Joby Aviationの墜落事故、米国運輸安全委員会が調査中

米国運輸安全委員会(NTSB)が、米国時間2月16日水曜日にカリフォルニア州ジョロンで発生したJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)の実験機の墜落事故を調査している。

規制当局に提出された書類によると、この事故に関わっているのは、カリフォルニア州にあるJobyのテスト基地で行われた飛行テストで遠隔操縦されていた実験機だという。航空機の初期テスト段階では、米連邦航空局(FAA)が安全上の理由から航空機の無人化を要求することが多い。

同社の報告によれば、墜落による負傷者はなく、テストは無人の地域で行われたとのことだ。

「実験飛行プログラムは、航空機の性能の限界を見極めるための意図の下にデザインされたものであり、残念ながら事故が発生する可能性はある」と提出書類には記載されている。「我々は、関係当局による事故の徹底調査を支援する」。

NTSBは、航空事故から特定の種類の高速道路事故、船舶事故、橋梁事故に至るまで、最も深刻な事故を調査しあらゆる詳細を報告している。今回の墜落事故ではJobyの機体に「かなりの損傷」があったことを、NTSBのスポークスマンPeter Knudson(ピーター・ヌッドソン)氏がブルームバーグに語っている

Jobyの株価は時間外取引で9%下落している。

画像クレジット:Joby Aviation

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)

Apache Arrowを商用化するデータ多用化企業Voltron Dataが約127億円調達

Voltron Dataは2021年、NVIDIAとUrsa ComputingおよびBlazingSQLの元社員たちと、Apache Arrowの共同創業者がローンチした。このグループが集まったのは、Arrowをサービスとする企業を作って、オープンソースのプロジェクトを自分で管理するのが難しい企業を助けるためだ。

Voltron Dataの共同創業者でCEOのJosh Patterson(ジョシュ・パターソン)氏によると、同社はスタンダードを広めるための企業であり、Apache Arrowで、データとアナリティクスを標準化することの威力とその認識を広めていきたい、という。

「私たちの目標は、データアナリティクスのこれまでのエコシステムに取り付いて、それをスタンダードに基づいて改善することです。これまで私たちが他の業界で何度も見てきたのは、彼ら自身がアクセラレータになってより効率的な方法を普及し、共通のビルディングブロックで業界全体を改善していく動きです。私たちが特に普及したいのも、データアナリティクスのエコシステムにおけるモジュール化と組み立て構成方式の技術です」とパターソン氏はいう。

このスタンダードの部分が、Apache Arrowの重要な役割だ。このプロジェクトのウェブサイトのFAQには、「Apache Arrowは、大きなデータセットを処理したり転送するハイパフォーマンスアプリケーションを作るためのソフトウェア開発プラットフォームで、分析アルゴリズムの性能と、異なるシステム間やプログラミング言語間でデータを移送するときの効率の両方の改善を目指している」とある。

パターソン氏によると、データとアナリティクスが進化すると開発者は、日に日に増えていく、さまざまな言語を用いた多数のシステムを互いに接続しなければならない。その巨大な難題をArrowは解決する。「このシステムとあのシステムを接続したいとき、一体何をするのか。そのためのグルーコードのリライトなんて、誰もやりたくない。そしてそんなときが、Arrowの出番だ。Arrowは今、複数のシステムを接続するためのデファクトスタンダードになっている」とパターソン氏はいう。

このオープンソースツールの人気はとても大きくて、同社によるとこれまで、毎月4200万回ダウンロードされている。SnowflakeやDatabricks、Google、Microsoftなども採用している。オープンソースのプロジェクトにしてはすごい人気であるため、Voltronのようにこれの商用化を目指す企業が現れても不思議ではない。

それに、VCたちがこのプロジェクトにお金を投じているのも当然だ。同社はシードとAラウンドで1億1000万ドル(約126億7000万円)を獲得したが、いくら投資インフレと言われる時代であっても、それはすごい額だ。

パターソン氏によると、それは明確な実用目的のあるお金だ。同社が解決を目指す問題は相当な難題であり、どれも複数の顔を持っている。そこで同社としては、それをできるだけ速くやるために投資が必要だ。

「このオープンソースプロジェクトは、パワーユーザーやエキスパートしか使わない沈滞状態になってほしくない。次の世代のユーザーやシステムビルダーやライブラリビルダーにも、その魅力が伝わって欲しい。私たちは問題点を解明して、もっと多くのツールとライブラリを作り、誰でもすぐ使えるという状態をもっと完成させたい」とパターソン氏は語る。

同社は現在、最初の商用製品を作っている。現時点で詳細はあまり語られないが、それはApache Arrowのマネージドバージョンで、オープンソース本体には触りたくないユーザーが対象だ。

同社のワークフォースは世界中に分散していて、現在100名近くの被雇用者がおり、求人も積極的に行っている。パターソン氏自身も黒人で、ダイバーシティとインクルージョンの完備した企業にしたいという。「インクルーシブは我が社にとってとても重要で、これまでのように、人種やジェンダーや性的指向がさまざまな人が入ってきて欲しい。私たちでは、誰もが認めてもらえるし誰もが力を発揮できるんだ」と。

現状は、同社従業員の20%がアフリカ系米国人、15%がヒスパニック、15%がアジア系、そしておよそ20%が女性だ。今後の成長とともに、さらにダイバーシティを充実していきたいという。

調達した資金は、2200万ドル(約25億3000万円)がシードラウンド、8800万ドル(約101億3000万円)がシリーズAだ。AラウンドをリードしたのはWalden Catalyst、これにBlackRockやAnthos Capital、Battery Ventures、Coatue、GV、Lightspeed Venture Partners、Nepenthe Capital、Redline、The Factoryが参加した。シードはBlack RockとWaldenがリードし、LightspeedとGVとThe Factoryが参加している。

画像クレジット:myshkovsky/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フォードマスタングMach-E、テスラのModel 3を抜いてコンシューマー・レポート誌の「最も推薦できるEV」に選出

Tesla(テスラ)の「Model 3(モデル3)」は、過去2年間にわたって「Consumer Reports(コンシューマー・レポート)」誌の「最も推薦できるEV」に選ばれてきたが、同誌は今回、新たなチャンピオンを宣言しようとしている。CRは、Ford(フォード)の「Mustang Mach-E(マスタング・マックE)」がModel 3を押しのけて、コンシューマー・レポート誌のトップピックEVに選ばれたことを明らかにした。CR編集部によると、このマスタングのクロスオーバーは「より実用的」であるだけでなく、発売年度の信頼性が高く、基本的な操作に複数の手順を必要としない「はるかに簡単な」インフォテインメントシステムを備えているという。乗り心地の良さや騒音が抑えられていることも評価された。

関連記事:【レビュー】フォード2021マスタングMach-E GTとGTパフォーマンス初試乗、ついに「Mach-E」の名にふさわしいものに

また、フォードの運転支援技術「BlueCruise(ブルークルーズ)」は、運転者監視システムがテスラより効果的で、これが車両スコアに加算されることも、Mach-Eの首位に貢献した。テスラの運転支援技術「Autopilot(オートパイロット)」は、ドライバーが目を離している間も機能してしまうことが減点の対象となった。

それでもコンシューマー・レポートは、Model 3のスポーツカーのようなパフォーマンス、長い航続距離、充電ネットワーク、テクノロジーなどを評価し、依然として推薦車種に挙げている。しかし、Mach-Eの直接的なライバルである「Model Y(モデルY)」は、EVトップピックとして推薦できないと、CRには判断された。このテスラのSUV風モデルは、ラインアップの平均的な車種よりも信頼性が「はるかに低く」、平均的と評価されているModel 3よりも明らかに劣るという。

これは、長年にわたりCRとあまり友好的ではない関係を築いてきたテスラにとって、喜ばしいことではない。両者はこれまで、テスト結果を巡って何度か論争し、CRはいくつかのモデルの推薦を一時的に取り下げたこともある。しかし、今回の評価は、テスラのなかなか消えない信頼性に対する懸念が反映されたものになっている。このEVメーカーは、最近数カ月の間に相次いでリコールを行っており、オーナーからは製造品質の問題が頻繁に報告されている。これだけがテスラを首位から陥落させた原因ではないかもしれないが、同社の足を引っ張ったことは確かだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:MATT BURNS

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スピントロニクス素子で従来品の500倍という世界最高感度のフィルム型ひずみゲージを製作、仮想現実などでの応用に期待

スピントロニクス素子で従来品の500倍という世界最高感度のフィルム型ひずみゲージを製作、スポーツ科学・仮想現実での応用に期待

(a)引っ張り試験機でプラスチックフィルム(フレキシブル基板)上の磁気トンネル接合を引っ張っている様子(上)と、試料の模式図(下)。(b)磁気トンネル接合の素子抵抗の引っ張りひずみによる変化。挿入図は磁気トンネル接合の模式図。ひずみが0.2%~0.4%の範囲で、素子抵抗が200%近く減少していることがわかる(つまり、ゲージ率が約1000)。同研究では、抵抗が変化し始める閾(しきい)ひずみ(図では0.2%程度)をゼロにする方法も提案

大阪大学産業科学研究所の千葉大地教授ら研究グループは2月16日、磁気トンネル接合素子を使った世界最高感度のフィルム型ひずみゲージを製作したと発表した。

ひずみゲージとは、材料が外力に比例して変形するひずみを電気信号として検出するセンサーのこと。構造物のひずみや圧力検出、人体の活動から生まれるデータのセンシングデバイスなどにも活用されている。今回製作したフィルム型ひずみゲージは、金属箔ひずみゲージに比べて感度が約500倍と高く、まったく新しいスピントロニクスの社会実装の道を拓くという。

磁気トンネル接合素子は、ハードディスクの読み取りヘッドや固体磁気メモリーなどに利用されているスピントロニクスデバイス。絶縁体ナノ薄膜を磁性ナノ薄膜で挟んだ構造をしており、2つの磁性体の角度がずれることで電気抵抗が変化するというもの。研究グループは、柔らかいプラスチックフィルム(フレキシブル基板)上にこの素子を形成した。このひずみゲージは、ひずみ検出感度の指標であるゲージ率が1000という非常に大きな値を示した。これは、現在普及しているフィルム型の金属箔ひずみゲージの500倍の感度に相当する。

今回製作したひずみゲージは、1mm四方の1/6800という小さなものだが、固体磁気メモリーで使われている素子は、さらにその数十万分の1のサイズとなっている。そのため、もっとずっと小さなひずみゲージを作ることも可能であり、これをフレキシブル基板上に集積化すれば、「緻密なひずみのマッピング」も実現するという。また、柔らかい基材にこの機能を持たせることで、生体親和性の高いひずみゲージを作ることができ、生体の動きの精密測定が求められる医療、スポーツ科学、仮想現実などの分野での応用も期待できる。

この成果は、スピントロニクスに「力学情報のセンシング」という新しい応用の道を拓くものであり、より解像度の高い力学情報の提供が可能となり、「新たな産業を生み出すキラーデバイス」になると研究グループは話している。

企業のESGデータをシムシティのようなプラットフォームでビジュアルに表現する「Actual」

企業がどのように「ネットゼロ」経済に移行していくかについての膨大なデータを処理しようとするのは、骨の折れる作業だ。数字のみのインターフェイスは、どんなにギークなCEOであっても辟易するだろう。それを視覚的に、しかも正確に表現できたらどうだろう?

それがアイデアの芽となって生まれたActual(アクチュアル)は、膨大なデータを扱いやすいインターフェースで、しかも正確に表示するよう設計された、シムシティのようなプラットフォームだ。

Actualはこのたび、Buckley Ventures、Hyper、Wndrco、Sequoia Scout、Signalfire Scout、Craft Scoutから500万ドル(約5億7000万円)のシード資金を調達したことを発表した。環境に配慮した素材で知られる靴・アパレルのAllbirds(オールバーズ)、Giga(ギガ)、VF Corp(世界的なアパレル・フットウェア企業)、New Zealand Merino、ZQRXなどの企業が、ESGマンデートを把握するためにActualを利用しているという。

LinkedIn(リンクトイン)やAirbus(エアバス)の元社員によって設立され、サンフランシスコを拠点とするこのプラットフォームは、都市計画、ゲームデザイン、データビジュアライゼーション、科学的計画を組み合わせて、環境、社会、ガバナンス計画のモデル化と実行を行うとしている。

Actualの共同設立者であり社長のKarthik Balakrishnan(カーティック・バラクリシュナン)氏は、声明の中でこう述べている。「我々は、企業や社会的責任に関する誓約を実行しない企業が後れをとる段階に来ています。投資家はすでに、ESGスコアの高い企業を好んでおり、企業が『クリーンでない』場合、資本へのアクセスが制限されます。Actualは、企業が規制を満たすために既存のオペレーションを適合させアップデートする様々なESGシナリオを迅速にモデル化し、遅滞なく実装できるように設計されています」。

Actualは、Heighten(Microsoft / LinkedInが買収)の元CEOであるRajesh Chandran(ラジェッシュ・チャンドラン)氏、Coin(Fitbitが買収)とAltiscope(現在はAirbus UTMとして知られる)の元共同設立者であるKarthik Balakrishnan(カーティック・バラクリシュナン)博士、LinkedInの元ソフトウェアエンジニアでローズ奨学生のDerek Lyon(デレク・ライオンズ)博士が共同で設立した。

デレク・ライオンズCTOは、電話で次のように語ってくれた。「現在存在するESGツールを見ると、その多くはいわゆる『データファースト』です。つまり、多くのデータを収集することに重点を置き、カーボンAPIのようなものに入力し、それらの情報をすべて使用して、企業のESGフットプリントの現状を非常に正確に把握しようとしているのです」。

「当社のアプローチは『モデルファースト』と呼ばれるものです。顧客企業がが現在持っているデータを、たとえそれが不鮮明なものであっても、または単なる推定値であっても、それらを実際のモデルにプラグインし、ビジネスロジックや、多くの変革に重要な基礎的なサイエンスやエンジニアリングと結びつけることを可能にするモデルを構築することに注力しています。そしてそのモデルを使って、将来的に変化するであろうシナリオをモデル化することができるのです」。

画像クレジット:Actual HQ

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

ジャック・ドーシーが去った今、ツイッターがイーサリアムの投げ銭をサポート

Twitter(ツイッター)のファウンダーで前CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、敬虔なBitcoin(ビットコイン)信者だったかもしれないが、最高ツイート発信者の彼が地位を退いた今、ETH(イーサリアム)のTips(チップ、投げ銭)に対応しない理由はない。米国時間2月17日、Twitterは海外フィンテックプロバイダーのPaga(パガ)、Paytm(ペイトゥム)、およびFlutterwave(フラッターウェイブ)Barter(バーター)を新たにサポートし、ナイジェリア、インド、およびガーナのユーザーへも投げ銭範囲を拡大した。

