SONY、PS4のリモートプレイ機能をMacとPC用に明日公開

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Twitterでのティーザー広告から数ヵ月後、Sonyは明日公開されるPS4 3.50 アップデートで、WindowsおよびOS Xでのリモートプレイ機能を追加する。

これはSonyにとって未知の領域ではなく、PlayStation Vitaや他のSony製スマートフォンにゲームをストリームすることは既に可能だ。PlayStation TVを購入すれば、PS4ゲームを別のテレビにストリームすることもできる。それでもこれは、子供たちがテレビでマンガを見ている時、どうしてもデスクトップパソコンでDestinyをプレイしたい時には、有用な機能だ。

標準のDualShock4コントローラーをUSBケーブルで継ぎ、アプリをパソコンにダウンロードすればよい。そしてもちろん、この機能はPS4とパソコンがイーサーネットケーブルで自宅のLANにつながっていれば、さらに威力を発揮する。

残念ながら、Sonyはこのリモートプレイ機能に高い性能を期待していない。デフォルトの540P、秒間30フレームは、PS4の高度に最適化されたゲーム(1080p/60 fps) の解像度よりもずっと劣る。条件が整っていれば、パソコン上で720p、60fpsでゲームをプレイすることも可能だ。

Xbox Oneを持っている人には、昨年MicrosoftはPC用のリモートプレイを提供した。ただし、Macユーザーには残念ながらWindows 10が必要だ。

今日のニュースは、パソコン用にPS4コントローラー用の改善されたドライバーが出てくることを意味しているのかもしれない。PS4コントローラーは中央にタッチパッドがあるので、このタッチパッドをPCやMacで、少なくともPS4ゲームには使えるようになる。

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PayPal、ノースカロライナ州のLGBT差別法に抗議して400人の雇用計画を中止

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PayPalは、LGBTコミュニティーを強く擁護する立場に立った。数週間前、ノースカロライナ州議会はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、およびトランスジェンダーの人々の権利保護を妨げる失望させる法案を通過させた。この法律はトランスジェンダーの人々に不適切なトイレの使用を強要し、差別するものでもある。PayPalはこれを容認せず、同社がシャーロット市に新しい事業所を設立する計画を中止すると声明で語った。

シャーロットの新しいグローバル運用センターでは400名が雇用される予定だった。同社はこの法律が有効である限り、その意志を変えるつもりがさそうだ。

「新しい法律は差別を存続させ、PayPalの使命と文化の中核をなす価値と原理に反するものだ」と、PayPalの社長・CEO、Dan Schulmanは書いた。「このためPayPalは、計画していたシャーロットへの事業拡大を中止する」。

同法に抗議しているのはPayPalだけではない。ホワイトハウスは現在これを再調査中であり、連邦裁判所への告訴も進行中だ。他の州政府も、ノースカロライナ州への不必要な公的出張を禁止してこの法に抗議している。

他に100社の企業が同法の撤回を要請しているが、州の雇用増加を中止したPayPalは、最も声高な反対者と思われる。

声明の全文は以下の通り:

2週間前、PayPalは新たにグローバル運用センターをシャーロット市に開設し、400名以上の技術職を雇用する計画を発表した。その後まもなく、ノースカロライナ州はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、およびトランシジェンダーの人々の保護を無効化する法案を突然成立させ、われわれのコミュニティーのメンバーが法の下で平等な権利を得ることを阻止した。

新しい法律は差別を存続させ、PayPalの使命と文化の中核をなす価値と原理に反するものだ。このためPayPalは、計画していたシャーロットへの事業拡大を中止する。

この決定はPayPalの最も根底にある価値と、誰もが平等に扱われる権利を持つという強い信念を反映し、尊厳と敬意に基づくものだ。こうした公正、多様性の受け入れ、および平等性の原理は、われわれが企業として達成しようとするものすべての中心をなしている。それは差別に反対する行動を起こすことをわれわれに強いるものだ。

われわれの決定は明瞭、明白である。しかし、シャーロットコミュニティーの一員となり地域の優れた人材を同僚にする機会を失うことは大変違憾に思っている。誰もが差別の恐れを抱かずありのままに生きる権利を持つという原則を公約する企業として、チームの仲間が法の下で平等な権利を得られないノースカロライナ州で雇用者になることは、決して受け入れことができない。

われわれは運用センターの代替地を探す傍ら、引き続きノースカロライナのLGBTコミュニティーと協力し、この差別的法律を撤廃するために、平等を公約する他の人々と共に努力を続けることを約束する。

われわれは平等と多様性の受け入れを公約し、人が価値観に基づいて生活、行動することで変化をもたらすことができるという強い信念を持っている。それは、われわれの従業員、顧客、およびコミュニティーにとって正しいことである。

Dan Schulman, President and CEO, PayPal

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MicrosoftのNoSQLデータベースDocumentDBがMongoDB完全互換になる

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MongoDBができる人、今日はあなたの吉日だ。MicrosoftのNoSQLドキュメントデータベースDocumentDBが、これからはMongoDBのドライバーをサポートする。今あなたが使っているMongoDBのツールやライブラリをDocumentDBで使って、Microsoftのクラウドを利用できるのだ。

あるいは、DocumentDBのインフラストラクチャからMongoDBと互換性のあるデータベースサービスを提供する、といったハイブリッドなこともできる。今日(米国時間3/31)から、そのプレビューが提供される。

皮肉にもMicrosoftは、MongoDBのサポートの使い方をデモするスライドの中で、Parseを使っている。Parseをベースとするアプリは、MongoDBの命令を使ってDocumentDBとコミュニケートできる。しかし、Facebookは近くParseを閉鎖する。でもご安心を! ParseのサーバーをAzureへ移行できるから、デモでParseを使っているのは意外と正解かもしれない。

DocumentDBはJSONベースのNoSQLドキュメントデータベースへの、Microsoft独自の取り組みだ。顧客はパフォーマンスのレベルを選択でき、あるいは一部のコレクションに対してのみ高いパフォーマンスレベルを割り当てて、そのほかを低くしておくこともできる。

また今日からは、DocumentDBで複数のリージョンのデータをレプリケートできる。前から、世界中の複数のデータセンターにまたがってDocumentDBを利用できるけれども、今日からはそんな展開でも応答性に優れたデータベースを構築できることになる。

DocumentDBの料金体系も変わる。今日のMicrosoft Buildの会場で詳しい説明はなかったが、とにかく今後はDocumentDBがお安くなり、大規模な展開も楽にできるようだ。期待しよう。

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Apple、iOSを9.3.1にアップデート―URLタップでiPhoneがクラッシュする問題を修正

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この対応は素早かった。iOSの重大なバグが報道されてからわずか数日でAppleは修正版のiOS 9.3.1をリリースした。アップデートはiPhone版、 iPad版ともバグに対応ずみだ。アップデートの説明は当然ながらきわめて簡潔だ。「Safariその他のAppでリンクをタップした後にAppが応答しなくなる問題が解決されます。」〔Apple日本サイトの表示〕とだけある。

どういうことだったのか振り返ってみると、まず多くのユーザーがAppleのフォーラムで不調を訴えた。一部のURLをタップするとSafariその他のアプリがクラッシュするという問題だ。原因はそうしたサイトのデベロッパーがiOS 9の新機能であるユニバーサルリンクを不正に利用しようとしたことにあることが判明した。このバグはiOS 9.3だけでなく、それ以前のiOS 9にも同様の被害をもたらした。

iOS 9でAppleはURLの処理にユニバーサルリンクというまったく新しい仕組を導入した。たとえばYouTubeのようなデベロッパーがドメイン名をAppleに登録し、ユニバーサルリンクに対応させると、ユーザーがリンクをタップしたときに、Safariをバイパスして直接アプリが起動するようにできる。

そこでiOSデバイス上でyoutube.com/somethingsomethingというようなリンクをタップすると、iOS 9はSafariではなくYouTubeアプリでコンテンツを表示する。これはなかなか便利は機能だったが、問題はこの機能を悪用するデベロッパーが出たことだった。

たとえばBooking.comのデベロッパーはアプリを多くの、というよりほとんど無数のドメイン名に関連づけた。正確にいえばBooking.comアプリはタップされるたびに2.4MB分のドメイン名を読み込もうとする。バックグラウンドのswcd〔共有ウェブ認証デーモン〕プロセスはこのディープリンク・データをユニバーサルリンクとして処理しようとしてオーバーフローに陥る。言い換えれば、Appleはユニバーサルリンクのデータサイズに上限を設けるのを忘れていた。一部のデベロッパーはこの点を悪用しようとしたわけだ。

Appleが素早く対応したのはもちろん良いことだ。しかし同時にユニバーサルリンクというのはきわめて初期段階のテクノロジーであり、Appleは最適化のために今後も努力する必要があることも明らかになった。iOSデバイスのユーザーはできるだけ早い機会に「設定」を開き、「ソフトウェア・アップデート」から新しいiOSをインストールするようお勧めする。

〔日本版〕日本のユーザーもiOSデバイスから9.3.1へのアップデーがト可能になっている。

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StratumnはブロックチェーンのHerokuを目指す―通貨取引以外のアプリ開発にも大きなチャンス

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パリを本拠とPaaSのスタートアップStratumnに注目だ。このチームはブロックチェーン・アプリの開発に興味を持つデベロッパー向けにアプリを公開、共有できるプラットフォーム・サービスを開発中だ。

Stratumnを利用すれば、このプラットフォームにさまざまなアプリをアップロードして作動、共有させることができる。アプリはbitcoinのブロックチェーンと通信が可能だ。機能としてはHerokuによく似ている。ブロックチェーン開発者のためのHerokuといえるだろう。

Stratumnは最近、Otium Ventureとエンジェル投資家から67万ドル(60万ユーロ)を調達した。エンジェルには Ledger WalletのCEO、Eric Larchevêqueが含まれる。

本質的にいえば、bitcoinブロックチェーンというのは あらゆるトランザクションをタイムスタンプ付で安全、確実に記録する分散データベース・システムだ。非常に多数の開発者が暗号通貨とはほとんど関係ない分野でbitcoinのブロックチェーンを利用しようとしている。

たとえばStamperyはブロックチェーンのデータベース能力を利用して伝統的な公証人制度を変革しようとしている。このサービスではユーザーの権利、義務などに関わる重要事項について法的に有効な記録が提供される。ブロックチェーン・システムがこうした記録の正当性を保証する。

Stratumnはこうした現状を見て、さらに一歩先に踏み出そうとしている。Stratumnを利用すれば個々のアプリを苦労してゼロから作る必要はない。つまりデベロッパー側でブロックチェーンと通信するための面倒なプログラムを書く必要がなくなる。

この機能を実現するために、Stratumnが開発したのがオープン規格のChainscriptだ。簡単にいえば、Chainscriptはいくつかのデータを保持するJSONファイルを生成する。デベロッパーはStratumn.を通じてこのデータをブロックチェーン・システムに送る。Chainscriptを利用しているアプリはその後ブロックチェーンによるデータの認証を利用できる。

つまり前記のStamperyのようなデベロッパーは、Chainscriptを使ってStratumnプラットフォームの上に独自のアプリを構築できる。Stamperyが目的とする契約関係書類の公証も大きな分野だが、要するにStratumnは暗号通貨取引以外のブロックチェーン・アプリの開発全般にビジネス・チャンスを見出そうとしている。

現在利用されているブロックチェーンで最大のものは言うまでもなくbitcoinのブロックチェーンだ。しかし多くの研究機関や企業は他のブロックチェーンの可能性を探っている。Stratumnはスタートアップとしてもまだごく若い存在だが、もしbitcoin以外のどんなプロックチェーンにも対応できるプラットフォームを開発することに成功すれば、デベロッパーはブロックチェーン分散デーベースの公証能力を生かしたアプリを開発するにあたって大幅に労力を節約できるはずだ。これはブロックチェーンのユースケースとして非常に興味ある展開となるだろう。

画像: Jason Benjamin UNDER A Public Domain LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

司法省、対Apple訴訟を取り下げ―テロ容疑者のiPhoneはFBIがアンロックに成功

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FBIはサンバーナーディーノにおける銃乱射事件でファルーク容疑者が所有していたiPhone 5cのロックを解除することに成功した。このため司法省はAppleに対してロック解除を要求する訴えを取り下げる。当局はロックを解除した具体的な方法についての情報の取り扱いには慎重で、新たな情報は公表されていない。

取り下げの文書は非常に簡単だった。「政府はファルークのiPhoneのデータにアクセスすることに成功したので2016年2月16日付けで裁判所によってApple Inc.に命じられたiPhoneのロック解除に関して捜査当局を援助せよとの命令はもはやその必要を失った」と連邦検事、Eileen M. Deckerと司法省次官補、Tracy L. Wilkisonは書いている。

5週間にわたってAppleと司法省は激しいやり取りを繰り広げてきた。勢いの赴くところ、両者はサンバーナーディーノを管轄するカリフォルニア州リバーサイドの連邦裁判所で対決することなるはずだった。しかし先週、FBIは、ぎりぎりの瞬間になって、Appleの助力は結局必要なかったと発表した。司法省は審理の延期を要請した。Appleは抗弁せず、審理は延期された。

司法省は4月5日までにFBIがFarookのiPhoneのデータにアクセスできたかどうか捕捉意見を提出することになっていた。期限を1週間残して政府は前述の見解を示した。

当初、2月に政府がAppleに援助を要求する根拠となったのはAll Writs Act〔全令状法〕だった。しかしAll Writs Actはそれ以外に利用可能な手段がある場合には有効ではない。そこで政府はiPhoneのロックロック解除が可能なのはAppleのみであることを立証しなければならないこととなった。

実はこれが今回政府が訴訟を取り下げた理由だ。FBIはAppleの手助けなしに容疑者のiPhoneのデータにアクセスすることに成功した。つまりAll Writs Actの適用対象外となり、当初の訴えは根拠を失った。

アメリカ政府を苦境から救ったサードパーティーの身元は依然として謎に包まれている。政府もまた今回データを入手した「代替手段」については沈黙している。Appleは将来のOSのアップデートでセキュリティーを強化するためにロックがどのように突破されたのか詳細を知りたいだろう。しかし現状ではAppleがそうした情報を入手できるかどうかは不明だ。

CNNによると、司法省は「代替手段はこの特定のiPhone〔のデータ取得〕のみに有効」と語ったという。しかし同じバージョンのiOSを搭載した別のiPhones 5cをFBIがクラックできないと信じるのは難しいだろう。またFBIがiPhoneの何らかの脆弱性を利用したのであれば、Secure EnclaveとTouch IDセンサーで守られているとしても、同じ脆弱性を持つあらゆるiPhoneが同じ方法でロックを解除されてしまうだろう。【略】

All Writs Actは重大な条文であり、軽々しく持ちだされるべきではない。政府はその前にあらゆる手段を尽くすべきだ。もし政府がテロリストの攻撃を利用してAppleにプライバシー侵害の前例を作らせようとしているのなら、そのような方針は恥ずべきであり是認することはできない。

画像: Arsgera/Shutterstock

〔日本版〕AppleがTechCrunchに送ってきた声明および司法省の訴訟取下げにかかる文書は原文を参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

日本のNTT DataがDellのサービス部門を$3.05Bで買収…DELLはEMCに専心か

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コンピュータとサーバーのメーカー、Dellはご存知だろう。でもDellには、かなり本格的なITサービスの事業部門がある。というか、今日までは‘あった’。NTTのITサービス企業NTT Dataが、そのDell Systemsを30億5000万ドルで買収するのだ。

Dellがその事業部を売る主な理由は、キャッシュが必要だからだ。しかも早急に。DellがEMCを67億ドルで買収したとき同社は、その買収のために必要だった借金は十分に返済可能、と約束した。

でも、30億5000万ドルは少ないのではないか。まずそもそも、DellはPerot Systemsを2009年に39億ドルで買収し、それがその後、Dell Systemsになった。

しかも、Dellは、30億5000万ドル以上を要求したらしい。噂では、Dellの要求額は50〜60億ドルだった。だからたぶんDellは、NTTよりも良い買い手を見つけるための、十分な時間がなかったのだ。

一方NTTの方では、その市場を日本以外にも広げるために、Dell Systemsに目をつけた。Dell Systemsの主要顧客は、北米のヘルスケア産業だ。

NTTはすでに、南アフリカでDimension Dataを、そして合衆国でKeane Inc.を買収している。同社としては、グローバル化のための事業拡大を続行しているだけだ。日本企業の多くが、成長の機会を海外に求める。

簡単に言うとDellは、EMC買収の帳尻を合わせるためにサイドビジネスを手放した。EMCの買収が果たして賢明な事業行為だったか、それは誰も知らないが、でもDell自身は真剣だ。そしてNTTは、着実に自己の市場を広げている。

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iOS 9.3でリンクをクリックするとアプリがクラッシュする…Universal Linksのバグが原因

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ベータを7回もやったのに…多くのiOSユーザーがAppleのサポートフォーラムで報告しているように、まだバグがある。SafariやChrome, Mail, Messages, Notesなどの上のリンクをクリックすると、そのアプリがフリーズしてクラッシュするのだ。あなたもその一人なら、以下の対策をお読みいただきたい。

この問題は、Universal Linksと関係があるようだ。AppleはiOS 9で、Universal Linksというものを導入した。それは、ネイティブアプリのリンクを扱う、まったく新しい方法だ。アプリのデベロッパー、たとえばYouTubeなどが、ドメインを登録しておくと、Web上のリンクがSafariでページを開かずに、アプリ(YouTubeアプリなど)を開く。

つまりたとえばyoutube.com/somethingsomethingというリンクをクリックすると、iOSはWebページをSafariへロードせずにYouTubeアプリを開く。便利な機能だが、アプリのデベロッパーに濫用されるおそれもある(後述)。

Sergey Roshchinのビデオを見ると、そのバグがよく分かる。快調だった彼のiPadが、Booking.comのアプリをインストールした途端に、Safariがおかしくなる。リンクをクリックすると、ハングし、そしてクラッシュする。

Booking.comは、ありとあらゆるドメインを自分のアプリに結びつける。いいかげんだし、多すぎる。ドメインネームとディープリンクのエントリを対照させたデータが2.4MBもあるので、iOSがリンクをUniversal Linkのデータベースでチェックしようとすると、大きすぎてSafariなどのアプリがクラッシュする。Voyages-SNCFのアプリもiOS 9.3でクラッシュを発生させる、という情報もあったが、Voyages-SNCFはUniversal Linkがないから、それは誤報だ。

しかしBooking.comのアプリがアップデートされたのは3月17日で、iOS 9.3のリリースの前だ。リンクを操作するとアプリがクラッシュするのは、iOS 9.3が原因と見て間違いないだろう。

WebKitのチームは、iOS 9.3とOS X 10.11.4で大規模なアップデートを行った。Safari 9.1にも、そのボンネットの下にはいろんな変更箇所がある。Universal Linkのバグは、WebKitのアップデートと関連があるのかもしれない。…ないのかもしれない。

いずれにしても、Appleはこのバグを次のバグフィックスアップデートで直すだろう。当面は、Booking.comのアプリを削除して、待ちましょう。iOSがUniversal Linksをチェックするたびに、この問題は起きている。でも、問題のアプリを削除すれば、とりあえずiPhoneは使える。

アップデート: Bookingのアプリを削除するだけでは、不十分なようだ。

[ツイート概訳: Booking以外にもクラッシュするアプリはあるから、Appleによるフィックスを待つしかない]
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WindowsにBitTorrentクライアントの決定版Transmissionがやってくる

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OS Xと Linuxで人気のBitTorrentファイル転送クライアント、TransmissionのWindows版が登場する。メインストリームのアプリになるにはまだ少し時間がかかりそうだが、gHacksが最初Windows版ビルドを公式レポジトリで発見した。Transmissionはこの状態でも他のBitTorrentよりはるかに優秀だ。

厳密にいうと、これはTransmissionの最初のWindows版ではない。Transmission-QTという名前の非公式なビルドが出ていた。しかし今回チームは本気らしくTransmission のWindows版を自サイトで公開した。

TorrentFreakによると、次のリリースはTransmissionのダウンロード・ページに「公式版」として登場することになるとい。しかし多くのユーザーは待ちきれずに現在手に入るバージョンをダウンロードすることになるだろう。

TransmissionのどこがありきたりのBitTorrentクライアントと違うのか? まずTransmissionは無料だ。しかも無用な広告を押し込んでこようとしない。また独自の検索エンジンやビデオプレーヤーをバンドルしていないのでユーザーインターフェイスがµTorrentやVuzeのようにわかりにくくない。

Transmissionは軽量なオープンソースのアプリだ。ダウンロードに特化しており、その仕事にかけて優秀だ。それがOS XとLinuxで過去10年間、圧倒的な支持を受けている理由だ。私はHumble Bundleで大量のゲームを購入しているが、そういうユーザーはTransmissionを利用すれば普通のHTTPをよりはるかに高い信頼性で大きなゲームをダウンロードできる。

短時間テストしてみたかぎりでは新しいWindowsビルドも機能はOS Xと同様のようだ。RSSフィードでモニターできる。新しいフォルダーで .torrentファイルを検索できる。アプリの操作はブラザからもコマンドラインからも可能だ。

Transmissionといえば、最近、ビルドの一つがOS X最初の本格的ランサムウェアに侵入されていたことで有名になった。Appleはランサムウェアを含んだMacアプリのデベロッパー認証を取り消した。Transmission側ではランサムウェアを除去した新しいビルドを緊急リリースした。これを機にTransmissionチームがアプリとセキュリティーのレベルを強化していることを期待したい。

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画像:: nrkbeta/Flickr UNDER A CC BY-SA 2.0 LICENSE

〔日本版〕ランサムウェアは身代金要求型マルウェア。最近の被害の例のはリンク先TechCrunch Japan記事に詳しい。

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「場所」のブックマークアプリMapstr、Googleマップと統合して経路にも対応

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フランスのスタートアップ、Mapstrは気の利いたブックマークアプリ、ただしウェブではなくお気に入りの場所の。このアプリを使うと、レストラン、バー、店、友達の家等を記録しておける。今日のアップデートで、Google Maps、Uber、およびCitymapperとの統合により、徒歩、自動車、公共交通機関による経路も利用できるようになった。

これでアプリが少し便利になる。これまで、Mapstrはアプリに保存した場所を見るまではよかったが、その場所へ行こうとすると面倒だった。

所要時間を知るために、住所をCitymapperにコピー&ペーストしたい人はいない。嬉しいことにその必要がなくなった。経路ボタンを押すと、複数のオプションが表示される。1つ目がUber。Uberを使うとどれだけ時間がかかり、料金がいくらになるかがわかる。

Google Mapsを利用して、Mpastrは徒歩や自動車による経路を提供する。Citymapperの統合によって、交通機関との時間比較ができる。

最大の利点は、これらのボタンを押すことで目的地をアプリに入力できることだ ― ディープリンク技術に感謝! 噂によると、UberとCitymapperの社員が既にMapstrを使っていたらしいので、APIを利用することも難しくなかったのだろう。

Mapstrは、エンジェル投資家から80万ドルを調達した。同サービスのユーザーたちが保存した場所は計150万箇所に上る。お気に入りの場所を友達とシェアすることもできる。

ブックマークにはタグを付加して、後にタグドロワー(レストラン、寿司、カクテル等)を使ってフィルターする時に利用できる。レストランの営業時間や電話番号等を知るにも便利だ。

将来はAPIを公開して、例えば他のアプリがMapstrに場所を追加できるようにする計画だ。それができれば、Mapstrは場所の”Pocket”になれるかもしれない。

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FBIはイスラエル企業と協力して、サンバーナーディーノ事件のiPhoneをアンロックしようとしている

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イスラエル企業のCellebriteが、サンバーナーディーノ銃乱射事件に関与したiPhone 5cをアンロックする手段を探しているFBIから指名されたことを、イスラエルの新聞、Yedioth AhronothReutersが報じた。Cellbritechは、法執行機関や諜報機関向けに科学捜査方法を開発している。

月曜日(米国時間3/21)米司法省は、第三者からiPhone 5cのアンロックへの協力が提案されたため、第一回聴聞の延期を要請した。Appleは延期に反対しなかった

今後FBIは、この代替手段が功を奏するかどうかをこの第三者と協力して解明しなければならない。司法省は4月5日までに結果を法廷に提出する見込みで、もしこの方法が有効なら訴訟は棄却される。

去る2月、All Writs Act[全令状法]に基づいて当初の政府要求がなされた。しかし、全令状法は代替手段が存在する場合には適用されない。このため政府は、AppleのみがこのiPhoneをアンロックできることを証明する必要があった。

そして司法省が最初にとった行動はまさしくこれだった。

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Mashableが入手した、Apple、司法省、および裁判所の三者間で月曜日(米国時間3/21)に行われた電話会議の記録によると、その第三者は間際になって現れた。

「この可能性を知ったのは今日になってからで、今日の午前に、Appleが必要ではない可能性がわかった」とTracy Wilkinson連邦検事補は言った。「そしてわれわれには、現時点でこれを表明する誠実な理由がある」。

しかし、今日に至るまでの間この第三者を巡ってちょっとした謎があった。どうやらそれはCellebriteらしい。FBIは電話会議のあった日に会議の直前にCellbriteと契約を交した。

TechCrunchはCellbriteに接触したが、会社はコメントは拒んだ。

カリフォルニア州選出共和党下院議員、Darrell Issaは司法省の戦略をかねてから批判しており、今週の方針転換はFBIと司法省が全令状法の適用を急ぎすぎたことの証明だ。「政府は、今後サイバーセキュリティーの未来に劇的な影響を与えるであろう広範な権限に頼る前に、あらゆる可能な手順を踏むことが重要だ」と、IssaはPoliticoの取材に答えてで語った。「この訴訟で、それができていなかったことは明白だ」。

Cellbriteがごく短時間のうちにOS 9のセキュリティーツールを発見し、最近になってデータをアクセスできる確信を得た、という可能性もある。

さらには、FBIはこの選択肢の存在をずっと以前から知っていて、司法省は本訴訟に悲観的だった可能性もある。プライバシーとAppleにとって有利な前例を作るよりも、延期の後に訴訟を棄却する方が得策だろう。

いずれにせよ、月曜日の電話会議でAppleは、この新たな手法の詳細が必要であることを明確に示した。これは、訴訟がすぐ取り下げられなかった理由でもあり、Appleがこのセキュリティーホールを修正したかったためだ。

そしてもし2番目のシナリオが正しければ、FBIはテロ悲劇に乗じて前例を作ろうとしていたことを意味する。これが、1台のiPhoneの問題ではなく、FBIは18ヵ月前に公開されたiOS 8以来のiOS暗号を弱体化する方法を探している、ということをわれわれは既に知っている。

Apple vs FBI

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

音楽ストリーミングの8tracks、クラウドファンディングで3000万ドルを調達

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音楽ストリーミングのスタートアップ、8tracksは以前から強いコミュニティー感覚を持っていた。しかしこのたび同社はそれを一歩進めて、自らのコミュニティーから3000万ドルを調達した。ベンチャーキャピタリストに金をせがむ代わりに、この会社はSeedInvestで資金調達クラウドファンディングのキャンペーンを開始し、好調に進んでいる。

約3万人のコミュニティーメンバーが、1000ドルずつの投資を約束して会社の一部を手に入れようとしている。つまり、すべて予定通りに運び、投資がSECの審査を通れば、8tracksは3000万ドルのシリーズAラウンドを完了する。JOBS法案の下では、誰でも非公開企業に投資することが可能であり、年間収入20万ドル以上の人たちだけではない。

「ご想像の通り、これはコミュニティーが主要な財産である8tracksにとってまさにぴったりのやり方だ」とCEOのDavid Porterが私に言った。「プログラミングを作るのは私たちのユーザーであり、そのプログラミングを広めるのも私たちのユーザーなので、彼らがそのプログラミングの資金調達に参加して、8tracksの一部を文字通り所有できるようにすることは、ごく自然な成り行きだ」。

8tracksは、Pandoraと似たリラックス系ラジオサービスだが、プレイリストは人間が作る。作ったプレイリストには様々なタグを関連付ける。タグはムード(ハッピー、ラブ等)や行動(ワークアウト、勉強、睡眠)、もちろん音楽ジャンルでもいい。リスナーは、これらのタグを組み合わせて理想的なプレイリストを作ることができる。例えば「勉強 + インディー + 夏」を検索できる。

会社は以前に、シードラウンドでAndreessen Horowitz、Index Ventures、SoftTech VC、およびBen Duryから150万ドルを調達しており、250万ドルの負債による資金調達も行っている。現在の月間アクティブユーザー数は600万人で、2年前と比べてわずかに減っている。

今回のラウンドは、以前のラウンドと比べて大きな一歩であり、会社はそれを必要としているようだ。8tracksは音楽カタログを利用するために、音楽レーベル各社と直接契約を結んできた。また、同社は海外ストリーミングサービスを中止したが、これは米国、カナダ以外で有効なライセンスを保有していないためだった。

再度海外ストリーミングを可能にすることと、音楽レーベルを増やすことは、2つとも厄介で費用のかかる仕事だ。しかし、十分な資金を得た今、8tracksはまさにそれを実行しようとしているようだ。

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9.7インチiPad Proは12.9インチiPad Proよりわずかに遅い

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Appleはスペックについて語りたがらない。しかし、実は私のボスMatthew Panzarinoは、新しいiPad ProとiPhone SEのレビュー機を既に持っている。だから、この新デバイス上でわれわれがGeekbenchを走られせることを誰も止めることはできない。結果はいずれも、興味深く驚きのないものだった。9.7インチiPad Proは兄貴分と同じA9Xチップを塔載しているが、クロックはわずかに遅い。

下のGeekbenchの画面にあるように、チップ上のシステムは2.16GHzで動作している。一方12.9インチiPad ProのA9Xは2.24GHzで動いているため、Geekbenchスコアで上回っている。Appleが自社製プロセッサーをアンダークロックしたのはこれが初めてではない。例えばiPad miniではよくやっている。小さなiPad Proはバッテリーも小さいので、プロセッサーのクロックを遅くするのはバッテリー節約の良い方法だ。

RAMに関しては、9.7インチiPad ProのRAMが2GBで、大きいiPad Proの4GBより少ないのにはちょっと驚いた。iPad Air 2は既に2GB RAMを積んでいて、マルチタスクを多く使ったりSafariで複数のタブを開いている時等に感じることがある。他に細かい点では、9.7インチiPad ProのLightningポートはUSB 3のスピードに対応していない。標準のLightningケーブルはUSB 2ケーブルだが、カメラアダプターを使って大きなビデオデータをLightning経由で移動したい人には、12.9インチiPad Proの方が良い選択肢だ。

ただしこれは、9.7インチiPad Proが大きいiPad Proより悪いiPadだと言っているのではない。良いカメラと、良いディスプレーと、統合されたApple SIMが入っている。12メガピクセルのカメラは、iPhone 6sと同じもののようだ。Live Photoや4Kビデオを撮影できる。自撮りカメラも良くなっている。

多くの人たちが、テーブルに9.7インチiPad Proを平らに置けるかどうか心配していた。カメラの出っぱりがあるからだ。答は:大丈夫。がたついたりしない。

ディスプレイには新しい4チャンネル周辺光センサーが付き、周囲の明るさを正確に測ってホワイトバランスを調整する。また、iPad Air 2よりも25%明るく、40%反射が少なく、色域が広い。500 nitsはiPadの画面で最も明るい。そしてLTEバージョンの9.7インチiPad Proには、Apple SIMが内蔵されているので、旅行の際にはデータプランを契約できる。nano SIMカードスロットもまだ付いている。

そして、ソフトウェアキーボードはiPad Air 2と同じだ — Appleは12.9インチiPad Proにある追加キーを付けなかった。

iPhone SEは、RAM 2GBでiPhone 6sと同じだ。つまりAppleはこの小さなiPhoneでケチらなかった。ただし、高速のTouchIDセンサーではない ― iPhone 5sや6のと同じTouchIDセンサーだ。

iPhone SEは驚くほど有能なデバイスのようだが、iPad Proのラインアップは少々混乱を招く。ある面では9.7インチiPad Proの方がパワフルで、別の面では12.9インチモデルの方が優れている。12.9インチiPad Proの方が9.7インチより明らかに大きいので、結局は何をするか次第だ。

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AppleのTim Cook、iPhoneロック解除問題について:「われわれはこの責任から逃げるつもりはない」

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Tim Cookは、Appleの記者会見を驚きの発言と共に開始した。現在アクティブなAppleデバイスが10億台あることを発表した後、AppleのCEOは現在進行中のFBIとの紛争について語った。

「われわれはiPhoneを、われわれの顧客であるみなさんのために作っている。そして、それが極めて個人的な機器であることを知っている」とCookは言った。「多くの人々にとって、iPhoneは自分自身の延長だ」

Appleは、サンバーナーディーノ事件に関与したiPhone 5cをロック解除するつもりはなく、それは数百万ユーザーのプライバシーを侵害することになるからであることを明確に表明した。FBIのための裏口はセキュリティーホールであり、ハッカーが悪用する可能性がある。

「一月前、われわれは国中のアメリカ人にこの議論への参加を呼びかけた。われわれは国家として、政府がわれわれのデータとわれわれのプライバシーに関してどこまで力を持つべきか決めなくてはならない」とCookは言った。

Apple vs FBI

Appleは書簡を公開し、この問題に対する強い姿勢を表した。それは過去一ヵ月間公開デベートにもなり、同社は明日(米国時間3/22)カリフォルニア州で行われる最初の公聴会に出廷する。

「この国のあらゆる階層の人々から受けてきたほとばしる支持に対して、恐縮すると共に深く感謝している。われわれが自国政府と争うこの立場になることは予想していなかったが、みなさんが自分データを保護し、プライバシーを守ることを手助けする責任がわれわれにはあると強く信じている」とCookは言った。「われわれには顧客に対する義務があり、われわれの国に対する義務がある。これはわれわれ全員に影響を与える問題であり、この責任から逃げるつもりはない」

Tim Cook of Apple on Privacy

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iMessageの写真、ビデオ、ファイルの暗号化が解読されるセキュリティホールが見つかる

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暗号化は猫と鼠のゲームだ。Johns Hopkins University(ジョンズホプキンス大学)の研究者たちが、そのことを証明するすごい方法を見つけた。彼らが Washington Postにシェアした研究によると、iMessageで送った写真やビデオやファイルの中身を見られてしまう、深刻なセキュリティホールが見つかったのだ。

iMessageは最初から、暗号化されたメッセージングプロトコルだ。ユーザーがiMessageを送ると、デバイスはAppleのサーバーとのセキュアな接続を開く。メッセージはユーザーのスマートフォン上で秘密鍵を用いて暗号化され、Appleのサーバーへ送られ、相手に届く。そして彼/彼女のスマートフォン上で、メッセージは解読される。

したがってユーザーのメッセージはAppleのサーバー上では解読不能な寝言の集まりだ。Apple自身は、メッセージを解読するための鍵を持っていない。

しかしJohns Hopkins Universityの研究者たちは、ホールを見つけた。メッセージは解読できないが、写真やビデオやファイルを横取りする方法を見つけたのだ。

ファイルは、64ビットの暗号鍵による弱い暗号化方法を使ってきた。研究者たちは、Appleのサーバーのふりをして暗号化されているファイルを横取りするサーバーを開発した。そしてAppleは失敗回数を制限していないので、彼らは何千もの鍵を試した。この力づくのやり方で研究者たちは、誰にも気づかれずに、Appleのサーバーからのファイルを解読できた。

Washington Postによると、すでにiOS 9以降では、デバイスから来るファイルを解読することは困難になっている。しかしそれでも、NSAなどなら解読できるだろう。政府機関やハッカーが、この方法を実際に使っているかは、不明だ。

幸いにもAppleはすでに対策を開発し、今日(米国時間3/21)リリースされるiOS 9.3にはそれが実装されている。ハッキングのやり方は公表されていないし、Appleがそのセキュリティホールを閉じたら研究チームはホワイトペーパーを共有する予定だ。

このハックは、暗号化が完全ではありえないことを、あらためて証明している。セキュリティホールはつねにあり、ハッカーたちはそれを見つける。そしてAppleのような大きなソフトウェアメーカーは、ホールを塞いでハッカー鼠たちを追い払おうとする。だから、ご自分のデバイスにパッチをインストールすることは、とても重要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

社会的企業、Apple

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今日のAppleの記者会見は異例の始まり方だった。通常同社は、いくつか自慢の数値を発表する ― iOS製品の販売台数や、App Storeのアプリ数、iOS普及率等 ― ことから始める。しかし今日は違った。Appleは、基調講演の約1/3を費して、プライバシー環境、およびResearchKitとCareKitについて話した。メッセージは明快だ ― Appleは善人である。

企業の社会的責任に関して、社会的企業[social enterprise]とは、事業と関係の薄いミッションを遂行するために利益を再投資する営利企業のことを言う。Appleは毎年数十億ドルの利益を上げており、社会的企業からはほど遠い。

そしてAppleは、利益の一部をResearchKitのような物に再投資する〈必要がない〉。

上記3つのミッションは、Appleにとって時宜を得たものだ。多くの人々は、iPhoneアンロック問題で自分がAppleとIBMどちらの側につくべきかを知らない。同社が新しいiPhoneiPadを最初に発表するではなく、それらの問題に力を注いだ理由はそこにあるのだろう。

ではこれは、マーケティング戦術の一つなのか、それともAppleは真にこれらのミッションを信じているのか。その疑問は実は重要ではない、なぜならAppleの取り組みは医療研究や優れたリサイクル運動に対して、実際に好影響を与えているからだ。

最終的に〈全員〉が良い状態になる。私はこうした問題についてもっと多くの企業が、もっと真剣に取り組み、オープンに語ることを願っている。たしかにAppleは世界最大級の企業だ。ビジネスがうまくいっていれば、こういう問題に気を配ることも比較的容易だ。しかし、これらの問題は、最も利益を上げている会社だけでなく、多くの会社の利益に影響を与える可能性を持っている。

かつてGreenpeaceがAppleを、危険な材料を使用し、会社の環境戦略を明らかにしていないと非難したことを思い出す。10年以内の間に、Appleは環境に関して開かれた会社になり、今やGreenpeace自身の環境に関する調査結果でトップに立っている。

プライバシーに関して、Appleは何年にも渡り小さな一歩を繰り返している。まずAppleはFaceTimeを暗号化通信プロトコルとして設計した。iMessageがそれに続き、みんな気付く前に、iOS 8以降が走るすべてのiPhoneは暗号化されていた。6年以内のうちに、Appleはプライバシーの代表的存在となり、IT企業は今、Appleの側に立っている

一方、ResearchKitはかなり新しい。昨年公開されたこのフレームワークは、医療研究者が非常に短い時間で研究を実施することを可能にし、iPhoneやApple Watchのあらゆる特殊センサーを活用できるようにした。ResearchKitが5年10年のうちに与える影響を想像してほしい。

Apple製品を好きになることも嫌いになることもできるが、こうしたミッションについてAppleを攻撃することは難しい。Appleは、還元することに関して新たな標準を作ろうとしている。他の会社も耳を傾けていることを願う。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPad Airの後継機は9.7インチiPad Pro―Appleの考えるコンピューターの未来

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Appleはさきほどクパチーノの本社キャンパスで開催された.プレスイベントでiPad Air 2の新しい後継機を発表した。この機種の内容はiPad Airの発展というより小型版のiPad Proであり、Appleもそのとおり、iPad Proと名づけている〔iPadは今回iPad Proの12.9インチと9.7インチの2モデルに再編された〕。

フィル・シラー上級副社長が新しいiPadを発表するのに先立ってCEOのティム・クックは「iPadはコンピューティングの未来を体現するものとして完璧だとわれわれは確信している」と語った。

現行iPad Air 2の発表は2014年10月だったから、今回の新しい iPadはメジャー・アップデートとなる。 ディスプレイが9.7インチである点は現行モデルと変わらないが、それ以外はゼロから作りなおされている。

新しいディスプレイは光の反射が40%も削減され、25%も明るい。カラーの発色も改良されている。 500Nit〔cd/m2〕のディスプレイはこれまでのiPadでもっとも明るい。小型版のiPad ProはiOS 9.3で新設されたNight Shiftにことに良く適合している。日が沈む頃になると自動的にディスプレイは黄色みを帯びた暖色系の表示になる。新iPad Proには4チャンネルのアンビエント光センサーが設けられ、これまでより正確に周囲の光を分析してモニターのホワイト・バランスを調整する。

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12.9インチ版と同様、新しいiPad Proは大きな音響空間を備えたスピーカー4基を内蔵しており、音量、音質ともに良くなっている。この陰にはiPad ProがA9Xチップの採用がある。これによりLTE、802.11ac Wi-Fiの接続も高速化された。iPhon 6sと同じ12メガピクセルのカメラを搭載し、4kビデオを撮影する能力がある。この点では現行の大型版iPad Proを上回る性能となっている。ということは残念ながらボディーの平面からやや出っ張るということだ。

また新iPad用に大型版に似たスマート・キーボードカバーも発表された。現行大型版に比べるとキーはやや小ぶりになっているが、大型版と同じスマート・コネクターが採用されているのでいちいちペアリングしたり重電したりする手間は省ける。

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今日のイベントで、新しいiPad ProはApple Pencilをサポートすることが判明した。またUSBカメラやカード・リーダーなどのLightningアクセサリを接続して写真を転送することもできる。9.7インチ版のiPad Proにはシルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色がある。厚さは6.1mm、重量はWi-Fi + Cellularモデルが444g。

新モデルは価格がやや高くなっており、599ドルからだ。これは最安のiPad Air 2より100ドル高い。しかしメモリーは16GBではなく32GBが搭載される。749ドルで128GBのストレージとなる。今回初めてiOSデバイスに256GBモデルが登場したが、こちらは899ドルだ。これらはいずれもWiFiモデルで、LTE接続モデルの価格については不明だ。iPad Air 2のエントリーモデルの場合399ドルだ。12.9インチのiPad Proでも256GBのモデルが選べるようになった。 9.7インチiPad Proの出荷は4月上旬からだという。

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「〔9.7インチは〕当初からもっとも人気の高いiPadのサイズだった」とフィル・シラーは語った。Appleは9.7インチのiPadをこれまでに2億台売っている。iPad AirをiPad Proと改名することによりAppleはより多くのユーザーに新モデルへ買い替えてもらいたいようだ。

今回AppleがiPadのようなメインストリームの製品を値上げしたのは微妙な戦略といえる。直近の四半期にiPadの売上は前年同期比で25%ダウンしている。Appleが新製品をiPad Airとしなかったのは対前年比で大幅に低下した数字をいつまでも公表したくなかったからではないかという疑いも残る。しかしタブレット製品の頭打ち感はAppleに限った現象ではなく、トレンドというべきものだ。

AppleiPadを独自のカテゴリーと独自のエコシステムの製品にしようと努力している。またiPhoneとiPadの差異を収入源としたい。今回のiPad Proの発表でApple はiPadこそ今回の未来なのだというはっきりしたメッセージを市場に向けて発した。新iPadはこの流れに基いてデザインされた製品であるのは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

新しいiPadに心の準備をしよう

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噂ではAppleは、来週のプレスカンファレンスでiPad Air 2の後継機を発表する。9to5macのMark Gurmanによると、そのデバイスにはエントリレベルの499ドルの機種がなくて、画面9.7インチ、ストレージ32GBの機種599ドルが最安だそうだ。

Appleが高価なiPadを出す理由は、いくつかある。第一に、Gurmanの初期の噂によると、AppleはiPad Air 3をリリースしない。今度の9.7インチのiPadは、小型のiPad Proと考えるべきだ。デバイスは前の機種よりも相当速くて、iPad Proのアクセサリをサポートする。

そうすると今度のiPadではApple Pencilが使えるのだろう。キーボードもスマートコネクタのアドバンテージを利用できる、Apple自身のSmart Keyboardも。まだ分からないのは、このデバイスをAppleがなんと呼ぶかだ。

AppleがiPad Proを発表したとき、同社はiPad Airをアップデートしなかった。iPad Air 2は2004年の10月にリリースされ、スペックのアップに乗ずることができた…とりわけ、マルチタスクと分割画面だ。そしてご存知のように、499ドルのiPad Air 2は16GBのみだ。

今年のこの新しいiPadで、Appleは32GBに切り替え、値上げの印象を多少やわらげる。LTEと120GBを装備した高価なオプションもある。前のiPad Air 2は存続するだろう。そして値下げもあるのか、それはまだ分からない。

最新の“噂ニュース”を整理すると、上記のようになる。Gurmanはいつも正しいけど、Appleの手の内は月曜にならないと分からない。

それでも、ちょっとおもしろいのは、AppleがメインストリームのiPadの値上げを選んでいることだ。もっとも最新の四半期では、iPadの売上は前年比で25%ダウンした。おそらく、AppleはiPad Airをアップデートしなかった。それをすると、売上がまた減になるから。でもその傾向は、すでに2年も続いているのだ。

AppleはiPadを単独の製品ジャンルにしようとしている。‘大きなiPhone’でもなく、実質的に同じバージョンのiOSが載ってるのでもなく、iPadを単にiPadとして差別化してきた。それはiOS 9のiPhoneとも、iPad Proとそのアクセサリとも違うものだ。…Appleは、そう位置づけたい。

今やiPadの能力はアップしているから、このような差別化を有意義に利用できる。唯一残る疑問は、こういう種類のデバイスに果たして市場はあるのか、だ。iPad Proで、Appleは明確な声明を述べた…iPadはコンピュータの未来だ、と。これから同社は新しいことをいろいろ積極的にトライしてみて、人びとがこのビジョンに乗ってくれるか試したいのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、Boston Dynamics売却の可能性が浮上―二足ロボットが怖すぎて評判を傷つける?

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Googleの親会社、Alphabetはロボット開発の子会社の一つ、Boston Dynamicsに満足していないということだ。 Bloombergの記事によると、Alphabetの幹部は「Boston Dynamicsは、向こう数年のうちに大きな収益を生み出す可能性はほとんどないうえに、いっしょに仕事をしづらい相手だ」と考えているという。トヨタ、アマゾンは工場や倉庫業務で利用するためにBoston Dynamicsの買収に興味を示すかもしれいない。

しかし、いっそう興味深いのはGoogleの社内向けメールの内容だ。それによると、 Google自身がBoston Dynamicsに少々脅えているらしい。われわれは皆、先月公開されたBoston Dynamicsのビデオを見ているが、興奮させると同時に恐怖を呼び起こすような内容だった。人型二足歩行ロボットが何度倒されてもそのつど自力で起き上がるようすはまさにターミネーターだった。

2013年12月にGoogleはBoston Dynamicsと他の一連のロボット・スタートアップを買収した。その目的は、Google社内にロボット工学のエンジニアリング部門を立ち上げBoston Dynamicsと協力させるることだった。だがそれ以来ほとんど何も起きていない。.Googleは、レプリカントと呼ばれるプロジェクトで、誰でも入手可能なロボットをできるだけ速く出荷するはずだった。ところがAndy Rubinが去るというリーダーシップの変更に加えて、Google社内のロボット工学エンジニアとBoston Dynamicsのエンジニアの間で深刻な衝突が起きたためにこれは不可能になった。

Googleは社員数万人が働く大企業であり、こうした問題が会議で取り上げられたり部内のメールで議論されたりすれば、情報はいずれ外部に出てくる。すべてのGoogle社員はこのことを知っており、BloombergのBrad StoneとJack Clarkは情報を耳打ちされた。Bloombergにリークしたのは レプリカントやBoston Dynamicsには直接関係していないGoogle社員だろう。

Google Xの広報ディレクター、Courtney Hohneは 部外秘のメールで、「テクノロジー・メディアは興奮しているが、報道にはいくぶんの恐怖が混じっている。〔Boston
Dynamicsのロボットは〕人間の仕事を奪うレベルに達しているとして、ネガティブな意見が出始めた」と書いた。するとこのメールは公開性の高いGoogleフォーラムに転載され、結局Bloombergの記者が入手に成功した。

Hohneはこの後、 「われわれはGoogle内でBDの立場が本当はどうなっているかついて新たなメディアの大騒ぎを引き起こしたくない」と述べている。

Googleのロボット事業部のディレクター、Aaron Edsingerは、「Boston Dynamicsと仕事をすると『レンガの壁』〔のような秘密主義〕に突き当たることが多い」と述べた。報道によればレプリカント・プロジェクトは去る12月に閉鎖され、Googleのロボット・エンジニアは現在他のGoogle Xプロジェクトに取り組んでいるという。

Boston Dynamicsのエンジニアについていえば、彼らは現在新しい買い手が現れるのを待っているところだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ウェアラブルは次のレベルへ―かわいいデバイスでハトが大気汚染をモニター

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ウェアラブルデバイスは次の段階に進む準備ができたようだ。Plume LabsDigitasLBiは面白い実験を行うために協力した。ラッシュアワーのロンドンの大気の状態を調べるために小さなバックパックを背負ったハトが上空を飛び回ってサンプルを集めるというアイディアだ。

パブで酩酊しているときに思いついたというわけではないらしい。とにかく現在そのデバイスを装着した10羽のハトがロンドンの空を飛び回っている。実験はあと3日続けられるそうだ。

このエアー・パトロール隊員のハトは特別に作られた小さなパックを背負う。これはごく軽くて、羽根一本くらいの重さだ。このパックで採取された大気はオゾン、二酸化窒素、その他大きく変化する微量成分を分析される。ハトの飛行記録も記録される。それになんといってもかわいい。

ただしこのハトはそのへんにいるハトではない。エンジニアのチームはBrianの協力を得て、この任務に適したレース用ハトを借りだした。また獣医がハトの健康状態を定期的にチェックしている。ロンドン在住の読者はTwitterでハトの位置をモニターできる。また居住地区の最新の大気の状態を知ることもできる。

Plume Labsは以前から大気汚染の予測を手がけてきた。Plume Air ReportはiOSとAndroidのアプリになっており、都市部の大気汚染の最新情報と24時間後の予測を知ることができる。カバーしている都市は全世界数百にもなる。大気汚染版の天気予報アプリと考えればいいだろう。

チームは現在、既存の気象予報サービスから得られるオープンソースのデータを利用しているが、今後はウェラブルデバイスを利用したデータ収集を行いたいとしている。ハトの大気汚染調査員はおおいにマーケティングに寄与しそうだが、同社ではクリップで止められる小型の大気採取パックを開発している。このパックは、残念ながらハトではなく、人間用だ。

ロンドン・インペリアル・カレッジはPlume Labsと提携して大気を調査するE-Plumeというプロジェクトを計画している。ロンドン居住者100人が大気採取パックを装着して汚染のパターンをモニターすることになる。いわば

Plume Labsの共同ファウンダー、CEOのRomain Lacombeは私の取材に対して「このプロジェクトはいわば『大気汚染調査版の』Waze』だ」と説明した。さらに正確な情報が得られれば予報も精度を増すことになる。

Plume Labsは資金集めのためにクラウド・ファンディングを始めた。支援者はチームが今年予定している大気汚染調査のための各種の実験に協力することが求められる。

〔日本版〕Plume LabsのiOS/Androidアプリは東京始め日本の13都市をカバーしている。かなり多くの情報へのアクセスを求められるが許可しなくても大気情報は表示される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+