Front、Eメールの新境地を開拓するために1000万ドルを調達

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現在のEメールは破綻していると言っても差し支えないだろう。しかし、新しいEメールの発明とまではいかなくとも、もう少しマシなものにしたいと考えている Frontという名前のスタートアップがある。Frontは、企業向けにサポートや求人、問い合わせの代表アドレスに届くEメールに、複数人体制で対応可能なEメールサービスの提供を目的に設立された企業だが、Social Capitalをリード投資家として、シリーズAラウンドで1000万ドルの資金を獲得した。

このラウンドには、Stewart Butterfield(Slack)、Eoghan McCabe(Intercom)、Ilya Fushman、Pierre Valadeといったエンジェル投資家も参加している。Social CapitalのMamoon Hamidは、これまでにYammer、Slack、Box、Intercomと提携している。Frontが今回の資金調達でこのファンドに決めたのはそこに理由がある。

現在Frontのサービスを利用している企業は、LVMH、Mailchimp、Hubspotなど1000社を超える。また、同社は最近大規模アップデートを行い、Frontを利用した共同作業がより簡単になる多くの新機能を追加した。特に重要なのは、Frontが単に受信箱を共有する以上のことに挑戦した点だ。たとえば、多忙な各社のCEOは、Eメール対応を同僚に委任することができるようになった。あるいは、休暇中の1週間だけ、誰かに受信箱へのアクセス権を付与することもできる。

受信箱の共有は、Frontにとって最初の一歩にすぎないが、人々に同社に親しんでもらうという意味では良い一歩だった。しかし、Frontはさらに先に進もうとしている。全てがうまくいけば、たくさんのEメールに対処する必要のある人は誰でもFrontを利用したいと思うようになるだろう。

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Eメールの技術革新が止まって何年も経つ。Eメールに関して言えば、おそらく最後の有意義なイノベーションはGmailの登場だろう。スレッドやタグ、スター、アーカイブなどにより、多くの人がEメールを管理する方法が変わった。

しかし、ほかの多くのことについては一向に代わり映えがしない。未だに一連のEメールを転送すると、同じスレッドで異なる相手との複数の会話を管理する羽目になる。誰かを追加する必要がある場合、Eメールのチェーン化は厄介なものになりうる。また、Eメールのプロトコルもずっと変化していない。

それでも、私が知る限り誰もが今でもEメールを使用している。Eメールは無くならないし、滅びる運命にもない。しかし、誰かが修正する必要がある。

Frontは、Eメールを複数人で扱うものに変え、通知やメンション、そして現代のコミュニケーションの標準機能(絵文字、タイプ中の表示など)によって受信トレイにソーシャルレイヤーを追加してきた。Frontは、他にも多くのサードパーティのサービスを統合している。

Eメールの再開発というのは、生半可な作業ではない。Frontにそれが可能なのかもわからない。一般に広まっているEメールに関して、劇的な変更を強制するには同社の規模が小さすぎるということは明らかだ。しかし、彼らなら止まってしまった時計の針を進められるかもしれない。

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(翻訳:Nakabayashi)

Mt. Goxの管財人が失われたbitcoinに対する請求の調査を終了…結果発表はもうすぐ

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bitcoin取引所Mt. Gox(マウント・ゴックス)が破綻してから2年経つが、元ユーザーの一部はやっと、彼らのbitcoinを取り戻せるかもしれない。Mt. Goxの調査で東京の裁判所が指定した管財人が、失われたbitcoinに関するすべての請求を、ようやく調べ終えた。この調査では、Krakenが管財人に協力した。

Mt. Goxが2014年に閉鎖したとき、多くのユーザーがまだbitcoinをこのプラットホーム上に保有していた。Mt. Goxは回復不能のハックに遭ったか、または単純に、CEOがきわめて怠慢な人物だった。数百万ドル相当のbitcoinが、消えてしまった。

その後同社は破産を申請し、ユーザーが債権を主張するためのページを立ち上げた。債権請求の期日は2015年7月とされた。そして管財人は、24750件の請求の正当性を監査した。

請求の合計は2.4兆ドルに達したが、その中には$2.39兆ドルの請求が1件ある。全体としてMt. Goxは、91,185,435ドル相当のbitcoinを保有していた(現在価格451ドルで換算)。

Mt. GoxのWebサイトでユーザーはもうすぐ、自分の請求のすべてまたは一部が返ってくるか否かを、調べることができる。ただしその調査は、プライバシーとセキュリティ上の理由から、Mt. Goxのウォレットのアドレスを公表しない。

以上はとにかくすばらしいニュースだが、安心するのはまだ早い。Mt. Goxの元ユーザーが資産を取り戻したという報道があるまでは、まだやるべきことが残っているのだ。でも、日本の裁判所がギブアップしなかったのは、偉いね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、Nexux Playerを静かに終了

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Nexus Playerは、誰も買わなかった最高のTVメディアプレーヤーもしれない。GoogleとAsusは、去る2014年11月にNexus Playerを発売した。それは初期Android TVデバイスの一つであり、十二分によくできた製品だった。

しかし、Googleの後押しがあったにもかかわらず、主流製品として成功したとは言えなかった ― Chromecastと比べるとなおのこと。

他のNexus製品と同じく、GoogleはこれでOEMにAndroidプラットフォームで何ができるかを見せたかった。それはAndroid TVの代表的製品だった。ライバルは、Apple TV、Amazon Fire TV、および他のAndroid TVデバイス等だ。

私は数ヵ月間使っていたが、Netflixの番組やYouTubeビデオを見るすばらしい方法であり、スマートフォンのYouTubeアプリからビデオを操作したり、コンテンツを送ることができ。その後私は最新のApple TVに乗り換えた。

しかしこれは、Android TVがなくなるという意味ではない。Googleは今もTV OSのアップデートを続けている。そして、Android TV OSを塔載した新デバイスは次々と発売されている。

SonyのスマートTVでは、Android TVが動いている。Nvidia Shieldは、Android TVにできることの限界に挑戦している。フランスのISP、例えばFreeとBouygues Telecomは、顧客にAndroid TVのセットトップボックスを配っている。そしてXiaomiはごく最近、Mi TVを発表した ― この製品は4K Nexus Playerと同等の機能を持つ。

GoogleはNexus Playerをウェブサイトで売るのをやめたが、小売店には商品を引き上げるように言っていないので、あちこちで商品を見かける。Best BuysやTarget等の店にはまだいくつか残っているかもしれないが、それが最後の出荷分だ。

Via: The Verge

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Xiaomi(小米科技)、ドローン市場に参入

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水曜日、小米科技(Xiaomi)が新たなプロダクトを発表するらしい。詳細についてはまだ明らかにされていないが、どうやらドローンを投入することになりそうだ。

小米科技はスマートフォンの製造で有名なメーカーだ。しかし実はAndroid TVセットトップボックススマート炊飯器なども製造している。

明日発表予定の新プロダクトについてはYoukuにティーザービデオが公開(下に掲載している)されていて、間違いなくドローンが登場してくるものと思われる。

中国のドローンメーカーは(多くの場合)安価なドローンを提供する。
Amazonで現在一番売れているのはSYMA X5C Explorersで、価格は43ドル49セントだ。

安い価格で魅力的な製品を供給しようとする小米科技にとって、確かに面白そうなプロダクトターゲットではありそうだ。スペックなどについてはまだ何もわからない。100ドル以下でそれなりの性能のものが出てくれば面白いことになりそうだ。

なお、このプロダクトについては先週あたりから下の写真を使ってティーザーキャンペーンを行なってもいた。

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(翻訳:Maeda, H

子ども用のロボット・キットZiro、なんでもかんでもスマホの時代にグラブ(手袋)でコントロールするねらいとは

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Ziroは、数個のモーターとスマートフォンとグラブ(glove,手袋)と、あなたの想像力から、いろんな乗り物を作れるロボット・キットだ。Ziroのデフォルトのキットには、4つのワイヤレスモーターと、小さな自動車を作れるための部品のセットが入っている。今は、Indiegogoで彼らを支援すると手に入る。

Ziroを作ってるZeroUI社によると、プロトタイプはすでに完成しており、二人の子どもがそれですぐに遊び始めることができた。

でもZiroは単なるラジコン・カーではない。Ziroでは、車や、段ボールで作ったロボット、関節が動く動物、などなどを作れる。アップグレードすると、段ボール製のいろんなものの“型紙”をもらえる。

ロボットづくりの素材として使えるのは、段ボールのほかにLegoやペットボトルなどだ。難しいプロジェクトは、大人がアシストする必要があると思うけど、今の子はもっと進んでるかな(ぼくには子どもがいないからなんとも言えない)。

モーターのコントロールはWi-Fiで行う。といっても、家庭のWi-Fiネットワークを使うわけじゃない。各モーターの構成(コンフィギュレーション)は、スマートフォンのアプリから行うが、動きの制御はZiroのグラブで行う。

ボタンがいっぱい並んだ、昔風のコントローラーを使わないために、グラブを選んだようだ。そのグラブに、加速度センサーやWi-Fi用のチップが搭載されている。

たとえば、ロボットを左へ行かせたかったら、手をゆっくり左へ振る。あえてスマホを使わずに手でコントロールする方式を選んだところが、おもしろい。手に何も持たずに車をコントロールできるから、まるで魔法使いになったようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フランス生まれのユニークな‘プログラミング大学’42(フォーティトゥー)がシリコンバレーにも開校

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Xavier Nielの新しいプロジェクトは、シリコンバレーに作った意欲的なプログラミング大学42(forty-two)だが、それは授業料無料でSAT(大学進学適性試験)の成績を問わない。今後5年間で1万名の学生を教育することを目標にしている。

Nielがプログラミングの学校を作るのは、これが初めてではない。42も、フランスではすでにうまくいっている。このフランスの実業家が42を始めたのは2013年で、これまでに2500名の学生がパリでプログラミングを学んでいる。でも、42は他のプログラミング学校やコースとどこが違うのか?

まず、無料であること。Nielは合衆国の42に1億ドルを投じ、建物も新たに作った。それはカリフォルニア州Fremontに建てた20万平方フィートの校舎で、数千台のiMacを置き、日曜から土曜日まで毎日、24時間開いている。

第二に、42は18歳から30歳までなら誰でも、学生として受け入れる。申し込みはネットからできるが、そこからチャレンジが始まる。42のチームは、映画The Hunger Gamesのコンピューターサイエンスバージョンのようなものを作った。彼らがそれを水泳プールと呼んでいるのは、プールに人を投げ込むようにそこに入学志望者を放り込むからだ。彼らはそこで、泳ぐ代わりにプログラミングと論理の課題に挑戦する。

このプールで無理やり泳がされるのは4週間。月曜日から日曜日までの毎日、昼夜兼行でプログラムを書く。この猛烈に集中的な4週間が終わると、好成績の者が42に入学できる。

ふつうの大学との第三の違いは、42には教室とか教師が存在しない。標準の在学期間は3年ないし5年だ。そして学習は、ピアレビュー(学生同士のコミュニケーション)とプログラミングのプロジェクト、インターン制、さまざまなゲーミフィケーションを通じて行われる。モチベーションを3〜5年維持できれば、良質なソフトウェアエンジニアが一人完成する。

当然、コンピューターの前で過ごす時間は長い。申し込みの受付はすでに始まっており、11月に学課が始まる。

かなりクレージーなお話に聞こえるが、実際にクレージーだ。フランスのオランド大統領がNielに伴われてパリの42を訪ねたときは、一部の学生たちが廊下で寝ていた(下図)。

[ツイート訳: そのときこの男は、マットレスの上で静かに寝ていた。]

YouTube上に、42の紹介ビデオがある。その中では、SnapchatのEvan Spiegel, FacebookのDavid Marcus, TwitterのJack Dorseyなどなどテク界の名士たちが42を賞賛している。自分が目立つことが嫌いなXavier Nielは、ここでもまったく登場しない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

TechCrunch Disrupt NY 2016の優勝はゲームの中継に視聴者が対話参加できるBeam、次位は途上国でも使えるお値段の本格浄水器WaterO

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今年は厳しい勝負だったが、やっと勝者が決まった。最初は、22社がニューヨークにやってきた。

本誌主催のスタートアップ大会TechCrunch Disruptの、メインイベントが、その名もStartup Battlefield(戦場!)と呼ばれるコンペだ。テクノロジー業界のリーダーたちが審査員を務める中で出場社はプレゼンとデモを競い、優勝賞金50000ドルと優勝カップDisrupt Cupを争った。

本誌TechCrunchの編集者たちが審査員たちの意見を数時間かけて審議し、まず6社のファイナリストをピックアップした:

  • 子どもの安全をネットから見守るBark
  • Twitchに対話性を加えたようなBeam
  • 途上国のためのブロックチェーンによるクレジットBitPagos
  • 正しいビタミンをDIYするRitual
  • 超安価な水中ドローンSeaDrone
  • 同じく超安価な浄水器WaterO

そして彼らは、決勝の審査員たちの前で、最後のデモをした。その審査員とは:

だ。

サンフランシスコのStartup Battlefieldも、もうすぐ出場受付が始まる。Startup Battlefield Hubをチェックし、質問はBattlefield担当編集者Sam O’Keefeへ(sam@techcrunch.com)。

それでは、今年のニューヨークの優勝者と入賞者を見ていこう。

優勝: Beam

Beamは、人気沸騰中のeスポーツの要素と、遅延の少ないチャットを結びつけてゲームをライブでストリーミングする。またビューワー(視聴者)とゲーマーが、コメントを通じて対話できる。まあTwitch WePlayみたいなものだが、実際に動くところがすごい。

本誌の紹介記事はここにある

準優勝: WaterO

WaterOは、逆浸透を利用する。それは浄水技術の定番で、きれいな水を家族にもたらす。しかしそれはとても高価な技術で、工事もたいへん、しかも80%の水を無駄にする。借家人には無理だ。でも、WaterOなら無駄になる水は約20%、工事も要らない。費用はハードウェアのお値段399ドルだけだ。

本誌の紹介記事はここにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマートフォン全盛期で固定電話は絶滅したか?ノー! 現代の家族用電話機IlyがKickstarterで資金募集中

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スマートフォンの世界的なブームにより、コミュニケーションがますます個人化していく中でInsensiは、家族のメンバーと容易にコミュニケートできるための、まったく新しいデバイスを開発してきた。その、Ilyと名付けられた製品はいわば現代版の陸線電話(固定電話)で、子どもや高齢者でも、使い方を人に教わらずに簡単に使える、というものだ。今Ilyは、Kickstarterで149〜199ドルで‘買える’。

同社は1月の本誌主催Hardware Battlefieldコンペに出た。Ilyは、タブレットでも電話機でもない。それは、キッチンやリビングに置いて毎日対話する何か、だ。Amazonの音声サービスAlexaもサポートしている。

前面には8インチのタッチスクリーンがあり、このデバイス専用のソフトウェアが動いている。カメラ、マイクロフォン、スピーカー、近接センサー、さらに温度計や空気の質センサーもある。

でもメインの用途は、今うちにいない最愛の人びととのコミュニケーションだ。タップするだけで呼び出せて、絵やビデオメッセージ、テキストメッセージなどを送れる。子どもたち、親たち、祖父母たちのどんな形の対話でも大歓迎だ。

なお、ブラウザーはまったくないから、子どもたちが見ているものを気にする必要がない。

Ilyを持ってない義父や義母はどうしよう。同社は近くiPhoneとAndroidのアプリを出すから、スマートフォンで彼らとコミュニケートできる。FaceTimeと違ってAndroidとiOSの両方で使えるし、Skypeと違って登録の必要がない。このモバイルアプリで、写真の共有もできる。Ilyの上で家族写真のストリームを作れるから、孫たちが祖父母の写真をたっぷり見ることができる。その逆ももちろん。そのストリームにスマートフォンから写真をアップロードすることもできる。

Insensiの協同ファウンダーでCEOのIlan Abehasseraに最初にインタビューしたとき彼は、従来のKickstarter的やり方はだめだ、と言った。大量のお金を集めて、生産が遅れ、設計も変わる。出資者をがっかりさせる。

これまでのKickstaterの失敗を繰り返したくないIlyは、生産を10か月前から開始し、資金募集キャンペーンが終わったらすぐに発送できるようにしている。つまり、支援者が品物を受け取れるのは、この夏だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Craig Wright、「証拠は公表したくない」―オーストラリア人起業家、Bitcoinを発明したとの主張から後退

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Bitcoinの発明者、Satoshi Nakamotoは結局のところオーストラリア人起業家ではなかったようだ。Craig Wrightは「自分こそSatoshiだ」と3種類のメディアに対して主張したものの、わずか数日後に「Satoshi Nakamotoである証拠を公表するつもりはない」という 記事をブログに掲載した。

Wrightの戦術はかなり巧妙だった。自分がBitcoinを発明したという主張はGQBBCEconomistのジャーナリストに対してなされた。これを額面どおりに受け取らないメディアもあったが、いずれも伝統的な記事発表の解禁日を守らねばならない立場にあった。Wrightの主張の真偽を判断できる暗号専門家はこの件に関して蚊帳の外だった。そこで記事の大見出しはWrightにたいへん都合のよいものとなった。

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しかし Wrightの主張に対する疑問は即座に積み上がっていった。WrightがSatoshiであることを証明する証拠は皆無だった。

多くの関係者がWrightに対して「決定的な証拠を提出せよ」と迫った。幸いなことにそういう証拠は簡単に提出できるはずだった。たとえば、Satoshiのアドレスは誰でも知っている。そのアドレスからbitcoinによる送金があれば、送金者はSatoshi以外にない。SatoshiのメーリングリストからBitcoinコミュニティーに対してメールが送信されればそれは本物のSatoshiだ。

しかしWrightはそういった証拠を提出するつもりがないという。「しかしながら、今週の状況の進展により、〔Bitcoinの作者であることを証明する〕私が発明した最初期のアクセス・キーを公開する準備を進めていたが、私には〔公表する〕勇気が欠けている。私にはできない」とWrightは書いている。

ご覧のとおり、WrightはSatoshiであるという主張を文字通り取り下げたわけではない。しかしSatoshiであることを証明したくはないという。現実を直視するなら、これはWrightがSatoshiではないと言っているのに等しい。

WrightはBitcoinコミュニティーの著名人でBitcoin FoundationのトップであるGavin AndresenとJon
Matonisに密かに会って主張を伝えている。これによってWrightがSatoshiだという主張を2人が公に支持するという非常に困った状況がもたらされた。

この点ではおそらくWrightを賞賛すべきなのだろう。たとえ数時間であれ、世界中にSatoshi Nakamotoであると信じこませたというのは大したものだ。

2014年のDorin Nakamotoのときのようにロサンゼルスを横断するカーチェイスが見られなかったのは残念だ。これまでにこの人物こそSatoshiであるという数多くの理論が唱えられてきたが、長くもちこたえたものは一つもない。次に現れるSatoshiの場合もおそらく同様だろう。

グッドバイ。

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画像: Russell Werges

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Yahoo!を骨董品コーナーで80億ドルで買える(Craiglist上のジョーク、もちろん)

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オンライン三行広告の老舗大手Craigslistに、こんな売り物が出た。これまでで最大のお買い得だ。“骨董品”(アンティーク)のカテゴリーには、買わずに立ち去ることのできない品目が載る。わずか80億ドルで買えるYahoo!も、まさにその一つだ。

説明には、“状態: 良〜可。やや摩耗あり。技能のある人なら修復可能。元のオーナーにはもはやメンテナンス不能”、とある。

いい買い物だと思うけどねぇ。

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出典: @film_girl

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleの投資家たちはAppleの時価総額400億ドルあまりを失った

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当然そうなるはずのことが、今やオフィシャルだ。Appleの株価は今日(米国時間4/27)$96で寄り付き、前日終値$104.35から8%の下げだ。でもこの下げはAppleだから、金額的にも大きい。Appleの投資家は、同社の市場時価総額を約430億ドル削られたのだ。

Appleほどの超巨大企業ともなると、これほど大きな下げはめったに起きるものではない。たとえば2013年にAppleは、10%下げた。そのとき同社は、大きな不確実性とボラティリティに悩まされた。

今回投資家たちは、iPhoneがピークに達したことを懸念している。今四半期は、iPhoneの売上が初めて前年同期比で落ち込んだ

Appleの、次の展開が読めない。iOSは二つの支配的なプラットホームの一つであり、Appleは毎四半期に何千万台ものiPhoneを売ってきた。それは、大量の金を産むビジネスだ。しかし投資家たちが唯一求めるものは、成長、成長、そして成長だけだ。

ちょっと大局的に見てみよう。Appleは今でも約5390億ドルの価値がある。今との関連では、Appleの株は2月23日に$94.69(今日よりも安い)で取引されていた。

不運なApplep! 64日間も安値なんて!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iOS 10が採用すべき改善項目はこれだ

正直なところ、殆どのコンセプトビデオはゴミだ。最終製品と似ても似つかぬ想像上のデバイスを見せ、物理法則を無視する。しかし、〈ソフトウェア〉のコンセプトビデオの中には、実に要点を突いたものもある。例えばこのMacStoriesのビデオ

Federico ViticciとSam BeckettのふたりがiOS 10コンセプトビデオを作った。それは来たるべき最新iOSへの見事な欲しいものリストだ。Appleは6月13日のWWDCでiOS 10を発表するものと思われるが、Appleに何ができるのかを考えるのは良いことだ。私はiOSがこの方向に進化することを是非とも願っている。

3D Touchショートカット付きのカスタマイズ可能なコントロールセンター、メッセージのリンクプレビュー、スプリットビューのUI改善などの簡単なものもある。しかしViticciは、マルチタスキングとSiriに、iOSらしいUIトリックを加えて強力にする方法も考えている。実装方法の中には意外なものもあり、「すばらしい!」と思わせてくれる。

ともあれビデオをこ覧あれ。MacStoriesに行けば、私が書いていない全機能の説明がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazon、アメリカでプライムビデオを別個に月8.99ドルで提供

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Amazonはオリジナル番組製作に多額の投資をするなどビデオストリーミングで攻勢を強めている。数年前にプライムビデオがスタートしたときはプライム会員向けに思いつきで後から付け加えたサービスのように見えた。今やAmazonのビデオストリーミングは本格的なサービスに成長しただけでなく、ビデオのみ対象に会員になることができるようになった。

今日(米国時間4/18)からプライムの非会員も月額8.99ドルを支払えばAmazonプライムビデオに参加できる。キャンセルはいつでも可能だし、1年分の会費を前払いする必要もない。
Amazonプライムビデオの会員になると、Amazonのビデオ・ライブラリーに自由にアクセスできる。ただしプライム会員の場合とは異なり、配送料が無料になったり音楽が聞けたりする特典はない。

プライム会員のアメリカにおける会費、年額99ドルについては変更はない。プライムビデオが付属するのも同じだ(少なくとも今のところは…)。プライム会費は月払いにすることも可能で、その場合は10.99ドルとなる。プライム会員の特典は会員向け無料配送、プライムビデオ、Prime
Music、Kindle Lending Library〔日本では未実施〕の利用が可能だ。他にも私が忘れているだけの特典があるかもしれない。

Amazonがサブスクリプション・サービスの特定の分野を別個のサービスとして独立させたのはこれが初めてではない。たとえば2014年の夏にスタートしたKindle Unlimitedは月額9.99ドルの会費で数多くの本が読み放題になる。

しかしAmazonのユーザーでプライムビデオに本当に関心があるのなら、やはりプライム会員になるべきだろう。月額8.99ドルは年額108ドルだが、年額99ドル払えばプライム会員になれる。しかも前述のように特典ははるかに多い。

プライムビデオを独立させたのはNetflixなどと直接に比較できるようにするためだろう。Netflixは月額9.99ドルだ。AmazonはNetflix, Hulu, HBO Nowなどのビデオストリーミングのライバルと比較して「われわれのサービスがいちばん安い」と主張できる。

トランスペアレント モーツァルト・イン・ザ・ジャングル などの成功した作品に加えて、AmazonはBBCと喧嘩別れしたTop Gearのオリジナル・メンバーと契約しウディー・アレンの次の作品も配給する。これらはすべてAmazonがプライムビデオ向けオリジナルにどれほど力を入れているかを実証するものだ。今回Amazonがプライムビデオを独立させたのは、将来Amazonプライムからビデオを外す準備かもしれない。ビデオも見たいプライム会員は2種類の会費を支払うことになる可能性もある。

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Hollywood Reporter経由

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

OS Xの次期バージョンは「Mac OS」になるかもしれない

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それは小さなブランド変更だが、その意味は大きい。多くの様々兆候が、Appleが “OS X” の名前をやめて、”MacOS” 、あるいはたぶん、大文字にしない “macOS” に変えることを示唆している。

Appleのワールドワイドマーケティング担当SVP、Phil Schillerが最初にこの変更をほのめかしたのは昨年のWWDCで、John Gruberのインタビューを受けた時だった。次に、構成ファイルにOS Xの代わりにmacOSと書かれていた。そしてついに、Apple自身のウェブサイトのページでも、Appleの環境イニシャティブの説明にOS XではなくMacOSの名前が使われていた。

これはかなり十分な煙だ。そしてTechCrunchは、これが6月のWWDCで発表されるかもしれないという情報も得た。

AppleがMacのオペレーティングシステムを再ブランドするのはこれが初めてではない。Mac OS 9の後継が発表された時、それはMac OS Xと呼ばれた。Appleは2012年に “Mac” 部分を外した。

当時、Appleはハードウェアとソフトウェア要素を区別したがっていた。iPhone OSは2010年6月にiOSとなり、iPhoneとiPadで動作した。

しかし、その後AppleはiOSをベースとする新たなプラットフォームを2種類公開した。現在Apple TVではtvOSが走り、Apple WatchではwatchOSが動いている。トレンドを理解いただけるだろうか?

いまやOS Xは、Appleの他のプラットフォームと比べると時代遅れのブランドに感じられる。同様に、名前に “ten” を持ち続けることは、OS Xのバージョン番号が15年間変わっていないかのような印象を与える。現実は少し異なり、AppleはMacオペレーティングシステムの主要バージョンを毎年提供している。

しかし、OS Xが消えゆくことを私に信じさせている理由はずっと明白だ。Appleは6月のWWDCでiOS 10を発表しようとしている。デベロッパーもジャーナリストもApple自身も、今後何ヵ月にもわたってiOS 10について話すことになる。

iOS 10[ten]とOS X[ten]の名前は似すぎている。特に誰かがこれらのオペレーティングについて〈話す〉のを聞いた時。OS XをMacOSに再ブランドすることで、Appleのオペレーティングシステムの命名法が統一されることになるが、これは新しいOSについて語る時、誰もが同じ認識でいられるという意味で実に歓迎されるべき変更といえるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

サーバーが何台あっても足りないDigitalOceanが$130Mの資金を銀行融資に仰ぐ

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DigitalOceanは、ユーザーにとっては低料金で気軽に利用できるクラウドホスティングプラットホームでも、そんなサービスを作るためには相当なお金が要る。同社はこれまで1億2000万ドルあまりを調達し、そのほかにも随時、銀行からの融資を仰いで、その成長を支えている。

クラウド(雲)という言葉は曖昧だが、その実態はサーバーの集合だ。サーバーは、買うのもデータセンターの一部を借りるのも、安くはない。

今同社は、12のデータセンターを利用して70万のユーザーに常時、仮想プライベートサーバーを提供しているから、同社が管理するラックキャビネットの数は膨大だ。

DigitalOceanの全ユーザーがブートしているクラウドサーバーの数は1300万に達する。中にはサービスをもはや提供していないサーバーもあるが、とにかくすごい数であることは確かだ。

そんな同社にとって、クレジットラインの利用には二つの意味がある。第一に、DigitalOceanは今でも同社のインフラストラクチャへの投資額が大きいこと。既存のユーザーがサーバーをアップグレードしたりリプレースすることも多いし、同社自身がインフラの規模を拡大することもある。

第二に、DigitalOceanは小さなデベロッパーにとってありがたいプラットホームだが、でも、営利企業として、超大手のAmazon Web ServicesやMicrosoft Azureなどと伍して大型クライアントを獲得していくためには、インフラの充実努力がコンスタントに必要だ。そしてそのためにはもちろん、お金が要る。

でも、今日のようなスタートアップ環境の中で、大金を貸してくれる銀行〔banks, 複数形〕を同社が見つけられていることは、たいへんめでたい。つまり銀行も、投資家たちと並んで、同社の将来性をポジティブに評価している、ということだ。

〔訳注: タイトルにある融資獲得累計額$130M(1億3000万ドル)の件は、本文中にない。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、高度なボットを作るための「ボットエンジン」を公開

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今や、Messengerはボットがすべて。Facebookは予想通り、F8カンファレンスでSend/Receive APIを公開した。これを使えば、Messengerで何かを探したり企業とやりとりするボットを作れる。しかし、機械学習を使ってもっと複雑なシナリオを作りたいときはどうするか?ボットエンジンがある。Facebookの強力なボット用フレームワークだ。

ボットエンジンは、Wit.aiの技術をベースにしている。昨年FacebookはWit.aiを買収し、後にWit.aiのプラットフォームを使ってM for Messengerを作った。

しかしFacebookは、ボットエンジンでは別の戦略を採用した。もしこのフレームワークがデベロッパーに受け入れられれば、Messengerユーザーは様々な種類の小さな専門化したボットを使えるようになる。

「Send/Receive APIは十分以上」と、Facebookのメッセージング製品担当VP、David Marcusは言った。「しかし、もっと複雑なボットを作りたいなら、ボットエンジンを使える」。

ボットエンジンは機械学習を利用している。会話のサンプルを渡すと、同じ質問の様々なバリエーションを扱うことができる。

デベロッパーは時間と共にボットを改善することが可能になり、その可能性は非常に大きい。例えば、ユーザーは映画ボットと対話して、上映時間や評価等について気軽に質問すればいい。コマンドを入力するというより、人間と話すイメージだ。

ボットエンジンは今日から利用できる。この新しいフレームワークを解析してどれほど強力かを知るのが楽しみだ。すでにMicrosoftの相当品よりは強力そうだ。しかしこれで、メッセージングアプリの上に高度なボットを作るスタートアップたちによる、新しい分野が開拓されることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WordPress.comが傘下のすべてのWebサイトをHTTPSで暗号化へ

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WordPress.comが、そのすべてのブログにHTTPSをサポートする。あなたのWordPressブログがカスタムドメインであっても、あるいはwordpress.comドメイン(たとえば:bestcrabrestaurantsinportland.wordpress.com)であっても、同じ扱いになる。

FacebookやTwitterのようなソーシャルサービスは、その多くがかなり前からHTTPSをサポートしているが、WordPress.comはカスタムドメインに関しては遅れていた。

2014年から、WordPress.comのサブドメインはHTTPSをサポートしたが、ほかはまだだった。しかし何かのスイッチを入れるように簡単にカスタムドメインに切り替えることはできない。証明が必要だから。

しかしLet’s Encryptプロジェクトのおかげで、WebのどこでもHTTPSを実装することが安く簡単にできるようになった。WordPress.comも、これを利用しようとしている。これからは各WebサイトがSSLの証明を持ち、URL欄にはグリーンの鍵が表示されるようになる。〔この鍵をクリックするとSSL認証に関連したいろんな情報が表示される。〕

嬉しい副作用として、GoogleはHTTPだけのWebサイトよりもをHTTPSをサポートしているサイトの方を優遇する。WordPress.comのWebサイトも、Googleの検索結果でランクが上がるだろう。

今、あなたの頭の中には、でっかいクエスチョンマークがあるだろう。HTTPSを有効にするには、何をする必要があるのか? 昼間の主婦向けトーク番組ふうに言えば、WordPress.comがすべてのWebサイトでHTTPSを有効にするから、あなたは何もしないでよい。あなたはSSLの証明をもらう! 誰もがSSLの証明をもらうのだ!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

司法省がまたAppleにiPhoneアンロック要求、今度はAppleが“相手を間違えた”国を訴訟か

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合衆国政府とAppleの戦いはまだ終わっていない。あの、最大の争因だった事案は終わったが、司法省は別の問題でAppleに圧力をかけている。今度はブルックリンの覚醒剤ディーラーが使っていたiPhone 5sを、Appleにアンロックしてほしいのだ。

今日(米国時間4/8)の書簡で司法省は、Appleの助力が必要である、と繰り返し述べた。この書簡は、すでに判事がAppleに有利な裁定をしているため、それに対する政府の控訴の姿勢も確認している。

この問題はSan Bernardinoの場合と必ずしも同じではないが、政府は前と同じ法的根拠、All Writs Act(全令状法, 強制力のある裁判所命令)を使おうとしている。しかし代替策がある場合には、それは使えない。そこで政府は、このiPhoneをアンロックできるのはAppleだけであることを、正当化しなければならない。

実は、このニューヨーク東部地区事案におけるiPhone 5sは、iOS 7が使われている。iOS 7を搭載したiPhoneはネットで300ドルぐらいで買えるし、数分でアンロックできる。iOS 8と9は、iOS 7よりもセキュアだ。

だからこの場合は、All Writs Actを到底擁護できない。しかしAppleの弁護士によると、同社は本来なら政府がやるべき仕事をすることを、求められたのだ。

さらに、二つのケースはとても異なっている。まず、今回はテロリストの事案ではない。事件は、犯人の自白により解決している。だから今回の特定の事案には必要ないにもかかわらず、FBIはこのスマートフォンのデータへのアクセスを欲しているのだ。

第二に、ここで繰り返しておくべきと思われるのは、これがたった一台のスマートフォンに関する問題ではないことだ。San Bernardinoの事件は公訴であり、ニュースでも大々的に報道された。法務省は何度も何度も、この一回にかぎり助けが必要だ、と繰り返した。それなのに、一回どころか、今や別のスマートフォンが問題になっているのだ。

しかし、このiPhone 5sのデータにアクセスすることは、Appleの仕事ではない。Appleの弁護士によると、同社は木曜日(米国時間4/14)に対抗訴訟を起こす、という。おそらくこの事案で同社は、政府を訴えたいのだ。なんで政府が、Appleの助けを必要とするのか? 相手を間違えているのではないか? このスマートフォンのデータにアクセスするために、政府自身は今、どんな努力をしているのか?

同じくAppleの弁護士によると、同社は未だに、FBIがSan BernardinoのiPhoneに対して使用した秘密の方法について、何も知らない。同社は、政府がそのハックにアクセスしたことを訴えないが、その代わり、今後のソフトウェアのアップデートや新しいデバイスは、セキュリティを強化したものになるだろう。

この事案では、Appleと政府の立ち位置が、いつもどおりの形になりつつある。それはもぐらたたきゲームであり、政府はなんとかして、今後のためにも有効な先例を確立したい。一方Appleは、どうしても政府の攻撃をかわしたいのだ。

Apple vs FBI

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FBI:iPhoneをアンロックした方法はiPhone 5s以降には使えない

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ゆっくりだが確実に、FBIはサンバーナーディーノ銃乱射事件に関与したファールック容疑者のiPhone 5cをアンロックした方法について、情報を公開しつつある。司法省が訴訟を棄却した今、FBIは彼らが使用した謎の方法を公表する必要はない。

最初に、FBIはこの代替手段を一部の上院議員に明かした。次にFBIのジェームズ・コミー長官がいくつか手掛かりを与えた。CNNによると、コミー長官は、その方法がiPhone全機種に適用できるわけではないと発言した。

具体的には、iPhone 5s以降の新しい機種には使用できないと彼は言った。つまりFBIは、買ったばかりのツールを使って、今すぐiPhone 6sに侵入することはできない。

iOS 8以降には暗号化機能が追加され、iPhoneの中身へのアクセスがずっと難しくなった。しかし、ファールック容疑者のiPhoneは、iOS 9を塔載したiPhone 5cだった。つまりそのツールは、iOS 9には対応しているが最近のiPhoneではうまくいかないようだ。

iPhone 5cには、指紋センサーやそのためのセキュリティー領域がない。最初に指紋センサーが付いたのはiPhone 5sだ。よって問題は指紋センサーの有無によるのかもしれない。

しかし一つ確かなことがある ― FBIはAppleに伝えていない。FBIが将来の事件でこのセキュリティーホールを利用する可能性を踏まえると、Appleにはすぐに修正してほしくない。

「Appleに言えば、修正するだろう。そうなればまた振り出しに戻る」と彼が言ったとCNNは伝えた。「結局そうなる可能性はあるが、まだ決断はしていない」。

数千万人のiPhoneユーザーのデータを、世界中のハッカーや諜報機関に曝すことは恥ずべき戦略だ。しかも、われわれはFBIの言葉を信じるしかない。なぜなら一人のセキュリティー専門家も彼らの方法を見ていないのだから。そして、今回の件の後にFBIを信じることは難しい…。

Apple vs FBI

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Slackの中から友だちなどに簡単に支払いができるボットをLydiaがローンチ

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LydiaとSlackの二つは、ぼく自身も実際に使っている楽しいアプリだ。今度この二人のあいだに子どもが生まれたから、さらに嬉しいね。

Lydiaはフランスのペイメント(payment, 支払い)アプリで、ステルスのCookiesみたいに、ヨーロッパのためのVenmoのようなもの。友だちとのあいだで簡単にお金の送受ができ、しかも料金はかからない。もちろん、現金を使うよりもずっと便利だ

それが、Slackに統合されてSlackボットになった。このボットをSlackにインストールすると、そいつはアットメンション@xyz〜〜をモニタして、ユーザーがお金を送ろうとしていることを理解する。

たとえば、

“あそこのバーガーを楽しんでくれたかな。@jordanと@mattはそれぞれぼくに€10借りができたよ。cc @lydia。”

なんて書くと、JordanとMattは支払いの確認を求める通知を受け取る。それを確認して受け入れたら、彼らはあなたに€20を返す。

彼らがLydiaのユーザーでなかったら、クレジットカードで支払いができるところのリンクを受け取る。そのWebページで、クレジットカードの情報を入力すればよい。逆に金をもらう方がLydiaのユーザーでないときは、IBANを教えて銀行に振り込んでもらえばよい。

フランスの中小企業の場合は、このやり方がとても便利だ。昼食代の立て替えやそのほかの費用を、簡単に払える。銀行のWebサイトに、わざわざアクセスする必要がない。Slackの上でLydiaを@すれば、すぐに支払いを送れる。

これは、Lydiaにとっては正しい方向性だ。Lydia自身が良いアプリであるだけでなく、Slackのようなほかのアプリに、支払い機能を統合できる。APIが公開されれば、このようなLydiaの利用がヨーロッパ各国にたちまち広まるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))