営業の無駄を省き、追う価値のある見込み客を精選するRileyがY Combinatorから巣立つ

企業はつねに、見込みのある見込み客を見つけるために多大なる時間を消費している。そこで新進スタートアップのRileyは、営業の見込み客にアプローチの優先順をつける作業を手伝う。

RileyはY Combinatorの冬季クラスの生徒だったが、しかしCEOのDaniel Ahmadizadehによると、彼と協同ファウンダーのHelson Taverasは、これまでさまざまなプロダクトやアイデアで応募したけれども、すべてだめだった、という。今回はやっと実を結び、今日は310万ドルのシード資金の調達を発表した。

Rileyの今のバージョンは、不動産代理店が対象だ。Rileyを使ってる代理店の広告や物件リストにはそのリンクがあるから、訪ねて自分のアドレスを伝えると、数分後にはその代理店の“オフィスマネージャー”や“アシスタント”からテキストメッセージが来て、探している物件等に関する基本的な質問をする。

だから代理店が多忙だったり、夜だから寝ていても、見込み客は最小限の応答を直ちにもらえる。Rileyのところには人間のコンシエルジュがいて、スクリプトに従って応答する。今のコンシエルジュは多くが学生だが、スクリプトとコンシエルジュは本物の不動産代理店であるユーザーからのフィードバックで、だんだん良くなるはずだ。

そして会話の内容に基づいて、Rileyは代理店に、優先的に追うべき見込み客を教える。

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“代理店の人が朝起きたら、今日接触すべきホットな見込み客が分かる。夜中に応対した、あまり見込みのなさそうな見込み客も分かる”、とAhmadizadehは語る。

Rileyのシード資金の出資者は、YC, FundersClub, Social Capital, Fuel Capital, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Liquid 2 Ventures, Rough Draft Ventures, そしてエンジェル投資家のWayUpのCEO Liz Wessel、YCのMichael SeibelとPaul Buchheitらだ。

Ahmadizadehによると、コンシエルジュの対話を容易にするためのソフトウェアをすでに作っている。さらに今後は、そんな対話の過程をなるべく自動化したい。でも、現状のシステムでも、すでに各月10万以上の会話を管理している。

今後の計画は、不動産販売以外の分野に、この見込み客発見サービスを広げることだ。“うちのやり方は、不動産だけでなくいろんな業種で有効だと思う。しかも、コミュニケーションのチャネルも特定しない”、と彼は述べる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

世界中からオススメのスタートアップを募集ーYCが一般推薦の受付をスタート

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長年にわたって卒業生から新しいスタートアップの情報を入手してきたY Combinatorが、スタートアップの推薦ネットワークを一般に広げることを決めた。この施策の目的は、教授やメンター、初期の顧客など、誰でも自分が知っているスタートアップを推薦できるようにすることで、YCと繋がりを持ったスタートアップの数を増やすことにある。

YCでパートナーを務めるKat Manalacは、ファウンダーの多くが、自分の企業はYCのプログラムに参加するには成長しすぎている、もしくは小さすぎると思い込んで応募を諦めていると説明する。そこでYCは、応募を悩んでいるファウンダーでもとりあえずチャレンジできるような仕組みを作ろうとしたのだ。さらにManalacは、これまでにYCのプログラムに参加した企業の多くが、メンターや投資家による説得を通じて応募を決心したと語る。

YCが推薦を受け付けるようになったことで、応募には推薦が必須だと考えるファウンダーもいるかもしれない。しかしYCは、プログラムへの参加資格を獲得するために推薦は必要ないと話す。

ほとんどのベンチャーキャピタルは、公式もしくは非公式に、warm referral(推薦者がまずVCにコンタクトして企業を紹介する推薦方法)を出資先候補となる企業の選定に利用している。しかしYCはこの仕組みを使わないことで、常にテック業界におけるネットワーキングのハードルを下げようとしてきた。

推薦内容についても同じことが言える。ファウンダーは、Marc AndreessenやMichael Moritz、Elon Muskなどテック界のスターの名前を並べて、インパクトを残そうとする必要はない。実際Manalacによれば、2017年冬期のプログラムへの参加が認められた企業のうち、YC卒業生からの推薦を受けていない企業の割合は60%だった。

推薦ページは以下のようなつくりになっている。YCはポジティブなコメントとネガティブなコメントどちらも受け付けており、推薦したいスタートアップがいる場合、推薦者はその企業が「ホームラン」となる可能性がどのくらいあるかというのを具体的に説明しなければならない。数年もすればきっと面白い傾向が見えてくるだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

大学生活支援アプリのOohlalaが400万ドルを調達

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大学の出欠確認など、最近は何にでもアプリが使われているが、数が多いからといってひとつひとつのアプリが良いというわけではない。Oohlalaは、大学ごとにカスタマイズされた学生向けのアプリを使って、これまでに何百という大学の現状を変えてきた。同社はさらなるビジネスの拡大に向けて、シリーズAで400万ドルを調達したと本日発表した。

さまざまなウェブサイトやサービス、アプリが重なり合った各大学のオンラインサービスを考えると、生徒やスタッフがOohlalaのプロダクトに魅力を感じるのも理解できる。このサイトで授業に登録して、別のサイトでスケジュールを作って、あれは公式アプリだと上手くできない、予定より1時間早くTwitterに情報が公開されてしまった、など大学が抱える問題の例を挙げればきりがない。

「学生からすると、大学のオンラインサービスはとても複雑で、各機能がいろんな場所に散らばってしまっているという印象を受けます」とOohlalaのファウンダー兼CEOであるDanial Jameelは、TechCrunchとの取材で語った。

彼はトロント大学在学中に学生生活課に勤めており、1万5000人の新入生に対して点在するリソースをまとめて説明しようとしていた。全ての情報が一か所にまとまった学生向けプラットフォームがない状況では、新入生が困ってしまうのも仕方がない。

お金のやりくりや授業の課題、教授からのフィードバックのためのサービスを今の段階で改革する価値はそこまでない。しかしネットワーキングや、食べる場所、落とし物のチェックなど、それ以外に学生がすること全てをカバーできるようなサービスがあればどうだろうか?

もともとOohlalaは学生生活のソーシャルな面に力を入れていたが、それ以外にも学生が困っていることはたくさんあるとすぐにわかった。

「大学で過ごす4年間のことを考えてみると、学生生活とはとてもユニークなものだということがわかります」とJameelは言う。「その間は生活の大半が大学中心になりますからね」

さらにほぼ全ての学生(95〜98%)はスマートフォンを持っており、彼らはカテゴリー別に自分たちの生活を管理している。例えば友人や家族との広域なやりとりはFacebookで、親しい友人はWhatsAppやSnapchatで、デートはTinderで、といった具合だ。Oohlalaはそのようなアプリのひとつとして、学生生活をまとめる存在になることをゴールに設定し、その狙いは大当たりした。

Oohlalaアプリはそれぞれの大学に応じてカスタマイズされており、生徒用の掲示板、教授の連絡先、授業の情報や教室の場所、安全情報、アラートなど、以前であれば十数種類のウェブサイトやアプリ、サードパーティのサービスに散らばっていたであろう機能を一手に備えている。私自身このようなサービスが在学中にあったらきっと喜んでいたことだろう。そしてもちろんITや運営を担当している部署は、アプリ経由で有用なデータを手に入れることができる。

世界8ヶ国、200校で利用されているOohlalaは、既に黒字化を果たしている。昨年の間に会社のサイズは3倍に成長し、顧客の3分の2が同社と3年契約を結んでいる。ではなぜ資金調達が必要だったのか?

「業界のリーダーになる上で、私たちは今いい位置にいると思います。実績は積み上がっていますし、利益も出ていて、YCのパートナーからも『そろそろ次のステップに進んでもいいんじゃない?』と言ってもらいました」とJameelは話す。

今回調達した400万ドルという金額にはちゃんと背景がある。Oohlalaはもっと大きな金額を調達することもできたが、これまでも同社は必要最低限の資金で上手くやりくりできており、社内に出来る限り多くの株式を残しておきたいという思いがあったとJameelは言う。

またVCの活動があまり活発ではない一方、生活費も低く抑えられるトロントで起業したことをJameelは誇りに思っている。「私たちはゴキブリのように生活していました。資金が限られていたので、確実に儲かるビジネスモデルをつくらなければいけなかったんです」

「正直言って、資金調達を行った1番の理由は投資家でした。人とのつながりも大事ですからね」と彼は続ける。なお、University Venturesが中心となった今回のラウンドには、Joe MontanaのLiquid 2ファンドやCheggのファウンダーのOsman Rashidが参加していた。さらにOohlalaは、MacmillanのM&A部門の社員を取締役として迎えており、エドテック業界にいる同社にはうってつけの人材だ。

gw_landing_pageしかし投資家が特に魅力を感じたのは、学生同士の交流の促進や、スケジュール管理の簡素化といったOohlalaの機能ではない。

「教育界で1番大きな問題は効率性です」とJameelは言う。「他社のアプリは、本当に生徒の成績に結びついているのでしょうか?」

Oohlalaを利用する大学は、エンゲージメントやリテンションなどの観点からアプリの効果を計測している。Oohlalaもある学部で調査を行い、セメスターごとにアプリを使っている生徒と使っていない生徒の様子を比較(補正済み)したところ、アプリを使っている学生の方が中退率がかなり低いという結果が出た。

「ただアプリを使っているから中退しない、と言っているわけではありません。」とJameelは話す。「一方で、私たちは学生に必要なツールやサポートを提供しています。彼らはモバイルファーストの世代なので、アプリこそが効果的な手段だと考えています」

マイナス面はほとんどなく(もしかしたら、また別のサードパーティーに生徒を管理させることに対して慎重な大学もあるかもしれないが)、学生生活の快適さをユーザーエクスペリエンスや使いやすさと対等に扱うようなサービス内容で、Oohlalaはうまく要点をついたようだ。今回の資金調達によって、学生のニーズにあった(そして彼らにふさわしい)現代的でモバイルファーストな大学生活用のアプリはもっと広まっていくだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

既存事業の成長は、未来に価値を生み出さない——Y Combinatorユニス氏

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2016年11月17日〜18日にかけて渋谷ヒカリエで開催された「TechCrunch Tokyo 2016」の2日目朝、「シリコンバレーの最前線ー増える大企業との提携・買収」と題したセッションが行われた。シリコンバレーを語るのに欠かせない著名アクセラレーター・Y CombinatorのパートナーのQasar Younis(キャサー・ユニス)氏と、Scrum Venturesゼネラル・パートナーの宮田拓弥氏が登壇した。

Y Combinatorは2005年に設立されたシリコンバレーのアクセラレーターで、スタートアップに投資を行い、3カ月のプログラムを通じて、様々な支援を行っている。最終日にはDEMO DAYが開催され、他の投資家へプレゼンし、資金調達を行っている。プログラムの卒業生には、Airbnb、Dropboxなど世界的に活躍するスタートアップがいくつもある。ユニス氏自身も起業家で、顧客と店主を結び、店に対しフィードバックメッセージを送信できるサービス「TalkBin」を2010年にGoogleに売却した経験があり、またY Combinatorのプログラムにも2011年に参加するなど、起業家のバックグラウンドを持つ。

一方、Scrum Venturesは2013年に設立された、サンフランシスコを拠点をおくベンチャーキャピタル。幅広い分野のスタートアップ50社以上に投資し、またアメリカのスタートアップのアジア進出の支援も行っている。宮田氏も元起業家で、日本とアメリカでエグジットを経験しており、自分に似た著名人を教えてくれるサービス「顔ちぇき!」を提供するジェイマジックの創業者で、その後2009年にモバイルファクトリーへ売却している。

この元起業家であり、現在はシリコンバレーを代表する投資家が、シリコンバレーの動向と〜について語った。

基準は「エンジニアリングのタレントがあるところ」

Scrum Venturesゼネラル・パートナーの宮田拓弥氏(左)とY CombinatorのパートナーのQasar Younis(キャサー・ユニス)氏(右)

Scrum Venturesゼネラル・パートナーの宮田拓弥氏(左)とY CombinatorのパートナーのQasar Younis(キャサー・ユニス)氏(右)

Y Combinatorは前述の通り、多くの成功したスタートアップを生み出している。今やシリコンバレーに限らず、全世界のスタートアップが応募しており、その応募数は6000〜7000に及ぶという。その中から約500社へインタビューを行い、約100社がプログラムに参加でき、「ファンディングは10分で決めている」という。

ここ2〜3年で、更に参加するスタートアップの多様化が進んでいるように感じられる。応募は全世界から受け付けており、実際に国やバックグラウンドは関係なく、またテクノロジー企業だけでもないが、ユニス氏は選考基準について、「エンジニアリングのタレントがあるところ」と述べた。また「YCモデルを他の地域で展開しないのか?」という宮田氏の質問に対しては、「中国、インドでは考えているが、エコシステムが異なるので、現地にオフィスを構えてやる必要がある」と話した。

現在、Y Combinatorのメンバーはパートナー(編集注:VCにおけるパートナーとは、投資担当者を指す)が18人、スタッフが20人。ユニス氏自身は、2013年からY Combinatorでスタートアップへ関わり、2014年に正式にパートナーに就任しているが、この時期に組織が強化され、メンバーが増えたという。ユニス氏自身が「私たちもスタートアップだ」と話していた。

内部組織を強化しながら、更にスタートアップエコシステム構築を進めるY Combinatorが、2015年7月に発表した「YC Fellowship」についての話題を宮田氏が投げかけた。TechCrunchの読者であればご存知かもしれないが、YC Fellowshipとは、8週間のプログラムでまだプロダクトがないスタートアップに対して、助成金(株式を取得せずに提供される)を与えるもの。従来プログラムとの違いは、対象がアイデア段階のスタートアップであること、プログラム期間が短いこと、助成金があること、またシリコンバレーへの移住が必須でないことが挙げられる。

ユニス氏はYC Fellowship開始の背景を、「昔に比べて、Y Combinatorに入るのも難しくなってきたことと、入る前から起業家が成長できる場を作ること」と話す。幅を広げるという意味で、規模は年間200社程度を想定しており、リモートで支援、教育を行うという。インターラクティブにしていきたいと言いながらも、規模が大きいだけに、難しさは見える。なお通常でもパートナー1人あたり、15社程度を担当しているという。

既存事業の成長は、未来に価値を生み出さない

近年、日本で注目されている大手企業とスタートアップの連携について、シリコンバレーに目を向けると、同じように大き動きがいくつもある。自動運転システム開発を手がけるCruiseのGMによる買収、ライドシェアの通勤バンを運営するChariot(宮田氏のScrum Venturesの投資先でもある)のフォードによる買収などが挙げられる。

これら大手企業による買収の中でもとくに自動車領域が活発であると宮田氏は述べ、ユニス氏は「ソフトウェア、機械学習が自動車業界に必要とされ、(ハードに強い)大企業による買収が行われた。自動車業界は10〜20年で大きな変化が起きる」と話した。ちなみにユニス氏のキャリアは、自動車業界出身で、GMやBoschでプロダクトマネージャーも経験している。また、他の業界についても、今後スタートアップの持つ技術が必要となり、今日自動車業界で多く見られた買収・連携の動きは現れるとユニス氏は話した。

スタートアップが持っているものとは何だろうか。予算や人員で考えると、当然ながら大企業が強いのだ。この点について、「従業員と起業家は異なる。いかに利益をあげるのか(=従業員の役割)というのはイノベーション(=起業家の役割)ではない。」と言い、「Googleは検索サイトに始まり、その後は様々な事業を展開をしているが、ほとんどが買収によるものだ。これをGoogleの終わりと批判する人もいるが、イノベーションを会社(大企業)のなかで行うことは難しい」と話す。その理由として、「新しい会社にはレガシーなどなく、5000人よりも20〜30人が勝る」とユニス氏は述べた。

では、大企業はどのように動くべきかという宮田氏の問いかけに対し、ユニス氏は続けてGoogleを例に挙げながら、「キャッシュフローを戦略的に使っていくべき」と言い、資金を既存事業の成長にあてることは、未来に価値を生み出さないと話した。営利企業である以上、利益を出すことは大前提であり、当然ながら、利益は重要でないと言っているわけではないが、イノベーションが最も尊敬される、まだにシリコンバレーの考えのように思われる。ユニス氏のメッセージは、半分は失敗覚悟ででも、戦略的に買収を進めるべきだというものだ。

起業家をヒーローとして扱うべき

最後にユニス氏はメッセージとして二つ述べた。一つは、スタートアップを産み出していく全体へのメッセージとして、「エコシステムの中で起業家をヒーローとして扱うべきだ。大企業の経営者がヒーローなのではない」と話した。もう一つは、今日日本でも度々話題にあがる働き方について、「長時間オフィスにいることが生産的でないと気づくべきだ。1日4〜5時間のほうが生産的という調査もある」と話していた。

Level FramesはAIによる写真フィルタを提供、あなたもアートになってIRLしてはどうかな

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Prismaがアート的な写真加工で大人気になり、そしてここでご紹介するLevel Framesは、そのトレンドに乗ろうとしている。

著名なアクセラレータY Combinatorが支援しているLevel Framesは、そのとても使いやすいWebサイトのサービスとして、物理的なアートワークのフレーミングのカスタマイズを提供する。同社はそのために、AIによる写真フィルタを開発した。

まずユーザーはLevelに、ポスターやアートやデジタル写真などをアップロードし、そしてフレームやマットなどを、その作品がいちばん引き立つように選ぶ。ユーザーはいくらでもプレビュー(試し視)を見られるから、心ゆくまであれこれ選ぶことができる。

ファウンダーでCEOのJosh Hubbalによると、Prisma的な写真の人気急上昇を見て、もっと独自のフィルタを作ってやろう、と思いついた。

LevelのAIフィルタにユーザーは複数のソース(Facebook, Dropbox, スマホのカメラロールなどなど)から写真をアップロードでき、Levelはそれらに対してPrismaなどよりも高品質高精細な画像を提供する。またユーザーは、矩形以外の任意の形で写真をトリミングでき、最大36×36インチのサイズでプリントできる。

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ローンチしたのは2015年の2月で、Levelは同社独自のフレームを提供するとともに、“Buy It Framed”ボタンにより、アートやポスターを売ってるアーチストや商業者に対して販売も行う。

これまでの1年で、各月の前月に対する成長率15%を維持できた。来年初めには黒字になるだろう、という。

Level Framesをご自分で試してみたい方は、こちらへどうぞ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YCombinatorに客員パートナー制度―スタートアップをさらに密接に指導する

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Y CombinatorはプレジデントのSam Altmanの下でさまざまな実験を行ってきた。このアクセラレーターの最新の試みは臨時あるいは客員パートナー制度だ。このポジションに就いたパートナーはそれぞれ自分の経験、知識を活かし、YCの特定「クラス」(batch)専属となってアドバイスを与える。

臨時パートナーはYCが2011年に設けたパートタイム・パートナーと少し似ているが、こちらは更新可能な6ヶ月の任期で、多くのパートタイム・パートナーは任期を更新し続けている。

新制度の出発にあたって、YCは3人の客員パートナーを任命した。うち2人はYCの卒業生で、Aaron Epsteinと Gustaf Alströmerだ。もう一人はLyle Fong。

Epsteinはデジタル・コンテンツのマーケットプレイスであるCreative Marketを開発し、2010年にYCを卒業している。Creative Marketは、金額は公表されていないが、2014年にAutodeskに買収された

AlströmerはAirbnbのグロース・プロダクトの責任者だ。Airbnb以前にはコミュニケーション・アプリの企業、Voxerでグロース担当副社長を務めた。またHeysanの共同ファウンダーでもある。こちらはメッセージ・サービスで、YCの2007年のクラスを通じて生まれ、2009年にGood Technologyに買収されている(額は不明)。

一方、Fongはモバイルゲーム・スタジオのHobo Labsの共同ファウンダー、CEOだ。Fongはソーシャルメディアのソフトウェア開発企業、Lithium Technologiesのファウンダーでもある。ソーシャルメディア上の影響力を点数化するという点が賛否を呼んだサービス、Kloutを2014年に買収したことは一部で有名だ。.

シリコンバレーのマウンテンビューに本拠を置くYCは来年1月に冬学期のクラスをスタートさせる前に、YCは10数名のパートナー陣にさらに3人のパートタイム・パートナーを加える予定だ。Immand Akhund、Kevin Hale、Marcus Segalの3人のうち2人はやはりYC卒業生だ。

Akhundはモバイル広告のHeyzapのファウンダーで、2009年のYCのクラスに参加している。会社はRNTS Mediaに4500万ドルで売却された。Akhundは2007年にもYCのクラスに参加しており、この際にユーザーのオンライン上の身元を管理するClickpassを共同で創業している(この会社は翌年買収されているが、これは人材獲得目的の買収(aqcui-hire)の典型的な例だった)。

YCのネットワークではHaleはさらに有名だ。Haleはオンライ書式設定のスタートアップ、Wufooを携えて2006年にYCに参加している。2011年にSurveyMonkeyが同社を3500万ドルで買収した。その後HaleはYCのパートナーとして3年過ごしたが、新会社を設立するため来年からはパートタイム・パートナーとなる。

Segalの最近の職はZyngaのグローバル事業担当上級副社長だった。それ以前には 課金プラットフォーム、Vindicia( Amdocsが買収)の最高財務責任者、 またeMusicの最高執行責任者 (Universal Music Groupが買収)を務めたことがある。

われわれは昨夜、YCのパートナー、Michael Seibel とAdora Cheungにインタビューする機会があった。Seibelは最近YCのCEOへの任命が発表されたばかりだ (Sam Altmanは引き続きグループ・プレジデントとしてYC全体を代表する)。Cheungは昨年スタートアップのHomejoyを閉鎖し、現在はパートタイム・パートナーの世話を担当している。

YCネットワークにはクラスの卒業生を含めて多数のファウンダーや投資家がおり、きわめて強力なものとなっている。この中で「客員パートナー」制度をスタートさせてた意味についてCheungは「われわれはそれぞれのクラスにもっと多数のアドバイザーを『エンベッド』したいと考えている。これはその実験の一つだ」と説明した。客員パートナーは「クラスでのアドバイスにパートタイム・パートナーよりも多くくの時間を費やしてくれることになっている」という。

Seibelは以前、Justin.TVとSocialcam(Autodeskが6000万ドルで買収)のCEOを務めた。Seibelによれば、客員パートナーは多くの時間をYCでの活動にあてることを期待されているものの、YC全体における役割は「パートタイム・パートナーのようなものではない」という。また客員パートナーもパートタイム・パートナーも指導するスタートアップに投資する権利を何ら保証されているわけではないという。

YCはどのように客員パートナー、パートタイム・パートナー(あるいはどんな種類の職についても)を選任しているのかという質問に対して、Seibelは「公募しているわけではない」と述べるにとどまり、すぐに新メンバーの説明に戻った。

ところで、YCでは冬学期のクラスへの参加申し込みをまだ受付中だ。実はYCのクラスへの参加申し込みは常時可能だという。ぎりぎりになってからの応募も「(内容を審査している)ということだ。

〔日本版〕今日(11/18)のTechCrunch JapanのカンファレンスではY CombinatorのQasar Younis COOがキーノートに登壇する予定。西村編集長の記事ではY Combinatorについても詳しく解説されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

CoreOSがRedspreadをチームに加えてTectonicによるコンテナ管理を一層容易に

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CoreOSが今日(米国時間10/17)、Redspreadのファウンダー(複数)を雇用したことを発表したY Combinatorで育ったRedspreadは、Kubernetesのコンテナクラスタによるソフトウェアのデプロイを手伝う、サービスやツールを提供している。今回のトップ引き抜きにより、RedspreadのオープンソースツールもCoreOSの傘下になる。

今日の発表では、RedspreadがCoreOSに“参加する(joining)”となっていて、CoreOSのスポークスパーソンは“参加する”の意味をはっきり言わない。はっきりしているのは、Redspreadの協同ファウンダーでCEOのMackenzie Burnettと、CTOのDan GillespieがCoreOSのチームに加わり、同社のオープンソース製品をCoreOSが管理する、ということだけだ。

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Crunchbaseによると、Redspreadはこれまで24万ドルの資金を調達しており、また今回の“参加”に際して、ある程度のお金が動いたものと思われる。

Redspreadの主力製品であるSpreadは、Kubernetesによるクラスタを容易にデプロイし、Dockerコンテナ群を実稼働状態(プロダクション状態)までもっていく、コマンドラインツールだ。Spreadはユーザーのインフラストラクチャのバージョン管理を行い、必要なら旧バージョンへのロールバックもやってくれるが、そのために内部でgitを使用している。

CoreOSにはKubernetesによるコンテナのデプロイと管理を助けるツールTectonicがすでにあるが、Redspreadのコラボレーション的デプロイツールは、Tectonicに統合される予定だ。

CoreOSのCEO Alex Polviは、発表声明でこう述べている: “RedspreadがCoreOSに参加してくれたことに、ワクワクしている。その優れたチームが来てくれたことによって、ユーザー企業のためのKubernetes開発で弊社は、ますます優位に立てる。またKubernetesの利用は、Tectonicの利用によっても、なお一層容易になる。”

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Javaによるディープラーニングライブラリをオープンソースで提供するSkymindが$3Mを調達

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オープンソースでJavaのディープラーニングライブラリとその一連の実装ツールを作っているSkymindが今日、Tencent, SV Angel, GreatPoint Ventures, Mandra Capital, Y Combinatorらによる300万ドルの資金調達ラウンドを完了した。Y Combinatorの2016冬季クラスで育ったSkymindは当初、Joe MontanaのLiquid 2 Venturesやそのほかの著名なエンジェルたちから資金を得ていた。

協同ファウンダーでCEOのChris Nicholsonは、ディープラーニングの研究者たちが相次いで学究の世界を去り、大手テクノロジー企業の6〜7桁社員(年俸数十万〜数百万ドル)になっていく傾向を見て、Skymindの創業を着想した。人的資本はますます希少財になりつつあるから、多くの企業はディープラーニングという新しい技術にも、既存の人的資源で対応せざるをえない。誰もが使えるオープンソースのライブラリは、このような困難な一般状況に、一石を投ずることができる、と彼は考えた。

今世界で、最も多く(約80%)のプログラマーが熟達しているプログラミング言語がJavaである。Nicholsonと彼の協同ファウンダーAdam Gibsonは、これらのプログラマーがAIの開発もできるようになるための、方法はあるだろうか?と考えた。そしてその考えがライブラリDeeplearning4jへと結実し、Skymindの核となった。

Nicholsonは、SkymindはディープラーニングのRed Hatだ、と言う。エンタープライズソフトウェアをもっぱらオープンソースで作っているRed Hatは、今では年商15億ドルを超える企業に育っている。

Fortune 100社のためのソフトウェアをオープンソースで作り続けることは、決して容易ではない。しかし、オープンソースは企業に十分な競争力を与えるだけでなく、最良のエンジニアを雇用できる機会にもなる。

Skymindは今15名を雇用しているが、本社が裕福なパロアルトやSoMaなどにあって全員がそこに勤務している、という形ではない。チームのメンバーは、日本、韓国、オーストラリアなど世界各地に散在している。そしてこれらのエンジニアの多くが、Skymindのオープンソースコミュニティに属し、ライブラリの各部分を担当している。たしかに小さな本社がSoMaにあるが、それは同社のビジネスにとって重要ではない。

Skymind

フランスの大手通信企業(年商420億ドル)Orange SAはSkymindとその実装ツールSkymind Intelligence Layer(SKIL)を使って、ディープラーニングのプロジェクトを構築している。SKILは、Hadoopなどの既存のツールとSkymindとの接続と対話をサポートする。Nicholsonによると、金融サービスやeコマースなど従来からデータ量の多い業界からの引き合いも、このところ少なくない。その中には、中サイズの企業もいる。

Google(TensorFlow)、Amazon(DSSTNE)、Baidu(PaddleOne)などの巨大テクノロジー企業はそれぞれ自社で巨額を投じてオープンソースのディープラーニングライブラリを開発し、それらを外部のアプリケーションも利用している。しかしそれらは残念ながら、Javaのライブラリではない。

Skymindのライブラリは、先月だけでも22000回ダウンロードされ、各月の前月比で20%近く伸びている。Nicholsonによると、今後はデータサイエンティストのための開発ツールも作っていきたい。そのツールには、報酬方式の機械学習の一種である強化学習(reinforcement learning)へのアクセスを、既存企業のために民主化するパッケージも含まれるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

建設現場の健康環境をモニタするSmartSiteのハードウェアは一般市販のセンサーを使って低価格を実現

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Y Combinator出身のSmartSiteが、建設労働者の労働環境をモニタするハードウェアとクラウド上のソフトウェアのペアをリリースした。

癌や呼吸器障害、皮膚炎などは肌や粘膜が危険物質に触れることで起こり、また過度な騒音や振動も健康被害をもたらす。これらの劣悪な環境にさらされることは、とくに建設労働者において多い。

アメリカ労働省のデータによると、建設労働者の労災死は最近増加傾向にあり、2014年には874名を数えた。

そこでSmartSiteのシステムは、ノイズのレベルと、空気中の微粒子、および紫外線をモニタする。

協同ファウンダーのMichael AndreaとJames Batstoneによると、SmartSiteのモニタリングハードウェアは一般市販のセンサーを使っており、それらは、マイクロフォン、レーザーによる微粒子カウンター、そしてUVセンサーだ。

SmartSite's system monitors particulates, UV rays and more on construction sites.

SmartSiteのシステムは建設現場の微粒子と紫外線などをモニタする。

一方彼らのソフトウェアは、完全に独自製品だ。それにより建設チームは、現場の安全な場所と危険な場所を見分けることができる。

AndreaとBatstoneが建設労働者の健康と安全に関心を持ったのは、彼らがロンドンのRoyal College of Art(王立芸術大学院)のプロジェクトでプロダクトデザイナーおよびスマートシティの研究者として仕事をしていたときだ。

そのとき知ったのは、建設企業は大も小も、環境の有害無害を、各現場の過去の情報や経験に基づいて評価していることだった。

ときどきは正確な測定を行うが、そのための装備は高価であり、また測定には長時間を要した。

SmartSiteのねらいは、建設現場を毎日正確にモニタすることだ。しかも、現場作業の邪魔をすることなく。またそのための器具等は、持ち運びや設置が極力簡単でなければならない。いろいろ、複数のものを持ち込む方式は、もってのほかである。

Andreaは語る、“結局、どの企業も労働者のために正しいことをしたいと思ってはいるけど、しかし実際に疾病等を見つけて誠実に対応していたら時間と費用を要し、訴訟に持ち込まれることもある。だから、積極的なモニタリングを、さぼりがちになる”。

今某社とパイロット事業を進めているが、その社名は明かせないそうだ。

SmartSiteはY Combinatorの今の学期の‘生徒’で、すでにこのアクセラレータから若干の資金をもらっている。そのほかの資金調達計画や、過去の調達額に関しては、ノーコメント、だそうである。

画像提供: SmartSite Inc.

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ソーシャル投資サイトInstavestが170万ドルを調達

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Y Combinatorの2015年度冬プログラム卒業生であるInstavestは、個人で行うことが普通の投資という行為をソーシャルなものに変えようとしている。

1年半ほど前にローンチされた同社は、普通の個人投資家が投資経験豊富で株式市場に詳しい他の投資家から学ぶ手助けをしようとしている。

そして本日、InstavestはY CombinatorやSkype共同設立者のJaan TallinnCherubic Venturesなどが参加したシードラウンドで170万ドルを調達したと発表した。

Instavestの元々のサービスとして、経験豊富な投資家は自分たちの取引内容(やその根拠)をサイト上で共有し、他の投資家はその情報を参照の上、必要に応じて内容をコピーすることができた。そして株価が上がれば、サイト上の情報を参照していた投資家が、情報提供を行った人たちに対して儲けの一部を「寄付」する仕組みが備えられていた。

しかしInstavestのサービスには何かが欠けていた。それはユーザーが保有する証券口座とのリンクだ。そのため、投資家はマニュアルで証券会社に取引の実行を指示し、その後Instavestに戻ってプロファイル上に取引情報を入力しなければならなかったのだ。これは間違いなく手間のかかるプロセスであると同時に、ユーザーがInstavestのプラットフォーム上に表示されている株式をシームレスに購入するのを妨げる余分なステップだった。

しかし、Instavestは人気オンライン証券会社10社との提携に関する発表も行い、これでユーザーは同社のサイトから直接株式の売買が行えるようになった。提携先の10社には、E*TradeOptionsHouseのほか8社の人気プラットフォームが名を連ねる。Instavestは証券会社ごとのAPIを利用してサイトに接続しており、ユーザーはワンタイム認証でInstavestから移動することなく好みの証券会社を通じて株の売買ができる。

この証券口座との連携は2週間ほど前にソフトローンチされ、Instavestによればその後ユーザーが保有する株式の総額が10倍(または1000%)に増加した。この驚くべき増加率から、ユーザーに一気通貫のサービスを提供することが、同社にとってどれだけ重要かということがわかる。この機能が導入される以前、ユーザーは恐らく証券会社のサイトに移動して取引を実行するという手間を理由に株の購入を見送っていたと考えられるのだ。

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さらにInstavestは、同社のプラットフォーム上で経験豊富な投資家が儲けられる仕組みを新たに導入する予定だ。寄付制度はこれまで上手くいっている(そして今後も継続される)一方、ユーザーが儲けの一部を還元しないという選択もできることから摩擦が生まれていた。

そこで同社は、熟練投資家が有料ニュースレターを配信できる機能を導入し、月50〜100ドルの料金を支払ったユーザーに対して取引関連情報を提供できるようにしようとしている。この情報はInstavestの一般(無料)ユーザーに対してもニュースレターの配信から数日後に公開されるが、有料ユーザーは情報が一般公開される前に株を売買することで優位に立てるチャンスがある。

知識を持ったユーザーに対して、このように追加で利益を生み出す手段を提供することは、Instavestのプラットフォームを成長させるにあたって欠かすことのできないステップだ。UberやPostmatesといったオンデマンドサービスにおいて、実際にサービスを提供する人が日中の仕事をやめてギグ・エコノミーに参加しようと思える程の安定した収益を確保する必要があるのと同様に、Instavestが投資アドバイスの中心地になりたいのであれば、より多くの有能な投資家をひきつけると同時にとどまらせる工夫をしていかなければならない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Y Combinatorで芽が出なかったネットワーク分析のKentikが売上数千万ドル目前、シリーズBで$23Mを獲得

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かつてY Combinatorを落ちこぼれたネットワーク分析のスタートアップKentik Technologiesが今朝(米国時間8/4)、ファウンダーたちが期待の目で見守る中で2300万ドルのシリーズBを完結させた。

正直に言って私たちの多くは、ネットワークのインフラストラクチャについて何も知らない。しかも幸いなことに、私たちの多くは、知らないで済まされる。しかしインターネットサービスプロバイダ(ISP)や、大量のAPIを利用している企業にとっては、ネットワークの状態を示す情報を迅速に受け取れることが、安定したサービスをコンスタントに提供していくための重要な基盤のひとつだ。もちろん、サービスプロバイダが安定稼働していれば、ユーザーがいらいらとページをリフレッシュする回数も減る。

われわれ消費者ユーザーには、ネットワークがおかしければルーターの電源コードをしばらく抜いてみる、という手がある。しかし企業の場合は複雑なサーバーシステムが動いていて、何かをリブートしたり電源を抜いてみるぐらいでは対策にならないことが多い。

そんな企業にKentikは、ネットワークのインフラストラクチャに関するデータにより、ハッカー攻撃の検出やログの分析、トラブルに至るまでの利用状況の履歴(対策の特定)、などを提供する。企業は常時、ゼタバイト級の大量の情報を扱っているから、その中で問題の箇所だけを正確にかつ早く見つけるためには、Kinetikのようなサービスが欠かせない。

この、大量のログを取ってその分析を正確迅速にやる、というKentikの特技は、同社の最大の差別化要因だ。しかし同社のコンペティターのDatadogは、今年の1月に早くも、シリーズDで9450万ドルを獲得している。

CEOで協同ファウンダーのAvi Freedmanによると、同社の売上は“数百万ドル”のレベルを超えて“数千万ドル”の領域に入りつつある。今同社の顧客は60社あまりで、その80%がアメリカ国内だが、今後は西ヨーロッパ市場を積極的に開拓したい、と言っている。

今回の2300万ドルのラウンドは、Third Point Venturesがリードし、これまでの投資家August Capital, Data Collective (DCVC), First Round Capital, Engineering Capital, そして新規の投資家としてGlynn CapitalとDavid Ulevitchが参加した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

mReliefは、低所得世帯の子供たちが夏休み中も食事を得られるようにする

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現在米国では2200万人の子供たちが登校日に無料あるいは低価格で朝食と昼食を供給されているが、夏休みには5人中4人の子供たちが、毎日の食事を確保できていない。今日(米国時間6/20)mReliefは、低所得家族向けのウェブおよびテキストメッセージングツールを提供開始し、この夏に子供たちのための無料あるいは割引価格の食事を入手できる場所と時間が、簡単にわかるようにする。インターネットを利用できない人は、テキストメッセージで、1-844-877-6111 に自分の郵便番号を送ればよい。

サービスが提供されるのは42の州で、フードスタンプ[食料配給券]の支給対象になっていない低所得者が、無料あるいは割引き価格で食事をするための情報を提供する。毎年、110億ドル分のフードスタンプが未請求で残されている。これは対象者が請求方法を知らなかったり、請求できなかったためだ。mReliefを通じて、低所得者たちは、自分がフードスタンプやその他の重要な社会福祉サービスの有資格者であるかどうかを簡単に知ることができる。もし、対象者ではなく18歳以下の子供がいる場合は、mReliefが一番近くのサマーミールサイト[夏季食料配給所]を紹介してくれる。

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子供のいない人には、mReliefが近くの食料配給所、例えばSF-Marin Food Bank等を紹介する。この新しいサービスは、米国農務省(USDA)が公開しているサマーミールサイト情報と更新されたデベロッパーツールを利用して作られている。

「USDAは実にすばらしい政府機関であり、日々透明性を高め、われわれのような組織が受給資格データを入手しやすくしている」とmReliefの共同ファウンダー、Rose Afriyieが私に話した。「われわれは、Twilioプラットフォーム上で構築しているので、非常に早く対応することができる。こうしたテクノロジーのおかげで、われわれは受給情報を提供するが可能になり、インターネットを利用できない人たちでも恩恵に預かれる」

2014年9月の開設以来、mReliefは3万の家族に対して、受給資格のある社会福祉サービスの情報を提供した。近い将来mReliefは、人々が必要な書類を見つけるのを手伝い、その書類を提出するサービスも始めたいと考えている。

「私たちは家族ともっと深く関わろうとしている」とAfriyieは言った。「しかし大きな問題は、既に困っている人たちが、必要書類のコピーにお金を払わなくてはならないことだと私は思う」

mReliefは、必要な書類を入手して提供するための費用を調べ、最終的には費用をゼロにしたいと考えていると、CTOのGenvieve Nielsenは言った。

Y Combinatorの支援を受けているmReliefは今年mRelief Builderという新製品を開発した。これは全米の政府支援プログラムに提供されているもので、事前に設定した組織の基準に応じて、受給資格画面を自動的に生成する。mReliefの最終ゴールは、ただでさえストレスの多い貧困生活にそれ以上影響を与えることなく、誰もが社会福祉サービスを利用できるようにするという、同社のビジョンを全うすることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Y Combinatorがオークランドでベーシックインカムの検証実験を計画中

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Y Combinatorは本日、カルフォルニア州オークランドで初のベーシックインカムの検証を行うと発表した。このスタートアップ・アクセラレーターは昨年秋からベーシックインカムのコンセプトについて調査を行っていて、近いうちに給与を支払うようになるという。

Y Combinatorは当初、所定のグループに対してベーシックインカムを5年間支払い、その効果を研究すると言っていたが、そこから方針を変えた。まずは短期的な研究をオークランドで開始するという。Y Combinatorはブログ記事に「目標は、ベーシックインカムの手法について検証し、さらに長期の研究に備えることです。例えば、どのように給与を支払うか、データを集めるか、ランダムなサンプルを抽出するかなどです」。パイロット検証での結果によっては、Y Combinatorは継続して長期的な研究を行う考えだ。

全員に一定の金銭的な支援を保証するというベーシックインカムのコンセプトは、ここのところ注目を集めてきた。数日後には、スイスでベーシックインカムに関する国民投票が行われる。テクノロジー業界の大物もベーシックインカムを支持している。Y Combinatorの会長であるSam Altmanは、テクノロジーが仕事を奪うほど、ユニバーサル・ベーシックインカムの必要性が高まると主張している。

「テクノロジーが仕事を消し去る時代が来るということは、十分な人生を送るために必要なコストが大幅に下がるということです」とAltmanは ツイートしている。「そして、私は未来の仕事環境にスムーズに移行するためにはベーシックインカムのようなクッションが必要だと考えています」。

しかし、ベーシックインカムのコンセプトに反対する人もいる。一番大きな課題は、どこからそのお金を支出するかだ。Y Combinatorには裕福な投資家陣がいるため、ベーシックインカムの資金源について思い悩む必要はないかもしれないが、政府にとってこの資金源は問題だ。政府の予算優先政策センター(CBPP)は、政府がベーシックインカムの財源を担うことは、貧困層を支援する政策の財源を削減することになり、貧困率を高め、資金は中流階級や上流階級に回ることになると主張している。

「例えば、UBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)で全員に毎年1万ドルを支給したとします」とCBPPのRobert Greensteinは今日、書いている。「それで年間3兆ドル以上のコストがかかります。10年で30兆から40兆ドルかかるのです」。スイス政府もコストを指摘し、投票者にベーシックインカムの否決を促している。

しかしY Combinatorは、このパイロット検証を将来のベーシックインカムの設計する方法として捉え、政府の財源からの支出が正しいアプローチとは限らないという。オークランドでの研究は、ミシガン大学で博士号を取得したElizabeth Rhodesが率いる。

「私たちのパイロット検証では、収入は無条件で提供します。検証期間中、いかなる状況でもベーシックインカムを提供し続けます。参加者はボランティア活動をしてもいいですし、仕事をしてもしなくてもいいのです。海外に引っ越しても構いません。なんでもできます。私たちはベーシックインカムが自由な行動を推奨することに期待し、この研究では人がその自由をどのように体験するかを知りたいと思います」とAltmanは言う。

Y Combinatorはすでにオークランドの役人やコミュニティーグループと協力してパイロット検証の計画を立てているが、まだ正式なローンチ日は決まっていない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

VirginグループがBoomと大型プション契約―超音速旅客機プロジェクトに強力な支援者

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読者の多くはすでにBoomについていろいろ聞いていると思う。

Boomは比較的新しいスタートアップで、かなりクレージーな目標を立てている。このチームが作ろうとしているのはアプリでもソーシャルネットワークでもなく、Kickstarterで投資を募れるようなガジェットでもない。

Boomが作ろうとしているのは非常に高速の旅客機だ。

正確に言えば、マッハ2.2以上で飛ぶ超音速旅客機の設計と製造を目的としている。計画どおりに進めば、乗客はニューヨーク・ロンドン間を3.5時間、サンフランシスコ・東京間を4.5時間で移動できる。

クレージーなアイディアには違いない。 しかしプロジェクトはまだきわめて初期の段階にある。新しい旅客機を作るというのはとてつもなく複雑であり、高度なエンジニアと巨額の資金を必要とする。チームはプロトタイプの製造に取り組んでおり、来年後半に飛行できるようになると期待としている。

Boomのチームはこの分野で大きな実績を挙げた強力な人材で構成されていることは指摘しておく必要があるだろう。現在の11人の社員は、トータルすると30機以上の設計、製造に携わっている。これには787のオートパイロットシステム、ジェット戦闘機のエンジン、Spaceship Twoの航空力学などが含まれる。社員の一部は元NASA、元ロッキード、元ボーイングなどのエンジニアだ。

今日(米国時間3/23)、Boomプロジェクトは強力な後援者を得たことが判明した。Virginだ。

Boomの発表によれば、リチャード・ブランソン会長率いるVirginグループと10機のオプション契約を結んだ。実機の引き渡しができれば20億ドルに相当する金額となる。またBoomはヨーロッパの航空会社からさらに15機のオプションを得ていると発表した。ただしどの会社かは明らかにされていない。現在までのオプションの総額は50億ドルだという。

ただしVirginグループはまだこの機体を買ったわけではない。まだその段階ではない。Virginは購入の意思があることを示す趣意書( letter of intent)に署名した。これは事業が計画どおりに進み、詳細な仕様が明らかになり、会社がさらに意思決定をしたうえで、10機を購入するという意図を表明したものだ。

同時に、この契約はVirginが事業の実現を助ける意思があることを意味する。Boomのファウンダー、ブレイク・ショルは私の取材に対し、Virginグループの宇宙部門Virgin Galactic傘下の宇宙往還機製造会社、The Spaceship CompanyがBoomのデザインとテストに協力することを約束したと述べた。これには、その時期が来たら超音速テストを実行することも含まれるという。

アップデート: Virginグループ側からも正式発表があった。広報担当者はGuardianに対して次のように述べた。

Boomのエンジニアリング、デザイン、製造、試験飛行、さらに運行業務に関してThe Spaceship Companyが助力することを約束したことを確認する。われわれは10機分の機体についてオプションを得た。現在プロジェクトは初期段階にあり、VirginとBoomの共同の野心、努力の詳細は今後明らかにされることになるだろう。

このプロジェクトは要注目だ。物理的実体のあるブロダクトを製造するのはなんによらず難しい。しかし史上最速の―悲運のコンコルドよりさらに速い―旅客機を設計、製造するとなると、その困難さはまったく違うレベルになる。

Boomに対する投資家にはY Combinator、Sam Altman、Seraph Group、Eight Partnersと匿名のエンジェル投資家が含まれる。Virginグループが資金提供の面でも協力するのかどうかについてBoomはコメントを避けた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

電動ジンバル内蔵の4Kスマート・アクションカメラ、REVL ArcがIndiegogoで発進

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Y Combinatorの2016年冬クラスのメンバーだったREVLが、スマート・アクションカメラ、Arcをリリースした。アクションカメラにおける2つの最悪な問題、ぐらぐらする不愉快な映像と編集にひどく手間取ることを解決しようとする製品だ。

REVL Arcは、.元NASA、シコルスキー、HPのエンジニアによって開発された4Kカメラで、電動ジンバルを内臓しており、撮影時に常に水平を保つようになっている。水深10フィート〔3m〕までの防水性があり、Wi-FiとBluetooth接続能力がある。バッテリーは4Kで90分の撮影が可能だ。

Arcの内蔵センサーは撮影時の高度、スピード、回転などを記録している。編集アプリはセンサーのデータに基いて撮影された活動を分析し、映像のどの部分がもっとも興味を持たれそうか判断する。例えば、ユーザーがスキーをしているところを1時間撮影したとすると、編集アルゴリズムはセンサーのテレメトリーデータを使って退屈な部分をカットし、スキーヤーがジャンプしたり水平回転したりしているエキサイティングなクリップを選び出してユーザーに推薦することができる。

スマート編集はREVLの専用アプリで実行される。アプリは撮影、編集、共有という流れを最大限スピードアップすることを狙いとしている。また編集アプリは、Snapchatのフィルターからヒントを得たのかどうか、ユーザーが高度その他のテレメトリーデータをビデオの上にスーパーインポーズする機能がある。

YCに加えてBill Tai、James Lindenbaum、Googleマップの共同ファウンダー、Lars Rasmussenらの投資家が総額200万ドルのシード資金を投じている。

REVL Arcは今日(米国時間3/17)、Indiegogoでプロジェクトをスタートさせた、出荷は2016年12月になる予定。

〔日本版〕Indiegogoのページによれば、向こう72時間に限り1台349ドルのプレッジで予約が可能。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

営業が抱えるコンタクト情報を自動的に最新に維持するElucify、まずSalesforceのプラグインとしてスタート

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Y Combinatorの2016冬季クラス出身のElucifyは、営業マン/ウーマンが慢性的に抱える厄介な問題の解決を目指している。その問題とは、顧客や見込み客のコンタクト情報を常に最新に保つことだ。

Elucifyが作り出したソリューションは、機械学習と人工知能(AI)を応用した、Salesforce.com CRMのプラグインだ。そのシステムは様々な公開データやプライベートデータにアクセスして、最新のコンタクト情報を見つける。…ElucifyのCEOで協同ファウンダーのGerald Fongはそう説明する。

営業の人は、Salesforceのレコード中に表示されるElucifyのボタンをクリックする。するとElucifyのツールが既存のコンタクト情報をアップデートし、新たに見つけたコンタクトをリストアップする。そのツールは通常、電話番号やメールアドレス、現在の意思決定者、会社情報のアップデートなど、忙しいセールスチームが必要とするあらゆる種類のデータを見ていく。Fongによると、レコードのアップデートに要する時間は通常、5秒から10秒ぐらいだ。

Elucify button in Salesforce CRM record window.

