Spotifyがこの10年間を振り返るオリジナルポッドキャストを配信

Spotify(スポティファイ)のポッドキャスト推しは続いている。米国時間12月16日に、10個のエピソードから構成されるポッドキャストのオリジナルシリーズ「The Decade Wrapped」(10年間のまとめ)が新たにリリースされた。Spotifyの年末の「Wrapped」(まとめ)キャンペーンから得られた知見やデータを活用したポッドキャストだ。WrappedはSpotifyが年に1度(今年は10年分)、その年最大の音楽のトレンドを振り返るものだが、それぞれのユーザーに合わせてパーソナライズされている。これに対してThe Decade Wrappedは、Spotifyユーザーがストリーミング再生したデータを集計して制作されている。

画像:stockcam / Getty Images

The Decade Wrappedには、ドレイク、ニッキー・ミナージュ、ワン・ダイレクション、ビヨンセといったアーティストや、ハーレムシェイクやDespacito(デスパシート)のような大きな流行が取り上げられている。Spotifyユーザーがアーティストや曲を何回ストリーミング再生したかに基づいて選ばれた。

ストリーミング再生の回数を紹介しよう。ニッキー・ミナージュの曲で最も人気のある「Bang Bang」は7億3000万回以上。ワン・ダイレクションの「What Makes You Beautiful」は2億7000万回以上。ビヨンセの「Halo」は 7億500万回以上。アリアナ・グランデの「hank u, next」は9億7300万回以上。 ケンドリック・ラマーの最大のヒット曲「Humble」は11億回以上。 マーク・ロンソンの「Uptown Funk」は10億8000万回以上。

ヒット曲の「デスパシート」は13億回以上、「江南(カンナム)スタイル」は2012年の登場以来2億500万回以上再生された。

The Decade WrappedポッドキャストのホストはEric Eddings(エリック・エディングズ)で、Robin Thede(ロビン・テド)、Hannah Bronfman(ハナー・ブロンフマン)、Lele Pons(レレ・ポンズ)といった評論家、コメディアン、インフルエンサー、ライターも出演している。こうした出演者がこの10年間にポップカルチャーを定義した音楽を振り返っている。

過去を懐かしく振り返るコンテンツは、エンターテインメントでは人気の形式だ。例えばケーブルテレビチャンネルのVH1が放送する「I Love the…」シリーズは、同局で最も人気のある番組のひとつだ。Spotifyが年末に配信するWrappedも、ソーシャルメディアにたくさんの投稿があるところを見ると多くのリスナーが楽しんでいるようだ。

The Decade Wrappedは、ポッドキャストのリスナーをSpotifyのサービスに引き寄せようとする一連の動きのうち最も新しいものだ。最近では、ユーザーが好きなトピックを選ぶとおすすめのポッドキャストがリコメンドされるようになった。Wrappedにポッドキャスターの指標が追加され、パーソナライズしたポッドキャストのプレイリスト機能が登場し、自分のプレイリストにポッドキャストを追加できるようになり、Spotify Studios、そして同社が買収したGimletParcastが制作する新しいオリジナルシリーズが次々に配信されている。

The Decade Wrappedの最初の3エピソードは米国時間12月16日から配信されていて、残りのエピソードは今週、毎日配信されるとSpotifyは発表している。このポッドキャストの詳しい内容はSpotifyのサイトで紹介されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

App Annieが2019年のモバイルアプリやゲームのiOS/Android総合トップ10を発表

App Annie(アップ・アニー)が発表した今年の年間レポートによれば、世界のモバイルユーザーは2019年末までにApp StoreとGoogle Play から合計1200億回のダウンロードを行うことになるという。

これは2018年から5%のアップで、再インストールやアップデートのダウンロードは含まない新規ダウンロードだけの回数。ダウンロード回数の新記録という、注目すべき数字だ。2019年の両ストアの売上合計は900億ドル(約9兆8650億円)に近づいており、対前年比で15%のアップだ。このレポートには今年のダウンロード回数、売上などのトップ10もリストアップされている。

世界で最もダウンロード回数が多かったアプリ(ゲームを除く)の顔ぶれは今年も比較的安定していた。シンガポールに本拠を置くショートビデオのLikeeが唯一の新顔だった。ここではTikTokが4位となり、FacebookグループのInstagramだけでなくSnapchat、Netflix、Spotifyも上回った。ただし今年もダウンロード回数トータルではFacebookグループが圧倒しており、Messengerが1位、Facebook本体が2位、WhatsAppが3位だった。

ゲームのダウンロード回数はアプリよりはるかに入れ替わりが多く、トップ10のうち7タイトルが今年の新顔だった。カジュアルカーレースのFun Race 3D、人気シューティングゲームのモバイル版であるCall of Duty: Mobileがこの乱戦に割り込んだのが目立つ。

アプリ売上ではゲームが圧倒的な割合を占めるが、今年のトレンドはサブスクリプションの伸びだった。ゲーム以外のジャンルでの売上の成長は写真とビデオ、エンタテインメント分野が中心となり、App Annieではこのトレンドは2020年に継続するものと予測している。今年大人気となったDisney+のサブスクリプションの売上も来年はリスト入りしてくるかもしれない。この分野ではHBO Max、NBCUのPeacock、ジェフリー・カッツッェンバーグのQuibiといったメジャーなサービスの開始も予定されている。

App Annieが報じたとおり、すでに多くのアプリがサブスクリプション・モデルを採用している。2019年9月を終期とする年度で、ゲーム以外の売上トップ100のアプリの95%はアプリ内課金によるサブスクリプションだった。アプリ、ゲームのパブリッシャーがサブスクリプションを採用するトレンドは今後も継続し、消費者の支出を押し上げるだろうと同社は予測している。

昨年はNetflixが首位だったが、今年はデートアプリのTinderがNetflixを押しのけて1位となった。昨年は「ゲーム・オブ・スローンズ」のおかげで好調だったHBO NOWが今年はトップ10入りを果たせなかった。かわりにLINEマンガが滑りこんだ。Tencent VideoとiQIYIは昨年と同順位だったが、YouTubeは7位から5位に上昇し、逆にPandoraは5位から6位に順位を落とした。

App Annieでは今年は「ブレークアウト」という新しいジャンルを作り、今年人気が出たアプリ、ゲームをリストアップした。これはダウンロード数、売上の各分野で対前年比伸び率が最大だったタイトルだ。ダウンロード回数では7位だったYY IncのLikeeが今年のブレークアウト・アプリのトップとなっている。2位も同じYY IncのNoizz、4位も同社のアプリでインドで人気が出たソーシャルゲームのプラットフォームのHagoだった。ブレークアウトの3位はByteDanceのHeloとなっている。Good Job Gamesのタイトルが1位から3位まで独占しているのが目を引く。

売上のブレークアウトにはYouTube、iQIYI、DAZN、Tencent Videoなどが入っている。顔ぶれは他のトップ10に近い。ゲーム分野ではハイパーカジュアル系タイトルがトップ10のうち7つを占めた。話題のリリース、任天堂のマリオカートツアーとActivisionのCall of Duty: Mobileもランクインしたが、やはり消費者の支出はハイパーカジュアルのようだ。

【Japan編集部追記】App Annieには日本におけるiOSアプリ、ゲームについてのリストも公表している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

機械学習のDataRobotが前処理のPaxata買収、プラットフォーム強化へ

各種の機械学習サービスの自動化がトレンドになっているが、この分野の有力企業であるDataRobotは、機械学習のためのデータを準備するプラットフォームを開発・運営するPaxataを買収することを発表した。買収予定金額などの詳細は明かされていない。Paxataはこれまでに計9000万ドル(約98億4400万円)の資金を調達したと発表している。

DataRobotは現在まで、開発ワークフローのうち主として機械学習とデータサイエンスの分野に注力していた。モデルのデザインとテスト、それに続くシステムの構築等だ。利用するデータの準備はPaxataなどほかのベンダーに任せていたが、このギャップを埋めるため、DataRobotは9月に2億600万ドルの資金(約225億円)を調達している。

DataRobotのプロダクト開発およびカスタマー・エクスペリエンス担当シニア・バイスプレジデントを務めるPhil Gurbacki(フィル・グルバッキー)氏はTechCrunchの取材に対して次のように述べた。

「DataRobotは長年機械学習に集中してきたため、この分野で成果を得ることが可能ないくつかの優れたデータ準備システムが存在することに気づいていた。我々は機械学習モデル構築のためのユニークで実効あるデータ準備を構築することができた。このシステムはDataRobotの知識とノウハウをベースに我々のプラットフォームにPaxataのデータ準備ツールを統合したものだ」。

Paxataの共同創業者でCEOのPrakash Nanduri(プラカシュ・ナンドゥリ)氏は両社は統合に向けた適合性が非常に高いことを認めて次のように述べた。「DataRobotのユーザーはそれぞれにデータ、情報の管理の問題を抱えている一方、Paxataは急速にユーザーを増やし、データから価値を生み出す手助けをすることが可能になる。この統合により、ユーザーにとっての両社の価値は指数関数的にアップする」。

DataRobotがボストンに本拠を置くのに対し、Paxataはカリフォルニア州レッドウッドのスタートアップだ。今後はPaxataはDataRotの西海岸支社を兼ねることになる。両社合計して100人あまりの社員は全員がDataRobotに所属することとなる。

買収によりPaxataはDataRobotプラットフォームに密接に統合されることなるのはもちろんだが、Paxataプロダクトはスタンドアロンのブランドとして従来どおり提供が続くという。

PitchBookによればDataRobotは総額4億3100万ドルの資金を調達している。前述のように最近のラウンドでは2億600万ドルを調達した。このときDataRobotは「適切な対象があれば(この資金で)買収を検討したい」と述べていた。実際、この案件では両社の主力事業が補完関係にあるだけでなく顧客も重複しているためマッチ度は高い。買収手続きは年来にも完了する見込みだ。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Pandoraが対話できる音声認識広告のテストを開始

音楽ストリーミングサービスを運営するPandora(パンドラ)は、リスナーの声に反応する新型広告のテストを開始した。この新しい広告では、質問の後に音が鳴り、リスナーは「イエス」と答えるよう促される。その後、広告は質問に即した製品やブランドの詳細を説明する。

この広告のテストに参加する最初の広告主には、Doritos(ドリトス)、Ashley HomeStores(アシュレイ・ホームストア)、Unilever(ユニリーバ)、Wendy’s(ウェンディーズ)、Turner Broadcasting(ターナー・ブロードキャスティング)、Comcast(コムキャスト)、Nestlé(ネスレ)などが名を連ねている。

広告はまず、どこの広告か、そしてそのように働くかを説明する。そして、簡単な短いメッセージの後に質問が伝えられ、リスナーの返答を待つ。

例えばウェンディーズの広告では、お腹が空いているかどうかをリスナーに尋ねる。「イエス」と答えると、何を食べたらよいか、お勧めのメニューを広告が教えてくれる。DiGiorno(ディジョーノ)のピザの広告では、ピザにまつわるジョークのオチを聞きたければ「イエス」と言ってほしいとリスナーにねだる。Ashley HomeStoresの広告は、良質な睡眠をとるコツを伝授する。などなどだ。

この新形式の広告は、Pandoraの音声技術を応用している。これは今年の初めにローンチされた同社のスマート音声アシスタントアプリであるVoice Mode(ボイス・モード)を支えている技術でもある。Voice Modeは、Pandoraのユーザーが手を使わずに声で音楽の操作ができるようにするためのものだが、この音声認識広告は、画面をタップしたり詳しい情報のリンクを開いたりすることなく、手を使わずにリスナーが広告に応対できることを目的にしている。

Pandoraでは、この種の広告は、リスナーの注意を強制的に惹引きつけることで説得力を高められると確信している。企業の広告主からすると、音声認識広告は、どれだけの人に広告がリーチできたかを直接計れる手段となる。従来の、クリックに対応しない言葉が流れるだけの広告では不可能だったことだ。

Pandoraは、このインタラクティブな音声認識広告のテストを、まずはサンフランシスコのアドテック企業であるInstreamatic(インストリーマティック)と行うと今年の4月に発表していた。そのとき、新形式広告のベータテストを第四四半期に行うと話していたが、そのとおりに実施されたわけだ。

この広告は、SiriやAlexaやGoogleアシスタントなどの音声アシスタントに話しかけることを一般の消費者が普通に感じられるようになった今の時期に登場した。Fire TVやAppleTVに話しかけて見たい番組を探したり、PandoraやSpotifyに好きな曲を流すよう声で依頼するといった、音声の命令に対応するサービスへの期待も高まっている。

しかし、インタラクティブな音声認識広告を消費者が喜ぶかどうかは、まだまだ未知数だ。Amazonですら、本来の使い心地が阻害されたと感じたユーザーが離反してしまうことを恐れて、Alexaプラットフォームでの音声認識広告制限している。Spotifyも今年、音声認識広告を行ったが限的的だ。

Pandoraの場合、ユーザーは質問に応じる必要がない。ユーザーが数秒間黙っていたり「ノー」と返事したときは、そのまま音楽の再生に戻るとのこと。

Pandoraは、この広告はPandoraアプリのごく一部のユーザーに米国時間12月12日から流されると話している。

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(翻訳:金井哲夫)

米国ではアップルとSpotifyのポッドキャストをEchoで聴ける

Amazon(アマゾン)のAlexaがApple(アップル)のポッドキャストを再生できるようになり、Amazonの一連のEchoデバイスは、AirPlayを使わずにアップルのポッドキャストをサポートする最初のサードパーティクライアントになった。これまで、このレベルのサポートはAppleのHomePodだけだった。Amazonによると、これによりAlexa対応デバイスはアップルが保有するの80万件あまりのポッドキャストライブラリにアクセスできることになる。そしてユーザーは、アップルのポッドキャストtをお気に入りに指定できる。

以前にも、最近は両ライバルのパートナーシップが見られるようになっていた。例えばAmazonのFire TVにApple TVアプリが提供されたし、Apple MusicがEchoデバイスFire TVでアクセスできるようになった。そしてAmazonの売り場では、Apple TVやiPad、iPhone、Apple Watchなどのアップル製品を扱うようになった。

Alexa対応デバイスでアップルのポッドキャストにアクセスするためには、Alexaのアプリの中でアップルの自分のIDをリンクする。そして聴きたいポッドキャストをAlexaに指示する。「次」や「早送り」などのプレーヤーコマンドも使える。デバイスを変えても、各エピソードの聴取位置が同期しているので、Alexaの続きをiPhoneで聴くこともできる。

Alexaアプリの設定アップルのポッドキャストをデフォルトに指定すると、Alexaのポッドキャストを要求するだけでアップルのポッドキャストからのストリーミングが始まる。

これに負けたくないSpotifyは、アメリカにおけるAlexa上のポッドキャストのストリーミングのサポートを米国時間12月13日に発表した。Spotify Premiumのユーザーは前からSpotify Connectを使ってEchoへストリーミングできていたが、本日からは米国の無料と有料の両方の顧客がAlexaにポッドキャストを頼めるようになり、Spotifyをデフォルトに指定することもできる。

AlexaのSpotifyポッドキャストのサポートは、シアトルで行われた例年のAlexaイベントでそのほかのニュースとともに9月に発表されていたので、アップルほどのサプライズはない。

そのときAmazonは、米国ではSpotifyのポッドキャストライブラリのサポートを加える。それによりAlexaから数十万のポッドキャストにアクセスできると語っていた。それにはSpotifyの数多い限定版ポッドキャストも含まれるので、それがSpotifyをデフォルトに指定する動機になるかもしれない。

シアトルでの発表の直後、Spotifyは有料だけでなく無料のサービスもAlexaデバイスにストリーミングできると表明していた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Huluが「広告なし」で視聴できる新広告フォーマットを導入

Huluは12月12日、「ビンジウォッチャー」向けの新たな広告の仕組みを導入した。ビンジウォッチャーとは、お気に入りの番組のいくつかのエピソードを続けざまに観る人、イッキ見視聴者のことだ。今回導入する「ビンジウォッチャー広告」は、視聴者がビンジウォッチを始めるタイミングを機械学習技術で予測し、イッキ見が行われていることを認識して関連広告を流す。これは、視聴者が3つ目のエピソードを観ようとする盛り上がっているタイミングで行われ、次のエピソードが広告なしで視聴できること、もしくはブランドパートナーから視聴者個人に提供されたものだと表示される。

ビンジウォッチ広告のコンセプトは、5月に開催されたHuluの年次プレゼンNewFrontsで発表されていた。NewFrontsでは広告主に新しい番組や機能、広告フォーマットを紹介する。Huluは、あまり目立たない方法でストリーミング視聴者に提供する新しい広告フォーマットを定期的に実験している。例えば、視聴者が一時停止ボタンを押したときにだけ現れる「一時停止広告」(Pause Ads)はすでに提供されている。

「お気に入り番組のイッキ見はかなり一般的なものになっているため、ビンジウォッチャーをターゲットにするのは理にかなっている」とHuluは話す。現在では米国の消費者の75%がイッキ見する。特にHuluでは広告入り番組の視聴時間の50%近くがイッキ見によるものだ。Huluは、3エピソード以上を続けざまに視聴することを「ビンジ」と定義している。

今回の新しい広告フォーマットでは、Huluの立ち上げ専門エージェンシーパートナーであるPublicis Media経由で、Kellogg’s、Maker’s Mark、そしてGeorgia-Pacificが最初の広告主となる。

Kellogg’sはビンジウォッチ広告でスナック菓子のCheez-It Snap’dを、Georgia-PacificはペーパータオルのSparkleを宣伝する。もちろんMaker’s Markはバーボンだ。

「マラソンスタイルの視聴中に消費者にアピールしたり報いたりする方法となることから、新フォーマットに興味を持った」と広告主である3企業は話す。また、現代の消費者によるテレビの楽しみ方にもフィットするというのも理由だ。Netflixのような広告がない購読制ビデオサービスの盛り上がりを受けて、ユーザーは視聴を邪魔する広告に対して許容的ではなくなりつつある。実際、視聴中に繰り返し広告を流すブランドに嫌気さえ感じている。

それにひきかえ新フォーマットでは、広告なしでエピソードを視聴できるようにし、ブランドがそのスポンサーになる仕組みになっているので、ブランドに対するポジティブな印象を視聴者に与えることができる。

現代のテレビの見方に合う新たな広告フォーマットの開発にフォーカスすることで、Huluはライバルを出し抜くことができるかもしれない。動画ストリーミングサービスでは数多くの形態があるが、広告が入るプロダクトはその1つで、Roku Channel、AmazonのIMDb TV、Sinclair’s Stirr、ViacomのPluto TVTubi、YouTube、VuduのMovies on Us (Walmart)、Plexなどたくさんの無料サービスとの競争にさらされている。

画像クレジット:Lars Niki / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Fbメッセンジャーにスター・ウォーズのスタンプとARエフェクトが登場

Facebook Messengerにスター・ウォーズがやってきた。米国時間12月12日、Facebookはスター・ウォーズをテーマにした新機能をMessengerユーザーに提供開始したことを発表した。チャットテーマ、リアクション、スタンプ、ARエフェクトなどがある。ディズニーとの提携によって、近日公開の映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のプロモーションの一環として行われる。映画は12月20日に日米同時公開される。

スタンプとリアクションでは、フォースの両サイドのキャラクターを使ってユーザーの気持ちを表現できる、とFacebookは言っている。例えば、フィンのように笑い、レイのように驚き、C-3POのように泣き、カイロのように怒りを表したり、BB-8にサムズアップをストームトルーパーにサムズダウンしたりできる。さらにディズニーは、写真や自撮り、ビデオ通話などで使用できる限定版のARエフェクトも作成した。

例えば、ライトスピード・エフェクトは、ハイパースペースに飛び込むように見せることができる。コックピット・エフェクトでは、レジスタンスの一員となってポー・ダメロンのXウィングに乗って銀河系を飛び回る。ダーク vs ライト・エフェクトでは、フォースのどちらのサイドかを選ぶことができる。

スター・ウォーズのチャットテーマもある。Messengerスレッドの設定から選ぶことができて、メッセージがまるで宇宙を飛んでいるようになる(設定画面はスレッド名をタップすると出てくる。通常はチャットメンバーの名前だが、誰かが名前を変更している場合もある)。どの機能も無料で使える。

日本語版では設定画面の「カラー」からテーマを選べる

ディズニーが主要IT企業と提携してスター・ウォーズの大型マーケティングを行うのはこれが初めてではない。2015年に ディズニーはGoogleと組んでGmail、YouTube、Googleマップ、Chromeなどのアプリで、ライトサイド・エフェクトかダークサイド・エフェクトのテーマを作る新しいツールを開発した。同じ年にFacebookも、プロフィール写真をスター・ウォーズのテーマに変えて、ダークサイドのクロスガード・ライトセーバーかライトサイドのブルーを選んでポーズを取れるようにした。

そして2017年、GoogleはARスタンプアプリを開発し、ライセンスされたスター・ウォーズのキャラクターを使って「最後のジェダイ」のプロモーションを行った。Appleも例外ではない。Clipsアプリの改訂版で、同じく「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のミレニアム・ファルコンやメガスター・デストロイヤーなどを使った「自撮りシーン」を提供した。

この手のコラボレーションは双方にとってメリットがある。今回のMessengerパートナーシップで、ディズニーはMessengerの10億人以上のユーザーに新作映画を宣伝できる。一方Facebookは、競争の激しいメッセージングアプリ市場で自社のMessengerアプリの利用を促進し定着率を上げることができる。過去のパートナーシップと同じく、金銭のやり取りは発生していない。

新しいスター・ウォーズ機能は、米国時間12月12日からMessengerで利用できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ヘイトスピーチ、無言の脅迫、違反常習者に厳格に対応するYouTubeの反ハラスメントポリシー

YouTubeのCEOであるSusan Wojcicki(スーザン・ウォシッキー)氏は、先月発表した四半期書簡の中で、新たな反ハラスメントポリシーを検討中だと述べていた。米国時間12月11日、その努力の結果として、脅しや個人攻撃に対する毅然とした立場、有害コメント対策、違反常習者への厳しい対応を含む新しいポリシーが示された。

「ハラスメントは、意見を言いたい気持ち、他者とつながりたい気持ちを萎縮させ、私たちのコミュニティーに損害を与えます。私たちは、今回もまた、この改訂版ポリシーの策定の間に会ってくれたみなさんを含め、クリエイターたちから意見を聞いています」と、YouTubeの信頼グローバルヘッド副社長Matt Halprin(マット・ハルプリン)氏は発表の際に述べている。

YouTubeは、以前、ウォシッキー氏が表明していたように、今後もオープンプラットフォームであり続けると主張している。とは言え、ハラスメントは容認できない。そこで、YouTubeのクリエイターやコミュニティーをハラスメントから守るために、最善と思われるいくつかの対策を打ち出した。

今回のポリシー策定にあたり、YouTubeは、ネット上のいじめを研究する団体、ジャーナリストを代表する擁護団体、表現の自由を支持する団体、あらゆる政治的立場の組織など、幅広く専門家から意見を聞いた。

ポリシー改訂の第一段階は、無言の脅しに関するものだ。

今までYouTubeは、あからさまに人を脅す動画、知られたくない個人情報を晒す(ドキシング)動画、誰かをいじめるよう奨励する動画を禁じてきた。今回から、このポリシーに「無言の、または暗示的な脅し」も含まれるようになった。これには、個人に暴力を加えるふりをすること、物理的な暴力が発生すると示唆する言葉を使うことなどが含まれる。

YouTube Creators YouTubeのハラスメントを予防するようもっと努力せよと、大勢のみなさんから意見をいただいてきました。そこで、クリエイター、専門家、団体などから幅広く話を聞き、ハラスメントに関するポリシーの変更を検討し、本日、改訂となりました。詳しくは下のリンクを
YouTube Creators 人種、身体的特徴、性的指向、宗教、性別など、人の固有の特性を長期にわたり中傷する言葉の暴力には厳格に対応。ただしこれは、幅広い芸術表現や重要な課題に関する議論などに対する我々のオープンな姿勢には影響しません

新しいポリシーでは、保護された特性、つまり、人種、性別表現、性的指向、宗教、身体的特徴に関して人に「悪意をもって侮辱する」言葉も禁じている。

そこは、YouTubeが特に強く批判されてきた領域だ。最近では、Steven Crowder(スティーブン・クロウダー)論争がある。保守系コメンテーターであるクロウダー氏は、ジャーナリストのCarlos Maza(カルロス・マザ)氏のことを話すたびに、繰り返し、人種差別的、同姓愛者嫌悪的な言葉を使っていた。

YouTubeはそのチャンネルの広告による収益化を停止(デマネタイズ)したが、動画はポリシーに違反していないと主張していた。しかし後に、この件に関するポリシーの見直しを行うと宣言した。

YouTubeのオープンな性格は、今月も、ウォシッキー氏が米国の伝統的なニュース番組60 Minutes(シックスティー・ミニッツ)でこのYouTuberのためのプラットフォームのポリシーを擁護したことから問題視された。

記者のLesley Stahl(レスリー・ストール)氏が的確に指摘してように、YouTubeは民間事業であるため、表現の自由を保障した米国憲法修正第1条の法的な影響を受けない。すなわちYouTubeは、そのプラットフォームでは何が許され何が許されないかを独自のルールで規定できるということだ。しかし、YouTubeは長年にわたり、白人至上主義者が人々の教化に利用したり、陰謀論者が怪しい陰謀説を言い触らした結果、ピザゲートのように実際の暴力事件に発展することがあっても、憎悪に満ちたコンテンツや偽情報の拡散を許すプラットフォームのデザインを堅持してきた。

特にYouTubeは、このポリシーは、一般個人、YouTubeクリエイター、さらには“公務員”など、すべての人に適用されると話している。この件に関しては、Twitterのポリシーとは対照的だ。Twitterでは、ルールに反する公務員のツイートは削除されないが、わざわざクリックしなければ読めない場所に隠される。

もうひとつの大きな変化は、必ずしも一線を越えていなくても、規約に違反していなくても、反ハラスメントポリシーに何度も「かすってくる」ような動画には強い態度で臨むという点だ。

つまり、動画でもコメントでも、日常的に他人を侮辱するようなクリエイターは、YouTube パートナープログラム(YPP)の資格が停止される。これにより、態度が不適切であったり、広告主に対してブランドセーフティーではない動画のクリエイターにYouTubeが対処できるようになる。さらに、YouTubeはこの規則の解釈に応じて、個別に、折に触れて、聴取できるようになる可能性もある。

クリエイターのYPP資格の停止はひとつの段階だ。それでも他人へのハラスメントが止まらないときは、そのクリエイターには警告が発せられるようになり、やがてはチャンネルを削除することになるとYouTubeは話している。

もちろん、YouTubeはこれまでもチャンネルのデマネタイズという罰則を加えていたが、今回、正式なポリシーとしてこの対応がしっかりと明文化されたわけだ。

はっきりしないのは、どのようにしてYouTubeはボーダーライン上にあるチャンネルに対するルールを規定し実施するかだ。ゴシップのチャンネルは規制されるのか?反目し合うクリエイターたちには影響するのか?こうしたルールは自由に解釈できるため、今はまだ不明だ。

YouTubeでは、コメント欄で展開されるハラスメントへの対応も変更すると話している。

クリエイターも、動画を見る人も、コメント欄でハラスメントに遭遇すると、標的にされた人が嫌な思いをするだけでなく、会話が冷めてしまうとYouTubeは言う。

YouTube Creators ハラスメントが招く結果:ハラスメントはひとつの動画に留まりません。同じ人に対して複数の動画やコメントで悪意ある攻撃を続ければ、罰則、YYP資格停止、警告、削除につながります
YouTube Creators コメントのモデレーション:年末までに、ほとんどのチャンネルで、不適切と思われるコメントを自動的に審査に送るツールが適用されます。このオプションはいつでも無効にできますが、事前に利用した人たちは、チャンネル上のコメントのフラグが75%減少したと話していることに注目してください

先週、YouTubeの最大級のチャンネルで、有害と思しきコメントをデフォルトで自動的に審査に送る機能が新たに適用された。年末までに、この機能をすべてのチャンネルにデフォルトで適用する予定だ。クリエイターはこのオプションをいつでも解除できるが、有効にすれば、有害かどうかを自分で判断できない人でも、保留されたコメントをまとめて除外できる。

YouTubeによれば、この機能の開始早々の結果は良好だという。各チャンネルでは、ユーザーがフラグを付けたコメントが75パーセント減少した。

YouTubeは、この機能の判断が論争を招くことにもなりかねないと認識し、クリエイターたちに、誤った判断が下されたと感じた場合に再検討を申請できる制度の周知に努めている。

「これらの改訂を行っても、YouTubeが人々がさまざまな考えを表現し合う場所であり続けることは極めて重要です。公益に関する議論や芸術表現を今後も守っていきます」とハルプリン氏。「そしてそうした議論が、誰もが参加しやすく、誰であっても身の危険を感じることがない形で展開されることを信じています」。

このポリシーは紙の上では立派に見えるが、実施に関してはこれからのYouTubeの最大の課題となる。YouTubeには、問題のコンテンツを審査する人間が1万人いる。しかし、これまでは何が“有害”かの基準が非常に狭かった。今回のポリシーの強化により、YouTubeの口約束ではなく、現実の行動がどう変わるかはまだ不透明だ。

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(翻訳:金井哲夫)

Spotifyの誕生ストーリーがNetflixでドラマ化

Facebookの創立の過程はアーロン・ソーキン脚本、デビッド・フィンチャー監督で「ソーシャル・ネットワーク」という映画になった。ハリウッドの大物プロデューサーであるジェフリー・カッツェンバーグが準備中のQuibiはSnapchatの立ち上げ取り上げるという。米国時間12月11日、Netflixが発表したところによれば、世界最大の音楽ストリーミングサービスのストーリーがドラマ化される。

製作のきっかけとなったのはスウェーデンのDagens Industriに掲載されたSven Carlsson(スベン・カールソン)氏とJonas Leijonhufvud(ジョナス・レイホンフフヴド)氏による Spotify Untold(知られざるスポティファイ)という記事だったという。これはSpotifyの創立と、同社の10年が人々の音楽の聞き方を一変させた過程を描いたものだった。

Netflixの北欧オリジナル担当ディレクターであるTesha Crawford(テシャ・クロフォード)氏は「Spotify創立のストーリーはローカルなスタートアップの創立が世界に大きな影響を与えることになるという驚くべき例だ。Netflixはこのエキサイティングな成功物語をドラマ化しようと取り組んでいる。我々はPer-Olav Sørensen(パー-オラフ・ソレンセン)監督と英国のYellow Bird UKのチームと引き続き協力していく」と述べた。

フランスの独立系スタジオのBanijay Groupに属するYellow Bird UKは、Netflixで近く公開される刑事ヴァランダーの活躍を描くドラマ「Young Wallander」の製作にもあたっている。まだタイトルが決定していないSpotifyの物語の製作もYellow Bird UKが担当する予定だ。製作総指揮となるBerna Levin(ベルナ・レビン)氏はYoung Wallanderの製作にも当たっている。

物語はスウェーデンのテクノロジー起業家であるDaniel Ek(ダニエル・エク)氏、Martin Lorentzon(マーティン・ロレンツォン)氏のコンビが海賊版音楽の横行する時代に無料かつ合法的な音楽サービスを構築するところに焦点を合わせている。Netflixでは「無名の起業家を信念と固い決意がいかに助け、現状を打破して巨大な夢を実現させたかを描く」という。シリーズは英語版、スウェーデン語版の双方で提供される。

製作総指揮のレビン氏は「タイムリーかつエンタテインメント性の高い物語をNetflixに提供できるものとと期待して興奮している。スウェーデンのテクノロジー・コミュニティの数人のメンバーが世界の音楽業界に革命を起こすに至ったかというストーリーだ。音楽の作られ方も聞き方もSpotify以後は一変した。これはまぎれもなく実話だ。この10年でSpotifyは我々の生活を変えたが、それは同時に世界をデジタル化するという文化的、経済的な苦闘の過程でもあった」と語った。

Netflixの声明によれば、テクノロジーの動きは極めてに速いため、スタートアップの物語をドラマ化するのは大変難しいという。Spotifyは現在でも変化を続けている。ドラマが放映されるときはさらに変化を遂げているに違いない。

「Spotifyをテーマにすることでスウェーデンのリアルな生活を描けると期待している。これはスウェーデンのウィズキッズが世界の音楽シーンを永久に変えてしまったという現代版シンデレラ・ストーリーであり、今もなお展開中だ」とソレンセン監督は述べた。

Netflixではリリース日時はまだ明かしていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Apple CardのiPhone無利息分割購入プログラム12月中なら6%還元

Apple(アップル)は米国時間12月10日に、Apple Cardの保有者が新しいiPhoneを無利息で24カ月分割で購入できるプランを開始した。同社は10月の決算会見でこのプランを発表していたが、すべてのApple Card保有者に向けてスタートした。

さらに同社は、12月中に購入した人に追加特典を用意しており、アップル製品購入に対するキャッシュバックは通常3%だが、2019年12月31日までは6%になる。6%のキャッシュバックは、アップル直営店、オンラインストア、Apple Storeアプリのいずれから購入しても対象になる。

これまでにもアップルは、iPhone アップグレード・プログラムを通じてiPhoneを無利息で分割購入できる仕組みを提供してきた。しかし、このプログラムではローン会社のCitizens Oneの24カ月分割払いを利用する必要があり、返済遅延などの場合には何らかの手数料が生じる可能性があった。

今回の新しいiPhone分割購入プログラムは、アップル自身が提供するため、3%または6%(購入時期による)のキャッシュバックを含め、外部ローン会社が関与しないことによる特典があり、iPhoneのアプリ、Apple Wallet(Apple Pay)で直接支払うこともできる。

同社によると、毎月の支払いはカード保有者の最低返済額に自動的に上乗せされるので、支払いは月に1回だけでいい。キャッシュバックはユーザーのApple Cashの残高に加算され、その後のApple Pay経由の支払いに当てることもできる。

このiPhone分割購入プログラムは、将来さらに大きなサブスクリプション商品へと成長するための土台を築くものだ。いずれアップルは、iPhoneの購入と他のサブスクリプションを組み合わせたバンドル商品を提供するかもしれない。それによりユーザーはiPhoneと一緒に、iCloud、Apple Music、Apple TV+、Apple News+、Apple Arcadeなどのサービスをまとめて購入することができる。

現在、提供しているiPhone分割購入プログラムも、24カ月間ぶんのAppleCareをまとめて購入できるバンドル商品になっている。アップルは、その他のサブスクリプションサービスをバンドル化する試みも小規模ながら進めており、最近では学生向けにApple MusicとApple TV+の両方をApple Musicの料金(月額5ドル)だけで利用できる商品を発表している。

新しい分割購入プログラムは、現行のアップグレードプログラムに置き換わるものではない。現行のプログラムはApple Cardの保有者以外のために今後も継続される。しかしApple Cardの保有者は、次にiPhoneをアップグレードする時に、アップル自身が提供することで実現するさまざまな特典を利用するに違いない。

分割購入プログラムはこの秋に事前発表されていたが、同社CEOのTim Cook(ティム・クック)氏はプログラムを紹介した時にも明確な提供時期を明らかにせず、今年中には始まるとしか言わなかった。しかし、最近になってプログラムの詳細がApple Walletアプリに追加されたことで、サービス開始間近であることが示唆されていた。

分割購入プログラムの詳細はこちら。[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhoneの新ペアレンタルコントロールは通話やメッセージの相手と時間帯を制限可能に

米国時間12月10日に公開された iOSのアップデートによって、親は子供のiPhone中毒を緩和する新たなツールを手に入れた。iOS 13.3のリリースで、親は初めて子供が1日の特定の時間帯に電話をしたりメッセージをやり取りできる相手を制限できるようになった。対象となるのは通話、メッセージ、およびFaceTime。さらに、子供の利用が許されているスクリーンタイムと休止時間とで別々の制限を与えることができる。

設定アプリのスクリーンタイム項目に加わった「通信/通話の制限」セクションでは、連絡先に基づいて制限を設けることができる。許可されているスクリーンタイム中、ユーザーは誰からでも、あるいは連絡先に載っている人だけから受信するように設定できる。休止時間中は、誰からでも、あるいは指定した人からのみ受信するかを選択できる。

スクリーンタイムのペアレンタルコントロールで設定すれば、親は子供がいつ誰と連絡できるかを決められる。休止時間中については、子供がメッセージや通話できる相手を個別に指定可能だ。例えば、ママやパパとだけのように。

これにより親は、休止時間をスケジューリングすることで子供が深夜や投稿時間中に友達とメッセージ交換するのを事実上防ぐことができる。もちろん休止時間は「夜間」以外に設けられるので、アプリを使えたり、電話をかけられる時間を自由に設定できる。

新機能では、子供のiCloud連絡先をリモートで管理可能なので、子供に大切な電話番号を伝えるのに便利だ。ただしその場合、親が連絡先の全権限を持つので、親しか編集できなくなる。

新しい「通話/通信の制限」は昨年iOS 12で導入されたアップルのスクリーンタイムという大きな構想の一環だ。このシステムによってiPhoneユーザーは、画面から離れる時間帯を決めたり、アプリに制限時間を設定したり、利用時間やアクティビティレポートを見ることなどが可能になった。

多くの親たちはすでにこうした管理機能を使って、子供たちの利用方法を厳しく制限しするために、ゲームなどのブロックしたいアプリを個別に設定したり、「休止時間」をスケジューリングしたりしている。さらに、親は子供の端末を一切使えなくする時間を設定することもできる。

消費者のテクノロジーとの秩序を乱す関係に対応する方法を考え直しているIT企業は同社だけではない。Google(グーグル)も独自の「デジタル・ウェルビーイング」と呼ばれる機能をAndroidに導入している。FacebookとInstagramも、ソフトウェアのアルゴリズムを一部変更して「有意義な時間」などの新しい指標に取り組んでいる

アップルのスクリーンタイムは小さな子供たちには有効に働くだろうが、ティーンエージャーたちはたちまちに抜け穴を見つけてみんなで共有しているようなので、これからも親は頭を痛めることになるだろう。果たしてティーンが新しいペアレンタルコントロールシステムでiMessageを送る裏技を見つけられるかどうか、それは時間が経ってみないとわからない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトは2020年5月6日にWunderlistを閉鎖

これまでずっとMicrosoft(マイクロソフト)は、2015年に買収したTo DoアプリであるWnderlist(ワンダーリスト)について、自社開発のTo Doアプリで遜色のない体験を提供できるようになったときに、Wundelistを閉鎖し置き換えることを宣言してきた。米国時間12月9日、同社はついに2020年5月6日(日本時間2020年5月7日)にWunderlistを閉鎖することを発表した。この日以降、Wunderlist中の予定は同期されなくなるが、ユーザーは引き続き、マイクロソフト自身のTo Doアプリにコンテンツをインポートできる。

一部のWunderlistユーザーは失望するだろうが、公平を期するために言うなら、マイクロソフトはこの手の買収時に期待される期間よりも、はるかに長期にわたって同アプリの運営を続けてきた。そして同社は 2017年4月の段階から、アプリの将来的な閉鎖に向けて、Wunderlistユーザーのための準備を進めていたのだ。

その間マイクロソフトは、リストグループ(フォルダー)、ステップ(サブタスク)、添付ファイル、共有、タスク割り当てといった、ユーザーお気に入りの機能が、Microsoft To Doに確実に取り込まれるように作業を続けてきた。

9月には、同社はTo Doに、新しい背景、スマートリスト、そして日々の計画スマートに提案してくれる、個人デイリープランナーなどのアップグレードを追加したが、これはWunderlistの閉鎖が近づいていることを示唆していた。また、Outlook、Microsoft Planner、Cortana、Android上のMicrosoft Launcherなどのほかの自社アプリとTo Doを統合した。

 

このときには、Wunderlistのオリジナル開発者であるChristian Reber(クリスチャン・リーバー)氏が、TwitterでWunderlistの閉鎖への憂慮を表明し、もし可能ならアプリを買い戻すことを提案した。リーバー氏は必ずしも負け惜しみを言いたかったわけではなく、共有フォルダーやチーム間のコラボレーションといったオリジナルの構想を実現したいという希望を表明したのだ。実際には、現在リーバー氏は彼が共同創業した新しいコンテンツコラボレーションスタートアップのPitchに関与しており、Wunderlistに戻ることは実際には現実的な話とは思えなかった。

マイクロソフトは、すでにWunderlistに対する新機能のリリースが停止していることや、アプリが古くなるにつれて保守が難しくなることを理由に、Wunderlistを終了することにしたと発表している。さらに、To DoアプリをWunderlistに代わる最良の選択肢にすることに、全力を注いでいきたいと考えている。

2020年5月6日以降、Wunderlistは同期されなくなるが、その時までアプリのサポートは継続される。時間の経過とともに、終了日以降はマイクロソフトはすべてが適切に機能し続けることを保証しなくなる。同社はまた、本日の時点で、アプリの閉鎖に備えてWunderlistの新しいサインアップを受け付けなくなったと述べている。

切り替えを行うには、To DoユーザーならiOS、Android、Mac、PC、またはウェブアプリにアクセスしてWunderlistインポーターを使用することができる(インポーターへのリンクは設定の中にある)。もしその方がお好みなら、必要に応じて、WunderlistアプリからTo Doにリストをエクスポートすることもできる。

コンテンツが適切にインポートされた後は、ユーザーはTo Doに切り替えることができる。To Doは、秋のアップデートを受けてデザインがWunderlistsと似通ったものとなったが、個人用にカスタマイズされたMy Dayホーム画面などの新機能も導入されている。さらに、Microsoft Outlookの電子メールおよびPlannerタスクがTo Doに送信できるようになった。一方、「今後の予定」リストにはすべての期日が表示されるが、必要に応じて今日のタスクのみを表示するようにも設定できる。

「最初からこの旅にお付き合いしていただいている方もいらっしゃいます」とマイクロソフトは発表の中で述べている。「ユーザーである皆さまが、私たちにとってすべてです。引き続き私たちのビジョンを分かち合い、旅の次のステップへお付き合いいただけるようお願い致します。皆さまに現在のWunderlistの実現へのご助力を頂きました。私たちはTo Doに対しても同じご助力をいただけることを期待しております。お好みの機能、追加して欲しい、アップデートして欲しい機能などがございましたら、ぜひお知らせください。印刷、今後の予定、そしてダークモードなどの最新の追加機能によって、私たちが新しい機能を構築する際につねに皆さまのフィードバックを考慮に入れていることがおわかりいただけたのではないかと思います」と同社は語る。

Sensor Towerのデータによれば、2014年1月1日以降、WunderlistはiOSおよびAndroidプラットフォーム全体のインストール件数は2600万件。アプリが2015年6月1日にマイクロソフトに買収されてからのダウンロード数は約1860万回。そして、2019年にはアプリは300万人のユーザーによってインストールされたが、2018年の400万人からは減少している。

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(翻訳:sako)

RokuがHBOの「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン1を無料配信

ストリーミングサービスを運営するRokuは、HBOのプレミアム・ コンテンツを初めて無料配信する。同サービスの第2回毎年恒例ホリデーストリーミングフェストであるStream-a thonの一環で行われる。

このプロモーションでRokuは、Rokuデバイスを持っている人なら誰でもHBOの「ゲーム・オブ・スローンズ」のシーズン1を全編無料で見られるようにする。ほかにも、Cinemax、Showtime、Starzなどの有料チャンネル番組のフルシーズンあるいは一部エピソードをイベント中に見ることができる。

Stream-a-thonは、多くの人が自宅でくつろぎテレビを見ている時期に視聴者を獲得することを狙ったプロモーションだ。今年のStream-a-thonは2019年12月26日から2020年1月1日まで行われる。

Rokuがこのイベントを開催するのは二度目で、最終目的はRokuユーザーに同プラットフォームが提供するプレミアムチャンネルのサブスクリプションに登録してもらうことだ。プレミアム番組を選んで無料配信することによって、視聴者をそのコンテンツにはまらせたり、広告型無料コンテンツハブのThe Roku Channelのユーザーを獲得することを目的としている。

「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン1のほかに、最初のシーズンの全エピソードが無料公開されるのは、Cinemaxの「Warrior」、Starzの「Power」、Showtimeの「Billions」「The Affair」「Ray Donovan」など。個別のエピソードもいくつか無料化される。HBOの「バリー」「チェルノブイリ」「ユーフォリア」「セサミストリート」「サクセション」、Showtimeの 「Kidding」、EPIXの「GetShorty」「Pennyworth」「Punk」など多数。

プロモーションに参加するのは、Cinemax、CONtv、Dove Channel、EPIX、FitFusion、The Great Course Signature、HBO、Hallmark Movies Now、Pantaya、Smithsonian Channel Plus、Starz、Showtime、Stingray Karaoke、UP Faith & Familyの各社となる。

HBOは米国Amazonとも提携し、過去の番組の中から、「ザ・ソプラノズ」「ザ・ワイヤー」「トゥルーブラッド」「デッドウッド」「ボードウォーク・エンバイア 欲望の街」「オズ」「シックス・フィート・アンダー」などがプライムメンバーに無料で配信される。ただし、これは厳密には無料ではなく、見るためにはAmazonプライムのメンバーになる必要がある。

Stream-a-thonに関連して、Rokuは初めてHBO+Cinemaxを組み合わせたバリューパックを月額20.99ドルで提供開始する。別々に契約した場合はHBOが14.99ドル、Rokuが9.99ドル

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

まさに手首にTwitter、Apple Watch用の高速高機能Twitterアプリ「Chirp 2.0」

Chirpは、数十万人のApple Watchユーザーに愛用されるTwitter(ツィッター)クライアントアプリだ。昨年に登場して以来の最大のアップグレードが施された。この新バージョンのChirpは、watchOS 6用に設計し直され、以前よりもずっと高速に、しかも無限にスクロールできるタイムライン機能を装備した。また、iOS 13のダークモードのサポートやTwitterーのユーザー名に色を付ける機能なども追加されている。

当初このアプリは、2017年にTwitterが独自のApple Watchアプリの開発を中断し、代わりにApple Watchの通知機能を利用するようにしたことで生じた空白を、ちょうど埋めるように登場した。

Chirpは、Apple Watchの小さな画面から、本物のTwitterクライアントにアクセスすることも可能にしている。それにより、ホームタイムライン、トレンド、メンション、ダイレクトメッセージなども表示できるようになる。ただし、Apple Watchからダイレクトメッセージを送信したり、ツイートを記述したりするものなど、一部の機能は有料のChirp Proでのみ有効となる。

Chirp Proは、ユーザーにとって便利な「欲しい機能だけを買う」機能によって、4.99ドル、5.99ドル、7.99ドルのいずれかの金額を寄付することでアプリをアップグレードできる。サブスクリプションは不要だ。Sensor Towerのデータによると、Chirpはこれまでに、約20万件のインストールを獲得している。有料版ユーザーは、それよりずっと少ない。

新しいバージョンのChirp 2.0では、「手首にTwitter」というユーザー体験を強化して、より多くのユーザーがアップグレードしてくれることを期待している。そのために、以前よりも高速かつ安定して無限にスクロールが可能なタイムライン、強化されたビデオプレーヤー、画像のグリッド表示などを装備している。

「タイムラインを書き直すためのインスピレーションは、私が幸運にもスカラシップを獲得してWWDC 2019に参加したときに得たものです」と、Chirpの開発者であるWill Bishop(ウィル・ビショップ)氏は説明する。「基調講演で、Apple(アップル)はSwiftUIを発表しました。これまでよりずっと速く、デベロッパーがユーザーインターフェースを開発できるようにする新たなフレームワークです。しかも、動作も速くなるのです。それによって、Apple Watch用のアプリを開発する、まったく新しい方法が切り開かれたのです」と彼は続けた。

「SwiftUI以前は、Apple Watchのユーザーインターフェイスは、すべてドラッグ&ドロップで設計していました。これは便利ですが、いくつかの大きな欠点もあります。基調講演での発表からインスピレーションを得たので、私は会場を抜け出して、すぐにSwiftUIを使ってタイムラインの再実装に取り掛かりました」とビショップ氏は述べた。

  1. Compose

  2. Timeline-Colored-Username

  3. Timeline

  4. Messages

  5. Menu-Chinese

ダイレクトメッセージ機能も更新され、プライベートメッセージング機能で共有された画像やツイートを含めることができるようになった。

Chirp 2.0では、Apple Watch上で、ライブなコンプリケーションもサポートする。つまり、最近のツイートを文字盤上で直接見ることができ、それらをタップすることでChirpアプリに戻って返信したり、いいねを付けたり、リツイートすることができる。この機能は、Pro版のユーザーのみが使用可能だ。

他にも、Twitterのユーザー名をカラフルにすることで、ちょっとシャレた感じを醸し出す機能もある。これは、ユーザーからのリクエストに応えて実装したもの。アプリ内課金で購入できる。このオプションを有効にするための料金は、Proユーザーの場合は1ドル、そうでなければ2ドルだ。ビショップ氏の場合、そうした機能を実装するための自身の作業の負荷に応じて価格を決定している。そうしたオプションへの課金によって、Pro版の購入にお金を払いたくないという人からも、それなりの収入を得ることができるのだ。

ただしビショップ氏によれば、このオプションは6月のPride(プライド)月間には無料で利用できるため、誰でもユーザー名を虹色にすることができるという。

さらにChirp 2.0は、英語以外にも、中国語(簡体字)、デンマーク語、ドイツ語、ハンガリー語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語(ラテンアメリカ)といった言語でも利用できるようになった。アプリ自体は、iOSやApple WatchのApp Storeから無料でダウンロード可能だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

1つのダッシュボードから300種超のストリーミングサービスを利用できるReelgood

ストリーミングのアグリゲーターのReelgood(リールグッド)は米国時間12月6日、ストリーミングの過剰ブームに乗じて、一般消費者が自分が今見ているものについて調べたり、次のお楽しみを見つけることを助ける総合的なダッシュボードを提供している。しかもその1000万件あまりのユーザーのアクティビティのデータを、Roku(ロク)やMicrosoft(マイクロソフト)、スマートテレビのメーカー、ニューヨーク・ポスト紙などの大企業、そしてさらにヘッジファンドにもライセンスしている。同社はこのほど、シリーズAで675万ドル(7億3300万円)の資金を調達し、その成長を今後も維持しようとしている。

そのラウンドをリードしたのはRuna Capitalで、Reelgoodにシード資金を提供したAugust Capitalが参加した。これでReelgoodの調達総額は1100万ドル(約11億9400万円)になる。

同社のアプリは、視聴者がストリーミングサービスで視ているテレビ番組を調べるTV TimeiTVJustWatchなどとある部分では競合するが、Reelgoodの方がカバー範囲は広い。同社のウェブサイトによると、調べるストリーミングサービスは336社、そして映画とテレビ番組の両方を調べる。TubiやCrackleのような無料サービス、テレビのメジャーなキー局、有料テレビの定期購読者のための「TV Everywhere」サービス(要認証)、そしてNetflix、Hulu、HBO、Amazon Primeなどのサブスクリプションサービスも含まれる。レンタルオプションの料金比較もできる。

検索とフィルタリングの機能が強力なので、新作、近未来作、そして廃版も含めてどんなタイトルでも見つけられる。ジャンルや制作と封切りの年度、Rotten Tomatoesにおける格付け、IMDBのスコアなど、いろんなものでフィルターできる。どんどん利用してサービスが個人化されると、次に見たいものを適切に推薦してくれる。

視たいものを見つけたら、単純にReelgoodのダッシュボード上で「play」を押せば、そのストリーミングサービスのアプリやWebサイトが立ち上がる。ユーザー自身は、そこへ行く努力をしなくてもいい。

Reelgoodによると、ストリーミングの総合ダッシュボードというコンセプトは極めて単純だが、実装は相当難しいそうだ。

Reelgoodのデータ担当ディレクターであるPablo Lucio Paredes(パブロ・ルシオ・パレデス)氏は「多様なストリーミングサービスとそれらのライブラリを一望化するサービスは、何百というデータソースから膨大な量の非定型データを収集し、機械学習と人間キュレーターを併用してリアルタイムでマッチングや組み合わせをやることだ」と語る。

しかもReelgoodは、データの質をアピールしている。300種あまりのサービスのうち、その98%は正確だそうだ。同社はそのデータを、パブリッシャーや検索エンジン、メディアプレーヤー、テレビ局、音声アシスタントなどのスマートデバイス、などなどにライセンスしている。今同社提供の生データやデータ分析の結果を有料で利用している企業は約50社だ。

例えばRokuは、Reelgoodのデータを使って自分の総合検索機能を提供している。ニューヨーク・ポスト紙は、その日のストリーミングの可利用性データをウィジェット記事で提供している。ヘッジファンドはストリーミングサービスに対する消費者の行動と、複数のカタログ間のコンテンツの移動を知るためにこのデータを見ている。

今年Reelgoodは、視聴率調査のNielsen(ニールセン)でグローバル測定の上級副社長だったMark Green(マーク・グリーン)氏をスカウトして、Reelgood Insightsと呼ばれるB2Bのデータライセンス事業を任せた。そのグリーン氏は「今後ますます、人が見るものは何でもネット配信になっていくので、その未来には巨大な収益機会がある。Reelgoodはそれを掴もうとしている企業だから移籍を決意した」と語る。

今回の資金を使って同社は、対象となるストリーミングのプラットホーム数を増やしていく。今回新たに契約した5社のスマートTVは、2020年に展開が始まる。でもReelgoodが名前を明かしたのは、LGだけだった。Reelgoodの本社はサンフランシスコにある。社員数は18名で、中にはリモートの社員もいる。目下、さまざまな役職を求人中だ。

関連記事:複数のストリーミングサービスからコンテンツを検索し、見たものを管理してくれるReelgoodが正式ローンチ

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleのAI音声認識の自動文字起こしがPixel 3/3aでも利用可能に

Pixel 4が発表された10月のGoogleのハードウェアイベントで強く印象に残ったデモが、AI音声認識を利用した自動文字起こしアプリだ。このRecorderアプリは最新のAIテクノロジーを利用してユーザーの音声を聞き取り、リアルタイムでテキストを生成するもので驚くほど誤りが少なかった。残念なことにこの時点ではRecorderは新しいPixel 4専用のアプリだった。

Android Policeが発見したところによれば、RecorderはPixel3/3aなど以前のPixelデバイスのユーザーにも利用可能になっているという。このアップデートは米国時間12月5日に行われたもようで、Sensor Towerも確認している。ただしGoogleからの告知がなかったため、ダウンロード数はまだ1000回以下だ。

voice recorder

GoogleではRecorderアプリを広い範囲で利用可能にするつもりだと以前から明らかにしていた。最近のRedditのスレッドで、Googleの担当者は「今後のアプリのアップデートでさらに広い範囲のPixelユーザーが利用できるようになる」と述べていた。ただし日時については明らかにしなかった。

ボイスレコーダーは無数に出回っているが、リアルタイムで文字起こしができるアプリは非常に少ない。Otter.aiのように文字起こしをサポートする場合でも、結果には間違いが多く意味が取りづらい文章になっていた。ただ正確性を欠くにせよ、長い録音で目的の箇所を検索するには文字起こし機能は便利だった。

Googleの10月のイベントのデモではRecorderアプリの文字起こし精度は従来のアプリとは比べて非常に高かった。もちろんこの時点ではまだ一般公開されていなかったわけで、異なる声質、訛り、背景雑音であっても精度を維持できるかどうかは不明だった。また発言者を区別してマーキングする機能がなかった。これは会議やインタビューなど発言者が複数となる録音では重要な機能だ。

そういう問題はあっても当初のテストは成功で、ウォールストリートジャーナルのJoanna Stern(ジョアンナ・スターン)氏のレビューは好意的だった。ただし話し方によって多少の問題があったようだ。他のレビューでもデザインに多少問題はあっても機能は強力だという評価が多かった。TechCrunchのPixel 4のフルレビューでも文字起こし機能がテストされており、Brian Heater(ブライアン・ヒーター)記者は高い点数を与えている。

pixel voice recorder

まだ多少の欠点はあるにせよ、Recorderがライバルに比べて大きく有利なのはオフラインで作動可能だというだ。録音、文字起こしはすべてデバイスのアプリ内で完結する。ユーザーが明示的に転送しない限りデバイスの外に内容が漏れることはない。これはセキュリティ上非常に重要な要素となるが、同時に飛行機の中や屋内で携帯網に接続できない状態でも利用できることを意味する。

また組み込まれている「高度な検索」機能を利用すると特定の単語、フレーズ、音を検索キーにできる他、録音中のどの箇所で発言されたのかも表示されるので再生したい場所に素早くジャンプできる。

Googleはリアルタイム音声認識、文字起こしの機能をこれまでさまざまな場所で利用してきた。例えば、Live CaptionはYouTubeの字幕生成機能に似ているが、ユーザーのAndroidデバイスに保存されたビデオやオーディオのファイルからリアルタイムで字幕を起こせるテクノロジーだ。

Recorderアプリは無料でGoogle Playからダウンロードできる。

我々はGoogleに「Pixel以外のAndroidデバイスでRecorderを利用できるようにする計画があるか?」と問い合わせているが、まだ回答がない。

【Japan編集部追記】アプリは上のリンクからPixel 3にインストールできる(Pixel 3のPlay Storeから検索しても表示されない)。インターフェイスは日本語化されており、録音も正常にできる。なお、自動文字起こしも英語では非常に高精度で実行されたが、日本語音声にはまだ対応していないようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Androidのフォーカスモードがベータ段階を終了、新たにスケジューリング機能が加わる

Googleが米国時間12月4日にローンチしたFocus Mode(フォーカスモード)という機能で、Androidデバイスの一連のデジタルウェルビーイング(Digital Wellbeing)ツールが一層充実した。このモードを使うと、ユーザーはソーシャルメディアのアップデートやメールの通知など、集中心を削ぐ雑事雑念を一定時間シャットダウンし、仕事などに集中できる。フォーカスモードは5月に開催されたGoogleのデベロッパーカンファレンスであるGoogle I/Oで発表されたが、これまではベータ状態だった。

Do Not Disturb(おやすみモード)と違って、音や振動を消すとか、ビジュアルな邪魔物をブロックすることはできない。フォーカスモードは、指定したアプリを無効にするだけだ。

このモードを使うにはまず、最も邪魔になるアプリをDigital Wellbeing機能で指定する。FacebookやYouTube、Gmail、ゲームなどがあなたの集中心を奪っているかもしれない。それらのアプリを一時的にポーズにして、通知が来ないようにする。そのアプリを開こうとすると「それはさっきポーズにしたでしょ」と注意される。

ベータテスト中にGoogleは、ベータテスターのフィードバックがフォーカスモードの新しい拡張機能、つまりアプリの一時中断機能の開発につながったとしている。これにより、例えば午前9時から午後5時までの勤務時間など、選択した曜日と時間にアプリ通知を継続的にブロックできる。

フォーカスモードを一時停止するオプションもある。これにより、ブロックされたアプリをしばらく使用し、完全に無効にすることなくフォーカスモードに戻ることができる。さらに、仕事やその他のタスクを予定よりも早く完了した場合、フォーカスモードの設定を変更することなく、その日のフォーカスモードだけをオフにできる。

このフォーカスモードは、Googleがデジタルウェルビーイングを充実させる努力の一環だ。この機能が始まった2018年には、GoogleのPixelスマートフォンだけが対象だった。そしてその後は徐々にAndroid全体広がり、親が子どものアプリ利用を管理するペアレンタルコントロールのFamily Linkなども含まれるようになった。

Googleのデジタルウェルビーイングアプリは、本来のDigital Wellbeingの枠組み以外にもある。その中には、スパム通知をメールボックスに放り込む、クロックをアンロックする、自分でデバイスをチェックしなくても重要な情報がプリントされるなどの機能がある。

Googleが開発したセッティングやコントロールのツールにも、YouTubeの視聴を休憩する、Gmailのオートメーション、Google Homeのダウンタイム時のセッティングなど、ウェルビーイング的なものがある。

Googleによるとフォーカスモードの新バージョンは本日ベータを終えて、デジタルウェルビーイングとペアレンタルコントロールをサポートしているすべてのデバイスへ展開中だ。具体的には、Android 9と10を搭載するスマートフォンが含まれる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Redditの今年の月間アクティブユーザーは4億3000万人

米国時間12月4日の朝に発表された今年のまとめで、米国のニュースサイトであるReddit(レディット)はユーザーベースが30%増え、10月末時点で月間アクティブユーザー数が4億3000万人に達したことを明らかにした。1億9900万件の投稿、17億件のコメント、320億のアップボート(賛成)があった。

昨年Redditは月間アクティブユーザー数が3億3000万人だったと発表していた。この数字はTwitter(ツイッター)よりも多い。毎月のコメントや閲覧の数も年間ベースで増えていて、コメントは37%増、閲覧は54%増だった。

今年最もアップボートを集めた投稿は、中国のTencent(テンセント)がリードするRedditの資金調達だった。2月に行われたこの資金調達(シリーズD)で、Redditは3億ドル(約326億円)を調達し、バリュエーションは30億ドル(約3260億円)になった。中国の検閲によってRedditのサイトは中国では禁止されている画像であふれているが、ユーザーは当時、Tencentの投資が中国の検閲につながることを懸念した。そうした禁止されている画像の1つが「天安門広場の戦車男」で、この画像はアップボート最多の投稿となり、22万8000ものアップボートを集めた。一方、最もアップボートがついたAMA (Ask Me Anything)投稿はBill Gates(ビル・ゲイツ)氏のもので11万件を集めた。

Redditはまた、10万を超えるアクティブなコミュニティにおけるトレンドにも言及した。ここには、前年比63%増となったビューティーのコミュニティ、そして同52%増となったスタイルのコミュニティが含まれる。こうした成長はある程度ブロガーのビューティー争いによるものだ。例えば、r/beautyguruchatterコミュニティは前年比87%増となった。Redditによると、r/skincareaddictionコミュニティはこの種のコミュニティで最も人気で購読者は100万人を超える

結婚式にフォーカスしたコミュニティでも成長が見られ、r/weddingsunder10kは同109%増、r/bridezillasは同852%増となった。家族とペアレンティングのコミュニティは同87%増だった。上位50位のフードコミュニティは前年に比べ35%成長し、スピリッツにフォーカスしたいくつかのコミュニティも成長した。r/tequilaは99%増、r/whiskeyは52%増、r/vodkaは44%増、r/bourbonは27%増、r/winemakingは16%増といった具合だ。フィットネスとウェルネスの上位50位のコミュニティは30%成長した。

ニュースもまた今年フォーカスされ、上位50位のニュースコミュニティは前年に比べ17%成長した。タイムリーな記事に多くの人がアクセスできるようにするため、Redditは2018年に初めて「ニュース」タブを設けた。成長しているところをみると、Redditの狙いどおりにいったようだ。今年のトップ記事にはRobert Mueller(ロバート・モラー)氏の公聴会、現在展開されている弾劾調査、香港の抗議活動、気候変動などがあり、r/politicsも昨年に引き続き入っている。

そのほか、上位50位のエンターテイメントコミュニティは27%、上位50位のスポーツコミュニティは34%、上位50位のゲーミングコミュニティは42%それぞれ成長した。フルレポートにはより多くのデータや詳細が記載されている。

しかし、Redditが今年のまとめに盛り込まなかったことがある。それは、ページビューと売上高についての具体的な数字だ。eMarketerの予測によると、米国での広告収入は今年1億1900万ドル(約130億円)に達し、米国デジタル広告マーケットでのシェアが0.1%になるとされている。アナリストは、2021年までに広告収入が今年の2倍超の2億6170万ドル(約285億円)に、マーケットシェアが0.2%になると予想する。2019年の売上高の57%がモバイルによるものと見込まれている。

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(翻訳:Mizoguchi)

YouTubeが「閉鎖アカウント削除で登録者数減少する」とクリエーターに注意喚起

YouTubeはコンテンツのクリエーターに「チャンネル登録者の数が減少しているかもしれない」と注意喚起した。これは現在YouTubeから閉鎖アカウントを削除しているためだという。

閉鎖アカウント(Closed Account)とは、ユーザーが自発的に返上したアカウントやスパム、虐待など利用約款違反によってYouTubeが停止したアカウントなどだ。

YouTubeはこうした閉鎖アカウントの削除により登録者数が減少するかもしれないとYouTubeヘルプのコミュニティページで通告した。Twitterのニュースフィードやクリエーターツールのダッシュボードにも同様のメッセージがアップされている。

このようなアカウント削除はシステムのメンテナンスの一環として行われるもので、今後もスパムや違法、不当な動画のアップロードを防ぐために実施していくという。ただしこうしたアカウント削除は登録者を減少させ、結果としてクリエーターの収入に影響する可能性がある。

注意:本日、閉鎖アカウントを削除しているので一部のチャンネルでは登録者数が減少するかもしれない。YouTubeのスパムアカウント、閉鎖アカウントの削除の詳細についてはリンク先を参照。

チャンネルのダッシュボードのアナリティクスに「12月3日、4日」の減少として表示された場合、アカウント削除の影響を受けた可能性が高い。削除された閉鎖アカウント数を正確に知りたい場合、クリエーターはアナリティクスの「詳細」メニューから「閉鎖アカウント」(Closed Accounts) に進む。

アカウント削除はクリエーターにとってありがたくない。チャンネルメンバーシップグッズの販売といった重要なマネタイズの仕組にアクセスする資格が登録者数にかかっているからだ。またYPP(YouTube Partner Program)と呼ばれるパートナープログラムに参加するにも登録者数は要因となってくる。登録者数1000人以上というYPPの参加資格ぎりぎりのクリエーターはほんのわずかの登録者減少でも経済的に大打撃を受ける可能性がある。

こうした理由があるため、クリエーターはチャンネル登録者に対してサブスクリプションが有効であるかもう一度確認するよう呼びかけている。つまりこの種のアルゴリズムによる大規模なアカウント削除ではアカウントが削除されることがあると考えているからだ。

クリエーターのソーシャルメディアへの投稿を見ると、削除の影響はチャンネルごとに大きく違うようだ。数人が減少しただけと報告しているクリエーターもいるが、数千の登録者を失ったチャンネルもある。

YouTubeが登録者を削除するのはこれが初めてではない。昨年の12月にもYouTubeは相当数のスパムアカウントを削除中だとクリエーターに警告している。これにより登録者数の大幅ダウンに見舞われたチャンネルも多数出た。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アマゾンが医療向け音声認識サービス「Amazon Transcribe Medical」を発表

Amazon(アマゾン)はAWSの文字起こしサービスであるAmazon Transcribeの新機能として、医療会話のサポートを開始した。これは米国時間12月2日、午前のAWS re:inventカンファレンスで発表された。機械学習に基づく新サービスであるAmazon Transcribe Medicalは、医師の診断などに関する会話を、人間の介入なしにリアルタイムで正確なテキストに変換するとアマゾンはコメントしている。

一部のサービスのように「カンマ」や「ピリオド」などと言う必要はなく、普通に話すだけでいい。変換されたテキストは、ERシステムやAWSのAmazon Comprehend Medicalなどの言語サービスに送り込まれて処理される。同サービスはHIPAA(医療保険の相互運用と責任に関する法律)に準拠しており、ユーザーのニーズに応じたスケーリングも可能で、前払金不要で使ったぶんだけ料金を支払う。

技術的な仕組みは次のようになる。マイクロホンから取り込んだ音声をパルス符号変調したデータをストリーミングAPIにWebSocketプロトコルを使って送り込む。APIは変換されたテキストに単語単位のタイムスタンプと句読点を加えてJSONのBlobオブジェクトとして送り返す。データはAmazon Simple Storage Service(S3)) のバケットに保存することもできる。

Amazon Transcribe Medicalは、2017年に公開されたAmazon Transcribeを基に開発され、アマゾンが医療分野への投資を増やし始めたときに登場した。音声技術と医療の融合には特に力を入れている。例えば、先週アマゾンはAlexaの投薬管理サービスを公開し、ユーザーは薬の追加や服用のリマインダーを音声で依頼できるようになった。

さらに同社は、音声アプリAlexaをHIPAA準拠に改善し、医療スタートアップのPillPackHealth Navigatorを買収し、社員向けの医療サービスとしてAmazon Careを提供しているほか、病院現場でのAlexa利用の試行も行っている。

医療分野で音声認識に力を入れているのはアマゾンだけではない。GoogleもGoogle Brainで参入し、MicrosoftNuancePhilipsなど既存の大手企業やさまざまなスタートアップもこの分野に加わった。Amazon Transcribe Medicalは、米国東部(バージニア北部)と米国西部(オレゴン)の両リージョンでまず提供される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook