Netflixが国内初の価格改定、SD画質で月800円〜に値上げ

eng-logo-2015ネトフリこと Netflix が2015年の日本上陸以来、初めての価格改定を実施しました。

改定後の月額プランは、

  • ベーシックプラン (SD画質・同時1画面)が、旧 650円から新価格 800円 (税込864円)
  • スタンダードプラン (HD画質・同時2画面)が、旧 950円から新価格 1200円(税込1296円)
  • プレミアムプラン (4K UHD + HDR画質・同時4画面)が、旧 1450円から新価格 1800円 (税込1944円)

従来価格との差は下から150円・250円・350円、約23%〜26%ほど上がります。

感覚としては「一番安いプランなら月1000円もしないよ」は改定後の税込でも変わらず。自慢の大画面テレビや最新モバイル端末で4KやHDRの最高画質を堪能したいなら、あるいは家族4人がたまたま同じ時間に別端末でかぶっても見られるようにするなら、従来は「月1500円くらい」だったのが「月2000円しないくらい」に変わる値上げです。

現在すでにサービスを受けている加入者に対しては、それぞれの請求日に次回請求からの値上げ告知があり、事前にプラン変更などの対応が選べるようになります。

ネットフリックスはここ数年、本国の米国をはじめ多くの地域で料金を値上げしてきました。料金は国によって異なりますが、2015年の上陸から3年変わらなかった日本も、とうとう同じ水準に改定されたことになります。

価格は市場環境によって大きく異なるため、二国間で比べてもあまり意味はありませんが、昨年秋に値上げされた米国では下から7.99ドル、10.99ドル、13.99ドル。海外に比べて安かった日本のベーシックプランは値上げ後もまだ安い一方で、4K HDR+4ストリーミングの最上位プランは、日本向けのほうがやや高いことが分かります。(税込みの1944円は米ドル換算で現行17.6ドル程度)。海外の一部で試験的な導入が伝えられてきた、追加の最上位プラン「ウルトラ」がちょうどこの程度の水準でした。

今回の日本国内向け価格改定について特にリリースなどはありませんが、海外での価格改定も含め、ネトフリが値上げの理由として挙げてきたのはオリジナルコンテンツやローカライズの充実のため。

Netflixはドラマ『ハウス・オブ・カード』や『ストレンジャー・シングス』など、他のサービスでは見られない独自コンテンツ制作に莫大な予算を投じており、同じく独自コンテンツに注力するAmazonと並んで、アカデミー賞・エミー賞など高い評価を受けることももはや当たり前になりました。

完全にオリジナルな映画・シリーズに加えて、人気シリーズのスピンオフや続編がネトフリ独占で制作配信されることが多く、ファンにとっては目当てのために加入したつもりが他のコンテンツもおすすめされ抜けられなくなってしまう恐ろしい構造です。

日本向け・日本発コンテンツについても、テラスハウスや国内制作ドラマなどのほか、最近は『バキ』『デビルマン Crybaby』『聖闘士星矢』『GODZILLA』シリーズなど、特にオリジナルアニメに注力していることはご存知のとおり。

アニメについては日本での加入者増のために日本向けコンテンツを作ります、だけでもなく、ネトフリがサービスを展開する190か国に向けてローカライズしたうえで、各国でもサービスの大きな魅力となっています。

特に2017年に発表された怒涛の日本アニメ新作ラインナップや、国内有力スタジオとの提携以降、日本のファンにとってはある意味「世界に日本アニメ好きが増えてくれたおかげで、好きだった作家やシリーズの新作が見られて良かった、まっとうな制作費がついてありがてえ」という状態。

国内制作のアニメが各国にローカライズされて目玉コンテンツになる一方で、各国で制作された映画やドラマシリーズの非常に多くが日本語字幕や吹き替えで見られるのもネトフリの特徴です。

字幕ひとつとっても、ネトフリではルビの正しい方向(どっちの読みなのか混乱しないよう上下に分かれる)、縦書きと横書きの混在、「縦中横」等々、日本でアナログ時代に綿々と培われてきたお約束を大真面目に実装するだけでなく、字幕をデジタルで正しく扱える規格策定や、オープンソースのツールキットなどにも関わっています。

Netflixにおける日本語字幕の導入 – Netflix TechBlog – Medium

「ネトフリが映画の配信業だけでなく、自前コンテンツの制作で巨大な存在になっている」ことは、人気スター出演の映画や著名IPのアニメで広く知られるようになりましたが、同社しかこの規模では遭遇しなかった技術的課題の解決のため、動画圧縮規格やネットワーク配信技術、データサイエンスからAIまで、驚くほど多数の分野に取り組み成果物を公開しているゴリゴリの技術企業でもあることは、最近になってようやく周知が進んだ感があります。

Netflix Open Source Software Center

というわけで、もはや配信数など横並びの評価軸では比較しづらいなにか別の存在と化していること、何より他では見られない独自コンテンツが増え、ファンであれば嫌でも加入せざるを得ない点も、競合多数のストリーミング動画サービスでありつつ、各国で今回のような値上げに踏み切っても十分いけると判断した理由のようです。

日本のアニメのように「各ローカル市場攻略コンテンツであると同時に、海外配信でもインパクト」の例としては、最近はこんなニュースもありました。

『バーフバリ』新作がNetflixオリジナルで制作決定、少女シヴァガミの成長を描く前日譚シリーズ – Engadget 日本版

Engadget 日本版からの転載。

会員数の増加が滞って株価急落のNetflix、コンテンツへの過剰投資が裏目か

四半期ごとにウォール街は、Netflix(ネット配信)とComcast(ケーブル配信)のどっちの価値が大きいか決めてきたが、今四半期のNetflixは、彼らが期待するほどには会員数を大きく伸ばせなかった。会員数の伸びは株価の伸びに直結するから、その停滞は彼らにとって良いニュースではない。

会員数は絶対数では相変わらず大きく増加しているのだが、今度の第二四半期はウォール街の予想を下回った。その結果同社の時価総額は100億ドル以上、削り取られた。しかもまさにその同じ時期に同社は買い物に大忙しで、なお一層の会員増を目指してオリジナルコンテンツの拡充にも力を入れていた。その中にはGLOW, Jessica Jones, 3%, さらに劇場上映の映画すらあった。しかしそれだけの買い物努力を会員増に結びつけるためには、何かが足りなかった。

下図は、会員増の推移だ(単位: 100万人):

ご覧のとおり、同社の目論見に反して今年は(今後の予想も含めて)下降気味だ。そして株価は、下図のように推移している:

CEOや役員たちは、株主たちに長期的な価値をもたらすための投資だ、とかなんとか言いがちだが、しかしNetflixは昨年一貫して突進を続け、時価総額を倍増し、さきほど名を挙げたケーブル企業を抜き去った。このメディア消費の帝国は向こう10年はびくともしない、とまで言われた。でも当のライバルのComcastはメニューにNetflixを載せようとしているから、話は少々ややこしい。

集客力の強大なオリジナルコンテンツを目指すNetflixは今後ますます、人材への投資も拡大しなければならない。その代価の一部は同社の株であるはずだが、それが上図のような急落ではたいへん困る。株がだめなら大量の借金という手もあるけど、しかし貸し手が安心するためには、未来の株価の上向き安定が必要だ。急落のチャートでは、安心して貸せない。

そのほかの数字はすべて順調なのに、会員数だけは、予想した増加が得られなかったのだ。そこが、問題。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

auが「Netflixプラン」夏開始、月25GB+通話定額で月5500円〜

eng-logo-2015auが、「auフラットプラン25 Netflixパック」を2018年夏以降に提供します。

KDDIの高橋誠社長が「Netflixプラン」と語る同プランは、月間25GBのデータ定額に「Netflixベーシックプラン」(通常税別650円)と「ビデオパス」(通常562円)がセットになったもの。

5分間の通話定額「スーパーカケホ」と組み合わせても、月額料金が初年度5500円〜に収まる点をアピールします。(※永年1000円割引のauスマートバリュー、翌月から1年間1000円割引のスマホ応援割適用時。2年目以降は月6500円〜)

なお、NetflixのベーシックプランはSD画質、同時視聴も1ストリーミングに限られます。HD画質・2ストリーミングの「スタンダードプラン」、および4K画質・4ストリーミングの「プレミアムプラン」を利用する場合には、それぞれ月300円、月800円の追加料金が必要です。

通常プランと比べた優位性について高橋社長は『通常の20GBプラン(auフラットプラン20)に5GBを追加し、(中略)さらにビデオパスとNetflixのベーシックプランを個別契約するのに比べて、月1000円もお得になる』とアピール。

ゼロレーティングは「差し控えている」

また、Netflixプランにゼロレーティング(Netflixの通信量カウントフリー)を導入しなかった理由については「(カウントフリーを)通信会社としてあまりやるべきではないという風に、ガイドラインとしておっしゃられているので、我々は差し控えている。ゼロレーティング以外のやり方として、20GBをベースに5GBを追加した」(高橋社長)とコメントしました。

(追記)高橋社長は発表会後の囲み取材で、ゼロレーティングに関する発言を訂正。前述のようなガイドラインの記載はないものの、公平性の観点から総務省がMNOによるゼロレーティングについて「グレー」であるという認識を示しているとしています。

そのほか『私が最初にNetlifxのオフィスに伺ったのが7年前で、ようやく同プランが実現した』と、Netflixとの提携が7年越しであることをアピール。続けて『これからの5G時代において、エンタメと通信がいかにコラボレーションしていくかが重要になっていく。この提携は非常に意義がある』とコメントしました。

Engadget 日本版からの転載。

Netflixは時価総額でComcastを超えた――絶好調という噂一覧

Netflixの時価総額は今やケーブルTVの最大手、Comcastを超えた。企業を評価する尺度は時価総額以外にも多数あるが、象徴的な意味としてはAppleの時価総額がExxonを追い越したときと比較できる。テクノロジーの発達におけるある種の分水嶺となるかもしれない。

Netflixについて、実際の意味はともかく、象徴的に目立つ話題をいくつか拾ってみよう。

  • Netflixのユーザー数は依然上昇中:ユーザー数は市場が最初に注目する数字であり、Netflixの株価(つまりは時価総額)が上昇しているのもこれによる。
  • ケーブルTVの解約が続く:. Netflixはコンテンツの配信をビジネスとしており、ケーブルTVを提供しているわけではない。しかしNetflixから配信を受けるためにはインターネット接続が要るので現状では家庭になんらかのケーブルを引き込む必要がある。もちろん将来すべてが無線接続になれば話は別だ。
  • Netflixはコンテンツ製作に大金を投じている:人々が望む(消費する)のはコンテンツだ。ケーブルTVも結局はそのコンテンツを売っているわけだが料金が高い。Comcastはこれに対抗してNetflixをバンドルし始めた
  • NetflixとComcastは株価の基準が大きく異なる:Comcastの株価はその現実の収益性に基づいている。Netflixは…なんというか、成長中の会社として、将来はComcastより大きなビジネスになるだろうという期待に基づいて評価されている。そうなるかもしれないし、ならないかもしれない。
  • Comcastの売上はNetflixよりはるかに大きい:今年第1四半期の売上はNetflixが37億ドル、 Comcastが228億ドル、フリーキャッシュフローが31億ドルだった。一方、Netflixは2018年のフリーキャッシュフローについて30億ドルから40億ドルの赤字を予想している。

ともあれNetflixは2ヶ月くらいのうちに次の四半期決算を発表するはずだ。上に挙げたような指標にも変化が生じるだろう。Netflixの株価は市場の期待に基づいているため、簡単に動く。もちろん株価の変動はBitcoinほど大きいわけではないが、ランダム性も高く予測は難しい。

おっと、これからNetflixでリバーデイルのシーズン2を見なければならない。やっぱりこういう独占コンテンツがあるからComcast より強いのだろう。あと数時間は忙しいので悪しからず。

画像:Ethan Miller

〔日本版〕現在のNetflixの時価総額は1518億ドル、Comcastは1455億ドルとなっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

オバマ夫妻、Netflixと番組を契約

Netflixにとって新たな(しかもかなり)大きな契約となった。アメリカの前大統領バラク・オバマ、ミッシェル・オバマ夫妻はストリーミングサービス向けの番組を持つことについてNetflixと合意した。

ニューヨークタイムズが、オバマ夫妻とNetflixが“かなり進んだ話し合い”を進めているようだと最初に報じたのは今年3月のことだ。この番組の目的は、トランプ政権を批判したり、特定の政治的なメッセージを発したりするのではなく、人々にインスピレーションを与えることと思われる。

Netflixのオフィシャルな発表では、番組はオバマ氏が感じていることを扱うものになりそうだ。コンテンツ責任者のTed Sarandosはその内容について“コミュニティで際立つ人々や、世界をより良いものにしようと絶えぬ努力をしているような人々に焦点を当てるかなり特別なものになる”と表現している。

オバマ夫妻は、こうしたコンテンツを制作するにあたってHigher Ground Productionsという会社を立ち上げた。

この契約に伴う報酬などの条件は明らかにされていない、しかしNetflixは豊富な資力を持ち、喜んでそれに見合うだけの充分な額を示したのだろう。オバマ夫妻が台本を書いたシリーズ、台本なしのシリーズ、ドキュメンタリーシリーズ、ドキュメンタリーと特集など、基本的にはあらゆるAVコンテンツをプロデュースするとされている。

声明でオバマ氏はこう述べている。

日々の活動の中で純粋に喜びを覚えることの一つは、普段の生活で多くの素敵な人々に出会うことだったり、彼らの体験をより多くの人と分かち合えるように手助けすることだったりする。だからこそ、今回ミッシェルと私はNetflixと契約したことを非常に嬉しく思っている。私たちは、人々の共感を得たり相互理解を深められたりするような人々の、才能にあふれ、刺激的で、クリエイティブ性に富んだ声を取り上げ、そうした人々が世界に向かって発信できるように手助けすることができればと願っている。

ミッシェル・オバマ氏の回顧録「Becoming」は11月に出版される予定で、一方でバラク・オバマ氏の回顧録も同じ出版社から出版される予定だ。バラク・オバマ氏はホワイトハウスを去った後は、公の場への露出は比較的少ない。しかし、直近ではDavid LettermanのNetflixでのインタビュー番組「My Next Guest Needs No Introduction(今日のゲストは大スター)」に初ゲストとして登場した。

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(翻訳:Mizoguchi)

Netflixは支出の85%をオリジナル作品の製作に投ずる、既存の超大作映画などは儲からない

まだ疑っている方がおられるかもしれないが、今のNetflixは確かに、オリジナルコンテンツに軸足を置いている。コンテンツ担当最高役員(Chief Content Officer1) Ted Sarandosの推計では、今後の同社の支出の85%が、新しい番組やムービーの制作に向けられる。

今日(米国時間5/14)、MoffettNathansonのMedia & Communications Summit 2018におけるSarandosの所見を載せたVariety誌の記事によると、今後の年内のオリジナルの制作予定は470本あり、今年全体では1000本近くになる。

同社がオリジナルを重視するのは、当然かもしれない。なにしろ最近では、訪れたユーザーが最初のページで目にするのは既存大手の大ヒット映画/番組等ではなく、同社の新作オリジナルだ。またAppleAmazonHuluなども、オリジナル作品への支出を増やしている。

ただし、支出ではなく収入はどうか。それはまだ他社からライセンスしたコンテンツが断然強くて、最近の調査では アメリカにおける視聴数の80%がライセンスされたコンテンツだ。

全体的な状況としてはどうなっているのか、というと、これまでNetflixにライセンスを売ってきた大手映画会社等は今では、自分のコンテンツを自分でストリーミング提供したり、ライセンス料を上げたりする傾向にある。そのことが、ストリーミング各社のオリジナルコンテンツへの傾斜の背景にある。

またSarandosによると、ムービーはNetflixにおける全視聴件数の1/3を占めるが、しかしいわゆる大作映画に巨額のライセンス料を払うことはもはや、ストリーミングサービスにとって割に合わない。超有名超大作は、すでに映画館で見たという人が多いからだ。

“前から言っているように、今では、10億ドルあったらそれを生産物契約(output deal)に投じるより、オリジナルの制作に投じた方が良い”、と彼は述べる。

Sarandosはさらに、Queer Eyeのような、台本のない、社会的メッセージ性のあるリアリティ番組や、Shonda RhimesRyan Murphyのような有能な番組プロデューサーの起用に今後の商機を見ている。

オリジナル作品に対するNetflixの今年の予算は70〜80億ドルだった。そして今日は、(ぼくも大好きだったLost in Spaceリメイクの第二シーズンと、Shape of WaterのGuillermo del Toroand監督による連続ホラー10 After Midnightの製作が発表された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Netflixがモバイル上で30秒のプレビュービデオを開始、まずiOSから

NetflixはSnapchatや、Instagramのストーリーなどに倣って、モバイルのビューワー(視聴者)のために30秒のプレビュービデオの提供を開始した。

そのプレビューはInstagram Storiesととてもよく似ていて、複数のサムネイルが循環するし、コンテンツは仮想ビデオで再生される。つまり、スマートフォンを手に持ったままでよい。それに加えて、スライドショウ的にスワイプやタップで次のビデオへスキップでき、いちいちメインのスクリーンに戻る必要がない。おもしろいと思ったプレビューは、ボタン一つでリストに保存でき、あとで見られる。

この機能はNetflixのiOSアプリで今日から使えるが、Androidにやってくるのは“もうすぐ”だそうだ。

これは、待望の機能である。NetflixはプレビューをWeb上同社のTVアプリで開始し、今回の機能でやっと、スマートフォンからコンテンツを見つけて見ることができるようになった。

同社のブログ記事はこう説明している: “何年もテストした結果、プレビューがあれば試視聴も少なくなり、新しいコンテンツを早く見つけられることが分かった。今回モバイルのプレビューをローンチしたことにより、スマートフォンでビデオの試し見がもっと楽しくモバイルに合った形でできるようになった”。

Netflixは最近好調で、会員増により時価総額は1500億ドルに接近している。

2018年の第一四半期に新たに増えた会員は741万人である。そのうち約200万がアメリカで、次の四半期にはさらに620万の新会員が加わる、と同社は予想している。そうなれば、同社の総顧客数は1億1900万に近づき、2年前から行っている国際展開の効果が出てきた、と言えそうだ。

同社のストリーミングサービスは売上も継続的に伸びていて、Q1の売上36億ドルは前年同期比で約43%の増加だ。

画像クレジット: Netflix(画像は修正加工された)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleとNetflixがオープンソースのカナリア分析ツールを共同開発、プロダクションレベルの問題発掘を目指す

【抄訳】
GoogleとNetflixが今日(米国時間4/10)、Netflixが内製したカナリア分析ツールを一般公開することになるオープンソースのプロジェクトKayentaのローンチを発表した。Kayentaは、Netflixで育った継続的デリバリのプラットホームSpinnakerに統合されており、それはパブリックかプライベートかを問わずほとんどすべてのクラウドで使える。今回のリリースはSpinnakerにフォーカスがあるが、しかしKayentaはそのほかの環境にも適応させられる。

カナリア分析は、概念としては単純明快である。その名前が示しているように、サービスやインフラストラクチャを展開またはアップデートしたときの大きな問題を防ぐための早期警戒システムだ。展開やアップデートの対象をユーザーやサーバーやネットワークの一部に絞って行うテスト的実施で、カナリア分析は新しいシステムの振る舞いが正しいこと、あるいは前と変わらないことをチェックする。各ステップでシステムはチェックを実行し、その展開やアップデートが、通常のテストでは問題ないが、もっと複雑なプロダクションシステムに投じられたときにも問題が生じないことを、それら各ステップで確証していく。

GoogleのプロダクトマネージャーAndrew Phillipsによると、すでにそれをやっているデベロッパーは多いけれども、しかしそれはしばしば、非公式に行われている。チームがアプリケーションをビルドすると、いくつかのサーバーにデプロイしてみて数分動かし、ダッシュボードに異状が出ていないかチェックする。そんなやり方は人的エラーにつながりやすいし、偏りもありうる。それに対してカナリア分析ツールは、いくつかの測度の値を求めて、そのコードの完成度を客観的に判定する。コードのテストは多くの企業が自動化しているが、その種のテストではコードをプロダクションに投じたときに起きる問題を捉えられないことが多い。とくにそのプロダクション環境がマイクロサービスの集合から成り、それらが予期せざる対話をし始めたような場合には、お手上げとなる。

【後略】
〔以下、技術的な話題よりも、G社N社共同開発の経緯が中心。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

バラク・オバマの次の手はNetflixに連続番組を持つことのようだ

アメリカの前大統領には、退任後に民間からのオファーが洪水のように押し寄せるものだ。最近までホワイトハウスのテナントだったBarack Obamaはしかし、ユニークな道を選ぼうとしている。報道によると、Netflixに自分の番組を持つ件で合意間近だ、という。

そのThe New York Timesの記事は、Obamaがこのグローバルなストリーミングサービス(Netflix)のために連続番組を製作する交渉がかなり進んでいる、と書いている。

今のところ、上記の情報しかないのだが、同紙によると、そのコンテンツにはMichelle夫人も出演し、二人にNetflixから出演料が出るらしい。番組はNetflix独占となり、その会員数1億1800万のストリーミングプラットホームでしか見られない。

さらにその記事によると、Obamaのねらいは、Trump政権などの政敵に対抗するためではなく、視聴者に啓示を与えるような話題に光を当てることだ。

この話がまとまればNetflixにとって偉業であるだけでなく、Obamaのすでにかなり強大なオンラインのプレゼンスをさらに拡大することになる。前大統領はTwitterのフォロワー数が1億100万、Facebookのページにはlike(いいね!)が5500万ある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Netflixが初めての トークショー番組を開始、最初のゲストBarack Obamaはソーシャルメディアの“バブル”を警告

30年あまりという超長寿命の芸歴と人気を誇るお笑いタレント兼番組ホストのDavid Letterman(70歳)がなんと、Netflixに新番組を持った。そしてその初回の最初のコーナー“紹介する必要のないゲスト”に招かれたのは、前アメリカ合衆国大統領Barack Obamaだ。

二人のトークにも、お笑いは多かった。ObamaはLettermanの、聖書の中の人物のようなあごひげをからかった。まじめな政治的話題もあった。ステージ上のインタビューだけでなく、Lettermanがアラバマ州セルマの有名な橋Edmund Pettus BridgeをJohn Lewis上院議員と一緒に渡っていくときも、そうだった。

というかLettermanは、今度の新番組を、自分のスタイルを変える機会にしたいようだった。毒舌で笑いを取るいつものパターンをやめて、もっとまじめにやりたいようだ。インタビューの最後にObamaにこう言った: “疑問も疑いもなく、あなたは私が本当に心から尊敬する初めての大統領です”。

テクノロジーに関しては、Obamaは、イギリスのハリー王子によるBBCのインタビュー番組で述べた主張を繰り返した。民主主義の危機について問われたObamaは、“あなたが得るすべての情報がスマートフォンにアルゴリズムが送ってくるものだけであってはならない”、と警告した。

彼は自分の政治家としての成功はソーシャルメディアに負うところが大きい、と認め、そのおかげで“結果的に現代の政治史におけるもっとも効果的な政治活動を展開できた”、と述べた。そこで彼は最初のうちはテクノロジーに対して“きわめて楽観的な感触”を持っていたが、しかし、と彼は言う、“私たちが見落としていたのは、権力の座にある人びとや圧力団体、外国の政府等々が、それを著しく操作したり、プロパガンダに利用したりし得ることだ”。

そしてObamaは、ある科学的実験について語った(曰く: “大きな科学的実験ではなくて、エジプトで革命が起きていたときに誰かがやった実験だ”)。リベラルの人と、保守派の人と、そしていわゆる“中道”の人にそれぞれ、“Egypt”で検索してもらう。するとGoogleは、それぞれに対してまったく異なる検索結果*を与えた。〔*: 異なる検索結果, 個人化、パーソナライゼーションによる結果。〕

“あなたが何に傾斜している人であれ、結果はそれをベースに送られてくる。そして時とともにそれは、一層強化されていく”、と彼は語る。“それがまさに、Facebookのページでも起きていることであり、しかも最近はニュースをFacebookで得る人がどんどん増えている。そうなるとやがてあなたは、泡(バブル)の中だけで生きるようになる。それが、私たちの政治が今、非常に分極化している理由の一部だ”。

しかしObamaはつねに、希望をとてもだいじにする政治家なので、楽観的な部分も述べた: “それは解決可能な問題だ、と私は思う。しかしそれは、私たちが多くの時間を費やして考えなければならない問題だ、と私は思う”。

Facebookやそのほかの大手プラットホームは、少なくともこの問題に対応しようとしているように見える。たとえば昨日(米国時間1/11)FacebookのMark Zuckerbergは、今後はニュースやパブリッシャーのコンテンツよりも“有意義な社会的対話”を優先する、と発表した。〔そのためFacebookの株価が下がった(未訳)〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

2017年、Netflixユーザーは週あたり合計10億時間コンテンツを見た

2017年もNetflixユーザーはコンテンツの消費に多くの時間を割いたが、データをみると平均視聴時間は年々短くなっている。

Netflixが年末のブログ記事で発表したデータによると、1日あたりのコンテンツ総視聴時間は1.4億時間以上、週当たり10億時間だった。2017年Q3時点で同サービスの契約者数は1.09億人で、うち半数弱が米国内ユーザーだ。

これは同ストリーミングサービスにとって印象的な結果に違いないが、過去の数字と比較すると、ユーザーがコンテンツを見ている時間は一年前より減っていることも示唆している。

2016年については類似のデータがないが、2015年末にNetflixは、当時の契約者数が7470万人、視聴時間は年間425億時間だったことを発表した。ここから2015年は1アカウントあたり年間570時間視聴していたことがわかるが、新規ユーザーは一年を通じて増えているので少々乱暴な計算ではある。とはいえ、2017年に1.09億ユーザーが週に10億時間見たとすると、1アカウントあたり約480時間となり,ユーザー数が伸びるにつれ視聴時間は必ずしも長くなっていないことを示している。

ストリーミング市場の競争は激化しており、Hulu、HBO Go、Amazon Prime Videoなどがオリジナルコンテンツや作品数の増加に力を入れている。またNetflixは2016年始めに新たに130カ国に進出すると発表しており、その後の契約者数増加はほとんどが海外市場による。

軽い話題として、同社は視聴時間以外にユーザーの一風変わったストリーミング行動を紹介している。たとえば、「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」を毎日365日連続で見たユーザーや、「シェイムレス 俺たちに恥はない」全話を一気に南極で見たユーザーなどだ。もっと健全な映画ファンもたくさんいる —— 平均的ユーザーはNetflixで一年に映画を60本見ている。

Netflixの株価は一年前と比べて50%上がっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

David LettermanがNetflixの新番組で復帰する、ひげと毒舌は健在か?

David Lettermanが、6話終了の新番組をNetflixで持つことになった。

同社はこの番組のテーマや形式、ゲストなどの詳細を明らかにしていないが、ふつうのスタジオ・トークショウではなさそうだ。NetflixのChief Content Officer(CCO) Ted Sarandosが声明で述べている: “David Lettermanはテレビの真の偶像であり 、とくに彼はスタジオの外へ出たときや、彼がおもしろいと感じた人びとにインタビューするとき、もっとも生彩があった。彼のいない世界は、想像できない。今度の番組には、ちゃんとひげをつけて出演してくれるだろうか”。

NetflixはHouse of CardsStranger Thingsのような台本のある番組で大成功したが、Chelsea Bill Nye Saves the Worldのような番組もある。それらはヒットしなかったが、Netflixは今でも打ち切っていないSense8などより、制作費が安いせいもあるだろう。なおNetflixは視聴率などの数字を公表しないから、勘で言うしかないが。

一方Lettermanは、2015年にCBSのLate Showをやめてから、ずっとおとなしくしている。でも彼は、気候変動に関するドキュメンタリーYears of Living Dangerouslyには出たし、また最近のNew York誌の、話題の広いインタビューでは、彼の人を笑わせる能力が健在であることを示した。

Lettermanの新番組は、来年始まる予定だ。

彼は発表声明でこう言っている: “おかげで、勉強になりました: 引退して家族と過ごす時間を増やしたいなら、その前に家族と相談すべきだね*。視ていただいて、ありがとう。車の運転には、気をつけてね”。〔*: 家族にとっては、迷惑かもしれない。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Netflix、Q2のモバイル・アプリ売上で1位、233%の成長――Tinder、Lineが続く

Netflixの登録者数は先週の四半期決算報告中でも発表されたが、Netflixアプリは非ゲームアプリの売上でトップに返り咲くなどその好調ぶりはアプリの統計でも感じられた。モバイル・アプリのアナリティクスを提供するSensor Towerの最新のレポートによれば、第2四半期の売上は対前年比で233%アップし、1億5300万ドルに達した。前年同期の売上は4600万ドルだった。今期Netflixアプリの売上は総合およびiOS App Storeでトップとなった。

iOS、Androidを総合してアプリ市場の売上の成長率は56%なのでNetflixの急成長はアプリ・ストアの中でも類を見ないレベルだ。言い換えれば、Netflixの成功は単にモバイル・アプリのエコシステムの拡大という追い風を受けただけのものではない。市場が拡大しているのは事実だが、それよりむjしろNetflixが多数の新規登録者を獲得できた能力にあるとみていいだろう。

先週、Netflixは最新の四半期で新規登録者を520万人獲得したと発表した。当初の予測は320万人だったから、これを大きく上回ったことになる。過半数の400万人はアメリカ国外の国際市場から来てている。NetfliはiOS App Storeでトップに立っているが、新規ユーザーの多くはモバイルからこのストリーミング・サービスを試し、アプリ内課金システムを利用して有料ユーザーとなる場合が非常に多い。

第2四半期のNetflixの全体としての売上は、 32%アップして27.9億ドルとなった。第1四半期は24.8億ドル、36%のアップだった。ただしこの数字はモバイル、デスクトップ、セットアップボックス、その他すべてのプラットフォームの売上を合計したものだ。

モバイルアプリの売上が233%アップしたというSensor TowerのレポートはNetflixにとって他のあらゆるプラットフォームと比較してモバイル・プラットフォーム経由の売上がきわめて重要なものになりつつあることを裏付ける。

またSensor Towerの統計によてば、Netflixはライバルの動画ストリーミング・サービス、Huluに対してもはるかに優位に立っている。Huluの第2四半期のモバイル売上は22%増にとどまった。

Netflixの大きな魅力の一つは、同社が四半期決算でも述べているとおり、オリジナル・コンテンツの強力さだ。同社は近年独自コンテンツの充実のために巨額の投資を行っている。Netflixの発表によれば、同社は今年60億ドルをコンテンツ製作のために投じる計画だ。これには劇場公開クラスの映画、40本が含まれる。.またNetflixは映画のライセンス購入のためにも最高額を支払ってきた。ウィル・スミス主演のダーク・ファンタジー、 『ブライト』に9000万ドル以上を投資しており、1億ドル以上を費やしたマーティン・スコセッシのギャング映画、 The Irishman〔アイリッシュマン(仮)〕の配給権も獲得している。

Netflixは決算資料中で、以前テレビ・ビジネスに革命を起こしたのと同様、近くハリウッドの映画ビジネスも根本的に変革している計画だと述べている。

今期の決算ではNetflixの他にもサブスクリプション・ベースのサービスがトップ・ランキング入りしている。iOS App StoreではPandoraが3位となり、Spotifyが5位、YouTube Redで有料サービスを提供するYouTubeが6位となった。

iOS App StoreとGoogle Playを合計したランキングではPandoraが4位、Spotifyが7位、HBO NOWが9位に登場し、YouTubeは10位だった。Sensor Towerが発表した非ゲームアプリのビジネスに関するレポート全文はこちら

〔日本版〕上記Sensor TowerのデータによればLINEアプリは総合3位、iOSで4位、Google Playで2位となっている。Google PlayのトップはGoogle Driveだった。Tinderアプリは総合とiOSで2位、Google Playで3位だった。
The Irishmanは実在のギャング、フランク・シーランをロバート・デニーロ、ジミー・ホッファをアル・パチーノ、シーランにホッファ殺害を命じたとされるマフィアのボス、ラッセル・ブファリーノをジョー・ペシが演じている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

社員の能力開発が急務な知識経済の時代には教育のNetflixが必要だ

[筆者: Rob Harles, Karl Mehta]

・Rob HarlesはAccenture Interactiveのマネージングディレクター。

・Karl MehtaはEdCast, Inc.のファウンダーでCEO、Code For IndiaのCEOでもある。

毎日46億点の新しいコンテンツが生産されているのだから、私たちの知識への飢えはとっくに満たされている、と思えるかもしれないが、しかし情報の生産と流通は消費の機会や分布とパラレルではなく、それは情報をただそこへ置けば解決する問題でもない。

私たちは情報の中で溺れ死のうとしているが、しかし同時に、私たちの生産性を本当に高め、コラボレーションとイノベーションを促進してくれる知識には飢えている。

役に立つ知識が必要になると、私たちは広くWebを検索したり、口コミでエキスパートを見つけたり、設計のお粗末な会社の文書共有システムを探しまくったりする。どの方法も、効率が悪い。

必要な知識を見つけるための、もっと良い方法があるべきだ。そのような方法はユーザーのニーズに適応し、真の対話と強力な学習体験を通じて、継続的に知識の適切な推奨や提案ができるソリューションでなければならない。

エンターテイメント産業に倣って学習をもっと容易にする

NetflixSpotifyRedditのような、人力または自動化されたキュレーターのいるコンテンツアプリケーションが登場するまでは、視たい/聴きたい番組や音楽、ニュースなどのメディアを見つけるために、いくつものソースを訪ねる必要があった。しかし今では、自分が消費したいエンターテイメントやメディアを容易に発見でき、それらはユーザーの関心に基づいて個人化(パーソナライズ)されている。

多くの点で今のエンターテイメントサービスのやり方は、知識管理や学習開発のアプリケーションにも適した方式だ。

学習と知識の発達を支援する産業は、教育のアクセス性と適切性を高めるプラットホームであるべきだ。それは、知識の吸収と普及拡散が円滑にシームレスに行える場でなければならない。Netflixが、求めるエンターテイメントをすぐ届けてくれるように、私たちが必要とする知識と学習は、必要なところへ、必要なときに、簡単迅速に届くべきだ。

幸いにも、それを実現するテクノロジーが育ちつつある。人工知能(AI)と機械学習を利用するそれらのソリューションは、学習の過程とそのためのコンテンツを、集積、キュレート、そして個人化できる。

企業の成功は優れた学習文化を持つことにかかっている

“学習する能力と、学習を迅速にアクションに翻訳する能力は、企業に最強の競争力をもたらす”、GEの元CEO Jack Welchはそう言った。

データを見ると、Welchが正しいことが分かる。Institute of Corporate Productivity (I4CP)のCEO Kevin Oakesによると、業績の良い企業では、そうでない企業に比べて、社員たちが自分の獲得した知識を4倍多く同僚と共有している

重要なのは、雇用者が学習の文化を作ることだ。学習の文化(learning culture)とは、その中で知識がもっと自由に獲得され、吸収され、交換される社風だ。それを実現するためには、いくつかの障害を克服しなければならない:

  • 社内的には、いろんな物事のエキスパート(subject matter experts, SMEs)がいて、その人たちの心の中に知識がある。そんなエキスパートは、日頃の評判や担当業務から容易に見つけることができる。そして、そんな社内的エキスパートが持つ重要な知識を素早く明快に公開し、社内でその知識を必要とする者全員が共有できるための、場や方法が必要である。
  • 会社の外には、コンテンツが至るところにあるが、どのコンテンツが良質で、権威があり、適切であるか分からない場合がある。したがって、適切で有益な(そして安全な)外部コンテンツを集めて、社員たちがそれを消費できるための仕組みを作る必要がある。

これらの社内的および社外的なソリューションでとくに重要なのは、ただ単に学習のためのコンテンツを集めて、キュレートして、カスタマイズするだけのテクノロジーを採用するのではなく、それはまた、学習と共有のためのコンテンツを手早く作れるテクノロジーでなければならない。効率的な学習文化の構築のためには、それが重要だ。

これが知識のNetflixだ

AIを用いる新しいプラットホームは、知識労働者が必要とするコンテンツを、適切なタイミングで届ける。そういう理想的な学習と知識開発のためのソリューションは、とくに次の項目を重視する:

  • 集積: 適切な情報を一箇所に集めること。企業の学習管理システム(Learning Management System, LMS)やイントラネット、そして外部のリソースなどなどから。
  • キュレーション: AIと機械学習を利用して、そのときの状況に合った適切なコンテンツを適切なタイミングでチームにもたらすこと。
  • 個人化: 学習用コンテンツのリコメンデーションを、さまざまな要素の分析に基づいて、個人の特性やニーズに合った形で行うこと。
  • 創造: 多くの中小企業が持っている言葉にならない知識を、解放すること。そのための最良の方法は、社内にコンテンツライブラリを作ってコンテンツを迅速かつ便利に供給することだ。

次の10〜12年間で、人間の今の仕事の半分はなくなる、と言われている。だからこそ、学習の機会とその消化しやすい方法や仕組みを、すべての社員に提供することが、きわめて重要なのだ。

それはいわば、社内における知識の民主化だ。個々の学習機会が十分に個人化され、また社内的および社外的なコンテンツのアクセス性を増し、そして社員たちに成長のためのスキルと知識を与える取り組みを、強化しよう。それは、これまでの企業では、時間がない、人がいない、とかいって、おろそかにされていた分野だ。でも今や、どの企業でも、社員の能力開発は最重要の課題だ。

時間がなくても、人がいなくても、今ではAIと機械学習が助けてくれる。社員を入れ替えるのではなく、今いる社員の学習を前進させ、彼らの明日のキャリアパスを築いていける。

参考記事

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

カンヌ映画祭、Netflix作品の参加を困難にする新ルールを発表

今年はNetflixがあの名高いカンヌ映画祭に登場する最初の年だ ―― そしておそらく最後になるだろう。

緊張の要因はNetflixと劇場との関係だ。理論的に同社は、自社が資金を投じた映画を劇場で上映することには反対しないと言っている ―― ただし、同時にストリーミングサービスで配信することが条件だ

しかし、伝統的公開時期に対するその抵抗は、ほとんどのNetflix作品が劇場での公開は最小限または皆無になることを意味している。このため、一部の映画製作会社は自社作品のストリーミングサービスへの販売を中止している(Amazonは公開時期調整の要請を忠実に守っている)。

このためカンヌがOkja (ポン・ジュノ監督)およびThe Meyerowitz Stories(ノア・バームバック監督)という2本のNetflix作品を上映すると発表したとき、フランス映画協会は この決定を批判した

そして同映画祭は新たなルールを発表し、カンヌに参加する映画は、「フランスの映画館での上映を約束する」ことを条件に加えた。フランスの法律では、劇場公開から36か月間は映画をストリーミングサービスで配信できないと定められており、Netflixがそんなに長く(あるいは少しも)待つことに同意するとは考えられないため、今後同社の作品は映画祭から実質的に排除されることになる。

「カンヌ映画祭はNetflixに今回の2作品を同社の購読者だけでなくフランスの映画館でも上映できるよう交渉したが無駄に終わった」と映画祭担当者は声明で語った。「合意に達しなかったことを遺憾に思う」。

カンヌはこの規則は来年から適用されるので、OkjaThe Meyerowitz Storiesは予定通り上映されることも発表した。

これに対してNetflixのCEO Reed Hastingsは次の記事をFacebookに投稿した:「既存勢力は結束してわれわれに対抗している。6月28日にNetflixでOkjaをみて欲しい。この素晴らしい映画がカンヌ映画祭で競うことを映画館チェーンは阻止しようとした」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Netflixからミニシリーズ、Defendersの予告編―4人のMarvel ヒーローがこの夏ニューヨークを救う

NetflixオリジナルにMarvel Defendersが登場する。これは4人のスーパーヒーロー、デアデビル、ジェシカ・ジョーンズ、アイアン・フィスト、ルーク・ケイジがチームを組んでニューヨークを救うというミニシリーズだ。ヒーローたちはMarvelですでにそれぞれ独自のシリーズを持っているがタッグを組むのはこれが初めてだ。

公開された予告編はモノクロの監視カメラの映像仕立てなのであまり情報が豊富ではない。しかし番組の雰囲気は感じとれる。

Defendersの4人のスーパーヒーロー(残念ながらダニー・ランドのアイアン・フィストが加わっている)は力を合せて謎の悪の力からニューヨークを救うために立ち上がる。Netflixによれば8月18日からストリーミングで公開されるという。

アイアン・フィストが不評なのはこのシリーズの弱点かもしれない。特にこのミニシリーズが始まる直前にバッシングを浴びたのは不運だった。それでも他のシリーズの好調さから考えればDefendersは注目だ。予告編は短いが内容に期待させるものがあった。

〔日本版〕Netflix日本版でもDefendersは公開が予定されている。スケジュールについては情報がない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Windows10版のNetflixでもオフライン視聴が可能に

NetflixがiOSとAndroid向けにオフライン視聴機能のサポートを開始したのは昨年後半のことだった。そして、今日からWindows10のNetflixにも同じ機能が追加されることになった。ただし、Windows 10のモバイルデバイスには対応していない。本日アップデートされたばかりのWindows 10版Netflixアプリを利用することで、映画をダウンロードしてオフライン環境でも視聴できるようになる ― 旅行などの際には重宝する機能だ。

これを最初に発見したのは、MicrosoftやWindowsの最新情報を伝える非公式ニュースサイトのMSPoweruserだった。

Netflixのスポークスパーソンもこれを認め、「本日より、Windows 10ラップトップおよびタブレット版のNetflixアプリはオフライン視聴機能のサポートを開始します。今後も、本機能をさらに多くのユーザーに提供する方法を探し、Netflixをより簡単に楽しめるようにしていきます」とコメントしている。

iOSとAndroidの場合と同様、著作権の関係上、この機能ですべてのタイトルをダウンロードできるわけではない。オフラインで視聴可能なのは、Netflixのオリジナル作品とライセンス取得済みのタイトルだけだ。

しかし、Netflixのオリジナル作品は数多くある。だから、この機能によってダウンロードできる作品数は少なくない。Stranger Things、House of Cards、Orange Is the New Black、Narcos、The Crown、Bloodline、Sense8、そしてスタンドアップコメディやドキュメンタリー作品など、ダウンロード可能なタイトルには人気作も多い。

ダウンロード可能な作品のリストはすべてのOS(iOS、Android、Windows10)で共通しているが、利用する国や地域によって多少の違いはあるだろう。

ダウンロードは簡単だ ― 作品紹介の画面にある「矢印ボタン」をタップするだけでいい。「Available for Download」というセクションでダウンロード可能な作品だけをチェックすることもできる。 また、「My Downloads」ではダウンロード済みの作品を管理することが可能だ。

Netflixによれば、この機能は今日から全世界のWindows 10ユーザーに提供されるそうだ。

ただ、この機能をいち早く試したユーザーからは「ダウンロードができない」という声もあるようだ。サポートされたデバイスでダウンロードを試みても、「問題が発生しています」とのメッセージとともに「ダウンロードエラー」と表示されてしまうようだ(Netflixは現在このバグの修正を試みている)。

Windows10のNetflixアプリはこのリンクから入手可能だ。

Image credits: Windows Central

Amazonの‘Manchester by the Sea’と‘The Salesman’が三つのアカデミー賞を獲得

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今年のアカデミー賞授賞式は異例ずくめだったようだが、ビッグニュースもある。Manchester by the SeaThe Salesmanという、どちらもAmazon Studiosが配給した二作が、三つのアカデミー賞を取ったのだ。

授賞式のホストJimmy KimmelがMCの冒頭で、AmazonのCEO Jeff Bezosに関するジョークで笑いを取ったぐらいだから、一般的にもそれはビッグニュースだったのだ。

Manchester by the SeaではCasey Affleckが(セクハラの疑惑にもかかわらず)主演男優賞を取り、さらにKenneth Lonerganが脚本賞を取った。Amazonが作品賞にノミネートされたのも、これが初めてだ

The Salesmanは、外国語映画賞を取った。イランのAsghar Fahadi監督は、ドナルド・トランプ大統領の入国禁止令に抗議して、授賞式を欠席した。賞は代わりに宇宙飛行士のAnousheh Ansariが受け取り、彼は、“アメリカへの移民の入国を禁ずる非人間的な法”を非難するFahadiの声明を代読した。

Netflixも、手ぶらでは帰らなかった。同社のThe White Helmetsが、短編ドキュメンタリー賞を取った。

受賞者受賞作一覧

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Netflixの技術者たちがストリーミングの画面を脳波でコントロール(?)

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定義するまでもないが、でも、こんなのがときどきあるから、ハッカーたちのカンファレンスは楽しい。Netflixの4人のデザイナーが、下の短いビデオで“MindFlix”と呼んでるものは、Museヘッドバンドをハックして、同社の映画ストリーミングサイトの、おなじみのインタフェイスを操作する。

ビデオはこう言っている: “今日のHack Dayのために、自分たちの脳にチップをインプラントしようかと思ったけど、でも、この脳波を読むヘッドバンドをまず試してみることにした”。

とても短いビデオで、しかも相当編集されている。ぼくなんか、脳波や目の動きでテレビを操作する、という話を聞くたびに、眉に唾をつけてしまう方だ。実際に自分が試してみたものの中にも、近い将来本当に実用化されそうなのは一つもなかった。今実際に売られているものの中の、ややましな製品ですら、その完成度は低い。でもこのビデオと、そこに紹介されているハックは、ストリーミングに対するインタフェイスの未来のバージョンを実際に開発するという真剣なお話よりも、むしろ、一種のお笑いネタだ。

でも、世の中のテクノロジー製品の多くがそうであるように、ここで紹介されている技術も、‘楽をしたい’という怠け者根性から生まれている。このジョークっぽいビデオも、Netflixのユーザーが、紛失したリモコンを探すのが面倒、という話から始まる。ヘッドセットにも、室内での紛失、という問題はあると思うけどね。

Netflix Hack Dayでは、ほかにもいくつかのビデオが紹介された。たとえば、Netflixのアカウントを複数持っている人が一画面で複数のストリーミングを見る方法、社会問題を扱ったビデオに‘寄付機能’がある、NetflixオリジナルのStranger Thingsのゲームバージョン、などだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

海外マーケットで会員数が500万人増加 ― Netflixが予測を上回る成果を発表

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まったく、Netflixには驚かされる。

Netflixが本日発表したところによれば、同社は今年度の第4四半期で新規会員を国内市場で200万人、海外市場で500万人獲得したようだ。ウォールストリートの事前予想は実際の数字よりもずっと低く、それぞれ138万と378万人だった。業績数字については後ほどお伝えするが、実際のところ、ウォールストリートが気にしているのは新規会員の獲得数だ。なぜなら、その数字によって将来の成長速度を占うことができるからである。

より詳しく見てみると、Netflixは米国のオリジナルコンテンツに多額の投資をしているにもかかわらず、特に海外市場において急速に成長していることがわかる。Netflixは海外への拡大戦略を急速に推し進めているところではあるが、それぞれの国における国内戦略(強力なオリジナルコンテンツの製作)を調整する必要がある。それぞれの国ではオーディエンスが異なる趣向や視聴パターンを持っている可能性もあるからだ。しかし、Netflixは同社の新作を例に出し、その試みが成功したことを示した。

「嬉しいことに、ブラジルのオリジナルコンテンツである”3%”(SFドラマ)は、ブラジル国内で最も視聴された番組の1つとして数えられ、他のラテンアメリカ諸国のオーディエンスからもよく視聴されています」とNetflixはいう。「それだけではなく、これは下馬評とは異なることですが、何百万人ものアメリカ人が”3%”を英語字幕をつきで視聴しています。そのため、”3%”はポルトガル語の番組としては初めて、ブラジルとポルトガル以外のオーディエンスを獲得することができた番組となりました」。

しかし、オリジナルコンテンツ以外のコンテンツを充実させることも重要だ。これについてNetflixは、日本のアニメやトルコのドラマなど、国境を越えることができるローカル番組に注力していくとしている。オリジナルコンテンツは新規会員を惹きつけるものではあるが、その後も彼らを引き止めておくためにはそれ以外に豊富なコンテンツを用意する必要がある。だが、会員数が伸びれば伸びるほど、Netflixが他社とのパートナーシップを結べる可能性も高まり、彼らは国際市場で無視できない存在となっていくのだ。昨年、Netflixはコンテンツに50億ドルを投資しているが、2017年はそれを越える60億ドルを投資していく予定だ。

第4四半期で大きな成功を収めたNetflixだが、同社は今年の初め、第3四半期における会員数の成長予測を引き下げていた。だがその後、実際にはその予測を上回っていたことが明らかになり、それに伴って同社は第4四半期の予測数字を引き上げる。ウォール・ストリートはNetflixが第3四半期の予測を引き下げたことを少し心配していたが、結局数字が好調だったことを受けて第4四半期の予測は高く設定されていた ― そのような状況で今回の発表だ。

今思えば、その兆候はあったのかもしれない。昨年12月初旬には、Netflixアプリが初めてApp Storeにおけるトップ・グロッシングアプリのランキングで1位になっている。海外への拡大戦略を推し進める一方で、米国国内における成長鈍化はNetflixにとっての課題だった。そこでNetflixは、業界や国内のオーディエンスを惹きつけるようなオリジナルコンテンツの製作に多額の資金を投資してきた。さらに第4四半期にはオフラインでも視聴ができる機能を追加する。それによってアプリの利便性が高まり、App Storeにおける人気も高まったのだろう。

新しい国内コンテンツも次々に追加された。直近、NetflixはLuke Cage、the Crown、The OAなどのドラマシリーズを追加している。今回の発表では、これらの新作はすべて成功だったとされている。新しいコンテンツの追加が今後も続くとすれば、特に国内マーケットにおいて新規会員の獲得が期待できるだろう。

当然ながら、この発表のあとNetflixの株価は急上昇した。前日比9%の上昇だ。この上昇幅はもちろん大きいが、参考のために述べておくと、前回Netflixが会員獲得数の予測を引き上げたときには株価が20%上昇している。

ホリデーシーズンはNetflixにとって重要な時期だ。ギフトとして新しいデバイスを手にする人が増え、そのデバイスには当たり前のようにNetflixのアプリがダウンロードされる。昨年、Netflixは多数の海外マーケットに進出したが、国際マーケットにおけるビジネスも非常に上手くいっている。

それでも、米国のネットワーク中立性が弱まることが2017年のNetflixに悪影響を与えると考える者もいる。しかし、Netflixはそれが同社のビジネスに大きな影響を与えることはないと話す。

「仮に米国においてネットワーク中立性の弱体化が起こるとしても、それが国内ビジネスのマージンやサービスの質に重大な悪影響を与える可能性は低いでしょう。なぜなら、Netflixの人気はすでに高く、それがISP(インターネットサービスプロバイダー)との関係を安定させているからです」と同社はいう。「しかしながら、公共政策の観点からいえば、ネットワーク中立性はイノベーションと小規模企業をサポートする重要な考え方です。IPSがポテンシャルを秘めたサービスの活動を制限する、または彼らの好みによってそれを決めるべきなどと考えている人はいません。ネットワーク中立性を保つことで成長やイノベーションが生まれる。そのことを新しい政権や議会が気づいてくれることを望みます」。

Netflixの業績はウォールストリートの事前予測をわずかに上回っている。事前予測では1株あたりの当期純利益が14セント、売上高が24億7000万ドルだった一方で、実際の数字はそれぞれ15セントと24億8000万ドルだった。2016年はNetflixにとって行ったり来たりの不安定な年であったが、結局は良い1年を過ごせたようだ。

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[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter