Facebookがライブビデオのブロードキャスト機能をAndroidユーザーにも提供

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Facebookが今日(米国時間2/26)公開したブログ記事によると、ライブビデオの機能をAndroidからも利用できるようにする。来週、まず合衆国から始まるが、“そのほかの国もいずれ”とFacebookは確約している。

ライブビデオはTwitterの類似サービスPeriscopeや、FacebookのAPIを使ってるのにTwitterからブートしていたMeerkatへの対抗策だ(PeriscopeはTwitterがオーナー、Meerkatは独立のスタートアップだ)。ライブストリーミングを開始するボタンはFacebookのモバイルアプリのトップにあり、ユーザーはリアルタイムの自撮りビデオ(やそのほかのリアルタイムビデオ)を友だちなどにブロードキャストできる。

Facebookがこのサービスを始めたのは昨年の夏で、最初はセレブ専用の機能だった。そして今年の1月には、FacebookのiOSアプリの合衆国のユーザー全員に公開された。今日の発表によると、今では30か国以上のiOSユーザーがこの機能を利用しているそうだ。

Facebookの月間アクティブユーザーは15億もいるから、企業、とりわけモバイルビデオのスタートアップは飛びつくだろうが、でも新しい機能やサービスがどれも必ず成功するとはかぎらない。Facebookには、あまりにもいろんなものがあるから、特定の機能を優遇して磨きをかけることは、めったにない。またFacebookは、ニュースやライブビデオのような、即時性が命(いのち)であるイベントのためのメディアとして、必ずしも最適ではない。

そもそもFacebook上でライブであるためには、友だちの方にその用意ができてないといけない。でもそれは、Facebookのユーザーがやり慣れているお誘(さそ)いとは、かなり違う(ライブビデオは即時性・緊急性がある)。

しかしそれでも、Facebookは人気のあるセレブのほぼ全員の関心をつかみ、彼らはこのサービスを利用して何百万ものファンとコネクトし、有名人だけとはいえ、ライブビデオの大きなポテンシャルを見せた。たとえば、Facebook上に400万近いファンがいるコメディアンのRicky Gervaisは、メディアのフィルタや制約なしで、ファンやオーディエンスと直接の対話ができるライブビデオを称賛した。

問題は、Facebookがはたして、セレブの場合と同様の幅広い対話的インタフェイスをふつうの人にも提供できるか、だ。今回のAndroidユーザーへの拡大によって、サービスのユーザーがよりグローバルに増えていくから、この問題への答が出るのもそう遠くない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ザッカーバーグ、Facebook社屋の壁に書かれた “Black Lives Matter” を消すのをやめるよう従業員に求める

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Facebook CEO、Mark Zuckerbergは従業員に対して、無知な人種差別主義者にならないよう求めている(表現は私のものであり彼の言葉ではない)。

Gizmodoが入手した社内メモの中でZuckerbergは、「MPKの壁に書かれた’black lives matter’ を消して ‘all lives matter’ と書いた人々がいた最近の何件かの事象」に失望していると言った。MPKは、カリフォルニア州メンローパークにあるFacebookの社屋の一つで、Facebook初期に社員が自分の思いを書いた思い出の壁がある。

Gizmodoに掲載されたメモを以下に貼った:

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[第3段落の要約:米国には抑圧と差別の歴史に由来する、黒人コミュニティーが受けている特別な問題がある。”Black Lives Matter”[黒人の命は大切である]は、それ以外の命が大切でない、という意味ではなく、黒人コミュニティーにもしかるべき正義が実現されるよう願ったものである。]

Facebookは白人の地として悪名高い。昨年同社は米国で、黒人36名、ラテン系73名に対して、白人603名を雇用したことが2014年EEO–1レポートに書かれている。全体では、Facebook社員のわずか2%が黒人、3%がラテン系であり― 驚きではなく ― Facebookの55%は白人だ。

これ自身が酷いことであるいう事実に加えて、今は黒人月間であり〈かつ〉サンフランシスコ地区のアフリカ系アメリカ人学生たちが、明日Facebookを訪問する予定であることを考えると、最悪のタイミングだ。

Zuckerbergが指摘しているように、Facebookはこの事態を追及しており、社員には、近く行われるFacebookタウンホールミーティングで”Black Lives Matter”[黒人の命は大切である]の意味を学ぶことを推奨している。私はFacebookに連絡をとったが、これ以上のコメントを拒んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

超いいね、うけるね、すごいね、悲しいね、ひどいね―Facebook、拡大いいね!を世界のユーザーに公開

2016-02-25-facebook-reactions

人間性というのは6種類くらいの感情パターンで要約されてしまうのかもしれない。いくつかの国でのテストの後、Facebookは今日(米国時間2/24)、リアクション・ボタンの拡大を世界の全ユーザー向けに実施した。

この記事も6種類の絵文字を小見出に拝借した解説だ。

Facebook Reactions Animation


Likeいいね(Like)
– Facebookはリアクション・ボタンをできるかぎり広く利用してもらおうとデザインした。そこで今やあらゆる投稿に「いいね」ボタンがついている。今回のアップデートで、「いいね」ボタンにマウスを載せる(モバイルなら長押しする)とボタンが拡大され、他の絵文字アイコンが表示されるようになった。他の絵文字というのは「超いいね(Love)」、「うけるね(Haha)」、「すごいね(Wow)」、「悲しいね(Sad)」、「ひどいね(Angry)」の5種類だ。

アップデート後のFacebookの投稿には、これまでのように「いいね」が押された回数ではなく、「いいね」アイコンに加えて拡大絵文字アイコンが人気順に複数表示され、友達情報を含めてリアクション・ボタンが押された回数の合計が表示される。これは投稿を多数の文字やアイコンでごたつかせたくないFacebookとしてはなかなかスマートな解決法だ。内訳が知りたければマウスオーバーするか画面をタップすれば誰がどんな感情を抱いたかが表示される。

リアクション・ボタンがずらりと表示されないのはスマートだ。絵文字で記事が混雑することもないし、リアクション・ボタンを使いたくなければ別に使わずにすむ。

Love超いいね!(Love) – ニュースフィードのエンジニアリング責任者、Tom Alisonによると、ザッカーバーグ自身が「ニュースフィードの記事に『いいね!』以外の反応を誰でも簡単にフィードバックできるようなボタンが欲しい」と直接指示したのがリアクション・ボタンの拡大のきっかけだという。ユーザーが悲しい、あるいは愉快でない出来事について書くことは往々にしてある。これに「いいね」ボタンを押すことはためらわれるが、それでも共感や同情を表したいときはどうすればよいのか、という問題だった。

たとえばなにか悲しいことがあったときに「いいね」ボタンを押すのは正しい反応とは思えない。「残念(sorry)」とだけコメントするのも何か冷たい感じがする。その点、「悲しいね」の絵文字を送るのは同情ないし連帯感を表明するのによい手段だ。読者の反応が「いいね」しかないのでは投稿はポジティブなものに偏る危険性がある。その点、リアクション・ボタンの拡大はFacebookをユーザーの実生活により近づける可能性がある。


Wow 2うけるね(Wow)
– リアクションの多様化でFacebookは読み手の反応を通じてそれぞれの投稿の感情的意味をさらに正確に知ることができるようになった。われわれが何に「うけるね」と言っているのかを知れば、結局Facebookの知識の精度が上がる。最終的には投稿を選択して表示順序を決定するフィルター・アルゴリズムの改善に大きな効果があるはずだ。

Facebookはこう書いている ―「ある記事でユーザーがこのボタンを押した場合、われわれはユーザーがこのタイプの記事をもっと読みたいと考えていると推定する。短期的にはユーザーがどのボタンを押しても表示には影響しない。しかし長期的には、リアクションボタンが押された傾向がニュースフィードのアルゴリズムを改良し、ユーザーがもっとも関心を持つ記事を表示するのに役立つものと期待している」

「ひどいね」ボタンをよく押すユーザーにはアドレナリンの放出を促すような記事が表示される確率が高くなり、ペットの写真に好意的な反応を示すユーザーには可愛いペット写真がより多く表示されるようになる、ということだろう。

Hahaうけるね(Haha) – われわれはFacebookの投稿へのコメントにLol(笑)を多用する。そこでFacebookはワンクリックで同じ感情を表現できる方法を考えたらしい。リアクション・ボタンの拡大にあたって、Facebookはニュースフィード記事に対する1語のコメントを分類し、どういったものがもっとも人気があったかを調べた。その結果、文化を問わず、世界中で6種類の感情が普遍的だと判明した。

文化背景という点は重要だ。標準的な絵文字を決めるにあたって、Facebookはどんな文化ないし言語圏に所属する人々にも理解しやすく、使いやすくなるよう注意を払った。私は友達の投稿を読んでおおよその意味がわかる程度のスペイン語の知識はあるが、すこしでも複雑な感想となるとどんな言葉を選ぶべきか皆目見当がつかない。しかしリアクション・ボタンがあれば話は簡単だ。友達がそれを見て私の感情を正確に理解してくれることにも確信がもてる。

Sad悲しいね(Sad) – Facebookは「いいね」の拡大にあたって、Pathのアイコンのデザインを図々しくコピーしたと思えるのだが、私の取材に対してFacebookの担当者は他のSNSから影響を受けたことをきっぱり否定した。

考えてみるとFacebookはハーバード大学の寮の一室で誕生したときから、いいものとみればコピーするのをためらわないソーシャル・メディアだった。最近ではTwitterのリアルタイムで人気記事を表示するアルゴリズムを使っているし、コンテンツが短時間で消滅するというSnapchatの特長も取り入れている。

ある種の表現には正しいやり方が1種類しかない場合がある。そういうときにはそっくりのデザインになるのはやむを得ない。特に正しいデザインを見てしまった後では他のデザインを考えるのは難しい。だが悲しいことに、他人から影響を受けたという事実を誰も認めたがらない。

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Angryひどいね(Angry) – 「いいね」は拡大されたが、「いやだね(Dislike)」ボタンは実装されなかった。それで「ひどいね」と思っているユーザーはかなりいるようだ。

Facebook Reactions How To

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ひとつのデバイス上に複数のFacebook Messengerのアカウントを置けるようになった…最初はAndroidのみ

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子どものいる家庭では、子どもたちはFacebook Messengerを使って、Minecraftやバブルガムロックや、そのほか、今はやりのものについて、友だちと話しているだろう。詳しくは知らない。今28歳のぼくは、流行に関して、今の子どもたちから100万年後れていることは確実だ。

夜、自分のスマートフォンで子どもたちにFacebook Messengerを使わせてやるのは、まあ良い。でも、まだまだ子どもたちに自分のスマートフォンを持たせるのは早い、と思ったらどうするか。

そこでFacebookは、そんなご家庭のために、一つのデバイス上に複数のMessengerアカウントを置けるようにした。

Facebookの柔軟性ある設計では、それらの各アカウントが個別のパスワードを持ってもよいし、逆に、パスワードなしにしてもよい。

たとえば、子どもたちがおかしなことや、良くないことを話して盛り上がっているか、心配なら、パスワードなしにしておいて、ときどきチェックできる。また親のアカウントは、ロックして、子どもたちにアクセスできないようにするとよい。ヤバイものを、見られないためにも。

あるいは、ルームメイトとタブレットを共有しているなら、各人のアカウントをロックしておき、それぞれがまるで自分だけのタブレットようにFacebook Messengerを使える。そのとき、他のアカウントの人は、自分に来た通知の数は分かる。

最初にこの機能に気づいたときは一週間前で、まだテスト中だった。今は一般公開されて、誰もが使える。ただし、今のところはAndroidだけだから、iPadを共有している人はだめだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookがビデオの視聴成績を表す数値項目を増加、ユーザーにより良いビデオを作ってもらうため

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良いビデオは見る人が多いし、Facebookの広告収入も多い。そこでFacebookは今日(米国時間2/18)から、ビデオ作者にビデオの良し悪しを表す数値を提供して、今後もっと良いビデオを作るために、反省すべきは反省していただくことにした。

FacebookのPage Insightを見ると、ユーザーがビデオの視聴に費やした時間や、ビデオを10秒以上見た回数などが分かる。たとえば、長さが10秒以下のビデオは、その97%が見られている。

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投稿ビデオの成績表

これまでFacebookが発表してきた数値は、3秒以上そのビデオを見た人の人数だった。それでは短すぎて何も分からない、という批判が多かった。

そこでFacebookのビデオのPage Insightsは、もっと見やすいデザインに変わり、次の数値が入ることになった:

[New]は新項目

  • 見られた総分数[New]
  • 10秒以上見られた回数[New]
  • 総視聴回数
  • ユニークビューワー数
  • どこまで見たかの平均%
  • オーディエンス滞留率
  • 平均視聴持続時間

ページのアドミンは、これらの数値をSound-On(音あり)とSound-Off(音なし)で比較でき、前からあった、オーガニックと有料の比較もできる。Facebookが最近行ったNielsen調査では、“ビデオキャンペーンの47%はその価値が最初の3秒で表現される”。でも、クリエイターが知りたいのは、どんなビデオならよく見られるのかであり、きれいなビデオはスクロールが遅くなる、なんてことではない。

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数値項目が増える前の古いビデオインサイト

Facebook上のビデオは、毎日の視聴時間が1億時間、視聴回数(ビュー数)は80億と、爆発的だ。誰が何を見ているかに基づいてビデオのリコメンデーションができるだけでなく、意外性に富んだビデオをプッシュできる大きな機会でもある。YouTubeでは人びとが目的意識を持ってビデオを見たり、特定のクリエイターを追ったりするが、Facebookにおけるビデオの視聴は、どっちかというと偶然性のかたまりだ。

しかもその偶然性は、Facebookにとって機会でもある。優れたビデオがたくさん作られているが、個人が知りうる量は少ない。でもその一部がNews Feedに入っていたら、嬉しいだろう。何十億もの人たちが毎日のようにFacebookに病みつきになっているのも、よそでは得られない、友だちからのコンテンツに出会えるからだ。これからは、ビデオの良し悪しがこれらの数値で具体的に分かるから、Facebookはさらに視聴者を稼ぎ、ビデオ作者をより大切にし、YouTubeなどとの競合に勝っていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookが12歳を記念、フレンズデー・ビデオをプレゼント―ユーザー忠実度はアップ

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Facebookには独自の祝日ができたようだ。2月4日はこのソーシャル・ネットワークの12歳の誕生日を祝って フレンズデーと呼ばれる。しかしいかにもザッカーバーグらしく、Facebookのファウンダーは「われわれの誕生日だからといってFacebookにばかり注目するのではなく、世界にとって重要なことにもっと関心を持つ必要がある」と述べた。重要なことといえば、たとえばFacebookのユーザーだろう。

ともあれ、Facebookはフレンズデーを記念してユーザーに本人や友達が写っている写真のカード方式のビデオを贈った。 昨年12月に配布された今年のまとめビデオと同様、不都合な点があればユーザーが編集してから共有できるようになっている。フレンズデー用のステッカーも作成された。

フレンズデー・ビデオの一例

Friends Day Promo

Facebookでは「このビデオが世界の人々のつながりを一層深めるために役立つ」ことを大いに期待している。2011年の7億5000万人から2015年の15億9000万人へとFacebookのユーザーは文字通り倍増している。しかし本当に重要なのはユーザー数の拡大よりユーザー同士のつながりの深化だ。つまり、ケビン・ベーコン数として有名になった人間のつながりの数値化を用いれば、Facebookメンバー間の隔たりは、2011年に3.74次の距離だったものが、現在は 3.57次へと減少している。

ケビン・ベーコン数はちょっとした遊びのように思われるかもしれないが、Facebookの規模を考えれば、これは驚くべき変化だ。Facebookは電話帳さえ時代遅れにしようと努力中だ。世界中の人々はFacebook Messengerさえあれば、いつ、どこにいても即座にコンタクトできるというわけだ。

Facebookでは公式の誕生日に先立ってメンローパークの本社で内輪のパーティーを開いていた。そこにはサウジアラビア、ハンガリーやアメリカのルイジアナ州などから18人のユーザーが招かれ、Facebook がそれぞれの生活をどれほど変えたかを語り合った。

Facebook Friends Day Event at HQ

なるほど、たいへん有意義なパーティーだったようだ。

しかしこうしたことすべて―ユーザー数や売上その他の数字(いずれも驚くほど大きい)―よりもこの1年のFacebookにとって重要だったのはスティッキネス〔忠実度係数〕の向上だろう。これは一日あたりアクティブ・ユーザー数(DAU)と1月あたりアクティブ・ユーザー数(MAU)の比率だ。

つまりこういうことになる。DAUはもちろん重要な数字だ。しかし月に1度、5分ほどFacebookを訪問するだけでもMAUにはユーザー1人分としてカウントされてしまう。膨大な機能があり、なにか起きるたびに無数の通知を送り出しているFacebookのようなサービスにとってはクリアするのが容易すぎるハードルといえる。一方、DAUはもっと正確にサービスの現状を教えてくれる。しかしDAUの増加はサービスの全体としての健全さやユーザーの関心度は教えてくれない。

FacebookのフレンズデーCM

これに対して、DAUをMAUで割った値は月あたりアクティブ・ユーザーのうち、どれほどのユーザーが毎日サービスを訪問しているかというパーセンテージを教えてくれる。これが一般にstickiness〔忠実度〕と呼ばれる係数だ。この数値がアップしているならサービスへのユーザーの関心もアップしていると考えていいだろう。数値が減少しているなら、ユーザーは今でもサイトを訪問しはするが、あまりクールなサービスとは思わなくなっており、関心は薄れつつある。

Facebookが12歳を迎えた現在、われわれは「Facebookは若者にとってクールじゃなくなった」という憶測や逸話を山のように聞かされている。それなら忠実度係数は減少しているはずだ。

ところが事実はそうなっていない。ユーザーの忠実度は2013年の62%から現在の65%へとアップしている。さらにアメリカとカナダの主要地域ではさらに高く、73.1%から77.1%にアップしている。Facebookのユーザーは以前よりもさらに頻繁にFacebookを利用するようになっている。Facebookにとって真に祝うべき価値があるのはこの点だ。

Facebook Q4 2015 DAU

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookでのメッセージのやり取りを、リアルタイムで暗号化するCrypter

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あなたがエドワード・スノーデンだったとしよう。ガーディアンのレポーターとメッセージング経由で情報を送りたくなったときにどうするか。あるいは、モスクワに見つけたCIAによってタリウムを盛られる心配がない喫茶店の情報を共有しようとする際に使えるサービスはあるだろうか。使える手段がFacebookしかないというような状況だったとすると、事態は完全に絶望的となってしまうだろうか。

そのような際に使えるのがCrypterだ。開発したのはサセックス大学の学生であるMax Mitchellだ。Facebookメッセンジャー経由で暗号化したメッセージのやり取りを可能とする。ChromeおよびFirefox版の拡張機能として動作し、事前に定めたパスワードを利用して、やりとりするメッセージの暗号化/復号化をリアルタイムで行う。

「やっつけられない対象を相手に喧嘩すべきではない、という発想でCrypterを作りました」とMitchellは言う。「Facebookという超メジャーなプラットフォームがあるなかで、独自のチャットプラットフォームを立ち上げることなどすべきではないと思ったのです。多くの人の習慣に逆らっても無駄なだけです」。

「Facebookを通じてメッセージのやり取りをする間、このCrypterは自らの姿を表に出すことなく、もくもくと仕事を続けるのです」とのこと。

まだ少々バグが残っているようにも思える。極秘メッセージのやり取りを担わせるのは、まだ若干の不安があるかもしれない。しかし友人などと実際の動作の様子を試してみるのは面白いかもしれない。暗号化/復号化の手間を意識しない、プラグイン形式の実装はなかなか面白いものだと思う。セキュリティに強いとは思えないFacebookが舞台であるのでなおさらだ。さまざまな面倒を嫌いつつ、しかし安全なメッセージのやりとりをしたいと考えている人も多いことだろう。友人と極秘レシピの交換をしたり、あるいはレポーターと命に関わる情報のやり取りをすることも可能となったのかもしれない。


 

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(翻訳:Maeda, H

WhatsApp、10億ユーザー達成も収益面の課題は続く

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Facebook傘下のメッセージングサービスWhatsAppは、年間0.99ドルの利用料廃止の発表から一週間後、ユーザー数が10億人を突破したことを今日(米国時間2/1)発表した。発表のタイミングは興味深く、Gmailの10億ユーザー達成発表の日と重なった。ソーシャルネットワークでは四苦八苦しているGoogleにとって、コミュニケーションは大きく成功している市場だ。

新しい節目の達成はWhatsAppの公式ブログで今日発表された。これはWhatsAppが、2015年9月にアクティブユーザー数9億人を報告して以来、約1億人のユーザーを獲得したことを意味している。

先週WIRED Magazineに掲載された企業プロフィールによると、WhatsAppにはその時点で9.9億人のユーザーがいた。先月の終りから今日まで ― 2週間弱 ― の間に1000万ユーザーを増やしたことは実に目覚しいものであり、今後ユーザー基盤が増えてもこのペースを続けられるかが注目される。

こうした魅力的な数値をよそに、WhatsAppの収益性は0.99ドルの年会費を廃止した今、再び問われている。カリフォルニア州メンロパーク拠点の同社がFacebookに買収された時、この会費は年間1020万ドルに達していたと、Bloombergは伝えている。

収益は未解決の問題であるが、この膨大なユーザー数が飽和したメッセージング市場の戦場にどう影響を与えるかは注目に値する。今後WhatsAppは、エンドツーエンド暗号化を提供し、ビジネス対消費者(B2C)コミュニケーション市場へと移行するにつれ、Telegramや、魅惑的な8億人のユーザーを誇るFacebook自身のMessenger等のライバルと、正面から激突することになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、ユーザー調査に基づくニュースフィードのランク付で「釣り」を排除

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これまでFacebookは、ニュースフィードに表示する記事のランク付けを、記事につけられた「いいね!」とコメントとシェアに重点を置いて決めていた。しかし、ユーザーがフィード記事に1から5までのスターを付けられる新たな、定量的調査 の結果、Facebookは第2のシグナルに重きを置き始めている ― 何を見たいか。これによって、扇情的な見出しや、露骨な人寄せをする記事を減らすことが期待できる。

その結果、フィードは読みやすく、クリックしやすいものになるはずだ。もし写真や近況アップデートが興味を引いたり、好奇心をそそるものなら、多くの人に見られるためには必ずしもあなたの関与を必要としないだろう。一見の価値のあるコンテンツをシェアするFacebookページやニュースの発行者が参照トラフィックやリードを獲得する一方、人をだましてクリックさせようとする者は排除されるだろう。

Facebook has also run surveys asking which of two News Feed surveys people like better

Facebookは、どちらのニュースフィードが好きかを尋ねる調査も行った。

またFacebookは、特定の投稿や広告についてどう思うか、2つの記事のうちどちらを見たいか等を問う調査も行った。

こうしたアルゴリズムを用いた調整によって、Facebookのフィードは10年近くたった今も新鮮さを保っている。その賢さは、スパマーがくだらない広告やスキャンダラス見出しをフィードに流すことを許さない。同時にそのアルゴリズムは、友達が何人に増えようともフィードを常に意味のあるものにし続ける。

そして何よりも重要なのは、ユーザーは殆ど何もする必要がないことだ。時間と共に、Twitterはこの問題に悩まされ始めている。ツイートストリームから定期的に記事を選択し、リストを維持し、どのアカウントが読むに値するかを決めなくてはならないのは手間である。この、リアル世界の友達グラフに基づくビルトイン読者のいないことが、主流ユーザーの障壁となってTwitterの成長を妨げている。

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Facebookは、Facebookページのプロモーション記事が実際には広告であると感じるかどうかの調査も行った

しかし、通常の利用から読み取れる無言のシグナルを見るだけでなく、最近Facebookは、ユーザーに見たいものを直接聞き始めた。ユーザーが記事をスクロールしていくと、1から5までのスターで、その記事をどれだけ気に入ったかを評価するよう求められる。平均的ユーザーのニュースフィードには1日に約1500本の候補記事があり、ヘビーなFacebookユーザーなら1万本に上るので、並べ替えアルゴリズムを決定的に重要だ。

それは、忘れていた高校のクラスメートが編み物の講習を予約する話の投稿と、親友の婚約報告くらいの違いだ。それはまた、Facebookを必要な時にだけチェックする人と、毎日見に来ては、広告を受け入れつつ友達とつながる人との違いでもある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが大金で買い上げたデベロッパープラットホームParseを閉鎖へ(一年の執行猶予つき)

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これは驚き! Facebookが2013年に伝聞価額8500万ドルで買ったデベロッパープラットホームParse閉鎖する。主にモバイルデベロッパーが対象だったこのサービスは、その後Facebookの重要なデベロッパーサービスになっていた。

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Parseは2017年1月28日まで運用されているので、その間にプロジェクトをほかのプラットホームへ移すことはできる。このプラットホーム上で作られたアプリは60万に達するから、移行といっても簡単ではないが。

ここまで激しい変様を強制すれば、デベロッパーの信頼が揺らぐだろう。Facebookの今後のデベロッパーサービス、たとえば最近見つかったチャットボットSDKなどに対してデベロッパーは、サポートの継続に関してお粗末な経歴をもつ企業からのプラットホームに、時間とリソースを投じることを、ためらうだろう。

ParseとそのCEOのIlya Sukharは、Facebookのデベロッパーカンファレンスのキーノートでもスターだった。しかしSukharは昨年Facebookを去り、その後消息がない。Parseとは一体何だったのか、下のビデオで再確認しよう。

Parseのもう一人の協同ファウンダーKevin Lackerが、今日の発表声明の中で言っている: “移行が簡単でないことは十分理解しており、それができるかぎり容易になるよう、努力している。完全閉鎖まで、バックエンドサービスは確実にメンテナンスしていく。また、他のサービスへのアプリケーションの移行を助けるツールも、いくつか提供したい”。

同社によると、データベースを移行するためのツールを今後いくつか提供し、またParse Serverをオープンソースにするので、デベロッパーが自前のNode.jsサーバーから自力でParse APIの多くを動かせるようになる(あるいはHerokuのようなプラットホーム上でホストしてもよい)。でも、そもそも、デベロッパーにとってParseを使うことは、サーバーを扱うことの面倒から免(まぬが)れる、ということだったのだから、このような推奨に従うユーザーが何人いるか、という疑問は残る。

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FacebookがParseを閉鎖するという決断は、これまで何年もそれに依存してきたデベロッパーだけでなく、もっと広い世界にとって、すごい驚きだ。でも、2013年以降、状況は変化した。AmazonやGoogle、Microsoftなどなどが、今では、同じようなツールをデベロッパーに提供している。最近のParseがどれだけのユーザーを抱えていたのかは分からないが、しかしFacebookはその現状を見て、続けるに値(あたい)しないと判断したのだろう。

今の状況は、FacebookのWebゲームプラットホームでデベロッパーが苦しめられていた暗黒時代、2009年ごろを思い起こさせる。Facebookは頻繁に、前触れもなく、プラットホームの仕様やヴァイラルのシナリオに大きな変更を加えた。そうすると、デベロッパーのそれまでのアプリ/アプリケーションは動かなくなり、彼らがあてにしていたビジネス機会も失われてしまった。

このような鞭打ち刑があまりにひどくなったので、デベロッパーたちはおおっぴらに、Facebookのやり方を批判するようになった。…それは、今と似ていなくはない:

[ParseはFacebookの中ではちっぽけな存在だから、デベロッパーとの関係を良くし維持するための小額の経費、と考えれば?]
[Parseは今Twitterの上でサンフランシスコの大きなトレンドだ。ぼくが参加しているデベロッパーチャネルでも、みんな憤慨している。]

その後FacebookはOperation Developer Loveという派手なキャンペーンを立ち上げ、今後はもっと気をつけます、プラットホームの変更については十分なコミュニケーションを図るようにします、と言ってデベロッパーを慰撫しようとした。Parseを閉鎖する前にまる一年間生かしておく、という今回の決断は、そのキャンペーンの名残のようだ。

しかしそれでも、Facebookは再び、同社のデベロッパーファミリーの幸福よりも、業績を優先したようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebook、優れたエンジニアリングでVRビデオの読み込みも高速に

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Facebookはいったいどうやって、1日のビデオ表示回数が、18ヵ月の間に10億回から80億回に増えても、サーバーをダウンさせずに済ませたのか。それは、ストリーミング・ビデオ・エンジン、略してSVEと呼ばれている。SVEはFacebookのビデオを小片に切り刻むことによって、アップロードから表示までの遅延時間を10分の1に減らした。また、次世代の360度ビデオやバーチャルリアリティーを高速で読み込むために、新たな幾何学符号形式を発明し、オープンソース化した。

球状のビデオを一般的な正距円筒図からFacebookの仕様で立方体に投影することによって、スマートフォンやパソコン上の360度ビデオはサイズが25%小さくなる。この立方体フィルターはGitHubで公開されている。Facebookは、ヘッドセット用バーチャルリアリティービデオを80%小さくする、ピラミッド画像符号化技術も開発した。

これは、ビデオで好きな方向を見るときでさえ、読み込みを待つ必要がなくなるという意味だ。Facebookはこの新技術を、ビデオのトップ技術者を勧誘するための大胆な取り組みとしてVideo@Scaleカンファレンスで発表した。

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これは、ビデオの拠点を巡るFacebookとYouTubeの戦いにとって極めて重要だ。YouTubeでは、ユーザーが意志をもって視聴するので、多少の遅延も許される。しかし、通常ユーザーはビデオを見るためにはFacebookに来ない。ニュースフィードをスクロールするうちに、思いがけず発見するだけだ。読み込みに時間がかかるようなら、すぐにスクロールして他へ行ってしまう。

Facebookはビデオがソーシャルの未来であることを知っている。乗り遅れれば、山ほどのエンゲージメントを導く中毒性のあるコンテンツフォーマットのチャンスを逃がすだけでは済まない。ビデオ広告は驚くほど実入りが良いが、Facebookはフィードにあまり多くのビデオを流したくない。むしろその戦略は、ユーザーが友人の紹介で発見したビデオを見た後に、関連ビデオとして表示することにある。しかし、待機アイコンが回っている間、フィードを読むのを中断しなければならないようなら、何も始まらない。


インターネットにこれだけ多くのビデオがアップロードされるようになり、Facebookはそれを活用する方法を探している。Facebookは人工知能を使った物体や景色、動き等の認識に飛躍的発展を見せている。

人間がAIにビデオのラベルを手動で教えるのではなく、FacebookのVision Understandingチームは、AIが個別のvoxel(ビデオのピクセル)を識別する方法を探求している。

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もしFacebookがやり方を見つければ、ビデオに何が映っているかを認識し、誰に見せるべきかがわかるようになる。猫が好き? FacebookのAIが猫のビデオを探してくれる。ボールゲームが好き? Facebookがリアルタイムチャットのための新しいFacebook Stadiumにビデオを送り込む。このためなら広告主は何でもする…少なくともFacebookに大枚を払うだろう。

われわれは、人工知能を持てる者持たざる者の時代へと急速に近づいている。FacebookやGoogleのように先端研究開発に十分な資金を投じることのできる大会社は、それをできない貧しいライバルたちから巨大な利益を上げるだろう。YahooやTwitterのような会社は、もしこうしたAI広告技術を構築できなければ、厳しい時を迎えるかもしれない。そして、出来る者にとっては上昇スパイラルだ。

広告を売る、研究開発に資金を投じる、AI広告技術を開発する、さらに広告を売る、さらに良いAI広告技術を開発する、次世代技術を開発または買収する、未来を勝ち取る。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが「Instant Articles」を国内でも開始へ、「超いいね!」「悲しいね」などの投稿も可能に

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Facebookが、米国をはじめ海外で展開している機能「インスタント記事(Instant Articles)」を日本でも展開する。あわせて「いいね!」以外の感情を投稿できる「リアクション機能」の導入も開始した。

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「リアクション機能」

インスタント記事は、Facebookアプリのニュースフィード上に直接ウェブメディアの記事を表示する機能。これまでであればフィード上に流れてきた記事をクリックし、アプリ内ブラウザを立ち上げてニュースサイトにアクセスしてからその内容を読む必要があったが、メディアが事前にFacebookのサーバ上に記事を提供することで、読み込みにかかる時間が通常の10倍の速度になるという。

米国では2015年5月にThe New York TimesやBuzzFeedなど9社をパートナーメディアとしてこの機能の提供を開始。2015年12月には、韓国、インド、台湾などアジアの50以上とパートナー提携。現在は世界350のメディア企業がテストプログラムに参加し、毎日100社以上が記事を配信している。今回日本からは、朝日新聞社、産経デジタル、東洋経済新報社、日本経済新聞社、毎日新聞社、読売新聞東京本社が参加している。

また、リアクション機能はニュースフィードで共有された投稿に対して「いいね!」以外の感情を共有できる機能だ。これまであった「いいね!」のほか、アプリならボタン長押しで「超いいね!」「うけるね」「すごいね」「悲しいね」「ひどいね」の合計6つのリアクションを付けることができる。

ちなみにこれはFacebookの関西弁設定にも反映されており、これまでの「ええやん!」に加えて「めっちゃええやん!」「笑たやん」「すごいやん」「悲しいわ」「そら怒るわ」の共有が可能になっている。

Facebook最高製品責任者のChris Cox氏

Facebook最高製品責任者のChris Cox氏

2015年にユーザー数10億人を達成したFacebook。同日の記者発表会で登壇したFacebook最高製品責任者のChris Cox(クリス・コックス)氏は、「次の10億人」を獲得するためには、より様々な環境で利用できるサービスが求められると説く。「デバイスは進化し、普及したが、ネットワークの進化はそれより遅い。様々なデバイス、ネットワークを通して皆さんにサービスを使ってもらいたい」(Cox氏)。

そのために、最先端のiPhoneではなく(古い)Androidで、4G回線でなく2G回線でFacebookを利用するとどうなるかなども検証しているのだそうだ。実際、インドのデリーでは、ネットワークの遅さから5人に1人のネットワークが接続できず、また記事を1つ表示するのに30秒以上かかることがあるという。こういった環境ではインスタント記事の価値は大きいと語る。

Instant Articlesはメディアサイドにもメリットがあるという。例えばタップ操作で写真のレイアウトを変更したり、地図情報との連携なども可能。画像や動画を多用したリッチな広告も配信できる(もちろんメディアはそのためにコンテンツを準備する必要がある)。

広告のレベニューシェアに関する情報は明らかにされなかったが、海外ではパブリッシャーが販売した広告であれば売上の100%、Facebookが販売した広告なら売上の70%をパブリッシャーが得ることができる。なおインスタント記事は米国向けのアプリなどではすでに提供されているが、日本での提供時期は未定。メディア側の準備が整い次第順次提供される予定だ。リアクション機能については、同日より機能が提供される。

FacebookがMac版Messengerアプリを作っていることを示す証拠写真

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TechCrunchは、Facebookが未公開のMac版Facebook Messengerを作っていることを示す証拠写真を入手した。下の写真はFacebook社員がアプリを使っているところだ。

Facebook Messenger For Mac

Facebook社員がMessenger For Macを使っているところ。情報筋よりTechCrunchが入手

Mac版の公式Facebook Messengerアプリを公開することによって、人々はパソコン上でいつでも簡単にチャットできるようになる。友達にテキストを送るためにウェブブラウザーのたくさんのタブの中から探す代わりに、専用のMessengerデスクトップアプリがあれば、すぐにドックから取り出してアクセスできる。

Facebook Messenger DevelopmentFacebookは声明あるいはコメントの提供を拒んでおり「当社は噂や憶測に関するコメントをしない」と私に言った。しかし、これは定型の返信文であり、デベロッパーがチャットボットをつくるための秘密のChat SDKを作った時も同じだった。

Facebookでチャットする人か増えれば増えるほど、同社のファミリーアプリを使う回数が増える。中でもニュースフィードはFacebookが広告で稼ぐ場所だ。

メッセージはモバイルの未来だ。Facebook Messenger経由ですぐにつながる人が増えれば、使う端末によらず誰にとってもアプリの価値が高まる。

MessengerをFacebookから切り離すことで、ユーザーがFacebookの広告を簡単に避けられるようになる可能性もある。しかし、それはFacebookがチャットを支配する戦争に勝つチャンスを広げるために、買って出る犠牲だ。そもそもFacebookは、すでにモバイルでニュースフィードからメッセージを切り離している。

デスクトップへの侵略

Facebookはウェブから生まれ、モバイルで広く実験を重ねてきたが、デスクトップに力を注いだことはなかった。

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今をはるか遡る2011年、FacebookはPCとMacのアプリを作るためのデスクトップソフトウェアエンジニアを募集した。1年後、Facebook Messenger For Windowsアプリの早期テスタ利用者がダウンロードリンクをリークしたため、Facebookはデスクトップアプリを急遽公開することになった。

その後の2年間、Facebookはアプリを殆ど無視していたかのようだった。そして2014年3月、Facebookはこれを終了し、「残念ながら、Facebook Messenger for Windowsのサポートを中止し、2014年3月1日をもって動作を終了する」とユーザーに伝えた。

Unofficial Facebook Messenger For Desktop app

非公式のデスクトップ版Facebook Messengerアプリ

以来、Facebookはデスクトップ用ソフトウェアを提供していない。2015年4月にFacebookは、Messenger.comという専用のブラウザーインターフェースを提供した。これは、ニュースフィードなど他のFacebook機能に邪魔されることなくチャットできるためのサイトとして作られた。

ブラウザーからの逃避

しかしデスクトップ版Messengerに対する要求は高い。何人ものハッカーが、非公式バージョンを開発しており、Messenger For DesktopやFBMacMessengerがある。

しかし私の情報源の目撃情報と写真によると、今回発見されたMessenger For Macアプリは、それらの非公式アプリとは別物だ。報告によると、社員が使っていたアプリはアプリドックのアイコンにMessengerロゴがあり、メニューバーにMessengerと書かれていた。

Facebook Messenger For Mac Tab Bar

左下隅にモバイルと同じMessengerタブバーが見える

この粗い拡大写真で見るのは難しいが、Facebook社員が作っている公式版には、左下に公式iOSモバイルアプリと同じナビゲーションタブのオプションとして、Recent、Groups、People、Settingなどが見える。非公式版にはこのタブバーがない。さらに私の情報源は、この社員がFacebookの社内ポータルとVPNにログインしていたことも確認しており、未公開の公式Mac版Messengerアプリであることをさらに裏付けている。

Facebookが、ユーザーにウェブサイトの代わりにデスクトップソフトウェアを使ってチャットすることを強制することは、考えにくい。FacebookがいつMessenger for Macを公開するのか、そもそも公開するのかどうかもわかっていない。同社がアプリを開発して内部でテストし、最終的に出荷しないことはしょっちゅうだ。しかしこのアプリは賢明な選択のように思える。Slackは、人々がメッセージング専用デスクトップアプリを好むことを証明した。アプリはFacebookがGoogle、WeChat、Line、Kik、Kakao Talkなどのライバルを蹴落とす助けになるかもしれない。

ブラウザータブの混沌から逃げ出すことは、Facebookにとって有利に働く。最近同社は、Google Chromeブラウザーのデスクトップ通知機能を統合し、Facebookのアクティビティーに関するアラートを個別のミニウィンドウで表示できるようにした。これは、無数のタブに埋もれがちなFacebookの通知を、素早く見て反応するために非常に便利であると私は感じた。

Messengerは、チェックしに行くようなウェブサイトではない。これは1日を通じて使い続けるコミュニケーションツールだ。Facebookタブを探したり、ウィンドウを表にだすために手間取ることは、コミュニケーションの摩擦を取り除きたいFacebookの目標に反する。モバイルのMessengerアプリをFacebookが切り離す前、チャットがメインアプリの奥深く埋もれていたのと同じように、今のデスクトップではブラウザーの中に埋もれている。しかし、Messenger For Macは、チャットを浮かび上がらせる可能性を持っている。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messengerのユーザーは8億人―2016年のその戦略を探る

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SMSを無用化するチャット・ボット・プラットフォームを分岐させる。友達とオフラインで会うのを助ける。人工知能を強化する。ユーザーを喜ばせる。こういったところが2016年のFacebook Messengerのロードマップのようだ。このチャット・サービスには今や8億人の月間アクティブ・ユーザーがいる。これは昨年6月の7億人から1億人もアップしている。 3月には6億人、214年11月に5億人だった。

この数字でも明らかだが、Nielsenの調査によると、Facebook Messengerは2015年でもっとも急速な成長を遂げたプラットフォームだった。iOSアプリとしてはFacebook本体のアプリに次ぐ2位のダウンロード数となっている。 やり取りされる写真は月間100億枚以上だという。

一部の市場ではすでに独占的な地位を獲得したFacebookのチャット・アプリは、ライバルを根絶し、デベロッパーを組織して強固なエコシステムを作り、これまでのチャットとは異なる総合的なメッセージング・サービスとなるべく動き始める準備が整ったといえるだろう。

messenger2016

今日(米国時間1/7)発表された公式ブログの記事でMessengerの責任者、 David Marcusは2016年の戦略を概括している一方、私は昨日、Messenggerのプロダクトのトップ、Stan
Chudnovskyを取材する機会があった。下記はMessengerの戦略と私が取材で得た感触をまとめたものだ。

まず2015年のMessengerの実績は―

  • 処理速度の改善
  • ビデオ通話
  • 絵文字、ハンドルネーム、カラーテーマによる会話のカスタマイズ
  • Messengerを利用した顧客サポート
  • Messenger内での支払いと受け取り
  • コンテンツと表現のためのアプリ制作のプラットフォーム
  • ロケーション共有の改善
  • 発呼者/メッセンジャー ID
  • 友達でないユーザーとのチャット
  • Photo Magicによる写真の自動共有
  • バーチャル・アシスタント、M
  • 交通機関プラットフォームとなるUberアプリ

2016の計画と予測

計画: 電話番号を追放する

Messengerは、アメリカではメッセージアプリとして(Googleには悪いが)圧倒的に優位な地位を築いている。多少とも意味のある競争相手はSMS/iMessageだけだ。FacebookのMarcusは「SMSというのは昔の二つ折り携帯に適合したサービスだ。今やわれわれはスマートフォンの時代のチャットを必要としている。写真、スタンプ、絵文字、GIFアニメ、支払い、ロケーション、交通機関などありとあらゆるコンテンツの処理がチャットには求められている。SMSは多様なコンテンツをうまく処理できない。Messengerは人々にSMSを捨てるよう説得することができるだろう。

MessengerはFacebookのユーザーなら誰でも利用でき、誰とでもどんなメッセージでも交換できるので、相手の電話番号を知る必要さえほとんどなくなっている。 インターネットに接続している人間すべてを一つの巨大なコミュニティーにまとめ上げるのがMessengerにとっての「次の大きな飛躍」となるだろう。

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予測:ビデオ・メッセージの時代が来る

モバイル時代に入って最大のヒットはビデオの普及だろう。しかし通話にビデオを用いるのはまだ始まったばかりで問題も多い。Skypeは最低だしFaceTimeはAppleのiOSデバイスでしか動作しない。MessengerはすでにVoIPによるオーディオ通話、ビデオ通話通話を実用化しているが、知名度がまだ低い。私はMessengerが2016年にはグループ・ビデオ会話サービスをスタートさせてこの状態を大きく変えるのではないかと考えている。多人数によるミーティングや会議の処理となればSMSに勝ち目はないだろう。

計画:チャットのスレッドは新しいアプリだ

ユーザーが今まで電話で行っていたさまざまな作業がMessengerのスレッド内でできるようになった。検索がウェブの中心を占めていたのと同じような意味で、今やチャットがモバイル・サービスの中心だといってもいい。
Facebookはその力をもってチャットを通販やコンテンツ流通などのプラットフォームにしようとしている。

Marcusは「Messengerは企業やサービスからアイテムを購入する(おそらく繰り返し購入することになるだろう) 新しい方法だ。ユーザーはFacebook
Messengerwを使って、きわめてスムーズかつ快適に、車を呼び、飛行機を予約し、カスタマーサービスと話すことができるようになる」と書いている。

予測:カスタマー・サービスは音声の録音メッセージからテキスト・メニューに変わる

Facebookは企業がカスタマー・サービスをMessenger内で運用し、自社のFacebookページと統合することによって、専用アプルをメンテナンスする必要なしに、はるかに快適で効率的な顧客サポートを可能にするよう望んでいる。ほとんどすべてのビジネスは顧客とのコミュニケーションを必要とする。
Facebook Messengerを利用すれば企業はそうしたコミュニケーションを無料ないし圧倒的な低価格で提供できる。現在Messengerではカスタマー・サービスで利用するための実験を始めたばかりだが、近くFacebookではMessengerのスレッドにメニューを表示するフォーマットを正式に提供するだろう。あの延々と続く録音メッセージに応じて数字キーを押すという不快な体験が追放されることを望むものだ。

計画Messengerでソーシャル・スペースを作る

われわれは毎日、Messengerでビジネスや私生活の親しい友だちと会話をしている。Facebookの普及率を考えるなら、Messengerを他の種類の会話にも使えるようにしようと考えるのは自然だ。FacebookはWhatsApp,などのチャット専用サービスの例にならって、スレッドのカスタム化、個人化を図っている。チャットの責任者、Marcusは「〔Messengerでの会話は〕個人的な意味として社会における握手に相当する」と書いている。Facebookはユーザーが「第三の場所」、つまり家庭でもなくオフィスでもない、リラックスして息抜きができる社交の場でMessengerが活用されるように方策を講じていく。

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予測:オフラインでの集まりにMessengerが使われる

Facebookはユーザーの友達をほとんど全員知っている。Facebookにログインしているユーザーが少々退屈したとき、同時に 友達の誰がオンラインになっているかも分かっている。Facebook「近くの友達」の方式を拡張して、たとえば、付近の友達の誰とオフラインで会えそうか探してくれるようになるだろう。

2015年にGoogleは同好の士を探してくれるソーシャル・アプリ、Who’s Downを発表、Danny TrinhのスタートアップはFreeをリリースした。どちらのアプリもオフラインで会えそうな友達を見つけるのが目的だ。残念ながらどちらのアプリも大きな反響を得ていない。どちらもユーザーベースが普遍的というレベルに届かず、従って実用性も低いままだ。しかしこれをユーザー8億人のMessengerがやれなるなら話はまったく違うものになるだろう。

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計画: 人工知能の強化

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FacebookはMessengerを他のチャット・サービスとの明確な差別化を図っている。その膨大な資金力とエンジニアリングの資源にものを言わせて、昨年夏、パーソナル・アシスタントのMを作りあげた。人力と人工知能を組み合わせたMは、残念ながら展開が遅く、多くの資源を食うプロジェクトとなった。しかしMの経験からFacebookはユーザーがMessengerに単なるメッセージ交換以上にどういう機能を望んでいるかを教えた。また自然言語についても知るところを増やしたに違いない。こうした経験からFacebookはMessengerのインターフェイスにさらに自然言語、特に音声による自然言語を導入するようになるだろう。コマンドに従って自他のメッセージを音声で読み上げる機能はユーザーに歓迎されるだろう。

予測:チャット・ボット・プラットフォーム

ユーザーがチャット・サービスに対して望む新機能はさまざまだが、そうした個別機能の実現よりも、むしろFacebookはユーザーの希望に沿ったアクティブな応答をするチャット・ボットを制作するるためのプラットフォームの構築に力を注ぐものと思われる。Mはこうしたチャット・ボットのモデルないしフラグシップとしての役割を果たすことになる。今週私はFacebookはデベロッパーに対してチャット開発のSDKへのアクセスを密かに増大させていることを探り出した。このSDKを使うと、テキスト・メッセージでメニューを表示し、ユーザーの応答に対応して自動的にメッセージを返し、また支払い処理を行うボットが簡単に開発できる。サードパーティーのデベロッパーが企業のためにMessengerを用いた効率的な顧客サービス・システムを書けるわけだ、こうしたアプリは企業の顧客にとって便利であるだけなく企業にとってもコスト削減や新たな収益機会の獲得などのメリットがある。

計画: ユーザーを喜ばせる

Facebookは今年、Messengerに思い切って風変わりな機能を持たせる。たとえばスレッド内に雪やハートの絵文字を降らせることができるようになる。一見子供っぽい試みだが、ありきたりの退屈なSMSを使っているのではないことに気かせる効果がある。またユーザーはMessengerに少し人間らしさを感じ取るだろう。

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予測:Facebookは若い世代を惹きつけるために思い切った手を打つ

Facebookには「もうクールなサービスではなくなったのでは?」という懸念が長くつきまっている。しかし努力の重点がソーシャル・ネットワークによって社会的なつながりの場づくりから、メッセージ・プラットフォームづくりへ移るにつれ、Facebookには陳腐化を防ぐ新しいアプローチが必要になってくる。おそらくMessengerはアジアで圧倒的な人気を得ているメッセージ・サービスのライバル、LineやKakaoTalkから若者に支持されるためのヒントを多く得ているに違いない。

ライバルが提供している機能には、われわれ大人の目からすると、ばかばかしくトリビアルで子供っぱいものも含まれている。しかしこうした機能が遊び心をもつ若い層の支持の重要な源泉となっていることも確かだ。Facebookがスタンプを実装する際、社内には反対の声も強かった。しかし蓋を開けてみればFacebookのスタンプは圧倒的な支持を受けた。ユーザーが特定のプロダクトを毎日長時間使い続けるようになると、単に論理的であり機能性が高いというだけでは飽きてしまう。突拍子もないアイディアが歓迎される理由はそこにあるわけだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Oculusのファウンダー、Palmer Luckey:「市場への一番乗りは難しい」

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クリスマスの前日、Oculusのファウンダー、Palmer LuckeyはTwitterで、来年Q1のいつかやってくる消費者版Riftについて話し、みんなの気分を盛り上げた。

この製品については山ほどの疑問があり、Oculusが実際にどうやってRiftを流通させるかというのもその一つだ。同社のファウンダーはチームの当初の使命を支援し続けており、Facebook傘下となってからは特に力が入っている。人々の期待を操作することは困難だが、Luckeyはか「市場一番乗りは難しい」と話し、かなり巧みに操っているようだ。

[以前言ったことの繰り返しになるが、VRは、誰もが買えるようになる前に、誰もが欲しがる物になるだろう。]
[将来の進歩や大量生産によって、いずれVRは全員のものになるだろうが、第一世代は主としてアーリーアダプターのものだ]

[OculusがVR革命をリードしたのと同じように、この現実把握でリードすることは偶然ではない ― 市場への一番乗りは困難なのだ]

Oculus Riftの価格を明かすことなく、LuckeyはFacebookが「パートナー」として助けてくれることによって、1500ドル以上という現在デベロッパーキットを持っていない人々を仰天させるような価格を避け、初期の利益をあまり心配しなくてもよくなったことを明確にほのめかしている。価格は〈かなり〉の金額になるだろうし、もっと重要なのは、一つのチームを〈かなり〉信頼する必要があることだ。果たしてその価値はあるのか?それは、20億ドルの質問だ。

[今すぐハードウェアで利益を上げる必要のある会社ならずっと高い価格になっていただろう ― 1000ドル+と考えてほしい。強欲ではない、現実だ。

最後のツイートは、Riftが1000ドルを切ることをほぼ示唆しており、それは既にVRに入り込んでいる人々や、もっと知識を得てこのメディアのチャンスに賭けようという人々にとっての「スイートスポット」と考えられている価格だ。もちろん、それでも高い。

2016年がバーチャルチアリティーにとって飛躍の年であることを疑う余地はないが、重要なのは、みんなが試す前に葬ってしまわないこと…それは無料以上のどんな価格でも常に難しい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インド当局、FacebookのFree Basicsに一時中止要請

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Facebookのプロジェクト、Internet.orgが提供するサービスであるFree Basicが、今週インドで厳しい状況に立たされている。まず、同社のメールキャンペーンが強引で誤解を与えるとして批判された。そして今度は、FacebookのパートナーであるReliance Communicationsが、インドの通信規制当局(TRAI)からの要求を受け、同社ネットワークでFree Basicsのサービスを一時中止することに同意した。

このニュースはTimes of Indiaが最初に報じた後、Reliance Communicationsが声明で認めた。「TRAIの指示により、FreeBasicsの商用開始は、当局の詳細検討後に具体的な認可が下りるまで一旦中止する」とRelianceの広報担当者はメールに書いた。

これは一大事だ。なぜならTRAIは、来月最終決定を下す前にネット中立性に関する聴聞を予定しており、決定内容によってはFree Basicsのインド国内での継続運用に主要な改訂が強いられる可能性があるからだ。

Facebookの広報担当者は、「われわれはFree Basics、Relianceおよび関係当局との協力によって、インドの人々がつながる手助けをすることを強く決意している」

Free Basicsに関する情報は今でもRelianceのサイトにある。同社はインドで4番目に大きい通信事業者で、6月現在で1.1億人のユーザーがおり、先月全ユーザーがFree Basicsを利用できるようにした

インドはFree Basicsが提供されている36ヵ国の一つにすぎないが、Facebookにとってインドは、1.3億人のユーザーを抱える米国に次ぐ世界第2位の市場であり、重要な実験台だ。

Free BasicsはFacebookのInternet.orgによる取組みであり、その背景にある考えは利他的に思える。プログラムは、途上国で通信事業パートナーのユーザーに、データ料金を課金せずにサービスを提供する。利用できるのは、ニュースサイト、天気予報、医療情報の他、FacebookのソーシャルネットワークとMessengerも含まれる。しかし、Free Basicsはインターネットサービスプロバイダーと組んで、一部のサイトやサービスにトラフィックを誘導することで、ネット中立性の精神に反していると批判する向きもある。

TRAIの支持を取りつけることは、議論を呼んだ先週Facebookが行った「Free Basicsを救え」キャンペーンの最重要目的だった。ユーザーがサービスにログインするとすぐにメールが送られ、Free Basicsを支持する出来合いのメッセージをTRAIに送るよう促される。キャンペーンはインドのユーザーのみに向けられたものだったが、月曜日に米国の一部ユーザーにも
通知が送られ間違いであったと発表した

Facebookは、TRAI聴聞までにインドでのFree Basicsに対する熱狂を高めることを諦めていない。同社はさらに、プログラム推進のために広告板やテレビ、新聞等の広告を買うという珍しい手段にも出ている

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、AppleのLive Photos対応を開始

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AppleがiPhone 6sで“Live Photos” をデビューさせてから3ヵ月足らず、ゆっくりだか確実に主要サードパーティーらが統合を進めている。Tumblrがつい数日前に採用…そして今、Live Photosはどこよりも大きい写真共有の怪物からのサポートを受ける:Facebook。

今日(米国時間12/21)午前のアップデートから、FacebookはLive Photosのアップロードと表示機能をiOSアプリで提供開始する。

注意点が一つ。Live Photosはまだかなり新しいため、Facebookは全員同時にはサポートを開始しない。今日の午前からフィードに登場するのを見る人々もいるだろうが、多くのユーザーは新年まで待つことになるだろう。

Live Photosのアップロード方法は通常の静止画像とよく似ているが ― というより〈全く同じ〉 ― 1つだけ追加の手順がある。カメラロールからアップロードする写真がたまたまLive Photo有効だと、右下に “LIVE” ボックスが表れる。タップすればLive Photoとしてアップロードされる。タップしなければ静止画のみが送られる。

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Live Photo 1枚毎にボックスを手動でタップする必要があり、それには正当な理由がある。iPhoneで一旦有効になっていると、本人が殆どあるいは全く意識することなくLive Photosは作られる。機能がオンになっていることさえ忘れている場合もある。加えて、Live Photosにはシャッターボタンを押した「前と後」それぞれ1.5秒間のビデオ〈および〉音声が含まれるので、 うっかり変な ― たぶん公開したくないような ― ものを取り込んでいることが容易に想像できる。1枚毎のオプトインにすることで、存在すら忘れていたものを誤ってアップロードする可能性は減る。

フィードに送られると、Live Photosは標準では静止画としていつも通り表示される。しかし、それぞれの写真の右下には同心円マーク ― Appleがカメラ画面で “Live Photos” の入切を示すのに使用しているアイコンと同じ(写真上右参照) ― が表示される。このマークのある写真を押し続けるとLive Photoの再生が始まる。指を離せば静止状態に戻る。

現在、iPhone 6sおよび6s PlusのみでLive Photosを撮影できる ― しかしFacebookではiOS 9が動いていればどのデバイスでも(即ちiPhone 4S以降)見ることができる。

Live Photosを「何それ、動く写真と音声。それってビデオじゃないの?」と切り捨てるのは簡単だ。そしてそれは間違っていない!しかし、全体像でもない。

人が「ビデオ」と言う時、殆どの場合余分な思考、フレーミング、努力などを伴うものを想像する。3秒間のビデオは、間違いのように感じる。Live Photosは〈おまけ〉のようなものだ ― 受動的に作られ、余分な努力を必要としない。注意深く構図を決めた静止画もそこにはある … しかし、そこに余分なちょっとした可能性が加わる。殆どの場合、Live Photosはバカバカしいかブレている … しかし時々 ― 本当に時々 ― すばらしい何かを取り込んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

モバイルのトップアプリは相変わらずFacebook、今年はMessengerが急成長: Nielsenの合衆国調査より

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今週出たNielsenの調査報告書によると、合衆国のスマートフォンにインストールされているアプリのトップ(ユニークユーザ数)は、今年もFacebookで、今年急成長したのはメッセージングアプリだった。公開的なソーシャルネットワーキングからプライベートなコミュニケーションへの移行を見抜いていたFacebookは、2014年の春に本体のアプリからチャットをなくして、ユーザをFacebook Messengerのインストールへと誘導した。その後の数か月、MessengerアプリはApp Storeでトップの座を独占し、2015年にも、前年比31%という、成長率だんとつのアプリだった。

2014年と2013年を比べると、Facebookが強力にプッシュする前とした後だから、前年比成長率は242%とめちゃくちゃ高い。今年Facebookは本体上の写真投稿をやめて、プライベートな写真共有アプリMomentsをプッシュしているが、それがMessengerと同じような成功を見るのかは、まだ分からない。

急成長アプリといえば、Apple Musicが前年比26%の上昇を見せた。ただしAppleの音楽ストリーミングサービスのローンチは今年の6月だから、Facebook Messengerと同列に論じることはできない。

アプリのユニークユーザ数のトップFacebookは、下図のように、1か月平均が1億2600万を超えている。前年比8%の伸びだが、前年もやはりトップだった。次位のYouTubeは1億に近く、前年比伸び率は5%だった。

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なお、Facebook自身の先月の発表では、全世界のモバイル月間ユーザが13億9000万、前年比伸び率23%、モバイルだけでなく全ユーザなら2015Q3の合衆国+カナダで月間アクティブユーザが2億1700万だ。

そのほかの上位アプリは、Google検索9500万、Google Play 8970万、Google Maps 7510万、Instagram 5540万、Apple Maps 4440万となる。Instagramは伸び率も23%と大きく、Apple Musicに迫る。

一方、モバイルのオペレーティングシステムの合衆国マーケットシェアは、Androidが52.6%で一位、次位はiOSの42.7%だ。Windows Phoneは3%弱、BlackBerryは0.7%とまだ頑張っている(下図)。

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モバイル(携帯電話)のスマートフォン率は、年初78%から9月には80%となった。

ここで繰り返すと、これらのデータはすべて合衆国オンリーであり、そしてNielsenの調査は3万名あまりのユーザを対象とするサンプル調査からの推計だ。その一部が、計測ソフトウェアを自分のデバイスにインストールしている。なお、サンプリングに際しては性別や年齢層などの特性の比率を、母集団のそれに合わせるようにしている。

合衆国に見られる、プライベートメッセージングとビデオストリーミングの優勢は、そのまま世界的な傾向でもあるだろう。たとえばApp Annieのデータによると、先月のダウンロード数では WhatsApp(1位), Facebook Messenger (3位), Snapchat(8位)であり、次いでビデオストリーミングアプリが上位に割り込んでいる。モバイルのデータサービスは、来年も値下げや無料サービスがあると思われるので、この傾向は続くだろう。FCCがそのサービスを禁じないかぎり

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebook「今年のまとめ」写真集から悲しみを排除。編集機能を追加

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Facebookは2004年、今年のまとめ写真集に昔の相手やブロックした友達や亡くなった家族の写真が偶然選ばれたために、一部の人々の心を傷つけた

同じような悪感情を避けるために、Facebookは「独自のフィルター群を適用」して、今年の定型写真10枚集には、そういう人たちが現れないようにした。もしアルゴリズムが悲しい写真を捕え損なった時は、自動的に選ばれた10枚のいずれであっても自分で削除、編集、交換することができる。

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Screen Shot 2015-12-16 at 11.37.58 AM今日から、ユーザーのニュースフィードの上には、その人の「今年のまとめ」写真集が表示される。写真は非表示にしたり、スクロールしてプレビューしたり、編集したり、誰かにシェアしたりできる。

Facebookが私に話したところによると、同じフィルターはTimehopクローンの”On This Day”[過去のこの日]でも使っているので、「亡くなった人や元カレ・カノがタグ付けされた写真や、ブロックしたり『過去のこの日』の設定で除外指定した写真が表示されることはない」。ただし、編集の際には今年アップロードしたりタグ付けされた写真であれば、フィルターされた人物を含むものも選ぶことができる。

この郷愁を誘う機能は、どれだけの思い出がFacebookに載っているかを人々に再認識させ、他にはない魅力的なコンテンツを作ってフィードに表示してくれる。「今年のまとめ」はSnapchatと対極にあるとも言える。刹那性は即興的なシェアや見る時の切迫感を促進するかもしれないが、Snapchatは人々が振り返って見たいかもしれない旧コンテンツを載せることはできない。

Facebookは、ビジネス全体が永久に残るユーザーの思い出に基づいて成り立っている。何日も、いや何年も前の写真を見るために、人々は広告の詰まったニュースフィードを閲覧し、プロフィールページを追いかけている。

問題は、Facebookがつらい思い出を堀り起こすことで人々を傷つけるリスクを負っていることだ。昨年、Ericという名前の男性が不用意なアルゴリズムによる残酷さと題して、亡くなった娘が自分の今年のまとめに数多く登場したことについて厳しいブログ記事を書いた。

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これを含む数々の悲話は、Facebookが写真を選ぶアルゴリズムを修正し、また友達を解除することなく昔の相手に関する記事を表示制限できるデジタル離散ツールを作った理由だ。

私たちの生活のバーチャル版であるソーシャルネットワークを信頼していくために、彼らはこうした思いやりのあるしくみを考え出す必要がある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

クリスマスにはUberをFacebook Messengerから呼べる―近くLyftも加わる

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人気アプリ、Facebook Messengerがついに公共交通機関の手配の領域に進出してきた。FacebookはまずMessenngerでUber車の呼び出しを可能にするが、Lyftなど他のサービスも順次追加されるという。

Facebookの新機能の特色にはMessengerを利用することでスレッドを共有しているチャット仲間に本当に出先でUberを「捕まえた」ことが分かる点も挙げられる。パジャマ姿でベッドの中から「今タクシーに乗ってそっちへ向かっているとこだ」などといい加減なメールを送るというわけにはいかない。

メッセージ・アプリに共有乗車の手配機能が追加されたのはこれが初めてではない。たとえば中国などで人気のある通話、チャットアプリのWeChatからもやはり中国のDidiなどの車の手配が可能だ。しかしWeChatの場合、親会社のTencentが頻繁にUberをブロックしているという。これ中国における共有乗車サービスの激しい競争を反映したものと見られている。

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Facebookは、もちろんだが、WeChatからヒントを受け取ったわけではないとしている。 「われわれが(もっとも大きなヒントを得たのは)Messenのユーザーの利用のパターンからだ」とFacebook におけるMessengerのプロダクト・マネージャーのSeth Rosenbergは語った。

作動の仕組み

新しいMessengerには車のアイコンが追加された。何かメッセージを書いている途中でUberが必要になった場合は、3点…メニューから「交通機関を見つける」も選択すればよい〔日本版にはまだこれらの機能は追加されていない〕。 どちらの場合でもクリックするとすぐにUberの「配車手配」の画面が開く。ユーザーは通常どおり配車希望場所、目的地、希望する車の種類などの入力に進む。

Messengerの「公共交通機関」機能を利用したユーザー全員に20ドル分のUberポイントが付く。Uberが既存ユーザーに無条件にこうしたクレジット・ポイントを付与するのは非常に珍しい。Facebookが相当に説得力ある根拠を示したのだろう。

Facebook、Uberともに売上の分配の有無やその率については沈黙している。いずれにせよFacebookはMessengerにおける交通機関手配をさらに拡大していく構えだ。Rosenbergは飛行機のチケット予約など数多くの可能なユースケースについて触れた。「われわれはMessengerアプリから個人相手だけなく、交通機関にもメッセージを送れるんだという考えに早く慣れてもらいたいと期待している」とRosenbergはわれわれの取材に対して答えた。

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FacebookのMessenger強化はUberの強気な拡大戦略とちょうどうまくマッチした。Uberは多数のサービスにAPIを使った呼び出しプラットフォームでを提供中だ。Uberは今年初めにlデベロッパー向けプラットフォームを発表し、アプリ内に「Uberを呼ぶ」というボタンを実装したサイトに対し、これによる新規獲得ユーザー1人あたり5ドルを支払うというインセンティブを提供していた。

われわれはMessengerアプリから個人相手だけなく、交通機関にもメッセージを送れるんだという考えに早く慣れてもらいたいと期待している。

— Seth Rosenberg, Facebookのプロダクト責任者

LyftもSlackとほぼ同様の提携を行っているが、Rosenbergによれば、Messengerの交通機関手配の最初のパートナーとなったのはやはりUberだったという。

Uberが公開している「配車手配( Request Ride)」ボタンのAPIの利用規約ではライバル交通機関と関係あるパートナーを利用から除外することを定めている。しかしUberに取材したところでは「Messengerとの提携は個別のプライベートAPIを通じて行われている(のでMessengerがLyftのようなライバルをサービスに含めても)問題ない」とのことだった。

Facebookも、当然ながらUberも、Lyftとの関係について詳細は明らかにしなかった。しかし事情をよく知る立場の情報源によれば、Lyftからの配車手配は来年1月にもスタートするだろうという。KLM航空とはフライト予約を含めるための作業が行われているが、スタートややや遅れて、やはりこれも来年になる。

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MessengerはUberのカスタマー・サポートの主要チャンネルに

Ubeは Messengerの利用をリアルタイムのカスタマー・サービスの実験の一つと位置づけている。Uberはこれまでリアルタイムの カスタマー・サービスの能力が低いという批判を受けてきた。 UberのAPIと戦略的提携の責任者、Rahul Bijorは「リアルタイム・サポート機能をユーザーに提供する上で提供する上でこれ(Messenger)がわれわれが求めている最良の手段となるのかチェックしたい」と語った。

Facebookによれば、Messengerのユーザーは世界で7億人だという。同アプリからUberを呼び出す機能は今日、アメリカの主要都市で公開された。Uberの広報担当者がTechCrunchに語ったところでは、この機能はクリスマスまでに全米のほぼすべての地域に行き渡るだろうという。アメリカ人にとって今年のクリスマスパーティーへの行き帰りは楽なものになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+