Twitterでは、BitcoinによるTipsは、Strike(ストライク)のLightning Network(ライトニング・ネットワーク)経由ですでに低い手数料で利用可能だ。しかし、今回のEthereum(イーサリアム)の追加は、Twitterの非Bitcoin暗号進出の動きと一致している。悪名高いあの六角形のNFTプロフィール写真もその1つだ。

「Twitterと同じく、デジタル通貨は国際的障壁なしに運用されています。Bitcoinに加えてEthereumによるTips決済を導入することで、さらに多くの人たちが容易にデジタル経済に参加できるようになることを期待しています」とTwitter広報担当者がTechCrunchに話した。

TwitterのETH TipsはENS(Ethereum Name Service)に対応しておらず、長くて面倒な英数字形式しか使えない。ETHでTipsを送るといっても、実際にはTwitter経由で投げ銭するわけではない。ETH Tipsオプションをクリックすると、そのユーザーのEthereumアドレスがコピーされるだけなので、その後自分の暗号資産ウォレットへ行き、そのユーザーにETH Tipsを送る。しかし、投げ銭は概して少額なので、誰かのEthereumアドレスに投げ銭するのはあまり現実的ではない、手数料が高いからだ。基本的にこの機能は、自分のウォレット・アドレスをフォロワーたちと共有するための便利な方法にすぎない。

Twitter Tipsは、iOSおよびAndroidの18歳以上の全ユーザーが利用できる。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

AI契約審査プラットフォームLegalForceが案件管理機能を強化、契約書のバージョン管理を効率化しミスや工数を削減

AI契約審査プラットフォームLegalForceが案件管理機能を強化、契約書のバージョン管理を効率化しミスや工数を削減

LegalForceは2月18日、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」において、契約業務における案件依頼の受付に対応する「案件管理」機能をアップデートし、案件詳細画面から最新の契約書を取り込める機能をリリースした。契約書のバージョン管理にかかる工数やミス、契約書のやり取りで発生しがちな行き違いなどによるトラブルを解消できるという。

LegalForceは、AIによる契約の「自動レビュー」機能をはじめ、条文検索、契約書ひな形・書式集などを提供するなど、契約業務の品質向上と効率化を実現可能なサービスとなっている。契約作成に関わるデータを蓄積できるため「ナレッジシェア」としても有効という。2019年4月に正式版を提供開始し、2021年12月現在1500社を超える企業・法律事務所が有償契約で利用している。

LegalForceの案件管理機能とは、各企業専用に発行されたメールアドレスを宛先に入れて契約書の作成・審査を依頼するメールを送ると、その内容が自動的にLegalForceに反映され、案件受付を行えるというもの。依頼された案件を一覧できるため、担当者や進捗状況などを一元管理できる。

また契約業務では、事業部と法務部、事業部と契約相手の間で契約書のやり取りが複数回発生するため、バージョン管理が煩雑となるという。今回のアップデートはこの課題を解決するもので、案件管理機能の案件詳細画面において、メールに添付されている契約書をワンクリックで取り込み、最新版としてバージョン管理を行えるようになった。

LegalForceは、大手法律事務所出身の弁護士2名が2017年に設立。独自のAI技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、企業法務の質の向上、効率化を実現するソフトウェアを開発・提供している。2021年1月には、AI契約管理システム「LegalForceキャビネ」正式版の提供を開始した。

【2月18日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はChrome OS Flex、2位はメールクライアントShortwave

【2月18日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はChrome OS Flex、2位はメールクライアントShortwave

掲載記事のうち、2月18日午前6時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:グーグル、PCやMacをChromebookに変える「Chrome OS Flex」を発表

Googleが2020年に買収したCloudReadyの上に構築されているChrome OS Flexは、既存のデバイスの寿命を延ばしたい企業や教育機関のユーザーをターゲットとしているが、USBドライブにアクセスできる人なら誰でも古いPC、あるいは低消費電力の新しいPCの寿命を伸ばすために使用することができる。そこには、明らかに持続可能性(サステナビリティ)という視点がある。

第2位:グーグルのInboxを復活させてSlackも混ぜたメールクライアント「Shortwave」

第3位:ツタンカーメンの鉄剣は隕石で作られていた―千葉工業大学がその製造法と起源を解析


千葉工業大学は2月14日、エジプト考古学博物館においてツタンカーメン王(紀元前1361年~1352年)の鉄剣の非破壊・非接触化学分析を行ったことを発表した。その結果、鉄剣の原料は隕石であり、低温鋳造で作られ、エジプト国外からもたらされたことが判明した。

第4位:暗号資産は「ねずみ講」に類似、禁止が「おそらく最も望ましい選択」:インド中銀

第5位:機械学習でイノシシの出没確率を予測、森林総研と岩手県立大学が岩手県におけるイノシシ出没ハザードマップを作成

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自治体にオンデマンド輸送のテックを提供するカナダのRideCoがソフトウェアの拡張へ約18億円調達

自治体にオンデマンド輸送のテックを提供しているカナダのRideCo(ライドコー)は、2000万カナダドル(約18億円)のシリーズAラウンドをクローズした。RideCoの共同創業者でCEOのPrem Gururajan(プレム・グルラジャン)氏によると、新たに調達したこの資金は製品のさらなる開発に充てられ、エンジニアリングチーム、顧客サービス、営業とマーケティングチームの大幅拡大にも使われる。

Via(ビア)を最大の競合相手とするRideCoは、ソフトウェア・アズ・ア・サービスのビジネスモデルを展開している。自前の車両と、Remix買収で獲得した輸送プラニングのテックを提供しているViaとは異なり、RideCoは輸送機関や運行オペレーターに基本的なソフトウェアとアプリを提供し、そうした機関やオペレーターがRideCoの最大の顧客である自治体にオンデマンドの輸送オプションを提供できるようにする。RideCoはまた、従業員の送迎をダイナミックに行う方法を探している企業にもサービスを提供している。

このソフトウェアは、バスやその他の車両のためにダイナミックルートを作成し、需要に応じて次のピックアップ場所とドロップ場所に向かわせる。サンアントニオ、ロサンゼルス、そして直近ではラスベガスといった都市が、こうした機能を利用して、ファーストマイルとラストマイルの輸送へのアクセス問題に取り組んでいる。これは、いまだに固定ルート輸送システムが中心となっているほとんどの都市に共通する問題だ。

「例えば、サンアントニオでは、人口密度が高いため交通の便が良い地域がある一方で、人口密度が低い地域も多く、そうしたところではファーストマイルとラストマイルへのアクセスに問題があります。そうした場合、固定ルート輸送はうまく機能しません」とグルラジャン氏はTechCrunchに語った。

ダイナミックシャトルやバスは、人々が乗車をオーダーする場所や降ろして欲しい場所に実際に行くことでそうした問題を解決し、都市にこれまでよりもモビリティを生み出すことができる。

「当社のサービスを利用している自治体では、ライトレールや高速バスレーンがあり、バスが満員になるような需要がある高頻度コリドーにつながる中・低密度地域でダイナミックトランジットを利用することができます」。

乗客はアプリで車両を確認でき、事前予約やリアルタイムでの乗車予約、あるいは出勤日の毎日午前9時といった定期的な乗車予約も可能だ。

Eclipse VenturesがリードしたRideCoのシリーズAは、創業以来7年間で初の機関投資家からの資金調達だ。グルラジャン氏によると、これはいくつかの要因のためで、まずRideCoは最初の数年間、中核となるテクノロジーの構築と、特定のユースケースを解決するためのベータ版顧客とのテストに注力していた。

RideCoは、製品を市場に投入する準備ができたとき、まだ製品と市場の適合性がないことに気がついた。

「市場に出てみると、この製品に興味を持つ顧客はいましたが、全体として市場はまだ準備ができていませんでした」と同氏は話した。「アプリ主導の交通機関であるものにはまだ不安があったようですが、2018年末ごろからすべてが変わり始めました。サンアントニオのような大都市との契約がいくつかあり、それらはコスト削減と住民のモビリティ向上の観点で大成功を収めました」。

それ以来、RideCoはカルガリーやヒューストンのような大都市からオンタリオ州コブールのような小さな町まで、米国とカナダのあちこちの都市に進出している。パンデミックで交通機関が、乗客の需要パターンの変化に柔軟に対応することや、近代的ですぐに反応するネットワークへの要望に応える新しい方法を考え始めたことも、RideCoの成長を加速させたとグルラジャン氏はいう。

この1年間で、RideCoの顧客数は2倍になったが、同社はその成長の基盤を明らかにしていない。

主要な競合相手であるViaが、オンデマンド輸送のプロバイダーというよりも、総合的な輸送技術プロバイダーとして提供するサービスを多様化させている中で、RideCoはオンデマンド輸送の提供を強化している。技術の類似性から2021年に互いに特許侵害訴訟を起こしたこの2社は同じ年に設立されたが、ViaはRideCoよりもはるかに多くの市場シェアを獲得している。

RideCoは、黎明期にあるこの業界で、まだシェアを切り開くことができるかもしれない。米国とカナダの交通機関の約16%がすでにオンデマンド交通を提供しており、この数値は他の共有モビリティの形態とともに増え続けると予想される。RideCoは、現在の勢いを維持する必要がある。

画像クレジット:RideCo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Spotifyがポッドキャスト測定、分析企業のPodsightsとChartableを買収

米国時間2月16日、Spotify(スポティファイ)はポッドキャスト関連の買収を新たに2件発表した。今回は2つともビジネスの測定と分析に関わるもので、ポッドキャスト測定サービスのPodsights(ポッドサイツ)と分析プラットフォームのChartable(チャータブル)を買収する。買収金額は公表していない。

Spotifyの説明によれば、ポッドキャストの広告主にとって測定と属性はまだ明らかになっていない最大の問題で、これをPodsightsの買収によって解決したいという。まずはPodsightsのテクノロジーを利用して、Spotifyの広告主がポッドキャストの広告による影響と行動をもっと正確に測定できるようにする。ただし将来的には、音楽の間に流れるオーディオ広告、ビデオ広告、ディスプレイ広告といった他の広告フォーマットにも測定ツールを広げたい考えだ。

Podsightsに勤務する40人のフルタイムの従業員は全員、1つのユニットとして統合されてSpotifyにジョインする。Spotifyによれば、現時点でこのチームを再編する予定はないという。

もう一方のChartableはMegaphone(メガフォン)に追加される。ラジオ放送局が番組をポッドキャストに変換できるようにするWhooshkaa(ウーシャカア)の買収に続くものだ。Chartableは聴取者に関するインサイトとプロモーションのツールであるSmartLinksとSmartPromosをMegaphoneと統合し、ポッドキャスターがリスナーベースを詳しく知ってビジネスを成長させることに貢献する。

ChartableがMegaphoneと完全に統合されたら、SpotifyはスタンドアローンのChartableプラットフォームを終了する。ただしそれまでは、新規と既存の両方のパブリッシャーと広告主が引き続きクライアントとしてChartableプラットフォームを利用できる。

ChartableはPodsightsより小規模で従業員は11人だが、Spotifyはこちらもすぐに何らかの変更をする予定はないとしている。

これらの独立した企業がSpotifyの社内に取り込まれることに対する懸念があるかもしれない。しかしSpotifyは、ポッドキャストのブランドや代理店といったクライアントからの信用を維持するために、今後しばらくはPodsightsのチームはSpotify社内の他のサービス機能からは独立して運営するとしている。

Spotifyの名前はここ数週間、独占契約で配信しているJoe Rogan(ジョー・ローガン)氏のポッドキャストが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の誤情報を拡散しているとしてメディアに取り上げられている。これが反発を生み、Neil Young(ニール・ヤング)氏など複数のアーティストが抗議としてSpotifyから自分の音楽を引き上げた。しかし今のところこのような批判は、ポッドキャストおよびポッドキャストのテクノロジーに投資するというSpotifyの全般的な計画には影響していない。同社は、ポッドキャストには長期的に見て売上を加速する可能性があると考えているからだ。

Spotifyのコンテンツ&広告ビジネス最高責任者であるDawn Ostroff(ドーン・オストロフ)氏は発表の中で次のように述べている。「我々はまだデジタルオーディオの初期段階にいて、この分野における広告の可能性は計り知れないほど大きいと考えています。ポッドキャストテクノロジーのプレイヤーであるPodsightsとChartableの買収は、我々がデジタルオーディオを次のレベルへと進めるための重要なステップで、広告主とパブリッシャーのそれぞれに大きな影響があることは明らかです」。

Spotifyは比較的小規模なテック企業を買収する際の金額をすぐには公表しない傾向があるが、後になってSEC提出書類でわかることはしばしばある。例えば、2021年6月にポッドキャスト発見企業のPodz, Inc.(ポッズインク)を4500万ユーロ(約58億8600万円)で買収したことを明らかにした。買収後にSpotifyのライブオーディオプラットフォームであるGreenroom(グリーンルーム)になったBetty Labs(ベティ・ラボ)の買収金額は5700万ユーロ(約74億5600万円)だった。Megaphoneはポッドキャスト関連の買収としては最大規模で、1億9500万ユーロ(約255億600万円)だった。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

スタテンアイランドFCのAmazonワーカーの組合投票は2022年3月の予定

計画どおりいけば、来月、2022年3月下旬にAmazonのスタテンアイランドFC(フルフィルメントセンター)の労働者が待望の組合投票を行なう。対面式の選挙は、アラバマ州ベッセマーにある同社の倉庫で行われている郵便による再投票の集大成と同じ3月25日から30日に予定されている。

元ニューヨーク市ニューヨーク区のJFK8倉庫の従業員で、現在はAmazon労働組合(Amazon Labor Union)の議長であるChristian Smalls(クリスチャン・スモールズ)氏が認めるのは、Amazonがこの投票に関して全国労働関係委員会(National Labor Relations Board、NLRB)と合意に達したことだ。同社はその経過をテキストメッセージで社員に確認し、1カ月以上前から「ノー」と投票することを勧めていた。

それは、今後確実にこのリテール大手の強力な反組合運動となるものの始まりだ。Amazonは2021年4月の投票に向けて攻撃的な戦術をとった。そして結局は、社内メールボックスや「ノーに投票しよう」の看板などが小売卸百貨店組合の異議不服を買うに十分となり、今回の再投票に至った。スタテンアイランドの投票は、JKF8の従業員独自の長期的活動の成果だ。

時間を無駄にするな‼

その巨大な倉庫では2020年に事態が過熱し、ニューヨーク市における新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの最初の波が高まっている間、エッセンシャルワーカーの労働条件に従業員たちが抗議した。当時アシスタントマネージャーだったスモールズ氏は、ストライキを率いた日に解雇された。同社は彼のことを、新型コロナウイルス感染症の安全規約に違反したと非難した。噂によると同社は、その直後にスモールズ反対キャンペーンを開始した。

10月にAmazon労働組合は、すでに同社のスタテンアイランドのすべての倉庫を含む投票を推していたが、署名が得られず撤回した。代わりに、今回の最新の投票は同区の最大のFCであるJFK8に集中する。12月にはシカゴのFCのワーカーたちが、倉庫の労働条件に対する反発の盛り上がりの一環として独自のストライキを主催した。

実質的に、この国の2つの異なる場所で大規模な投票が行われるようになったことが象徴的に示すものから、確かにAmazonは逃げられなかった。同社は長年組合の結成に抵抗し、長年の否定的な報道にもひるまず、FCの労働者は公正に扱われていると主張していた。2つの投票までの数週間は大量の激論が続くだろうが、特に激しいのは、リアルで行われるニューヨークの投票だろう。

TechCrunchはAmazonとAmazon労働組合とNLRBにコメントを求めている。

画像クレジット:ANGELA WEISS/AFP/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

NTTドコモ、AI活用医療サービスの提供に向け第二種医療機器製造販売業の許可を取得―国内移動体通信事業者で初

NTTドコモ、AI活用医療サービスの提供に向けて第二種医療機器製造販売業の許可を取得―国内移動体通信事業者で初

NTTドコモ(ドコモ)は2月16日、日本国内の移動体通信事業者で初めて「第二種医療機器製造販売業」の許可を取得(許可番号:13B2X10509)し、また「医療機器製造業」を登録(登録番号:13BZ201613)したと発表した。

今回ドコモは、医療機器のクラス分類のうち、クラスII(管理医療機器)の医療機器プログラムの製造販売が可能になる「第二種医療機器製造販売業」の許可を取得した。今後は、健康管理サービスやオンライン診療システムの提供だけではなく、病気の予防・診断・治療・予後管理などを目的として使用される医療機器プログラム、AI技術を活用した医療サービスを自社で設計・開発・製造・販売することが可能になる。

また、ヘルスケア領域からメディカル領域までスマートフォンの利用を軸にしたシームレスなサービス展開を行うことで、顧客がこれまで以上に医療を活用しやすく、病気の早期発見や治療を行える機会を増やせるようにする。医療機関などのパートナーと連携しながら、健康寿命の延伸や医療費の抑制などの社会課題の解決にも貢献するという。

これまでドコモは、位置情報や歩数、スマートフォンの利用時間帯などの生活習慣に関する情報や健康診断の結果などの利用に関して、事前に同意が得られたデータを基に、利用者の健康状態や病気の発症リスクを推定するAI技術の研究開発を進めてきた。また、個人ユーザ-向けの「dヘルスケア」、法人ユーザー向けの「dヘルスケア for Biz」「リボーンマジック」、自治体向けの「健康マイレージ」などの各種サービスを提供。生活習慣の改善や健康行動を促し、楽しく健康管理や健康増進を行うための取り組みを展開している。

また、オンライン診療・服薬指導アプリ「CLINICS」のメドレーとの共同運営を2021年12月から開始し、顧客の医療活用を支援する取り組みも推進しているという。

ツイッター、DMの会話を最大6件まで受信箱トップに固定できる機能を提供開始

Twitter(ツイッター)は、ここ1年で行っている津波のような製品アップデートの中で、ダイレクトメッセージ(DM)インターフェースを徐々に強化している。同社は米国時間2月17日、ユーザーが6つの会話をDM受信箱のトップに固定(ピン留め)し、簡単にアクセスできる機能をロールアウトしていると発表した。この機能は、iOSとAndroidのモバイルアプリ、ウェブ版で利用できるようになる。

2021年、TwitterはDMに待望の変更をいくつか加えた。個別の会話の中で、一度に複数の人にツイートをDMすることができる機能もその1つだった。また、個々のメッセージに日付と時間のタイムスタンプを付けるかわりに「タイムスタンプのクラッターを減らす」ために、メッセージを日ごとにグループ化するようになった。

今後数カ月の間に、Twitterがさらに新しいDM機能を発表してもショッキングではない。Twitterは2021年の最後の数カ月間に、2つのメッセージング企業を買収した。ロンドンを拠点とするグループチャットアプリSphere(スフィア)と、Slack(スラック)のライバルとなるはずだったQuill(クイル)だ。SphereとQuillの従業員はTwitterに吸収され、Quillの元スタッフはメッセージングに特化した仕事をするとされていた。Quillの創業者であるLudwig Pettersson(ルートヴィヒ・ペッターソン)氏は、Stripe(ストライプ)の元クリエイティブディレクターでもあり、Conversations(会話)チームのプロジェクトマネージャーとしてTwitterに参加した。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

タブレット洗剤のBlueland、使い捨てプラスチック削減促進へ約23億円調達

あなたが家で使っている掃除用洗剤の99%は水だ。そう、家の蛇口から出てくるのと同じものだ。水を運ぶなら自治体の水道システムの方が良いだろうという過激な発想で、Blueland(ブルーランド)は、使い捨てプラスチックを減らし、工場から小売店へ、そして小売店から自宅へと水を輸送する愚かさに歯止めをかけるべく、成功したタブレット型掃除用製品のライン拡大のため、2000万ドル(約23億円)を調達した。

2019年に立ち上げられたこのブランドは、さまざまな掃除用洗剤の市場にタブレット(錠剤)という形態を初めて持ち込んだ。同社の製品は、使い捨てプラスチックを永遠に排除することを約束する。創業以来40件の特許(および出願中の特許)を積み上げ、急速な成長を続けるために品揃えを増やしている。同社は2021年1年間で400%以上成長し、顧客生涯価値(LTV)が80%増加した。これは主に、製品ラインの拡大によるものだ。

今回の2000万ドルの資金調達は、消費者ブランドに特化したベンチャーキャピタルPrelude Growth Partnersがリードした。Bluelandはこれまでに、Justin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)氏、Adrian Grenier(エイドリアン・グレニアー)氏、Rent the RunwayのJennifer Fleiss (ジェニファー・フライス)氏、SweetgreenのNicolas Jammet(ニコラス・ジャメット)氏、Thrive MarketのNick Green(ニック・グリーン)氏など、業界関係者や著名人から3500万ドル(約39億円)を調達した。

「事業を始めた頃を振り返ると、共同創業者のジョンと私は、使い捨てのプラスチックパッケージをなくすというミッションに取り組んでいました。実は、それは決して掃除用洗剤に関するものではありませんでした。私たちは、自分たちが始められる可能性のあるカテゴリーや形態を幅広く検討しました。当時は懐疑的な意見が多かったですね」とBluelandの共同創業者でCEOのSarah Paiji Yoo(サラ・パイジ・ユー)は笑う。「20人くらいの投資家に、誰もエコに関心なんてない、人々が地球のために行動を変えることはない、と言われ続けた気がします」。

同社はエコを声高にアピールしている。Bコーポレーション(環境や社会に配慮した事業を行う会社)として認定され、クライメート・ニュートラル認証も受けた。1000万個以上の製品を出荷し、顧客ベースを100万人以上に拡大した企業としては、驚くべき偉業だ。その過程で、すでに10億本のペットボトルが埋め立てられるのを防いだと同社は見積もっている。

「Bluelandの高性能な製品と使い捨てプラスチックの廃止という使命は、掃除用品のカテゴリーで消費者の比類ない支持を得る結果となりました。同社は、この分野で最も急成長しているブランドの1つで、並外れた需要と極めて強いロイヤリティを有しています」とPrelude Growth Partnersの共同創業者でマネージング・パートナーのAlicia Sontag(アリシア・ソンタグ)氏は話す。「サラとジョンがBluelandを象徴的で強力なブランドへと成長させるために協力できることをうれしく思います」。

Bluelandの共同創業者サラ・パイジ・ユー氏とジョン・マスカリ氏(画像クレジット:Blueland)

ここに至るまでに、同社は技術面で大きな投資をしなければならなかった。一般的なCPG(消費者向けパッケージ商品)メーカーは製造委託先を利用し、配合も委託者任せになる。Bluelandは別の道を歩まなければならなかった。自社の仕様に合う製造委託先を見つけることができなかったからだ。

「当初、すべてを自分たちで配合しようと思っていたわけではありませんでしたが、受託製造業者を利用できるほどの余裕はありませんでした。洗浄スプレーの90%は水であることを知り、従来のやり方では意味がないと判断しました。十数社の洗剤メーカーを回りましたが、どこも私たちに頭が3つあるような、バカにしたような目で見ていました」とユー氏は振り返る。「彼らは、タブレットを作る機械を持たず、ほとんどの原料を液体で仕入れるため、私たちが必要とするものを作ることができなかったのです。それがきっかけで、奔走することになりました。製菓メーカーからビタミン剤メーカーまで、あらゆるメーカーと連絡を取り合いました。乾燥した形態で製造するメーカーなら私たちを助けてくれるのではないかと考えたのです。分かったことは、自分たちの手で製品を作らなければならないということでした。共同創業者も私も化学者ではありませんが、世界最大のナチュラルクリーニングブランドの1つであるMethod(メソッド)の配合担当ディレクターを招聘することができました。私たちは、ハンドソープからスプレー式クリーナー、洗濯用洗剤、食器用洗剤まで、さまざまな洗剤にタブレット型をいち早く市場に導入したのです。その結果、すべての製品で使い捨てのプラスチックを使用しない洗剤のトップブランドとなることができました」。

画像クレジット:Blueland

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

Snapchat、2月23日から待望のユーザー名変更が可能に

Snapchat(スナップチャット)のユーザーは、2月下旬からユーザー名を変更できるようになる。Snap(スナップ)が米国時間2月17日に発表した。ユーザー名の変更は、友人リスト、Snapコード、Snapスコア、メモリーなど、ユーザーのアカウントには影響しない。同社によると、全世界のiOSとAndroidのユーザーは2月23日からユーザー名を変更できるようになる。

過去に使用したことのあるユーザー名を選択することはできない、としている。また、ユーザーがユーザー名変更を決定すると、アプリはユーザー名を1年に1回しか変更できないと注意喚起する。

Snapchatのユーザー名を変更する方法

ユーザー名を変更するには、カメラの左上にあるBitmojiアイコンをタップして、プロフィールセクションに移動する。そこから、右上の歯車アイコンをタップして設定を選択。「ユーザー名」をタップすると、青くマークされた「ユーザー名を変更する」ボタンが表示される。新しいユーザー名を入力し「次へ」をタップして変更を確定する。

画像クレジット:Snap

Snapによると、ユーザー名の変更は最も要望の多かった機能の1つだという。エフェメラリティ(短命性)を中心に構築されたアプリとして、人々が成長し、変化し、ハンドルネームを変更したいと思うかもしれないことを認識している、と同社は話す。この機能は待望のものだが、その導入は必ずしもサプライズではない。2021年10月、リバースアプリエンジニアのAlessandro Paluzzi(アレッサンドロ・パルッツィ)氏がこの機能を初めて発見し、Snapがユーザーによるユーザー名変更に取り組んでいることを明らかにした。

2月17日の発表は、Snapchatがいくつかの新機能をリリースしている中でのものだ。同社は2月16日、Ticketmaster(チケットマスター)と提携し、ユーザーがSnap Map内でライブのエンターテインメントイベントを発見する新しい方法を導入することを発表した。アプリで利用できる新しい「Ticketmatcher Mini」は、ユーザーの好みに基づいて、ユーザーが興味を持ちそうなイベントをマッチングしてくれる。

Snapchatは数日前、Snap Star向けにSnapchatストーリーの途中にミッドロール広告を導入する予定であることを明らかにした。SnapchatはSnap Starを最大のクリエイターと呼んでおり、Snap Starのステータスを獲得するには申請する必要がある。Snapchatの広報担当者はTechCrunchに、この機能はすでに米国を拠点とするごく一部のクリエイター向けに非常に初期のベータ版で提供されていて、今後数カ月でSnap Starsにより広く展開する予定だと語った。これらの広告は、ストーリー内のミッドロール広告として表示され、クリエイターは広告収入の一部を得る。その支払いは、投稿頻度や視聴者のエンゲージメントなどの要素を加味した支払い方式で決定される。

画像クレジット:Snap

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

サイバー攻撃の被害に遭った赤十字、「国家が支援」するハッカーが未パッチの脆弱性を悪用したと発表

先日、赤十字国際委員会(ICRC)がサイバー攻撃の被害に遭い、51万5000人以上の「非常に弱い立場にある」人々のデータが流出したが、これは国家が支援するハッカーの仕業だった可能性が高いようだ。

ICRCはスイス時間2月16日に公開した最新情報の中で、ハッカーによる最初の侵入は、1月18日に攻撃が明らかになる2カ月前の2021年11月9日にさかのぼることを確認、分析の結果、侵入はICRCのシステムに対する「高度に洗練された」標的型攻撃であり、ICRCが当初の発表で述べたような業務契約している外部企業のシステムに対する攻撃ではないことがわかったと付け加えた。

ICRCは「攻撃者がICRCに関わるサーバー上のみで実行することを目的としたコードを作成していたことから、今回の攻撃がICRCを標的としたものであることがわかった」と述べている。今回更新された情報によると、攻撃者が使用したマルウェアは、ICRCのインフラストラクチャ内の特定のサーバーを標的として設計されたものだったという。

ハッカーは、ウェブベースのオフィスサービスを手がけるZoho(ゾーホー)が開発したシングルサインオンツールに存在する、既知でありながらパッチが適用されていない危険度の高い脆弱性を悪用して、ICRCのネットワークにアクセスする手段を得た。この脆弱性は、9月に米国のCISA(サイバーセキュリティ・インフラストラクチャ・セキュリティ庁)から警告を受けており、CVSS(共通脆弱性評価システム)の深刻度スコアは10点満点中9.8点となっている。

ICRCによると、不明な国家支援ハッカーはこの欠陥を悪用し、ウェブシェルを設置して、管理者資格の侵害、ネットワーク内の移動、レジストリファイルやドメインファイルの流出などの侵入後活動を行ったという。

「ネットワークに侵入したハッカーは、攻撃的なセキュリティツールを展開して、正当なユーザーや管理者に偽装することが可能になりました。これにより、データが暗号化されているにもかかわらず、データにアクセスすることができたのです」と、ICRCは述べている。赤十字は、今回の攻撃で盗まれたデータが公開されたり取引されたりしているという決定的な証拠はなく、身代金の要求もなかったと付け加えているが、個人情報が流出した可能性のある人々には連絡を取っていると述べている。

ICRCによると、標的とされたサーバー上のマルウェア対策ツールは攻撃を受けた時に有効であり、攻撃者が使用した悪意のあるファイルの一部をブロックしていたものの、展開されたファイルのほとんどは、マルウェア対策防御を「回避するために特別に作られた」ものであったとのこと。

このようなツールは、通常、APT(Advanced Persistent Threat、高度持続的標的型攻撃)グループや、あるいは国家が支援する攻撃者が使用するものであるとICRCは指摘しているが、赤十字社は、今回の攻撃が特定の組織によるものであると、まだ正式に判断したわけではないと述べている。Palo Alto Networks(パロアルト・ネットワークス)が2021年11月に発表したレポートでは、APT27と呼ばれる中国の国家支援グループに、同じ脆弱性を悪用した関連性が見られると述べている。

今回のサイバー攻撃の結果、赤十字社は、紛争や災害で離ればなれになった家族の再会などの重要な業務を遂行するために、スプレッドシートの使用に頼らなければならなくなったと述べている。

「弱い立場にある人々のデータに対するこの攻撃が、変化を促す要因となることを、私たちは願っています」と、ICRCのRobert Mardini(ロバート・マルディーニ)事務局長は、声明の中で述べている。「赤十字・赤新月運動の人道的使命に対する保護が、データ資産やインフラにまで及ぶことを明確に求めるために、今後は国家および非国家主体との関わりを強化していきます」。

「人道的データは決して攻撃されてはならないという確固たるコンセンサスを、言葉と行動で得ることが重要であると、私たちは信じています」。

画像クレジット:Fabrice Coffrini / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

サムスンがMWCに合わせオンラインイベントを日本時間2月28日午前3時に開催、Galaxy新フォルダブル?

サムスンがMWCに合わせオンラインイベントを日本時間2月28日午前3時に開催、Galaxy新フォルダブル?韓国サムスン電子は、日本時間2月28日にバーチャルイベント「Samsung Galaxy Mobile World Congress (MWC) Event」を開催します。イベントの模様は中央ヨーロッパ時間の午後7時(日本時間2月28日3時)より、サムスン公式サイトとYouTubeにてライブ配信されます。

サムスンは2018年まで、スペインバロセロナで開催されるMWCにて新型スマートフォンを発表してきました。しかしその後、同社の主力スマートフォンの発表は、独自イベント「Galaxy Unpacked」によるものが基本となっています。

一方でMWCは、昨年は新型コロナウイルスのパンデミックにより開催スケジュールが変更されましたが、今年は例年どおり2月に開催されます。

現時点では、サムスンはイベントでの発表内容を明かしていません。ただし同社は今月開催されたUnpackedにて、高級スマートフォン「Galaxy S22シリーズ」やタブレットの「Galaxy Tab S8シリーズ」を発表していることから、その他のスマートウォッチやワイヤレスイヤホンなどが発表される可能性があります。

一方で今回のイベントイラスト下部には、縦折り/横折りスマートフォンやスタイラス「Sペン」が描かれています。このことから、次期折りたたみスマートフォン「次期Galaxy Z Flip」「次期Galaxy Z Fold」が発表されることも予測されます。

Galaxy S22 Ultra」では「Galaxy Noteシリーズ」のシンボルだったSペンを本体に内蔵するなど、進化を続けるサムスンのスマートフォン。今後も、魅力的なプロダクトの登場に期待したいものです。

(Source:SamsungEngadget日本版より転載)

アマゾン、VISAカード決済の継続にグローバルで合意

米Amazon(アマゾン)とVISA(ビザ)が、英国などでの決済手数料をめぐる対立を解決したとReutersが報じた。Amazonの広報担当者は「VISAとグローバルな合意に達し、すべての顧客がAmazonでの買い物でVISAのカード決済が継続利用できるようになった」とReutersに述べた。

Amazonは、クレジットカード取引にかかる手数料が高いことを不服として、1月19日から英国でのVISAの取り扱いを停止すると脅し圧力をかけていた。EUではカード発行会社の手数料に上限が設けられているため、欧州の他の地域には影響がなかったが、ブレグジット後の英国でMastercardとVISAの両カード発行会社が手数料をつり上げたのだ。英国の規制当局は最近、これらの値上げを調査すると発表した。

決済市場におけるVISAの優位性を考えると、Amazonがその脅しを実行に移すことはないと思われた。案の定、期限の少し前に、Amazonは結局VISAカードの受け入れを継続すると発表し「VISAと緊密に協力して可能な解決策を検討している」と述べていた。

Amazonは、他の地域ではVISAカードの使用を禁止したり、取り扱い停止の圧力をかけたりはしていなかったが、オーストラリアとシンガポールでVISAを使用する顧客には「サーチャージ」として追加の取引手数料を請求していた。この手数料は現在取り消されており、VISAとAmazonはこの問題をすべて解決したようだ。VISAの広報担当者は、声明で次のように述べている。「今回の合意には、今日(米国時間2月17日)からAmazonのすべてのサイト・ストアでVISAが継続利用できるようになることに加え、新製品や新技術への取り組みについて共同で取り組むコミットメントが含まれています」。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Steve Dent(スティーブ・デント)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Matt Cardy / Getty Images

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(文:Steve Dent、翻訳:Aya Nakazato)

Z世代向け音楽療法アプリのSpokeがAda Ventures主導で約1.7億円のラウンドを獲得

Spokeのチーム(画像クレジット:Spoke)

CalmやEndelといったアプリは「機能的な音」として知られるようになりつつある新しい世界を模索している。Calm(カーム)や各社が瞑想や睡眠の領域でそれを行っている一方、750万ドル(約8億6400万円)を調達したEndel(エンデル)は、仕事やその他の活動を強化するための「機能的な音」を作り出している。そして今、新しいスタートアップが「機能的音楽」と呼ぶものを立ち上げようとしており、その次の段階を後押しする機関投資家の支援を獲得している。

Spoke(スポーク)は「マインドフルネス効果」と称する音楽を生成する新しいアプリである。このアプリは、現代音楽アーティストや科学的アドバイザーとの18カ月にわたる研究開発に基づいており(臨床試験も予定されている)、主に「中高年向け」のマインドフルネスアプリやムーブメントを敬遠しがちなZ世代、もしくは25歳以下の年齢層を対象とした、マインドフルネスの要素と音楽を組み合わせたものだ。

このたび、英国を拠点とするAda Ventures(エイダ・ベンチャーズ)が110万ポンド(約1億7200万円)のプレシード投資を行い、英国の著名なエンジェル投資家が多数参加している。

AIを使って音を生成するEndelとは異なり、Spokeは臨床心理学者、セラピスト、神経科学者のチームによって訓練されたアーティストを採用し、ユーザーが望む精神状態になるように音楽を制作しており、同社は、これには治療行為と同じ効果があると主張している。

「Spokeは、音楽文化とメンタルヘルスという一見相反する世界を結びつけるものです」と、Spokeの創設者で共同CEOのAriana Alexander-Sefre(アリアナ・アレクサンダー=セフレ)氏は声明で述べている。「音楽業界は、リスナーやアーティストのメンタルヘルスにすばらしい役割を果たすことができ、根本的に変わる必要があると私たちは考えています。メンタルヘルスのアプリはたくさんありますが、十分なサービスを受けられていない世代がいます。これは私たちの第一歩です。私たちの使命は、音楽がいかにパワフルであるか、そして業界がいかに進化しなければならないかを示すことです」と語る。

Spokeによると、現在Jordy(ジョーディ)、VIC、Jamilah Barry(ジャミラ・バリー)を含む25以上のアーティストと協力しているとのことだ。おわかりかもしれないが、これらのアーティストは、瞑想アプリのような快適な世界とはかけ離れた存在であることが多い。

アレクサンダー=セフレ氏は、自ら命を絶った若者を知って、このアプリに取り組む気になったのだという。「私はこのことをとても身近に体験してきました。私が知っている最年少の若者はわずか15歳で、このことは当然、その子の身近な人たちに人生を変えるような影響を与えます」と語る。

彼女は私にこう言った。「私の最初のビジネスは、ライブ音楽とウェルビーイング体験を融合させたイベント会社でした。私は、ウェルビーイングの空間では、同じ人しか見かけないことに気づいたのです。通常、年配の女性、中流階級の女性です。ところが2017年、私の弟の親友が自ら命を絶ちました。そして、翌年中に友人の兄弟2人も命を絶ちました」。

「起こったことを本当に代謝するのに1年ぐらいかかりました。明らかに、起こったことは受け入れがたいことです。でも、それ以上に胸が痛むのは、弟とその友人たちが、学校のセラピーやカウンセリングを拒否していることだと思います。私は当時、福祉関係の仕事をしていましたが、何百万人もの人々が使っているこれらのツールのどれもが、この若者たちに文化的にフィットしていないことがわかったのです。そして、イギリスとアメリカでは、自殺者の80%が男性であり、静かな流行が起きていることを知りました。また、マインドフルネスの分野を大衆化させたと思われるCalmやHeadspaceは、25歳以上の女性に多く利用されていることもわかりました」と語る。

彼女は何千時間にも及ぶリサーチを行い「若者はヨガの先生や専門家のお坊さんのような人の話を聞くことには興味がない」けれど、ミュージシャンのような文化的リーダーには興味があることがわかった。「私が話をしたほぼすべての若者にとって、ミュージシャンが最も影響力があることがわかりました。音楽産業がウェルネスの世界にまったく入ってきていないのは、とても皮肉なことだと思いました。実際、ミュージシャンというのは、精神衛生上、最も悪い状態にある人たちです。レーベルは彼らの面倒を見てくれないのです。そこで、マインドフルネスの新しい文化として、この科学的なインパクトが証明されたマインドフルネスと、セラピー的なガイダンスを組み合わせるというアイデアを思いついたのです。Spokeは、現在のマインドフルネス・アプリの実用性と、音楽アプリのエンターテインメント性を融合させ、パーソナライズされた体験を提供するものです」と語る。

Ada Venturesの創業パートナーであるCheck Warner(チェック・ワーナー)氏は「Spokeは、若い男性のためのメンタルヘルス・セラピーという、重要かつ完全に未開拓の市場に取り組んでいます。若者、特に若い男性が精神的な問題と戦っているという日々のニュースはとても悲しく、Spokeが取り組んでいる問題の大きさと重要性を常に思い起こさせてくれます。Spokeのユニークな製品は、音楽やラップを神経科学と組み合わせることで、不安や鬱を軽減する効果のある瞑想の製品を作り出しています」と語る。

アレクサンダー=セフレ氏の共同創業者兼共同CEOは、かつてアプリ出版社Zolmo(ゾルモ)を設立した連続起業家、Michael Maher(マイケル・メア)氏だ。

Spokeのクリエイティブ・チームには、リード・アーティストのLemzi(レムジー)とエグゼクティブ・プロデューサーのDaniel Miles(ダニエル・マイルズ)氏がいる。Lemziは、イースト・ロンドンを拠点とするラップ/ヒップホップ・アーティストだ。マイルズ氏は、Ivor Novello(アイヴァー・ノヴェロ)にノミネートされたプロデューサーで、以前はSony Music(ソニー・ミュージック)と契約していた。

Ada Venturesの他、プレシードラウンドには、Bethnal Green Ventures(ベスナル・グリーン・ベンチャーズ)とエンジェル投資家のNikhil Shah(ニヒル・シャー)氏(Mixcloud共同創業者)、Marla Shapiro(マーラ・シャピロ)氏(HERmesa創業者)、Toby Moore(トビー・ムーア)氏(Space Ape Games共同創業者)、Ascension Ventures(アセンション・ベンチャーズ)のCFOのEmma Blackburn(エマ・ブラックバーン)氏、スーパーエンジェルのEd Zimmerman(エド・ジマーマン)氏らが参加している。Metail(メテイル)の創業者であるTom Adeyoola(トム・アデユーラ)氏も投資しており、現在はSpokeの会長を務めている。

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(文:Mike Butcher、翻訳:Akihito Mizukoshi)

社会的弱者の創業者やフィンテックに投資、決済インフラ企業Strongholdがベンチャーキャピタル部門を起ち上げ

決済インフラ企業のStronghold(ストロングホールド)がベンチャーキャピタル部門を起ち上げ、バランスシートの資産のうち1億ドル(約115億円)を、3つのコア戦略である「社会的弱者の創業者」「フィンテック(金融テクノロジー)」「Web3」に関連するスタートアップやファンドに投資すると、同社のTammy Camp(タミー・キャンプ)CEOは、TechCrunchによるインタビューで語った。

Strongholdは、同社のウェブサイトによると、組み込み型の決済や清算・返済など、フィンテックやブロックチェーンのAPIおよびサービスを提供している企業だ。2017年に設立されたこのスタートアップは、IBMと提携して、ブロックチェーンをベースにした即時決済処理用のステーブルコインを発行した。同社は、2017年のシードラウンドを通じて、これまでに330万ドル(約3億8000万円)の資金を調達している。この時のラウンドはFreestyle Capital(フリースタイル・キャピタル)のDave Samuel(デイヴ・サミュエル)氏が主導し、ベンチャーやフィンテックのエンジェル投資家が多数参加した。

Stronghold Capital(ストロングホールド・キャピタル)と呼ばれるこの新しいVC部門は、すでにSam Bankman-Fried(サム・バンクマン・フリード)氏が設立したAlameda Research(アラメダ・リサーチ)などの企業や、Precursor Ventures(プリカーサー・ベンチャーズ)やBackstage Capital(バックステージ・キャピタル)などのファンドに投資しているが、これらはいずれも社会的弱者の創業者を支援してきた実績がある。Stronghold Capitalは、ブロックチェーンベースの機関投資家向け資金調達プラットフォームであるMaple Finance(メイプル・ファイナンス)のDeFi(分散型金融)シンジケートローンを通じて、Alameda Researchへの投資を行ったという。

このファンドは、Strongholdの事業ラインと「双方向の価値」を提供できる企業への投資を探している、とキャンプ氏はいう。また、ファンドマネージャーに直接投資することで、Strongholdは同社が支援したいと考える企業のソーシングパイプラインにアクセスできるようになるとも述べている。

キャンプ氏によれば、Stronghold Capitalが現在行っている投資の75%は、社会的弱者や見過ごされている創業者への投資であるという。このベンチャーファンドは、2022年中にチームの構築を計画しており、3つの重点分野のそれぞれに精通した投資家を採用するつもりであると、同氏は付け加えた。

Strongholdは、2018年にSHxと呼ばれる独自の暗号資産(暗号資産)を発行し、現在はKuCoin(クーコイン)などの暗号資産取引所で取り扱われている。同社によると、時価総額は15億ドル(約1720億円)を超えているとのこと。Strongholdの決済レールを使っている企業は、SHxで利益を得て、手数料の相殺に利用することができる。また、企業はこのトークンを使って、他の事業者にDeFiローンを提供したり、社内のガバナンス・プロセスを管理したりすることができると、キャンプ氏は述べている。

企業の間でこのトークンの人気が高まったことは、2021年におけるStrongholdの成長を牽引した。同社によると、2021年のビジネスは「ほとんどの指標で5倍」に成長したという。この牽引力が、Strongholdの幹部が長い間検討していたファンドの起ち上げを促したと、キャンプ氏は述べている。

「決済や金融サービスは大きな分野であり、多くのプレイヤーがそのミッションを遂行することができます。なぜなら、最近では非常に多くの決済レールがあるからです」と、キャンプ氏はいう。「他の企業やファンドマネージャーとパートナーシップを組んで、そのビジョンを実現できることは、私たちにとって非常にエキサイティングなことです」。

画像クレジット:Stronghold

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(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Hirokazu Kusakabe)