巨大ミミズのように穴を掘るGEのソフトロボット

今朝ログインしたときには、巨大なミミズロボットを取材する予定は入っていなかった。しかし、それは今目の前にあり、私はそれのためにここにいる。問題のロボットはGE Researchのチームによって設計され、DARPAのUnderminer(掘削者)プログラムの一部として、250万ドル(約2億7000万円)の賞金を獲得した。このプログラムは、軍事環境での迅速なトンネル掘削を促進するために創設された。

ロボット工学における近年の流行にならって、GEチームはタスクを遂行するために、生物学的インスピレーションへと目を向けた。彼らが生み出したのは、セグメント化された巨大なソフトロボットで、巨大な機械式ミミズのように徐々に進んで行く。

ロボットの筋肉は、無脊椎動物に見られる、流体で満たされた構造の「水力学的骨格」(hydrostatic skeleton)を模倣してデザインされている。このロボットの場合、前進する際に大きな役割を果たすのがその人工筋肉であり、さまざまな地下環境に適応できるようにデザインされている。このデザインは、狭い空間に押し入る能力を伴いながら、さまざまな動作の自由を提供する。

成功へのもう1つの鍵は、地下で自律的に機能できる適切なセンサーを組み込むことだ。なにしろそのような状況下では、ロボットをリモートコントロールすることは難しい可能性があるからだ。

「これらのトンネルシステムは地下に置かれているため、ロボットが適切な場所で移動してトンネルを掘ることができるように、自律的に動きセンシングできる機能を組み込む必要があります」と、プロジェクトリーダーのDeepak Trivedi(ディーパック・トリべディ)氏はリリースで述べている。「幸いなことに、私たちは、ラボ全体から制御、AI、センシングの専門家たちを引き込んで、これらの新機能を統合することができます」。

プロジェクトは有望だが、完成はほど遠い。最終目標は、500メートルのトンネルを秒速10cmで掘り進むことができるロボットだ。なおGEのニューヨーク州ニスカユナで撮影された上記のラボビデオは、4倍に高速化されている。

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(翻訳:sako)

Ford、3M、GEが新型コロナ用の人工呼吸器やフェイスシールド製造へ

Ford(フォード)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の医療現場で働くスタッフや患者が必要としている医療機器の製造に関する最新の情報を発表した。ここには、3Mとの提携による電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)製造が含まれる。保護具の性能を確保し、増産に対応できるよう、両社が手がける既存のパーツを使用する新たなデザインとなっている。

Fordはまた、同社の3D印刷能力を活用してフェイスシールドも製造するとしていて、週10万枚の生産を見込んでいる。フェイスシールドは、最前線で働くヘルスケアスタッフが患者の咳やくしゃみを通じて広がるウイルスを含んだ飛沫から、自らを保護するためになくてはならない重要な保護用具だ。Fordは新たなフェイスシールドをデザインし、その性能を評価するために最初の1000ユニットを今週、デトロイト・マーシー大学、ヘンリー・フォード・ヘルス・システムズ、そしてミシガンのDMCサイナイグレース病院でテストする予定だ。想定通りの性能が確認できれば、今週末までに7万5000ユニットを製造し、来週以降はミシガン州プリマスにある生産施設の1つで週10万ユニットの製造を見込む。

さらにFordは、GEヘルスケア人工呼吸器の生産能力アップでGEと協業することにしている。この呼吸器のデザインは簡素化されたもので、大量生産が可能だ。こうした取り組みはヘルスケア必需品をめぐる米政府の要望に応えるためのもの、と同社は述べた。米国にフォーカスしたGEとの人工呼吸器プロジェクトに加え、Fordはまた英政府からの要請に基づき同国でも人工呼吸器の製造に取り組んでいる。そして、2020年初めに同社が米国から中国に送ったN95マスク16万5000枚を米国に送り返している。米国での需要が大きいからだと同社は説明。加えて、中国の状況は改善している。

週末にトランプ大統領はFord、GM、Tesla(テスラ)といった米国の自動車メーカーに、人工呼吸器や他のプロダクトをなるだけ早く生産するよう「ゴーサイン」を出したとツイートした。

「我々は米国と英国の政府と事前協議を行い、実現可能性について調べた」とFordの広報担当Rachel McCleery(レイチェル・マッククリーリー)氏はTechCrunchに述べた。「危機に立ち向かうため、皆がこれまで以上に力を合わせて国をサポートすることが必要だ」。

今回のアップデートに基づくと、Fordは貢献できる部分にかなり素早く取り組んでいる。同社は多くの需要がある医療備品を生産するために自前の施設、そしてパートナー企業の施設も使用するつもりだと24日の電話会見で述べた。そしてまた、生産能力と生産量をアップするために既存のパーツや設備を活用する。

例えばFordが生産するPAPRは同社のF-150トラックの冷却シート用の部品や3Mの既存のHEPAフィルターを使っている。こうしたPAPRはバッテリーで動く。1つのバッテリーで8時間駆動して空気中のウイルス微小物質をフィルターで除去できるため、N95マスクよりもかなりの利点がある。交換できる独立型のバッテリーパックは腰につける。生産のタイムラインや能力についてはというと、3MのグローバルテクニカルディレクターのMike Kesti(マイク・ケスティ)氏は、まだそれを確かめているところであり、特に新バージョンの生産に入る前にFordが既存のPAPRの生産をどれだけ補強できるかを精査している、と話した。

「Fordは我々の既存のユニットの生産能力拡大をサポートしてくれている」とケスティ氏は述べた。「今後数日から数週間で既存の製品の増産という形で成果が現れるだろう。しかし我々はFordが保有する部品、そしてNIOSH(米国立労働安全衛生研究所)の規格をクリアした弊社フィルターの活用でも緊密に連携している。可能な限り早期の生産拡大を目指す」。

Fordはまた、既存のN95マスクの生産拡大でもM3をサポートしている、とも同氏は述べている。

FordもGEも、現在取り組んでいる新しいタイプの人工呼吸器のタイムラインや予想される生産能力などは示していない。しかしGEヘルスケア副社長で品質責任者のTom Westrick(トム・ウェストリック)氏によると、発表できるよう鋭意進めているとのことだ。

「新たな人工呼吸器のでデザインやリリースに関する具体的なタイムライン、数字は持ち合わせていない。しかし明らかにこれはGE、そしてFordにとって最重要のものだ」と同氏は述べている。

画像クレジット: Ford

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(翻訳:Mizoguchi

TeslaとGEが全米50のHome Depotsのルーフトップに太陽光発電設備を設置中

Teslaのエネルギー部門は、米国内の50のHome Depot(米国では有名なホームセンターのような店舗)のある場所に太陽光発電システムを設置しようとGEのCurrentと協力している。この設置事業は、Home Depotによる店舗電力の更なるクリーン化の一環として行われているものだ。Bloombergによれば、2020年までに、それらの設置場所から135メガワットのクリーンエネルギーを得ることが目標だ。

これらの発電所から得られた電力は、電力不安を抱えるニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、カリフォルニア、ワシントンでHome Depotに売却される、6店舗ではTeslaの蓄電設備(Powerpack)が利用され、ピーク時に生成された余剰電力を後で使用することができる。このソーラーシステムの設置により、店舗が電力会社から調達する電力は少なくとも3分の1に削減されることになる。

TeslaのSolarCityは、これまでカーポートや住宅の屋根の上へのソーラーパネルの商用設置に取り組んできた。エネルギー部門の買収後、その領域はますます広がり、例えば世界中で、様々な再生可能エネルギー発電設備のための、蓄電システムの構築などが行われている。

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(翻訳:Sako)

GEの小さなロボットたちは、ガスタービン検査の大きな課題を解決してくれるかもしれない

稼働中のガスタービンを検査することの困難さを想像して欲しい。高熱であるだけでなく、ブレードは常に回転している。このためカメラを内部に入れてタービンを観察することは極めて困難である。ニューヨークのニスカユナにあるGEグローバル研究センターのチームは、こうした課題を解決するためにデザインされる、小さな実験的ロボットたちに取り組んでいる。

従来エンジニアたちは、内部で回転するタービンブレードの様子を観察するために、タービンシェルに予め開けられた穴に、ボアスコープと呼ばれるカメラを差し込んでいた。しかしこの手法には多くの制限がある。「従来の方法では、各コンポーネントを検査するためにカメラを正しい方向に保ちながら、タービンのすべてのポイントにナビゲートしていくことは困難です」とGEグローバル研究センターのロボットエンジニア、Kori MacdonaldはTechCrunchに対して説明した。

さらに、エンジニアがブレードの保護コーティングの傷などの問題をボアスコープで特定できたとしても、タービンを開かずにそれを修理する方法はない。つまり、タービンを停止し、それを開けて、問題のブレードを見つけて修理を行うことを意味する。この作業には最大12時間ほどの時間が必要で、その間タービンは停止したままだ。

より良い方法を見つける

科学者たちとエンジニアたちのチームがこの問題に取り組み、その「タービン外科医(The Turbine Surgeon)」プロジェクトの一部として幾つかの創造的解決策を見出した。彼らはまず、回転中のブレード間を移動するように設計された小型で柔軟なロボットのプロトタイプを開発し、エンジニアたちが、タービン内部で起きていることのビューを、ボアスコープよりも包括的に取得できるようにした。

彼らが私たちに示したプロトタイプは、PCカードほどの大きさで、きわめて明るいLEDライトと様々な方向を向く小さな高解像度カメラを備えていた。オペレーターは、プロジェクトの一部として開発したソフトウェアを使用して、カメラを操作しながらロボットをブレード間で移動させることができる。このアプローチによって、さまざまな画像を取得し、特定のブレード上の問題をよりよく理解することができるようになる。

このデザインが可能になった理由の一部は、小さなチップで利用できるコンピューティングパワーを伴う各コンポーネントの小型化だ。より効率的なLEDライトと高解像度カメラを組み合わせることで、チームは電池を使い切ることなく完全な検査を行うことができるロボットを作り出すことができた。

問題の再考

携帯電話のアプリ上の仮想ジョイスティックで、Crawlerロボットを制御することができる。写真: Veanne Cao/TechCrunch

これによって、起きていることに関するよりよい観察を行なうことができるようになったが、それでもまだ軽微な修理に対してもタービンを止める必要性に直面していた。この問題を解決するため、さらに同様のロボットが作成されたが、これには小型修理キットが付属していた。ソフトウェアでロボットを制御している人は、遠隔で修理モジュールを開け、破損したコーティングの上にチューブから材料を射出し、修理キットに付属した小さなパドルを使ってそれを滑らかにすることができる。このアプローチによって、ブレード上のコーティングをより積極的にメンテナンスすることが可能になる。

「タービンケースを開かずにタービンのメンテナンスを行うツールを開発することもできます。時間を節約できることは勿論ですが、発見次第修理を行うことができることで、部品に対する更なる損傷を減らすことが可能になります。これは喩えて言えば、歯のエナメル質にちょっとした問題を発見した際に、後で大きな虫歯の穴を治療するのではなく、その場でフッ素化合物を使って治療してしまうことに似ています」とMacdonald氏は説明した。

彼らはまた私たちに、”The Crawler”(這うもの)と呼ばれる小さなロボットを見せた。これはタービンブレードに自身を固定するための磁石のタイヤをはいた、マッチボックスのトラックのようにみえる。他のタービン外科医ロボットたちと同様に、これもLEDライトとカメラを搭載している。しかし回転するタービンの間を移動するようにデザインされた他のロボットたちとは異なり、これはブレードの上を自走するようにデザインされている。

オペレータは、スマートフォンアプリ、または仮想ジョイスティックのように動作するラップトップのアプリケーションを介してロボットを制御し、ブレード 上を移動することができる。修理キットロボットの場合と同様に、このロボットにも修理や他の仕事を行なうためのモジュールを装着することが可能だ。

これらのロボットはまだ試作段階のものに過ぎず、私達にはまだその柔軟な検査や修理を行なうロボットの写真は撮影させてくれなかったが、このプロジェクトはタービン検査の課題に異なる視点を取り入れようとするものだ。ボアスコープは単にこれまでのやり方で、誰もそのアプローチに関して再考することを思いつかなかったのだ ― このチームが検査問題に新しい視点で取り組み始めるまでは。

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(翻訳:Sako)

Desktop Metalが金属部品の3Dプリンター市販へ―クリーン環境で大量生産可能

今日(米国時間4/25)、Desktop Metalは金属加工が可能な3Dプリンターの価格その他の情報を発表した。Desktop Metalのプリンターは鋼、アルミニウム、チタン、銅を含め、数百種類の金属素材を使用することが可能だ。このスタートアップの共同ファウンダー、CEOのRic FulopInによれば、出力された金属パーツの品質はインジェクション・モールドと同等だという。

金属部品の3Dプリンターは10年前から存在したものの、取り扱える金属の種類や出力の速度、使い勝手などに数図の問題を抱えていた。金属は融点の温度が高いため、プラスチックのように容易に取り扱えないということも原因の一部だ。

Desktop Metalでは自社の3Dプリンティングのコアを「マイクロ波による強化焼結テクノロジー」と呼んでいる。このプリンターは、金属の薄層を重ねて焼結する。この際に用いられるのは金属とセラミックの微粉を混ぜた柔らかいポリマー素材を収めたカートリッジだ。この金属素材はDesktop Metal自身を含め、有力な積層マニュファクチャリング(additive manufacturing)メーカーによって供給される。ポリマー素材が3Dプリンティングによって成形されると、炉で急速に加熱される。焼結の際にポリマーは燃え尽きる。排ガスは活性炭フィルターで浄化される。

この過程で金属微粉は融着するが、全体が溶けて形が崩れる温度までは加熱されない。 セラミック層に挟まれた部分では金属同士は融着しない。そのためDesktop Metalの3Dプリンターで出力された金属部品はサポート部分から手で取り外すことができる。

初期の金属3Dプリンターはレーザーを用いて極めて高温で焼結を行っていた。これは航空宇宙、自動車などの産業で高密度で極めて高い強度を必要とする部品の成形に利用されていた。特に医療分野ではインプラントやデバイスなど少量で複雑な形状の製品の出力に用いられている。こうした製造方式を利用できるのは通例、GEのような十分なリソースをもつ巨大企業に限られていて。事実GEはグループのベンチャーキャピタルを通じてDesktop Metalに投資している。またGV(以前のGoogle Ventures)、 BMW iVentures、Lowe’s他のグループも投資に加わっている。

GEは昨年、この分野でArcamとSLM Solutionsの2社を買収している。買収金額は合計で14億ドルだったと報じられた。積層マニュファクチャリングでは
3D SystemsRenishawEOSStratasysなどが製品を提供している。しかし Fulopによれば、年間売上1兆ドルの金属部品市場のうち、金属3Dプリンティングは合計で10億ドル相当しか提供していないという。

積層マニュファクチャリングという広い範囲で考えると、Wohlers Report 2016によれば、昨年の売上総額は51億ドルだった。スピードと安全性などの理由からますます多くのメーカーが金属部品の3Dプリンティングを採用しようとしている。

金属部品の従来の鋳造方法では大型の機械を操作しなければならず、高い騒音レベルや高熱と排ガスを撒き散らすなどの問題があった。また作業過程で多数の薬品を必要とした。このため作業者にとって危険性をもつ環境となっていた。積層マニュファクチャリングの場合は、プロセスがシールドされるため作業者に対する危険性は大幅に低下する。

Desktop Metalの3Dプリンターから出力される金属部品は手で取り外せる

Desktop Metalでの新しいプロダクション・システムは専門の技術者が付ききりで操作することなしに複雑な形状の金属部品を高速かつ安全に大量生産することを可能にする。同社によればDesktop Metal Productionシステムは従来製品に較べて100倍高速で一時間あたり 8200cc(立方センチ)の金属加工能力があるという。

研究者、デザイナー、開発エンジニアなど向けててDesktop MetalはDesktop Metal Studioを開発した。これは工場ではなく一般のオフィス環境で利用できるシステムで、換気システムや焼結炉を加熱するガスのタンクなどの特別な外部装置を必要としない。

Desktop MetalのStudioとProductionの両システムが出力する製品は後加工の必要なしにそのまま金属部品として利用可能だという。部品は3Dプリンターから手で取り出すことができる。金属であれプラスチックであれ、従来の3Dプリンターは出力後、なんらかの後加工を必要とするのが普通だった。

Desktop Metal Studioシステムは一式が買い切り価格12万ドルでこの9月から出荷される。これにはプリンターに加えて焼結炉が含まれる。オフィスや研究室ではシステム月額3250ドルでレンタルすることが可能だ。Desktop Metal Productionシステムは2018年に出荷され、42万ドルの買い切りとなる。

画像: desktopmetal.com

〔日本版〕GEではジェットエンジンの部品製造に金属3Dプリンティングを採用して大きな成果を挙げているとして下のようなビデオ(日本語字幕付き)を公開し、実用化に至る過程も詳しく紹介している。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GE Digitalがフィールドサービス支援のServiceMaxを9億1500万ドルで買収

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GE Digitalは本日、クラウドベースのフィールドサービス支援事業を行うServiceMaxを9億1500万ドルで買収したことを発表した。ServiceMaxが2015年に8200万ドルを調達したシリーズFでは、同じGEグループのGE Venturesが出資に加わっていた。

おそらく、読者が思っている以上にこの2つの企業の共通点は多いだろう。GEはPredix Platformと呼ばれるプラットフォームを運営し、IoTデバイスに搭載されたセンサーから受け取った情報を活用して、顧客となる企業が各種のアプリケーションを構築できるというサービスを提供している。GEはこれまでにもIoT業界に大きく力をいれており、MRIや風力タービン、航空機エンジンなどの巨大な機械から得たデータを顧客に提供することで、顧客による機械のメンテナンスに役立てている。

実際、先日私がServiceMaxの共同創業者兼バイスプレジデントであるAnthani Krishnaprasadに取材したとき、彼はIoTデバイスに搭載されたセンサーから得た情報を企業に提供することで、企業がまったく新しいビジネスモデルを構築することができるという未来について話をしていた。その時に彼が話していたServiceMaxのビジョンによれば、病院などの医療機関は今後、MRIなどの医療機器を「購入する」代わりに、稼働時間に基づいて発生する料金を支払うようになるという。

そして、ベンダーが医療機器の稼働状況をモニターし、メンテナンスをするようになる。センサーから得たデータによって、どのパーツが故障寸前なのか、それとも定期的なメンテナンスが必要なのかということを知ることができるのだ。彼はこのサービスを「結果ベースのサービス」と呼んでいる。

「データを分析してビジネスのプロセスを変え、それによって効率的なビジネスとより良い顧客サービスを実現することで、企業は大きな成功を掴むことができるのです」とKrishnaprasadは説明する。

GEがこれまでの単に機械を販売するというビジネスモデルから、SeviceMaxのビジョンに似たビジネスモデルへと転換しつつあるということを考えれば、この2社が手を組んだことは当然の成り行きだと言えるだろう。

「この買収は、Predix Platformにまつわる一連の技術のクオリティを高め、”Industrial Internet”という私たちのビジョンを推進することを目的に実現したものです」と話すのはGE DigitalのCEOを務めるBill Ruhだ。「生産性の向上はIndustrial Internetには欠かせない要素です。そして、デジタル産業戦略を成功させるために重要となるのが、フィールドサービス支援事業のデジタル化なのです」と彼は加える。

2007年に創業のServieMaxはこれまでに2億ドルを調達している。買収金額の9億1500万ドルという数字は、同社の投資家にとっては悪くないリターンだと言えるだろう。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Amazonが自動注文サービス(DRS)対応の機器を追加

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今年の初めに、Amazonはダッシュ補充プログラムを発表した、デバイスに接続された専用ボタンを押すことによって、簡単に再注文が可能になることを狙ったサービスだ。例えばプリンターのインクや、スマートロックのバッテリーをあなた自身が注文する必要はない。デバイスが代わりに注文してくれる、というのがそのアイデアだ。

Amazonは既にこのプログラムに対する多数の提携を発表していて、最初の発表段階ではブラザーのプリンタ、GmateのSMART血糖値モニタ、そしてGEの洗濯機などが含まれていた。

そして今日同社は、新たな追加を発表した 。最も目立つ追加はGEによるもので、サービスが乾燥機と食器洗浄機に広げられ、柔軟剤と食器洗浄機用洗剤それぞれの量が、少なくなってくると注文されるようになる。

Neatoもラインナップに加わった。このWi-Fi接続された掃除ロボットはダッシュサービスに接続して、フィルターやブラシの補充を注文する。一方PetcubeのBitesカメラ(Kickstatterの支援を受けた)はペットフードを注文できる。追加リストに載っているものは、他にBehmore(コーヒーメーカー)、Simplehuman(ゴミ箱)、そしてSmartThings(ホームオートメーションプラットフォーム)などがある。

デバイスの名前は発表されていないもののチョコレートのハーシー社も加わっている。興味深いことだ。

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(翻訳:Sako)

Minecraftが予見する未来の協働作業

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【編集部注】著者のJim Fowler氏はGEのCIO

子供たちは究極のベータテスターだ。新しい技術が何のためのものであるかを理解するとすぐに、彼らはそれを使って他の何かをさせようとする。彼らは限界を押し広げ、規則を破り、可能なことは何でも使って遊び、そしてリアルタイムでその結果を共有する。

私の息子と彼の友人たちがどのようにMinecraftで遊んでいるかを見たとき、私はエンジニアリングと技術の未来を見たのだ - そしてそれはとてもエキサイティングなものだ。

Minecraftは没入できるデジタルレゴセットのようなものだ。それはあなたに少ない種類のデジタルブロックから、世界全体を組み立てさせる。そうすれば、あなたはMinecraftアカウントを持つ友人たちやその他の人たちを世界に招いて、そこでやり取りをしたり、世界を変えたり、あるいは元の世界をベースにパラレルワールドを作ったりすることができる。

基本を学んでしまえば、組み上げることができる複雑さのレベルは事実上無制限だ。Minecraftを使った遊びのスタイルは、デジタルワークプレイスのための優れた訓練手段でもある。それは協働的で、リアルタイムで、対話的かつ終わりのない活動なのだ。

ゾンビや溶岩湖、そして本当にクールなモンスターたちもいる。

これからMinecraftが予見する未来の協働作業を紹介しよう。

自分自身のデザインした世界の中に住む

2014年に25億ドルでMinecraftを買収したMicrosoftは、このゲームを拡張現実ヘッドセットであるHoloLensと統合した。これが意味するのは、今やプレーヤーたちは目の前の現実世界の上に重ねられたMinecraftの風景を見下ろすことができ、他のプレイヤーたちが小さなアバターとして歩き回っているところを眺めることができるということである。

エンジニアのチームが進行中のデザインに対して、同じことをしていると想像して欲しい。あるエンジニアたちは仮想的な自分を縮小して自分たちのデザインの中を旅することができる。あたかも人体の中を旅する映画「ミクロの決死圏」の中の小さな探検家たちのように。他のエンジニアたちは全体のデザインを一度に眺めることができ、その構築過程をアリがアリ塚を作るのを眺めるように観察できるだろう。

スキルを引き寄せ創造性を解放するプラットフォーム上で働く

Minecraftはゲーム以上の存在である。サードパーティとユーザーはカスタム部品を作ることができ、それが創造性とスキルのためのグローバルなプラットフォームへと発展した。他の人が購入したり遊んだりするためのカスタムアイテム、キャラクター、そして世界は誰でも作ることができる。

ジョージ・R・R・マーティンのゲーム・オブ・スローンズのファンタジー世界全体がMinecraftの中に作られている

皆を引きつけるクールなものを開発し、世界的な創造性の井戸へと投げ込むことによって、Minecraftのデベロッパーたちは大当たりを引き当てている。彼らは1つの会社で雇うことは夢にも思えなかったほどの、多くの創造力を入手したのだ。例えば:ジョージ・R・R・マーティンのゲーム・オブ・スローンズのファンタジー世界全体が、ボランティアの共同体によってMinecraftの中に作られている。また別のグループは、ちゃんと動作する16ビットのコンピュータのモデルを作った。

Minecraftはこれまではゲーム世界の外にいた人たちの想像力にも火を点けている。アイルランドの小説家Julian Goughは、Minecraftの最初の冒険のエンディングクレジットとして画面に流される詩を書いた。そしてデンマーク政府は、ある会社にゲームにデンマークの実物大のマップを作るよう依頼した。

デジタル産業時代には、人を集め創造性を解放する力のあるプラットフォームを開発することができる会社こそがより繁栄するのだ。あなたのソフトウェアはもはや、ただ目の前の問題を解決することだけでは済まされない。それはまた、解決を続けるエコシステム全体への入り口でもあるのだ - その解の一部はあなたが作り、他の部分は顧客やユーザーから得られるものだ。

協働的かつリアルアイムに解かれる問題は複雑すぎるものにはならない

私の息子は学校から戻ってくると、(もちろん宿題を終えた後に)コンピュータにかじりつき5、6人の友人たちと一緒に世界を創り始める。彼ら自身のゲームのための部品(mod)をコードして、それを使って新しい世界を築くのだ。もし私が、彼らがたどり着こうとしている場所の半分でも理解していると言ったなら私は嘘つきということになる。私は世界規模のテクノロジー企業のCIOなのだが。

私の息子と彼の友人たちが一緒に複雑なことを創り上げていく過程で、私を魅了してやまないことは、そこには誰も責任者がいないということなのだ。にも関わらず、必要な変更を加えながら、すべてのものが素早く完全に出来上がるのだ。

私たちは、教室の外にある、アクティブで生涯続く技術への興味を引き出すものも見過ごすべきはない。

私たちは企業の世界における仕事の現場において、すでにこの種の自然発生的な、大いに効果的な協働作業を目撃している。CIOとして私はこれまでに、人びとがデータを使う際により快適に探求と発見を行う自身の方法を見つけていくところを目撃してきた。まだキャリアが浅いころ、私は人びとに技術の使い方を指図しようと躍起になっていた。今私がすることと言えば、データが必要な人に対して、ただ最大限の流量を確保することだけである。ある一定のガードレールは設置するものの、それ以外は人びとが探求し実験するままにしておくのだ。時々私は、リソースとデータを用いた、オープンエンドでオープンソース、そしていちかばちかのゲームの審判を自分がしているように感じることがある。

私の息子と彼の友人たちが苦もなく働くスピードも未来を感じさせる。私はエンジニアたちに与えられた現代の協働デザインツールが、巨大な産業プロジェクトのデザインと最初の製造を、何週間の単位から数日、時には数時間のレベルで行わせるところを見てきた。私の息子の世代が労働力として社会に出るとき、いったい何が可能になるのかを想像してみよう。

科学技術教育はいっそうゲームのようになり、学校くささは減っていく

米国におけるSTEM教育の不足が多いに議論されている、私たちはより多くのハードサイエンスを教室に持ち込むために、公式に力を合わせて努力しなければならない。けれども私たちは、教室の外にある、アクティブで生涯続く技術への興味を引き出すものも見過ごすべきはない。

私のCIOへの道は、父親の薬局のカウンターの後ろにいた子供の頃に始まった。私は1台のIBMコンピュータの上で走る1つの専用アプリケーションが、それまで必要だった月2日の余分な仕事をなくし、保険会社が紙で行っていた時よりも4倍速く父親へ払い戻しをしてくれることに、すっかり魅了されていた。今日私がしている仕事は - 世界的なビジネスのために企業資源計画(ERP)を最適化すること - 最初のIBMを使った時に感じた興奮の延長なのだ。

子供時代に経験するこの種類の魅惑と驚きが、コンピュータサイエンスにおける重要なキャリアをいくつも始めさせてきた。計算科学のパイオニア、クロード・シャノンとダニー・ヒルズは、MITで出会った時二人とも子供の頃3目並べを遊ぶための単純な機械を作っていたことを知って強い絆で結ばれるようになった。やがてシャノンはサーチ・エンジンに用いられる数学を発明し、そしてヒルズは最初のスーパーコンピュータの1つを設計した。

ヒルズとシャノンのようなキャリアをより多くひき起こして、そして我々の将来の労働力がデジタルと産業両方の言葉を確実に使いこなすことができるようにするために、より多くの子供たちを科学、技術、エンジニアリング、そして数学に、自然で自発的かつ創造的なやり方で触れさせなければならない。

最近GEは、私の母校ヴァン・ウェルト高校のロボットクラブに2万5000ドルの寄付をした。設立から5年ほどの間に、このロボットクラブは山のような受賞歴を重ねていた(やるじゃないか!)- しかしそれがGEがチームをサポートを決めた唯一の理由ではない。私たちは全米を横断して様々な組織と、若者たちをテクノロジーへ自然で自発的かつ創造的なやり方で引きつけるために提携を結んでいる。

結局のところ、技術の未来は遊びの中にあるのだ。

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(翻訳:Sako)

オンデマンドの人材派遣プラットフォームHourlyNerdがシリーズCラウンドで2200万ドルを調達

On demand staffing startup HourlyNerd lands  22 million Series C   TechCrunch

ボストン拠点のスタートアップのHourlyNerdはスキルを持った従業員を派遣するオンデマンドの人材派遣会社以上の存在になることを目指している。大企業の従業員に対する考え方を変革するためのすべてのサービスを備えたプラットフォームを目指す。

「今日の企業について考えてみると、その構造は100年前と同じままなのです」と共同CEO・創業者のRob Biederman氏は語る。HourlyNerdは企業がオンデマンドの従業員をさらに活用する未来を見据えている。

その理由は、1つのプロジェクトを遂行するのにフルタイムの従業員を必要としない企業のニーズに応じているからだ。また、もう1つにはプロジェクト毎に関わるフレキシブルな働き方を求めているであろう労働者のためだ。

HourlyNerdはアナリティクス機能を始め、今後は顧客がオンデマンドで人を雇用するのみならず、勤労時間、成果物、顧客の求める人材要件を管理できるような機能を持ったプラットフォームを構築しているという。

HourlyNerdは、顧客自身で人材を採用したり、雇用したりせずとも、プログラミングや他のスキルを持った人材を短期間派遣することができる。

General Catalyst Partnersが率い、Highland Capital Partners、GE Ventures、Mark Cuban、Greylock Partners、Accanto PartnersのBob Doris氏が参加しているシリーズCラウンドで本日、2200万ドルを調達したと発表しており、HourlyNerdのオンデマンドの人材派遣のアイデアは比較的規模の大きい企業からの支持を得て、ますます勢いを得ているようだ。

今回のラウンド以前に、HourlyNerdは合計で1200万ドルを調達している。今回のラウンドが彼らにとって多額の調達であったことが分かる。投資家は、オンデマンドの従業員市場を次のレベルに押し上げるというアイディアに魅力を感じている。そして実際HourlyNerdのプラットフォームで市場のポテンシャルが見えたことから、彼らのビジョンの実現に必要な資金を大幅に増額することにした。

オンデマンドの人材派遣というアイデアには十分なメリットがある。今年3月、MITのオンデマンドエコノミー・カンファレンスでは、未来の人々の働き方の変化、そしてそれが過去100年の間に人類が構築した働き方のインフラに与える影響について多くの議論がなされた。

スピーカーは、HourlyNerdのビジョン「スキルのある労働者が数年間1つの企業のために働くというよりは、プロジェクトからプロジェクトを渡り歩いて働くようになる」と似た言葉で変化するエコノミーについて語った。

どのように従業員を管理するのか、パフォーマンスを測るのか、インセンティブを与えるのかを含む従業員との新たな関わり方が求められる。

現在、HourlyNerdは65人の従業員を抱えている。Fortune500の10%の企業を顧客として持っており、将来的にサービスを提供することを望むさらに幅広い顧客企業を魅了しつつある。その中にはPfizer、GE VenturesとしてシリーズCラウンドを通して財務面で支援を行っているGEも含まれる。

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)

水出しコーヒーを短時間で作るFirstBuildのPique、近くIndiegogoでクラウドファンディングデビュー

GEの製品開発パートナーFirstBuildが、家庭用の水出しコーヒーメーカーPiqueを発表した。

コーヒーはここ数年で、毎日の無感動な習慣からアートに変わった。ドリップ式コーヒーメーカー、フレンチプレス、シングルサーブ、プアオーバー(ポアオーバー)、それに最新のハイテクマシンの数々が、あの、豆の匂いのする調合薬品のような飲み物を、どれでも、あなた好みの美味に変えてくれる。

今あるそれらがお世話をするのは、ホットコーヒーの味と香りにうるさい人びとだ。しかし今や、水出しコーヒーが急速にブームになりつつある。飲食品に関する消費者調査サイトMintelによると、水出しコーヒーの売上は2014年から2015年にかけて115%増加した(2倍強)。

水出しはホットに比べると時間がかかる(平均12時間ぐらい)。そこでPiqueマシンは、それを12分に短縮した。

FirstBuildはケンタッキー州ルイズヴィルの企業だが、世界中から作品が集まるコーヒーメーカーのデザインコンペを行い、そこで優勝したデザインを近くIndiegogoでクラウドファンディングし、そのマシンを市場に出すための資金を得たいと思っている。

同社はGEのパートナーであることが基本的な資金源だが、スマートホーム製品の売り方としてはParagonの誘導レンジOpalのナゲット状アイスメーカーMonogramのピザ用オーブンなどに倣おうとしている。

この水出しコーヒーメーカーの値段は未定だが、FirstBuildによると、家庭用のコーヒーメーカーとしては高級品の部類になるだろう、という。

本誌TechCrunchはこの夏発売予定のPiqueを、本誌のスタジオで一足早く見ることができた。上のビデオではFirstBuildの協同ファウンダーTaylor Dawsonが、彼の最新の発明について語っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Airwareのドローン用オペレーティングシステムにGEが投資と技術と大量顧客提供で提携

退屈で汚くて危険。そんな仕事がロボットには向いているが、General ElectricのField Servicesの人たちの、タービンやオイルパイプラインを点検する仕事が、まさにそれだ。そこで今日(米国時間11/19)GE Venturesは、ドローンのハードウェアとソフトウェアを作りクラウドサービスも提供しているスタートアップAirwareパートナーシップをむすび、ロボット工学に対する初めての大型の戦略的投資を行った。

Airwareはすでに4000万ドルを調達しているが、GEがそれにどれぐらい上乗せしたのかは公表されていない。GEはお金のほかにAirwareに対する技術援助と、同社の膨大な数の企業顧客の紹介も行う。AirwareのCEO Jonathan Downeyによると、GEはAirwareと密接に協働して、同社の多様なユースケースへの確実な対応を図っていく。

AirwareのCEO Jonathan Downey

父も祖父もパイロットだったDowneyが2011年に創業したAirwareは、最初にドローン用のオペレーティングシステムを作った。このオペレーティングシステムを搭載したドローンは、いろんな商用目的にカスタマイズできる。たとえば農業用とか、土地の管理、各種の遠隔点検、野生動物の密猟防止など。

オープンソースのドローンフレームワークは多くの企業顧客にとって細かい不満もあるが、でも専用機を一から作るのは一般企業にとって難しすぎる。そこでAirwareのプラットホームが無人航空機ハードウェアのすべての基本的な機能と操縦ソフトウェアをOSとして提供し、またドローンが集めたデータの収集や送信をクラウドサービスで行う。

Airwareは7月に、本格的な商用化を目指すための資金として2500万ドルをKleiner Perkinsから調達し、その後社員数は40名から70名に増えた。まずやらなければならないのは、もっと多くのいろんなユースケースに対応するソフトウェアを作ることだ。またパフォーマンスも上げなければならない。というところへ、GEとその大量の顧客がタイミング良くやってきた。

たとえば人里離れた遠隔地で風力発電機のタービンの羽根が壊れたとすると、これまでのGEなら人間技術者を数百フィートの高さに吊り上げて羽根を点検させた。Airwareの協力が得られる今では、ドローンに仕事のやり方を教えればよい。

切れて垂れ下がった送電線や、ガス管の漏れのチェックなど、いろんなユースケースを抱えるGEは、Airwaveの大型顧客としてそれらのすべてに対応してもらえる、と期待している。Downeyも、ユースケースの拡大が、GEをお客さんにしたことの大きなメリットだ、と言う。“発電所の点検なら、小回りの利くヘリのようなドローンがよいし、長距離の送電線のチェックなら飛行機的な無人機がいい。AirwareのOSは、GEの協力を得ながら、これらのコントロールをすべて学習中だ”。

GE Venturesの専務取締役Alex Tepperは、GE自身に高度な画像処理とかセンサ技術など、技術の蓄積があるので、Airwareのドローンをもっとお利口にできる、と考えている。投資先企業との、いろんな形のコラボレーションは楽しいね、と彼は言う。

またAirwareのUAV(無人航空機)はGEの目的だけでなく、GEの顧客のさまざまな目的にも今後は奉仕していく。そうやって大きなカスタマベースを構築した暁には、GEによる買収もありえるかもしれない。

ドローンは一般的に、武器や玩具と思われているが、でも爆弾を投下したりセルフィー(自撮り写真)を撮ったりするだけでなく、AirwareとGEの例のように、商用部門に大きなアドバンテージをもたらすことができる。その空飛ぶロボットたちは、人間の生活をもうちょいエキサイティングでクリーンで安全にしてくれるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Box、大躍進―GEの全社員30万ユーザーのためのクラウド・ストレージ契約を獲得

今朝(米国時間5/8)、Boxは巨大な顧客を獲得したことを発表した。

ゼネラル・エレクトリック(GE)は、全社的クラウドストレージとしてBoxを採用することを決定した。

Boxによると、全世界170カ国、 30万人の社員がこのサービスを利用することになるという。GEはこのクラウドストレージによって社員の共同作業の効率がアップし、モバイル化にもより良く対応できるようになると期待している。

現代の企業はモバイル、ソーシャル、クラウドなどの新しいテクノロジーにビジネス環境を適合させる強い圧力を受けている。GEは社員がさまざまなコンテンツを保存、共有、共同作業するためのプラットフォームとしてBoxを選んだ。

GEとの契約の成立を伝える今朝のブログ記事でCEOのAaron LevieはGEはこれまでも新しいテクノロジーを積極的に採用して組織に変革をもたらしてきたと書いている。GEはiPhoneとiPadを最初に採用したFortune 500企業だった。またGEのCIO、Jamie MillerはIT部門だけでなく全社的な革新のために新しいテクノロジーを採用する旗振り役を長く務めてきた。

2週間ほど前にS-1上場申請書を提出したことに伴って、Boxは情報発信を制限される期間に入った。情報の空白が生じたため、そこをあれやこれやの(たいていは否定的な)推測が埋めることになり、Boxはさんざんな目に合っている。わずか1週間ほどでBoxのイメージはクラウドの寵児から失敗者へと転落してしまった。しかし現実はそのどちらでもないのだろう。

GEとの契約は大成功だが、BoxはすでにSchneider Electricで6万5000ユーザー、P&Gで3万ユーザーの大型契約をすでに得ている。Boxがこの調子で今後も大口ユーザーの獲得に成功するなら、悲観論を撃退して投資家を納得させることができそうだ。

写真 BY FLICKR USER BOB JAGENDORF. USED UNDER CC BY 2.0 LICENSE.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


製造業の自己革新を懸けてSiemensが$100MのVCファンドを創設

ヨーロッパ最大のエンジニアリング企業Siemensの投資部門Siemens Venture Capitalが、このたび新たに1億ドルのファンドを立ち上げた。このファンドの投資目的は、オートメーションの新しいやり方など製造業に革命と革新をもたらすデジタル技術を追究する若い草創期のスタートアップの育成だ。同社は過去二か月ですでに、3D視覚化のLagoaと、次世代のサイバーセキュリティソフトを作るCounterTackの二社に投資を行っている。

既存企業系のベンチャーキャピタルはこれまで、“鈍い”と評されることが多かったが、本誌TechCrunchの昨年11月の記事にも見られるように、最近では専業VCと変わらぬ鋭敏な動きを見せるところもある。事実、2013年10月には48件のVC投資ラウンドが総額7億1900万ドルの投資を行い、しかもその14%がCVC(corporate venture capital, 企業のベンチャーキャピタル)からの出資だった。CrunchBaseのデータによると、それはCVCの参加率が昨年で最高の月だった。

SiemensやGEなどのエンジニアリングと製造業のコングロマリットは、自分たちのデバイスやマシンが捉えたデータやインサイトを有効利用したいと考えている。またインターネットとそのほかのデジタル技術を組み合わせた新しい製造技術をGEらは“Industrial Internet”(産業インターネット)と呼んでいる。The New York Timesの昨年11月の記事は、これまでの古いエンジニアリングとソフトウェアによる新しいソリューションが、明確に区別されるというよりむしろ、今では両者が融合しつつある、と述べている。とくにその傾向を顕著に裏書するのが、“物のインターネット(Internet of Things, IoT)”と呼ばれる新しいネットワーキング技術の勃興だ。それにより、極論すれば、Generl ElectricもGoogleもある面では共にソフトウェアを基盤とする物作り企業となり、両社の業態が見かけ上同じになってしまうのだ。

Siemensの企業~産業界向け部門Siemens Industry SectorのCEO Siegfried Russwurmは、次のように述べている: “製造業の企業がグローバルなマーケットプレースで競争するためには、今やデジタル化とソフトウェアがますます重要だ。今回のファンドは、Siemensの“Industrie 4.0”(第四次産業革命)戦略の一環として、製造業と産業の自動化のあり方を変える可能性のある、革新的な技術とビジョンに資本を提供していく”。

同社の声明文によると、この新たなファンドは創生初期のスタートアップ企業を支援し、彼らとのパートナーシップを育むことによって、彼らの新しい技術により、長期的には既存市場の変革と、まったく新しい市場の創造を喚起していく。

今Siemensに、このファンドに関するより詳しい情報を求めているので、得られ次第この記事を更新したい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))