FirefoxOSを死なせたくないMozillaがIoTで四つのプロジェクトを立ち上げ…オープンWebに活路を

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12月にMozillaは、モバイルビジネスのために作ったFirefox OSが軌道に乗らなかったので開発も販売も中止し、今後は物のインターネット(Internet of Things, IoT)方面へ方向変えする、と発表した。ひとつの分野で失敗した組織が、それよりもさらに複雑と思われる別の分野で成功するのか、多くの人が首を傾げたが、Mozillaは同社のIoTの候補リストの中から、最初のいくつかのプロジェクトを公表した。それは、(1)インテリジェントな“パーソナルユーザーエージェント”、(2)クラウドソースによるセンサネットワーク、(3)スマートホームのイニシアチブ、そして(4)IoTデバイスのための音声インタフェイスだ。

Mozillaは、これらのそれぞれがコミュニティのメンバーの取り組みによって開発されテストされることを期待する、と言っている:

(1)
まずProject Linkは、Mozillaの説明では“家の中の各種デバイスと家族がどのように対話しているか、という個人の好みを知って、各人のデバイスやネットワークの利用を自動化するパーソナルユーザーエージェント”だ。

このプロジェクトは最初、FoxLinkと呼ばれていて、基本的なアイデアは、ユーザー個人の好みを学習して、ユーザーが介入しなくてもインターネットに接続されたさまざまなデバイスをコントロールする、というものだ。もちろん人間ユーザーによるコントロールもできる。Mozillがここで追求しようとしているインテリジェンスは、映画Herに出てくるパーソナルアシスタントSamanthaを想起させる。Mozillaによると、このプロジェクトはまだ、きわめて初期的な段階だそうだ。

(2)
一方、Project Sensor Webのねらいは、センサネットワークにクラウドソースなデータを注入して、私企業的でなく、公共的に誰もがアクセスできるようにする、というもの。IBMのWatsonのような私企業的サービスを、そのオープンWeb版として提供するもののようだ。Watsonはご存知のように大量の公的あるいは私的データを私企業の傘の下に集めている。IBMはその取り組みの一環としてWeather Companyを買収したが、Mozillaはそれに対抗するかのように、Sensor WebでクラウドソースによるPM2.5空気汚染センサネットワークを、最初のパイロット事業として立ち上げる気だ。Sensor Webを図解すると、下図にようになる:

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(3)
Project Smart Homeは、Apple HomekitとRaspberry Piなどを使うDIY的やり方、という高低二極に対するMozillaの“中道的”な答だ。基本的には、Mozillaが提案するこのプラットホームの上でハードウェアやソフトウェアのメーカーが、自分たちのインターネット接続型ホームデバイスを動かす。なお、これはSensor Webプロジェクトよりも商用色の強い内容のようだ、若干のためらいもあるが:

“人びとは安価で使いやすいスマートホーム技術を求めているが、でも人間生活の日常的な問題の一部は、既製品的なシステムでは解決できない。そういう問題をRaspberry Piなどを使ってDIY的に解決することもできるが、それは多くの人にとってあまりに複雑すぎる”、とMozillaは書いている。“ここには明白なマーケットギャップがある。でも、消費者がそのギャップを本当に填めてほしいと願っているのか、そのへんがよく分からない”。

MozillaによるとProject Smart Homeの次のフェーズでは、今のスマートホームに欠けているものを研究する。併せて、既存のソリューションの限界や制約も調べる。

(4)
最後の第四のプロジェクトはVaaniだ。(1)のLinkがSamanthaのインテリジェンスだったのに対し、Vaaniはそれの声になりたがっている。つまりそれはAmazon Echo的な音声インタフェイスで、デベロッパーは自分のアプリやハードウェアにそれを、ユーザーがそれらとより自然に対話できるための方法としてくっつける。Mozillaによると、最初は家の中の対話からだ。たとえば、“家の中の温度は何度?”とか、“二階の灯りを消して”など。これで、スマート温度計や照明システムが応じてくれるのだ。つまり、そのハードウェアやアプリのための、コマンドやクェリの一(ひと)揃いを実装する。

———-

ただしFirefox OSはこれまでの実績が良くないから、疑いの目で見る人は多い。Mozillaは自分の長所、すなわちWebブラウザーの技術をベースに、デベロッパーを相手にした方がよい、という声もある。もちろん、今後も得意分野は活かすべきだが、でもせっかく作ったFirefoxOSだから、簡単に見捨てずに、それにできることを究(きわ)めてみるのも、たいへんすばらしいことだ、と私は思う。

IoTはまだ生まれたばかりの分野だから、今あちこちで行われているプロプライエタリな(私企業的な)事業活動とは逆に、あくまでもオープンWebでやってみるのは、決して悪いことではない。

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Firefox 44がリリース、やっと本格的なプッシュ通知を実装

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Mozillaが今日(米国時間1/26)、 WindowsとMac、LinuxおよびAndroid用の、Firefoxブラウザを、アップデートした。今回のハイライトは、そのデスクトップブラウザに、Webからのプッシュ通知を実装したことだ。

Firefoxはこれまでも、いろんなタイプの、Web上の通知をサポートしていたが、それらはいずれも、当のサイトを常時開いている必要があった。しかし今回の実装は、ネイティブの通知に似ていて、モバイルの通知のように動作する。通知はオプトインなので、FirefoxのControl Centerでin/outを管理できる。

Mozillaが適切に説明しているように、この機能は、“Webメールや天気予報、ソーシャルネットワーク、ショッピングなど、ユーザがアップデートを頻繁にチェックするようなWebサイトで重宝する”。

なお、Googleは昨年すでに通知を実装しており、Facebookなどもそれをすぐに採用した

デベロッパとしてFirefoxのプッシュ通知をサイトに導入したい人は、Mozillaが発表した詳しい実装ガイドを勉強しよう。

今回はこの改良されたプッシュ通知がいちばん目立つ機能だが、ほかにもいくつかの変わった箇所が(とくに内蔵のデベロッパツールに)ある。デスクトップバージョンのリリースノートの全文はここにあり、Android用はここにある。

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MozillaのコンテンツブロッカーFocus by FirefoxがiOS 9のSafariブラウザ向けにローンチ

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ちょっと意外な発表だ: Firefoxブラウザを作っているMozillaが今日(米国時間12/8)、Disconnectのブロックリストに基づいてiOS 9上のSafariブラウザのために悪質コンテンツをブロックするコンテンツブロッカー、Focus by Firefoxをローンチした。このコンテンツブロッカーは広告をブロックするだけでなく、広告やアクセス分析、モバイルWeb上でユーザを追跡するソーシャルメディアのトラッカーなどもブロックする。

これは、Firefoxのプライベート閲覧モードで新たにサポートされるコンテンツブロッカーと同種の、Mozillaによる追跡保護サービスだ。

コンテンツブロッカーそのものは旧聞に属するが、AppleがそれをiOS上のSafariに持ち込んだことにより、それらをめぐる議論が一層過熱している。

コンテンツブロッカーは、そのデフォルトの振る舞いですら、倫理的にアヤしい部分がある。インターネットの上の出しゃばり広告や、ネット上で追跡されたりプロファイリングされたりすることは、誰だって嫌だが、でも多くのパブリッシャーがコンテンツを無料にしてターゲティング広告で稼いでいるのは、それができるからだ。Focus by Firefoxは広告ブロッカーではないが、デスクトップで使ってみた経験からは、大量の広告をブロックすることも事実だ。

Mozillaは、今日ではあまりにも多くのユーザが“信頼を失い、自分のデジタル生活なのにそれを自分ではコントロールできない状態になっている”、と主張する。信頼の喪失はWebのエコシステムにダメージを与える。今年の初めに同団体は、コンテンツをブロックすることに関する一連の原則を公開した。それはたとえば、ソフトウェアをブロックする場合は広告をブロックするだけでなく、パフォーマンスやセキュリティやプライバシーも問題にすべきである、と言っている。しかし同時にMozillaは、ブロッカーはデフォルトではさまざまなコンテンツやパブリッシャーを差別すべきでない、とも言っている。そしてそのソフトウェア(コンテンツブロッカー)は、そのやってることに関して透明でなければならない、とも。Mozillaがその利用を決めたDisconnectのリストは、GNUの一般公開ライセンス(General Public License)により公開されている。

MozillaのFirefoxブラウザはiOS用もあるが、そちらではまだFocusのサポートはない。Appleは、サードパーティのツールがコンテンツブロッカーを使うことを、許していない。

またAndroid用にもFocusはローンチされないようだ。ただしAndroid上のFirefoxにはすでにプライベート閲覧モードがあるから、Focusとほぼ同じ保護機能を利用できるのだ。

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Firefox OSを、Android上のアプリケーションとして試してみることができるようになった

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ブラウザで有名なMozillaが開発しているFirefox OSを試してみたいと思ったことはおありだろうか。

これまでは、Firefox OSを搭載したデバイスを新たに購入するか、あるいは手持ちのAndroidデバイスをハッキングしてFirefox OSを走らせる必要があった。

しかしこれからはより手軽に試してみることができるようになる。すなわちMozillaがAndroid上で動作するFirefox OSのプレビュー版をリリースしたのだ。

異なるOSを強引に動作するようにしているわけで、ときに奇妙な振る舞いをすることはある。プレビュー版ということであれば、不具合も大いに違いない。たとえば「戻る」ボタン関連の動作がおかしくなることもあるようだ。

しかしそんなに心配することもないだろう。バグが気になったりするようならただアンインストールしてしまえばいいのだ。削除してしまえば動作は元通りになる。

試してみようという人はMozillaのブログページ(日本語訳ページはこちら)でFirefox OS 2.5 Developer PreviewのリンクをクリックしてAPKを入手することができる。

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(翻訳:Maeda, H

Firefox 42がローンチ: 追跡保護機能はプライベートブラウジングモードでのみ有効

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ベータが短かったFirefox 42が、今日(米国時間11/3)ローンチされ、それによりFirefoxのPrivate Browsing(プライベートブラウジング)モードにおけるTracking Protection(追跡からの保護)機能も有効になった

ChromeのIncognito(匿名)モードなどに相当するPrivate Browsingは、閲覧の履歴やその閲覧行為から生じたクッキーを保存しないが、そのほかの個人情報は外部に漏れることがありえる。そこでこのたびのTracking Protection機能では、ソーシャルネットワークやアナリティクス企業などがユーザを調べようとしても、ユーザのWeb閲覧行為からまったくデータが得られない。

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それはGhosteryEFFPrivacy Badgerなどのプラグインにあった機能だが、でもこのFirefoxの追跡保護は当面、Private Browsingモードでないと機能しない。

追跡保護機能は広告ブロッカーではないが、ユーザ追跡をする広告は多いから、この機能を有効にしておくと広告が相当減るだろう。

Mozillaの説明によるとこの機能は、“ユーザが自分のWeb体験に関して多くの選択肢を持ち、また制御権も持つために設けた。商業的利益と人間的利益のあいだで均衡を維持することはWebの健全化のために重要である。Mozillaはこの機能の維持に専心している”、ということだ。

追跡保護がPrivate Browsingモードの外に出てWeb閲覧全般に適用されることは当分なさそうだが、Privateでない通常の閲覧行為におけるオプトイン(ユーザの意志で有効化する)になってもおかしくない機能だ。

Firefox 42のそのほかの新しい機能としては、タブが音を再生しているときには、そのことを示すアイコンがつく(どのタブから音が出てるのか分かる)。Chromeには前からある機能だが、自動再生ビデオが氾濫している今、Firefoxにもあるのは嬉しい。しかも、音を消したかったらそのアイコン(スピーカーの形)をクリックするだけでよいのだ。Chromeの場合は、ちょいとややこしい

このほか、Control Centerが改良されてサイトのセキュリティやプライバシー管理をチェックできるようになり、またLogin Managerも改良された。

ニューバージョンのFirefoxのデスクトップ版(Windows, Mac, Linux)はここで入手できる。また、Androidバージョンでも、同様のアップデートが行われている。

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FirefoxがPocketを統合、読むことに集中できるビューを提供

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MozillaのFirefoxブラウザが今日(米国時間6/2)リリースのv38.0.5から、簡易ブックマーキングサービスPocket最初から統合する。またリーダーモードでは、AppleのSafariのリーダーモードや、人気のエクステンションReadabilityブックマークレットに似た、読むことに集中できるリードモードが提供される。

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MozillaがPocketのようなサードパーティサービスを統合するのはきわめて異例だから、Firefoxユーザ、中でもとくにリーディングリストをよく使っていた人にとっては驚きだろう。その機能は今では削除され、結果的に、プロプライエタリなサービスが優遇されている。

PocketはMozillaのFirefox Accountsを統合して新たなアカウントを作り、ユーザを登録する。そしてPocketのボタンがFirefoxのユーザインタフェイスの目立つ位置に鎮座する。そのほかのアドオンやブックマークレットを使いたい人は、Pocketボタンを簡単に隠せる。ただし、もはやアドオンではないから、完全に無効化するのはやや難しい。

これは、Firefoxのユーザを落ち着かない気持にさせるかもしれないが、ユーザ数が一挙に増えるPocketにとっては朗報だ。PocketのファウンダNate Weinerは、”Save”(URLの保存)は機能ではなくプラットホームであるべきと主張しており、ブラウザ本体が内蔵する機能よりも、クラウド上の魅力的なサービスであるべき、と言っている。Mozilla自身がそんなサービスを立ち上げてもよかったのかもしれないが、iOS、Kindle、Android、Windowsなど多様なプラットホームに対応するのはたいへんすぎる、と最初から諦めたのかもしれない。

新しい、集中を削がれないリーディングモードは、誰もが期待するとおりの機能だ。そのほかのブラウザの類似機能と同じく、Webサイトからテキストだけを取り出して表示し、広告やメニューなど、邪魔になる要素を隠す。機能としては、フォントのサイズ指定、フォントスタイル(セリフ/サンセリフ)の切り替え、背景の暗色明色の切り替えなどがある。そのリードビューでも、Pocketのボタンが目立っている。

そのほかの新しい機能は、MozillaのWebRTCベースのビデオチャットツールFirefox Helloにおける、画面共有ぐらいだ。

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MozillaがFirefoxの閲覧履歴を参照する広告事業を展開、プライバシー保護の牙城崩れるか?

非営利の団体であるMozillaが、広告主の企業やブランドとブラウザのユーザとの会話を助ける、と聞くと奇異な感じを受ける。そもそも、それが何らかのユーザサービスになるとは思えない…そんな会話をしたい人なんか、いないだろうし。でも世界では、奇異なことが毎日のように起きている。

Mozillaが今日(米国時間5/21)ローンチした”Suggested Tiles“は、ユーザが新しいタブを開いたときに、広告主に与えられる特別の広告スペースのことだ。そういう広告はまずFirefoxの次のベータに登場するが、多くはMozilla自身の広告になるようだ。ベータを終了したら、一般リリースにも登場する。

でもMozillaは数か月前からスポンサー付きの’Directory Tiles‘をやってるから、その次がSuggested Tilesなのは意外でもない。Directory Tilesは閲覧履歴のない新しいユーザの画面に出るデフォルトのタイルだが、Suggested Tilesは閲覧履歴に基づいて個人化された広告を出す。これまでユーザが訪れたサイトのカテゴリを見て、そのユーザの関心を推察するのだ。そのためのコードの例がここにある。(Engadget.comやFunkySpaceMonkey.comを訪れているとテクノロジに関心あり、とされるが、なぜか本誌TechCrunch.comはだめなようだ)。

Mozillaはユーザのプライバシーを守ることを鉄則としてきた団体だから、今回の広告サービスはそれを曲げるものにはならないのか? Mozilla自身は、広告主に提供するデータには一定の制限がある、と主張してはいるが。

“Suggested Tilesで、ユーザに関連性のある広告やコンテンツのリコメンデーションが可能にはなるが、ユーザは自分のプライバシーを守るために、そのために使われるデータをコントロールできる”、とMozillaのコンテンツサービス担当VP Darren Hermanが書いている
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ユーザの関心を推察するために利用するURLの数や種類が制限されている(少なくとも5つのURLを使用、二つのURLを組み合わせてSuggested Tileをトリガすることはできない)。どのURLを使うかは広告主が決めるが、Mozillaがそれを許可しない場合もある。Mozillaがユーザのプロフィールを作ったり、クッキーを使ったり、そのほかの追跡ツールを使うことはない。ただしユーザが広告をクリックしたら、その企業がそんなツールを使うことはありえる。しかしMozillaは、URLの集合、というデータを利用するだけで、ユーザの個人情報はいっさい利用しない。

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Mozillaによると、この新しい種類の広告によって、広告主はユーザが閲覧を始める前に見込み客にアプローチできる、ということだ。

Mozillaが、ユーザつなぎとめ策として必要ならDRMをサポートする、としぶしぶ決めたように、やはり今回も、しぶしぶの決断だろう。独立の団体としての運営を続けるためにはお金を自分で稼がなければならず、検索パートナーとしてのYahooからだけでなく、ブラウザも収益源にしなければならない。

これをもっとユーザフレンドリな広告事業にすれば、より適切なプライバシー保護ができるのではないか、とも感じる。ただし、今でも、オプトアウトしたければほんの数クリックでそれはできる(右図)。

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PanasonicはスマートテレビのOSとしてFirefox OSを採用…まずヨーロッパ市場から発売へ

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Mozillaは1月のCESで、低価格スマートフォン用のOSとして知られるFirefox OSがスマートテレビの上で動いているところを見せた。そして今、その努力の最初の果実が、今日(米国時間5/14)からヨーロッパの店頭にお目見えする。

PanasonicはMozillaのローンチパートナーで、同社のスマートテレビVieraシリーズのうちの6機種がFirefox OSを搭載する。それらはCR850とCR730、CX800、CX750、CX700、そしてCX680で、Pnasonicの初めての曲面LED LCDテレビも含まれる。同社によるとこれらの機種および関連機種は、ヨーロッパ以外の市場には数か月後に投入される。

しかしFirefox OSは、スマートフォンをこれから買う消費者においてすら知名度が低いから、スマートテレビの市場でもそれ自身での集客力はおぼつかない。それでも、MozillaのHTML5ベースのプラットホームにより、PnasonicによるとそのテレビはWebアプリケーションをサポートし、Mozillaが公開しているAPIによりデベロッパはこのプラットホーム向けのさまざまな開発ができ、またそのほかのWebコンテンツ見たり、お気に入りのチャネルを作ったり、ほかのデバイスと対話することもできる。主なコンテンツ企業がこのプラットホーム向けのアプリケーションを提供しているから、NetflixやHulu、YouTubeなどを大画面で楽しめる。

