初のオールバーチャル開催となったCESについて思うこと

筆者は過去数年、実際の会場で開催されるトレードショーの価値についての疑問を口にすることに、自身が言及したいと思う以上により多くの時間を費やしてきた。多くの人を1カ所に押し込み、ブースからブースへと歩かせるというアイデアは、時代遅れのように思える。もちろん、過去においては重要なニーズを満たしてきた。しかし超コネクトしている世界においてそれらは遺物にすぎないのではないだろうか。

もしトレードショーがなくなるとしたら、それは段階的なプロセスとなり、本屋やレコード店のように(どちらも筆者が心から恋しく思っているものだ)文化的無意味の中にゆっくりと消えていくのではないかと筆者は常々考えていた。実際には、テクノロジーが社会におけるそうしたものの相対的価値を大きく減らした。

Spotify(スポティファイ)とKindle Store (キンドルストア)は、実在店舗にあるような存在感や魅力に欠けるというのはまぎれもない事実である一方で、利便性のために我々はそうしたものを喜んで犠牲にしている。

猛威をふるうパンデミックは、実にあっさりと会場開催のトレードショーなしの1年にした。つまり、我々はトレードショーに関するこの質問に、即時の制御変数以上のものを持っていた。2020年のCESはなんとかギリギリ開催できた。その次の大きな家電見本市であるMobile World Congress(モバイルワールドコングレス)は、かなり気を揉んだ末に結局中止となった。

2020年夏にベルリンで開催されたIFAの運営組織の動きと同様、CTA(CES運営組織)は2021年、規模を縮小しての会場開催を計画していた。しかし2020年7月にはそうした計画を実行できないことは明白だった。率直にいって、米国はウイルス拡大を食い止めるという点できちんと対応しなかった(この記事を執筆している日に、新型コロナによる米国の死者が40万人に達したということに触れないわけにはいかない)。

CES 2021はこの1年ですべてバーチャルで行われた初のテックショーというには程遠いものだったが、その一方でイベントの規模やスコープは比較的ユニークだ。CTAによると、2020年のショーには17万を超える参加者があった。筆者が2020年にバーチャルで参加したテックイベントの多くは1社によるものだった。CESは明らかに完全に異なるタイプのものだった。

業界におけるCTA(CESではない)の役割は、かなり親善的な意味合いが前提となっている。ショーの始まりは1960年代後半に遡る。その後衰退し、何年にもわたって拡大縮小はあるものの(2008年の金融危機のような外的要因の影響も受けた)が、続けられた。こうしたイベントにしばらく関わってきた私たちは、同じくらいの期待と恐れを胸に抱いてショーに臨みがちだ。しかしいつでも企業の参加がある。

CTAの数字によると、2000社近くが2021年のイベントでプロダクトを発表した。この数字は2020年の出展企業4419社よりも少ないが、それは想像できることだ。イベントの不確性に加えて、かなりの数の企業にとって著しく悪い年だった。私は疑問や疑念を持ち続けていた。その中でも主なものは、スタートアップにとっての、こうしたイベントの価値だった。実際に会場で行うという要素がなければ、スタートアップは騒音にかき消されるだけではないのか。

似たようなフィードバックをスタートアップからも聞いた。しかし最終的に700社近くが出展することを選択した。私はTechCrunchで取り上げる目的で最終的にそうしたスタートアップすべてに目を通したために知っている。この目を通すという体験は、ショーの隅々まで歩くのが困難だった年の記憶のようなものを筆者に思い出させた。結局、2021年は違う理由で困難を経験することになった。

究極的には、これは私が最も恋しく思うものだった。筆者にとってCESの最大の魅力は発見という要素だった。Sands ExpoでのスタートアップがひしめくEureka Parkは最高だ。展示者の大半は我々向けではないが、それでも筆者はそれまで見たこともない斬新でイノベーティブなものに刺激を受ける。自分の中に眠るブロガーの本能が目覚め、世界に伝えるためにすぐにノートパソコンの前に戻りたくなる。

2021年はEureka Parkがなかった。バーチャル版すらなかった。ショーのフロアをオンラインで再現させるいい方法はないのだ。少なくとも私は知らない。既知のスタートアップのいくつかは、筆者にプロダクトを郵送してきた。たとえばSensel(センセル)はトラックパッドの新バージョンを用意していた(同社は2021年1月19日にLenovoの最新ThinkPadに新トラックパッドが搭載されると発表した)。しかしスタートアップ全700社が、レビュー用のユニットをクイーンズにある筆者の寝室1つの住まいに送るなど不可能だ。

それにも増して、バーチャルイベントはこの規模でのイベントのテクノロジー面での限界を如実に示した。記者会見は非常にシンプルだった(CTAが展開したいくつかの異なるプラットフォームに私は不満を覚えたが)。多くの場合、記者会見は出展企業にとって長いコマーシャルのようなものだ。もちろん会場での開催の場合もそうだが、我々はショーに飲み込まれてしまう傾向にある。筆者自身の目的に関してはというと、プレスリリースでこれまで以上に効率的に完了させられなかったものはさほど多くなかった。

ニュースリリースの性質は2021年、はるかに曖昧なものだった。より多くの企業が、ショーに先立って大量のニュースを出すことを勝手に自分で判断したようだった。他の企業は独自にいわゆる裏番組を提供した。筆者の安心という視点では、こうしたイベントの最大のメリットの1つは、ニュースの流れのコントロールだ。かなりのニュースが発表された2021年初め、1本の髪の毛を引っ張るような難しい週になるだろうということはわかっていた。

重心に欠ける2021年のCESでは、筆者は整理されていないニュースの流れを目の当たりにすることを予想していた。筆者は過去数年、ハードウェアニュースに関して「低調なシーズンはもはやない」と同僚に話していた。そうした思いは増すばかりのようだ。明らかに物事を均等に広げることに良い面はある。しかし年間を通じたCESに似た一連の小規模イベントの開催に向かっているように感じる。こうした考えに、筆者は恐れを抱いている。

Apple(アップル)に続き、企業がCESのノイズの中から発信するより自社開催のイベントを好んでいるということは近年明らかになっていた。バーチャルイベントはそのアプローチを取り入れる完璧な機会だ。一方、Appleは1つのイベント開催から、これまでよりも小規模のイベントを年末に向けて複数回にわたって開催するスタイルへと移行した。イベントに出席するための国内移動、あるいは海外出張を控えなければならないとき、ニュースとしての価値の基準はかなり下がる。おそらく、何千もの企業が1つのイベントでメディアの関心を争う代わりに、何千ものイベントが開催されるというモデルに我々は向かっている。気が遠くなる。

CTAのフォーマットについて、筆者はかなり具体的な不満があるが、今後埋めることになるかもしれないイベント後アンケートのためにそれはとっておこう。それでも筆者は、バーチャルイベントに価値を見出した。馴染みのない数多くのスタートアップに話を聞くきっかけになった。しかし究極的には、CESのようなイベントには、あらゆる頭痛の種があることを証明するものになったと筆者は考えているが、それでも会場で開催するイベントには多くの価値がある。

CTAならびに似たようなイベントの開催組織が、会場でのイベント開催に戻りたくていら立っていることに疑いの余地はない。ワクチン接種が難航し、想定するタイムラインに大きな疑問符がついているにしてもだ。2020年、2021年を、トレードショー会場開催の終わりの始まりだと考える非常に良いチャンスだ。しかし2020年に我々が目の当たりにした限界のようなものを考えたとき、すぐに会場開催が完全になくなると宣言することはできない。

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カテゴリー:その他
タグ:CES 2021コラム

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(翻訳:Mizoguchi

The Station:CES 2021のトレンドとUberの新しいスピンオフ

2021年1月第3週のモビリティ関連ニュースをお送りする。

なお、私(Kersten Krosec)はTechCrunchのモビリティ担当編集者になった。役職の変更によって、責任とミッションも大きくなった。TechCrunchの「未来のモビリティ」に関する記事を拡大するために、今後はフリーライターからも多く寄稿してもらうつもりだ。Mark Harris(マーク・ハリス)氏は調査報道記者でこれまでにも素晴らしい記事を本誌で発表しており、今後は定期的に登場する予定だ。ハリス氏は法律文書や提出資料の中からニュースを掘り出す才能がある。2019年のTesla(テスラ)の関税に関する記事や、Elon Musk(イーロン・マスク)氏のラスベガスループプロジェクトの乗客輸送能力を推計した記事などがある。

今後、輸送部門にもっと多くの顔を加えられることを楽しみにしている。

CES概要

Mercedes-EQ MBUX Hyperscreen(画像クレジット:Mercedes)

バーチャル方式だったこともあるかもしれないが、自動運転テクノロジーは2021年のCESで以前ほどの中心的役割は果たさなかった。

代わってCESで注目を集めたテーマは、インフォテイメントと先進運転支援システムが中心だった。また2020年から続くトレンドとして、巨大なスクリーンがいくつか登場した。上の写真にあるMercedes Hyperscreen(メルセデス・ハイパースクリーン)もその1つだ。

Pioneer(パイオニア)、Harman(ハーマン)、Panasonic(パナソニック)の3社は、車内にオーディオとビジュアルのテクノロジーをさらに取り込むための未来製品を紹介した。たとえばHarmanは、車内のインフォテイメントシステムをコンサートホールや録音スタジオやゲームセンターに変える3つの新しい「体験コンセプト」を披露した。

Panasonicは英国のスタートアップであるEnvisics(エンヴィジクス)と提携し、乗用車、トラック、SUV向け次世代ヘッドアップディスプレイの共同開発・商品化を行うことを発表した。ヘッドアップディスプレイ(HUD)はショーのあらゆる場面で目にした。このテクノロジーは新しくはないが、最近の技術進歩によってシステムの能力が急速に進化し、ダッシュボードに組み込みフロントガラスに画像を投影することで、ナヒゲーションや各種のアラートを通じてドライバーを支援する。

画像クレジット:Envisics

GM(ゼネラル・モーターズ)はおそらく、バーチャル2021 CESで、少なくとも輸送分野で最大の存在感を示していた。同社は、電動ワゴン車をはじめとするプロダクトとサービスを市場に出すための新たなビジネスユニットであるBrightDrop(ブライトドロップ)を発表する場としてこのショーを選んだ。ただし、それだけではない。

GMはこの機会を利用して、近日発売のChevrolet Bolt EUV(シボレー・ボルト EUV)を先行紹介した。GMのハンズフリー高速道運転支援システムであるSuper Cruise(スーパー・クルーズ)を搭載するほか、Cadillac Celestiq(キャデラック・セレスティーク)のダッシュボードと新しいロゴまで採用した。一連の発表の意図は明らかだ。GMは世界に(そして株主に)同社が電気自動車および繋がる車のテクノロジーに対して本気であることを示そうとしている。

GMの数多くの発表は見逃しようがない。そこにはeVTOL(電動垂直離着陸ドローン)もあった。対照的にMobileye(モービルアイ)の発表はあまり目立っていなかったが、間違いなく注目に値する。

GMはCES 2021でコンセプトを2つ披露。自動運転シャトルとパーソナルeVTOL(画像クレジット:GM)

Mobileyeは、自動運転車のテストを多くの都市に拡大する計画の概要を話し、その内容は以前発表した計画と変わらなかった。

私の目を引いたのは、Mobileyeのプレジデント兼CEOであるAmnon Shashua(アムノン・シャシュア)氏が会社のビジョンと進捗について話した内容だ。

まとめると、Mobileyeは自動運転技術の開発と展開に3本の柱からなる戦術をとり、完全自動運転スタック(カメラ、レーダー、LiDAR技術に基づく冗長化センシングサブシステムを含む)をREMマッピングシステム、およびルールベースの責任感知型安全論(RSS)運転方針と組み合わせる。

MobileyeのREM地図作成システムは、同社のテクノロジーを搭載した100万台近い車からクラウドソーシングで集めたデータから高精度地図を作り、ADASや自動運転システムの支援に使うものだ。シャシュア氏は、現在Mobileyeのテクノロジーは世界中の地図を自動的に作成することが可能で、毎日800万km近く、累積10億km近くの走行データを集めていると語った。

Mobileyeは現在開発中の新しいワンチップのLiDARシステム製品の詳細も公開し、2025年に市場に出す予定だ。そのLiDARはIntelのシリコンフォトニクス技術を使用する予定だが、注目されるのはMobileyeがカメラベース技術で知られているためだ。なお、Mobileyeはカメラファーストのアプローチを捨てるわけではない。Mobileyeは、技術的・ビジネス的に最良のアプローチは、カメラファーストシステムを開発しLiDARとレーダーを冗長化のためのアドオンとして使うことだと信じている、とシャシュア氏は説明した。

要約すれば、Mobileyeは自動運転技術を商品化して大衆に届けるための資金とネットワークを有しているということだ。

本誌の輸送関連のCES記事を以下に挙げる。

メルセデス・ベンツが高級EVセダンEQSの湾曲56インチ「ハイパースクリーン」発表
GMが配送業者向け新事業部起ち上げ、商用EVバンと電動アシスト付きパレット発表
自動運転技術のMobileyeが数カ月以内に東京など世界4都市にテスト地域を拡大
ソニーがプロトタイプEVセダン「VISION-S」の技術紹介や走行シーン動画を公開
ホログラフィックディスプレイのEnvisicsがパナソニックと提携、車内AR技術実現を加速
BMWが次世代「iDrive」のインフォテインメントシステムを先行公開
Sono Motorsがソーラーカー技術を自動運転シャトルバスのEasyMileにライセンス供与
エアタクシースタートアップArcherが電動飛行機生産で自動車メーカーのフィアット・クライスラーと提携

Uberで新たなスピンオフが準備中

Postmatesのロボット、ServeはOusterのカメラとライダーを採用している(画像クレジット:Postmates)

無人デリバリーが2021年に躍進するという私の予言を覚えているだろうか?どうやら私が正しいこともあるらしい。

Postmates XはUberが2020年に26億5000万ドル(約2760億円)で買収したオンデマンドデリバリースタートアップのロボティクス部門であり、Serve Roboticsという名の別会社になるために出資者を探している。

Serveと聞いて思い出す人がいるかもしれない。黄色と黒に塗られた歩道自動走行デリバリーボットで、Postmates Xが開発してパイロットテストを行った。このロボットは、最近Pink Dot Stores(ピンクドットストアーズ)とウェストハリウッドの配達で提携しており、新たなスタートアップの中核となる可能性が高い。

私はこの計画の重要な詳細についていくつか情報を得ているが、まだ確定はしていない。Uber
は新会社の株式を持ち続ける。本件に詳しい情報筋によると、Uberの持ち分は当初は少なかったが、その後約25%へと跳ね上がった。

会社を率いることになるのはAli Kashani(アリ・カシャニ)氏で、現在Postmates XのトップとしてServeプロジェクトの責任者を務めている。Anthony Armenta(アンソニー・アルメンタ)氏が新会社のソフトウェア部門を率い、Aaron Leiba(
アーロン・レイバ)氏がハードウェアを担当する。いずれもPostmates Xで務めたのと同じ職だ。

新しい情報が入り次第続報する予定だ。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:CES 2021Uber

画像クレジット:Sony

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アプリへのソーシャルゲームプラットフォーム統合を容易にするGoama

Goama(Go Gamesとしても知られる)は、開発者がソーシャルゲームをアプリに迅速に組み込むことを可能にする。Goamaのクライアントの中には、プロモーションキャンペーンとして利用している顧客もあれば、毎週新しいゲームを紹介するプラットフォームを利用して、本格的なゲーム機能をアプリに追加している顧客もいる。

最近SOSVのアクセラレータープログラムに参加したGoamaは、先週のCESで台湾工科大学のパビリオンにてプレゼンテーションを行った。イベントは終了したが、同社のバーチャルブースはまだ閲覧できる。

Goamaのクライアントの中には「スーパーアプリ」、つまりいくつかのサービスを提供するアプリで、その中でゲームを含めたサービスを提供したいと考えている企業がある。スーパーアプリをより適切に提供するためにGoamaは最近、ユーザー向けのサブスクリプションモデルに加えて、トーナメントモデルを導入した。

Goamaは現在、モバイル普及が急速に進むアジアとラテンアメリカに注力しており、GCashやRappiなど15社以上のパートナーと協力して、デジタル決済とコミュニケーションを可能にしている。同社のゲーミングプラットフォームのユーザーインターフェースは、ホストアプリにあわせてカスタマイズでき、またアプリ内で使えるポイントやその他の賞品を提供できる。Goamaを利用している企業にはフードデリバリーアプリのFoodPanda、Snickers、送金アプリのWavePayなどがある。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:GoamaCES 2021

画像クレジット:krisanapong detraphiphat / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

CES 2021で注目を集めた高齢者の暮らしや介護者を支えるテックスタートアップ

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックは、多くの高齢者が直面している問題に厳しいスポットライトを当てた。高齢者は、入院を必要とするケースが増加している最もリスクの高い人たちであり、老人ホームは特に集団感染に対して脆弱だった。新型コロナに対応する一方で、高齢者はまたロックダウンや隔離中に慢性病の治療を受けることが困難になるなど多くの問題にも直面している。

こうした問題の多くは、パンデミック後もなくならないだろう。国連によると、世界の65歳以上の人口は他のどの年代より速く増加している。と同時に、介護者、特に老人ホームではなく引き続き自宅で暮らしたいと考えている高齢者をサポートする介護者不足は深刻だ。

テクノロジーは、さまざまな方法でこの問題の解決に貢献できる。介護者をサポートする(そしてバーンアウトを減らす)ことで高齢者が自宅で健康状態のモニタリングができ、そして孤独と戦うツールを作り出すことができる。CESではいくつかの「エイジテック」の発表があった。最も注目を集めたものの1つが、非営利スタートアップアクセラレータープログラムのAARP Innovation Lab(AARPイノベーションラボ)だった。

姿勢の安定性やバランスを評価するZibrioのスマート体重計(画像クレジット:Zibrio)

AARPのグループで共通するテーマの1つが、高齢者が「自立して暮らす」あるいは老人ホームに移る代わりに自宅やコミュニティに留まることをサポートするテックだった。たとえばWheel Pad (ホイールパッド)は、既存の構造や敷地に導入できるアクセスしやすい自宅や職場空間をデザインする。Mighty Health(マイティヘルス)はユーザーがヘルスコーチ、有資格のトレーナー、パーソナライズされた栄養プランにアクセスできるアプリであり、また転倒しやすいかどうかを予測するためにユーザーのバランスを評価する体重計のZibrio(ジブリオ)も自宅でのルーティンに組み込むことができる。

AARP Innovation Labの他のスタートアップは、介護者のサポートにもフォーカスしている。たとえば FallCall Solutionsは転倒が感知されたらアラートを出し、家族が本人に連絡を取って確認できるApple Watchアプリを開発している。Ianacareという別のアプリは家族が介護者のタスクを調整し、サポートを求めるのを支える。終活のための計画は家族にとって最も感情的に難しいプロセスだが、「終末期プラットフォーム」のCakeは遺産やヘルスケア計画のためのツール、親類が介護問題や悲しみに対処するのをサポートするリソースを提供している。

また別のスタートアップは医療ケアに焦点を当てている。慢性病を抱える人のためにFolia Health(フォリアヘルス)は治療の進捗状況のモニターをサポートする。臨床面では、Embleema(エンブリーマ)のソフトウェアを使うことで、臨床研究者はデータを共有したり、研究を組み立てたりして薬剤研究をより効率的に行える。

CESに参加した注目に値する他のエイジテックのスタートアップには、ユーザーが立ち上がった時に自動でオンになり、転倒したときに家族にアラートを出すスマートランプのNobiがあった。Nobiは住まいや老人ホームで活用できる。

Caregiver Smart Solutionの介護者がタスクを調整するためのアプリ(画像クレジット: Ianacare)

Caregiver Smart Solutionsは、健康問題の可能性を早期に発見する機械学習ベースのアプリで、転倒センサー、モニターと緊急用のボタンを提供することで、高齢者の自宅暮らしを支える多面的なプラットフォームだ。失禁に悩む人向けには、ウェアラブルデバイスのDFreeがある。超音波センサーを使って膀胱にどれくらい尿が溜まっているのかをモニターし、トイレに行く間隔の平均時間を常に追跡することでユーザーのストレスを減らす。消費者、医療施設向けに展開されている。

コンパニオンロボットCutiiの機能一覧(画像クレジット:Cutii)

老人ホームで暮らす高齢者向けでは、Rendeverがある。これは孤独感を減らすのに役立つバーチャルリアリティプラットフォームで、過去を思い出すという経験を通じて認知症の人をガイドする回想セラピーと一緒に使うことができ、ランドマークへ仮想旅行することもできる。コンパニオンロボットのCutiiもまた孤独感を減らそうとしている。コンパニオンロボットはCESで何年もの間主力だったが、Cutiiは音楽やゲーム、ライブイベントといったエンターテインメントとは一線を画している。Cutiiはビデオコールや夜間パトロールの機能も備えている。

関連記事:ユーザーの動きに合わせて点灯、家族が倒れたら介護者に通知が届くスマートランプNobi

カテゴリー:ハードウェア
タグ:CES 2021高齢者

画像クレジット:Westend61 / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

やはり新型コロナウイルスの影響が色濃く出たCES 2021

初のオールバーチャル開催となったCES 2021で、もちろん新型コロナウイルスは避けて通れない話題となった。結局のところ、CESの期間に関係なく、この話題が人々の頭から離れることはないのだ。感染拡大が起きてから1年近くが経過した現在も、プレゼンターは当然ながら常に存在する「部屋の中にいる象」に対処することを義務づけられているように感じる。ラスベガスのコンベンションセンターからMicrosoft(マイクロソフト)のバーチャル会場に移ったことは、そんな現象のわかりやすい一例だが、時にはもっと強引なこじつけに感じられるようなこともあった。

テクノロジーそれ自体についていえば、健康に関する様々な測定機能からリモートワークの設定まで、新型コロナウイルス感染拡大が今後何年にもわたってテクノロジー業界に大きな影響を与えることは間違いない。それはときに、テクノロジーを絶えず変化する世界に適応させるための純粋で有機的な進化でもある。しかし別のケースでは、「この不確実な時代」を論じるビールのコマーシャルのように、搾取的に感じられる「家電製品」もなくはない。

私は、このウイルス感染が今後のロボット工学やAIにどのような影響を与えるかについて、多くのことを書いてきた。要約するとそれは、世界中に蔓延する致死性と伝染性の高いウイルスで人間の労働力が限界にぶち当たった後、企業は間違いなくロボット工学やAIといった技術を受け入れることに、さらに熱心になるだろうということだ。

今回のCESでは、ロボット工学の反応も垣間見られた。この業界は一般消費者向け製品に比べてリードタイムが長くなる傾向にあるが、その中でも最もわかりやすく、即効性のある例が、紫外線消毒機能を搭載するロボットの増加だった。LG、UBTECH、Ava Robotics(アバ・ロボティクス)の3社が、このカテゴリーについての見解を私の受信箱に送りつけてきた。感染拡大時には消毒技術が強く求められることは明らかであり、ロボットはこのような退屈で反復的なプロセスを自動化する方法を提供すると同時に、潜在的な人間のウイルス感染を防ぐことができる。

画像クレジット:Razer

紫外線消毒はさまざまなかたちで登場した。携帯電話は数年前からこの技術のターゲットになっている。結局のところ、我々はTikTok(ティックトック)を見ているスマートフォンが、移動するペトリ皿であることを、新型ウイルスに改めて教えられたのだ。現象に先んじていた「PhoneSoap(フォンソープ)」がこれまで支配してきた領域に、カナダのスタートアップ企業であるGlissner(グリスナー)社の「CleanPhone(クリーンフォン)」などの製品が参入しようとしている。

Targus(ターガス)のキーボードは、今回のショーで最も広く報道されたUVソリューションかもしれない。キーボードの上に紫外線ランプが備わるこの製品は、少々異様な印象を与える見た目になっている。

マスクもこのショーに秘かに潜り込んできたウイルス関連製品の1つだが、2021年は本当に熱が入っていた。公共の場でマスクを着用することは、一部の国では明らかに新しい現象だが、東アジアのような地域では昔から、生活の一部として普通に行われてきた。ポートランドを拠点とするAo Air(アオエア)社はこのカテゴリーで独自の取り組みを行い、2020年に何度か大きな注目を浴びた。

Razer(レイザー)社のProject Hazel(プロジェクト・ヘゼル)は、今回のショーで間違いなく最も目立つマスクとしてデビューした(上の写真)。この大きくて派手なN95規格マスクは、ゲーム周辺機器を主に扱う会社にとって本業外ともいえるものだが、充電状態を示すLEDを搭載しており、暗い環境下でも着用者の顔が見えるようになっている。装着者の声がクリアに聞こえる技術も組み込まれている。しかし、今のところ、これは注目を集めるための製品を超えるものとして見ることは難しい。

私が本当に期待していたのは、リモートワークに関するものだ。このショーでは、Microsoft Teamsリモート会議機能を搭載したDellのモニターのような製品を見ることができた。マイクロソフトは新型Surface(サーフェイス)をリモートワークマシンとして宣伝していたが、率直に言って、他のポータブルなSurfaceの製品と比べて、特にこの分野をターゲットにしているようには感じられなかった。

企業が取り組んでいるイノベーションの多くは、間違いなくCES 2022まで待たなければならないだろう。来年はラスベガスでそれらを目にすることができるように祈っている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:CES 2021新型コロナウイルス

画像クレジット:MANDEL NGAN/AFP / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

サムスンがTileのライバルとなる紛失防止用トラッカー「Galaxy SmartTag」発表、米国では1つ約3100円

Samsung(サムスン)は、CES 2021で行った数々の発表に続き、米国時間1月14日に開催した「Unpacked」イベントで、「Galaxy SmartTag(ギャラクシー・スマートタグ)」と名付けられた新しいBluetooth位置情報デバイスを発表した。これはSamsungオーナーのための紛失物発見用ビーコン(無線標識)で、Tile(タイル)の競合製品となる。TileやApple(アップル)から近々登場が噂されている「AitTags(エアタグ)」と同様、Galaxy SmartTagは鍵やバッグ、ペットの首輪など、どこにあるのか見つけたい物に取りつけることができる。最初に発売されるSmartTagはBluetoothを使って近くにあるSamsungのデバイスと通信を行うが、2021年後半には超広帯域無線通信(UWB)を使ったSmartTag+と呼ばれるバージョンも発売予定であることを、同社は認めた。

SmartTag+は、AppleのiPhone 11シリーズ以降のモデルに搭載されているUWBを利用することが予想されるAirTagsと、より競合することになるだろう。Tileはこのニュースを見越して、すでにUWBを採用した新型のトラッカー(位置情報検知デバイス)を開発しており、2021年後半にはこちらも発売される見込みだ。

14日に発表されたGalaxy SmartTagはBluetoothを利用する製品で、仕様は1種類のみ。つまりサイズや性能が異なる仕様はラインナップされていない。ただし、本体カラーはブラックと「オートミール」と呼ばれる白に近い色の2色から選べる。

Samsungの担当者によれば、Galaxy SmartTagは、Android10以降を搭載する同社のGalaxyデバイスならどれと組み合わせても使用可能だという。

Galaxyデバイスの所有者は、Samsungの「SmartThings Find」アプリを使って、SmartTagを取りつけた行方不明のアイテムを見つけることができる。

Galaxy SmartTagは、Tileや他のBLE(Bluetooth Low Energy)トラッカーと同じように動作する。SmartTagがオフライン時、つまりGalaxy S21などのデバイスと接続されていないときは、近くのGalaxyデバイスで検出できるBLE信号を送信する。Galaxyデバイスが検出すると、SmartTagはSmartThings Findアプリに位置情報を送信するので、これが取りつけられたアイテムの場所をアプリで知ることができるという仕組みだ。Samsungによると、SmartThings Findのユーザーデータは暗号化されて安全に保護されているため、アプリを使って紛失したアイテムのSmartTagを検索しても、位置情報や個人情報は安全だという。

またこのアプリでは、「見つかったら通知」するだけでなく、「近くを検索」「検索」「音を鳴らす」など、アイテムを見つけるための様々なツールを提供する。Tileと同様に、SmartTagはどこに置いたかわからなくなったスマートフォンを探すために使用することも可能だ。この場合はSmartTagのボタンを2回押せば、スマートフォンから音が聞こえてくるので、その場所をたどればスマートフォンを見つけることができるだろう。

Galaxy SmartTagは、ボタンを1回押すと他のことを行うように、カスタマイズすることもできる。たとえば帰宅した際に持ち物に取りつけているSmartTagのボタンを押せば、簡単に照明やテレビをつけるといったことが可能だ。

発表に先立ち配布された資料によると、Galaxy SmartTagはTileのトラッカーよりやや厚みがあり、CR2032セル電池で作動し、Bluetooth接続することがわかった(実際にユーザーが交換可能なCR2032電池が使われていることを、我々は確認した)。

Samsungの担当者は、発表前に公式の詳細な技術仕様を我々に提供しなかった。後ほど、詳細が明らかにされたら記事をアップデートしたい。通信可能範囲などの詳細がわからないと(訳者注:公式サイトによれば、通信範囲は120m以内とされている)、市場で販売されている他社のトラッカーと適正な比較をすることは難しい(リークされた情報は必ずしも最終的な製品を示すものとは限らないので、それだけで判断することはできない。とはいえ、規制当局に申請された書類は、最初の参考材料にはなるだろう)。

Samsungは発売前にキャンペーンを介して、この新型トラッカーの普及を促進させようとしている。米国で1月14日から28日までの間に「Galaxy S21 Ultra」を予約すると、200ドル(約2万800円)分のSamsung Creditに加えて、Galaxy SmartTagを1つ無料でもらうことができる。これはサムスンが今まで紛失物発見ガジェットに対して行った投資を、少しでも回収するのに役立つだろう。同社は2018年にLTEを使った「SmartThings Tracker」を発売したものの、人気を博したとはいえなかった。

このキャンペーン以外では、Galaxy SmartTagは1個29.99ドル(約3100円)という価格で、1月29日から米国で販売が開始される。

価格は、Tileが販売しているエントリーレベルのBluetoothトラッカー「Tile Mate(タイル・メイト)」の24.99ドル(約2600円)と比べると、やや高い。

関連記事:ARで簡単に紛失物を探し出せるウルトラワイドバンド搭載トラッカーをTileが準備中

カテゴリー:ハードウェア
タグ:SamsungCES 2021トラッカー

画像クレジット:Samsung

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(翻訳:TechCrunch Japan)

台湾3Drensがフリートオペレータによる車両使用の効率化を支援

3DrensのIoTモビリティマネジメントプラットフォームは、車両がどこにあるかをフリートオペレーターが追跡できるだけでなく、ビジネス上の意思決定に役立つデータを生成する。同社は本社がある台湾で事業を開始した後、東南アジアに進出した。現在、CESのTaiwan Tech Arenaに出展している3Drensは、新型コロナウイルス(COVID-19)による物流需要の増加に焦点を当てている。たとえば同社の技術は、小規模なeコマース小売業者が大規模なプラットフォームから配送車両の未使用容量をレンタルできるようにするために、使用される可能性がある。

3Drensの顧客にはレンタカー、配車、食品配送の事業者がいる。2017年に設立された同社の最初のクライアントの1つは、主に観光客向けにサービスを提供する電動スクーター会社だった。同社はスクーターに3DrensのIoTボックスを設置し、スクーターが事故に巻き込まれたり、ユーザーが料金を支払った時間を超過したりした場合にアラートを送信するようにした。またスクーターの走行頻度が高い場所のヒートマップも生成され、人気のある会場やアトラクションとの提携が可能になった。

3Drensのプラットフォームは、ロジスティクスサービスが配送に適した車種を選んだり、最適なルートを予測したり、注文が完了した後の帰りのドライバーに新たなタスクを割り当てたりするのにも役立つ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:3DrensCES 2021ロジスティクス台湾

画像クレジット:3Drens

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

小規模オンラインストアが大規模ストアと同様のデータ分析を利用できるTreslのSegments Analytics

Treslのフラッグシップ製品であるeコマースインテリジェンスプラットフォームのSegment Analyticsは、Shopifyでストアを運営している小規模ブランドが大手オンライン販売業者と同様の分析を利用できるようにするものだ。LinkedInの元データサイエンティストが創業したTreslは現在、CESの台湾テックアリーナに出展している

Segments AnalyticsはShopifyのストアのデータを分析し、ブラウズの傾向や利用金額、リピート購入の動向に基づいて訪問者を30以上のあらかじめ用意されたセグメントに自動で分類する。

これによりブランドは購入者のグループを特定し、Segments Analyticの提案を元にターゲットに応じたキャンペーンを展開できる。データ分析、マーケティング、ユーザー獲得にあまり費用をかける必要はない。たとえばすでに一度購入したものの間を空けずに広告やプロモーションを目にしない限りは再び購入することはない、というセグメントを特定できる。Segments Analyticsはメール、Facebook、Googleなど複数のチャネルにわたる広告に対して利用することができる。

Treslは、Segments Analyticsを利用するブランドは利用開始から1カ月以内にカート放棄(または未購入アイテムがある顧客に送信されたリマインダー)のクリック率が30%上がり、売上が前月比で40%増えたとしている。

Segments AnalyticsはShopifyアプリストアから利用でき、サブスクリプション料金は1カ月79ドル(約8200円)からだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TreslネットショッピングCES 2021データ分析

画像クレジット:Visoot Uthairam / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

現場で働く人たちのためのスマートトランシーバーOrigami Labsの「OFLO」

Origami LabsのOFLOは従来のトランシーバーに代わるものとして開発された音声通信システムだ。ハードウェアは小型軽量で骨伝導ヘッドセットを備え、通信距離は無制限で複数チャンネルに対応している。OFLOは、業務中に画面を操作できない利用者のために自動ログと生産性向上ツールを備えたソフトウェアとも接続される。

不動産管理会社のJLLやラグジュアリーホテルチェーンのペニンシュラなどがOrigami Labsを利用している。Origami LabsはCESの台湾テックアリーナパビリオンでOFLOを紹介している

OFLOはヘルスケア、接客、警備、製造など、コンピュータの前に座ったりモバイルデバイスの画面を頻繁に見たりしながら仕事をするのではない多くの現場ワーカーのために作られている。現在使われているトランシーバーの多くは通信距離が限られ、1つのチャンネルを複数の利用者が共有する。OFLOは、ユーザーが特定の相手をコールできる点で優れている。またクロスプラットフォームなのでスマートフォンからOFLOの利用者に話しかけることもできる。OFLOのソフトウェアにはライブチャット、文字起こし、タスク管理、GPS位置情報の機能がある。

OFLOトランシーバー

OFLOは1ユーザー、1カ月6ドル(約620円)のサブスクリプションで利用できる。Origami Labの共同創業者でCEOのKevin Johan Wong(ケビン・ヨハン・ウォン)氏は、同社の月間経常収益は現在1カ月で20%増加しており、2021年第3四半期までに月間10万ドル(約1040万円)を目指していると述べた。

OFLOはOrigami Labの音声型リング製品であるOriiなどの技術をもとに作られている。ウォン氏はTechCrunchに対し、OFLOを「画面のないスマートフォンのようなもの」と考えていると語った。同氏が音声テクノロジーに興味を持った理由の1つは、父親のPeter Wong(ピーター・ウォン)氏が視覚に障がいのあるプログラマーでマイクロソフトのアクセシビリティツールの開発に関わっていたことだという。

ウォン氏は「我が社は画面がないような感じのコンピュータを操作できるデバイスを開発して、機会の平等を目指すよう常に心がけています」と述べた。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Origami LabsトランシーバーCES 2021

画像クレジット:OFLO

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(翻訳:Kaori Koyama)

サムスンがAirPods対抗のワイヤレスイヤフォンGalaxy Buds Pro発表、約2.1万円でリーズナブル

リーク前から、Galaxy Buds Proが登場することはみんな知っていた。Apple(アップル)のAirPods Proに負けないよう、Samsung(サムスン)が音質とアクティブノイズキャンセリング(ANC)を向上させることも折り込み済みだった。しかしここでの真の秘密兵器は価格だろう。

米国時間1月14日朝に行われたGalaxy S21の発表で、Samsungはワイヤレスイヤフォンのフラグシップモデルの価格を200ドル(約2万1000円)以下に抑え、AirPodsの希望価格よりも50ドル(約5200円)安く設定した。これは在庫処分の価格ではないが、199ドル(約2万1000円)というのはかなりリーズナブルだ。そしてSamsungの実績からしっかりしたものであることが期待できる。

Galaxy Buds Proのバッテリー駆動時間は5時間。ANCとBixby Voiceをオフにすると8時間になる。これくらい駆動すれば、イヤフォンなしの時間もやり過ごせる。そしてケースを使えば、駆動時間は18時間に、ANCとBixby Voiceがオフであれば28時間になる。かなり小さなケースでこの駆動時間はすごい。

画像クレジット:Samsung

デザインは、Galaxy Buds Liveのビーン(豆)デザインを改良したもので、デザインと耳の接触部分を減らすようエルゴノミックなものになっている。Samsungによると、ANCは周囲の音を最大99%遮断することができる。遮断の程度は変えられる。11mmのウーハーと6.5mmのツイーターを内蔵し、通話のためのマイクも搭載している。

スマホとタブレット間の自動切り替え、Dolbyヘッドトラッキング、Galaxy S21でのビデオ撮影のためのマイク機能など、Samsungデバイス向けの特別な機能もある。

Galaxy Buds Proは3色展開で、注文の受け付けは始まっている。米国時間1月15日発売。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:SamsungイヤフォンCES 2021

画像クレジット:Samsung

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(翻訳:Mizoguchi

「折り畳み」の次は「ローラブル」、LGとTCLが巻き取り式スマホを披露

はっきりいって、スマートフォンの売れ行きは悪い。ここ数年ずっとそうだ。現在進行中のパンデミックが助けになっていないのも確かだ。5Gと新しいフォームファクタがある種の立ち直りを引き起こすだろうという説は、人々が不必要な贅沢品の購入にブレーキをかける中で、隅に押しやられてしまった。

Samsungは折り畳み式フォームファクタで成功を収めた唯一の企業だが、そのスタートはいばらの道だった。最初は技術的な問題が多く、あまり良くない第一印象につながったのである。最近では、価格が主なハードルであり続けている。特に多くの人にとって、スマホに1000ドル(約10万4000円)以上を必要なことが、購入の赤信号に等しいこのご時世ならなおさらだ。

携帯電話のフォームファクタの世界では、少なくとも2つ製品が登場すれば、トレンドが始まったと見なされる。CES 2021の初日、LGとTCLの両社はそれぞれ、モバイルデバイスの画面の面積をさらに広げる新たなフォームファクタを披露した。

画像クレジット:TCL

2つのオプションのうち今のところLGの製品の方が注目度が高いのは、同社が実際にリリースを予定している点が大きい。米国1月12日朝に公開されたインタビューで、広報担当者のKen Hong(ケン・ホン)氏は日経の取材に対し「CES 2021で発表されているように、2021年発売されるとお伝えできます」と述べている。

確かに、LGは奇抜なフォームファクタでチャンスをつかむことを恐れない会社だ。この傾向を示す近年の例はいくつかあるが、最も顕著なものとして回転デュアルスクリーンのLG Wingが挙げられる。

それでも、この製品は記者会見でのほんの数秒間のティーザー(いってみればシーン間の移行のための演出)に過ぎなかったので、この技術はまだまだ先のことだと思っていいだろう。

一方のTCLは、製品はまだコンセプト段階にあることを前面に出しているが、その姿はもう少しよく見ることができた。未完成の現実世界の製品よりも、コンセプトを披露する方が容易なのは確かだ。詳細はまだわずかだが、同社はデバイスを6.7インチ(約17cm)から7.8インチ(約19.8cm)に広げられるという。対するLGは、画面サイズで6.8インチ(約17.2cm)から7.4インチ(約18.8cm)に広げられるとのことだ。

モバイル業界は、折り畳み式の最初のバッチで発生した問題から学んだのではないかと想像する。あるいは少なくとも、そう期待している。時に、技術を市場に投入するための競争のあまり中途半端な製品が供給され、Samsung(サムスン)やMotorola(モトローラ)のような企業はしっぺ返しを喰らう。ラボでするテストと、現実の世界は大きく違う。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートフォンLGTCLCES 2021

画像クレジット:LG

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(翻訳:Nakazato)

台湾Winnozが指先の採血でも幅広い検査を可能にする真空アシスト採血装置「Haiim」を開発

Winnoz(ウィノーズ)のHaiim(ハイム)は、指先からの採血をより簡単にするために設計されており、採血量を増やすことで、より多くの種類の検査に使用できるという。台湾の新北市を拠点とする同社の真空アシスト採血装置は、人にもよるが指先から最大150~500マイクロリットルの血液を約2分で採取することができる。

Winnozは現在、CESのTaiwan Tech Arena(台湾科技新創基地)パビリオンで、Haiimと等温DNA / RNA増幅法に対応した分子検出装置eGGiを展示しており、新たなパートナーや投資家の発見を目指している。

Haiimは、創業者兼CEOのJoses Hsiung(ジョゼス・シュン)氏が幼い頃、母親が血液検査のためにクリニックに通うのを見ていた思い出にインスピレーションを得て開発された。彼の母親の血管は見えにくいため、十分な血液を採血するためには何度も針を刺す必要があったという。そして、彼女の血管は破れてしまうことも。そこでシュン氏は、指を刺すだけで採血できる血液の量を最大化する装置の開発に取り組み始めた。

指からの採血は、通常、血糖モニタリングやコレステロールパネルのように10マイクロリットル未満の血液を必要とする検査に使用されるが、Haiimはより多量の血液を必要とする検査に十分な量を採血することができ、患者が静脈穿刺採血を回避するのに役立つ可能性がある。

この装置は、本体と検査されるまで血液を保存するシングルユースカートリッジの2つの部分で構成されている。多くの診療所や病院では人員が不足しているため、従来の採血方法よりも少ないトレーニングで使い始められるように設計されている。Haiimは2019年に台湾食品薬物管理署の認可を受けており、医療機関やクリニック、病院での使用を想定している。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:WinnozCES 2021台湾

画像クレジット:Winnoz

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(翻訳:Nakazato)

サムスンの新型家庭用ロボット群のうち少なくとも1つは2021年中にデビュー予定

ここ数年のSamsung(サムスン)のCESプレスカンファレンスではいつも、未来的な家庭用ロボットのパレードが繰り広げられた。彼らはスマートで、器用で、印象的だ(そして、まあまあかわいらしい)。しかし、家庭用ロボットは難しい。本当に、本当に、本当に難しい。ルンバが登場してから20年近く経った今でも、ロボット掃除機が家庭用ロボットの中で唯一現実的な存在であり続けているのには理由がある。

それと同じ理由で、イベントに出展されたSamsungの家庭用ロボットの中で実用可能なものが1つあるとすれば、ロボット掃除機の「JetBot 90 AI+ Vacuum」だと思われる。同社はまた、2020年のショーで紹介したBot Handyのアップデートも披露した。これは新しいBot Careと合わせて、昔のSFでは今後数年で手に入ると信じられていたような人型ロボットのデザインに、さらに沿ったものとなっている。

そして、ここでもまだSFが有効な描写になっているようだ。2020年のショーでは、ロボットたちはChuck E. Cheese風のプレゼンテーション(訳注:子供が好むChuck E. Cheeseレストランでは、昔の遊園地のようなロボットバンドがステージで演奏する)を行い、ステージ上で限られた人間との対話の中で、振りつけられたタスクをこなしていた。この種のことには多くの要素が関わっているが、今のところ、この技術は何よりもコンセプトの証明のように感じる。

画像クレジット:Samsung

同社はこの技術について「あまり遠くない未来」と言及しているが、画面の隅にある小さな印刷には「このロボットは研究開発中であり、まだ販売には至っていません」と書かれている。それは控え目な表現に思える。この車輪つきBot Careは、オーナーにミーティングのリマインドをし、リモート会議のための画面をポップアップさせるものだ。

現在のパンデミックの間で、誰もこの技術を実際に目にするとは思っていないと思うが、これが同社が準備している「ニューノーマル」であるという議論もあるだろう。シンクから食器洗い機まで食器を移動させるBot Handyは、おおよそ現実的なもののようだ。

画像クレジット:Samsung

間違っていたらうれしいが、我々のうち誰も近いうちにこれらの技術の実用可能なバージョンが発売されるとは思っていない。しかし、ロボット掃除機のJetBot 90 AI+ Vacuumは評価できる。それに関しては、2021年前半に米国で発売されるという大まかな日程があるからだ。

このロボット掃除機は、自動運転車と同様のLiDARセンサーを備えており、オブジェクト検出アルゴリズムと相まって、ユーザーの家をナビゲートするのに理想的なパスを構築するのに役立つという。興味深いことに、カメラの映像はユーザーによってリモートで表示することができるため、セキュリティカム(ただし、Samsungはその単語を使用することを避けているようだ)やペットモニターのように使用することも可能だ。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:SamsungCES 2021

画像クレジット:Samsung

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(翻訳:Nakazato)

外骨格ロボットは歩行能力と重作業補助の未来を約束する

この数年で、ロボットエクソスケルトン(外骨格)技術の能力が格段に向上した。それも十分に納得できる。第一に、これが生活の向上に役立つと初めて実感できた希有なテクノロジーであることが挙げられる。私はこれまで、数社のデモンストレーションを見学してきたが、数年ぶりに部屋の端から端まで歩けた人を見て、横に立っていたその人の伴侶が涙するといった光景を目にするにつけ、正直、息を呑む。

第二に、このテクノロジーには2つの際立った使用事例があることだ。1つは前述の移動能力。完全麻痺の人や歩行障害者を介助して移動するときの助けになる。もう1つは、重い物を持ち上げたり、長時間立ったままでいるときの体の負荷をエクソスケルトンが大幅に軽減してくれることだ。そのため、Esko Bionic(エスコ・バイオニクス)など多くの企業は、それらに別々に対応するために部門を2つに分けている。

つまりこれは、成長するまでにまだ数年かかると思われるが、大きな潜在市場だ。そんな事情から、ここでは大まかな予測しかお話できないのだが、この分野には小さな企業が参入し、実のあるビジネスを開拓できる余地が十分にあると私は信じている。

だが大手企業が参入してきたとしても、私は驚かない。それは、ロボティクス分野にお墨つきをもらうには良い方法だからだ。今週開催されたCES 2021に登場したSamsung(サムスン)のGEMSは、それほど多くの発表時間は割かなかったものの、間違いなく最大級の製品だろう。これは2年前のCESでデビューし、私たちも実際に試すことができた。発表された内容は、主にバッテリーなどのハードウェアの進化と、間もなく始まる臨床試験に関するものだった。製品を送り込む先として、医療と医療関連の分野は欠かせない。

しかし今週のCESで発表されたSamsungのロボティクス技術は、どれを見ても同社の本気度を判断する決め手には、ほとんどなっていない。2020年のCESでは「没入型のトレーニング体験」の一環としてわずかに顔を出した程度だった。

画像クレジット:Archelis

もっと小規模な企業が、魅力的な製品を披露していた。一番に思い浮かぶのが、日本語で「歩けるイス」から命名したArchelisFXを展示した日本のArchelis(アルケリス)だ。この装置は、さまざまなシナリオを想定してデザインされている。腰痛のある人や外科手術を受けたばかりの人なども、その範疇に入る。レンタルもあるが、45万円で購入することもできると同社は話している。

全体として、2021年のバーチャルCESに登場したエクソスケルトンは、どちらかといえば移動に重点が置かれていた。その証拠に、2020年のCESでデルタ航空との提携を発表したSarcos Robotics(サーコス・ロボティクス)は欠席だった。2020年9月、同社はこの取り組みに4000万ドル(約42億円)のラウンドで資金調達を果たしている。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:外骨格CES 2021

画像クレジット:Samsung

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(翻訳:金井哲夫)

モーション、電源、QRコードでGoProの起動と停止が簡単に

GoProはアクションカム分野における機能性と手頃な価格という2つの方向性が交わるところでスタートしたかもしれないが、その後同社は、プロによる利用と企業による展開という方向に傾いている。CES 2021で発表された最新機能もこの路線にあるもので、カメラをよりシンプルにし、レンタルやハンズフリー操作のさらなる自動化を実現している。

Hero 7や8、9 Black、Maxを持ってる人は、GoPro Labsの最新ファームウェアをダウンロードすれば、便利な機能を加えることができる。

モーションとUSB電源トリガー。ドライブレコーダーのような使い方として、電源やモーション(動き)と同期して録画を開始・停止できる。自転車やスキーのヘルメットにつけて使うとき、便利だろう。モーション検出は改善され、すべてのビデオモードで使える。

同社のカメラはすでに、QRコードを読み込んでさまざまなことができるが、この度できることが増えた。QRコードでデバイスを特定のWi-Fiネットワークに接続させ、ストリーミングを開始可能に。これは、すばやく作業したい時に、アプリを使うよりも速い。

旅先では、ビデオキャプチャの開始と停止しかできないようにする「ワンボタンモード」が便利だ。2つ以上のボタンを操作できない技術音痴が、旅行に出かけるときなどに役立つ。また詳しい人が奇妙なカスタム設定にすることもできないので、レンタルショップでもこの機能は喜ばれるだろう。

他にもいくるかの改良点がある。プレスリリースでご確認を。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:GoProCES 2021

画像クレジット:GoPro

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

写真の完全性を確保するNumbers Protocolのブロックチェーンカメラアプリ「Capture」

オンラインでの誤情報やフェイクニュースの拡散は、公共の福祉に危険な影響を及ぼす。誤情報との闘いは困難で、大統領選挙前にPew Researchが実施した調査によると、米国人の73%は主要テック企業がプラットフォームの悪用を防ぐ能力についてほとんど、あるいはまったく信用していないという。ブロックチェーン技術を使ってオンラインコンテンツの信憑性を守るオープンソースのStarling Framework for Data Integrityが公開され、写真やビデオの「出生証明書」を作成して変更をすべて追跡できるようになっている。Startling Frameworkの共同作成者が台北を拠点に創業したスタートアップのNumbers Protocolは、この技術を商品化して幅広く普及するよう取り組んでいる。

Numbersは現在、CESの台湾テックアリーナパビリオンでブロックチェーンカメラアプリ「Capture」を紹介している。このアプリはApp StoreGoogle Playストアからダウンロードできる(訳注:本稿日本語記事公開時点で、日本のApp Storeでは未公開)。

ジャーナリズム、特に市民ジャーナリズムがCaptureアプリのユースケースであることは明らかだが、オンラインで共有されている画像は自分が作ったものだと証明したい人にとっても有効だ。Numbersはこのアプリにビデオカメラ機能などを追加していく予定だ。

台湾のスタートアップ、Numbers Protocolが開発しているブロックチェーンカメラアプリ「Capture」のスクリーンショット

Captureアプリケーションで撮影した写真には、ブロックチェーンで証明されシールされたメタデータが付加される(ユーザーが正確な位置情報を共有したくないときなどにはプライバシーの設定を変更できる)。その後は、誰かが編集ソフトで編集するなど写真に変更が加えられると追跡され記録される。

共同創業者のTammy Yang(タミー・ヤン)氏はTechCrunchに対し、Numbersはアプリにビデオ機能を追加し、また証明済みコンテンツを公開できるチャンネルを開設する計画で、情報産業を変えることを目指していると語った。

Numbersを始める前、ヤン氏はスタンフォード大学と南カリフォルニア大学ショア財団の取り組みであるStarling Frameworkに携わっていた。ショア財団は大量虐殺や大規模な暴力から生き延びた人々の証言を保存しており、Starling Frameworkのテクノロジーは写真とビデオの保護のために開発された。Starling Frameworkは2020年3月の米国大統領予備選挙の際に、ロイターのジャーナリストが写真の撮影、検証、保管をするのにも使われた(Starling FrameworkにはFilechain、Hala Systems、Protocol Labsも協力している)。

デジタル一眼レフカメラやAdobe Photoshopなどのソフトを利用しているフォトジャーナリストが多いため、Starling Frameworkはショア財団およびロイターと協力してそのテクノロジーを両者のワークフローに統合した。Captureアプリはこのテクノロジーを幅広く使えるようにするために開発された。

ヤン氏は、フェイクニュースや誤情報によって写真の完全性を確保する必要性が一般に認識されるようになったと語る。ブロックチェーン技術を使ってデータやコンテンツを保護する企業は他にもあるが、Numbersは撮影された時点で写真を証明しその後のすべての変更を記録し続けることに的を絞っている。

「我々はカメラそのものに着目しているので、写真を撮影した時点ですでに完全性が確保されています。カメラアプリで写真を撮影し、その写真がコンテンツプラットフォームにコピーされたら、出所を証明するのは極めて難しくなります。Facebookから写真を持ってきてブロックチェーンに登録しても意味がありません。Captureアプリで撮影すれば即座にブロックチェーンに登録される点がまったく異なります」とヤン氏は述べている。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Numbers Protocol写真CES 2021

画像クレジット:d3sign/Moment / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

レノボが天板にE Inkディスプレイを搭載するPCをアップデート、専用のワイヤレス充電マットも発表

Lenovo(レノボ)は2021年もCESでおなじみのカテゴリーに独自のテイクを展開し続けている。先にモニターが縦横に回転するオールインワンデスクトップARグラスを発表したが、同社は米国1月12日(CESの正式な初日)、2020年のデュアルディスプレイThinkBook Plusの興味深いアップデート版を披露した。

オリジナル版と同様、ThinkBook Plus Gen 2iは天板にE Inkディスプレイを備えている。Lenovoはさまざまな形態のテクノロジーを実験してきた。今回は以前のバージョンよりも理に適っている。重要なところでは、ひと目でわかる通知センターがある。お好きな方は電子書籍リーダーとしても使える。

Lenovoが行う多くのことと同じく正直なところ役に立つかはわからないが、ともかく興味深いものではある。しかしこれまでどおり、何か新しいことに挑戦しているという点ではポイントを稼いでいる。今回は画面が大幅に広くなり、プライマリースクリーンとほぼ同じサイズになった。12インチで2560×1600の解像度を持つ(メインスクリーンとも合う)。リフレッシュレートも向上し、天板を開かずに一部のアプリを実行できるようになった。

このノートパソコンには、タッチスクリーンで使用するビルトインスタイラスもある。また、EnergysquareのPower by Contactを使用してバッテリーに電力を供給する新しいThinkBook充電マットの登場も興味深い。バッテリー自体の充電には15時間、E Inkスクリーンを使用している場合は24時間かかる。パッドだけで充電するのはかなり時間がかかると思われる。

注目すべきことにDell(デル)がCES 2017のこのカテゴリーで独自のテイクを披露した。もちろんこのテクノロジーは、その後数年間、あまり注目を集めてこなかった。

ThinkBook Plus Gen 2iはこの四半期に登場し、価格は1549ドル(約16万1000円)から。アクセサリーの充電マットの価格についての情報はない。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:LenovoE InkCES 2021

画像クレジット:Lenovo

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(翻訳:Mizoguchi

ユーザーの動きに合わせて点灯、家族が倒れたら介護者に通知が届くスマートランプNobi

予想されていたとおり、バーチャルで行われたCES 2021は、スマートホーム用ガジェットの新たな洪水が起きた。ここ数年、この技術はCESで大きな存在感を示しており、当分の間、家に閉じこめられるであろう状況において、スマートホームテクノロジーの多くはより気になるものになっている。

Nobiは派手な機能のためというよりも、実用性の面で群を抜いている。ベルギーの同名スタートアップが開発したNobiは、天井に取りつけるスマートランプで、モーションセンサーや赤外線検出機能を搭載している。

Nobiはユーザーが座ると一番上のライトが点灯し、立ち上がって歩くと床を照らす。さらにおもしろいのは、ユーザーのいつもと違う動きや転倒も検出する。倒れた場合は、スピーカーから「did you fall?(転びましたか?)」というメッセージが流れる。

答えが「いいえ」の場合は、そのまま何も怒らない。しかしそれ以外の答えのときは、介護者に通知が送られる。また、通知に写真を貼付する設定もできる。スマートライトNobiは現在テスト中で、発売は2021年末の予定。ユーザーは購入できるが、サブリクションプランでレンタルすることもできる。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:NobiスマートホームCES 2021

画像クレジット:Karel Waignein

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

めん類、丼もの、点心を作ってくれるYo-Kai Expressの家庭用スマート自動調理器「Takumi」

Yo-Kai Expressはオフィス、ショッピングモール、ホテルなどで利用されるレストランの自律テクノロジーで知られる。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により人々が外出しなくなる中、同社は複数の機能を持つスマートホームクッキング機器のTakumiを発表した。Takumiにはコーヒーメーカー、IH調理器、調理器具や哺乳瓶を消毒するためのスチーマーが備わっている。あらかじめプログラムされたレシピが入っているアプリとTakumiをRFIDで接続したり、水の容器の残量が少なくなったらアラートを送ったりすることもできる。

Yo-Kai Expressは現在、CESの台湾テックアリーナでTakumiを紹介している

Yo-Kai Expressのスマートホームクッキング機器、Takumi

米国西海岸のベイエリアではYo-Kai ExpressのOcto-Chefを見かけることがある。温かい麺類(ラーメン、うどん、フォー)を出す自動販売機だ。サンフランシスコ国際空港、サンフランシスコのMetreonショッピングモール、企業内などに設置されている。しかしYo-Kai Expressは人々が家にとどまっている状況に対応しようとしている。2020年4月には家庭用のミールキット配送サービスを始め、現在では米国全州で利用できる。

家で料理をしたいけれど時間(とスペース)がない人のために、あらかじめプログラムされたTakumiのレシピはわずか2〜8分で作れるようになっている。Yo-Kai Expressはめん類で有名だが、Takumiのメニューには丼もの、点心、餃子、パスタもある。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Yo-Kai Express料理CES 2021

画像クレジット:Yo-Kai Express

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(翻訳:Kaori Koyama)

Sono Motorsがソーラーカー技術を自動運転シャトルバスのEasyMileにライセンス供与

Sono Motorsは、ソーラーカー用に開発した技術をもっと広く普及させたいと考えている。そこで同社はまず、自動運転のシャトルバスサービスであるEasyMileとパートナーシップを結んだ。

ドイツのスタートアップSono Motorsは、バーチャルで行われているCES 2021で米国時間1月12日にプレゼンテーションを行い、同社の自動車ボディ用ソーラーパネルの技術をライセンス提供したい、と述べた。EasyMileは政府機関や大学、一般企業などに電動車による自動運転シャトルバスを提供しており、Sono Motorsのソーラーボディパネルを使用する最初の企業になる、とSono Motorsの共同創業者でCEOのLaurin Hahn(ラウリン・ハーン)氏は述べた。発表では、同社の次世代ソーラー電気自動車Sionも紹介された。

Sono MotorsのEVであるSionは、遠目からだと黒い塗装のコンパクトカーのように見える。しかし近くで見ると、車両のエクステリア全体が、ガラスの代わりにポリマーに組み込まれた数百の太陽電池から構成されている。

Sono Motorsのソーラーインテグレーション担当上級マネージャーであるArun Ramakrishnan(アルン・ラマクリシュナン)氏によると、この技術により同社の車両は市場で現在利用可能な他のどの技術よりも軽く、頑丈かつ安価で効率的になるとのこと。また、このソーラーインテグレーション技術は、クルマ以外にも活用できるという。

ボディパネルは、他社の自動車のボディパネルに比べて軽量で、ポリマーのコーティングによりセルが裂けることを防いでいる。これらのソーラーセルが太陽光をエネルギーに変換し、クルマのバッテリーに保存する。ソーラーセルは運転時と駐車時に使用でき、ミュンヘンの平均的な天候だと1日の走行距離を約35km延長する。

ハーン氏によると、その目的は充電インフラへの依存度を下げることだという。

画像クレジット:Sono Motors / スクリーンショット

ソーラーパネルは、従来の充電方法に取って代わるものではない。しかし、プラグを差し込む頻度を減らすことができる。Sono Motorsによると、Sionにソーラーパネルを搭載したことで、ドイツにおける毎日の平均通勤距離10マイル(約16.1km)を走ったとして、充電の必要性が1週間に1回から4週間に1回になったという。

Sono Motorsは米国時間1月12日に、この技術のユースケースの1つであるソーラーパネルを搭載したトレーラーを披露した。トレーラーはプロトタイプで、1日に最大80kWhの発電能力がある。

「大きな可能性を想像してみてください」とラマクリシュナン氏。この技術は冷蔵トラックやその他の車両にも利用できるという。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Sono Motors太陽光発電電気自動車CES 2021

画像クレジット:Sono Motors

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa