Apple、iOS 7普及率を74%と発表。AppStoreの利用データによる

先ほどAppleは、iOS App Storeのデベロッパーサイトを更新し、iOSのバージョン別割合を発表した。今やiOS 7は最大勢力となり、iOSデバイス利用者の74%が、9月にiPhone 5s、5cと共にリリースされたこの大改訂版を使っている。

iOS 7の利用は10月から10%上昇しており、これは全OS要素のビジュアルが変わるなど劇的な変更のあったアップデートとしては、注目すべき伸びだ。さらに注目すくべきは、22%のアクティブApp StoreユーザーがiOS 6を使っていることで、合計96%のiOSユーザーがわずか最新2世代のOSを走らせていることになる。未だにバージョンの断片化の著しいAndroidとは対照的だ。

こうした牽引力はデベロッパーにとって朗報だ。少ない労力でアクティブiOSユーザーの大半をターゲットにできる。しかもiOS 7の場合、旧バージョンとの違いがあまりにも大きいため、ほぼ全員近くがこの新しい大集団に入ってくれることは、ことさら重要だ。

外部調査会社も類似の数字を示しており、Chitikaの最新調査によると、北米地域のiPhoneおよびiPadトラフィックの70%がiOS 7から来ている。この導入速度は半年をかけて83%に到達したiOS 6の時よりも早い。これでiOS 7のみを対照にしたアプリも、ユーザー層が制限されることを心配する必要はなさそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


デジタル音楽でとことん満足したい人のための今年のギフトガイド

アメリカのホリデイシーズン(今年は11/29~暮れ)には空気中に音楽が満ちる。ショッピングモールのスピーカーからはクリスマスキャロルや有線の聞き古した定番曲が垂れ流される。でもこのギフトガイドでご紹介するのは、そんな騒音ではなく、人の聴覚に喜びを与える品々だ。しかもここでは、音楽性の点でも文句ないものを選び抜いた。

Phiaton Chord MS 530 ($349)

快適さと、良いスタイルと、優れたノイズキャンセリングと、良い音を一つの製品にまとめるのは難しいし、それにBluetoothまで加えるとなると、ほとんどクレイジーだ。でもPhiatonのPhiaton Chord MS 530は、それを実現している(コードが要らないのにコードという名前なのは皮肉だが)。このPhiatonsはほぼ同じ価格のBose QC15と違って、ノイズキャンセルをoffにできる。でも耳に密着するヘッドフォーンは、音楽を聴くための理想の環境ではないけどね。なお、Bluetoothを使えない環境では、ふつうにコードをつけて使える。

Cambridge Audio Minx Xi ($899)

これは前に詳しいリビューを書いたことがあるが、でも再び取り上げる価値があると言えるほど、良い製品だ。CambridgeのオールインワンストリーマーとDACは、音楽愛好家のベストフレンドだ。とくにオフィスでMacを使ってると相性が良い。有線でもワイヤレスでも性能に差はないし、ポッドキャストやインターネットラジオのストリーミングを簡単確実につかまえる。少々お高いが、デジタル音楽の愛好家に今年何かを贈るなら、これできまりだ。

Blue Microphones Nessie USB Mic ($99.95)

音楽といえば、実は出力ばかりではない。Blue Microphones Nessie USB Mic (マイクロフォン)はその逆だ。ポッドキャスト用のマイクとしては最高だ、と思う。しかも平均的なユーザにとっては、Yeti Proなどの高価な専用機よりずっと良い。ガシガシといったノイズは、内蔵のフィルタが消してくれるし、スタンドが良いからデスクからのノイズも拾わない。ヘッドについている位置調整アームが、ちょっと扱いにくいと思うのだが、それが欠点だとしても良い製品であることは変わらない。

Sennheiser HD 598 ($187.46)

これは新製品ではないけど、ぼくの最高のお気に入りのヘッドフォンだ。上の写真で分かるようにオープンバックだからノイズは垂れ流すから、オフィスとか、音楽趣味の異なる同伴者がいるとまずいかもしれないが、それほど気になる音量でもない。音漏れゼロにしたいならQC 15にすべきだが、HD 598はスタジオなどふつうの空間で聴くのと変わらない音楽が聴ける。上のMinx Xiのような良いDACを使うと、なお良い。

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デジタル音楽は本格的なオーディオファンからずっとバカにされてきたが、でもここでご紹介した製品は、そのギャップを填めてくれる。音にうるさい人にプレゼンとしたって、恥ずかしくはない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Androidの父、アンディー・ルービンが現在Googleでロボットを開発中と判明―生産と物流のイノベーションを狙う

Andy Rubinは 去る3月、Android事業部の責任者の地位を去り、その地位は当時Chrome担当副社長だったSundar Pichaiが兼任することになった。その後Rubinが何をしているか謎だったが、New York Timesがスクープしたところによると、Googleの中でも非常に実験的な部門で、ロボットとその現実世界への応用に革命を起こす計画に取り組んでいるという。

この情報が今明らかにされたのは偶然ではあるまい。Amazonが「自動操縦ヘリで商品を配達」でサンクスギビングデイ明けのニュースのトップを独り占めしたことにGoogleも対抗することにしたのだろう。New York Timesのインタビューに対してRubinは「ロボット工学分野でのGoogleの目的は、生産と流通市場」と述べた。

この分野でGoogleの努力にはUPSも研究しているイノベーション、つまり中央配送センターから地方拠点への運送を自動化することで物流システムの大幅な効率化を図ることが含まれているだろう。

Rubinが事業を指揮するようになってからGoogleはアメリカと日本で密かに多数のロボティックス企業を買収している。これにはIndustrialPerception(コンピュータによる視覚的認識)、 Schaft、 Meka、Redwood Robotics(いずれもヒューマノイド系ロボット)、Bot& Dolly(カメラ移動ロボット、映画Gravityの撮影で使用)、 Autofuss(広告とデザイン)、Holomni(ロボットの車輪のデザインハウス)などが含まれる。この中にはヒューマノイドロボット関連企業が多いのに気づく。つまりGoogleは人間にはまったく似ていない既存の産業用ロボットを改良するのではなく、まったく新しいスキームでロボット開発を行っているのだろう。

ある場所から別の場所への物の移動をロボットを使って自動化できれば生産性の向上に大きく寄与できる。アジアのOEM企業からアメリカの家庭への物流システムにはロボットが応用できる場面が多数あるだろう。

RubinがAndroidの責任者の地位を去ったとき、Androidの関係者にメモを送り、「私は本質的に起業家だ。これからはGoogle内で新しいプロジェクトに取り組む」と書いている。今回RubinはNew York Timesのインタビューで「ロボティックスには10年前から関心を抱いていた。しかし最近になってやっと自分が考えているような大規模なスケールの利用がビジネスとして意味のある段階になってきた」と語った。

Googleの自動走行車同様、ロボットもおそらくは遠大なプロジェクトだろうから、すぐに目に見える結果が出ることはあるまい。しかし多数の企業を買収していることでも分かるとおり、すでに投資の規模は大きく、Googleのにとってきわめて真剣な事業だということは間違いない。一方、Amazonの配達ドローンでも証明されたように、ロボット事業は世間の注目を大いに集めるという効果もある。Googleが明日にも家事手伝いロボットを売り出すことはないだろうが、Rubinの秘密のロボット工場から何が出てくるか、特等席で見物したいものだ。

〔日本版〕Rubinが買収したとされる各社のうち、Schaftはニューヨーク・タイムズの記事によれば、東京大学情報理工学系研究科・情報システム工学研究室(JSK)からスピンアウトした株式会社Schaftのことと思われるが12/5朝現在、同社のサイトにはGoogleとの関連を示す情報はない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


みんなでわいわいゲームを作っていくゲーム, MicrosoftのSparkプロジェクトはとても新しい

人間は、自分でものを作ることが好きだ、とやっと気づいたMicrosoftは、たぶんPlayStationのLittleBigPlanetの成功に刺激されたのだと思うが、Project Spark(プロジェクトSpark)なるものを立ち上げ、6月にはそれをE3カンファレンスでプレビューした。Sparkは、相当自由な形式のゲームクリエーションエンジンで、ゲームをプレイすることと作ることが同時に進行する。また友だちや家族との共有も簡単にできる。

そのProject Sparkのベータが今日(米国時間12/3)、Windows 8.1で立ち上がる。まだユーザ人口の少ないデスクトップOSをすでに使っているラッキーな人は、Project SparkのWebサイトで登録すればベータに参加できる。来年からはXbox Oneでもこのベータを試せるようになるから、このプロジェクトが本当におもしろくなるのは、それからだろう。ユーザ数は、W 8.1よりXbox Oneの方がずっと多いはずだし、Sparkは最終的にクロスプラットホームになる、とMicrosoftは言っているから。

MicrosoftはSparkを、友だちやインターネット上でつながった人たちとコラボレーションしながら、実質的には終わりのないゲームを作れる、と宣伝している。これは、ゲームがソーシャルメディアになる、という新しくておもしろい切り口だ。そもそも、ゲームにはもともと、ソーシャルな側面がある。対戦ゲームや複数プレイはもとより、一人プレイでも、友だちが集まってわいわい言いながら遊ぶ。そしてその頂点が、画面分割ゲームだろう。N64のGoldeneye 007なんか最高に楽しいし、Call of Dutyシリーズはシューティングゲームをやりながらのふざけ合いに新時代をもたらした。

Sparkの、みんなで世界を探検しながら世界を作っていくという‘共同創造’の形は、ゲームのソーシャル性/参加性をさらに深める。面倒なコーディングなどはSparkがすでにやり終えているから、ユーザはシナリオとキャラクタを指定して、ランダムに作り出されるゲームの世界に飛び込んで行くだけだ。しかしKinectやXbox Oneのコントローラなど、多様な入力を使うと、もっと細かい、新しいジャンルのゲームも作れる。モーションキャプチャや音声吹き替えなども使って独自のアニメや対話を盛り込むと、さらにおもしろい。Sparkのゲームエンジンはユーザの自由度が信じられないぐらい大きいようだから、既成概念にとらわれないアマチュアが、とんでもない新しいゲームを生み出す可能性もある。

SparkのベータはWindows Storeからダウンロードできるが、実際に使うためにはベータキーというものをもらう必要があり、しかもこれはまだ、地域が限定されている。でも、ぼくの感想としては、Microsoftからこれだけおもしろいものが出てくるのは、ほんとに珍しい。ゲーム作家志向の人でなくても、今後を見守る価値は十分にあると思う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Canon、ミラーレスのEOS Mの新モデルM2を発表―現行機の最大の欠点、AF速度が大幅に改善か

Canonの最初のミラーレス一眼は失望させる製品だった。 2012年に発表されたEOS Mの最大の欠点は信じがたいほどAFの合焦速度が遅いことだった。また撮影直後にモニターの画像が一瞬消えるという不具合もあった。新モデルではCanonはこれらの問題を改善し、Wi-Fi機能を追加した。デザインは現行モデルをほぼ踏襲した。

M2が公式に発表されたのは今のところ日本と中国だけで、英語圏での発表は今日になるもようだ。しかし新モデルの概要はすでに明らかになっている。ボディーのデザインは現行機とほぼ同じだが、サイズはわずかに小さくなり、Wi-Fiによる写真の共有、転送が可能になっている。

しかしなんといっても最大のセールスポイントはAFの改善だ。CanonはハイブリッドCMOS AF IIシステムの採用により、AF速度を2倍以上に向上させたとしている。APS-Cサイズ、18メガピクセルのセンサーは現行モデルと同様だが、もともとセンサーには問題はなかったので、AF速度が発表どおり大幅に改良されているならミラーレス・レンズ交換式カメラ(MILC)の入門機としては優秀なモデルになったはずだ。

M2は日本市場には12月中旬に出荷される。アメリカ市場への出荷時期は明らかになっていないが、クリスマス商戦に間に合えばCanonにとって大いにメリットがあるだろう。今年中にアメリカ市場に投入されることを期待した。私自身EOSMのデザインは気に入っている。Canon Rumorsに詳細なスペックがある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Android 4.4 KitKatにアップデートするとNexus 7のビデオ再生パフォーマンスが劣化する

GoogleのAndroid 4.4 KitKatがNexusデバイスに載ってグローバルに展開していて、ぼく自身もNexus 7タブレットが欲しくてたまらなかった。でも実際は、一人で立ち去った方が、ずっとよかったかもしれない。オフィシャルのOTAチャネルからアップデートした直後に、パフォーマンスの悪さに気がついた。そしてモバイルビデオとタッチインタフェイスをテストしているフィンランドの企業OptoFidelityが、ぼくの所見を裏付けるデータを出してきた。

OptoFidelityは、720p/1080pで30fps/60fpsのHDビデオを、2012年と2013年のNexus 7で比較した。どちらも、KitKatへのアップデート前と後を比較している。結果は、下図でお分かりのように、どちらのタブレットもAndroid 4.3、すなわち旧バージョンの方が良い。驚いたのは、2013年のNexus 7は、4.4にアップデート後に60fpsのビデオをまったく再生できなかったことだ。

違いは小さくない。OptoFidelityの分類方法では、どちらのNexus 7もAndroid 4.4では“不満足な”結果になり、しかも最新機種の方が悪い。ぼくのデバイスでも、アニメーションがなめらかでないし、KitKatにアップデートする前よりは、認識されないタッチが多くなった。

このアップデートは性能の低い旧型機にも後方互換性を保証しているはずだから、最新機種でこのざまなら、非常に困ったことになるね。今後のアップデートで簡単に直る、単純なバグであることを祈りたい。今Googleに問い合わせているところだが、しかし当面は、KitKatへのアップデートを控えるべきだろう。あの顔文字がどうしても欲しい人以外は。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleが同社のeブックに関するコンプライアンスをモニタする法廷任命弁護士の料金が高すぎると抗議

Appleは、eブックの価格操作嫌疑をめぐる7月の裁定に基づいて裁判所が任命した、同社のコンプライアンスをモニタする弁護士に関し、公式の抗議声明を提出した。司法省がモニタを任命したのは10月だが、その請求額が最初の2週間の業務に関し13万8432ドルという*、非常な高額であった、と公式抗議声明は述べている。〔*: 時給1100ドル+管理費+人件費。〕

Appleによれば、それはこれまで同社が弁護士に支払った額として、同社の歴史上最高の金額だそうだ。Appleのような、これまで大量の訴訟を経験してきた企業がそう言うのだから、これはきっと、途方もない額なんだろう。Appleの弁護士は声明の中で、Bromwich弁護士は単純にいくらでも請求できるからそんな額を請求してきたにすぎず、Appleはその人選に関わることができなかったし、価格操作嫌疑に関する裁判所の裁定に従って裁判所が任命したモニタに支払わざるをえない、と述べている。Appleはまた、Bromwich弁護士が同社の社員を聴取してその結果を裁判所に報告する際に、同社の利益を代表するApple側の弁護士が完全に無関与である、という規則にも抗議している。

この反トラスト訴訟でAppleは、eブックの発行者たちと共謀して価格を人為的に釣り上げた、という容疑をかけられている。そしてそれに対する司法省の裁定が、裁判所が任命したモニタをAppleに送り込むことと、価格の制約に関して発行者と裏協定することの禁止、そして特定の発行者だけを価格に関して優遇することの禁止だ。モニタがAppleを監視する期間は、4年とされている。

Bromwichは過去に、石油とガス業界や、ワシントンDCの首都圏警察などを、同じく裁判所の任命によりモニタした経験がある。しかし、弁護士を愛するAppleが今回あえて抗議をしたということは、その料金がいかなる基準から見ても高すぎるという同社の言い分に、道理があるのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


パニック的騒乱もあった中、感謝祭当日に140万台のタブレットを売り上げたウォルマート

記事執筆時点、アメリカではまだブラックフライデーの売り上げ結果など出ていないが、しかしウォルマートが満足気に成果を報告している。なぜウォルマートが結果を予測できているかと言えば、それは単純な話だ。ブラックフライデーの売り上げは、前日の感謝祭の売り上げと同様の傾向を示すもので、そしてホリデーシーズンの間もだいたいそうした傾向が続くことになるからだ。

売り上げ額の詳細については1日が終わらなければ出てこないが、取り敢えず前日の感謝祭には、ウォルマートは全米で140万台のタブレットを売り上げたようだ。メーカーや機種などの分類はまだできていないが、ウォルマートによれば、iPad miniが全製品の中でも最もよく売れた製品のひとつとなると述べている。

ウォルマートの売り上げリストには大画面テレビや、ノートPCなど、よく売れる製品もある。その中でiPad miniが「最もよく売れた製品のひとつ」となるというのは、「140万台のタブレット」の中でも、iPad miniがかなりの割合を占めたということを意味するのだろう。他にどういったものが人気だったかと言えば、Microsoftの新しいXbox Oneや、ソニーのPlayStation 4などだ。モバイルゲームが広く流通し、また昨年には任天堂Wii Uが振るわなかったということがあった。しかし家庭用ゲーム機は、まだ一定の人気を保ち続けているようだ。

ちなみに、タオルの売上数をみるとタブレットの2倍となっている。感謝祭の1日をまとめれば、多くのアメリカ人が家族で集まり、感謝の気持ちを伝え、七面鳥を料理してタオルを買った日ということになる。すべての人が最優先でハイテク製品を買ったのではないことは確認しておこう。

ちなみに当然のことかもしれないが、ウォルマートのプレスリリースには、あちこちの店舗で暴動のような状況、喧嘩、マナー違反など人間の愚かしさを示す行為がみられたことには触れていない。140万台売れたというタブレットを巡っても、戦いがあったのだとするツイートが投稿されている。

(ブラックフライデーのウォルマートなんかにはもう*絶対*行かない。タブレットを奪い合う人の喧嘩に巻き込まれてひどい目にあったわ。お馬鹿な人を見たければぜひウォルマートに行ってみることね)

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(翻訳:Maeda, H


オランダの司法当局がGoogleのユーザデータの使い方はプライバシーの法律に違反している, と指摘

2012年に発表された、ユーザのデータを同社のすべてのサービスで利用するというGoogleの新方針は、オランダではプライバシー侵犯であり違法だ、とオランダ政府のデータ保護局(Data Protection Authority, DPA)が声明した。DPAが発行したプレスリリースは、“ユーザのどんな個人データを集めて、一緒にして、どんな目的に利用しているかを、Googleはユーザに正しく知らせていない”、と述べている。

DPAはGoogleが明らかに違法とは言っているが、Googleに対する罰則の適用や、矯正命令などにはまだ踏みきっていない。しかし同局の声明によると、ユーザのデータを収集する件に関して、ユーザの許可を求めるGoogleの今のやり方では不十分だ、という。つまり、一般的なプライバシー方針が一つだけあるとか、サービス約定のドキュメントがあるだけでは十分ではない。“インターネットの上ではGoogleのサービスを利用しないことはほとんど不可能”であるだけに、なおさらである、とDPAは言っている。

しかしComputerworldが入手したメールによる声明文によると、一国の法に明らかに違反しているとされたGoogleは、当局のその主張は無効だ、と言っている。Googleによると、同社は今オランダのDPAと話し合いを続けており、共同でこの問題を解決していきたい、という。その話し合いの次のステップは、DPAが考えている修正方式や懲罰方式について、Googleが聞く番だ。

Googleのプライバシーポリシーの変更が、ユーザを苛立たせたことは間違いないし、一部の政府機関が問題として取り上げたことも事実だ。先日は、ユーザがオプトアウトしなければGoogle+の画像を広告で使う、と発表された。このような具体的な変更や新しいやり方は、今後もいろいろあるだろう。今回のオランダ当局の矯正アクションが、今後のGoogleのユーザデータの集め方や使い方に良い効果を及ぼすことを期待したいが、しかしそれは、空しい期待に終わってしまう可能性もあるね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Paletteは、パソコンにスライダーやダイヤルを付けられるモジュール式コントローラー

カナダ、ウォータールーのスタートアップ、Paletteは、パソコンに繋いでミキシングテーブルも作れる、モジュール式ハードウェアコントローラーを作っている。実際私は、ビデオ編集の微調整をスライダーなしでやるのが苦痛で、これはまさしく探し求めていたものだ。現在Kickstarterで資金募集中だ。

共同ファウンダーのCalvin ChuとAshish Bidadiは、これを現実にするために10万ドルの資金を目標にしているが、すでに6万ドルが集まっている。スターターキットには、電源モジュール、ダイアル、スライダー、ボタンがそれぞれ1つ入っており、必要なら追加できる。基本キットは99ドルで、スケジュール通りに運べば来年6月に出荷予定だ。

各モジュールは互いに嵌め込むだけなので、ユーザーは高度なハードウェアハッキングを必要とせずに、ハードウェアインターフェースをカスタマイズできる。サウンド、ビデオ、写真の編集における利便性は大きい。キーボードでよく使うコマンドは、添付の専用デスクトップアプリでPaletteモジュールに割り当てることができる。ゲーマーにとっても、コマンドを簡単に使えて便利だ。DJにもぴったりだ。Chuがおばあちゃんのために作ったサンプルコントローラーで見られるように、Skypeなどを使いやすくすることもできる。

課題の一つに、Paletteを使いたいアプリケーション毎にサポートが必要だということがある。Chuとそのチームは、Adobe Creative Suiteのサポート、およびTraktor、Ableton等のDJソフトウェア用のプラグインとスクリプトを製品に標準添付するつもりだ。彼らは、コミュニティーが生まれ、広く様々なソフトウェアがサポートされることを期待している。

Chuは、ウォータールー大学のメカトロニクス出身で、MYOアームバンドを作ったThalmic Labsと同窓だ。Apple、Toyota等で働いていたこともあり、この大きなビジョンを支えるのに必要なスキルを持っていることは間違いなさそうだ。一つ確かなこと:私はこれが欲しい。今すぐに。次のビデオを旧式のやり方で編集しなくてもすむように。

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(翻訳:Nob Takahashi)


GoogleはやはりYouTubeストリーミング音楽サービスを準備中―Androidアプリのソースコードに詳しい情報

だいぶ前からGoogleがYouTube内に音楽ストリーミング・サービスを作ろうとしているという情報が流れていた。

GoogleはGoogle PlayでMusic All Accessサービスを運営中だから両者の関係がどうなるのかいささかわかりにくい。しかしAndroid Policeによれば、YouTube音楽サービスが用意されていることを示す証拠が最新のAndroid版YouTubeアプリのソースコードに見つかった。このサービスはMusic Passと呼ばれるらしい。

コードの内容を検討すると、Music Passには他のアプリを使用している最中でも音楽を聞けるバックグラウンド再生、オフライン再生、再生中は広告が表示されない機能などが用意されているという。そしてGoogle PlayのMusic All Accessとは異なり、もちろんビデオも再生される。

コードによれば、ビデオは48時間に限りデバイスに保存することができ、標準(360p)またはHD(720p)画質で再生できる。有料契約の特典、その料金プランなど多くの重要な点がまだ不明だが、Googleがこのサービスを真剣に準備していることは非常に確実になった。ローンチされるのもそう遠い将来ではないだろう。遅れが出ているとすれば、巨大メディア企業のプロジェクトにはつきものの困難だが、関係者全員とのライセンス契約に手間取っているのだろう。

Googleが同時に2つの音楽ストリーミング・サービスを始めるというのは少々ユーザーを混乱させそうだが、YouTube版のビデオの魅力で両方に加入するユーザーもいそうだ。しかし第三者として言わせてもらえば、よほど料金が違うのでないかぎり、Google Play版ではなくビデオが見られるYouTube版の方がお得だろうと思う。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


23andMeのCEOが顧客に書簡を送る: “FDAは弊社の重要なパートナー”

FDAが23andMeの家庭用DNA検査キットの販売を禁ずる決定を発表したとき、同社は短い声明を出したが、その後同社のCEO Anne Wojcickiは顧客たちに書簡を送り、この禁令や、医療機器や医療技術を監督する政府機関と同社の関係について説明した。

今朝(米国時間11/27)23andMeの登録ユーザに送られたその書簡でWojcickiはまず、同社の技術が堅固で信頼に足るものであり、長年の研究開発の成果を製品としてお届けしている、と述べている。かんじんの問題は検査の正確さだが、それについて彼女は、これまでの結果には十分満足している、と述べている。FDAの販売禁止令が出たあとの記事の中には、同社の検査がすべての遺伝子異状に関して網羅的でなく、乳がんなど一部の疾患に関しては検査結果が厳密ではないかもしれない、という疑いの声もあった。今回の書簡の記述は、それらを意識しているものと思われる。

Wojcickiは今回のFDAの問題の性格を、同社のような新しい種類のサービスを同庁が正しく位置づけていく過程での出来事だ、と述べている。つまり、一般消費者によるDNA検査は、技術の側にとっても、またそれを監督する行政側にとっても、まったく新しい分野である、と。たしかに、FDAが、特定の障害ではなく、全般的な遺伝子検査を行う技術製品を規制するのは、今回が初めてである。FDAとしては、23andMeに対し、販売禁止令状への応答に15日の猶予を与え、この問題を同社とともに解決していくための計画を記述している。

以下に、Wojcickiの書簡の全文を引用する。同社はあくまでも、製品の効能書きに即した正確なサービスと製品を提供している、という立場であり、これに対してFDAは、その情報を受け取った消費者の、その後の行動を心配している。病理診断情報は何でもそうだが、診断された側の人間の、その後の自由度があまりにも大きい。そこでFDAは、23andMeの検査結果が、疾病のリスクに関して正しく理解されない場合(==大げさに誤解される場合)が絶対にないことを、確実にしたいのだ。

[以下英文ママ]

Dear 23andMe Customers, I wanted to reach out to you about the FDA letter that was sent to 23andMe last Friday.

It is absolutely critical that our consumers get high quality genetic data that they can trust. We have worked extensively with our lab partner to make sure that the results we return are accurate. We stand behind the data that we return to customers – but we recognize that the FDA needs to be convinced of the quality of our data as well.

23andMe has been working with the FDA to navigate the correct regulatory path for direct-to-consumer genetic tests. This is new territory, not just for 23andMe, but for the FDA as well. The FDA is an important partner for 23andMe and we will be working hard to move forward with them.

I apologize for the limited response to the questions many of you have raised regarding the letter and its implications for the service. We don’t have the answers to all of those questions yet, but as we learn more we will update you.

I am committed to providing each of you with a trusted consumer product rooted in high quality data that adheres to the best scientific standards. All of us at 23andMe believe that genetic information can lead to healthier lives.

Thank you for your loyalty to 23andMe. Please refer to our 23andMe blog for updates on this process.

Anne Wojcicki

Co-founder and CEO, 23andMe

写真出典: Flickrユーザkingair42

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook、「後で読む」機能をテスト中。エンゲージメント向上を目ざす

Facebookは、InstapaperやPocketに似た「後で読む」機能の導入を検討している、とAllThingsDが伝えている。しかし現在Facebookをオフラインで読む方法はないため、ユーザーのエンゲージメントや、他のユーザーがシェアした記事のクリック率を高める目的に他ならないだろう。

実装方法は実にシンプルで、ニュースフィードでシェアされているリンクを見つけたら、右側の小さなブックマークアイコンをクリックすると、アプリメニューの「保存されたリンク」のリストに追加される。例によって現在この機能は限られた少数のFacebookユーザーにしか提供されていない。広く公開されることになるのかどうかは未知数であり、Facebookのこの種のテストからは、一般公開されたものもそうでないものもある。

この手の機能の利点は、Pocketその他のサービスが示すように、サイトのコンテンツパートナーにエンゲージメントの向上をもたらすことだ。それは読む時間がない、あるいはクリックしてブックマークする時間がないなどの理由でリンクを無視していたユーザーでも、保存して後日読む可能性が生まれるからだ。

以前Pocketは、彼らのエンゲージメント効果の高さを主張してたことがある。FacebookやTwitterのようなソーシャルネットワークと異なり、成長率は低くても少数のユーザーから高いエンゲージメントを得ることが彼らの狙いだ。Pocketでのコンテンツの人気は、ソーシャルフィードで盛り上がった後にピークを迎えることがあり、ブームをこだまさせると共に長期にわたってエンゲージメントを高める。つまり、FacebookやTwitterのような一過性のものと比べて、長期間安定したユーザー行動が続くことを意味している。

例えオフラインモードがなくても、Facebookは保存記事モードを使ってユーザーエンゲージメントや再来率を高め、同サービスが取り込みに力を入れているパブリッシング・パートナーたちに高価値を提供することができる。Facebookは今以上にポータル的になろうとしている。危険が潜んでいるとすれば、FacebookがパーソナライズされたYahooホームページのようになり、友達や大切な人たちと繋がる場ではなく感じられることだが、だからこそ今、果たして適切なバランスを取ることができるかどうかをテストしているのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


AppleがLytro的な撮影後の可変焦点写真で特許を取得…東芝を牽制か?

AppleInsiderによると、Appleは、撮影後に画像の焦点を変えられるシステムで特許を取得した。すでにおなじみの、Lytro製のライトフィールドカメラも、これと同じことをする。Appleのシステムもやはり、このような“plenoptic”と呼ばれる技術を使って、後から焦点の所在を変えられる結果を作り出す。

Appleの特許は、わざわざLytroに言及してそれを先行技術と認めた上で、画像の画質や解像度を大きく向上させる独自の発明を詳説している。Appleの設計では、画像センサと外付けのレンズ成分とのあいだに可動アダプタを用いることによって、通常の高解像度の写真と、Lytroのような低解像度で焦点可変の画像を切り替える。

特許が出願されたのは2011年で、可能な実装方式を複数記述している。たとえばiPhoneとの統合や、SonyのデジカメQX10とQX100のような(カメラやスマートフォン用の)アクセサリだ。

iPhoneなどの実売製品に実装されたり、アクセサリが発売されるのはまだ遠い先のようだが、Appleが目指している方向性としては興味深い。Lytroは自社の技術をほかのメーカーにライセンスするつもりはないと言っていたが、しかしToshibaはスマートフォン用の同種技術を開発中で、それをほかのOEMたちにライセンスするのは確実、と報じられている。したがって、先行者利益はそちらに生ずるかもしれない。しかもその機能は、iPhone 5sのスローモーションビデオと同様に、製品のデモで消費者を感嘆させる技術になるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


“OK, Google”で即座に音声入力が可能になるChromeの音声検索エクステンションがリリース

今日(米国時間11/26)、Googleは新しいChromeエクステンションをリリースした。これは最近のモバイル版の音声検索の自動立ち上げ機能をデスクトップ版に移植したものだ。パソコンにマイクが接続されている場合、ユーザーが“Okay, Google.”と言うだけで、音声検索が可能になる。詳細はGoogle+ に発表された(9to5Google)。この機能はU.S.英語のユーザーにすでに公開されている。

Googleは音声検索機能自体はすでに提供していたが、起動のためには画面上のボタンをクリックする必要があった。このエクステンションをインストールすれば、Google.comを訪問して“Okay, Googleと言うだけでよい。

ただし、音声入力を起動するにはGoogle検索のページがChromeのアクティブなタグになっている必要がある。中が塗りつぶされたマイクのアイコンが表示されたら音声入力がオンになっている。便利なのは、いったんオンになると検索結果の表示ページでも音声入力が引き続き利用できる点だ。

ユーザーが話すと、単語が検索窓に表示される。私が少しテストしてみたところでは非常に正確なようだ。これが便利な場面は多い。たとえば料理をしていて手が汚れている、あるいは手が離せないときにレシピを検索して確認したりできる。ソファにもたれてパソコンからストリーミングされた画面を見ているときにGoogleに何か尋ねたくなったときにもよいだろう。

コンピュータに語りかけるとコンピュータがユーザーの置かれたコンテキストを認識して正しい答えを返してくれるという便利な、かつ不気味な日が刻一刻と近づいているようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Motorolaから新登場のMoto Gレビュー:抜群のコストパフォマンス、驚異的な待ち受け時間

Moto Gの発表でMotorolaはついに手頃な価格でトップクラスのパフォーマンスのAndroidスマートフォンの提供に成功した。Moto Gは高価なMoto Xの弟分だが、どちらにも全身にGoogleの刻印が打たれている。Moto Gの良いところは値段以上の価値があることだ。以下に詳しくレビューする。

概要

  • 4.5インチ、1280×720, 326ppiディスプレイ
  • 8GBまたは16GBのストレージ
  • 5MPリアカメラ、1.3MPフロントカメラ
  • 802.11n Wi-Fi
  • Pentaband HSDPAをサポート
  • Bluetooth 4.0
  • メーカー希望小売価格179ドル/199ドル、アンロック、キャリヤ契約なし
  • 製品情報ページ

メリット

  • 驚くべき低価格
  • この価格でこれだけの性能のスマートフォンは世界中にMoto G以外ない

デメリット

  • コストパフォーマンスは極めて高いが、性能には若干の妥協がある

デザイン

Moto Gはややまるっこいデザインだが、慣れれば持ちやすく快適だ。マット仕上げのケースはグリップがいいが、痛みが目立ちやすい。全体としてiPhone3G、3GSを思い起こさせる。Moto Gのデザインはスマートフォンが「携帯電話」だったころの性格を残しており、私は気に入っている。ただしこのデザインは裏蓋を開けるのが難しい。


機能

Moto Gはユーザーにとって役立つ機能以外の余分な機能を全廃し、出来る限り低価格で販売できるようにするという方針で開発が進められたようだ。Moto CareはMotorolaのサポートにインスタント・メッセージまたは音声通話で直接アクセスできる機能で、 Assistは「運転」、「会議」、「就寝」の3状況に合わせてワンタップでデバイスの動作モードを変える機能だ。Motorola Migrateを利用すればデバイスを乗り換えたときに旧デバイスの設定、IM、通話履歴などをコピーできる。

こうした地味だが便利な機能は他のAndroidメーカーのこけおどしで邪魔になるばかりのプレインストール・アプリとは対照的だ。Moto Gには初めてスマートフォンを利用するユーザーも多いだろうからますます適切なサービスだ。

パフォーマンス

Moto Gのパフォーマンスを600ドル以上のフラグシップ製品と比べるのは無理がある。しかし使用していてハイエンド・モデルとの差を感じることはほとんどない。たとえばGoogleNowのカード表示はスムーズだし、音声認識の精度もずっと高価なモデルと変わりない。文字の鮮明さは特筆ものだ。ブラウザで画像が多い重いページを読み込むと若干もたつき気味になることがたまにある。

Moto Gのカメラはすばらしいというほどではないが十分役に立つ。

ディスプレイ

私はめったに手放しで称賛はしないが、Moto Gのスクリーンにはそうしてもいい。私は以前のMotorolaのスクリーンは彩度が高すぎてあまり好みではなかった。しかし今回Motorolaはカラーマネジメントでも大いに進歩を見せただけではなくはるかに高価なiPhone5sなみの高解像度(326ppiという数字に注目した読者も多いだろう)を実現した。Androidのトップ製品とは違ってフルHDではないが、この価格帯では群を抜いた画質だ。.

バッテリー

バッテリーはMoto Gの中でも屈指の長所だ。Motorolaでは終日持つと言っているが嘘ではない。ヘビーな使い方ではなかったとはいえ、私の場合、1回の充電で3日ももったことがある。

これだけのバッテリー駆動時間があれば、Moto Gは「カバンに放り込んでそのまま忘れてしまう」という使い方ができる初めてのスマートになれるだろう。省電力モードでの待ち受け時間は1週間にもなるという。動画などでヘビーな使い方をした場合は現行の他機種とそう変わらなくなるが、それで上位に位置するのは間違いない。この価格でこれだけのバッテリー駆動時間は驚異だ。

結論

Moto Gはきわめて優秀な製品だ。一見すると今年派手に登場したMoto Xの地味な弟分と思われるだろうが、コストパフォーマンスの優秀さを考えるとこちらの方がはるかに重要な製品だ。念のために断っておけば、私個人はやはり高価なトップエンド機を今後も日常使い続けるだろう。しかし私がテクノロジー・ライターを職業としていなかったら、あるいは私に十分な収入がなかったら、私は毎日喜んでMotoGを使うだろう。

〔日本版:元記事にはデバイスの細部がわかるスライドショーあり〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


DNAテストの23andMe、自宅用テストキットの販売に米食品医薬品局から中止命令

米国食品医薬品局(FDA)は、遺伝子テストのスタートアップで、Anne Wojcicki、Linda Avey、Paul Cusenzaの3人が2006年に共同設立した23andMeに対し、同社の家庭用DNAテストキットの販売を11月22日付で中止するよう命じた。Bloombergの記事によると、FDAが同社に送ったレターには、同キットが医療用品に分類され、販売には規制認可が必要であると説明されている。

23andMeのミッションの一つは、人々が本人あるいは子供の遺伝子的疾患や症状のリスクを評価することにあり、FDAはその点を問題にしているようだ。医学的リスクの評価は、たとえそれが23andMeのサービス唯一の目的でなくても、キットが医療装置として分類されることを意味する、と同局は言っている(単なる好奇心や、進行中の研究を支援するためにテストを受けた人々も多い)。23andMeの合計40万件の被験者データベースは、遺伝子研究者にとってまさしく宝の山だ。しかし、もし患者が乳がんを発症する可能性が高いという結果を受け取り、予防対策として両乳房切除手術を受けた結果、実は偽陽性だったというケースを考えれば、大きなリスクであり監視の必要性は正当化される。

23andMeはGoogleの出資を受けており、2007年のシリーズAラウンドで390万ドルを調達し、最近にはシリーズDラウンドで、Google、NEA、Milner等から5000万ドルの資金を調達した。利用者は唾液のサンプルを送るだけでよいというこの自己テストサービスは、2008年にTIME誌の「年間最優秀発明」に選ばれている。同社は以前にも規制のハードルに遭遇しており、ニューヨークとカリフォルニアの州当局は、認可制度を理由にテストを禁止しようと試みたが、後に23andMeは認可を取得しサービスを継続した。

かつて23andMeは、キットの承認を得ようとFDAに申請したことがある。しかしFDAは、以前両者で確認されていた問題が解決されていなかったと語った。本件に関する既得権にまつわる不安もある。米国最大の保険会社は、2012年に23andMeのテストを強く非難した。23andMeは、巨大かつ利益を生む市場を開拓したため、金の行き先について保険会社が口を挟みたくなる理由は十分にある。

本誌は23andMeにコメントを求めており、情報が入り次第隊報続報する。

アップデート ― 23andMeから以下の声明が届いた。

当社はFDAから警告文書を受け取った。申請に関する時期と連絡について、当社がFDAの要望を満たしていなかったと認識している。FDAとの関係は当社にとって極めて重要であり、同局の指摘への取り組みに最大限の努力を投じることを約束する。

写真提供:flickr user lovemypit

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、ウェブ版でもフラットデザインのUIを試行中

Twitterが新しいウェブサイトデザインを試しているようだ。より明るい感じで、最近モバイル環境で流行するフラットなデザインを意識しているようだ。下に掲載したスクリーンショットはチェコのスタートアップであるReservioのファウンダーであるBoris Bošiakが送ってくれたものだ。新たなデザインを試すための少人数グループに選ばれたというわけだ。

スクリーンショットを見てわかるように、配置などが大きく変更になっているわけではない。ただ、ページ上に配置されているそれぞれの要素の見た目が変更になっている感じだ。現行版には存在するドロップシャドーのグラデーションをなくし、トップにあるナビゲーションバーなども暗めの色調であるのを明るい色に変更している。

このデザインは現在のものよりも整理されていて、モダンな印象を与えるものであると感じる。また、重要そうに見える変更点もある。たとえばTwitterのロゴがより目立つようになっているのだ。位置的には現在もやはりトップバーの中央部に存在する。しかし配色が変更されて、一層目立つようになっているのだ(現行デザインでは濃いグレイの上に濃いグレイで描かれている)。

また、ツイート編集画面はメインのフィード画面の上に重ねて表示されるようになっている。これは以前のUIに戻った感じだ。ちなみに現行版でも右上のツイートボタンをクリックすれば、やはりツイートウィンドウはフィード画面の上に表示されるようになっている。要するに、新たなテスト画面では、左上のツイート用ボックスがなくなっているのだ。

そして、もしかするとこれが一番の注目ポイントかも知れないが、ダイレクトメッセージのアイコンに変更が加えられている。これまでの封筒アイコンが、封筒とスピーチバルーンの融合スタイルに変更されているのだ。モバイルアプリケーション上で実験的に行っているように、よりメッセージングに力を入れていこうとするアイデアの現れと見ることもできよう。

モバイル版で行われている実験と同様に、ここに掲載したデスクトップUIはごく限られた人に対してのみ表示されるものだ。しかしなかなか良く出来ているように思えるので、できることなら範囲を広げて試してみてもらいたいものだと思う。Twitterにも、これは広く公開するに値するデザインであると思う旨は伝えてある。何か新しい情報がはいればお伝えしていこうと思う。

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(翻訳:Maeda, H


GoogleのAndroidチームが世界各国へ市場調査の一斉出張旅行–日本ではiOSに大差をつけられない理由をさぐる

Googleは、Android 4.4によるユーザベースの拡大を、単なる山勘でねらっているのではない。本誌が得た情報によると、この巨大インターネット企業は複数のAndroidスタッフ部隊を世界各国に送り出し、同社のモバイルOSがさまざまな市場で実際にどう使われているかを、知ろうとしている。本誌情報筋によると、この‘情報収集派兵’はとくに日本を重視しているが、ほかに、中国やインド、スペインなど多くの市場にも出撃し、とくに、低価格機が売れ筋の中心である市場を調べたいようだ。

以下、本誌情報筋によると、彼らの出張旅行の目的は、“人びとがAndroidをどのように利用しているか”を知ることだ。それは、まだ成長余地の大きい市場でAndroidをより大きく成功させるための、計画的な一斉行動のようである。たとえば日本では、Kantar Worldpanelの最新の数字によると、AndroidはiOSをかろうじて上回っている程度だ。そのほかの市場では、AndroidはiOSとそれほど僅差の競り合いを演じてはいない。

Googleはまた、今後の成長市場の中でもとくに、まだフィーチャーフォンのユーザが多い市場に対する、戦略を一新しようとしている。たとえばMoto Gは明らかに、スマートフォンは初めてというユーザを釣り上げるための機種であり、ストレージ8GB、数々のオマケ機能を付けた同機を、契約ユーザに179ドルで売っている。Moto Gのデザインは、Motorolaによると、Androidスマートフォンユーザになりそうな人15000名からの意見要望等に基づいている。このこともまた、これらの市場でGoogleが現地調査を重視していることの表れだ。

Googleはたしかに現在、モバイルに注力しているが、Moto GとAndroid 4.4 KitKatはどちらも、Googleが富裕な合衆国市場以外の市場に着目していることの、明らかな証拠だ。ローカライゼーション(各国各言語対応化)と、ユニークな機能やインタフェイスでそれぞれの市場特性に合わせる努力、Androidは本質的に構成の柔軟性が大きいから、Googleはこの努力を競合他社に比べて比較的容易にできる。これらの市場の生々しい実態と、Androidの次の10億人のユーザのニーズを、ほかならぬ同社Androidチームの人たちがじかに確実に知ることを通じて、Googleはこれまでを上回る、きわめて積極的で前向きなモバイル戦略を展開しようとしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleが「中つ国」を再現―映画「ホビット 竜に奪われた王国」の世界をChromeブラウザで探検できる

今日(米国時間11/20)、GoogleはChromeでHobbit 中つ国の旅という野心的な実験を始めた。The Hobbit: The Desolation of Smaugと提携して、ロード・オブ・ザ・リングの世界観のベースとなったトールキン自身が手描きした地図(原作に掲載されている)によって「中つ国」を詳細に再現したのだ。ガイドツアーが用意され、人間、エルフ、トロル、魔法使、その他のクリーチャーが総登場する。

静かな(おそらく)エルフのBGMが流れる中、「中つ国」の3Dマップが表示されて冒険は幕を開く。地図は雲の流れる高さの少し上からの鳥瞰図だ。現在地上を探検できるのは「トロールの森」など3地点だが、近くさらに3地点が追加される。クリックしてズームインすると、その場所の由来、重要性、住民などの情報を見ることができる。情報は3D表現の画像、ナレーション、字幕を組み合わせて表現される(日本語版あり)。レンダリングはすべてCSS3とWebGLで実行されており、このテクノロジーの特長としてAndroid版のChromeでも作動する。技術的詳細に関心があれば、こちらの開発情報を参照

もちろん、このプロジェクトは12月〔日本では2014年2月28日〕に公開予定の映画、ホビット 竜に奪われた王国のプロモーションだが、同時に最新のウェブ・テクノロジーのクールなデモでもある。現在のブラウザーがいかに強力になった(特にモバイル版で)かがよく分かる。ともかくトールキン・ファンなら大いに楽しめるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+