写真提供 Elucify.

 

Fongはこう語る: “われわれは、営業チームが毎日のように抱える面倒な問題に焦点を当てている。彼らは毎日、良質なコンタクトデータを探すのに長時間を費やしている。売り込みや訪問打診の電話をかけるよりも、いろんなWebサイトを訪ねてコンタクト情報を確認している時間の方が長い”。

しかも、コンタクト情報のアップデートを個々の営業が手作業でやってる企業が多い。しかしElucifyは、個々のレコードごとのアップデートを自動的に行う。

今では多くの営業チームが、SalesforceのようなCRMツールを使ってこの情報を調べている。だから、問題ないじゃないか、と思う方もおられるだろうが、しかしeConsultancyのデータによると、営業やマーケティングが利用しているコンタクト情報の30%はガラクタだ。

Elucfyは立ち上げからまだ数か月の企業だが、発想からY Combinatorまでがわずか1週間、すでにベータの顧客が3社いる。

同社の三名の協同ファウンダー、Fong, Mihir Deo, そしてNaveen Krishnamurthiは、Y Combinatorに参加したことによって、エンタープライズサービスを起業したさまざまな人たちに会うことができた、と言っている。またYCの社長Sam Altmanも、彼ら若きファウンダーのための良きアドバイザーになってくれた。

“われわれは最初から、エンタープライズソフトウェアの企業だと思っている。でもサービスを立ち上げて、実際にそれにお金を払ってもらうことは、容易ではない。自分たちが犯している間違いや、抱えている問題について、Y Combinatorのネットワーク上の人たちに相談できて大いに助かっている”、とFongは語る。実際にこれまで、このネットワーク上の人たちからのアドバイスで気付かされたり、解決した問題は少なくない。

同社の至近の目標は、なにしろ成功に向かう足場を築くことだ。CRMは巨大な市場であり、Salesforceがその60%を握っている。…Fongはそう指摘する。

“まず、Salesforceのユーザーたちに食い込みたい”、と彼は言う。それは同社にとって、とても分厚い顧客層だ。そして徐々に軌道に乗ってきたら、ほかのCRMツールにも同社のコンタクト情報機能を提供していきたい、それが、同社の長期的な構想だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

BirdlyはSlackの中から直接、Salesforceなどの顧客データを呼び出せるSlackボット

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これからはボットの時代だ、と信じたQuang Hoangは、ついに、自分の会社をボット専門の企業にした。そしてExpensifyのようなふつうのアプリだった彼のプロダクトは今やBirdly、Slackの中でSalesforceやZendeskなどから顧客データを直接呼び出せるSlackボットだ。

“企業が新しいアプリを採用するのは、ほんとうに難しいんだ。別のモバイルアプリにデータを移行しなければならないし、新しいパスワードやプロセスをおぼえなければならない”、とHoangは語る。“管理職やCFOにとっても、新しいデプロイ作業や管理義務が発生してしまう。でも、Slackの上でそれができればずっと簡単だ。わずか二分で、みんながそれを使えるようになるからね”。

Slackの管理者はまず、Birdlyにリンクさせたいアプリのアカウントにログインする。Stripeや、Zendesk、Salesforceなどだ。すると誰もが、ボットを使ってそのアカウントから情報を呼び出せるようになる。ボットに情報をリクエストすると、情報はSlackにインラインで返ってくる。そのサービスに飛び込んで、もっと情報を見ることもできる。

アドバンテージはいろいろある。複数のアプリケーションを立ちあげなくても、単純にSlack上でコラボレーションできる。そして言うまでもなくSlackは、コラボレーションのための人気のプラットホームだ。今や毎日のアクティブユーザーが200万人、有料アカウントは57万ある。

だから、Birdlyのような企業が登場するのも意外ではない。Slackだけでなく、Facebook Messengerようなものでさえ、今チャットボットには大きな関心が集まっている。それは、ユーザーインタフェイスをもっと会話的にしようとする、より大きなトレンドの一環だ。その会話的インタフェイスでは、Googleによって慣らされてしまったキーワードによる検索ではなく、自然言語でデータをリクエストする。

当然ながら、Birdlyの周辺は競争が激しい。Slackはアプリのディレクトリを立ち上げ、Slackをプロセスの核とするようなサービスに投資している。そこでは先頭走者が有利だが、Slackをコアプロセスに統合しているそのほかのサービスも、たくさんある。Slackプラットホーム上に、ものまねボットも登場している。しかもSlackという他のアプリに依存しているということ自体が、リスクでもある。

Hoangによれば、Birdlyのようにデータを同期化してSlackの中で扱うボットも、競合製品が出現している。たとえばFlow XOという新しいサービスがそれだ。しかしBirdlyの特長は、コマンドラインインタフェイスではなく自然言語を使う点にある。だからデータをSlack内に取り込むほかのボットよりも使いやすいはず、と彼は言う。

“自然言語で呼び出して、自然言語で指示できるボットを作りたかった。複雑なツールを作る必要がなく、一定のワークフローに縛られることのない、新しいアシスタントをね。それがBirdlyの最大の特長だ”。

当面Birdlyは無料だが、今後は顧客の利用実態に応じた料金プランも考えたい、という。Birdlyは今、Y Combinatorの2016年冬季クラスに参加している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ひとつのソフトウェアのクラウドバージョンとオンプレミスバージョンを単一のコードベースから開発できるGravitationalのデベロッパサービス

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Y Combinatorを2015年に卒業した Gravitationalは、ソフトウェアのクラウドバージョンとオンプレミスバージョンを一つのコードベースで作る、という難しい問題に挑戦している。

今Gravaitionalが提供しているようなソリューションがなければ、当然ながらコードが二セット必要になり、開発費用が高騰する。顧客が提示する予算額によっては、それはできません、ということすらあるだろう。

GravitationalのファウンダーEv Kontsevoyは、実は2011年のYCのクラスで、自分の最初の企業(起業)Mailgunを立ち上げたことがある。それは120万ドルの資金を調達したが、その後2012年にRackspaceが買収した

買収に伴い、彼自身もRackspaceで数年間仕事をしたが、そのとき彼は、クラウドからSaaSを提供しているソフトウェア企業が抱えている難しい問題に気づいた。そしてそのことが、Gravitationalの起業へと導いた。

まず第一にSaaSの顧客は、そのデリバリ形式の単純さが気に入っている。顧客企業のIT部門に管理コストがあまり発生しない。しかし同時に、データのコントロールは自分でやりたい、と願う顧客企業もある。データを合衆国の外に保存することが法で禁止、または非推奨になっている業種では、なおさらそうだ。

企業のそういう実情を見ながらKontsevoyは同時に、クラウド市場におけるAmazon Web Servicesの隆盛にも気づかざるをえなかった。そして彼が知るオンプレミスソフトウェアのベンダたちの一部は、このパブリッククラウドの巨大な怪物との競合に悩んでいた。

Kontsevoyがこれらのトレンドに着目し始めたとき、それとほぼ同時に、 DockerやGoogle Kubernetesといった、ソフトウェア開発の新しいやり方を可能にする技術が登場してきた。

それを好機と見定めたKontsevoyは、Rackspaceを去りGravitationalを作った。彼はDockerとKubernetesを利用して、複数のコードベースをメンテしなくても好きなやり方でソフトウェアをデプロイできるための、ソリューションを作った。Gravitationalが提供する方法では、コードベースを単一の管理コンソールで管理しながら、クラウドとオンプレムなど、複数のやり方でソフトウェアを配布できる。しかも開発に要する費用や労力は、大きく増えない。

彼は最初の起業の成功経験から、Y Combinatorに参加することの意義を十分に理解していたが、でも、この高名なインキュベータが、彼が最初に参加した2011年に比べて、大きく進化したことも感じていた。

まず、2011年当時に比べるとネットワークのサイズが巨大になり、今ではたくさんのエンタープライズ企業も抱えている。2011年当時は消費者向け企業が圧倒的に多くて、エンタープライズ企業は適切なヘルプを得にくかった。

彼は曰く、“2015年には、YCの卒業生の多くがエンタープライズ企業を作って成功していたから、彼らの経験やコネから得るものが大きかった”。

Gravitationalはすでにある程度の資金を獲得し、初期のベータ顧客も数社抱えている。ただしその数は、公表されない。Kontsevoyによると、年内には10数社のエンタープライズ顧客を確保したい、という。そして、Gravitationalを使うようになって、売上などの業績が上がった、というサクセスストーリーも欲しい、と。

Gravitationalが究極的に目指すものは、ソフトウェア企業が顧客にとっていちばん理にかなったやり方で開発とデリバリとデプロイを行い、それによって、従来以上に売上を伸ばすことだ。それが、オンプレミスであれ、クラウドであれ、何であれ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

どんなアプリにもチャット機能をつけられるSendbirdはデベロッパーの苦労を減らす

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John Kimと彼のチームが、ご近所のママたちを結びつけるコミュニティアプリケーションSmile Mom を作ったとき、ある問題にぶつかった。そのアプリにメッセージング機能を持たせようとしたけれど、既製のコンポーネントやサービスには良いのがなかった。

結局自作したのだが、そうするといろんな友だちが、自分のアプリに使いたいと言い出した。そこでKimたちは、消費者アプリからデベロッパーソリューションに看板を変えて、汎用APIのあるメッセージングサービスSendbirdを作った。それは、デベロッパーが自分のサービスに簡単にチャットを加えられるための、SDKだ。彼らは会社を作ってY Combinatorで勉強し、今日(米国時間2/12)公式にローンチした。

Kimはゲーム専門だったから、‘チャット機能があれば…’という問題を、かねてから痛切に感じていた。今ゲームはほとんどモバイルだから、プレーヤーたちのコミュニケーションが重要なニーズになる。とくにゲーム製品の多いスタジオでは、複数のゲームにまたがるコミュニケーションが重要だ。複数のゲームに、連続感が生まれるのだ。AゲームからB ゲームへ、簡単に移行する。プロのゲーマーだったKimは、彼の最後のスタートアップ、ゲームスタジオPaprika Labsを2012年にGREEに売った。

Kimは語る、“ソーシャルゲームを作ってるとき、チャットを二度も作ったことがある。しかしどのゲームでも毎回それを書くのは、たいへんだ。まるで、毎回々々、車輪を再発明してるみたいだからね。チャットはアプリの重要な機能だけど、スタートアップはデベロッパーの数も限られているから、アプリ本体の開発にすべての労力を取られてしまう”。

最初、Sendbirdは中小企業対象と思っていたが、Parseの協同ファウンダーIlya Sukharの話を聞いてからはエンタープライズにも注目するようになった。実は、ケータイにSMSしかないころから、企業はいつも消費者とテキストでコミュニケーションしていたのだ。

エンタープライズを相手にすれば、小さなアプリデベロッパーを相手にするよりも、大きなビジネスができるかもしれない。Sendbirdは有料会員制で、そのチャットサービスのユーザー数に応じて課金される。また、面倒なサポートは有料になる。

Kimの悟り: “技術が消費者製品から企業向けに広がっていくのが、進化の自然な方向だ。だから、今のわれわれは正しい路線に乗ってると思う”。

どこかで聞いたような話だな、と思ったら、2013年にTechCrunch Disruptで優勝したLayerの、2200万ドルの資金調達だ。.Sendbirdと同じような業態だが、チャットの機能はかなり違う、とKimは主張する。たとえば、同じルームでチャットできる人の人数は、Sendbirdでは無制限だ。

Layerにも、月間アクティブユーザー数を無制限にするプランはある。ほかにも、Twilioが同様のサービスをリリースするなど、コンペティターはけっこういる。

Sendbirdは、社員が15名。出身は韓国だ。今はサンフランシスコだが、それは、今後世界展開をしたいためと、B2Bのスタートアップがサンフランシスコに多いからだ。サンフランシスコは“食物連鎖の上の方だからね”、とKimは言う。サブプライム住宅ローンの危機以来、韓国ではスタートアップの立ち上げが難しくなってることもある。

Sendbirdが使われているアプリは、今340ある。その全ユーザーは各月で約200万だ。今同社は、Slackなどのように、ボットの統合化を進めている。つまり、いろんなサードパーティサービスをボットとしてアプリのメッセージング部分にくっつけるのだ。メッセージングから、いろんな機能を呼び出せるようになる(メッセージングを閉じずに)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

YC出身のMagic Busは、シリコンバレーの都市間通勤を楽にする

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Magic Busは、Y Combinator出身の新しいスタートアップで、ハイウェイ101を走るベイエリア通勤者たちのノロノロ、超退屈な運転に終りを告げ、サンフランシスコ全域からサニーベールまで、WiFi装備の定期運行民間バスで彼らを運ぼうとしている。

ベイエリアでの相乗りを目的とするスタートアップはいくつもある ― Chariot、Shuddle、さらにはUberとLyftもやっているが、共同ファウンダーのChris Upjonは、Magic Busには独自の特徴があると信じている。市内の移動ではなく、この会社は都市間の乗車を提供する。

「つまりわれわれは長い距離を運転する人たちを運ぶ」とUpjohnが私に電話で話した。

例えば、パシフィックハイツからレッドウッドシティーのオフィスまで毎日通う人がいたとする。「まずバスでCaltrainの駅へ行き、レッドウッドシティーまでCaltrainに乗り、そこからバスに乗る。つまり、複数の交通機関を乗り継ぐ非常に苦痛な通勤だ」とUnjohnは言う。

Magic Bus commuters taking an early morning ride.

Magic Bus commuters taking an early morning ride.

Lyft LineやUber Poolは、市内地域で公共交通機関に代わる移動手段を提供しているが、現時点で別の都市へ通勤する人々には対応していない。しかしMagic Busでは、乗客は乗車時刻を計画し、同じ方向の乗客と一緒に、乗り換えなしでベイエリアの様々な公共交通機関を乗り継ぐより短い時間で移動できる。

Upjohnは、似たようなシステムを友人の大学生のために作ったが、彼自身がサンフランシスコからメンロパークの金融機関まで通勤する苦痛から、Magic Busのアイデアを思いついた。

「それは長い間私を悩ませてきた問題だった。なぜ今でも一人だけで職場まで運転しているのか? ばかげていると思った」とUpjohnは言った。

Magic Busは始まったばかりのサービスたが、Upjohnによると、既に「数千人」が利用登録しており、このプラットフォームがスマート都市群をめぐる大きな動きの一翼を担うと考えている。

「未来のスマート都市に貢献するためには、今の渋滞を緩和する必要がある」とUphohnは言う。「みんなが車を持つ必要をなくし、通勤にはMagic Busを、市内ではUberやLyft等のサービスを利用するようにしたい」

Upjohnは、将来の相乗りサービスとの提携については話さなかったが、「そのビジョンは追求する」と言った。

ベイエリアの通勤にMagic Busを使ってみたい人は、Magicbus.ioでベータテストに参加できる。TechCrunch読者は、プロモーションコードに”TCridesfree”と入れれば初回乗車が無料になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook