ChromiumベースのEdgeブラウザ、IEモードやプライバシーコントロールなどを追加

米国時間5月6日、Microsoft(マイクロソフト)は数週間前にプレビュー版が公開されたChromiumベースEdgeブラウザの新機能をいくつか発表した。それらにはビジネスユーザーにも喜ばれるであろうInternet Explorerとの互換モードや新しいプライバシーコントロール、ブックマークの改善が含まれている。

まずユーザーが最も気にするであろうCollections機能は、Microsoftによれば「今日ユーザーが多すぎると感じるウェブの情報」を処理するものだ。具体的には、ウェブ情報を収集し、整理し、シェアすることができる。またこの機能はOfficeとの統合も提供するが、その詳細は明かされていない。

プライバシーに関しては、新たなEdgeブラウザには「無制限、バランス、厳格」という3つのプライバシー設定が用意される。これにより、サードパーティーによるWeb上の行動の追跡を制御できる。

EdgeブラウザのIEモードはその名のとおり、古い仕様のサイトをIEのタブで開くことができる。いまだ多くのビジネスがIEに依存していることを考えれば、これも必要な機能だろう。

EdgeブラウザのChromiumベースへの移行は、ブラウザ業界にとって非常に興味深い出来事だ。ブラウザのエンジンを自製するかわりに、ユーザー向けの革新的な機能を開発し、ひいては競合他社にも革新を強制する機会をMicrosoftは得たことになる。

現時点では、これらの発表はWindows 10向けだけだ。MicrosoftがmacOSとLinux向けにEdgeブラウザをBuildカンファレンスにてリリースするとの観測もあったが、そのような発表はなかった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

マイクロソフトがVisual Studio Onlineプレビュー版を発表

米国時間5月6日、Build 2019カンファレンスをスタートさせたMicrosoft(マイクロソフト)はVisual StudioファミリーのコードエディターとしてVisual Studio Onlineのプライベートプレビュー版発表した

Visual Studio OnlineはVisual Studio Codeをベースとしている。これはMicrosoftの人気あるオープンソースのデスクトップ開発環境のクラウド版だ。つまりVisual Studio Onlineは現在提供されているVisual Studio Codeのワークスペースやエクステンションをすべて利用できることを意味する。今日一般に公開されたAI利用開発ツールのIntelliCodeもビルとインされている。

オンライン版はVisual Studioのコンパニオンであることが強調されている。 つまり開発環境としてデスクトップ版のVisual Studioを完全に置き換えるものではなく、手軽なエディターとして使われるものだ。またアプリをVisual Studio Live Shareで共有し、コメントや機能の追加の要望を募ったりすることも予想している。

Visual Studio Onlineという名前に記憶があるという読者もいるかもしれない。実はMicrosoftはこのブランド名をリサイクル利用している。DevOpsがバズワードだったのはそれほど昔でない。この時期、Visual Studio OnlineはMicrosoftのDevOps開発の総称だった。昨年MicrosoftはAzure DevOpsに名称を変更したので、Visual Studio Onlineは別のブランドの名称として使えるようになった。

Visual Studio Onlineという名前を見てMicrosoftの統合開発環境がそのままウェブに移行したサービスと考えた読者も多かったかと思うが、実際にはそれほど大掛かりなものではない。

MicrosoftがVisual Studio Onlineを一般公開するまで待ち切れないデベロッパーはCoderなどのスタートアップが提供するオンライン版のVisual Studio Code環境を利用することを考えてもいいだろう。

画像:Photovibes / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Windowsのコマンドラインターミナルがメジャーアップデート

Windows 10のコマンドラインターミナルがメジャーアップデートされる。米国時間5月6日、Microsoft(マイクロソフト)は開催中のBuild 2019デベロッパーカンファレンスでWindows Terminalを発表した

Microsoftによれば、新しいターミナルが一般に利用可能になるのは6月中旬だ。これは現行のWindows Command Promptのメジャーアップデートとなる。これはほぼPowerShell同等の機能を備える。実際、新しいWindows Terminalは今後、Microsoftのコマンドライン環境、PowerShell、Command Prompt、Windows Subsystem for Linux全体のデフォールトのインターフェイスとなるようだ。

新ターミナルはGPUベースの高速テキストレンダリングにより「絵文字リッチ」なフォントが利用できるという。何によらずこの頃のアプリは絵文字が使えないと話が始まらないらしい。コマンドラインも華やかになるので嬉しいユーザーも多いだろう。もっと本質的な問題として、Windows Terminalは各種のエクステンションに加えてショートカット、タブ、ティアアウェイウィンドウ、テーマなどをサポートする。またUnicodeと漢字その他の東アジアフォントをネーティブでサポートする。

Microsoftによれば、新しいターミナルは「Windowsのコマンドライン・ユーザーの体験を一新する」ものだという。Windows Terminaのベータ版はすでにに利用可能。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

マイクロソフトがフルマネージドブロックチェーンサービスを開始

Microsoft(マイクロソフト)は、ブロックチェーンテクノロジのAzureクラウドコンピューティングプラットフォームへの取り込みを急いではいなかった。しかしここ1年ほどの間に同社は、ブロックチェーン開発キットAzure Blockchain Workbenchを立ち上げ、そのペースを加速してきた。そして米国時間5月2日、開発者会議のBuildに先立ち、同社はAzure Blockchain Servicesを立ち上げることでさらに一歩前へと踏み出した。このサービスは、コンソーシアム型ブロックチェーンネットワークの形成、管理、そしてガバナンスを可能にするフルマネージドサービスだ。

ただし、ここで語られているのは暗号通貨の話題ではない。これは、企業たちがブロックチェーンテクノロジーの上に、アプリケーションを構築するのを支援することを目的とした、エンタープライズサービスなのだ。これはAzure Active Directoryと統合されており、新しいメンバーの追加、権限の設定、およびネットワークの正常性とアクティビティの監視を行うためのツールを提供している。

最初にサポートされる元帳はJ.P. Morgan(JPモルガン)のQuorum(クォーラム)である。「Quorumは世界最大のブロックチェーン開発者コミュニティを擁する、人気の高いEthereum(イーサリアム)プロトコルの上に構築されているので、それを選択するのは自然な選択でした」と本日の発表で述べたのは、AzureのCTOであるマーク・ルシノビッチ(Mark Russinovich)氏である。「これは、企業の顧客が要求している機密トランザクションもサポートしながら、豊富なオープンソースツールのセットと統合されているのです」。この統合を提供するために、MicrosoftはJ.P. Morganと緊密に連携を行った。

ただし、マネージドサービスはこのパッケージの一部に過ぎない。本日Microsoftはまた、開発者のスマートコントラクト開発を支援するVisual Studio Codeの拡張機能の提供も開始した。この拡張機能を使うことで、Visual Studio Codeユーザーは、Etheriumスマートコントラクトを作成およびコンパイルして、それらをパブリックチェーンまたはAzure Blockchain Service上のコンソーシアム型ネットワークに展開することが可能になる。そしてコードはAzure DevOpsによって管理される。

Microsoftの2つのワークフロー統合サービスであるLogic AppsFlowや、イベント駆動型開発用のAzure Functionsとの統合によって、これらのスマートコントラクト用のアプリケーション開発もさらに容易になる予定だ。

もちろんMicrosoftは、このゲームに参入する最初の大企業ではない。特にIBMは、近年ブロックチェーンの採用を強く推進しているし、AWSもまたこれまではこの技術をほぼ無視していたものの、いまやゲームに参加しようとしている。実際に、AWSはわずか2日前に、独自のマネージドブロックチェーンサービスを開始したばかりである。

マイクロソフトがIoTにプラグアンドプレイを導入

米国時間5月2日、Microsoft(マイクロソフト)は現在Windows PC上では、実質的にどのような周辺機器も、ドライバーについて心配することなく接続できることを可能にしているプラグアンドプレイ(Plug and Play)の使いやすさを、IoTデバイスにも導入する考えであることを発表した。通常、IoTデバイスを接続して稼働させるには、最新の展開ツールを使用しても、ある程度の作業が必要である。IoTプラグアンドプレイは、このプロセスを大幅に簡素化し、現在なお必要とされているハードウェアおよびソフトウェアの設定手順を不要にすることを約束するものだ。

Azureのコーポレートバイスプレジデントジュリア・ホワイト(Julia White)氏は「IoTソリューションを構築する際の最大の挑戦の1つは、何百万台ものIoTデバイスをクラウドに接続することです。なぜなら現在のデバイスはそれぞれ異なる性質を持っているいるからです。例えば形や大きさ、処理能力、運用環境、そしてメモリ容量などが異なるからです」と本日の発表文で述べているが、Microsoftは、こうしたことがIoTの採用を遅らせていると主張している。

一方IoTプラグアンドプレイは、開発者たちに、コードを記述することなく各デバイスをクラウドに接続できるようにする、オープンモデリング言語を提供する。

だが、Microsoftは独力ではこれを行うことはできない、なぜならそのIoTエコシステム内にあるハードウェアならびにソフトウェアメーカーからのサポートが必要だからだ。同社はすでに、Askey、Brainium、Compal、京セラ、STMicroelectronics、Thundercomm、そしてVIA Technologiesなどの多くのパートナーと契約を交わしている。同社は、何十ものデバイスがすでにプラグアンドプレイ対応をしており、興味のあるユーザーは、それらの一覧をAzure IoT Device Catalogで見ることができると述べている。

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(翻訳:sako)

任天堂とソニーはE3を前にして新製品への期待を打ち消す

E3(Electronic Entertainment Expo)があと1カ月あまりに迫ってきたが、いつものようにこの時期のニュースからは、この巨大ゲーム見本市の会場では聞けないような内部情報が漏れてくる。昨年おそくにはソニーが、例年の大規模なプレスカンファレンスはやらないと発表した。それはこのほぼ四半世紀の中で初めて、このゲーム大手の大きな不在を示すものになり、代わりに同社は「2019年における我が社のコミュニティに関わるための新しくて親しみやすい方法を探求する」そうだ。

ゲーム業界をフォローしている人たちにとっては、このような感情はすでにおなじみのはずだ。数年前には任天堂が同じ動きを見せ、記者たちが実際に集まるプレスカンファレンスを避けてオンラインのNintendo Direct “Treehouse”で新しいトレーラー(予告編)を披露した。それ以降ずっと、任天堂はこのやり方だ。

ソニーが使わなくなったゴールデンアワー的な時間枠にはスクエア・エニックスがうれしそうに滑りこみ、今回のロサンゼルスのイベントではマイクロソフトが3大コンソール(ゲーム機)中で唯一生き残って、プレスカンファレンスをやることになった。もちろん、E3のようなビッグショウの死は毎年、大げさに言われている。こういうことには周期性があり、誇大に言われることの多くはとくに、新しいシステムの発表に結びついている。

マイクロソフトは今月、光学式ディスクを使わないXbox One S “All-Digital Edition”を発表し、ではいったい6月には何を発表する気か、とみんなが不思議に思った。一方ソニーは今週初めに、PlayStation 5がもうすぐ出るという話を打ち消した。詳細は例によってあいまいだが、同社によると次世代コンソールが今後の6カ月以内に出ることはない。

また任天堂の決算報告では同様に、Switchの廉価版が出るという噂を打ち消した。このコンソールは直前のWii Uの失敗でめげていた同社にとって狂喜の大成功になったが、売れ行きの鈍化は任天堂の長年の伝統である改良版ハードウェアの登場を示唆した。噂の多くは、ポータブルモードだけでプレイできる廉価版のSwitchを指していた。

というわけでここまでの話には新製品のプレビューがまったく出てこない。企業は通常、そうやって記者たちの関心をそそるのが好きだが、でも今回ビッグスリーは、ショウへの期待感を静めている。そうなると当然、ほかの選手たちがやる気を出す。E3は長年、ビッグスリーに支配されていた。開会前の今広まっている噂の中には、NVIDIAのゲーム用2-in-1(ツーインワン)タブレットがある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

消費者の41%が音声アシスタントのプライバシーに不安、マイクロソフト調査

Microsoft(マイクロソフト)の新しいレポートによれば、音声アシスタントのユーザーの41%がデバイスが常時聞き取り状態にあることに関連してプライバシーやデータ保護の信頼性に不安を抱いているという。

Google、Amazon、Apple、 Samsung、Microsoftなどの有力企業が揃って消費者向け音声アシスタントデバイスのメインストリーム化に務めている現在、こうしたデバイスのデータ収集方法について懸念を抱くのは正しい態度だ。

しかし多くの消費者がこの点について正しい知識を持っていないように思える。Amazonのエンジニアが世界のユーザーがAlexaに入力した音声コマンドをモニターしているというBloomberg(ブルームバーグ)の最近の報道は消費者に懸念を抱かせた。しかもこうした人工知能を利用したスマートデバイスはメーカーやその外注企業の社員がモニターできるだけなく、入手した個人情報を違法に利用し、刑事事件にまで発展した例さえあった。電源がオンになっているかぎり聞き耳を立ているスマートスピーカーは笑いごとではすまないような重大なプライバシーの侵害を起こす可能性が充分ある。

米国時間4月25日、BloombergはAmazonのAlexaチームによるプライバシー侵害の危険性に関して次のように新たな報道を行った。

レポートによれば、Alexaが聞き取った音声データにアクセス可能なAmazon社員はデバイスの位置情報、場合によっては正確な住所も得られるという。これは音声データに緯度経度の座標が付属しているためだ。音声クリップをGoogleマップにペーストして簡単にデータが得られた場所を知ることができる。 Bloombergは「こうした位置情報を含むデータにアクセスできるAmazon社員の人数は不明」だとしている。

これは歴然たるプライバシーの侵害であり、我々がAmazon Echo、ひいては同種の音声アシスタントに対して抱く不信感を実証するものだ。

音声アシスタントのユーザーはバックエンド処理にどれほど人間が関与している正確に知ることはできない。しかしMicrosoftのレポートを読めば、デジタルアシスタント利用している消費者はデバイスが持つプライバシーの侵害やデータの不正利用などの危険性について強い不安を抱いていることがわかる。

例えば、Microsoftの調査対象の52%は入力された情報のセキュリティーに不安を感じている。24%は情報がどのよう利用されているのかわからないと考え、36%はどんな目的だろうと個人情報を一切利用して欲しくないと考えている。

こうした数字はデジタルアシスタントには個人情報の収集と利用から永続的にオプトアウトできる分かりやすい仕組みが必須だということを示している。 つまり1回クリックするだけで「デバイスが収集した個人情報が外に出ることはなく、かつ人間がアクセスすることはない」ように設定できなくてはいけない。

41%のユーザーは音声アシスタントがユーザーの音声に聞き耳を立て録音していることに不安を感じている。31%は収集された情報にプライバシーは保証されていないと考えている。

さらに14%はプライバシーやセキュリティーの点で音声アシスタント・サービスを信用していない。つまりAmazon、Google、その他の企業はこの点で信用されていないわけだ。Microsoftのレポートはこう警告している。

新しいテクノロジーデバイスに関する消費者からのフィードバックに不安に真剣に対応することはデベロッパーに課せられた責務だ。消費者が安心してデバイスと音声で対話できる未来を実現するために必要な信頼の基礎を今すぐ築き始めねばならない。

調査はプライバシーに関して音声アシスタントに消費者が不信感を抱いているものの、全員が音声アシスタントの利用に拒否反応を持っているわけではないことも示している。たとえばEchoに音声でAmazonの商品を注文する際、商品配送するために役立つなら住所データを利用するのは構わないと考えるユーザーも多い。確実にメリットがあるなら住所以外でも個人情報を提供していいと答えたユーザーも存在する。

消費者は全体としてはキーボードやタッチスクリーンより音声入力を好んでいる。音声アシスタントの普及はま だ初期段階だが、 57%のユーザーが(プライバシーなどの懸念はあるにせよ)、音声をお気に入りの入力方法だとしている。また37%は他の入力方法と併用して音声入力も用いると答えた。

「どちらかといえば」から「大いに」まで程度はさまざまだが、80%のユーザーがデジタルアシスタントに満足しており、「週に1度以上使う」ユーザーは66%、「毎日使う」は19%だった(これには音声以外のスマートアシスタント全般を含む)。

こうした高い満足度をみれば、音声を含むデジタルアシスタントが市場から消えるということは考えにくい。いかしプライバシーの侵害や不正利用の可能性は普及の大きな妨げになるだろうし、あるプロダクトの信頼性が高ければ、信頼性の低いブランドからの乗り換えを促すことも考えられる。

もしAmazonなどが社員が消費者の音声情報にアクセスすることを厳格に制限できず、Appleがリリースした製品がそれと同等の価格でプライバシーが良好に守られるとするなら、ここでもAppleが大きなシェアを得ることになるかもしれない。

音声アシスタントと音声認識テクノロジーのトレンドを含むMicrosoftのレポートの全文はこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

マイクロソフトが50インチ大でポータブルなSurface Hub 2Sを6月発売

マイクロソフトは今週、何かSurfaceっぽい隠し玉を用意していることはわかっていた。判明したのは、だいぶ前に発表したSurface Hub 2Sがやっと発売にこぎつけたことだ。2015年のWindows 10が載った対話型ホワイトボードの後継機種である2Sは、何もかもポータブルであることがウリだ。

ちょっと見ると、壁にかける事務用品という雰囲気しかない製品だが、これだけ高額であるからには多用途性が顧客の購買意欲を喚起する鍵だ。そしてまさに同社は、オフィス家具のSteelcase社とパートナーして、この製品のためのキャスターのついた可動式スタンドを特製した。

2Sは、前のモデルよりも60%薄くて40%軽い。ポータブルであることの鍵は、モバイル(可動性)用のバッテリーをAPCからハブに加えられることだ。うっかり電源コードがぬけてしまっても仕事はなくならない。このような、コラボレーションのためのデバイスでは当たり前のようなことだし、第1世代機が出たあとは、要望がとても多かった機能だろう。

ポータブル以外にも、スペックはアップしている。50インチのディスプレイは3840×2560ドットの4K+だ。スピーカーとマイクロフォンとカメラはすべて改良された。プロセッサーはIntel Core i5の第8世代、メモリー8GB、ストレージ128GB。そしてグラフィクスはIntel UHD Graphics 620。マイクロソフトによると、前の機種より50%速いそうだ。発売は6月、価格は9000ドル(約100万円)となる。

マイクロソフトは年内にスタンダードなSurface Hub 2も出す計画だ。そのディスプレイはペンや画面タッチで操作できる。また来年は、2Sの85インチバージョンを“選ばれた顧客”を対象にテストする。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Xbox One S All-Digital Editionは約2.8万円の光学式ドライブレスモデル

Microsoft(マイクロソフト)は新型コンソール「Xbox One S All-Digital Edition」を発表した。本体に光学式ドライブを搭載せず、ゲームは最近のPCのように本体のHDDドライブに保存する。米国時間4月16日の「Inside Xbox」のプレゼンテーションにて発表されたXbox One S All-Digital Editionは、光学式ドライブを持たない以外は「Xbox One S」と全く同一ハードだ。

左からXbox One X、Xbox One S、Xbox One S All Digital Edition

今回の発表は、残念ながらソニーの次世代PlayStationの話題に少し隠れてしまった印象だ。しかし、Microsoftのゲーミングエコシステムへの取り組みを垣間見ることができる。

MicrosoftのJeff Gattis氏は、「我々は顧客にデジタルを押し付けるつもりはない」と語っている。「これは、デジタルメディアを望むデジタルネイティブ世代の需要に応えたものだ。デジタルにおける顧客の好みについてまだ我々が知らないことを教えてくれ、そして将来その経験を洗練させてくれる。我々はこれを、コアコンソールゲーマーを超えた拡張を提供するための前進だととらえている」

CPUとGPU、メモリー容量は同じ。そして、1TBのハードディスクドライブも数年前から変わらない。ゲームを大量に購入する予定なら、少し気になるところだ。

Xbox One Sとは形状もサイズもまったく変わらず、またブルーレイドライブがないからといって小さく、あるいは薄くなることもない。Gattis氏は、本体のサイズ変更は設計やコストに影響しうることを指摘している。

249ドル(約2.8万円)という値付けは通常モデルのXbox One Sから50ドル安く、適切に感じられる。また、本体には「Sea of Thieves」「Minecraft」「Forza Horizon 3」の3タイトルが付属する。Sea of Thievesは最近人気が上がってきているし、Forza Horizon 3やMinecraftの面白さは相変わらずだ。

Xbox Live GoldとXbox Game Passを融合させ、オンラインサービスとGame Pass libraryにアクセスできるXbox Game Pass Ultimateが気になるかもしれない。こちらでは十分なタイトルが用意されており、またMicrosoftのE3での新発表まで、特にゲームは購入しないほうがいいかもしれない(Game Passを1ドルで3カ月使用できる特別オファーも用意されている)。

Xbox One S All-Digital Editionの予約は海外にて開始されており、5月7日には出荷が開始される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

光学式ドライブレスのXbox One Sは5月7日発売

Microsoft(マイクロソフト)は近くXboxの低価格モデル、Xbox One Sを発売する。コスト削減のためにBlu-rayを搭載しないディスクレスモデルとなる。Thurrottのリーク画像を掲載したWinFutureの記事によれば、新製品は5月7日発売の予定だという。ドイツでの価格は販売229ユーロ(日本では2万9000円前後)という。

発売開始予定が数週間後に迫っていること、リーク画像がマーケティング用の製品の箱であり、これまで報じられてきた予想の通りであることなどから考えて、おそらく正確な情報だろう。

新しい製品はXBox One S All Digitalと呼ばれ、WinFutureの画像によれば、外観はこれまでのXbox Oneそのままで光学式ディスクのスロットがない点だけが異なる。このゲームコンソールは1TBのHDDを内蔵する。これは現行Xbox One Sと同様だ。

Microsoftでは新しいS All Digitalはオンラインでのプレイだと注意を促している。ユーザーがすでにブルーレイのXBox Oneゲームをを所有していても新製品には光学式ドライブが存在しないので、ゲームをプレイすることは不可能だ。

コンソールにはMinecraft、Sea of Thieves、Forza Horizon 3という3タイトルのゲームをダウンロードできくるパスコードが添付される。オンラインゲームをさらにストアで購入してもいいし、サブスクリプションでXbox Game Passを入手してもよい、

上で述べたように、ドイツでの販売価格は229ユーロだが、これよりだいぶ安く購入する方法がいくつあるようだ。例えば、Amazonでは200ドル前後で販売しているショップがいくつかある。Microsoftは1ユーロ1ドルとして価格を決定してきので、S All Digitalの販売定価も229ドルになるのではないかと思う。

Microsoftはこの新製品でディスクレス版ゲーム機に対するユーザーの反応を実験したいのだろう。 MicrosoftはこのところWindowsやfficeでクラウド・サービスへのピボットを進めてきた。Xboxというブランドも伝統的ゲーム専用機からクラウドサービスへと発展させる計画だろう。この試みが成功すればゲーム機ビジネスの中でMicrosoftは独自の新世代となることができるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国防省は1兆円超のJEDIクラウドの最終候補にMicrosoftとAmazonを選定、Oracleは選外

米国防省は10年で100億ドル(約1.12兆円)を支出するJEDIクラウドプラットフォームの契約者決定にあたって最終候補、2社を選定したことを発表した。抗議声明訴訟裏口からの大統領への嘆願を含む数々の努力にもかかわらず、Oracle(オラクル)は選に漏れた。選ばれた2社はMicrosoft(マイクロソフト)とAmazon(アマゾン)だった。

TechCrunchの取材に対し、国防省の広報担当官であるElissa Smith氏は2社がMicrosoftとAmazon(AWS)であることを確認し、以下のように答えた。

各社案を検討した結果、国防省はJEDI(統合エンタープライズ国防インフラストラクチャー)クラウドの調達にあたり、合衆国の法規ならびに当省の規定に合致した最終提案の提出をMicrosoftとAmazonの両社に求めた。この両社の提案が今後の調達決定過程において考慮されることとなる。

国防省のクラウド計画が業界の強い関心を集めたのにはいくつかの理由がある。まず第一に総額の巨大さだが、それ以上に重要なのはこれが勝者総取りのプロジェクトだということだろう。

MicrosoftにせよAmazonにせよ、調達に選定されたとしてもいきなり100億ドルのキャッシュが手に入るわけではない。また10年間という期間も保証されたものではない。国防省はどの時点であれ計画を中断ないしキャンセルできる。とはいえ、単一企業が契約者となるという点は当初から参加者に緊張を強いるものとなっていた。

昨年、Googleがレースから離脱する一方、IBMとOracleは「選定過程が不公平だ」と大声で不平を並べた。またこれほど大規模なプロジェクトをジョイントベンチャーではなく単一ベンダーに任せるという決定に対する疑問の声も上がっていた。一方、100億ドルというのはたしかにバカにできない金額だがクラウドビジネスでは天文学的というほどの数字ではないが、関心の焦点は金額だけではなかった。

この契約の勝者は今後、各種の政府調達契約で優位に立てるのではないかというのが重要なポイントだった。つまりJEDIプロジェクトはディナーの前菜で、この後にメインのコースが続くはずという予想だ。合衆国政府にとってももっとも高い信頼性、機密保持能力を求められる国防クラウド計画を首尾よく運営することができるなら、連邦政府、州政府の他の大型クラウド計画の選定過程においても絶大な説得力を発揮するはずだ。

結局、関係他社の抗議にもかかわらず、国防省はことを予想どおりに進めた。ファイナリストはクラウド事業でもっともある実績がある2社で、国防省の仕様書の内容を実行できる可能性がいちばん高かった。MicrosoftはAmazonからだいぶ引き離されているとはいえ、この2社がクラウドの1位、2位の事業者である点は疑いない。この分野をモニターしている調査会社のデータによれば、Amazonは圧倒的な33%、Microsoftは13〜14%程度で、この2社で市場シェアのほぼ半分を握っている。

Microsoftの強みは非常に強力な生産性アプリケーションを擁するAzure Stack。これはプライベートなミニAzureで、軍にとってはきわめて使い勝手がいいはずだ。しかしMicrosoftだけでなくAmazonももちろん政府業務の経験は十分に積んでいる。両社はそれぞれにメリット、デメリットがあるので、どちらかを選ぶのは非常に困難な作業となる。

去る2月にはさらに別のドラマが展開した。国防省は元Amazonの社員が国防省が作成した新サービスの仕様策定に関与したのちAmazonに戻ったかもしれないという利益相反の疑いについて調査を実施したという報告書を公開した。報告書は「利益相反の事実はなかったが、倫理的行動義務の違反となるような部分があったかもしれない。この点の情報については省内の倫理行動基準を調査する部門に引き渡した」と述べた。

国防省は今月末に勝者を発表するが、その後もドラマはさらに続きそうだ。

画像:SOPA Images / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ChromiumベースのEdgeブラウザーが公式プレビュー

Microsoft(マイクロソフト)は、米国時間4月8日、Chromiumエンジンを搭載したEdgeブラウザーの最初の公式バージョンを、Windows 10用にリリースした。最初のデベロッパー向け、およびカナリービルドは、ここからダウンロードできる。カナリービルドは毎日、デベロッパービルドは週1回のペースで更新される予定だ。もう少し経てば、ベータチャンネルも、そして最終的には安定版チャンネルのリリースも期待できる。

Microsoftは、このプロジェクトについて昨年12月に初めてアナウンスした。そのニュースは、やはりかなり物議を醸した。Microsoftは自らのブラウザーエンジンを棄ててまで、オープンソースのエンジンを選ぶのかと。しかも、オープンソースとはいえ、いまだGoogleの強い支配下にあるものを。そうなれば、ブラウザーエンジンはほとんど2つに集約されてしまう。GoogleのChromiumとMozillaのGeckoだ。

私は、先週あたりに出た最新版のビルドを使ってみた。Microsoftの新しいChromiumベースのEdgeブラウザーを使ってみて最も注目すべきことは、まったく注目すべき点がないように感じられることだろう。それは紛れもないブラウザーであり(最初のリリースにつきもののバグはいくつか見られるものの)期待した通りに動作する。それは良いことだ。Windowsユーザーであれば、新しいEdgeをデフォルトのブラウザーとして難なく使用でき、それは何事もなかったかのように動く。その一方で、少なくともこの段階のプロジェクトでは、Chromium版のEdgeを、Google自身のChromeブラウザと区別するものがほとんどない。

ただし、Windowsエコシステムへの統合が深まるにつれて、それもだんだん変化していくだろう。今のところ、これはほんとうに最初期のプレビューであり、ウェブサイトと拡張機能のデベロッパーに対して、サイトやツールのテスト環境を提供するためのものなのだ。

とはいえ、すでにMicrosoftの他のサービスと統合されている部分もいくらかは存在する。現在、Edgeのプレビュービルドをインストールする際には、新規タブのレイアウトを選択することができる。選択肢は、検索バーといくつかのブックマークだけを配置した非常にシンプルなものと、Bingのものに似た、きれいな写真を背景に設定できるバリエーションだ。さらに、Microsoft Newsの最近の主なニュースを表示する機能も、新規タブページをパーソナライズするオプションとして用意されている。

Microsoftによれば、タブの管理や、その他の特徴的なUIを強化する過程で、自社のブラウザーを他社のものから差別化する方法を検討していくということだ。

この最初のプレビューでは、いくらかの同期機能もすでに利用可能となっている。ただし、いくつかのヌケもある。たとえば、ブックマークは同期するが、機能拡張、閲覧履歴、設定、開いているタブ、アドレスやパスワードは同期しない。そうした部分は、今後のビルドで動くようになるはずだ。

今のところ、利用可能な検索エンジンはBingだけ。それについても、まちがいなく今後のビルドで変わるだろう。

Microsoftが優先しているのは、完全なエンドツーエンドのブラウザコードベースをユーザーに提供すること、Windowsの更新サイクルとは別に定期的な更新をプッシュし、同時にユーザーからテレメトリデータをプルすることを可能にするエンジニアリングシステムを構築することだという。

私が遭遇したバグのほとんどはマイナーなものだった。ただし、Netflixには何度も悩まされた。私が試した限り、他のすべてのビデオサービスは問題なく動くのだが、Netflixのホームページはしょっちゅうガクガクしたり、数秒間反応しなくなったりした。

まあ、それは例外だろう。新しいEdgeをデフォルトのブラウザーとしてほぼ1週間ほど使ってみたが、同じような問題に出会うことはめったになかった。ほとんどは、すでに「うまく動いて」いる。PDFもブラウザー内で、期待通りに読むことができる。Yubikeyによる2段階認証を使ってGmailにアクセスするのも、何の問題もなかった。複雑なウェブアプリも、素早く、問題なく動いた。私が日常的に利用しているLastPassなどの拡張機能も、シームレスに動作した。Googleのストアからインストールした場合も、Microsoftのライブラリからインストールした場合も、まったく同じだった。

いくつかのベンチマークも実行してみた。もちろん驚くべきことではないが、EdgeとChromeの最新バージョンは、実質的に同じ結果を示す場合が多かった。開発のこの段階で、ベンチマークについてうんぬんするのは気が早いが、それでも結果は期待を裏切らないものだと言える。

今回のリリースでは、新しいEdgeで拡張機能を利用する方法を、初めて公式に目にすることにもなる。Microsoftは、独自の機能拡張ストアを提供する予定だが、それはむしろ当然のこと。しかし設定を切り替えるだけで、サードパーティのマーケットプレイス、つまりChromeウェブストアから拡張機能をインストールして使うこともできるようになるのだ。拡張機能のデベロッパーは、自分のツールをMicrosoftのストアに追加したければ、基本的に既存のChrome用の拡張機能を、そのまま持ってくればいい。

Microsoftは、新しいEdgeを、当然ながらWindows 7とWindows 8でも使えるようにすると約束している。さらにMac版も登場する。ただし現時点では、この最初のバージョンは、64ビット版のWindows 10専用となっている。それ以外のバージョンの開発も進行中だが、Microsoftによれば、それらは単にWindows 10版ほど進捗していないだけだそうだ。また、この最初のリリースは英語版のみだが、ローカライズされたバージョンも近々リリースされるだろう。

もちろん誰でもこのリリースをダウンロードして試してみることができるのだが、Microsoftでは、今のところ技術に精通している人以外にはお勧めしない、と強調している。この最初のリリースは、はっきり技術者を対象としたものなのだ。しかし、これから数か月以内に、Microsoftがさらに機能の充実したベータ版を配布し始めるのは間違いない。そしてその時には、より広い範囲のユーザーに向けたものとなるはずだ。それでも今すぐ試したいのであれば、あなたの技術レベルはどうであれ、誰も止めはしない。

画像クレジット:Microsoft

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

オンライン学習の仏OpenClassroomsが修士号取得のためのAIコースを開設

フランスのオンライン学習コースOpenClassroomsが、新しいパートナーシップにより修士レベルのコースを始めようとしている。このコースに登録した学生は、人工知能に関する完全にオンラインの課程にアクセスできる。そして卒業したら企業に就職し、この事業のパートナーであるマイクロソフトも一部を雇用するだろう。

OpenClassroomsは、さまざまなテーマに関する人びとの学習意欲に応えるための、大規模でオープンなオンラインコースとして始まった。そしてその後、完全な卒業証書と学位をもらえる6か月から数年を要する長期コースも始めた。

OpenClassroomsはフランスの正式な学位を提供し、今後アメリカやイギリスでも同じことをしようと計画している。毎週メンターと対話して進捗状況を話し合えるから、完全な自学自習ではない。同社の場合、このやり方がとてもうまくいっている。

オンラインのコースは、学位を取るコストが通常の大学より低いし、時間/日/学期などのスケジュールの組み方に柔軟性がある。また同社は、卒業後6か月以内に就労できることを保証している

最近OpenClassroomsは、企業とパートナーして新入社員教育を提供している。その間新人は、週に数日出勤し、他の日はネットでOpenClassroomsを受講する。企業はそれにより各新人社員の適性がわかるし、一方社員は自分で金を払って基礎知識などを学習せずに済む。OpenClassroomsにお金を払うのは、社員ではなく企業だ。UberやDeliveroo、Capgemini、BNP Paribasなど数十社が、この新入社員教育事業を利用している。

マイクロソフトは、OpenClassroomsのデータサイエンスや機械学習、人口知能一般など学位取得コースの構築を助ける。同社は、学習コンテンツと実習プロジェクトの両方を提供する。最初の受講生は、フランスとイギリスとアメリカの計で1000名を予定している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Microsoft Surface Book 2が新プロセッサーにアップデート

Microsoft(マイクロソフト)はひっそりとだが、13.5インチのSurface Book 2のスペックを刷新した。現行モデルが2017年に投入された2 in 1スタイルのパワフルなラップトップは、4コアの第8世代のCore i5プロセッサを搭載したのだ。

新モデルでは、256GBのストレージと8GBメモリーを搭載したバリエーションが1499ドル(約17万円)となっている。プロセッサを第8世代Core i7でストレージを512GBにアップグレードすれば、1000ドルの追加出費が必要だ。また、第7世代Core i5搭載モデルは200ドル値下げされた。

Surface Book 2ではスペックのみのアップグレードが噂されていたが、それが正しかったことが証明された形だ。Apple(アップル)の新製品と同じく、特に大きな発表というわけではない。

なお、Microsoftは数週間後にニューヨークでイベントを開催する。こちらでは、昨年秋に発表されたSurface Hub 2の詳細が明かされることが期待されている。

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(文/塚本直樹 Twitter

われわれは今年もエープリルフールのジョークを考え出すべきだろうか?

ノー。

絶対にノーだ。先ごろ、Microsoftの最高マーケティング責任者、Chris Caposselaは社内に向けてエープリルフールのいたずらは有害無益だと強く注意を促している。われわれも同感だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

価値の高いビジネスデータを共有、MSとアドビ、SAPがOpen Data Initiativeを拡大

昨年のMicrosoft Igniteカンファレンスでは、Microsoft、Adobe、SAPのCEOが一緒にステージに上り、Open Data Initiativeの立ち上げを発表した。この取り組みが目指すのは、それぞれの顧客が、お互いのサービス間でデータをやり取りしやすくすること。そのために、共通のデータフォーマットを標準化し、データをそれぞれのサイロから取り出して、顧客が選択した単一のデータレイクに移動できるようにする。今週開かれているAdobe Summitで米国時間の3月27日、3社はこのプログラムを拡大する計画を発表した。さらにパートナーを追加することも視野に入れている。

「私たちが力を合わせて取り組むのは、それぞれの顧客に共通の問題を解決するためです。その問題は、ずっと以前から言われ続けているもので、価値の高いビジネスデータほど、さまざまなアプリケーションの内側にサイロ化されているというものです」と、Microsoftのビジネスアプリケーションおよびグローバルインダストリ担当副社長のAlysa Taylor氏は語った。「データを取り出して、そのフォーマットを類推し、データに秘された情報を収集することは、非常にコストがかかり、手動の作業も必要で時間がかかるものなのです」。

このアライアンスの基本理念は、データは顧客のものであって、顧客はそこから可能な限り最大限の価値を引き出すことができなければならない、というもの。理想的には、共通のデータスキーマを持つことには大きな意味がある。つまり、顧客はベンダーから得たデータを変換する方法を考え出す必要もなく、そのすべてを簡単に1つのデータレイクに流し込むことができるようになる。それにより、そのデータを、さまざまな分析サービス、機械学習システム、さらに他の会社が提供するツールによって活用できる。

今回のAdobe Summitで、この3社連合は最初の顧客のユースケースを示した。それは、Unileverが、この共通のデータ標準をどのように利用しているかを明らかにするものだ。彼らが強調したかったさらに重要なポイントは、Open Data Initiativeは、当然ながら他の会社に対してもオープンになっているということ。その最初のステップとして同連合は、パートナー諮問委員会を設立することも米国時間3月27日に発表した。

「これが基本的に意味しているのは、このエコシステムを担っている主要な会社にも、ODIの取り組みに参加してもらえるように拡張した、ということです」と、Adobeのエコシステム開発担当副社長、Amit Ahuja氏は述べた。「私たちが始めようとしているのは、2つあるパートナーの大きなグループに焦点を合わせることです。そのうちの1つめは、この種のコアデータを多く持っている、本当に興味深いISVです。私たちは、そうした会社を、1つに統一された視野の中に確実に取り込みたいと考えています。そして2つめのグループは、自分たちのエンタープライズ向けアーキテクチャの中で、顧客を手助けしようとしている大手の事業者です」。

この新しい委員会に加わった最初の12のパートナーは、Accenture、Amadeus、Capgemini、Change Healthcare、Cognizant、EY、Finastra、Genesys、Hootsuite、Inmobi、Sprinklr、そしてWPPの各社だ。しかし、これはまだ最初のステップに過ぎない。やがて、このグループは、これら最初のパートナーをはるかに超えて拡大し、さらに多くの関係各社を巻き込んでいくはずだ。

「私たちは、本当にこれを広めたいと強く望んでいます。それにより、すばやく進歩し、私たちが話していることを実際にデモで示したいのです。コンセプトの段階でも、間違いなく顧客の利益になるものであることが分かってもらえるはずです」と、SAPのグローバルビジネス開発&エコシステム担当副社長、Abhay Kumar氏は述べた。このアライアンスが把握しているユースケースは、市場情報、販売情報、そしてサービス情報に重点を置いたものとなっていると、彼は付け加えた。

今日、企業は何十もの異なるシステムからデータを取り込む機会も多く、それらの情報をすべて理解するのはかなり困難となっている。そして、その段階に到達するだけでも、まずデータを変換して、利用可能な状態にする必要がある。そうするためには、データを解きほぐす、別のアプリケーションをいくつも動員しなければならない。「私も、そのために15から20ものアプリケーションを購入したくはありません」とAhuja氏は言う。「投資を身のあるものにして、すでに購入したアプリケーションへの投資を回収したいのです」。

この取り組みは、エンジニアリング、セールス、製品マーケティングの各グループにまたがるものであり、協力関係が非常に重要であると、3社は口を揃えて強調している。

(関連記事:Microsoft, SAP and Adobe take on Salesforce with their new Open Data Initiative for customer data

画像クレジット:Microsoft

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

マイクロソフトがエイプリルフールのいたずらや悪ふざけを厳禁

子どもたちよ、気をつけようね。もうすぐエイプリルフールだ。一年で最悪の日だと思うけど、重要な年中行事として多くの人が固執している。テクノロジー企業も毎年その魔力に感染して、多くのユーザーの夢を一瞬でぶち壊して楽しんでいる。多くの上位企業で、その日のいたずらに凝ることが慣例のようになっている。楽しいのもあれば、ひどいのもあるけど、まあ98%は前者かな。

マイクロソフトは今年、いたずらに対して厳しい姿勢で臨もうとしている。CMO(マーケティング最高責任者)のChris Capossela氏が社内に配布したメモで、「一般に公開されるようなエイプリルフールの悪ふざけをしてはならない」と要求した。Vergeが入手したその書簡によるとCMOはこう述べている。「そのような悪ふざけにポジティブな効果はほとんどなく、好ましくないニュースが広まることもある」。

悪意のないいたずらでも、今日のようなソーシャルメディアの時代には思わぬ問題を惹き起こすこともある。読者も記者も、そんなごみを十分にフィルターする能力がない。いかがわしい発信者であっても、つい本気で受け取ってしまうこともある。

Capossela氏や僕は、口うるさい爺さんみたいかもしれないが、でも、めったにないおもしろいエイプリルフールのいたずらを作れたとしても、その見返りは何だろう?同氏のメモには、こう書かれている。「いたずらの傑作を作ろうとして長時間努力する人もいるが、でもこのたった1日のために人を笑わせる努力をしても、得るものより失うものの方が大きい」。

長年の悪質ないたずらによって根性がねじ曲がってしまった僕なんか、このマイクロソフトのメモが今年のいたずらのネタのトップになると思ってしまう。もしそうなったら、神様に救いを求めよう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトがイランのハッカーのドメイン差し止め命令を連邦裁判所からゲット

Microsoft(マイクロソフト)は悪用されていた多数のドメインに関してワシントン地区連邦裁判所から差し止め命令を獲得することに成功した。これらのドメインはイランのハッカーグループが使用していたもので、裁判所命令によりMicrosoftがコントロールを得た。

MicrosoftはPhosphorusないしAPT 35として知られるイランのハッカーグループがハッキングに利用していた99のウェブサイトの利用差し止めの訴えを起こしていた。Microsoftのコンシューマー・セキュリティーの責任者、 Tom Burtのブログ記事によれば、連邦地裁は今月はじめにMicrosoftの主張を認めたが、文書が公開されたのは先週だったという。

連邦裁判所はoutlook-verify.netやyahoo-verify.netなどハッキングに悪用されていたドメイン名の管理をレジストラからMicrosoftに移すことを命じた。これによりMicrosoftはこうしたドメインを自社のサーバーでホストする。これらのサイトを本物と信じてアクセスした被害者からのトラフィックは安全にMicrosoftのブラックホールににリダイレクトされる。

「情報を共有して攻撃を阻止するために、われわれはPhosphorusの行動を詳しくモニターしてきたが、この間MicrosoftはYahoo他のテクノロジー企業多数と密接に協力してきた」とBurtは述べた。(TechCrunchとYahooはどちらもVerizonの一部門)。

問題のハッカーグループは 米空軍で情報保全を担当していた元技術軍曹のモニカ・ウィルフリーデ・ウィットと密接な関係があるものと見られている。ウィットはイランに逃亡しているが、FBIからスパイ容疑で逮捕状が出ている。問題のハッカーグループはイランの主張を支援するために米国の大学生やジャーナリストに対してスピアフィッシング攻撃を行い、ターゲットをYahoo、Googleの偽のログイン画面に誘い込み、2段階認証を破ろうと試みていた。

これはMicrosoftにとって対ハッカー作戦における最新の法的勝利だ。去年、同社は APT 28、Strontium、Fancy Bearなどとして知られるグループに対して訴訟を起こした。 このグループにはロシア軍の情報機関GRUが関わっていると信じられている。 Microsoftはユーザー名、パスワードを不正に入手しようとするハッキングと戦っており、この2年だけで10回以上もそのような攻撃が実行されたという

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アドビとマイクロソフトが取引先データの共有で連携

Microsoft(マイクロソフト)とAdobe(アドビ)はここしばらく関係を築いてきたが、米国時間3月26日にラスベガスで開催されたAdobe Summitで、両社は2つのプラットフォーム間のより強固な連携を発表した。

そこには、 Adobeが昨年9月に47.5億ドルで買収したMarketoという会社のデータ共有も含まれている。このデータ共有は、Account Based Experience(ABX、取引先に基づく体験)と呼ばれている。両者は、Adobe Experience CloudのMarketo Engage、Microsoft Dynamics 365 for Sales、さらにはMicrosoftが2016年に262億ドルという巨額で買収したLinkedInなど複数のシステムの取引先データを共有する。

Microsoftは以前からLinkedInのデータを役立てる方法を探っており、MarketoのようなツールはLinkedInのデータを利用して取引先担当者の理解を深めるのに役立つ。Marketoの前CEOで現在AdobeでMarketoチームを率いるSteve Lucas氏は、顧客取引先は個人への販売と比べて複数の意思決定者が存在するためずっと複雑であると言った。販売サイクルは数カ月にわたることもあり、窓口担当者の追加情報を得られることは大きな意味がある。

「新しい取引先ベースの機能によって、マーケティングチームと営業チームは取引先や担当者に関する情報の連携が強化され、ビジネスへの影響力を測る新しい基準になる」とLucas氏が声明で説明した。

CRM Essentialsの代表でCRM、カスタマーサービス、マーケティングに長年携わっているBrent Leary氏は、これを顧客にも両社とっても有意義な提携だと見ている。「Microsoft DynamicsとLinkedInを、Marktoとより密接に連携させることで、AdobeのExperience CloudはB2B顧客の状況を知るために大きな価値のあるデータを手に入れることができる」とLeary氏はTechCrunchに話した。

目標は、複雑な営業案件を成立させることであり、両社のプロダクトを横断するより完全なデータを利用できるようになることがそれに役立つだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ハッカーがTeslaを乗っ取ってModel 3をゲット

2人のセキュリティ研究者が、年に一度の著名なハッキングコンテスト「Pwn2Own」を席巻し、Tesla Model 3を含む37万5000ドル(約4100万円)の賞金を手にした。このTesla車のインフォテインメントシステムが持つ脆弱性を、みごとに暴き出したことに対する報奨だ。

今年Teslaは、新しいModel 3セダンをPwn2Ownに供出した。自動車自体がこの競技に出されたのは初めてのこと。Pwn2Ownは、Trend MicroのZDI(Zero Day Initiative)によって運営されていて、今年で12年目となる。ZDIは、この企画に対して、これまで累計で400万ドル(約4億4000万円)以上の賞金を提供してきた。

この2人組のハッカー、Richard Zhu氏とAmat Cam氏は、チームFluoroacetate(フルオロアセテート)として知られている。ZDIによると、彼らは車に乗り込んで「集まった観客をワクワクさせた」。たった数分のセットアップ作業のあと、彼らは探索がうまくいったことをModel 3のウェブブラウザーに表示したのだ。

2人は、レンダラーのJITバグを利用してメッセージを表示した。そして、車そのものに加えて賞金も獲得した。わかりやすく言えば、JIT、つまりジャスト・イン・タイムのバグは、メモリ上のデータのランダム化をバイパスしてしまうもの。そのために、保護されるべき情報が露見してしまう。

Teslaは、このハッカーによって発見された脆弱性を修正するソフトウェアのアップデートをリリースすると、TechCrunchに語った。

「私たちが、Model 3を、この世界的に有名なPwn2Ownコンペに参加させたのは、セキュリティ研究コミュニティの中でも、最も優秀なメンバーに興味を持ってもらうためです。そして、このような特別なフィードバックが得られることを願っていました。今回のコンペでは、研究者は車載のウェブブラウザーに潜む脆弱性を指摘してくれました」と、Teslaは電子メールで伝えてきた。「私たちの車は、何層にもなったセキュリティ機能を備えています。それらは設計した通りに機能し、今回のハッキングのデモも、ブラウザーの表示だけに留めることに成功しました。その他の車の機能はすべて保護されていました。近日中に、今回の研究者の発見に対応するソフトウェアのアップデートをリリースするつもりです。今回のデモには、並はずれた努力と技術が必要だったことを理解しています。そして、彼ら研究者たちの仕事が、私たちの車が今日最も安全な乗り物であることを保証し続けるために役立っていることを、彼らに感謝します」。

Pwn2Ownの春の脆弱性研究コンペ、Pwn2Own Vancouverは、3月20日から22日まで開催された。今年は以下の5つのカテゴリに分かれていた。それらは、ウェブブラウザー、仮想化ソフトウェア、エンタープライズアプリケーション、サーバサイドソフトウェア、そして新たに追加された自動車だ。

今回Pwn2Ownは、AppleのSafari、MicrosoftのEdgeとWindows、VMwareのWorkstation、MozillaのFirefox、そしてTeslaなど、全部で19個の特徴的なバグに対して、総額54万5000ドル(約6000万円)を授与した。

Teslaは、ハッカーコミュニティとの協力関係を公にしている。その関係は、同社が2014年にバグに対する報奨金制度を開始してから続いている。それ以来、年々促進、強化されてきた。

昨年、同社は報酬の最大支払額を、1万ドル(約110万円)から1万5000ドル(約165万円)に引き上げ、同社のエネルギー関連製品も、その対象に追加した。今では、Teslaの車両、同社が直接ホストしているすべてのサーバー、サービス、そしてアプリケーションが、その報奨金制度によってカバーされている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)