楽曲認識アプリのShazam、10億ダウンロードでようやく黒字化

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モバイルおよびデスクトップ用の音声検索・楽曲認識アプリ「Shazam」のダウンロード数が先ごろ10億件に達したと、Billboardが米国時間の9月29日に報じた。

ロンドンに拠点を置くShazam Entertainment Ltd.は、ついにようやく黒字に転じたことも発表した。これはデジタル形式での音楽売上に対するコミッションと音楽ストリーミングサイトへのトラフィック誘導による収入に加えて、新たに注力していた広告収入の成果とみられる。

ShazamのCEOがWall Street Journalに語ったところでは、同社は現在もSpotify、Apple Musicなどのストリーミングサービスに毎日100万クリックを誘導し、トラフィックおよび購入があった場合のコンバージョン報酬を受け取っているという。しかし今では広告収入が他の収入源を上回っているとの話だ。

Shazamの広告は、アプリユーザーがデバイス上などで楽曲やTV番組などのメディアをスキャンしている最中に表示される。広告の種類はほとんどの場合、音楽とは関係のない内容だ。

TechCrunchでも報じたように、Shazamは昨年初頭に3000万ドル資金調達し、その時点で同社評価額は10億ドルを上回った。

Shazamは他のアプリ開発元やソーシャルメディアプラットフォームとのパートナーシップによって、既存ユーザーのエンゲージメントを深め、新規ユーザーも継続的に獲得して行きたいとしている。

Shazamが設立してから約15年の間に、競争はさらに激しくなっている。競合相手はSoundHound、MusixMatchのようなiOS/Androidアプリから、Google、Facebook、Amazonなどの音声認識テクノロジーにまで及ぶ。

たとえばAmazonのEchoでは、ユーザーが「この曲は何?」「このアーティストは誰?」などの質問をすれば、Spotifyなどの連携ストリーミングメディアサービスで再生中の楽曲を特定できたりする。

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(翻訳:Ayako Teranishi / website

Spotifyの遅すぎる日本ローンチ、先行サービスに追いつくことができるか

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音楽ストリーミングサービスSpotifyがついに日本でも利用できるようになる。本日、スポティファイジャパンは記者会見を行い、SpotifyのファウンダーでCEOのダニエル・エク氏はSpotifyの日本ローンチを発表した。Spotifyのウェブサイトではサービスの受付を開始し、徐々にユーザーを受け入れていくという。

改めて紹介すると、Spotifyは2006年にスウェーデンで創業し、2008年10月より音楽配信サービスを展開している。現在60カ国で展開し、アクティブユーザーは全世界で1億人以上のユーザーだ。その内有料会員は4000万人以上という。日本でも数年前からローンチ間近と伝えられながら、なかなか実現せず、ようやく本日の正式ローンチに至った。

SpotifyのファウンダーでCEOのダニエル・エク氏

会見に登壇したエク氏は「日本にはとてもユニークな文化があります。世界中のアーティストと日本をつなぎ、そして日本のアーティストを世界中の聴衆とつなげられることを嬉しく思います」とSpotifyのローンチについてコメントした。

Spotifyの日本版のサービスでは国内、海外の楽曲合わせて4000万以上の楽曲を提供する。Spotifyはモバイル、タブレット、パソコンのいずれからでも利用できるが、今回新たにPlayStation®4(またはPlayStation®3)からも楽曲を視聴できるようになった。

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Spotifyのデモの様子。多種多様なプレイリストが並ぶ

Spotifyの最大の特徴は、ユーザーにぴったりの楽曲を提案する機能が充実している点だ。ジャンルごとに多様なプレイリストを用意していて、利用可能なプレイリストは20億本以上あるという。日本では、「Best of J-ROCK」や「トウキョウ・スーパー・ヒッツ」など、日本の音楽業界に精通するエキスパートが選んだプレイリストも用意している。もちろん、ユーザーは自分で好みの曲を集めたプレイリストを作成することができ、友人と簡単にLINEやSNSでプレイリストを共有することが可能だ。

Spotifyの人気機能は、ユーザーの視聴履歴に基づいてパーソナライズされる2つのプレイリスト「Discover Weekly」と「Release Radar」だ。Discover Weeklyはユーザーの好みの楽曲をキュレートするプレイリストで、毎週月曜日に更新される。4000万人以上がこのプレイリストを視聴しているとSpotifyは言う。一方のRelease Radarは、毎週金曜日に更新され、ユーザーの好みに合う新リリースの楽曲をキュレートする。

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日本版のSpotifyでは世界に先駆け、歌詞機能を展開するとSpotifyは言う。日本ではカラオケが人気で、歌詞を見ながら楽曲を楽しむ文化がある。Spotifyはそういったユーザーのニーズに合わせて歌詞機能を開発したという。この他にもランニング時にユーザーの走っているペースに合わせて楽曲が聴ける機能やゲーム音楽も充実している。

気になる料金体系だがSpotifyは、無料プラン「Spotify Free」と月額980円(税込)の有料プラン「Spotify Premium」を用意している。無料プランは広告モデルだが、最新のトップチャートやプレイリストの視聴などSpotifyの基本的な機能を利用することができる。

Spotify Premiumには広告はなく、楽曲をダウンロードする機能でネット環境のないところでも音楽を楽しめたり、高音質(320kbps)の楽曲を聴いたりできるのが特徴だ。また、「Spotify Connect」を使用することで車内での視聴も可能になる。Spotify Premiumは30日間無料で試すことができる。

また、今回の会見では、アマゾンジャパンでバイスプレジデント、Kindle事業本部統括事業本部長を務めた玉木一郎氏が2016年10月1日付で、スポティファイジャパンの代表取締役に就任することを発表している。

日本でSpotifyをローンチするのに4年の準備期間がかかったとSpotifyは話していた。だが、その準備期間の間に、複数の国内プレイヤーとグローバルに展開する音楽ストリーミングサービスが日本でローンチを果たしている。国内プレイヤーには、サイバーエージェントとエイベックス・デジタルとの共同出資による音楽配信サービス「AWA(アワ)」やコミュニケーションアプリ「LINE」が展開する「LINE MUSIC」が筆頭にあがる。日本でサービスを展開する世界的なプレイヤーには、Apple MusicGoogle Play Musicがある。AppleとGoogleに関しては、iOSとAndroidのプラットフォームを生かしたサービス展開ができるという大きな強みがある。国内で展開する音楽配信サービスのダウンロード数/会員数及び料金プランについて、TechCrunch Japan編集部で以下のようにまとめたので、参考にしてほしい。

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日本でローンチ済みの主要な音楽配信サービスの比較表

先行ローンチすることが、どのくらい音楽配信サービスにとって重要な要素となるかはまだ定かではない。だが、今使っているサービスを気に入って、プレイリストなどをカスタマイズしているユーザーは、新たに別のサービスに登録して、またゼロから自分好みの曲を集めたりするのを手間に感じるということは十分に考えられる。

Spotifyの日本参入は1年近く遅れを取っている上、比較すると価格もさほど他のサービスと変わらない。有料会員数でSpotifyは世界のトップを走るものの、Spotifyが今後他の先行サービスとの遅れをどのように取り戻せるかに注目したい。

Spotify>YouTube―音楽ストリーミングが音楽ビデオを追い越した

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ビデオが衰退しているわけではない。しかしオーディオはカムバックしつつある。アメリカでは史上初めて、オンデマンド・ストリーミングによって再生される楽曲の数がミュージック・ビデオの楽曲の数を追い越した。このシフトはビジネスがモバイルで収益を上げる上での音楽の重要性を示すものだが、同時にアーティストに著作権料をより多く支払うためにも役立つはずだ。

デジタル音楽のアナリティクスを専門とするBuzzAngle MusicがTechCrunchに語ったところによると、2016年に入って以降、アメリカのユーザーはオンデマンドで1140億曲をオーディオ・ストリーミングで再生しているという。これにはSpotify、Tidal、Apple Musicなどのサービスが含まれる。一方YouTubeアプリなどでの音楽ビデオの再生は950億回だった。MTV時代になって初めて音楽をオーディオのみで聞くことが復活した。

オンデマンド・オーディオ・ストリーミングは2016年の上半期に、前年同期比で107.8%の急成長を記録した。同期における音楽ビデオの伸びは23%だった。オンデマンド・ストリーミング全体では58.3%成長している。この数字はユーザーが意図して配信を要求したストリーミングのみがカウントされており、Pandoraのようなオンライン・ラジオは含まれていない。

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オンデマンド・ミュージック・ストリーミングのかなりの部分が有料契約オプションを持つSpotify、Apple Music (どちらも月額9.99ドル)などのサービスによるものだ。YouTubeは最近、広告なしでビデオでが視聴できる有料契約のオプションをスタートさせたが、大半のユーザーは広告を我慢して無料で視聴している。有料配信におけるロイヤルティーは無料ビデオの広告売上より大きくなるため、アーティストに1曲当たり支払われる額も増えている。

Spotifyの収入の大部分が著作権者への支払いにあてられるため、巨額の資金を持つライバルとの競争では苦戦している。Appleがオンデマンド・ミュージック・ストリーミングをスタートさせたのは2015年6月だったが、競争を有利に進めるためにiPhoneの売り上げによる巨大な資金力を注入している。Appleはユーザーを増やすための広告や、Drakeの新アルバムViews(BuzzAngleによると今年のトップ・アルバム)の先行独占配信権の獲得などに惜しげもなく資金を投入している。

Appleが音楽アプリで成功すれば、高価なハードウェアをさらに売ることに役立つ。Spotifyは今年に入って、厳しい条件だったが10億ドルの資金を転換社債で調達した。Spotifyは有料ユーザーを獲得する上で、Appleの3ヶ月の無料トライアルよりも同社が実施している無料オプションのほうが有効だと考えている。

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音楽そのものの売り上げは引き続き減少を続けている。デジタル楽曲の売り上げは24.2%、アルバムは 17.7%ダウンした。レコードが意外な復活を遂げ、17%の増加を示したとはいえ、CDセールスは9%ダウンし、物理的媒体のアルバムの売り上げは7%ダウンした(いずれも2016年上半期の対前年同期比)。

ストリーミングのロイヤルティーは消費者がCDに平均16.99ドルを支出していた黄金時代の水準には戻っていない。しかし有料契約者が増えればこのギャップは縮まるはずだ。あらゆるデバイスで常に再生が可能なストリーミング・サービスの普及で、ユーザーはシングルのヒット曲を聞くだけでなく、アーティストのアルバムの世界に浸る傾向を示している。そうした熱心なファンはアーティストのコンサートやグッズの売り上げの増大にも貢献する可能性が高い。

〔日本版〕Constin記者は元資料の増減の数字を利用している。音楽売り上げの分類が異なるため引用したグラフと記事中の数字は必ずしも一致しない。またグラフの注記によれば、「売り上げ報告が利用できるストアの分のみ集計。全ストアの売り上げはこの統計の額の2倍程度」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、ジェイ・ZのTidalと買収交渉―ビヨンセ、カニエ・ウェストがAppleで聞けるようになる?

NEW YORK, NY - MAY 17:  Jay-Z (L) and Memphis Bleek perform during TIDAL X: Jay-Z B-sides in NYC on May 17, 2015 in New York City.  (Photo by Theo Wargo/Getty Images for Live Nation)

「競争して勝てないなら買収してしまえ」という格言もある。 AppleはTidalと音楽ストリーミングの買収について交渉しているという。Tidalのアプリはビヨンセやカニエ・ウェストのようなビッグ・ネームの独占先行配信権を持っている。

Wall Street Journalの記事によると、交渉は始まったばかりで、買収が成立するとは限らないという。しかしAppleは音楽ストリーミングの分野でSpotifyと激しい競争を続けており、Tidalを買収できればApple Musicを大幅に強化することができる。

Appleはドレイクなどで自身の独占先行配信も強くプロモーションしているが、この分野ではTidalが先行している。ラップ・ミュージシャンのJay・ZがTidalを5600万ドルで買収したのは 2015年の3月だった。その後、Tidalは全面的なリニューアルを実行し、トップクラスのアーティスト多数と契約することに成功した。ビッグネームのアーティストの一部はTidalの所有権を共有することになった。Tidalに所属する著名なアーティストには、アリシア・キーズ、カルヴィン・ハリス、アーケイド・ファイア、コールドプレイのクリス・マーティン、ビヨンセ、ダフト・パンク、ジャック・ホワイト、J.コール、ジェイソン・アルディーン、カニエ・ウェスト、デッドマウ5、マドンナ、ニッキー・ミナージュ、リアーナ、アッシャーらが含まれる。

Tidal Exclusive Videos

Tidalはこうしたスターたちを共同所有者に加えるという条件で最新の楽曲を配信する権利を得た。当初こうした取り決めはビジネスとしてうまくいくはずがないと思われていた。しかしこのシステムのおかげでTidalはカニエ・ウェストの新アルバム、Life Of Pabloを数週間にわたって独占的に先行配信できた。またビヨンセのビジュアルな新アルバム、LemonadeをストリーミングできるのはいまだにTidalだけだ〔ジェイ・Zとビヨンセは結婚している〕。

Tidal Mobile

Appleは音楽をフラグシップ製品であるiPhonesの売れ行きも左右するようなモバイルの重要な要素と位置づけている。Tidalの言い値がいかに高かろうと、これだけのビッグネームをストリーミングできるとなればSpotifyに対する大きな強みとなる。

AppleがTidalの買収に成功すれば音楽ファンには便利になる。現在のストリーミングはバルカン諸国のように多数のサービスが並立し、楽曲のカタログは異なるアプリの間で細切れにされている。人気ラッパーのドレイクとカニエ・ウェストを聞きたいなら2つのアプリをインストールしなければならない。しかし一部のビッグネームを除けば2つのアプリはほとんどのミュージシャンが重複している。しかしリスナーはそれぞれに月額10ドルの料金を払わねばならない。Spotifyがレディー・ガガの前マネージャーでテクノロジー分野の投資家でもあるTroy Carterをスカウトしてから独占配信の傾向はますます強化された。

Apple Musicは現在1500万人の有料契約者がいるがSpotifyは3000万人だ(無料も含めた全リスナーは1億人)。 Apple Musicは急成長したが、音楽ストリーミング・サービスなど聞いたこともないような新規ユーザーを獲得するためにはTidalの買収は非常に効果的だ。そうでないとライバルのSpotifyはプレイリストとリスナー別のカスタマイズのしやすさを武器に地歩を固めてしまいかねない。

ただしAppleは現在でもApp StoreとiOSのオーナーであることを利用してSpotifyを妨害していると批判されている。AppleがTidalを所有すれば、リスナーは便利になると同時に選択肢が狭められることになるのも事実だ。しかしApple MusicでTidalのアーティストが聞けるのなら熱心なSpotifyファンの中にもAppleにに乗り換えるリスナーが出てくるだろう。

画像: Theo Wargo/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpotifyベースのSoundtrack Your Brandが米国でサービス開始。McDonald’sとのグローバル提携も同時に発表

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Spotifyが一般顧客向けの会員制サービスのビジネスと、アーティスト向けのサービスを拡大し続けている。それと同時に同社が取り組んでいるのが、ストリーミング音楽のための新しいルートの獲得だ。Spotifyの支援のもとで共同創立された、企業向けの音楽ストリーミングサービスを手掛けるSoundtrack Your Brand(SYB)がサービスを開始する。同時に、巨大なグローバル企業との提携も発表し、このニュースに一層の華を添えた。今後SYBはMcDonald’sにストリーミング音楽を提供することになり、このファストフード業界の巨大企業が抱える3万6000以上のレストランとその他の店舗にその音楽が流れることになる。

ただし、SpotifyとMcDonald’sの独占契約というわけではない。このグローバル契約には、同社の他に少なくとも2社の音楽プロバイダーも含まれている。Play Network(SYBへの出資者の一人)とOmnifoneだ。

この発表がなされたとき、私たちはSoundtrach Your Brandが追加の資金調達をしていたことも把握していた。かつてSpotifyのbusiness dvelopmentを率いてきた人物と、Appleに買収されたBeats Musicの創業者によって共同創業された同社は、現在では2000万ドルを「同社のオーナー」から調達したことを知らせてくれた。(これまでは1100万ドルの調達にとどまっていた)。

同社への主要な出資者には、Spotifyの他にもNorthzone、Creandum、wellington、TeliaSoneraといった企業が名を連ねる(基本的にはSpotify自身の出資者のメンバーで構成されている)。それに加えて、MuzakのオーナーであるMoodMusicと競合関係にあるPlayNetworkも主要な出資者の一つだ。

もちろん、これまでにSpotifyが調達した160億ドルという数字や、850億ドル以上とも言われるSpotifyのバリュエーションと比べると、この2000万ドルという金額は控えめではある。しかし、それらの親会社たちは難題に直面しているところだ。コンシューマー向けの音楽ストリーミング・ビジネスが問題を抱えているだけでなく、この市場にはAppleやGoogleなども加わった激しい競争が繰り広げられている。ストリーミング以外のデジタル音楽企業との競争は言うまでもない。

その一方で、より小さな企業向けのストリーミング・ビジネス市場では興味深いことが起こりつつある。いまだに多くの企業は、CDや旧型のレコーディング・システムを使用している。だが、この分野はそれらの企業が喜んでサービスの対価を支払う意思のある分野でもあるのだ。さらに、テクノロジーを活用して店舗の音楽がビジネスに与えるインパクトを示し、その分析データを提供することができるとすれば、ストリーミング音楽の収益源をもう1つ増やす機会が生まれる。

今回のSYBとMcDonald’sとの提携は、枠組み契約だ。SYBはMcDonald’sへのストリーミング・サービスの提供者として指名されている。しかし、McDonald’sはフランチャイズ式のビジネスを展開しているため、SYBが実際に音楽を提供するためには、それぞれの店舗と直接契約をしなければならない。

そのための基礎は、ある程度すでに整っている。グローバルな契約に先駆けて、Soundtrack Your BusinessはスウェーデンにてMcDonald’sとの提携を開始している。(Starbucksなどの、他企業との提携も同様だ)。すでに同国にあるMcDonald’sの店舗の6割に導入が完了した。SYBのCEOであるOla Sarsは、すでに他の国でも同様にフランチャイズとの試験的な提携に取り組んでいると話す。

契約を交わした店舗には、SYB製の「箱」が提供される。このハードウェアは店舗にすでに備わっているスピーカーやその他の音楽機器に接続することができ、それをインターネットに接続することによって、カスタマイズされたストリーミング音楽が流される。Spotifyアプリと同様に従業員や顧客がミュージックプレイヤーを操作することも可能だ。さながら、21世紀のジュークボックスのようだ。

そして、ここでもビック・データ分析が活躍する。顧客アクティビティと音楽との相互作用を分析し、顧客の心を弾ませる(そして大いに食事を楽しんでもらう)ための環境作りに適したプレイリストを作成することができる。この分析は、ストリーミングしているのが音楽であっても、プロモーション音声であっても可能だ。

このMcDonald’sとの提携が興味深いのは、SYBが必ずしもSpotifyから提供される音楽に限定しない自律的な製品を開発し、B2B音楽ストリーミング・ビジネスというコンセプトと共に進化を続けているからである。これは、SYBにとって新しい進化のステップなのだ。

元々このスタートアップはSpotify for Businessとしてローンチされ、Spotify自身によって共同創立された企業だった。このようにしてSpotifyに限定されたビジネスとして始まったのには2つの背景があった。1つは、Spotifyのコアビジネスの成長を阻害しない形でB2B戦略の可能性を探るという目的のもと、Spotify本体とは一定の距離を置いたプロジェクトとして創設されたこと。2つ目は、Spotifyが配信する音楽だけをベースとしたものであったという理由だ。

しかし、McDonald’sとの提携がある問題を浮き彫りにした。McDonald’sがビジネスを展開する国々の中には、Spotifyが利用できない国もあったのだ。だからこそ、Spotify以外の音楽プロバイダーの協力が必要だったSYBは、そのリストにPlayNetwork(SYBへの出資者の一つ)とOmnifoneを加えたというわけだ。

「インターナショナル企業は、そのグローバルなビジネスに対応できるソリューションを探しています。しかし、現時点での私たちへの出資者には、すべての市場に対応できるB2Bビジネスのライセンスがありません」とSYBの共同創業者であるAndreas Liffgarden(Spotify business developmentの前リーダー)と語る。「だからこそ新しいソースを探す必要があったのです」。

彼は韓国市場を例に、「この市場はMcDonald’sにとって重要なマーケットの1つです。しかし、Spotifyはそこでサービスを開始してすらいません。ジグソーパズルなのです」。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook

Spotifyのログイン情報数百人分がネットに流れる―Spotifyではハックされていないと主張

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Spotifyのログイン情報数百人分がPastebinというサイトに貼らられ、このサービスのセキュリティーが破られのではないかと疑われている。漏洩した情報にはメールアドレス、ユーザー名、パスワード、アカウントの種類、その他の詳細が含まれている。

TechCrunchではランダムに抽出したアドレスにメールを送って調査した結果、これらのユーザーのSpotifyアカウントは実際に数日前にハックされていることを確認した。ただしSpotify側では「われわれはハックされていない。ユーザーデータは安全に保管されている」としている。

それではこのデータはどこから得られたものかという疑問が出る。データは間違いないくSpotifyへのログインに特有の情報であり、たまたまSpotifyにも関連する一般的なウェブ・データではない。

漏洩したアカウント情報はアメリカ国内のものに限られず、世界中いたるところのユーザーが含まれている。

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われわれのメールでの問い合わせに対して5、6通の返信があり「最近アカウント情報がリークした」と確認してきた。乗っ取りに気づいたきっかけはいろいろあったようだ。あるユーザーは「自分で追加した覚えのない曲がプレイリストに追加されていた」と回答した。別のユーザーは身元不明の第三者が自分のアカウントを使っていることに気づいた。

匿名を望むあるユーザーは「アカウントは先週ハックされたのだと思う。『最近再生された曲』に自分で聞いた覚えのない曲が追加されていたのに気づいてパスワードを変えて全部のデバイスで〔Spotifyから〕ログアウトした」と語った。

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別の複数のユーザーは曲を聞いている最中にSpotifyが使えなくなり、再度ログインしてみると、メールが自分のものではない不正なアドレスに書き換えられていることを発見したという。

Spotifyをまた使えるようにするためにはカスタマーサービスに連絡して手続きしなければならなかったそうだ。

いずれの場合もユーザーに対してSpotifyからすぐに通知はなく、Spotify側で積極的にパスワードを変更するなどのセキュリティー保護の措置は取られなかったという。

「Spotifyはハックされていないという」という広報担当者の言葉はこれと矛盾する。

Spotifyはハックされておらず、ユーザーデータは安全だ。われわれはPastebinその他のサイトを定期的にチェックしている。もしSpotifyのログイン情報をそのようなサイトで発見した場合、われわれはただちにその真偽を確認し、正しいログイン情報だと分かった場合は対象ユーザーに直ちに通知し、パスワードを変更することになっている。

Spotifyは依然としてアカウントの真偽を確認しているのかもしれない。これは時間がかかる場合がある。

われわれの取材によると、この問題が発生したのは先週のようだ。ただしPastebinの日付は4月23日になっている)(TechCrunchは被害者のプライバシーを守るためにこのサイトへのURLは掲載しない)。【略】

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原因がどこにあるにせよ、漏洩したパスワードを使って身元不明の第三者がなぜ実際にSpotifyにログインしてストリーミング・サービスを利用したのかは不明だ。そんなことをすれば本来のユーザーが漏洩に気づくに決まっている。ハッカーはログインデータを本来のユーザーに気づかれないように入手し、よそで売りさばくのが普通だ。それだけに今回の成り行きは理解しがたい。

この件に関してさらに情報が入手でき次第アップデートする。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

BMWがAndroidアプリの統合を発表、最初はiHeartRadio, Pandora, Spotify

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BMWはそのほかの自動車メーカーとともに2011年にiPhonesとの統合を導入したが、それから5年後の今年、New York International Auto Show(ニューヨーク国際自動車ショー)でついに、BMV AppsがAndroidデバイスと統合する、と発表した。2016年のBMW 7 SeriesのiDriveシステムで動く最初の3つのアプリはすべて音楽系で、iHeartRadioPandora、そしてSpotifyだ。

当面は特定の車種と特定のアプリのみだが、今後はそのほかのBMV車種やMinisにも、さらに多くのAndroidアプリが載る可能性がある。ユーザーはBMWのConnectedアプリをダウンロードして、自分のスマートフォンからiDriveとBluetoothで音楽をストリーミングする必要がある。Pandoraでは指の上げ下げ(好き/嫌い)ができるし、Spotifyの有料や無料のアカウントでプレイリストにアクセスできる。またiHeartRadioではライブのラジオ放送を全国で聞けると同時に、ご自分のFavoritesの曲も楽しめる。

Appleは同社のプラットホーム向けに開発されるアプリを厳しく管理しているから、スマートフォンと車載エンタテイメントシステムを統合した初めてのメーカーの一つであるBMWも、iPhoneアプリならドライブ時の安全性に関して安心できる、と思っている。それに比べるとAndroidのアプリ環境は意図的によりオープンだが、今や多くの見込み客のポケットに入っているデバイスを、BMWとしても無視できなくなった。

BMWが今回選んだ三つの人気アプリはいずれも、運転者が簡単に安全に操作できる。すべてのアプリがiDriveを使用し、プラットホームの違いを超えて、運転時の安全が確保されている(たとえば長いプレイリストを見るときでも路面から目が逸(そ)らされない)、とプレスリリースは述べている。iDriveを使用するアプリに関しては、それらが運転者の注意をあまり奪わないことを、BMWは検証している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Spotify、音楽ストリーミングのアジア拡大を再開—今月末にインドネシア、次は日本

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Spotifyはしばらくぶりにアジアで市場拡大モードに入ったようだ。アジアに最初に進出したのは4年前だったが、2年前からこの地域の新しい国でサービスを開始していなかった。Spotifyは今月の末までにインドネシアで音楽ストリーミングを開始すると正式に発表した。

インドネシアはSpotifyにとってきわめて大きな重要性を持つ可能性を持った市場だ。世界第4位の巨大な人口があり、スマートフォンの販売はここしばらく毎年20%の伸びが予想されている。2億5000万の国民は次第に豊かになり、テクノロジーによってコミュニケーションすることを強く求めるようになった。

昨年10月、われわれは 「Spotifyの日本とインドネシアでのサービス開始が迫っている」という記事を書いた。事実、東京ではオフィスが開設され、静かに営業がスタートしている。日本のメッセージ・サービスのトップブランド、Lineと提携したのはSpotifyの本気度を示すもう一つのサインだろう。LineはFacebookとも同様の提携をしているが、ユーザーはLineアプリからSpotifyの楽曲を共有できるという仕組みだ。

しかし提携はそれとして、実際に運用できるのはSpotifyのサービスがスタートしている地域となる(現在日本ではまだ開始されていない)。ただしサービス開始が迫っていることを示すもうひとつのサインは、Spotifyが日本で12人の人材を募集していることだ。これには消費者向けマーケティングの責任者コミュニケーション責任者ソーシャルメディア・マーケティングのマネージャーなどが含まれる。要するに東京オフィスでの業務の中心となるチームだ。

10月のわれわれの記事でも触れたとおり、日本での音楽ストリーミングの環境は厳しい。日本ではまだCDが音楽市場の主流だ。これがSpotifyの日本でのサービスのスタートを遅らせてきたのだろう。しかしAppleと(友でもありライバルでもある)Lineはすでに音楽サービスを開始している。Spotifyが追いつくためには急ぐ必要があった。

インドネシアでサービスをスタートさせる発表を別にすると、SpotifyはTechCrunchの取材に対してアジア戦略を明らかにすることを避けた。しかしわれわれは同社に近い筋からインド市場参入を考えているという情報を得ている。

もちろんインド市場への関心はまだ実験的段階だが、Spotifyが実際にインドに入るとなれば激しい競争を覚悟する必要がある。昨年夏、Apple Musicが世界的にスタートしたとき、インドでもサービスが開始されている。しかし地元発のサービスとしてTiger Globalが支援するSaavnTimes InternetのGaanaがモバイルでの音楽市場をリードしているようだ。Apple Musicのインドでの現状についてわれわれにはあまり情報がない。しかしSpotifyの方が無料バージョンを持っている分、インド市場には適合しているかもしれない。またAndroidアプリもAppleより安定している。どちらもインド市場では不可欠の要素だ。

最近、有料ユーザーが3000万を突破したSpotifyにとって、アジア市場は重要なものとなってくるだろう。この地域の大部分はモバイル・ファーストであるか、それともデジタル・コンテンツにアクセスする手段がそもそもモバイルしかないか、どちらかだ。消費者はエンタテインメントをほぼすべて携帯電話に頼っている。モバイル音楽サービスにとってユーザーの獲得には理想的な条件だが、収益化の方法となると発見が非常に難しい。なんといってまだアジアの多くの地域は発展途上だし、デジタル・コンテンツの海賊行為が猛威を振るっている。

Spotifyが最初にアジアに進出したのは、比較的小さく、また欧米文化の影響を強く受けている地域、つまり香港とシンガポールだった。これらの国では比較的うまくやれそうなSpotifyだが、このスウェーデンの音楽サービスの巨人ははるかの大きな課題に挑戦しようとしているようだ。その手始めがインドネシアということだろう。

画像: Denys Prykhodov/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook Messengerに音楽機能―Spotifyの曲をその場で共有できるようになった

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Uberとの提携で公共交通のハブの地位を獲得したFacebook Messengerだが、今度はアプリ内からSpotifyの音楽を共有できるようなった。

iOSとAndroidでMessengerのその他のオプション(…)アイコンを開いて音楽をタップすると、Spotifyの「共有を検索」オプションが表示される。楽曲、アーティスト、プレイリストのいずれかを選択するとユーザーはMessengerに戻される。メッセージに音楽のアートワークを画像として含めるかどうか選択できる。受信した相手が画像をクリックするとSpotifyにジャンプして音楽を聞くことができる。

Messenger Spotify Search

8億人のMessengerユーザーの音楽体験を改善するためにFacebookではプレイリストも作った。自分が何を聞いているか知りたいユーザーはこれを利用できる。

Messenger Spotify playlist sharing

Spotifyにはすでにメンバー同士で簡単に音楽を共有するオプションがある。このオプションではメール、SMS、WhatsApp、Facebook Messengerが送信手段として利用できた。しかし今回のアップデートでMessengerを利用しているユーザーがその場で音楽を共有できるようになった。友達に新しいお気に入りのアーティストを説明したり、コンサートの様子を伝えたりしているときに簡単にSpotifyに移動し、共有したらすぐにMessengerに戻れるのは便利だ。

これまでSpotifyのアカウントを持つMessengerユーザーは楽曲の共有にスクリーンショットやタイプ入力された楽曲名などを使ってきた。これは作業が面倒なだけでなく、受け取った側でもそのままではどんな音楽なのか聞くことができないという問題があった。Messenger内部に音楽機能が加わったことでこうした難点が一層されたといえる。

FacebookとしてはMessenger内から音楽が共有できるようなったことでユーザーをより一層このプラットフォームにロックインする効果が期待できる。これは長期的には売上にもう好影響を与えるだろう。またSpotify側でも、Messengerが口コミを増幅する役割を果たしてくれることはApple Musicとの競争を有利にすると同時にまだ利用していないユーザーにストリーミング・サービスの便利さを訴える効果がありそうだ。

〔日本版〕訳者の環境ではMessengerの〔…〕オプションにまだ音楽共有は表示されていない。これまでの例からするとMessengerアプリの次のアップデート時に新機能が導入されるのだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Spotifyが音楽ストリーミングのインフラにGoogle Cloudを選ぶ

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今日(米国時間2/23)、音楽ストリーミングのSpotifyはブログ記事でGooogleと提携したと発表した。これにより、SpotifyはサービスのインフラストラクチャーとしてGoogle Cloud Platformを採用した。

これまでSpotifyは複数のデータセンターで各種ベンダーのハードウェアを利用して配信を行ってきた(データセンターにはAWSが含まれており、AWSブログでケーススタディーとして紹介されている)。しかしSpotifyはクラウド・プラッフォームが成熟段階に達し、全面的にアウトソースするに足る信頼性を獲得したと考えたようだ。

Spotifyは「われわれにとってGoogleのような市場のリーダーと組んで仕事をすることは一大事件」だと述べている。しかし逆にGoogleにとっても、Spotifyのようなこの分野のリーダーのサービスに全面的にホスティングを任されたことは「一大事件」だろう。Spotifyは全面的なクラウド化にあたってAWSの利用を拡大することもできたし、MicrosoftのAzureクラウドをプラットフォームに選ぶこともできたはずだ。

しかしSpotifyはダイアン・グリーンの指揮するGoogleのエンタープライズ・クラウドを選んだ。Googleクラウド・チームは去年の11月にマウンテンビューに買収されるまでは Greneが創業したBebopというスタートアップだった。

こうした買収では Googleは創業チームには十分な報酬を与えて別離を促すのが通例だ。しかしグリーンを新事業部のトップに据えたのは、Googleとしては彼女の能力に対する全面的な称賛に等しいといってよいだろう。Spotifyはこの提携について「極めて競争の激しいジャンルであり、予見しうる将来にわたってビッグ・プレイヤーによる戦いが続けられるだろう」と書いている。私はこの部分をだからいつでも提携先を乗り換えることができる」という意味に読んだが、そう取ったのは私だけかもしれない。

いずれにせよ、これでSpotifyのインフラ部門は巨大なストリーミング・サービスの運営という重荷を下ろすことができたのは間違いない。

〔日本版〕リンク先TechCrunch記事にもあるようにダイアン・グリーンはVMWareの共同ファウンダー、CEOであり、仮想化テクノロジーの普及に大きな功績があった。シリコンバレーの伝説的人物で2012年からはGoogle(現在は親会社のAlphabet)の取締役を務めている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SoundCloudは音楽のYouTubeだ―ビジネスモデルはSpotifyよりはるかに有利

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SoundCloudは最近、長らく待ち望まれていたユニバーサル・ミュージックとのライセンス契約を締結することに成功した。ユニバーサルのアーティストにはカニエ・ウェスト、アデル、テイラー・スウィフトといったビッグネームが含まれる。

この契約によってSoundCloudはメジャー・レーベルの楽曲の約半分をカバーできた。ワーナーはSoundCloudとすでに契約しているが、Sony BMG、Sony/ATVはまだ様子見というところだ。

ユニバーサルのライセンスとベンチャー資金の獲得によって、このベルリン生まれの音楽コンテンツ・プラットフォームはSpotifyのライバルとして非常に有望な存在となった。

音楽のYouTube

メディア上ではSoundCloudについて聞くことはSpotifyの場合よりだいぶ少ない。しかし SoundCloudとSpotifyはどちらも巨大なサービスだが、ユーザーベースについていえばSpotifyが7500万人であるのに対してSoundCloudは月間利用者が1億7500万人だ。

SoundCloudにSpotifyの2倍以上の登録ユーザーがある理由はこうだ。Spotifyの本質は有料ユーザーに対する音楽ストリーミング・サービスなので総ユーザー数そのものはあまり大きな意味をもたない。Spotifyにとって重要なのはそのうちのどれだけが有料契約を結ぶかだ。これに対してSoundCloudは(すくなくともまだ今のところ)収益化の必要が薄く、成長のために無料コンテンツを大量に提供する余裕がある。

第2に、SoundCloudはSpotifyよりもビジネスモデルが有利だ。SoundCloudの主要なユーザーは同時に音楽コンテンツの提供者でもあり、彼らの目的はフォロワーを増やすことで、収益化そのものには関心が薄い。今回のユニバーサルとの契約は同社に関連するやっかいな著作権訴訟を避ける効果がある。これに対してSpotifyは収入の80%を著作権の保有者に支払っている

こうした数字でも分かるとおり、SpotifyとSoundCloudのビジネスはまったく異なる。

SoundCloudのビジネス・モデルはプラットフォーム提供であり、その上に流れるコンテンツはユーザー自身がアップロードしてくれる。Spotifyのように著作権者にライセンス料金を払って楽曲をストリーミングするのが本業ではない。SoundCloudのネットワークは、楽曲をアップロードするユーザーが増えれば楽曲を聞こうとするユーザーも増えるという構造になっている。
ネットワークが拡大すればそれに連れて楽曲を投稿するインセンティブも大きくなるというネットワーク効果が働くことがSoundCloudの急成長のもうひとつの理由だ。

プラットフォームが才能ある新たなアーティストを日々惹きつけているなら、その将来はきわめて有望だと言わざるをえない

逆にSpotifyの場合、基本的にレコード・レーベルがライセンスを保有する楽曲の再販売業者であり、いわば音楽ストリーミングのウォルマート〔スーパーマーケット〕のようなものと考えることができる。そのため、Spotify上の楽曲のほとんどはApple MusicにもPandoraにも他のストリーミング・サービス上にも存在する。そのためSpotifyはSoundCloudのようなネットワーク効果を期待することができない。

これはビデオ・サービスにおけるYouTubeとNetflixの差によく似ている。こういう比較は、Netflixには成功のイメージが強いのでSpotifyをひいきしているように感じるかもしれない。しかしそうではない。実はYouTubeの単独の価値は850億ドルとNetflixの価値の2倍なのだ。その理由は簡単だ。2016年にNetflixはCBS、 Viacom、Time Warner、Foxのどれよりも多額のライセンス料金を支払うことになる。Spotify同様、Netflixの売上もほとんどはライセンス保有者に流れる。

SoundCloudは音楽のYouTubeとなれるか?

この双方の組には深いところまで類似点が見い出される。Netflixと同様、アーティストはフォロワーを増やすのにSpotifをあてにはしない。そのためにはSoundCloudに参加する。これはビデオグラファーがYouTubeに作品をアップロードするのと同じだ。

ラッパーのFetty WapはSoundCloudで大評判になってからビルボードのチャートに載った。DJの大物、DiploやSkrillexもメインストリームで有名になるための足掛りとしてSoundCloudを利用している。 こうした事情でSoundCloudはSpotifyよりも良好な関係をアーティストとの間に築いている。

Spotifyのコンテンツのほとんどはメジャー・レーベルから来ており、他のサービスでも聞ける。しかし音楽ファンがインディーの最新トラックやDJのリミックスを聞きたければSoundCloudを探すことになる。SoundCloudは新しいアーティストや曲などユニークな音楽コンテンツを探す場所になってきた。またSoundCloudではユーザー同士がフォローし合うことによって交流が深まり、音楽に関する情報が密接にやり取りされる。

コンテンツのユニークさによって音楽におけるセレンディピティ〔思いがけぬ発見〕がSoundCloudの特長になった。これによりユーザーのネットワークも日々拡大している。またそのコンテンツは主としてユーザー自身が無料でアップロードしたものだ。こうしたことはすべてSpotifyには望めない。

プラットフォームが才能ある新たなアーティストを日々惹きつけているなら、その将来はきわめて有望だと言わざるをえない。逆にSpotifyは現在のような利益を確保するために苦闘することになりそうだ。NetflixがそうであるようにSpotifyもストリーミングを継続していくためにははコンテンツの権利保有者との苦しい妥協を強いられる。またライバルのサービスに対して独自性を出していくのも難しい。もしこの両社のどちらかを選ばねばならないのなら、今のところ私は「音楽ストリーミングのYouTube」であるSoundCloudの方を選ぶだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スターバックス、店内で再生した音楽をSpotifyのプレイリストとして提供開始

Spotify in the Starbucks app photographed on Fridday, January 8, 2015. (Joshua Trujillo, Starbucks)

スターバックスとSpotifyが共同で、新たな音楽体験を提供することとなった。スターバックス店内で流れている曲のリストを入手し、そこに含まれる曲をSpotifyのプレイリストに登録することができるようになったのだ。

新たなエクスペリエンスを提供することで、スターバックスのモバイルアプリケーションの利用者増と、Spotifyの登録者を増やすことを目的としたものだ。本機能はアメリカ7500件以上のスターバックスで提供が開始された。1000万を超える「My Starbucks Rewards」会員や、米国のSpotify利用者をターゲットとしている。

スターバックスは当初より音楽をどのように扱うかに気を配ってきた企業だ。最初はiTunesの無料楽曲を流したりしていたが、1994年にはジョン・レノン、アレサ・フランクリン、ボニー・レイットなどの楽曲からオリジナルCDを作って店舗で販売することを始めた。さらにはボブ・ディランやヨーヨー・マ、ローリング・ストーンズやレイ・チャールズなどの楽曲を使って季節毎の特製CDなども制作してきた。

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そうした中で、Spotifyとスターバックスは2015年に共同でのサービスの提供を開始している。このときから、スターバックスのミュージックパートナーはSpotifyであるという位置づけになった。スターバックスのバリスタにはSpotifyのプレミアムライセンスが付与され、流れる音楽を指定する権限を得ることとなったのだ。両社は、新たなサービスを提供することになったわけだが、しかしこれまでの仕組みも変わらずに継続していくとのこと。すなわちバリスタないし従業員たちは、店で流す音楽のプレイリストを作成する権限を持つのだ。

スターバックスはSpotifyと連携したサービスを提供し始めるにあたって、スターバックスのモバイルアプリケーション経由で、店舗の顧客にもプレイリストの提供を行いたいと話していた。

その話がいよいよ実現し、さらにハイレベルのサービスを提供できるようになったわけだ。有料および無料のSpotifyユーザーは、店舗のプレイリストをSpotifyのプレイリストとして保存できるようになったのだ。

ただし、Spotifyにプレイリストを保存するには、まずスターバックスのモバイルアプリケーションから操作する必要があるとのことではある。

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スターバックスの店舗でアプリケーションを起動すると「Now Playing」や「Recently Played」というメニューが表示される。それぞれのメニューから、曲のタイトルを指定してプレイリストに保存するものを指定することができる。さらに、ここで「love」(お気に入り)を選択することで、店側に「また流して欲しい」という意志を伝えたり、あるいはソーシャルネットワークに投稿したりすることもできるようになっている。

もちろん、スターバックスのプレイリスト全体ではなく楽曲を単独でSpotifyで再生することも可能で、スターバックスを離れてもお気に入りの曲を再生することもできる。

スターバックスは、ある意味でSpotifyの「プレイリスト・プログラマー」としても機能するようになるわけだ。Spotify利用者が新たな楽しみをここに見出す可能性もある。

ちなみにスターバックス店舗内の音楽は、インターネットに接続して動作するPlayNetworkのCURIOという仕組みを、iPod touchで操作して流されるようになっている。スターバックスのモバイルアプリケーションもCURIO経由でプレイリストを認知して情報を提供する仕組みとなっている。

CURIOシステムでは定番の楽曲やプレイ頻度が上がっている楽曲を識別する機能も備えていて、「今週のベストテン」などの情報もアプリケーション経由で提供できるようになっている。

こうした機能は、iOS版およびAndroid版のスターバックスアプリケーションで利用できるようになるのだとのこと。

「私たちの店舗にあって、音楽というのはずっと重要な役割を果たし続けてきました。店舗の魅力を高めるのに、音楽の力を融合していく仕組みを得たことになります」と、スターバックスのチェアマン兼CEOのHoward Schultzは言っている。「音楽体験の面でいえば、新しい時代の幕開けということができると思うのです。フィジカルとデジタルを融合したとも言えるのではないでしょうか。成長を続けているSpotifyに新たなチャネルを提供することにもなりました。利用者の方々が楽しめるオプションも増えましたし、また、アーティストにも自分たちの魅力をシェアする新たなチャネルを提供できるようになったと考えています」。

ちなみにSpotifyはこれまでにも人気ブランドとの協業により利用者層を拡大する試みを行なってきている。たとえば2014年にはUberと提携して、Uber利用者が好きな音楽を視聴できるサービスを行った。あるいはVirgin Americaと組んで、フライト中のストリーミングサービスを提供するようにもなった。他にも自動車メーカーやモバイルデバイスの製造企業、あるいはBonnarooなどの音楽フェスティバルとの提携などを行なってきている。

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(翻訳:Maeda, H

iTunes Radioが無料でなくなる、ただしBeats 1チャネルは残る

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iTunes Radioは1月28日より、無料でなくなる。Appleによると、このPandoraのようなサービスは今後、月会費9ドル99セントを払ったApple Musicの会員のみが利用できる。

ただし、Beats 1のライブのDJによるリスニングチャネルは、無料のまま残る。なおこれは、最近閉鎖されたBeats Musicのアプリとは違う。

Appleが本誌に述べたところによると、今後は、“合衆国とオーストラリアだけで提供される、広告で支えられているApple Music Radioのリスナーのためには、Beats 1をAppleからの主たる無料放送とし、広告で支えられる局は1月の終わりに廃止する。さらに、Apple Musicの正規会員であるリスナーは、弊社の音楽エキスパートたちがキュレートした数十のラジオ局にアクセスでき、コマーシャルなし、スキップ無制限で、さまざまなジャンルの音楽を楽しめる。Apple Musicの3か月の無料試用期間にはラジオ含まれる”、ということだ。

iTunes RadioはPandoraによく似ている。Pandoraは放送内容をユーザがカスタマイズできるが、スキップ数に制限があり、演奏される曲の順序はユーザが変えられない。しかしこの前の夏に発足したApple Musicは同社の一押しの音楽アプリとなり、最近の一連の動きはその地位をより確実にするためだ。

Spotifyと競合するApple Musicは、最近の報道ではユーザ数を着実に増やし、会員数は1000万に達している。Apple自身はこの数字を確認していないが、10月までに少なくとも650万が会員登録をした、と言っている。

Apple Musicは、同社の自動車ダッシュボードアプリCarPlayの主要機能でもある。

AppleはiPodでポータブルなmp3リスニングを普及させ、さらに今後も、競争に勝ち抜き、デジタル音楽のトップでいる気だ。2014年に30億ドルでDr. DreのBeats Electronicsを買収したことは、そのやる気を如実に示し、その買収で著名なレコード・プロデューサーJimmy Iovineを取締役会に加えることができた。そしてその彼が、Appleの新しい音楽事業を開発したのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple Music、登録者数1000万人を突破

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Apple Musicの登録者が1000万人を越えた。Financial Timesが報じた。この数字は、10月にCEO Tim Cookが明らかにした有料購読者数650万の50%増であり、成長の速さを示している。

Appleは昨年6月にこの音楽ストリーミングサービスをスタートし、3ヶ月間の無料トライアル期間を設けた(Android版Apple Musicは11月に公開された)。登録を解除しなかったユーザーは、月額9.99ドルを払って有料購読者になる。

同じくデジタル音楽プラットフォームであるSpotifyは、現在2000万人以上の有料メンバーを持っている。両サービスとも同じような価格で無制限のストリーミングを提供している ー Spotify Premiumの料金は月額10ドル。

これもオンライン音楽サービスのPandoraには月間アクティブユーザーが7800万人いるが、有料購読者はわずか390万人だけだ。しかし、サービス内容は根本的に異なり、Pandoraはカスタマイズされたラジオを聴くことに焦点を絞っている。

これまでAppleはデジタル音楽の世界で競争力を維持するために様々な試みを行ってきた。ストリーミングサービスがiTunesのビジネスを奪いはじめた今、Apple Musicはオンラインリスニング分野の牙城を守るための方策のひとつだ。

Appleは2014年にBeats Electronicsを30億ドルで買収し、同年秋にBeatsの名前を冠したサービスを閉鎖した。

Appleは、コメントの要求に返答していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ビートルズがストリーミングにやって来た―Apple Musicなどでついに全曲が聞ける

** ARCHIV ** Die Beatles, von links, John Lennon, Paul McCartney, George Harrison und Ringo Starr, machen am 4. November 1963 eine Pause auf einem Sofa waehrend einer Probe im Prince of Wales Theater in London. In Hamburg wird am Donnerstag, 11. September 2008, der Beatles-Platz eroeffnet. (AP Photo) The Liverpool beat group The Beatles, with John Lennon, Paul McCartney, George Harrison and Ringo Starr, take it easy resting their feet on a table, during a break in rehearsals for the Royal variety show at the Prince of Wales Theater, London, England,  November 4, 1963. (AP Photo)

数週間前から流れていた噂どおり、ザ・ ビートルズの公式ウェブサイトはバンドの全楽曲がApple Music、Spotifyなどすべてのストリーミング・サービスに開放されたことをことを確認した。現地時間のクリスマスイブ(米国時間12/23)の開始と同時に配信が始まる〔日本版:日本でもすでに公開されている〕。

今回の決定は、タイミングからしても最高のクリスマスプレゼントとなった。また、これまでストリーミング配信に懐疑的だったアーティストの動きとしてもきわめて大きなものだ。

実はビートルズがiTunes Storeでデジタル版の楽曲を販売するようになるにも何年という年月を必要とした。ビートルズのアルバムがiTunes Storeに登場したのは、数限りない噂の果て、やっと2010年になってからのことだ。これはデジタル音楽のプラットフォームを提供するApple Inc.と高名なバンドの全楽曲を管理するApple Corpsとの粘り強い交渉の末だった。ユーザーが自由に個々の楽曲を聞けると同時にそこから得られる収入を双方のAppleにとって最高にする仕組みを作ることは容易な仕事ではなかったようだ。

ストリーミング配信についても同様の困難があり、著作権者側から見れば、Apple Musicの取り分が不当に大きいと考えられてきた。しかし最近Apple Corpsはビートルズのアルバムをそろそろストリーミングで公開する時期だと考え直したものと思われる。

リマスターされたスタジオ録音アルバム13種類、スペシャル・コレクションが4種類が現地時間のクリスマスイブの午前12時1分から世界各国で公開される。Apple Music、Spotify、Google Play、Amazon Music、Deezer、Tidal、Slacker、Groove、Rhapsodyはすべてビートルズの曲をフィーチャーする。

今年、一部のアーティストはストリーミング配信に参加しないことを強い言葉で述べた。中でもテイラー・スウィフトがApple Musicなどのビジネスモデルに反発して「ストリーミング・サービス提供者はレーベルやアーティストに十分な支払いをしていない」と批判したのは大いに目立つ行動となった。 スウィフトは当初、新アルバム『1989』をストリーミングに登録しなかったが、複雑な交渉の後、『1989』はApple Musicに復帰した

さらにその後になるが、英国の歌手アデルは最新アルバム『25』をストリーミング配信することを拒絶している。トム・ヨークなど、何年も前からストリーミング配信では聞くことのできない他のアーティスもかなりの数存在する。

画像: AP Photo

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Pandora株が乱高下する理由

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音楽配信サービスのPandoraは、水曜日(米国時間12/16)の時間外取引で劇的な暴落の後、劇的な22%の急騰を見せた。投資家らが未来を占い、その後著作権料決定のニュースを知ったためだ。

投資家らは著作権料委員会の決定を一年中待ち続けていた。Pandoraや、iHeartRadioを始めとするその他のデジタルラジオサービスが、向こう5年間アーティストに支払う金額がこれで決まる。著作権料は、非購読者による再生が100曲につき17セントで、14セントから上昇した。購読者による再生は100曲につき22セント。

これは利益を出していない会社にとって、さらに費用が嵩むことになるが、Pandoraの投資家は最悪のシナリオを描いていたため、ニュースを聞いて株価が上がった。音楽業界の中には、100曲につき25セント以上を要求している人々もいる。

レコード会社と直接交渉しているSpotifyやApple Musicと異なり、Pandoraの著作権料は一律に固定で、これは同社がラジオサービスと見做されているためだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Spotifyの‘Year In Music’は今年の音楽リスニング状況のグローバルなまとめと、ユーザ個人のまとめを見せてくれる

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年末が近づくと、どこのテク企業も一年の総括を行う。それらの中で、見る価値があるもののひとつ、Spotifyが今日(米国時間12/7)、2015年の’Year In Music’をローンチし、今年の人気曲のまとめをやっている。そこでは、ユーザの好みに合わせて最新曲の紹介もしてくれる。

Spotifyのユーザは、Spotify.com/2015へ行けば、その人自身の今年の総括を見られる。何をどんだけ聴いたか、お気に入りのアーチストは誰だったか。

バンドやアーチストや曲だけでなく、Sptifyで音楽を聴いた時間、曲数、そしてそれらの全世界的なトレンドも分かる。またユーザが聴いた曲に基づいて作った’Play It Forward’というプレイリストには、年の終わりにその人が聴くのがふさわしいと思われる、おすすめの新曲が載っている。

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毎週のおすすめ曲であるDiscover Weeklyや、昔々のヒット曲からのおすすめリストRewindでもそうだが、Sptifyの他にない強みは、個人化(パーソナライゼーション)やおすすめ機能にある。今ユーザ数でだんとつの音楽サービスは、なんといってもSpotifyなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

ソフトウェアエンジニアにもっとも高い給与を払っているユニコーン企業上位20社を一覧

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【抄訳】
先週は全社員の年俸のメジアンがもっとも高いユニコーン20社をご紹介したが、今回はプログラマの報酬がもっとも多いユニコーン20社を調べよう。

CrunchBaseのUnicorn Leaderboardには153社*が載っていて、それらを求職サイトGlassdoorのデータで調べると、ソフトウェアエンジニアにもっとも高い給与を払っている20社が分かる。〔*: 最新(11/24現在)データでは156社。〕

この前の記事では、クラウドベースのビッグデータ企業Clouderaが、(全社員の年俸のメジアンが)もっとも高かった。今回、対象をソフトウェアエンジニア社員に限定すると、年俸のメジアンの最高額はDropboxの14万4573ドル、次位がJawboneの14万1224ドル、三位がClouderaの13万9217ドルだった。

*この記事はCrunchBaseのリストに載っているユニコーン企業のうち、Glassdoorの11月13日現在のデータで15名以上のソフトウェアエンジニアの給与情報のあるものを取り上げた。基本給年額は、正社員の年俸をUSドルで表した額である。

【以下抄訳(社名と金額のみ)】

  1. Dropbox基本給年額のメジアン$144,573
  2. Jawbone基本給年額のメジアン$141,224
  3. Cloudera給与のメジアン$139,217
  4. Medallia 基本給年額のメジアン$138,680
  5. ZScaler基本給年額のメジアン$133,071
  6. Airbnb基本給年額のメジアン$131,612
  7. Uber基本給年額のメジアン$130,000
  8. DocuSign基本給年額のメジアン$129,453
  9. AppDynamics基本給年額のメジアン$128,905
  10. Okta基本給年額のメジアン$127,931
  11. Spotify基本給年額のメジアン$127,695
  12. Tango基本給年額のメジアン$126,348
  13. Gilt Groupe基本給年額のメジアン$124,500
  14. Twilio基本給年額のメジアン$123,749
  15. Pinterest基本給年額のメジアン$121,920
  16. AppNexus基本給年額のメジアン$119,762
  17. Kabam基本給年額のメジアン$115,829
  18. Glassdoor基本給年額のメジアン$115,000 –
  19. Credit Karma基本給年額のメジアン$115,00
  20. ZocDoc基本給年額のメジアン$114,134

SquareとAtlassianもCrunchBaseのユニコーンリストに載っていたが、Squareはその後上場し、Atlassianも上場の計画を発表しているので除外した。どちらも、この記事のリスト(上表)で20位以内に入りうる高給企業だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Spotifyはすでに東京に4名のスタッフを擁し、経理担当者を探し中…日本でのサービス開始日程は未定

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【抄訳】
音楽ストリーミングのSpotifyがアジア進出を開始したのは2年あまり前だったが、今同社は、アジアの二大市場への進出を準備している。それは、音楽ストリーミングの将来性に光が見えてきた日本と、2億5000万という世界で4番目に大きな人口を抱えるインドネシアだ。

現在のSpotifyは、7500万のユーザ(有料は2000万)が世界の60か国あまりに分布している。しかしそんな中でアジアは、2013年にシンガポールと香港とマレーシア、その後フィリピンと台湾というように展開の歩みはのろい。アジアでも急速に市場展開したApple Musicとは対照的だ。

Spotifyはこのところ、日本にねらいをつけていた。Quartzによると同社は昨年、日本でメディアリレーション担当を雇用し、進出が近いことをうかがわせた。同社が本誌に語ったところによると、現在東京に4名のスタッフがおり、現在は経理担当者を探しているそうだ。

内部情報筋によると、それは日本における最初の財務スタッフであり、音楽ストリーミングはライセンス関連事務が複雑で、しかも日本では比較的若い業界だけに、その確保はきわめて重要だ。日本ではまだ、CDが音楽の売上のトップである。

日本は難しい市場だが、Spotifyはすでに競争に遅れつつある。日本のモバイルメッセージングのトップ企業Lineが、すでに6月にストリーミングサービスを開始し、Apple Musicもこの夏、参戦した。しかも、Soptifyにとって日本で手強いのは競合他社だけではない。日本進出が遅々として進まなかったのは、“日本では音楽のライセンス取得がきわめて難しい”せいでもある。

日本におけるサービス開始の日程は、まだ決まっていない。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple Musicの会員登録をキャンセルする方法

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Apple Musicがローンチした会員登録した、そして使った。3か月の試用期間が過ぎた(ぼくの場合)。デフォルトではアカウントが継続するが、ぼくのように止(や)めたい人もいる。

理由を知りたい? ぼくはずっとSpotifyのユーザなので、Apple Musicを十分に聴く機会がなかった。それに、再登録したくなればいつでもできる。

デスクトップでiTunesの登録状態を変えるには、次のようにする。すでに課金が始まっている人は、キャンセルは翌月から有効になる。

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「Account Info」をクリックする。

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「Subscriptions」をクリックする。

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Apple Musicの「Your Membership」をクリックしてエディットする。

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ご自分の意向を指定する。

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iOSでは、Apple Musicアプリを開いて、左上にある小さな顔(「Account Info」に相当)をタップすると、そこからいろんな設定ができる:

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これで終わり! ぼくがSpotifyにこだわる理由は、次の機会に。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa