに没入的な体験ができるが、スマートフォンやタブレットでも使える。

まだ完全な画面描画が行われないので、テキストや情報がビデオにオーバレイされる。DIRTTによれば、これはVRでもARでもなく“混成現実(mixed reality)だ、という”。

彼曰く、“ユーザーがデザイン変更などをリアルタイムでできて、結果をすぐに見られるから、従来の3Dのシミュレーションより良い。望み通りのデザインが完成したら、それをそのままオーダーできる”。

Lobergの展望は、このような良質なデザインツールにより、高価につくミスや途中変更を防げることだ。これまでは、もう変更はできない!という、あまりにも遅すぎるタイミングで大きな変更を要請されたりしていたのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AR/VR課程の一学期をまるまるHololensのデモアプリ開発に投じたワシントン大学、その評価は肯定的

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Microsoftのあのおもしろい混成現実(mixed-reality)*プラットホームHololensは、誰もが気軽に試せる状態からはほど遠いが、でもワシントン大学のコンピューター科学の学生は、思う存分遊ぶことができた。〔*: mixed-reality, ARとVRを両方実現できること。〕

とくにそれは、同大のCSE 481Vクラスの学生だ。このコースは、“仮想現実と拡張現実について多くを学び、最新の技術やソフトウェアを熟知し、そして10週間かけてアプリケーションを構築する”、と説明されている。

こんなやり方のコースは、少なくとも同大では初めてだ。国内のVR/AR選手たち、MicrosoftやOculus、Valve/HTCなどからの全面的な賛助もあり、36名の学生が、Hololensの開発チームや、主要なヘッドセットのすべてにアクセスした。Hololensは25台提供されたが、一箇所にこれだけ集まるのも珍しい。OculusのチーフサイエンティストMichael Abrashや著作家のNeal Stephensonなどの客員講師の話も聞かなければならない。Stephensonの“Snow Crash”は、コースの必読書だ。

いまどきの大学は、学生が進んで入学したくなるための、こんなおもしろそうな仕掛けが重要なのだ。

One of the projects had users flying a virtual paper airplane through AR waypoints.

このプロジェクトでは中間点(通過点)がARで表示され、そこに仮想(VR)の紙飛行機を飛ばす。

このクラスのインストラクターの一人Steve Seitzは語る: “昨年、VR/ARクラスの話をHololensの連中に話したら、たいへん前向きの関心を持ってくれた。36人のクラスでまったく新しいデバイスやその開発プラットホームを使うのは、最初ためらったけど、開発環境がとても良くできていることに、感銘を受けた。経験のまったくない学生でも、すぐに使えるし、わずか数週間でけっこう上出来のアプリケーションを作れる”。

どれだけ上出来か、それはコースのWebページで確認できるし、開発過程を記した週刊のブログ記事もある。たとえばARクッキングや、お絵かきアプリケーション、部屋をスキャンする過程のゲーム化など、ほかのアプリケーションで使えそうなアイデアやコンセプトも少なくない。

クラスは、その総仕上げとして大学のキャンパスで公開デモデーを行った。一般人だけでなく、Microsoft ResearchのCVP Peter Leeのような重要人物も見に来た。

それが学生にとって大きな機会だったのはもちろんだが、この分野の企業にとっても実り多いテストの場だ。若い人たちはこの技術に、どのように対しているのか? どんな困難にぶつかったか? どんなツールを望んでいるか? こういうのは、企業側の思惑、下心というより、むしろ学生とのコラボレーションから得られる体験だ。

“Hololensのチームにとってこれは、焦点の絞られた教育的なセッティングでプラットホームを評価でき、初期的なフィードバックを得られる貴重な機会だった”、とSeitzは書いている。チームは、学生たちへの技術的サポートや教育訓練も提供した。

Seitzと、他のインストラクターの一人Ira Kemelmacher-Shlizermanは、来年もまたこのクラスをやりたい、と考えている。ワシントン大学はMicrosoftにとって便利な場所にあるが、同大はこの地域の研究のためのハブでもある。これまで、有名なHITLabで、VRやAR関連のアイデアを数多く開拓してきた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FBIが刺青追跡システムを開発中。プライバシー擁護団体が反発

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2014年に米国標準技術局(NIST)の画像部門はFBIの協力を得て、刺青認識技術を開発した。その初期作業の一環として、認識アルゴリズム開発のために、1万5000件の刺青画像のデータベースを構築した。

これは、共通性に基づいて個人を追跡しようという概念であり、それは、NISTによると、刺青が「ギャング、サブカルチャー、宗教、儀式的信仰、あるいは政治的イデオロギーとの関連を示唆すると共に、知性、メッセージ、意味、および動機を含んでいる」ためである。

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これは、EFFが強く懸念している理由の一つであり、「表現の自由、宗教の自由、および結社の自由」に関わる影響を恐れているためだ。同団体のもう一つの主要な関心事は、どのように情報が収集されるかだ。現在集まっている画像は、「その多く、あるいは殆どが囚人から集められたものだ」とEFFは言っている。

NISTは画像10万件以上のデータベース構築を目指していることから、プログラムの対象範囲は急速に広がることが予想される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

海軍の研究者たちが拡張現実用のHUDを内部に収めたダイバー用ヘルメットを開発…安全性と作業性のアップ

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合衆国海軍の研究者たちが作ったダイバー用のヘルメット内ディスプレイは、“アイアンマン”に似ている。とくに、主人公Starkの初期のプロトタイプに。この発明でダイバーの安全性と仕事の効率は上がるが、なにしろ外見がクールだ。

海に潜ることは楽しい体験だけど、仕事としてのダイバーは難しくて孤独な作業だ。マスクで視界が制限され、手には厚いネオプレン製のグラブをしている。だからプロのダイバーにとっては、仕事をやりやすくしてくれるものなら、何でも大歓迎だ。とくに、位置を確認したり、衛星やソナーからのデータを見るためのディスプレイが、手首から消えてしまえば本当にありがたい。

研究チームのリーダーDennis Gallagherが、プレスリリースでこう言っている: “HUD〔ヘッドアップディスプレイ〕をダイバーのヘルメットの中に直接置き、外部のディスプレイを不要にすることによって、ダイバーは映画‘アイアンマン’の主人公みたいになる。見たいものは何でもヘルメットの中にある”。…アイアンマンは今や、こういう場合に使う比喩の定番なのだ。

Simulation of what an augmented reality view through DAVD could look like.

DAVDの拡張現実の画面をシミュレートするとこうなる。

情報をDAVD(Divers Augmented Video Display)に送るのは、頭上の船(からの鳥瞰画像)だったり、将来的にはヘルメットに内蔵するカメラやミニソナーだったりする。夜間や濁った水中などでは、とくにこのディスプレイが重宝するだろう。

DAVDは両目で見る立体画像なので、奥行き感がある。本物のARには、欠かせない要素だ。戦闘機などでもHUDを利用しているが、今回の、加圧スーツに収める水中用の無線バージョンは、きわめてユニークだ。

現状はまだプロトタイプだが、Naval Surface Warfare Center Panama City Divisionのチームは、まずファーストレスポンダー(災害等初期対応要員)が使えるようにし、今後は民間のダイバーにも提供していきたい、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「塊魂」の高橋慶太氏が、拡張現実ゲーム「Woorld」をProject Tango用に作っている

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奇想天外なボール転がしゲーム、Katamari Damacy[塊魂]の作者、高橋慶太氏が新しいタイトルを作った。ただし、ゲームはPS4用でもXbox One用でもない ― プレイするにはProject Tango互換のデバイスが必要だ。

発表があったのは、高橋氏が仕事をしている小さなデベロッパー、Funomenaのブログだ。ゲームの名前は Woorldで、「デジタルと現実のプレイをミックスする」拡張現実の世界だ。

Project Tangoデバイスは、非常に精密な位置の追跡が可能で、リアル世界にデジタルオブジェクトを配置して操作することができる。複数のデバイスが協調して、同じデジタル世界を共有することもできる。

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ただし、大陸を巻き上げたり、巨大化した体で太陽系を渡り歩くようなあり得ないゴールは期待しないこと(それをやるならnoby noby boy[のびのびBOY]だが6年はかかる)。むしろこれは、どんな年齢でも遊べる、拡張現実の可能性を示す楽しいお砂場だ。

もちろん、Project Tangoスマホが必要で、まだ数が多いとは言えない。しかし、近々増えることは期待できる。Googleは、消費者バージョンのセンサー満載端末を明日のI/Oで発表するという噂だ。

もうすぐ詳細がわかる。明日10 AM(日本時間5/19木 2 AM)からの本誌ライブ記事を注目されたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Oculus、VR自撮り棒とアバターのデモを披露

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Oculusは、あなたが世界中どこへでも瞬時に行き、自分自身のような見かけで、行った先で写真も撮れるようにしたいと考えている。そして今日それをF8でデモした。

FacebookとOculusによる、360度ビデオとバーチャルリアリティー自撮り棒とパーソナライズドアバターのデモをご覧あれ。

ソーシャルVRをどう実現するかを見せるために、FacebookのCTO、Mike Schroepferは、サンフランシスコでOculusを装着し、Facebook本社にいるエンジニア、Michael Boothと一緒に行動した。ふたりはUnityで開発したFacebookの新しいソーシャルテスト環境に入った。これは以前Unreal上に作られたソーシャルスペース、Toy Boxに代わるものだ。

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アバターは、ロボットの顔やマンガのキャラクターではなく、現実の本人に見えるカスタマイズドアバターだ。基調講演後Facebookは私に、これを作るために奥行きと手ざわりを検出できるOccipital Structureセンサーを利用したと話した。

しかしOculusは、まだこの顔キャプチャー技術を公開しない。問題は、スキャンがうまくいかなかった時のグロテスクな結果は、一般的アバターよりずっと悪くなることだ。それでも同社は、いずれは顔の前でスマートフォンを動かすだけで顔を取り込んだり、自動的に取り込むヘッドセットを使えるようにしたいと考えている。

Facebookのもう一つの可能性は、Facebookに載せた写真を元にしてVRで顔を再現できるようにすることだが、これはまだごく初期の段階にある。

Oculus Photo Sphere

新しいソーシャルVRテスト環境では、360度写真はハンドヘルドスフィアとして表現され、回転させて見ることができる。そして、自分の顔にぶつけると、ユーザーは瞬時にその写真が撮られた場所にテレボートして自由にまわりを見ることができる。

VR自撮り棒を使うと、自分と友達のアバターの写真をビッグベンをはじめ世界のランドマークの前で撮ることができる。Oculusは、同時に5人までこのVR環境に入ることができると言っている。

アバターに絵を描き加えてサングラスや蝶ネクタイをつけさせることもできる。そして気に入った写真が撮れたら、バーチャルFacebookメールボックスに入れて投稿できる。

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Dive into 360 photo spheres and hang out around the world with a friend

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Doodle in VR to enhance your avatar

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You could draw a bow tie and attach it to your avatar.

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Take a photo with a VR selfie stick

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Slide your photo into the Facebook mailbox to share it

VR Selfie

Facebook VR Selfie

Mark Zuckerbergは、Facebookはバーチャルリアリティーをゲームや映画の未来としてだけでなく、ソーシャル化の未来と考えていると言った。しかしそれは、ニュースフィードをVRで見るというだけけの意味ではない。FacebookとOculusは、バーチャル世界にネイティブなソーシャル体験を作ろうとしている。

VRは、モバイルと同じような変革をもたらすだろう。自宅を離れることなく全国の会社で採用面接ができたらどうだろう?年齢、性別、人種を隠して、見た目ではなく能力で採用されることも。

誰もが、家族に会うためや世界の不思議を見るために旅行できるわけではない。しかし、Oculus Riftのように本格的な没頭的対話型バーチャルリアリティーがやってくれは、愛する人と同じ部屋にいる気分を味わったり、一緒に出かけることもできるようになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ARを活用し、タトゥーの様子を事前に確認できるInkHunter

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タトゥーを入れようかどうしようかと悩み続けているのなら、AR機能を備えたInkHunterを試してみると良いかもしれない。どこにどんなタトゥーを入れるかを、後で後悔する可能性をゼロに近づけつつ試してみるためのアプリケーションだ。勢いで唸り声をあげる狼の顔を掘ってしまい、冷静になって後悔するようなことが少なくなるかもしれない(記事末の写真参照)。

アプリケーションには、複数のタトゥーアーティストによる作品サンプルも登録されている。それらの作品を、アプリケーションで実現されたAR機能を使い、リアルタイムに自分の身体の上で試してみることができるのだ。

また自分で作成したタトゥーデザインをアプリケーションに読み込ませ、自分自身の身体の上に生涯にわたってほり込んでおくのにふさわしい作品ができたかどうかを確認してみることもできる。

InkHunter

アプリケーションを使うにあたっては、タトゥーを入れようと考えている場所に、ペンでマークを記す必要がある。マークは絵文字のスマイリーに似た感じだ。使いたいタトゥーを選んでマークした部分の写真を撮ると、マークの部分に選択したタトゥーが写し出されるわけだ。ARの活用事例として、なかなか面白いアイデアだといえそうだ(さらにまた、少なくとも実用性の面ではたいていのVRコンテンツよりも面白みを感じるものだと思う)。

撮影したARタトゥー写真は、あとで参考にしたり、友人とシェアして意見を求めることなどができる。簡単な編集機能を実現するためにフィルターも実装されている(たとえばタトゥーを馴染んだ感じにするブラーフィルターなど)。肌に馴染んできた数年後の見え方などを感じ取ることができそうだ(時が経てば輪郭線などもぼやけてくる。そのような状況をフィルターを使って確認することができるわけだ)。

開発したのはウクライナのエンジニアたちだ。2014年7月に行われた48時間ハッカソンで思いついたアイデアをもとにプロダクトを産みだしたのだそうだ。ハッカソンに参加したメンバーのうち2名が、アイデアをより発展させていこうと決意し、コードを再度練り直し、2週間ほど前にアプリケーションが完成したのだそうだ。そのような事情もあるので、まだ洗練されていない部分もある。ARで撮影されるタトゥーの位置がずれてしまうこともあるようだ。ただこのタトゥーはあくまでも本番のものではないわけで、少々のズレも大した問題にならないとも言える。

CTOのPavlo Razumovskyiが言うように、パフォーマンス改善のためのARアルゴリズムの改良も望まれるところだ。「最新版では、ARタトゥーの表示位置の調整を行ったつもりです。ただし明るさや影の具合、あるいは皮膚上の血管の様子などによってずれることがあるので、それを改善したいと考えています。より正確なポジションに、目的通りの形でタトゥーを表示できるように精度を上げているところです」とのこと。

自作スケッチを登録する仕組みもより高度にして、たとえば必要のない写真やスケッチの削除機能も備えようとしているところだとのこと(今のところは一度登録したものを削除したりすることもできないのだ。改善の余地がまだかなり多いことを示している)。登録画像の閲覧性をあげたり、検索したりする機能も実現したいとのこと。

アプリケーションは無料でダウンロードして使用することができる。ただし、アプリケーション内の作品を試用すると、その作品アーティストのものの購入をかなり強くすすめられることにはなる。作品販売の一部を得ることでマネタイズを行おうとしているわけだ。ただし、タトゥーを入れる人は自分独自のデザインを使いたいと考える傾向もあるので、将来的にはオリジナル作品のオーダープラットフォームとして提供したいという考えももっているようだ。

「タトゥーアーティストが利用者と出会う場を提供したいのです」とRazumovskyiは言っている。「タトゥーを入れてみようと考えた人が私たちのアプリケーションを使って、満足のいく作品を手に(身体に)入れて、作品を提供するアーティストともども満足する舞台を整えたいと考えているのです」。そうした仕組みを提供するための機能も開発中なのだそうだ。

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「ビジネスモデルについても、まだ考え始めたばかりです。まずはタトゥーデザインを依頼する際の5%ないし10%ほどをマージンとしてもらうことを考えています。また掲載作品に対するクリック単価を請求するという方法もあるかもしれません。いずれにせよ、詳細はこれから考えていきたいと考えているところなのです」。

タトゥーを入れることが一般的となっている昨今、InkHunterのようなアプリケーションには確かにニーズがあることだろう。ただし、サービスを広めるためにはより多くのタトゥーアーティストの協力を仰ぐことが必要だろう。これはRazumovskyiたちも理解しているところで、次の版のリリースまでには、提携するタトゥーアーティストを50名にしたいと考えているようだ。そうなるならば、同時にアートギャラリーの閲覧性の向上も必須となる。

なかなか素敵なタトゥーもあり、ARでいろいろと試してみるのも確かに面白い。ただし個人的には、実際のタトゥーをいれるかどうかについては、もう少し考えてからということにしたい。

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(翻訳:Maeda, H

住宅リフォーム店Lowe’sが多様な顧客オプションのプレゼンのためにMicrosoftのHoloLensを利用へ

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MicrosoftとLowe’sが今日、パイロットプロジェクトとして、MicrosoftのHoloLensによる拡張現実バイザーを、Lowe’sの一部の住宅リフォーム店で利用する、と発表した。Lowe’sの計画では、HoloLensを使って買い物客に、キッチンや調理台、家電設備などの、いろいろなデザインを見ていただく。目の前でいちいち、実物を組み立てることなく。

Lowe’sが最初にHoloLensを利用するのは、シアトル地区の数店のパイロットショップで、そこでは主にキッチンのリフォームで使用する。顧客はHoloLensのホログラムを見て、蛇口を選んだり、キッチンアイランド(テーブル型調理台)のサイズを決めたり、リフォームのいろんな要素を検討する。シアトルの次は、ノースカロライナでパイロットを行う。

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これがあると顧客は、ステンレスの蛇口にしようか、それともTrumpみたいなゴールドの蛇口がいいか、迷わなくて済む。お店に再び行くことも、なくなるだろう。

プロジェクトのもっと大きなビジョンは、住宅リフォームの未来像を描くことだ。Microsoftの主張によると、混成現実(mixed reality)(同社は拡張現実(augmented reality)よりもこの語を好む)があれば顧客は、物理的なキッチンモデルの中にいる状態で、その物理的なスペースに合うさまざまなオプションを、ホログラムで見ることができる。長期的には、キッチン以外のリフォームでも利用したい意向だ。

HoloLensのゼネラルマネージャーScott Ericksonが、今日の発表声明に書いている: “キッチンとシャワールームは手始めにすぎないが、われわれはこのようなソリューションが、個々の住宅におけるリフォームのオプションを見て検討するための、理想的な方法だ、と思い描いている。同様に、これまではリビングルームの場合も、テープやボール紙などを利用して家具の配置などを検討していたが、ホログラムを使えば、もっと高品質で、多様な変更の検討ができる方法を、そんな原始的な作業に代わるものとして提供できる”。

HoloLensのデベロッパーエディションは3月30日に3000ドルで発売される。それは、Microsoftの年に一度のデベロッパーカンファレンスBuildの初日でもある。そこでは‘ホログラフオペレーティングシステム(holographic operating system)’に関するMicrosoftのプランも聞けるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

インディー系のSF映画Creative Controlに拡張現実の未来の姿を見る

第一世代のGoogle Glassは、どうやら離陸できずに終わったようだが、オンラインの世界に接続できるヘッドセットというアイデア自体は今でもそそられるし、また、ちょいと、人を不安にもさせるだろう。今度封切られる映画Creative Controlのワンシーンを見ていると、そんな気になる。

Benjamin Dickinsonが監督したCreative Controlは、ニューヨーカーたちの生活の“未来の5分間”を描き、架空の拡張現実眼鏡(ARグラス)Augmentaの、ハイテクを駆使した広告キャンペーンがテーマだ。Hollywood Reporterはこの映画を、テクノロジーがわれわれを親密に結び付けず、むしろ孤立の脅威をもたらすことの、ヒッピー的描写、と評している

製作者のAmazon StudiosとMagnolia Picturesは、今週金曜日(米国時間3/11)にCreative Controlを一部の劇場で封切るが、それに先立ち上図のようなクリップをメディアに配布した。その中で主役のDavid(Dickinson自身が演じている)が、Augmentaグラスを使っている。全体的にきわめて日常的なシーンだが、拡張現実が普及したあかつきには、私たちの生活の中でまさにこんな感じになるのかもしれない。このクリップはまた、テクノロジーと特殊効果との合体はそのうち、全然仰々しくない、さりげないものとして使われる、というぼくの想定どおりの感覚も、見せてくれる。

この映画のストリーミングの権利はAmazonが獲得した。ただしこちらの‘封切り日’は未定だ。なお、それでもなおGoogle Glassのことが気になる人は、これで納得できるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft、HoloLensのデスクトップ・エミュレーターを今月末に公開―3000ドルも支払わずに開発が可能

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Microsoftのミックス・リアリティー〔AR/VR混合〕プラットフォーム、HoloLensアプリ開発には興味があるが、デベロッパー・キットを3000ドルで予約するのはためらっている読者も多いだろう。いかにも高価な投資だった。今日(米国時間3/25)、Microsoftは 「HoloLensのハードウェアを実際に所有していなくてもアプリが開発できるデスクトップ版のHoloLensエミュレーターが近く利用できるようになる」と発表した

このエミュレーターは、Microsoftの他のHoloLens向け開発ツールと同様、HoloLensハードの実機の第1回出荷が予定されている3月30日以前に入手可能になる。エミュレーターを利用すれば、デベロッパーは、シミュレーションされた部屋の中を歩きまわる、キーボード・コマンドを打つ、マウスやXboxコントローラーを試すなどができる。

エミュレーターには、標準でリビングと寝室という2タイプの部屋の家具配置を含めた空間地図が同梱される。 Hololensを所有しているデベロッパーは現実の部屋をHoloLensでスキャンして新たな空間地図を作成し、その中でエミュレーターを使うこともできる。

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エミュレーターは独自のHyper-Vバーチャル・マシンを備えており、アプリのVR開発に関する限り、アプリはエミュレーターを相手にしていることを気づかないという。

ホロ・アプリ開発の標準ツールはMicrosoftが最初に基本的なアプリ開発のデモを公開したときから変わっていない。アプリ開発にはVisual StudioとUnityが使えることが必要だ。HoloLensアプリの開発を助けるため、今日、Microsoftはビデオ・チュートリアルその他のドキュメントの提供していくと発表した

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

拡張現実(AR)検索エンジンのBlipparがシリーズDで$54Mを調達–現実世界の物なら何でもリアルタイム対応を目指す

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Blipparは、スマートフォンで何かのオブジェクトを指すだけで、いろんなリッチなコンテンツを見せてくれるAR応用企業だ。その同社が今日(米国時間3/1)、シリーズDで5400万ドルの資金調達ラウンドを完了した、と発表した。このラウンドをリードしたのは、マレーシア政府の戦略的投資部門Khazanah Nasional Berhadで、これまでの投資家たちも参加した。

Blipparがローンチしたのは2012年で、そのミッションは、拡張現実を日常的なオブジェクトに持ち込んで、企業やアドバタイザー、パブリッシャーなどに貢献する、というものだ。雑誌のページでもケチャップの瓶でも、オブジェクトをBlippする(スマホをかざす)だけで、Blipparは消費者にいろんな関連コンテンツを見せる。

でも、4年間で大きく成長したBlipparは、単純に企業やパブリッシャーがARのコンテンツを利用するだけ、というサービスではなくなってきた。今では同社は、植物や動物、皿の上の食べ物など、さまざまな現実世界のオブジェクトに、リアルタイムでARコンテンツを提供する。

大企業などはBlipparの機械学習プラットホームを利用して自分たちの製品をインデクシングし、たとえばユーザーがNikeの靴をスキャンしたら、その値段や入手方法などの情報を即座に見せられる。

Blipparの協同ファウンダーでCEOのRish Mitraはこう語る: “インターネットで検索というものを初めて見たとき、その真価が一瞬にして分かった。今では誰もが、検索なしには生きられない。ただし問題は、テキストによる検索には限界があることだ。言葉で物事を説明するのは、本当に難しいからね。Blipparは、システムに言葉ではなく物そのものを見せるから、この問題を解決したと思う。ユーザーがおもしろそうな物を見たとき、すぐに結果が分かるからね”。

新たな資金は、今サンフランシスコに60名いる技術者チームの増員と、リアルタイムのAR検索に必要な機械学習および人工知能技術の増強に充てられる。

Blipparについて詳しく知りたい人は、ここへ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Epson、最新スマートグラス Moverio BT-300を発表

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Epsonは今日(米国時間2/22)、バルセロナのMobile World Congress 2016で、新製品のMoverio BT-300を披露した。同社のスマートグラス製品ファミリーの最上位機種だ。同社ブースには試作品が展示され、以前のMoverio機にはなかった新機能が紹介されている。

おさらいしておくと、スマートグラスは ― プロジェクションやホログラフィー等の様々な技術を活用して ― 利用者の視界の中にデジタルコンテンツを投影することができる。

BT-300で最も目立った特徴は、Si-OLED(Silicon Organic LED) と呼ばれるマイクロディスプレイ投影システムだ。Epsonの北米製品マネージャー、Michael Leyvaによると、この新ディスプレイはこれまでより深い真のブラックトーンを生み出せる。

これはスマートグラスのレンズにとって重要であり、真のブラックトーンとは色がないことであり完全な透明を意味する。つまりBT-300の新しいSi-OLEDディスプレイは、メガネを通して見るデジタルコンテンツを、実際の世界とよりリアリスティックに融合させることができる。

重さは30%減って60グラム程度になった。

BT-300はIntel Atom 5の1.44GHzクアッドコアチップとAndroid 5.1を塔載し、同機のために複雑なアプリを書くことが可能になっている。

カメラは5メガピクセルになり、前機種BT-200のVGAカメラから改善された。

詳しいスペックが知りたい人には、Epsonが公開したばかりのビデオでいくつかの利用場面を見ることができる。BT-300を以前のモデルと比較した表もある。

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このスマートグラスには様々な利用方法があるとLeyvaは言っている:

  • リモートアシスタンス(他人の目を通して遠隔地を見る)
  • データのビジュアル化
  • 拡張現実による教育
  • 一人称視点(FPV)によるドローン操縦
  • 小売店買い物客アシスタンス(GoInStoreとの提携による)
  • インラインビデオ・エンターテイメント

上には消費者の利用場面もいくつか挙げられているが、Epsonの戦略がBT-300を企業向けあるいは産業的製品として売ろうとしていることは指摘しておくべきだろう。だから、Epsonがこのスマートグラスを、ワイヤレスではなく処理ユニット経由で動かしていることも理にかなっている。(つまりこれはカクテルパーティーに着けていくものではない…特定の作業をこなすためのツールとして着用する)。

処理ユニットを分けることによって、過熱や遅延の問題も避けられるだろう。デベロッパーの要望に応じてプログラマブルボタンを3つ付けることもできる。

価格はまだ公表されていないが、従来機種の価格帯(おそらく700~800ドル)になるだろう。現時点では2016年Q4の出荷を目標にしているが、変わる可能性もある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3Dは、新しい2D

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【編集部注:本稿のライター、Amitt MahajanPresence Capitalの創業パートナー。】

デスクトップやウェブのユーザーインターフェースは、伝統的に2Dだ。スマートフォンのアプリも、ゲーム等の特殊なケースでは3Dに対応しているものの、依然2Dだ。フラットUIデザインへの動きは、微妙な3D要素を取り入れながらも、既存のコンピューター機器にとって主要かつ最適な操作メカニズムは2Dであることを強調する結果となった。

それに対してフル3Dは常に、ゲーム、映画、業界に特化したアプリケーションというニッチ市場を追い求めてきた。フル3DのUIが、現在のシンプルで親しみやすい2Dを置き換えることは、デスクトップでもモバイルでも起こりそうにない。

ウェブを通じて3Dの先がけとなろうとした試み(WebGLやVRML)はことごとく失敗したが、それはウェブが生まれながらの2Dであり、指やマウスによる操作が簡単で覚えやすいからだった。3D要素はいつも不必要な複雑さと摩擦を加えるだけで、ユーザー体験に有意な改善をもたらすことはなかった。

しかし、これがもうすぐ変わろうとしている。今年、仮想現実(VR)機器が、何年かのうちには拡張現実(AR)機器がそれぞれ発売される。VRとARはわれわれのコンピューターインターフェースを2Dから3D主体への根本的に変える可能性を秘めている。

VRとARは、ユーザーをリアリティーのある3D世界で包み込むことによって、没頭的体験をもたらす。さらに、Oculus Touchコントローラーや、Leap Motionを用いたハンドトラッキング等の最新入力方式を使えば、新たな3Dハンドジェスチャーの使用も可能になる。現在VR向けに開発されているコンテンツのすべてに3D要素が含まれている。

Pincは2Dと3DのギャップをつなごうとしているVR会社である

3D主体のコンテンツはいくつもの可能性を示唆しており、スタートアップに新たな機会を生みだすだろう。

UnityやUnreal等の定評ある3Dオーサリング環境の価値が益々高まっている。現在のVRコンテンツの大半はUnityまたはUnrealのエンジン上で動いている。VRやARが益々普及するにつれ、これらのプラットフォーム向けにコンテンツを作りたい人の数も増えていく。2つのプラットフォームは、その確固たるエコシステムと信用によって、この業界に参入する人たちにとって標準の選択肢となっている(モバイルおよび専用機の有力ゲームの大部分はこれらのエンジンで作られている)。

もう一つこの分野への新規参入が難しい理由は、基礎をなすレンダリングエンジンだけでなく、アーティストやゲームデザイナー等、チームの非エンジニアメンバーを支援する総合的なツールを作る必要があることだ。

Simpler ways to create 3D content have to be developed. There isn’t yet a WordPress or Weebly of 3D content, as there hasn’t been a major demand or channel for it. It’s arguable that the simplest 3D authoring tool today is Minecraft. SketchUp is also fairly easy to use and is closer to professional tools like Autodesk’s 3DS Max or Maya.

もっと簡単に3Dコンテンツを作る方法が開発されなくてはならない。3DコンテンツのためのWordPressWeeblyはまだ存在しないが、それは十分な需要やチャンネルがないからだ。現在最も簡単な3DオーサリングツールはMinecraftかもしれない。SketchUpも比較的使いやすく、Autodeskの3DS MaxやMayaのようなプロ用ツールに近い。

プロ用3Dオーサリングツールはもっと費用効率が高くならなければならない。今日、3Dモデルや3Dキャラクターを作るためにはまずアーティストがモデルを作り、テキスチャーを加える必要がある。もしモデルがキャラクターなら、それを動かすアニメーターも必要だ。どの工程も時間がかかり、3Dコンテンツの制作は労力を要する作業となっている(2Dコンテンツ制作と比べて)。

こうした余分な努力を費してさえ、生成されるコンテンツが写実的なものになることは稀であり、不気味の谷に陥いることが多い。この作業を軽減し、より写実的コンテンツを作るためのソフトウェアは、高品質3Dコンテンツの要求が高まるにつれ価値を持つようになるだろう。当社の投資先企業である、Uncorporealは、高度なコンピュータビジョン技術を用いてこの問題に取り組んでいる。2D UIパラダイムは、3D向けに再検討する必要がある。

どの新しいプラットフォームも似たような課題に直面する。マウスが入力デバイスに加わった時も、われわれがスマートフォンの指を使ったタッチジェスチャーを学んだ時も、開発者は自社の主要アプリケーションが機能するかどうかを考慮し直す必要があった。VRと3Dに新たな操作セットが必要になる。

下のビデオでは、Leap Motionが3Dインタラクションエンジンのデモを行っている。

2Dからの移行にはまだ多くの産みの苦しみが待っているだろうが、3Dで現実世界を体験しているわれわれにとって、同じ方法でコンピューターとも対話できたら、それはすばらしいことだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleが拡張現実/仮想現実の研究家を社員に招く…果たして何が生まれるのかな?

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テクノロジの次の重大局面の座にすわる者は絶対的に、拡張現実と仮想現実である、とする説が喧しい。そんな中で、目立つほど静かだったAppleだから、同社のAR/VRに関する一挙手一動にはみんなが注目する。

Financial Timesの報道によると、Appleはこのほど、AR/VRのスペシャリストをチームに招いた。その、3Dインタフェイスに関する著書すらあるDoug Bowman(彼は3D User Interfaces: Theory and Practiceの主席著者)は、バージニア工科大学のコンピュータサイエンスの教授で、Center for Human-Computer Interactionのディレクターだったが、休暇を取ったのちにクパチーノの巨大テクノロジ企業に加わる。大学の職員経歴ページによると、彼は2007-2008年に行われたIEEE Virtual Reality Conferenceの総合議長を務めた。

Bowmanは1999年からバージニア工科大学に在籍し、拡張現実と仮想現実に関するさまざまな記事を発表し、共著もした。それらは、 “Virtual Reality: How Much Immersion Is Enough?”、”3D User Interfaces: New Directions and Perspectives”、”The Effects of Visual Realism on Search Tasks in Mixed Reality Simulation”などだ。

FTの報道でとくにおもしろいのは、彼はMicrosoftがHoloLensの普及促進のために出している10万ドルの研究助成金を、最初にもらった人物であることだ。そのときの研究テーマは、“大規模な混成現実データの共同分析”だった。

彼の履歴書をざっと見ただけでも、AR/VRの研究で多数の華々しい成果をあげていることが分かる。AR/VR分野への、少なくとも関心ぐらいはすでに示しているAppleにとって、たしかにうってつけの人材だろう。履歴書の詳細注記によると、彼の研究関心は三次元ユーザインタフェイス、仮想環境、仮想現実、拡張現実、そして人とコンピューターの対話だ。

競合するGoogleやFacebook(Oculus)、Samsung、HTCなどと違ってAppleはまだ、仮想/拡張現実における本格的なハードウェアやソフトウェアの取り組みを公式に発表していない。しかし特許の出願や同社の360度ビデオなどを見るかぎり、同社がその実験をやってることは確実だ。AR/VRがAppleの次の事業、と決めつけるのは短絡的だが、今回のようなスペシャリストの招聘から将来何が生まれるのか、ぜひ注視していきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

未来の拡張現実(AR)を今日見せてくれるMagic LeapがシリーズCで$827Mの巨額を調達

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Forbesの記事によると、ほとんどステルス(お忍び)状態なのに、回りが激しく騒いでいるスタートアップMagic Leapが、シリーズC*で8億2700万ドルを調達中だ。〔*: シリーズBでは5億4200万ドル。〕

Magic Leapのプロダクトは、MicrosoftのHoloLensとOculus Riftの交配種みたいで、10月のデモではこうなっている:

でも、世間をあっ!!と言わせたのは、こちらの、3月のデモだ:

これでMagic Leapの資金調達総額は約14億ドルになる。これまでの投資家は、Google, Qualcomm Ventures, KKR, Vulcan Capital, KPCB, Andreesen Horowtiz, Obvious Venturesなどなどだ。GoogleのCEO Sundar Pichaiは同社の取締役だ。誰もが毎日、現実というものの姿を、こんなものだと思っているかもしれないが、未来にはそれがまったく違った姿になる。しかも、あなたが求めたとおりの姿に。…そう思わせてくれる企業だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

「手のひらに象」の謎のスタートアップ、Magic Leapから拡張現実ゲームのデモビデオ

手のひらで小さな象がダンスするイメージビデオが印象的な謎のスタートアップ、Magic Leapが新しいデモ映像を公開した。同社の開発する拡張現実ハードウェアを利用すればこういうことができるという予告編だ。その中には「オフィスで拡張現実シューティング」の短いデモも含まれている。ビデオは最初にメールなどのオフィス・アプリの拡張現実インタフェースを紹介した後、そのオフィスの中でシューティング・ゲームを始めてみせる。

ゲームのアートワークは映画ロード・オブ・ザ・リングにも参加したスタジオ、Weta Workshopが担当した。

このビデオでは最初にYouTubeとGmailのアプリが登場し、OSレベルでのメニュー・システムがデモされる。デモ実演者はYouTubeとGmailアプリを片付けた後、空中に3Dメニューを呼び出し、シューティング・ゲームをタップして選択する。すると各種のバーチャル・リアリティー武器が表示される。武器を構えて待つうちにタワーディフェンスに似たかたちで怪物が襲ってくる。ビジュアルはよく出来ているが、さすがに際立った個性はない。.

このビデオにはMagic LeapがTEDに出席できなかったことのお詫びが付けられていた。CEOのRony Abovitzは今年バンクーバーで開催されたTEDカンファレンスで講演する予定だったが、直前にキャンセルされた。Magic Leapの主要なゲーム開発者の講演もキャンセルされている。

Magic Leapの投資家、パートナーにはKPCB、Andreessen Horowitz、Google、Legendary Entertainmentなどそうそうたる顔ぶれが揃っており、当然ながら業界の強い関心を集めている。

Magic Leapではこのビデオがコンセプトの紹介なのか、Magic Leapプラットフォーム上でのソフトウェアの実際の動作を記録したものなのか明らかにしていない(Wetaが参加していることからすると前者のようだ)。ともあれMagic Leapはわれわれの取材に対してYouTubeビデオをアップロードしたのは同社だと確認した。 もし彼らのプロダクトが実際にこのレベルになるのであれば、巨額の資金調達も納得がいくものとなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Microsoft、現実世界に重ねて3D映像をホログラム的に表示するヘッドセット、HoloLensを発表

今日(米国時間1/21)、Microsoftはシアトルの本社キャンパスでWindows 10イベントを開催し、Windows 7、8からWindows 10へのアップグレードは無料となると発表したが、同時にWindows 10に新たに追加されたホログラム機能についても時間を割いて詳しく説明した。この中で現実世界とホログラムのバーチャル世界を融合させるヘッドセットを開発していることが発表された。

このヘッドセットはHoloLensと呼ばれ、Microsoftによれば「Windows 10とおおよそ同時期にリリースされる」ということだ。HoloLensヘッドセットはワイヤレスでコンピューターやスマートフォンとペアリングしなくても単独で機能する。ヘッドセットはCPU、GPUに加えて、ホログラフィー処理に特化した独自のHPU(ホログラフィック・プロセッシング・ユニット)を備える。 外観は下の写真のとおりだ。

HoloLenはGoogleのGlassやOculus Rift、またMagic Leapのミステリアスなハードウェア、Sulon Cortexなどとライバル関係になるプロダクトといえるだろう。HoloLensはOculus Riftなどとは異なり、Google Glassと同じく外界が透視できるタイプだ。Sulonも外界にホログラムを重ねて表示するタイプだが、バイザーは完全遮蔽で外界映像はバイザーの上部のカメラから供給される。MicrosoftのテクノロジーはGlassのように直接外界を見ることができ、Sulonのように高度な3Dグラフィックスが重ねて表示されるという「いいとこどり」だ。これによってユーザーのVR体験の現実感は大きく高まりそうだ。

HoloLensヘッドセットはWindows 10のホログラム能力に依存するということだが、デバイスもWindows 10のホログラムもまだ直接テストする機会がない。テストできたらアップデートする。

いずれにせよ、Microsoftが独自のハードウェア開発に一段と力を入れてきたことは確かだ。ただし、プレゼン後の質疑応答によれば、希望するサードパーティーには独自ブランドで製造をライセンスするという。

デモの中でMicrosoftのOS担当執行副社長、Terry Myerson自身がホログラムになり、シェークスピアのハムレットのデンマーク王の亡霊よろしく「私はホログラムだぞ」と宣言した。

HoloLensの最初のユースケースは対話的リモート・プレゼンスだというが、エンジニアリング、サイエンス、デザインなどの分野での研究、開発に巨大な可能性があることはもちろんだ。さらに一般に普及するかどうかはユーザー体験の質が決め手になるだろう。Google Glassも含め、拡張現実はユーザー体験という入り口でつまづきを繰り返している。しかしHoloLensはこの点でこれまでの試みよりも質が高そうで、普及にも期待が持てる。

MicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラはHoloLensを使ってNASAのマーズ・ローバー探査機を一人称視点で操縦するという例を重要なユースケースの例として挙げた。それはたしかにすごい経験になるだろう。さいわい、われわれはこの後、HoloLensの実機をテストするチャンスがあるという。SFがついに現実になるのを体験できそうだ。

それにしてもMinecraftがHoloLensのようなデバイスを開発するとは!

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


謎の「ウェアラブル拡張現実」スタートアップ、Magic LeapがGoogleなど著名VCから5億4200万ドルを調達

スタートアップが事業内容を秘密に保ったまま巨額の資金を集めるという例はめったにない。フロリダのスタートアップ、Magic Leapはまさにその例だ。今日(米国時間10/21)、CEOのRony Abovitzは、シリーズBのラウンドを完了し、5億4200万ドルの資金を調達したことを発表した。投資家には Google, Inc、KPCB、Andreessen Horowitz、Obvious Ventures、Qualcomm、Legendary Entertainmentが加わっている。

この投資家の顔ぶれは多様で、分野をまたいだトップクラスのベンチャーキャピタルの名簿のようだ。AbovitzはTechCrunchの取材に対して「われわれのテクノロジーが持つ可能性はひとつの分野にとどまらないからだ。このテクノロジーが関連するすべての市場の売上総額は年間1兆ドルにもなるだろう」と述べた。AbovitzによればMagic Leapの会社評価額は10億ドル以上であり、今回のラウンドで投資家が得た株式は過半数にみたないものだという。

それではMagic Leapとはそもそもどういう会社なのか? このスタートアップはまだその答えを明らかにしていない。しかし今回の資金調達を機にAbovitzは秘密のカーテンのごく一部を引き開けてみせた。

現在、モバイル・コンピューティングの進展は目覚ましいものがあるが、依然として「手」コンピューティング」だと私は考えている。つまり手を使ってデバイスを保持し、入力する限りでのコンピューティングだ。その間、「目」は置いてきぼりだ。目が参加していないというのは、つまりオフィスを出てサンフランシスコの町を見渡してみればよい。すばらしい景色が広がる。こうしてじかに世界を見たときにわれわれの脳が作り出すような感動と比較できる映画もテレビもその他どんなデバイスもまだ存在していない。

つまりMagic Leapはモバイル・コンピューティングに新たなレベルの視覚体験を導入しようとしているらしい。目で見る現実に限りなく近い視覚体験をモバイル・テクノロジーと高度なヘッドマウント・ディスプレイを使って作り出すということのようだ。Oculus Riftスタイルのヘッドセットらしいが、Abovitzは「軽量ウェアラブル」であることを強調した。ただしそれ以上の詳細については明らかにするのを避けた。しかしAbovitzのコメントその他から推測すると、Magic Leapのヘッドセットは、上に示した象のような限りなく現実に近い精密な映像をおそらくは網膜スキャンでユーザーに届けるdバイスのようだ。そうした推測が合っているかどうかはデバイスの公式発表を待たねばならない。

Abovitzは取材に対して「Magic Leapは『世界は新たなデスクトップ』と『世界は新たな銀幕』という2つのキャッチフレーズで表現できる」と語った。つまり既存のものとはまったく違う何か新しいメディアが誕生するのかもしれない。『銀幕』というキャッチフレーズを考えるとその影響はテクノロジー界にとどまらず、ビジュアル・エンターテインメントの世界にも及ぶのだろう。それが今回のラウンドでハリウッドの有力プロダクション、レジェンダリー・ピクチャーズだけでなく、CEO、Thomas Tull個人も投資している理由なのだろう。

TechCruchはTullにも別個に取材を行ったが、Tullは「私はOculus Riftにも投資している。あれもすばらしいデバイスだ。しかしMagic Leapのアプローチはまったく異なる。今のところ私が言えるのは1年ほど前から私はロニー[Abovitz]と意気投合し非常に親しくなったということだ。彼らの本社に行って半日ほどテクノロジーを体験させてもらったが、驚くべきものだった。私はその後しばらく自然に笑顔が浮かんでしまったぐらいだ」と語った。

一方、Abovitzは「Magic LeapはOculusのような(周囲を遮断する)完全な仮想現実(VR)ではない。かといって従来のようなレベルの拡張現実(AR)でもない。われわれははるかに高いレベルであたかも現実の物体であるかのように精密な3Dデジタル・オブジェクトを現実世界の中に置くことができる。これまでのARがライト兄弟が1903年に最初に飛ばした飛行機だとするならMagic Leapは現代のジェット旅客機だ」と述べた。

Googleはリード投資家であり、AndroidとChromeの責任者であるSundar Pichai上級副社長がMagic Leapの取締役に就任した。同時にQualcommの執行役会長、Paul JacobsとGoogleの事業開発担当副社長もオブザーバーとして取締役会に出席する。これによっても業界のMagic Leapに対する注目度の高さを知ることができる。なおAbovitzによれば、Magic LeapはGoogle Glassに新機能を加えるようなプロダクトではない―というより、Glassとはまったく無関係だという。

AbovitzによればMagic Leapのプロダクトの消費者へのローンチは「かなり近い」という。今回の資金は主としてプロダクトの量産準備に使われるようだ。ハードウェアの新製品開発には巨額の資金が必要とされるのは理解できる。AbovitzはOculus Riftの「オープンな開発過程」について「それはそれですばらしい戦略だ」としながらもMagic Leapは別の道を選んだとしている。つまりわれわれは公式の製品発表までMagic Leapプロダクトの詳細について知ることはできないらしい。いずれにせよテクノロジー業界とエンターテインメント業界のトップクラスの切れ者が揃った投資者の顔ぶれと投じられた金額を考えただけでもMagic Leapから何が出てくるのか注目する価値がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Niantic Labs、Ingressにユーザーが新しくミッションを作れる機能を追加

GoogleのNiantic Labsは、人気のAndroid版、iOS版の拡張現実ゲーム、Ingressユーザー生成のミッションという新機能を追加した。ユーザーは友達あるいは一般プレイヤーのために、独自のミッションを作れるようになった。作成にはブラウザ・ベースのミッション・クリエーターを利用する。

といっても、すべてのユーザーがすぐにこの機能を利用できるわけではない。Niantic Labsは、レベルの高いプレイヤーから順次機能を公開していくという。そうしたプレイヤーの反応や作成されたミッションの実績を見ながら徐々に利用範囲を広げていくようだ。Niantic Labsのプロダクト担当副社長、John Hankeは「この機能は当初、一定の基準をクリアしたユーザーに対して公開される。将来は一般ユーザーも利用できるようになるだろう」と述べた。

ミッション作成ツール自体はかなりシンプルだ。Ingressのスキンを載せたGoogleマップが表示されるので、作成しようとしているミッションでプレイヤーが行かねばならない場所にマーカーを落とせばよいだけだ。場所の特定にはNiantic LabsのField Tripアプリのデータを用いてもよいし、非常にあいまいにして、ヒントだけを残しておくこともできる。 現実の世界である地点に到達したとき、プレイヤーはその地点を「スキャン」しなければならない。この動作でプレイヤーが目的地を実際に踏んだことを確認する。

他のプレイヤーが作ったミッションの表示はAndroid版でアプリではサポートされている(iOSでは近くサポートされる)。ただし表示されるミッションは自分がプレイしている都市中のものに限られる。たとえばオークランドの自宅でベッドに寝そべったままサンフランシスコのミッションを表示することはできない。これに対して世界中どこにいてもあらゆる場所でのミッションの作成が可能だ。外国で素晴らしい休暇を過ごして帰ってきてから自宅で現地でのミッションを作ることもできる。自分が気に入った景色や名所旧跡をミッションに逐一追加して、現地を訪れた友達を案内するなどということも可能だ。

IMAGE BY Niantic Labs

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ベルリンの壁を見に行く時はARアプリTimetravelerで過去にタイムトラベルしよう

MetaioTimetraveler Augmentedが今日(米国時間9/22)、Timetravelerというアプリケーションを発表した。このアプリケーションは、拡張現実(Augmented Reality, AR)の技術を利用して、スマートフォンやタブレットのユーザにベルリンの壁に関する歴史的コンテンツを見せてくれる。実際にその遺跡へ行って歩きまわっていると、それぞれの場所に関連したARが表示される。素材は当時のニュースや記録映画、破壊された場所の再建工事、壁が冷戦時代のドイツにもたらした分断効果などだ。

LAYARがアプリの画面にベルリンの壁を重ねて表示したのは2010年だが、そのときの実装はかなり全体的で、それぞれの場所でいろんなメディアを見せるものではなく、しかも“ストーリーを語る”ことに力を入れていた。

TimetravelerはiOS用とAndroid用があり、GPSを利用して主な11箇所の遺跡の‘過去’を見せてくれる。場所はベルリンのBernauer StreetにあるBerlin Wall Memorialだ。

アプリの説明書から引用しよう:

それぞれの遺跡へ行くとGPSが場所を判断し、アプリケーションはユーザの視線追跡モードになり、ユーザが今見ている方向に50年以上前にあった物や状況の画像を表示する。Frida Schulzeが彼女のアパートの窓から脱出する劇的なシーンや、Church of Reconciliationの解体、国境警備兵のConrad Schumanが東と西を隔てる有刺鉄線を跳び越えるところ、などが見られる。

今現在はドイツのiTunesストアでしか手に入らないようだが、でもGoogle Playには(あなたがどこにいても)リンクがあるようだ。このアプリは、無料バージョンと有料バージョンがある。

〔訳注: LAYERでもGPSとコンテンツの結びつけはできるようだ。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))