暴落が続くSnap株、ついにIPO価格まだ下がる

アップデート:過去数週間じわじわと下げ続けてきたSnap株が、ついに17ドルまで(ごく短時間)落ち込んだ。現在同社の株価はIPO価格をかろうじて上回っている。

Snapの最近の決算は悲惨だった。しばらく20ドル以上を保ってはいたが、悪い日々の続く市場 ―― および成長株に囲まれた同社の将来への不安 ―― が株価に与える圧力は高まっている。Snap以降、多くの小規模IPOが続いているが、非伝統的広告型企業(Pinterest等)にとって、IPOの道が開けたと言われてきた未来に影響を及ぼすかもしれない。

今後数週間の今月上場申請したBlue Apronに対する投資家の動きにも注目だ。Snap同様、 食事配達サービスのBlue Apronは売り上げを伸ばしつつも最近の四半期で大きな損失を計上している。ただしBlue Apronは昨年の第1四半期に300万ドルの利益を上げ、少なくとも黒字化できる能力があることは示した。

この下落は絶対的な失敗によるものではないかもしれない。17ドルというのはSnapが上場する際に自ら選んだ価格だからだ。しかしこうした価格は、できるだけ多くの資金を調達しつつ、20%以上の値上がりを確実にして、投資家がある程度利益をあげられるように決められたものだ。SnapのIPOは、ほとんどの部分について「成功」したといえるが株価は確実に落ち込んでいる。これはSnapに投資した人たちだけでなく、FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)を始めとする伝統的成長株にとってもよくない兆候だ。

Snap株の暴落から推察できることがいくつかある ―― 特に、株価がさがると株価に連動する報酬体系が崩れて人材の確保が困難になる。Snapは、Facebookなどのネットワークサービスと激しい戦いを続けており、Snapの様々な機能やサービスを真似されている。模倣は究極の称賛ともいえるが、独自の可能性と高いエンゲージメントを広告主に売り込んでいる会社にとって、資源も広告実績もある巨人企業を相手にするのはますます困難になっていく。

もし株価がこのまま下がり続けて17ドルを割れば、それは非常に悪い兆候だ ―― SnapにとってもFacebookやGoogleに対抗する新しいタイプの広告を提供しようとする他の企業にとっても。しかし、ごくわずかな時間17ドルに落ちた後、すぐに反発した。市場全般で悪い日々が続く中、こうした動きがどう続くのか注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テクノロジー株、2日連続の暴落

テクノロジー銘柄にとって悪い日が続く。

Facebook、Amazon、Netflix、およびGoogle(現在はAlphabet)を合わせた名称であるFANG銘柄は、この2日間ウォール街で厳しい日々を送っている。そしてこのFANGグループ(ハイリスクだがハイリターンのメガ成長株からなるグループ)には入っていないAppleもこの2日間低調だった。

金曜日(米国時間6/9)午前の取引開始から今日(6/12)午後の終了までのダメージの様子を見てみよう。

  • Facebookは~4.5%安、155.55ドルから148.44ドルへ
  • Amazonは~4.75%安、1013.00ドルから964.91ドルへ
  • Netflixは~8.67%安、165.82ドルから151.44ドルへ
  • Google、現Alphabetは~4%安、984.15ドルから942.90ドルへ
  • Appleは~6.24%安、154.82ドルから145.42ドルへ

下のグラフは先月の各銘柄の実績を表している(オレンジ色は比較のためのS&P 500)。この2日間の反転の大きさがよくわかる。

この反転に関していくつか興味深い点がある。

第一に、下落は金曜午前に市場が開いた直後に始まった ―― 上記5社すべての株価がほぼ瞬時に下がった。このタイミングは、Goldman Sachs の市場レポートが、市場はテクノロジー企業グループの成長への依存が大きすぎで、”FAANG” 株は 評価額バブルの可能性がある、と指摘したのと一致している。

切迫した問題ではないものの、レポートの提起する懸念は正当であり、こうした銘柄への依存の高さを投資家らに考え直させるきっかけとなった。

もうひとつ興味深いのは、これが市場全体で起きた反発ではなく、事実上テクノロジー分野に限られていることだ。S&P 500社インデックスは同じ時期に約0.64%下げただけで、IT企業主体でFANG銘柄の影響を強く受けているNASDAQでさえ、2.62%安にとどまっている。

ともあれ、テクノロジー株の大暴落が市場全体に大きな影響を与えなかったのは、むしろ良い兆候だといえる。

もう一つ興味深いのは、GoldmanのレポートとApple株の格下げ以外、どの会社についても株価急落を説明する具体的ニュースが出てきていないことだ。

しかも各社とも前四半期の収益は好調で、FacebookAmazonAlphabetは予測を上回り、Apple and Netflixも予測をわずかに下回っただけだった。

もうひとつ重要なのは、こうした銘柄が数日間低調でも、長期的には市場を大きくリードしているのを忘れないことだ。全社とも今年に入ってこれまでに20%以上株価を上げている(S&P 500は1月1日以来8.5%高)。

今後こうしたテクノロジー銘柄でどんな反転がおきるかわからないが、下落の原因は投資家の感情であり、収益の未達や企業の悪いニュースといった具体的問題ではないという事実は良い兆候であり、いずれFANG以外の企業では見られないような成長を取り戻すだろう。

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ソフトバンク、巨大なビジョン・ファンドの第一次出資募集で930億ドルを集める

ソフトバンクは同社の1000億ドルの巨大ファンド ―- 史上最大 ―― が、今日(米国時間5/21)最初の募集を完了したことを発表した

日本の通信の巨人は、同社のVision Fundが最初の出資募集を終え930億ドルを獲得した。出資には数多くの著名企業が参加し、Apple、Qualcomm、UAE拠点のMubadala Investment Comapny、サウジアラビアの公共ファンド、PID、Foxconn、およびFoxconn傘下のSharpなどが名を連ねた。計画によると、目標の1000億ドルは6カ月以内に達成する見込みで、すでに投資家の約束を取り付けているという

同ファンドは少なくとも1000億ドルの資金提供を約束しており、企業の規模の大小、上場非上場を問わない。

そこからは幅広い分野が想定されるが、孫正義氏の声明によると、主たる目的は次世代インターネットと世界中をつなぐことにある。

テクノロジーには、今人類が直面している最大の課題とリスクに取り組む潜在能力がある。こうした問題を解決しようとする企業には、長期的に持続する資産と、その成功を支えるビジョンある戦略的投資パートナーが必要だ。

Softbankは改革を起こすテクノロジーへの大胆な投資と、破壊的起業家の支援を長年続けてきた。SoftBank Vision Fundはこの戦略に基づき次の段階の情報革命の基盤を作る企業の設立と成長を支援していく。

具体的な分野についてSoftBankは、モノのインターネット、AI、ロボティクス、情報基盤、通信、バイオ技術、フィンテック、モバイルアプリなどを挙げた。

支援企業の信用度とその膨大な規模から考えて、Vision Fundはテクノロジーベンチャーキャピタルとして過去に類を見ないものであり、資金がどう使われていくのか非常に興味深い。

すでにいくつか兆候を見ることができる。同ファンドは最初の募集完了以前から活動を始めている。最近の契約先には、インドのフィンテックのユニコーン、PaytmバーチャルリアリティーのImprobable Worlds中国のUberキラー、Didi Chuxing、および衛星インターネットのOneWebなどがある。ほかにもWeWorkなどの会社との関係が推測される未確認の投資が継続的に行われいる

今回の発表はドナルド・トランプ大統領の中東訪問に合わせたもので、Vision Fundの重要投資家がそこを拠点にしている。早くからホワイトハウスとのつながりを作ってきた成果と言える。SoftBank CEOの孫正義氏は、トランプ大統領との会談で米国への500億ドルの投資および新たに5万人分の雇用を生み出すことを約束している。

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DellのVC部門Dell Technologies Capitalは市場に独自の視点で臨み27のエグジットを経験

エグジットを27も抱えたVCがステルスであることは、めったにない。それどころか、今日のVCの多くは、そんなにたくさんのエグジットを経験していない。しかし、今日(米国時間5/8)までステルスだったDell Ventures(正式名: Dell Technologies Capital)は、各年1億ドルという着実なペースで投資を続けてきた。同グループは、マーケットが何を買いたがっているのかを、よく知っている。これまで同社では、70あまりの投資案件のうち、その37%近くがエグジットした。もちろん、その結果はさまざまだが。

今日まで、Dellの投資のうち、エンタープライズ方面で話題になり名前が知れたのは、ごくわずかだ。中でもいちばん目立ったのは、NutanixとJoyentだろう。前者はクラウドコンピューティング企業で、昨年40億ドルでIPOしたが、最近は出血気味で、その価値はほぼ半減した(ロックアップ期間が終わった途端)。Joyentはクラウドサービス企業で、1億3100万ドルを調達したが、その後1億7000万ドルでSamsung Electronicsへ売られた。

とはいえ、Dellのエグジットだけで計13億ドルに達している。同グループはそのスタートアップのポートフォリオに、企業のVC部門が従来から持つ利点を、うまく持ち込んでいる。それらは、データへのアクセス、戦略的営業チャネル、そしてエンジニアリングとリサーチ方面のさまざまなコネだ。

さらにDell Technologies Capitalは、マーケットに対して中立的(偏らない)である点でも他のVCとは差別化される。とくにクラウドが支配するエンタープライズでは、マーケットリーダーであるGoogleやMicrosoftからお金を取るやり方は、自分の活動を制限することに近い。

Dell Technologies CapitalのトップScott Darlingは、ほかの企業のVC部門と同社が重要な点で違うのは、そのフラットな構造だ、と言う。DarlingはCEOのMichael Dellとたえず連絡を取り合うし、投資についても率直に差し向かいで議論する。

なぜ今日、ステルスを脱けるのか、と問うと、Darlingは、現在の規模では、身を隠すための費用や活動がたいへんすぎるし、その意味も価値もない、と答えた。同社の現在のポートフォリオの中では、とくに大きく賭けているのがMongoDBとRichRelevanceであり、今後の大きなリターンで報われ、同グループにスポットライトが当たり続けることを期待している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

あなたの英文の文法チェックをしてくれるGrammarlyが初めての投資ラウンドで$110Mの巨額を調達

文法が苦手な人は少なくない。ちなみに、“a lot”は二語だし、 “Your”と“you’re”は同じ語ではない。

知る人ぞ知るGrammarlyは、ソーシャルメディアやメールで好印象を与えたいと願っている学生やライターや一般人のための、フリーミアムの文法チェッカーだ。同社は今、General CatalystやIVP, そしてSpark Capitalから1億1000万ドルを調達して、事業の底入れ強化を目指している。

8歳の同社にとって、これが初めての資金調達だ。Grammarlyはすでに利益を上げているから、投資家たちも気前が良い。

IVPのゼネラルパートナーJules Maltzは語る、“サンフランシスコの平均的なスタートアップよりも成長がはやい。同社は今後ますます、重要な企業になるだろう”。

Grammarlyのアクティブユーザー数は一日あたり690万だ。その多くが、無料で利用している。同社の収益源は、センテンスの構造や語彙までチェックしてくれる月額11ドル99セントの有料会員の会費だ。

ネット上の文法チェッカーはいろいろあるが、検索で簡単に見つかるそれらに比べればGrammarlyはずっと優秀だ、と同社は自負している。ネットにつながった状態で文書の校正をリアルタイムでやってくれる、Chromeエクステンションもある。

CEOのBrad Hooverは曰く、“うちは人工知能を使ってユーザーの文章の文意や文型をチェックしている”。今度の資金は、社員の増員とアルゴリズムの改良に充てる予定だ。

HooverはGeneral Catalystにいた人物だが、Grammarlyを知って以来、このウクライナ発のスタートアップの将来性に着目していた。

Spark CapitalのゼネラルパートナーJeremy Philipsは、投資の動機を、“良いプロダクトだし、人びとのコミュニケーションを良くするというミッションも気に入った”、と語る。

(私はこの記事を公開する前にGrammarlyでチェックしてみた。誤字を一つ見つけてくれた。)

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Apple、予測をわずかに下回るQ2決算に株価は微減

Appleは第2四半期に小さな壁にぶつかり、ウォール街の期待をわずかに下回った ―― その結果、昨年大きく上昇した株価をわずかに下げた。

同社は売上529億ドル、1株あたり利益2.10ドルを記録した。ウォール街の予測は、それぞれ530億ドルと2.02ドルだった。iPhoneの販売台数は5080万台で、アナリスト予測は5140万台だった。いくつかの指標で目標に達していないが、全体構想にとっては大きなことではない。ただし予想外のつまづきは、果たしてAppleが成長を続けられるのかという議論に波紋を投げかけたと言えるかもしれない。

今日の取引終了時、Appleの株価は過去52週の最高値を記録し、この一年間非常に安定した上昇をみせた。これは、主力のiPhoneがもはやAppleの株価を押し上げる推進力ではなくなる、という大きな懸念がある中での出来事だ。代わりに、ほかの製品群(特にサービス部門)が安定成長の兆候を見せ始めている。つまりAppleの天井は、四半期毎のiPhone売上新記録達成だけに頼っていた時よりも高くなっている可能性がある。

驚くに当たらないが、Appleのサービス売上は再び成長した。Appleはサービス事業で70億ドルを稼ぎ、昨年同期の60億ドルから上昇した。これはiPhoneほどの推進力ではないものの、順調な伸びだ。売上の減少を食い止めているこうした傾向は、結果よりも重要かもしれない。

実際、下に貼った昨年のグラフを見ると、Appleの株価は50%以上上がっている。

前の四半期に、Appleは予想以上のサービス売上を記録してウォール街を驚かせた。同社幹部はこれだけで今年のFortune 100企業並みの規模だと再三口にした。そしてこれが成長エンジンiPhoneの停滞を補完した。この一見健全な収入源の多様化のおかげで、Appleは下降に向かう(少なくとも上限に達した)と見られていた収益を再び成長させることができた。

大きなホリデーシーズンが終わったあとで、製品への欲求は低い時期だ。しかし、第2四半期のAppleのハードウェア売上がiPhone、iPadともに下がっている今、売り上げの多様性は益々重要になってくる。Macはある程度強さを見せているが、新しい何かが成長するのを見せることは重要だ。

すべてがAppleの株価は上がり続けることを意味し、それはいくつの理由により決定的に重要だ。例えば今後も人材を集め続けなくてはならず、株価が値上がりする期待は雇用のインセンティブになる。アクティビスト投資家を排除するためでもある。Appleの会社規模では可能性は低いものの、Carl Icahnのようなアクティビストが会社を追求した前例はある。

もちろんAppleの株価が1%下がるだけで(決算報告後に実際起きた)、会社の時価総額(現在7500億ドル)数十億ドルが数分間で消滅する。しかし、改めて上のグラフを見ると、Appleが収益源を多様化しただけでなく、ストーリーをウォール街に売り込む術も会得し始めたことがよくわかる。

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PayPal、予測を上回る収益で株価は7%高

支払いサービスのPayPalは、水曜日(米国時間4/26)の市場取引終了後、第1四半期決算報告を発表した。調整後1株当たり利益44セントは、多くのアナリストが予測した41セントを上回り、直後の時間外取引で株価は7%上がった。純利益は3.84億ドルで昨年から5%伸びた。

売上も予測をわずかに上回る29.75億ドル、FactSetのアナリスト調査による予測は29.4億ドルだった。対前年比では17%の成長だった。

PayPalは、50億ドルの株式買戻しプログラムも発表した。

「再び好調な財務成績で四半期を終え、今後も財務サービスの民主化という当社のビジョンを消費者に届け、現金からデジタル支払いへの移行を世界中で推進していく」とPayPalのプレジデント兼CEO、Dan Shulmanが声明で語った。

一部の投資家は、最近のクレジットカード会社との提携が利益率に与える影響を気にしている。クレジットカードに移行するユーザーが増えると利幅は減る。しかしクレジットカードが利用できることで新規ユーザーは増える。

PayPalは四半期中に600万の新規アカウントを追加し、総アクティブユーザー数は2億300万人になったと言っている。

同社の子会社であるBraintreeはUber、Airbnb、Facebook Messengerを始めとする大型クライアントのモバイル支払いを処理している。これはPayPalがそこでの取引から利益を上げていることを意味している。

PayPalは、人気のピアツーピア支払いプラットフォームのVenmoも所有している。Venmoは企業との提携を通じて収益を伸ばしており、総支払額68億ドルは前年同期の2倍以上だった。

PayPalの総支払い金額は990億ドルでアナリスト予測と一致した。これは昨年の23%増、為替レートを考慮すると25%増だった。

PayPalは2015年にeBayから分離し、現在は時価総額540億ドルでeBayよりも大きい。株価は今年になって約13%上昇し、水曜日の終値は44.41ドルだった。

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Twitter、待望の収益予想越えで株価が10%急騰

今日午前Twitterは、予想外かつ待望の明るい四半期決算を報告した ― そして、ようやく株価が上昇した。

これは今後に向けて重要だ。なぜなら同社はウォール街に対して、独立を守りながら人材を呼び込めることを示す必要があるからだ。これまで再三見てきたように、Twitterの決算報告には株式に基づく報酬の膨大な出費が記載されている ― ただし今期は昨年同時期よりも減っている。株価は過去3か月にわたる下落のあと時間外取引で最大12%上昇した。Twitterにとって最後の「明るい話題」と言えば、買収のうわさが浮上したときといったよいだろう。そして話が立ち消えた後、Twitterの株価は現実に戻った。

Twitterの収益は今も下落しているが、落ちる速さは投資家たちの予想よりもゆっくりだった。さらに、評論家の予想よりも多くの新規ユーザーを獲得した。ユーザー成長の鈍化は同社にとって永遠の問題だ。最近サービス内容を変更したり嫌がらせ行為を抑制することで新規ユーザーにとっての魅力を高める努力をしてきたと同社は決算報告書で言っている。それが直接ユーザー成長につながっているのかどうかは定かでないが、正しい方向への一歩ではある。

Twitterは物言う投資家らに干渉させないことが課題のひとつだ。彼らは株価が下がり続けているTwitterを安易なターゲットだと思っているかもしれない。CEO Jack Dorseyは、今後もSquareとTwitterの両方を経営していくと語った。もし事業の不調が続けば、そのことがウォール街の不満を引き起こし、投資家が上層部の変更を要求するきっかけになるかもしれない。

SnapのIPO成功を受け、Twitterはさらに厳しい監視の目に曝される可能性が高い。ビジネスは依然として低調だが、第一四半期のサプライズは、会社にとって決定的に重要な時期にやってきた。Facebookは前進を続け、Snapは膨張するコストの懸念をよそに巨大なユーザー基盤を誇っている。Twitterが広告主だけでなくウォール街に対しても優位にたつためには、こうしたヒットを続けていく必要がある。

Twitterの予測を上回る第1四半期決算の詳細はこちら

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テクノロジー株の急騰でNASDAQ総合指数が初めて6000に到達、とくに上位5社が順調

Nasdaq総合指数が初めて6000を超え、これまでで最高の日中最高値に達した。1年前に比べて指数は32%上昇した。

この強力なパフォーマンスの大半は、同じく急騰した5つのテクノロジー株によるもので、Apple, Facebook, Amazon, Microsoft, およびAlphabetが2017年における指数上昇の約40%を占める

これらの株のすべてが、過去6か月のどこかで史上最高に達し、その多くが過去数週間でさらに新たな高値に達した。

もちろん最近は株式市場全般が急騰しており、前年比でS&Pは20%、Russell 200は30%上昇した。この強気反騰の原因を特定するのは困難だが、ホワイトハウスの今後の法人税改革への期待感に帰せしめる説が多い。また、過去数四半期におけるテクノロジー企業の一般的な高収益も寄与している。

意外でもないことだが、これら5社は時価総額でもNASDAQのトップ5であり、6位は5位のFacebookより2500億ドルも少ない(下図)。

なお、Nasdaq総合指数は現在NASDAQで取引されているすべての株式のインデックスである。このインデックスには時価総額が重みとしてかかっているので、大きな企業ほどインデックスに与える影響も大きい。

上記5社は来週ぐらいに決算報告を出す。前四半期に関するアナリストの予想を彼らが満たす、あるいは上回ることができるのならば、今の強力な成長が今後も続くことになるだろう。

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コーヒー豆の等級分けロボットとブロックチェーンを使って生産農家に公正な支払いをするBext360

コーヒーは、石油に次いで世界で二番目に大きい貿易商品だ。Fairtrade Foundationの推計では、およそ1億2500万の人びとがコーヒーの栽培で生計を立てている。その多くが小農または農業労働者で、世界銀行の調査では家族が1日2ドル未満で生活している。そこで、デンバーのBext Holdings Inc.は、これらの農家が豆の公正な価格に見合う代金を容易にかつ迅速に得られるようにしたい、と考えた。

同社は、見たところ高級な秤(はかり)に見えるモバイルのロボットを作った。バイヤーはこのロボットを農家の農地で使ってコーヒー豆の品質を分析し、計量する。ロボットは一回分(30〜40ポンドの袋に詰める)の豆をサイズで選り分けて、良品の比率を計算する。そして優・良・可などのマークをつける。もちろんそのマークは、バイヤーと農家の両方に見える。そして彼らは、Bext360のモバイルアプリを使って公正価格を交渉する。

同社のアプリとクラウド上のソフトウェアは、Stellar.orgのブロックチェーン技術を使って、豆の生産者生産地、バイヤーと支払い金額、などを記録する。CEOのDaniel Jonesによると、コーヒーを飲む人も、カップ一杯ごとに、コーヒーの産地や、農家が公正な代金をもらったかどうかを、分かるべきだ、という。

“そうすれば、消費者はこれまでになく啓蒙される。そしてコーヒー業界の企業は、彼ら消費者の高いスタンダードを満たそうとする”、と彼は語る。“でも今日一般的には、フェアトレードを推進する人たちにとって、いろんな材料やデータを調べる仕事がたいへんすぎる。調べる方法も、原始的だ。だから精度も低い。そして産地の農民たちは、依然として搾取されている”。CEOの目標は、コーヒーのサプライチェーンに完全な透明性をもたらし、またカカオなどそのほかの産品にもそれを拡張することだ。

アグリテックを手掛ける前のJonesは、コンゴ民主共和国から金属をアメリカへ輸出する企業を創業した。その仕事を通じて、すべてのサプライチェーンの要件とトレーサビリティーを定めたDodd-Frank Act(ドッド-フランク法)の存在を知った。彼はまた国防情報局(Defense Intelligence Agency)でも働き、トップシークレットなネットワーク上で音声とビデオとデータを送信する通信システムを作った。というわけでJonesは、西側の顧客の利益のために途上国で事業をするやり方を、よく知っている。そして彼は、官僚主義との付き合いを恐れていない。

Bext360はローンチ時に、SKS Venture Partnersから120万ドルのシード資金を獲得している。SKSは主にフィンテックに投資している家族経営のVCだ。Bext360に投資したMark Spencerは曰く、“スマートフォンを利用して支払いを農家に直接行う。不当な中間搾取をする仲買がいない。この点に注目して投資をした”。

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米ウェルズ・ファーゴ、Apple PayとAndroid Payの現金引き出しに対応

米銀行大手のWells Fargoは、スマートフォンまたはスマートウォッチを使って全米1万3000台のATMで現金を引き出せるようにするとついさきほど発表したMacRumorsによると、同銀行はApple Pay、Android Pay、およびSamsung Payに対応する。現在5000台のATMがNFC支払いシステムに対応済みで、それ以外は後日対応する。

TechCrunchは1月末にBank of AmericaとWells Fargoの両行がATMネットワークにApple Payを追加する計画であることを報じた。Bank of Americaは昨年夏 からカードレスATMの導入を開始しており、Apple Pay、Android Pay、Samsung Pay、およびMicrosoft Walletに対応した。

Wells Fargoも同じ戦略で、ただしMicrosoft Walletを除外しているが、誰も気にしないだろう。カード取引にクレジットカードを使っている顧客は、デビットカードを持ち歩かなくてすむので便利になる。

NFCリーダーにスマホをかざし、指紋認証をした後さらにPIN(暗証番号)を入力しないと現金は引き出せない。

古い携帯電話を使っている人も、Wells Fargoアプリを使ってデビットカード無しで現金を引き出せる。登録を済ませると8桁の一時利用コードが発行されてプラスチック製カードの代わりになる。

これで、CitibankとChaseが将来Apple PayとAndroid Payに対応することになるか注目だ。

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MuleSoftは上場初日に46%アップで終わる、エンタープライズ系テク企業への市場の信頼厚し

今年最初のエンタープライズ系テクノロジー企業のIPOは、レースの始まりを告げた。

MuleSoftは企業顧客、たとえばNetflixやSpotifyなどが、いろんなサービスやアプリケーションのAPIを統合的に使って自らのビジネスニーズを満たすタスクを助けている。その同社は今日、17ドルのIPO価格に対して24ドル75セント、46%のプレミアムで引けた。その17ドル自体も、予想レンジの14-16ドルより上だった。

同社はIPOで2億2100万ドルを調達できたが、17ドルではなく20ドルだったらもっと調達できただろう。銀行家たちは通常、初日のご祝儀として20-30%の短期上昇を期待する。同社の価格が低すぎたら、彼らはお金を“テーブルの上に残した”(持ち帰らなかった)ことになる。

Snapの場合も同様で、やはり17ドルのレンジを超え、初日には大きく上がった。しかし2週間後の現在は、すでに20ドル以下になっている。

主に機関投資家と、引き受け銀行と仲の良い高資産の個人たちが17ドルでアクセスするのがIPOのスタンダードだが、今日(米国時間3/17)のMuleSoftは24ドル25セントで明けたから、24ドル75セントの仕舞いは、ふつうの投資家にとってかなり小さな儲けだ。

MuleSoftは金曜日(米国時間3/17)に、“MULE”というチッカーでニューヨーク証券取引所に上場した。NYSE(ニューヨーク証券取引所)にとってそれは、Snapの上場に続く再度の勝利だ。

MuleSoftは昨年の売上が1億8770万ドルで、2015年に対し1億1030万ドルの増、前年比では5760万ドルの増だ。純損失は4960万ドルで、前年の6540万ドルから減った。

【中略】

同社の最大の株主(17.1%)であるLightspeed Venture PartnersのパートナーRavi Mhatreによると、彼は初期からMuleSoftが良い投資対象だと認識していた。なぜなら同社は、ファウンダーたちが“明確なビジョンを”持っていたからだ。LightspeedはSnapとNutanixの最近のIPOでも投資したが、Mhatreが言う、勝者を見分けるコツとは、それが“スケーラブルで粘り強い”企業であることだ。

Battery VenturesのDharmesh ThakkerはMuleSoftへの投資の機会を逸したが、一般的にエンタープライズ系企業のIPOに対して楽観的だ。消費者向け企業のIPOと違ってエンタープライズ系のIPOは、“爆発的な上がり下がりがなくて安定成長が期待できる”からだ、と彼は言う。エンタープライズ系企業は、そのビジネスモデルに関しても、将来の予期不能の激変がないことが期待できる。だから、上場企業として適格なのだ。

【後略】

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Bitcoin、ウィンクルボスETFの申請をSECが却下して15%安

SEC(証券取引委員会)はWinkelevossのbitcon ETF申請に関する裁定を発行し、その内容はbitcoin支持者にとって良いニュースではなかった。規制当局が申請を却下した主な理由は、bitcoinを取り巻く規制が整備されていないためだ。

承認されていれば、一般大衆が米国の株式市場で取引されている株式をETFで買うだけでbitcoinに投資できるはずだった。

ETFが承認されれば、デジタル通貨には投資したいが自分で購入することには抵抗のあるウォール街や一般投資家の人々に門戸を開くことになる。そうやって新たな投資家が参入することでbitcoinの価格は上がる。

しかし、ニュースが出回るや否やBitcoinの価格は1295.00ドルから約22%安の1000ドルに急落した。その後1120ドル前後で安定しているが、これでも14%下がっている。

裁定に関するSECの説明によると、Bitcoin ETFは、商品の扱われる市場を証券取引所が規制、監視するとしている現行規則に沿っていない。要するに、現在bitcoinが取引されている市場は、そこを利用して現金化を行うETFに十分対応できるだけの規制が存在していないということだ。

Tyler WinklevossはForbes宛てにメールで声明を発表した。「われわれは今も楽観的でありCOIN[ETFが提案するティッカー・シンボル]を市場に登場させることに全力を注ぐ。今後もSEC担当者と調整を進めるつもりだ。われわれがこの旅をスタートさせたのは4年近く前であり、目標を達成させることを強く決意している。規制と監視はあやゆる市場の健全を保ち投資家全員の安全を取るために重要であるというSECの考えに同意している。

現在これ以外にも2件、bitcoin ETFの申請が審査中だが見通しは芳しくない。なぜなら当局が問題にしているのはWinkevossのETFそのものではなく、bitcoin全般を取り巻く規制が整っていないことだからだ。この問題は、bitcoin市場が十分に成熟して既存の株式、商品相場、デリバティブ等の市場と相容れる規則が作られるか、証券取引法がbitcoinを例外とするよう改訂されるまで続くだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snap、公開3日でつまずく。値上がり分帳消し

Snapchatの親会社、Snap Inc.は先週木曜日(米国時間3/2)に市場デビューを果たし、最初の2日間でいきなり大きく値を上げた。しかし、興奮の波はすでに去っている。3日目には12%以上暴落落した。

金曜日に27.09ドルで引けたSnapの月曜日の終値は23.77ドルと取引初日の始値24ドルを下回った。これでもまだIPO価格の17ドルより高いが、その価格で買うことができたのは選ばれた一部の投資家と資産価値の高い個人だけだ。

「この銘柄は少々しぼみ始めている」とRenaissance Capitalの代表、Kathleen Smithは言う。「株価はすでに本質を見ている人々の期待を超えている」と言ってSnapの水準以下の財務状態を指摘した。

IPO向けETFの管理もしているSmithは、Snapのすでに350億ドル(希薄化後)という時価総額に驚いたという。「この会社はアプリでガンでも治さない限り」評価額を正当化できない、と皮肉った。

Snapの空前の時価総額は既にAmerican AirlinesとHershey’sとHilton Hotelsを上回っている。今日の値下がりを見る限り、一部の投資家はSnapのアプリがこれに値するかどうか不安視していると思われる(同社にはSpectaclesというハードウェア製品もある)。

それでも全体的に見てIPOは成功と言えるだろう。株式発行により会社には34億ドルが入った。投資家の関心が強かったことを考えると、IPO価格をさらに上げて40億ドル以上調達することも可能だったかもしれない。

今回Snapがこれだけ熱意をもって迎えられたことは、他のテク系IPO候補にとって良い兆候と言える。AirbnbやUberを始めとする高い評価額の「ユニコーン」が何社も列をなしている。

数多くのIPO候補が上場をためらっているのは、最後の調達ラウンドよりも低い評価額になる恐れがあるからだ。Squareはその典型例だが、最終的には非公開時の評価額である時価総額60億ドルで取引された。

果たしてSnapがFacebookのように公開市場で大躍進するのか、それともTwitterのように乱高下するのかは時が教えてくれるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

プログラミング能力のない人でも株式市場で独創的なアルゴリズム取引ができるAlgoriz

Computer screen displays laptop graph  of financial trends.

株取引の儲かるアルゴリズムを思いついたら、それを自分で実装するか、または優秀なデベロッパーに実装を頼めばよい。でも、そんなことをしてたら機会を逃す、とお思いのあなたは、一体どうしたらよいか?

そんなとき助けてくれるのが、Y Combinatorの2017年冬季で勉強中のAlgorizだ。ファウンダーでCEOのSoraya TaghaviはGoldman Sachsで実際に株の売買をやってた人、そのとき彼女は、アイデアのあるトレーダーと、そのアルゴリズムを実際にプログラミングできる人を結びつける必要性を痛感した。そこで彼女は、アルゴリズムをふつうの英語で書けばそれがアプリケーションとして動く、というプラットホームを作った。

まず、アルゴリズムの書き方はこうだ: “If SNAP is up 3% from yesterday, and the S&P is down, sell 100 shares of SNAP”(SNAPが昨日より3%上げてS&Pが下げたら、SNAPの株を100株売る)。そのプラットホームは、S&Pのほかにも、さまざまな指標をサポートしている: ボリンジャーバンド、指数的変動平均、変動平均の収束と発散、などなど。

利食いをするタイミングや、最大許容損失なども指定できる。Algorizはふつうの文章による入力をアルゴリズムに変換し、そのプラットホーム上で24/7動かす。

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自分が考えたアルゴリズムを、過去のデータを使ってテストできるし、もちろん時価で動かすこともできる。

Algorizにはまだ、実際の売買の機能はないが、市場が、そのアルゴリズムに該当する状態になってきたら、メールで通知をくれる。実際に売り買いをせよ、という合図だ。今後実際に証券会社の機能を実装したら、その利用(株の売買)に関してはもちろん手数料を取るが、Algorizの利用料は無料になる。実際の売買に他の証券会社を使う人は、Algorizの使用が有料になる。

Algorizは今後、そのプラットホーム上で優れたアルゴリズムを作ったトレーダーと、資金力のある人を結びつける、マーケットプレースにもなりたい、と言っている。またアルゴリズムの扱い商材も、普通株だけでなく、通貨や先物取引にも広げたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

1ビットコインの価値が金1オンスを超えた

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史上初めて、1 bitcoinの価格が金1オンスの価格を上回った。

今日の交換レートはbitcoinにとって良い日(~3%高)であることの象徴と言えるが、金にとっては悪い日(~1.3%安)だった。長期的に見るとbitcoinがこの一年で2倍以上(1年前の185%高)になったのに対して、金の価格は1年前から事実上変わっていない。

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bitcoinと金はどちらも代替資産と考えられているが、ふつう両者の取引に相関はない。
それでもbitcoinが(少なくとも一時的に)金の価格を上回ったことは注目に値する。金は文字通り代替資産の「金字塔」であり、投資家の間では不動産や株式等の伝統的資産の潜在的損失に対するリスクヘッジとしてよく利用されている。

bitcoinが初めて登場した時、いずれは金に代わる代替資産となり投資家が価値保存手段として使うと多くの人が予想した。そうならなっていない理由は、bitcoinへの投資が未だに複雑であることや、価格が不安定なこと等いくつもある。今日の交換レートは、主要投資家の間で投資ポートフォリオにbitcoinを入れる人が増える可能性を示唆しているのもしれない。

しかもbitcoinへの投資は近々ずっと簡単になるかもしれない。SEC(証券取引委員会)はWinklevoss bitcoin ETFを承認するかどうかを間もなく発表する。実現すれば米国市場初のbitcoin ETF(上場投信)となり、ウォール街や一般投資家は今よりずっと簡単にこのデジタル通貨を買えるようになる。

先週bitcoinは史上最高値を記録した。理由の一つはETFに関する憶測だ。その他の理由についてはこの記事を参照されたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snapchat、IPO初日は44%で引ける

NEW YORK, NY - MARCH 2: (L to ) Snapchat co-founders Bobby Murphy, chief technology officer of Snap Inc., and Evan Spiegel, chief executive officer of Snap Inc., prepare to ring the opening bell as Thomas Farley, president of the NYSE, looks on, March 2, 2017 in New York City. Snap Inc. priced its initial public offering at $17 a share on Wednesday and Snap shares will start trading on the New York Stock Exchange (NYSE) on Thursday. (Photo by Drew Angerer/Getty Images)

Snapchatの親会社、Snapはニューヨーク株式市場ですばらしいデビューを飾った。昨日(米国時間3/1)IPO価格17ドルで上場したSnap株は、24ドルで取引きが始まった。終値は24.51ドルとなり投資家は最大44%の利益を手にした。

しかしどこの会社でもそうだが、誰もがIPO価格で買えるわけではない。通常は一部の基幹投資家や富裕層等の銀行に優偶されている人々のために予約されている。ほとんどの投資家は今日まで買うチャンスがなく、したがって利益ははるかに少ない。

今回のデビューは2013年に上場したTwitterのケースによく似ている。同社は取引初日は好調だったが続く数ヵ月に大きく乱高下した。それに対してFacebookは初日に募集価格そのままで引けるという厳しい状況だった(通常は初日に20%程度の高値になるように価格を設定する)。しかし、その後時間をかけて株式市場で花を咲かせた。

Snapchatの上場時期は会社の歴史上興味深いタイミングだ。多くの会社が、UberやAirbnb等のように著しく高い評価額で上場したのに対して、Snapchatは収益化の早期段階で株式公開することを選んだ。おそらく市場から過大評価と見られる前に上場すべきと考えたのだろう。

しかしSnachatは成長が鈍化する中で上場する結果となった。Instagramに「Stories」機能を真似られたことも一因かもしれない。そして売上は急成長しているものの損益は大幅なマイナスだ。

Snapchatの初期の投資家でGeneral Catalystでマネージング・ディレクターを務めるHermantはSnapchatに早くから注目した理由を「豊富なイノベーション」だと説明する。ファウンダーのEvan Spiegelは「ユーザーの行動を変えさせることなく役立つテクノロジーを作るという信念を持っている。刹那的なコミュニケーションはまさにそれだ」と話した。

Facebookと異なりSnapchatの画像は見た後自然消滅するのが基本で、多くの人々が疑問をもった。しかし結果的には大衆に受け入れられることを証明した。今日の株式市場デビューはテクノロジー史上重要な出来ごとだと言える。


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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SnapのIPO、評価額は約240億ドルに設定

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SnapはIPOの最終価格を決定し、1株当たり17ドル、時価総額約240億ドルに設定したとThe Wall Street Journalが報じた。

これを見ると、Snapのビジネスがいくつもの大きな問題を抱えているにも関わらず、ウォール街は大きな興味を抱いているようだ。ユーザー成長の鈍化や出費の増加、Google、Amazonへの依存度の高さなどは、今年初めて - かつ最近の記憶の中では最大 ― のテク系IPOへの需要を抑制するほどではなかったらしい。SnapはこのIPOで34億ドル近くを調達する目論見だ。

Snapは2月始めに上場を申請し、広告ビジネスが2015年の売上5900万ドルから2016年の4億ドルへと急成長したことを示した。しかし一方で同社は、1日当り1.5億人のアクティブユーザーがいるものの成長速度は鈍っており、経費は4.5億ドル近くに膨れ上がっていることを明かした。この数週間Snapの幹部とCEOのEvan Spiegelは、各地の投資家を訪れて同社の株を売り込み、懸念を払拭しようとしている。

いずれにせよSnapのIPOは少し変わっている。Snapが売り出すのは議決権のない株式であり、それはこの会社に賭けようという投資家が会社の方針に一切口を出せないことを意味している。基本的にこれは、会社がこのまま成長を続け、Spiegelらが立てた戦略によって経費問題は収束して会社の方針に影響を与えないことに賭けることになる。もちろん株価を高く維持することは社員の引き止めや採用のためにも重要だが、Snapの運命はいまもSpiegelがすべて握っている。

Snapは株価をこれまでに設定した範囲よりも高く設定しようとしてる。以前は1株当たり14~16ドル、オプションや株式転換を含め評価額195~225億ドルの範囲だった。もっともこれは十分予測されたことだ。この手の株価は投資家の関心を判断するために往々にして低めに設定されるからだ。ウォール街とSnapがこの間のどこかに落ち着けば、誰もが利益を得て取引き初日に値が下がるようなことにならないだろう。

Snapの正式なIPO株価は今日の取引き時間終了後に提出される申請書類でわかるが、最終的には上場手続きを始めた当初に公表した評価額に近い価格に落ち着くものと思われる。同社の株式は明日(米国時間3/2)の午前から取引きが開始されるので、そこでようやく今年のIT株に対する投資家の欲求が見えてくる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

企業のITのために“アプリケーションのネットワーク”を作るMuleSoftが3月にIPOへ

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Webとクラウドとモバイルの時代の新しいタイプのシステムインテグレーターMuleSoft日本)が、最新の“unicorn”〔評価額10億ドル以上のスタートアップ〕としてIPOをねらっている。同社はNetflixやSpotifyのような企業にもAPIを提供しており、その財務をS-1ファイルで公開している。それによると、IPOは3月という早い時期に行われるかもしれない。

IPOの申請額は1億ドルだが、これは最終決定ではない。

上記のファイルによると、MuleSoftの昨年の売上は1億8770万ドルで、2015年にはこれが1億1030万ドル、その前年は5760万ドルだった。純損失は4960万ドルで、前年の6540万ドルから減少している。

同社はこれまで、15億ドルの評価額で2億5900万ドルを調達している。投資家は、最大株主がLightspeed Venture Partnersの17.1%、Hummer Winbladが15.8%、そしてNew Enterprise Associatesが同社の14.3%を握っている。Morgenthaler Partners, Sapphire Venture, およびBay Partnersも、大きな割合を保有している。

IPOは前から噂されていたが、最近の2年の業績不振で立ち消えになっていた。2015年には新たに上場した企業の業績が悪く、そして昨年は上場した企業がきわめて少なかった

AppDynamicsは今年のテックIPOの先鞭をつけると期待されたが、土壇場でCiscoにさらわれた。今、耳目が集まっているのはSnapだが、こちらは3月の初めに上場すると予想されている

2006年に創業された同社は、本社がサンフランシスコにある。上場はニューヨーク証券取引所で行われ、ティッカーは“MULE”の予定だ。

CrunchBase entry for MuleSoft

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Indiegogoは今年中に、見返りとして支援者特典とエクイティの両者を併用するクラウドファンディングの方式を導入

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2008年に立ち上がったクラウドファンディングサービスIndiegogoでは、支援者が何らかの“特典”と引き換えに資金を提供していた。昨年同社は、スタートアップ活性化法JOBS actに規定されているエクイティ・クラウドファンディングを取り入れた。そして今年後半には、支援者が特典とエクイティ権の両方を同時に手にする方式を導入する予定だ。〔*: エクイティ(equity)≒株、会社の将来の利益を分有する権利、権利証書。従来のクラウドファンディングの支援金の法的性質は“寄付”なので、エクイティ・クラウドファンディングはしばしば、支援者特典のある寄付ではなくて株式を得られる投資、“投資型クラウドファンディング”、と仮訳される。〕

IndiegogoのCEO Dave Mandelbrotは今日(米国時間1/6)のCESの会場で、こう語った: “企業がクラウドファンディングで初期から市場に認められるこの方式は、本当にすばらしい。エクイティ方式に関する反応は、すでにとても大きい”。

アイデアよりもプロダクト重視の企業に利点

ほぼ1年前から同社は、プロダクト主導のキャンペーンをとくに重視するようになった。それは必ずしもテクノロジー企業優先という意味ではないが、同社のクラウドファンディングのルーツであるチャリティやメディア制作(音楽、映画など)などのプロジェクトは軽視された。

Mandelbrotは述べる: “うちのサイトには今でも、アートの活動努力のための余地は十分にあるけど、でもわれわれは、プロダクトのローンチ、プロダクトのデリバリを助けることを重視したい。もちろんうちは最良のクラウドファンディングプラットホームでありたいが、マーケティング、ロジスティクス、良いパートナーを見つける、などなど、資金獲得の前や後(あと)のこともヘルプすることが重要だ。プロジェクトの所在が世界のどこであっても、彼らの起業のすべての要素を、できるかぎり支えていきたい”。

これまでの、製品の事前注文のような形を取る支援者特典と、エクイティクラウドファンディングが組み合わさるのは、時間の問題だった。

その二つには、それほど大きな違いはない。FacebookがOculusを大金を投じて買収したときは、KickstarterでOculusを支援した連中が怒り狂った。支援者の言い分は、未知の企業のリスクを引き受けたのは自分たちである、でも利益はすべてファウンダーたちが取ってしまう、というもの。これが正しいクラウドファンディングの精神なのか、そうでないのか、は別の議論だが、Kickstarter自身の見解は明白だ: 法的には、Oculusを支援した者には何の権利もない。ZuckがOculusのチームに投げ与えたキャッシュの束のわずかひときれすら、彼らに要求する権利はない

「現物」+「株式」の二足のわらじ

クラウドファンディングの期間中には、おもしろい動きが見られる。それは、ほかの場所ではありえない、リアルタイムの情報開示だ。すなわちキャンペーンをやってる間、潜在的投資者はリアルタイムで、プロジェクトの作者が支援者からの質問にきちんと応答したか、どれだけの数の支援者が集まっているか、などなど、パフォーマンスを表す測度を見ることができる。

ぼくの個人的な経験でも、成功するクラウドファンディングキャンペーンは支援者が実際にそのプロダクトを買おうかと思うから、質問が殺到するが、でも彼らはそんな、プロダクトの予約買いのようなものだけでなく、あと2000ドルぐらいをまともに投資したいのだ。今度の新しい方式では、その両方(予約特典と投資)が可能だ。

この、特典+投資方式のキャンペーンの、具体的な形はまだ明確でない。SECがこれを認め、そしてIndiegogoに、まったく新しい方式に対する十分な事務能力があれば、新しいプロダクトを世に出したくてうずうずしている若いスタートアップにとって、新しい世界が訪れるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))