MozillaによるとFirefox OSは、“ユーザとデベロッパと事業者とハードウェアメーカーにより多くの選択とコントロールを提供する”、と言う。しかしGoogleのAndroid TVと、そのいろいろささやかれた将来計画は、スマートテレビ製品とデベロッパの関心の面では、部屋の中の巨象のように身動きとれないものになっている。ほかにSamsungのTizenというプラットホームも、一部のテレビに搭載されている。そんな中で、Panasonicというメジャーな名前をローンチパートナーとして得たことによりMozillaは、その、テレビへのフォークに消費者の関心を確実に惹きつけることができるだろう。

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MozillaのFlashプレーヤーShumwayがAmazonのプロダクトビデオを再生

MozillaはAdobeのサポート終了に備えて、FlashプレーヤーShumwayを急遽自作した。そのコードはすべて、オープンスタンダードに基づいている。なお、Shumwayという名前は、あの猫を食べる毛むくじゃらのエイリアンとは無関係だ。このプロジェクトは2012年にスタートし、Mozillaの実験用のNightlyビルドには前から含まれていたが、Nightlyのユーザでさえ、気が付かない人が多かった。

しかし今日から(米国時間2/13)Mozillaは、AmazonのプロダクトビデオにShumwayで対応し、今後デフォルトではShumwayプレーヤーを使うことになる。ただし、Amazonの提供ビデオという意味ではなく、プロダクトビデオのみだ。AmazonのAmazon Instantのビデオは、Silverlightを使っている。

Shumwayの開発にはかなり時間をかけたとはいえ、これ自体、小さなステップにすぎないようだ。でも、Web上にFlashムービーがあるかぎり、今後はShumwayが使われることになる。

今はWindows(Vista以降)とOS Xだけだ。H.264のデコーダを使うので、LinuxやWindows XPでは使えないかもしれない(XPは、とっくに過去のものだけど)。

でも、Shumwayの互換性がもっと完全になったころには、Flashはほとんど使われていない可能性もある。MozillaのShumway担当プログラムマネージャChris Petersonも、ある程度そのことを認識している

“ShumwayはFlashがWebから消えていくときに登場した。でも、AdobeやブラウザがFlashプラグインをサポートしなくなっても、Flashコンテンツのロングテールは必ず残存する”、と彼はShumwayの未来的存在意義を述べている。.

Googleは、FlashファイルをHTML5のコンテンツに変換するSwiffyを提供し、MozillaのようにFlashの自社製代替ソフトを作っていない。デベロッパは、Webサイトを公開する前にFlashコンテンツをSwiffyを使って変換すればよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


FirefoxがiOSにやってくるかもしれない


この一年Mozillaは、iOS版Firefoxは作らない、なぜならAppleはiOS上でMozillaのウェブエンジンを使うことを許さないからだと断言してきた。しかし新たなCEOを迎え、Mozillaの立場は変わりつつあるようだ。今日(米国時間12/2)オレゴン州ポートランドで行われたMozillaの社内イベントで、同社は自社ブラウザーをiOSに載せる必要があると語った。

「われわれは、われわれのユーザーがいる所にいるべきだ」とFirefoxのリリースマネージャー、Lukas Blakkが今日Twitterに書いた(MozillaのFirefox担当VP、Jonathan Nightingaleを引用したものと思われる)。「だからFirefoxをiOSで動かす」。

Appleは自社プラットフォーム上でサードパーティー製ブラウザーエンジンを動かすことに関して、ことごとく厳格である。例えば、現在ChromeやOpera等のサードパーティー製iOSブラウザーがiOS上で動作できるのは、Apple製のJavaScriptとレンダリングエンジンを使っているからだ ― あるいはOperaの場合は、サーバー上でレンダリングを行った後端末に送っている。

MozillaがどのようにFirefoxをiOSに持ち込むつもりなのかは不明だが、Appleがプラットフォームをサードパーティー製ブラウザーエンジンに開放するとは考えにくいので、Appleの技術を使うことになる可能性が高い。その場合でも、Firefoxアカウントやブックマーク同期ツール等、現在Android版Firefoxで提供している機能をサポートすることはできる。

来年はForefoxにとって重要な年になる ― そして同社のブラウザーをいくらかでも復興させたい年に。今どきのユーザーは、あらゆるデバイス上で同じブラウザーを使いたがる。そうすることによって、ブックマークやパスワードの同期が非常に簡単になる。一時MozillaがiOS用にFirefox Homeを提供していたのも正にこの理由からだったが、2年前にプロジェクトは終了した

本誌ではMozillaにコメントを求めているので、情報が入り次第この記事を更新する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


MozillaがFirefox Developer Editionをローンチ

Firefoxが今日(米国時間11/10)10歳を迎え、Mozillaはそのお祝いとして二つのプロジェクトを立ち上げた。それらはプライバシーに関する新たな取り組みと、Firefox Developer Edition(Firefoxデベロッパエディション)だ。後者は、デベロッパのためのツールを前面に打ち出したFirefoxのニューバージョンだ。

このDeveloper Editionに、革新的なブラウザを期待していた人は、がっかりするかもしれない。基本的にそれは、黒を基調とするテーマと角型のタブのあるFirefoxで、それまでアドオンとして提供されていたデベロッパツールがすべてある。まず、Android上のChromeとiOS上のSafariをデバッグするためのFirefox Tools Adapter(”Valence”と改名)、ブラウザ上でWebアプリケーションを開発できるWebIDEなど。それに、前からブラウザにあったデフォルトのデベロッパツールが、見つかりやすくなった。

Mozillaのデベロッパツール担当ディレクターDave Campが、今日の発表声明で次のように述べている: “デベロッパ用のブラウザがあることによって、日々のWeb閲覧体験をデベロッパ向けにカスタマイズできる”。彼によると、“デベロッパが開発やデバッグのためにいろんなプラットホームやブラウザを行ったり来たりしていると効率が非常に悪い”。Firefox Developer Editionを使えば、“開発のワークフローを一箇所に集中できる”。

デベロッパにとってありがたいことに、このバージョンは今あるFirefoxと並行にインストールでき、互いに干渉しない。

また実験的なリリースチャネルであるAuroraのユーザは、そのリリース過程でDeveloper Editionにリプレースされるから、とくに何もする必要はない。

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Mozillaがデベロッパ専用の新しいブラウザを来週ローンチする

Mozillaが今日(米国時間11/3)、デベロッパ専用の新しいブラウザを来週リリースする、と発表した。具体的な詳細はなく、ただ匂わせただけだが、リリースは11月10日だそうだ。その日は、Firefoxの10歳の誕生日でもある。しかしMozillaによると、その新しいブラウザを使えばデベロッパは、ほかのツールをとっかえひっかえ使わなくても“Web全体を”デバッグできるのだそうだ。

発表文から引用すると: “Webのために何かを作るときは、お互いに相互運用性のない数多くのツールをデベロッパは使わなければならない。プラットホームやブラウザによっても使うツールは違うので、それが作業の足を引っ張り、生産性を損なう”。

この新しいブラウザでは、MozillaのWebIDEプロジェクトFirefox Tools Adaptorを使って、Firefoxの開発ツールをほかのメジャーなブラウザに対しても使えるようにする。ただし今回Mozillaが言っているのはそこまでで、詳細は来週にならないと分からない。

Mozillaはオープンソースの組織として、毎週のプロジェクト会議をストリーミングし、ユーザインタフェイスのアップデートの設計に関する研究も、もっとも実験的なリリースチャネルに出る前に共有することが多い。だから、今回の秘密めいた発表の仕方は、やや異様だ。

でも、おそらくFirefoxのフォークとしてデベロッパ専用のブラウザをMozillaが提供することは、理にかなっている。Mozillaはここ数年、デベロッパツールに重点投資をしてきたし、やや議論を招(よ)んだFirefox OSによるモバイルへの進出でも、さまざまなツールをローンチした。しかし外部ツールのこのような多産によって、ブラウザ内蔵のデベロッパツールが、おかしな立場になってきた。Firefoxの最新バージョンではブラウザのカスタマイズがずいぶん容易になったが、デベロッパツールにはますます陽が当たらなくなっていたのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今度のFirefox BetaではデスクトップでWebRTCビデオチャット、AndroidでChromecastやRokuへのビデオキャスト

MozillaがデスクトップとAndroid向けのFirefox betaチャネルに今日(米国時間9/4)、最新のアップデートをローンチした†。このところずっと、それほどエキサイティングな変化はなかったが、今回のアップデートにはエンドユーザ向けのおもしろいツールが二つある。[†: 原注: 可利用になるのは数日後。]

Android上では、ブラウザの新機能、ビデオを“デバイスへ送る”を試せる。サポートされているデバイスは、RokuとGoogleのChromecastなどだ。デスクトップでは、Firefoxに内蔵されたWebRTCによるビデオチャットを試せる。Mozillaはこれを今年の初めごろから、実験的なチャネルでテストしていた

ブラウザがプラグインなしでオーディオやビデオを呼び出せる標準機能WebRTCは、Firefoxの上で簡単に使えるが、デフォルトでは露出していない。”customize”ウィンドウへ行ってスピーチバブルを探し、それをメインのツールバーにドラッグする(右図)。そしてそのバブルをクリックすると、誰かと共有できるリンクができ、相手もクリックすればチャットがスタートする(つねに無料だ)。

そのバックエンドではMozillaがWebRTCのスペシャリストTokBoxとパートナーしている。ビデオチャットはChromeとFirefox間でもできるが、ぼくが試したときには、接続がときどき落ちた。Mozillaはこの機能が未完成であることを承知していて、今のところ“実験的”のラベルをつけている。もちろん、それでも試す価値は十分にある。

Android上のアップデートの主役は、ChromecastやRokuに対するビデオのキャスティングだ。Flashを使わずHTML5でビデオをサーブしているCNNなどのビデオは、Androidのあるモバイルからリビングの(RokuやChromecastが生きている)テレビへストリーミングできる。Chromecastの場合はなんらセットアップは要らないが、RokuではFirefoxチャネルをインストールする必要がある。

なお、HTML5のビデオプレーヤーを独自にカスタマイズしているサイトでは、“Send to”アイコンがないことがある。でもその場合でも、ビデオをスタートするとURLバーに”Send to Device”アイコンが出るから、それをクリックするとよい。

以上はしかし、あくまでもベータだから、バグもきっとある。まあ、ベータテスターとして参加するつもりで試用し、問題を見つけたらここに報告するとよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Mozillaのasm.jsを使った初の商用ゲームDungeon Defendersが登場

あまりにも長年、Webのゲームといえば、それがブラウザ上でスムーズに動くためには必ず何らかの(往々にして怪しげな)プラグインをインストールしなければならなかった。最近はWebGLなどの新しい技術のおかげでやや変わってきたが、でもJavaScriptが元々スピード狂ではないために、プラグイン不要のゲームはなかなか普及しなかった。しかしMozillaは、この状況をasm.jsで変えようと努力してきた。このJavaScriptのサブセットは、Firefox上できわめて高速に動き、そして今日の発表によると、asm.jsを使った初めての商用製品としての3Dゲームがローンチの運びとなった。

その最初の作品はTrendy EntertainmentDungeon Defenders Eternity、同社の人気シリーズの最新作で、タワーディフェンス系にRPGの要素も加味したゲームだ。Webバージョンにアクセスするためには、Steamでデスクトップバージョンを買うか、今夜あたりAndroidバージョンを買うかしなければならない。そうすれば、playverse.comでWebバージョンを遊べる。

Mozillaによると、Webバージョンはビジュアルもゲームプレイもネイティブのデスクトップバージョンとまったく同じだ。 スピードもasm.jsのおかげでネイティブに近い。asm.jsのほかに、3DグラフィクスにはWebGL、位置感のあるオーディオはWeb Audioを使っている。

Trendy EntertainmentのCEO Darrell Rodriquezはこう言う: “Webはすでにカジュアルゲームでは大きな世界だが、でもMozillaのasm.jsがあれば、プラグインを使わないWeb上の本格的なゲームが可能だ。Dungeon Defendersは、URLをクリックしてからロードまでほんの数秒だから、ゲーマーたちも十分満足するスピードだ”。

今のところは一つだけだが、asm.jsとプラグイン要らずのゲームには業界全体の期待と取り組みがある。昨年はMozillaが初めて、asm.jsを使用する3Dゲームをデモした。でも本格的に普及するためには、主なブラウザのほとんどがasm.jsをサポートする必要がある。しかしGoogleは、今のところ無関心だ(ベンチマークにはasm.jsを含めたから、気にはしているらしいが)。Microsoftのstatus.modern.ieには、asm.jsの名前すら登場しない。当面はサポートする気がないのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Mozilla、開発中の高性能JPEGエンコーダーの最新版をリリース

Mozillaが、JPEGエンコードに用いるmozjpegイメージエンコーダーの最新版をリリースした。新しいバージョンは既にfacebook.comにてテストが行われた。ちなみにFacebookはMozillaに対してプロジェクトの継続を目的として6万ドルを寄付している。

読者の方はよくご存知のことだが、ウェブで用いられている画像フォーマットといえばPNGとJPEGがほとんどを占めるという状況だ。MicrosoftやGoogleは独自フォーマットをリリースしたりということもしているが、広く利用されるようにはなっていない。GoogleはChrome利用者向けに自サイトでWebPをアピールしているが、マウンテン・ビュー外部ではほとんど利用されていないといった状況だ。

Mozillaはバージョン2.0ではベースラインおよびプログレッシブの双方で、平均5%の軽量化を行うと主張している。画像によって圧縮率は当然異なるが、最大で15%の軽量化を見込んでいる。もちろん5%に至らないものもある。最初のリリース時にはプログレッシブJPEGのみに対応していたが、今回からはベースラインにも対応してきている。

MozillaのCTOであるAndreas Galは、WebPやMicrosoftのJPEG XR、あるいはその他のロイヤルティフリーの新フォーマットは、導入の手間などを考えればJPEGにとってかわるものとなり得ないと考えている。そのようなわけで、Mozillaは最も広く利用されている不可逆圧縮フォーマットであるJPEGに注力しているわけだ。

また、写真が多く投稿されるFacebookにとってみれば、ファイルサイズを小さくすることができれば、サイトの読み込み速度があがり、帯域確保にかかる費用が安くなるという意味がある。そのような観点からFacebookはプロジェクトへの協力を行なっているわけだ。

Facebookのソフトウェアエンジニアリング部門マネージャーのStacy Kerkela曰く「Facebookは、Mozillaが見た目を犠牲にすることなく、より小さなJPEGファイルを生成するエンコーダーを構築するプロジェクトを支援しています」と述べる。「mozjpeg 2.0により、画像のオプティマイズが行えるようになり、Facebook上での交流がさらに盛んになるだろうと期待しています」とのこと。

今年はじめに最初のバージョンをリリースしたときにMozillaが言っていたように、新たなバージョンではビデオエンコーディングで用いられてきたトレリス量子化を利用している。またインプットにJPEGを用いることができるようになっていて、既存イメージの再圧縮にも活用しやすくなっている。また、各種改良作業により、既存JPEGエンコーダーとの互換性もアップしている。

Mozillaが新たなフォーマットを採用すれば、そのフォーマットが広まるきっかけとはなり得る。しかしそうした動きを生むためには、新フォーマットが既存の形式に対して明白な利点を持つことが必要だ。WebPなどがJPEGではサポートしていない機能(アニメーションなど)を持っていることは認めるものの、しかしMozillaではそうした新形式を迅速にサポートしようとは動いていない。新形式を求める努力により、進化がもたらされるであろうことはGalも認めている。しかし新たなフォーマットを求める動きはパテントによって保護されているケースも多く、Mozillaとしても積極的なサポートには動きにくい状況であるのだ。そうした中、Mozillaとしてはビデオ圧縮フォーマットのDaalaのサポートの方が先になる可能性の方が高そうだ(静止画像にも適用可能なフォーマットだ)。こちらの方はXiph.Orgとのパートナーシップにより開発中だ。

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(翻訳:Maeda, H


MozillaのFirefoxブラウザにHTML5アプリケーションの開発環境WebIDEが一体化される

今日から(米国時間6/23)、FirefoxのNightlyリリースのユーザはWebIDEを試用できる。それは、HTML5アプリケーションのための開発環境で、それをブラウザ本体が内蔵しているのだ。

Firefoxを前から使っている人なら、Bespinという、やや似たようなプロジェクトを覚えておられるだろう。それもやはり、ブラウザが内蔵しているコードエディタだった。Bespinはやがて立ち消えになり、その後Cloud9 IDEのコアとして利用された。しかしBespinの視野は、かなり限定されたものだった。

Mozillaの主席デベロッパエヴァンジェリストChristian Heilmannによると、WebIDEは(エディタとしても優れているが)単なるコードエディタではない。むしろWebIDEには、デスクトップとモバイルのレスポンシブな(responsive, 反応性/応答性の良い)アプリケーションを作るための完全なツールチェーンがある。FirefoxOSのシミュレータまであるので、このOS用のアプリのテストは簡便にできるが、もちろんふつうの現代的なブラウザ用のアプリケーションも十分に作れる。

WebIDEにはアプリケーションのサンプルがあり、デベロッパはそれを自分の仕事のスタート台として利用してもよい。それを利用すると、ほんの数クリックで新しいWebアプリケーションがブラウザ上で動きだす。 そのサンプルアプリケーションには、どのアプリケーションでも必ず必要なコードがすべて書かれていて、アプリケーションに変更を加えて再ロードするのも手早く簡単にできる。アプリケーションの検証と再パッケージングは、WebIDEが自動的に行う。

Heilmannによると、今広く使われているIDEの多くがWebアプリケーションの開発に向けて最適化されていないので、デベロッパはセットアップや構成に苦労しなければならない。それはとくに初心者にとって障害になる。でもWebIDEなら、アプリケーションを書き始めるために必要なものはすべてブラウザに内蔵されている。

Mozillaでデベロッパツールを担当しているDavid Campによると、WebIDEのコードエディタはCodeMirrorをベースとし、コード分析フレームワークtern.jsを統合していて、たしかにこのIDEの中核ではあるが、ユーザであるデベロッパは自分の好きなエディタを使い続けても、いっこうにかまわない。

WebIDEのエディタを使わない場合でも、デベロッパはWebIDEのインタフェイスからランタイムの管理やアプリケーションの検証が十分にできる。そういう機能へのアクセスの仕方は三通りある: 1)WebIDE自身がコードの変化を監視する、2)デベロッパがコマンドラインでAPIを利用する(そのためのツールをもうすぐリリース)、3)サードパーティのIDEやエディタのベンダがこれらのAPIを使ってMozillaのサービスを自分の製品に統合する。

HeilmannとCampご両人によると、今作業を進めているのは、WebIDEとFirefoxのRemote Debugging Protocolの統合だ。これによりデベロッパは、わざわざエミュレータを使わなくてもデスクトップやモバイルのブラウザ上で、今書いているアプリケーションを容易にテストできるようになる。今のところそれは、デスクトップとAndroid上のFirefoxと、Firefox OS用のアプリケーションが対象だが、今後はプロトコルアダプタを作ることによって、Chrome for AndroidやSafari on iOSでも使えるようになる。プロトコルアダプタは、Campによると、いろんな難題の打開のめどはすでに立っているから、数か月後には完成品を提供できるという。

今のところWebIDEは隠れ機能になっているので、Firefox Nightlyをインストールしたらabout:configをURL欄に入力し、devtools.webide.enabledを’true’にする。Mozillaによると、数週間後にはWebIDEをデフォルトで有効にし、そして数か月後にはFirefoxの正規安定版にも搭載される予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MozillaがWebRTCプロバイダのTokBoxと組んでブラウザ本体に汎用コミュニケーション機能を持たせる実験を開始

Mozillaが今日(米国時間5/29)、WebRTC APIのプロバイダTokBox提携してブラウザ本体にWebRTCによるコミュニケーション機能を持たせる実験を開始する、と発表した。当面その実験は、FirefoxのNightlyリリースに実装されるだけなので、一般ユーザの利用はまだ先の話だが、たいへん興味深い取り組みであることは確かだ。

WebRTCは、ブラウザ間でリアルタイムデータやオーディオ、ビデオなどをプラグイン不要で送受するための規格で、FirefoxとChromeはすでに通常バージョンでサポートしている。Microsoftのブラウザはこれをサポートせず、独自の規格をスタンダードとして提案している。

MozillaのFirefox担当プロダクト管理部長Chad Weinerによると、同社は現在のコミュニケーションおよびソーシャルネットワーキングの市場が分断化されていることを懸念している。

Weinerは次のように語る: “Mozillaなら、それらの壁を壊してあげることができるのではないか、と考えた。つまり、とてもたくさんの人が使っているブラウザの本体に、オープンで相互運用性に富むコミュニケーション機能が備わっていれば、よいのではないか”。

またWeinerによると、長期的な展望としてはMozillaがWebRTCのエコシステムを作って、それがすべてのデバイスとオペレーティングシステムを横断する、ないしカバーする形にしたい。そもそもWebRTCのねらいが、それだから。WebRTCを使ったサービスはすでにいろんなものが、完成製品に近い形で作られてはいるが、どれもまだ実験段階だ、と彼は言う。

Mozillaがこの機能の実験のためにパートナーとしてTokBoxを選んだことは、意外ではない。TokBoxは2012年にスペインのキャリアTelefonicaに買収されたが、長年、WebRTCの世話役のような役割を担ってきた。現状のWebRTCのプロトコルは帯域の変動に対する自己調整機能がない、マルチユーザチャットがサポートされていない、などの短所があるので、TokBoxのような有能な第三者が介入して、そういう高度な機能を構成し提供する必要があるのだ。TokBoxのビデオチャットがFirefoxのサポートをローンチしたのは、1年あまり前だ

ぼくが見たかぎりでは、その新しい実験的WebRTCアプリケーションはまだNightlyに登場していない(隠れ機能になっているのか…)。NightlyのURLはここなので、いずれ近いうちに、ダウンロードできるようになるだろう。安定版ではないことを十分承知のうえで、試してみられることを、おすすめしたい。

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Firefox OSのデベロッパ向け標準参照機Mozilla Flameが170ドルで予約受付を開始

Firefox OSはこれまで、いろんな形のローンチを経験してきたと思われるが、何はともあれ今回は初めて、公式の“参照機”(reference device)というものを提供することになった。それは機種名がMozilla Flameで、T2MobileとMozillaのパートナーシップから生まれた。今は予約受付中で、アンロック、全世界送料無料で170ドルだ。

Mozilla Flameは中級機に属し、プロセッサは1.2 GHzデュアルコアQualcomm Snapdragon、画面は4.5インチ854×480ピクセル、リアカメラ5mp、フロントカメラ2mp、内蔵ストレージ8GB、デュアルSIMをサポート。しかし最大の売りは、256MB–1GB(可変)のRAMだろう。可変というのはデベロッパが構成可という意味だから、一台でアプリのメモリサイズ適性をテストできるわけなのだ。

したがってこのFirefox OS機は、これまでのデバイスよりも広い対象を視野に入れており、“オフィシャル”を名乗っていることも相まって、Firefox OSの標準機、デベロッパにとって文字通りの参照機なのだ。Firefox OSそのものは未だにモバイル市場で影が薄いが、姿勢としては、あなどれないと感じさせる。発売は、4週間後の予定だ。

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Mozillaもついに折れる: HTML5のDRMをFirefoxに実装と発表

Mozillaが今日(米国時間5/14)、同社のFirefoxブラウザにHTML5のDRM規格を実装する、とためらいがちに発表した

インターネット上でストリーミングされる著作権物コンテンツが、このところますます増えているので、権利者たちはFlashやSilverlightなどに依存することなくHTML5本体にDRMが標準的に実装されることを心待ちにしていた。しばらく前にMicrosoftとGoogleは、反対論者も少なくないW3CのEncrypted Media Extensions(EME, メディア暗号化拡張機能)の実装を決め、それにより彼らのブラウザのHTML5がDRMコンテンツを扱えるようにした。

しかしMozillaは一貫して態度を決めず、前CTO(そして短命のCEO) Brendan Eichはブログに強い口調で、HTML5の現在のDRM規格はユーザとデベロッパにとって不利である、と書いた。彼はMozillaがEMEを実装しないという決定はしなかったが、社内の大勢としては、Content Description Module(CDM, コンテンツ説明モジュール)という標準性のないプラグインの実装をHTML5内に必要とするW3Cの規格に反対だった。W3Cはブラウザが用いるCDMを特定していないので、Eichは、“各ブラウザがそれぞれ独自のシステム使うようになってしまう”、と主張した。

本日の発表でMozillaの会長Mitchell Bakerは、この新しいDRMソリューションには、“古いシステムと同じ深刻な欠陥がある”、と認めている。Mozillaから見るとそれは、“個人を保護することと、デジタルコンテンツを保護することとのあいだの、正しい均衡を欠いている。コンテンツプロバイダはシステムの重要部分をクローズドソースにしなければならないので、それはMozillaの長年の基本姿勢に反する”。

Mozillaがそれほどまでに言う規格を、では、なぜ実装するのか? それが、市場の大勢だからだ。MozillaがそのブラウザにEMEを実装しなかったら、いずれユーザはNetflixやHuluなどのコンテンツを見るためにほかのブラウザに乗り換えるだろう。“今の状況としては、MozillaがW3CのEMEを実装しなければFirefoxのユーザは、DRMに縛られているコンテンツを見るためにほかのブラウザに切り替えざるをえない、という段階に来ている”、とMozillaのAndreas Galは書いている。“DRMのない世界やWebが理想ではあるが、ユーザが、自分が望むコンテンツにアクセスするためにはそれが必要なのだ”、という典型的な必要悪説。

MozillaとAdobeのパートナーシップにより、後者がFirefoxにCDMを提供する。AdobeはDRM国のボス的存在だから、このパートナーシップは賢明だろう。Galによると、CDMはサンドボックスの中で実行されるから、ユーザのデバイスを特定する情報を得ることはできず、そのハードディスクやネットワークにアクセスすることもない。

CDMはAdobeが配布し、デフォルトではFirefoxに含まれない。そしてユーザがこれから見ようとするコンテンツによっては、ブラウザがそれを自動的にダウンロードして有効化する。ただしユーザはいつでも、CDMの有効化をoffに設定ができる。

実装の日程はまだ決まっていないようだが、当初はWindows、Mac、そしてLinuxのデスクトップブラウザだけが対象だ。

DRMのようなものをもともと思想的に毛嫌いしている人たちは、Mozillaの決定を敗北とみなすだろう。反対には、当然の理由がある。Eich自身も、昨年こう言っていた、“DRMは次の三つのものに激しく敵対している: ユーザ、オープンソースソフトウェア、そして、自らがDRMベンダではないブラウザベンダ”。

しかし結局のところ、Mozillaとしても、ユーザが減ってもいいとは言えない。見たいコンテンツを見られなければ、ユーザはほかのブラウザへ移るだろう。多くのユーザにとって、WebのオープンでDRMフリーという理想はどうでもよいこと。彼らは猫のビデオや過去の19 Kids And Countingを見たいだけだ。オープンソースを貫いてきたMozillaにとっては不快な状況だが、誰もFirefoxを使わなくなれば、その高邁なミッションも枯渇してしまう。

画像クレジット: Mozilla in EuropeCC 2.0のライセンスによる。

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人気トップのゲームエンジンUnityがWebGL + Mozilla asm.jsでWebへポート

UnityMozillaが今日(米国時間3/18)、 WebGLとMozillaのasm.jsを使ってUnityのゲームエンジンをWebに持ち込む、と発表した

200万名あまりのユーザのいるUnityは、今もっとも人気の高いゲームエンジンの一つだ。

今日サンフランシスコで行われるGame Developer’s Conferenceで両者は、人気の3DシューティングゲームDead Trigger 2のWebポートをFirefox上でデモする。今のところ、asm.jsをサポートしているブラウザはFirefoxだけなのだ。今年の終り頃リリースされるUnity 5.0で、WebGLのサポートが、Unityのアーリーアクセスベータのアドオンとして可利用になる。

これまでは、Unityをブラウザ内で使うにはプラグインが必要だった。そのプラグインはきわめて有能でとても人気があるが、今後はますます、ブラウザ内でネイティブに動く(プラグイン不要の)アプリケーションが主流になる。asm.jsはJavaScriptのサブセットだし、WebGLは現代的なブラウザのすべてがサポートしているから、asm.js向けに最適化されているゲームでも、そのほかのブラウザで動かせる。やや遅くはなるが。

Mozillaの技術部長でWebGLの作者でもあるVlad Vukicevicが今週初めにぼくに語ったところによると、UnityとMozillaはUnityをWebに持ち込むために密接に協力してきた。これまでの2年間、MozillaとUnityのチームが週末や勤務時間外に頻繁に会って、UnityのWeb化に努めてきた。Mozillaでゲームプラットホームを担当しているMartin Bestによると、両者が一つの目標の実現に向けて協力してきた。

彼によると、これまで多くのデベロッパがUnityのWebGLポートを求めてきたし、いつごろ実現するのかと何度も何度も聞かれた。ただし今回の発表ぶんはあくまでも最初の第一歩であり、WebGLに関してもasm.jsに関しても、今後まだまだやるべきことは多い、と。

Unity TechnologiesのシニアデベロッパRalph Hauwertも同様のことを述べ、でも最初のバージョンが出たら、その後の開発はUnityとMozillaだけでなく、デベロッパのコミュニティが参加して進められるだろう、と言う。

どこかで聞いたような話だなぁ、と思われた読者もおられると思うが、実は先週Mozillaは、EpicのUnreal Engine 4がWebGLとasm.jsをサポートする、と発表したばかりだ。たしかに、JavaScriptをネイティブに近いまでに高速化するソリューションであるasm.jsに対しては業界全体としての支持もあり、またゲームデベロッパたちも、自分たちのゲームがプラグイン不要でWeb上で動くことには、並々ならぬ関心がある。

しかしなぜか、ハイエンドのゲームをブラウザに持ち込む方法としてNative Clientに賭けているGoogleからは、最近音沙汰がない。

Unity 5.0とそれが提供する機能の詳細は、本誌の別記事に書かれている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))