MITがバッテリー無しでデータを送信できる水中センサーを開発

MITは、バッテリー不要でほとんど電力を必要としない水中センサーと通信システムを作った。これは水中「モノのインターネット」の実現に寄与するものであり、海水温度や水中生物のリアルタイムモニタリングが、電池交換の必要なく可能になるとMITは言っている。もしそれが可能になれば、遠い惑星の海中に水中センサーのネットワークを張り巡らすこともできるかもしれない。

MITの研究チームが開発した同システムは、水中に向けて音波を送信する発振器を使用し、それをセンサーシステムに内蔵された受信機が受けとると微小なエネルギーが発生する。センサーはそのエネルギーを使って返信する、あるいは返信しない。それが1または0の信号になり、バイナリー通信ができる。システムが動作するために必要なエネルギーは、発振器から送られる音波に含まれる力だけだ。

このシステムが発見されたきっかけは、少々意外なものだった。MITメディアラボのFadel Adib(ファデル・アディブ)准教授は共同研究者のひとりと一緒に自然ドキュメンタリーシリーズの「Blue Planet」を観ていたとき、地球の海には研究されていない部分が沢山あることを知り、同時に、それを解決するためには海洋汚染の元になるバッテリー電源センサーは使えないと考えた。

要するにこのシステムは、ピエゾ電気共振器という100年以上前からマイクロフォンなどに使われている装置を使って、音波を受けるとそれに反応して変形するか、波形を維持して反射するかを、対応するセンサーの状態に応じて決定する。そうやって返信されたバイナリー信号を収集し解析する。

研究チームの次の目標は、これが長距離でも動作し、他のセンサーと協調して同時に通信可能であると示すことだ。究極的には、音声や低解像度の画像も送信できる可能性があり、そうなれば遠隔監視システムにとって画期的な進歩になる。それは人類が未知の世界の科学研究や調査を行う上で特に重要だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASAが木星の衛星エウロパの「氷の海」探査ミッションを正式発表

NASAは、木星の衛星エウロパの探索ミッションを実施することを正式に発表した。同ミッションは2017年からNASAが実現方法を探求していたが、このほど計画の詳細を設計するは運びとなり、実際に使用する宇宙船および搭載する科学実験装置などの製造へと進む。

エウロパ・クリッパーと呼ばれる探査計画のゴールは、木星を周回する氷で覆われたこの衛星の気候下で生命の維持が可能であるか、居住、植民が可能であるかどうかを調べることだ。加えて、人間が接近して直接探査することで、エウロパをもっとよく知ることができることは間違いない。

エウロパは巨大ガス惑星である木星の知られている衛星79個のひとつで、太陽系全体で6番目に大きい衛星だ。われらが地球の月よりわずかに小さく、主に氷からなる地殻を持つ。その氷の地殻の下には海があると信じている科学者もおり、もしそんな海が存在するのであれば、太陽系の中でも生命が存在する可能性の高い場所になる。

NASAの同ミッションの目標は、早ければ2023年までに打ち上げることだが、そのためには大型打ち上げシステム(SLS)が完成している必要がある。延長された計画では2025年までの打ち上げを見込んでおり、現在のさまざまな状況を踏まえるとその方が現実的だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SonosのBluetooth対応バッテリー駆動スピーカーが公式発表前にリーク

Sonos(ソノス)は今月末に、何らかの新製品を発表するイベントを開催することになっている。しかし、そのイベントのハイライトだと思われるものが、リークによって暴露されてしまった。Bluetoothスピーカーの新製品だ。ポータブルとしても使えるよう、バッテリーも内蔵している。

そのスピーカーについて最初にリークされたのは、今月初めだった。デイブ・ザッツ(Dave Zatz)氏が、いかにも公式っぽく見える写真を公開したのに加え、The Vergeは、BluetoothとWi-Fiモードを切り替えるためのトグルスイッチ、充電用のUSB-Cポートなどの写真や、だいたいの寸法を示す数字をレポートした。それによると、現在のSonos Oneよりも、若干大きめとなるようだ。

画像ソース:WinFuture

そして、WinFutureからの新たなリークにより、公式っぽく見える別の写真も公開されている。充電用のスタンドともなるドックと思われるものに接続した写真も含まれる。そのサイトは、新しいスピーカーはSonos Moveという名前になるだろうとも表明している。あちこち持ち運んで使っても、すべての機能を維持できるポータブル型であることを考えると、十分うなずける話だ。

画像ソース:WinFuture

これまでのリークによって明らかになったことをまとめると、以下のようになる。

  • Wi-Fi(他のSonosスピーカーと同様、Sonosネットワークで動作する)またはBluetooth(デバイスとの直接ペアリングが可能)経由でストリーミング再生が可能。Bluetooth LEによってセットアップも容易
  • 電源用のUSB-Cポートと通信用のイーサネットポートを備える
  • Sonos Oneにも似たデザインだが、角はより丸まっていて、幅は広く、背も高い(内蔵バッテリーの容積確保のためか)
  • 背面にハンドルを内蔵して持ち運びがしやすい
  • ドッキングして充電するため底部に電極がある(USB-C接続でも充電可)
  • AlexaとGoogle Assistantをサポートしマイクも内蔵(Bluetoothモードではどちらも利用不可)
  • AirPlay 2もサポート
  • 内蔵マイクを利用してユーザーの居場所に合わせたスピーカー音声の自動調整を実現するAuto Trueplay機能をサポート

公式には、発売時期や価格などは、まだ何も発表されていない。しかし、8月末に公式発表があれば、この秋ごろには市場に登場することが期待できそうだ。

画像クレジット:WinFuture

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

米空軍の衛星打上選定はフェーズ2に、SpaceXがULAに先行

米国空軍は2022年から 2026年にかけて打ち上げられる安全保障用衛星の打ち上げ企業2社を選定する作業を進めている。現在この調達プロセスは「フェーズ2」に入り、SpaceX、Blue Origin、ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)など米国を代表する民間宇宙企業のすべてが入札への参加を表明している。

この中で、Blue OriginとNorthrop Grummanは政府の衛星打上事業の分野では新顔だ。ロッキード・マーティンとボーイングの合弁事業であるULAと、イーロン・マスクのSpaceXは民間宇宙企業のトップであるだけでなく、安全保障衛星の打ち上げでも実績を積んでいる。両者を比べるとわずかだがSpaceXはULAに先行している。SpaceXのFalconが多数の衛星打上に成功している既存のロケットシステムであるのに対して、ULAが提案しているVulcan Centaurはまったく新しいシステムでそれぞれの打ち上げにテーラーメイドで対応できるが、認定も受けておらず打上実績がない。他社のシステムも認定を受ける段階に来ていない。

我々の取材に対し、SpaceXの社長で最高業務責任者(COO)であるGwynne Shotwell(グウェイン・ショットウェル)氏はメールで次のようにコメントしている。

SpaceX は衛星打上能力を長期的に提供するという点で空軍の期待に十分応えられると信じている。SpaceXのシステムはすでに認定を受け、現に稼働中のシステムであり、国家安全保障上必要とされるあらゆるミッションに対応した衛星打上が可能だ。

SpaceXは、Falconロケットが現在米空軍の衛星を打ち上げていることをライバルに対する優位性を確保するカギと見ている。同社は「(SpaceXを選定することが)米政府にとって打上の成功、コストなどを総合して最小のリスクとなる」と説明している。

米空軍が選定作業を完了し、2社を選定するのは2020年中の予定だ。

画像:Public Domain

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Postmatesがサンフランシスコでのオンデマンド配達試験の許可を取得

Postmates(ポストメイツ)は、車輪で動く配達ロボット「Serve」をサンフランシスコで試験展開する許可を当局から得た。最初にSF Chronicleが報じ、この報道を受けてTechCrunchがPostmatesに確認した。このオンデマンド配達の会社は先週、TechCrunchに対し条件付承認のすぐ後に許可が降りるだろうと語っていて、それが8月14日に実現した格好だ。

今回の許可は、サンフランシスコ市全域をカバーするものではなく、ポトレロ・ヒルとイナー・ミッション周辺の一部に限定されている。しかしPostmatesが一度に最大3台のロボットを最速時速4.8kmでテスト開始するのを許可する見通しだ。このロボットによる配達は平日の午前8時から午後6時半に限定され、運行中はロボットから9.1m内で人間が付き添わなければならない。それでも、サービス開始は開始であり、しかも他企業の初期パイロット事業ではあまり協力的でなかった当局からの許可だ。

自動配達ロボット企業のMarbleもまた許可待ちで、センサーを搭載した4輪で動く配達ロボットをサンフランシスコ市内でテストする予定だ。Postmatesと同様のテスト許可が間もなく下りる見通しとなっている。

Postmatesは昨年12月に、全体的に擬人的デザインのServeを発表した。他の多くの短距離配達ロボットと同様に、鍵のかかる荷物入れとスクリーンベースのユーザーインターフェースを搭載している。自動配達ロボットの分野における競争は激しくなるばかりで、Starship TechnologiesやAmazon、その他多くがすでに参入している。

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(翻訳:Mizoguchi)

ソフトバンクが従業員に新ファンド出資資金2兆円超を融資へ

ソフトバンクは、同社のビジョンファンドに再投資するための資金最大200億ドル(約2兆2000億円)を、CEOの孫正義氏を含む従業員に貸し出す計画だ。Wall Street Journal(WSJ)の最新記事が伝えた。

これは、ソフトバンクグループが全社を挙げてスタートアップ投資に賭ける高リスクで異例な行動だが、先ごろ同社が発表したビジョンファンド2号の目標額1080億ドルの約5分の1を、安定した投資家層から集められる可能性があるのは利点と言えるだろう。

ソフトバンクは先月ビジョンファンド2号の計画を発表し、同社自身が380億ドルを出資するほか、Apple、Microsoftらも参加を約束している。同社は初期のビジョンファンドでも同様のアプローチをとっており、調達金額1000億ドルのうち80億ドルを、融資を受けた従業員による出資で賄っている。

潜在的な見返りは大きい。同ファンドから本物の勝者が生まれて大きなリターンが得られれば、従業員は当初の融資を返済したうえで利益を手にすることができる。

ただし、当然リスクはある。現在の世界経済状況を考えればおさらだ。WSJによると、ビジョンファンド1号が購入したUber株の価値は、ソフトバンクが当初支払った金額を下回っており、ソフトバンクが賭けているWeWorkも、IPO後の投資家の利益は期待できそうにないという。

関連記事:ソフトバンクがマイクロソフトにビジョンファンド2号に参加を呼びかけ

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASAとSpaceXが宇宙飛行士回収船を使ったクルードラゴンの脱出リハーサル

NASAとSpaceXは、SpaceXの海上輸送船GO Searcherでの緊急脱出難訓練を行い、SpaceXがNASAのために実施する最終的な有人ミッションへの共同準備を継続している。この船は、実際のミッションシナリオで宇宙船と宇宙飛行士を回収するために使用することを目的としたものである。そして今週実施されるリハーサルは、実際の有人SpaceXミッションに先立ち準備を万全に整えるために重要なものだ。

NASAとSpaceXのミッションチーム全員が揃って最初から最後まで行われた最終リハーサルの写真には、SpaceXの新しいクルースーツに身を包んだNASAの宇宙飛行士のDoug Hurley(ダグ・ハーレイ)氏とBob Behnken(ボブ・ベンケン)氏や、帰還したクルードラゴン宇宙船から脱出する必要が生じたときの模擬状況、そしてGO Searcherからケープカナベラル空軍基地へリコプターで移送する様子などが写されている。

誰の目から見ても、このリハーサルは成功であり、NASAならびにSpaceXの双方に満足できる結果を残したようだ。NASAによってリリースされた、リハーサルの様子を以下のスライドでチェックして欲しい。

  1. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    A quick moving storm passes as teams from NASA and SpaceX practice procedures for medical emergency evacuation onboard the GO Searcher ship, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  2. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    A quick moving storm passes as teams from NASA and SpaceX practice procedures for medical emergency evacuation onboard the GO Searcher ship, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  3. SpaceX Dragon Crew Extraction Rehearsal

    Teams from NASA and SpaceX gather at the Trident Basin in Cape Canaveral, Florida, on August 13, 2019 to rehearse extracting astronauts from SpaceX’s Crew Dragon, which will be used to carry humans to the International Space Station. Using the Go Searcher ship SpaceX uses to recover their spacecraft after splashdown and a mock-up of the Crew Dragon, the teams worked through the steps necessary to get NASA astronauts Doug Hurley and Bob Behnken out of the Dragon and back to dry land. Hurley and Behnken will fly to the space station aboard the Crew Dragon for the SpaceX Demo-2 mission. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  4. SpaceX Dragon Crew Extraction Rehearsal

    NASA astronauts Bob Behnken, left, and Doug Hurley board the SpaceX GO Searcher ship at the Trident Basin in Cape Canaveral, Florida, on August 13, 2019 to rehearse extracting astronauts from SpaceX’s Crew Dragon, which will be used to carry humans to the International Space Station. Using the Go Searcher ship SpaceX uses to recover their spacecraft after splashdown and a mock-up of the Crew Dragon, the teams worked through the steps necessary to get NASA astronauts Doug Hurley and Bob Behnken out of the Dragon and back to dry land. Hurley and Behnken will fly to the space station aboard the Crew Dragon for the SpaceX Demo-2 mission. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  5. SpaceX Dragon Crew Extraction Rehearsal

    NASA astronauts Doug Hurley, left, and Bob Behnken work with teams from NASA and SpaceX to rehearse crew extraction from SpaceX’s Crew Dragon, which will be used to carry humans to the International Space Station, on August 13, 2019 at the Trident Basin in Cape Canaveral, Florida. Using the Go Searcher ship SpaceX uses to recover their spacecraft after splashdown and a mock-up of the Crew Dragon, the teams worked through the steps necessary to get NASA astronauts Doug Hurley and Bob Behnken out of the Dragon and back to dry land. Hurley and Behnken will fly to the space station aboard the Crew Dragon for the SpaceX Demo-2 mission. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  6. SpaceX Dragon Crew Extraction Rehearsal

    NASA astronauts Doug Hurley, left, and Bob Behnken work with teams from NASA and SpaceX to rehearse crew extraction from SpaceX’s Crew Dragon, which will be used to carry humans to the International Space Station, on August 13, 2019 at the Trident Basin in Cape Canaveral, Florida. Using the Go Searcher ship SpaceX uses to recover their spacecraft after splashdown and a mock-up of the Crew Dragon, the teams worked through the steps necessary to get NASA astronauts Doug Hurley and Bob Behnken out of the Dragon and back to dry land. Hurley and Behnken will fly to the space station aboard the Crew Dragon for the SpaceX Demo-2 mission. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  7. SpaceX Dragon Crew Extraction Rehearsal

    NASA astronaut Doug Hurley, along with teams from NASA and SpaceX, rehearse crew extraction from SpaceX’s Crew Dragon, which will be used to carry humans to the International Space Station, on August 13, 2019 at the Trident Basin in Cape Canaveral, Florida. Using the Go Searcher ship SpaceX uses to recover their spacecraft after splashdown and a mock-up of the Crew Dragon, the teams worked through the steps necessary to get NASA astronauts Doug Hurley and Bob Behnken out of the Dragon and back to dry land. Hurley and Behnken will fly to the space station aboard the Crew Dragon for the SpaceX Demo-2 mission. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  8. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    Teams from NASA and SpaceX practice procedures for medical emergency evacuation onboard the GO Searcher ship, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  9. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    A helicopter equipped for air medical operations lands on the GO Searcher ship as teams from NASA and SpaceX practice procedures for medical emergency evacuation, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  10. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    Teams from NASA and SpaceX practice procedures for medical emergency evacuation onboard the GO Searcher ship, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  11. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    A helicopter equipped for air medical operations takes off from the GO Searcher ship as teams from NASA and SpaceX practice procedures for medical emergency evacuation, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  12. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    Teams from NASA and SpaceX practice procedures for medical emergency evacuation onboard the GO Searcher ship, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  13. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    The GO Searcher ship is seen from a helicopter during practice for a medical emergency evacuation, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. Teams from NASA and SpaceX gathered to refine procedures for emergency situations. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  14. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    The GO Searcher ship is seen from a helicopter during practice for a medical emergency evacuation, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. Teams from NASA and SpaceX gathered to refine procedures for emergency situations. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)
  15. SpaceX Dragon Crew Emergency Evacuation Rehearsal

    Teams from NASA and SpaceX practice medical emergency evacuations from the GO Searcher ship via helicopter, Friday, August 15, 2019 in the Atlantic Ocean off the coast of Cape Canaveral, Florida. The teams gathered to refine procedures for emergency situations. SpaceX will use the GO Searcher ship during the Demo-2 mission to recover NASA astronauts returning from the International Space Station in their Crew Dragon spacecraft. Photo Credit: (NASA/Bill Ingalls)

SpaceXとNASAは、クルードラゴンを使った最初の実際の有人飛行の発射を行うという目標に向けて働き続けているものの、4月の静的試験噴射の際に起きたクルードラゴン試験機の爆発などによって、その目標の達成が難しいかもしれない状況へ後退を余儀なくされている。

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(翻訳:sako)

Ikeaがスマートホーム技術に本腰、専門部門を新設

Ikeaのスマートホームへの投資はこれまでも賢いものだったが、散発的だった。そして今回、このスウェーデン拠点の家具ブランドは専門の部門を新設することでスマートホームに賭けようとしている。

同社の取り組みは2012年にスタートし、ワイヤレス充電とスマート照明にフォーカスしていた。以来、ワイヤレス充電を搭載した家具や、照明とチャージャーのコンボなどを手がけ、Sonosと提携してワイヤレススマートスピーカーのラインアップとしてSymfoniskをプロデュースした。

Ikeaはまた、未来のスマートホーム製品のハブになるという野望も抱いている。これはハードウェアという観点からだけではなく、同社のHomeスマートアプリという点においてもだ。このアプリは接続する電球のTradfriラインアップにフォーカスしていたものから6月に名称変更された。Symfonisk発売のとき、Ikeaは顧客向けにホームコントロールのためのハブとしてのHomeスマートアプリについて大きな野望を持っていると語っていた。

IKEAで我々は今後も多くの人に、家庭でのより良い暮らしのためのプロダクトを提供し続けたい。これを実現するために、従来の家具を超えたプロダクトやソリューションを模索する必要がある」とIKEAの新Home smart事業部門のトップであるBjörn Block氏はプレスリリースで述べている。

Ikeaはまた、この部門設置を子供向けのラインアップ以来、すべての事業とブランドにおける最大かつ新たな注力部門と位置付けている。

SymfoniskラインアップをプロデュースしたSonosとIkeaの提携は長期的なもので、両社とも今後新たな製品を展開するとしている。しかし、Ikeaはスマートホームの技術を全部門への開拓を検討しているようなので、さらなる提携や製品カテゴリーの追加が予想される。

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(翻訳:Mizoguchi)

次期Apple Watchにはセラミック製とチタン製か

Apple(アップル)は次期Apple Watch(アップルウォッチ)で、新材料となるチタンとセラミックをケース素材に使用するかもしれない。この情報は最新のwatchOSベータ版に基づくもので、ブラジルのサイトiHelp.br9to5Mac経由)が発見して報じた。ベータ版で明らかになった新たなスクリーンでは、セットアップでのApple Watchペアリングに使われるグラフィックが示されていて、そこにはモデルサイズの識別情報とともに“チタンケース”と“セラミックケース”と表示されている。

Appleは以前、シリーズ 2とシリーズ 3のモデルでセラミックのApple Watchをプレミアム価格で、そして黒と白のケースのオプションで提供していた。チタンはこれまでに使用していないが、この軽くて丈夫な金属は従来の時計メーカーの間では人気だ。というのもチタンは時計のケースの重量を大幅に抑えられ、それでいてプレミアムな外観と感触があるからだ。

昨年のApple Watchシリーズ4では2015年の投入以来、ボディデザインにおいて初の大きな変更があったにで、今年再び大きな変更をするというのはあまり考えられない。新たなデザインではケースが大きくなり(40mmと44mmで、旧世代では38mmと42mmだった)、そしてディスプレイの角が丸くなって、ベゼルもスリムになっている。

新しい材料のものを提供するというのは、Appleにとってはプロセッサーや部品に改良を加えつつ、著しく新たな外観の新ハードウェアを提供する手段となる。Appleはこれらをステンレス製とアルミ製のモデルとともに展開することが予想され、おそらく今秋にもリリースされる。もちろん、この新素材モデルは高価格になるだろう。

シリーズ4のApple Watchはパフォーマンス面で大きな改善が図られ、ECG(心電図記録機能)などの機能が加わった。しかしながら、Appleがより高機能なプロセッサーを採用してwatchOSをiPhoneから独立したものに改良しつつあることから、目を引く新たなルックスというのはAppleがシリーズ5で想定していることではないと考えられる。

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(翻訳:Mizoguchi)

キティ・ホークの一人乗り垂直離着陸飛行機が2万5000回以上の飛行に成功

空飛ぶクルマ、あるいは機能的に同等なものは、ますます現実に近づいている。そしてスタートアップのKitty Hawk(キティ・ホーク)は、それが事実であることを私達に教えてくれる。Google(グーグル)の自動運転車の先駆者であるSebastian Thrun(セバスチャン・スラン)氏が率いる同社は、初の一人乗り航空機「Flyer」を2万5000回以上飛行させた。これには、飛行するオートバイやATVに似たプロトタイプ機による飛行や、現在のより洗礼されたコックピットを備えたデザインのものが含まれる。

Flyerは現在、Kitty Hawkが市場に提供しようとしている2機の航空機のうちの1機であり、その他にもボーイングと共同で開発した2人乗りの自律飛行タクシー 「Cora」 が存在する。Flyerは主にレクリエーション用に設計された一人乗りの航空機で、Kitty Hawkによれば初めての人でも15分で操縦できるように設計されている。同社は現在、コミュニティにて航空機を展開するパートナーを募集しており、旅行用途やリゾート地での導入が想定されている

価格や発売時期についての情報はまだないが、富裕層向けに限定されたFounder Seriesの予約注文がスタートした。この航空機はフロートを備え水上で運用されるように設計されており、垂直離着陸能力(VTOL)を備え、水面から3〜10フィート(0.9〜3m)の高さで飛行することができる。

個人的には、バケーションの乗り物としてはパラグライダーやジェットスキーを選ぶだろう。だが、FlyerやKitty Hawkが商用化への道筋を早く見つけることを願っている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Spotifyが一部地域でプレミアムサービスの値上げをテストとの報道

Bloomberg(ブルームバーグ)の報道によると、Spotify(スポティファイ)は北欧地域の一部にてファミリープランの料金を13%値上げする計画だという。この値上げは、同社のサービス料金を世界的に引き上げられるかどうかを判断するための限定的なテストとなる。限定的なテストの結果次第では、値上げが固定化されたり、他地域に反映されることもないとしている。

Spotifyは音楽ストリーミング業界で最大のユーザーを抱えているにもかかわらず、同社は一貫して赤字となっている。同社が上場を続けて収益性を改善するためには、これはより重要な事案となる。

ビデオストリーミング業界に目を向けると、Netflixは成長と売上向上のために何年にもわたり値上げを続け、そして顧客を維持してきた。しかしNetflixはマーケットでユニークな存在で、また従来のケーブルテレビや衛星テレビの契約よりはずっと廉価だ。

Spotifyはまったく異なる環境で事業を進めており、Apple(アップル)、Google(グーグル)、Amazon(アマゾン)らが非常によく似た競合サービスを提供しているが、これらのサービスはすべて独自に収益を上げるためではなく、他の事業を補完するものなのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Oruの新しい折り畳みカヤックは2分で組み立てられる

米国カリフォリニアに拠点を置くOruは、折り紙にインスピレーションを得てつくった折り畳み可能なカヤックで確固たるブランドを築いた。そして今度は最軽量で最もポータブルなタイプを展開しようと、このほどKickstarterプロジェクトを立ち上げた。新モデルのInletは驚くことに折り畳むとスーツケースのサイズになり、重量は20ポンド(約9kg)以下だ。広げて水の上に浮かべるまでにわずか2分しかかからない。

Oruによると、たとえ初めて扱う人でも、あるいは特に手が器用でなくても、遅くとも5分でセットアップできる。私自身の体験からいうと、5分というのは他のモデルに比べてずいぶん早い。だからといって、他のモデルが良くないというわけではなく、従来モデルも持ち運ぶときにはラッゲージほどのサイズになり、丈夫で、楽しめるカヤックが10分もかからずに出来上がる。しかしInletのこうしたプロセスは完全に上をいっている。都市部周辺で素早くカヤックをするのに理想的なものだろう。

カヤックそのものの長さは10フィート(約3m)と短い部類に入るが、レクレーション用としては一般的なサイズだ。広くてオープンなコックピットデザインにフロアボードを搭載していて、調整可能なフットレスト、背もたれ、水上でもカヤックを丈夫に保つバルクヘッドを備える。全てのOruカヤックに共通することだが、波型のプラスティックでできていて、このためかなり頑丈で(私のOruカヤックはすでに数年の使用に耐えている)、そして超軽量だ。

折り畳むとInletは高さ19インチ(約48cm)、長さ42インチ(約106cm)、幅10インチ(約25cm)になる。これは長めのダッフルバッグほどのサイズで、車のトランクに押し込んだり、コンドのクローゼットや荷物置きロッカーに収納できる小ささだ。組み立てのプロセスは3ステップで、特別なツールを必要としない。なので、都会住まいのミニマリストな冒険家にとっては理想のものとなる。持ち運びしやすいよう、Oruの4ピースでできているポータブルパドルは折りたたんだInletの中に収納できる。

結局のところ、InletはOruをスタートアップとして、そしてインディボートメーカーとして成功に導いたすべての要素と、週末だけカヤックを楽しむ人やドタバタとした準備をすることなく水上の冒険をしたいという人にぴったりの手軽さを併せ持っているようだ。

クラウドファンディングキャンペーンはすでに目標額を達成している。Oruは商品を継続的に出荷できる能力をすでに証明しているので、Inletは期日どおりに出荷されるだろう。現在のところ配達時期は2020年5月となっていて、Kickstarterでの最安値(出資)は749ドル(約7万9500円)だ。アクセサリーつきのパッケージや、複数のカヤックを同時購入できるパッケージも用意されている。

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(翻訳:Mizoguchi)

自分で組み立てて遊ぶポータブルゲーム機「ClockworkPi GameShell」

ポータブルゲーム機自体は新しいものではないが、Switchのおかげもあって、普通に世界で最も人気のあるゲーム用デバイスとなった。しかし、ClockworkPiのGameShellは、かなりユニークなタイプの製品であり、また出先でゲームをしてみたいという気持ちを思い起こさせてくれるものとなっている。このよくできたDIYの組み立てキットには、自宅で自分専用のポケットゲーム機を組み立てるのに必要なものがすべて揃っている。カスタマイズも可能なオープンソースのハードウェアデザインを採用し、その上でLinuxベースのオープンソースソフトウェアを走らせる。

GameShellは、Kickstarterキャンペーンの成功例の1つだ。昨年に支援者への出荷を開始した。現在は同社から直接、またはAmazonから購入できる。価格は159.99ドル(約1万6980円)だが、この記事を執筆している時点では、セール中で139.99ドル(約1万4860円)で購入できる(日本のアマゾンでは、現在1万3500円だ)。その価格には、Wi-Fi、Bluetooth、1GBのDDR3メモリを含むクアッドコアのCortex A7マザーボードをはじめとして、ゲーム機を組み立てるのに必要なものすべてが含まれている。それが未組立の状態で出荷される。

ハンダごては必要ない。基板にはすべての部品が取り付け済となっている。ディスプレイパネル、キーパッド、CPU、バッテリー、スピーカーモジュールを組み立て、付属のケーブルで接続する。あとは、それらをGameBoyに似た、スリムなプラスチックケースに組み込むだけでいい。というと、メカや電気に詳しくない人は、ちょっと気が引けるかもしれない。私自身、すべての箱を開けて、部品を全部目の前に並べてみたときには、ちょっと心配になった。

しかし、付属の説明書は、Lego(レゴ)やIkea(イケア)のものと同じようにイラストだけで、かなり簡単に手順を追うことができる。また初心者にも分かりやすいようにタスクを細かく分割しているので、とまどうことはない。なんだかんだで、私は1時間もかからずに組み立てることができた。このゲーム機にファンクションキーを追加するLightkey部分を組み立てる際に、プラスチックのバリを取り除く必要があって、ちょっとやっかいだったが、手に負えないと感じたり、難し過ぎると思ったことはまったくなかった。以下の早送りビデオは、組み立てを始めてから完了するまで、全行程を含んでいる。

組み立てが完了すると、完璧に機能するポータブルゲーム機を手にすることができる。ClockworkPiが自ら開発したLinuxベースのオープンソースOS、Clockwork OSが実行できるのだ。その中には、過去数十年でもっとも名の知られたインディーゲームの1つ、Cave Storyのほか、何種類かのエミュレーターが内蔵されている。エミュレーターを利用することは、倫理的にも法律的にもグレーの領域に踏み込むことになるが、ユーザーがすでに所有しているファミコンや、スーファミのゲームを、手軽に持ち運んで簡単にプレイすることを可能にしてくれる。

GameShellの周囲には、非常に活発なコミュニティがあり、このゲーム機用に何本かのインディーゲームを提供している。また、既存のゲームをこの機種用に変更したり、最適な方法で使えるようにするためのヒントやツボを公開してくれている。さらにGameShellは、STEM教育用のリソースとして利用することも考えて設計されている。子どもたちが日常的に使っている電子機器のフロントパネルの裏で、実際に何が起こっているのかを見てみるのに最適というだけでなく、本機の上で動作するソフトウェアのコーディングに手を出すことも可能なのだ。独自のソフトウェアをロードするのも簡単だ。付属のmicroSDストレージカード、またはWi-Fiを介して、Windowsマシン、またはMacから手軽に転送できる。

  1. GameShell-Clockwork-Pi-7

  2. GameShell-Clockwork-Pi-1

  3. GameShell-Clockwork-Pi-2

  4. GameShell-Clockwork-Pi-3 (1)

  5. GameShell-Clockwork-Pi-4

  6. GameShell-Clockwork-Pi-5

  7. GameShell-Clockwork-Pi-6 (1)

GameShellでは、すべての部分をプログラムすることができる。また、マイクロHDMIのビデオ出力、音楽プレーヤー機能、ヘッドフォン接続用のBluetoothも標準的にサポートしている。技術的なスキルがほとんどない人でも、それなりに楽しむことができ、より深く探求して可能性を追求したい人にとっては、無限に拡張したり、ハックすることが可能となっている。

前面パネルとバックパネルが交換可能な構造となっているだけでなく、そうした部品の3Dモデルも公開されている。それにより、コミュニティの手でハードウェア的な機能拡張を開発したり、改造したりすることも十分に可能となる。このデバイス自体がモジュール式となっているため、将来的にはより大容量のバッテリーモジュールを採用したり、より高性能なメイン基板に交換したり、といったパワーアップも可能となるかもしれない。

GameShellのようなデバイスは、以前にもあったことはあったが、これほどのアクセス性の高さと、高性能、カスタマイズの可能性を兼ね備えていたものは、ほとんどなかった。GameShellは高速で、優れたサウンドと卓越したディスプレイを備えており、耐久性も高そうに見える。バッテリー寿命は、Wi-Fiの使用状況や画面の明るさなどによっても異なるが、連続使用で3時間前後、あるいはもうちょっと長く使えそうだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

任天堂はSwitch用のスーパーファミコンコントローラーをリリースか

任天堂はNintendo Switch用のSNES(スーパーファミコン)ワイヤレスコントローラーをリリースするようだ。ということは、SNESの昔のタイトルが仮想ゲームライブラリであるNintendo Switch Onlineにやってくるのだ。

あの目ざといEurogamerが見つけたFCCへの提出文書には、スーパーファミコンのワイヤレスコントローラー以外の何物でもないと思われるデバイスの背面図があって図表まで載っている。

その図表に載っている「HAC」という型式は、Switch用のアクセサリーを指している。そして歴史が示すところによれば、Switch用にこんなレトロなハードウェアが登場したことは、昔のゲームが戻ってくるということだ。任天堂は9月にSwitch用のNES(初代ファミコン)コントローラーをローンチしたが、それと一緒にNintendo Switch Onlineには会員が無料で遊べるNESのゲームが登場した。

FCCの提出書類は任天堂が何かをリリースする証拠だが、あとは推測ばかりで公式発表は何もない。しかし特にSNESのゲームの再来は、過去にWiiバーチャルコンソールでもやったことだから、Switchにもやってくることは確実だろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Boschが車載ディスプレイをグラス不要で3D化

ドイツの自動車産業を支える製造業大手のBosch(ボッシュ)が、未来のダッシュボードディスプレイの3D化を、専用グラス(眼鏡)不要、しかもアイトラッキング(目線追跡)不要で実現しようとしている。後者のアイトラッキングはこれまで、グラス不要の3Dディスプレイでは絶対に必要と見なされていた。

しかし、グラス不要でしかも、ユーザーが特定の位置からディスプレイを見ることも不要という2大特性は、車に3Dディスプレイを持ち込むための重要な条件だ。それも当然で、ドライバーはディスプレイではなく道路を見ていなければならないし、ディスプレイ上の重要な情報はどれもさっと見るだけで把握可能でなければならない。運転中のドライバーの関心が、ディスプレイにあってはならないのだ。

だからと言って車の計器盤やインフォテインメントのディスプレイが3Dでなければならない理由はあるだろうか?ボッシュに言わせると、そこには複数の重要な理由がある。まず、重要な警告情報は実際に目の前に「飛び出す」ことによって注意を喚起すべきである。また駐車時には回りのスペースの状況を正確な3D画像で見せることによって安全で素早い駐車ができる。そしてナビなどは、右折左折など方向を変えるべき状況をよりリアルな画像で見せて正しい運転をガイドすべきだ。

  1. bosch_3d_display

  2. iaa_2019_4x

  3. audi_tt_em2_1205_zentral_groesser_map

  4. em3_7258_perspektive_stuttgart

  5. 0108_bosch_ces_tg_0025

  6. bosch_hmi_solutions_haptic_feedback

しかし、これらの説がすべて正しいとしても、それは自動運転がある程度実装された車の話ではないか。しかも車載ディスプレイがそこまで没入的になるのは、人間運転者にそれだけの時間的気分的な余裕が必要だ。

ボッシュはそれをあえて今やる理由として、モバイルコンピューティングの高度化を挙げる。これまでの自動車技術のコンピューター化といえば、小さな非力なコンピューターがコントローラーとして各所に散在していた。しかしこれからは1台の強力な中央的コンピューターが集中的に全システムを管理し、それらのアップデートもインターネットから容易かつ迅速にできるようになる。

同社は、そのようなシステムが実際に発売される実車に搭載される日程を明らかにしないが、他社製品との差別化がより重要になる高級車では、早いもの勝ちのような競争状況になるのではないだろうか。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ロッキード・マーティンCEOが米有人宇宙飛行計画をDisrupt SFで語る

TechCrunch最大のイベント、Disrupt SFは10月2日から4日かけてサンフランシスコで開催される。チケットの早割は今月一杯なのでチェックしておこう。

TechCrunchでは宇宙関連のビジネス、テクノロジーについてもたびたび取り上げているが、我々は米国が宇宙競争にカムバックするという情報をつかんだ。ただし当面、月よりもう少し近いところが目的地だ。

あの悲劇をきっかけにスペースシャトルが2011年に引退してから8年たつ。この空白を埋めるべく、アメリカ民間企業が有人衛星を打ち上げる計画を進めている。その1つがロッキード・マーティンだ。米国を代表する宇宙企業、ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)は、ロッキード・マーティンとボーイングの合弁事業。ULAは宇宙開発の一環としてOrion有人宇宙往還機計画を進めている。この7月に開発計画を実施に移す準備が完了したと発表し重要な一歩を踏み出した。

この計画のまさに核心部分を担うのがロッキード・マーティンだ。同社のCEOであるマリリン・ヒューソン氏(写真)がTechCrunch Disrupt SF 2019に参加し、サンフランシスコでキーノート講演をしてくれることになった。ヒューソン氏はロッキード・マーティン社の事業だけでなく、NASAの努力も含めて、アメリカが有人宇宙飛行にカムバックする計画全般について話す予定だ。これには有人月旅行やそれ以後のビジョンも含まれる。

Orionスペースクラフトが最初の有人宇宙飛行(これは来年実施の予定)を実現した後、ロッキード・マーティンはさらに野心的な計画に取り掛かる。これは月軌道プラットフォームゲートウェイ(Lunar Orbital Platform-Gateway)と呼ばれる大型月周回衛星で、太陽光発電を行い、通信施設、科学実験区、短期居住区、探査車保管庫など各種の区画が設置される。ゲートウェイは各種の宇宙探査の恒久的な基地となる。フルスケールのゲートウェイを建造する前に、NASAではまず「初期ゲートウェイ」と呼ばれるプロトタイプを月軌道に投入する計画だ。

 

ロッキード・マーティンは1950年代から宇宙開発事業に携わってきたが、近年、宇宙ビジネスにおける民間企業の役割が飛躍的に増大している。 われわれはヒューソン氏からロッキード・マーティンの低軌道衛星事業を始め、近年ますます重要性を増している商用宇宙利用の実態を詳しく聞くことができるものと期待している。

Disrupt SF早割チケット購入はこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ULAが5機目となる米空軍の機密通信衛星を打ち上げ

Boeing(ボーイング)とロッキード・マーティンによって設立された民間打ち上げ企業のユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は米国時間8月8日、衛星コンステレーションを構成する5機目のアメリカ空軍の通信衛星の打ち上げに成功した。コードネームでAEHF-5(5番目のAdvanced Extremely High Frequencyという意味)は、アメリカ空軍の地上施設と交信しており、ミッションが成功したことを示している。

これはULAにとって、これまで失敗なく100%成功しているアトラスVの90回目の打ち上げとなった。打ち上げは8月8日の早朝6時13分にケープ・カナベラル空軍基地から実施され、同施設から今週2回目(スペースXは人工衛星のAMOS-17を打ち上げた)の打ち上げ成功となった。

このミッションでは、アトラスVは551という構成が採用された。これは液体燃料ロケットの中央のコアブースターを囲んで、5基の固体燃料ブースターを装着したものだ。この構成により、約1万4000ポンド(約6.4トン)のAEHF-5を軌道へと投入するため、アトラスVは最大の打ち上げ能力を獲得した。

ロッキード・マーティンはアメリカ空軍のためにAEHF-5を製造し、メールにて静止トランスファ軌道への投入に成功しただけでなく、アメリカ空軍第4宇宙作戦飛行隊の計画通りに通信していることを確認した。現在稼働中の5機の衛星はすべて同社が製造し、今後は来年の6機目の打ち上げが予定されている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

自動操縦エアタクシーよる公共交通ネットワークでEHangと広州市が協力

自動操縦の旅客用および貨物用低空飛行航空機、貨客積載ドローンを作っているEHangが、そのエアタクシーの初の実用ネットワークを広州市に構築する。同社の発表によると広州市は、その全市的展開パイロット事業の主催団体になる。

パイロット事業は、低空を回転翼で飛ぶ航空機が都市の交通機関としてふさわしいことを示すだけでなく、そのネットワーク全体を中央的な交通管制ハブから自動的に運用管理できることを実証する。その交通管制ハブは、EHangと広州市の共同開発になる。

EHangは今年の初めに中国の民間航空局から自動操縦旅客航空機サービスの唯一のパイロット企業として認められ、すでに今年初めウィーンでEHang 184に乗客を乗せて飛行をデモし、また2018年には広州市でも数回の飛行を行った。

交通管制システムにより自動操縦航空機ネットワークの安全な運用を確保するだけでなく、EHangは広州市と共同で、そのネットワークの運用に必要なインフラストラクチャも構築している。たとえば自動操縦は、その初期的段階だけでなく、その運用をサポートする垂直離着陸場Vertiportの使用についても試験される。また都市交通機関として定着するために必要な、商用パートナーとの協働も行われる。

都市の公共交通機関のこのような新しい技術によるネットワークは、成長著しく交通量の増大も激しい広州市のような都市にふさわしい。しかもこの低空飛行航空機のネットワークは、過密都市において自動運転車などの陸上車に比べてアドバンテージが大きいだろう。自動運転車は、従来の一般車両や歩行者、自転車などとの争いや折り合いが運用の難点だが、都市上空の低空域は完全に空いている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a.hiwa

Googleマップが歩行者のためのナビ「Live View」を拡張現実で実装

Googleマップの中で、歩く方向を教える拡張現実(Augmented Reality、AR)をGoogle(グーグル)はベータ版として提供中だ。

一般公開後には、システムがARをサポートしているiOSとAndroidデバイスで利用できる。iOSならARKit対応デバイス、AndroidならGoogleのARcoreをサポートしているデバイスだ。そしてもちろん、今自分が歩いているところのGoogleストリートビューがGoogleマップ上にある地域でなければならない。

今年の初めに発表されたGoogleマップの拡張現実機能は、Google PixelのユーザーとGoogle Maps Local Guidesにアルファ版として提供されていた。しかし今日からは公開ベータという状態になるから誰でも試せる。ただし全体的な展開には2週間ぐらいかかるから、今日やってみてだめだったという人もいるはず。TechCrunchは3月にいくつかの機能をご紹介したが、今回のバージョンもそれと同じようだ。マップの中で近くの行き先をタップして、次に「Directions」ボタンをタップ、「Walking」へ行って画面下の「Live View」をタップする。

Live View

このLive View機能は、ユーザーがスマホを持って歩けばその一歩一歩をガイドしてくれるものではない。むしろ、上図でおわかりのように、目の前の本物の街路の画像の上にARで大きな矢印と読みやすい街路標識をオーバレイで表示することで、どっちへ行けばいいかがわかる。簡単でとても便利だ。これなら、初めて訪れた見知らぬ町でも間違いなく目的地にたどり着けるだろう。

今回Googleマップには、そのほかのアップグレードもいろいろあり、例えば「Reservations」タブは飛行機やホテルなどの予約をすべて1カ所にまとめてオフラインで保存する。これと、これまでAndroidだけだったタイムラインのデザイン変更は、今後の数週間で展開されるだろう。これらは正規のアップグレードであり、ベータではない。

関連記事: Google Travel adds flight price notifications and a limited time flight price guarantee(Google Travelに時間制限付きお買い得航空券通知機能が登場、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google Travelにフライト価格の通知と期間限定の価格保証が追加

Google(グーグル)は他のサービスを使わずとも、直接飛行機の予約や旅行を計画できるための、より多くの機能を備えたトラベルプロダクトを開発している。同社はさらに洗練された価格設定機能を追加し、これには過去の旅程の価格比較や、価格が急騰したり、あるいはいつ最低価格になるのかについての通知も含まれる。また、数週間以内の予約に対する価格保証も提供し、その後にフライト料金が変更された場合には返金を受けられる。

米国でGoogle経由で8月13日から9月2日までにフライトを予約した場合、料金が最低だと予測される場合や、予測した価格(つまり支払い価格)よりも値段が下がった場合にはアラートを送信し、差額を返金する。

これは魅力的な機能であり、期間限定のこのオファーはおそらく、Googleは顧客が安心して価格予測を信じてもらうために提供されるのだろう。同社は世界で最も航空会社間のフライト情報や人気路線、価格情報などを持っているだろうが、地球上で最も洗練された機械学習による裏付けにより、かなり信頼度の高いオファーとなるだろう。

Google Travelは、実際に旅行を予約すると次のステップを提案し、近隣施設やホテル、レストランなどを見つける手助けをする機能を追加する。さらに、予約やその他の旅行の詳細は、iOSやAndroidのGoogleマップアプリへと引き継がれる。

結局、Googleはユーザーの旅行とその計画全体を支配すために積極的なアプローチを取っており、他の旅行専門会社と比べてより多くのデータ、優れたエンジニアリング、そしてはるかに多くのデザインスキルを持っているというアドバンテージがある。

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(翻訳:塚本直樹Twitter